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1949/03/26 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 商工委員会 第4号
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1949/03/26 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 商工委員会 第4号

#1
第005回国会 商工委員会 第4号
昭和二十四年三月二十六日(土曜日)
  ―――――――――――――
 本日の会議に付した事件
○石炭鉱業等の損失補てんに関する法
 律案(内閣送付)
  ―――――――――――――
   午後二時十九分開会
#2
○委員長(小畑哲夫君) それでは只今から商工委員会を開きます。先ず石炭鉱業等の損失補てんに関する法律案、予備審査のための議案、これを議題にいたします。最初提案理由の説明を商工大臣からして頂きます。
#3
○國務大臣(稻垣平太郎君) 本日予備審査をお願い申上げておりまする石炭鉱業等の損失補てんに関する法律案の提案の理由を御説明さして頂きます。
 政府においては、先般來石炭鉱業等の新勘定の赤字処理方針について、鋭意愼重な檢討を進めて來たのでありまするが、その一環といたしまして、ここに石炭鉱業等の損失補てんに関する法律案を國会に提出して御審議を仰ぐ次第であります。昨年の春経済力集中排除法が具体的実施の段階に入りました際、石炭企業等の新勘定に巨額の赤字の累積しているものは、同法によつて企業分割を企図しても法律技術的に不可能なことが問題となつたのでありまして、これが新勘定赤字が問題とされるに至つた端緒であります。次に昨年の秋いわゆる企業三原則が提示されて以來、企業の合理化が強く要請されることになり、この面から過去の新勘定赤字を急速に処理し、將來の合理的経営の基礎を確立すべきことが必要とされるに至りました。更にこれと同時に復金融資の性格に関して根本的な反省が加えられ、過去の赤字融資的色彩を一掃して、健全な金融機関として育成すべきことが要請されることになり、この面から過去において累積した復金融資の返済について政府において何らかの措置を講ずる必要が生じたわけであります。
 以上三つの観点から新勘定の赤字処理方針を檢討して來たのでありますが、石炭鉱業、金属鉱業、電氣事業の各企業の過去の厖大なる赤字の処理を企業自体の責任において行わせることは事実上不可能であり、又過去の赤字を仔細に檢討いたしますと、その発生原因から見て企業の責任に帰することが明らかに不合理であると認定される部分が存在するのであります。これらは主として過去における日本経済の惡條件下においてこれら業種所属の各企業がその与えられた生産目標達成のために避けることができなかつたものであり、政府において何らかの措置を講ずる必要があると認められるものでありまして、その額を綿密に檢討いたしました結果、石炭農業については百七億九千四百万円、電氣事業については二十九億九千二百万円、金属鉱業については三億二千八百万円を政府補償により処理することといたした次第でございます。本法案におきまして右の政府補償を全額登録團債によつて賄い、而もその大部分を復興金融金庫に対する債務の弁済に引当てるように規定しておりますのは、今回の損失補償金見合いの額はすでに過去において復金をして赤字融資を行わせてあつたためでありまして、これによつて政府は補償の実を失うことなく、而も復金の赤字融資の償却の方策をとつたものであります。
 以上が大体本法案を提出する理由とその内容の概畧でありますが、本法案による補償金の支出によりまして石炭、金属、電氣の三業種の損失を相当程度補填することができ、各企業の経理の健全化達成の大きな要因となると確信するものでございます。
 尚最後に御了解を得ておかなければならないのは、明年度は健全財政の建前からして國債の発行を極力抑制する考えでおりますので、本法案による登録國債もぜひとも三月三十一日までに交付しなければならないという時間的制約がございますので、この点十分御諒察下さいまして本法案の御審議につきまして最大の御便宜をお取り計らい願いたいと思う次第であります。以上大体本法案の概畧を御説明申上げました次第でありまするが、どうぞできるだけ、勝手でありますが急速に御審議を願いたいと思う次第であります。
#4
○委員長(小畑哲夫君) 只今商工大臣から提案理由の説明がございましたが尚これに関しまして、石炭、金属、電氣各方面の担当の政府委員の方が見えておりますから御説明を願います。石炭廰の山地管理局注から御説明を願います。
#5
○説明員(山地八郎君) 私から御説明申上げまして、尚御質問頂きましたならばお答え申上げようと存じます。この補償金の対象となつております石炭企業の損失と申しますものは、石炭につきましては昭和二十二年の七月六日から昭和二十三年の六月二十二日までの間に起りました損失でありまして、その中、企業者の責に帰することができない事由による損失であり、且石炭増産という生産目標達成のために蒙つたと認められる損失であります。この昭和二十二年七月六日から昭和二十三年六月二十二日までの間と申しまするのは、丁度石炭の價格におきましては基準價格九百五十六円の時代でございまして、その期間以前におきましては、石炭の價格につきましては後決め價格制を採りまして、石炭企業のいろいろの損失などは後から價格で見るという仕組みになつていたのでありますが、この期間におきましては、先決め價格制を採りまして、当初からできるだけ必要な経費を見込んだ價格を作りまして、この價格の下に石炭増産に邁進して参つた次第であります。ところがこの期間中に予想し得ざるいろいろな事態が生じまして、その事態を突破して、その中約三千万トンの出炭を確保いたしますために、特に政府側が介入いたしまして、石炭増産の施策を講じた次第であります。その最も大きいのは労務関係でございまして、一定の生産目標に達するために労働者にいろいろな意味で奬励的な手段を講じたのでありまして、例えば一定の生産目標に達した炭鉱に対しては生産奬励金を与えようとか、或いは非常な能率を挙げた坑内労働者には特別に税金の上で面倒を見てやろうとかいうような処置を講じた次第であります。又この間に賃金爭議がございまして、政府が間に入りまして賃金協定が成立いたしました。当時基準になります坑内夫の基準賃金ベース千八百円が四千円に変りまして、これにつきましても政府において何とか後から面倒を見るというような話合いの下に協定が円満に成立したような次第であります。或いは又北海道等におきましては寒地手当を交付するとかいうようなこともございました。又その当時、この期間中におきまして健康保險法とか國民厚生年金法とかいう法律の改正がございまして、法定の副利費が当然殖えたというようなこともございました。又一定目標増産を達成いたしまするためには、基準外労働が非常に殖えたというようなこともありますが、ここにおきまして政府といたしましては、責任上何とかして面倒見てやらなければならんということになつた次第であります。そのようなものが大部分ございまして、その他政府におきまして途中に米價の改訂がございまして、炭坑におきましては石炭を堀りますために坑外の田畑が沈沒いたしまして、そのためには賠償を行つておりまするが、その米の公定價格が変つたので賠償にも考えて行かなければならんということになつたのであります。その他若干公定價格の改訂等がありまして、どうしても物品費、経費等にも面倒見なければならんというような問題も起つておる次第でございます。すべてかようにして政府側に責任あることになり、政府としてい十分責任を感じつつ石炭企業者に熱烈な増産の努力をして頂いておる次第でありますので、この間に政府の責に帰すべき理由で、石炭企業に与えました損失につきましては、賠償しなければならんということになつた次第であります。この金額がさようなわけでありまして、合計いたしますると百三十四億二千七百万円と相成る次第であります。
 この百三十四億二千七百万円の中、只今説明申しましたように税金に関係する分が若干ございまして、これらのものにつきましては、前回の國会で予算的に予算上御承認を頂きました。この金額が二十六億三千三百万円でございます。生産奬励金とか、或いは坑内夫の増産意慾奬励のための特別な措置と、寒地手当と、かような方法につきましては現金支給が必要でございますので、これにつきましては予算を頂きまして、これは直ちに國庫に入る仕組になつております。すでに予算的な措置を頂きました二十六億3千三百万円を差引きました残る百七億九千四百万円が今回御審議をお願いいたしまする公債発行の分と相成る次第でございます。この公債は復興金融金庫の弁済に充てる仕組と相成つておるのであります。炭坑といたしましては只今申しましたような政府側のいろいろな対策に相呼応いたしまして諸般の増産方策を講じましたが、この間政府はこれらの措置につきましては價格で見るか、或いは國家的の財政補償で見るかという、いろいろ愼重に研究いたしておつたのでありますが、結局價格であとから見るということができないのでありますので、財政補償ということになつたのであります。それまでの間、取り敢えず炭坑といたしましては復興金融金庫から必要な金を融通を受けまして支拂をいたしておるような次第であります。その復興金融金庫から融資を受けておりまする、これが金額は炭坑といたしましては百二十五億七千一百万円ばかりでございます。今回これらの復金融資の額の中で百七億九千四百万円が今回の交付公債によりまして、炭坑に渡りました炭坑から復金の弁済に充てると、かような順序になつておりまして、復金はこれを又日本銀行の弁済に充てると、こういう仕組と相成つておる次第であります。復金の融資額百二十五億七千一百万円と今回交付公債によりまする償却額の百七億九千四百万円との差額十七億ばかりのものに対しましては、これは業者のみずからの今後の努力を頂きまして、生産能率の向上等によりまして、業者の力でこれを償還して頂くように我々としては手配いたして頂くような考えでおります。概畧御説明申上げました次第であります。
#6
○政府委員(玉置敬三君) 御説明を申上げます。お手許に電氣事業関係の資料が配付してございますが、電氣事業に対する法律案によりまする補償は石炭と多少違つておりまするところは、第一に補償の期間が違つておる。それから補償の対象にする、政府の責に帰すべきものとして考えておりまするのは人件費に対するものでございます。法案にございまするように補償の期間は昭和二十一年十一月から三月までのものと、昭和二十三年一月から六月二十日までの分、こういうことに相成つておるのでありまして、この間におきましてその経過を申上げますと、二十一年に丁度非常な爭議の発生がありまして、政府は当時強制調停に付し、中労委へ申請をいたした次第でございます。それに対しまして十二月の二十二日に協定ができました。そこでその協定によりまする賃金と当時の電氣料金に織込まれました賃金との差額を算定いたしまして補償金額を作つたわけであります。それが丁度十一月の一日から三月末に終るというのが第一点でございます。それからずつとその問題に関連いたしまして昭和二十二年も相当の爭議状況がありました。昭和二十二年の九月の末に経営者も労働者もこれを中労委の裁定に委ねたのであります。その結果、二十三年になりまして、この間、終始政府の斡旋等もございまして、その結果二十三年の三月二十五日に協定が成立いたしまして、その協定の賃金と当時の電氣料金に織込まれておりました分との差額を補償する、こういうことにいたした次第であります。その結果その金額が二十九億九千二百万円というような結果に相成つたわけでありまして、交付公債その他の交付、又復金、日本銀行等の関係につきましては先程の石炭の場合と同樣でございます。つまり政府の強制調停の申請、それに関連して更にあらゆる斡旋をいたしまして、又中労委の裁定に付したと、こういう非常に直接この大爭議に政府の介入した場合がきつくなつたのでありまして、その差額を補償するというふうに御了承願います。
#7
○委員長(小畑哲夫君) ちよつと速記を止めて。
   〔速記中止〕
#8
○委員長(小畑哲夫君) 速記を始めて。鉱山局長から御説明をお願いいたします。
#9
○政府委員(長谷川輝彦君) 金属鉱業に対する補償の点につきまして簡單に御説明申上げます。
 石炭以外の鉱業に対する補償金額は三億二千八百万円となつております。この金の根拠につきましては、石炭と違いまして純然たるこれは賃金の差額であります。これにつきましては昨年の四月に労資間に賃金に関しまして値上の爭議が起りまして、この二十七日に政府の斡旋でもつて調停ができたわけであります。それにつきまして次の價格改訂の際に新しい賃金を織込む、それまでの間は政府が融資の方法によつてその間の繋ぎをやるということで、政府が介入いたしまして、労資間の爭議を片附けたわけでありますので、政府といたしましてはその間の補償というものにつきましては、將來考慮するということになつておりまして、その結果爭議が收まり、調停ができ、それによりまして五月一日から新しい物價の改訂までの間につきましては、新らしい賃金を拂うということになつたわけであります。從いまして品目によりまして六月三十日までのもの、或いは六月二十二日までのもの、七月三十一日までのものというふうに、銅、鉛、亞鉛、鉄鉱石、硫化鉄鉱、その中の鉄鉱石については六月二十二日、銅、鉛、亞鉛、硫化銑鉄につきましては六月三十日までの間、その他の鉱業につきましては七月三十一日までの間、先程申上げました賃金に関する協定によりまして、新旧賃金の差額を補償するということになつておるわけであります。それにつきまして計算といたしましては協定の内容が新しい賃金を……、基準賃金につきましては、坑外夫と坑内夫に分けまして、坑外夫は一日当り百六十円、坑内夫は一日当り二百九十円となつておりますので、これを月額に直しますと、坑外夫は二十五といたしまして月額四千円、坑内夫が二十二、三といたしまして六千三百八十円というふうになりまして、その他の青年夫、保護坑夫、職員につきましては調停には何も謳つてありませんので、これにつきましては四月の実績賃金の平均に、只今の坑外夫、坑内夫の値上り率というものを掛けまして、それぞれ算定いたしますと、その全部の計算の合計が三億四千万円余になります。その中で特に企業費の額を六〇%考慮いたしまして出した数字が三億二千八百万円であります。
#10
○委員長(小畑哲夫君) 何か御質疑ございませんか。大臣は只今衆議院の本会議が開かれましたので、出て行かれましたが、済み次第こちらへ顏を出すということになつております。
#11
○細川嘉六君 この補給金を出すということを決めるには、首相の演説もなし、予算案も出ておらん。國会はまだ機能を発揮しておらん。そういうときにこれを審議し得るものかどうか。これは合理的じやないように思いますが、どうですか。委員会を通して、それで決まることですか。
#12
○委員長(小畑哲夫君) 先般この委員会において委員の方から、首相の施政方針演説があるまでは、成るべく委員会は開かないようにして欲しいという希望が出ました。それで私の方でもその意味を体して、大体二十六日、本日は首相の施政方針演説はあるものという予定で、本日委員会を招集して、おつたわけであります。ところで聞くところによりますと、その演説は少し日が延びるようでありまして、それと今度は本日はここに上程と申しますか、議題に上げましたこれらの問題について、二つばかり出るようでありますが、これがどうしても本月中に通さなければならないという條件が付いておりまして、そういう意味で、何とか衆議院の方においても、既に委員会で或いは本日この案は上るのではないかということを聞いておりますが、先程大臣の方から説明がありましたように、どうしてもこの登録公債交付が新年度、になつては都合が惡いのである。だからこの三月三十一日までにこれができるように、何とか取運んで欲しいと、こういう希望なんですが、何か政務次官、これに関して御発言がございますか。首相の施政方針演説がないのに、こうした議案を委員会において審議することはどうか、こういうことなんですが…………。
#13
○政府委員(小林英三君) 細川委員の只今の御意見は、一応御尤もと存ずるのでありますが、先程大臣が説明いたしましたように、この損失補償の問題につきましては、今年度、この会計年度中にこれを交付するということでないと、來年度になりますと交付できないような事情でありますので、特に先程いろいろとお願い申上げましたように、委員会におかれまして、総理大臣の施政方針演説がなされない前に、甚だ残念でありますけれども、是非御審議になつて、本法案を一日も早く本会議を通して頂いて、そうして今年度中は損失補償の交付ができるように御審議を願いたい、こう考える次第であります。
#14
○細川嘉六君 私は施政演説、或いは同時に予算案の提出、これができなければ、こういう審議はやつてはいけないのではないかと思いますが、施政演説にしても、予算案にしましても、今私らがこれを決定するのに関連したことであります。それで政治道徳上これは不合理じやないかというふうに思いますし、これをここで決定するのは無理じやないかと思いますが、それをお伺いしておきたいと思います。
#15
○政府委員(小林英三君) この損失補填の問題につきましては、この法律案の第二條にありますように、つまり損失の補償というものを交付公債によりまして交付いたしまして、そうして復金にこれを借入金の補填をいたしまして、復金はこれを日本銀行に返すと、こういうふうなことになつておりますが、今年度のいわゆる予算というものには影響はないと思いますので、総理大臣の施政演説などがあつて、然る後にすべての法案を委員会の審議にお願いするということは当然であると思いますけれども、そういう事情でありますので、一日も早く御審議をお願い申上げたいということをお願いいたしたいと思います。
#16
○山田佐一君 この登録公債は、償還期限はいつですか。
#17
○政府委員(小林英三君) 十年です。
#18
○山田佐一君 均衡予算で、公債を出さないというのが、百四十億の公債が出るわけになるのですが、根本においてこの公債ということは、その理念において均衡予算が破れるのじやないかと思いますが、そういうふうには感じないのですか。
#19
○政府委員(小林英三君) この交付公債は、十年据置きの公債でありまして、利子だけは毎年度の予算に計上されるということになつております。
#20
○山田佐一君 十年据置きの何ケ年ですか、償還期限は。
#21
○政府委員(小林英三君) 十年です。
#22
○山田佐一君 それで今の均衡予算というものは破れるのじやないですか。
#23
○政府委員(小林英三君) つまり公債の発行は新年度からいかんというように言われておりますので、そこで今年中にこれを渡してしまわなければならんのです。
#24
○山田佐一君 本年も大体均衡予算を作るのだが、今年の公債はいいんですか、十年借りる公債は。
#25
○政府委員(小林英三君) 九原則によりまして、今後は公債はいかん、本年度中にこれを渡してしまえということに関係方面と了解を得てありますので、そこで今月中にできるだけ早く御審議を願いまして、この法律案が通過をして、早くこの損失補填の公債を交付するように御盡力を仰ぎたい、こう考えておるのであります。
#26
○山田佐一君 公債を発行することに異議を言うものじやないのですが、大体が均衡予算で、長期の借り入れはせん、年内の歳入と歳出は、或いは税金、或いは財産收入、或いは專賣益金等で賄うという建前が、百何億か國庫において壞れるということになるのですが、二十三年度の予算でも、予算途中においては均衡予算を嚴守するということであつたが、ここの年度末に來て相当のものを出して行く、而も復金がついでに貸金の回收にするならば、即金で出しても同じやないかと思います。
#27
○委員長(小畑哲夫君) 政務次官、もう少しその点をはつきり御説明願いましようか。新年度予算にはつまり利子だけが関係して來るが、他の点においては予算の均衡は破らないのだ、公債発行ということによつて均衡予算は破綻しないという点を、もう一度御説明願いたい。やがて大藏大臣も見えるかと思いますけれども、如何しましよう。その点は大藏省の方に質問いたしましようか。
#28
○政府委員(小林英三君) 今大藏省の方が見えますから、よくその内容を……。
#29
○山田佐一君 それからもう一つ、結局炭鉱業者の債務が百何億減りますけれども、そのものは日本銀行が借り受けて、もう一遍復金は貸出し余力ができると思うのですが、今の百四十億炭鉱へ借したものが、一応資金の回收の結果、今の復金の総額千四百億かそこらの資金の一割回收が出來て、百四十億というものは、復金は新規に貸出し余力が出來るのか、やはり公債を手持ちしてしまうので、復金は新規の貸出し余力はなくなるのか、その辺をもう少しはつきり……。
#30
○説明員(山地八郎君) 私共了承しているところでは、これは復金としては何と申しましようか、帳簿上、日銀に対する借金は減つて行くという形でありまして、復金自身の貸出し余力というものは、事実上は影響しないのだろうと考えている次第であります。
#31
○山田佐一君 復金の資金というものは、自分の資金以外には出ないものでしよう、復金債券は大体そのために始終拂い込みは遅れるけれども、復金の資本金を増額して、而して借入金の、復金債券の発行余力を作つて來ておるので、これに百四十億が、一応回收すれば、やはり千四百億の資金で発行余力までは、新規貸出しが出來るのではないかと思うのですが、金融上にはちつとも影響がないのですか。今日の炭鉱に対する関連事業というものは、今日殆んど悲鳴を上げておるのです。坑木を入れるものにしても、支拂が惡くて非常に悲鳴を上げておる。一応補給金が來れば、そのものに返せるとして、非常に渇望しているわけです。ところが登録公債でやつて、復金が回收したものをそのまま日本銀行へ返して、更に市場に融通性が出來ておるというと、実際上こういうものは一応帳簿上の整理が出來るだけで、実際の金融の面においては何ら作用をなさないのじやないかと思うのですが、その辺をもう少しはつきり……。
#32
○説明員(山地八郎君) 詳細のことは、財務当局の方からもう一度御説明を申し上げなければならないかと思うのですが、復金自身の在り方の問題としても、いろいろ問題となつているようですが、実はかようなこれだけのものを、百七億は復金に返しましても、実際としては復金の方へ返つても、影響がないことではないかと、私共は考えている次第であります。併し炭鉱側から申しますると、負債が非常に減りますので、利子の負担は確実になくなつて参りますから、これを機会にしつくりした形で、九原則下に再出発出來ると考えております。又関連産業の問題につきましては、これは從來は、お話のございました通り、復金の赤字融資というような形で、炭鉱自身のやりくりで、関連産業にもなるべく御迷惑をかけないようにして参つたのでありますが、昨年末の三原則以來、炭鉱の赤字融資ということは出來なくなり、どうしても炭鉱自身の努力によりまして返済をして行くという以外には、途がなくなつた次第であります。関連産業自身の現在蒙つております、経済的打撃につきましては、これは又別の観点から、別の措置が要るかと存じますけれども、炭鉱の赤字融資の面からでは、解決の途がないのだろうと、かように我々は見ておる次第であります。
#33
○山田佐一君 結局御当局は、関連事業に対しても何とか行けるように考慮はしておるわけですね。それからもう一つ、今の利子の問題ですが、公債は何分の利子でお出しになりますか。
#34
○説明員(山地八郎君) 五分野厘でございます。
#35
○山田佐一君 復金借入融資はいくらですか。
#36
○説明員(山地八郎君) 一割ちよつとであります。
#37
○山田佐一君 片つ方は一割、片つ方は十年、五分五厘の利子をやる。一応済んだと言つても、百何億の五分五厘というものは、やはり炭鉱自身にやらなければならん。損失補償で、補償されるならば現金で返してやつて……、公債は額面通り復金は取つてしまうから……。
#38
○説明員(山地八郎君) この法律にも書いてございますが、この交付公債によつて額面だけの炭鉱の借金が、丁度返済されて行くという形にわざわざ法律で規定しておる次第であります。
#39
○山田佐一君 債務は五分五厘で、発行價格でとるわけですね。
#40
○説明員(山地八郎君) そうです。
#41
○山田佐一君 復金債はいくらですか。
#42
○説明員(山地八郎君) これは後で、大藏省関係の委員が出まして……。
#43
○山田佐一君 結局、同じようなもので相殺ができますか。
#44
○委員長(小畑哲夫君) その問題は大藏委員が出ましてから、纒めてもう一度御質問願いましよう。
#45
○玉置吉之丞君 この損失補償の問題でありますが、その中の石炭の問題につきましてお伺いして置きたいと思うのでありますが、一応昨年の六月二十二日までは、これで政府が借金の肩替りをして、けりが付くことに相成つておりますが、その後相変らず石炭業者は借金をしておるのみならば、先刻山田委員から御指摘のありましたように、関連の産業、即ち坑木を供給する者とか、コンベヤーを貸しておるとか、或いはコンプレッシャーを賣つたというような方面の金が來ないで、実際困つておることを我々は非常に各方面から耳にいたしておるのであります。それにつきまして経済三原則に基いて、赤字融資ができなくなつて來た。又九原則の励行が嚴しくなれば、現在炭鉱業者が関連産業から借り受けておる金を、容易に返すということは、今の石炭の経営状況では考えられないのです。そういたしますと、自然に坑木とか、その他関連産業の借金が入らないから、引続いて後の資材を獲得することに非常に困難の面があるように考えられます。のみならず赤字金融は止められてしまう。この状態で行つて、果して商工当局は石炭が既定の通り掘つて行けるという見通しを持つておるかどうか。これは後の始末は、稼いで、働き出して儲けよう、それはよく分るのでありますが、そこまで行かん内に行詰りを來たしやせんかということを、我々心配しておるのでありますが、その点について何か対策ができておるか。これは大臣に伺つて見たいと思うのでありますが、今あちらへ行かれておるようでありますから、どなたからでもいいのですが、一応事務的にどういうふうに考えておるか、伺つて置きたい。
#46
○説明員(山地八郎君) 私から一応申上げて置きます。問題は二つあると存じますが、仰せになりましたのは、一つは関連産業の未拂が相当溜つておつて、これをこのまま放棄しては、石炭の増産はできない。それから又現在のような赤字融資のできないような三原則の下に、炭鉱の所定の増産ができるだろうか。こういう御質問であろうと思います。第一番目の未拂債務が累積しておりますることは、私共大変遺憾と存じておりますが、実はこの中を分類して見ますというと、相当部分は実は、炭鉱の設備資金の関係のものでございます。これはいわゆる炭鉱について、或は新坑の開発、その他炭鉱の振興面の資金といつたような関係は、國家資金を、復金を通じまして、設備資金として導入いたして行くわけでありますが、大体政府としても関係筋の御了解を得まして計画を推し進めて來たわけでありますが、いろいろな事情から、昨年末以來復金の融資の枠が非常に削減されまして、大体第四・四半期には、政府としましても一応百億近い設備資金の放出を計画いたしておつたのでありますが、それが六十億に削減せられまして、その六十億も現在までのところは、まだ全部は放出しておらないというような関係でございます。併しこれにつきましては、政府として、業者の計画を認可して設備資金を出すということを、或る意味で承知しておるような既定の計画でございますので、何とか関係方面の御了解も得まして、約束の資金は出せるようにいたしたいと目下折衝を続けておるような次第でございます。その他炭鉱の一般の運転資金の方かう拂います坑木とか、火藥とか、ロープとかの運転資材がございますが、この方面の未拂いも相当額に上つております。これはいわゆる從來赤字金融から賄つて來たのでありまして、炭鉱業者のいうところによりますれば、價格の低きに失するがためにそれが累積したという形になつて來るわけであります。これにつきましては先に申しましたように、特別に炭鉱に損失補填をしてやるとか、或は赤字融資をするということは事実上難かしかろうと思いますので、何とか別の手を打ちまして、関連産業救済という別個の手段でいくらかでも解決いたしたいと、いろいろ政府部内でも研究しておるような次第であります。今具体的に申上げる段階に至つておりませんことを大変申わけなく思つております次第でありますが、努力を続けまして、何とかしてその中の何割かでも面倒を見たいものであると考えておる次第であります。それにいたしましても相当の負債を背負つて今後新年度から現在の炭價の下に炭鉱は増産に進んで参らなければならん次第であります。ただ現在我々が炭鉱につきましてやや見直しておりまするのは、最近は漸次出炭も増加して参りまして、一人当りの出炭率も漸を追うて確実に上つております。尚仔細に内容を檢討して見ますると、実際は石炭を掘るのは採炭夫でありますが、この採炭夫の能率というものは、私は今手許に正確な数字は持つておりませんが、非常によくなりまして、概ね戰前に近いところまで、これは延時間にいたしますと、時間割にいたしますと戰前に近いところまで行つておるのじやないかと思います。でありまするので、この採炭夫をもつと増員いたしまして、掘る人間を殖やしますれば、全体としての一人当りの出炭率が殖えるわけであります。戰前に較べますと採炭夫より実は坑外夫の方が多過ぎるのでありまして、これはいろいろな法律の関係、その他でありまして、どうしても坑外夫が多くなつている実情であります。それを成るべく不必要な坑外夫を坑内夫に廻す、その他の措置を講じまして、本当に出炭の方の仕事をする人を成るべく殖やして行く、こういうふうに持つて行きたい。いわゆる坑内夫、坑外夫の比率を少くとも六十、四十、坑内夫は六十、坑外夫は四十というような持つて行きますならば、全体としての出炭率がうんと挙つて來るであろうと考えておる次第であります。又現在賃金の支拂い方につきましても、諸般の事情があるとは存じますが、関係筋からも警告されておりまするように、時間外賃金の支拂い方などに、やはりどうしても若干はルーズな点があるのじやないかと思われる筋もあるわけであります。かような点もこういう次第でありまするので、経営者、労働者とも非常に眞劍に研究して頂きまして、正確な賃金を支拂つて頂くというようになりまするというと、この面からも余程無駄が省けるのじやないかと思います。で、積極的に増産の炭量が殖える半面、思い切つて経費を節約するということをいたしますならば、相当早い期間に炭鉱は黒字になり得るのじやないか、かように考えておる次第でありまして、黒字になり得るという確実な見透しがつきました場合には、又何とかして融資ということも各方面からお考え願えるのじやないか、いつまでも金が足りないでは幾ら金融方面にお願いしても駄目でありますが、確実に黒字になるという見透しがなましたならば、これは又金融方面でも或いは関係方面でも特に御了解願えるのじやないか、かような点をまず窃かに期待しておりまして、こういつた方向に経営者側と、勤労者の御協力を得まして、強力に推進いたしまして、炭鉱の立直りを一刻も早くいたしたい。そうしますならば例えば一人当りの出炭量が相当上つて参りますれば、結果として相当の出炭量が確保される、現在以上の出炭数量に達するだろうということは見透しがついておる次第でございます。数字を申しませんで大変失礼でありますが、概畧のことを御参考までに申上げた次第であります。
#47
○玉置吉之丞君 只今の御答弁によりますと、当局も関連産業の面が物を納入して金を貰わないので困つておるということをお認めになつておるようでありますし、又金を貰わないためにあとの必要な資材が入手できない、その結果、石炭を堀り出すのに支障を來たすということも、これも又御存じの通りだと思いますが、それに対して対策はあるかということをお伺いして見たら、何とかせにやならん、何とかしてくれるだろうということは思つておるでありましようが、こういうことを聞いて甚だ私は失望せざるを得ないのでありますが、至急にこれを救済するということになれば多くの金が要ると思いますが、甚だ卑近な例を申上げるのでありますが、百万円の借りでコンベアーを持つて來るとしたら、一遍に百万円拂えなければ三十万円拂つて、又あとのコンベアーを作らすという手もあると思いますが、そういう手も打たないで何とかしてやれば何とかなつて來るだろうと漫然な考えを同業者も考えており、政府も考えておるというようなことであつたら、現在の状況から私は考察して、石炭を堀る上に非常な支障を來すのじやないかしらんということを案じておるのでありますが、この点については何とか手を一つ具体化して、実情に即した手を商工当局としては考えて頂かなければならんと、こう思うのであります。尚この際序ででありますが、私共は前に石炭の國管の問題に対して非常にここで論議をし、又この問題に対して、かような石炭管理法案のようなものを作つたら石炭の増産はできないという信念を持つており、今尚それを持つておる者でありますが、この際大臣が來られる間に時間があるようでありますから、その後、石炭國管法が通つて、今日どういうような効果が、石炭の増産の上に役立つておるかというようなことについて、お分りになつておるならば一つお話を願いたいと思いますが……。
#48
○委員長(小畑哲夫君) 今玉置委員の御質問がございましたが、大藏政務次官が見えましたので、先程の山田委員の御質問を早く一つお答え願いたいと思います。もう一度御質問願えますか。
#49
○山田佐一君 結論は結局ここで百四十億程のものが石炭と電力と鉱山とに出る。十ケ年の据置きの、十ケ年償却でありますか、公債が出るということについては、均衡予算という面において根本から崩れるのではないか。いわゆる公債を発行するという建前になるのだが、それと今の一番初めから言うた均衡予算というのはここで打切つたのか、それに関係がないのか。その根本の方針を一つ承りたい、こう思うのであります。
#50
○政府委員(田口政五郎君) その点は予算の面におきましては約八億前後が出て來るわけであります。利息の面で……。根本問題は均衡予算をどこまでも堅持するということについては、これは何ら変りはございませんので、ただ今日までに労働政策なり、賃金政策なり、又炭價の問題につきまして、政策を誤つたというと語弊があるかも知れませんが、とにかく今日までのこういう跡始末を今日においてせなければならんということになりまして、石炭並びにその他の電氣、これだけの穴埋めをしなければならんということが生じますことは誠に遺憾でありますが、併しこれは財政の均衡予算をどこまでも堅持するという政策には絶対変りはありません。労働爭議や何かで止むを得ず今日までにこういう穴が明いたのでありまして、今後は絶対にこういうことがないように、只今玉置さんの御意見にも関連いたすことでありますが、今後はなんと言いますか、関連事業に非常に借金の不拂が多い、炭鉱業者が不拂をしておる。それにも拘らずそつちの方にこういう補償を廻すようにという御意見も最近始終承つておるのでありますが、そういう方面のことは補償でなしに外の方法で融資の方法を今日十分関係方面にも交渉いたしておりまして、今後はこういう穴埋めをしなければならんという事態が起ることのないように、而も増産には差支えのないようにということを今日相当の確信を持つて交渉をいたしておるような次第で、いずれ大臣からもその点は御発表する時期があると思いますが、決して均衡予算の原則を放棄して公債を発行するのだという意味ではございません。ただ今日までの止むを得ず穴埋めをいたす、それも、いずれ御説明いたすと思いますが、労働爭議に政府が関係いたしました関係上、そういう約束になつておりましたので、こういう結果になつたのでありますが、その点を御了承を願いたいと思います。
#51
○山田佐一君 結局お話で見るというと、利子だけが出るだけで、元金は十年先だから均衡予算には関係ないというお話でありますが、こういう予算ですと、一千億抱いても五十億の利子がつくのだから、私たちは公債を発行することに不賛成ではないのです。そういう政府の方針が揺いで來て、ただ利子だけが予算に関係して、元金はいいのだということですと、二十四年度の編成方針も成るべくそういう方針でやつて貰いたい。これは関係方面の承諾を得るならば、今後のものも今日の事業としても、非常に政府としても資金がなくてお困りのこともあるだろうと思うけれども、災害予防にしろ、治山、治水にしろ、こういう問題があるから、利子だけが財政に響いて、元金は十年先の人の負担だから今日論ずべき問題ではないということが通るか通らんか、そういう通るお見通しを大藏当局はお持ちでありますかどうですか。
#52
○政府委員(田口政五郎君) 私の申上げましたのは、公債を出すからただ今年度の予算の利子だけが問題になる。だから均衡予算を崩さないというような意味ではございませんので、公債を出しますにしましても、又現金を支拂いますにしましても、いずれにしても均衡予算の原則を放棄したわけではございませんので、ただ今日の場合、現金で支拂うか、公債で支拂うか。何れにしましても、どちらかで支拂わなければこの穴が埋まらんという羽目に陥つておるのでありますが、先ず公債で、直接予算に大きな関係のない公債で支拂をして行く方が適当である。只今これを申上げてよいか惡いかちよつと分らないのですが、その点も特に今日早急に御審議をお願いするという理由も実はその辺にあるのであります。その点は御了承をお願いたしたいと思うのであります。
#53
○山田佐一君 決して私はこだわるわけでも何でもないのですが、それでもう一つ伺つて見たいのは、ここに折角百四十億返して頂いても、炭鉱業者としては復金の返済に当てて、復金はそのものを日本銀行へ持つて行つてしまう。新規に百四十億という返済資金を復金において貸出しができるのかできんのか。その辺のところも一つ承つて見たいのであります。
#54
○政府委員(田口政五郎君) それは勿論出て参るわけであります。
#55
○山田佐一君 つまり貸出し余力が出て來るわけでありますね。
#56
○政府委員(田口政五郎君) それと、先程も申上げましたように、ただ復金の借金だけを肩替りするというわけでなしに、他の関連事業の不拂は非常に困つておるのじやないかという点もあるのでありますが、その点は大藏当局といたしましては責任を以て、そういうことの融資が円滑に廻るようにということは努めて骨を折りまして、これは確信を以て只今進行いたしておるのでございますから、その点は御安心願いたいと思います。
#57
○山田佐一君 結局玉置君の言われるのと私の言うのも結論は同じことでありますが、炭鉱の関連事業のものは非常に困るのだ。これは大体中小商工業というようなものが多いので、これは社会問題よりも、これの方が余程大きな問題だ。これに対する打ち手があるのだというだけではどうも我々は誠に不安心でならないものがあるので、もう一歩こういう手続きでできるのだというならば、速記を止めて、この場合我々の了解の行くような方法を或程度までのことをお知らせ願えんもんか。
#58
○政府委員(田口政五郎君) その点は何れ又大臣が参りました時に御答弁さして頂きたい。さようにお願いいたしたいと思います。
#59
○山田佐一君 それじや大臣が見えてから……。それから石炭局長、どうです。さつき打つ手があるのだというお話で以て止めて置かれたのだが、あなたの腹案だけでも聞かして頂きたいと思いますが……。
#60
○説明員(山地八郎君) 私から申上げるのはちよつと時機を失しておるのじやないかと思います。
#61
○山田佐一君 そういうことがいつもこの我々委員会において出るんですが、あなたの方がきちつとしなければ我々の委員会は行けないんで、しばしば我々委員会というのは棚上げになつてしまうようなことで、新聞に発表してから、それからでなければ発表できないということは我々委員会としてもどうかと思うのです。せめて、いかんものなれば速記を止めて、秘密会にしてでも何とかして我々に聽かせて頂く。ここに折角百四十億というものを融資しても、その関連事業をやつておる者は非常に困つておる。その者には一厘も今の形勢では廻らないような融資の仕見だ。これだけやつても大きな炭鉱業者は、関連事業の者だけは除いてしまつて政府が呉れるので仕方がないのだ。復金には別せん。工賃は全部支拂つて行くのだ。大きな炭鉱業者だけはいいが、これに携つて行く中小商工業者という者は非常な不安な状態にあるんですから、ひいては事業を止める者も出て來る。先刻言われて、我々もちよつと関係しているんですが、鑿炭機というのはこの石炭産業に絶対必要なものですが、これは殆んど今日では大体の者が止めてしまつて、経営を縮小に作らんようにしている。だから、このものを我々議員の職責として、商工委員会の職責として、一日も早くあなたの腹案があれば腹案を聞いて我々も安心もし、一日も休むことなしに行きたいものですから、秘密会にして、そうしてその後の腹案があれば腹案として、我々にここで腹案として聽かして頂くわけに行きませんか。それは秘密会にして聽かして下さいよ。
#62
○委員長(小畑哲夫君) ちよつと速記を止めて……。
   〔速記中止〕
#63
○委員長(小畑哲夫君) 速記を始めて下さい。
#64
○山田佐一君 そういたしますと、はつきりした御答弁が頂けなかつたけれども、関連事業へも金融の廻り、融資の廻るように御努力下さる、このお含みで以て了承して宜うございますか。
#65
○政府委員(小林英三君) 結構です。
#66
○玉置吉之丞君 先刻お尋ねいたしましたが、差支えなかつたら石炭の國管というもののその後の行き方について御説明願いたい。
#67
○政府委員(渡邊誠君) 石炭の國家管理の法律が今後続けられるという点につきましては、政策につきましては考えなければならんと思いますが、現在如何なる事情にあるかと申しますると、一利一害と申しますか、実情を卒直に申上げますれば、管理をし、諸種の点を監査する。経理、或いは資材等の監査をするという点につきましては、あの法律に基きまして相当の効果を挙げております。それから勤労者達が生産委員会その他によつて、生産の部門に労資が対等の地位で法律的に保証されて、参加しておるという点で、從業員はこれを喜んでおる。併しながら若しこれが参加されないということになれば、非常に不快の感を以て、或いは生産意欲に響くかも知れないということが予想されます。そのほかに、まあ現在の段階で余りうまく行つていないというところを率直に申上げますと、各種の委員会における、例えば管理委員会の進行状況、労資おのおの自己の立場を主張されてなかなか讓らないというところで、非常に議論を鬪わせ、或いは決裂するような状態まで、一歩手前まで進んだりするために、非常に時間がかかり話を決めるのが非常に時間がかかる、結局一定の時期に早く決めなければ生産その他に損ができるというふうなところが、なかなかそれぞれの立場を讓れないという代表としての立場のような地位にありますので、なかなかその点が進まない。生産に対してはマイナスの傾向を示しております。併しながらこれはまだ実施されましてから日が浅いのでございますから、而も労働組合の人達は賃金交渉その他の鬪爭には慣れているのでありますけれども、綜合的の中央で計画するというような問題については、まだ目下勉強中であります。勿論個々の作業場におけるその作業にはエキスパートだと思うのですけれども、全体の綜合計画等につきましては、まだ勉強の時期じやないか、從つて今後これは本人が勉強するかしないかによるわけでありますけれども、十分勉強され、いろいろな資料も十分こなされて行くようになれば進行は早く行くのではないか。併しながら当初の考え方として、労資間が三位一体となつて増産に邁進するという点につきましては、只今申上げました通りにその氣持でみんないるわけでありますけれども、実際問題として非常にそれぞれの立場を固執するという形になつております。尚生産の計画というような点につきましては御承知のように関係方面から覚書が示されたのでありまして、元來、あの法律に基きまして、政府が管理委員会に諮問するわけであります。この点につきまして協議する以前に別途の指令が來るというような点について、聊かその機能の発揮が十分できないような形を示しておる点は、今回非常に明かになつておるのであります。
#68
○玉置吉之丞君 只今の御説明のよりますと、一利一害あつて、利害相半ばするというようなお話でありますが、業者の面から聞くところによりますと、相当煩瑣な手続があつて、随分机にもたれて仕事をせなければならん、非常な手数を費さなければならんというような点を苦痛としておるようでありますが、その結果余り効果がないということで、これは余りに非能率な仕事を殖やして、そうして石炭が増産できないというような結果になつておる。尤も実施後日尚まだ浅いのでありますから、もつと見てみなければ分らんと思うのでありますが、あの石炭の國家管理法によつて、はつきり申上げまするならば、増産ができておらんと考えておりまするが、これを実施していつて、続けるということになつて増産できるお見込はあるのですか。その点を一つ伺つてみたいと思います。
#69
○國務大臣(稻垣平太郎君) この点でありますが、御承知のように、昨年の四月から國管法が行われたのでありまするが、実施は七月以降に入つて実施されたことに相成つております。まだ一年になつていないのであります。併しながらこの問題は私就任以來、関心が深い問題でありまするだけに、その結果は一体どうであるかということについては十分自分も檢討いたしたいと、かように考えておるのであります。先程ここに入つて來たばかりに玉置委員のお話でありまするが、業者にとつては非常な繁雜ないろいろな手続上の問題があるということも私は察せられるのであります。ただこの前、國管法の時に当時の水谷商工大臣から説明がありました。いわゆる政府と経営者と勤労者が三位一体になつて石炭鉱業の重要さを一つ滲透さすんだという言葉でしたが、そういつたような意味合の、いわゆる滲透したという点はあつたろうと思うのであります。併しこれは精神的な方面であつたろうと思うのでありますが、実績の面で果してこれがどれだけの効果を挙げたか、言い換えれば金額で換算してどれくらいの増産のために裨益したかという点については、まだ私、日尚浅くありまして、檢討していないのであります。ただあの当時のいわゆる生産協議会といつたようなものが、これは各炭鉱ともあの國家管理法案によらないでも、協議会の形態はあつたろうと思うのでありますが、ああいつたようなものについては、私はまだ檢討いたしておりませんが、いわゆる地方の管理委員会なり、又全國管理委員会といつたようなものでいろいろ檢討しますが、その意見には聽くべきものもありますけれども、併しながら生産をどうするかという問題については、御承知のように先般も新聞紙で関係筋の方からメモランダムで四千二百万トンを作れ、こういつたようなことが來ておりますので、生産をどれだけやるかというようなことを全國管理委員会で実は討議する必要がないというような面もあるかと思うのであります。そうなると一体全國管理委員会というものの必要ありや否やといつたような面も考えなければならんのじやないかというふうに考えておりまして、この点について、私としても、どきるだけ早い時期において、この管理法の結末をどうするかという問題について、私だけの考え纒めてみたい、かように考えておることを御了承願いたいと思うのであります。今度例えば指定炭鉱をどうするとか、或いは指定炭鉱に対して数を殖やすといつたような面は、私暫く差控えたい。そうして一つ檢討した上で廃止すべきもるのなり廃止する、又これが実効のあるものなら尚業者の不平の点も緩和して、そうしてこれを実行して行く。こういつたような面を一つ檢討さして頂きたい。こう思つております。御了承願いたいと思います。
#70
○玉置吉之丞君 只今大臣の御説明によりまして私共が考えておると同等に御心配を頂いておるということにつきましては、満足する者でありますが、これは大臣はこの鉱工業の関係の委員長として我々の論議したことをすでに十分御存じでありますが、又今回その管轄の大臣として親しくこれを見るのでありますから、十分この点につきましては石炭増産の上から有利なものなら続けて行くし、害になるものなら廃めて行く。今の御所信に対して私万幅の信頼を以て監視したいと思います。
 次にお伺いいたしたいことは、この度出ておりまする法案によつて、石炭、鉄、ならびに電氣の仕事に対する昨年の六月二十二日までの損失の補償、これを政府が公債の形式で一時復金支拂をやつて、炭鉱業者のいわゆる赤字の穴埋めをするという問題に対しましては、私共もそうなければならんと、大体においてこれを了承するのでありますが、ただ石炭業に関する限り非常に金詰りの結果と思いますが、必要な坑木であるとか、その他の資材の購入先へ金を拂つてやらぬために、非常に関連の産業が困つておるということは、大臣もすでに御承知の通りであります。そういう形をこのままに放つて置きましたならば、必要な石炭増産に関する資材なんか手に入らないというようなことが、やはり石炭の増産に非常な支障を來たすのではないか。これに対しては何かの手を打つてやらなければならんと私は思うのでありますが、これは経済の三原則、並びに九原則の趣旨によつては非常な至難なことであつて、非常に実現のできんことと思うのでありますが、この点についてはよく分るのでありますが、この大切な石炭をここで掘らなければならん、殊に四千二百万トンというようなものを掘れということに対しては、ただ金融を引締めて金を一文も出さんということによつて、石炭が掘れるなら結構でありますが、増産はできて行つても、やはり増産に必要な資材というものが確実に入手できなかつたならば、この仕事はできないのでありますから、それらに対して何かの手を打たなければならんと思つて、事務当局に対して大臣お留守の間にお尋ねしてみたのでありますが、まあ何とかせなければならんということはよく分つておるのでありますが、又何とかしてくれるだろうと石炭業者ならびに関連業者も待つておるわけでありますが、ただ、そういうふうに人に依存さして政府の力を借りるということは今後いかんわけでありますが、ただそれは困るからといつて、放つておいて、石炭が掘れんということになれば、これ亦國家産業の面においても國家再建においても非常に大きな問題でありますから、これらに対してまず一千万円の資材の貸し、石炭炭鉱業者に貸しがあるとして、一遍にそれを拂えるならなんですが、いくらかの内金を以て拂わして更に資材を作らして行くとか、坑木を入れさして行くといつたような方便の手で以て石炭を掘るということをしなければならんと私は考えておるのであります。このままただ原則を振り廻してそれでどうにも手が出ないのだというようなことであつたならば、誠に由々しい問題が起ると思うのでありますが、これらの点等につきまして商工省とし、又商工大臣としていろいろ御心配になつていると思うのでありますが、この際私共は再びこういうようなものを政府が又補償しなければならんというようなことのないように、むろんそれを望んでおりますが、そのためには政府としてこの際になにか積極的に親心をあしらつてこの窮状を打開して行くということが、石炭増産の上なり、電力の確保の上なり、その他の面において必要なことだとかように考えるのでありますが、これらの問題に関しまして大臣の御所信を一つ伺いたいと思います。
#71
○國務大臣(稻垣平太郎君) 玉置委員の今の御指摘の点は全く私も同感であります。企業三原則があるからといつてそのままにいたしましては、甚だ業者は始ることだろうと私は実は存じておるのであります。これが整理がつきましても、尚この二十二年以前に出ました十五、六億の赤字その他これをカヴアーしませんその残りの赤字、そういつたものを担いでおるわけでありますが、大体問題になりますのは関連産業への不拂ということが一番の問題になると存ずるのでありまして、それは約八十億内外ということに相成つておるのであります。この八十億内外の負債ができました原因の一つには、設備資金を大体政府においてこれだけの設備をしたらどうかといつた九十七億円の設備資金のうちで、大体六十億円程度の融資をしました頃に、偶々この三原則で止められた。この間三十億ほどの食い違いができた。業者はもう設備をしてしまつた。こういつたような誠に三原則で止むを得ないとは言い條、甚だ業者にとつては迷惑千万なこともあると存ずるのであります。そういう点についての融資の方法についても目下関係筋とも折衝いたしておるようなわけであります。尚その差額の、仮に三十億といたしまして、八十億から三十億を引いた五十億というものにつきましても、これはまあ業者の運転資金その他の赤字と存ずるのでありますが、これについてもなんらかのそこに便法はないものだろうかというので、これについても今いろいろ檢討いたしております。実はこれはもう玉置委員の仰せの通りに、私としましては四千二百万トンは掘れ、併し金は融資しないということでは、関連産業から与えた資材は集まつた來ないという大きな問題で、実際に四千二百万トンの実現が困難だと思うのであります。固よりこれを実現するというためには、或いは事務当局から御説明したと思いますが、いわゆる企業の合理化によりまして、今後赤字が出ないような方策を取ることも必要でありますけれども、從來の関連産業の不拂の赤字につきましてもなんらかの措置を講じたいということで、今種々苦慮いたしておることを一の御了承願いたいのであります。
#72
○委員長(小畑哲夫君) 外に御質問はありませんか。
#73
○玉置吉之丞君 本日は大藏大臣はお出ましにならないのですか。
#74
○委員長(小畑哲夫君) 今日は見えないそうです。
#75
○玉置吉之丞君 次の委員会はいつ頃お開きになるか御予定は分りませんか。
#76
○委員長(小畑哲夫君) 大体明後日二十八日の午前十時から開きたいと思つておりますが……。
#77
○玉置吉之丞君 余り長い時間を要しないので、あなたから大藏大臣の御出席を求めて頂きたいと思います。
#78
○委員長(小畑哲夫君) 承知しました。
#79
○細川嘉六君 さつき聞いたことですが、商工大臣の稻垣君がお留守の際でありましたから一度お聞きしたいのですが、さつきお尋ねしておつたのは、首相の施政演説もなし、予算案も出ておらんという場合に、こういう巨額な金の支出を委員会なんかで決めて、それでよろしいものか、政府当局においてもこれでいいかということを疑うのであります。それについては先ほど止むを得ないとか、その筋の了解も得ておることだからというようなお答えを得ておるのでありますが、あなたはやつぱりそうですか。
#80
○國務大臣(稻垣平太郎君) 細川委員の御質問御尤もだと存じまするけれども、首相の施設演説ができません理由は、まだ予算その他につきまして関係当局との話合いが結末に達していないという事情によりまして遅れておるわけであります。そういうわけで、劈頭の施政方針演説ができなかつたことは甚だ遺憾でありますが、今日出しました法案につきましては、私が先刻提案理由の中に申上げましたような事情でこの三月の三十一日までに一つ御審議を願えませんと処理ができない。しかも処理ができませんとこの赤字を残した儘では企業の健全なる將來の発達ができないので、そうなりますと、まあ関係筋から与えられておるということは別にいたしましても、日本の経済再建のために必要な石炭の目標を達成するのに困るというような事情で、甚だ遺憾ではありますが、是非この際御審議を願いたいという意味合いで提出いたした次第であります。その点は御了察を願いたいと存じます。
#81
○細川嘉六君 もうお止めになりますか、続きをやりますか、今日は。
#82
○委員長(小畑哲夫君) まだ構いませんが……。お諮りいたします。尚、本議案は二十八日に継続したいと思つておりますが、そうして二十八、九、三十、或は三十一日まで連日委員会を開かなければならんかと思つております。と申しますのは、他に二つ本月中に期限を切られておる公団法の問題がありますので、これはどうしても三月一杯に通さなければならん。而もその中の貿易公団に関する法案が参議院先議ということで商工省当局から要求がありましたので、そういう関係でこの委員会は、明日休みまして明後日から連日開きたい。こうお考え願いたいと思います。そこで御質疑が尚残つておるかと思いますが、皆さん方にお諮りいたしますが、本日はこの程度で散会するか尚質問を継続するかお諮りいたします。
#83
○玉置吉之丞君 明後日からずつと続けるのですから、本日はこの程度で散会したら……。
#84
○細川嘉六君 私は賛成ですが、一言注文を出しておきます。私も國管法については稻垣君らとやつた一人なんですが、金の支出を審議するとしますと、皆が質問をやる場合に一つ考えなければならぬことは、昨年であつたか安本の方で炭鉱が果して赤字であるかどうかということを調べたときに、私は新聞紙上で知つておるだけですけれども、必ずしも赤字ではないという報告があつたようです。その調べたところの資料を出して欲しい。それから國民にこういう負担にかけるわけですから、ただ損したから出せというのではいかがわしい話ですが、技術的に見てこの補償をなす期間の間に炭鉱においてどれだけの改善が出來たか採炭上より良き施設がどの程度できたものか、そういうことは出來ないなら出來ない、あるならあるで、それを知ることが大事だと思います。炭鉱の性格については、從業員その他そういうようなものについても考えられますが、そういう参考資料があるものかどうか。それは炭鉱ばかりではなしに、他の個人の場合でもどういう技術的な進歩があつたのかないのかということも知ることが必要だと思います。経理の面においても損したと言うけれどどういうようなことが本当の損なのか、そういうことが分らずに、損したから補償する、政府が掘れ掘れと言うものだからその責任上金を出すというのでは、これは今後の生産に良くないことだと思う。事柄は労働者に食わせるためにというような形になつておりますけれども、その面だけでその補償をなさなければならぬということになつたのか、そういうことを考えるためにも資料を出して頂ければ非常にいいと思います。
#85
○委員長(小畑哲夫君) それでは今細川委員の御請求の資料の提出要求と尚関係係官の例えば安本なら安本というふうに後で一つお書き出し願いまして今日のうちに折衝いたしておきます。明後日午前十時から継続する。こういうことにして本日はこれにて散会いたします。
   午後四時八分散会
 出席者は左の通り
   委員長     小畑 哲夫君
   理事      島   清君
           山田 佐一君
           宿谷 榮一君
   委員      廣瀬與兵衞君
           小杉 繁安君
           玉置吉之丞君
           細川 嘉六君
           駒井 藤平君
           阿竹齋次郎君
  國務大臣
   商 工 大 臣 稻垣平太郎君
  政府委員
   大藏政務次官  田口政五郎君
   商工政務次官  小林 英三君
   商工事務官
   (鉱山局長)  長谷川輝彦君
   商工事務官
   (電力局長)  玉置 敬三君
   石炭廳次長   渡邊  誠君
  説明員
   商工事務官
   (石炭廳管理局
   長)      山地 八郎君
ソース: 国立国会図書館
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