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1949/05/07 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 建設委員会 第10号
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1949/05/07 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 建設委員会 第10号

#1
第005回国会 建設委員会 第10号
昭和二十四年五月七日(土曜日)
   午前十一時三十八分開会
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  委員の異動
四月二十八日(木曜日)委員水久保甚
作君辞任につき、その補欠として遠山
丙市君を議長において選定した。
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  本日の会議に付した事件
○屋外廣告物法案(内閣送付)
○水防法案(内閣送付)
○建設業法案(内閣送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(石坂豊一君) これより本日の建設委員会を開会いたします。政府より付議せられましたる各法案の説明をせられる都合になつておりまするから、それを許します。
#3
○政府委員(赤木正雄君) 先づ屋外廣告物法案の提案理由及びその大綱を御説明致します。
 現行の廣告物取締法は、明治四十四年の制定にかかりまして、その内容は、新憲法及び地方自治法の精神に照らして改正を必要とするものがありますので、これを廃止いたしまして、これに代つて本法案を制定しようとするものであります。
 第一に現行法は、その建前といたしまして、廣告物に関する実質上の規制を頗る廣範囲に亘つて、包括的に行政官廳の命令に委任してまして、これに基き、実際上は、都道府縣知事が都道府縣規則を制定しまして、その規制を行なつております。このような廣汎な行政命令への委任を認めますことは、新憲法下におきまして、國民の権利の保障がこめられました今日、甚だその趣旨に添わぬものがありますので、屋外廣告物に関する制限態樣をできるだけ法律を以て明確にいたしたいと存ずる次第であります。
 第二に、現行法におきましては、廣告物の規制に関する事務は、國の事務として取扱つておるのでありまして、実質的には、今も申し述べましたように、都道府縣知事が都道府縣規則によつて取締つております。即ち、廣告物に関する実質的な取締は、一切都道府縣知事單独の責任において行われ、都道府縣の議会は全然関與いたしておりません。尚又美観風致の維持といふ点から、行政官廳において廣告物に関して統制を加えましたことは、勢い官治的色彩の濃いものとなる嫌いもあります。從つて、この際廣告物の規制に関しましては、國の事務としての取扱を止めて、都道府縣固有の事務として都道府縣の條例を以て取扱わしめます方が、地方自治の本旨に叶い、且つ廣告物に関する規制も適切に行われ、その効果も又よりよく期待できると思うのであります。
 第三の点といたしまして、都道府縣がその固有事務として、條例で廣告物の規制を行うことといたしましても、各都道府縣が余りに異つた條例を制定して取締に甚だしい差異縣隔を生じますと、廣告物業者は勿論廣告物を表示しようとする一般國民にとりましても甚だ迷惑な次第でありますので、都道府縣が條例を制定します場合の基準となるべき事項を、法律を以て明瞭にすることにいたしたのであります。
 第四点といたしまして、廣告物に関する規制の目的を專ら美観風致の維持及び公衆に対する危害の防止のみに止め、現行法のごとくに、安寧秩序又は風俗を保持するために廣告物の内容に亘る制限をすることは、本法案の対象としないことにいたしました。
 以上で本法案の大要を御説明申上げた次第でありますが、何とぞ御審議の程をお願いいたします。
 次に水防法案提案の理由並びにその大要を申上げますと、御承知の通りに近年洪水による災害は激増の一途を辿り、昭和二十三年度のごときは公共土木施設の被害のみでも五百億円に上つておりますところ、一方治水の根本対策たる河川砂防の費用は國家財政の現状より思うに任せない有樣で、このままに放置いたしますならば、洪水の害は遂に止まる処を知らないであろうと考えられます。ところが、我が国の河川は概ね急流が多く、雨が降ると一時に出水し、大きな洪水量のピークを示しますが、又減水も割合と速かでありまして、一時この洪水をさえ防ぎ凌ぐことができましたならば、相当程度の被害を減ずることができる筈であります。
 而してこの水防に対する組織はと申しますと、河川法によつて都道府縣知事が河川管理の責任を持つてゐる下で從來からの水害予防組合、市町村等の水防員や消防團又は地元部落民の水防組が当つておりまして、活動のための法制としては消防團等に関して消防法が消火に関する若干の規定を準用しているのみであります。元來水災は火災と違いまして、災害の起る場所及び程度も相当予想がつくものであり、作業に必要とする技術も全く消火のそれと異つております。更に堤防決壊によつて災害を蒙る範囲は甚だ廣く、時には二以上の都府縣にも跨るもので、これに対する防禦は現状のごとく單に地元各市町村の自由に放置することができないのであります。そこで、これらの考慮の下に水防制度の現状に統一を與え、水防活動に基礎を與えることが、どうしても必要と考えて水防法案をここに提出する次第であります。
 法案の大要を申し上げますと、水防の組織としては現在の実状のままに水害予防組合、市町村組合及び市町村が水防の責任を負い、都道府縣はその水防が十分行われるように世話を焼く責任を負うものといたしまして、実際の作業は地元の判断に從つて現存の消防其の他の組織を利用するなり、新たに水防團を設けるなりして行うこととしました。そして知事が指定する重要な組合、市町村等と都道府縣とは、それぞれ水防計画を策定いたしまして、これに從つて水防を行うわけであります。水防活動については、これを便宜ならしめるために緊急通行、警戒区域の設定、公用負担、非常通知等若干の非常事態における権限を規定いたしました。
 尚、平素都道府縣や國が工事を行なつているような重要な河川等については、管理責任者が最も実状に明るいため、特に必要なときには知事及び大臣は水防について指示を與えることができるように規定いたしました外、訓練や死傷扶助等についても、若干必要な規定を置きました。そしてこれらを実施する費用については、原則として地元市町村の負担と考えております。
 以上がこの法案の大要でありますが、何とぞ速かに御審議をお願いいたします。
 次に建設業法案の提案理由及びその大要を申上げます。建設事業は、公共の福祉に至大の関聯のある産業でありますと共に、殊に、現下におきましては、國民経済の再建に重要な責務を有しております関係上、國、公共團体の工事予算が或いは、民間の工事量も厖大な金額を示しております。これら建設事業の施工は、建設業者に負うところ大なるものがありますが、元來、建設工事は、その良否が施工過程の適否に依存するところ多く且つ、建設業者には、高額の前拂金が支給されることが多いと共に、建設業は、工事施工に際し人的色彩が濃い企業である等の特殊性を考えますとき、これを施工する業者の資質は、誠に重要なものと申すことができるのであります。然るに、終戰後における建設業者の乱立と、近時における経済事情の逼迫に伴う経営難、資金難等により、現在建設業界には幾多の弊害を生じておりますと共に、現行の請負契約には種々不合理な点が存し、工事の適正な施工を阻害している状況であります。これらの現状を放任いたしますときは、建設事業の適正な実施及びこれが強力な推進は到底望み難いものと思料されますので、ここに建設業者の登録の実施、請負契約の規正、技術者の設置等を内容とする建設業法案を提案いたしまして、建設工事の適正な施工の確保と建設業の健全な發達に資し、公共の福祉に寄與せんとするものであります。
 以上の趣旨に則りまして、この法律案の大綱といたしましては、先づ第一に本法案の適用範囲でありますが、建設物の主体をなさず、且つ公共の福祉との関係が比較的稀薄な一定の工事のみを請負う者及び一定金額以下の軽微な工事のみを請負う者は、これを適用除外とし、その他の者に対してこの法律を適用することにいたしております。
 第二に登録の実施でありますが、この制度は建設省及び各都道府縣に登録簿閲覽所を設置することによりまして、登録簿等を公衆の閲覽に供し、注文者等に便を與えること、並びに惡質業者に対して登録の抹消等の監督手段を発動する根拠とすると共に、一定の要件を欠く能力の乏しい業者を排除し、併せて業者の実態を把握することを企図しております……即ち登録は、建設大臣登録と都道府縣知事登録の二種といたしまして、二年ごとにこれを更新することにいたしております。
 第三に、請負契約の規正でありますが、前述の通り建設工事の請負契約には多分に不合理な点があり得ますので、これが合理化を図りますと共に、建設工事の特殊性に鑑みまして民法の「請負」に関する若干の補充的な規定を設け、請負契約の公正な履行を確保しようとするものであります。
 第四に、技術者の設置でありますが、業者は工事の技術上の管理を掌る主任技術者を工事現場に、又建設大臣の登録を受けた業者は、技術者を一定の営業所に連かなければならないことを規定し、建設工事の適正な施工を企図しております。
 第五に、監督の規定でありますが、これは登録を基盤といたしまして、業者に一定の不正な事実がある場合に指示、或いは勧告を行うと共に、惡質の業者に対しては、営業の停止、又は登録の取消をなし得ることを規定しておりますが、これらの処分の重要なものについては、民主的な組織による建設業審議会の同意を事前に得なければならないことといたしまして、特に愼重を期することにいたしております。
 最後に、建設業審議会でありますが、建設大臣又は都道府縣知事の行う重要な監督処分につき同意を與えるための議決をさせると共に、その諮問に應じ、建設業の改善に関する重要事項を調査審議させるために建設省及び各都道府縣に建設業審議会を設けることにいたしておりまして、その構成は、官公吏、学識経驗者、注文者、及び建設業者のうちから任命された委員により組織することにいたしております。
 以上が建設業法案の大綱でありますが、何とぞ御審議の上、成るべく早く御可決あらんことを御願い申上げます。
#4
○委員長(石坂豊一君) この各法案に対する質疑等は次回に逐次讓ることにいたします。速記を止めて下さい。
   午前十一時五十五分速記中止
   ―――――・―――――
   午後二時五十四分速記開始
#5
○委員長(石坂豊一君) 速記を始めて……
本日はこれで散会いたします。
   午後二時五十五分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     石坂 豊一君
   理事      島津 忠彦君
   委員      岩崎正三郎君
           遠山 丙市君
           堀  末治君
           安部  定君
           久松 定武君
           北條 秀一君
  政府委員
   建設政務次官  赤木 正雄君
ソース: 国立国会図書館
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