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1949/05/31 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 大蔵委員会 第35号
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1949/05/31 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 大蔵委員会 第35号

#1
第005回国会 大蔵委員会 第35号
昭和二十四年五月三十一日(火曜日)
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○公認会計士法の一部を改正する法律
 案(衆議院提出)
○連合委員会打切りに関する件
○租税制度に関する調査の件
○小委員長の報告
○化粧品物品税率の改正に関する請願
 (第百三十一号)
○鏡類の免税点設定等に関する請願
 (第二百七十六号)
○のりの物品税廃止に関する請願(第
 二百九十五号)
○奈良の彫刻(一刀刻)生産課税低減
 に関する請願(第六百五十一号)
○扇すの物品税免税額設定に関する請
 願(第八百三十三号)
○カレンダー、扇す、うちわの物品税
 改正に関する請願(第八百四十五
 号)
○兒童福祉施設用品の物品税免除に関
 する請願(第九百二十六号)
○人造バターの物品税撤廃に関する請
 願(第千百五号)
○食肉加工品の物品税撤廃に関する陳
 情(第三十一号)
○電氣絶縁用綿テープの消費税廃止に
 関する請願(第五百二号)
○毛織物の消費税軽減に関する請願
 (第八百五十九号)
○熊本縣佐敷町に税務署設置の請願
 (第三百四十三号)
○農民課税に関する請願(第五百九十
 七号)
○農民課税の適正化に関する請願(第
 九百三十三号)
○ガソリン消費税に関する陳情(第五
 十九号)
○三角港を貿易港に指定等の陳情(第
 百三十四号)(第三百九十一号)
○土地使用税設定中止に関する陳情
 (第百四十一号)
○バス事業をガソリン税課税の対象よ
 り除外するの陳情(第百五十五号)
○養蚕業の課税軽減および是正に関す
 る陳情(第四百十七号)
○國有財産拂下げに関する陳情(第四
 百十五号)
○鉱工業の水害復興融資に関する請願
 (第五百二十七号)
○土木工事費融資の順位引上げに関す
 る請願(第五百九十九号)
○町村起債の裏付貯金廃止に関する陳
 情(第三十六号)
○六大都市の預金部資金償還年限すえ
 置に関する陳情(第百五十八号)
○バス事業資金融通に関する陳情(第
 二百三十七号)
○見返資金より一般住宅建設資金を支
 出するの陳情(第三百五十号)
○見返資金より長期低利住宅資金を融
 資するの陳情(第三百七十六号)
○鳥取縣に國民金融公社支所設置の請
 願(第三百五十二号)
○鹿兒島庶民金庫を國民金融公社支社
 に昇格の請願(第千三十四号)
○國民金融公社設置に関する陳情(第
 二百九十二号)(第三百八十七号)
○政府職員の新給與ベース確保に関す
 る陳情(第百三十号)(第百八十六
 号)
○轉換專業製塩業の維持存続に関する
 請願(第二百五十四号)
○茨城縣下の自給製塩業存続に関する
 請願(第八百四十二号)
○土地家屋整理士法制定に関する請願
 (第千七十六号)
  ―――――――――――――
   午後六時十三分開会
#2
○委員長(櫻内辰郎君) これより委員会を開会いたします。議題は公認会計士法の一部を改正する法律案について御審議を願いたいと存じます。本案は衆議院議員の方の提出の法案でありまして、只今衆議院から送付された法案でございます。先ず提出者の御説明を願いたいと存じます。
#3
○衆議院議員(三宅則義君) 只今議題となりました公認会計士法の一部を改正する法律案、これにつきまして参議院の大藏委員の各位にお願いいたしたいと思います。お手許に御配付いたしてあります通りであります。
  公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)の一部を次のように改正する。第五十七條に次の二項を加える。
 7 計理士でその職に在つた年数を通算して十五年以上になる者は特別公認会計士試驗にかえて、大藏省令の定めるところにより公認会計士試驗委員の行う陪審式試驗を受けることができる。
 8 第五項の規定は陪審式試驗を受けようとする者に、第四項及び第六項の規定は、陪審式試驗に合格した者に準用する。
   附則
 この法律は、公布の日から施行する。
 その理由を御説明いたします。
 特別公認会計士試驗はすべて筆記試驗によつておるのでありますが、これによりますと、合格者を定めまするに際しまして、人によつて当を得ない場合が多いのであります。のみならず、高度なる道徳的観念というものは何ら採点の上に現われて參りません。故に陪審式試驗によりまして、業界一流の有能なる人士を公認会計士とするよう高度の実質的充実を図りたいというのが、本法律案を提出いたした理由であります。
 重ねて申上げまするが、衆議院の大藏委員会におきましては滿場一致を以てこれを決せられ、本日衆議院の本会議におきましても、これ亦滿場一致を以て可決せられました。何とぞ御審議の上参議院におきましても、御賛成下さらんことを切望する次第であります。右御説明申上げます。
#4
○森下政一君 只今提案理由の御説明を承つたのですが、この公認会計士法の試驗がすべて筆記試驗になつてをりますが、筆記試驗で合格者を決めるのは人によつて当を得ないという場合がある。筆記試驗というものはそういうふうに当を得ないものであるというならば、特別公認会計士の試驗というもの自体を考え直さなければならん必要があるのじやないかということも考えられる。
 それから筆記試驗の場合に合格者を決めるというのに、高度な道徳的観念が採点の上に現われんということは、一体どういうことなんですか、ちよつと私分りかねるのです。
 それから陪審式試驗というのは一体どういう試驗でございますか、御説明を承わりたいと思います。
#5
○衆議院議員(三宅則義君) 只今の御質問に対しまして、お答え申上げます。特別試驗を受けまするのには、学生の方とか、或いは卒業年度の若い方になりますと、筆記試驗でも大變よろしいのでありますが、これが卒業いたしまして十五年も二十年もいたしまして、四十過ぎ、五十歳、六十歳に垂んとするような方になりますと、短時間に、一時間のうちに五十問も算盤をやつたり計算をいたしたりすることは、筆記試驗にいたしますると甚だ不可能に近いのではないかと思います。それで私共の考えるところによりますと、これに関係いたしました人物の過去の経歴、実績、その内容等を観察するにつきましては、是非陪審式と申しまして、試驗委員の方が五人なり六人なりおられまして、これに対する質問をいたすわけでありますが、それと同時に過去の経歴、実績、業績等をその前に示しまして、而して委員の方が質問いたしましたことに対して筆記を附けまして速記を取りましてその質問に答えることによりまして、その審査の程度を見るわけでありまして、そうすることが年を取つた方に対しては誠に穏健妥当であると考えまして、是非こういうことにいたしたいと思うのであります。何とぞ皆さんの御賛成を賜わりたいと存ずる次第であります。
#6
○森下政一君 高度の道徳的観念とはどういうのですか。
#7
○衆議院議員(三宅則義君) 筆記試驗でありますと、短時間に多くの問題をやりますから、半分もできなかつたという場合がありますので、これでは甚だ以て……例えば十の試驗問題でありますと五しかできないというようなことになるわけでありますが、私はこれはいつも言うことでありますが、医者でありましても、弁護士さんにいたしましてもさようであろうと思いますが、学術的になりまする場合は学校を卒業した当座はよくできるのでありますが、高等文官試驗などでも、そうでありますが、永年いたしまして、実務の経驗をいたしますと、事務的に早く紙の上に書取るという場合は能率が遅れて參りますから、その辺は不可能であろうと思うのです。診察いたしましたり投藥いたしましたりすることは大先生であり、注射をいたしたり繃帶をいたすのは看護婦であるというようなことも現われて参りますが、紙の上に現われて参りましたことばかりでなく、人物、態度、経驗、これらも大いに尊重すべきことであろうと思いますからして、その辺に人格的素養も現われて來るのだろうと思いますから、この辺もどうぞ御了承願いたいと思います。
#8
○天田勝正君 十五年以上も同じ職務にあつた人に対しまして特別に試驗を持いる、こういうことは私は当然であろうと考えまするが、昨年会計士会でありますか、その会の方が沢山見えられまして、ここで懇談会をいたしまして、その際登録しておる人、それからその登録するのにつきまして、現実に今の会計士ではなくて計理士の仕事をやつておる人はどのくらいかというようなことをたしか数字的に私共承わつたのでありますが、登録しておる人のうち三分の一か四分の一しか実際に仕事をしておらない、こういうことであつたと存じます。そういたしますと、これで参りますと一体この登録で十五年の年数を御計算になるのでありますか。或いは実際に仕事をしておるという点から勘定をされるのでありますか。若し実際の仕事をしておるという点から勘定するといたしますれば、これは非常に数え方がむずかしい。或いは租税面で計算して來なければならん。何かそういうことが出て來ると思うのですが、その点はどういうふうにお考えになつておりますか。
#9
○衆議院議員(三宅則義君) 只今の御質問御尤もなお話でありまして、過去におきましては、学校を出ました者が、例えば商科とか経済科を出ました者が計理士に合格されたのでありますが、過去に約二万人ありましたが、実際現実に商賣として税金を納めておる者が約二割であります。全國を通じて二、三千ぐらいを超えないと確信しております。それにつきましては、かねてから我々この業者の中におきましても、例えば日本計理士会とか、或いは東京税務代理士会とか、地方税務代理士会でありますとかが、それに対して常に監督に当り、或いは実績を調査いたしておるのであります。その方面からいたしますれば、さほど困難ではなかろうと思つております。現に私共の推察によりますと、十五年以上の実績を持ちましたる経驗の堪能者というものは、全國を通じまして、実際上業務に携つておる者は約二百名ぐらいではないか。かように考えておりますが、さような人は今日他に轉業することはできませんからして、是非皆さん方の御協力によりまして、今までの過去の実績を尊重し、將來の発展に寄與すべく、是非陪審式試驗によつて合格させてやりたいというのが本法案提出の趣旨であります。何卒御賛成を願います。
#10
○天田勝正君 そうすると、簡單ですが、その登録なしに実際の業務に携つておつたのは、どこからこの年数が数えられるかということですが、その数え方というものは、ただ日本計理士会でありますか、そうしたものによつて数えるということでなしに、何か納税、そういうようなものによりまして調べるというような機関でも設置するか、或いは更にこの会計士改正法に追加いたしまして、そうした特段の、これらを先ずその資格ありや否や、受驗資格ありや否やということについて規定する必要がないでしようか。
#11
○衆議院議員(三宅則義君) 只今の御質問、誠に御尤な御質問でありますが、先共は先方と交渉いたしまするときに、いろいろな案を考えまして、学者の方、或いは会社の会計課長をなすつた方、銀行のやはりそういう監査をいたした方等も含めようと考えておりましたが、先方のお指示もありまして、実務に携つておる者を生かす必要があるからして、とにかく今回はそれらを計理士にしようというのでありまして、そのようなものに携つておる者に対しては、会計士会とか或いは大藏省も監督に当つておりますから、私共は、有力な税務代理士会とか会計士会が主として推薦したい、かように思つておりますが、尚且つ有名人にいたしまして、実績を持つ者につきましては、いずれかの会に入つていない人は殆んどいないと思つておりますから、余り心配はなかろうと、かように考えております。
#12
○天田勝正君 それらの点につきましても、要するに大藏省令によつて定めると、こういう御意思でございますか。
#13
○衆議院議員(三宅則義君) 詳しいことは大藏省令に讓りたいと思つておりますが、大体の構想は今申上げたように進めたいと考えております。
#14
○森下政一君 先刻の御説明で大体分つたのですが、結局こういうことに解釈してよろしいございますか。この改正は、公認会計士としての実力を十分備えておると、ところが筆記試驗をやられると不得手だというような人を救済しようというために改正だと、大体こう考えてよろしいかということが一つ。それからもう一つは、陪審試驗のときの陪審員になる人ですね。これは省令で決めるわけでございますか。そうしてその任期の年数とか、或いは員数とか、そういうことについて何かここに構想がおありでございますか。
#15
○衆議院議員(三宅則義君) 只今のあとの方から申上げます。今まで会計士管理委員会がありまして、それによつて試驗委員というものは任命されておりましたが、今度大藏省の中に入りましたから、大藏大臣が試驗委員を任命することになつております。私共もこの陪審式試驗委員も、やはり大藏大臣の任命いたしましたる試驗委員がなさることと考えております。今までの法令によりますと、さように思つておりますから、大して心配はなかろうと思つております。次にお話になりましたごとくに、私共は、救済と申しますか、そういうような言葉を愼しみまして、力を持つておるけれども、短時間に早く紙に書き現わすことができない。よく会社を審査し、監査し、証明する能力はあるが、これは一時間や二時間で書きあげることはできないが、時間をかければ、実に嚴正に、最も妥当に、間違いのないように記明し監査する。こういう実力は持つておりますが、併しながら急に紙に書き現わすことができない。こういうことでありますから、実際に紙に現わすということは、年取つた人には困難であるが、経驗なり実績なりを尊重し、会社なり銀行なりを合理的に監査し得るというような人は、陪審試驗がよろしいと、提案者はかように考えておるのであります。
#16
○小川友三君 三宅先生にちよつとお伺いいたしますが、今の陪審式試驗ということは、口頭試問ですね。これは私も口頭試問でやつて行くということについては、誠にこれは結構な話でありまして、そこで十五年以上、二十年、三十年と思いますが、十五年が何人、十六年が何人、そういう数字がお分りでしたら、あなたに分らなければ外の人にでも御説明して頂きたいと思います。一番古いのは八十幾つというのがあるかも知れないと思いますが、最高年者はお幾つですか。
#17
○衆議院議員(三宅則義君) 最高年者は、私の記憶によりますと八十二歳の人がおりますが、実際にそういう人が少いのであります。大体五十歳以上、六十歳、七十歳の方が多いと思います。大体五十歳以上の方が二百人いるかと思います。
#18
○小川友三君 関連して、そこで今、森下先生もお聽きなさつたんですが、これは三宅先生は先だつて、高度な道徳的観念という、翼賛的の頭で言われたが、三宅先生は古い人だから、勘辞してやろうというので、とにかく、森下先生も余り突つ込まなかつたが、計理士さんが納税の公平化のために努力せられたということは、これは税務署も認めるし、私も認めます。そこで十五年やつておれば、何と申しますか、何百万円、何千万円の租税を納めるために、納税者を指導して、國家のために貢献せられたという殊勳者である。優秀な計算をせられる人だということが言われると思います。そこで十五年以上も実務をやつた方は、陪審式試驗でやることは誠に結構でありまして、併しそこで八十歳以上の人がいるという話ですが今これは杞憂に過ぎないけれども、特に十五年もやつた看板の威力を以て脱税を指導し、なんということはないと思いますが、相当うまくやつているというようなことはないと思いますけれども、それが國家は非常に薄弱でありますから、成るべく沢山納めるように御盡力を賜わりたいと考えております。一方では、計理士さんの古い方は、どうしても税務署長、直税課長、法人の係長さんと極めて緊密な連絡があつて、磐石の上にはりつけた連絡があつて、計理士さんに頼めば相当少く納めて済むということを言われるが、こういう点誤りのないようにして頂きたいと思います。そこでこの十五年以上やつた人で、脱税教唆で以てひつ掛つた人は何人ぐらいありますか。
#19
○衆議院議員(三宅則義君) 小川先生のお尋ねでございますが、計理士は主として監査、証明を中心にやるものでありまして、税務署の納税は、税務代理士が中心になつております。只今お話のありました、五十歳以上の人が刑にひつ掛つた人は、私の記憶では一人もないと考えております。十五年以上は今やつておる方には一人もないと考えております。
#20
○天田勝正君 私はもうこの法案を見まして最初から実を言うと特別の措置が必要であるとこういうふうに賛成しておるのですが、何かこれだけでは不安な氣がしてしようがないのです。その一つは、実はこうした措置を取るにつきまして理由のところで見ますると「業界、学界、実業界等各方面より一流の有能人物が公認会計士となるの高度の実質的充実を図りたい」と書いてあります。こういうことなんですが、法文の上で見ますと、計理士でその職に在つた年数と、こういうことを言われております。そうすると実は計理士であつて而も実務に携わるということは先程伺つたのでありますが、では会社に勤めておつたこういう計理士の人もあると思うのです。これらがつまり計理の方に專門に携わらない人も亦その中に出て來ておる。こういう場合に一体どうした認定をするのであろうか。こういうふうな不安があるのでございますが、その点は如何お考えになつておるのでしようか。
#21
○衆議院議員(三宅則義君) お示しのごとくでありまして、私の考えでは、最初は会社でも学界でも誰でもよろしいという考えでありましたが、先方の御都合によりまして、計理士は実務を担当するのでありますから、実務に当つた者がそうした会計士にならなければならんということで、計理士に今回は限つたわけでありますが、この計理士は主として独立いたしまして、第三者からの依頼によつて監査、証明なりをいたすのが原則であると私は考えておりますから、何卒さように御承知願いたいと思います。
#22
○天田勝正君 その点は分りました。もう一点この陪審式試驗、これは恐らくどなたも初めて聞く言葉ではないかと思います。結局お話を聞いておりますると、これは口頭試驗であるということが分りました。今まで文官高等試驗等でも口頭試問或いは口頭試驗という言葉を使つておるのでありますが、この陪審式試驗という言葉を一体使わなければその意味することがどうしても十分でない、こういうことでございましようか。私共の考えにすれば成るべく法文等は通常の人が理解できるところの法文に段々簡單な言葉で現わして行くというのがいいではないかとこう思うのでありますけれども、特にこの際陪審式試驗、こういう言葉を用いなければその意味が徹底しない、こういう考えでございましようか。
#23
○衆議院議員(三宅則義君) 只今のお話のように口頭試問ということもございましたが、やはり試驗という以上は大いに力を試すことになり、速記を取りましたり、或いは自分の参考論文を出すこと、又経歴を出すことも必要でありましよう。あらゆる角度から檢討したいという意味において、口頭試問とせずに陪審式に、試驗委員を五人なり六人なりをここに選びまして、專門的の言葉なり経歴なりについての質問、又自分の携つておる職務に関する質問もあろうと思いますが、これに対しましてこれを速記にして行きまするとか、試驗或いは討論と同じようなことだと思いますが、かようなことが誠に進歩した方策ではないかと思つております。このパネル・エグザミネーションという言葉を翻訳いたしまして陪審式試驗ということにいたしたわけなんであつて、さよう御了承願いたいと思います。
#24
○小宮山常吉君 お尋ねしますが、十五年以上になる者が陪審式試驗というと、これにパスした者はいいと思いますが、パスしない者はここに失業だとか、いろいろな問題ができるのじやないか。それから年限も十五年経たずに十二年でも陪審式試驗というものはできるというようなことを……。
#25
○衆議院議員(三宅則義君) 今のお尋ねでありますが、やはり十五年以上なさつた方を第一にやるということで、通算いたしまして十五年ということでありますから、十五年になつておりますような方々は、又次の機会にでもいつでも試驗を受けられる、私はさように今日の場合思つております。一つ御安心をして頂きたいと思います。
#26
○天田勝正君 この現在十五年というのはそれでいいですけれども、現在は三年くらいだ。併し計理士というのは別にとれるわけでありません。新らしく会計士がずつとできて行くわけでありますが、計理士としての資格はなくなるわけでありませんから、そこで会計士の補助的な仕事などに計理士がずつと携つていますると、現在三年の人でも後十二年経てば十五年という調子に、はてしもなく極端に言えば現在一年の人もそういうふうになつて行きましようか。それを括る必要はないのでございますか。
#27
○衆議院議員(三宅則義君) 今申上げましたが、今日の場合大学を出ました者は試驗を受まして会計士補になり、又更に本試驗を受けまして公認会計士になるのでありますが、この方は大学を出たり学校を出て二、三年若しくは十五年以下の人がなるのでありまして、十五年も経つた人はなかなかそういうわけに行きませんので、取敢ず今日まで業界や世間で認容し、自他共に許すような計理士は、公認会計士試驗を陪審式によつていたさせる、かように思つておるのでありまして、現在の若い計理士さん、二、三年の方々は、國家試驗であります今日の会計士補の試驗、更に本試驗の会計士試驗を受けて頂きたい。かように政府も思つておられますし、我々も考えておるわけであります。
#28
○天田勝正君 そうすると、この法律公布の日に十五年すでに経歴のある者に對して陪審式試驗を行うのである、こう理解してよろしうございましようか。
#29
○衆議院議員(三宅則義君) 現在の場合は取敢ず十五年以上やつておるような業界の先輩、元老、或いは中心になつております者を第一にこの試驗を受けさして、日本の要求する高度の鑑査証明の業務に当らせたいという趣旨であると、私は記憶しております。
#30
○天田勝正君 その点が非常にはつきりしないのですが、三宅先生等がこの起案をいたしましたについては、そのようなお考でございましようが、法文の不備の結果が、私がさつき申上げるように、現在三年の者でも段々と十五年になつて行く、こういうこともあり得る。そこで確かに現在公布の日に十五年の者だけに適用するとか、或いは今後三年間なら三年間経つた場合に十五年になる者には適用できるとか、何かそこに法律としては適当な言葉で制限をいたしませんと、私が申したように、現在一年の人でも、十五年というこの法文だけでは受けられる、こういうことに実はなると思う。その点なんです。ここに不備がありやしないかと申上げたわけであります。
#31
○衆議院議員(三宅則義君) ここに法律文は持つておりますが、五十七條にはいろいろな場合が書いてありますので、参考に申上げたいと思いますが、五十七條によりますと、商学に関する博士論文などの通つた人に関しては、これは特別会計士試驗も受けられる。計理士も勿論特別会計士試驗を受けられる。その特別会計士試驗に代えて、現在の十五年以上の人には陪審式試驗を受けさせたい、こういうのでありまして、今日の場合は取敢ず、將來のことは分りませんが、この数年間はこの法律で実行して然るべきであろうと思つております。將來改正する必要があれば又改正しなければならんと存じますが、今日ではさように思つております。
#32
○森下政一君 もう一つ、私よく分らんので念を押すのですが、さつき天田君から、陪審式試驗というのは初めての言葉であつてよく分らん、実態は口頭試驗のように思うが、何故口頭試驗という言葉を使わんかという質問があつたんですが、これはこれまで行われておるいわゆる口頭試驗とはちよつと又違うもんだと解釈したのです。さつきの御説明を……。というのは、公認会計士試驗委員というものが何人か出られるでしよう。その外に陪審式試驗委員というものが、別に加わるのだ、こういうふうに私はさつきの御説明を解釈したんですが、そうでないのですか。
#33
○衆議院議員(三宅則義君) 構想としては大藏大臣が任命いたしまする公認会計士試驗委員の中から陪審式試驗をして貰うことになりますが、それは兼ねられると思いますから、差支ないと思つております。
#34
○森下政一君 そうすると、つまりこういつた試驗をただ陪審式試驗というがけで、実体はやつぱりそれなら公認会計士試驗委員とかがやる、こういうことになりますか。
#35
○衆議院議員(三宅則義君) 公認会計士試驗委員のうちからこの陪審式試驗委員を任命されることは、これは大藏大臣が任命されることになつていますから、これは政令の定むるところの大藏省令によりたいと思つておりますから、今の私の構想ではそのように大藏大臣の任命せられた試驗委員によつてやりたい、かように思つております。
#36
○森下政一君 それなら天田委員の言う通りに、この法律を分りやすくするために、この法律の陪審式試驗とは一体何だという質問は必ず起つて來るように思うのですが、公認会計士試驗委員の行う口頭試驗を受けると言う方がいいのではないか、その方が分りやすいと思つております。
#37
○衆議院議員(三宅則義君) 口頭試驗と口では言つても、いろいろ質問されるということもありますし、自分の論文なり経歴なり履歴書を出したり、或いは自分の実績などを提出したり、そのことについて質問せられる場合もありましたり、自分の意見を言いまするが、筆記試驗に代えまして最新式にやりたいというつもりで、皆様の御了承を願いたい、こう思つております。
#38
○森下政一君 それなら今のお話を解釈してこういう場合もあると思う。質問もしないで論文だけ出させる、こういうことも人によつては試驗委員がそれで足りると思うとそういうことはあり得るのですか。
#39
○衆議院議員(三宅則義君) 私は論文だけではいけないと思うので、或いは論文を出したり、経歴を出したり、又自分の実績の業績を出す場合もありましようが、それに対して試驗委員は経歴なんかを尊重して、あらゆる角度から試驗をいたしますから出し放しでいいということはよろしいというわけではありませんが、そこに人間としての脈摶が相通ずる点があろうし、そこに自分の智慧も現われて來るだろうし、紙に書くだけでなく、その表現の仕方、その内容等についても観察する能力があるだろうと思いますので、そういうことで一つ御了承を願いたいと思います。
#40
○森下政一君 非常にぼやけたようなことになつてしまつたんですが、段々お話を聞いていると、そうすると、例えば天田勝正さんという人を試驗する場合は、論文を出させて、その論文に書いてあることについての口頭試驗をやつて行く、その程度でよかろう。又波多野鼎という人をやる場合には、これは論文だけではいかんぞということで、論文を精査して、それについての試問をして口で答えさすというだけでなしに、いろいろ数々の事項を著書と並べて別のことについての質問をして見るというように、人によつてつまり試驗委員がいろいろと試驗方法を勘案をするというような、非常に廣範囲な道が開かれておるような氣がする。そうなると惡く解釈すれば、大藏大臣の任命する試驗委員には違いないが、どうも公認会計士としての先輩とか学者とか、從つて十五年以上も長く業界に活躍しておる先輩の諸君がこの試驗を受けられるとなつたら、これらの者は皆顔馴染の友達みたようなものだから、大体面倒くさい筆記試驗などを受けさせるのは、かあいそうだからというので、どれもこれもパスするというような、さつきも私が言つたように、救済のための制度というように考えられるのですが、そういうことはありませんか。
#41
○衆議院議員(三宅則義君) いろいろな御質問がございまするが、私は人によつて依怙贔負をするというようなことは、論文とかレポートというものを参考にして、試驗委員の方が一定の試驗問題を考えておられる。これに対する実績なり経歴を調査して、あらゆる角度から考えるのですから、人によつて不公平ということはないと思いますから、その辺は大藏省の省令によつて定められると思いますから、こういうふうにやりたいと思いますから一つ御了承を願います。
#42
○森下政一君 それならやつぱり口頭試驗とされたらどうですか。そうして参考として論文とかレポートとか著書なりを出させる。これはいいと思いますが、これは口頭試驗とやられたら一番はつきりするのではないかと思うのでありますが……。
#43
○衆議院議員(三宅則義君) 私の今日の構想としては是非この陪審式というものによつてやりたいという構想を持つておりますから、何とぞ一つ皆さんの御了承を得たいと思います。
#44
○天田勝正君 三宅先生の言葉が、その御趣旨はよく分るのですが、実は私供もこのことを考えておるくらいなんですが、ところが御説明を聞いておると、そのこと自体が口頭試驗、口頭試問であるというような氣がするのです。経歴をいろいろ勘案せられるといつても、当然試驗を受ける場合には必ず履歴書を出させる。それにちやんと経歴というものが全部載つておるのです。この経歴は違うかどうかと本人に聽いてみても、間違いございませんと言う外に手はないので、あとの残りのことを聽くにしても、そのこと自体が私共は口頭試問ではないかと思う。それならば簡單な言葉を使う程今後の法律としてはよろしいのではないかと、こう考えるのですが、どうしても陪審式でなければ意味が現わせないという点がありましようかということを伺つておるのです。
#45
○衆議院議員(三宅則義君) 先方と相談いたしました結果、やはりそういうふうにパネル・エグザミネーシヨンをやはり陪審式試驗と訳した方がよかろうということになりまして、向うの方と実は打合せたことですから、そういうふうに御了承願いたいと思います。
#46
○波多野鼎君 陪審式というのは、この言葉から我々が受取る感じは、試驗官がおり、受驗者がおり、そうして誰かが陪席しておるという観念ですがね。誰かが陪席しておる。第三者が陪席しておる。これは文字から來る感じですが、それなら意味が分る。併し今の御説明を聞いておると、從來我々が観念しておる口頭試驗に外ならん。口頭試驗以外に何ら変つたところがない。ですから口頭試問とか口頭試驗というふうにされた方がはつきりすると私は思うのです。誰か第三者が陪席しておつて、裁判官のように判定するというならこれは話が分るのですし、その方がよいと思う。実際はそうでないとすれば、陪審式という言葉を使うことはおかしい。
#47
○衆議院議員(三宅則義君) こう言うては甚だ恐縮ですが、先方のアリソン氏と打合せの結果、陪審式がよいというのでやつたことで、大体におきまして試驗官が五人か十人おつてやるのですから、これは一種の陪審式と言い得ると思いますから、その辺は一つ御了承願いたいと思います。
#48
○黒田英雄君 これによりますと、陪審式試驗ということが問題になつておる。私もちよつと分らなかつたのですが、「大藏省令の定めるところにより」とありますが、この法案に対して大藏当局はどういうお考えを持つておられるか。その点を一つ伺いたいと思います。
#49
○政府委員(河野通一君) お答え申上げます。大藏省といたしましては、先般内閣から提出いたしました公認会計士法、両院の御議決を以ちまして通過いたしておりますものが、その当時といたしましては最適と思いましてその提案をし、御議決を得たのでありますが、今般衆議院の方から御提案になりました改正案につきましては、今よい惡いということにつきましては私の方から非常に困るということを申上げることはないと存じております。尚今黒田先生からの御質問は、恐らくこの改正案が成立いたしました場合に、その運用解釈についてどうかということじやないかと思うのでありますが、この点は立案せられ、立法せられました皆樣方のお考えなり、或いはその御趣旨等を十分拜聽いたしまして、合理的に解釈して参るより仕方がないのでありまして、大藏省令で定められるかと言われましても、今この際としては皆樣方がどういうことでお考えになつておるかということをよく承わつた上でないと、それの御趣旨に副うように大藏省で陪審式試驗をどういうようなことでやつて行くかということにつきましても、その趣旨を十分伺つた上でないと、私からどういうふうにやるのかと聽かれても、ちよつと政府としてお答えができにくいのです。
#50
○天田勝正君 それだからますますおかしいので、私も大藏省の方に実は聽きたいのですが、この陪審ということを知つたのは、例の陪審裁判という制度ができて、私が青年時代のあの式を我々は先ず頭の中へ描くのでありますが、それで行きますると、裁判官というものは勿論必ずしも一人じやない。三宅先生のおつしやる多くの試驗委員がおりますからというのですけれども、試驗委員は何百人いても試驗委員は試驗委員、その外に民間から選ばれた陪審員という者がここにおる。そうして裁判の結果についてこの人たちの意見を聽かなければならない。その結果において刑の量定をやろうという式を頭に描いておるわけであります。そうでなければ普通の試驗であり、普通の裁判というふうにしか考えられないのであります。私共の頭が古いかも知れません。試驗委員が多いとかいろいろなことを質問するとか、いろいろな資料を出させるとか、いろいろな経歴を聽くとかいうことは一切口答試驗とか口頭試問という言葉で言い盡せるのではないか、大藏省としては、今御答弁では、別にこれに対して異議をいうところはない。たしかに新らしい陪審というのが、そういう今までの口頭試驗という式なものを、今度こういうふうに陪審とするということになれば、これは話が別なんです。併し民主的な法律というのは成るべく簡單な言葉で現した方がよいのであつて、どうしてもこの新らしい言葉を使う場合には、新らしいそこに内容が盛られて來なければ変なのではないか、こう思うのでありますが、この点に関して大藏省はその省令を定めるということになつておるのですが、元の方が御理解にならないと、ちよつと困るのではないかと思うのでありますが、こういう陪審ということについてどうお考えになつておりますか。
#51
○政府委員(河野通一君) どうも甚だお答えにならんお答えを申上げるより仕方がないと思いますが、陪審式試驗という意味につきましては、これは私が今これはこういう意味だということを申上げる資格も能力もないのであります。陪審式試驗ということに法律が決まりましたならば、皆さん方の陪審式試驗という意味を十分汲みまして、それに應じたような省令を作る、こう申上げるより仕方がないと思います。
#52
○委員長(櫻内辰郎君) ちよつと速記を止めて……。
   〔速記中止〕
#53
○委員長(櫻内辰郎君) 速記始めて。
#54
○木村禧八郎君 只今御説明を伺いますと、実際に試驗は行うのではなくして、こういう形式にして置いて、いわゆる推薦なんですね。ここは試驗というのがありますが、今のお話の内容を承わりますと、実は推薦であつて…。
#55
○衆議院議員(三宅則義君) 今の御質問でありますが、これはやはり公認会計士試驗委員によるのでありますから、十五年以上実施を持つたものでなければ受ける資格がないと思つておりますから、その辺は陪審式試驗によつて、政令で決めて貰いたいと思いますから、どうぞ御安心を願いたいと思います。
#56
○木村禧八郎君 試驗とありますが、実際伺いますと推薦母体が違つて來ておるだけでありまして、前はそこが推薦すればよいということになつておつたが、それが解散したから、こういう形にした、そういう意味じやありませんか。
#57
○衆議院議員(三宅則義君) 私の今の考えておりまするところによりますと、やはり実際の年数を持つた現業計理士の方で十五年以上やつた人は、業界のためになつておる人でありますから、これらの人が中心竜になつて会社の監査の証明をやつて貰うことが日本再建に最も量大なる役割を演ずると考えておりますから、是非それを一國の行政、例えば税金を納めた事柄とか、或いは官廳の直接監督したこととか、あらゆる方面から勘案して適切なる人が試驗を受けるようにいたしたい、かように今日は思つております。
#58
○天田勝正君 それは繰返すようでありますが、三宅先生のこれを起案されました意図というものはよく分ります。その通りでなければならないと存じますけれども、その説明の内容というものが、一体口頭試驗でできることだ、こういうふうに私共は理解しておることなんで、陪審というのは、これは今までの我々の観念による試驗とは全く違うものだ、こういうふうに考えられるわけで、法文といたしましては「公認会計士試驗委員の行う」というところだけをとつてしまいまして、「大藏省令の定めるところにより陪審式試驗を受けることができる、」こうしたならば大藏省令でどのような意図にもできるわけであります。「試驗委員の行う」とちやんと決めてしまつてあるところに、私共がちよつと了解ができないところがある。
#59
○衆議院議員(三宅則義君) やはり大藏省令でありますが、試驗委員に任命するのは大藏大臣でありまして、やはり大藏大臣の任命せられました公認会計士試驗委員が試驗委員会を作りまして、いろいろな問題を作りましたり、勘案をいたすべきであると思いますから、やはり試驗委員に任した方が結局公平じやないかというふうに私考えております。
#60
○森下政一君 私はこれを通すことはちつとも阻もうという氣持はないのです。ただたまたま陪審式試驗という新らしい言葉をお使いになつておるのと、先刻天田君のおつしやつたようにお互いの頭に入つておる試驗ということ、今日の陪審ということは、試驗を行う或いは陪審を行うその人以外に、立場の異なる人がこれに立会う何者かがあるということを考える。これが陪審式だと、こう思うのです。そこで今天田君のいうような工合に「大藏省令の定めるところにより陪審式試驗を受ける」といたしましても、当然それは試驗をする主体は公認会計士試驗委員に違いない。その試驗に立会う者も、陪審裁判のように、本当の素人の第三者という意味でなしに、相当な、つまり会計問題についての経驗のある或いは学識のある人がお立会いになるということで結構なんですが、このいわゆる公認会計士試驗委員の外に、省令によつて、場合によれば陪審試驗委員というものができてもかまわない、そういう人が誰か立会われるということに大藏省令が決められるのだという了解の下にならば、この通りの字句で私はいいと思うのであります。そういうふうに解釈しちやいかんのですか。
#61
○衆議院議員(三宅則義君) 只今大変に御立派な御注意がありまして私共も光栄に存じます。陪審式試驗というのは、先程御説明いたしましたようにパネル・イグザミネーシヨンという原語でこれは陪審式ということにやつた方がよろしかろうというので、法制局とも相談してかようになつたのでありますが、今御注意のような点は、大いに意見のございますことにつきましては、第三者のものを入れるということが一つのなんであろうと思いまするからして、十分考慮に入れまして、こちらの参議院の御趣旨を尊重いたしまして、將來ともやりたいかように考えております。
#62
○小川友三君 これは三宅先生の大失態だと思います。パネルというのは陪審員ということ、イグザミネーシヨンは試驗、陪審員の試驗に合格した者ということになります。そうすると公認会計士試驗委員じやない、陪審員試驗、この陪審員の試驗に合格した者はということになりますから、公認会計士試驗委員というのとは違うのです。これは削らなくちやいかん。そこで漢和辞典を持つて來ておりますが、陪審というのは、日本式に直しますと、これは文学博士の新村という人が出しておるのですが、陪審とは「裁判の審理に陪席すること。裁判官か刑事事件につき法律を適用すべき事実・行爲の認定をなさせるために、人民中から選定した独立の機関。」というわけです。それから陪審制度、「一般國民中資格のある者より陪審員を選定し、これに事実・行爲の判断をさせ、この結果に基づき裁判所が判決すること。」ということですね。つまり公認会計士試驗委員の外に公認会計士陪審員というものがなくちやいけない。これは出たらめの言葉を法律に書くということは、参議院の、私の考えでは名誉にかけても、公認会計士試驗委員というのは陪審員じやないのですから、公認会計士陪審員というものの制度を作らなくちや、陪審式試驗というものは得らなれないわけですね。少し漢字を勉強して貰いたい。(笑声)これはまるきし意味が違う。陪審員の試驗に受かつた者は許可すると向うは言われた。それを公認会計士試驗委員ということは虚僞になりますから、試驗が全部無効になつてしまう。陪審員のことをパネル、陪審員じやない試驗委員は。そうすると公認会計士試驗委員という制度を大藏大臣なり、國会が作らなくちやならん。公認会計士即陪審員というのはできないのだから、そこで四谷怪談という言葉で出る、お化けじや困る。事実上公認会計士陪審員制度というものを立法してそれからの話です。辞典が保証しているのですから出たらめでない。辞典を見て頂いてそれからして頂きたいのですが、そうしたまあわけであるということが一つ。
 それからもう一つ天田先生が先程質問した中で、あなた答えないですけれども、十五年以上はこのいわゆる陪審式試驗で行くのだ。それから十四年の者は、今年落第して來年割り込める、十三年の者は二年で割り込める。十二年の者はあと三年経てば割り込める。十一年の者は四年、十年の者は五年で割り込め、九年の人はあと六年で割り込め、八年の人はぶらぶらしても七年で割り込んでしまうということになつてしまいますね。一年の人は十四年で割り込めるということになりますから、持つてない人は十五年で割り込めるということになりますが、そうした大きな欠陥があつたことを天田先生はお氣付になつているが、それに対して三宅先生は、先を急ぐあまり、早く通してしまおうというので余り答えないで行つたが、途中で停つて頂いて各駅停車で御答弁をして頂きます。
#63
○衆議院議員(三宅則義君) 只今大變御忠告ございまして結構に思いますが、私共は現在の実情から考えまして、十五年以上の現在の計理士さんを早く公認会計士にいたしまして、日本の経済復興に、再建に努力したい。かような意味合においてこの法案を出したわけでございます。將來陪審式というものが惡い、御賛成なければ將來又變えるということもできまするが、取敢ず一つ今日の場合会期の切迫しておりますところでありますから、皆樣の御了承を頂いて、是非この御審議を進めて頂きたいとかように思つておりますが。
#64
○委員長(櫻内辰郎君) ちよつと速記を止めて。
   〔速記中止〕
#65
○委員長(櫻内辰郎君) 速記をつけて。
#66
○天田勝正君 この追加いたしまする第七項でございますが、この第七項の「十五年以上になる者は」という、この十五年と規定いたしました意味は、本法律の公布の日のときに十五年以上になつておつた者である。こういうふうに了解してよろしいかどうか。
 更に公認会計士試驗委員の行う陪審式試驗、この意味は、陪審という以上は試驗委員と試驗を受ける者と、この当事者の外の者がおつて、その意見を聽いて初めて試驗の結果を宣告する。こういうようなことでなければならないと存じますが、大藏省令によつてさようないわゆる裁判上におきまする陪審裁判式な方法によつて定めるところの御意思があるかどうか、この点を伺つて置きます。
#67
○衆議院議員(三宅則義君) 只今の御質問に対しましてお答えを申上げたいと思います。今の御参考までに仰せになりました点は非常に私共尊重いたしておりますから、今度公認会計士試驗委員の行う陪審試驗委員には、やはり今御注意になりましたように第三者の方々を入れまして、陪審式にやつて貰いたいというふうに大藏省令で作つて頂きたいとかように思つております。
 更に又皆樣のお考え通り若し言葉が變なことがありましたならば、來議会にでも直して頂きたいと思いますから、何とぞ御了承願いたいと思います。
#68
○天田勝正君 十五年という規定でございますが、この十五年以上になる者というのは、現在十四年の者が來年になつては今度は十五年になる。或いは十二年の者は三年経てば十五年になる。この理窟を繰返して参りますれば、現在三年の者はあと十二年経てば十五年になる。このようになりまして、実際この陪審式試驗を受け得る資格の者は、現在の計理士が全部なる。こういう解釈もこの法文では成り立つのでございますから、そこでこの十五年とは、この法律の公布されました日において十五年以上になつておる者、このように解釈してよろしいかどうか、この点でございます。
#69
○衆議院議員(三宅則義君) 現在の心境からいたしますと公布の日までに十五年以上になつたものを中心に考えております。
#70
○小川友三君 三宅さん速記録に載つておりますが、あなたの発言が、今天田先生の発言は現在公布の日に十五年以上のものということを伺つておるのですが、あなたはこの前の、今の委員会で今から三十分程前に、これは数年間前に遡るという意味で言われております。数年間は範囲が廣うございますから十年の人があと五年経つても、あなたのおつしやる陪審式試驗を受けることができるという意味の発言をなさいましたがゐこれはお取消し願えますか。
#71
○衆議院議員(三宅則義君) 只今申しましたところによりまして、こういうふうに訂正いたしたいと思います。現在十五年になつておるものを陪審式試驗によつてやりたい、かように訂正願いたいと存じます。そういたしまして、すでにこの法律が公布せられましてから六十日以内に試驗をして貰いたいというわけです。
#72
○小川友三君 そうしますと今三十分前にあなたがおつしやつた公布の日から数年前の人も遡るのだということはお取消しになつた意味ですね。
#73
○衆議院議員(三宅則義君) 只今はさように考えております。
#74
○委員長(櫻内辰郎君) 外に御質疑はございませんか。
#75
○波多野鼎君 公布の日において十五年の経歴を有する者、そういうふうにはつきり限定していいですか、解釈で。
#76
○衆議院議員(三宅則義君) 現在の心境はさように考えております。
#77
○波多野鼎君 心境ということではなくて、法律の趣旨はそうかどうかということです。
#78
○衆議院議員(三宅則義君) 向うの趣旨ではさように考えております。
#79
○波多野鼎君 そう理解しておられ、我々もそう理解してよいのですか。
#80
○衆議院議員(三宅則義君) さように御了承願いたいと思います。
#81
○委員長(櫻内辰郎君) ちよつと速記を止めて。
   〔速記中止〕
#82
○委員長(櫻内辰郎君) 速記を始めて。
#83
○天田勝正君 すでに質疑も十分盡されたと存じますので、質疑を打切られんことの動議を提出いたします。
#84
○委員長(櫻内辰郎君) 天田君の動議に御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#85
○委員長(櫻内辰郎君) 御異議ないものと認め討論に入ります。
#86
○小川友三君 本案は公認会計士の権威者である三宅さんが中心になつて提案されたものであつて、賛成をしたいのでありますが、この文字の使い方、数字を並べれば本職かも知れませんが、活字を並べるのは非常に下手なものであつて不満足な点も随分あるのであります。陪審式と式と言うて、そうしてここに不備が発見され、又「十五年以上になる者は」という引例で行きますと、今十四年の人は來年十五年になつて受けられるという欠陥も見出たされているのであります。併しこの点につきましては三宅さんの方では速記の方で取消したように見え、又今のところは十五年だと言えば來年も亦ということにも感ずかれるような点があるのでありますが、併し今税金で苦しんでいる國民の現状、公認会計士の必要ということは極めて緊急を要すると言えば、要するに問題であります。只今天田先生、森下先生の御発言の通り発議者が運用するという点であつたならば、まあまあ賛成してやろうというような意味を持つておりまして、併し大藏省側の意見がちぐはぐでありますので相当心配であります。けれども最近に臨時國会もあるのであります。この法案に対しましてそうした意見を附けまして賛成いたします。
#87
○天田勝正君 私は本改正法案に賛成をいたします。勿論只今小川委員が申されましたように、本法案は法文といたしましては極めて不備でございます。年数の問題、陪審式試驗なり、新らしい文字の解釈の問題、適用の問題、これらに相当不備がございますので、これらの点につきましては、近い機会におきましてこれを修正するということにいたしまして、この際は二百名に及ぶといわれておりますこの十五年以上の経驗を有するところの計理士諸君が、不安の状態に一日でも置かれるということを救済する意味からいたしまして、この際はこのまま通過せしめることが最も妥当なことではなかろうか、かように考えます。尚本法案を修正いたしまするのも近い機会でございまするが、この近い機会の修正に当りましては、提案者でありまする三宅さんは衆議院議員であり、且つ計理士の長い御経歴を持つておりますので、むしろ本院の方で修正をするよりも、現在の提案者がこの不備の点を修正せられんことを要望いたしまして、私は賛成する者であります。
#88
○委員長(櫻内辰郎君) 他に御発言はございませんか。別に御発言もないようでありますから、討論は終了したものと認めて直ちに採決いたします。
 公認会計士法の一部を改正する法律案を原案通り可決することに賛成の方は挙手を願います。
   〔総員挙手〕
#89
○委員長(櫻内辰郎君) 全会一致と認めます。よつて本案は可決と決定いたしました。
 尚本会議における委員長の口頭報告は委員長において本法案の内容、委員会における質疑應答の要旨、討論の要旨と及び表決の結果を報告することとして御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#90
○委員長(櫻内辰郎君) 御異議ないものと認めます。
 それから委員長の議院に提出する報告書に多数意見者の御署名を願います。
  多数意見者署名
    小川 友三  小林米三郎
    小宮山常吉  森下 政一
    天田 勝正  玉屋 喜章
    黒田 英雄  油井賢太郎
    木内 四郎
#91
○委員長(櫻内辰郎君) それからこの際お諮りをいたしたいことがございます。運輸委員会と大藏委員会との連合委員会を開いておりますが、先程休憩に入りまして、そうしてその休憩後におきまして運輸委員長と向うの理事とそれからこちらの私とそれから黒田、波多野両理事で協議をいたしました際に、運輸委員長からの希望といたしましては、連合委員会をこの程度で打切つて貰いたいと思うがどうか、こういうお話が出たのであります。その際に私はそれでは大藏委員会を直ちに開きますから、大藏委員会で委員各位の御了承を願えるかどうかを相談いたしてから御返事を申上げます。こういうふうに返事をいたしまして、そうしてこの大藏委員会を開いたわけでありますが、ところが大藏委員会を開きまするに当りまして、板谷運輸委員長からどなたか理事の方に向うの運輸委員会を開いておるから御出席を願いまして、そうして連合委員会における大藏委員の人々の御発言中には公聽会を是非開く必要があるではないか、こういう御発言があるので、その御発言の通り運輸委員会でお話を願いたいと思うが、こういう話でありましたので、黒田さんに実は先程行つて頂きまして、それは大藏委員の人々の中には公聽会を開催されることを希望する者が多数にあるということだけを申出て置いて頂きたいということで、黒田さんは向うの委員会へ出席をされたのであります。そうしてそのことを黒田さんから板谷委員長に話をされましたところが、黒田さんがこちらへお帰りになるときに、向うの運輸委員会では大藏委員会との連合委員会はこれで打切りたいと思うがどうか、と言うて打切りの話をしておられたということであります。それでその話を聽きましたから、実はそれは少し話が違うと思うので、大藏委員の皆さんの御了承を得た後において御返事をするということが言つてあるので、それでは少し話が違うと思いますから、波多野さんに実は行つて頂いたわけであります。そういたしますというと、ちようど波多野さんが行かれましたときに、この運輸委員会としては、こういうふうに大藏委員会から公聽会を聞くという必要があるというふうにお申出の方があるので、公聽会を聞くことがいいか惡いかということを運輸委員会のここで皆さんの御意見を伺いたいという話が出ておつたそうでありまして、その結果は二人ばかり公聽会を開く必要なしというような御意見の方があつたそうでありますけれども、大多数の方が公聽会を開くべしというふうに話合がありましたので、その趣旨でそういうように多数の方が公聽会を聞くということでありますならば、この会期中においては到底公聽会を開く時間がないから、この会期中においてはこの法案を審議するもはや暇がないというので、次回に何かこういう案が出たときにおいては、公聽会を開くということに了解をして、そうしてこの法案というものの審議はもはやこれで打切るということで審議未了で散会をされたということであります。でありますからして、私は大藏委員会の皆さんの御承認を得てから返事をするということでお諮りしておつたのでありますけれども、その順序が少し違いますけれども、向うの委員会がすでにそういうふうで審議未了を大体決定している。そうして散会されたということであつてみますれば、いたし方ないとこう考えますから、この点を連合委員会で打切るということで御了解を願つてはどうかとこう考えるのであります。この点御異議がなければ、そういうふうに取計らいたいと考えております。
#92
○木内四郎君 それはその辺にして置いたら如何ですか。向うは済んだから打切るということは異議ないわけですから……。
#93
○委員長(櫻内辰郎君) それじや大体そういう調子でありますから、それだけは御了承を願つて置きたいと思います。
   ―――――・―――――
#94
○委員長(櫻内辰郎君) それからこの際もう一つお諮りいたしたいと思いますことは、租税制度調査に関する件でありまして、これをどういうように取計らつて行くかということで、專門員の方の方で大体案を作つて貰つたのでありますが、この案を、お手許に配付されておりまするような大体勢でありますが、こういうような案に從つて調査を進めたらばどうかと、こう考えますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#95
○小川友三君 この第三條の第三項に、必要により現地調査を行うということがありますが、ここで必要により現地調査といいますと、どういう所を中心にお考えを頂きますかということですが、私の考えとしましては、一億円以上の滯納をしている所を見たいような氣がしますが、サツカリンの物品庫出税で日新化学が一億五千万、三井化学が一億五千万、或いは大工業会社が一億以上借金しているのが大分ありますが、そういう所を中心に調べたいという考えを持つておりますか、如何でございましようか。
#96
○木内四郎君 こういう計画等につきましては、委員長と理事におかれましてお打合せの上お決め願つたら如何かと思います。
#97
○委員長(櫻内辰郎君) 木内君の御発議通り如何でしようか。
   〔「賛成」「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#98
○委員長(櫻内辰郎君) それじやそういうことにお願いいたしたいと思います。
#99
○森下政一君 この日程を決めて閉会中に十五回程度の委員会を開催するのは結構ですが、これはいつ頃とか、或いは引続いてやるとかいうふうな何か御腹案がありますか。
#100
○委員長(櫻内辰郎君) 実は会期がこう延びない前には、六月一日に第一回を寄つたらばどうだろうかという考えを持つておつたのですけれども、まだ理事の方とお打合せする暇がないのですが……。
#101
○森下政一君 ちよつと間を置いて貰つたらどうでしようかね。
#102
○委員長(櫻内辰郎君) やはり一週間位は間を置いてやりましようね。
#103
○小林米三郎君 この委員会は何人
 位……。
#104
○委員長(櫻内辰郎君) 委員会全体です。
#105
○小川友三君 ここの調査対象選定参考資料の中に、ここで資産再評價の問題を含むと書いてありますか、これは実は或る新聞記者に聞いたのでありますが、政府は七月か八月頃資産再評價をやつて税金をかけるというようなことをやつておりますが、それをやはり含まれているのでしようか。
#106
○委員長(櫻内辰郎君) そういうことを一括して調査してみようというのじやないでしようか。
#107
○木内四郎君 政府がそれをやつているかどうかということを前提にしての問題じやないのでしよう。法人税法においても資産の再評價をやらなければいかんという問題があるから、その問題について研究しようということなのですね。
#108
○小川友三君 そうするとまあ政府は七月、八月に資産の再評價して又第二次財産税をかけるというような形体は事実でしようか。
#109
○委員長(櫻内辰郎君) 政府はどういうお考えを持つておりますかということはまだはつきりしないが……。
   ―――――・―――――
#110
○委員長(櫻内辰郎君) それでは小委員長の報告を願います。
#111
○小林米三郎君 本國会で審議いたしました請願陳情の採択、不採択に決定しましたものにつきましては、すでに御報告いたしましたので、ここに保留となりました三十七件につきまして御報告いたします。これらはいずれも尚研究を要するという、或いはすでに施行されておるものもございます。
 物品税関係では請願一三一号、請願三七六号、請願二九五号、請願六五一号、請願八三三号、請願八四五号、請願九二六号、請願一一〇五号、陳情三一号。
 消費税関係では請願五〇二号、請願八五九号。
 その他主税局関係、請願三四三号、請願五九七号、請願九三三号、陳情五九号、陳情一三四号、陳情一四一号、陳情一五五号、陳情三九一号、陳情四一七号。
 管理局関係、陳情四一五。
 銀行局関係で融資に関するもの、請願五二七号、請願五九九号、陳情三六号、陳情一五八号、陳情二三七号、陳情三五〇号、陳情三七六号。
 國民金融公社関係、請願三五二号、請願一〇三四号、陳情二九二号、陳情三八七号。
 給與局関係、陳情一三〇号、陳情一八六号。「政府職員の新給與ベース確保に関する陳情」。
 專賣関係請願二五四号、請願八四二号。
 理財局関係請願一〇七六号、以上でございます。
#112
○委員長(櫻内辰郎君) 只今の請願陳情に関する件は小委員長の報告通り承認することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#113
○委員長(櫻内辰郎君) 御異議なしと認めます。
 それでは本日はこれにて散会をいたします。
   午後七時五十九分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     櫻内 辰郎君
   理事
           波多野 鼎君
           黒田 英雄君
   委員
           天田 勝正君
           森下 政一君
           玉屋 喜章君
           木内 四郎君
           油井賢太郎君
           小林米三郎君
           小宮山常吉君
           中西  功君
           川上  嘉君
           木村禧八郎君
           小川 友三君
  衆議院議員
           三宅 則義君
  政府委員
   大藏事務官
   (大臣官房次
   長)      河野 通一君
ソース: 国立国会図書館
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