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1949/04/23 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 大蔵委員会 第17号
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1949/04/23 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 大蔵委員会 第17号

#1
第005回国会 大蔵委員会 第17号
昭和二十四年四月二十三日(土曜日)
   午前十時三十二分開会
  ―――――――――――――
○酒税法等の一部を改正する法律案
 (内閣送付)
○米國対日援助見返資金特別会計法案
 (内閣提出、衆議院送付)
○連合委員会開会の件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(櫻内辰郎君) これより会議を開きます。
 本日の議題は酒税法等の一部を改正する法律案の御審議を願いたいと存じます。御質疑がありましたら御質疑を願いたいと思います。
#3
○黒田英雄君 この所得税とかその他の税法については政府において近く改正の研究をされるということでありますが、この際類税法ということについても相当御研究があると思いますが、ただこの場合取引高物品税等についていろいろ軽減或いは免除等について陳情等が沢山出て來ておるようでありますが、それらをここに採用されなかつた理由、又採用されたものについての、採用されたと申しますか、今度改正されましたことについての理由を御説明願いたいと思います。
#4
○政府委員(山本菊一郎君) それではお答え申上げます。御承知のように物品税につきましては、相当殆んど、極端に申上げますと、大部分の品目についてその引上げをして呉れという要求がありまして、私共といたしましては、一々檢討をいたしておる次第でございます。又この委員会におかれましても、陳情、請願等の形式においていろいろ御審議を頂きまして、私共の方からも御説明申上げたような次第でございます。もともと物品税と申しますものは、日華事変当時から始まりましたものでございまして、いわゆる戰時税的の色彩を相当持つておると申上げてよろしいかと思うのでございます。全体といたしまして、税收確保の必要上相当廣範囲のものに対しまして、二割乃至十割の課税をいたしておるのでございますが、全体としての感じから率直に申上げますと、相当今の時代においては物品税の負担が全面的につらくなつて來ておる。と申しますのは、物價も段々安定して参つておりますし、物の出廻りも相当豊富になつておりますので、物品税全体として相当負担が苦しくなつておるということは事実であるように存ずるのでございます。從いまして、物品税はでき得ることならば、極力引下げをしたいということを私共といたしましてはひとしく考えておるところでございますけれども、ただ財政事情がこれを許しませんので、尚物品税を存続して置くというのが率直な事情でございます。で一應存続するといたしますれば、從來の税率で品物別の権衡ということは大体取れて参つておるのでございまして、昨年の七月本当引下げ、切替えをいたしましたあとの状態は大体釣合いが取れておるとこう存じておるのでございます。尚今般二、三の品目につきまして切替えをいたしましたものについて御説明を申上げますと、特に日用品、その他生活に関係多いもので、少し只今の課税の自主性から見まして下げたが適当であるというものだけを特に拾い上げました次第でございまして、ここに税法に載つております、或いは要綱で御覽頂いた方がよろしいかと思いますが、カバン、トランク、運動具、乳母車類等に対して只今は百分の五十の課税をいたしておるのでございますが、それを三十まで引下げまして、こういうふうな或る程度日常生活に関係の深いものには税率の調整をして、物品税全体としての品目間の権衡を保ちたいという趣旨において、引下げをいたしたのであります。尚そういうことをいたしますと、物品税の税收に穴が開く次第でございまして、外に乘用小型自動車、つまりダットサンでございますとか、最近はやつておりますスクーターでございますとか、あれに対しては只今課税はございませんけれども、相当担税力があると認めまして、二割程度の課税をするようにいたしました。從いまして、今度は税收確保の意味もございまして、日用品的なもので生活に非常に関係の深いものを、特に引下げる必要の迫つているというものを引下げまして、他面乘用小型自動車にも課税いたしまして、大体税收としてはとんとんのところで組替をいたしたということでございます。尚今後物品税全体としましては、いろいろと御要望もあることでございますが、十分研究をいたしまして、將來税制改正等の場合には、又適当の措置を講じなくちやならないと思つておりますけれども、只今のところでは一應今度の組替で、全体の品目間の権衡は取れるのではないか、物品税全体として根本問題はいつまでも残つて参ると思いますが、一應の権衡だけは取れるのではないかと、こう存ずるのでございます。尚只今まで緑茶に対しましては、從價課税でございまして、一貫目三百五十円の免税点を置きまして、それを超えるお茶に対しましては、すべて二割の課税を行なつておつたわけでございます。ところが課税の実際から申しますと、お茶というものの値段を税務署が判定するということはなかなか困難でもございまするし、又三百五十円の免税点というものが、なかなか免税点を超えるか、それ以下であるかという判断がむずかしい次第でございまして、税務署と納税者との間にごたごたが超ると、又納税者の相互間においても得したもの、損したものというふうな、いざこざが起るというふうなことになりまして、課税技術上非常にお茶を從價税にいたしますことが困難なように認められますので、一般からの御要望もございまして、今般從量課税に組替えたわけでございます。從いまして從量課税でございますから、一貫目五十円という一律の税率によつて課税をいたすことに相成るのでございまして、一切の緑茶に対しまして、五十円という税率で課税をすることに相成りました。そうしますと、相当惡いお茶にも課税になるという関係もございますので、税率は五十円という安い税率にいたしまして、税收の見積りとしては、約一億円弱減少するということで、止むを得ないと、こう考えていたしたような次第でございます。大体物品税の関係はさような意味の組替をした次第であります。
#5
○油井賢太郎君 これは或いはおいでになつておる係の方で、お分りにならなかつたら、後からどなたかからお答え願いたいと思いますが、砂糖消費税は、輸入するものには消費税を課さないように変更になつたようでしたが、これはどういうわけでこのような措置を取られたのですか、又非常に輸入が減つておりますので、昨年度から見ると大幅に軽減された理由についても併せて説明を求めます。
#6
○政府委員(山本菊一郎君) 御説明申上げます。砂糖の消費税につきましては、御承知のように数回考え方を変えたわけでございまして、昨年の暮、輸入砂糖に対して一應課税をするという建前にいたしたのでございますが、今度爲替レートが引上げになりまして、只今までは百六十円見当の爲替レートであつたかと思うのでございますが、今度輸入レートが引上げになりまして、又輸入の補助金というものの支出が認められなくなつたという関係で、砂糖が今のまま課税して参りますと、相当上つて参りますわけであります。ところがこの砂糖の値段が上るということは、第一にパリテイ指数に響いて参りますのが第一と、又これが主食代替ではございませんけれども、一應カロリー計算に入つております関係、又輸入される砂糖でありまして連合國の厚意によるものであるというふうな事情がございまして、一般の國内産の一部の砂糖と区別して、輸入砂糖に対しては課税しないがよかろうということに相成つたわけでございまして、これには関係方面の意向が相当入つておる次第でございます。從いまして今度こういう措置を取りまして、免除をいたしますれば、砂糖の値段は、これはプール計算をいたす関係上、まだはつきり数字は出ておりませんが、大体は一斤十円くらいは下るのじやないか、こう存じております。
#7
○油井賢太郎君 砂糖の今度の配給が大幅に減るようですが、減つた場合に税收においては、どのくらいの相違があるわけですか。
#8
○政府委員(山本菊一郎君) 砂糖の配給の事情を私詳しくは存じませんが、今度の砂糖消費税は約五億を見積つておるに過ぎません。と申しますのは、これは全部國内産の砂糖だけの消費税を見積つておつて、輸入砂糖についてはこの法案の趣旨に則りまして、免税ということに歳入見積りをいたしておるような次第でございます。
#9
○油井賢太郎君 そこで砂糖の輸入が大変数量が減つておるのですが、その身代りとして当然ズルチン、サッカリンが代替品として國民に消費されることは当然であると思います。ところが、このズルチン、サッカリンはもう当局においても十分請願、陳情等でお分りになつておるでしようが、非常な高率な物品税をかけておられる。そのために闇流しのものが多くて、結局なともな商品が出廻つておらん、國民の健康上にも非常な害があるということを言われておる。これについて今度の法案にズルチン、サッカリンの物品税を訂正することをなぜお考えにならなかつたか。私には不思議に考えられるのですが、そのいきさつを御説明願います。
#10
○政府委員(山本菊一郎君) ズルチン、サッカリンにつきましては、戰時中以來、ずつとマル公が付けられておりまして、その後マル公が廃止になつたのでございますが、いろいろ砂糖が出廻つた等の関係もございまして、生産者のコストに税金を加えた價格として、從來の價格が相当無理であるということに相成りまして、昨年の暮、議会の御協賛を経まして、一万二千円の税率を六千円に下げて現在に至つておるのでございます。ところでこれにつきましては、只今御示しのように、いろいろ御議論がございますが、これを要しまするに、一体コストがどれくらいであるかということと、最終の販賣價格が一体どの程度であるかということと、闇に流れておるサッカリン、ズルチンの実態がどうであるかというふうな点に問題があるかと思うのでございます。闇の價格につきましては、いろいろと調べるところによつて違うようでございまして、或いは七千円と言い、或いは私共の調べたものの中には一万円を超えてやはり買つておると、こういう例もあるようでございまして、その数字がはつきりしないのでございます。又コストの点に参りますと、これ亦非常にむずかしいものでございます。と申しますのは、サッカリン、ズルチンは化学藥品として、外の品物との連産品の関係にあるのでありまして、從いまして、その價格を正確に把握する、生産コストを正確に把握するということは非常にむずかしい問題でございまして、或いは四千円とか、いろいろ申しますが、この点についても尚研究を要する問題が相当残つておると思うのでございます。又この品物の横流れの状態等につきましても、只今のところそれがどうやつて流れておるか、又それに対する取締という方面について、又相当手を著ける必要があるのじやないかというふうな問題も残つておると思うのでございます。それらの点を考え合せまして、もう少しよく研究をいたしませんと、俄かに一部の業者等が申しておるようなふうにも参りませんので、今回の物品税の改正におきましてはこれを見送りまして、將來の研究問題として残しておるような次第でございます。それに丁度闇の價格の点につきましては、只今から夏に向いますと、これは需要期に入つて参ると思うのでございます。例のアイス・キャンデイその他に使う分量が殖えて参りますので、需要期に入つて参りますので、冬の場の値段と又夏場の値段とは違つて來るのじやないかと思います。それらの点もございますので、只今申上げましたように、將來の研究問題としてまだ残しておるような次第でございます。
#11
○油井賢太郎君 夏場に向つて、或いは價格が上る、闇の價格が相当引上るかのようなお話でございますが、結局値段が引上れば一部闇所得者だけが利得をするということになるのでありまして、國民全体の消費生活には何らプラスがないという観点から見ましても、早急にこのズルチン、サッカリンの物品税を引下げるというようなことが要望されるのでありまして、或いは衆議院、或いは我々参議院の方からこれに対する修正案等も出るかとも思われるのですが、そういう節は当局としてこの修正に対して絶対見込がないとか、或いは見込があるか、どういう見通しですか、それに対しての意見はどうでしようか。
#12
○政府委員(山本菊一郎君) サッカリンのコストにつきましては、昨年物價廳で計算いたしましたのが、各四千五百円程度になつておつたかと思いますが、その点につきましては只今申上げましたように、連産品の関係等をよく調べて見ないと分りませんが、それが仮に三千円か四千円といたしたといたしましても、只今の六千円の税金を加えまして一万円足らずでございまして、私共といたしましては一万円を超える取引実例も調べておりますし、差当りズルチン、サッカリンをここで追駈けて税率を落すということを考えたくない、それはちよつと困難ではないかと存じております。
#13
○委員長(櫻内辰郎君) お諮りいたします。この際本案に対する質疑を中止をいたして置きまして、米國の対日援助見返資金特別会計法案について御審議を願うことにして、油井君からの御要求によりまして大藏大臣がお見えになりましたから、油井君から御質問を願つて、大藏大臣の御答弁を願うことにいたしたいと思います。
#14
○油井賢太郎君 この対日援助見返資金の会計法について大藏大臣にお伺いいたしたいのですが、先ず第一番にこれは予算委員会でも随分問題となつた点でありますが、千七百五十億円の見返資金のうち二百七十億は用途が大体お示しになられまして、オーケーも取つておるということであります。残りの千四百八十億のうち六百億見当が復金債の償還に充てられるということも安本長官でしたか、御説明があつたようですが、これについてただ希望だけであるのか、或いは復金債の償還には六百億なら六百億、はつきり決つておるのでありますか、先ずその点から一つ。
#15
○國務大臣(池田勇人君) お話の通りに千七百五十億円のうち鉄道通信の建設公債に二百七十億繰入れるということがはつきり決つております。その他は只今のところはつきりいたしておりません。ただ予想といたしましては、復金債は今年度中に償還することになつておりまするから、その方へ使いたいという希望は持つております。
#16
○油井賢太郎君 そこでその残りの千四百八十億の費途がまだ明白でないというのでありますが、この法案によつて見ますと、大藏大臣がすべてこの資金の管理をするということになつております。結局大藏大臣に管理を國会で以て委任してしまえば、千四百八十億の用途がどういうふうに使われようとも、今後國会との関連というものがなくなるのでありますか。その点もその用途が判明次第國会に諮つておやりになるおつもりであるか、その根本論を一つお聽かせ願いたい。
#17
○國務大臣(池田勇人君) 第四條の規定によりましてこれを使用し運用するのでございます。一々使用につきまして國会の承認を得るとか、或いは國会に諮問するということはいたしません。ただ結果におきまして決算で御審議願うことになると思うのであります。
#18
○油井賢太郎君 それでは第九條において予算の作成をするということになつておりますが、予算の作成は甚だ漠然たるものであつて、まだ分らないから、漠然と出されるというようなことになつております。併しながら第九條の第二項で歳入歳出予定計算書を添附しなければならないということになつておりますが、この予定計算書という形式は一体原則としてどういうことになるのでありますか。
#19
○國務大臣(池田勇人君) 事務当局から後刻お話いたさせますが、只今のところは千七百五十億円のうち、先程申上げました金額だけしか決つておりませんので、残りの千四百八十億につきましては、どういう費途ということが決つておりませんから、從つて今年度におきましては、予定計算書は二百七十億、千四百八十億と、これだけしか出ないと思います。
#20
○油井賢太郎君 それではこの運営に当つて大藏大臣にのみ権限が残つてします。又それについて或いは審議会なり運用委員会というようなものを大藏大臣の下にお置きになるが、そういう場合に國会との関連というのを御考慮になつておられるか、その点について御説明願いたい。
#21
○國務大臣(池田勇人君) まだはつきりいたしておりませんが、関係方面でも一つのボードを作る意向でございます。こちらの方でも安本に審議会を設けまして、そうして大体そこで資金計画を決め、そうしてその資金計画に甚きまして大藏大臣がこれによつてやると申しますとあれでございますが、資金繰の関係がございますから、大体の基本的考え方は、安本の審議会で決めまして、実際のやり方につきましては大藏大臣がやる。こういうような恰好でやりたいと、今機構を考えつつあるのであります。
#22
○油井賢太郎君 先般の予算委員会では、大藏大臣は、例えば失業救済資金が足らないとか、その財源はあるから、いずれそういう時期が來たときには、その財源によつて賄うことができる。ではその財源は如何なるものかというような質問をいたしましたときは、それはこの見返資金でもやれるのだというふうなこともあり、その他のことについても、例えば長期産業資金も、この見返資金で賄うことができるというような、何でもかんでも千七百五十億のところへ持つて行かれたような傾きがあつたのでありますが、そうしますと、大体において、具体的にどういう資金については、この見返資金を使うんだという構想はおありになると思います。これはすべてが安本でおやりになつていて、大藏大臣は全然タッチになさらないのですか。その点はどうですか。
#23
○國務大臣(池田勇人君) 只今申上げましたように、基本的の考え方につきましては、資金計画とマッチして考えなければなりませんから、一應安本に審議機関を置きまして、これには、大藏省並びに各省も参加すると思います。そうして大体の基本的の使用計画を立てまして、それをいつやるか、どれだけ何月にどの方面へ出すかというようなことは、大藏大臣でやつて行きたいと考えております。お話の失業対策とかいうふうな場合におきましても、例えば水力発電とか、炭礦の整備をするとか、こういう方面には失業対策等も加味いたしまして考えたいと考えております。
#24
○油井賢太郎君 大藏大臣は、大体安本で計画を立てるというお話ですが、我々國会議員といたしましては、これは非常に好意あるアメリカからの物資のいわゆる賣却代を日本の再建のために使う、結局アメリカの予算においてやるということも十分承知しております。然る以上、アメリカ國民の厚意に酬いるためにも、この用途というものは嚴正なものでなければならない。勿論國会議員として、國民の代表といたしまして、政府がこれを使う場合において、十分我々も國民の要望を入れて、而もアメリカの厚意に酬いるような用途に、いわゆる日本の眞の再建のために使われることを希望するわけです。それにつきまして、漠然とお任せし放しで置くということは、我々にとつては、何だかアメリカ國民に対しても、亦日本の國民に対しても申訳がないという感じがするわけであります。これについて政府当局として、やはり決算だけで以て事後承諾で國会議員は承知して呉れということでなしに、先程のお話の、安本に審議会を作るというような場合にも、國会との結付き、関連ということを十分考慮さるべきだと思うのでありますが、これはいずれ安本長官にもこの席へお出でを願つて、その点はお伺いいたしたいと思います。併しながら、大藏大臣の御所見としては、國会はもうどうでもいい、大藏大臣と安本長官の方へ任して置いて呉れればいいのだというようなおつもりなのでしようか、その点をはつきり御回答を願いたい。
#25
○國務大臣(池田勇人君) 安本に置かれることを予定いたしております審議会に、國会議員を入れるか入れないかにつきまてしは、はつきりいたしておません。御希望の点は承つて置きまするが、構成につきましては、只今のところ決めておりません。
#26
○油井賢太郎君 尚大藏大臣の管理下にあるということになりますが、その管理はどういう機関でおやりになりますか。
#27
○國務大臣(池田勇人君) マーシャル案によりまして、西ヨーロッパ方面にアメリカと各國と協定いたし、こういうようなお金を出しておりますが、フランスにおきましては、一つの國務大臣を置きまして、その仕事に当らせている例があるのであります。大藏省におきましては、今度御審議を願います大藏省設置法案に新たに財務官というものを置きまして、主として向うのこの資金に関する折衝、その他の仕事に当らせたいと考えております。
#28
○油井賢太郎君 今の管理の件は大体分りましたが、その場合、いろいろ計画を立てるとか、実際に資金を支拂う場合に、いわゆる司令部との折衝と申しますか、協議と申しますか、そういう点については管理上如何なる方策でお進みになりますか。
#29
○國務大臣(池田勇人君) 向うの機関も今相談されているような状況でございまして、多分私は向うに管理廰ができると思います。こちらの方も財務官を置きまして、そうして理財局に一つの課を置いて、そうして管理に決らせたいと、こういう構想を持つております。
#30
○油井賢太郎君 では、いずれ安本長官を委員長において御出席願うことをお願いいたします。
#31
○中西功君 この見返会計法案に関連いたしまして、このたび千七百五十億というものが一應予定されたわけでありますが、最近に至りまして、爲替レートが大体確定の見通しがついたと思われますが、これについて大藏大臣はもう発表はしているのでありますか。新らしい爲替レートについて……。
#32
○國務大臣(池田勇人君) 私はまだ何も聞いておりません。
#33
○中西功君 四月二十五日から三百六十円になるという点については、それはいつ発表になるわけですか。
#34
○國務大臣(池田勇人君) いつ発表になりますか、どれだけの金額か、私は今お答えできません。
#35
○中西功君 これは日本政府には今のところ全然まだ連絡がないことですか。
#36
○國務大臣(池田勇人君) 大藏大臣としては聞いておりません。
#37
○中西功君 そうすると、何大臣として聞いているのですか。
#38
○國務大臣(池田勇人君) 他のことは分りません。(笑声)
#39
○中西功君 それでも、若し四月二十五日から三百六十円になるというふうなことが発表されますれば、今まで計算されました千七百五十億円というものは、非常に変つて來ますですね。
#40
○國務大臣(池田勇人君) 想定レート三百三十円で一應計算しておりますから、変つて來ると思います。
#41
○中西功君 千七百五十億円が変つて來るだけでなくて、先日まで我々が審議しておりました予算書の、例えば輸入調整金につきましても、或いはその他全般がこれによつて非常に変つて來るわけだと思います。私は本会議の予算反対の討論におきましても、そのように、今の日本の予算案自体が一つの條件によつて全く根柢から変えられなければならんというふうな状態に達する。爲替レートの問題は、それは一つの問題ですが、併しこれは決して根本的な問題ではなくて、もつて他の要因が沢山ある。まあこういうふうに非常に薄弱なんですが、同時に又三百六十円ということになれば、実際に予算のあらゆる面において変つて來るのです。そうなりましたときに、その予算全般の数字に対して政府はどういう措置を取られるのですか。
#42
○國務大臣(池田勇人君) 爲替相場が決まつてからお答えすることにいたします。
#43
○中西功君 例えば輸入調整金だとか、これはまあ随分変つて來ます。或いはこれに関言して價格調整費の額が非常に変つて來ます。併しこれは一應國会で通つたからこのままにして置いて、実質的な措置において結局これを修正して行く、大体そういうふうな措置が考えられると思うのですが、そういうことは今考えておられますかどうか。
#44
○國務大臣(池田勇人君) まだ決まらないのでございますから、三百三十円になるか、或いは幾らになるか、私はその問題については只今のところ考えておりません。はつきり決まりましてから、そういう問題についてお答えいたしたいと思います。
#45
○中西功君 それじやこの質問は、決まりましてからもう一度やることにいたします。
 それから見返会計の問題ですが、六項、七項を衆議院において削除いたしました。これは普通の日本人として常識を持つておる人ならば、私は当然のことだと思うのです。多くの國会議員は、この六項、七項を見ましたときに、大体びつくりしたと思うのです。從つて衆議院のこういう修正は、当然のことなんです。ところが政府は原案を出すとき、一体どういうわけで、どういう見解に基いてこの六、七は入れたのか、この点を先ずお聞きしたいと思います。
#46
○國務大臣(池田勇人君) もともとこのお金はアメリカの納税者の負担において出されたものでありますから、こういうふうな規定を置いたらいいだろうという話がありまして、入れたのでございますが、國会の審議によりまして削除するということならば、我々としても異存はないわけであります。
#47
○中西功君 もともとアメリカの納税者の負担において出されておるからこういう規定を入れたと言われますが、今までもそういう援助物資が來ておりましたのですし、又單に援助物資だけの問題に限らず、占領下にある日本として、いろいろの点において政府は、デイレクティヴやいろいろなものを受解つている筈だと思うのです。そうした場合でも、國内法における場合には、今まではそのデイレクティヴに基いて、日本政府の責任において法案が作られて行つたと思うのです。で、必ずしもこの問題に関してだけメモランダムやそうしたものが出たわけではないと思うのであります。併し、これで初めて國内法が出たと思うのです。この点私は、政府といたしましては、削除することが当然であるということをお認めになるならば、こういうふうなことを余り考えずに入れたということは、政府としてまあいわば軽率であつた、少くとも軽率であつたというようなことはお認めになりますかどうか。
#48
○國務大臣(池田勇人君) 軽率とは考えません。その当時の状況によりまして入れたのでございます。
#49
○中西功君 それでは、昨日も質問がありましたのですが、一應こういうふうに六項、七項が削除されたとしまして、実質において、それならば、今後この六項、七項の問題に政府としてはどういうふうに運用して行くかという問題が起ります。で昨日田口政務次官からは、確かこれが形式的にはなくなつても、実質上あるものとしてやつて行く、確かそういう意味の答弁がありましたが、大体それで間違ないかどうか。
#50
○國務大臣(池田勇人君) 向うと十分緊密な連絡を取つてやるようになると考えております。
#51
○中西功君 そこで私は、いわゆるこの見返特別会計に入つて來る金の問題なんです。即ち円資金の問題なんです。これを一体どういう性格と考えておられるか、これが非常に大きな問題だと考えるのです。面倒くさいですから私の考え方を先に言いますと、向うから輸入されて來るところの、即ちガリオア・フアンド、イロア・フアンドとして輸入されて來るもの、それを米革に換算しますと、いわゆるドル價格、こういうものと、それを現実に日本に賣拂つて得た日本の円の資金、これは私はやはり二つに分けて考えなければいけないものだと思う。何故ならば、これは理由は沢山あります。一つは、若しアメリカ政府において、五億ドル日本に物をやつたからその代金としての円資金というものを、これを実際に円資金として受取つて呉れるなら問題は簡單かも知れませんが、恐らく國際的な今までの関係から、國際通貨の問題から見ましても、そういうことは絶対にあり得ないのであります。やはり日本がこの援助物資によつて負債を負つておるとするならば、それは飽くまでも國際通貨によつて我々は負債を負つておると思います。現実にはそれはドル価格として負債を負つておるのです。從つてアメリカとしては、日本の円、即ち千七百五十億円というものを寄越せと、それを寄越したら支拂はもうこれで帳消しにするというものならば、これは又別でありますが、そういうようなものではないのです。飽くまでも我々が援助物資というような名においてアメリカから若し負債を負つておるとするならば、それはその物或いはドル價格として我々は負つておるのであります。そういうふうな点を考えれば、円とそれからドルの問題との間には私は区分を付けなければならんと思うのです。これが一つです。
 第二の理由は、物として入つて來て、或いはドルとして負債であつたとしましても、これはどうなるか分りませんが、負債になつたといたしましても、それを賣つて、そうして日本経済の一部として、而もそこから上つて來るところの資金というものは、これはすでに日本経済の資金なんでありまして、これだけが特別になるということは、結局第一の理由と同じような意味でありますけれども、ともかく日本経済のこれは不可分の資金であるという意味において、やはりこれははつきり意味を区別しなければならん。
 更に第三は、占領下の日本、これは一つの間接統治なんです。從つて日本政府は、今まで事國内の経済政治に対しては十分な責任を持つて來ておる。その大きなところは、監督或いは管理されておりますが、少くとも今まで日本政府は責任を持つてやつて來ておる。勿論その日本政府というのは、何も吉田内閣というだけではなくして、日本の國会も入つておるわけであります。そういうふうなものが、責任を負つてやつて來ておる。從つてこのドル價格、ドル勘定というものについては、それは非常な嚴格な管理下に置かれ、特別な措置を講ぜられるということはあり得る。これは又將來これが一体負債となるのか、或いは講和会議においてどういう処置をつけられるのかということになつては、非常にこれは大きな問題で処理がむずかしいのであります。であるけれども、結局この円資金の問題は飽くまでもこれは國会及び日本政府の責任として私はこれを処分するのが当然だろうと思うのです。これは今までのいわゆるポツダム宣言の下における占領管理下の当然のこととして日本政府が当然やるべき、それは又実質的な経済的な意味において、第二番目に申しましたように日本経済の不可分のものである。これだけを特別に出してどうこうするということはできないものである。そういう意味において、私は結論としてどうしてもこの見返会計を他の物と特別にやるべきではない。これは当然、外の法律と同じような関係で、飽くまでも日本政府が外の問題の責任を持つと同じようにやるべきだ。今までだつてこの法案だけじやなくして、ディレクティヴ或いはメモランダムというものが沢山あると思う。併し飽くまでもそれは一應日本の政府の責任として十分自治的を持つてなされておる。それと結局は同じような意味において、この会計及びこの法案がやはりなされるべきだと思う。そうでなければ今まで日本政府に許されておつたようなものでも段々いわばなくなつてしまう。いわば日本政府自身がこういうような法案を作ることによつてなくして行く、私はこう思うのであります。それに対して大藏大臣の御意見を伺いたいと思います。
#52
○國務大臣(池田勇人君) 先程申上げたような事情でございます。即ちこの資金の構成がアメリカの納税者の負担において出されております関係上、向うと十分な連絡を取つてやりたいと考えております。尚先方よりも使途につきましては、向うと緊密な連絡を取るよう覚書が來ておる次第でございます。
#53
○中西功君 問題は非常に原則的な問題です。日本の占領管理下というものと、或いはポツダム宣言というもの、こういうものを我々がどういうふうに今後考えて行くかという問題なんです。そういうふうであつて、現実に大藏大臣や、或いはいろいろの方々がどう今考えておるかということ、というような小さい問題ではない。非常に原則的な大きな問題として私は今問題に出しておるのであります。私はさつき申しましたようにポツダム宣言や、或いは日本がアメリカの、初期のアメリカの対日統治、基本方針というようなものからよく考えて來るならば、見返会計だけ特別にすべきではない。その理由は先申したように、我々が負債を負つているとすれば、それはドル價格においてであつて、ドル價の問題においてであつて、決して國内のこの資金千七百五十億、或いはそれ以上に達するような、そういうふうなものとしてでないということ、そういうようにはつきり分けて行かなければ、実際にこれらの経済や法律の問題において、どれだけが日本政府に権限があり、どれだけがないのかというようなことは、はつきりしないのであります。何もかも……。それじやもう全経済を今後考えて行けば、アメリカの納税者の負担になつておるというふうなことを大藏大臣は言いますけれども、それはこれだけに限らずあらゆるものにそういう問題が結局は起つて來る。ですから私はここでこの根本問題をはつきり考えて置かないと、ただこれが必要だからというようなことでやつて行くととんでもないことになると思う。大藏大臣の説明、答弁というのは、その点非常に私は不満足なんです。もう一つやつて貰いたいと思います。
#54
○國務大臣(池田勇人君) 先程申上げた通りでございまして、中西委員はドル資金ならどうだとか、円資金ならばどうだとかおつしやいますが、ドル資金、円資金の区別はないと考えております。
#55
○中西功君 若しドル資金、円資金の区別がないということになつて行けば、もうそれはそういう日本の國内の経済問題について、日本政府は何ら権限を持たんということなんです。そうして又そういうことが大藏大臣は、そういうふうな見解に立つてこれをやつておる。若し例えばこれはこの法案でなくても、外の法案でも、政府は一應関係方面のオーケーを得て出すのだし、或いは又その他の問題についても十分指示を受けておるのです。だけれども、そういうものは一應日本政府の責任において今までやつて來ておるのです。若しそういうふうに、これはもう向うのオーケーを得て指示を受けておるのだから、日本政府の言い分は全然ないというふうに考えて行くならば……若し考えておられて、而もそういう考に準じてこの法案が作られておる……特にこの場合はドル資金の場合でも、円資金の場合も区別がないのだというふうな意味で、結局は管理下においては、もうとにかく先方の意向を質す以外には手はないのだ。それ以外のことはできないのだ。日本政府には何らもう問題にはならないのだ、こういうふうなつもりで、今度のこういうことが作られておるというふうに理解していいかどうか……
#56
○國務大臣(池田勇人君) 決してそうではありません。日本政府の責任においてやります。ただ運用に当りましては関係方面と密接な連絡を取ります。
#57
○中西功君 その場合、密接な連絡を取つてやるということと、今度六項、七項に書かれておるような、こういう実質的なことをやるということと、そうしてさつき油井委員からいろいろ質問がありましたような、この問題に対する國会の発言権ということと非常に関係があるのです。一般的に今までも日本政府は密接な関係の下にやつて來ておるのです。そういうふうな極めて一般的な意味において、密接な関係でやるというならば、これは私は別に何にも言うことはない。從つて若しそうなれば油井委員が言われましたような意見のように、私は日本政府の責任においてやるならば、当然これは憲法に從つて國会に最高の権限がある。当然そう出て來なければならん。そこに何も私は抽象的なことを言つておるわけではない。油井委員の質問の延長として原則的な問題だから、問題を出してやつておるわけであります。
 それでは最後に私ははつきり整理しますが、こういうふうに理解していいかどうか。即ち密接な関係を持つてやるという大藏大臣の答弁は、これは從來の関連からやつておるのです。それは管理下における当然のこととしてやつておる。尚この会計においてもその他の問題においても、日本政府は十分に日本政府の責任においてやる。日本政府の責任ということは、尻拭いをするというだけでなくして、日本政府に権限があることでありまして、それは日本政府の政治の行き方次第によつては、そのやり方も非常に違つて來るという意味なんであります。だからそういうふうな意味の、日本政府の責任においてやるのであるということ、更に從つて日本政府の責任でやる以上は、最高の決定機関としての國会の役割というものは、この中に十分率直に反映されるということ、この三つをそういうふうに理解するのでありますが、そういうふうに理解していいかどうか。
#58
○國務大臣(池田勇人君) 大体中西委員のおつしやる通りでありますが、國会がどの程度に資金の運用ということに関與するかという問題に帰着すると思う。その点は只今油井委員に申上げた程度で外には決つておりません。
#59
○中西功君 さつきの安本長官の話をもつて具体的に聽いて、そうして具体的に如何に國会がこれに参與するかという技術的に亘る問題はこれを保留して置きたいと思います。
#60
○委員長(櫻内辰郎君) お諮りいたします。大藏大臣は時間の関係でお急ぎになつておりますから、いずれ御質疑がありましたならば、次回にお願いすることにいたしたいと、こう考えます。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#61
○委員長(櫻内辰郎君) 尚お諮りいたします。本案に対しまして、商工委員会から、商工委員の方でも出席をして質疑をしたい。こういう御申出がありますので、連合の委員会を開いて呉れという御申出があるのでありますが、御申出がありました以上は、開かなくちやならんとこう考えますから、いずれ近日に連合委員会を開くということに取計いたいと思いますが御異議ございませんか。ちよつと速記を止めて……
   〔速記中止〕
#62
○委員長(櫻内辰郎君) 速記を始めて……
 如何でしようか。一回ぐらいは連合委員会を開いた方がよい氣がいたしますが……。さよう取計いまして御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#63
○委員長(櫻内辰郎君) それではさように取計います。
#64
○委員長(櫻内辰郎君) それから次は酒税法等の一部を改正する法律案の審議に移りたいと思います。御質疑がありましたら御質疑をお願いいたしたいと思います。
#65
○中西功君 砂糖の輸入量は分りませんか。
#66
○政府委員(山本菊一郎君) 輸入量は、私からお答えするのは不適当かと思いますが、私共の聞いておりますところで申上げますが、二十四年会計年度中に大体計画は白糖六万八千トン、砂糖二十一万九千トン、合計二十八万七千トン程度だと聞いております。
#67
○中西功君 油井さんの今の質問は主として砂糖とズルチン、サッカリンの関係でありましたが、もう一つこれは拡大しまして、輸入砂糖は非課税とするが、最近におきまして、特別に乘用小型自動車、自動自轉車等に若干の物品に新規に課税する。こういうこととの間に私は必然的な関連があると考えられるのであります。でなぜ乘用小型自動車に課税されるのか。この点の一つ実質的な理由を述ベて頂きたいと思います。
#68
○政府委員(山本菊一郎君) 只今大型自動車に対しましては從來から課税をいたしております。ところがこれは現実問題としては國内の産品はございませんし、又新品の輸入もございませんので、課税することには相成つておりますが、実際の課税はないというのが実情でございます。乘用自動車、つまり大型自動車に対する課税は十割課税でございます。それとの釣合がございますし、併しスクーターその他の問題も段々参つておりますので、百分の二十、つまり一番最低の税率程度の課税は小型自動車に対しては止むを得ないのではないか。こういうことで課税することにいたしたような次第であります。
#69
○油井賢太郎君 取引高税の改正についてちよつとお伺いいたします。取引高税に証紙を使つたのは評判が惡かつたということは、これは事実であります。併しながら証紙を使つたまじめな業者も、使わなかつた不まじめな業者も更正決定によつて取引高税を更に追加徴收するのだということに対する非難も相当あつたわけであります。これについて結局今度の改正によつて政府の意図するところは、やはり以前と同じように更正決定を大幅にやつて行くかどうかという点になりますが、今後証紙がなくなつた場合の監督とか或いは取引高税の納税実態についての観測というようなものはどんな工合になりますか。
#70
○説明員(明里長太郎君) お答えいたします。只今お尋ねのございましたように、最初印紙を以て納付することになつておりましたのでございますが、これは非常に手数がかかりますのと、いろいろ非難の声がありまして、今回廃止するようにしております。それから又一面お尋ねのありましたように、全体が印紙納付ができておりませんから、結局最後に更正決定をやらなければならない。こういう状態になりましたので、この際そういう手数もかかりますし、それから完全に印紙の納付もできないというような点で廃止いたしたのであります。それで今後の見通しといたしましては、毎月申告書納税という建前を作りまして、できるだけ申告指導に重点を置きまして、成績を挙げて行きたい。それで最後にどうしても完全に納付できない場合は、これは更正決定も止むを得ないと考えておりますが、只今のところではできるだけ申告指導の方に重点を置いて成績を挙げたいと、こう考えておる次第であります。
#71
○油井賢太郎君 それで取引高税は間税の方になりますし、営業所得税は直税になります。その間の関連と申しますか、片方において営業所得税の方では営業税というものを取立てる場合の取引の額と、それから間接税においての取引高の算定の方針と喰い違いができるということが大分不満の声となつて現われておるのですが、これについては何か適当な関連を以て進まれるか、それとも全然別個におやりになるか、この点は如何ですか。
#72
○説明員(明里長太郎君) 只今お尋ねになりました所得税の方と取引高税の方との喰い違いという点につきましては、丁度本年は中途から始めました関係上、所得の基本と取引高税との関係が違つておつたのでありますが、今後におきまして両者共一ケ年並行されることになりますれば、両者の連絡を取りまして、そうして所得の方と取引高税の方と喰い違いがないように努めたいと、こういうふうに考えております。
#73
○油井賢太郎君 これは政務次官にお伺いして置きたいのですが、その場合に喰違いができた場合に、いわゆる多く計算した方を基準にされるか、少く出た方を基準にされるか、いずれも両者の意見が正当であるかということが不明のような場合どんな方針で進まれますか。
#74
○政府委員(田口政五郎君) 正当なるものが不明瞭ということはどうもおかしいのですが、多い方も少い方も、正当の方によると思います。研究すれば必ず分ると思います。どちらも不明ということはない筈だと思います。
#75
○中西功君 取引高税の算定と所得税の算定は全く今のところ喰い違つておるのです。これは非常な問題に実際なりまして、私も税務署へ行つて具体的に聞いたことがありますが、税務署の方の答弁といいますか、回答では、時期的なずれがある結果だというふうにまあ一應言つておりますけれど、併し実際にそれは時期的なずれを修正しましても、可なり相違があるんです。それでこの点は私は將來まあまあ取引高税がなくなれば問題はないのですが、存続している限りは相当重要な問題であると思います。なぜかと言えば、そういうふうに二つの所得が間接と直接で喰違つておるというようなことから、非常な税務署に対する不信任があるわけです。この点もつと現実に即していろいろ論議されなければならないと思います。それに関連しておるわけですけれども、納付方法をこのたび証紙をやめたという問題です。実際眞面目に取引高税を納めておる人達はこの証紙をやめたということを必ずしも歓迎していないと私は思う。今まででも証紙はありましたが、決して証紙通りに課税してくれていない。それの二倍、三倍というふうなものが課税されておるのです。若し証可があつてもこのようにそれが信用されずに課税されて更正決定が來るのなら、証紙がなくなつたらいよいよ何といいますか、見込税でひどい目に遭うのじやないか、こういうふうな危惧も相当あるのですが、そういうことはこれを改正された場合どういうふうにお考になつてやつたか、ちよつとお聽きして置きたいと思います。
#76
○説明員(明里長太郎君) 先ず最初にお尋ねのございました本年の所得税と取引高税の基本の喰い違いという点につきましては、丁度御承知のように、所得税の方は二十三年の一月から十二月までの更正をいたしております。從いまして納税者の方から御覧になりますと、九月、十月、十一月の取引高税を更正決定いたしております。それから更に十二月、一月、二月、三ケ月の更正決定をいたしております。
 そこでこの十二ケ月の平均したものの三ケ月分とそれから取引高税の方の三ケ月分の基本と喰い違いがあると、こういうようなお考えがあつたようでございますが、これは御承知のように、丁度物價改訂等もございまして、九、十月、十一月というものは一ケ年平均よりか、どうしても取引高が殖えております。そういうような関係で、平均いたしました三ケ月と、九月、十月、十一月の実際の取引金額というものとの喰違いを生じたような関係に相成つておると思います。それからさつきの印紙を廃止いたしまして、今後はどうなるかという問題でございますが、この点につきましては、できるだけ実額調査をいたしまして、そうして間違いのないように努めて行いたいと、こういう方針で進んでおります。
#77
○中西功君 いや、その方針は非常に結構なんですが、実際に税務署へ行くと、そうなつておらんということが問題なんです。これは今までも沢山言われて來ておるので、私は敢て沢山申しませんけれども、所得税の場合と間接税の場合の評價の差にいたしましても、これは一つは税務署の機構にも関連があると思います。時期的なずれということはそれは十分考慮いたしましても、例えば或る一つの場合をとつて見ますと、法人税の場合は、そこの大体帳簿を信用して貰つて、これがいいか惡いか別ですが、信用して貰つて所得税を納めておるのです。が併し間接税はそういう帳簿は信用しないで、全然新らしい見地で大体二倍、三倍というふうにかけておるわけです。これは実際なんです。一つの例を取つて見ればですね。だからあなた達が机の上で理論的に時期的なずれがあるからそうなるのだというふうに考えておりますけれども、実際になるとそういうものじやなくて、單なる時期的のずれじやない。非常に間税と直税とおのおの分れて取つておる。而もお互い張合つているとか、いろいろのことが起ります。そうして税務署の職員自身にも或る場合にはいい人と惡い人とあります。そういうような現実の條件が絡み合いますと、ここに非常な差が出て來る。ですから法案を考えておる場合にはあなたのような答弁でもいいかも知れんけれども、併し実際のことを考えたらそんなことを言つていたのじや絶対間に合わないということが問題だと思うのです。だからそういう意味で言えば法案というものはもつと親切に十分そういうことができないように、作つて置かなければならないわけなんです。併しこれについて私これ以上別に答弁を求めようと思つておらん。これは実際の問題ですから、今後とも我々においても研究しなければいかん。でさつき油井君に対する御答弁において申告の方を主として行きたいというようなことがありますが、やはり何ですか、例えば東京の何々税務署には何十億というふうに、やはり一應これを割当てて行かれると、どうしてもそこの税務署はそれだけ納めなければならんので、つい二倍、三倍というような割当課税になつて行くということが現状なんですが、やはり今後もそういう努力目標というような名前によつて、一應割当を相当やられて、而も單に努力目標ということに止まらずそれを余りうまくやらない税務署は大体成績が惡いというようなことで、何か実質上強制化される。こういうようなやり方をやはり今後も続けて行くならば、申告にしたというようなことは無意味だと思う。その点少しお伺いして置きたいと思います。
#78
○説明員(明里長太郎君) 只今の御質問に対しまして、御承知の通り大体目標としては考えられる場合がございますけれども、いわゆるそれは割当という観念ではございません、大体各署間の権衡を保持するというような意味において一つの目標額を定めておるような次第でありますが、それは只今申上げたような割当という観念ではございませんから、必ずしもその通りに行くということではございません。從つて税法に從いまして、税法を完全に執行して行くということに努めておる次第であります。
#79
○委員長(櫻内辰郎君) 他に御質疑はございませんか。
#80
○油井賢太郎君 酒のことでちよつと伺いたいのですが、昭和二十三年度のいわゆる酒税の予算は四百五十七億幾らになつておりますが、実際徴收されておるのが五百六十六億になつておりまして、この差は大体百億以上になつておるのでありますが、今年度は予算が六百五十億ですが、やはり見込みとしてはこれは殖える見込みですか、どういうふうなことになりますか。
#81
○政府委員(山本菊一郎君) 只今油井さんからのお示しのように、昭和二十三年度の酒税の予算は四百五十七億でございます。それが只今までのところ、資料として御提出申上げておると思いますし、又昨日でございましたか、新聞にも載つておりましたあの数字でございますが、約七十億オーバーしております。それはどういう原因かと申しますと、昨年の秋に藷が非常によく穫れまして、当初の割当計画の五千万貫以上に入りましたわけでございます。藷が入りましので、合成酒、燒酎が沢山できまして、年度末にその中の相当大きなものを出荷いたしましたのと、もう一つは歳入を成るべく上げたいという趣旨に基きまして、特價酒の販賣等について公團の盡力を願いまして、相当よく賣りました。それらの関係において約七十億ばかりオーバーして参つたのでございますが、これは何と申しますか、只今申上げましたように藷が余計入つたという関係と、それからストックを極力賣つたという二つの点から出たものでございます。本年度につきましては、大体本年度の酒は二十三酒造年度の酒が出るわけでございますが、それに二十四酒造年度の酒の中の、例えば今年の春割当てられます麦によりますビール乃至ウヰスキー、この秋割当てられる藷による燒酎、合成酒の一部が本会計年度の歳入になるわけでございますが、只今のところまだ関係方面の意向もはつきりしておりませんし、輸入食糧と絡み合う問題でございますので、原料の見通しということは付いておりません。昭和二十四酒造年度の原料の見通し、つまり今年の春の麦、今年の秋の米乃至甘藷の見通しは、まだ十分立つておりません。併しながら私共としては少くとも昨年と同じ程度の原料は確保できるものと見積りまして、一應同じ原料が來たらどうなるかという基礎において、六百五十億という数字を彈いたのでございます。從いまして今後連合國の厚意によりまして、昭和二十四酒造年度の原料米乃至原料麦、甘藷の割当が殖えるということになりますれば、只今の六百五十億の見通しは少し少な過ぎるということに相成りますが、これが全然分りませんので、一應同じと見ておるわけでございます。只今の私共の感じといたしましては、藷が沢山できますれば、燒酎、合成酒に相当できると思いますし、その他昨年できました干甘藷等も多少割当てて頂けるのじやないかという予算もございますので、若しそういうものが実現すれば、六百五十億は、税收は実際は殖えると思います。但しその関係はまだ他の要素としては、酒の販賣が今後うまく行くかどうか、こういうことにもかかつておりますので、見通しが困難でありますので、一應同じ原料の割当ということで、見積りをした次第であります。
#82
○油井賢太郎君 それから先程政府委員から御説明になつているズルチン、サッカリンについては、もう改正する意思はないというお話があつたのですが、そうすると今度の提案された法案以外のやつは、絶対に修正の余地も何もないというふうに聞こえるのですが、やはり國民から見て、非常に不良理のような税制、而も簡單に改正できるようなものは現政府として、できるだけこういう際に改正されるのが本当じやないかと思うのですが、これに対しては政務次官としてのお考えは如何なものですか。
#83
○政府委員(田口政五郎君) お答えいたします。只今のところでは簡單に改正することのできるものはしたらどうかという御意見でございますが、現在のところでは、そういう考えは持つておりません。將來税制にはしばしば申上げます通り、根本的な檢討を加えて、御協賛を得たいということはしばしば申上げている通りでございまして、その際には尚一應考慮いたしたいと考えております。
#84
○西川甚五郎君 他の委員も言うておられますが、主税局長に一應來て頂いて御意見を伺いたいと思うのであります。
#85
○委員長(櫻内辰郎君) ちよつと速記を止めて。
   〔速記中止〕
#86
○委員長(櫻内辰郎君) 速記を始めて。
#87
○高橋龍太郎君 今の政府委員の、本年度の酒造税の見込みについては、御説明の中に何か間違いがあるように思うのですが、本年度の麦の産額が見込みが立たんから、ビールの生産の見込みが立たんという説明は本年の麦は本年度のビールには一切使うのではない、清酒又然りだと思う。その点一つ御注意して置きます。
#88
○政府委員(山本菊一郎君) 誠に御説御尤もでございまして、確かに米は本酒造年度のものは來年度の会計年度に賣ることになりますので影響ございません。麦も一應そのようになるのでございますので影響ないのでございますが、やはり將來どういうように原料が入るかということを見通して今年の賣行きをいたしませんと、今年は本当余計酒が出廻つて、來年は賣切れるという関係がございますので、そういう意味においてやはり本年度、本二十四酒造年度の原料の割当てがどうかということがこの会計年度の税收の見積りに影響を持つのではないかという趣旨でございまして、少し御説明が不十分であつたことは御詑びいたします。
#89
○高橋龍太郎君 ビールについては、現に本年度のビールになるビール原料はもう割当が決つてしましておるのです。昨年……
#90
○中西功君 私もあと、主税局長にいろいろ問題があると思いますが、一つこれは或いは研究をして貰いたいと思いますことは、取引高税の更正決定のとき、こういうことがなされておる。申告された額よりも二倍、三倍多い。そうした場合追徴金が取られ、これを例えば実際に消費上の不正があつて、申告したいろいろのものが間違つておつて、それが摘発されたといいますか、はつきり証明されて、そうして追徴金を二五%めるということは、これは話が分るのですが、それが三倍に決定されたということに対して少しも申告していない。又そういう資料が出されていない。ただこれは割当だから一つ税務署に努力する意味で頼むというので、而も追徴金を取られることが現実です。私は一般的な更正決定をやる以上、この決定が正しいのだという建前から税務署は行きますので、追徴金を取る。まあこういう点は何といいましてもおかしい話で馬鹿みたいな話であります。
 それからもう一つはこれは現実の問題ですがね。三月二十五日にですか、税務署が一應更正決定しましたね。その令書が四月一日とか、四月五日くらいにしか来ない。だけれども加算税は三月二十五日から取つているのです。こういうことを平氣でやつていますね。私はそれをいいのか、惡いのか知りません。併し普通常識から考えて、令書が四月五日にしか來なかつたら拂いようもないのです。やはりそういうことを三月二十五日からはつきり取つていますね。そういう個々の問題は現実の問題として皆沢山ありますので、こういう問題は私は次にもつと……、皆さんも沢山資料があると思いますから、專門に一つ聞きたいと思つています。
#91
○川上嘉君 私も只今の中西委員の意見に賛成ですが、主として今回の修正案は間接國税になつていますけれども、やはり間接國税一方だけからこれを解決しよう、考えようという考え方は間違いで、どうしても徴收面と間接國税と、それから直接國税と関連して考えなくちやいけない。而も今の取引高税の問題にいたしましても、又二十四年度の所得税の申告及びその納付の期間を今回変更したという点等も、これは現行税制の相当根本問題だとかように考えますので、是非とも次回には主税局長に來て頂きたい、特に希望いたします。殊に今の問題になつております取引高税でなくとも、一般の國民は現在大体ショープ博士が日本に來たら税金というものが相当安くなる、こういう考えをしているのです。もうすでに……。それに対して政府は果して対策があるかという問題ですね。殊に聞くところによりますと、ショープ博士は税金問題については非常に得意でありますが、その中でもこの取引高税が非常に得意だと、こういうことを聞いております。ですから余程日本政府におきましては相当研究して置かなくちやならない問題じやないかと思いますが、我々といたしましても特にいろいろの点から、いろいろの角度から主税局にお伺いしたいので、是非とも局長に出席して頂きたいと特に希望いたして置きます。
#92
○委員長(櫻内辰郎君) それでは本日はこの程度で質疑を打切りまして、次回に継続することにいたしたいと存じます。
   午後零時六分散会
 出席者は左の通り
   委員長     櫻内 辰郎君
   理事
           黒田 英雄君
           伊藤 保平君
           九鬼紋十郎君
   委員
           西川甚五郎君
           油井賢太郎君
           小宮山常吉君
           高橋龍太郎君
           中西  功君
           川上  嘉君
  國務大臣
   大 藏 大 臣 池田 勇人君
  政府委員
   大藏政務次官  田口政五郎君
   大藏事務官
   (主税局國税第
   二課長)    山本菊一郎君
  説明員
   大藏事務官
   (主税局監理第
   二課長)    明里長太郎君
ソース: 国立国会図書館
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