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1949/03/22 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 商工委員会 第3号
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1949/03/22 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 商工委員会 第3号

#1
第005回国会 商工委員会 第3号
昭和二十四年三月二十二日(火曜日)
   午前十時四十六分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○派遣議員の報告
○本委員会の運営に関する件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(小畑哲夫君) 只今から商工委員会を開きます。本日の第一の議題は、派遣議員の報告ということになつております。
 前日の二十三、四日から二班に分れて東海地区並びに近畿地区の貿易振興対策という調査に出ましたその報告を、参加なさつていない議員の方もありますので、この機会に極く概略の御報告を願い、感想等もお述べ願つて、そうしてこの結果を如何に処理して行くかということを御協議願いたいと思うのであります。栗山良夫さん、それでは一つ東海地区のお話をお願いいたします。
#3
○栗山良夫君 今日東海班の視察の責任者になつて頂きました山田理事が丁度お見えになつておりませんので、代りまして一通り簡單に御報告申上げたいと思います。
 東海班に参加いたしましたのは廣瀬興兵衞君、山田佐一君、佐伯卯四郎君、山内卓郎君、栗山良夫の五名でございました。二月二十四日に靜岡の日本軽金属の蒲原工場、清水工場を拜見いたしまして、三月の二日に予定の通りに視察を終えたわけであります。日程の概略を申上げますと、二十五日には濱松の日本樂器本社工場、二十六日に豊田自動織機の刈谷工場、二十七日には愛知縣瀬戸市の七本松製陶所、川本長治工場、三郷製陶所、三郷陶器会社、日本電磁工業株式会社(成嶋製陶所、二十八日に名古屋の日本発送電の名古屋港発電所、名古屋港湾施設の視察並びに大同勢鋼の星崎工場、岡本工業の笠寺工場、三月一日には同じく名古屋の愛知時計電機瑞穂工場、日本陶器本社工場、特殊軽合金稻沢工場、三月の二日には愛知縣一宮市並びにその近郊にありまする愛知縣の織維試驗所、その他金興業株式会社その他二三の織物工場を視察いたしました。この間地元の各界の代表と懇談を重ねましたのは、三月二十四日靜岡市におきまして縣商工会議所その他茶、柑橘水産物関係業のとの懇談会をいたしました。二十五日には浜松市におきまして遠州織物工業協同組合その他の織維組合商工会議所、市及び関係業者との懇談会を行いました。二十六日には半田市におきまして、知多織物協同組合、半田市、半田商工会議所その他関係業者との懇談会を開きました。二十七日には瀬戸市におきまして瀬戸陶磁器工業協同組合、瀬戸市、瀬戸商工会議所及び関係業者との懇談会をいたしました。二十八日には名古屋市におきまして、愛知縣、名古屋市、名古屋商工会議所、名古屋貿易会関係業者との懇談会をいたしました。尚二十八日には名古屋港におきまして、名古屋港を中心といたしました海運関係の業者との懇談会を併せ行いました。三月の一日には一宮におきまして、尾西毛織工業協同組合及び一宮商工会議所その他関係業者との懇談会を行なつたわけでございます。今度の視察は靜岡縣及び愛知縣でございましたが、その視察の詳細につきましては別途に整理をいたしまして、本委員会に御報告申上げたいと存じておりますが、極く概略を申上げますと、靜岡縣におきましては、御承知のように戦前から現在に至りまして、いわゆる大工業というものは余りないのでありまして、水産、農産物、そういうものを主とした加工品が生産の対象になつておりまして、一部織維関係のものが浜松地方を中心として相当古い歴史を持つているという状態にあるのでありますが、靜岡縣全般は、今度の輸出貿易或いは爲替レートの問題に関しましても割合に有利な地位に置かれているのではないかというようなことを靜岡縣知事も申しておられたわけであります。併しこれは極めて皮相な視察でありまして、実際に各業者個々の御意見を伺いますると、他の地方と同じように相当深刻な苦悩が現われているのでありまして、私共は將來この靜岡縣の内容につきましても、もう少し堀下げて視察の結果を取纒め、研究をいたしたいと考えます。愛知縣は陶磁器、織維その他雜品工業が非常に盛んでありまして、いずれも今度の九原則の実施並びに爲替レートの設定に対しましては、非常な関心を持つておられるわけであります。これもいずれ各業界ごとに纒めたいと存じておりますが、以上を通覧いたしまして、極くポイントになる点を取纒めて申上げますると、先ず第一に爲替レートの問題であります。爲替レートは靜岡、愛知両方とも、各界の代表の一致いたしました意見としては、すべて円安を希望しておられるようであります。併したとえ三百円乃至三百三十円に決定されたといたしましても、輸出面に割合に影響が少いというような産業も勿論あつたわけであります。例えば綿業、軽金属等のようなものでありますが、併し大部分は円高に決定されます場合には、それぞれ相当の打撃を受けまして、その何割かは脱落し、或いは内地向けに勢い轉換せざるを得ないような状況にあるものと私共は見て参りました。特に陶磁器とか、自轉車或いはその他の雜貨品工業においては、その傾向が著しいということであります。そうしてこういうような窮境に立ちまして、各業者が考えられておりまするところは非常に眞劍に努力を願つておるのでありまして、敬意を表しなければならないと思いますが、各企業の方面で考えられておりますることは、すでに各業界の指導面において打出されておりまするように、操業度の引上げであるとか、企業の合理化とか、或いは價格の引上げをいたしますとか、企業の組織化、協同組合的な組織化を押し進める、こういうことに中心が置かれておるということでございます。併しこういうことをいたしますにしましても、それぞれ各種の隘路がありまして、簡單にはこれに成功を期待し得ないような実情にあると存じまするので、國会といたしましても、これに対しては十分な援助を與へるべく措置をしなければならないのではないかと存ずるのであります。
 その第一には、金融の円滑化につきまして何らかの施策を緊急にいたさなければならないと思うのであります。今ここで申上げるもでもないのでございますが、金融の逼迫の度合は私共想像以上に中小商工業に圧迫を加えておるようでありまして、この点は中小商工業の規正というような面を離れまして、すでに存亡の危機に立つております以上は、何とか國会の力を以ちまして打開策を講じなければいけないのじやないかと存じます。
 第二には、原材料の確保の問題でありまして、輸入の促進、割当の適正化について努力いたしますると共に、末端企業に至りまするまで、少くとも操業に重大な支障を與えないように材料の配給確保を図られたいという希望が非常に強いのであります。特に只今問題になつておりますのは、綿花の自由販賣の結果といたしまして、中小商工業の関係の企業者が非常な大きな苦痛を舐めるのではないか、こういうことが懸念されておりますので、この点は特に金融の面と併せまして、材料の面に重点を置かなければならないのじやないかと思います。
 第三には、これは各方面とも貿易関係をお扱いの業者から口を揃えて熱望せられた点でございますが、只今貿易関係の業者は海外の市場の状況を知り得る便宜を何ら持つていないということ、そうして海外における事情に暗いということが、國内の生産にも或いは経済取引においても非常な不安を釀し出しておりますので、國会並びに政府の力を以ちまして、一日も早く海外に貿易業者或いは資本家その他適当なものを派遣願いまして、そうして日本の貿易が海外の生々しい息吹をそのまま感得し得られるように形に是非共処理して頂きたいという強い要望がございました。これは今度の視察を通じまして、最も強く要望せられた点でありまするので、重ねて申上げて置きます。
 第四には業者の組織化について、もう少し中央において力を入れなければならないのじやないかと存じます。中小企業の組織法で、果して只今苦難の道に立とうとしておりまする中小商工業の保護助成が輝してでき得るかどうか、これも根本的な問題として檢討を加える必要を認めるのであります。
 第五には、各地で電力の問題が相当重要に取上げられております。これは電力の配分計画の問題でございまして、只今政府が行なつておりまする重点産業中心主義の電力配給計画というものを、もう少し檢討願いまして、中小商工業に対しましても、その操業に支障を與えない程度に、時間的にも量的にも善処願いたいというのでございます。この点は私共も電力の面からいたしまして、中小工業の苦しんで参りました実情も報告を受けてよく分るのでございますので、この点は原材料の確保と並んで適当な措置を要する問題であると考えます。
 次には、官廳の機構との連絡融和の問題であります。各業者がひとしく主張せられましたのは、只今の統制経済下におきまして、最も業者が悩んでおりまする問題は、戰時中の統制をそのまま延長したかに見えまする現在の統制経済下におきましては、すべての中小商工業者が大産業と殆んど逕庭のない煩瑣な手続を要求せられておるということであります。数名の職員を使用しているような小工場におきましても、百人或いは千人を單位とするような大工場と同じような手続を要求せられておる。そうしてその事務的な処理のために、相当多数の時間と人員を浪費しなければならない。これを徹底的に簡素化して貰いたい。合理化して貰いたいという希望が極めて強かつたのであります。私共の常に申しておることではございますけれども、民間の意向をどのようにして官廳に十分滲透し、反映せしめるか、そういうような機構をやはり十分に考える必要があると思うのであります。例えば今度の出先機関の廃止の問題に関しましても、官廳側が主張しておるところの機構拡充論的な立場と、又業者が考えますところの手続の簡素化を中心としました理論との間には相当の食違いがあるように思うのであります。こういう点は今度の行政整理或いは簡素化の問題と直接関連する重要な問題でありますので、本委員会におきましても、特に商工行政の彈力性ある活動方については、更に研究し立案を進めまして、業者は希望に副い得るようにしなければならないのじやないか、こう考えるわけであります。
 非常に簡單でございますけれどもまだ視察の結果を十分に系統的に取纒めておりませんので、本日はこの程度に、私共が現地で伺いました極く大綱を分類して報告申上げたわけであります。
#4
○委員長(小畑哲夫君) いずれ東海班の方も、近畿班もそれぞれの委員のお方から又御感想も出ると思いますけれども、順序の都合上、次に近畿班の方を、先ず日程の方を山本專門員からお話願つて、引続きその他の事柄について玉置さんにお願いしたいと思います。
#5
○專門員(山本友太郎君) それでは近畿班の足取りを一通り御報告申上げます。視察に参加されました委員は小畑、島、玉置、駒井、阿竹の五委員でありまして、中川、藤枝両委員は参加の予定のところ、都合によつて参加できなかつたのであります。
 現地におきまする第一日の三月の二十四日でございまして、先ず大阪工商局を訪問いたしまして、ここで近畿全般の産業事情につきまして説明を受け、それより工場視察に取掛かづたわけでありますが、日にちを追うて申上げますと、同二十四日は扶桑金属の大阪製鋼所、汽車製造会社を視察いたしまして、同日は大阪府並びに大阪の商工会議所共同主催の輸出増進対策に関する懇談会に臨んだわけであります。翌二十五日は中山製鋼所、大阪窯業セメント、大阪機械、大阪機工の各工場を視察いたしまして、鉄鋼聨盟の関西支部主催の鉄鋼関係の懇談会に臨んだわけであります。
 更に二十六日は鐘紡の淀川工場、大日本紡の貝塚工場を視察いたしました後、日本纖維協議会主催の纖維増産対策に関する懇談会に、二十七日は姫路の山陽皮革を視察いたしまして、更に同地区におきます中小業者の方に御参加を願いまして、姫路市並びに姫路商工会議所共同主催による中小商工業の懇談会に臨んだのであります。更に同日、日本製鉄の広畑製鉄所を視察いたしました。二十八日に神戸に帰りまして、川崎造船所を視察いたしまして、同所に参集されましたその他の造船関係の業者の方から特に又意見を徴しまして、更に神戸港海上から具さにこれを視察いたしまして、同夜は兵庫縣並びに神度商工会議所共同主催による輸出増進対策に関する懇談会に臨みました。最後の三月一日は、先ず中央ゴムを視察いたしまして、更に尼ケ崎におきます日本発送電の火力発電所を視察いたしまして、同所におきまして関西石炭並びに電力事情につきまして配炭公團、日本発送電、関西配電会社等の共同主催によります懇談会に臨んだわけであります。
 大体以上が視察並びに懇談のスケジユールでございます。以上を通観いたしますと、大体におきまして業種別にこれを見ますると、先ず第一に鉄鋼関係、次は機械関係、次は車輛関係、次は造船関係、次は纖維、次はセメント、次はゴム、次は皮革、皮でございます。最後に電力、石炭については特に視察はいたしませんでしたが、懇談をいたしまして、重要産業部門と目されまする代表的な十項目について視察並びに懇談を行なつたような次第であります。以上が大体視察のスケジユールでございます。御報告申上げます。
#6
○玉置吉之丞君 それでは私から、大体各方面の方々にお目にかかつて伺つて來たお話に基きまして、我々の考えなければならん点を二三申上げたいと思います。只今栗山委員から詳細なる御報告がありました。大体においてその内容とひとしいような感じをいたすものでありますが、今後のこの輸出貿易の振興を図るという件におきまして、輸出貿易業者の一番苦痛としておることが、御承知の通り海外市場の状況が一切分らないという、この事情の下において輸出の商賣をするということが非常に不利であり、尚その行き方について考えられる点が多いようなことを縷々お話を伺つたのでありますが、一々御尤ものことと思いますが、私共の考えとしては無論講和会議も終らないときに、そう大量の人を出すということはできませんが、業種別について除々に人を出して行けるような事態に國会の輿論が政府を動かして行くということは、この輸出貿急の振興に一番大きな働きをするのではないかしらんと、かように考えるのでありますが、すでに先に決つておりまする輸出に対して補償制度のような奨励金を出すような形で、例えば雜貨であれば一〇%、機械であれは五%、纖維であれば三%という輸出の総額に対してドルを與えて、そうしてそのドルによつて海外に人を、その業種別に出すことのできるような仕組に計画が立つておるようでありますが、これが現実にできておりません。この問題につきましても一日も早くその実現を要望する声が至るところに多かつたようでありますが、これらも我々は大いに取上げてこの実現に努力する、かように考えるのであります。尚、海外の事情の惡いということによつて、一番大きな問題は、只今のこのドルプライスというものが商品別に見て分らないから非常にそこにむらがある。爲替レートが單一化してドルがどこに決まりますか、はつきりいたしませんが、円が高いか、安いか、ドルプライスということによつて、それから割出されるのでありますが、綿布のごときものも一ヤールが三十六セントか、三十五セントぐらいのものも蘭領印度あたりでは一ドル以上に出ておるというような、そういうべら棒な暴利を取つて販賣しておつたことを、かすかに聞いておるのであります。でありますからして、僅かに一ヤールが一セントか二セントの差額が、大変こちらでは商賣をする上に非常に苦痛になつておるようでありますが、そのものが向うに行くと三十セントも五十セントも値巾が違つておるという大きな違いがあるのであります。こういう点について一日も早く海外の市場なり、海外に取引されておる実際の我が國の商品の値段というものを知るということが、我が國の生産者に取つても、又これが生産に從事する者にも、すべてが必要だという一番基本になるものが分らないという状況に置かれておりますことが、業者全体が困つておる。このことを一日も早く分らせるように、かような方法を講じなければならんということを痛感した次第であります。
 更に第二の問題として、栗山委員からもお話がありましたが、金融の問題についてはもう至るところ困つておるようでありますが、その最大原因が大工業においては政府支拂が遅れておるということが一番大きな原因のように思われる。すでに製造して品物を完全に納めておるにも拘わらず、政府の支拂が遅れておつて、そのために辛うじてその大工場が自己の労銀を支拂つて、その外に下請工場というようなものが随分数があるようでありますが、その方には一銭の金も拂つてやつておらんというような事実が兵庫の、殊に神戸の周囲の下請工場のごときは二ケ月も後の労銀を拂わないということで問題が起つておる。それに対しては檢事総長の何か話として、労銀を拂わないようなのは法的の処置をするとか、そういうようなことが新聞に出て中小の業者は非常に恐怖を感じ、又憤概をしておる話を幾人からも聞いたのでありますが、自分らはすでに親工場に完全に納品をしておる。然らにその支拂が二ケ月も全く一銭も貰つておらん。それは我々金策を立てて、そうして拂えるだけ拂つておるが、尚それらが労働者に支拂が遅れておる。そのことが法的処置を取られて、自分らがその制裁を受けなければならんということは、しなければならん筋はあるが、如何にも不合理なことであるということで、こういうことは我々は不満を起さなければならんという問題を至るところで聞いたのでありますが、私はこの通貨の出方というものが、果して今日の物價騰貴に伴う各般の産業の運営において、通貨が適量に出ておるか、おらんかということについて、これは我々國会としては大きな問題として取上げて檢討をして、政府にこの考え方を是正させ、通貨を少し増さすということでなかつたならば、どの方面も金融が梗塞して、それらよつて生産が伸びないというようなことが多々起つておる。その根本原因を匡して、そうしてそこに対策を立てなければならんということを痛感したような次第であります。この問題は、又他日我々は本会議その他において適当の時期に政府の考え方を尋ねて見て、又そこに同志と相諮つてこの問題の打開に努力したいと、こう考えておる次第であります。石炭は近頃になつて量は相当出て來ておると見えて、その点に対しての不満がないようでありましたが、質の惡いということはどこの工場に入つて行つても、もう声も揃えてやかまして言うておりましたが、これはもう少し何とかして質を向上さすということに努力をしてやらないと、生産が上つて來ないじやないか知らんということを感じたような次第でありました。それから電力の問題も昨年に比べてやや緩和されておるが、この問題に対しては一時に比べてはよくはなつたと、こういうような大阪、兵庫地方における総体的の考え方であつたかのように思うのであります。
 中小企業の問題につきましては、中小企業の実体というものが政府において、中央において本当のことが把握されておらない、分つておらんという点が、中小企業廳なんかできておりますけれども、なかなかそこに物足らん、中小企業者をして、もう少し安心にできるような導き方をしてやらないと困るのじやないかしらんと考えたことは、例えば中小の機屋が糸代を支拂つて行かなければならんというような場合に、金融の面が付くのか付かんのかという点等について非常な不安がある。そういう点についても政府の考えておること、又は中小企業廳がそういう点についても、中小の工業者に分るような、何らの説明の手も打つてやつておらんというようなことが非常に不安を與えておるということが一つと、それから中小企業というものが今後、只今のような行き方で行つたならば全減しなければならんような立場へ押込まれて行くのじやないかというような感じ方を與えておることについて、これは非常に大きな問題でありますから、お互いこの商工委員会としては、この問題を取上げて大いに檢討することの必要があるのではないかしらん、かように考えたのでありますが、それにつきまして、この労働問題に関する件で、労働基準法というものが小さい業者を非常に圧迫しておる。細かい話になりますが、五人、七人くらいの人を雇つて、自分らの家族も働いておるというような仕事の面に、細かい椅子や何かの製造に從事しております業者は、この基準法のために納期が遅れたりなんかして、非常に困つておるような実状が起つておるということを詳しく聞いて参つたのでありますが、これらの点等についても、我々として非常に今後考えて行かなければならん、かように考えておるのであります。それで、要するに産業資金が涸渇しておる、金融がもつて円滑にならなかつたら、大中小を通じた各種の産業が、このために行詰つて來るということが明らかになつたわけでありますが、これらに対する対策をできるだけ早く立てて、私共は國会の力によつて政府を動かし、そういう隘路を打開するように努力をして進まなければならんと、かように痛感いたしておるような次第であります。先刻來栗山委員から詳しく御説明がありましたから、大体において各地の状況、東海地区においても、近畿地区においても、業者の声は同じようなことであつたと思うのです。これによつて我々は大いにこれを基礎とし、これを参考として商工委員会として積極的に活動いたしたいというようなことを感じた次第であります。甚だ簡單でありますが、感想の一端を申述べて参考に供したいと思います。
#7
○委員長(小畑哲夫君) 有難うございました。何か只今までの発表に関連して御発言ございましたら、どうぞ……御発言もないようでありますから、この調査の処理でございますが、これをどういう方法でやつたらよろしうございましようか。
#8
○玉置吉之丞君 一應事務局で案を立てて頂けないでしようか。
#9
○委員長(小畑哲夫君) 如何でございます。
#10
○玉置吉之丞君 例えば、鉄鋼なら鉄鋼に対する対策としては、こういうような方法がある。私共ははつきり分らんけれども、山本さんなんか專門家だから分ると思うから、熔鉱炉の問題やなんかこまごました問題がある、業者から非常に丁寧に話されたわけですが、ああいうような問題について、鉱工業ではこういう問題がある、纖維ではこういう問題がある、又一般中小企業の問題はこうだというようなことを事務局の方で一つ纒めて貰つたらどうかしらんと思います。
#11
○委員長(小畑哲夫君) この問題は尚今國会中継続して行く予定になつておりますので、そこで本会議に中間報告とでも申しますか、第一回報告として一應先般來調査しましたことを、只今玉置委員の御説のごとく一應委員長の方に御一任願つて、取纒めて、然る上もう一度この委員会に御相談する。こういうことに御承認願えましようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#12
○委員長(小畑哲夫君) それでは御異議ないようでございますから、そういうことに決定いたします。
#13
○栗山良夫君 私共視察いたしました結果によりますと、各地区、各業ので以て、或いは請願、陳情に類するような個別的なものが相当沢山あるのでございます。こういうものは正式には請願、陳情になつておりませんけれども、他府縣における同種産業と比較して、相当取上げて処理しなければならないような問題も多々あると思います。ですから、そういつたような問題を、近畿の方の視察團と事務当局の方とも御懇談願つて、そうして一應各業者の訴えられた個別の問題が、國として取上げ得る問題であるかどうかという問題と、取上げ得る問題であるならば急速に効果の挙げ得るような措置を取つて貰いたい。そういうようなところまでも御研究を頂くと非常に都合がいいと思うのでございます。
#14
○委員長(小畑哲夫君) 承知いたしました。それではその問題はこれで打切りまして、次に本委員会の運営に関する件を議題にするため、私の方へ只今商工当局から申出がありました。二月一杯で審議を必要とする法律案というのが三件あります。その第一は、配炭公團法の一部を改正する法律案、これは、現行法によれば本年四月一日を以て失効する配炭公團法の存続期間を三ケ月延長するとともに、取扱品目を整理し、市中銀行からの金融を可能ならしめるという目的で、是非今月中に審議をして欲しい。こういうことになつております。それから第二は、貿易公團法の一部改正、食糧貿易公團を食糧管理特別令に移管し、原材料貿易公團を産業復興公團に吸收するという案のようであります。それから第三は石炭鉱業等の損失の補償に関する法律、これは石炭鉱業その他の鉱業及び電氣事業に対し政府が強力な干渉を行なつた結果、これらの企業に生じた赤字を登録國債を交付して補填することにより経理の健全化を図る。こういう申出であります。今月一杯と申しましても、もう残り少なになつておりますので、理事の方と十分協議しまして、少し御勉強を願いたいと思いますので、どうぞよろしく。
#15
○栗山良夫君 今の法律審議でございますが、首相の施政方針演説が二十六日と承わつておりますけれども、若しこれが確実に実行せられれば、非常に期日は切迫いたしておりますけれども、或いは今月中にということができるかも知れませんが、若しあれが更に遅れたような場合になりますと、時間的な余裕が非常になくなると思います。ですから、施政方針演説の前に法案審議に入るか入らないかという問題は、この商工委員会だけの問題でなくて、全体の問題として非常に関連性を持つ問題だろうと思いますから、この点は委員長において、委員長会議なり、或いはその他のところで、もう少し基本方針をお決め願つて置いた方がいいと思います。
#16
○委員長(小畑哲夫君) 首相の施政方針演説は、予算案の内示がありましたならば直ちにやる。そこで只今大藏省の方に内示があつたかどうかということを問合せましまところ、まだ分らんということでございましたので、只今栗山委員のお説は十分心得て進んで行きたいと思います。尚その外に、只今本委員会に付託されております請願が六件と陳情が十件ございますので、そこでこの中には非常に急を要するものと、左程今月中に是非共という程のものでないものとございますので、ともかく当分委員会が頻繁にあるということだけを一つ御承知を願いたいと思います。どうぞよろしく。
#17
○玉置吉之丞君 先般お話のあつた局長連中と会合するという問題はどうなつておりますか。
#18
○委員長(小畑哲夫君) 只今お尋ねのその件は、あと委員会を閉じまして懇談会に移つて申上げたいと思います。それでは委員会はこれで散会いたします。
   午前十一時三十三分散会
 出席者は左の通り
   委員長     小畑 哲夫君
   理事
           島   清君
           宿谷 榮一君
           栗山 良夫君
   委員
           廣瀬與兵衞君
           小杉 繁安君
           佐伯卯四郎君
           玉置吉之丞君
           細川 嘉六君
           阿竹齋次郎君
   常任委員会專門
   員       山本友太郎君
ソース: 国立国会図書館
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