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1947/05/20 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 本会議 第1号
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1947/05/20 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 本会議 第1号

#1
第001回国会 本会議 第1号
昭和二十二年五月二十日(火曜日)
   午前十時九分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
 議事日程 第一号
  昭和二十二年五月二十日
   午前十時開議
 第一 議長の選挙
 第二 副議長の選挙
 第三 会期の件
 第四 常任委員会の委員数の件
 第五 常任委員の選任
 第六 常任委員長の選挙
 第七 事務総長の選挙
    ━━━━━━━━━━━━━
   〔事務総長小林次郎君議長席に着く。〕
#2
○事務総長(小林次郎君) 國会法第七條によりまして、議長、副議長の選挙せられますまで、私が議長の職務を行います、尚國会法附則によりまして、参議院において規則を定めますまでは、すべて暫定衆議院規則及び衆議院規則によることに相成つております、只今まで当選証書の対照をいたしました議員の数は、二百三十七人でございます。総議員の三分の一以上に達しております。暫時休憩いたします。
   午前十時十一分休憩
     ―――――・―――――
   午後九時七分開議
#3
○事務総長(小林次郎君) 休憩前に引続き、これより本日の議事日程に移ります。日程第一、議長の選挙。選挙の手続きにつきましては、予め参議院公報で御通知した通りでございます。尚念のために申上げますが、投票は無名投票でございます。投票用紙と木札の名刺が議席に配布してございます。無名投票用紙、即ち白色の投票用紙に氏名を御記入の上、木札の名刺を添えて御持参願います。……これより点呼を致します。
   〔参事が氏名を点呼する〕
#4
○事務総長(小林次郎君) 投票執行。
   〔投票執行〕
#5
○事務総長(小林次郎君) 投票漏れはございませんか。……投票漏れないと認めます。投票箱閉鎖。
   〔投票箱閉鎖〕
#6
○事務総長(小林次郎君) これより開票いたします。投票の点檢をいたさせます。
   〔参事が名刺及び投票を計算し、投票を点檢する〕
#7
○事務総長(小林次郎君) お諮りいたすことがございます。投票中、議長某君、副議長某君と記載した票が三票でございますが、これらの投票は有効と認めて御異議ございませんか。
   〔「無効」と呼ぶ者あり〕
#8
○事務総長(小林次郎君) 御異議ないと認めます。
   〔「有効ですか」と呼ぶ者あり〕
   〔淺岡信夫君「ちよつと今の議長の聲が分かりませんが、もう一遍繰返して読んで戴きたいと思います」と述ぶ〕
#9
○事務総長(小林次郎君) 議長は誤まりました。もう一度申上げます。(「議長しつかりしろ」と呼ぶ者あり)投票中、議長某君、副議長某君と記載した票が三票ございますが、これらの投票は有効と認めて御異議ございませんか。
   〔「無効です」「無効に決まつております」と呼び、その他発言する者多し〕
#10
○事務総長(小林次郎君) 然らば無効と決定致します。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
   〔帆足計君「某君といふ意味がよく分かりませんが、御説明願います」と述ぶ〕
#11
○事務総長(小林次郎君) 無効と決定致します。
   〔「某君という意味が全然分らないのです。某君と書いたのですか。或る特定の人の名前を書いたのですか」「無効じやないか」「議事進行」と呼ぶ者あり〕
#12
○事務総長(小林次郎君) 投票の結果を御報告いたします。投票総数二百二十四、名刺の数もこれと符合しております。投票の過半数は百十三票でございます。
  松平恒雄君    九十九票
  櫻内辰郎君    七十九票
  黒田英雄君    三十九票
  松本治一郎君     二票
  佐藤尚武君      一票
  尾崎行輝君      一票
  無効         三票
 只今報告いたしました通り、得票者はすべて投票の過半数に達しておりません。よつて暫定衆議院規則第八條によりまして、決選投票を行なうことになります。
   ――――・―――――
#13
○事務総長(小林次郎君) これより投票の最多数を得た二人について決選投票を行ないます。投票の最多数を得られた者は、松平恒雄君と櫻内辰郎君とであります。両者のうちの一名を無名投票用紙に御記入の上、木札の名刺と共に御持参を願います。……これより高呼を致します。
   〔参事が氏名を点呼する〕
   〔投票執行〕
#14
○事務総長(小林次郎君) 投票漏れはございませんか。……投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。
   〔投票箱閉鎖〕
#15
○事務総長(小林次郎君) これより開票いたします。投票の点檢をいたさせます。
   〔参事が名刺及び投票を計算し、投票を点檢する。〕
#16
○事務総長(小林次郎君) 決選投票の結果を報告いたします。投票総数二百二十三、名刺の数もこれと符合いたしております。投票の過半数は百十二票であります。
  松平 恒雄君    百二十八票
   〔拍手〕
  櫻内 辰郎君     九十五票
 よつて松平恒雄君が議長に當選されました。(拍手)
     ――――――・―――――
#17
○事務総長(小林次郎君) 日程第二、副議長の選挙……
   〔一松政二君「緊急動議を申上げたいと存じます。一旦ここで、議長の選挙が終りましたので、副議長の選挙に入るに先立ちまして、十分か十五分か、休憩をして戴きたいと思います」と述ぶ〕
   〔「賛成」「ノーノー」「続行々々」「反対」「休憩賛成」と呼ぶ者あり。拍手〕
#18
○事務総長(小林次郎君) 一松君の暫時十分間休憩すべしとの動議が出ましたが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」「異議あり」「続行」「反対」と呼ぶ者あり〕
#19
○事務総長(小林次郎君) 只今おはかりいたしました十分間休憩いたすという動議に御同意の諸君の起立をいます。
   〔起立者少数〕
#20
○事務総長(小林次郎君) 少数と認めます。日程第二、副議長の選挙。選挙の手続きは議長の選挙と同様でございます。念のために申上げますが、投票は無名投票でございます。投票用紙と木札の名刺が議席に配付してございます。無名投票用紙即ち白色の投票用紙に氏名を御記入の上、木札の名前を添えて御持参を願います。……これより点呼を致します。
   〔参事が氏名を点呼する〕
   〔投票執行〕
#21
○事務総長(小林次郎君) 投票漏れはございませんか。……投票漏れないと認めます。投票箱閉鎖。
   〔投票箱閉鎖〕
#22
○事務総長(小林次郎君) これより開票いたします。投票の点檢をいたさせます。
   〔参事が名刺及び投票を計算し、投票を点檢する。〕
#23
○事務総長(小林次郎君) 投票の結果を御報告いたします。投票総数二百二十八、名刺の数もこれと符合しております。投票の過半数は百十五票でございます。
  松本治一郎君   百二十七票
   〔拍手〕
  黒田 英雄君    八十九票
  櫻内 辰郎君      三票
  尾崎 行輝君      二票
  佐藤 尚武君      二票
  田中耕太郎君      一票
  梅原 眞隆君      一票
  野田 俊作君      一票
  西園寺公一君      一票
  和田 博雄君      一票
 よつて松本治一郎君が副議長に当選されました。(拍手)これより議長及び副議長を御紹介するために本席を下ります。
     ―――――・―――――
   〔事務総長小林次郎君議長松平恒雄君を演壇に導く〕
   〔拍手起る〕
#24
○事務総長(小林次郎君) 只今議長に当選せられました松平恒雄君を御紹介申上げます。
   〔拍手起る〕
#25
○松平恒雄君 只今参議院議長の投票の結果、不肖松平がその選にあたりましたことは、誠に光榮とするところであります。ここに謹しんで御引受けをいたします。すでに御引受けをいたしました以上、新憲法の精神を遵奉し、且つ公正無私、議長の重責を果したいと思います。率直に申上げますと、私は議会のことにつきましては極めて不慣れの者であります。どうぞ諸君におかれましては、この重責を果します上におきまして、御支援、御協力を給わらんことを切に御願いをいたします。(拍手)
   〔松平恒雄君議長席に着く〕
     ―――――・―――――
   〔事務総長小林次郎君副議長松本治一郎君を演壇に導く〕
   〔拍手起る〕
#26
○事務総長(小林次郎君) 只今副議長に御当選に相成りました松本治一郎君を御紹介申上げます。
   〔拍手起る〕
#27
○松本治一郎君 只今皆様の御推挙を受けまして、副議長を勤めさして戴くことになつたのであります。この歴史的民主議会の副議長就任の挨拶を申上げまする機会を與え下さいまして、私の身に取りまして、強き感激と大なる責任を感ずるものであります。私の記憶が間違つていなければ、今より十年前、私が衆議院に、貴族院及び華族制度廃止に関する質問書を提出いたしたのであります。その質問書に對する答弁があまりに簡單でありましたために、再び総理大臣に向つて、本会議において答弁して戴くよう要請致したのであります。その答弁が至極又簡單でありまして、時の総理大臣は廣田博毅氏でありました。その人の答弁は、事天皇に関し、大権に関することである故に、ここではつきりとした答弁ができないと簡單な答弁でありました。十年後の今日は、貴族院及び華族制度は追放せられたのであります。(拍手)
 即ち新憲法第十四條において、すべての國民は法の下に平等である。人種、信條、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的、社会的関係において差別を受けない、華族その他貴族の制度はこれを認めないと謳つておるのであります。時代は変りました。國体は変革されておるのであります。時は民主主義の時代であります。去る四月行われました選挙は民主選挙であります。民主選挙は民主政治に通ずるのでありまして、その民主政治の運行は民主議会において行われるのであります。この民主政治の運行をこの議会において、うまくやるかやらないかということが、民主主義体制の確立のできるかできないかということになるのであります。民主体制の確立をなすことが新憲法の精神に副うところの道であると私は考えるのであります(「簡單簡單」「分つた」「挨拶」と呼ぶ者あり)左樣です。私の心掛けをね。(「簡單々々」「時間が遅い」「電車がなくなる」「演説じやないよ」と呼ぶ者あり)演説じやない。挨拶している。(「短くしろ」と呼ぶ者あり)併しね、時刻の、時の遅いことは知つている。(「場所柄を弁えろと」呼ぶ者あり)黙つて聽け。(「簡單」「個別主義」と呼ぶ者あり)黙つて聽け。「簡單々々」と呼ぶ者あり)なんだ。(「黙つて聽けばいいじやないか。後まで聽け」呼ぶ者あり)最後を聽かなければ分らん。(「簡單々々」と呼ぶ者あり)最後を聽かなければ分らん。(「古い政治をやめろ」と呼ぶ者あり)そういうことだから‥‥(「長い」と呼ぶ者あり)長いといつて、まだ五分も經たない。今までの貴族院とは違う。(「そうだ」「ゆつくりやつてくれ」と呼ぶ者あり)今までの貴族院とは違う。しんぼうしなさい。(拍手)私の……。(「議長注意しろ」と呼ぶ者あり)私の質問に対して簡單な答弁をしました廣田弘毅氏は今囹圄の人となられた。その要求を致しました私は、今この壇上に立つて副議長就任の挨拶をいたしておるのであります。これを考えましたとき、感慨無量なるものがあるのであります。(拍手)。明治の革命は曖昧に終つた。それは何故であつたか。看板は自由民権の看板を掲げたが、中味は鎧兜を着た武士共であつた、封建武士共であつた。自由民権のヴエールをかけて、そうして多数の國民を搾り苦しめて來たのである。これからの政治はお互い國民の生活を守る政治でなくてはならない。人民による、人民のための、人民の政治である。長い間、法律と、軍隊と、警察と、刑務所によつて守られておつた一部特権階級は、もう引込んでいい筈である。(拍手、「ヒヤヒヤ」「いやしないじやないか」と呼ぶ者あり)私は新憲法に副う働きをいたしたいのであります。民主主義体制の確立へ向つて懸命の努力をいたしたいと覺悟いたしておるものであります。どうか皆さん、(「もつとゆつくりやれ」と呼ぶ者あり)同志諸君の絶大なる御支持、御後援を給わらんことをお願い申上げまして、甚だ簡單ではありますが、これを以ちまして私の副議長就任の挨拶といたします。(拍手)
#28
○議長(松平恒雄君) 木檜三四郎君より発言を求められております。この際許可いたします。
   〔木檜三四郎君登壇〕
   〔拍手起る〕
#29
○木檜三四郎君 ここに諸君のお許しを得まして、僭越ながら議員一同に代りまして、議長及び副議長に対しまして祝詞を申上げたいと存ずるのであります。
 松平恒雄君が参議院初代の栄譽ある議長に、松本治一郎君が同じく副議長に当選せられましたことは、私共一同の喜ぶところであります。申すまでもなく、両君はその人格、その識見、共に優秀な方でございまして、議事を宰するに当り、公平無私、從つてよき典例を残されることと存じます。今や國家再建のときに当りまして、新憲法の下において、國会が國家の最高機関であつて、その一院たる参議院の使命の重かつ大なるを思うとき、両君の聲望と手腕に待つべきものが多いと存ずるのであります。ここに両君の御自重と御自愛を切に望むものでございます。甚だ簡單でございますが、これを以つて祝詞といたします。(拍手)
     ―――――・―――――
#30
○議長(松平恒雄君) 暫定衆議院規則第十二條により、諸君の議席を、議長は、只今御着席の通りに指定いたします。
     ―――――・―――――
#31
○議長(松平恒雄君) 残余の議事日程は明日に延期し、明日は午後一時より開会いたしたいと存じます。御異議はございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
   〔拍手〕
#32
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。明日の議事日程は公報を以て御通知に及びます。本日はこれにて散会いたします。
   午後十時五十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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