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1949/04/27 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 大蔵委員会 第20号
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1949/04/27 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 大蔵委員会 第20号

#1
第005回国会 大蔵委員会 第20号
昭和二十四年四月二十七日(水曜日)
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○証券民主化議員連盟に関する件
○有價証券の処分の調整等に関する法
 律の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○企業再建整備法の一部を改正する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
○米國対日援助見返資金特別会計法案
 (内閣提出、衆議院送付)
○國営競馬特別会計法案(内閣提出、
 衆議院送付)
  ―――――――――――――
   午前十時五十三分開会
#2
○委員長(櫻内辰郎君) これより委員会を開会いたします。議題の御審議に入ります前にちよつとお諮りいたしたいと存じます。それは証券民主化議員連盟に関する件でありますが、本連盟は去る四月二日大藏委員会の理事会においてその設立の件を全員一致で決定をいたし、更に大藏委員会の御承認を願つているのでありますが、その結果去る四月十二日発会議を挙行いたした次第でありますが、これを記録に止める意味におきまして、本日改めて本委員会において確認いたしたいと存じますが、この点御異議はございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(櫻内辰郎君) 御異議ないようでありますから、さように決定をいたします。
  ―――――――――――――
#4
○委員長(櫻内辰郎君) 本日の議題でありまする有價証券の処分の調整等に関する法律の一部を改正する法律案の御審議、それから企業再建整備法の一部を改正する法律案についての御質疑もこの際願いたいと存じます。
#5
○黒田英雄君 この企業再建整備法の一部を改正する法律案につきまして、政府委員からもう少し詳しい御説明を願いたいと思います。
#6
○政府委員(伊原隆君) 御説明申上げます。この企業再建整備法の一部を改正する法律案の趣旨は、提案理由で御説明申上げました通り企業再建整備によりまして、第二会社を設立いたします場合に、新勘定に赤字があります会社は、引継ぎました資産から引継ぎました債務を引きました額が資本金になるという法律上の関係で、資本金が構成できませんということもございますので、技術上新勘定の赤字を資産として引継ぎまして、あとで償却をして行くというためにこの御改正を願うわけでありますが、條文につきまして少しお分りにくい点がありますので、條文につきまして御説明申上げます。
 先ず企業再建整備法の「第十條第二項に次の但書を加える。」というのは、十條の第一項は、新勘定に所属します資産の全部又は一部を特別経理会社が出資をいたしまして、第二会社を建てます場合には、その債務を承継するということになつております。この債務を承継する場合には、第二項で債務に相当する額の資産を讓渡しなければならんということになつているのでありますが、これは例えば例を取つて申上げますと、これは具体的の或る会社の例でございますが、五十七億の固定資産、資産の科目の方に、これは数字が少しあれでありますが、五十七億の固定資産を持つておる、それから流動資産を例えば百一億持つておる。新勘定の損失が九億あつたと仮定しますと、資産科目の方が百六十七億、それから未整理勘定と申しますのは、旧勘定から新勘定に資産を出資いたしました額が七億、それから債務が百六十億、合計百六十七億、これで見合を取つておるわけでございます。從來の法律上の規定だけで申しますと、七億の資本金の会社にいたします場合には、債務の百六十億を引継ぎますと、欠損のあるこの債務の百六十億というものによつて、この会社は五十億の固定資産と流動資産の百一億のものを作つた計算になりまして、九億という借金をしたに拘わらず、九億というものは消えてなくなつて、それが損失金になつておるというわけでありますので、債務に見合うだけの資産を引継ぐことができませんので、この十條の二項に但書を附けまして、その債務の額のうち当該損失の額に相当する額、即ち九億というものは引継がないでよろしいということを書いておるのであります。
 それで三十四條の八に参りまして、その引継がなかつた額、即ち新勘定の債務に相当する九億というものは貸借対照表の資産の部において計上する、つまり新勘定の損失を資産として引継ぎをするということにいたしたのであります。即ち新勘定に損失のありまする限度において、何と申しますか、債務超過の会社でありますので、その新勘定の損失部分を資産として計算いたしませんと、第二会社の資本金ができないということでありまするので、只今の二ケ條によつて、新勘定の損失は資産として計上するということにいたしたわけで、あとの三十四條の九は三項ございますが、これはいずれも税法に関する規定でございまして、その趣旨は現在の税法におきまして、御存じのように繰越欠損を損失として認めますのは一ケ年でございまするので、第二会社ができました場合、繰越欠損に相当するものを、資産として引継いで参りますので、それを償却するについて、税法上益金と認めない年限を一年にして置くというのが大きな趣旨でございます。即ち第一項はその新勘定の損失を資産として引継ぎますと、結局債務がそれだけ少く引継がれた計算になりまするので、何といいますか、旧会社から言いますと、債務が消える。從つて旧会社に形式上益金となつて参りますので、その益金は所得と見ない。益金と見ない。第二項は只今申上げましたように、旧会社がそのまま存続しておつたと仮定すると、繰越欠損は一年間しか利益に見ない。何といいますか繰越欠損を填めた場合に税法上損金を見て呉れる年限が一年でございますので、第二会社ができました場合にもやはり一年間しか見ない。第三項はこれは少し複雜なんですが、例えば旧会社が第二会社を設立しました場合に、旧会社も解散しないで残つておると、旧会社も生きており、第二会社も生きておるというふうな場合に、両方で繰越欠損を、税法上損金に見ないということになりますと、税法上重複して損金に、何と言いますか、益金に見ない部分が重複いたしまするので、それを調整いたしますために第三項を入れたのでございます。
#7
○黒田英雄君 今御説明の第三十四條九の第三項の「当該第二会社設立の日前一年以内に開始した当該特別経理株式会社の事業年度において生じた損金のうち、前項の命令で定める金額」という、この命令で定めるというのはこの二項にもあるようですが、これはどういうことを定めるんですか。
#8
○政府委員(伊原隆君) これはこの第二項の命令で定める金額というのを受けておるのでありますが、例えば只今申上げましたように第二会社が、一番簡單な例は、特別経理会社が第二会社を設立して、旧会社が解散してしまえばよろしいのですが、繰越欠損を皆持つて行つてしまつて、簡單でありますけれども、例えば二つ第二会社ができ、Aという会社からB、Cという第二会社が二つできたというふうな場合には、それの資産に應じまして、区分をしなければなりませんので、そういうこつちの会社の繰越欠損は幾ら、こつちの会社の繰越欠損は幾らというふうに区分をするための命令を決めたのでございます。
#9
○黒田英雄君 その「命令で定める金額を限り」というこの二項目ですね。
 全部はそれを見ないが、一部だけは見るという意味に見えるのですが、それは何か、どういう理由でそういうことを言うんですか。
#10
○政府委員(伊原隆君) これはいろいろな複雜した場合がございますが、趣旨は旧会社が第二会社を設立しないで、特別経理会社が繰越欠損をしておる。それの一年以内に生じた損金は一年以内に生じた繰越欠損金を填める場合には、税法上益金に見ない。そういう同じ金額だけを損金に算入しようと、こういう考えであります。ただ二つ会社ができましたりいたしました場合、それからこれは半ケ年の事業年度であつて、第一期に相当償却したら、第二期のときには、第一期に償却したものを差引くとか、そういうふうな技術上の命令を決めたい。要するに結論から申しますと、会社が存続しておつたとき、税法上認められたと同じ金額を、第二会社ができましても、又幾つできましても、その金額と同じ金額だけを税法上損金に入れる、こういう考えであります。
#11
○黒田英雄君 それからこの企業再建整備の進捗の状況を、今日までどうなつておるか御説明願いたい。
#12
○政府委員(伊原隆君) 企業再建整備は、昭和二十一年の八月から十月に、企業再建整備法の御審議を願いまして以來二年半以上になつておりますので、非常にその間たびたび國会をお願いして御審議を願つて恐縮であつたのでありますが、現在の状況は、企業再建整備法によつて整備計画を提出を要します会社は、四千七百六十九社ございます。そのうち四千五百二十四社、即ち約九五だけがすでに整備計画を提出いたしまして、二月末までにそのうち主務大臣が認可いたしましたものが三千五百八十二社、即ち提出済の約八割に当ります。ただ残つておりまするのは、主として集中排除の適用を受けてまだ集排関係の決まらない会社、並びに集排関係が最近解除になりましたので、至急出さなければならない会社。併し全体としてもう爲替も一本に決まり、企業の経済の再建というものが大事な時期でございますので、こういうものも何とかして早く終りたいということで、関係方面ともいろいろお願いをしておるわけでございます。六月中ぐらいには何とかして終るのじやないかと思います。尚企業再建整備の整備計画を提出しない会社が二百四十五社ありますが、これは集中排除の関係で、再編成が未決定のもの、それから今日御審議願つております新勘定赤字がありますためにできない会社というふうなものが主でございますが、ただ何となく出して來ない会社というふうなものにつきましては、四月末を期限としてすべて整備計画を出して貰いたい、出さない場合には解散を命ずる、これは企業再建整備法の規定で解散を命ずることができることになつておりますので、四月末までに出さない会社は解散を命ずるという措置をすでに方々に通達いたしております。本年の上半期には随分長引きました企業再建整備計画も終り、集中排除の解除になるのはあとになりますが、大体において完結するだろうというふうに思つておる次第であります。
#13
○黒田英雄君 あれはよく記憶しませんが、再建整備法に基いて整備計画を出すねはあれは一昨年の暮ぐらいの期限が何かあつたように思うのですが、もうそれで皆出ておることは出ておるのですね。それの処理がまだずつと今遅れて來ておるという状態であるのですか。
#14
○政府委員(伊原隆君) 普通に出せる会社はもう出しておりますが、只今申上げましたように、初め集中排除で三百二十五社でしたが、集中排除の指定を受けましたものがその後解除になり、又は決定指令が出るまで出せませんのと、それから新勘定の赤字がある会社等は事実上整備計画が、つまり資本金ができませんから、出せないというような関係で遅れていたものが大部分です。あとは相当円滑に進んでおると思います。ちよつと速記を止めて下さい。
#15
○委員長(櫻内辰郎君) 速記を止めて。
   〔速記中止〕
#16
○委員長(櫻内辰郎君) それでは速記を始めて。企業再建整備法の一部を改正する法律案について御質疑ございませんか。
#17
○中西功君 さつき新勘定の赤字のために提出していない会社が大部あると伺いましたが、どのくらいあるのですか。そうして序でに代表的は第二会社においてどのくらい赤字があるのか、ちよつと説明して頂きたい。
#18
○政府委員(伊原隆君) 実際新勘定に赤字がございまして、而も第二会社を作らなければならんというような会社として私共が推測しておりますのは、大体十社乃至十五社ぐらいだろうと思います。その数は割合少ないと思います。新勘定の赤字はそれでは幾らかということでありますが、これはなかなか計算はできませんけれども、復金の赤字融資の方から推算をいたして見ますと、石炭におきまして復金の赤字融資は百二十五億七千三百万円、電力が二十七億三千二百万円、鉄鉱が十億四千七百万円、非鉄金属が三億六千五百万円、石油が七千四百万円、肥料が十六億四千一百万円、ソーダが二千八百万円、セメントが五千八百万円、自動車が七億六千六百万円、その他製藥でありますとか、海運港湾等で五千七百万円、合計百九十三億一千九百万円というものが復金の赤字融資でありますから、これからこのくらい赤字があるのじやないかという推定をしたわけであります。こは先般御審議を願つたこのうちの石炭、電力、非鉄金属につきましては、新勘定の赤字を或る程度國庫の方から保証して交付公債を出す法案が成立しましたので、これに基いて石炭、電力、非鉄金炭につきましては、これは交付公債を出しましてそれで復金債を返すというような処置をとりまして、あとは自力でやらなければならないものについて、差当り第二会社を作るには、どうしても新勘定の赤字を資産として計算しなければ事実上第二会社はできないというわけでこの法案の御審議を願つておるような次第であります。
#19
○中西功君 一應第二会社を作らなければならない十社乃至は十五社というのは、具体的に言えばどういうことになるのですか。大体予想されるのは、産業別に……。
#20
○政府委員(伊原隆君) 具体的の会社の名前は分つておりますが、影響するところも多いのだと思いますので、申上げない方がいいのじやないかと思います。
#21
○委員長(櫻内辰郎君) それではちよつと速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#22
○委員長(櫻内辰郎君) 速記を始めて。
#23
○波多野鼎君 有價証券の処分の調整等に関する法律の一部を改正する法律案ですが、これと直接関係ないかも知らんのだけれども、この第十四條には「株主名簿に記載された株主で五千株以上の株式を有するものにつき、」云々住所氏名を届け出るというやつですが、これに関連して最近讓渡所得を捕捉する方法であろうかと思うのでありますが、一千株以上の株式の異動について報告を集めておるという話を聞くのですが、これは事実なんでしようか。どうなんでしようか。
#24
○政府委員(伊原隆君) 私主税局関係でないので存じておりませんが、確めまして……。
#25
○波多野鼎君 ここの第十四條に記載してあるのはこれは閉鎖機関の株式なんでしようか。五千株以上云々というのは……。
#26
○政府委員(伊原隆君) これは閉鎖機関の株式ではございませんので、すべて一般の株、一般の会社でございます。これの趣旨は御存じのように、証券をできるだけ民主化しなければならない、旧財閥の解体によりまして、証券が相当一般に賣り出されたりして民主化されつつあるのでありますが、又再び結合を起すような場合がないでもないというので、有價証券の処分調整に関する法律というのが前に出ておつて、今のところは極く小数の会社につきまして株主の異動を全部証券処理調整協議会で登録しておつたのでありますが、今回再建整備等も進捗いたしましたので、会社の範囲をどうしても殖やさなければならない。併し一人々々の株機について異動を一々登録するというのは非常な手数でありますので、五千株以上の株主だけに限りたい、こういう趣旨でできた法律案でございます。
#27
○波多野鼎君 そうですか。これは私は閉鎖機関とか或いは解体会社の株式の異動かと思つたんだけれども、一般会社の株式の異動とすると、先程の僕の質問は直接これに関連するんですね。今政府委員の説明で少数の会社の株式の異動だけということだけれども、この少数の会社というのはどんなものを前提として指したのですか、今までは。
#28
○政府委員(伊原隆君) 登録で從來指定いたしましたのが昭和二十二年九月の三十日でございまして、その後二十三年の一月にも一社附加えましたが、現在二百三十九社を指定して、そうしてその会社の株主の異動が全部証券処理調整協議会で登録されておつたのでございます。この会社の選定は当時制限会社であつて且つ特別経理会社でないもの、と申しますのは制限会社を選びましたのは、要するに財閥の解体等において監視をする会社として制限会社か選ばれた。併しその中の特別経理会社は今度すつかり資本構成なり株主関係が変つてしまうのだから、今更登録制度をやつて一々株主の異動を調ベても意味がないから、殆んど特別経理会社でない制限会社いうものを選びまして実際問題として非常に小さな会社ばかりでございます。最近只今申上げましたように企業再建整備が進みますし、株式の民主化ということも進んで参りましたので、この範囲がどうしても拡められなければならないような情勢になりまして、ただそうなるとすベての株主の異動を一々登録するのでは大変でありますので、それで五千株以上ということにして、差当り一億円以上の大きな会社だけを指定するというふうな考えでおるわけでございます。
#29
○波多野鼎君 今五千株以上の株式の異動を調査しまして、それを基礎にして讓渡所得の捕捉をやるというようなふうのことをやつているのじやないんですか。それは分りませんか。
#30
○政府委員(伊原隆君) ちよつと調ベまして……。
#31
○波多野鼎君 序でにさつきの一千株の問題も一つ調ベて下さい。
#32
○木内四郎君 今のに関連してだけれども、その株主の異動なんというものはどうして報告させる必要があるのか。証券民主化のときに、株主の異動の報告というのは手続きがうるさくなつて因るのじやないですか。
#33
○政府委員(伊原隆君) 手続きは株主自体がいたすのじやございませんので、会社がいたすので、而も株主名簿に記載せられた株主についていたしますので、我々が記帳していない場合にはこれには出て参りません。株式の、これは五千株以上で面倒だというお示しもありますが、いろいろ調ベて見ますと、五千株以上の大株主というのは非常に少いのでありまして、例えば資本金の一億円以上の会社で言えば、平均いろいろ調ベたところでは二、三十人、十億円程度の大銀行で平均二百人程度しかございません。而も証券民主化を監視するといいますか、再び又結合が起らないように見て行くというためには、この程度のことをやつて置けばよいのじやないかということで、たまたま五千株以上ということにしたわけであります。
#34
○木内四郎君 余り集中するのを監視するという意味ですか。
#35
○政府委員(伊原隆君) さようでございます。
#36
○木内四郎君 それでね、段々下げて來て役所の手続き処理が殖える一方になるのじやないですか。こんな報告を取らないでもよいんじやないですか。
#37
○政府委員(伊原隆君) これは役所ではございませんので、証券処理調整協議会という、持株会社整理委員会、閉鎖機関保管人委員会、財産税を代表する國というようなもので構成しておる証券処理調整協議会というものがございます。その協議会でカードで登録をいたしております。
#38
○木内四郎君 若し過度の集中というようにことを監視するのだつたらば、期末なら期末に一回出させるとか、何かそういうことでも足りるのじやないですか。
#39
○政府委員(伊原隆君) その通りでありまして、或る程度の株主、或る日現在の株主名簿を出して貰つて、後は大きな株主だけの異動を調ベて、それもそうちよいちよい取るつもりはございません。纒めて取るということで手数をかけないようにいたすつもりでおります。
#40
○委員長(櫻内辰郎君) それでは只今の本案に対する質疑は一時中止いたします。
  ―――――――――――――
#41
○委員長(櫻内辰郎君) 次に米國日援助見返資金特別会計法案の審議に移りたいと存じます。大体昨日で質疑は終了いたしておるのでありますが、只今大藏大臣がお見えになりましたので、御質疑がありましたら御質疑を願いといと存じます。
#42
○小川友三君 大藏大臣がお見えですから、ちよつとお伺いしますが、一千七百五十億の援助資金及び救済資金ですが、ドルの建値が変りましたので、何か政府で名案がございましたら、一億九千何百万ドル計算で行きますと、余計に援助資金が使えるということですが、この目的に大藏大臣が成るベく産業の振興のために努力せられることを信んじておりますが、大藏大臣の腹藏のない御高見をお洩らし願いたいと思います。
#43
○國務大臣(池田勇人君) 米國の対日援助の額は只今のところ決つておりませんので、新聞の傳えるところによれば、五億三千万ドルと云つておるようであります。併し千七百五十億円というのは五億三千万ドルと直接の関係はないのでございます。先般もここで申上げたと思いまするが、四十九年度の分と、そうして五十年度の分とずれて入つて來るようになつておるのであります。從いまして、千七百五十億円はいろいろな事情を勘案いたしまして、借款と申しまするか、大体千七百五十億円ということに決つて、向うの内示があつた次第であります。將來の見通しとして五億三千万ドルが決まり、そうして向うに物價の変動が來ることになれば、來年度においては、五億三千万ドルが五十年度、五十一年度の向うの援助資金が決れば変つて來ると思います。只今のところでは千七百五十億で進んで行くわけであります。
#44
○小川友三君 今新らしい言葉を昨日から政府は使つておるのですが、アメリカの物價の変動という新らしい言葉ですが、この新らしい言葉で、向うは物價の変動がありそうだというけれども、実際ないかも知れないですね。これは大体紙風船が飛んで来るかも知れない。軽氣球の話だと思いますが、アメリカの物價の変動ということはこれは発祥地といいますか、軽氣球の出所といいますか、そのニユースの出所はどこから出ましたのですか。それをちよつとお伺いしたいと思います。
#45
○國務大臣(池田勇人君) これは爲替レートが決つてからでなく、私は前から考えておつたのでございます。爲替レートの決まる前に、私は新聞記者にも話したことがあるのであります。大体アメリカの最近の状況では物資の生産が非常に殖えております。そうして通貨は余り殖えておりません。私はアメリカの物價はいろいろな議論はあるようでございまするが、物價は或る程度アメリカでは下るのじやないかという私は見通しを持つております。
#46
○小川友三君 私はこの前の片山内閣のときに、和田安本長官の経済白書を藪医者の処方箋であると言つて、本当にその通りに当つたのですが、今度の池田大藏大臣の処方箋は医学博士の処方箋と私は初め見ておりました。余り質問せずにおりましたのですが、今アメリカの物價が下るという見方はこれは藪医者の処方箋じやないかと思うのであります。アメリカは物資が非常に殖えたと言うけれども、世界中の貿易をしておりますので、案外うまくこなして行くだろうと私はこう解釈しておりまして、この点が私と大藏大臣の見解の相違と思うのですが、後、半年経ちますと、アメリカ貿易業者の非常に新らしい宣傳で以て物價は下らんのじやないかということになりはしないかと思つておりますが、この点は私もアメリカを相当研究しておりますが、この見解は私の方が勝つか、負けるかは一年か半年で分ります。非常に向うが下るという見通しを持たないで、健全財政でやはり池田大藏大臣の独特の心臓で押して行つた方がいいと思うのです。そうしてこの経済立法をして行くということはよいと思いますが、特に米國という名前のついた法案は終戰後初めてと考えるのであります。この案につきましては、全面的に賛成しておるのです。腹臓のない千七百五十億円というものの説を承りましたが、アメリカの物價の値下りということは余り宣傳しない方がいいと思うのです。よろしく一つそのつもりで願えたら結構だと思いますが……。
#47
○九鬼紋十郎君 爲替レートの決定に関連して御質問したいと思います。先日新聞を拜見しますと、大藏大臣は爲替レートが決定した以上、資産再評價の問題も年内中に片をつけたいということを言つていらつしやるのですが、我々としましては、一日も早くこれを決定して頂きたいのですが、その時期はいつ頃になるか、その見通しがつきましたら、ちよつと御答弁願いたいと思います。
#48
○國務大臣(池田勇人君) 御承知の通り今年の一月から大藏省に税制審議会を設けまして研究をいたしておつたのであります。案がときどき変つたようでございます。私はこの問題は税ということばかりでなしに、物價の問題とか、外資導入の問題とか、いろいろな観点から檢討して行かなければならないと思つて、以前から考えておつたのであります。民間の方々につきましてもいろいろ意見を私聽いて参りました。先般又大阪に参りましたときには、主としてそういう問題を業者から聽くために参つたのであります。今國会に税制の改正法案を出すならば、そのときにまで何んとか決めようと思つておりましたが、出さないことになりました関係上、そうして御承知の通りに最近根本的な税制改正の案を練ることになつております。そのときに一緒にやりたいと思います。飽くまで税ばかりでなく、物價とかいろいろな観点から適当な評價の仕方を研究して行きたいと考えております。できるだけ早い機会にやるということになると思います。
#49
○委員長(櫻内辰郎君) 外に御質疑はございませんか。
#50
○木内四郎君 大藏大臣は千七百五十億円は國内的に千七百五十億円と計算してやつたので、アメリカの五億三千万ドルと関係がないという説明になつているけれども、それもそれでいいと思うのですけれども、如何ですか。今度追加予算を出される必要がある場合のことを考えられて、五億三千万ドルを三百三十円で切つて、それで千七百五十億円とした。そうして今後三百六十円ということになれば、これが殖えるというような説明をされる方が、今度追加予算を出されるときに、追加予算を取るときにいいのじやないですか。その点はどうですか。
#51
○國務大臣(池田勇人君) 將來のことは何とも申上げられませんが、千七百五十億円を追加予算の財源にするという氣持は絶対にありません。補給金が殖えるからその殖えた分にこれを使うという考え方は、起す人があるかも知れませんが、これはこの会計を設けました趣旨から申しまして、又今度の予算編成の根本精神から申しまして、これを殖やして歳出の財源に充てるということは、私は毛頭ないと思います。
#52
○木内四郎君 今のは普通の歳出の財源ではありませんけれども、やはり特別会計においては一部を鉄道関係の公債の引受け、一部は通信関係の公債の引受け、その他の歳出面があるのですが、そういう意味の歳出面を殖やして何かに使われるということはないだろうか。勿論來年度になれば歳入は殖えて來れば、その結果として來年度において使える歳入があるから、それに見合つて歳出を決め得るけれども、その年度の途中において、この特別会計の予算に上げられているようにいわゆる歳出面を殖やすためにやられることはないかどうか、又それを場合によつたら殖やした方がよいのじやないかということも考えるのですが、そういう点はどうですか。
#53
○國務大臣(池田勇人君) これはアメリカの予算で認められました時対日援助のドル資金による物資がどんどん入つて参りまして、そうして貿易会計に嵌り込んでしまつたというふうな場合には、そういう観点から増額するということはあり得ると思います。歳出の財源或いは建設公債を非常に出さなければならんというふうな観点から動かすべきものではないと考えております。
#54
○小川友三君 本案につきましては、質疑は相当に盡されておりますので、質疑を打切りまして討論に入ります……(「いや、まだ質問はあります。」「自分で勝手にやつてはいかんよ。」と呼ぶ者あり)
#55
○波多野鼎君 大藏大臣に二、三の点を質問いたします。この三百六十円レートの設定ということは、勿論試みにやつて見る、そうして日本並びに世界経済の情勢を観測した後で、最終的なレートを決めるという意味ではなくて、これがまあ最終的なものだという意味で決定されたものだと思うが、その点は如何ですか。
#56
○國務大臣(池田勇人君) まあ最終的……。とにかくこれでやつて行きたい、又やつて行けると、こう考えております。
#57
○波多野鼎君 つまり企業の合理化とかその他輸出計画とか、すべて日本の経済の再編成と申しますか、整理と申しますか、これはこの三百六十円レートというものを基準にしてやるのだという固い決意の下に、政府はこれを受取つているとそう解釈していいのですか。
#58
○國務大臣(池田勇人君) さようでございます、
#59
○波多野鼎君 そうしますと、この三百六十円レートを維持するためのいろいろな方法なりを考えられなきやならないと思うが、ただ貿易関係を伸張するというだけでは、日本の貿易の内容から考えて見て、なかなかこのレートは維持できないという見込の方が強いと私は思うのです。その他に何かこのレートを維持するための物的な基礎といいますか、背景といいますか、そういうものはあるのですか。
#60
○國務大臣(池田勇人君) 御質問の点よく分りませんが、物的基礎と言うと、例えばクレジットとかそういう問題……。
#61
○波多野鼎君 そうです。その問題……。
#62
○國務大臣(池田勇人君) これは爲替相場を維持するためどうこうということは今はございません。
#63
○委員長(櫻内辰郎君) 他に御質疑はございませんか、
#64
○波多野鼎君 まだ少しあるのだから……。そうしますと、このレートを、アメリカ側から指定して來て呉れたのだが、これを日本政府として受取つた場合、日本政府はどういうような方法においてこのレートを維持する覚悟といいますか、方策を持つているかということを承りたいと思います。
#65
○國務大臣(池田勇人君) これは輸出産業を奬励し、又不要の輸入を減らすとか、普通の爲替レートの維持の方法より他には只今のところございません。
#66
○波多野鼎君 そうしますと、この三百六十円レート維持について余り樂観できないようなことに我々は考えざるを得ないので、すでに世間でも、外國の輿論などを見ておりましても、この三百六十円というのは、まあとにかく様子を見よう、この辺にして、先ず目標を決めて様子を見て、そうして世界経済、或いは日本経済の動き方によつて又変えようというようなふうの意味のものだという観測もあるわけです。そういう観測が若しありますと、企業合理化とか輸出計画とかいつたような面におきまして、非常に障碍があると思うので、そこで日本政府としてはもつと外にこのレートを維持する確固たる方策を考えておるのだということをはつきりさせられないと、企業合理化といつたようなことも恐らく進まないのじやないか、まあどうせ又これを変えるかも知れないというような見込みで、合理化などの問題でも手控えて暫く待とうというようなお氣持ちはもうすでに起きておると思うのですが、そういう点に対して政府はどうお考えになつておるのですか。
#67
○國務大臣(池田勇人君) 爲替相場を決定いたしますときに、相当いろいろなデマ観測が行われることは、これは昔からの通例というか、よくあることであります。政府は只今申上げましたように三百六十円を堅持する覚悟でございます。又堅持できると思つております。
#68
○波多野鼎君 それからこの三百六十円レートに確定したということは、これは日本の円の價値を間接的に金に結び付けたことであると理解されるのですが、いわゆる金爲替本位制度をここで初めて確立したということに理解されるのだが、政府の方ではどういうふうな見解をこの点については取つておりますか。
#69
○國務大臣(池田勇人君) 直接に金に結付けたとも考えておりません。一應これでやつて行つて、そうして行く行くはプレトン、ウッズ、即ち國際通貨基金協定に参加する覚悟でございます。
#70
○波多野鼎君 私は直接に金に結付けたと理解しておりません。そういうことを言つたのじやなくて、間接に金に結付けたもので、つまり金爲替本位制を日本が取つたということを意味すると理解されるが、政府はどうかという意味であります。
#71
○國務大臣(池田勇人君) そこまでまだはつきり言えないのじやないかと思います。方向としましては、その方向に一歩近付いたと言えると思います。
#72
○波多野鼎君 これは、從來戰爭前から昭和六年のあの日本金本位制度の停止以來ずつとぐらぐらして來て、日本の本位貨幣としての円の價値というものが、全く「くらげ」のように動揺して來てしまつておる、そういう状態がずつと長く続いて來たのに、今度初めてこのレートを決定したことによつて円の價値が確定する、國際的にも確定するということになつたと思うのです。その意味において、非常に重大な出來事であるというふうに私は理解する。そういたしますと、從來何かわけの分からん状態に置れておつた日本の貨幣法についても、政府の方じや考えなければならん。貨幣法の第二條の規定なんというものは、これは現在では死文になつておるのじやないか、そのために、独立國といいますか、一つの國の象徴とも言うべき本位貨幣というものが非常に曖昧の形で残されておつたのが、今度の三百六十円レートの決定によつて方向付けを與えられた、ここで円がしつかりしたものになるということになる第一歩を踏み出されたと、こう思うのです。としますと、從來も非常に曖昧な状態に置かれておつた貨幣法、特に第二條、これを政府は何か改正するとかいつたような考えをお持ちになつておるかどうか、持たれるのが当然じやないかと思うのですが……。
#73
○國務大臣(池田勇人君) 從來から、お話の通りに貨幣法というのは存在しておりまして、そうして戰爭前も二十二ドル二分の一でありましたか、ああいうような爲替相場があつたわけであります。金本位を停止いたしましてから今度のような措置が、今まで相場がなかつたのが相場ができたということから申せば、お話しの通りに一歩近付いたのでありますが、爲替相場が決まつたからと言つて直ちに貨幣法を直さなければならんとも考えておりません。將來の問題といたしましては研究しなければならんことでございまするが、今直ちに貨幣法に手を着けるということはそこまで行つていないと考えております。
#74
○波多野鼎君 貨幣法の第二條の円は純金七百五十ミリグラムというこの規定が、このまま残されておつて、そうして、これが生きているか死んでいるか分らん状態、非常な曖昧な状態に残されておる。而も一方では一ドル三百六十円ということが國際的に確立して、この両者の間の矛盾を何とか解決しなければ駄目だと私は思う。その点どうなんですか。
#75
○國務大臣(池田勇人君) 先程申上げましたように、從來も一ドル何ぼという相場があつたのでございまして、今これを直ちに改正しなければならんとは考えておりません。將來の問題としては、これは國際的にそういうことを処理しなければならんときも來ると思うのであります。
#76
○波多野鼎君 そこで私は最初聽いたのは、つまり一ドル三百六十円というベースを、これを確固たるものとして、この基礎の上に日本経済を建直し、國際経済の中へ追い込んで行くという断乎たる決意を政府が持つておるならば、貨幣法のこれにまで考えを及ぼすべきではないか、これまで考えを及ぼして行かないと、この一ドル三百六十円というレートなるものを一應決めて見たんだが、どうなるか分らんといつたような、そういう自信のない、そういう決め方をして、受取り方をしておるというふうに理解されてもしようがない。私は不退轉の決意、ここで日本経済を建直すんだ。その尺度をここに決めたのだ。こういうことを事実上表明される意味において、貨幣法の問題まで考えて行かるべきじやないか。こう言つておるわけなんです。暫定的なものではないかということは、勿論貨幣法など触れる必要はない。今まで爲替相場を決めて來たのは皆暫定的だとうなるか分らん。まあ差当りこうやつて置こうという程度の腰だめ的な爲替相場の決め方であつた。今度はそうじやないと私は思う。そうでないならば、貨幣法の問題にまで触れるべきだとこういうのです。
#77
○國務大臣(池田勇人君) 今貨幣法を改正して一ドル三百六十円で釘付にするという方策を取るがいいかどうか、ということは私は問題と思います。やはり講和條約で済み、或いは又國際的の全協定に入つたときにそれを決めらばいいのであつて、今直ちに貨幣法を改正しなければならんとは考えておりません。
#78
○波多野鼎君 そういう点にもう少し政府の方でも考えて頂きたいということをここを希望して置きます。
 それからもう一つ最後に、この將來の金政策の問題ですが、これを一体どういうふうにお取りになるお考であるか。從來たびたびこの委員会でも問題になつたが、金の生産高というものは、政策のやり方によつてはもつと殖える筈のものだということがいろいろの委員から指摘されております。外の鉱業生産指数に比べて、金の生産指数が非常に落ちております。上つておらない。これは金政策が戰爭中に、又封鎖経済というような、自立経済というような考え方から金政策を非常に軽視して参つた。そういう弊がそのまま残つておつて、今日國際経済の中に日本が入つた、このときにおいても尚金政策を変えないというようなことでは駄目じやないかと思うので、金政策をどうお考えになるか。
 それからもう一つ、このレートが決まつたことによつて、金の買上價格は当然に四百円以上に引上げなければならんと思うのですが、これもどうお考えでしようか、はつきり一つ……
#79
○國務大臣(池田勇人君) 金の増産につきましては、私はこれから奬励して行きたいと考えております。ここ二年ぐらいの間に一グラム六、七十円から今三百二十六円に上げております。今度の爲替相場でありますと、一グラム四百五円ぐらいになります。それで三百二十六円を今直ちに四百五円ということに決めるのはどうか。もう少し金鉱業の状況を見まして決めるべきではないか、只今研究いたしておる次第であります。
#80
○波多野鼎君 金鉱業の状況を見ると言われるが、買上價格が爲替相場から換算して低い所に置いたのでは金鉱業というものは発展しない。どうしてもここまでは直ぐオートマチツクに引上げるべきである。自動的に引上げていいものだとこう思うのです。至急に一つ政府の方で案を立てて発表して頂きたいと思います。私の質問を終ります。
#81
○中西功君 この前大藏大臣に私は質問いたしましたときに、大藏大臣は、即ち三百六十円のレートが決定されたとすれば、今まで千七百五十億は三百三十円で計算しておるので、それは当然殖えます。こういうふうな答弁があつたと思うのです。その答弁と今ここでなされた答弁とは大分違つておるわけであります。勿論この違つておるのは、大藏大臣が、何と言うか、勝手な考え方ということじやなくて、或いは間違いということじやなくて、現案がそうなつておるのだろうと思いますが、少くとも前の答弁においては、大藏大臣は千七百五十億というのは、三百三十円レートというもの、或いは又予想されるイロア或いはガリオアフアンドの量というものを前提として考えられておられたから、ああいう答弁が出たと思いますが、それが一括して千七百五十億というものが内示されておつたのだという点が、今度この三百六十円ベースが決定されたことによつて非常に明瞭になつたと思うのです。まあ結局そういう点から言いますれば、今ここでなされた答弁が眞実であるというふうに受取つていいわけですが。
#82
○國務大臣(池田勇人君) その通りでございます。
#83
○中西功君 そういうふうになりますと、私達はこの第三條の第二項というものが、事実上今日においては実際の関係からまあ空文であるというふうに考えられます。少くともこの第三條第二項が一應この條文通り考えるならば、この前大藏大臣がなされた答弁がこの條文に合つておるのであつて、あとのような場合だというと、この第二項の、これは基礎としてこういうものがあるとしても、現実においては、これは一つの空文にならざるを得ない特殊な事情があるということを感じますが、そういうふうに考えていいかどうか。
#84
○國務大臣(池田勇人君) そうは考えません。それは三百三十円の想定レートで計算したのが三百六十円になれば、その金額は殖えることはもう算術の示すところであります。併し千七百五十億円を今直ちに殖やすかどうかということは別の問題でございまして、先程お話申上げましたように、翌年度においてそのずれが來るというようなことは考えられます。こういう意味でございます。而してこの三條の第二項の問題は、これはアメリカから來たものを三百六十円の換算率でやるということを規定したのでございまして、空文にはならんと思います。
#85
○中西功君 いや事実上ですね、向うから來る物資の米ドル價格を大藏省で決める爲替換算率、こういうものによつて額が決定されるというふうに書いてあるわけなんです。ところがそういうふうにやられるならば、この前大藏大臣が答弁したように、以前は三百三十円を想定しおつたが、今度は三百六十円になるから、これが今度の場合においても千七百五十億は殖えます。又殖えたように実際の面で処置されるということに大体なつて行くわけでありますけれども、今日説明になつたように、実際はそうではなくて、千七百五十億円というものが與えられておつたわけなんで、それを自分たちは説明の便宜から三百三十円と、五億三千万米ドルというものを割算しておつたわけであるというようなことになるのです。ですからその点で言えば、現実の問題としてこの二項のこういう規定に拘わらず、一應日本政府としては千七百五十億というものを一括して一應やるし、而も又説明の場合には、割算をして適当な要素に分けて説明するというふうなことにならざるを得なくなつておる事は事実だと思うのです。だからこの條項と、そうして而も現実との間にはやはりギヤツプがあるのです。あるということは大藏大臣の答弁自身が二樣になされたことによつても明らかになつておるのです。だから私としてはそのあとの方が現実なんだから、今の場合必ずしも第三條第二項がこのまま現実に適用せられていない事情になつておる。そういうふうに理解してよいじやないか。こういうわけなんです。
#86
○國務大臣(池田勇人君) そんなに間違つて理解されては困るのでございます。予算委員会で中西君もお聞きになりましたように、五億三千万ドルというのが四九年から五〇年の分で、相定されてもこれがそつくり入るというのじやございません。これは前年度の分が來ましようし、そうしてその分は翌年度へも行くのでございますから、私はもうその点は予算委員会ではつきり言つております。これは中西君もお聞きの通りであります。又実際から申しましても、アメリカの会計年度と比べてこつちは四月から來年の三月までですから、これがそつくり來るということは当然考えられないことなんです。今のずれ問題のときなんかでも、予算委員会で僕ははつきり前年度の分がこつちへ入つて來る、そうして向うの五〇年度で決められるのが入つて來る、こう言つておるのであります。
   〔「同感」と呼ぶ者あり〕
#87
○中西功君 これは私の言つておるのは、予算委員会の話でない。見返会計について、この二、三日前に爲替レートが発表せられた日に、大藏大臣にやつた私の質問に対する大藏大臣の答弁が、速記録を見て貰えばはつきり分る。三百三十円で、今まで計算しておりますから、三百六十円に決まれば殖えます。こう大藏大臣ははつきり答えている。ですから問題は大藏大臣のその当時の答弁と今の答弁とははつきり違つている。違つているとすれば私はこれを好意的に二つとも事実に近い。そうしてその間を適当にこの條文と関連させて考えているわけなんです。ですから実際に貿易は年度に亘りますから、事実においていろいろ喰違いが出ます。出るのはそれは当然のことなんです。だけれどもそれを算定するときに、忠実にこの第三條第二項に從つて計算して我々にそれを示すか、それともそういうことははつきり分らないこととして一括、大体これくらいのものであるというふうに説明するかということによつて、これは全く違うと思うのです。だからその点が少くとも二三日前の大藏大臣の答弁では一應五億三千万米ドル、三百三十円というものを想定した返答だつたのです。それは五億三千万米ドルが何もアメリカ議会で今議会に決定されるものであるというふうに考えなくても、それは二十三年度分、或いは二十四年度分に亘るこちらの会計年度のアメリカからの物資と想定してもいいわけなんです。が併しともかくもそれはどちらにしようとも、そういうふうな二つの要素をここにはつきり書いてある。その要素の上に額が決定されて行くならば、これはこの條文の通りですけれども、今まで、最近になつて説明されているように、一括して千七百五十億円というものが内示されたので、自分達としては、一應三百三十円レートが想定されておつたから五億三千万米ドルというものを逆算して説明したというならば、これは非常に違うのです。明かに違う。その相違を私は一体どちらかと言うのです。若し後者ならばその通り、むしろそれに即應したようにこの條文を変えた方が事実に近いし、併しまあ特殊な事情でそれができなければできないでそれでいいし、そういうことを言つているのです。
#88
○國務大臣(池田勇人君) 三百三十円か三百六十円になりまして、援助資金は長い眼で見て殖えることは事実でございます。而してここの三條の規定は、向うから入つて來たものら三百六十円で計算する。こういう規定でございまして、千七百五十億円と関係はないと考えております。
#89
○波多野鼎君 今の三條二項の問題は実際問題なんで、この第二項の書き方は向うから入つて來る物資並びにその金額というものが一應確定しておつて、それを一應見通しをつけて、それに爲替換算率を乘じた金額を予算の上に組むということになつているで、大体五億三千万ドル見当のものが、いろいろずれはあろうけれども、我が國の会計年度中に入つて來るだろう。それを三百三十円のレートで掛ければ千七百五十億円になるというふうにこの規定はできている。ところが三百六十円になつたのだから千九百幾らというふうにならなければならんじやないか。若しそうしないで、飽くまでも千七百五十億円という日本金額だけを中心に考えるならば、この三條三項の規定は不用じやないかというふうに考えるのです。この点ははつきりして置いた方がいい。
#90
○國務大臣(池田勇人君) これは換算の仕方を書いているのでありまして、この会計の総額をこれによつて計算する規定ではないと思うのであります。これはもう長い目で見ますと、対日援助資金の運用によります收益なんかも繰入れるようになります。
#91
○波多野鼎君 その換算の仕方それ自身が問題なんです。換算の仕方それ自身を大藏大臣が言われるようにここに書いてある。そうしますと、換算の基礎となるアメリカの対日援助物資、或いはその金額というものが先ず先決問題なんです。それが先決されて、然る上に換算率を掛けて換算して行くという手続がここに規定してあるのであります。その手続によらないで、一千七百五十億円というものを頭からすぽんと出して來るから、こんな換算の方法は要らんじやないかということなんです。換算の方法を規定することは無用じやないかというのです。
#92
○政府委員(伊原隆君) ちよつとその細かい技術的なことにつきまして、私から御説明申上げますが。この米國対日援助見返資金特別会計法の第三條は、司令部から示されました四月一日附の日本政府宛の覚書によりまして、覚書の第二項の「連合國早司令部は随時米國援助ドル價格を日本政府に通報し、又日本政府はこれに基いて総司令部より日本政府に指示された交換率によつて計算された等額の円を資金に預け入れるものとする」、こういう向うの指令に基きまして、條文を書きましたわけでございまして、今回爲替レート決定に関しまして、覚書によりますと、大藏疑令で定める換算率と申しますのは、即ち三百六十円ということに相成つた次第でございますが、この法案提出の当時はその率を示されておらなかつたわけであります。ただ御説明の便宜上、御存じのように、予算上では輸入物資の換算率は、三百三十円ということに当時相成つておりましたので、便宜上政府委員等からも三百三十円という数字を使つて御説明申上げましたが、政府への指令から申上げますと、只今申上げましたように、今回初めてこの換算率は三百六十円と示されたわけでございまして、その覚書に從つてこの條文が書いてあるのであります。尚米國援助物資のアメリカ合衆國通貨によりドル額とようことも、この指令によりますと、時々日本政府に取報を受けることに相成つております。これも正式には通報を受けておらないわけであります。それで今後恐らく毎月、或いは四半期ごとかに通報を受けることと存じますが、それによつて援助資金会計の資金が入つて参る、ただ予算上は、大臣からも御説明がございましたように、一千七百五十億円というような円額によつて計算をされております。
#93
○政府委員(佐藤一郎君) 波田野委員に申上げますが、この法文は私の方で書きましたので、ちよつと御説明しますが、「前項に規定する貿易特別会計からの苦小金の額は」、と申しますのは、繰入の予算総額はという氣持ではございません。これは第三條を分けまして、そのあとに文句がございますように、特別会計で以て、段々と貿易特別会計へそれが入りまして、金がたまつて参ります。それがその都度々々何回かに区切つて入ります。そのときに換算率はこれによる、勿論法律によつて予算の総額が間接的に規定されるというふうな決め方は、予算の法律の決め方から言つても不都合なのでありまして、そういう氣持から決めておるのであります。
#94
○中西功君 第三條の第三項ですね。「貿易特別会計からの繰入の時期は、政令で定める」と書いてありますが、これは大体どの程度の予想なのですか。
#95
○政府委員(伊原隆君) これは只今のところの考え方では、恐らく前月分にたまりましたものを翌月の初めに入れるというふうな考えで進んでおります。但しこれは尚研究中でございますので、変るかも知れませんが、今のところはそうでございます。
#96
○波多野鼎君 今の政府委員の御説明では、分つたような分らんようなものだが、これは先程から、司令部から指令があつて、そうしてドル價額を通報するというあれがあつたので、そのときの事情に應じてこれを書いた。ところがその後ドル價額の通報は受けておらんということを言つておられますが、
   〔委員長退席、理事伊藤藤保平君委員長席に著く〕
そうだとすると、今後受けられるかどうかも分らない。そうすると、この條文の書き方がちよつと変じやないかと思うのです。
#97
○政府委員(伊原隆君) 技術的のことを申上げますが、先程申上げましたように、連合國総司令部から日本政府宛にドル額が通報され、そのドル額の換算率も指示するというふうにございます。ドル額の通報の方は、只今中西委員にお答え申上げましたように、まだはつきり分りませんが、今まで聽いておりますところでは、恐らく毎月分を翌月の初めぐらいに知らしい貰えるのじやないかと思つております。そうなりますと、全く仮定の例でございますが、一億ドルというものが通報されますと、一ドル三百六十円にいたしまして、三百六十億円というものをその示されたときに受入る。又その翌月は五千万ドルという通報が來るかも知れません。そうすると、又三百六十円を掛けまして、百八十億円というものが援助資金に入るという仕組みになると思います。只今はまだ年度の初めでございまして、この規定によるドル額即ち総司令部の覚書によるドル額の通報は受けておりません。
#98
○木内四郎君 ちよつと速記を止めて下さい。
#99
○理事(伊藤保平君) 速記を止めて。
   〔速記中止〕
#100
○委員長(櫻内辰郎君) それでは速記を始めて……。進行願います。
#101
○中西功君 今まで、この第三條第二項が問題になつて來るについては、これはこの法文自体よりも、これと関連しての今度の予算の立て方、或いは全体としての日本経済の非常に重大な問題と関連があると思うのです。で我々が今度の予算を立てるとき一應貿易計画というもの、或いは生産計画というもの、或いは國民所得も入りましようけれども、そういうものを或る程度想定して立てて來ておるのです。若しそれが非常に間違つておるということになれば、これは又非常に問題が違つて來ることになるのであります。從つて又一千七百五十億というものも、その一環として我々の背後にあるところの貿易計画、或いは生産計画と関連さして考えて行く。そのときに明らかに爲替相場が三百三十円ということはこれは想定しておつたわけです。それが一應このたび変つたとすれば、それに相應した変化があると考えるのは、これは当り前のことです。でこの二項の條文がどうか、こうかということよりも、全体としてのそういう大きな日本経済を想定して出しておる問題だけに、爲替相場が変るということがそういう変化を與えるのは当然で、これは当り前のことです。大藏大臣のこれに対する答弁は一應達観している。千七百五十億円を決めておつたのだというふうにして、そしてこれは種々の事情でまあ当分このままで便宜的に行くのだというふうな意味ならいいのでありますが、恰も今まで一應予算審議のときに想定しておつた一定のものが、そんなことは意味がなかつたのだ、又そういうようなことは問題にならないのだというふうなことを言われるために、我々は非常に疑問を持つ、又或いは疑惑を持つことになるのであります。ですから一應今のところでは三百六十円になればそれは三百三十円と違うのだから殖えることは殖える筈になるのだが、今のような諸情勢の下で結局千七百五十億円と一應今決めて置いても、別に決定的な変化もないと思うから、一應これで当分やつて置く、こういう意味なら私は分ると思うのですが、それが恰も今まで我々が了解しておつたことは間違いであつて、そんなことは大藏大臣は言わなかつたというような態度で答弁がなされておるとすれば、これは非常に不可解なのです。その点を今ここではつきりして貰いたいのです。
#102
○國務大臣(池田勇人君) 先程來申上げておりますように、予算全体といたしましては相当影響がございます。併しこの資金の問題につきましては、性質上これは先のことでありますから、どんどん援助物資が入つて來、そうしてこれに繰入額を年度内に殖やした方がいいということになりますれば、これは補正予算でされるのでありますが、これは只今のところは中西君もお分りの通り、これでやつて行きたい、これでやつて行つて支障がないという考えでおります。
#103
○中西功君 最後にもう一つ。別のことですが、第四條の六項七項ら削られたということに関連しておる。勿論削ることは結構なんですが、この前僕の質問に対して大藏大臣は先方と緊密な関係でやつて行きたいというふうなことを答弁された。その緊密なという意味は、それは衆議院が附けたような附帶決議みたいな恰好で、衆議院は附帶決議でいろいろ附けておりますけれども、緊密な連絡によつてやつて行くという趣旨は、これは從來日本政府が持つておりますところの國内政治、経済に関する権限、或いは又責任そういうものと何ら牴触するものでもないということが一つ、それから又この法案は、見返資金特別会計法案は普通一般の他の経済法案と何ら変らない同じ性質を持つものであること、これが二番目。更に又援助物資の円、これを賣つた円資金だから、それは外の日本の資金とは違つて、先方の方に特殊な発言権があるのだというふうに考えられておる向きが非常に多いのですが、私は少くともドル会計、或いはそのもの、日本政府に渡されるまでのそのものについては、そういうことはあり得るとしても、これを賣拂つた円については何ら他の日本の円とこの円が特別なものではない、又そう考えるべきだと思うのです。從つてそういう面から見てもこの法案は外の法案と、國内の経済法案と特別なものではないいこういうふうに考えていいかどうか、そうして緊密に先方と連絡してやつて行くという意味は、これは一般的に從來の日本の政府が管理下において関係方面と緊密な連絡を取つてやつて來た、そういう以上のものを何ら出るものではない、そういうふうに私達は考えていいかどうか、その四点を伺つて置きたいと思います。
#104
○國務大臣(池田勇人君) 御質問の四点はこれで盡きると思います。今年の四月一日から、向うから日本政府宛の指令は「日本政府は総司令部によつて承認された額並びに目的においてのみ資金から引出しをなすことができる」、という覚書が來ておりますので、司令部の承認を得る必要があると思うのであります。
#105
○中西功君 その司令部の承認を得て資金を引出すということは、それはいいといたしましても、この資金を日本経済の全般の関係から見て、どういう方向に使う、或いは運用するという点については、それは日本政府の責任が、そこで十分貫徹せられるというふうに理解してよろしいのですか。
#106
○國務大臣(池田勇人君) その通りでございます。
#107
○小川友三君 本案につきましては、大体質疑が終つたと思いますが、討論に入ることをお願いいたします。
#108
○委員長(櫻内辰郎君) 小川君の御発議に御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#109
○委員長(櫻内辰郎君) 御異議ないと認めます。御異議ないと認めて討論に入ります。御発言の方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
#110
○小川友三君 本案は米國の援助による非常に尊い資金でありまして、又誠に感謝に堪えない資金であります。本案の要点につきましては、飼くまでも政府の行政に信頼をいたしまして、日本の救済、産業の救済、特に救済のために使つて頂きたいのであります。思い出せは終戰直後から日本の困窮は人心の動搖と共に非常に甚だしいものがあつたのであります。連合軍最高司令官の博愛のある、厚意によりまして、日本の現在は治安も相当確立し、経済も再興へ再興へと向いつつあるのでありまして、この機会に全米國民に感謝をいたしたいのであります。又一方政府は本案を作るために、又この資金のために努力せられて、特に大藏大臣が努力せられたことにつきましては、感謝をし原案全部に賛成いたします。
#111
○委員長(櫻内辰郎君) 外に御発言はございませんか。
#112
○九鬼紋十郎君 本案につきましては賛成ありますが、この資金につきましては、アメリカの非常な厚意によるところの資金でありまするがために、日本産業の再建のために最も重要な方面に百%の需要價値のある方法を以て愼重に使用せられたいと考えます。それにつきましては、恐らく基礎産業といつたようなものが非常に重要視されて、第一義的になると考えるのでありますが、尚その外に、これに関連するところのいろいろ中小産業の援助の方面にも、是非この資金を使用せられるように、政府で考慮せられることを特に切望いたしまして、本案に賛成する次第であります。
#113
○委員長(櫻内辰郎君) 他に御発言ございませんか。
#114
○中西功君 私は日本共産党を代表いたしまして、この法案に反対いたします。反対の理由については、ここで詳しく述べませんが、この法案で出されたいろいろのいきさつ、更に第四條六項七項が一應幸にして削るということになりましたけれども、衆議院が附帶決議として出されておるものは、全くこれを削つた意味を喪失しておると思うのであります。実際に貿易資金特別会計が存在しておつた時代に、私達は実はこの援助物資を特別な会計において会計すべきであるということを申しておりました。併しそれは決してこのような形において、それを会計すべきではなくして、飼くまでも日本政府が、このアメリカから持つて來るところの物を正確に記録し、而もその資金については、日本政府の責任において正しいところに使うべきである、單に貿易会計の中だけぐるぐる廻りをしておるようなこと、又そのことによつて莫大な輸出補助金を與えておるようなやり方はよろしくないという意味で、特別会計の設置を要求しておつたわけでありますが、併し今日出て來たものは全くそれと内容が違つておると思うのであります。こういうように行くならば、これは極めて日本経済におきまして、大きな惡い影響を及ぼすと我々は考えます。その点については、今後の運用が大いに問題になるわけでありましようけれども、ただ会計の面一つだけ見ましても、貿易会計との関係で見れば千七百五十億というものは、これは想定されたものでありますが、少くとも向うから持つて來るイロア及びガリオア物資を、そのまま日本の爲替レートで換算した額、その額を全部無條件に貿易会計から、この会計に繰入れるということには、非常に無理があるのであります。我々はその額を一應この会計の上に示して置くということについては、会計技術上から見れば別に異議はないのであります。併し貿易会計の実情を何ら考慮せずに、そのまま無條件に一定の額だけ、見返会計に繰入れる。資金的に繰入れるというやり方は、これは貿易会計を非常に犠牲にいたします。その結果一般会計から貿易会計に莫大な國民の血税を入れなければならなくなる。このことに関しては私達の勝手な見解でなく、この委員会の席上で政府委員もはつきりそういうふうに言えばそういうことになります、ということを認めた問題であります。だからそういう点に関しては少くとも、この会計上のこの問題を直さなければ、このまま行われて行くならば、國民の税金の負担はますます多くなる。いわば非常に奇して関係でありますが、輸出が進めば進む程、日本政府が必死になつて輸出貿易を振興すればする程、今のこの会計と貿易会計の関連から言えば、一般会計からの繰入金が多くなつて、即ちそれだけ税金が多くなるということを極めて明白に示しておる。この点は政府側もはつきり認めておるところであります。こういうような部分的の点においても大きな欠陷があります。根本的な問題については、もつと沢山なものがありますが、我々はそういう意味において、これはやはり作るとしても相当根本的に内容を変えなければならん。何より大切なことはこの会計は日本経済を動かして行くような資金を包擁しておるために、飽くまでも日本経済の本当の復興のために使われなければならないわけですけれども、今の状態で行くならば、それができない状態に來ておるということを考えますので、この資金の根本点についても私達は反対せざるを得ない、大体そういうふうな理由によつて、我々共産党はこれに反対いたします。
#115
○委員長(櫻内辰郎君) 他に御発言はございませんか。御発言はないようでありますから、討論は終了したもと認めて、直ちに採決いたします。米國対日援助見返資金特別会計法案を、原案通り可決することに賛成の方の御挙手を願います。
   〔挙手者多数〕
#116
○委員長(櫻内辰郎君) 多数と認めます。よつて本案は……、衆議院から送附されました原案通りということに御解釈を願いたいと存じます。多数と認めます。よつて本案は可決と決定いたしました。尚本会議における委員長の口頭報告は、委員長において本法案の内容、委員会における質疑應答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することとして、御承認を願うことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#117
○委員長(櫻内辰郎君) 御異議ないと認めます。それから委員長が議院に提出する報告書に多数意見者の御署名を願います。
  多数意見者署名
    木内 四郎  黒田 英雄
    伊藤 保平  波多野 鼎
    小川 友三  九鬼紋十郎
    小宮山常吉  米倉 龍也
    森下 政一  川上  嘉
  ―――――――――――――
#118
○委員長(櫻内辰郎君) ちよつとお諮りいたしますが、企業再建整備法と、それから有價証券法について御質疑がないようでありますれば、採決いたしたいと思いますが、如何でしよう。
#119
○波多野鼎君 ちよつとさつきのを答えて下さい。五千株、一千株の問題、留保しておつたと思いますが……。
#120
○説明員(阪田純雄君) 証券に対します課税の問題に関しまして、先程波田野委員の仰せられましたような問題を、証券の直接関係官廳におります私共といたしましても聞くことがあるのでございまするが、御承知のように税制の建前から言いまするならば、所得税の関係におきまして、その捕捉の資料を各方面に求めておる次第であります。そういつた関係からいたしまして、証券業者の協力も求められておるのでありまして、それにつきまして一定株数のものにつきまして、その賣買の資料を提供をして欲しい、こういつたことを財務当局から証券業者に求められております。ただこの点に関しましては、やり方がデリケートな問題を含んでおりますが、そのやり方等につきまして、でき得る限り証券の民主化の叫ばれておりますとき、且つそのことが現在一般の投資者を刺激しないような方法を取りますように、課税当局におきまする御配慮を願つておる。かような次第であります。
#121
○波多野鼎君 主税局の方ですか、税の問題は。
#122
○説明員(阪田純雄君) さようでございます。
#123
○波多野鼎君 主税局長にちよつとお聞きしたいのですが、(「大藏大臣だよ」呼ぶ者あり)大藏大臣でもいい。あの五千株以上の株の異動は今度届け出ることになつたんだが、実際上の扱いとして、一千株以上の株式の異動についても報告を徴して、そうして讓渡所得税を課する材料にするということが言われておるんですが、そのためにいろいろ問題が起きておるようですが、若しこういうことを大藏当局においてやられるなら、私共が從來から主張しておる大口の銀行預金についても報告を徴せられるのが当然じやないか、こう思うのです。その点について大藏大臣一つ。
#124
○國務大臣(池田勇人君) 讓渡所得、株式の讓渡による所得に課税することは二、三年前からだつたと思います。幾らから報告を受けておるか存じませんが、多分二、三百株以上のものについて報告を受けておると思つております。その株式の報告を受けるのならば預金の方よりも求めたらどうか、こう申されるのでありますが、理論としては正しくその通りであります。併し貯蓄増強が非常に必要であることは、波田野委員も御存じの通りでありまして、徒らに……、徒らということは語弊がございますが、預金者の氣持を刺戟するのは如何と思いまするので、特に必要のある場合において只今も預金の調査をいたしておる次第でございます。これを全部取るということになりますと、可なりの手数でございます。又片方の方の株の方につきましても、今三百株それから上を取るというのは手数だから、何とか上にして呉れという陳情もありますので、その点は只今研究をいたしておる次第であります。
#125
○委員長(櫻内辰郎君) 企業再建整備法の一部を改正する法律案の質疑を終了し、討論に移ることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#126
○委員長(櫻内辰郎君) 御異議ないと認め討論に入ります。御発言の方は賛否を明らかにしてお述べを願いたいと存じます。
#127
○小川友三君 原案通り賛成いたします。
#128
○委員長(櫻内辰郎君) 外に御発言はございませんか。
#129
○中西功君 ちよつと待つて下さいませんか。
   〔「反対するか」「進行」「中西君、反対かね、たまには賛成しろよ」と呼ぶ者あり〕
#130
○委員長(櫻内辰郎君) 討論は終了したものと認めて直ちに採決いたします。企業再建整備法の一部を改正する法律案原案通り可決することに賛成の方の御挙手を願います。
   〔挙手者多数〕
#131
○委員長(櫻内辰郎君) 多数と認めます。よつて本案は可決と決定いたしました。尚本会議における委員長の口頭報告は、委員長において、本法案の内容、委員会における質疑應答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することとして御承認を願うことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#132
○委員長(櫻内辰郎君) 御異議ないと認めます。委員長が議院に提出する報告書に多数意見者の御署名を願います。
  多数意見者署名
    黒田 英雄  伊藤 保平
    波多野 鼎  小川 友三
    九鬼紋十郎  小宮山常吉
    米倉 龍也  森下 政一
    川上  嘉
#133
○委員長(櫻内辰郎君) 御署名漏れはございませんか、なしと認めます。
  ―――――――――――――
#134
○委員長(櫻内辰郎君) 次に有價証券の処分の調整等に関する法律の一部を改正する法律案について、御質疑がありましたら、この際お願いいたしたいと存じます。
#135
○中西功君 閉鎖機関の特殊清算人の地位かの日本銀行を除いたと同じ理由で、証券処理調整協議会からも除くというのでありますが、この理由はどういう理由ですか。
#136
○政府委員(伊原隆君) 御承知の通り、証券処理調整協議会のメンバーは、各会社の証券を持つておりますもの、即ち持株整理委員会、閉鎖機関保管委員会、それから國と、財産税の関係で國、それから日本銀行、こういうことになつております、日本銀行の方は、閉鎖機関の銀行関係を処理いたしておりますから、その処理が終りました関係上、今回の改正のときに、その有價証券の調整協議会の方から拔けるということになつております。
#137
○委員長(櫻内辰郎君) 外に御質疑はございませんか。御質疑がないようでありますから、討論に移ることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#138
○委員長(櫻内辰郎君) 御異議ないと認め、討論に入ります。御発言の方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
#139
○小川友三君 本案は株式民主化の徹底の確保に資するという目的でありまして、誠に結構なことでありますから、原案通り賛成いたします。
#140
○委員長(櫻内辰郎君) 外に御発言ございませんか。討論は終了したものと認めて直ちに採決いたします。有價証券の処分の調整等に関する法律の一部を改正する法律案を、原案通り可決することに賛成の方の御挙手を願います。
   〔挙手者多数〕
#141
○委員長(櫻内辰郎君) 多数と認めます。よつて本案は可決と決定いたしました。尚本会議における委員長の口頭報告は、委員長において本法案の内容、委員会における質疑應答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することとして御承認を願うことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#142
○委員長(櫻内辰郎君) 御異議ないと認めます。それから委員長が議院に提出する報告書に多数意見者の御署名を願います。
  多数意見者署名
    黒田 英雄  伊藤 保平
    波多野 鼎  小川 友三
    小宮山常吉  米倉 龍也
    森下 政一  川上  嘉
    九鬼紋十郎
#143
○委員長(櫻内辰郎君) 御署名漏れはございませんか、なしと認めます。それでは午後二時再開することとして、それまで休憩いたします。
   午後零時五十九分休憩
   ―――――・―――――
   午後二時二十五分開会
#144
○委員長(櫻内辰郎君) これより委員会を開会いたします。議題は國営競馬特別会計法案の御審議を願いたいと存じます。御質疑がありましたら、この際にお願いたしたいと存じます。
#145
○小川友三君 この競馬の馬に対する食糧が問題ですが、あれは配給していない筈ですが、幾らか配給しているかもしれませんが、大体闇で糯米を買つたりしてやつておりますが、この競馬を政府は奬励するのは結構ですけれども、闇で馬糧を買つていますが、競馬馬に対しては特別にこうした法律で守つているわけですから、又財政面にも非常に大きな收入がありますので、競馬のこの四つ足に対する食糧配給状況に対して、どういう工合に特別措置をこの法律を作つたらやるのかということと、今までどういう配給状況であるかという馬糧の配給状況を詳細に御報告願いたいのです。
#146
○説明員(正井保之君) 競馬馬の飼料につきましては、國営の競馬馬は競馬專門の馬でございますので、又飼料の事情が必ずしも十分ではございませんが、そういう專門馬に対しましては、一頭月燕麦を約四俵前後の配給割当がいたしてございます。地方競馬につきましては、競爭專門馬というのが非常に少のうございまして、或いは農耕馬或いは輓馬、こういつたものも相当数出るわけでありまして、從つて特に競馬に出るからという割当は多くのものは行なつておりませんが、それぞれ縣の方でも若干の手当をしております。併し飼料事情が輸入を待たなければ十分に配給できないような事情でございますので、いずれも十分ではございませんが、國及び縣で相当程度までは手当をしております。こういう状況であります。十分には行なつておりません。
#147
○小川友三君 そこでまああなたは競馬の專門家として解釈してお伺いしますが、競馬に出す前に、約一ケ月くらいは糯米を食わせなくちや馬は走らないですよ、糯米を闇で一俵二万円……二万円もしないが、一万五千円前後で買いまして糯米を食べさして競馬に出すのです。そこでそうした闇も幾分かまあいいだろうというわけで含んでおるのですか。
#148
○説明員(正井保之君) 別に闇の米の價格を含んでおるというところには行つておりませんが、とにかく我々の方で手当のできております飼料では十分でないという事情は分つております。濃厚飼料が不十分なんであります。
#149
○委員長(櫻内辰郎君) 外に御質疑はございませんか。
#150
○米倉龍也君 この十三條の準用規定なんですが、特別会計ですからして、どこのものを標準にしてもいいでしようが、何か薪炭需給調節特別会計法というのは何か馬と関係のあることなんですか。これだけではちよつと……何か、これを少し内容を説明して頂けませんか。
#151
○政府委員(佐藤一郎君) これはおつしやいますようなあれでしたので、これに似通つたようないわゆる運用の特別会計、どの條文でもよろしうございますが、これは事務的に農林省の中にありまして、一番手近な特別会計の同じ内容の規定を準用いたしましたので、その内容と申しますのは普通の特別会計にいつも附いておる規定でございまして、例えば借入金の償還金とか利子、或いは発行、償還に要する経費とか、こういうようなものを毎年度國債整理基金特別会計に繰入れなければならないということになつておりますが、そういう規定でございまして、或いは毎会計年度歳入歳出予定計算書、國庫債務負担行爲要求書、これを大藏大臣に送付することになつておりますが、そういう規定でございます。或いは決算に関する決定計算書を作成しなければならないとか、手続的な規定がございます。或いは又繰越に関する規定等がございまして、これをまあ法文の作成便宜上薪炭需給調節特別会計法の條文を引用しておるのであります。
#152
○米倉龍也君 そういうような今おつしやつたようなことを外の特別会計でも明瞭に法文化してあつたのもあつたのですが、これだけ特にやつたことは何か理由があるのですか。
#153
○政府委員(佐藤一郎君) 特別じやございません。実はこうした準用のやり方は外にも沢山例がございますのです。まあ規定の書き方が余り重複するような例文的なものはしばしばこういう方法を用いております。
#154
○米倉龍也君 今までここで審議した特別会計の中にも、準用規定を入れなんで、今おつしやつたようなことを明瞭に書いたのもあつたのですが、
#155
○政府委員(佐藤一郎君) それは適当な準用が特別会計の性質に應じまして、ぴつたりいかない場合にはいたしておりません。
#156
○委員長(櫻内辰郎君) 外に御質疑はございませんか。
#157
○小川友三君 質疑を打切りまして、討論を省略して、採決をお願いいたします。
#158
○委員長(櫻内辰郎君) 小川君の御発言に御異議はございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#159
○委員長(櫻内辰郎君) 御異議なしと認めまして、直ちに採決をいたします。――國営競馬特別会計法案を原案通り可決することに賛成のお方の御挙手を願います。
   〔総員挙手〕
#160
○委員長(櫻内辰郎君) 全会一致と認めます。よつて本案は可決と決定いたしました。尚本会議における委員長の口頭報告は委員長において本法案の内容、委員会における質疑應答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することとして御承認を願うことに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#161
○委員長(櫻内辰郎君) 御異議ないと認めます。それから委員長が議院に提出する報告書に多数意見者の御署名を願います。
  多数意見者署名
    波多野 鼎  伊藤 保平
    小川 友三  米倉 龍也
    黒田 英雄  玉屋 喜章
    木内 四郎  西川甚五郎
    高橋龍太郎  川上  嘉
#162
○委員長(櫻内辰郎君) 御署名漏れはございませんか、なしと認めます。それから明日は本会議散会後に開会することにいたしまして、これにて散会いたします。
   午後二時三十五分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     櫻内 辰郎君
   理事
           波多野 鼎君
           黒田 英雄君
           伊藤 保平君
           九鬼紋十郎君
   委員
           森下 政一君
           玉屋 喜章君
           西川甚五郎君
           木内 四郎君
           小宮山常吉君
           高橋龍太郎君
           中西  功君
           川上  嘉君
           米倉 龍也君
           小川 友三君
  國務大臣
   大 藏 大 臣 池田 勇人君
  政府委員
   大藏事務官
   (主計局法規課
   長)      佐藤 一郎君
   大藏事務官
   (理財局長)  伊原  隆君
  説明員
   大藏事務官
   (証券取引委員
   会事務局長)  阪田 純雄君
   農林事務官
   (畜産局監理課
   長)      正井 保之君
ソース: 国立国会図書館
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