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1949/04/23 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 決算委員会 第4号
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1949/04/23 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 決算委員会 第4号

#1
第005回国会 決算委員会 第4号
昭和二十四年四月二十三日(土曜日)
   午前十時二十六分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○昭和二十一年度歳入歳出総決算
○昭和二十一年度特別会計歳入歳出決
 算
○各分科の所管事項分担に関する件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(奧主一郎君) それではこれより決算委員会を開会いたします。昭和二十一年度歳入歳出総決算及び昭和二十一年度特別会計歳入歳出決計を議題に供したいと思います。先ず分科会の主査から御報告をお願いいたします。第一分科羽生君から……
#3
○羽生三七君 主査の來馬さんがおいでになりませんので、私が代りまして第一分科の審査の結果を御報告いたします。第一分科会の審査の経過並びに結果を御報告申上げるのでありますが、御承知の通り第一分科会は一般会計における歳入の全部、外務省、内務省及び大藏省の所管事項並びに第二分科の所管に属しない事項についても審査いたしたのであります。昭和二十一年度の決算報告は第二國会に提出になつて審議未了、よつて第三國会及び第四國会においても引続き審議いたしましたが、終了するに至らず、今回に至つてその全部を審議し終つた次第であります。
 分科会は最初に政府当局及び会計檢査院当局の説明を聽きまして、質疑に移つたのであります。而して本月八日に仮決議をいたしまして、それから十二日に委員長及び正副主査打合会で更に審議をいたしましたのでありまして、その審査報告書は文書を以て委員長に提出いたしました。
 先ず歳入の部について申上げますと、総決算に計上してあります歳入決算額は、経常部三百二十三億余円、臨時部八百六十五億余円、合計一千一百八十八億余円であります。これを歳入予算額に比べますと、経常部では三十三億余円を増加し臨時部で三十四億余円減少しましたので、結局一億余円の減少となつた次第であります。
 次に歳出の部を見ますと、歳出予算額は千百九十億余円でありまして、これを前年度から繰越額二億余円を加えますと、一千百九十三億余円となりますが、その中から支出額千百五十二億余円と翌年度繰越額十八億余円を差引きますと、結局二十一億余円の不用額を生じております。それらの詳細については決算書類について御覧を願いたいと思います。
 然るにここに一つの問題があります。元臨時軍事費特別会計に属する歳入及び歳出は、昭和二十一年の「臨時軍事費特別会計の終結に関する件」というポツダム勅令によりますと、「收支の判明したる金額は、之を其の判明したる年度の一般会計の歳入又は歳出に組入れて整理すべし」と規定されてあります。昭和二十一年度にはその金額が歳入一億余円、歳出二百十五億余円であります。内閣からの決算報告には、これを「二十一年度に組入れ整理した」と書いてありますが、実際にはこれを一般会計の中に組入れて整理せずに、別途に計算してこれを総決算に附記しておるのであります。從つて一般会計の收支計算は前にも申しましたように黒字決算のように見えますが、ここに二百億円以上の赤字が在存するのであります。この決算の仕方は明らかにポツダム勅令に違反する措置であります。
 次に一般会計及び特別会計を通じて、收入未済額が多額に上り、而も年々増加の傾向にありますことは、誠に遺憾なことであります。一般会計における收入未済額は百十五億余円に上り、その調定済額に対する割合は八%余に当り、前年度の割合四%に対して二倍になつております。特別会計においても同樣に徴收成績はよろしくないのであります。殊に租税のみについてみますと、一般会計に属する未收入額九十九億余円に、財産税等收入金特別会計における未收入額五十七億余円を加えますと、合計百五十七億余円に上り、調定済額に対して約二五%に当り、前年度の八%に比して非常な増加であります。これは主として徴收事務の遅延のために生じたものであります。御承知の通り我が國の財政は非常な困難な時期に遭遇しておるのでありますから、内閣はこの財政の現状に鑑みまして、收入金を徴收成績の改善のために格段の努力をなす必要を認めるのであります。
 第三に繰越金の問題があります。繰越金の承認を余り自由にしますれば、或いは思わぬ弊害を生ずる虞れもあるかと思われますが、又余り嚴重に失するときは、虚僞の口実を設けたり虚僞の報告をしたりして、無理に予算の消費化を図ろうとするようになり、延いては経費の年度区分を紊るなど、会計法規に違反した措置を講じ、種々の弊害を生ずる源となります。昭和二十一年度におきましては、翌年度に繰越した金額が十九億余円に達しておりますことは、前にも申上げた通りでありますが、会計檢査院の批難事項中には、大藏省造幣局の建築請負工事に関する件など、経費の年度区分を紊るものとして指摘されているものがあります。実際問題といたしまして、年度末即ち三月の末になつて予算を配賦したり、甚だしきは新年度の四月に入つてから予算を配賦するようなこともあるようでありますが、これを年度内に有効に使用することは無理であります。又年度内に建築工事などが予定通り進捗しなかつた場合に、繰越の申請をするのが四月末日までと規定してありますが、もつと早い時期に申請させることも可能でありますし、又それを大藏省で承認するに当りまして、從來は甚だ遅くなつてから承認を與えることが少くないのであります。將來はかように遅れないように、承認を早く與えるようにいたしたいものであります。これらの点について改革を要するものがあると認めます。
 第四に、予算に積算なきに拘わらず、他の費目を流用し、予算の目的外に経費を使用する等会計法規を紊るものが、毎年の決算報告中に数多く指摘されることは誠に遺憾であります。当年度におきましても、内務省所管で北海道拓殖産業費を土地建物の購入費に流用したり、大藏省所管で專賣局作業費を同じく土地建物の購入費に流用したり、造幣局作業費を建築工事の費用に流用したり、賠償物資の撤去に関する経費を終戰処理費から流用したりしている例などが挙げられてあります。内閣は会計法規を嚴守し、將來重ねてこのような事故の起らないよう十分注意を加うべきであります。
 第五に、特殊物件及び放出物件の処分につきましては、終戰直後の異常なる時期に急いで処置を付けなければならんという特殊事情がありましたので、多少混乱を生じたことは止むを得ないことではありますが、違法又は不当と認められる事件が甚だ多かつたのは誠に遺憾であります。これらの物件の処置は今日のところでは大部分終了しておりますが、尚今後整理を要する問題が相当残つておりますから、今後の処置については遺憾な点がないよう、内閣は格別の注意を拂う必要があると認めます。
 特殊物件で廃兵器類の賣拂いにつきましては、兵器処理委員会に一括して取扱わせたのでありますが、その方法が甚だ不適当でありましたので、今日ではこの委員会の業務を停止させ、これを産業復興公團に取扱わせておりますが、この委員会の残務処理については、内閣は特に嚴重なる監督をなす必要があると認めます。
 尚内務省において鉄鋼類、非鉄金属類等を賣拂つた場合に、賣拂いの時の公定價格によるものを國庫の收入となすべきであるに拘わらず、價格安定資会を捻出するため、これと異なつた取扱をしたことにつきまして、当局の説明では、この方法が当時の事情からして最良の方法であつたし、内務省、物價廳、大藏省、商工省の共同責任で行なつたのであると言つておりますが、この異例な取扱をしたことは適当でなかつたものと認めます。又その收納未済額が多額に上つておることも遺憾であります。
 第六、終戰処理費につきまして、当年度の支出額は四億円近くになつておりますが、その大部分を占めるものは工事費及び物件調達費であります。そうしてその多くは概算拂で支拂われておるのでありますが、その精算が著しく遅延しておるものがあり、会計の経理が著しく不良で、証拠書類を失つておるものがある等、処置そのよろしきを得ず、経理の改善を要するものが多いのであります。終戰処理費はその金額が多額に上り、又特殊な事情もありますから、内閣は特に注意してその経理事務を的確に且つ迅速に整理するよう、その改善につき最善の努力をなすべきであります。
 第七、補助費の支出額は、一般会計と特別会計とを通じて多額に達しておるのでありますが、その使用の実績を見ますと、或いは補助の條件に適合しない者に対して交付したり、或いは事業実施の程度を考慮せずして徒らに過大な補助金を交付する等、処置よろしきを得ないものが多いのであります。その不当な支出として指摘せられておもるものの中には、大藏省專売局の自給製塩設備に対する補助が特に顯著であります。尚補助超過額は速かに返納せしむべきでありますが、その精算遅延のため返納に至らないものもあり、そのうち特に著してものとしましては、内務省及び各都道府縣において昭和十八年度以後二十年度までに防空関係の補助金を交付しておりますもののうち、精算の結果國に返納すべき金が相当多額に上ると認められますのに、終戰後二年余を経過したときにおいて、まだ大部分が精算未了であると言われております。およそ補助金の交付に関しましては、先に昭和二十年度決算に対して決算委員会の審査報告にも記されております通り、その目的達成のため効果的に支出するよう、内閣は更に十分の注意を拂うべきであります。
 第八、官有物についての問題でありますが、会計檢査院の報告書を見ますと、物品の経理は現金に比して從來一般に軽視された傾向がありまして、物品出納簿の記帳整理も十分でなく、又帳簿外の物品を保有するとか、要するにその出納保管の上に適当でないと認るられることが少くないということであります。
 名古屋財務局が倉庫保管中の木材の管理よろしきを得ず、虫害を被り、かびを生じ腐触材となつたものが多量に上るという如き事件を起しましたのもその一例であります。すべからく内閣は物品経理の改善につき十分注意を加うべきであります。
 第九、庶民金庫は國の出資團体であり大藏省の監督に服するものでありますが、昭和二十一年四月から七月までの間に帝國燃料興業債券を單價九十九円二十銭で八百五十余万円買入れた事件があります。当局の説明では、この債券は政府の保証があるものであるから確実な証券であると認めて買入れたと言つております。併しながら当時の事情を見ますれば、これは不良の社債であることは、常識から見ても明らか章あり、そうして結局七割程度の評價損を生じたのでありますから、この事件は資金の運用よろしきを得なかつたものと認めざるを得ないのであります。資金の運用につきましては、先に大藏省預金部に関しまして、昭和二十年度決算に対する決算委員会の審査報告書において嚴重な注意をなすべきことを指摘しておるのでありますが、内閣は出資團体の資金運用に関してもその適正を期するため嚴重な監督を加えることが肝要であります。
 第十、大藏省專賣局において自給製塩設備に対する補助金の交付に当り、補助條件に適合しないものに補助金を交付したものがあること、並びに予算の目的外に経費を使用したものがあることにつきまして、專賣局ではすでにその責任者をそれぞれ訓告又は注意の処分に付しておるにも拘わらず、当委員会の席上における説明の際にはその処分に関する事実を黙秘しておりまして、これらの措置が正当であつたように主張しておるのでありますが、かくのごとき当局の態度は実に遺憾であります。当局の態度がかようなことでよろしいものならば、將來政府委員等に対して一々宣誓させるような嚴重な手続を採らねばならないような結果になるかもしれません。委員会に対する政府当局の態度は眞面目でなければならず、誠実でなければなりません。この点当局の深き反省を要求するものであります。
 以上申上げました十項目は、第一分科会の審議に当りまして、特に注意を惹いた重要問題でありまして、内閣に対し將來の注意を促がすため特に意見を附した事項であります。
 会計檢査院の檢査報告の中に「法令若しくは予算に違反し、又は不当と認めた事項」として指摘されております事件は、内務省所管において二件、大藏省所管において百十九件ありまして、尚その外に出資團体について一件ありますが、これらのいわゆる批難事項につきましては、いずれも会計檢査院の檢査報告とその見解を同じくいたします。決算に関し以上述べました事項以外の事項につきましては別に異議はありません。以上が第一分科会の決議であります。
 最後に附け加えて御報告申上げたいことがあります。昭和二十三年十月十日附で決算委員長から参議院議長宛の報告中に、左の意味の報告があります。即ち「会計檢査院の批難に対する政府の説明書中に、『処理方については善処したい』とか、『責任者に対しては戒飭に付する予定である』とかいうような答弁が少くないが、その措置の結果を明らかにした報告書せ作成し、事件の処理結了後速かに之を國会に提出すべし、ということが当委員会の一致した意見であります。」という報告がなされてあります。尚「貴族院委員会先例録」によりますれば、このような善後処分の報告は、「要求の有無に拘わらず、政府より提出するを例とす、」と記されてあります。かような次第でありますから、内閣はこの種類の報告を今後必ず遅滯なく提出せられたいというのが第一分科会における一致した意見であります。尚從來の実情を見ますと、國会におけるこれらの決議が、政府当局に與える印象が薄いようでありまして、毎年同じような違法又は不当の行爲を繰返しておることを誠に遺憾に思いますから、將來は必ずかくのごとき結果に陥らないよう嚴重な要望を政府に向つてする必要があるということを一委員から述べられました。以上をもつて第一分科会の報告を終ります。
#4
○委員長(奧主一郎君) 次は第二分科会。
#5
○中平常太郎君 もう各省の次官でもお出でにならんですか、この上は……。これだけですか。この決算報告については各省から責任者が必ず参列して貰うように要求してあつたんですが、お見えにならんですか、あとは……
#6
○委員長(奧主一郎君) その手筈はしておりますが……。お答えいたします。只今出席になつている政府委員の方は建設政務次官、農林政務次官、鉄道総局総務局長、それから大藏政務次官これだけお見えになつております。会計檢査院から事務総長が見えております。
#7
○中平常太郎君 この決算はややもすると、二年以前のことをやるのであつて、とかく軽視される虞れがある。我我の狙うところは二年以前のことを事例を以て現在の内閣に要望することが主たる目的になる点であると思います。それにわざわざ各省に出席を要求してあるにも拘わらず、只今発表になつた以外は來ていないということは如何にもつまらんと思う。この決算委員会を何と思つておるか、そういうことだから自然といろいろな非違なことが何ら反省なく行われるようになつて來るのです。この点は委員長から事後においてもよろしいが、十分に一つ各省に遺憾の点を話して貰いたいと思います。
 つきましては第二分科会の審査の経過並びに結果について御報告をいたします。第二分科会では昭和二十一年度歳入、歳出総決算並びに昭和二十一年度特別会計歳入歳出決算中、司法省所管、文部省所管、厚生省所管、農林省所管、商工省所管、運輸省所管及び逓信省所管の部を審査いたしました。尚会計檢査院報告書に記載されております即往年度の分につきましても、併せて審議いたしました。御承知の通り昭和二十一年度の決算報告は第二國会に提出になつて審議未了に終り、第三回及び第四回國会においても引続き審議いたしましたが、終了するに至らず、今回に至つて全部を審議し終つた次第であります。
 第二分科会は第五國会におきましても会議を開くこと五回、愼重且つ熱心に審査を行い仮決議をいたしまして、委員長及び両分科会正副主査打合会で更にこれを審議し、衆参両院の合同打合会を開催した上、第二分科会の本決議をいたしたのでありまして、その審査報告書は文書を以て委員長に提出いたしました。特に注意を要する事項について御報告をいたしますと、第一に司法省所管におきましては、和歌山地方裁判所、廣島刑務所、名古屋控訴院その他で官舎等の新築工事の請負又は工事用木材の購入に関し、年度内に工事の完成又は物件の完納がなかつたにも拘わらず全額の支拂をして経費の年度区分をみだつているものがあります。経費の年度区分をみだる処置をとつたのは予算の消化を図ろうとする等に起因しているのでありますが、更にその原因は事業計画の示達が年度末に至つて漸く通達されること、及び予算繰越の承認手続が極めて煩瑣で適切でなかつたことになるであろうということを認められますし、その結果諸種の弊害を生じますので、事業計画の示達の敏速、予算の配賦、繰越の申請及びその承認につきましては、改革を要するものがあるとの結論を得た次第であります。
 又靜岡、京都両刑務所並びに大阪拘置所では一般に物品の出納が正規の手続によつて行われておらず、作業材料及び製品の整理が不良で乱雜を極め、又物品出納簿の記帳整理を甚だしく不備で現品との対照もできない状況でありまして、物品の経理が当を得ていない事件があります。物品の経理につきましては、一般に現金に比較して從來軽視された傾向があると認められますが、これは甚だ不都合でありますから將來物品の経理の改善につきまして、内閣は、十分の注意を拂うべきものと決議いたしました。
 遵法の府であるべき司法省におきまして、このように多数の違反事項がありますことは特に遺憾に堪すないところであります。当局の深き反省と自戒を要望する次第であります。
 第二に文部省所官におきましては、会計檢査院の批難事項中に長崎医科大学附属病院の戰災應急復旧工事の請負につき、年度内に未完成であるにも拘わらず、工事費の全額を支拂つて経費の年度区分をみだつた事件があります。
 第三に、厚生省所管におきましては、批難事項中に宮城縣で引揚者等越冬用布團綿の購入に当つて契約書を作成することなく、納品がなかつたにも拘わらず支拂をなして経費の年度区分をみだつたもの、官舎購入費の積算がないにも拘わらず官舎用土地、建物の購入費として、傳染病予防檢疫諸費から支出して予算の目的以外に経費を使用したもの、及び京都府で生活保護法による要保護者に対し、市が負担する生活保護費等の補助金につき、必要費以上に多額を支拂つた事件があります。
 第四に、農林省所管におきましては、土地改良事業に要する揚水機一式の購入費の補助金を交付するに当つて、措置当を得なかつたもの、労力調整施設費補助金等の交付に当つて、実情に対する愼重の考慮を次いたために交付が多額に失したもの、開拓施設、開拓事業入植関係等に対して実施の見込不確実な事情にあつたにも拘わらず、多額の補助金を支出し、補助金の交付の時期適切を欠いたものがありますが、いずれも補助金に関する措置につき愼重を欠いたことは誠に遺憾であります。補助金の交付に関しては昭和二十年度決算に対する決算委員会の審査報告にも記載されておりますが、その目的達成のため効果的に支出するよう、十分の注意を拂うべきことを重ねて注意した次第であります。
 次に奈良縣食糧檢査所で費目の積算がないにも拘わらず、所長以下の職員に対し政府職員給與特別措置費から諸手当を支給し、予算の目的以外に経費を使用している事件があります。更に又、出資團体である日本蚕糸統制株式会社は昭和二十一年三月に解散し、二十二年十月に清算に当りまして、本來の業務を逸脱して、製造していた絹繊維製品を賣却又は解散記念品代として、無償で拂出したこと、及び國において負担すべきもので從來仮拂金として整理していた横浜、神戸両生糸檢査所の戰災復興費を寄附金として損失整理いたしましたことは、会計檢査院の見解と同じく会社の清算に当り措置当を得ないものと認めます。かかる措置をとりましたことは、内閣の監督よろしきを得なかつたことに起因するものと認めますので、内閣はその他の出資團体に対し、監督を嚴重且つ適正にすきべことを注意した次第であります。
 第五に商工省所管における批難事項中には、物品の購入に当つて年度内に完納されなかつたにも拘わらず、代金を支拂つて経費の年度区分をみだつたもの及び九州地方商工局で肥料増産その他の調査又は打合会に出席のための旅費を炭田開発調査費より支出し、予算の目的外に経費を使用したものがあります。
 第六に運輸省所管におきましては、中央氣象台で物品の購入費、工事費の支拂方法等について会計法違反のものがあり、又無計画な経理をした結果、二十一年度支弁とすべき経費を翌年度予算から支出する等経理上の措置特に当を失しているもの、運輸省で業務用物品等を職員救済用に賣拂つたばかりでなく、その代金を物品購入の資金として流用しているもの、食糧増産のため他の費目から流用の処置を購じて結局予算額の十倍余に上る多額の経費を使用したもの、東京鉄道局で会員各自が負担すべきである職員共同購買会の借入金利息を國費で支弁して、予算の目的外に経費を使用したもの、不急で、而も割当のない大量の繃帶地その他の統制物資を闇價格で購入したもの、及び廣島鉄道局で物品の購入に当り措置よろしきを得ないものがありまして、いわゆる惡質の違反事項と認めらるるものが多いのでありますが、批難事項は前記の外に更に数件を加うるの多きに上つているのであります。昭和二十年度決算委員会の審査報告において注意を受けておるに拘わらず、運輸省がかくのごとく数多くの違反事項を重ねておりますことは甚だ遺憾と存じます。將來このような非を繰返えさぬよう特に注意を與える次第であります。
 第七に逓信省所管におきましては、工事費の支拂に関し、年度区分をみだつたもの、及び局舎又は宿泊所等に供する目的で、予算に積算がないにも拘わらず二十数ヶ所において土地建物を購入し、予算の目的外に経費を使用したものがあります。予算の目的外に経費を使用した事例は、前に述べましたように他の省にもありますが、逓信省において甚だしくその事件が多いのでありまして、このような違反の多いことは決算の立場からいたしまして、遺憾に存ずるところであります。内閣は会計法規を嚴守して、將來重ねてこのような事故を起さぬよう注意を與える次第であります。尚職員の官舎用等の土地、建物の購入若しくは新築は事情の諒とすべきものもありますから、その必要のあるものについては予算に計上して実施するの措置を講ずべきであると結論いたしました。
 次に財團法人全國戰災者事業團に対し電話局用建物の一部の使用を許可し、その後一年有余に亘つて使用料の決定及び徴收をしなかつた事件がありますがす、右は会計檢査院と見解を同じくし、國在財産の管理よろしきを得なかつたものと認め、國有財産の管理にも十分の注意を拂うべきことを強く要望するものであります。
 以上が特に注意を要する事項に関する御報告でありますが、御以外の批難事項につきましては、いずれも会計檢査院の檢査報告と意見を同じうするものでありますし、又決算のうちその他の事項につきましては異議がないと議決いたしました。
 最後に会計法規に関する違反事項を防止するために内閣に対し次の要望をなすことに議決いたしました。
   要望事項
  会計法規に関する違反事項は年々むしろ増加する傾向にあることは甚だ遺憾である。内閣は会計法規に関する違反を防止するために最善の諸方け講ずべきこと、前記各意見に対しては、その実現を期するため速かに最善の具体的措置を講ずべきこと、及び責任者に対する処分のうちには違反の内容が相当重大であるにも拘わらず、その処分が軽きに失するものがあると認められるから、責任者の処分を嚴重、適正にするように措置を講ずべきことを要望する。
 以上の通り全会一致を以て議決いたしました。御報告いたします。
  ―――――――――――――
#8
○委員長(奧主一郎君) 各分科の主査の報告になつたことにつきまして、御発言がございましたならばどうか御発言をお願いいたします……。別に御発言もなければ採決に入りますが御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○委員長(奧主一郎君) それではこれより採決に入ることにいたします。昭和二十一年度歳入歳出総決算及び昭和二十一年度特別会計歳入歳出決算を、各分科主査の報告通りに、これを議決することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○委員長(奧主一郎君) 全会一致でございます。よつて本案は全会一致を以て各分科主査報告通り議決することに決いたしました。尚本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四條によりまして、予め多数意見者の承認を経えければならんことになつておりますが、これは委員長におきまして、本案の内容、本委員会における質疑應答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することといたしまして承認願うことに、これ亦御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#11
○委員長(奧主一郎君) 御異議ないと認めます。それから本院規則第七十二條によりまして、委員長が議院に提出する報告書につき多数意見者の署名を附することになつておりますから、本案を採択することにいたしまして議決することに賛成された方はどうか順次御署名をお願いいたします。
  多数意見者署名
    柴田 政次  羽生 三七
    西山 龜七  草葉 隆圓
    中平常太郎  江熊 哲翁
    小野  哲  千田  正
    伊藤 保平  谷口弥三郎
    姫井 伊介  藤野 繁雄
    阿竹齋次郎
#12
○中平常太郎君 この際この決議に対しまして、或いは指摘した事項に対しまして、現内閣におきまして今後の考え方に我々は重点をおいておるのでありますから、内閣、政府の方から釈明或いは弁明、その二つの声明を伺いたいと思います。
#13
○政府委員(田口政五郎君) 大藏省として、委員会の決議は御尤もと存じます。大いに考えなければならん点が十分あるということを申上げる次第であります。今後はくれぐれも決議の趣意に副うことにいたしまして、十分注意をいたすように努力を加えたいと存じます。
#14
○政府委員(池田宇右衞門君) 只今各主査さんからの御報告の趣意につきましては、大藏次官同樣、十分に今後注意をいたし、惡性インフレ下であらゆる物資、人件費等の高騰等もありますけれども、その内容を檢討いたしまして、遺憾のないように十分な注意をいたしたい次第であります。尚補助金につきまして、助成金等は災害等の場合におきましては、速かにこれを交付し、復旧に一日も早くいたすようにこれ亦十分の監督と迅速を図る考えでございます。以上簡單ながらお答え申上げまして、今後の効果ある資料にいたしたいと、かように決意いたしたのであります。
#15
○政府委員(赤木正雄君) 建設省の前身でありました内務省時代におきまして、北海道に款項目の流用の不正、或いは鉄鋼その他の前渡に対しての不適当、又十八年度以降防空関係補助金に対し精算の遺漏等の御指摘がありました。これは御尤もと思いまして今後こういうことのないように建設省といたしましては十分注意いたします。以上政府の決意を申上げます。
#16
○委員長(奧主一郎君) もう御署名漏れはございませんか。御署名漏れはないと認めます。
  ―――――――――――――
#17
○委員長(奧主一郎君) ここで皆さんにお諮りしたいことは、これで昭和二十一年度の決算の審査は終つたのでありますが、次に二十二年度の審査に入るにつきまして、分科会における分け方を改めたいと考えております。それは第二分科会に各省が集り過ぎたんです。それでこれを少し第一の方に分けたらどうだろうこういうふうに考えまして、少し分科の所管の省を改めたいとこう思つておりますが如何でしようか。
#18
○千田正君 その件につきましては、委員長並びに理事或いは各主査において御懇談下されんことを希望いたします。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
#19
○委員長(奧主一郎君) それでは申上げます。委員長の手許におきまして、一應の案を作つて見たんでありますが御参考までに申上げたいと思います。それは從來第一分科におきまして所管は國会、会計檢査院、外務省、大藏省に関する事項とこういうことになつておりましたところへ、農林省と商工省を加えて見たらどうかこう考えております。それから第一分科といたしましては、今申しました省の外に、並びに第二分科の所管に属しない事項、それから復興金融金庫を含むと、こういうことにしたらどうかと思います。それから第二分科の方は裁判所、法務廳、内閣、文部省、厚生省、労働省、運輸省及び逓信省に関する事項、こういうふうにいたしたらどうかとこう考えておりますが、如何でしよう。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#20
○委員長(奧主一郎君) つまり、農林省と商工省を第二分科から第一分科の方に持つて行つたらどうか。そうでないと少しバランスがとれないものですから、そういうふうに考えました。若し御異議がなかつたら、二十二年度からこの通りでやりますから、どうぞ。
 それからもう一つ申上げたいことは、委員の方々で、この分科の所属の御希望がありましたら、どうか前以て委員長の手委までお届け願うと非常に結構でございます。できるだけ御趣旨に副うようにこちらの方で取計らいたいと考えております。
#21
○千田正君 只今の分け方は分量その他について、二十二年度における報告書によつて御研究なさつての分担だと思いますが、その点は大体異議はありません。賛成します。
#22
○委員長(奧主一郎君) それでは苦し分科の御希望がありましたら、どうかこちらの事務の方にお届け願いましたら非常に結構でございます。
#23
○政府委員(遠山丙市君) どうも役所の方で余儀ない要件がありまして失礼いたしましたが、先程から各委員からいろいろ御注意、御指摘等只今係の方からいろいろ承つたような次第でありまして、御趣旨の趣旨は十分に分りましたので、以後そういうような間違いのないように十分に氣を付けさしたいとこう考えておる次第であります。御了承願います。
#24
○委員長(奧主一郎君) それではこれを以て決算委員会を終了いたします。
   午前十一時十一分散会
 出席者は左の通り
   委員長     奧 主一郎君
   理事
           中平常太郎君
           柴田 政次君
   委員
           羽生 三七君
           西山 龜七君
           草葉 隆圓君
           谷口弥三郎君
           江熊 哲翁君
           小野  哲君
           姫井 伊介君
           藤野 繁雄君
           伊藤 保平君
           千田  正君
           阿竹齋次郎君
  政府委員
   大藏政務次官  田口政五郎君
   法務政務次官  遠山 丙市君
   農林政務次官 池田宇右衞門君
   建設政務次官  赤木 正雄君
ソース: 国立国会図書館
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