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1949/05/13 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 商工委員会 第15号
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1949/05/13 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 商工委員会 第15号

#1
第005回国会 商工委員会 第15号
昭和二十四年五月十三日(金曜日)
   午後三時十九分開会
  ―――――――――――――
   本日の会議に付した事件
○鉱山保安法案(内閣提出、衆議院送
 付)
○配炭公団法の一部を改正する法律案
 (内閣送付)
○地方自治法第百五十六條第四項の規
 定に基き、大阪工業試驗所四國支所
 並びに電氣試驗所新潟支所及び金沢
 支所設置に関し國会の承認を求める
 の件(内閣送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(小畑哲夫君) 只今から商工委員会を開きます。鉱山保安法案、これを議題にいたします。衆議院を通過しまして、本審査になるわけでありまして、この法案の通過を非常に急いでおられます理由について、政府委員の方から発言を求めます。
#3
○政府委員(曾根文二君) この鉱山保安法案は、もつと早く本國会に提出する予定でございましたところ、関係方面の審査に意外に手間取りまして、そのために漸く今期末に近くなりまして、参議院の方に廻つて参つたようなことに相成つたわけでございますが、そのような立案当初の豫定としまして、もつと早く提出できるつもりでおりましたために、監督機関の関係につきまして、予算の方の建前におきまして、五月十五日までの予算を計上して貰つておるわけであります。それで新らしい機構が認められますれば、五月の下旬、下半期におきましては、この法律案に基きます新らしい監督機関に切換えられる、こういう建前を取つて予算案の編成をいたして、予算につきましては先般御審査を願い採決を得たわけでございます。そのようなわけでございまして、非常に遅くなりまして甚だ、恐縮なことではございますが、でき得ますならばこの監督機関の面の切替りを、その間のギヤツプがないようにいたしたいと存じまして、下半期から監督機関が発足できるように是非お願いしたい、そういうような意味合で御審議をお願いしたい、こういうふうに考えている次第でございます。尚現在の監督機構としましては、中央におきましては鉱山総務局の中に鉱山保安部というものを置きまして、石炭、金属、その他全部の鉱山保安を総括することといたし、石炭関係につきましては、地方四地区に石炭局がございまして、その各石炭局に保安部を置き、その他の鉱山の保安につきましては全國八十地区に商工局がございますが、その各局の鉱山部に保安課というものを置いて、鉱山保安の監督に任じております。
#4
○委員長(小畑哲夫君) 只今政府委員から、本法案を十五日までに成るべく通過するように審議してほしいという理由の説明がございましたが、通商産業省が発足するのが二十日でございまして、そのときになつてすべての監督といいますか、行政機構が一時に行われるという意味からならば、或いは二十日までに通ればいいのじやないかと思いますが、その点もう少し分るように御説明願いたいと思います。
#5
○政府委員(曾根文二君) 最初は先程も申しましたように、この保安法の施行はもつと早く國会に上程いたしまして、でき得ますれば二十四年度匆々に発足したいという心組みで立案準備一切を済ませまして、関係方面に提出いたしたような次第でございます。ところが四十二日かかりまして予定より非常に遅れたために、最初のときはそういうような関係で、この保安法による監督機構はできれば四月中旬程度には遅くとも発足したい、通産省の方はそのときの見込といたしまして、いくら急いでも五月二十日でなければ間に合わないというような關係で、一方又この鉱山保安の重要性からいたしまして、各山々の現地の実情につきましても、とにかく一刻も早く戰時中の荒廃したあとを受けておる鉱山における保安態勢をできるだけ急速に、新らしい法律により又新らしい機構によつて万全なものに切替えたい、こういうような趣旨におきまして保安関係の監督機構はでき得れば四月早々、通産省の方とは歩調を合せないで一月でも一月半でも早くしたい、こういうような心組でその間にギヤツプを置かれたようなことになつております。
#6
○委員長(小畑哲夫君) 質疑を続行いたします。鉱山保安法案全部に互りまして御質疑のある方はどうぞお始め下さい。
#7
○栗山良夫君 私四点ばかり質問をいたしたいのでありますが、先ずこの前に鉱山保安法案関係の参考資料として、山本專門調査員が各界の意見を一応お取調になつたものと、これは又別箇に政府の方で各界の意見を御説明を願つたのでありますが、その間でまだ漏れておりまする点が若干ありますので、その点を伺いたいと思います。
 先ず第一点は、鉱山の保安という問題を、生産の前提條件とするか、或いは保安という問題は生産の手段に過ぎないか、こういう二つの関係があるわけでありますが、政府の原案によりますと、鉱山保安局は商工省の内部に置かれることになつておるので、結局鉱山の鉱物の生産を所管する省と、その保安を司る省とが同じ長官の下に置かれるということになるわけでありますが、私共が從來経驗して参りましたところでは、こういうような形になりますとどうしても生産の方が優先いたしまして、保安が等閑がちにせられて來ると思うのであります。本当にこの法案の示しておりまする通りに、鉱山保安を優先的に第一義的に考えまするならば、この生産と保安というものは同等の立場に置きまして、そうして劃然と区別をし、行政庁もそういう工合にするべきであると思うのであります。併しそういう考え方からいたしまするならば、当然保安の問題は労働省所管、生産の問題は商工省所管ということに相成らなければならんのでありますが、昨年十二月の閣議で原案のように決定をいたしておるわけであります。私共はこの辺から、この運用について一歩誤りますと、生産のために保安というものがその下に隱されまして、そうしてこの法の本來の目的が抂げられるのではないかということを非常に心配するわけであります。このことは衆議院においても論議の中心になつておつたのでありまして、私は商工省当局の覚悟の程を伺いたいと思うのであります。特にこの問題は労働省の方の御意見も伺わなければ意を盡さないと思うのであります。衆議院におけるいろいろな討議の実情などを参酌されまして、時間がありませんので簡潔で結構でありますが、はつきりした商工省の御意見を伺いたいと思ひます。
#8
○政府委員(曾根文二君) この保安行政の所管の問題は、この法案の根本問題として非常に重要な問題だと思いますので、若干所管決定の事由につきまして詳しく申上げたいと思います。それによりましてなぜ商工省が一元的に保安行政を所管しなければならんかということも方承知願えると思いますし、又御質問の趣旨もそれによりましてはつきりいたすと思います。元來この鉱山の保安行政というものは由來が非常に古くございまして、明治二十三年九月に鉱業條例の制定せられました時に、それの施行に当りまして、鉱業警察という項目で鉱山の保安が実施されることに相成つたわけでございます。それから明治三十八年に現在の鉱業法が制定されまして、そこでも鉱警察の條項は引続がれまして、更に鉱業警察規則として施行されることになり、爾來四十数年を通じて今日に至つておるわけでございます。その間最近の戰爭における戰爭中の荒廃を來しますまで、大戰爭になりますまでというものは、從來からずつて一貫した鉱業警察の規則によりまして、大過なく鉱山の保安の行政が実施されて來たわけでございます。ところで鉱業法におきましては、七十一條といたしまして、「鉱業ニ関スル左ノ警察事務ハ命令ノ定ムル所ニ依リ主務大臣及鉱山監督局長之ヲ行フ」ということといたしまして、第一番目に「建設物及工作物ノ保安」、二番目に「生命及衞生ノ保護」、三番目に「危害ノ予防其ノ他公益ノ保護」、この三つのものを保安として規定しております。ところが昭和二十二年四月に労働基準法が制定公布に相成りまして、労働者の保護というものは、全面的にこの新らしい立法である労働基準法によるべきものという趣旨の下に、今の七十一條のうちの第二項が削除となりました。それでこの新らしい法律の制定の趣旨に從いまして、二十二年十月に勞働安全衞生規則というものが公布になつたわけでございますが、その四百五十一條におきまして、「この命令は、鉱業及び砂鉱業における安全については、当分の間、これを適用しない。」ということに相成つたのでございます。ここで実体的に敷衍して申上げますと、結局從前の鉱業警察の規定で差当りは概ねよろしいということで、この適用除外が設けられたわけでございまして、併し新らしい基準法の制定趣旨を体して、基準法とそれから從前の七十一條の一項と三項との項に、鉱山の保安というものが殘つておりますので、その母法である鉱業法と、両方の法律を母体とした商工、労働両省令による鉱山保安規則というものを、一応準備することになつたわけでございます。ところがそれが実際に準備にかかつて見ますと、次に述べますような事由によりまして、暗礁に乘上げて進行しなくなつた。結局そういうことができなくなつたわけでございます。それで又元へ返つて所管問題が蒸返されるということになつたのでありますが、なぜ分けられないかということにつきまして具体的に若干述べたいと思います。大体鉱山におけるその生産の仕事というものと保安の仕事というものが、これは譬えて申上げますと、生産と保安という車の両輪というようなものではなくて、紙の両面、つまり楯の両面と申しますか、一体のものを二つの角度から見たような形のものでございまして、或る一方から見ればその実体の作業はすべて生産でありますが、又別の角度から見ればこれが全部保安ということに相成つておるのでございます。具体的に例えて申しますと、出炭計画を立てるために切羽の選定をし、切羽を計画して採鉱、採掘計画を立てるに当りましても、その切羽を立てるのには、結局切羽を立てるということは、何トンの石炭を出すということになりますが、又その何トンの石炭を出すというためにはどれだけのガスの発生量があり、そこにどれだけの人間を作業させるかというようなことで、これは全く保安の計画になるわけでございます。それから又坑道掘進その他すべての問題が、以上のような関係で、生産から見たものは又一面全部保安計画であるというようなことで、具体的に保安とは分けられない。
 次の大きな理由としましては、鉱山の保安というものが結局生命の危害を防止するという建前だけでなくて、先程申しましたように、第一項第三号の鉱山自体を保全するという大きな目的がありますし、公益を保護し、鉱害を防止するという又大きな目的を持つておりまして、この三者をどうしても一体として取扱わなければ、鉱山の保安の完璧は期せられない。その生命の安全という見地だけから鉱山の保安というものを抽き出すことができない、こういうような点が第二の重要なポイントでございます。
 それから又欧米諸外國の実例を見ましても、アメリカにおきましても内務省鉱山局におきまして鉱山の生産関係、保安関係を一元的に所掌しております。それからイギリスにおきましては、燃料省がやはり保安を所管しておりますし、ソ連におきましても石炭省が保安を所管して、それぞれ労働省におきましては所掌しておらないのでございます。そのような事例をも参酌いたしまして、先の理由に基いて鉱山の保安は、どうしても生産を所管する商工省でなければ一元的に円滑なる運営ができないという結論に達しまして、商工省に所管されることに相成つたわけでございます。
#9
○栗山良夫君 簡單に一つお願いいたします。速記が非常に時間がないそうですから、続いて所管の商工省でなければうまく行かないという点、今のお説が正しいと、こうしましても実際の運用の面に当ると、非常にこう入り混んでおるわけですが、例えて申しますと第二條の第三項だと、事業場は採鉱場及び選鉱場と製鉄所が、保安の所管に対しては商工省と労働省に分割されておる。或いは第三條の第二項によりますと、坑内でも衞生事業は労働省、「衞生に関する通氣及び災害等における救護」というような問題は商工省の所管になつておる。それから肺の予防措置は商工省、予防のためのマスクは労働省の所管になつておる。それから第三十一條によりますと、製鉄所についても鉱害の防止については商工省の所管になつておる。こういう工合に非常に入り混んでおつて、鉱業権者も、鉱山の労働者もこういう二重監督を受けるというとは、非常に逃惑至極な話であると思いますが、それ程までに鉱山の保安と生産が密接不可分の関係にあるとしまするならば、思い切つてこういうものも全部商工省の鉱山保安局へ移すというふうにすべきじやないかと思います。そこまで、今あなたの御説が正しいとするならば、やらなければ画龍点睛を欠くと思いますが、如何でございますか。
#10
○政府委員(曾根文二君) 結局その鉱山保安法というものを、特に一般の工場から取出して、別に特別な技術法規で規定しなければならないというのは、先程述べましたような鉱業というものが持つ特殊な性格から結論されたことでございます。從いまして第二條の第三項で適用除外をいたしておりますが、そういうような適用除外をした附属施設につきましては、鉱業の特殊性というものがあつても極めて薄い、或いは完全に鉱業の特別な性格よりも、むしろ別の工場的な性格の方が強いというようなものが、適用除外ということに考えたわけでございまして、それらの附属設備につきましては、他の工場一般に対して適用されておる法律で十分に監督できる。又それを別の法律で適用することが、却つて不公平になるというような趣旨から適用除外をいたしたのでございます。それから鉱害の問題につきましては、これはやはり金属、鉱物の精煉の附属設備というものは独特の鉱害がございますので、これはやはり從來から鉱山保安という概念で取扱つておりました関係上、三十一條におきまして引続いて鉱害問題だけにつきましては、やはりこの法律を適用するということが、むしろ鉱山保安の監督をするために必要であるという趣旨で規定するようにいたしたいと思つております。ただ御質問にありました製鉄所関係というようなものは、この法律には含まないように考えております。製鉄事業の関係につきましては、特別な銅その他の精煉所におけるような、特殊な鉱害というものは考えられず、大体一般工場における同種の問題に発生を予想すれば足るのじやないかと考えております。
#11
○栗山良夫君 今政府原案を御作成になつたところへお聽きしているから、そういう答弁が出るのは勿論ですが、鉱業権者にしても労働者にしても、政府の御都合はそれで非常によろしいでしようけれども、取締りを受ける方は、余り方々からいろいろな取締りを受けるとなかなか煩わしいことであるし、いろいろ弊害も伴うわけなんですが、その点は鉱業権者も労働者も、一体どんなに場所が離れていようと、施設がどうなつていようと一体であり、而も同じ企業体の中でやつておることでありますから、これ程までに法案を一元的に行おうというならば、私は思切つてそこまでやられるべきであるというふうに考えますが、そういつたような総括的な考え方であなたが個別に分析して、これはこうあるべきだ、あれはあああらねばならんという考え方を推進められることも分りますけれども、それよりも全部を総括して鉱業権者、鉱業労働者の立場も考えて、一括してこういうふうにした方がいいというふうにお考えになつたことはないわけですか。
#12
○政府委員(曾根文二君) この鉱業の附属施設の範囲というものにつきましては、やはりその限界の事項につきましては、やはり相当不明確なところが從來ともございましたので、その点はやはり明確にする必要があるのじやないかとは考えておりますが、その問題と、この保安法に規定します附属設備との関係は、やはり先程説明をいたしましたように、飽くまでこの法律は鉱山保安という特種の技術的な法規でございますので、その面の適用ということから考えますと、やはり鉱業の附属設備の中で特別に工場的な色彩の濃厚なもので、而もこれは大体この第三項で規定しました附属施設を具体的に決めます場合には、個々の附属設備を一般的に決めないで、個々の附属設備を極く限定して、特殊なものを決めるという建前を採りたいというのでありますので、御質問のような支障はできるだけ避けるようにいたしたい、そういうふうに考えております。
#13
○栗山良夫君 少しまだ質問のポイントがはつきり伺えませんが、時間がありませんから一應次に移りたいと思います。
 法案によりますと、第五條に「鉱山労働者は、鉱山においては、保安のため必要な事項を守らなければならない。」一種の罰則関係のものがあります。事務励行関係のものがあります。十二條にも同じようにあります。それから十七條には、「省令の規定の実施を確保するためにする指示に從わなければならない。」というようなものが入つております。これも義務を課しておると思うのでありますが、それについて罰則の関係を見てみますと、第五十六條の五号に、第五條に定める事項を守らない者は六ケ月以下の懲役又は三万円以下の罰金を処する、こうありますが、この第五條、十二條、十七條と三つが義務を強要しておる條文がありまして、罰則は第五條だけにしかない。而も第五條の文句は極めて抽象的な文句で、「鉱山労働者は、鉱山においては、保安のため必要な事項を守らなければならない。」という極めて抽象的なものであります。こういう抽象的なもので、六ケ月以下の懲役又は三万円以下の罰金に処せられては困ると思いますけれども、それは別として十二條なり、十七條の義務を果さなかつたときも、当然第五條の抽象的な総括的な表現ですね。これの中に含められるのか含められないのか、そこを明らかにして頂きたい。
#14
○政府委員(曾根文二君) 先ず五條、十二條、十七條、この三つの点と罰則の関係でありますが、そのうち十二條と十七條は、これは調示規定でございまして、直接罰則の適用はございません。直接かかるのは第五條の違反だけでございます。それから五條の事項は三十條で具体的に、具体事項を省令へ讓るという建前を取つておりまして、その省淑ではつきり具体的に決めるという建前を取りたいと思いますが、この五條では、例えば鉱車に乘つてはいけないとか、それから抗内で煙草を、火器を携帶してはいけないとか、或いは係員の現場の点檢、それから火器の檢定というようなものを、それらを固有の義務として規定して励行して貰う、そういう建前を取りたいと思つております。それから十二條、十七條につきましてもこの法律に基く省令に直接違反すれば、罰則の適用はございます。間接的に係りの指示というものが直接罰則には関係しませんが、具体的にやはりその他の各條項を受けて省令で具体的に決めた事項ができましてから、それにこの法律を受けて省令が具体的に決めた事項に違反すれば、その各該当條文について罰則の適用が起るということになつております。十二條、十七條については直接の適用はございません。
#15
○栗山良夫君 十二條では直接罰則適用の対象にはならないと、こうおつしやるんですけれども、その保安規定を見なければ分りませんが、その保安規定が相当國の規定として細かいものが定められるとすれば、これに違反したら恐らく自動的に第五條違反になるのじやないかと思います。
#16
○説明員(荒木忍君) 説明員からお答えいたします。只今政府委員の方から御説明申上げましたように、第五條には罰則がございますが、第十二條、十七條には罰則はございません。それから十二條と十七條と五條との関係は移動中の、動いておる炭車に乘つてはならないということを省令で書くわけでございまして、これは第五條による義務だと存じますが、たまたま係員が移動中の炭車に乘つておる人を見つけて乘つちやいかんという指示をした場合、これは係員の指示としての罰則の適用ではございませんので、第五條の規定による守るべき事項を守らなかつた者ということで、罰則の適用があるということを申上げたことだと思います。それから保安規定の方は、鉱山労働者が守るべき事項というのは、むしろ書いて貰うべきではなかろうかと私共考えております。これは例えば支柱は合理的にしなければならないという工合にしか省令の方では書けませんので、地盤の柔らかい抗内でございましたらば、或いは一メートル置きの支柱を設置しなければならないところもありましようし、若し堅いところでございましたならば、掘りつぱなしでいいというところもございましようが、それをできれば一々各鉱山ごとに省令で書いて行けばよいのでございましようがそういうわけにも参りませんので、從いましてどつちかと申しますと、殆んど鉱業権者を守るべき事項の方が多くなつて参つております。かように考えております。
#17
○栗山良夫君 そうすると保安規定というものは自動的に鉱山労働者に罰則の適用のある工合になるような内容は一応盛らないということでございますか。
#18
○説明員(荒木忍君) 仮に保安規定に、例えば若しも鉱山労働者の関係が出て参りますならば、ガスが二%以上のところでは火器を扱つてはいけませんということを省令に書いてあります場合に、保安規定では、うちの山はどことどこにガスが二%以上あるから、火器を禁止するということになると思いますが、その意味で労働者も守つて行くということになるのであります。
#19
○栗山良夫君 分りました。それから五十四條ですね。五十四條に労働省との関係がありますが「労働大臣は、鉱山における危害の防止に関し、商工大臣に勧告することができる。」第二項は「労働省労働基準局長は、鉱山における危害の防止に関し、鉱山保安局長に勧告することができる。」こう書いてございますが、これの法的拘束力と申しますかね。そういうようなものはどういうものなんでございましようか。私はこれは「勧告」といつたところで、法的な拘束力を持つておるものでないので、大体その鉱山保安を労働省でやるか、あれくらいすつたもんだやられた結果から見て、これは恐らくそれを置かれたからといつて大した効果はない。商工省の方ではなかなかお聞きにならないと思いますが、その辺どういうことになりますか。
#20
○政府委員(曾根文二君) これは併し法律でこういうふうに労働大臣が特に勧告ということを規定いたしますならば、それの勧告というものは商工省としては、十分に尊重しなければならないものであるし、それから又從來の所管の変りました経緯に鑑みましても、これは我々事務当局は勿論、商工省主腦部といたしましては、飽くまで正しい内容の勧告を受くべき内容のものにつきましては、全面的にこれを尊重しまして、できるだけ保安行政の円満な運営に資したいと、そういうふうに考えております。
 で尚具体的な方法といたしましては、両省間の関係官で連絡会議のようなものを設けて、常時定期的に特別な連絡を図るようにしたい、そういうふうに考えております。
#21
○栗山良夫君 法的拘束力はないという問題ですね。
#22
○政府委員(曾根文二君) 勧告の内容は、結局実体的に重要なものであつて尊重すべきものならば、拘束されるということになるじやないかと思います。内容によりまして……。
#23
○栗山良夫君 勧告というのはこうせられたいと言つて來るわけでしようからね。まれではしましようということにあつさりなりますか。
#24
○政府委員(曾根文二君) できるだけその内容によりまして、直ぐにやれるものは直ぐにやりますし、又こちらのいろいろな見解を述べ、説明して納得して貰うような問題もあると思います。
#25
○栗山良夫君 大体勧告の効力の程度は、今の答弁で大体想像がつきますからこのくらいにして、それからもう一点だけお伺いしたいんですが、これはもうすでにどなたかからお話があつたかも知れませんが、重ねてお伺いいたします。保安委員会の委員の選任は、大体半数が鉱業権者になる可能性が非常に大きい、場合によつてはパーセンテージが上るかも知れませんが、そういう場合に鉱山労働者の保安に対する眞実な意見、いわゆる生産追込が優先されて、保安がややもすれば、山元にないがしろにされようとするような空氣が出て來た場合に、これを鉱山保安法の精神に十分立脚して、主張した鉱山労働者の意見を十分に反映させることが、こういうことではできないのではないか、こういう工合に私は思うのでありますが、その点そういう可能性は若干心配があるとお認めになりますか、若しありとすれば、それはどういう工合に防止されようとしておりますか。
#26
○政府委員(曾根文二君) その点保安委員会の性格といたしましては、これは飽くまで保安問題を、労資間の対立を協議する問題として運営して貰うという趣旨ではございませんで、飽くまで保安という問題につきましては、経営者側も、労働者側も一体となつて山の保安確保に協力して当る、その中心になつて動いて貰うのが保安委員会である、そういうふうに考えております。從つてこれは性格といたしましては、技術的の專門委員会で編成して貰うのが好ましいのでありまして、委員の半数の中の労働者の推薦という委員は、実際に鉱山の坑内で第一線の保安の仕事を働いて生産保安をやつておる人になつて貰うのであります。それから後の半数は技術職員、保安の関係の技術職員になつて貰いたい。又そういうふうにしなければ、この保安問題はすべて技術事項でございますので、そういう委員でない人が若し委員に選任されました場合には、実際的にその問題を議し、いい保安対策を生み出して行くということができないのでございます。かような意味におきまして御質問のような懸念はなく、この保安委員会というものは、円滿に保安確保のための中心機関として活用されるようになるものと考えております。
#27
○栗山良夫君 では重ねて質問いたしますが、これは労働省の方でよく御承知のことなんですが、あなたがそういうことをよくお知りになつておるかどうかということを伺いたいと思います。現在の労働法規で労働ボスというものを徹底的に排除しなければいかんということがある。ところが労働ボスが一番暗躍しておるのは鉱山なんですね。そうしてこの鉱山の労働ボスの排除ということは、法案の審議のときは極めて簡單にできるように政府側も答弁があつた、ところがちつともそれがうまくできていない。鉱業権者と労働ボスとの結び付きによつて生産のために、そうして鉱山の利益のためには、相当惡辣なことが行われておる。これは実情にあるわけです。今あなたが御説明になつたように、そう簡單に私は鉱業権者の公正な鉱山保安に対して自信を私は持てないのです。又今の日本の鉱山のいろいろな実情から考えて、今あなたがおつしやつたような工合にそう早急になるとも考えられない。だから少くとも法的措置だけでも、この保安委員の決定事項は、ただ單なる勧告程度ではない、まあ保安協議会も同じようなことですが、そういうことでなくて、もう少し強い権限を与えて、そうすれば山に巣食つておる好ましからん力を一日も早く排除するということに、私は法的措置を行わなければならないと考えるのですが、その点はどうお考えになりますか。
#28
○政府委員(曾根文二君) その点につきましては、私も一年前までは現地の監督官廳におりまして、事実山に非常に惡いボスがおつて、そのために炭鉱の再建が妨げられておる、又非常に山の連中も迷惑しておるということもあつたことはよく存じておりますし、御懸念の点が全然ないとは申上げられないと思いますが、この委員会の運営につきましては、やはり先程申しましたような趣旨で以て行けば、又山の中堅の、本当に山を大切に考える人達が中心になつてうまく動いて行くことができるのじやないかというふうの期待も十分持つております。
#29
○栗山良夫君 後は討論のときに申上げることにいたします。
#30
○委員長(小畑哲夫君) 他に御質疑はございませんか。
#31
○細川嘉六君 この二十條ですね、「鉱業権者が、その鉱山の鉱山労働者の中から選任する。」そうして鉱山労働者の過半数の推薦によつて選んだ者から選任するということになつておりますが、この鉱業権者は保安管理者、副管理者、委員を選ぶ……。
#32
○委員長(小畑哲夫君) よくこちらに聞えませんから、もう少し大きい声でお願いいたします。
#33
○細川嘉六君 選ぶというんでしよう、それで実際鉱山の保安というものは、一番勤労者側が生死を賭してそうして働らいているわけでありますが、それの意向というものは、この選び方で際実鉱業権者のその望むところ、即ち危險に対する措置、これを有効に行なわせるようにすることができるんですか、管理者も選ばれるし、副管理者も選ばれるし、委員も選ばれるわけでしよう、勤労者の意向というものは、実際生命その他に重大関係を持つておるそれが保護されていないと思いますが……。
#34
○政府委員(曾根文二君) 半数を労働者の中から「労働者の過半数の推せんにより選任」するということは、この法案の非常に重要な問題でありますので、これは各山で十分にその山の保安のために考えて貰う立派な労働者の代表者を各山とも推薦をして來るんじやないか、それが鉱業権者としても、それをもうそのまま受けて、手続的に大体委員に選任するというような形になつておりますから、一応の建前としましてはそこに大した問題は起らない、御心配の点はないんじやないかと思います。それで若し但書の点はどうしても推薦がないような場合、と申しますのは特別に極く小さな炭鉱でございまして、労働者も非常に数が少ないというような場合に、そういうような從業員の中から意思表示がありません場合には、適宜鉱業権者が決める、これは極く例外の場合だけを考えて最後の但書は付けておるわけであります。
#35
○細川嘉六君 私の言い方が足りませんでしたが、あなたのさつきの説明で、委員の半数は鉱山の保安係から選ぶというのでありますから、ますます以て鉱山業者の意向というものは多分に支配的になつて來ます。でありまするから勤労者側の危險に対するいろいろの要求というものは非常に薄くなつて來て、実現される機会が薄くなつて來やしないかというんですが、殆んど鉱山業者の意思次第で動くように保安問題を動かされるという危險が多分にあると思うんですが、それで勤労者側が鉱山でいろいろ起る危險に対して安んじて働ける、又保安に対して熱意を持つて行けるというようなものではこれはなかろうと思われるのです。
#36
○委員長(小畑哲夫君) 質疑の要点が少しはつきりしかねますが、何と言いますか、労働者の立場から考えたときに、鉱山保安に対して責任者の責任というものがはつきりしてないと、こうおつしやるのですか。
#37
○細川嘉六君 鉱山業者の意向次第でこの保安というものが左右されて行くということを言うのです。そういうふうにこれはできていないかと言うのです。
#38
○政府委員(曾根文二君) 先程説明いたしましたように、この保安委員会というものは、飽くまで労働者側、経営者側という二つの立場から保安問題を討議して行く委員会であるという意味において、保安という問題につきましては、それぞれ実地経驗、それから技術というものをそれぞれの立場から持寄つて、協力して対策を決めて行くという專門技術委員会というふうな性格に我々考えたいと思つております。そうすればこの保安の最高の責任はどういうふうになるかという究極の問題にかかると思いますが、これはやはり飽くまで鉱山の保安というものは、鉱業権者に全面的に責任は一本に元を固めると、こういう建前をこの法案としてとつておりまするので、勿論その責任につきましては、やはり鉱業権者が最後の責任は持つのだから、そこに帰一させると、こういう建前になつております。
#39
○細川嘉六君 その責任は鉱業権者に帰一する、これは私も問題じやないと思う。その保安が実際に確保されて行くということについての問題なんです。この條文では、鉱業権者の意思通りに行くという危險が多いと思う。更に具体的に言うならば、これは委員というものは、少なくとも三分の二は、選定でなしに、勤労者が直接選んだ者がお互の責任において委員となる。あとの三分の一ですが、これは保安係がなる。そうすると、あなたの言われた保安に対する技術及び知識の融合がうまく行く。そうして又保安について直接の責任を勤労者が持つ、又熱意も持つ、そういうふうになりやせんかと思うのでありますが、それでこの條項に対して不滿なんです。
#40
○政府委員(曾根文二君) 結局半数にするか三分の二にすべきかという問題のように思いますが、これは実際上保安の対策を決めるのには、やはり技術事項が非常に重要なフアクターになりますので、実際の現場の第一線の労働者の委員も半分のウエイト、それから技術対策の面から見た技術者も半分のウエイト、こういう意味で、半数づつというのを、労働者から半数づつ、あとは保安係員から選んで貰うという建前をとつたのであります。
#41
○細川嘉六君 もう私は止めますが、もう一つ、鉱山の再建にために、いろいろ田畑がいたんだり、河川が汚濁して來る、そういうような場合の賠償ですね。それについてはどんな補償がここに規定されているのですか。
#42
○政府委員(曾根文二君) その鉱害補償の問題は、鉱業法の方に詳細に規定してございまして、今度この保安法案の立案におきましても、本法案の方に取入れないで、鉱業法の方に全部残してありますから、そちらの方の條文が適用になることになります。
#43
○平岡市三君 本法案は、予算の関係から成立を非常に急いでおる関係もありますし、大体質疑も終つたように見受けられますから、このくらいにして討論採決に入るの動議を提出いたします。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#44
○玉置吉之丞君 私は只今の平岡君の動議に賛成いたします。
#45
○島清君 私は只今平岡さんからお出しになりました動議に対して反対でございます。今日は大体討論採決はやり得まいというように我々は考えておりましたが、又そういつたような心組であつたかのごとくに私は心得ております。そこで、突如として質疑を打切り討論採決ということになりますると、それは或いは通そうとする方面の多数の御出席があるようでありまするから、これは只今の委員会としてはそれがよいかも知れませんが、併しながら、私達はそういうような予想の下に委員会に臨んでおりまするので、討論採決は明日に持越して頂きたいと、私はこう考えております。
#46
○委員長(小畑哲夫君) ちよつと島委員にお傳えいたしますが、おいでになる前に、政府側から、この法案を十五日までにできるならば一つ審議を終つて欲しいという理由の説明があつたわけなんです。そこで先程平岡委員の方からそういう動議が出たのだと思いますが、賛成者もありましたので、一応平岡委員の動議を質疑打切りという動議にして採決しまして、それから尚島委員の方のは、討返採決は明日にという動議と解釈して、二つの動議にこれを採決したいと思います。それでは質疑打切りの動議が出ましたが、動議に御賛成の方の挙手を願います。
#47
○駒井藤平君 それは委員長が勝手に決めずに、動議提出者から何ともおつしやつておらんでしよう、それをやつて貰わんと……。
#48
○委員長(小畑哲夫君) 動議の発議者、如何でございましようか。
#49
○平岡市三君 結構でございます。
#50
○委員長(小畑哲夫君) それでは改めて一つ動議を御提出願います。
#51
○平岡市三君 大体質疑も終了したかに見受けられますので、この辺で質疑打切りの動議を提出いたします。
#52
○玉置吉之丞君 只今の平岡委員の質疑打切りの動議に賛成いたします。
#53
○委員長(小畑哲夫君) 平岡委員の動議に御賛成の方の挙手を願います。
   〔挙手者多数〕
#54
○委員長(小畑哲夫君) 多数と認めます。
 次に島委員改めて一つ。
#55
○島清君 名委員長、一つ適当に集約して頂きます。
#56
○玉置吉之丞君 二、三分休憩したらどうですか。
#57
○委員長(小畑哲夫君) 休憩の動議が出ましたが……、ちよつと速記を止めて。
   〔速記中止〕
#58
○委員長(小畑哲夫君) 速記を始めて。先程島委員から、質疑は打切りましたが討論採決は明日に延したいという動議が出まして、これに栗山委員から賛成がございました。そこで先程懇談に入りました結果、明日正午前十時からこの討論採決をするということに決定したいと思いますが御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#59
○委員長(小畑哲夫君) さように決定いたします。それでは鉱山保案法の議案につきましてはこの程度にして置きます。
   ―――――・―――――
#60
○委員長(小畑哲夫君) 次は配炭公団法の一部を改正する法律案、これの提案理由の説明を承わることにいたします。
#61
○國務大臣(稻垣平太郎君) 只今議題と相成つております配炭公団法の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨を御説明申上げます。
 配炭公団の組織機構及び業務運営を今後如何に取扱うかという問題に関しましては、かねてからいろいろ議論のあつたところでありまして、本年三月末の配炭公団法の有効期間滿了に当りましても、本委員会において一応の御審議を願つたわけでございまするが、これが根本的改革に関しましては、種々複雜且つ困難な事情があり、当時は未だ政府の具体的方針を決定することができない状況でありましたので、さきの委員会におきましては、現在の経済情勢下において、一挙に公団機構を廃止し、計画配炭の実施、或いは價格及び運賃プールを撤廃することが不可能であるという事情を御了解願いまして、取敢ず六月末日まで暫定的に存続期間を延長することについて御承認を得た次第でございまするが、その後政府といたしましても、極力研究を急ぎまして、この程ようやく成案を得ましたので、ここに改正法案を再び提出いたしまして御審議を願うことにいたした次第でございます。
 政府といたしましては、最近における経済情勢の変化並びに統制の整理及び企業合理化に対する強い要請等に鑑みましても、公団のような本來臨時的性格を持つ独占機構はなるべく早い機会にこれを廃止することが望ましいと考えるのでありまするが、我が國の石炭需給の現段階におきましては、一挙に公団を廃止するというような急激な改革は産業経済並びに國民生活に及ぼす影響が余りにも甚大でありまするので、この度の改正法案におきましては、先ず袢炭公団法の有効期間に更に暫定的に延長すると共に、一方において石炭及びコークスの中で需給の緩和した品種については、これを公団統制の対象より除外し、他方公団統制の対象となる石炭及びコークスについては、民間の販賣業者を復活せしめて、配託業務の能率化を図ることとし、更にこれに関連いたしまして配炭公団の機構及び業務を現状において可能な限り縮少するという方針を採つた次第であります。
 以下その要旨を御説明申上げますと、先ず第一に有効期限の延長という点につきまして田、配炭公団は從來他の配給公団と同様に、存続期間を一年と限定されておりまして、本年三月末が期限となつておつたのでありますが、前回御審議を願う前に、取敢すの措置として六月末まで延長されたのでありまして、この度の改正におきましては、公団の機構及び業務に所要の改革を行なつた上で、更にこれを來年三月末まで延長することといたしたのであります。ただこの度の改正は、從來と比較いたしまして期限の再延長を考慮せず、而も需給状況が改善されたときには、來年三月末以前においても、経済安定本部総務長官の命令によつて解散せしめるものといたしている点が異つているのであります。
 次に第二点といたしましては、配炭公団は、從來石炭及びコークスの全部を一手で買取販賣いたして來たのでありますが、増産の順垣な進捗と、金融逼迫等の情勢による需要の延び惱みのため、最近における石炭の需給状況は著しく改善せられて参つたのであります。勿論上級炭につきましては、尚相当逼迫しておりまするが、特殊品種、又は下級炭につきましては、需給は概ね平衡に達しまして、特に或る種のものについては、需要面における特殊事情のため、相当大量の公団手持貯炭が賣れ残つておりまして、公団の経理に影響を及ぼすような事態に相成つて参りましたのであります。そこで今回無煙炭、煽石、徹粉炭四千カロリー以下の低品炭、半成コークス、灰分三〇%以上の低品位コークスにつきましては、これを公団取扱品目より除外し、差当り、フリー・クーポン万式による統制に移行することにいたしたいと考えたのであります。これらの公団取扱除外品目の中で低品位炭以外のものにつきましては、この改正法律が公布される際、即ち概ね、五月の下旬になると思いますが、直ちに實施に移したいと考えておりまするが、低品位炭につきましては、他の品種と相当事情が異つておりまして、その生産量は毎月三十万トン程度でありまするので、このような低品位炭を生産する多数の業者にとつては價格及び資金面において相当の圧迫が予想されるのみならず、又その需要者も各業種に亘り非常な多数に上つておりますので、販賣機構の整備、その他諸般の準備態勢を整えた上で、公団取扱より除外することが適当と考えられるのでありまして、この低品位炭に関してのみ、七月一日からこれを実施することといたしたのであります。
 第三点といたしましては、配炭公団は從來最終需要者までの、いわゆる消費者までの配給業務を全部直営して來たのでありますが、この度の改正によりまして、需要者に対する配給業務は御賣業者及び小賣業者を設けてこれに任せることといたしたのであります。即ち海上輸送のものにつきましては沖着、鉄道直通輸送のものにつきましては、着駅貨車乗渡しで御賣業者に賣渡し、更に最終需要者ほの配給は小賣業者をして取扱わせる予定であります。この卸賣業者及び小賣業者に対しましては、上級炭については、尚当分の間相当詳細な配級指示を要する必要がありますので、臨時物柏需給調整法に基く現行石炭等賣渡規則を改正して販賣業者の許可制を布く予定にいたしております。但し何分にも日本石炭、府縣石炭等の統制会社を設立して、販賣業者を消滅せしめてから、すでに十年近くなつておりますため、今日は販賣業者を全く新らしく創設することとなりまするので、販賣業者の免許資格、取扱手数料、業務方法の決定等につきましては、尚研究を要する点が少くないのであります。
 第四点といたしまして、配給公団は以上商述べましたような販賣業者の設定に伴いまして、その業務を極力整理縮少して参ることになるのでありまして、民間の販賣機構が整備されて全面的に活動を開始いたします際には、輸出及び特需向を除き、原則として需要者に対する直賣を止めることといたしたのであります。配炭公団の地方機構は積出を担当する支団と、配給を担当する配炭局とに大別されるのでありますが、只今申上げましたような業務の縮少に伴いまして、配炭局の機構が原則として廃止されることになるのであります。これに伴う整理人員は現行定員一万二千名余の中、五、六千名程度となる見通しでありますが、現に公団の担当しております統計その他の附帶業務の処置と関連いたしますので、この点につきまして田、更に研究を重ねたいと思つておる次第であります。販賣業者の設定につきましては、でき得る限り準備を急ぐことといたしておりますが、今のところ七月又は八月頃となることが予想される次第であります。
 修上が配給公団法の一部改正に関する法律案の提案理由並びにその要旨であります。何とぞ御審議の上速かに御承認あらんことをお願いする次第であります。
#62
○委員長(小畑哲夫君) 速記を止めて……。
   〔速記中止〕
#63
○委員長(小畑哲夫君) 速記を始めて下さい。
 引続き本日付託になつております地方自治法第百五十六條第四項の規定に基く大阪工業試驗所、四國支所並びに電氣試驗所新潟支所、及び金沢支所設置に関し國会の承認を求めるの件、予備審査のための議案、これの提案理由の説明をお聽きして置きます。
#64
○政府委員(小林英三君) 只今議題となりました「大阪工業試驗所四國支所並びに電氣試驗所新潟支所及び金沢支所設置に関し國会の承認を求める件。」の提案理由を御説明申上げます。
 本件は地方自治法第百五十六條第四項の規定によりまして國会の承認を必要とするのであります。
 大阪工業試驗所四國支所の設置につきましては、四國に於ける工業は全國生産量に対しまして、塩化バリウムは第一位、硫化曹達は六割、苦汁工業は五割、石灰工業は三割、製紙は三割を占め其の他化学工業及び窯業等夫々全國屈指の地位にあり乍ら、四國は政治経済、産業、交通及び文化等の点からみまして從來稍々もすれば近畿、中國の從属的地位に置かれ、資源は相当豊富であり産業振興の余地多大であるにも拘はらず、未だ開発されないものが多いのであります。特に四國として將來特異牲を発揮せしめ重点を置くべきは、海水化学、耐火物、紙及びパルプ工業等でありまして、これらの工業の消長は只に四國の産業振興を左右するばかりでなく、我が國全体に取りましても重要な影響を與えます関係上今後技術の高度化を図るため強力なる試驗研究機関を必要とするのであります。四國四縣には現在縣立の工業試驗場がありましてそれぞれ地方的の研究に從事して居りますが、これを総合し指導していきます上にも四國に國立の総合試驗所を必要とする状態であります。尚以上申し述べました理由によりまして終戰以來四國の各縣知事及び四國民間工業諸団体等官民の輿論として一致した熱心なる国立試驗所説置の要望がありまして、四國四縣知事会議の決定として香川縣工業試驗所の施設を國に寄贈するから國立の試驗所を設置して慾しいとの要望を香川縣知事より総司令部に出頭懇請している次第であります。そこで政府としましては昭和二十三年度予算に計上しまして、大阪工業試驗所四國支所設置の準備をとりすすめ、二十四年度予算におきましては四百二十六万五千円が計上され、今回開設の準備を完了した次第であります。
 次に電氣試驗所新潟支所及び金沢支所の設置につきまして申し上げます。
 電氣試驗所の行う電氣計器の檢定件数は昭和二十三年度百三十万個、二十四年度百八十万個、二十五年度二百三十万個、二十六年度二百五十万個と年々増加の傾向にありまして、現在能力では消化しきれない状態でありますが、新潟及び金沢地方のみでも二十四年度に於きましては、各々六万個を処理する必要があるのであります。現在はそれぞれ名古屋支所、福島支所に於いて取扱つているのでありますが、これには本当輸送上の不便と破損の危險とが伴いますので、此の際業界の利便を図ると共に併せて檢定能力の不足を補うために新潟及び金沢に支所を設置する必要がありますので、二十四年度予算に於きまして両支所設置に要する費用としまして三千七十五万円を充てることと致しました。以上申し上げました点が本件提出の理由であります。何とぞ愼重御審議の上御承認あらんことを希望いたします。
#65
○委員長(小畑哲夫君) お諮りいたします。本日はこの程度で散会したいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#66
○委員長(小畑哲夫君) それではこれにて散会いたします。
   午後四時四十一分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     小畑 哲夫君
   理事
           山田 佐一君
           島   清君
           玉置吉之丞君
           栗山 良夫君
   委員
           平岡 市三君
           重宗 雄三君
           廣瀬與兵衞君
           小杉 繁安君
           境野 清雄君
           佐伯卯四郎君
           阿竹齋次郎君
           細川 嘉六君
           駒井 藤平君
  國務大臣
   商 工 大 臣 稻垣平太郎君
  政府委員
   商工政務次官  小林 英三君
   商工事務官
   (総務局鉱山局
   保安部長)   曾根 文二君
  説明員
   商工事務官
   (総務局保安部
   副長)     荒木  忍君
ソース: 国立国会図書館
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