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1947/12/02 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 予算委員会 第28号
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1947/12/02 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 予算委員会 第28号

#1
第001回国会 予算委員会 第28号
  付託事件
○昭和二十二年度一般会計予算補正
 (第九号)内閣送付)
○昭和二十二年度特別会計予算補正
 (特第四号)(内閣送付)
――――――――――――――――
昭和二十二年十二月二日(火曜日)
   午後二時四十五分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○昭和二十二年度一般会計予算補正
 (第九号)
○昭和二十二年度特別会計予算補正
 (特第四号)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(櫻内辰郎君) 只今より開会いたします。昨日に引続き質疑を続行いたします。石坂豊一君。
#3
○石坂豊一君 商工大臣がお見えになつたようでありまするから、ちようど機会がよろしいと思いますが、今回補正第九号の総金額は六億四千二百万円に上るのでありまするが、金額としてはさほど大なるものとは考えられませんけれども、而して各省に亘つて要求されて総花式になつておりまするが、しかしこれをよく見ますると何と申しましてもこの中心は商工省の石炭問題を解決せられるということが、最も主眼になつておるのであります。商工省に於かれましては、今回牛込の河田町に大きな建物を買われまして、そうして分局とせられ、多額の金も要求されております。この場合に私はかくの如く店先を拡張せられる商工省に対しまして、是非ともお伺いせなければならん問題を一つ大臣にお聽きしてみたいと思うのであります。
 外からん我々国民の最も平素の生活に密接なる関係のあるところの電力の問題でありまするが、生産方面、又日常生活の方面とも、これは実に國民の食糧と同じような重大な部面を占めておるのであります。わけても都会におつて生活する人々の大部分は、だんだん冬になりますと温かみをとること当然でありまするけれども、夜長の夜分において、或いは細々と副業を営むとか、或いは学生にしますると復習をしまするとか、著述家なら著述をするというように、夜分の電燈というものは非常な生活に関係があるのであるが、昨今皆様御承知のように御体験になつておるが如くに、我々はこの議会を終つて家に帰りますると、眞暗らになつております。偶々つきますけれど一分か二分すると又消える。それはいついつの間に消えるという約束もなければ予告も何にもない。そういう不安なる生活を長く続けておるので、私共実に難儀を極めておる。それが又田舎の方に行つてもそれが移りまして、全國的にそれは波及いたしておるのであります。これは何たる浅ましい状態でありましようか。私共戦時中と誰も空襲の場合においては燈を消すが、これはみずから自分で消すのである。配電会社から消されたのではない。ところが今回のは自分では予期せざる時刻において、予期せざる長い間燈明を得ることができない。かるが故に國民は高い金を出して蝋燭を買う者あり、石油を用意する者あり、狼狽を極めておる。私共のみずから体験したところによるというと、殆んど更京におることはいやになつてしまうように感じますが、又帰つて見ると、そういうようなことが繰返されておるようなわけで、これは大臣において殊によく御存じのことであろうと思います。又新聞等においてもいろいろの批評をなさつておりますが、先ずこの重大問題についてて、殊に社会党内閣の商工大臣として、これを何とお考えになつておりまするか、これに対してどういう訳でかようになつておるのか。又これはどういうふうにして打開する考えでおられるのか。この議場を通じて、一つ国民に安心を與えるような方法があるならばお示しを願いたい。お急ぎのようでもありますし、他に委員会を控えておられることで、ありますから、極めて簡単に、余りくどくは申しませんが、要するに国民は眞つ暗な夜を過しておる。この哀れな状態をどうして御救済になるか。学生などはもう既に失望の極もう学校は止めた、学校などへ行つてもこんなにひどい時においては、学校を出て見たところで、考えて見ると何にもならん話だから、むしろ手つ取り早く闇商人にでもなつて、成功を急いだ方がいいじやないかというようなことを、冗談交りにも暗がりの中で言うております。実に憐れな話であります。又我々にしましても、ときたま参考書を見たいこともあり、又明日の質問事項について調べて見たいけれども、それもできない、夜が明けて見るともうすでに登院する時間が迫つておるということで、殆んど毎日々々明りを取れないことによつて、我々はもう地獄の生活をしておると同様でありますが、これに対する水谷商工大臣のお考えを極く親切に一つ御説明願いたいと思います。
#4
○國務大臣(水谷長三郎君) 只今石坂委員から電力事情につきまして、熱心なる御発言を頂いたのでありまするが、昨今の電力事情というものは誠に深刻でございまして、私共も極めて微力でございまするが、日夜その対策に苦慮しておるような次第でございます。大体我が國におきましては、発電能力といたしましては、水力発電設備は、設備出力としては、合計最大六百万キロワットでございまするが、その綜合能力は、豊水期には約五百万キロワット、渇水期には貯水池の利用を考えまして約三百万キロワットくらいとなるのでございます。これに反しまして、火力の発電設備は、設備の名目出力は約三百万キロワットでございますが、実際能力は、戦災補修不足及び炭質等の関係から約百万キロワットでございます。即ち供給力は、豊水期におきまして水力のみで五百万キロワツト、渇水期におきましては、補給火力を入れで約四百万キロワットでございます。ただこの火力発電の能力百万キロワツトは、石炭の事情によりまして一〇〇%働くことができない事情でございまして、例えば現在におきましては四十万キロワット程度しか発電していない実情でございます。これに対しまして需要はどのくらいあるかと申上げますと、四百五十万キロワツト乃至五百万キロワツトでございまして、豊水期におきましては、辛うじてバランスは立つのでございまするが、渇水期になりますと相当バランスを保ち得ないこととなりまして、自然のままの需要に対しましては二割乃至三割の不足となるような状態でございます。そこで電力設備といたしましては、先に閣議で定めました電力危機突破対策にもありますように、水力発電設備の、風水害等で故障中のもの庁急速に復旧させるとか、又火力発電設備では、二十数万キロワットに上るものの補修をば渇水期までに完遂させるという緊急措置を講じまして、又石炭につきましても、十分ではございませんが、下期間を通じまして百四十一万トンの割当量は是非確保するような措置を講ずる一面、需要につきましても相当の抑制をして頂きまして、この間の需給の不均衡を切抜けたいと考えておるわけでございます。昨今御案内のように、緊急止むを得ない方面に便乗負荷しておりますところの線も大体約三分の一切る手配を決めまして、乏しき中におきましても、お互いにその乏しさを分け合うというようなふうに考えておる次第でございます。更に又自家発電のフルの運轉ということも考えておりまして、いろいろあの手この手の手段を講じまして、何とかしてこの一番ひどい渇水期をば切抜げて行きたいというように日夜苦慮しておるような状態でございます。この頃よく天を仰ぎまして、一日でも雨の降ることを願つておるような状態でございまして、水力の方面におきましては我々の人力でどうすることもできない非常渇水状態を呈しまして、又火力の方面におきましては、先きに申しましたように補修が十分に行かず、かてて加えて石炭の分量が足らないというような状態で、非常に日夜苦慮しておるのでございます。併し人力でできる方面に関しましては、現在の資材の許す限り、先きに申しましたような手を打つておるような状態でございます。更に又停電には、蝋燭、石油等の配給を実施してくれというようないろいろな無理からん要求もございますが、現在蝋燭は原料不足のためにその生産は激減しております。最高八十万梱以上に上つた我が國の蝋燭の生産高も、太平洋戦争中数年間減少の一途を辿りまして、昨年度は僅かに四万梱に止まりました。而も昨年度の四万梱の生産は、戦時中の特殊物件等の放出によつて生産したのでございまして、本年度は更に下廻るというような状態でございまして、停電区域の方面において思うように蝋燭も配給できないというような状態でございます。併し只今目下安本を中心といたしまして、綜合燃料対策を強力に推進するようにしておりますので、以上申述べました人力で為し得るあらゆる手を打ちまして、來るべき最もひどい渇水期に対処したい、このように考えておる次第であります。
#5
○石坂豊一君 電力の出力についての詳細なる御説明に接したのでありまするが、併しかような状態は、今日突然起つたものではないのでありまして、必ず商工省としては予知できることなんです。これに対して、国民に対して節電を慫慂しておられることは勿論でありまするけれども、これの不足を補う手段としては、私は足らないのではなかろうかと思う。蝋燭は特に出廻りが悪いという御説明もありました。それならばそれに対して又ランプの用意でもさせるとか何とか方法を講ぜられんと、なるようにしかならんじやないか、こういうようなことでは国民は承知しないと思うのであります。殊に節電の結果、折角唱えておられる生産増強も、これは容易なことではなかろうし、又とにかく副業その他夜間の時間を利用するということは、國民経済に取つての関係が非常に多いのであります。夏の短かいときと違いまして、これから本当に夜分を利用しなければならん、その際において温かみを取ることもできなければ、燈明を得ることもできないというようなことになると、本当に地獄の生活と同様になつておるのでおりますが、蝋燭のことは、只今伺つたが、その他ランプの配給、そういうようなことについてはどんな手配になつておるのでありましようか。この問題は、実は今農林大臣にも出席をお願いしておるのでありますが、やはり寒さになりますと、保温設備を相伴うのでありまして、電熱もない、燃料も配船せん、寒さは勝手に防げというようなことでは済まん、又煮炊きするにしましても、燃料のない際でありますから、電熱を應用するということになりますが、それもない、瓦斯も出て來ない、電熱も利用できない、燃料も配給しないということになると、國民はいや應なしに生米でも噛まなければならんようになりはしないか、恰かも鼠生活というようなことになつて行きますが、これはどうも大臣ばかりをお責めするわけじやないのですけれども、用意周到の商工大臣はこの上にも何かお考えを立てられて、速かに代用のあかりを取るようなことを國民一般に対して考えなければならない。それからその他につきましては、これは應急のことですが、もう一歩進みまして永久の対策としましては、この予算にどういうことが盛られておるのでありましようか。片山総理大臣はダムを造つて発電をやらなければならん、これは即ち労力の要求を大にして失業対策にもなるというようなことを唱えておられるのであります。そういう計画は追加予算のどの方面に多く現われておるのでありますか。應急対策と併せて恒久対策等も考えないというと、今の問題でない、長らくこういうことは続くことになるのでありますから、今年ばかりの問題ではないのでありますから、將來はこうなんだ、今は眞つ暗でも一年先にはこういうことになるのだということをいうて聞かして頂かんというと、國民は失望します。外のことは少しづつよくなつております。破壊されておつた鉄道などにしましても、急行車の一本もできて来るとか、或いは直通列車が各線に通ずるとか、少しづつ一歩退き二歩退くというような状態ではあるけれども、とどの詰りは少しづつはよくなつて行く、ひとりあなたの所管の電力に至つては段々に悪くなつて行く、然るに将来こういう発電所がどれだけの出力が出る、又將來政府はどういう遠大な計画を立てておるのであつて何年の後にはこうなるのだという希望を國民に持たせる何か御施設があるのでありましようか。その点も伺つて置きたいと思います。
#6
○國務大臣(水谷長三郎君) 先程発電能力で御説明申上げましたように、我が國の発電能力は水力に多くを依存しておるのでございます。而もそれが今年うまく行かなかつたのは、数十年の渇水状態と、そうして折角当てにいたしておりました九月の颱風が逆に禍いいたしまして、その設備能力を破壊したというのでございまして、これは石坂さんが私の立場に立たれておりましても、この風水害を止めたり非常渇水は止めるわけに行かないのでありまして、これは何とも商工大臣の力ではできない不可抗力の力でございます。そこで私といたしましては、先に申上げましたように、火力発電の設備の應急手当、或いは負荷便乗区域の切断等等、更に又良質炭の確保というような我々の手でできる点におきましては、現在の経済事情において許されるだけの手を打ちたい、又現に打ちつつある次第でございまする。更に又恒久対策といたしましては、現在の我が國の経済事情、資材の点から申しまして、既存の水力火力をばフルに復旧させるのに約満三年かかるというような状態でございまして、只今の事情の下において或いは五ケ年計画、十ケ年計画ということは、計画としては一應立ちますけれども、現在の日本の経済力ではそういうことはなかなかできないのでございまして、我々は先ず遠い目で見た対策といたしまして、ここ二、三年間は既存の水力設備、既存の火力設備をばフルに動かすことができるようにしたいということに全力をい注いでおる次第でございます。
#7
○石坂豊一君 只今の御説明を拝承しましたが、その冒頭の御説明には、水害によつてどれだけ減つたということを私は聞き洩らした、それで、そういうことが勿論あり得ることであるが、それは天災でありますから如何ともすることができない、それについて水害で破壊された水力発電所は何箇所ぐらいあつて、それが修繕されるものは何箇所、又到底見込のないものは何箇所ぐらい、併し幾らの歳月を経てばそれが復旧して、元より以上の出力があるというような御調査ができておる筈と思いますが、実は最初のときにお話がなかつたものですから、水害の方はお察しはしておつたけれども、その点については私は余り出力が滅つておるものとは考えていなかつた。今お聞きするというと、大分やられておるようでありまするから、その点を一つ大臣でなくても事務当局からでも、今お聞かせ願えますれば、成る程これはそうなるのは無理もないということが分るでありましよう。而して今までの生活は、耐乏生活としての生活であるのであるから、しばらく忍べ、併しいつ頃になつたら必ずよくする、文國民はこれこれの考えで一つ生活をして貰わなければならんという御要求があるべきだと考えます。その点について一應御説明願いたいと思います。
#8
○委員長(櫻内辰郎君) 委員の方にお願いします。この際は特に商工大臣に対する質疑だけを集中して頂きますようにお願いしたいと存じます。
#9
○政府委員(古池信三君) 電力局長でございます。数字につきまして只今のお尋ねに対しましてお答えを申上げたいと存じます。風水害の被害発電所の復旧の模様でございますが、本年の八月及び九月の風水害によりまして、発電所としまして被害を受けたものは二百八箇所、その出力は最大で九十五万三千七百七十二キロワツトになつております。併しその中におきましては直ちに出力を回復したものがございまするので、やや長く停電の止むなきに至りましたものは六十三箇所、その出力が二十四万八千二百八十三キロワットに達したのであります。その鋭意復旧に努力いたしまして、現在停電中のものは、発電所の数にいたしまして四十一箇所、その出力は十四万三千二百五十五キロワットになつておるのであります。尚私どもとしましては只今申上げました停電中の発電所ばかりでなく、その他の理由によりまして出力の低下いたしておりまするものもございますので、これらを含めまして本年中に三十二箇所、その出力十二万三百五十二キロワットを回復し、明年の最渇水期までには、即ち二月の初めまでには五箇所、その出力三万七千八十三キロワットを復旧いたしまして、最渇水期に備えるつもりで目下努力しておるような次第でございます。
#10
○石坂豊一君 恒久対策の中で新規発電の見込のあるものは何ケ所あるのかということをお聞きしたのですが、別に答弁がなかつたようであります。
#11
○國務大臣(水谷長三郎君) これは私どもといたしましては、もう六ケ月程セメントその他の資材で余裕がつけば何とかしたいというところもあるのでございますが、それさえも目下のところではいろいろの関係でうまく行かないというような状態でございまして、只今のところでは先程繰返して申しましたように、既存の水力、火力のフルの復旧というところに全力を注いでおるというような状態でございます。来年度におきまして或いはセメント事情が幾らか好轉いたしますならば、もう僅かででき上るというようなところも或いは手が届くのではないかと思つておりますが、目下のところでほそういう新らしい方面におきましては、手が届きかねるという状態を御了承を願いたいと思います。
#12
○川上嘉市君 序でに電力についてお尋ねいたしますが、若し石炭があれば今日動かし得る火力発電が幾らありますか、ちよつと伺いたいと思います。
#13
○政府委員(古池信三君) 大体只今は全國を通じまして動かし縛る火力発電所の出力は百万キロ出ております。目下補修をいたしておりますために、明年の最渇水期二月の初めまでにこの修理が完成する予定でございますから、その節には大体再三十万キロくらいは出る予定でございます。
#14
○川上嘉市君 その百万キロの中で、動いているものと動いておらないものとどのくらいでありますか。尚一万キロについて石炭が幾ら程要るか、それをひとつ。
#15
○政府委員(古池信三君) 只今水の工合いと睨み合せまして、且その発電所の貯炭状況とも考え合せまして焚いておるのでありますが、最近の渇水を通じまして、この二、三日前までは約四十三万キロ程度焚いておりました。但し本日は今回の雨にようて相当水が出たものでありますから、これを二十万キロ程度に減らしておる状態でございます。尚一キロワツト・アワーの石炭消費量は大体一キログラムを前後いたすのでございまして、非常に良いのは〇・八くらい、悪いのになりますと、一・七くらい使用いたしております。
#16
○川上嘉市君 その遊休しておる分は、若し石炭を増産すればすぐできると思いますが、これ程拂底しておつて、一方において先程石坂委員のお話のあつた通り家庭では暗闇で暮らしておる、或いは工場は一週間のうち二日か三日しか動かんような状態において、四十万トンや五十万トンの石炭が産出できないということは、私ども工業家として永年働いた者からは殆ど判断ができないのです。それで実は昨日鉱工業委員会におきまして、もう少し勤労の能率を挙げることはできんか、それに対する対策が一向ないではないかという質問に対して、商工大臣の御答弁り中に、大いにやつておるのだ、結局給與を殖やし、そうして福利施設を増すとかそういう方面においてやるより外ない、それを一生懸命でやつておるというようなお話がありましたけれども、私共は実は工業経営なり勤労能率というものは決して金とパンのみで動くものではないということを確信しております。それはどうしてももつと本当に働くように各人が自覚を以て、國のこういう窮状打開のために一生懸命でやるという心からの動機がなければ、本当の能率はどうしても挙げることはできんと考えておるのでありますが、不幸にして現内閣は、今まで一回といえどもその問題について言つたことがない。もつと皆働いてくれなければ困るということを言つたことがない。ないではありませんけれども、併しながら一つの実際の例をお話すると、炭鉱労務者の実際の収入などをいろいろ調査したその結果を見ますと、普通の工場の殆んど三倍くらいの給與になつておるらし。それから酒も豊富に行くとか、或いはその他の物も豊富に行くというようなことでありまして、もうこのくらいで本当に働いてくれていいと我々は考えるのでありますが、実際の生産の能率から申しますと、曾て一日十八トンであつたものが今日は五トンにも達しない、こういうことは金融が詰つておるからでもなければ、又パンに困つておるからでもない、或いは給與が足りんからということも私は言えんと思うのです。そういうときに、日本のこの社会党の政府であるが故に、私は勤労大衆をよく把握して本当の指導ができるということも実は現内閣に期待しておつたのであるが、その期待が非常に裏切られて一向にその方がうまく行かない。むしろそういつた方面に媚態を呈するというような感じがあるのではないかということを痛切に感ずるのでありますが、現に今日にありまして、こういうような窮状にありながら、商工大臣御自分が、今申しましたように待遇を好くすればいいということだけを、若しそれが勤労の能率を上げる唯一の方法だと、こうお考えになつておるならば、私は根本において誤つておるのではないかという感じがするのであります。午前も鉱工業委員会において片山首相に炭鉱管理の問題で、そういう点について御質問をしたのでありますが、併し一向その要領を得た、実際を把握したような御答弁がなかつたのであります。これは工業の経営の御経験がないからして余り具体的なお話ができないのかも知れないと思いますが、これを外國の例に徹しますというと、例えばアメリカにいたしましても、或いは英國の労働党内閣にいたしましても、そういつたように本当に國家で困つたときには、皆もつと時間を多く働いてくれ、或いは賃金を下げなければならんと言つて、この間は英国は賃金なども下げたようですが、そういうような本当のことを言つて、そうして國のために排わなければならん犠牲というものは、勤労階級も甘んじてそれを受けるというような仕組ができておるのでありますが、日本の政府においては、今まで曾てそういうものができたことはない。思うに年に三千万トン、或いは三千何百万トンを生産しようという際に、少くとも今まで一日十八トン生産したという記録がある限りは、これの半分くらいやることは容易であると私は考える。或いは困難でないと考えておるような次第でございます。これに対してもつと積極的に勤労者に呼び掛けまして、至急殖やすような方法を執つて頂きたいと考えるのでありますが、若し私の見解が相違しているならば、一つ商工大臣のお教えを乞いたいと思います。
#17
○國務大臣(水谷長三郎君) 只今の川上さんの御発言は、今日の午前中の鉱工業委員会において総理にもそういうことを言われたと聞いておるのでございますが、併し六月一日にこの片山内閣ができましてから、七日からずつと石炭は上昇の一途を辿りておりまして、現に國会におきましても、感謝決議をした程でございます。更に又十月には二百四十一万トンを突破いたしまして、終戦以来一番高いレコードを持ちました。十一月には大体二百五十万トン、十二月、一月には二百七十万トン出るという情勢でございます。現に北海道の最近における日産調べを見ますと、これまで二万二千トン、高くて二万三千トンというのが今二万七千トンから二万九千トン、三万トンのベースに乗つているというような状況でございまして、只今御指摘の石炭の事情というものは、非常に好轉しておるのでございまして、決してこの内閣ができてから、石炭の事情が悪くなつたというようなことはないということは、この数字によつて十分御了承を願いたいと思います。更に又前の自由党のときに、石橋大蔵大臣は社会党の内閣ができれは労働者に媚態を呈して、却つて悪性インフレになるだろうというお叱りを蒙りました。今は川上さんは何か社会党の労働対策というものは、ただ徒らに賃金の値上を認めたり、或いは労働階級に媚態を呈するだけではないかというような御心配があつたようでございますが、それは最近政府がマッカーサー元帥の書簡に應えました石炭非常対策要綱並びに、それから後に石炭企業に対する臨時金融方針、そういうものを御覧願いますならば、日本社会党のいわゆる労働対策というものは、分配いう点よりも、生産第一主義の立場におかれているということを十分に御了承を願いたいと思います。更に又多少待隅を改善しなくてはならないという場合においても、必ずそれは生産増強と結び付けまして生産増強の挙らない待遇の改善は絶対にやらないという方針をとつておりまして、この点も川上さんの御心配のようなことは、事実断じて行なつておりません。
#18
○川上嘉市君 今商工大臣の答弁がありましたが、私はもつと立ち入つたことを話しますが、ちよつと速記をやめて頂きたいと思います。
#19
○委員長(櫻内辰郎君) 速記を止めて……。[速記中止〕
#20
○委員長(櫻内辰郎君) 速記始めて……商工大臣に特に御質疑がありましたならば……。
#21
○服部教一君 今やかましく言うている國管問題は、鉱工委員会の方で毎日練つておりますけれども、もう会期は直ぐしまつてしまうというような現在の状態であります。それで私もあつちこつちこれを研究しておりますが、ここで商工大臣が今見えておりますから、商工大臣に会うて聽きたいと思つておつたのでありますけれども、長く言うて貰わんでもいいのであります。國管をやるについて経費が何ぼ要るのですか。又、いろいろ反対派と賛成派とありますが、我々はいい方へ、本当に國家のためになる方へ賛成するのです。党派なんかには賛成せんのです。そうだから本当のところ、それは国管にしなければ増産できないのですか。そこのところを一つ、もう長く言うて貰う要はないのであります。短かく要点だけをしつかりと言うて貰いたいのです。もう一つありますけれども、ちよつと今先にそれだけ伺います。
#22
○國務大臣(水谷長三郎君) 只今服部委員から、國管をやれば増産が可能かどうかということでございますが、私らは國管をやれば増産が可能である。従つてその國管の目的といたしましては、曾て本会議でも御説明申上げたと思いますが、第一は、石炭の増産に対する各般の施策を、石炭生産に関與する者に十分浸透徹底せしめることができると思います。第二は行政と経営と労働の三者が渾然一体となつて増産第一主義を実行し得る民主的態勢を整備することができると思うのであります。第三は資材資金等の生産諸要素の最も効率的な活用を図ることでございます。大体こういう三つの理由によりまして、國管をやることによつて石炭の増産をばやつて行こうという工合に考えている次第であります。更に又この国管をやれば勤労者の勤労意欲を昂進させる吾とができるかという御質問でございますが、我々はこういう法案をやらなければ、現在の石炭産業の勤労者の意欲は昂進するわけには行かん。ただ單に賃金を値上げたり、或は報奨物資をやるというようなことでなしに、こういうような法案を通しまして、炭鉱労働者の経済上、社会上又政治上の地位を向上せしむることによりまして、その勤労意欲の昂進を図ることができると考えている次第でございます。更に又國管をやればどのくらいの予算が要るかという御質問でありますが、この度の追加予算におきましては、大体國管をやる準備費として二千五百万円程度を願つているような次第でございます。来年度四月一日から國管が施行されましてから、どのくらいの費用が要るかということは、只今まだ検討中で、又折衝中で、ここにはつきり言うことができませんが、大体月に一千万円程度くらいの予算はお願いしなくてはならないのではないか。このように考えている次第でございます。
#23
○服部教一君 今御説明を聽きましたが、あつちこつちでそういうことを社会党の人からも聽いているのでありますが、まだ私は納得しておらん。今おつしやつた國管にしたら、資材などもよく廻わすことができるというようなお話もあつたと思うのでありますが、外でもそのことを聽いたのでありますが、國管でなかつたらそれがどうして廻せないのですか。それともう一つは、どうも日本の社会主義というものは外囲の眞似をしたようなふうに私は感じている。それはどういうことかというと、鉄道の國営でも逓信省の郵便の國営でも、官吏というものは無責任で、朝九時に出て午後の四時になつたら帰つてしまう。月給は貰うけれども……我々個人の仕事であると、夜業でも徹夜をして朝までやらなければならんというとやる。これは宗教から來ているのかも知れませんが、どうも國営事業がうまく行つておらん。それはやはりただ名義にかかわつて、形式的にやろうとしてもこれはうまく行かんと思うので、この一点ですね、もう一つ御説明願いたいのであります。
#24
○國務大臣(水谷長三郎君) 只今服部さんからの御言葉でありますが、この度の國家管理法案というものは、経営形態は原則として変更しないで、飽くまでも公企業と私企業との長所をば能率的に結ぼうとしたところが狙いでございまして、只今御指摘の國営事業とは違つておるのでございます。従つてわれわれは國営事業というもの、しかも現在の日本における戦争、その他によつて荒らされまして国営事業というものと、この度の國管とを比較されまして、いろいろお叱りを蒙むるということは、私として非常に迷惑であると思う次第でございます。
#25
○岡本愛祐君 私も電力の増強策について商工大臣にお伺いいたしたいと存じます。
 国民が家庭的にも、又生産の爲にも電力不足に遭いまして、飢饉に会いまして、非常に若しんでおることはもう申上げるまでもないことであります。この電力対策だついて、商工大臣はじめ生懸命に御努力になつておりますことは承知いたしております。しかし急場になつて慌てていらつしやると私は思われるのであります。電力がこの渇水期にこんな状態になることは、これはもう春頃から分つておるおであります。このような状態に來れば、必らずこういうふうになるということは分つておつたのであります。それで私どもも及ばずながら、電力の……電気委員会とか、その他におきましても、いろいろ政府を鞭撻しておつたのでありますが、遂にこういうことになつてしまつた。それでこの対策といたしまして考えられることは、今お話しの火力、水力で今故障のあるものを早く直すこと、これが第一であります。そこで、それには資材が要る。この資材に対して、政府は早くから手当をすべきものを怠つておつたと私は思うのであります。それで今後におきましても、この修補のために十分に資材を廻してやらなければならない。それに対して、政府はどういうふう一な対策を取つておりますか。この予算で見ますと、地方商工局の予算におきまして、炭鉱における資材の確保に関する事務を処理するためというので四十一万八千円取りておられますが、電力の方については何もないのであります。これはこの前の補正予算のときにも、商工大臣は出ておいでになりませんでしたが、國務大臣であつた今の労働大臣に申上げたのであります。本気になつてその電力増強を図るならば、この修補の資材を早く廻してやらなければならん。これは政府においても、一つ資材に関する、電力を修補する資材を確保する一つの課を設けたらどうかということまで申上げた。これに対してどういうふうにお考えになつておるか、それを伺いたい。水力につきましても、黒部において今前に工事中のもので、少しセメントを廻してやれば二万キロから発電ができるというようなことになつておる。それが僅かなセメントの量が行かないために、それだけ発電ができないというようなことを聞いておる。こういうのに対しても早く廻してやらなければいかんと思うのであります。それから第二に、先程川上君からもお話がありましたが、従業員の電力危機を突破する精神力であります。これがどうも欠けておる思うのであります。政府は今度の予算におきまして、危機突破生兼復興運動展開等に必要な経費とかに四百五十万円計上しておられますが、これはもつと千万円でも、なんでもよろしうございますから、第一に、石炭、炭鉱は勿論、この電力の従業者の方にも啓蒙して頂きたいと思うのでおります。金は惜しみません、一つうんとこの従業員を鞭撻して頂きたいと思うのであります。そこで私が考えますのは、電産の方におきまして、常に給料を上げて貰う、そういう要求を次ぎ次ぎに出して参りまして、年中それをやつておる、又経営者側の社長とか、何とかいう連中も、その方の対策ばかりを考えておりまして、電力の増強策の方はおろそかになつておる、こういうように私は見て参つておるのであります。これは夏九州の火力発電の修補状況、そういうものを視察いたしましたときも、痛切にそれを感じました。それも帰つて米窪君にお話をした次第であります。今度も労働争議の予防並びに早期解決に必要なる経費というのをたつた百五十万円計上しておりますが、これはどういうことにお使いになるのでありますか。こういうことも非常に有効なことならば、経費を惜しまないでどんどんお使いになつていいのじやないかと思います。その点をお尋ねいたします。
 尚民間で申しておるのでありますが逓信従業員の山猫、それが今度運輸省の方に移つておる。この只今の家庭も、生産者も、電氣で苦労しておるのは、これは電気の方にも山猫が移つて來たのじやないかということを言つておるのであります。そういう状況がありますかどうか、又今ないとしても、近く出て來る状況にあるかどうか、この点も伺つて置きたいと思います。
 それから第三に、電力の増強対策といたしまして、先程お話の聯合国用に送つておりますその電力に便乗して、非常な多量を擅用しておる、それを三分の一を目当てにして、これを便乗をなくするようにするというお話がありましたが、これもどうか経費を惜しまないで、早く速かに全部便乗負荷のものを断ち切るようにして、頂きたいと思います。國民は片山総理大臣が大いに叫んでおられる耐乏生活、それを十分やるつもりであります、やるつもりでありますが自分の方だけやつて、一方には煌々と電氣をともし、又電熱を自由に使つておる階級がありますと、又それが非常に多いのでありますが、そういうものがあると不平が起るのでありまして、これは遂に配電会社とか、何とか焼打ちをする、叩き壊してしもうということになつて來る慮れがあると思うのであります。それからもう一つ伺つて置きたいのは、こういうように電力が行き詰つてしまつたのは、自発とか、八つの配電会社か、そういうふうに別れ別れになつておる機構上の欠点があるのじやないか、この日本の電氣事業が振わなくなつた理由といたしま、て、機構上の欠点があるのじやないかということを思わせるのであります。この点に対しまして、商工大臣はどういうふうにお考えになつておるか、いつそのこと、國有國営にしてしもうというようなお考えがあるのか、ないのか、そういうことを伺つて置きたいのであります。
#26
○國務大農(水谷長三郎君) 大まかな点だけ私からお答えいたしまして、後の正確な数字その他の点に関しましては、政府委員から答弁することをお許し願いたいと思います。電産がどうも精神力に欠けておるとい御指摘でございますが、これはひとり電産ばかりでなしに、完全敗北のドン底に突き落されました我々日本人といたしましても、全体の問題として十分反省しなくてはならないのではないかと思います。戰争時分の強制労働の反動から、終戦直後は非常に行過ぎた労働運動も行われたのでありまして、電産の去年の争議の場合におきましても、なかなか熾熾烈な争議が行われたのでございますが、その後だんだんと自己反省の時間も與えられまして、だんだんよくなつて來ておるというのが現在のいわゆる一般の労働運動の傾向ではないかと思うのでございます。我々といたしましては、精神力の旺盛であるということは、日本経済復興の一つの要素をなすものでありまして、人後に落ちず、その価値を認めるものでございますが、併し又政治の面におきまして、この精神力の裏付けであるやはり物質の方面におきましても、格段の工夫をしなければならんと思いまして、我々は十分そういう点に留意いたしまして、今後の労働運動の健全化というところに努力を拂いたいと思う次第でございます。最後に特に商工大臣として御指摘願いました電氣事業の経営形態の問題でございますが、これは前の去年の争議の場合におきましても、労資並びに当時の商工大臣である星島さんが電気事業の一社化という項目に調印をされております。今度のスライド・アップの争議の場合におきましても、電氣事業の民主化という問題が一つの要件になつておることも事実でございます。私といたしましても、社会党といたしまして、この電気の経営形態をどうするかということに対しては、一應の案はありますけれども、併しいざ商工大臣という立場から見ますれば、この電気事業の経営形態をいかようにするかということに関しましては、諸般の事情を考慮いたしまして、愼重なる態度なとらねばならないと思うのでございます。私自身といたしましてはいわゆる経営者並びに労働組合の一致した意見、更に又國会の電気委員会という方面において、電気委員会の方面におきましても、亦十分なる研究を願いまして、それらの諸般の機関を通して徹底されました意思をば十分に尊重いたしまして、商工省としての態度を決めたいと、このように考えておりますので、只今のところは國会における電気委員会の意思決定を待たずに、商工省みずからが電氣事業の経営形態をこうしよう、ああしようという考えは持つておりません。
#27
○政府委員(古池信三君) 細かいところを補足いたじましてお答え申上げます。まず資材、資金の点でこぎざいますが、この点は従來の電気事業が遺憾ながら石炭、鉄鋼、肥料等の他の産業に比べまして、従來は下位として遇されておりましたために、十分なる資材、資金の手当に満足すべからざる点があつたことは事実でございますが、十一月閣議決定を以ちまして、電気事業も石炭に次いで優先的に扱うということに国策が決まりましたのであります。これによりまして只今資材の面においても、資金の面においても大体必要なものは入手できるような状況になつて参つております。今後私共もこれらの点につきましては、更に十分一層の努力を拂つて参りたいと考えております。又資材等を扱う政府職員につきましても、只今若干の増強を計画しておるような実情でございます。次に本年の発電水力の点でありますが、現在のような渇水は、予め予知し得なかつたかというお尋ねでございますが、御承知のように本年四月から七月頃までは、相当な豊水でございまして、現在の事情と比べますると、格段の相違があるのでございます。現在の渇水は八月の中旬頃からずつと引続いて参りましたものでありまして、かような事例は殆んど今まで例を見ないのであります。只今全國を通じて計算いたしますると、平水量に対しまして約三〇%乃至三五%の渇水を示しております。殊に九州、中國、四國等におきましては、六〇%乃至七〇%という極端なる掲水の状況を呈しておるような訳でありまして、この夏から秋にかけまして通常ならば相当降雨のあるべき時に、かような渇水を見たということは、殆んど從來に例のないことで、予知することが極めて困難な事態でおつたということを御了承願いたいと存ずる次第であります。
#28
○岡本愛祐君 先程お尋ねした中で、これは労働大臣の所管かも知れませんが、労働争議の予防並びに早期解決に必要な費用とありますが、どういう措置をなさるのかそれを伺いたい。それから危機突破生産復興運動の展開というのは、どういうふうになさるのか、それをお答え願いたい。
#29
○國務大臣(水谷長三郎君) これは労働大臣の方からお答えいたしたいと思います。
#30
○中西功君 商工大臣にちよつとお尋ねいたしたい。こういう事実を知つておられるかどうかという点だけです。これは私の聞いた話で、見て來た訳じやないんですが、電力問題と関聯いたしておるんです。それは日鉄の或る大きな工場で自分で自家発電力を持つておる。その自家発電に対しては一定の石炭の供給を受けて、併し実際は自家発電をしていない。貫つておる石炭は他方にやつておる。そうしてそれよりもつと安い一般の電力の配給を受けておるというようなことがある訳なんです。而もそれは九州という、非常に今年の六月頃から極めて電力危機の激しい所で、そういう事実があるのであります。私も六月には実は九州に行きましたが、非常なひどい電力危機だつた。そういろ所でそういうことが現にあつた。実際に現在自家用の発電力は相当あると思う。そういうことが若しあるとすれば、これは実に由々しきことである。放つておけないことだと思うんですが、こういう事実があるかどうかという問題と、それからそうした自家発電力をこの際総動員して、電力危機に対処する処置を取られるかどうか。この二点をお聞きしたいと思います。
#31
○國務大臣(水谷長三郎君) 只今中西さんの指摘されました第一点に関しましては、商工大臣といたしましても亦電力局長といたしましても、そういう報告を受けておりません。併し報告を受けておらないということと、実際あるかないかということはこれは別問題でありまして、そういう点は至急調査したいと思います。それから第二点の問題ですが、これはいわゆる自家発電というものは言うまでもなくコストが非常に高くついて、この高くついたところをどういう工合にして埋め合わすかということが問題であつて、いろいろ隘路があることと思いますが、この度はそういうような点に補償するという態度をはつきりいたしまして、自家発電をばフルに動かすというような基礎方針をとつております。
#32
○中西功君 先の第一点ですが、これはもう御答弁は要りませんが、そういう事実が私はおると思うので、是非よく商工省当局で調べて、それ相当の処置をとつて頂きたいとそうお願いしておきます。
#33
○木村禧八郎君 簡單に商工大臣に一点だけお伺いしたいのですが、それはこの電力不足の産業界に及ぼす影響なんですが、開西方面においては特に酷いということを聞いておりますので、又部分的には新聞に出ておるようでありますが、鉄鋼生産に相当影響もあるようであります。それで細かい数字的には別に御答弁を頂く必要もないのでありますが、今電力不足が基本生産方面にどの程度に影響を與えておるのか、これは今後の各般の物動と相当重要な関係を持つて來ると思われますので、その影響の程度、それから今後の見透しについて、お伺いしたいと思います。
#34
○國務大臣(水谷長三郎君) 只今の御質問でございますが、電力のこの事情が産業界に及ぼした影響、それを産業別にどうかということは只今数字を持ち合せておりませんので、正確にお答えするわけには行きません。その点は一つ御了承を願いたいと思いますが、更にその対策はこれは先に申しましたように、やはり全國の電力の出力をば増強いたしまして、その増強された電力をば重点的に計画的に再選電ずるというより他に途がないと思うのでありまして、或いは又適当な機会にそういう数字的な点は御説明さして項きたいと思います。
#35
○西川昌夫君 私も今木村さんの仰せられたことで出翻されておるのでありますが、二、三日前の発表で十月の鋼材、銑鉄の何はもう二割何分かの減産をした、それの理由は電気の不足であるというようにラヂオで発表になつたのを聞いたのでありますが、かようなる状勢から行きますと、本予算委員会で昨日も申上げたのですが、これから四ケ月間に一千億円の税金を取立てようということを控えておるときに当りまして、十月のまだ状況のよろしい時代に國家的あらゆる恩恵を受けて、資金資材あらゆる援助を受けて奉る超重点的な鉄工業において、すでに二割強の減産をしたというならば一般の事業会社産業は労賃……。
#36
○委員長(櫻内辰郎君) 文部大臣が先程からお見えになつておりますから、文部大臣に対する御質疑を願いたいと思います。石坂君。
#37
○石坂豊一君 私は文部大臣に極めて簡單に、要綱でありまするけれども、國民の最も聞かんと欲する点と考えますから二、三お尋ね申上げたいと存じます。先般文部大臣の本会議における御答弁に対して、宜だ実は確実なる速記を手にしませんので、これはあとへ廻しますが、差当り文部大臣としての御所管になつております事項について、誠に私共は憂うべき事実のあることを知りまして、この機会におきまして、直接御所見を伺いたいのであります。それはどういうことかと申しますと、どらも大学の学生などが、非常に悲観的に陥つておる。全部とは申しません。勿論非常に都合のよい家庭におつて、万事都合よく学問にいそしむことのできる家庭においてはそうではないでありましようが、地方から参つておる学生などは、少し勉強せんとすれば夜分電燈は消えておる。電燈のついておるところに行こうと思えば電車賃がかかる。又経費は旧々物價が騰貴して行く。前途を考えて見ると、卒業の後には社会がどうなるか分らん。かようなことでは、むしろ退学して速かに実業につく。その実業と申しますものは実業か虚業か分りませんが、早く闇商人にでもなつて利巧に、立ち廻つて蓄財した方がよいのではないかというような空氣が非常に旺盛になつて来ておるように考えられるのであります。文部大臣もその事実を多少でも関知しておられるでありましようか、又全然さような事実は打消されることでありましようか、多少でもそれをお聞きになつておるということであるならば、私は前途ある学生に対してかくの如き失望状態に陥らしめるということは、誠に日本の將來に取つて憂うべきことであるとこう考えるのであります。前途洋々として非常なる望みの多い境涯において、そうして一生懸命に再び來ないところの青春時を草間の研究に没頭せしむるということでなければならんのでありますが、いかんせん、この時代の大学の状況はさように参らんようになつておるようであります。勿論それは冒頭に申上げました通り、まじめな学徒はさようでない人もおりますけれども、そうでないのが甚だ多いのであります。これに反して又地方はどうかと申しますと、六三制に刺戟せられまして、大学は幾つでもできる。從つて各縣毎に綜合大学を起す運動が非常に旺成になつておる。綜合大学というものはそんな簡單にできるものでありませんけれども、私共も急に帰つて来い。縣会が五月から始まるが、その前に綜合大学の問題があるから研究したい。考究したいというので呼び返されておるような状態でありますが、非常に綜合大学運動が起つて來ておる。それで、こういうような事態に対して文部大臣はどういうようにお考えになつておりますか、綜合大学は各縣毎にやらせるというようなお考えであるか、或いは又大学は今のように、樞要な地域に設けて内容を充実させるのか、学生に対しては今のような薄志弱行ではありませんけれども、多少悲観的に陥つておるような学生を奮起せしめて、益益その研究を積ませるという何か適当な方法でもお考えになつておるか、その点を一つお聽きしておきたいと思います。まずその点から一つ……。
#38
○國務大臣(森戸辰男君) 只今石坂委員から今日の学生の状態を御心配になつた極めて適切なお話がございました。私も全くその点では同感でありまして、今日の学生は昔の学生と違つて、敗戰日本の現状を一身に背負うて、実は勉強も十分に身を入れてできないような状況にある学生が非常に多いのであります。恐らくは專門学校以上の学生の半分以上は、何らか働いて学費を補なうということでないと勉学ができないような状態にあるのであります。そうして、從つてかような生活状態を反映しまして、一部の学生は御指摘のように、現在の状態、将来の状態について悲観的な考えを持つておる者もありまするし、又、自暴自棄に陥つておる者あり、又一部は矯激な思想の虜になるというような者もあるのであります。併し全体としての学生を見ますると、最近敗戰の事態から漸く落着きといいますか、漸く学生としての安定感を得て、これから本氣で勉強しようという、心持も段々と起つておるという傾向が見出されておるのであります。私どもはできるだけ、殊に日本を背負つて行かなければならない青年学徒の間に、敗戰の間にあつても尚奮起する心を育てて行きたいと思つておりまして、そういう方面に力を注いでおります。新日本建設國民運動なども、特に青年学徒については、そういう方面に力を入れておるような次第であります。尚生活の問題につきましては、一面では学徒援護会という外廓團体がありまして、これはまだその活動は十分ではありませんけれども、東京及び二、三の都市で、生活に困つておる学生の援護をいたしておりまするし、尚厚生課の中に学徒厚生委員会というものを設けで、こういう学生にはどういうふうにして生活を援護してやるべきかということを只今審議調査して頂いておるのであります。他面すでに御承知の日本育英会では資力が足らないために勉学のできない人に対して学費の貸與をいたしておるのであります。併しこれでも実は一億程の予算で三万人程の学生生徒を取扱つておりますが、困つておる学生の数に対して極く僅かなものでありまして、來年にはもつとこの方面の仕事も拡大して参らなければならんと存じております。併しそれでも両不十分でありまして、全体といたしましては、働きながら勉強できるという方向を目指して参らなければならんと私は考えております。勤労青年に対しまして、来年から行なわるる新制高等学校におきましては、働きながら、殊に農繁期には働いて、農閑期には勉強できる定時制の高等学校を是非共設けて行きたいと存じております。尚夜間都を高等学校にも、殊に大学にも設けまして、晝働いて夜勉強できるように、而も從來夜学というと晝の学生より少し段が低いように考えられていたのでありますが、晝と夜と同じような價値のある夜学を開きたい。神戸の産業大学でも今年から開いております。東京の官立大学でも来年から開くものができるものと思つておりますが、これは諸地方にもそういうように進めたいと思つて上おります。新制高等学校にも大いにそういうような方面に力を注いで行つて貰いたいと思つております。
 尚働きながら勉強できるためには、通信教授という方面にも力を注いでおりまして、働きながら勉強できるような仕組を制度としても作つて行きたいというふうに存じております。かように精神的の面からと、物質的の画からと、学生に対して今日の窮状を打開して行くような努力をいたしておるのでありますが、まだこれは決して十分とは参りませんので、皆さんの御協力によつて、又学生及び父兄その他の努力によりまして、この問題が解決されるようにと望んでおるのであります。
 尚綜合大学の問題につきましては、大学が大都市に集中しておるということが殊に最近では田舎から東京に遊学するということのために、非常に勉学費が嵩む事実は御指摘の通りでありまして、そういう点で國土計画並びに産業の状況をも考えて、大学の位置を地方分権の方向に推めたいと存じておるのであります。これは單科大学とするか綜合大学とするかといろ点については、その地方々々によつて画一には申されませんけれども、綜合大学も單に大都会に止めず、國土計画的に又その土地の産業等を考えた上で、地方にも綜合大学が建設されるような方向に考えておる次第でおります。
#39
○石坂豊一君 もう一点伺つて置きたいと思います。只今学生に対する各種の、便宜を與えて、その希望を中途において挫折せしめないようなことになつておるそうでありますが、どうも文部省の規模は如何にも小さくなつておるようでありまして、どうか大臣の努力によりまして育英資金の如き、又先程仰せられた夜学施設等については全力を注いで頂きたいのでありますが、私の知るところによりますと、如何に夜間の方を奨励なさつても、寒い教室にはなかなか耐え切らん、学生は若氣の至りでありましても、体は鉄ではないから、そんなに寒氣に耐えるものではありません。やはり或る程度保温設備をしなければなりません。又教授その他に対する相当の優遇もやらなければならんのでありますが、それらの点に対して十分でないように私は伺つておるのであります。それから文部省は頻りに六・三制についていろいろお力添えになつておるけれども、これは徹頭徹尾町村の負担或いは市の負担ではできない、全額國庫負担でなければ、これは遂行できないものと我々は考えておるのであります。補正第七号において七億円、又予備金から七億円というような小刻みにお出しになるようでありますけれども、これは文部省において若し徹頭徹尾これをおやりになるということであるならば、その覚悟でおやりにならんと、先般も田中耕太郎委員から、委員長として、ここで、六・三制が決して押しつけられた学制でなくて、自発的な学制でおるから是非やらなければならんということを仰せられました。若しさようなことであるならば、尚更幸いでありますが、我々はこれを口舌の上でいかに取られても、それを担当する管理者がやり得るようにしてやらなければ、到底できるものではないのであります。私の現に知つておる地方におきましては、全く名前ばかりの方法を取つておりますので、何遍も繰返し通すように、一日に二時間か三時間行つてそれで帰つてしまう。雨の降る日には校舎が不完全であるから、おるところがなくて帰つて行くというようなことを繰返しておる。つい数日前も或る町の町長が來まして、この四月になると、怒濤の如く入学生が押寄せて来る。これをどうしたものか方法がつかんということを訴へて來ております。これらも私一人でなく万人の見るところでありまして、文部省だけが如何に頑張つて僅かの補助で済むようなことをお考えになつてもできない相談であります。これは一つ大臣が非常に腹帶を締められまして、来年度予算には全額國庫支弁ぐらいな程度で一つ設備の完成を急いで頂かなければならないと考えます。これに対する大臣の所信も一つ聽いて置きたいと思います。又文部省の直轄学校は非常に設備が惡い。これは殆んどなるなりにして放つてあるのじやないかと思います。その例は東京高等の如きは代々木にあつた学校が焼けてしまつて、いつ建つか分らないようになつておりますが、今三鷹の天文台よりまだ違いよらないところに假校舎ができております。都会の中心から二時間半もかかるようなところに通学をいたしておるが、行つて見ると工場の古物であつて、風が吹きほうだい、雨が漏りほうだいというような設備になつております。これはどうも建物がないからというお話であつたが、この予算で見ますというと、商工省は、牛込の河田町の女子医專をうまうま手に入れて分局を設置することになつております。あの学校は商工省の分局にする方がいいか、学校にする方がいいかこれは問わずして分つておることであります。文部省がお隣りの商工省に足を浚われてしまつて、無類の飛び切りの立派な学校に当てる物を商工省の分局に献上せられたような姿になりおるが、私は非常に残念に思う。こういうことは、分局ならば分局の方としては又他に方法があるが、学校としてはなかなか得られないものである。こういうような間抜けたような処置になさつておるからして、今において直轄学校の空襲に遭つたものは皆殆んど形式ばかりな授業になつて終るというようなふうに私は見ております。これはどういう経緯でかようなことになつたのでありましようか。尤も女子医專は私立学校でありますから、文部大臣の手でどうにもならんかも知れませんが、併しそれを監督しておられる文部省が早くその賣り物に出ておるということを知るか、商工省が知るか、これは問わずして知れておる。若し文部省が知つておつて、それを手に入れられないようなものだとすれば、誠に直轄学校がどんなになつておつても、なるなりにして放任主義でおられたものと我々は考えなければならん。この点の経緯についても御承知ならばお知らせを願いたい。これだけを一つ……。
#40
○國務大臣(森戸辰男君) 六・三制の実行について地方によつては非常に負担になつており、又それでも教室は不完全であつて、子供連も随分苦しい状況にあるということのお話でありまして、誠にそういう群集も存在しておるのであります。併しこの敗戰の日本に教育刷新を行なつて行きまするには、みんなが相当に辛抱して新しい学制を守つて行くことに協力いたさない限りはむずかしいのであります。制度といたしましては、私はこれは單に外國から押し付けられたものではなく、私共がいろいろな示唆を受けつつも自主的に定めたものでありまして、而も全國民が協力をして、これを実現しようという意思を全体としては示しておるものと存じておるのであります。地方の所によりましては、随分御迷惑になつておる所もありまして、いろいろな考えもありまするけれども、併し全体として考えまするならば、こういう困難を押し切つても一つ教育はやつて行こう、これは新しい日本の國の向つておる民主的、平和的な文化國家を立てようという大きな目標であり、又日本が平和國家として世界に出て行くのにはどうしてもそういう堅実な途を取らなければならん。実際極東委員会におきましても、日本の予算における教育費が少ないということが最近も指摘されておるような事案もありまして、内外の日本の新しく発足する情勢から顧みましても、どうしてもこの新しい教育制度を守つて行かなければならんと存じておりまするし、少なくともそういう事態を正しく見た國民は困難を忍びながらもその線に沿うておるものと存じておるのであります。幸いに石坂委員のごとく経済全体、又政治のことにもよく御通暁の方は、この苦しみの間にも日本を立てて行くために國民全体が、殊に地方市町村なり、並びに父兄の方々も協力されるように御激励願いたいと私は存じておる次第であります。この直轄学校の設備の不十分ということにつきまして御指摘になりまして、実は残念ながらそういうこともありますのでありますが、これは敗戰、殊に戰災の結果、かような状態に陥つたのでありまして、復旧を急いでおりまするけれども、日本の今日の財政の状態から急速に参り難い事実があるのでありまして、当局としては誠に遺憾に存じておるのであります。併しこの点につきまして、直轄学校が特に惡いというわけではなく、或る点から申しますと、私立学校の方がもつとお氣の毒な状態にあるのではないかと私は存じておるのございます。これは併し直轄学校がいいと申すのではないのでありまして、私共は最善の力を盡して、できるだけ早く完全な状態に持つて來なければならんと存じておるのであります。これに関して一つの例として東京医專のお話がありまして、私実はそのことはよくは存じておらないのでありますが、これは私立学校のことでありまして、私立学校のことは今日では大体私立学校自身の処理に委ねるということになりまして、文部省が面接に指揮し、或いは指令するということにはなつておらんのであります。恐らくこの学校は経営のいろいろな事情から、いい校舎或いは宿宿舎を手離して、そうして他のものと変えてそちらに轉換する費用をそれで得るというような経済的の考慮からなされたと思うのでありますが、その点についてに私詳しいことは存じません。いろいろな点でこの十分な設備のあつた学校を手に入れられるならば甚だよかつたわけでありまするけれども、これも又いろいろ経済上の問題と結んでおつたと思うのでありまして、この点は私詳しく存じません。
#41
○委員長(櫻内辰郎君) 河野君。
#42
○河野正夫君 時間も大分経ちましたので、簡單に四、五点伺いたいと思います。
 第一は、この追加予算の中に、私立大学の特別研究生の経費が、待遇改実費が計上されておりまするが、尤もでおりまするが、官立の大学にも研究生がいるかと思います。特に私立大学の研究生だげに限られた理由はどういう点にあるか、更に官立、私立の現在の研究給費制度の実状、その数というようなこと、或いは経費というようなものについて、大臣を煩わさなくてもどなたでも結構でありますが、お答え願いたい。第二は大学副手の給與というものが計上されております。ちよつと調べて見ますると、官立大学の綜合大学でありますが、各学部の副手の費用と、病院の副手の費用とでに病院の副手り費用の方が多い。実状は病院の副手の方が、実際に多いということは私も承知しておるのでありますけれども、病院の副手ということは、私の知る限りにおきましても、國家で学術研究のために当然必要な副手というのよりも、自分が開業医になる、或いは自分自身の個人的な研究の必要から副手を願い出て、自分の費用で自分持ちでもいいから副手にして呉れというようなのが、在來は多かつたと私は思うのであります。そういう意匠で病院の副手の方に多く有給なものを置いて、一般学部に少いというようなことになつてはいないか、その点如何かということを伺いたいのであります。それに関聯しまして、全國で副手の総数は四千ぐらいかと思いますが、ここに計上されておるのは、恐らくは一千四、五百ぐらいではないかと思います。この全体の他の副手については如何する積りであるか、その点の御答弁を承わりた第三は北海道の石炭手当、これは勿論一般官吏の問題でありまするが、こういうふうに教員に対する補助は、前回大蔵省の説明を伺いますると、國庫負担の率に從うのだそうでありますから、丁度半額だと思います。併しながら前回にも公吏の問題についても出たのであります。そういたしますると、ここに計上された一人当りの石炭手当の半額しか國庫から出ない、地方財政は逼迫しているので、後の半額は貰えないということになりはしないかということを憂えるのであります。官吏諸君も御苦労でありますけれども、特に義務制教育に従事する教職員諸君の越冬のための石炭手当というものが、半分は不確定である、不安定であるという状況について当局はどうお考えになりますか、伺いたいと思います。これに関聯しまして、在來は今の中学校の教職員の給與手当等の改善の場合には、官立のものは別として、公立の場合でも、小学校、新制中学校と関聯して、地方費でできない部分は、國費で補助をしておつたかと思いますが、北海道の石炭手当について一つ中学校側においては、そういう考慮は抑われておるかということ。
 それから第四に、これは予算とは直接関係がございませんけれども、文部当局がいらつしやるので伺いたいのですが、軍用建築を新制中学その他に、或いは私立学校等に轉用するという問題がございます。最近大藏当局が國有財産の評價を三倍に上げたかと思います。それによつて非常に高價になつて、今まで手に入れようと思つておつたのが、資金難でデツド・ロツクに乗り上げておるという地方が相当あると思います。これについて文部当局はどういう手を打つておられるか、國有財産法の範囲内でいいますと、時價で評價しなければならないということがあるとすとれば、國有財産法の一部を改正するという特別法を用意する必要があるのではないか。そこらの見解を承りたいと思います。
 第五に先程來電力の消費節約の問題が非常にやかましい。不足についていろいろ問題が出ておりますが、教育の面からいいますと、病院、研究所等で停電というようなために非常に困つておるということうございますが、更に今大臣のお話がありましたように、夜間の学校の問題があります。これは配電会社とのいろいろの交渉によつては、電線を切替えて夜も電気をつけて貰えるようになつたようではありまするが、この切替の費用というものは、二万円も三万円もかかるというような状況であります。これらについては地方に、乃至は学校の経理に任すべきではない。何程かの手を打つ必要がありやしないか。例えば商工省の交渉で配電会吐と交渉して、何らかの便法を講ずる必要があるのではないか。こう思うのでありますが、その点について文部当局は如何なる対策乃至は処置を講ぜられたか、伺いたいと思います。
 第六にこれも関聯した問題でありますが、追加予算にも出ておりますが、新日本國民運動の費用が計上されておりまするけれども、こういう國民運動の中核となるものは、大学よりも國民学校に至るまでの教職員諸君が最も適当であると私は考える。この点について文部当局は教職員諸君も積極的に参加せしめて、この運動を展開するという用意を持つておられるかどうか。或いは事実やつておるかどうかということであります。最後にこれは御答弁を要しませんけれども、資料として頂きたいと思うのは、今石坂委員からの御発言の中にもありましたが、日本の教育予算は全体の教育費の、当初についていえば、三四%といわれ、その他いろいろと殖えておりましようが、大した問題ではありませんが、諸外國の最近における全予算額と教育予算とのパーセンテージといつたようなものについて調査せられたものがありますれば、御提示願いたいと思うのであります。以上。
#43
○姫井伊介君 新日本國民運動推進助成についてでありますが、私はかねて片山首相も精神革命といい、精神運動といつておられましたが、それに関聯したのでございましようが、若しそうだとするならば、今までそういう運動にすでに着手されておりますかどうか。今から新しくそういうことにおかかりになりますかどうか。尚今河野さんもお話になりましたが、この運動の主体は誰がなり、目標は何処に置くか。その助長の方法はどうでありますか。以上お尋ねいたします。
#44
○國務大臣(森戸辰男君) お答えいたします。私学の特別研究生、大学の副手の問題につきましては、政府委員からお答えいたすことにいたしたいと思います。尚それに寒冷地帯の教員に対する石炭手当の問題、この三つは政府委員からお答いたします。國有財産、殊に軍用施設その他の拂下げの関係についての問題でありますが、これは昨年から時價で押下げるということになり、その値段が高いために、学校で拂下げて貰う場合、又借り受ける場合、その代價或いは賃借料が非常に高くなつて困つておるという事態があるのであります。これにつきましては、文部当局といたしましても非常に囲つたことと存じます、というのは、こういう状態でありますと、営利会社のような支拂能力のおるものの手に移り易くて、学校その他の公共團体のごとき、思うように費用の出せないものの方には入手困難である、こういうような事態ができますので、大蔵当局に考慮を願つておる次第であります。そうしてできるならば、この現行法の範囲内で許す限りにおいて事情に即した取扱を願いたいということに交渉を進めておりまして、從つてそういう施設の中では、殊に学校に硬う場合には優先的に考えて貰いたい、値段が時價としても、例えば不要な建物については、そういう評價は、建物の價格は除いて貰いたい、或いは修理したり模様替をするような費用は價格から差引いて貰いた、こういうようなこと等で、いわゆる時價に対して合理的な調節を行なつて貰うというような考え方もあるのであります。そういうような方向で現在の法律の許す範囲において事情に即した扱いをして、必要な校舎等にそれらの施設が轉用されるようなふうに交渉をいたしておるのであります。そして更に根本的にはこういう学校等の施設に利用するときには、もつと根本的な特別な扱いができる法制でも考えなければならんのではないかというふうに考え、その点に関しましても財務当局とお話をしておるわけであります。それから停電と夜学校の問題でありますが、これは誠に困つたことで、殊に夜学校におきましては停電がされては全く勉強ができないのであります。この点で電力統制の場合に私は特にこの点を商工大臣にも事情を申上げた結果、医者の手術の場合、それから学校その他の実験室並びに夜学校の場合には特別の処置をしてお貰いたいということを述べまして、その結果、商工局で、かような事情が申出られたならば特別な処置をするということになつたのであります。そこで、次にこれは一つ今日聞いのでありまするけれども、それがための費用の問題が起つておるようでありまして、その点につきましては更に関係方面とも相談をして、できるだけ学校の負担にならないように考えて行きたいと思つております。尚新日本建設國民運動についてでありますが、これは現内閣も組閣間もなく経済緊急対策を発表いたしましたが、それに遅れて約一週間、この政策と表裏するものとして、文化、精神の面における新日本建設の線に沿う國民運動を提唱するものとして、新日本建設國民運動が発展いたしたのであります。これは併し政府が主体となつて政府が先になつて自分でやる運動ではなくて、こういう運動が國民の間に自主的な運動として起ることを期待して、政府はそういう機会を國民に與える。場合によつてはそれを援助、というのは主として精神的な援助を與えて行く、こういうような建前になつたのであります。そういう趣旨から政府はその要領を発表いたし、そこには七つの主要な目標をも併せて発表いたしたのであります。そうしてこの発表と共に政府は諸種の主要な團体、政治團体、産業團体、文化團体、労働團体、農民團体、その他者種の團体の代表者に集まつて頂きまして、この趣旨を説明いたして、國民の諸層、諸地域、諸職域にかような運動が起ることが望ましい旨を実は申上げて、かような運動の起ることを期待いたしたのであります。更に例えば婦人團体、宗教團体、平和團体、青年團体等に数次お集まり願つて、この新日本建設國民運動の目標に副いつつ、自主的な運動がそういう團体を中心として起るようにと私どもは希望いたしたのであります。そうして又地方におきましても、予算がありませんので実は十分には行きませんけれども、例えば京阪神地方におきましては協議会を開きましたし、私自身といたしましても、すでに十数の都市において、多くは市又は縣の主催で新日本建設國民運動の起ることを実は勧奨いたしました。数縣においては縣でそういう運動の起つておるところもあり、東京では社会党を中心とした新生活運動連盟というものもできております。かようにして新日本建設國民運動は実は始められておりまして、殊に政治的、経済的の状況が逼迫して参るに連れて、ただ概念的な、制度的な施策のみでなく、それと表裏する國民の心構えというものが必要でありまして、これは委員会でもたびたび、只今も御指摘になつた通り、そういう線に沿いながら祖國再建の熱意を、それによつて政治的経済的危機を突破して行こうという熱意を國民諸層、又諸地域、諸職域に喚起いたして行かなければならん、こういう運動が起るようにと、私共は期待いたしておるわけであります。尚この運動におきましては、御指摘のように、教職員組合というものは、特に重要な役割をして頂かなければならんものと存じておりまして、実はこの全体のお集まりのときにも、教職員組合には特に代表者を送つて頂きたいのであります。私共は各地方におきましても、教職員の方方の御協力を得ておりまして、中央におきましても、教職員の組合が積極的に、こういう日本建設の運動に協力なさるようにということを、心から望んでおる次第であります。最後に文教費の予算における全國の割合は、至急に、調査もありまするので、資料を差上げたいと存じております。
#45
○説明員(剱木亨弘君) 只今お尋ねがございました特別研究生の数字その他について御説明申上げます。
 特別研究生は、戰時中官立及び私立に設けられたものでございますが、現在官立におきまして千五百四十三名、私立学校におきまして百七名でございます。私立学校は早稻田大学と慶應義塾大学でございます。その待遇は、終戰前におきましては、一期生が月九十円、二期生が百二十五円になつておりまして、一期生と申しますのは、最初の入りましてから二ケ年の間を第一期生としまして、第一期生を終つた者につきまして、約その半数が第二期生になりまして、これは三年の期間を研究いたすわけでございます。九十円、百二十五円でございましたのが、本年度の当初予算におきまして、一期生が四百七十二円、二期生が六百六十七円に計上されておるのでございますが、このときには、官立も私立も同様に計上いたしておつたのでございます。その後物價の騰貴に伴いまして、一般俸給に並行いたしまして、一期生が九百円、二期生が千二百円になつたのでございますが、これも亦追加されまして、一期生が千四百五十円、二期生が千七百円に改まつたのでございます。この間私立学校につきましては、関係方面とのいろいろな折衝もございまして、段段遅れたのでございますが、今回十一月分以降におきまして、官立上全く同様にこれを出すようになりましたので、追加予算に計上さして頂くことになつたのでございます。大体数字的の説明であります。
 次に無給副手の問題でございますが、各学部及び病院等におきまして、学校のその講座及び診療等の副手、助手といたしまして、必要な仕事をやる面において、定員が非常に従来少かつたのでございますから、たまたま自分の研究を続けて行きたいというものに対しまして、いわゆる無給副手というものが生れて來たのでございます。ところが今日のような経済状態で、無給副手ということは、到底望めなくなりましたので、これをなくしますと、研究及び診療の方において、非常な欠陥を生じて参りますので、今回この無給副手を各講座及び診療の必要なる限度におきまして有給化するということを、予算的にお願いしておるわけでございます。今その中で、お尋ねのございました医学部が、各学部に比較しまして相当多いのでございます。現在無給副手の数が約七千名ございますが、そのうち今回予算に追加評上いたします者が二千二百二十三名でございます。そのうちで学部に属します者が八百三十名で、附属病院、分院におります者が千二百七十三名、研究所におきまして百二十名となつておるのでございます。その大半を附属病院及び分院で占めておるわけでありますが、これに御説のように、附属病院及び分院には、自分の研究を続けて行つて学位を取るという希望者も相当沢山おるのでございますけれども、実際外來及び入院患者等の診療からいろいろな面におきまして、これを実際有給職員に変えますとすると、医院において非常に沢山な数字を必要としますので、現在の副手の数は、病院だけで四千七百名おるうちで、そのうちの千二百名を有給化する。これはいわゆる病院における必要な限度を計上いたしておるのでございます。その点御了承願いたいと思います。
#46
○委員長(櫻内辰郎君) お諮りいたします。実は議院運営委員会と常任委員長会議で、午後の会議は四時までということになつておるのであります。最早五時に近いのでありますからして、本日はこれにて止めまして明後四日午後二時から委員会を続行することにいたしたいと存じます。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#47
○委員長(櫻内辰郎君) それでは本日はこれを以て散会いたします。
   午後四時四十七分散会
  出席者は左の通り。
   委員長     櫻内 辰郎君
   理事
           木村禧八郎君
           西川 昌夫君
           西郷吉之助君
           村上 義一君
           中西  功君
   委員
           大野 幸一君
           カニエ邦彦君
           村尾 重雄君
           石坂 豊一君
           小野 光洋君
           鈴木 安孝君
           大島 定吉君
           木内 四郎君
           小畑 哲夫君
           鈴木 順一君
           岡部  常君
           岡本 愛祐君
           川上 嘉市君
           河野 正夫君
           島津 忠彦君
           服部 教一君
           姫井 伊介君
           渡邊 甚吉君
           藤田 芳雄君
  國務大臣
   文 部 大 臣 森戸 辰男君
   商 工 大 臣 水谷長三郎君
  政府委員
   大藏事務官
   (主計局長)  福田 赳夫君
   商工事務官
   (電力局長)  古池 信三君
   商工事務官
   (商工大臣官房
   会計課長)   細井富太郎君
   商工事務官
   (石炭廳亜炭局
   長)      椙杜正太郎君
  説明員
   文部事務官
   (学校教育局次
   長)      剱木 亨弘君
ソース: 国立国会図書館
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