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1949/05/10 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 建設委員会 第12号
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1949/05/10 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 建設委員会 第12号

#1
第005回国会 建設委員会 第12号
昭和二十四年五月十日(火曜日)
   午前十時三十四分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○測量法案(内閣提出)
○建設事業一般並びに國土その他諸計
 画に関する調査(河川に関する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(石坂豊一君) これより建設委員会を開会いたします。審議に先立ちまして測量法案について政府より発言を求めます。
#3
○政府委員(赤木正雄君) 只今御審議になつております測量法案の中におきまして、第十一條第一号中「偏平率」とあるのは「偏平度」の間違いであります。又提案の理由の中の土地とあるのは陸地の誤りであります。只今正誤の手続をしていますが何卒この点御了承を願います。
#4
○委員長(石坂豊一君) それではその正誤によつて本法案は構成されたものと認めます。つきましてこれより測量法案を議題として前回に続き皆さんに、若しございますならば質疑をいたして頂きたいと思います。若し質疑が盡きておりますならば直ちに討論に入りたいと思います。
#5
○岩崎正三郎君 四十七條の「宅地若しくは小農地」この小農地はどういう内容を持つておるのか御説明願いたい。これは今非常にその供出問題や土地改革の問題に関連があると思うので……
#6
○政府委員(武藤勝彦君) 四十七條にあります小農地と申しますのは、すべて測量は大きいところから決めて行きまして基準点のようなものを方々に作りまして、それから出発して最後に行うのが常識でございますが、現在の測量を見ますとしばしば小さい区域のところをそういうふうな予め作りました基準点というようなものによらないで、独立した測量をやつておるのが多いのでございます。こういうものは外には理由も余りありませんので、そういうようなものを除く意味で、こういうふうな表現がしてあるのでございます。從つてこの村の中の農地の測量とか何とかというような、極く小規模のそういうものを意味しております。面積で申しますと、これはその場合々々によりまして極く狭い場合もありましようし、又五町とか十町とかそういつたものが纏まりましても、それはやはり小農地ということになります。
#7
○岩崎正三郎君 從つてこの農地改革なるものに関連した測量問題が起きた場合については取り上げられないわけですね。
#8
○政府委員(武藤勝彦君) 農地改革を、將來考えられます、全國を統一してやるというような大きな測量でありましたならば、この法律の適用を受けることが当然でありまして、こういう場合でありましたならばこれは出て來ると思います。
#9
○岩崎正三郎君 恐らく交換分合法とか、そういつたものが出て來ると思いますが、土地改良法ですが、さような場合に相当農地の交換分合が起きて來る場合に、恐らく非常に私は測量問題が必要と思うのですが、こういうことを考慮に入れなかつたわけですね、そうすると……
#10
○政府委員(武藤勝彦君) そういうふうな交換とかいうふうなものは技術的に私の方で実は考えておらなかつたのです。
#11
○政府委員(赤木正雄君) 岩崎委員が申されました土然の交換分合は今後沢山あると思いますが、その問題はこれまでは取り上げておりません。これをはつきり言つて置きます。それを一々やつたらそう交換分合はできない。
#12
○原口忠次郎君 ちよつとお伺いしますが、この五條の「公共測量」というものは、國又は公共團体が負担する費用であつたら、そういうところでやる小さな土地の測量とか建物、小道路でも、すべてこれはこの法律の適用を受けるということになるのでございますか。
#13
○説明員(小林與三次君) 第五條にありますのは、國又は公共團体でやるやつを全部入れるという意味でなしに、そのうちで小道路とか建物等の局地的な測量全部を除いた以外のもの、公共測量は「政令の定める範囲内において建設大臣が測量審議会にはかつて指定したものを除き」、その他の大規模な測量だけが含まれる、こういう趣旨でございます。
#14
○原口忠次郎君 そうすると、今度は局地測量は全部建設大臣の許可を受けなければならんことになるのですか。
#15
○説明員(小林與三次君) 局地測量は全然自由です。公共測量の範囲内へ入りませんから、これは全然自由になるわけでございます。
#16
○原口忠次郎君 そうすると、第四十五條はどういうふうになるのですか。
#17
○説明員(小林與三次君) 第四十五條は、許可の問題ではなしに、測量の実施についての届出の規定だけでございます。それから第四十五條の二項に届出の趣旨、目的を明瞭に書いてあるのでございますが、その趣旨で届出るという規定でございます。
#18
○原口忠次郎君 私は測量法の全体について不賛成の意思を表明いたします。この法令のために、測量が結局ブレーキをかけられるという結果になるだろうと私は思うのです。併し委員会として御採用なさることには私は反対しませんが、私個人としてはこの法律の提案されることを反対いたします。
#19
○委員長(石坂豊一君) いずれ討論の場合に……
 それでは質疑を終りまして、直ちに討論に入ります。只今原口君からの御意見もありますが、改めてこの場合において賛否を取ります。
#20
○原口忠次郎君 私は反対であります。
#21
○北條秀一君 この測量法案につきまして、昨日民間及びこれに関連する各関係官廳の專門家を招致いたしまして、その証言を求めたのでありまするが、すべての証人は、この測量法案が成るべく早く施行されることを希望されておつたのであります。勿論この測量法案の内容に若干我々としまして修正すべき個所があると思いますが、それらの修正すべき個所は、例えて申しますと罰則の問題、或いは測量士及び測量士補を登録させる問題等、その他数個所にあるわけでありますが、これらの修正につきましては、政府において十分行政的にそれを修正し得る、行政的にこれを善処しようという考えでありまして、敢て本案に今日修正を加えなくてもいいのではないかという私は結論に達したのであります。そういうふうなわけでありまして、特に敗戰後非常に大きな面積からその四割を取られまして、四つの島に閉じ込められました日本におきましては、こうした基本測量及び公共測量が最も科学的に又正確に行われるということは必要なことでありまして、そういう際におきまして、建設省の今後國土建設計画に資するための基礎的な測量を続けて行くということのために、この法律案が狙つておるところは正しいと、私はそう考えますので、先程赤木政務次官から特にこの測量法案について、これは陸地に関するものであるということが明確にされました点を了承いたしまして、私はこの際測量法案に賛成を表する者であります。
#22
○原口忠次郎君 私は今この法案に反対を申上げたのでありますが、北條君の今言われた御意見に対しては私は賛成いたします。全面的に賛成いたしますけれども、一体建設省のやつておる仕事が、殊に地理調査所がやつておる仕事が、こういうふうな法律を出さなければ責任ある測量ができないかということが私は残念に思うのです。今まで参謀本部で出しております地図が、國民に販賣しておりながらそれが非常に間違つておるというようなものを発行しておるということは、非常に私は残念に思うのですが、そういう法律がなければそういうふうな技術の進歩ができないようなことでは、私は地理調査所そのものの精密の度を疑う者であります。技術は決して法律によつて私は進歩するものではないと思います。技術そのもの、測量そのものが進歩しなければ、私はどんな立派な法律を出しても決して立派な測量ができるとは考えません。そういう意味におきまして、この法律は今北條議員のおつしやつたような事柄ではありますけれども、片方におきましては非常に一般の測量を妨害する、或る意味においては縛るというような点が私は多々あるのではないか、こういうふうに考えます。そういう意味におきまして、こういう法律がなくても先程北條君の言われたようなことは地理調査所の責任において十分やり得るのではないか。又この法律が適用される範囲は地理調査所自体で恐らく外の方には殆んど適用される範囲がない。こういうふうに私は考えますので反対いたしたわけであります。
#23
○岩崎正三郎君 私は大体原口委員と同じような意見を持つておりますが、とにかくこの國土狹小な今日において、大いにその活用をして正確にすることは結構なことなんですが、さような技術の発展上大したこともなさそうだというのにかような大きな法律を作つてもどうかと思う。更に私は予算委員会の小委員会でも、日本でもつと測量の関係に対して費用を出すべきだということを質問したのでありますが、恐らく立派な法律を作つてもしつかりした予算の裏付けがないと、誠にこれは変なものになるので、その点も危惧する者であります。
 更に先程ちよつと質問したのでありまするが、農地の問題でありますが、供出問題その他土地改良に関連して、非常に農地の測量こそこの狹小な國土を十分に活用するためにはこれは必要だと思うのです。ところがそういうものを成るべく問題の外に置こうとするような傾向ならば、誠にこれは徒らに尨大な法律を一つ作つたというふうなことで、一番我々の心配するところの、一番当面の食糧に関連の深い問題に関らの接触もないことは残念だと思うのです。そういう意味で私は原口委員と結論においては同じであります。
#24
○委員長(石坂豊一君) それでは討論も盡きたと存じますので、採決をいたしたいと存じます。本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔挙手者多数〕
#25
○委員長(石坂豊一君) 多数と認めます。よつて本案は可決されました。
 尚本会議における委員長の口頭報告は委員長に御一任願いたいと思いますが、御異存ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#26
○委員長(石坂豊一君) 御異存ないと認めます。さように決定いたします。
 それから多数意見者の署名が必要でございまするから御署名をお願いいたします。
 多数意見者署名
    堀  末治  北條 秀一
    安部  定  遠山 丙市
    久松 定武  赤木 正雄
  ―――――――――――――
#27
○北條秀一君 採決が済んだあとですが、先程原口委員、岩崎委員の述べられた御意見も私尤もであると思いますが、將來の運営等に非常に参考になると思いますので、少数意見として原口委員の意見を提出されたらどうかと案えますが……
#28
○委員長(石坂豊一君) よろしうございます。原口君の御意見を少数意見として紹介することにいたします。
#29
○原口忠次郎君 はあ。委員長の報告の中に入れて頂きたい。
  ―――――――――――――
#30
○委員長(石坂豊一君) それでは本委員会は更に続行いたしまして、先日來安部君より政府に対する質疑を要求されておる、その安部君の御質疑を許すことにいたしたいと思います。
#31
○安部定君 河川局長にお尋ねいたしますが、今年度直轄河川工事それから砂防工事で、公共事業費が非常に削減を受けたので削らなくてはならない、これには建設委員の各位の御協力が望みたいというようなお話が前の委員会であつたのでありますが、二十四年度において廃止することに決定した河川改修工事、それから砂防工事の箇所名と、建設省としての廃止した理由を御説明願いたい。
   〔委員長退席、理事原口忠次郎君委員長席に著く〕
#32
○政府委員(目黒清雄君) 河川費用は非常に極度に圧迫された関係もありますし、それからいろいろの單價の増というようなことで、各箇所の河川の予算が僅少である、そのために河川工事が所期の目的通りなかなか進捗して行かないというような現状であるのであります。これを過去の例から大体申上げますと、昭和五年時代には河川数が四十二本程度でありました。このときの予算を百といたして考えて見ますると、現在になりますると河川数が修繕その他いろいろ合せますと九十五本、それに対して予算がその五〇%というふうに、河川数と予算とは逆比例のような形になつて参つておるのであります。そういうことでありますもので、この少い予算を有効に使うためにはどうしても或る程度重点的に仕事をしなければならんというふうに追詰められて來たのであります。そこでそれならばこの河川をどうするかということに、個々に当つて檢討して見たのでありますが、この河川の中には或る計画を樹てて、勿論これは戰時中の計画でありまするが、戰時中の軍需工場その他の工事用水、或いはその他の目的のために堰堤を築造することによつて、同時に河川改修工事もしようという計画があつたのでありますが、これらは戰後におきましては一應再檢討を要するということになつたのであります。從つてこれらをこのまま継続いたして行きますることの無意味なことを発見されたもので、これを果して堰堤を築造することによつて河川改修をやることがいいかどうかということの再檢討の時間を必要としたのであります。この河川は大体二河川ありまして、大阪、神戸間の伊那川、それから仙台の名取川というのがその例であります。これは一應直轄工事の一時中止をやりまして再檢討をするという河川が二本ございます。その次に比較的規模が小で工事が平易である、併し工事としては中止ができないというようなものが取上げられたのでございますが、これは最近府縣の技術力も相当向上して参りましたので、これを一應府縣に委讓して補助工事としてこの仕事を継続して行きたい、こういうふうな方法を取つたのであります。但しこの場合に御承知の通りに、直轄工事は三分の二の國費と、三分の一の地方費で直轄工事をやつておるのでありますが、地方に委讓した場合でもこの割合を減ずることは地方財政に及ぼす影響が相当ありますことと、一應直轄として既得権といいますか、そういう高額の國費を出すことを認められたのでありまするから、これを地方に委讓する場合にはそのままの形で、補助率をそのままで、即ち三分の二の補助をやつてこれを委讓すれば、何ら地方財政に影響を與えまいということで、これは勿論地方と協議してみなくちやなりませんが、地方の意見をこれによつて徴しまして委讓しようという河川が四本あります。これはちよつと予算上のことを申上げますと細かい話になりますが、予算面から見ますと、河川直轄事業の事業費総額が予算に載りまして大藏省に三分の一の負担金が歳入として入つて來る、こういう形になります。それから補助になりますと、補助金だけを計上して他の三分の一は地方の起債やその他の財源で賄いますから、予算面からいたしますと五百億なら五百億に枠を抑えられた中から出すことになりますと、地方の補助になりますと事業量が増額できる勘定になるわけです。この点は直轄事業より有利であるということを考えた次第であります。それから府縣に委讓します河川のうちでは、大体工事が完成をしておると思われる河川が中に含んであります。最上川、五十鈴川などはその例であります。それから非常に工事が平易である、地方に委讓しても支障ないというような河川、而も尚それが戰時中に特に重要なために取上げられた河川と申しますと、或る軍事施設があるためにその河川を戰時中に特に取上げたというような河川、これらは山口縣の防府の佐波川、大分縣の大分市附近の大分川というようなものがその例であります。これらは大体府縣と交渉いたしました結果、府縣もこれを引受けることを了承しております、而も十分府縣もこの河川に対しては上位に考えまして、府縣事業としても直轄程度の事業をやりたいという希望のものばかりであります。砂防につきましては大体二ケ所ありまするが、安部川と天神川であります。安部川は靜岡縣の安部川の上流に砂防堰堤を造る工事でありますが、現在この堰堤計画は十七メートルばかりの計画でやつておつたのでありまするが、現在十メートルできております。堰堤の背後の土砂は、今後一二ケ年くらいはまだ貯溜するだけの能力を持つておるようであります。又この安部川の河流の状態を見ますると、砂防堰堤を築造することによつて、砂防効果が現れると思つておるのでありますが、河流は段々河床が沈下して参つておるのであります。でありますから更に堰堤を築造すること、堰堤を更に高くすること、或いは河流の河底の低下して参ります所に、他の工作を施すか、この点は相当研究しなければならんと思うのであります。これはもう一二年この状態を観察しましてこの対策を練りたい。この意味で一應中止いたしたのであります。天神川は大体本工事は河流の改修工事を相俟つて十一年から開始したので、二十三年度までにはいろいろの砂防工事が施工済であります。今後は小規模なる床固め、或いは護岩工事というものが残されておるのです。これらのものは大体府縣の補助工事として今後やつて行つても、或る程度支障がない仕事でありまするので、これは一應砂防の目的を達したという意味で、今年は中止したいと考えておるのであります。
#33
○安部定君 先般の河川局長の協力願いたいということ、それを只今ここで具体的にお話を願つたのでありますが、この説明で昭和五年に四十二本、予算の指数を仮に百とするならば、現在九十五本で、河川の数は倍に増したのに、予算は五十に減つているという御説明であつたのでございますが、このことを我々は了承いたします。併し今度廃止した川、それから砂防のことについては非常に簡單な御説明でありましたが、今度廃止と共に一面取り上げた箇所もあるのでありまして、その間私共としては納得の行かないことがあるので、今暫くお尋ねを続けたいと思います。
 例を一つ挙げますが、只今御説明の中にありました佐渡川のごとき、この第五國会に請願が出ておりまして、すでに本委員会で採択を済ましております。報告書も出ております。当委員会でそういう採択をしたのに、それと全く相反する廃止をやつておられるということ、これはどういうわけかというふうに私は考えないわけに行かないのであります。御説明では、戰時中軍の要請に基いて取り上げたというようなことでありましたが、これは共に述べられました大分川も同樣に私は考えるのでありますが、佐渡川も大分川も單に軍の要請に基いたものと言えない証拠があります。それは明治四十三年の臨時治水調査会の決議と、それに続く昭和四年までの数回にわたる決議に明かにこの二つの川は入つておるのでありまして、而もそれらの川の合計が僅に六十五河川であるところから考えまするならば、更に現在施工しております箇所が九十一箇所というふうに最近非常に殖えておる、その殖えておる中の、六十五の中に入つておる二つの川が、軍の要請に基いてなされたという河川局長の説明は、私はどうも理解が行かないのであります。これは重要な河川であることは、明治以來決つた川であるとも別の言葉を用いれば言うことができるのでありまして、そういうことは何か言訳をするための理由ではないかというふうにも思われるのであります。
 更に河川の費用は、成る程百が五十に減り、箇所は倍になつておるでありますけれども、同樣なことは砂防工事費についても言えるのであり、而も本年度と昨年度と予算を比べますときに、本年度の河川費の合計は、公共事業費全体に対して三三・七%であつて、昨年の二八・七%に比べれば僅かな増加を示しております。併し砂防の方は、昨年一・二%であつて、今年は一・四%にしか増額されていないのであります。然るに一・二から一・四に値上げされましたところの砂防の方では、新に直轄に取り上げる箇所を作つており、僅かではありますけれども増額を見ました。河川工事においては、御説明の六箇所を削られておるということは、どういう理由に基くのか、その辺のところを更に御説明が願いたいのであります。
 更に私はここに特殊な例を申したいのでありますが、それは今説明のありました大分川に、近接いたしております山國川は、昨年地元の我々も運動した一人でありますが、その運動を容れられてか、昨年初めて直轄工事に取り上げられておるのであります。昨年取り上げて置いて、その隣の川の大分川が今年廃止になる。而もこの山國の上流の直轄砂防が本年取り上げられる。この影響は地元には非常に大きいのでありまして、各種の影響を今日生じようとして残しております。例えば山國の上流が直轄砂防工事として取上げられる結果、縣の砂防工事自体の將來が非常に危ぶまれるという結果さえも生じようとしているのでありますが、これについても河川局長はどういう御見解を持つておられますか、お尋ね申上げたいのであります。山國が昨年取上げられたということは、昨年の状態と今年の状態がさ程変つたものと思われないのに昨年は新たに取上げ、今年はすぐ隣りの河を切落すということはもう少し十分な御説明を聞かないと我々は分らない。更にこれらの河川を止めたり上げたりすることについての時期の問題でありますが、省議では四月二十一日に決定したと聞いておりますけれども、工事事務所に対してはすでに三月の下旬に決定したかのような通知を発しておるような形跡があります。大分川工事事務所に対しても九州地建から電報を発せられており、山國川の直轄砂防を取上げられることについても、すでに山國川の両縣であります福岡縣と大体縣の土木部長に対して、九州地建からは双方協定を結ぶようにと、これ亦三月か四月に通知が発せられております。して見ますと、國会や我々の方に知らすことなく、極めて早い機会にこれらのことがすでに皆さん方の中で決められていて、あとで我々が審議をいくらしても、それらの審議は何ら参考にもしなければ取上げもしないというような態度があるのではないか。そういうようなことにつきまして更に詳しい御説明を聞きたいと思います。
#34
○政府委員(目黒清雄君) 大分川の問題でありますが、御説のように大正十年臨時治水調査会において他の五十六河川と共に、第二期治水計画として改修することを適当と認められたのであります。この治水調査会の決定の河川の中では、五十七河川の中に尚九河川がまだ未着手であります。從つて治水調査会の全部が着手されているというわけではないのであります。更に昭和十六年度から直轄改修として着手、先程申上げました通りに主として軍施設のためにやつたのでありますが、昭和二十三年度までに一應一千余万円程費しております。そこで今考えておりまする、これを府縣委讓をするということになりますと、昭和二十四年度には直轄改修の跡始末の仕事と、府縣がやります仕事によつて大体大分市の河口左岸堤の仕事ができる見込で今やつております。曾て過去において一千万円きり投じなかつた、これは物價の関係もありますが、一千万円きり投じなかつたのが、今度委譲によりましてそれ以上の金額がここに行くのであります。大分川自身としては工事の方から見ますと、何ら大分市にとつて困るという問題ではないと思うのであります。大正十年当時の治水調査会の第二期治水計画というものを立案、決定いたしましたときには、大体府縣の技術力はそれ程信頼できなかつたのであります。現在になりますると相当技術の水準が府縣も上つておりまして、府縣にやらせましようともこの程度の仕事ならば、まあまあ府縣でやつて大丈夫だというふうに考えられたのであります。更にこの直轄河川と中小河川の予算の割合でありまするが、幸にして或る程度本年度は中小河川に費用が増額されたのであります。昨年度に比較しますと、相当増額されて参りました。そのために大分県の例をとりますと、お隣の番匠川等は直轄ではありませんが、過去において二十三年度には千五百万円を費やし、二十四年度には更に二千数百万円を出そうというようなことでありまして、これは先程お話に出ました山國川或いは大分川以上にこの仕事は進むのであります。こういうふうに考えて來ますと、直轄、府縣という河川の区別は必ずしも直轄の方が予算が多くということでもないと思うのであります。府縣自身の力によりまして、或る程度府縣事業も進む可能性が十分あると思うので、直轄の縣に委讓したいとこういうつもりであります。
 それから山國川を直轄に取上げたという理由でありますが、山國川は御承知の通りに大分と福岡縣の縣境を流れておる川であります。これは非常に大分川等と比較しますと、多少いろいろな点におきまして、大きな川とは申上げられないのでありますが、縣境を流れておる関係上この衆事はどちらの縣がやるかともなかなか困難な事情にありまするので、これは当然直轄がいい、こういう考え方で直轄に取上げたのであります。従つて本年度はこれらの上流に砂防をやることになつておりまするが、これは考え方によつては、砂防自身から考えますると新規とも考えられまするが、すでに山國川自身が直轄河川として取上げ、これを改修すべく本年度予算を組んでありますが、下流改修と上流砂防とは当然一体のものであります。これを同時に考えなければ河川改修の効果が挙らないのであります。こういう意味で山國川をやりたい、こういうつもりであります。
 それから何か予算が國会で審議されないうちのその内容が地方の洩れる、或いは地方の公式に意思表示をしたというようなお話でありまするが、この点は我々としては公式にはこれを絶対にやつておらないのでありまするが、いろいろ今お話申上げました通りに府縣委讓にいたしましても、箇所の選択にいたしましても、地方の事情を十分知らなければ箇所決定が参らないのであります。直轄工事をやりましても三分の一の地方費の負担というのがあります。負担が地方において可能であるか可能でないかということも相当研究しなければなりません。更にただ箇所を河川ごとに適当に配分するというような行き方は到底できないのでありまして、これを十分実地を知つている地方建設局の技術の方面の人とどうしても折衝して、その箇所に適当した予算を配分しなくちやならんということで、いろいろ事前折衝が行われるのでありますが、こういうことをやりますと自然にそれが地方に分つて來るということは、これはどう考えてもいたし方がないのであります。我々はこれを祕密の裡にやりたいとは考えておりますが、なかなかそれが地方に漏れるということもあります。そこでそういうことがありますので、先程の三月中に話が出たというようなことになつたのではないかというふうに考えております。
#35
○安部定君 最後にもう一つお尋ねしたいのですが、今大分川の例が出ましたのでやはりこれを用いますが、大分川は当初昭和十六年に直轄として御採用になつたときには、その頃の模様を私詳しくは存じませんが、多分國会で予算も共に審議したのではないかというふうに聞いておりますが、この工費は五百四十三万二千円に決められたように聞いております。ところで只今の御説明にあたりましたように十六、十七、十八、十九、二十、二十一、二十二、二十三年というふうに工事をやつて來た総計が僅か一千余万円であつた、これは貨幣の違つた價値での一千万円でありますから、甚だ各年の予算が少かつたのであります。当然もう少し沢山殖やしておかなければならない筈の川であるのに、そういうふうに少くして今日に当つておるのではないかというふうに私は考えるのであります。もうちよつと今までにももう少し多くやるべき事であつたのではないか。況んや今日これを縣に委讓するというようなことは到底考えられないというふうに私は考えるのでありますが、このことについてどうも運動をする、しないということが、こういうことを決定する非常な要素、條件になつておるのではないかというふうに考えるのでありますが、この辺について河川局長はどうお考えになりますか、簡單でよろしうございますがお聞きしたいのであります。非常に惡い川があつて、その惡い川を建設省の人々に認識して頂きたいという意味の請願運動、陳情運動は私も認めるのでありますけれども、といつて何もかも運動によつて決定するということは、直轄河川にすでに入つておる各河川の人々が、年々或いは時期々々に大挙して東京に上京しての運動というようなことをやらなければならないというようなことになりますと、これは大変國家の不経済でもあるとも思いますし、運動によつて左右せられるものであるか、ないか。この大分川のごときはその運動の点につきましては直轄に取上げられておるのですから、安心しておつたように地元の人々は申しておるのであります。運動によつて左右せられるものではないと思いますけれども、その辺のところをはつきりと河川局長から最後に御言明が願えれば、私はこれで質問を満足いたします。その御言明が頂きたい、どういうお氣持か、お氣持を伺つた上でそうして頂きたいと思います。
#36
○政府委員(目黒清雄君) 河川工事の個所決定にはすべて運動によつてというようなお話でありまするが、我々は運動のみによつて決定をするつもりはないでございます。又事実やつておらないのであります。我々のところで個所決定をやりますときには、地方の府縣なり或いは我々の出先であります地方建設局なりの、実際に仕事をやつております第一線の技術者の意見を相当尊重して参ります。これを又責任のある課で愼重審議いたすのであります。一應基準によりましてその枠を決めるのでありまするが、これらの個所決定の期間に先程お話が出ました通りに漏れるということは、この愼重審議の期間が非常に長いということにも起因しておるのであります。恐らく予算の枠の見通しがつきまして、一月、二月或いは場合によりますと三月もその研究のために期間を要するという現情であります。
 ただ陳情というものを全然軽んずるかということになりますと、これはそうばかりも参らんのであります。といいますのは我々の方に三分の一の地方負担というのがあります。或いは府縣の事業でありますれば、更に府縣から地元に負担を掛ける場合があります、それから又河川の改修をします場合に、工事施工上いろいろの点で、地元の協力がなければ施工が不可能である場合があります。例えば河川改正の用地の問題でも、最近農地はこれをなかなか買收することが困難になつて参りました。こういう事情がありますので、地元の熱意、我々の仕事に対する協力の度合は当然我々は考えて参りませんと、仕事の途中において中止しなければならない羽目に陷ることがありますので、こういう点を考えまして、地元の熱意というものも十分参酌して行かなければならんと考えておるのであります。
#37
○久松定武君 只今局長からいろいろ御意見を承りまして、この直轄河川の改廃というものは、地方の方々に取つて非常に重大な問題を惹き起すことが多いと思いますが、私参考のために終戰以來の直轄河川の改廃されました何か参考書類を頂きたいと思います。(「賛成」と呼ぶ者あり)
#38
○理事(原口忠次郎君) それでは河川局長に申上げますが、直轄河川を地方に委讓するために必要な参考資料がありましたら、この委員会に提出して頂きたいと思います。
#39
○岩崎正三郎君 それに関連して予算が決つたら、これを各河川に配分するでしようが、若し二十四年度の分が決りましたら、そういう参考資料があつたら御提出願いたい。
#40
○政府委員(目黒清雄君) 只今のところは一應原案はできておりますが、これは関係方面の認証を要するのであります。從つて本当に正式に出すといたしますれば認証が済んでからでないと発表できないことになつております。それでよろしければそのとき……
#41
○久松定武君 それに関連して今度は河川の開発の問題からお伺いしたいのですが、四國の物部川、それから銅山川、それに新潟縣のどこかもう一つの開発が採択されたと思いますが、これはどうなつておりますか、それの詳細を伺いたい。
#42
○政府委員(目黒清雄君) 今のお話は河水統制事業として、そういうものをやりたいという案でありますが、御承知のように河水統制事業の予算は非常に少いのであります。今お話のうちで物部川などは本年は殆んど調査時代とお考え願いたいと思います。それから新潟縣の三面川、これも本格的の工事までにはなつておりません。銅山川はすでに用水関係の仕事はできております。堰堤ができますと直ちに用水が引けるようなことでありますから、これは殆んど継続的なような性格を持つておりますので、この事業だけは本格的に仕事をしたいと思つております。
#43
○久松定武君 予算はどのくらいありますか。
#44
○政府委員(目黒清雄君) 事業費で、事業総量が申上げますと、四千九百万円ばかりであります。
#45
○久松定武君 これは全体でございますか。
#46
○政府委員(目黒清雄君) 全体であります。農林省の方が三千万円くらいになつております。
#47
○久松定武君 銅山川の予算としては、建設省から四千九百万円、それから農林省からは三千万円、合計七千九百万円という見当が今年度の予算として組まれているのですね。
#48
○北條秀一君 それは國家から貰つたのですか……縣案ですね。
#49
○政府委員(目黒清雄君) 縣案です。
#50
○久松定武君 それから物部川は予算はどれくらいでございましようか。
#51
○政府委員(目黒清雄君) 大体九百万円程度でございます。
#52
○久松定武君 それから新潟縣のは何という川でしたか。
#53
○政府委員(目黒清雄君) 三面川です。予算は千七百円くらいです。
#54
○久松定武君 そうするとこの新規事業としての三川は、今後継続事業として年々予算を組まれる御予定なのですか。
#55
○政府委員(目黒清雄君) 予算面といたしましては過年度予算でありますけれども、性格から申しますと、これは継続的な性格を持つておりますので、年々これは組んで行かないと仕事にならんわけです。相当総額が大きいものですから、河水統制予算を相当増額して、これらに振向けませんと、なかなか工事は完了いたさない状態でございます。
#56
○久松定武君 銅山川も同樣ですか。
#57
○政府委員(目黒清雄君) ええ。
#58
○北條秀一君 私は赤木政務次官にこの際重ねてお伺いして置きたいのですが、今の予算の再分配の問題は先般來本委員会において非常に問題になつているわけです。單に河川のみならず砂防にいたしましても、建設省の予算即ち公共事業費は大きな枠が決まつているのですね。その再分配をどうするかということは我々の最も愼重に檢討しなくちやならない問題です。大きな予算は國会において極めて民主的に決定するのでありますが、決定したものが箇所別に予算が再分配されるときは建設省の内部においてやられる。決めて官僚的にこれがやられてしまうわけです。ここに今日の國の行政のやり方に明朗さを欠く点があるわけであります。勿論この再分配の問題を委員会に持ち出しますと、各地区の代表であるところの議員各位はそれぞれ自分の立場に立つて主張されますので、結論が出ることは非常に難問題であると思いますけれども、役所の内部だけで決められるということは、私は今日の事態にそぐわないものと考えるのです。どうしてもGHQのアプルーヴアルを必要とする問題であります。併しその前に建設委員会において、大局に立つて、而も公平に民主的に予算の再分配の方針を決定して行くことが必要だと考えるが、一体どういうふうにして建設省内部においては予算の再分配を実際にやつておられるか。更に建設省は本委員会にその予算再分配の問題を御相談なさる考えはあるかないか、これについて赤木政務次官のお考えを聞きたいのであります。
#59
○政府委員(赤木正雄君) 北條委員の御質問は、私は建設省に関係して以來非常に関心を以て何とかそういうふうにしたいと……、私も第一國会以來この委員におりまして、委員の空氣も知つています。又長らく内務省にいまして内務省の予算の編成の方法も知つています。今までの予算の編成の方法がどうかと申しますと、むしろお役所だけで決めて余り國会には関係なかつた。併し或る面におきましては尚今日以上に國会との密接な関係があつたように私は思うのです。例えて申しますとこれは予算の編成も変りますが、先ずどれどれの河川を出す、どれどれの港湾を出すどれどれの砂防をやる、こういうものを予算を獲得する前に大体決めまして、そうしてその編成した予算をこつちに出す。こうなつていましたから、予算を出した頃にはすでにやる河川の工事費も、継続の年限も、それまで実は國会にはつきり出しておるのです。実は今日はむしろその形が年年の予算計上の形でございますから、全然以前とは違つていますが、前よりも内情が國会に現れていないのじやないか、そういうふうな心配を多分に私は持つています。でありますから今北條委員の言われた通りに、全部ここで決定するということは無論困難だと思います。公平にやりましても、やはり地元から出ておるお方は、その地元に成るべく予算を持つて行こうというのは、人情でございます。併しながら私の考えといたしましては、建設省の仕事は技術が根幹でありますからして、河川にしても或いはその他の事業にしましても、技術上これをいつどこに必要とするか、こういうことを十分檢討して、建設省の技術上檢討したことは、恐らくこの委員会でも、それが公平ならば御同意下さると私は信じています。又御同意をして下さることが國のために役立つとこう思つています。そこに多少の区別をつけ得るものがあるならば、これは多少いろんなことがありましようが、大体の方針としてはその技術の根幹によりまして、先ず第一、第二とこういう順序をつけるのが本当と思います。今まで技術上の方面において、大体そういう観点から二十四年度の予算も省内で決定しつつあることと思います。認証もその程度で受け得ると思つています。が、今北條委員の言われた通りに、これはひとり省内で決めるのみならば、でき得るならばその認証を受ける前に、やはりこの委員会とよく折衝して委員会の御理解といいますか、或いは委員会によく諮つて行くというのが國会の存在を意義深くさせる意味においてこれは全く同感で、そういうふうに今後も持つて行きたい、少くとも今後はそういうふうに持つて行きたいと思つていますから、特にこの点はこの委員会としても御監視願いたいと思います。
#60
○北條秀一君 赤木政務次官のお話誠に私共は同感の意を表するわけでありますが、先程久松委員或いは安部委員から、河川砂防についての予算再分配の問題を資料を出すように言われましたが、私は先程申上げましたようにこれは全部に関連した問題ですので、特に今赤木次官のお話がありました趣旨に從いまして、赤木政務次官において、この予算再分配の資料を本委員会に提出するかどうかという問題について、最善の努力をお願いしたい、こういうことを重ねて申上げます。
#61
○理事(原口忠次郎君) 外にございませんか。それでは私から政府の河川官廳にお尋ねしたいことがございますが、それは最近例えて申しますと熊野川、十津川、只見川或いは琵琶湖の問題、そういうふうな方々にある河川について水力電氣を盛んに起す。そうしてそういうふうな事柄が恰もその河川を握つておるところがやつておるかのごとき印象を、我々一般國民に與えられるような新聞記事が最近非常に多いように私は思います。一体この河川行政を握つておられる河川官廳が、そういう方面には殆んど無関心でおられるのじやないかというふうな感じがするのです。関西におきましては、例えば只見事、十津川、そういう方面の河川には水力電氣が何万キロになつて、外資も入つて來て今にも着手するのだということが報道されております。又琵琶湖の問題にしても、この方面でこういうことをやつておるのだということが新聞記事に出ております。こういうことを河川官廳は、どうしておられるか、河川官廳は一体何を考えておるかということが少しも発表されておらない。こういうふうな感じが最近私は非常に多い。こういうものについて、河川官廳としてどういうふうに考えておられるのか。私共はこの本委員会においては、水力電氣は將來の大建設省の一つの部門として、建設省に入ることを希望しておるのですが、早くこういう水力電氣を入れた建設省を作らなければならんのに、遅れているのは一つの惡例だと思つておりますが、その点についてどういうふうにお考えになつておるかこれをはつきり伺いたい。ちよつと速記を止めて。
   〔速記中止〕
#62
○理事(原口忠次郎君) 速記を始めて……。本日はこれで散会いたします。
   午前十一時五十分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     石坂 豊一君
   理事      原口忠次郎君
   委員
           岩崎正三郎君
           遠山 丙市君
           堀  末治君
           安部  定君
           久松 定武君
           北條 秀一君
  政府委員
   建設政務次官  赤木 正雄君
   建 設 技 官
   (河川局長)  目黒 清雄君
   建 設 技 官
   (地理調査所
   長)      武藤 勝彦君
  説明員
   建設事務官
   (大臣官房文書
   課長)     小林與三次君
ソース: 国立国会図書館
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