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1949/04/06 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 議院運営委員会 第11号
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1949/04/06 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 議院運営委員会 第11号

#1
第005回国会 議院運営委員会 第11号
昭和二十四年四月六日(水曜日)
   午前九時五十一分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○懲罰権の適用範囲に関する調査承認
 要求の件
○阿波丸事件に基く日本國の請求権の
 放棄に関する決議案の委員会審査省
 畧要求の件
  ―――――――――――――
#2
○理事(梅原眞隆君) 開会をいたします。今日の予定案件がここに三件ばかり出ておりますが、この二番目の懲罰権の適用範囲に関する調査承認の要求書が出ておりますから、この際取上げたいと思いますが御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○理事(梅原眞隆君) それではさよういたします。
   〔根本参事朗読〕
 懲罰権の適用範囲に関する調査承認要求書。
 一、事件の名称 懲罰権の適用範囲に関する調査
 一、調査の目的 懲罰権の適用範囲については、懲罰事犯の内容並びに場所的関係及び懲罰事犯と会期不継続の原則との関係等明確を欠く点が少くない。よつて本委員会としてこれらの点を調査研究し、以つて必要の際に疑義の存しないようにしておくことを目的とする。
 一、利益 今後の本委員会の正しい運営の基準を明らかにすることに寄與する。
 一、方法 法規、先例等につき関係者より説明及び意見を聽取し、資料を蒐集する。
 一、期間 今期國会開会中
 右本委員会の決議を経て、参議院規則第三十四條第二項により要求する。
  昭和二十四年四月四日
     懲罰委員長 太田 敏兄
 参議院議長松平恒雄殿
#4
○理事(梅原眞隆君) 今読上げました通りでありますが、これは承認をすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○理事(梅原眞隆君) それでは承認いたします。
#6
○事務総長(小林次郎君) ちよつと御相談申上げたいことがあるのでございます、この運営委員会は少し時間がかかるだろうと思いますが、定刻になりましたら本会議を開いて並行してやるようにしましようか、その点を一つお諮りを願いたいと思いますが。
#7
○理事(梅原眞隆君) 今の話どうでしよう。
#8
○矢野酉雄君 やはり定刻に始めて頂きたいと思います。そうしてこれと並行してやる。(「賛成」と呼ぶ者あり)片一方は原則として本会議をこちらで動かすことのないように、特別の事情のあるものは別ですけれども、美風を作るために定時に始めることにして……
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○理事(梅原眞隆君) それではそういうように諮ります。
  ―――――――――――――
#10
○理事(梅原眞隆君) それでは次に阿波事件に基く日本國の請求権の放棄に関する決議案が出ておりますが、これが委員会の審査省畧せ要求して來ておるのでありまするが、御審議を願いたいと思います。外務委員長がおいでにやつておりますから、この決議案に関して一つ御説明を願うことにいたしましようかどういたしましようか……。ではちよつと速記を止めて……
   〔速記中止〕
#11
○理事(梅原眞隆君) 速記を始めて……。それではこの問題を一つ祕密会にいたしたいと思いますが、いかがでございましようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#12
○理事(梅原眞隆君) それでは祕密会にいたします。関係者以外の方は御退席を願いたいと思います。
  午前九時五十五分祕密会に移る
#13
○板野勝次君 この委員会の審査省畧をしなければならない、つまり緊急事態としてなれば委員会の省畧が必要と思われるのですけれども、そう一日を爭うようにも思われないのですが、審査省畧をされる事情についてお聽きしたいと思います。
#14
○理事(梅原眞隆君) それでは今の板野さんの御発言もありますが、これを提案して來られた外務委員会の委員長にその事情を一つお話を願うことにしたらいかがでございましようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#15
○理事(梅原眞隆君) それでは一つ佐藤外務委員長から御説明を願うようにいたします。
#16
○委員外議員(佐藤尚武君) 只今の御質問に対しまして簡單にお答え申上げます。この件はすでに御推察を得ておると思いまするが、何分にも國際関係に重要な関係を持つておる問題でありまして、成るべくこの手続を簡單にいたしまして、そうして上程されんとしております決議案を通過さしたいと、こういうことからして委員会の審査省畧をお願いしたようなわけであります。実はこの問題はすでに長いこと米國政府と日本政府との間に折衝事件になつておりますので、國会として取上げるのは今回始めてでありますけれども、事件の内容はすでにその折衝の結果として出て來ておるのでありまして、この問題につきましては、できるだけ從來の折衝の結果を國会において取上げて、そして決議として、この決議によつて政府にそれだけの権限を與えるということにいたしたいと考えるのであります。從いまして只今申上げましたように、手続をできるだけ簡素にして、余り問題を起すことなくすらりと通過さして頂くというような意味から審査省畧をお願いした次第であります。どうぞ御了承を願います。
#17
○理事(梅原眞隆君) 只今外務委員長から御説明がありましたが、これについて重ねて何か御質問になる点がありませんか。
#18
○委員外議員(佐藤尚武君) もう少し附加えさして頂きます。この問題は御了解を得ることと思いますが、両院ほぼ同時に且つ又同樣の手続を持つて上程をするということが最も望ましいのでありまして、衆議院におきましても今申上げるような手続を取ることになつております。本日の今朝の運営委員会に上程しまして、そうして衆議院の方では多分、本日の午後の本会議に上程するという手筈になつております。それだけ附加えておきます。
#19
○板野勝次君 外務委員長にお尋ねいたします。
 今御説明の中に余り間髪を入れずにすらりと通して行きたいという御説明であつたのですが……、そうすると、請求権の放棄で國民が一体どの程度のものを放棄するのか、どうかという國民の輿論というものを、ある程度まで疑問を抱かせるようになつて、國民の輿論が起らないうちにすらりとやつてしまう必要があるというと、何かそこに妙な感じを國民に與えると思う。そういう点はどうなんでしようか。輿論も持ち上つて、これを、請求権を放棄すべきか、請求をすべきかという輿論が沸騰したその頂点において國会が採り上げて決定するというのが妥当じやないかと思うのですけれども、どうもその点が理解し兼ねる。
#20
○委員外議員(佐藤尚武君) 今板野委員から言われましたようなやり方も、或いは一つの方法かと存じます。併しながら、國際間にはよくこういうことがありまして、殊にこの賠償権の問題であるとか、要償権の問題であるとかいう機微な問題に関しましては、政府の間で以てとり決めを了して、それを発表し、発表した結果に対して國民の支持を受けるというようなやり方がよく行われ前おることと私は了承しております。今度の問題のごときも、今の、先に國民に知らして、そうして輿論を喚起して、その結果やるというようなことでなく、普通のやり方、即ち両國政府の間でとり決めを了して、そうして無事にこの問題を解決しようというのがこの案の趣旨であります。而して國会がすでに國民の代表者である以上は、國会においてこれを了承してこういう範囲内でもつて正規にアメリカ政府と交渉し、且つ合意に達するように努力するだけの権限を與えるというのでありまするからして、その点は國民においても勿論後日諒としてくれることと考えております。
#21
○理事(梅原眞隆君) この決議案に関しましては、各派に十分御相談を願つて、そうしてすらすらと通るように運ぶのが穏当かと思いますので、一つお持帰りを願いまして、御相談を願つて、そうして一時休憩をして置きまして、その相談のでき上つた時分に再開して、もう一遍御相談を願うということが穏当じやありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#22
○理事(梅原眞隆君) ではさようにいたしたいと思います。
#23
○委員外議員(佐藤尚武君) それで運営委員会の方はそういうふうにお取決めになるとしまして、阿波丸事件ということは一体どういうことであるかということを御説明申し上げる必要はございませんか。
#24
○理事(梅原眞隆君) 御説明願いましようか。
#25
○下條恭兵君 会派に帰つて説明するのにも、理由がわからないといけませんから御説明を願います。
#26
○委員外議員(佐藤尚武君) 阿波丸事件と申しますものは、すでに委員諸君においてもとくに御記憶のことと存じますが、日本の郵船会社の船でありまして、たしか一万一千トン級の船であるといわれておりますが、連合國側の俘虜及び抑留者に当てられたアメリカからの救恤品を積んで、昭和二十年二月十七日に南方諸地域に派遣された船であります。この救恤品の輸送のことについては、これは米國政府からの要請に基いて行われたのでありまして、連合國から勿論正規の安導券、セーフ・コンダクトを貰つて、そして南方に出たのでありますが、それが昭和二十年二月中ばのことであります。ところがその阿波丸が使命を果した後に、二千余名の乘客及び乘組員を乘せて、三月二十八日にシンガポールを発つて日本に向つて帰港の遂についたのでありますが、四月一日の眞夜中に、台湾海峽において一米國潜水鑑から撃沈されてしまつたのであります。その当時の模樣を外務当局から聽きますというと、阿波丸は正規の標識をつけ、そしてまた規定通りの連合國との間の話合に決つたその通りの行動をとつておつたのだそうでありまして、夜中には正規のランプをつけ、そして航行しておつた。ただ少しばかり規定の航路から外れておつたということであります。八マイル程外れておつたということでありますけれども、この点においてはアメリカにおいても何ら異存はなく、阿波丸はほぼ正規の規定に從つて航行しておつたということを米國側でも認めておつたそうであります。ところでそういうふうに撃沈されてしまつたので、日本政府は直ちにスイス政府を通じて米國に対して交渉を開いたのであります。その結果、同年七月五日にアメリカ政府から日本政府に対して、阿波丸事件の責任を認めて参りましたのであります。そうして同事件に対する賠償問題に関しましては、敵対行動が済んだ後、日本政府と通常の状態において交渉に入り得る時期になつたならば、早速この問題を取上げて、そうして両國政府において問題を解決しようというような意味の回答をアメリカから寄せておるのです。即ちアメリカにおいてもこの事件に対する責任ははつきりと認めておると、こういうことになると思います。その後、戰時中から戰後にかけまして、両國政府の間に交渉が続けられて今日に及んだわけであります。丁度芦田内閣の時代にこの問題は米國側から提起されまして、そうしてその時に初めてアメリカの方からして、終戰後の事態が非常に変つて來ておる。アメリカ側においては、日本に対してかなり巨額の援助を惜まないで來ておる。そういうような事情にあるからして、阿波丸撃沈の責任は認めるけれども、この日本側の要償権だけは、何とかアメリカ側の日本に対する援助と睨み合せて、そうして日本側から自発的にこの要償権を放棄するということにして貰えないか。若しそういうことが日本側の自発的の意思によつてできるならば、これはアメリカに対して非常な好い感じを與えるに相違ない。それを是非一つやつて貰いたい。そうして又そうすれば、日本側の被害者に対して慰藉ができないのであるから、それも日本側において、アメリカに代つて慰藉金なり、又その外に同樣の方法なり、それを日本側においてやることを承諾して貰いたい。つまり要償権の放棄と、それから日本がアメリカに代つて慰藉するというその二点はアメリカ側から強く要求して参つたのだそうであります。芦田内閣のときに丁度芦田総理もそれを止むを得ないこととして、ほぼ承諾しておつたのだそうでありまするが、時恰も政変に際しまして、そうしてこの問題は未解決のまま、吉田内閣に引継がれたということであります。吉田内閣になりましてからもずつと、これを続けておりまして、アメリカ側は至急これを解決すべく日本政府に強要して参つたのでありますが、昨年の丁度大統領選挙の前当りのことであります。併し当時は民自党の内閣ができたばかりであつて、政局が安定していなかつたというような関係からいたしまして、むしろこれは総選挙後に讓つたがよかろうというようなことで、日本側でこれを延して、そうして今日に至つた次第でありまするが、最早延しに延して來ておりまする関係からして、これ以上延期させるということは、第一理由のないことであり、且又アメリカ側に対して失望を與えるというようなことになつては、折角の要償権の放棄も意味をなさないというようなことになりますので、この際多少の無理は忍んでも、これを片付けてしまいたいというのが、外務省側の切なる希望でもありまするし、又我々といたしましても、そういう事態になつておる以上はこれを解決する、この際解決するということが止むを得まい、又必要であろうということになりまして、この決議案を提出するようになつた次第であります。大体そういうような経過を辿つて來たということを御説明申上げ得たと思います。又何かその外に附け足して御質問でもございますならばお答え申します。
#27
○理事(梅原眞隆君) 何か御質問はありませんか。
#28
○委員外議員(佐々木良作君) 佐藤委員長でなしに、許されれば、政府側の人に質問したいのですが……。
#29
○理事(梅原眞隆君) 幸い法制長官が見えておりますが、法制長官でどうでございますか。
#30
○委員外議員(佐々木良作君) 法制関係の問題と、それからもう一つはこの内容とありますが、宜しゆうございましようか。
#31
○理事(梅原眞隆君) 法制長官で宜しいですか。
#32
○委員外議員(佐々木良作君) それでは法制長官にお答え願いまして、不十分だつたら又……
#33
○理事(梅原眞隆君) 官房長官も見えておる筈であります。
#34
○事務総長(小林次郎君) いつでも参りますから……
#35
○理事(梅原眞隆君) 法制長官で宜しゆうございますか。
#36
○委員外議員(佐々木良作君) 最初法制的なものをお伺いしたいのですが、憲法の普通の建前で行きますと、こういう場合、この外交上の処理、或いは條約についての問題は、國会の議決の事前、或いは事後の承認を得て政府が行うことになつておりますが、この憲法の法的措置七十三條と、今こちらから決議案を出している問題との法制的な関連、及び憲法の八十三條の政府の財政処理権との関連について御説明願いたいのであります。最初のものは、これも七十三條の二号に該当するのか、三号に該当する問題なのかということ、從つてこれが三号に該当する問題であれば、この決議案が若し通つたら、この通つたのに基いて政府が何かこの條約に類するものを作られて、そうしてその作られるときに、或いは作られた後にもう一遍國会の承認を要せられるような手続きが取られるものなのか、その辺の関係と、それから財産権の放棄ということが、八十三條の國の財政を処理する権限の中にこれは入ると見るとどうか、この辺を一つ御説明願いたいと思います。
#37
○政府委員(佐藤達夫君) 非常に幅の廣いお尋ねでございますのと、実は私只今この御決議の趣を拜承したわけでございますから、満点のお答をできるかどうかは存じませんが、一應法律屋として考えておりますところを申上げて御参考に供したいと存じます。
 最初の憲法七十三條即ち内閣の権限、外交処理権限、條約締結権限というものとの関係についてのお言葉でございますが、要するに今回の御決議は、政府に対して先方と話をすることについてのきつかけを頂いたということになるわけでありまして、下折衝というものは、今までありましたかどうか存じませんが、正式には恐らく最高司令官の斡旋等によりまして、先方との話が始まるということになるのであろうと存じます。話のその結果は、相手方のある仕事でもございますし、いろいろな形が想像されるのであります。國際約束としての形になりますか、一方的宣言の形になりますかというような、学術的に考えますと、いろいろな形がございますので、今直ちにこの二号で行くか、三号で行くかというような、その他の点について正確なお答をすることは、これは実際上不可能ではないかというふうに存じます。從いまして御決議を頂きました曉においては、もとより憲法その他國際法は勿論、國内法一般について遺漏のないような措置を取つて行く所存であることはこの際申上げるまでもございませんが、今申しましたような趣旨から、二号になるか、三号になるかというようなことはちよつとここで結論的に申上げ得ない事柄ではないかと考えます。
 それから財政処理権との関係でございますが、これは恐らく請求権そのものの性質の問題になるのではないかと思いますが、只今佐藤委員長のお話を承つておりましても、先方が責任を認めたということまでは分りますけれども、この請求権の、何と申しますか、債権的のものとして、どの程度に関係しておるかどうかということになつて参りますと、日本政府の持つておる債権というところまで確定しておるとまでは考えられないのじやないかというような氣持がいたします。從いまして直接この財政を処理する権限というようなところまで、具体的の形のものになつておるとは見得ないのじやないかというような氣持もいたしますので、憲法の財政処理に関する八十三條の趣旨というものには、もとよりこれは即應して考えられなければならんことになるに違いありませんけれども、あの條文そのものに直接嵌まるものとまでは言えないじやないか。又財政上の同じような趣旨の條文もございますので、それにも直接嵌まらん。趣旨においては……その趣旨に則つて、例えば政府は一方的にそれを放棄してしまう。その國会の両院の意思によつて一方的に放棄してしまうということになれば、或いはその精神から御批判があるかもしれない。こういう御決議に基いて行うということになりますれば、その点の問題というように咄嗟の考えでございますけれども、そういうふうにお答え申上げます。
#38
○委員外議員(佐々木良作君) 私ばかり聞いておつて工合が惡いのですが、私はこの決議をやれば今のような処置が取れることになるのは当然だろうと思うのです。ところが問題は、これがあまり内容がよく分らんからして、そういつた法律的の問題の包括的な権限を與えてしまうことにならないかという心配があるから聞くわけですから、可能性があれば、そういう心配の可能性があれば、成るべくよく御説明を願いたいのですが、この八十三條の問題にしても正面からそう見られないような氣もするのですし、普通の民法上の建前からすれば、一つの期待権見たいな恰好で、どうも八十三條に全然関係がないというように取れにくいような氣がする。特に八十三條に少しでも関係があるとすれば、財政法の八條によりますと、「國の債権の全部若しくは一部を免除し又はその効力を変更するには、法律に基くことを要する。」と書いてあるわけで、その場合には若い八十三條との関係がありとすれば、別途、法律に基く手続を取らなければならないという感じもするし、どうもその点私はつきりしかねるのです。それからこれは法制長官に御質問しても工合惡いかも知れませんが、大体のこの意図は確かに分るのですけれども、これが普通の政府が取る手続として取られずに、非常に特別なものとして、こちらから先に、つまり國会から先に議決して、その議決に應えて政府が処理するという逆の手続を取ることですね。なぜ逆の手続をこれほど急に而も余り内容の分らんような状態で取らなければならないかというところが、私は一番問題ですし、その辺の政府の意図といいますか、考え方を聞きたい。
#39
○事務総長(小林次郎君) 只今外務次官が参りまして、その点についてもう少し詳細に申上げることになつております。総務局長がいるそうですが、総務局長でよろしうございますか。
#40
○理事(梅原眞隆君) 総務局長の御説明でどうですか。
#41
○委員外議員(佐々木良作君) 内容さえ分ればどなたでも結構ですが、成るべくならば政府の責任者から聞きたいような氣がするのです。
#42
○理事(梅原眞隆君) 一應政府委員の方に聞きまして、尚足りないときには要求することにしましようか。
#43
○板野勝次君 それは我々から見ると相当責任があるね。重大な問題を決定するのだから責任あると言えば責任があるし、ないと言えばどうもあれは個人の考えだつたということを言われれば困ると思うのです。だからそういうことのないように、なんとか個人というようなことが出んように、責任を以て答弁し得る人が、これはやはりできるなら外務大臣が出て來るべきだと思います。
#44
○委員外議員(佐々木良作君) 説明員の方が見える前に法制長官にもう一遍聞きたいんですが、最初の問題、若しこれが七十三條の二号に該当するものであるならば、初めからこつちで決議したり、何かする必要はなくて、全部政府で処理できるわけでしよう。
#45
○政府委員(佐藤達夫君) 二号の「外交関係を処理すること。」ということで行きますれば、これは勿論この明文の示す通りでございまして、お察しの通りになるわけです。
#46
○委員外議員(佐々木良作君) そうすると、これまでそういう措置をせずに國会の方の決議なり或いは承認を得てやろうということになると、大体三号に類するものという感じになるわけですか、この事件の内容の処理の方法は……
#47
○政府委員(佐藤達夫君) それは先程申上げましたように、今後の折衝にすべて任されておるものでございますから、結果がどういう形に決定するかということは、全然予測がつかないと申す外はないと存じます。又その間憲法に恪遵し、その他國際法上、國内法上の問題を常に考慮しつつ処理するということを申上げる外はないということに相成るだろうと思います。
#48
○委員外議員(佐々木良作君) 内容上と言つて見たところで、決議に出て來る最初の三つを見さえすれば分るので、この結論が出るのは、どういう方法で話合いが出るか知らんけれども、この内容を盛る話合いなり妥結の仕方というものは、大概決まるのじやないですか。私は外交上のことはよく分らないのですけれども、この内容によつて外交調整の方法がそんなに数個に分れ得るわけですか。三号に該当するような條約と見なければならんような恰好になるのか、或いは全然外交関係の処理と言つて、別に何でもないような恰好になり得るのか、そんなに幅の廣いものですか。
#49
○政府委員(佐藤達夫君) 私は外交当局者でございませんけれども、今まで條約関係の仕事を長年やつておりまして、その経驗より考えて見ますと、こういうような事態を処理する形としては、相当ありました。例えば一方的の宣言だけをしつ放しになる、こつちで一方的に宣言して向うで分つたという宣言をする、それから覚書の交換であるとか、いろいろな形がございまして、それを新憲法の光に照しまして考えて行かなければならんという意味で、我々としては相当愼重に考えているわけであります。
#50
○板野勝次君 法制長官の話は非常に曖昧なんですが、我々は法律のいろいろな見解についてはつきりしないのですが、はつきりせんようなところをもう少しはつきりして、憲法七十三條と八十三條の問題ですね、曖昧に処理せられるということは、我々が審議するのに迷惑ですから、もう少し明確にならんわけですか。それは今佐々木君が言うように、七十三條ならば今國会で議会する必要はないのだということになつて來るでしようし、八十三條ならば勿論これで議決されなければならんという問題になると思います。
#51
○委員外議員(佐藤尚武君) ちよつと附加えて申上げたいと思いまするが、七十三條の三号に該当するかどうかというような問題、若しくは八十三條に該当するかというような問題、そういうこともありましようけれども、この決議案を我々が提出しました根本の考え方は、阿波丸事件に関する要償権というものを日本としては主張したいということが、今までずつと継続して來た考えであつたけれども、戰後の特殊な状態に鑑みまして、特殊の状態と申しますのは、戰後アメリカから非常な援助を受けているというような状態に鑑みまして、そうして我々の方から自発的にこれを放棄してしまおうというのが根本の問題であります。でありまするからして、それがこの七十三條の三号にぶつかるか、或いは二号に該当するかというようなことは、その根本の問題がはつきりしているならば、解釈の方はどうにか都合よく持つて行つて、そうして新憲法にも牴触しない、國会の権限にも牴触しないというような範囲内で以て解決をつけて頂きたいというのが、私たちの希望でありまして、その要償権を放棄するということが、すでに國民の意思としてこれを表現したいということであるならば、憲法の方の解釈もゆとりのある解釈にして頂きたいと思うのであります。それから八十三條の問題につきまして、勿論私は憲法学者でも何でもありませんけれども、これは日本側から言えば、要償権でありますが、その要償権なるものは、米國との関係におきまして、交渉においてどういうことになるか、これはまだ一つも決まつていない問題である。アメリカ側の方から言えばこれは、要償権を承諾しているものでも何でもない。アメリカの方でも日本の賠償権を認めて日本の要求に應ずるという承諾がありまするならば、成る程民法上の期待権というようなものにふさわしい相当するようなものになるかも知れませんけれども、これは一に外交的の折衝に委ねられておる問題であつて、海のものとも山のものともつかない、丸つきりアメリカが根本的に蹴つて來るかも知れないようなそういう問題でありますからして、八十三條のいわゆる財政というものの中には、私は入らない問題であろうと、こういうふうに私としては考えております。丁度外務当局としまして総務局長が來ておられますから、どうか若し必要ならば意見を徴されることをお願いしたい。
#52
○城義臣君 只今委員長から詳しい御説明がありましたが、私共は法制上余り問題もないと思いますが、要するに國会でこういう決議をするということの結果が、アメリカが日本國民の考えをどういうふうに考えるかということの内容となるとすれば、私共は言外に含まれた意味も私はそれをこの程度で皆了承頂ければよいということを考えるわけであります。ここに法制上の問題があればこれは私は止めて頂きたいというわけではありませんけれども、本会議をやつておる時でありまするし、適当にこの辺委員長の方で進行のことをお考え願いたいと思います。
#53
○委員外議員(佐々木良作君) 今、城さんのお話がありましたが一言だけ言わして貰いたいと思う。本來こういう外交的な問題の場合には、こういう決議案でこれを処理するということはこれまで初めてですし、まだ一辺もやつたことはないわけです。私はこの内容が大体妥当であり、こういうことをするのはよいであろうということは考えるのです。これは賛成なんですが、本來帝國憲法から新憲法に変つて、そうして國会の権限が非常に拡大されて、最も民主的に國政が運営されなければならないという前提に立つて民主化の段階にある場合に、初めてこういう外交的な問題が本院の問題となつて來た。而も内容はこれまでずつと外務当局を通じてやつておつたことで、現実にこの話を聽いたのは、これは非常に非公式な話ですけれども本当に一両日前に聽いた。而も今日決議しようかということであります。私共の方のメンバーに対しましても説明する暇も、了解を得る暇も、内容を分析する暇もないわけであります。私はこれは政府自身が、これまでの折衝に基いてやつたことであるから、承認を得てくれ、これも政府がやつたことだからよかろうというならば、又こういう措置も止むを得ないと思う。併しこれは今政府の問題じやなくて、こちらから決議をしようとする問題で、決議に基いて政府に処理の権限を與えようとする問題である。從つて私は初めての外交上の問題であり、そういう今の民主国家建設の丁度中途にある問題であるから、成るべくならばこの問題は皆に十分了承され、そうして今の法を曲げるというよりは、法の最大の範囲内でうまく解釈ができて、うまく國民にいい影響を與えることができるようにすることが一番正しいのではないかと、こういうふうに考えるわけであります。恐らく私は両院が同時議決をしようとする意図も成るべく全部が賛成しようとする意図もそこにあると思います。從つて若し両院同時議決をしようとし、成るべく全員賛成をしようとするならば、当然これは矢張り十分の納得が行くようにして貰わなければ困るので、從つてそれも不可能であればこれは仕方がないので、或る程度の了解の下に各派適当な、勝手な態度をとる。分らんものは分らんもので、態度をとるということになると思います。私の心配なのは、意図がごぢやごちやしてしまつて、両院同時議決を取ろう。或るべく賛成しようとする意図と、内容を成るべくはつきりすまいということとは矛盾する。どつちかはつきりした態度をとらなければならんと思います。
#54
○矢野酉雄君 これはすでに意見が発表されるようになつたので、私の意見を述べたいと思います。質問の段階と思つておりましたが、大変まじめな御質問で、而も重大な御質問であつて僕ら却つて参考になつたわけでありますが、こういう同一内容ではないけれども、いわゆる國民輿論の府としての國会が、参議院衆議院同時に議決する。そうして政府をして行政的、或いは外交的処置をせしめることは、第一回國会において在外同胞引揚の問題に関する特殊委員会の決議もその通りであるし、毎回々々やつて來ておるところの在外同胞引揚問題に関する委員会提出の決議案は殆んどいわゆる輿論を代表した國会が決議して、而して政府を鞭撻して行政的処置をせしめた。これがぶつきら棒にやるならば、憲法第七十三條で内閣それ自体がこの処置を或る程度やり、或いは事前、或いは事後事三号によつて國会の承認を経るというような手続をすれば宜いのでありますが、いろいろな政治的の外交的の処置が拂われて、そうして芦田内閣によつてそれが終末せずして現吉田内閣にこれが持越された。その間外交委員会においてもそれぞれ祕密裡に、公表をよしとしないという條件下に置かれておつたであろうから、今までやつて來られて、そうして数日前から各派で或る程度の了解を求めて、そうして今日に來たのでありまして、これは政治的交渉があり、外交的交渉がやられて、而してこれを國会に持込んで、國会みずからが一つの輿論の中心府として意思をここに表明して、政府を鞭撻して外交的、行政的処置をやらせよう。而してこの決議文の第四番目には「政府は、本決議に基いて執つた措置の結果を、速かに本院に報告すること」というようなこともありますので、相当これに対しては立法府たる國会が監督する必要も十分あると思いますので、今佐々木さんが最後の結論を出されたように、ここに憲法上のいろいろな問題も今の問答ぐらいの程度に止めて置いてそうして初めに委員長が提出せられたごとく各派に持ち帰つて各派の態度を決定して、希くはこういう問題は日本の再建のために、よいように向かわせようという意図があろうと私は信じますが故に、すべての政党がここに協力してそうしてこれを承認するというようなふうに引込むように各派に持ち帰つて頂くことが宜くはないか。こういうふうに考える次第であります。
#55
○下條恭兵君 大体外交委員長の御説明であら筋のことは分りました。又法制的のことも一應伺つたのでありますが、ここで休憩して至急各会派とも態度を決めて、又改めて再開する、こういうことにお願いしたいと思います。
#56
○板野勝次君 今両委員からそういう研究するという話がありましたが、無所属懇談会の方の話は非常に尤もだと思います。つまり賛成して宜いか、反対して宜いか分らない問題、つまり賛成するにして見ても、憲法に照らして見てこういうことになるのだというふうなことがはつきりしないと困るという見解は私は尤もだと思うのです。從來でも憲法の問題、今度の國会においても予算と財政法の問題でさえも、そういう憲法を無視したようなやり方をなされた。今度の場合であつても憲法なんていうものは紙片だ。だから放棄するものはそんなに憲法がどうあれ、やつたら宜いじやないかというのは、やはり憲法を尊重することにはならないと思います。從つて個々の疑問が出て來れば、先ずその疑問を解決するということが必要なので、是非今の憲法に照らして見て、この問題はどんなような方法によつてやられるか。若し憲法の第七十三條の三号でやられるのだとするならば、これは内閣の責任において、我々がこうやるか、ああやるかということが決められるべきものと思う。最初から國会の責任においてどうするという問題にはならないと思う。その点がはつきりしないと、政府の意図というものは、なにかそれを政府のやり方を、責任を逃れて國会に問題を持つて來ておるというふうにしか見えないと思う。どうしても事前に各派に帰つて相談する前にも、こういう問題が一應明らかにされ、更に外務省の責任ある地位の方が説明されたその説明の内容、すべてを持つて帰つて相談されて置くという愼重な態度を取られることが必要だと思います。
#57
○理事(梅原眞隆君) 今の板野さんの話でよく分りますが、先程から法制長官の説明がありまして、つまりこれを今の現段階における適当な答えであるとお聞きになるが、今までおつしやつたように、この問題に関して法制長官の答えが一向意味をなさない、分らない、こういうふうにおつしやるか。その次に、今ここに外務当局の話がありましたが、総務局長の大野さんが見えておりますから、政府委員としては、外務省の責任を以てお答えになることはいうまでもない。そこで法制長官の今のお話で一應御了承ができるが、予め外務省の方の意図を大野総務局長に説明を願つて、それで一應今のおつしやる持ち帰つて話すのに一應の筋が通る、こういうようなことにできるかと思いますが、どうですか、大野総務局長にこの問題に関して御説明を願つたらどうですか。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#58
○理事(梅原眞隆君) それでは大野総務局長から……
#59
○政府委員(大野勝巳君) 只今の御質問のうち、私共の方で申上げた方が御参考になると思う点を一、二ここで御報告申上げたいと思います。
 第一の点は、何故國会がこの問題についてイニシアチブを取る方がいいかという問題だと思うのでありますが、これは佐々木さんのお話の中にもありましたように、新らしい憲法が施行されまして、外交案件というものも國民外交的な見地から取扱われるのが好ましいという点にも触れて來るわけでありますが、從來米國から援助を莫大な額において日本が受けておりまするのに対抗いたしまして、この阿波丸の賠償請求權というような比較的少い金額の問題で、両國の間に長い間案件になつておるということは、いろいろな意味において面白くない。丁度アメリカの議会におきまして、今年の七月一日以降の会計年度において支出さるべき対日経済援助に関する予算の討議が、今や進もうとしておるわけであります。その内容に関しましては、外電が屡々伝えておりまするので、皆さんのよく御承知の通りでありますが、來会計年度におきましては、占領開始以來未曾有の額に上るように予測がなされておるような状況であります。こういう事態の下におきまして、比額的少額の賠償請求權の問題について、いつまでも問題が解決しないということでありますと、米國の政府といたしましても、この米國の議会に対して、対日援助救済等の金額の折衝をいたします場合におきまして、著しく立場が苦しくなるという点が実は一つあるのであります。それと冒頭に申上げました國民がやはり外交をフアースト・ハンドに取上げるという点にも重要な意味があるのでありまして、若し占領以來日本に対して與えられた有形、無形の占領軍の指導力となつております米国からの援助というものに、実質的になんらかの感謝の意味を現し得るといたしまするならば、この問題のごときは可なりいい題目になり得る、これは我々が先方と折衝いたしておる間に感じ得たところでありますが、その場合も、政府が、一方的な措置を取つて、そうしてこれを議会に諮るということよりは、やはり國民の代表の府であり、主權の代表であるこの國会という機関におきまして、この問題が取上げられて、そうして單なる紙の方の、紙だけの感謝決議ということではなく、その裏にこういう大きな含蓄のある問題として意思表示される、それによつて助言された形で、政府が先方と更に折衝を進め得るという立場において貰えれば、これは先方としても非常に工合がいいという点が実はあるのでありまして、その点は一つ御賢察願いたいと思うのであります。憲法上の手続きその他の点に関しましては、法制長官から詳細な御説明がありました通りでありまして、若しこれが御採択願えるといたしまするならば、私は米國側に対しましては、非常にいい影響を與えるものと確信いたしております。尚この案件は非常に機微な関係がございまして、先程法制長官から御説明がありましたように、どういう形で交渉が妥結するかということは、ここで申上げる自由を持たないわけでありますが、又日本の置かれておりまする特殊な事態に鑑みまして、こういう問題についてゴールに到達するという場合におきましても、或いは理論的に申しますと、デイレクテイヴで來ることもあり得るし、或いは日本側の一方的な損害賠償請求權の放棄という、宣言という恰好で行くこともあり得ると思います。或いは手紙の交換ということで行くこともあると思うんでありますが、これらの問題は、若しこういう趣旨で政府がやつてよろしいという權限を國会から頂きまするならば、それに基きまして、鋭意折衝を進めまして、この決議案の趣旨に最も副うような方法を政府といたしましては取りたいと、かように存ずる次第であります。
#60
○矢野酉雄君 この最前私が一種の動議を出して、下條さんも同じような御意見でありますから、佐々木さんの最後の話、この案そのものに対しては賛成だという話があり、板野君だけは反対でもない、賛成でもない、まだその態度ははつきりしておらない、こういう問題は愼重にやる、だから愼重にやるためには早く持ち帰つて、そうして成るべく早くこの問題をどちらか、可決か、否決か、いずれにしても早く決定したいというような情勢にあることは常識上大体分りましたから、委員長そういう方面に議事を進めて下さい。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#61
○板野勝次君 総務局長の説明から行くと、國務外交の問題が出て、それは勿論國民外交に我々に反対する理由もなければ、勿論国民外交というものを主張するのですけれども、政府が一方的な処置じやなく、政府が、例えば憲法の解釈ははつきりして來るなら、政府がこうするということになつて、それを國会に諮るという行き方が、若し憲法が決めておるのならそういうやり方をなぜ取らんのだろうか。そういうやり方を取らないという理由は、ただ國民外交だから國会が先ず自発的にやるべきことだということの理由とは矛盾して來ると思うのです。
#62
○矢野酉雄君 理窟だよ。
#63
○板野勝次君 理窟じやない。憲法は理窟じやなくて、國民が守るべきものとして決めておるもので、紙の上のものではないと思う。
#64
○理事(梅原眞隆君) この程度で、まだいろいろな御意見もあると思いますが、今の程度で一應お持り帰りを願つて、そうして御相談を願つて、更に再開をする、こういうように処理をすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼び者あり〕
#65
○委員外議員(佐々木良作君) 簡單な問題で一つ質問を許されたいのですが……帰つて説明する必要上。
#66
○理事(梅原眞隆君) 今の佐々木さんの御質問、御異議ありませんか。
#67
○矢野酉雄君 決めてあるのだから質問しても構いませんよ。
#68
○委員外議員(佐々木良作君) 今の憲法上の問題で、そういう大きな問題は別としまして、三項の犠牲者の慰藉に対する適当な措置を構ずる、これについて從來この件に関する犠牲者は何らかの、その外の戰爭犠牲者と同じような措置がこれまで取られておつたかどうかということと、それから新たに適当な措置を講ずるという場合に外の戰爭犠牲者との関係がどう考えられておるか。これは本來ならば、こういう問題は大きな問題から入つて、一つ一つ問題が出て來た場合にやるべきだと思うのですけれども、若しこのまま通せば政府の措置だけになつて來るとい思いますが、それはどう考えておられるか、政府に聞きたいわけであります。他の戰爭犠牲者との関係、從來までの取扱い。
#69
○政府委員(大野勝巳君) 只今の御質問に対してお答え申上げますが、政府といたしましては、從來遺族に対しましては何ら特別の救済方法を講じておりません。と申しますのは、この犠牲者の中の純粹の民間人の犠牲者は百七十六名になるのでございますが、この遺族に対しましては、全然給與措置が取られておりません。ただ犠牲者の大半を構成いたしておりまするのが、軍属、軍徴用者、官吏、軍属文官、乘組船員でありますが、これらの範疇に属する者に対しましては、法規の定めるところに從つて通例の手当が支給されております。即ち法律によりまして遺族扶助料、死亡賜金、死亡手当、退職金、賞與、祭祀料、そういつたものが今まで給されておるわけであります。これはその後いろいろ法律が変つたりなんかいたしまして、算定の基礎なども中に増額されていたりなんかしておるのでありますが、軍関係の給與額ということで、それで算出し得る限りにおいては一應の手当をいたしておりまするが、これは大した額ではありません。
#70
○委員外議員(佐々木良作君) ちよつと継続ですが、私ここで聞きいたのは、この犠牲者の慰藉に対する適当なな手段、この三項が入つたのはこれに必要な金額を恐らく最初の一項に入つておる請求権の中に含めて請求しようと思つたのじやないかと推察するわけであります。それで普通の他の戰爭議性者と大体似た慰藉の手段が取られて、それに必要な費用は、こういう御意見だと向うからの賠償によつて撤廃しようと思つたのじやないかと推察するわけでありますが、請求権を棄てる場合に新たに戰爭犠牲者に適当な手段を講ぜよ、他の戰爭犠牲者と並行に取られておる措置の上にプラスということが、プラスするならば新たに出資をするわけになる。その辺がちよつと分りかねるわけなんです。第三項が第一項の請求権の本來の内容に入つたならば、それは棄てるという意味で出したのじやないか。新たな措置を講ずる必要があつて、こういうくつついておるものが現実にあるのか。又新たな措置が加わるかということなんです。
#71
○政府委員(大野勝巳君) 只今の御質問のうちの新たな措置と申しますのはあれでございますか。
#72
○委員外議員(佐々木良作君) 他の戰爭犠牲者、南方で同じような船を沈められたりしたのがあると思いますが、今そういうふうなのと普通の同等の大体の措置は取つておるわけですか。
#73
○政府委員(大野勝巳君) 軍人、軍属に関しましては、軍が從來やつておりました規則がございまして、それに照らして與え得る限りのものを與えておるわけであります。或いは軍人であるとか、官吏であるとかいうものにつきましては恩給が出たり、一時賜金が出たり、死亡手当といつたような細かい規定がございますが、それに照らして加算したものが当時給付されておるわけであります。それは非常に少ないのです。今度の場合は問題が問題でありまするから、例えば交通事故で、省線なら省線がぶつかつて、そのために犠牲者になつたという遺族に対する慰藉金とかいうようなものとは少し樣子が違いますが、他の一般の戰災者の全般的に蒙つておる損害等とは、又大分樣子が違う場合に特殊な私は性質だと思つております。それに対しましてはやはり相当のこれは慰藉の方法を講ぜざるを得ないのじやないか。こんなふうに考えております。
#74
○板野勝次君 その損害の額は現在の状態に直して見てどのくらいの損害になるんですか。そういう遺族に対する慰藉等も含めて凡そどのくらいになるのですか。
#75
○政府委員(大野勝巳君) これはどうも算定の基礎次第でございまして、如何樣な額になり得るとお答えする外ございませんが、若し仮りに適当な、どういう措置を取るか分りませんが、今の財政上の考慮も生じ、それから外の今ちよつと例に申しましたが、例えば八高線に乘つておりまして、汽車が転覆いたしまして亡くなつた人に対する慰藉といたつような程度にはとても扱えないと思いますが、さりとて一般内地におりまして艦砲射撃を受けたために傷つけられたりなどしたもの、或いはその他それに類似したものに対して、若し仮に政府が將來考えることがありとする場合において考慮さるべき金額といつたようなものとも大分違うのでございますからして、その中間を行くものだと思いますので、それらを十分考慮いたしまして、愼重に考えなければならん問題だと思つております。
#76
○板野勝次君 それは総務局長の話で、ほんの僅かだつたということです。だけれどもそれが凡そどのくらいなのか。僅かというが本当はもつとあるのか。それがはつきりしないのです。
#77
○城義臣君 この辺で質疑を打切つて頂きたいと思います。
#78
○理事(梅原眞隆君) それでは一つ休憩に入りますが、午後は本会議が済みまして、一時に再開をするということで御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼び者あり〕
#79
○理事(梅原眞隆君) それでは休憩いたします。
   午前十時五十九分休憩
  ―――――――――――――
   午後一時四十六分開会
#80
○理事(梅原眞隆君) それでは午前に引続き祕密会を開きます。
#81
○板野勝次君 今の日本に國際法が適用されているのかどうかという疑問があるのです。
#82
○政府委員(大野勝巳君) 今日本に國際法は適用されております。
#83
○板野勝次君 そのままですか。
#84
○政府委員(大野勝巳君) 國際法と申しましても講釈のようで申訳ございませんが……。
#85
○板野勝次君 講釈で結構です。講釈して貰いたいと思います。
#86
○政府委員(大野勝巳君) 例えば現在日本が占領地下であつて、こういう態様で占領政策が執行されているということも、見方によりましては國際法の原則に基いている、こういうことが言えると思います。何か具体的に御質問がありますればお答えしようと思いますが……
#87
○板野勝次君 その点は私共から見ると今度の事件の賠償の諸求権の問題ですね。それがつまり確保されておるのかどうかという問題……
#88
○政府委員(大野勝巳君) これはこの問題が起りました直後において日本側から米國側に対して中立國を通じて直ちに抗議を申込んだ次第ですが、その後若干の文書の往復がありまして、その結果を申しますと、米國側としてはこれを撃沈した責任を認めたのであります。そうして話合いによつて損害賠償その他の問題を解決したいという意思表示をして來ておりますが、但し今は戰爭中であるからこの事態で以て話合いを進めるということは面白くない、從つて戰爭が終つたあとにおいて話を附けよう、こういう答えをして來ておるわけであります。
#89
○板野勝次君 だからそういう答えに基いてですね。今度はこちらの方では請求権がちやんと確保されておることになるわけでございますか。
#90
○政府委員(大野勝巳君) さようでございます。
#91
○理事(梅原眞隆君) 各会派の方で御相談せられることと思いますが、今運営委員会で問題になつておるのは、委員会を省畧するということを承認するかどうかということの問題があるのであります。これを承認するということに御異議はありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#92
○板野勝次君 これは休憩前に憲法七十三條と八十三條が問題になつたのですが、勢いこの問題に照らして見ると、勿論國会が発議して何んらかの決議をするということにも意義があると思うのですけれども、賠償請求権を確保されておる問題ですから、勢い憲法に基いて内閣がその責任において出すべき問題で、それをこの國会の責任においてというならば決議をするのはどうかと思われるのです。從つてこのような重要な問題についてはやはり外務委員会と、それから大藏委員会との合同審査会に付議して、そこでよく協議して貰いたい。こういうことを共産党は提案したいわけであります。
#93
○矢野酉雄君 今の板野さんの御意見も一筋の道理が確かにありますが、いろいろ最前から佐藤外務委員長から補助的な御説明を承わり、又客観情勢等もいろいろ考えますと、やはり折角要求してありまする委員会省畧の件を、今委員長が諮つたのですが、緑風会は委員会省畧に賛成します意思を表明して置きます。
#94
○委員外議員(佐々木良作君) 委員会を省畧するかどうかというだけの件ならば、私の方は最初から申上げております通り、意見の内容及び法規的なこと、その他を十分審議するチヤンスを與えて貰いたいということを主張しております関係上、委員会の審査を省畧して直ちに本会議上程ということには反対せざるを得ないのであります。
#95
○理事(梅原眞隆君) それでは委員会を省畧するという意見と省畧しないという意見とが出ておりますが、これを一つ採決いたしましようか。御異議ありませんか。
#96
○委員外議員(佐々木良作君) その前にちよつとお伺いしたいのですが、この議事運営についてどこか昨日当りでもちよこちよこ話があつたり何かしたのですが、その間に衆議院の動きが相当問題になつたのでありますが、昨日までに聞いたところによりますと、これは安全な方面ですから問題はないわけですが、それは今日完全に話合いがついて共産党が反対する以外は、全部賛成するということで今日直ちに上程するということを聞いております。その後はどうなつているか、現在の状態はどうなつているか伺いたいのであります。
#97
○事務總長(小林次郎君) 先程運営委員会を開いております中に入つております議事部長を呼び出しまして聞きましたところが、今各党派の意見の討議をしつつありまして、間もなく本会議が開会できる見込みであるとのことでありました。併しその後の様子は聞いておりません。もう一遍聞いて見ましようか。
#98
○委員外議員(佐々木良作君) 今時間を待つている恰好なので、その間に簡單に意見だけ述べさせて貰いたい。今委員長から提案されている委員会省畧かどうかということが諮らるべきと思いますが、これは諮られても委員会省畧は恐らく通るのじやないかと思います。通りましても、後いつ上程するという相談が必ずあると思いますが、これは或いは小委員会の問題かも知れませんが、希望して置きたいのは、こういう問題につきましては議会の運営上いろいろな問題がありますから、できる限り衆議院の様子を見てこちらの日程が決まり、動けるようにお願いしたいと思います。
#99
○理事(梅原眞隆君) 委員長もそう考えております。議長に衆議院と連繋して貰つて、そうして小委員会をお聞きになるか、適当にやつて頂きたいこういう意見を委員長はもつております。
#100
○委員外議員(佐々木良作君) お願いいたします。
#101
○板野勝次君 私の方ではこういう重要な問題は多数決で押し切つて委員会を省畧してやつて行くというのはどうかと思うのですが、社会党も反対ということですし、そうするとどうも数の上では賛成の方が過半数を制するかも知れませんけれども、とにかく何んぼかの政党が賛成していないならば、できるだけ委員会を通してやつて貰うことが穏当のやり方だから、それを要望したいのであります。
#102
○理事(梅原眞隆君) 大体これは板野さん分つていると思いますが、こういう多数決の問題がいいか惡いかという手続の問題は相当残ると思いますが、今の議院運営の方式なりがそうなつておりますし、又先程から十分にあなたに御発言なさる機会と時間を與えたと信じているのであります。今採決する時期に來ていると委員長は認めている。最後に衆議院の方の連絡をもう一遍、佐々木議員の説を入れまして取つているのだから、その点は御了承願いたいと思います。
#103
○島清君 社会党が賛成しないということは阿波丸事件について賛成しないのであります。委員会の審議省畧の問題は含んでいないのであります。それ以上はありません。それに反対という意味ではありません。
#104
○板野勝次君 それには賛成……
#105
○島清君 賛否を表明していない。
#106
○板野勝次君 それから委員長が空氣が熟していると言われたが、今表明したのは二、三の会派で全体の意思が表明されておらないと思うのです。
#107
○矢野酉雄君 ちよつと休憩したら如何ですか。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#108
○理事(梅原眞隆君) 暫く休憩したいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#109
○理事(梅原眞隆君) それでは暫く休憩いたします。
   午後一時五十九分休憩
   ―――――・―――――
   午後二時十四分開会
#110
○理事(梅原眞隆君) 休憩前に引続きまして開会いたします。只今のような衆議院の情勢でありますが、一つその委員会の審査を省畧するかどうかということに関しまして、一つ採決をいたしたいと思いますが、御異議がありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#111
○理事(梅原眞隆君) それでは採決いたします。委員会の審査を省畧して上程することに御賛成の方の挙手を願います。
   〔挙手者多数〕
#112
○理事(梅原眞隆君) 多数と認めます。それではこれを上程するにつきましては、一つ議長に一任しまして然るべきように運んで行きたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#113
○委員外議員(佐々木良作君) 今の決定はいいのですが、いま島君から出たような問題、その他憲法條項との関係、外交上の問題、そういつたものをもつとこの際に聞いて置きたい、質疑をして十分もつと聞きたいというつもりはあるんですけれども、本会議上程までにそういうチヤンスはもう許されませんか。
#114
○理事(梅原眞隆君) そのチヤンスをとつていいかどうか御異議ありませんか。
#115
○矢野酉雄君 参議院も上程しておれば、この問題はこれから後、どういうように解決するか、当然その間政府の出席を求めて、我々が、本院が最も意図するようなふうに政府を鞭撻して十分その余裕はあると思いますので、相当急を要しているような趣きですし、殊に衆議院がそういうふうに上程しておれば、同日を以て決定して欲しいということを私もこの説に賛成ですが、その機会は今日本会議に上程する前につくることは……一應先に延ばすように、私はそういう意見を持つのであります。
#116
○板野勝次君 今矢野君を言われるのは後日じや意味がないのでして、若しここでいけなければ本会議でも質疑の時間をとる。これは小委員会の問題か知れませんが。
#117
○理事(梅原眞隆君) それは小委員会に任かすとして一應こちらの方では議長に一任をして置くということで……
#118
○島清君 それは今矢野君の言われたのは、討論の時間を非常に急がれて採決を非常に急が過ぎると思うのです。私も賛成しなかつたのですが、採決されたのですが、討論の機会を失つてしまつたのですが、なぜ我々は反対しなければならんかという時間を、今委員長がお與えになられるならば……
#119
○理事(梅原眞隆君) 今問うておるのは本案に対する賛否を問うておるのではなくて、委員会を省畧することに…
#120
○島清君 勿論委員会省畧は私たちも反対なんです。反対の理由をまだ言つていない。申上げる時間がなかつたのです。今からでも遅くなければ申上げますが、
#121
○理事(梅原眞隆君) 併しそうしてよいかということを一應諮つて、そうしてよいというので採決があつたのであつて、その時にあなたが発言をなさらなければいかんので、今入つてよいかというのに対してよいという採決になつた。採決に入る前に討論が要求されれば私はやつたか知れない。併しそれは決定しましたから、これは本会議まで上程する間に今研究する時間が多少とつたらどうか、こういう案が出ました。又これを省畧したらどうかこういう意見が出ましたが。こちらは今矢野委員の言われたように情勢が逼迫しておるから、一つ早速ですね、上程をするということにして、この議長に一任をする。こういうことについて一つ御意見を聞きたいのですが。
#122
○板野勝次君 情勢が逼迫しておるというのはどういうことですか。
#123
○理事(梅原眞隆君) それは衆議院と同時に出そうかということが來ておる。これは皆さんお聞きになつておる通りです。
#124
○島清君 同時ということは同時刻ということですか、同日という意味ですか。
#125
○理事(梅原眞隆君) それ解釈はあなたの……
#126
○島清君 いや明確にして置かんと後で君が言わなかつたからと言われてしまうから。
#127
○理事(梅原眞隆君) それはあなたが解釈されていいのです。
#128
○島清君 同時刻ですか。
#129
○理事(梅原眞隆君) 同時刻と言つておりません。
#130
○島清君 それなら時間は逼迫しないです。同日なら十二時までありますから別に逼迫しておりません。
#131
○参事(河野義克君) 御参考のために申上げますが、先程申し落しましたが、衆議院においては質疑もある模様であります。
#132
○岡元義人君 今島さんのおつしやるのも一理あるのですが、要するに今は委員長がどういうお氣持でおつしやつたか知れませんが。参議院に今までのいろいろ、こういう衆議院と参議院とがいろいろ上程するときに、参議院は参議院の独自の立場で行きたい。だがら衆議院がやつたから後からやるというようなそういう動きに捉われたくないというので、そういう意味でこれは私は付度して意味を汲んで言われたのだと思うそこを一つ……
#133
○委員外議員(佐々木良作君) 実は私さつきからこの賛否の内容を何も言つておらないので非常に問題が重要な問題であるから、第一社会党や共産党が決められたか知らないけれども、私の方では態度を何も決めてない。決めるについて疑問や分らん点が非常にあつて困つているんですよ、実はそれで私は初めから、できれば委員会でやつて貰いたい。委員会が省畧されるとなると、この委員会なりで折角見えているんだから、成るべく一つの疑問を氷解して貰いたいというつもりでやつているだけなんです。私は結論は実は求めるのは…私自身が委員として、私自身がここで結論を求めるのには非常な苦労をしておる。理が分らん、早い話が恐らく私は侮辱になるかもしれませんけれども、私のさつきから言つている質問なり、今出す質問は余りよく委員メンバーとして答えられていない。或いは余りぴんとしておらないような感じを持つている。なぜ僕はそんなにががつとやつてしまわなければいかんのか、その辺がどうにも分らん。でき得れば今日上がるなら今日上がるで私は結構だと思うのです。そういうできるだけ十分に審議できる質問ができるチヤンスを設けて貰いたい。そうしないと、賛成していいのか、反対していいのか後の処理といつたところで、包括的なことで憲法上委任しますと向うが勝手にするということになつている。一旦包括的に委任すれば、それに基いた手段を政府が採つた場合にやはり工合が惡いというのでこれはいかんと思う。そういう点もあるから、できるだけそういうチヤンスを設けて貰いたい。こういうように思うのであります。
#134
○理事(梅原眞隆君) 今佐々木さんが、つまり審査省畧ということは今決定しましたが、上程されるまでにもう少し腹を決めるのにいろいろ質問をしたい点もある。そこでそういう時間を取りたいと思うがどうかという御意見が出たのでありますが、これは又一方からは時間が切迫しているのではないか、今衆議院も上程しておるから、その研究は別にそれを期して、今はこの程度で一つその上程をするような順序まで持つて行つたらどうかとこういう意見と、二つ出ておるのであります。質疑は本会議でもできないわけでもありませんが、そこで……
#135
○板野勝次君 今の佐々木さんのあれで行きますと、本会議で態度を決定して出て行く形になると思うのですが、無所属懇談会の場合は態度を決定するのに困るという事情があるので、これだつたらもう少し今一刻を爭つているというのではないから、もう少しその質問をあれして、どう態度を決めるかの意思が決定できるような状態を作り出す必要があると思うのです。從つて私はもう少し質疑が継続されるということに……
#136
○理事(梅原眞隆君) 分りました。質疑の継続されるのと、質疑を打切つたらどうかという二つの御意見が出ているわけであります。これは一つ皆さん方にお諮りをしまして、先ずその質疑を、初め打切るという案と、質疑を継続するという案と出ておつたのでありますが
#137
○島清君 そういうことになるとどういう意味の質疑ですか、どういう意味の質疑を打切るのですか、何の質疑を打切るんですか。
#138
○理事(梅原眞隆君) つまり会議に出るのに必要な質問をしたいと、こう言われるのであります。
#139
○島清君 それならば別に委員会に懸けなくてもいいのではないか。質疑というものがあつて、採決の移る前提の質疑をして、それをしてしまつたのに、質疑、討論、採決と……、何を採決しますか……それならば質疑は大いに結構ですよ、一事不再理を……、委員会にお懸けになつた。それはおかしいですよ。だから紳士的にもう少し、例えば割切れない氣持があるならば、得心の行くまで懇談をする機会を持とうではないか、もつとふんわりした、柔い氣持でいいのではないですか。
#140
○矢野酉雄君 それはさつきから懇談会をした。そうして懇談会の内容を聞き、いろいろな意見もあり、質問もあつた。政府当局としても相手方とよく交渉して見なければ、政府自体においても答弁のできないということをさつきはつきりしませんということを法制長官もさつき言つた。あなたはさつきおいでにならなかつたけれども……。だからそういういろいろな疑問もあるし、問題もあると思います。併しながらこれは相当外交委員会の、委員会そのものではないけれども、委員会の諸君がこのメンバーでいろいろと案を練り、或いは意見を聞いて、そうして相当ここまで持つて來たのであろうと思う。正式の委員会ではないけれども、いろいろな事情を全部蒐集して見て、そうしてさつきとにかくこれを本会議に上程するというふうにして委員会を省畧するところに決定した以上は、それから先はあなたのお説のように、又質問の時間を特に設けて、いろいろ操作するというふうにすれば、結局結果においては十二時までやれないこともないのですけれども、私はさつき述べたように、実を取るためには今そうしてからさつきはお互いに各党に持つて帰つて態度を決めて、ここで決めるようにするために午前中は確かに休憩に入つたと私は思う。又行つて又引返し、又行つて引返すというならば、これはずつと引延ばすばかりであつて、私がさつき動議を出したように、そういうようなことをやらないで、早く議長に一任して小委員会等において、この方法を決するというふうに進めて頂きたいと思います。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#141
○事務總長(小林次郎君) 先程矢野さんからお話がございまして、委員会の審査省畧ということはお決めになつたのでございます。それでこの際本会議を開いてそれをお進め願いたいのですが、その前に多少の時間がございますから、懇談をなさるということはこれは別問題で、一事不再理でなく、懇談をなさるということはまだ時間もございますから、そう願つたら如何でしようか。そうして政府からでも、御質問の点は、佐々木さんなり、板野さんなり、島さんなり、いずれもお聞きになりたいことはお聞き願うということにさなつたら如何でしようか。小委員会は開かないで、できるならばもうここで大体お決めを願いまして、本議場において討論をなさるか、なさらんかというようなこともお決めを願つたらいいと思います。
#142
○岡元義人君 小委員会でなしに…
#143
○事務總長(小林次郎君) 討論をやるという原則はここで決めて、何分やるかというようなことは小委員会で決めるわけです。これはその前に一應態度を御決定になるための御懇談を願いたいと思います。
#144
○板野勝次君 本会議における質疑と討論は微妙な國際的の関係の問題で、一字一句の上に非常に誤解を生ずる場合のあることはよくないと思う。從つて質疑討論等については十分時間を與えられるというふうなことを予めここで決めて貰いたい。そうしないと從來のような非常に短かい時間を制限してやつて行くと、うまく國民に訴えなければならんところも、言葉の言し廻しで非常に違つた意味に取られるというような危險もありまし、相当外交上の問題は十分時間を取り、そうして質疑應答も盡されるというふうな状態を作り出すように一つして頂きたいと思います。
#145
○理事(梅原眞隆君) それではこの本会議に上程することを議長に一任をして、そうして先程から出ておるいろいろ御研究になるのは、その間の時間に、一つ自由に御懇談を願うということにして御異議ありませんか。
   〔「意義なし」「異議あり」と呼ぶ者あり〕
#146
○理事(梅原眞隆君) それではそういうことにして秘密会を閉じます。
   午後三時三十一分秘密会を終る。
#147
○理事(梅原眞隆君) 今日はこれにて散会いたします。
   午後三時三十二分散会
 出席者は左の通り。
   理事
           川村 松助君
           大隈 信幸君
           梅原 眞隆君
           高田  寛君
   委員
           島   清君
           下條 恭兵君
           城  義臣君
           平野善治郎君
           岡部  常君
           岡元 義人君
           宇都宮 登君
           矢野 酉雄君
           板野 勝次君
           藤田 芳雄君
           小川 久義君
  委員外議員
   外務委員長   佐藤 尚武君
           佐々木良作君
  ―――――――――――――
   議長      松平 恒雄君
   副議長     松嶋 喜作君
  ―――――――――――――
  政府委員
   法 制 長 官 佐藤 達夫君
   外務事務官
   (総務局長)  大野 勝巳君
  事務局側
   事 務 総 長 小林 次郎君
   参     事
   (事務次長)  近藤 英明君
   参     事
   (議事部長)  寺光  忠君
   参     事
   (委員部長)  河野 義克君
   参     事
   (警務部長)  青木  茂君
   参     事
   (委員部第一課
   長)      根本  驥君
  法制局側
   法 制 局 長 奧野 健一君
ソース: 国立国会図書館
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