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1949/04/21 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 商工委員会 第11号
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1949/04/21 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 商工委員会 第11号

#1
第005回国会 商工委員会 第11号
昭和二十四年四月二十一日(木曜日)
   午後二時四十三分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○電力擴充計画及び電氣料金問題に関
 する件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(小畑哲夫君) これより商工委員会を開きます。本日は電力擴充計画及び電氣料金について調査を進めたいと思います。今年の冬は近年稀な暖冬で、降雨量も相當あつて、電力不足については少れられたような感じがいたすのでありますが、貿易振興が本格最に動き出したときに、電力の点で行き詰ることはないかどうか、又九原則の実施によつて、経営面がどうなつておるか等の調査を進めたいと思います。先般來本委員会で政府関係未拂金の調査を行なつた際にも、主要産業としては石炭及び電力に未拂の多いことが分りました。これらを勘案して、本日は電力関係に集中して調査を進め、電氣事業の今後の在り方を明らかにしたいと思います。
 電氣事業はあらゆる産業の基本でありまして、これが健全なる発達を図らねば輸出振興も期し得られません、而して電力開発には相当年月を要し、早く着手しなければならない。然るに九原則の実施によりまして、目前の経營にも困難を來しておるように聞き及んでおりますが、料金問題も又重要な課題となつております。本日は商工大臣、安本長官も出席になる筈になつておりますが、只今商工省の電力局長を始め、関係の係官も見えております。経済安定本部の方からも動力局から見えております。物價廳からも見えております。尚日発の方からもお見えになつておりますので、順次お手許に今日の審議の予定表をお配りしておりますから、これによつて進行して行きたいと思います。先ず玉置電力局長から現状をお話し願いたいと思います。
#3
○政府委員(玉置敬三君) お手許に配付いたしております資料の中に、電力施設五ケ年計画についてという五、六枚の資料がございます。これに基きまして現在の状況、五ケ年計画に對する從來の経過、現在のいろいろな折衝状況等をお話いたしたいと思います。御承知のように電力施設五ケ年計画と申上げますと、これは現に安本におきまして、いわゆる経済復興五ケ年計画というものの一環をなしておるものでありまして、この作業はずつと安本において続けられて参りまして、いろいろの前提條件に立つておるところは、もうすでに御承知のことと思います。將來の貿易の見通し、人口問題その他の問題が中心になりまして、日本の産業構造というものはかくあるべきであり、又かくあつて貰いたい、又行くべきであるというようないろいろな立場から、この五ケ年計画というものができておると思います。その一環として電力復興計画も、これに相應するようにできておるものであります。從來電力の開発の問題につきましては、G・H・Qとの間におきましても、いろいろな経過を経て來ておるのでありますが、最近におきましては、すでにいろいろな具体的な計画を向うに提出いたしまして、目下折衝中でございます。
 その内容はどうかということに次になるわけでありますが、第一ページの1の電力施設五ケ年計画というところには從來のいろいろ簡單に内容を書いて、2のところに五ケ年計画の要点というのがございます。そこに経済復興計画目標の要点というのがありまして、これの(1)、(2)、(3)というのは、大体この五ケ年計画がどういう前提によつてできておるかという要点のところだけが書いてございます。その次に電力部門に對する主要資材の配当量というのがございます。ここで御覽願います通り、五ケ年計画を完遂いたしますにつきまして、普通鋼鋼材は二十四年度において八万瓲、二十四年度から二十八年度の五ケ年間において約四十万瓲。セメントが同樣二十四年度においては三十四万瓲、五ケ年間において三百八十万瓲というものが、大体電気事業に對する配当資材ということになつておりまして、以下いろいろ発電計画もこの資材を中心にしてでき上つておるのであります。
 そこで、電力施設五ケ年計画の要点というのが次にありますが、勿論御承知のように日本の現在残されておりまする資源としますれば、水力の開発ということが一番重点にならざるを得ないのであります。又水力の開発方法におきましても、ダム式と貯水池式というものがその重点にならざるを得ないのでありまして、いろいろそれらの点を考えまして、ここに(1)のところに水力電源拡充計画、増加出力が八十一ケ地点といたしまして、百十五万キロワツトというものが出ております。火力はやはり從來の火力と同樣にいわゆる補給的と言いますか、或いは早く電力危機を解消するためにというような点からも、相当のやはり拡充と、いろいろの点を考え合して行くということになりまして、結局差引揚加回復出力四十六万三千ございます。この水力と火力の合計が大きな五ケ年計画の電力の供給源になつておるわけでありますが、その次に電力需給バランスということが書いてございますが、簡單でございますから、ここはちよつと読んで進めて行きたいと思います。三頁の一番方のところが「電力施設五ケ年計画に伴う電力需給のバランスを示せば次のごとくである。但し電力は発電地点計量とする。(一)電力需用としては現行の割当制度の実施を継続するものとして、即ち電力需用は電力消費の事前に予め相当消費制限を加えられることを前提として進定せられたるものに對して、年間電力量は昭和二十四年度の電力需用三百三十二億キロワツト・アワーに對して六・七億キロワツト・アワー不足し、昭和二十八年度の電力需用三百九十五億キロワツト・アワーに對しては過不足がない。」まあ二十八年度に至りまして或る程度の制限と言いますか、統制した需用に對してはやつととんとんになるという結論でございます。次にやはり一番問題になりますものは、いわゆる渇水期における供給力でございますが、それは昭和二十四年度の電力需用が五百三万キロワツトに對して、約五十万キロワツト不足し、昭和二十八年度の電力需用六百十万キロワツトに對して約三十余万キロワツト不足するというのでありまして、この五ケ年計画をいろいろ非常な馬力でやつて行きましても、渇水期の供給力といたしますればこのくらい不足するということに一應の計算がなるのであります。尤もこれは先程申上げましたように、いろいろな需用想定が産業の需用変動その他におきまして変れば、これらの問題も更に大きく小さくいろいろ伸縮されることと思いますが、これらの需用内容も安本の五ケ年計画を前提としての理論でございます。從つてそれらのものを更に解消するためには、昭和二十四年度においては百一万キロワツト、二十八年度六十七万キロワツトの電力発電設備がどうしても必要になる。更にこれ以上のものが必要になるということであります。昨年は「昭和二十三年度における野放しの電力需用、即ち電力の割当制実施或いは送電の遮断等一切の制限を行わざるときの電力需用は、現在の電力消費設備及び配電施設において、年間電力量は三百五十万キロワツト・アワー、渇水期尖頭負荷は五百五十万キロワツトと推定せられるものであつて、この電力施設五ケ年計画においては計画の最終年度に至つて初めて二十三年度程度の野放しの電力需用を充足することができるものである。」まあこういう一應のことが予想されるわけでありまして、これらの点を表にまとめますると、第一表の表を、その次に出ておりまするものを御覽願いますると、渇水期供給力需給バランス表というものがございます。この供給力は大体渇水期の供給力といたしまして、十二月から三月にかけての供給力を一應想定いたして見ます。仮にその点を二十三年度にとつて見ますると、現在括弧の中の五九〇三というのがございます、設備能力としてはこのくらいあるのでございますが、一度渇水期になると、約その半分程度になる、こういうことであります。これは日本の電力の中にはいわゆる貯水池式が少いのでありまして、如何に雨が降つても冬季までそれを持ちたえて行くという貯水池式のものが多くないために普通の状況におけるものが、渇水期になると半分になるいうようなことで、極めて科学性のない電気事業ということに現在なつておるのでありますが、これらの点は將來の開発についてはでき得る限り克服して行くということが將來の電源開発の重要ポイントをなすものと思います。從つて今後二十三年度の二百八十八万九千キロワットが、二十八年度に参りますと三百八十五万八千キロワットということになりまして、これらの増加分は、この差額は渇水期におきましても最大出力のものと殆んど変りのないように貯水式のものを増加して行こうというのが大体の狙いでございます。
 それから水力の点はそれはあとで御覽願いますれば大体御想像願えるかと思います。火力につきましては先程御説明申上げましたようになつております。從つてこの水力と火力と合せました合計欄の、渇水期供給力というものが全火力合計の供給力となるわけでありまして、この点現在二十三年度で見ますと四百二十二万七千キロのものが二十八年度に行きまして五百七十六万五千キロ、水火力合計におきましてこのくらいの不足になるわけであります。下から二行目のところに、電力需用として、渇水期尖頭負荷というものがございます。これが大体想定でありまして、一番石の欄を見ますと六百十万キロワットというものがございます。これが大体二十八年度の渇水期に想定される需用電力であります。これに對して先程の渇水期供給力の五百七十六万五千との差額が、丁度三十三万五千というものが不足するという一應の計算であります。
 その次の欄のところに年間電力需給対照というものが出ておりまして、例えばこれで申上げますと、二十三年度が水力におきまして二百八十億、火力が三十億、約三百十億、水火力合計三本十億キロワット・アワーというものが一應安本の計画で昨年度は推移をして來たのでありますが、実際は別の印刷物にもございますように、昨年度は非常に降雨に恵まれましたことと、石炭の確保も相当できましたことと相俟ちまして、この三百十億キロワット・アワーというのが、現在の結果によりますると三百三十三億ぐらいに昨年度はなつておるのであります。三百十億キロワット・アワーの計画にいたしまして、二十三年度は三百三十三億キロワット・アワー、こういう結果になつておつたのであります。二十四年度は從いましてここに書いてありますように、水力で二百八十三億ということで昨年度と余り大差はございません。火力が四十二億、火力発電電力量というのがございますが、四十二億二千万キロワット・アワーというものの確保が予定されまして、これが昨年度は石炭が三百六十五万トンという想定のものに対しまして、本年度は四百六十五万トンという計画を電氣事業として持つておるのであります。その発電をいたしました結果が大体四十二億二千万、こういうふうに御判断願つたら結構だと思います。それによりまして合計におきまして三百二十五億キロワット・アワーという結果に想定をいたしまして、本年度はこの計画によりまして推移をして行こうというのが目下の状況であります。その点をどつと五ケ年間を見通しして見ますと、二十八年度というところを御覽願いますと、先程申上げましたように約水力で三百三十四、火力で六十一億というような結果になりました合計が違つておるようですが、これが三百二十五とありますが三百九十五、大体一應の想定した需用、仰制された需用でありますが、まあとんとんになる、こういう結果になるわけであります。それで元のところに、本文に一つ又さし戻つて頂きますと、以上のような大体の計画に對しまして、現在一番問題になりますものがこれを達成するために、資材の他につきましては先程申上げましたが、資金の問題でございます。どのくらい資金が要るかと考えますと、電力施設五ケ年計画実施の問題というのが先程の本文のところにございますが、約五ケ年間に二千六億円の設備資金を必要とするのであります。そのうち昭和二十四年度においては、約設備資金として二百九十億円、補修復旧に要する費用といたしまして五ケ年間に約六百二十五億円、うち二十四年度としまして約百四十一億円というものを考えておるのでありまして、これを如何に今後調達をして行くかということが非常な問題なのでございます。そこでまあ現在の私共の構想を申上げますると、この補修復旧に要する資金の百四十一億円につきましては、現在の電氣料金に、このうち六十七億というものが現在の電氣料金に修績費として織込まれておるのであります。その差額の約七十四億円でありますが、七十四億というものは現在の電氣料金が決められまするときにおいては、いわゆる融資で、この点は三ケ年、或いは四ケ年の融資によつて、これを継続して行くことに話がG・H・Qともまとまつておつたんであります。復金を通じましての融資に大体なつておりますが、そういう構想でおりました。ところがたまたま復金がいろいろ非常な変革を來しましたので、これらの点を料金において支弁をして行きたいというのが、私共の今の構想でありまして、現在六十七億織込まれている以上に、更に七十四億というものの、從來融資に依存したものを料金でこれを考えて行きたいというのが現在の状況であります。そうして残りの二百九十億円については、然らばどうするかという問題が起つて來るわけでありますが、この点につきましてはまだ具体的に数字的に申上げる段階になつていないのでありまするが、大体におきましては、いわゆる見返資金から相当大部分の金を我々としては期待いたす、あと貯金部資金でありますとか、一般の市中銀行或いは自己資金というような点によりまして、でき得る限りこの二百九十億というものを調達して行きたいというのが現在の資金構想でございます。そこでまあちよつとついででございますから、その次の表を簡單に御説明……御覽になりますれば分るのでありますが、第一表の付図といたしましてもう随分段階的なものがございますが、これは先程数字的になつておりまするものを図示いたしますれば、こういうような状況になるのであります。御覽願いますれば御了解が願えると思います。それからその裏を御覽になりますれば、これは大体前のは供給力でありますし、次はキロワツト・アワーで示してあります。まあ拡充が進むにつれまして段々不足分が少くなつておる、まあこういうことになると思います。それからその次の円形に書いた表は先程御説明いたしました大体二百九十億、設備資金として本年度我々が希望しておる二百九十億に対するいろいろ設備区分によりましての資金であります。大体御覽願えれば御了解願えると思います。その次のものが先程申上げました経費支弁で行く百四十億というものを、やはり設備別に見ますると、こういう使い方をいたしたいというふうに考えております。
 それから最後の横書の表が先程申上げましたように、現在まだ資金計画その他におきましては、日本政府部内におきましても、まだG・H・Qともいろいろ更に具体化するべく折衝中でございますが、すでに昨年の秋頃でありましたか、五ケ年計画に考えられておりまする八十一ケ地点のうち約四十ケ地点、これは電氣事業といたしますれば、そのうち三十三ケ地点が電氣事業でありますが、G・H・Qに対しまして開発の承認を願つておるのであります。それが大体……この横書の点の二十三年度G・H・Q既申請地点というのがございますが御覽願いますれば大体御了解願えると思います。二十四年度追加申請予定地点というのがその次に書いてあります。二十四年度着工予定地点というふうに、これらのものは今具体的にいろいろ向うと折衝中でありますが、何分にも資金の枠が決まつておりませんので、どの部分がこの中から承認されるかということは、今後の問題に残されておる次第であります。これで終ります。
#4
○委員長(小畑哲夫君) 安本の方からこの問題についてお話がございましたら一つお願いいたします。
#5
○政府委員(田中茂君) 只今電力局長からお話があつた点は、私共の考えております点と同じでございます。安定本部で只今やつております五年計画は、まだ司令部の了承を得たものでもございませんので、最後的なものでもございませんし、尚又最近の九原則に伴い大きな変化もございまするので、果してこの計画通りやつて行けるかどうかについては、いろいろ問題があるわけでございます。ただこの計画を作りました際には、ただ電力だけの見地から作つたのではなくて、石油、石炭、その他薪炭、廣く動力の部面全体を考慮に入れた計画でございまして、その結論として出て來たわけであります。これは常識的にも分りまするように、將來のエネルギー資源の行き方として結局水力電氣に一番ウエートをかけざるを得ない、又かけた方が一番日本の経済再建のために取るべき途であるという根本思想に基いてできた計画でございます。從いまして私共といたしましては、是が非でもこの電力の五年計画は実現さしたいという意味におきまして、只今お話のございました隘路として考えられまする電氣料金の改訂問題、並びに資金調達の問題につきまして、料金問題につきましては物價廳と協議中でございますし、資金の問題につきましては只今お話のありましたように目下関係当局と折衝中でございます。尚又見返資金の問題につきましては、本委員会でもたびたび御審議に相成つたことだと思いますが、できるならば現実に見返資金として融資を受ける前にこの電源開発の仕事は一日も忽せにできないし、又至急に施行する必要もございまするので、何とかして繋ぎの融資でも受けたいという意味でこの点につきましても内外の関係方面と折衝中でございます。要するにこの計画達成のためには全力を盡したいと考えております。
#6
○委員長(小畑哲夫君) 只今の電力五ケ年計画に対して御質疑ございませんか。
#7
○栗山良夫君 ちよつと一点資金関係のことで伺いたいのですが、今玉置局長から設備資金の二百九十億円でありますね。この二百九十億円を見返資金を中心にして賄いたいという工合にお話になつているのですが、この間衆議院で予算委員会のときにも発表になつたのでありますが、二十四年度の生産計画達成のための設備資金としては、電力には四百億を予定しているというようなことが言われたと思いますが、そこに百十億ばかりの違いがあるわけでございますけれども、その点をもう少し御説明頂きたいと思います。
#8
○政府委員(玉置敬三君) 電氣事業で今お話のように四百億と申上げましたのは、大体設備資金として先程御説明しました二百九十億と、それから又この案では経費支弁として考えております百四十億というのを足したものでありまして、それが約四百三十億になるわけでありますが、通称四百億四百億と、こう言つているものであります。從つて四百三十億というものが、電氣料金がどう決まるかというような問題と関連いたしまして相当経費支弁と申上げましたが、要求は変つて來るだろうと思いますが、四百億というのはそういうものであります。
#9
○栗山良夫君 今の予算委員会で説明になつたのは、全体の設備資金の計画が一千六百億円予定されまして、その中で電力に四百億、こういう工合におつしやつた。それで而も運轉資金としては、これとほぼ同額の資金が必要であると考えるという工合に内田財政金融局長が言われておるのであります。
#10
○説明員(吉岡俊男君) お答え申上げます。先程玉置電力局長からお話しましたように最初の要求は設備の増設と改良工事用に二百九十億円と、それから設備の補修復旧用に百四十億円、合計四百三十億円というものを要求しまして、我々の考えておる五ケ年計画はそのように組んであるわけでありますが、それに安定本部の財政金融局の方で資金面全体から考えまして我々の計画を四百億に壓縮しまして、設備の拡張及び改良用に二百七十五億円、設備の補修復旧用に百二十五億円、合計四百億円、このように査定されたわけであります。これが先程から申されました設備資金計画のトータルでございます。
#11
○栗山良夫君 それからもう一点伺いたいのですが、私過日の予算委員会でも特に強く御質問いたしましたのは、四月の繋ぎ資金が非常に困つている。こういうお話であり、而も仕事に非常に支障を來している。約四十億円くらいが四月中に何とかならなければ非常に問題になるということを申上げたのでありますが、今朝の新聞を見ますと、電氣事業への四月の繋ぎ資金は二十六億円に一應決めたというようなことが載つておりましたが、その点の眞相或いはそういうものがどこの資料によつて決定されたのか、その点を伺いたいと思います。そして而も実際にそういうものが四月中に出るのか出ないのか、その点を伺いたいと思います。
#12
○説明員(吉岡俊男君) この繋ぎ資金としましては、電氣事業に第一四半期としてどうしても費消しなければならない経費、即ち現在工事しております発電所とか送電線とかそういうものを継続して行なら。それから又今まで、先程申しましたように補修改良費として昨年から料金に六十七億円、借入金によるものが約五十八億円、そういう方針でずつとやつて來ております。それをこの際打切るわけに行かないから、料金に入つておらない借入金によつてやる分の第一四半期に直ぐ出さなければならないし、或いは又電氣事業というものはずつと続いて運轉しているわけでございますが、そういうためにはどうしても一部改良工事とか或いは又改善工事とかをどうしても継続してやらなければならん仕事があるわけでございます。そういうような是非とも続けてやらなければならん仕事に要る経費としまして、大体我々は三十七億円ばかりのものが第一四半期にどうしても要る。このように考えまして、これを繋ぎ資金として一應要求したわけでございますが、併しこれは第一四半期全体に要する資金でございまして、繋ぎ資金としては、それでは何ケ月間を見るか、一ケ月見るか二ケ月見るか、この繋ぎの期間によつて繋ぎ資金として要る金額が変つて來るわけであります。そこでまあ一應一ケ月半乃至二ケ月くらいの繋ぎを何とかしてやつて貰いたいということで組んでおるのが、一應の予定がこれは決定したものではございませんので、この数字は確かなものとして申上げられませんが、大体……。
#13
○委員長(小畑哲夫君) 速記を止めて。
   〔速記中止〕
#14
○委員長(小畑哲夫君) 速記を始めて……それでは電氣事業経理の状況について、日発の副総裁が見えておりますので、その方から説明をお聞きすることにいたします。
#15
○説明員(進藤武左衞門君) 当面の問題につきましては、日発で作りました資料をお手許に差上げてございますから、これを御覽願いたいと思いますが、先程電力局長からお話のありましたように、昭和二十三年度の発電力量は、昭和十八年が日本の電氣事業始まつて以來の最高記録でありましたが、それと殆んど同じ計算によりましては少し突破したという最高記録を出しておるわけであります、これは勿論非常に水の状況もよかつたし、又石炭も相当順調に入りました。尚工作物の改修も戰後相当、特に火力を中心として傷めつけられておつたのでありますが、これも過去三ケ年にほぼ予定通り改修が進捗いたしました。こういうふうないろいろの点が相俟ちまして、昭和二十三年度におきましては、昭和十八年度の最高記録とほぼ同じ、或いは少し超過しておるのではないかというくらいになつておるのでございますが、併しそうして水力発電所の稼動率、つまり利用率は九〇%をやや超しておるというふうな状況になつておりますが、併しこれはただ発電力の面から見ただけのことでございまして、さて工作物の現在の状況はどうかと申しますと、この表にもありますように、発送電の水力発電所を経営しておりますのは大体総数三百八十八ケ所、四百ケ所近くあります。火力も四十数ケ所ございますが、両方ともすでに建設以來二十年以上経過したものがその半分ございます。水力は四割四、五分、火力は五割五分というふうに半分ございまして、この古い発電所を維持して行くことが今後相当重要な問題になつて來るわけでございますが、併し先程來料金の方でたびたび説明のありましたように、現在の料金におきましては、この設備の補修をやるだけの資金の調達が非常にむずかしいという状態になつておるわけであります。これは後で又料金のところで申上げたいと思います。いずれにいたしましても、昨年はほぼ改修工事が予定通り進捗し、今申上げたような状況で発電力を非常に殖えて参つておる、併し発電力は殖えて参つておりますが、これが果して有効に使われておるかどうかという点になりますと、これは電力行政として強くお考え願いたいのでありますが、電氣の方の発電力量は、大体昭和五―七年の基準年に比べまして二〇〇%、約倍になつております。併し日本の鉱工業生産は大体五割、或いは七割、いいので約九割程度というふうなことでありますから、高の発電力を主として消費方面へ使われておるというような氣が非常にいたすのであります。勿論電力損失も戰爭前の工事用の需要を主とした時代と、今の家庭用を主とした時代と相当違いまして、電力損失も大分戰爭てより殖えております。これをできるだけ減らすことが今後電力事業の合理化で進んで行く途でありますが、いずれにいたしましても、電氣と鉱工業生産との何と申しますか、上り方がマツチしておらないという点で、我々としましては、折角起した電氣はできるだけ國の生産に役立つように、経済復興に役立つような強い電力政策を是非採つて頂きたい、こう考えております。一例を申しますと、一昨年以來電氣が熱源に相当使われておりますので、できるだけこれを外の、例えば薪でありますとか、炭でありますとか、その他に切換えたいという、いわゆる総合燃料対策を我々が提唱いたしまして二、三年いろいろ政府の方でもお手配になつておるのでありますが、昭和二十三年度の状況を見ますというと、御承知のように、薪も全國に相当溢れております。或いは炭團も生産の半分くらいしか賣れない、無煙炭も賣れないというふうなことで、外の燃料は相当溢れておるのに、電力はやはり依然として電熱その他に使われております。これは先程も熱源の料金の比較がありましたように、電氣が安いこと、それから取扱が非常に便利であるというふうなことで、今の價格政策を以てしましては、やはり幾ら薪を生産し、或いは炭團を生産いたしましても、電熱器の方に流れ込んでしまうというような、現実的に二十三年度は実績を示しておるのでありまして、どうか一つこういう点をお考え下さつて、電氣を起したらこれが生産に是非役に立つような処置を取つて頂きたい、こう考えております。
 それから電源開発につきましては、先程電力局長からお話がありましたように、すでに本年は経済復興五ケ年計画の第一年度でありますからして、又政府から準備命令が昨年の暮に出ておりますので、全國三十数ケ所を出願をいたしまして建設の手配をいたしております。併し資金の面が全然見通しがつきません、これは從來発電業の建設は、その資金を殆んど復金に仰いでおつたわけであります。本年は我々といたしましては復金だけでなく、自分の資金を調達しようということで料金を適正化して頂いて増收を計画いたしておつたのでありますが、料金は四月は上らないというふうなことになりましたので、増資の問題もなかなか簡單にやるというふうな決心が実はつきかねておつたわけであります。それから復金の方で拜借できないので、いろいろ貿易の特別勘定等も我々も伺つておりますので、こういうものの見返りとしまして一時金の拜借ができないだろうかというふうな点で、実は三月頃からこの資金の問題につきまして、非常に苦心をし、各方面にお願いをしておるのでありますが、現在全然見通しがついておりません。そこでさつき栗山さんからお話のありましたように、四月以降は新設工事を全部止めてしまいまして、そうして継続工事、すでに昨年の渇水期を……今年の君方期に間に合うように工事をやつて清算中のもの、つまり工事ができて支拂わなければならんもの、こういうどうしても必要な金を見ますというと、第一四半期、即ち四月から六月までに日本発送電で約二十七億円、それから配電会社で十三億円ばかりございます。これだけは是非一つ繋ぎ資金として貿易勘定がはつきりするまで拜借願いたいということをいろいろお願いしておるのでありますが、さつき新聞のお話が出まして、若し決定すれば非常に明るい話でありますが、我々といたしましてはまだはつきり見通しがついておらないのであります。そこで料金は上りませんが増資をして、これを見返りに是非金を貸して頂きたいということを今各金融方面にお願いをしておるのでありますが、これも実は増資の拂込金は復金の返済金に充てるという情報が一部ありますから、この点につきましてもまだ金融筋でもはつきりした御返事が頂けないような状況でございます。今まで長期資金は借換え借換えでやつておつたのでありますが、一方では融資は全然止められてしまうということでもう一方では借りる途がないという状態でありまして、現在殆んどこの金融問題に対しては我々はお先眞つ暗というのが現状であります。
 尚申上げたいのは渇水期に対して発電力を確保いたすためには、豊水期に発電所を停止いたしまして、十分にこれを回復修理し、手入れを加えて渇水期に備えるのでありますが、これをやりますのに今のようなことでありますと、修繕費さえなかなか手に入りかねるということで、実は我々非常に今焦せつておるわけであります。どうか貿易資金がはつきりするかせんか分りませんが、こういうものが若しはつきりすることになるという見通しがつきますれば、これを土台としてでも繋ぎ資金を一刻でも早く拜借いたしまして、そうしてこの改修をやり、できるならば新らしい工事に着手いたしたい。こういうふうに考えております。尚運轉資金に対しましては、これはもう赤字融資は絶対に相成らんということでありますからして、我々経営の合理化その他で調達しなければならんのでありますが、併し先程からお話のありましたように、今の電氣料金では、なかなか運轉資金の調達さえむずかしいのでありますが、例えば火力発電に使う石炭は、先程局長からお話のありましたように、本年は四百六十五万トン頂くことになつております。これを土台として、安本では電力の配分をおやりになつております。併し実際、料金へ計上されておりますのは三千三百円であります。石炭は三百六十万トンであります。石炭だけ見ましても、これはとても今の料金でやれないことははつきりしております。それから人件費は、今の料金に織り込んでありますのは五千三百四十八円の一割引きであります。今度我々が電産協定によつて拂えるのは大体七千百円、これは基準代が今入りますが、こういうふうで、今の料金ではとても間に合わない。この二つだけでも本年に石炭費で約五十億円、人件費で約五十億円の赤字が出ております。これに償却その他を入れますと、なかなか容易ならん問題になるのであります。そこでどうしてここを凌ぐかというと、結局経営の自主を要請されますというと、我々はできるだけの石炭しか焚けないということになるわけでありますが、これに対しましては、公共事業を我々経営いたしておるのでありますからして、需要に應じて必要だけ電氣を送るというのが、事業の建前でありますが、今火力を焚くと会社がつぶれてしまう、焚かないと國の復興ができないという非常なジレンマに、実は陷つておるような現状でございます。こういう点につきましては、我々としては、勿論企業の合理化は徹底的にやらなければならん。これははつきりいたしておりますが、適正なる料金に上げることが、結局公共事業の義務を果し得る基本であるというふうに考えておりますので、この点につきましては物價廳その他でも非常に今御檢討願つておるのでありますが、一刻も早く適正なる料金にして頂きたいということを痛切に感ずるわけであります。こういうふうに建設にいたしましても、運轉にいたしましても、現在の電氣事業は資金の面から非常な難関に陷つておるわけであります。これが数ケ月分の状態で行きますというと、電氣事業だけでなく、関連産業に大きな影響が飛んで参ると思います。でありますから、どうか一つ貿易資金の勘定額を早く決めて頂く、それまでは繋ぎ資金を是非出して頂く。それから電氣料金は、できるだけ早く適正化して頂く。発電力につきましては、去年は非常なる豊水もありましたが、併し改修工事はほぼ予定通り進捗いたしておりますので、石炭が入りますというと、今までの、去年の或いは一昨年のような、去年の前半、一昨年のような、電力不足の御迷惑は決して掛けないつもりでありますが、併し今のような状況でありまして、修繕がなかなか思うように行かない。石炭の方でも、石炭は割当てられても金がないからして拂えないというような苦境に陷るような心配もありますので、どうかこういう点を御檢討下さいまして、早く我々の希望を叶えさして頂きたい。かようにお願いしたいと思います。
#16
○委員長(小畑哲夫君) 料金問題はいずれ後でいろいろお話があると思いますが、未收未拂の問題と、負債の償還の金額と申しますか、見通しについてお話願いましようか。
#17
○説明員(進藤武左衞門君) 負債は電氣事業で六十億ぐらいあると思います。その中で毎月々々締切によつて多い少いはありますが、大体六十億ありますが、そのうちの一番大きいのは配炭公團に対する日発の石炭であります。これが約三十七億ぐらいあります。併しその月分を引きますというと、十八、九億はどうしても拂わなければならん。これは政府から嚴重な御命令がありまして、我々も手配いたしておるのでありますが、日発から申しますというと、配電会社の未收は大体三月末で三十三億円あります。これも配電会社も苦しい状態でありますから早くできんのでありますが、石炭の炭代の面に対しましては、実は我々の方としましても、こういうふうな支拂方法を取るという案を作つて、今電力局長の方に持つて行く手配をいたしております。何とかして拂いたいと思います。併し今のような状況で全部を掃除することはむずかしいというので、実は困つております。
#18
○玉置吉之丞君 発送電の総裁にお尋ねするのですが、増資ということを御計画になつておるようでありますが、発送電の会社として増資のでき得る見込がありましようか。資本増加をやる……。
#19
○説明員(進藤武左衞門君) 増資につきましては、実は料金がはつきりしてからと思いますが、今申上げたように、金はなかなかはつきりした見返資金がないと拜借できません。増資をしたいと思いまして、大体今週ぐらいには早く増資をしたいということで、今手配を進めつつあります。今はつきり確定しておりませんが、そういうことで今金融筋と話をしております。準備中であります。
#20
○栗山良夫君 いろいろなことをお聽きしたいことがありますが、一番重点は資金の問題でありますが、この間安本の方からは繋ぎ資金、或いは二十四年度の資金計画に対しましては、大藏省、日本銀行方面と極力折衝をして工事に支障のないように努めたい。こういうことをおつしやつたわけでありますが、これについて先ず第一点伺いたいのは、只今の繋ぎ資金枯渇の状態において、土建業者或いはメーカー関係にどれ程の影響が具体的に及んでおるか。その点を伺いたいと思うのですが、これは電氣事業全体としての今お話を先程から頂いたわけでございますね。
#21
○説明員(進藤武左衞門君) 実は配電会社の方のはつきりした資料はないので、実は私今日は大きな金額しか持つておりませんので、その点は配電会社のことになると、どうなるかということはちよつと分りません。発送電といたしまして工事がすでにできておる。つまり去年の改修、今年の多の渇水対策として工事が大体できておつて、製作へ金を拂わなければならんものが、請負業者に約十一億円ございます。
#22
○委員長(小畑哲夫君) 栗山委員の御質疑に対して、それでは関東配電の福田調査部長が見えております。お願いいたします。
#23
○栗山良夫君 私のお伺いしたいのは、電力復興のために安定本部の格別の努力によつて、いろいろな資材を、割当を受けておるにも拘わらず、それが資金枯渇のために、或いはそれの繰越しとか、或いは注文停止だとか、取消しだとか、そういうことをしなければならないような状態になつているのかいないのか、そういうようなところを願いたいのであります。
#24
○説明員(福田勝治君) お答えいたします。余り数字的に細かい数字は持つておりませんが、今の栗山さんのお話に對しまして、現在配電会社におきましても、資金難で非常に困つておりまして、新規の注文等につきましては、現在手控えなければならん状態であります。又新規の建設工事につきましても、現在は手控えておるという状態であります。これは関東配電だけでなくて、各配電会社ともさような状態にあると思います。從いましてこの繋ぎ資金につきましては日本発送電と同樣に配電会社においても非常な繋ぎ資金がいるということについては是非御了解願いたいと思う次第であります。
#25
○栗山良夫君 私後で政府の方へはいろいろ伺いますが、先ず最初に電氣事業の経営者の團体と言いますか、経営者團と言いますか、これがまああるわけでありますが、今のお話承つておると非常に危惧に感ずることは、この九原則が実施せられて、而も余り黒字になつていない電氣事業が持つておる使命は経済復興の基本原則を担当しておるわけでありまして、非常に重要である。そうして而も資金の面にしても、資材の面にしてもどうしてもこのスランプの状態を切抜けて行かなければならないという重要な時期に際会しておるわけでありますが、そのときに私共がどうも國会から見ておつて了解し得ない点が一点あるわけなんです。それは今の福田さんのお話、或いは進藤さんのお話を伺つても主腦者團、電氣事業全体としての大きな見込というものが具体的に述べられないという点は、事業者團の内部がこの問題を眞劍に取上げておられるかどうかという点に対する私は疑問の点があるわけなんです。それは進藤さんなり福田さんなりはそれぞれの事業について熱心におやりになつておることは当然だと思うのです。事業者團としてそういう動きがあるかどうかという点についての疑念がある。例えて申しますと、繋ぎ資金の問題でも私共が國会で非常に心配いたしまして、何とかして貰わなければならんというので各方面へ発言をしておつたわけであります。又商工省あたりもそういうような強い意見をお持ちのようでありましたが、一番困つておられる電氣事業者から固つた御意見が強く金融筋なり、或いは政府なり國会なりへ逆に來ていなかつたという点が私は非常にこの時間的なズレを生じた元じやないかと私は思うのです。そういう点について具体的にどういうような努力をされたのか、或いはどうしてそういうことができなかつたのか、それを私は端的に今日お尋ねいたしたいと思うのであります。よく主腦者團も非常に忙しい、電産が横着で暴れて電産の方が相手でとても手がないということが過去言われておつたのでありますが、電産との問題は三月末で一應全部きりがつきました、これは事務的な処理をやればいい段階になつておるのでありまして、少くとも日發外九配電会社の社長等は四月になれば手がすいた筈であります。そうして手がすいた途端にこの重大な電力復興の基本にも触れるような経済の切替の時期に際会いたしまして、このときこそ私は経営者團体が全力を挙げて経営責任を果すべきときであると思うのでありますが、四月になりますと途端に主腦者團の最高責任者の方々はそれぞれの任地へお歸りになりまして東京は殆んど留守になつておると私は見るのであります。この一番大事なときにそういう努力が、主腦者團として傾注されなかつたということは私は観念的に申上げておるのではないのでありまして、國会で少くとも電氣事業のことを心から心配をしてなんとかしなければならんという努力をしておる、その瞬間瞬間にそのことを非常に痛切に体驗した一人であります。この点について私の質問に答えて頂きたいと思うのであります。
#26
○説明員(進藤武左衞門君) 只今栗山さんから非常に深刻な御注意がございまして、成程経営者会議という名前で各方面へ運動したというようなことはございませんが、併しこれは各社共一番大きな問題であります。で我々としましては各工事を全部洗つて、そうして工事毎に順位を付けまして、その詳しい表は大藏省それから日本銀行それから電力局へ提出いたしまして、尚日銀の方へも総裁、副総裁にも何回もお目にかかり、興銀の総裁にもお目にかかり、又市中の銀行の方が日銀へお集まりになりました際にこちらから行つて現在の実情を御説明いたしまして、そうして繋ぎ資金のことにつきましては、いろいろお願いし尚日産協、経團連におきましてもこの問題を大きな取上げられまして、経團連の会長は確か関係筋までお話を持つて行かれたのじやないかと思いますが、我々も商工会議所から関係方面に参りましてこの繋ぎ資金のことを申上げたのであります。経営者團の名前として書類の形式では出しておりませんが、この問題は三月の初め頃からというよりも、もつといいますと去年の暮に商工省から電源開発の準備命令が出たときに、資金の問題については少くとも綜合計画としての見通しがつきませんので、長期資金、建設資金の調達につきましては実は去年暮から各方面にお願いしておつたのでありますが、四月の中頃復金融資がすつかり止つてしまつたのでありますが、その問題が分つたので三月の上旬頃から我々はこの金融の問題について飛び歩いたということを御了承願いたいのであります。併し今御話の点は我々十分反省しなくちやならんと思つております。
#27
○委員長(小畑哲夫君) 商工大臣が四時から用事があるということですが、質疑の途中でありますけれども、大臣に対して何か電力問題で御質疑がございましたらこの際やつて頂きたいと思います。
#28
○栗山良夫君 先程の繋ぎ資金の二十六億、私今日新聞に出たのをはつきり持つてなくて非常に不勉強でありますが、確かに私は今朝読んでびつくりしたわけでありますが、これについて安本の長官はお見えになりませんけれども、中川政務次官がお見えになつておりますので、中川政務次官、それから稻垣商工大臣のところで本当にそういう事実があるのか或いはそうなればそれは緊急に決定して実現するのか、その辺のところを伺いたいのであります。
#29
○國務大臣(稻垣平太郎君) 今の二十六億というお話は私はまだ承知いたしておりません。何億という金額等は私は一向承知いたしておりませんが、併しながら或いはこの炭鉱の関連産業への融資問題に関連しまして、電力方面へ繋ぎ資金を流す、そういう問題が或いは取上げられることはあり得るかと思うのであります。これは私は金額その他についてははつきり今ちよつとここで申上げるわけに行かないのでありますが、実はこの間中からこの商工委員会で炭鉱の関連産業に関するいろいろお話のありましたのに関連いたしまして、兎に角炭鉱関連産業は非常に困つておる、何らか手当をしなければならんというので、こういうので一昨日からいろいろ大藏省当局とも話し合つてる点もございますので、或いはそういう面からの問題が何かの形で新聞に或いは載つたのじやないかこう推察するだけのことであります。それから何回も先程からお答えがあつたようでありますが、栗山委員が御心配になつておつた点、併しこの電氣の方の業者の方といたしましては資金、殊に開発の資金等については私は就任以來もしばしばこの陳情を受けておる点を申添えて置きます。
#30
○栗山良夫君 そうすると、私重ねて商工大臣と中川政務次官に御質問するわけでありますが、過日土曜日の私の予算委員会における質問に対して資金関係につき強く要望しました。結論として日銀、大藏省、安本と今交渉を進めておるので成るべく早い機會に實現をしたいということをおつしやつたわけでありますが、そちらの石炭との関連は別としましても、実際にこの電力事業の繋ぎ資金を迅速に具體化しなければならん時期に入つて來ておるわけであります。今も皆さんからそういうことをおつしやつたわけであります。これについてその見通しを一つ、若し必要でありまするならば、速記を停止せられて結構でありますが、率直にお述べを願いたいと思います。
#31
○政府委員(中川以良君) 栗山委員の御指摘の点でございまするが、これは政府といたしましても、只今各産業共に繋ぎ資金に対しまして非常に困難を極めておりまする実情につきましては殊の外苦慮をいたしておる次第であります。特に本年は御承知の通り、復金の機能が全く停止をいたし、更に從來政府が日銀引受けで、公債或いは復金債等のものを賄つておつた。更に不足の部門は通貨の増発というような形でやつておつた。こういうものが全部停止をせられておりまする関係上、從來のような資金計画が実行できないような状態になつております。併し電氣の事業に対しましては、只今予想いたしておりまするところの千六百億の設備資金の中から、約四百億をこれに私共といたしましては大體考えで割振りをいたしております次第でございます。ところがこれらにつきましても、今直ちに融資ができないような状態にございまして、殊に本年度復金に代るべき機能を持ちますところの対日援助見返資金の運用につきましては、今以てまだ確定的に行つておりません。そこで政府といたしましては、関係方面とも折衝いたしまして、この資金の、只今繋ぎで極めて必要なる時期に、何とかして貰わなければ、産業自体も非常に傷められるという点も強調いたしまして折衝いたしておりまするが、ただ何か見返りがなければこの資金が出ないような現実の状態でございまして、只今考えられておりますことは、將來出まするところの対日援助資金、この見返資金を見返りといたしまして、或る程度の繋ぎ資金を出して貰いたいというような点等を強調いたしております。この点はまだ今日ここで然らばどういうふうになつておるか、又いつ頃からこれが出るか、この金額がどのくらいかという点ははつきりお答を申上げるまでの段階には達していない次第であります。本日新聞で何か出たそうでございまするが、これは決して私共の承知しておらない、公式のものではなく、何か新聞において傳え聞いたところを出してものではないかというふうに存ぜられる次第でございます。
#32
○栗山良夫君 そういうことになりますと、今玉置局長或いは吉岡課長から述べられた電力の五ケ年計画というものも、もう二十四年度で以て着工しなければならん状態にあるのにこれが棚上げになつてしまう。例えば今日も四國の電力復興会議の方々が大勢四國の電力を心配して開発のために上京してこの室に入つておられますが、そういう方々も非常に失望されると思うのです。これも何とか電力の、石炭以上に重点的な位置を認めて、緊急に措置をして貰わなければならんと思うのでありますが、特にこの繋ぎ資金の問題は、千七百五十億の見返りの黒字の問題とか、そういう問題を離れて考えられると思うのですが、これは私この間もくれぐれ申上げたのです。復興金融金庫が機能を失えば、日本銀行始め市中銀行の手に移る。市中銀行の手に移れば営利金融機関なんだからして、電氣事業のような赤字を出しておる事業には、恐らく野放しでは一銭の金も融資できない、從つて政府として、この電氣事業にもつと資金をやろうというお氣持があるならば、早く信用統制の途を開いて、そうして市中銀行から、まあ形はどういう形でもよろしいけれども、資金の融資のできるような措置を、強力な、措置をとつて頂かなければその途は開けないということを私は申上げたのであります。今政務次官なり商工大臣からおつしやつたことは、ただゼネラルなフオームとしておつしやつているわけでありまして、電氣事業の占めている重要性だとか、或いはこれを緊急にしなければならんとか、そういう緊迫感の下では少し當らないと思うのですが、その辺をもう少し碎いてお願いしたいと思います。
#33
○國務大臣(稻垣平太郎君) 栗山さんから、ただあり來りの一般の答弁のようだというお話でありましたが、これは主務官廳といたしまして繋ぎ資金、これは電氣の問題ばかりでなく、その他の問題においても非常な緊要なこの繋ぎ資本を出さなければ産業全体の問題に係るような場面が多いのでございます。殊に電氣の問題は石炭よりも何よりも或る意味からいえば非常に重大であり、將來の問題を考えます場合に、繋ぎ資金の非常な緊要さについては重々承知いたしておるのであります。それにつきましても商工当局といたしましては、安本なり、或いは大藏当局とこれが緊急対策についていろいろ話はやつておるのでありまして、等閑に附しているわけではないのであります。ただ金額がどう、或いはどういう方法でと、こういうようなことはまだ申上げられる時間に至つていないことを甚だ遺憾と存じます。
#34
○委員長(小畑哲夫君) 如何でしよう。商工大臣のおられる間に料金の問題にも触れて見たいと思うのですが、他の委員の方、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#35
○委員長(小畑哲夫君) それでは九原則下における電氣料金のあり方というような題目の下に電力局長から何か初めお願いします。
#36
○説明員(豊島嘉造君) 電氣料金の問題につきましてはまだ物價廳を通じまして関係方面と折衝中でございます。併し私共の希望しております電氣料金が、どういう大きな意味を持つているかということを御説明申上げて御了解願いたいと思うのでありますが、先程電氣協会からも説明がありましたように、現在の電氣事業のいわゆる供給力の増強という点から、先ず一つ問題を取上げて考えますれば、先程百四十億というような数字を申上げましたが、私共はこの増強の内容を考えますれば、経費支弁で行くのが最も妥当な行き方ではないかというふうに考えまして、現在六十七億のものがその中に織込まれているのでありますが、更に七十億前後のものをこれに織込みたいという点が非常にきつく要望しておる点であります。それからもう一つの点は、先程いろいろ御質問がございましたように、電氣事業が將來増強をして、公共事業としての使命を果して行くためには、現在の資金状況その他を勘案いたしますれば、自己調達による面も相当考えなければいかんのであります。この点に鑑みますれば、どうしても電氣事業が適正なる配当ができ得るということが非常に重要なる意義を持つていることと考えまして、この配当復活といいますか、原價計算上におきましても配当を考慮するという点を一つ考えているのでございます。これは金額的には僅かな金額に過ぎないと思いますが、それによつて賄い得るものが非常に大きな額に達し、又極めて重大な意味を持つておることを御了解願いたいと思います。それから供給力増強に関連いたしまして、次には、いわゆる石炭の増加に伴う電氣料金の引上げであります。これは昨年度は三百六十五万トンということになつて電氣料金に織込まれておるのでありますが、本年度は先程御説明いたしましたような出力を出すためには、どうしても四百六十五万トンというものを計画いたしておるのでありまして、この間約百万トンの増額を要求せざるを得ないいうことになつているのであります。
 次には先般來、昨年殆んどを通じましてでき下りました電産協定に基きまして、いわゆる適正なる電氣事業における工賃の問題でありまして、これも現在電氣事業の非常に苦しい状況から考えますれば、合理的に現在織込まれた價格を是正して頂くという点を持つておるのであります。その他一般の経費増等がございますが、先程申上げました約三点によりまして、電氣事業の経営の原價計算上殆んど八〇%から九〇%がその三項目で占めることになるわけでありますが、これらが大きな問題でありまして、現在の電氣事業の收支状況から勘案いたしまして、又公共事業として大いに伸び伸びと發達して頂くためにも、電氣料金の改訂は私共といたしますれば極めて強く要望しておる点でありまするが、これらの問題につきましては尚物價廳その他におきましてもG・H・Qとも折衝中でありますので、引續き努力を傾倒いたしたいと考えております、というのが現況であります。
#37
○委員長(小畑哲夫君) 尚日発の進藤さんから料金について先程お話を承わりましたが、この際尚この点についてお話がございましたらどうぞ……。
#38
○説明員(進藤武左衞門君) 電氣料金につきましては、経営者側といろいろ檢討をいたしまして、大体二倍とちよつと値上げして頂きたいという要請を政府に大分前に出した。これを二倍にして頂きましてもその影響があちこち響くと困まりますから、その影響について現在檢討いたしておりまして、さつき電氣協會の田中さんから御説明のありましたように、この民生安定の方面におきましても、或いは各産業の生産の方面におきましても、電氣を合理的に使つて頂ければ大体吸收できるんじやないか、生産の方面においてもそれはまあ二、三の産業は別といたしましても、大体合理化して頂ければ吸收できるのじやないか、今各産業とも非常に原單位が上つておりますから、これをできるだけ正常化して頂ければ吸收できるじやないかということで、二倍くらい是非上げて頂きたいということを我々は要望しておる。そうしませんと、まあ一番根本は固定資産が我々の事業としては一番大きなものを言うのでありますが、今の固定資産、安い時期に建設したものを現在建設しますと五万円から七万円ぐらいかかりますが、こういうふうなものの再生産をどこでやるかという問題が大きな問題として残つております。この点を是非一つ、さつき言つたように疲れた工作物を正常に維持して行くという点から行きましても、それからもう一つは、自己資本を調達して事業を経営して行くという面から行きましても、今申上げた二倍くらいは是非上げて頂きたい。その影響は、これも電氣を合理的にお使い下されば、大体各産業で吸收できはせんか。それから日常生活、家庭生活におきましては、光熱費が全生活費の恐らく一%から二、三%、そのうち電氣の方の占める量は、まだそれより少いということで、この程度でやつて頂いて停電を防ぎたい、こういう考えを持つております。
 それからもう一つ、先程栗山さんからお話になりましたように、現在は全國均一料金制でありますが、この制度がいいか悪いかという問題に対しまして、根本的に檢討が必要じやなかろうか、先程ちよつと例を引きましたが、電氣料金が安いために他の燃料を生産してもどんどん電氣の方に流れて來るというようなことで、電氣が濫費され勝ちであるというようなことでありますので、今度各需用別の電氣料金制に對しましても、電力不足の現在十分再檢討の余地があるというふうに考えております。
#39
○委員長(小畑哲夫君) 尚安本の副長官、元の物價廳におられた野田かんが今見えたのですが、その方から……。
#40
○玉置吉之丞君 商工大臣がよそに行くそうですから……この電力の料金というものはこれは事情を伺うとどうしても引上げなければならんと私共も常識的に考えられるのでありますが、かようなものの料金の引下げということについて、十分産業の面、又一般大衆の生活の面にも大きい影響があることと思いますから、かような値段を決める、價格を決めるということに当つては、ただ経営者側、それから或いは官廳側が一方的に経営者の声を聞いてやるというのでなくして、これはもつと民主的に消費者というか、需用者側の意見を取入れて、十分な檢討を加えなければならんと思うのであります。而してこれが競爭的にやらしておる事業ならよろしいが、殆んど統一されて、日本に一つの發送電、九つの配電会社というように区域的に分けたものでありますから、こういうものの料金の決め方というものが、若しその当を誤まつたときには大変な問題に私はなると思います。十分私は商工省におかれて、殊に大臣においてはこれを決めるというときには愼重な態度を以て、需用者その他の各界のこれに対するエキスパートの人達の意見を取入れるような價格形成審議会でも聞いてこれを決めて頂く。今日までの價格の面におきましては、いろいろな或る者はそこに損すれば或る者は得しておるというようなばらばらのものになつておつて、幾多の問題の起る原因は價格形式の型が誤まつて來たというところから起つて來たと思うのであります。差当つて電力の問題というものは非常に大きな問題であつて、このままに放置すれば、この公共企業体であるところの電力の問題が、若し一歩誤まつてそれが消極的な方に向いて行くというようなことになつたら大変なことになることは今更申上げるまでもないことでありますが、この價格なり料金の決め方ということにつきましては、余程愼重な態度を取つて当つて頂きたい、こう思いますが、その点についての大臣のお考えを伺つておきたいと思います。
#41
○國務大臣(稻垣平太郎君) 今の玉置委員のお話誠に御尤もだと思うのであります。殊に電氣料金の價格の形成が、いわゆる原價がどうであるかという問題の上に又いろいろな要素も考えられるのじやないかと思います。これは御尤もであります。それから又價格の要素の上におきましても、補修、殊に維持ということに対して、一体料金をどうするか、こういつた問題も、他の関係から深く、大きくなつて來ると思います。こういつた價格の形成の面、又仮に價格の形或がありました場合には、お説のようにこれは第一次、或いは第二次で消化できる、産業の面においてよく消化できると思うのでありますが、同時に又電氣料金が民主にも関係がある。こういう点がありますので、この價格の問題については、その点も勘案して十分考慮する必要があるという点については全く御同感であります。ただ、物價廳においては、この点は主として我々の意見も取入れまして形成いたしております。ただ、今御提案のこれは一体價格形式審議会を作つてこれをやるがいいかどうかという問題につきましては、これは電氣の問題ばかりでなく基礎資材についてはそういつた面を取上げるということも一つの案だと思つております。これはかねがね申上げていろいろお話合いもしておつたようなところもあるのでありまして、こういう点についても十分考慮いたしたいと存じております。只今はそういつたことでなしに、主として物價廳が我々の方と相談してやつております。今の御意見のような考え方を十分に考慮に入れてやつて行きたいと思います。
#42
○栗山良夫君 私料金問題で、この間いろいろ細かいことはもうすでに予算委員会で質問いたしましたので、その外の問題で三点ばかり伺いたいと思いますが、一つは電氣事業は、もう時期的に冬は赤字が出て夏黒字が出る……。
#43
○委員長(小畑哲夫君) 大臣にですか。
#44
○栗山良夫君 安本の長官はお見えになりませんか。
#45
○委員長(小畑哲夫君) まだ見えません。
#46
○栗山良夫君 商工大臣に、これは基本的な考え方なんで伺つて置きたいと思いますが、もうちよつとだけ……。電氣事業は今申上げたように冬いわゆる下期に赤字になりまして、上期に黒字を出す、こういうのが常識になつておるわけであります。ところがたまたま今年は下期に黒字が出ておるのであります。そうしてこれが電氣料金の合理化をやらなくてもいいという非常に大きな現實になつておるようでありますが、そうしますと下期に赤字の出るべきものが黒字になつたというので、その黒字で今度当然今のままで行けば上期にも出るべき赤字が予想される、その赤字を下期に偶然出た黒字で補填するということになりますが、そうしますとワンサイクルズレて來るのであります。その場合にやはり二十四年度の下期にはこれは余程天候が惠まれない限りは当然赤字だと思うのであります。そうするとこの赤字をどうして埋めるか、これは非常に大きな問題だと私は思います。これを若し考えて置きませんと、近く料金更改をやるということを言われておりますけれども、そこまで見込んでおやりになるのか、見込むとすれば今年の下期に又再び電氣事業の料金の問題について非常に大きな暗礁に乘り上げると思いますが、その辺の見通しを承りたいと思います。
#47
○國務大臣(稻垣平太郎君) これは栗山さんは玄人でいらつしやるから、そういう点について今お話を承つたわけでありますが、この点については年間を通じてやはり考えなければいけないのじやないかというふうに私は考えております。又商工省の電力局の方といたしましても、常に電力料金を考えます場合に、或いはそれに関連して工賃のことを考えます場合におきましては、常に年間を通じてというつもりで、ということを申上げて置きます。
#48
○栗山良夫君 そうしますと中川政務次官にお伺いいたしますが、今商工大臣は年間を通じてとおつしやつた、これはやはり基本的な態度と思いますが、その年間を通じてやるべきものが、今年に限つて臨時的に年間通算の考え方は放棄せられた、現実に放棄された、そういう場合にここに一つの一期間のズレが來たわけでありますが、これをどう始末するかということが問題になるわけであります。稻垣商工大臣のおつしやつたことはその通りだと思います。それをどういう工合にやるのか、これは安本の大きな責任であろうかとも思いますが、その点を伺いたいとい思ます。
#49
○政府委員(中川以良君) 電氣料金の件につきましては、只今栗山委員の御質疑のごとく、昨年から本年にかけましてのこの冬は非常に暖かくて降雨量にも惠まれ、予期以上に発電ができて惠まれた次第でございまして、かような状態が今後とも続こうというようなことは私共考えておらないのでございます。そこにおきまして今後の電氣料金につきましては先般も申上げましたごとく、是非とも合理的にこれが改訂をいたすべく、只今関係方面とも誠意を持ちまして極力折衝をいたしておる次第でございます。この点はすでに本日も電力局長からお話もあつたかと存じますので、重複いたしますので申述べませんが、すべての点につきまして電氣事業は自立経営ができるということを終極の目的といたしまして、いろいろの点を勘案いたしまして只今これが作業を進めておる次第でございます。而して只今お話のあつたような若しも赤字がそれまでに出た際にはどうするかというお話がございましたが、万が一電氣料金の改訂が延びまして、その期間止むを得ない正当なるところの不可抗力の赤字がございまするときにおきましては、これはその後に組みますところの電氣料金の中の原價に織込んで行きたいというふうに私は考えておる次第でございます。
#50
○栗山良夫君 電氣更改が遅れるという意味でなくて、今直ちに行われても私の申上げた現象は当然起きるのです。私はそう思います。若し私の考えが間違いであるということをどなたか御指摘であるならば、承わりたいと思いますが、私はそう自信を持つております。その場合にですね。もう現実にそういうことがはつきりいたしておりますので、今年の冬に赤字が出たら次の電氣更改を待とうと、こうおつしやるのですが、電氣更改ですらいつやられるのか分らん状態であるから、その次の料金と來たらこれは全く雲の上の話であつて問題にならない。而もそういうことが終戰後何回となく繰返されて來て、現実の電氣事業はこの難航状態に入つて來た、こういうことはすでに御承知だと思います。從いまして過去の何回か繰返したところのミスを再び繰返すような対策というものは余りにも私は策がなさ過ぎると思うのであります。
#51
○委員長(小畑哲夫君) ちよつと速記を止めて。
   〔速記中止〕
#52
○委員長(小畑哲夫君) 速記を始めて。
#53
○栗山良夫君 それは関係筋からそういう言質が得てあるわけですか、そうですか……了解いたしました。併し了解しましたが私が今申上げました、そういう非常にもうはつきり予測のつく暗礁がある。今年の冬に向つてあるということを一つお認め願いたい。それは昨年の六月の原價計算の状況が現在ちつとも変らなければ私はそういうことは申上げません。併し現実にこの間も申上げましたように百何億というものが出ておる、計算に上るものが出ておるから申上げる。私は電氣料金の値上げということはおかしいので、値上でなくて不合理だからそれを是正するという意味で了解しておるのでありますが、これは進藤さんがお見えになるその前で申上げるのはおかしいと思うのですが、おかしいというか、失礼に当りますが、電氣事業がこういう工合にうまく行かない原因は、先程もちよつと御指摘になりましたように、十会社がどうもうまく足並みが揃わない、そうして揃わない原因は、電氣收入のプール計算がありまして、これが癌であるということを指摘をされ、各会社の責任者の方々もこれを端的に認めておられます。そうしてこれあるが故に、電氣事業はちつとも力のある経営責任の遂行が行われないということも向われておるのでありますが、私は今度の料金の合理化の場合に、需用家の庭先渡の値段は、これは勿論安本でお決めになることであり、國民生活に非常に影響を及ぼすのでありますから、玉置委員のおつしやつた通り、この善処が要望されるべきかと思いますが、少くとも十会社のプール計算による経営意欲を阻害するような問題は、日発の卸売料金の操作において少くとも企業の再編成が今俄かに行われ難い、結論は得難いという現状におきましては、これを断行しなければいけないのじやないか。日發の卸売料金を均一にして、そうしてやつて見るというような点も始末が悪くて困つた、どうしてもうまく行かないと言つて思案投首でおるのが策ではないのでありまして、どうしてもこれがうまく行かないという衆人の結論が付きましたときには、轉換方策としての次の手を電氣行政上考えるべきである。こういうことは考えられますが、この点に対する安本の基本方針を承りたいと思います。どういうお考えを持つておいでになるか。
#54
○政府委員(中川以良君) 只今御指摘の点は私共も同感でございまして、將來電氣料金の在り方というものは、原則的に是非その企業の自立経営ができるところに持つて行かなければならんと存じます。かようなことに相成りますると、結局各地区ごとに獨立採算制を取るような事態に向うのではなかろうかと考えるのであります。ただ今日今直ちにこれを実行するにおきましては、各関連産業並びに國民生活上に影響するところが極めて大きいのでございますので、この点は漸次この線に副つて行くべきではないかと考えるのであります。但しこの間におきましても、是非とも各企業ごとに、経營の自立化、企業努力を懸命にやつて頂きまして、早くかような合理的電氣料金ができまするような段階に向わせたいと考える次第でございます。
#55
○委員長(小畑哲夫君) 物價廳長官が見えましたので、電氣料金の問題についても御質問願います。
#56
○栗山良夫君 中川政務次官のおつしやることは、その通りなんですが、その通りなるが故に、私は質問を出しておるわけなんで、そういう工合だから困る。ですからここで一般國民生活に余り強い影響を与えない、産業界に強い影響を与えないという方法で、而も電氣事業の再編成も俄かに結論が出ないというこの客観的な情勢の中において、少くとも今までの一番大きな弊害を切る最もいい方法は、そういうところにあるのではないか、こういうことを私申上げたのに対しまして、政務次官も大体御賛同を得たようでありますが、どうもまだはつきりしませんが、御賛同を得たようでありますが、そうするならばいいけれども、できない、できないというので、まあこの間中私の質問に対しての答弁は全部そうであります。殆んど全部そうでありますが、それではさつぱり経済復興にも産業復興にも役立たないのでありまして、いいことの一つぐらいは勇氣を持つて断行せられるべきだと私は思うのであります。それでそういう点から申しましても、今の問題は一番キイポイントに属する問題であろうと存じますので、もう少しこれは長年安本でももうすでに御研究済みのことだと私は考えるのですが、もう少し突込んだ態度の御表明を私は願いたい、こういう工合に考えております。
#57
○説明員(藤田勇君) 発送電の卸売料金は、御承知の通り電燈料金及び五十キロワツト未滿の電力につきましては、全國のどの配電会社にも一律の料金を以て売つております。併しながら大口料金につきましては、大口の卸売料金につきましては、大体九配電會社全部別々の料金を取つております。これは日本発送電會社の地域差料金を採用いたしました結果、かようになつておりますが、今後改める方針といたしまして、物價廳で今大体考えております方針は、電燈及び小口料金と同様な方法で行く。換言いたしますならば、小売料金がどう決るか分りませんが、決つたその線に副つてマツチした料金を作る、例えば現在大口料金はA・B・C地区別の料金になつております。これに相應してA・B・C地区に対する卸売料金の三つに今後は切換えたい。そうしますと、日本発送電会社と配電会社間におけるところのプール制といつたようなものが解消して行くのじやないか。殘される問題は同一の、例えばこのB地区におきまして、同一の卸売料金で受取つた配電会社が、電氣料金が異るというのは今度は配電経費だけの相異となる。その点はもう一回各産業に及ばす影響、それから考え直して或る程度の操作を必要とするのじやないか、かように思います。そこで日本発送電会社の卸売料金は小売料金にマツチした料金を以て行く。例えば電燈、電力すべてが全部均一であるならば、日本発送電会社の卸売料金は均一制を採る。それから電燈、小口が現在の通り一律に將來行くのであるならば、それに対する卸売りは均一になる。大口料金が三段階に分れるならば、卸売料金も三段階に分つ、こういう方針が一番明快ではないか、さように考えております。
#58
○栗山良夫君 その点は分りました。結局卸売料金を今のようなプール計算式のものではなくて、段階を設けるか、設けないかは別として、均一化して行くということですか。
#59
○説明員(藤田勇君) そうです。
#60
○栗山良夫君 第三の点として、伺いたいのは、自家用発電の動力、自家用動員費ですが、この問題でちよつと伺いたいのでありますが、大体自家用の火力発電というのは、私の承知している限りでは、低能率、低容量の欠くべからざる発電所が多いのでございます。日本の火力設備は全部で約三百万キロワツト近いものがありまして、その中に稼働し得るものは百五十万キロに復旧して來たわけでございまして、從いまして低能率、低容量の発電所を多額の資金と石炭を使つてもう焚くべき段階ではないと私は考えます。この点について商工省或いは安定本部はどういう工合にお考えになつておりますか、これが第一点であります。若し焚くとするならば、石炭山の火力発電所を焚くために、電氣が全部負担しておるようでありますが、電氣事業だけが負担すると、トン當り炭價四百四、五十円になるということを聞いております。ところが石炭全體に含めてしまえばそれが十分の一、大体五十圓くらいになるということを聞いておりますが、これは電氣経済にも非常に大きな影響を与える問題でありますから、石炭全体にこれは均霑して負担をさして行くべきではないかと私は考える。この点に対する御所見を伺いたいと思います。
#61
○政府委員(玉置敬三君) 只今の御質問の第一点の方を申上げたいと思います。御承知のように炭鉱の自家発電所は極めて……能率的に考えますればいい能率のものは少いと思うのであります。併し性格的にいいますと、これは保安電力のようなものであり、又電氣事業会社から見れば、配線その他においては遠距離その他のものも相当あると思います。要は保安電力というものが非常に中心になつておりますので、こういう電力需要が極めて緊迫しておるときに、保安電力はいろいろ障害も起るということも非常に危險でもあります。又片や非常に現在需給が逼迫しておりまして、少しでも自家発電を石炭と言わず、各産業におきまして、自家発電を、当該産業におきまして発電をして頂くということが緊要なことと考えておるのでありまして、又炭鉱の自家発電は、その中でも石炭の生産即消費というような極めて便利なところにもありますので、そういう輸送関係を見ましても、極めてそこで發電をして頂くことが現在便利であるというあらゆる面から、私共としましては、大きな電力需給調整という面からすると、又個々的にその保安電力が主になつておるというような点、又石炭の燃料というような点から見れば、極めて便利なものがあるというようないろいろな総合的な観点から、石炭におきまして発電をされることを期待をしておる次第であります。あとの点の問題につきますると、いろいろ物價廳の方からお答えがあると思います。
#62
○政府委員(中川以良君) 炭鉱の自家用の動員費は從來これを電力料金の原價の中に入れておつたのでございますが、これに対しましては只今御指摘がございましたごとく、將來は是非ともこれを合理的に改訂をいたします意味におきまして、かようなものを原價の中に加算をいたすということは取止めたい方針でございます。併しながらこの結果相当影響するところも大きいのでございまして、只今この点につきましても関係方面と折衝いたしておりまする次第でありますから、さように一つ御了承頂きたいと思います。
#63
○栗山良夫君 折衝されておるということは今の私の申上げた……ちよつと私聞き洩らした点があるのですが、具体的に石炭價格に対しては、石炭價格の方で負担をするような工合にやつて行く、こういう意味でございますか。
#64
○政府委員(中川以良君) そういう意味でございます。自己の負担においてやる、そういう意味でございます。
#65
○栗山良夫君 私は料金関係に対する質問は大体これで終りたいと思います。……今日もいろいろ質問をいたしまして、私の考えておりますることとそう大して隔りのない御回答を得たわけでありまするが、ただはつきりしないことは、実施の期限がどれもこれもちつとも判断がつかんということでありますので、安本長官に重ねて私希望をし、且つ御所見を承つておきたいと思うのですが、まあ私のような経済の素人の者が申上げるのもおかしいわけでありますけれども、とにかくここ一月、二月の間というものは、日本の経済の再組織の上から言つても、平時の一年、二年に相當する、非常に私は重要な時機だと思うのであります。そういうことで、重要な時期なればこそ最も重要な施策が勇敢に行われなきやならないときに、理論的には是認された方策がちつとも表面化して具体化されて來ない。特に政府の最高責任者の方方にお聞きしても、さつぱり海のものとも山のものとも見通しがつかんというような状態では、これは少くとも経済再建、産業再建に熱意を持つてやろうとしておる事業者なり、勞働者なり或いは企業主なりに対しては、責任のない方法であり、又迷惑至極な方法であると思うのでありますが、もう少しいろいろな問題を時間的な要素を明らかにせられて、一つ近い機会に発表願いたいと私は切望して止まないのであります。この点に対する御所見を承わりたいのであります。
#66
○委員長(小畑哲夫君) 尚先程日発の方からでしたか、減價償却のお話がございましたね。料金の値上げと、やはりその償却というものは大分關係が深いですね。その点いわゆる固定資産の評價替というような問題も関連するのじやないかと思うのですが、それから設備の稼働率に電力関係がフルに廻つておる他の産業においてはまあ何パーセントになつておるか、そうした時にこの料金というものと、今から合理化ということが、操業度を高めるということができない関係上、ここに料金との關係があるかと思うのですが、そういうような点に対して政府側から何かお話を承りたいと思いますが……。
#67
○説明員(藤田勇君) それでは今委員長のおつしやいました点を物價廳の方針を申上げます。
 資産の再評價による減價償却を見てくれ、こういう業者の意向でございますが、現在の物價、價格の決定方式におきましては、これは認められておりません。仮にこれを認められるといたしますと、大体現在の電氣料金の減價償却の再評價を認めただけで大体八割程度上るのじやないか、かように考えます。從つてそれだけ又設備も、資金その他について非常に不如意の状態にあるということは逆な方面から申上げられます。併し價格改訂の方針としてそういつたものが現在認められていないということを申上げます。
 それからもう一つは稼働率が非常によろしい、こういつたものについて特定な考慮が拂われないかというようなことでございますが、これにつきましては電氣事業が御承知の通り極めて優秀な稼働をいてしております關係上、物價廳といたしましても、敢えて八分程度の配当を今回の來るべき料金更改については認めたい、こういたしますと御承知の通り自己資本及び増資も大体倍額程度できるのではないか。五十億程度の増資ができるのではないか。増資ができますと又引続いて社債の発行も或る程度可能になる。尚同時に金融面のやり繰りも相當樂になるのではないか、かように考えますので、併し関係筋ではなかなか配當については堅い決意を持つておりますのでどうなるか分りませんが、物價廳といたしましてはすでに再三司令部に出しておる料金の改訂試案におきましても八分配当を織込んでやつておるのであります。大体そういう方針でおります。
#68
○委員長(小畑哲夫君) では本日はこれにて散会いたします。
   午後四時四十一分散会
 出席者は左の通り
   委員長     小畑 哲夫君
   理事
           島   清君
           玉置吉之丞君
           栗山 良夫君
   委員
           重宗 雄三君
           廣瀬與兵衞君
           境野 清雄君
           中川 以良君
           駒井 藤平君
           阿竹齋次郎君
  國務大臣
   商 工 大 臣 稻垣平太郎君
  政府委員
   商工事務官
   (電力局長)  玉置 敬三君
   経済安定本部政
   務次官     中川 以良君
   総理廳事務官
   (経済安定本部
   動力局長)   増岡 尚士君
   総理廳事務官
   (経済安定本部
   動力局次長)  田中  茂君
  説明員
   商工事務官
   (電力局副長) 豊島 嘉造君
   総理廳事務官
   (経済安定本部
   動力局電力課
   長)      吉岡 俊男君
   総理廳事務官
   (物價廳第一部
   勤務)     藤田  勇君
   日本発送電副総
   裁      進藤武左衞門君
   関東配電調査部
   長       福田 勝治君
ソース: 国立国会図書館
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