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1949/04/18 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 議院運営委員会 第16号
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1949/04/18 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 議院運営委員会 第16号

#1
第005回国会 議院運営委員会 第16号
昭和二十四年四月十八日(月曜日)
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○小委員長の報告
○予算及び関係法律の審議状況に関す
 る件
○会期延長の件
○理事の数の調整に関する件
  ―――――――――――――
   午前十時五十一分開会
#2
○理事(梅原眞隆君) これから議院運営委員会を開きます。
 最初に庶務小委員長の中村さんから御報告があります。
#3
○中村正雄君 先日庶務関係小委員会を開きまして、決定いたしましたことを御報告して、承認を得たいと思います。第一は、参議院の食堂内における飲酒の能ですが、先般來の事件がありましてから、ずつと禁酒いたしておつたわけでありますが、警務課の方からの申出もあり、その後食堂における飲酒が禁止されておりまして関係上、各控室において宴会をやる傾向があつて、火災取締等においても困る、その他のいろいろな事情もありましたので、制限を設けて飲酒を認めるということに決定いたしました。その制限と申しまするのは、宴会をする場合は、主催者が常任委員会であるとか、或いは各会派であるとかいう公的なものに限るという條件と、時刻は午後五時半以後、但し本会議をやつているときは、本会議散会後という二つの條件の下に認めることにいたしました。この点御了承を願いたいと思います。それからもう一つは、議員宿舍の件でありますが、御承知の議員会館と違いまして、議員宿舍は法律の根拠に基いてできているものではないので、いわゆる議員として上京中、宿泊所のない人に対してああいう設備を設けたわけでありますが、最初の運営委員会で各会派ごとにこれを割当てました関係上、議員宿舍に入りたい希望の多い会派も少ない会派も、会派の人員によつて割当てた関係上、最初から割当てられた人が一回も入つておらないという人がおりますし、又議員自体が入らなくて、議員の紹介の人を同宿させたり、その他問題が起きておりますので、小委員会で一應議員宿舍の今までの割当を御破算にいたしまして、実際議員の中の希望者を一應申出て貰つて、その希望者によつて割当てるということに決定いたしたわけです。そのときの話合といたしましても、議員が泊るのを原則といたしまして、祕書が議員と同宿する場合は認めるけれども、議員がおらなくて祕書だけ泊るというようなことは、議員宿舍の性質に反するという関係で、是非とも自分が泊るという人の希望者を集めまして、それによつて割当する、これは近々のうちにやるということを申合せまして、この二つの点を御了承を願いたいと思います。
#4
○理事(梅原眞隆君) 只今中村さんの報告がありましたが、これに関して別に御意見がありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○理事(梅原眞隆君) それではそのように決定いたします。
  ―――――――――――――
#6
○理事(梅原眞隆君) これから予算の審議に関する議院の運営に関することを議題といたします。これに関して御意見のある方の御発言を求めます。
#7
○門屋盛一君 二十四年度の本予算が一昨日の衆議院で通過している。それから我々が曾て成立さした暫定予算は十五日で切れている。それでこの予算を早く成立させるということが國会の一つの責任になつているわけです。それでこの際、予算委員会における審議の状況の説明を求めて、今後予算の審議をどういうふうに持つて行くか、いつ頃通過するようになるか、本会議の組み方等をここで聽いて置きたいと思います。それからもう一つは、予算関係の法律案が審議中のものもあれば、未提出のものもある。このことについて衆議院では問題を起したわけです。それで、まあ参議院としては問題を起さずに、本当にそれが憲法違反になるのかならないのか、憲法違反になるようなものならば考えなければならん。又未提出の法律案がどういうわけで末提出になつておるのか、この辺の事情を政府当局から説明を聽いて、はつきりした姿で予算を通したいと、こう思うのであります。それから本年の予算は地方配付税等非常に地方関係のものが多いのです。地方行政委員長の方から地方配付税等の審議の状況等を、それから予算関係の法律案を大藏委員長の方からお伺いし、予算委員長から予算審議の状況と見通し、それを伺いたい。それだけのことを要求いたします。
#8
○理事(梅原眞隆君) それでは最初に予算に関する分に関連して、予算委員長から状況を一つ御報告を願うことにいたします。
#9
○委員外議員(黒川武雄君) 予算委員会は六日から本予算の予備審査を始めまして、一昨十六日に一般質問を打切りまして、本日から分科会に入つたわけでございます。大体本日と明日で分科会を終つて、二十日に本会議に上程するような運びにしたいという希望でありますが、委員の中には、できるならば明日本会議に上程ができるように進行したらどうかというお考の方もございますようですが、私といたしましては、成るべく早いことを希望いたしますが、これは何を申しましても各派の御協力を待つ外はございませんし、且つ又特にこの運営委員会の方々の御努力御支援によりまして、成るべく早く本会議に上程可決という運びにして頂きたいと私の希望だけを申上げて置きます。
#10
○門屋盛一君 そうすると、予算委員長の方から審議の状況は伺つたんですが、まあ大体さつき申上げましたように、暫定予算は十五日で切れるわれなんです。今は予算がないというわけですが、衆議院は通過しておるので、なるたけこれは早く通過さした方がいいと思うのでありますが、政府の方は、この間十五日に暫定予算が切れて、今委員長の言われる二十日までの間は支障はないですか。
#11
○國務大臣(林讓治君) 今日伺いましたのは、一昨日昭和二十四年度の予算も衆議院を通過いたしまして、参議院の方にお廻ししたわけですが、是非これの御審議を成るべく早くお願をいたしたい。尚それに附加えまして、外の方の案件も遅れておる点もありますので、二十日間延期いたしまして、來月の十一日まで延期をして頂くように、これは改めてお願いに伺つたわけであります。
#12
○矢野酉雄君 政府の方のお考は今ので大体分りましたが、会期は別にして、今黒川委員長は二十日に上程するというような、大体の委員長としての肚を打明けられたのですが、門屋委員からは、十五日までで暫定予算はもう切れてしまつているから、無会計ですね、経費がないわけです。それだから成るべく早くやらなければならないという好意あるところのお話でありましたが、政府自体が各支拂等を非常に延期して、非常な民間に迷惑をかけている、それらが結局道義頽廃の元にもなつておるのですが、政府はそれについて何ら強い御要請の御依頼はなかつたんですか。要請しますならば、二十日でも二十二日でも早くしたいと思うのですが。
#13
○國務大臣(池田勇人君) お答え申上げます。一日も早く御審議を願いたいのでございまするが、二十日までくらいだつたら何とか賄つて行けるて思います。俸給が二十三日ぐらいになつているので、二十日ぐらいまでに御審議を願えれば、事務的には大した支障はないと思います。
#14
○石坂豊一君 只今予算委員長の報告は、予算総会において決定したのが二十日という思召のようになつていたのですが、本会議を二十日に終つた予算の審議を済ますということにしなければ、只今大藏大臣のいわゆる支障を來すということになりはしないかと思いますが、その点は如何ですか。予算委員長は二十日に本会議で可決するような予想の御報告だつたんですか。又予算委員会だけの報告だつたんですか。それを明らかにして頂きたい。私の希望は、若しできますならば二十日に参議院本会議を終るようにして頂きたい。かように考えます。
#15
○委員外議員(黒川武雄君) 只今の石坂委員の御希望の通り私もいたしたいと思います。
#16
○中村正雄君 予算委員会にお尋ねいたします。分科会を十八、十九で終つて、委員会を二十日に終り、同時に本会議で成立させるということが予算委員会で決まつたのが、或いは委員長の私見であるのか。いずれですか。
#17
○委員外議員(黒川武雄君) それは先般十六日の理事会におきまして、大体そういう申合せができております。
#18
○矢野酉雄君 大体その線で進めて頂くようにして頂けばどうですか。特別の支障のない限り。
#19
○門屋盛一君 これに対して予算関係の法案の審議の状況を大藏委員長からお伺いいたしたいと思います。
#20
○矢野酉雄君 地方行政の方を先にしたい。
#21
○理事(梅原眞隆君) それでは地方行政委員長から一つ御説明を願います。
#22
○委員外議員(岡本愛祐君) 地方行政委員会におきまして地方配付税法の特例に関する法律案の予備審査をいたしております。地方行政委員会で二回いたしまして、大藏大臣は差支えでお出にならなかつたのでありますが、木村國務大臣が出席しております。それからその後の大藏委員会の方から連合委員会の開会を申込まれました。その連合委員会の方を三回開きました。今日第四回目をいたそうと思いましたところが、今日は閣議の都合で、十時から開会になりましたので大藏大臣は又差支えがありまして今日も流会にいたしました。それが連合委員会は今予備審査でございますが、本審査に移るのを待ちまして、一回聞きまして、それで連合委員会を打切つて討論採決をいたしたいと、こういうふうに考えております。衆議院の地方行政委員会の方ではなかなかこの法律案は難航のようでありますが、私の方にはいつ本審査になれるかまだ見当が付きません。そういう程度でございます。
#23
○理事(梅原眞隆君) 今の岡本委員長のお話に関連して何か御質疑はありませんか。
#24
○門屋盛一君 予備審査に入つておりますね。
#25
○委員外議員(岡本愛祐君) そうです。
#26
○理事(梅原眞隆君) なければ、大藏委員長の御説明をお願いいたします。
#27
○委員外議員(櫻内辰郎君) 予算関係の法律案が今まで相当出て参りましたのでありますが、衆議院から廻り次第即決するような勢いで、実はどんどんやつておるのでありますが、まだ今日も予備審査にかかつておるものがあり、それから本審査にかかるものがあるわけであります。ところが、これができるだけ速かに、今日明日にでも上げるように努力いたしますが、予算関係のまだ出るべき法案が出て來ないということが重要なことだと思います。私の方は衆議院の方から廻つて來次第に、どんどん片付けるように予備審査をいたしておることだけ御報告申上げます。
#28
○中村正雄君 大藏委員長にお尋ねいたしますが、今大藏委員会の予備審査、又は本審査にかかつております法案で、予算に関係する法案は何件でありますか。
#29
○委員外議員(櫻内辰郎君) かかつておりますのは、大藏省預金部特別会計外二特別会計の昭和二十四年度における歳入不足補てんのために一般会計からする繰入金に関する法律案、開拓者資金融通特別会計において貸付金の財源に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案、貴金属特別会計法案、それから米國対日援助見返資金特別会計法案、國立病院特別会計法案、貿易特別会計法案、これが今日審議する予定になつております。
#30
○中村正雄君 予備審査になつておりますか。
#31
○委員外議員(櫻内辰郎君) 本審査は初め申しました三件、それからあとの案がこれからする予備審査であります。
#32
○中村正雄君 これは地方行政委員長と同じように、衆議院から廻つて來ない限りは、いつ上るかという見込は立たないわけでありますね。
#33
○委員外議員(櫻内辰郎君) ちよつと申上げるわけに行きません。
#34
○理事(梅原眞隆君) 予算関係の審議の状態に関する問題は、この程度でよろしようございますか。
#35
○門屋盛一君 いや、いかんですよ。
#36
○矢野酉雄君 今岡本委員長のお話を聽くというと、大藏大臣が何か二度とも都合が惡かつた。それは勿論プライベートではないと思いますが、万難を排して顔を出して、そうして参議院の委員会の審議がスームズに行くように御勉強になるようにお願いいたします。そうしなければ、そんな原因で個人にはやはり感情があるのだから、大藏大臣は今日も実はあとで了解を求めて廻るということであるが、こういうことは事前にやはり御連絡があつて、衆議院に本会議があるならばともかく、大藏大臣が自分の主管の法律案を参議院に提出しながら、その審議に顔を見せない。そういうようなことで非常に変なふうに審議がこじれると進行も鈍ると思いますから、この点を御注意願つたらいいと思います。委員長は審議の見通しが付かないということがあるなら、これは審議をスムースに行くようにして頂きたい。老婆心ながら審議を進める上について参考のために申上げて置きます。
#37
○委員外議員(岡本愛祐君) 連合委員会には一度お出になつたのです。それから明日午前十時からの連合委員会にはお出になる約束になつております。
#38
○中村正雄君 予算に関係しておる未提出の法律案というのはどういうものですか。政府がら御説明を伺いたい。
#39
○國務大臣(池田勇人君) 只今出しておりますのは、主として特別会計法の改正でございますが、予算案に最も関係のあります税制につきましての諸法案は、数日前に向うの経済科学部の方は通りまして、G・Sの方に廻りまして、明日にお願いしておりますが、今明日中には來るのではないかと思つております。経済科学部の方は一週間程前に済んでおりますが、G・Sの方で止まつております。
#40
○門屋盛一君 大体予算の先議権は衆議院にあつて、衆議院が通過したのだから問題がないと言えばそれまでですが、二院制度で参議院がある以上、成るべく間違つた行き方をしたくない。そこで基礎のあることははつきりして置きたい。やはり憲法八十四條の解釈について、大藏大臣は衆議院の答弁に違憲ではないということは言われたが、どういう根拠で違憲でないということを言われるのですか。とにかく予算には小さい問題でも新たな税を設けておるものがあるのだし、これに対するガソリン税がまだ提出されていない。私は違憲じやない。まあ違憲であるということには予算の審議ができないのだから、違憲でないという解釈に持つて行かなければならん問題であるが、それに対する衆議院における説明は極めて強い説であつたように思う、もう少しはつきりして置きたい。
#41
○國務大臣(池田勇人君) お答え申上げます。私の考えでは法律案と予算案というものは別箇のものでございます。成立の形式から申しましても、内容から申しましても、政治的には同時に提出するか、或いは予算の一環をなす法律案が先に御審議を願うのが政治的には結構だと思います。併し実際問題としては必ずしも同時提出でなくても違憲とか、法律違反ということにはならないと思います。尚、新憲法下におきましては、御承知の通り財政法が予算案よりも後になりまして、二十二年度でございまするか、失業保險法、失業保險特別会計法、予算に重要な関係がございますが、予算が議決になつてから後に法案が出たのであります。而して今の軍事公債の利拂停止のごとく、予算案が通過いたしまして、法案が審議未了になるというときには、これはその法律に関するものにつきましては予算が提出できない。こういうことで行くのが実際問題であり慣例であるので、政治的には改善して行かなければなりませんが、法律的には違憲とかいう考えは持つておりません。
#42
○門屋盛一君 そうしますと、大藏大臣の言われるところをこちらから逆に申しますと、大体本筋から言えば、法律案を先に出して予算を組むのが本筋であるし、そうでなくても同時提案ぐらいに行くべきであるが、今回はいろいろの事情で法律案が遅れておると、こういうふうに解釈した方がいいわけですね。それでまあ違憲でないことは我々も違憲ではないと思うが、まあ衆議院では相当揉めたのですが、これについて衆議院側の本会議で林君の発言が相当國民を惑わすものがあるのです。これをはつきりする意味において、參議院の法制局長から、衆議院の法制局長は、この法律案が通らん先に予算が通つても、それは無効であるということを言うたと言つておる。これは実際は言うていないらしいけれども、一應本会議でそういうことは問題に供せられておる。參議院は參議院として違憲にはならないということをここではつきりして置いて予算を決めたいと思う。あなたの御所見を聽きたい。
#43
○法制局長(奧野健一君) 只今池田大藏大臣から言われましたように、法律的に申しますと、予算というものと法律案は全然別箇のものでありまして、御承知のように予算は政府に対して或る一定の枠において財政上の権限を與えるということでありまして、予算ができましたからと言いまして法律的な効力がなく、又法律を動かすこともできないと思います。從いまして例えば一方において増税の法律案を立てて、予算の上でそれを予定して予算を組みましても、増税の法律案が否決になりますと、結局予算としては一應成立しましても、その実行がその分ができないということにもなりまするし、又只今問題になつておりますように、地方配付税の減額の法律案が若し否決になりましたような場合におきましては、やはり從來通りの法律上の義務もあるわけでありますから、一應予算はそれを半分にして、予算が成立いたしましても、國としての義務は法律によつてあるわけでありますから、今後追加予算をするなりその他の補正をやらなければならないということになるわけでありまして、要するに予算というものと法律は全然別でありますから、予算の裏付けになつておる法律案がどうなりましようとも、一應予算としてはそれで憲法上有効に成立をして、ただ執行の面においていろいろ問題が起きるかも知れん点は、例えば歳入を非常に過大に見積つたような場合に、事実上の予算の実行に支障があるというのと同じ問題になるだけでありまして、予算としては法律案と別箇に成立し得るものでありまして、何ら憲法上の支障はないと考えております。
#44
○門屋盛一君 私もそういう解釈でおつたのです。でここでこの公開の委員会ではつきりして置けば、國民も惑うところがないというので、今法制局長の説明を求めたわけです。了承いたしました。
#45
○中村正雄君 ちよつと私疑問があるのでお尋ねします。今未提出になつております税制に関する諸法案、これが審議されないで予算が通るということについては、今法制局長のおつしやつたように、予算自体は憲法違反にはならないと思う。いわゆる予算において收入を見積つておつても、これは見積りだけであつて、予算の收入によつて税金を課するわけではなくて、税金は別の法律によるわけですから、いわゆる收入の過大見積りということと余り変らん。実質上は変るけれども形式上は変らないと思うのです。併し今提出になつております特別会計に関する法律案とか、そういう制度に関する法律案、これが通らなければ私は予算というものが成立するのはいわゆる憲法違反じやないかと思う。いわゆる收入予算というものと制度に関する特別会計に関するものは、法律がなくして予算にそういうものを設けて、それを議決することは僕は法律違反じやないかと思う。從つて予算に関する諸法案と言いますけれども、内容に從つて分析しなければならんのであつて、何もかも法律を決めてそれから予算を出すならばいいわけです。緊急の場合ですからできないのは了承できますけれども、何もかも予算と別箇なものであるから、これは憲法違反ではないという議論には賛成できない、内容を分析しなくてはいけないわけです。
#46
○矢野酉雄君 この問題は大体政府としても或いは僕ら國会としても、こういうふうに考えたらよくないかと思うのです。これは純理論的に言えば憲法違反でないということも成立つ、そうして又前例もあるからと言うのでこれを又更に裏付けしているので、大藏大臣、それ制法から局長のその意見は成り立つけれども、少くとも民主憲法の治下においては、政治常識が最も満足するような運営にするということを考えるべきではないかと思う。そういう意味において予算の法的根拠となるべき税制その他の法律案というものを成るべく早くこれを國会が可決して、然る後にその上に乘つて行く予算案というものを認めて行くというのが、これは常道であると思います。それは成るべくそういう常道というものを歩いて行くようなふうに、事情特別でない場合におきましては、それを建前として政府も國会も行くべきではないかと私はこういうふうに考えておるのです。そうすると今の中村さんの御意見においても、当然これが私の申上げた意見の中に包攝せられるのではないかと思うのですが、法制局長どうですか。私の考え方は……。
#47
○法制局長(奧野健一君) 法律的の問題を離れて考えますと、勿論法律的に財源なら財源を作るのはやはり法律によつて作るわけでございますから、それと予算が一致して同時に審議成立して行くということは最も望ましい憲法の精神だと考えております。
#48
○中次正雄君 僕も税金に関する諸法案という内容をはつきり知らないので、今抽象論的に申しましたが、税に関するものはこれは收入ですから、これは法律違反じやないと思いますが、制度に関するものが若しもあるとするならば、特別会計その他の制度に関するものがありとするならば、その法律が出ないのに予算を可決するというのは憲法違反だと思いますが、法制局長どうお考えになりますか。
#49
○法制局長(奧野健一君) その制度の問題も、例えば或る官廳を作るといつたような制度と睨み合して予算を組んでいる場合に、その制度の基礎になる法律案が否決されたというふうな場合には、やはり先程申しましたと同じようなことになるのではないかと、今考えております。
#50
○門屋盛一君 そこで先程副総理から会期延長のお話があつたからいいのですが、実は衆議院も十六日に予算を無理矢理に通して、まだ未提出の法律案が通過しておらんにも拘わらず、会期があと三、四日の今日まで会期延長を運営委員会にお諮りにならなかつたということは、幾ら憲法を尊んでおるとおつしやつても、どうしても内閣のやり方は国会はどうでもいいのだ、予算を通して置けばこの法律案は嫌でも通さなければならないのだというふうに思つておる。憲法を重んじておるとか、國会を重んじておるとは我々には取れない。まあ併しこれは今会期延長の申入れがあつたのだから、ちよつと今日はあなたの方の陣容がよかつたわけだ。
#51
○國務大臣(林讓治君) この問題は小林事務総長からも早く申入れした方がいいのじやないかというような御注意がありましたが、行政機構の改革の問題などもありまして、会期を延ばさなければならんということもありましたけれども、むしろ余り小出しにどうこうするよりも、思切つてやろうということで今まで遅れたので、決して他意あつてそうなつたわけではないのですから、その点どうぞ惡しからず御了承願いたいと思います。
#52
○門屋盛一君 その経緯はよかつたのですが、二十日で大丈夫ですか。
#53
○理事(梅原眞隆君) 予算関係に関しまして、まだ外に御質問はありませんか。
  ―――――――――――――
#54
○理事(梅原眞隆君) それではこの会期の問題を、今当局から、二十日から五月十一日まで延長して呉れという申入れがございましたが、これは委員長会議でいろいろお話もあるわけでありましようから、ここで直ぐ決定するというわけにも行かないかと思いますが、丁度今当局の方が來ておられますから、この問題を今日は決定しないけれども、一つ御質疑のある方は質疑をなさるということで御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#55
○中村正雄君 それではお尋ねしますが、さつきの予算問題については、質疑はこれで止めるというわけで、決定はあとにやるわけですね。若し二十日に決定するというならば異議がありますから……。
#56
○理事(梅原眞隆君) 予算の決定はどういたしますか。
#57
○門屋盛一君 僕はこの問題の決定をあとに残さないで、只今の政府の説明及び法制局長の説明を聽いて、この扱いで違憲ではないかということに決定して審議を進めたい。こう思うのです。
#58
○矢野酉雄君 門屋君の御意見は立派な御意見じやないですか。参議院自体が違憲という問題に対して、曖昧模糊たる一つの問題を含みながらこれを審議して行くのは参議院の性格上潔しとしないから、ここで運営委員会が法制局長の意見、その他大藏大臣の意見を一應これを是とし、又法理論的にいろいろ研究するのは別として、一應違憲でないという態度を明かにして、然る後にその上で審議をして行こうというのだろう。最も民主的なやり方だと私は思う。だから私は門屋君のその動議に賛成します。
#59
○石坂豊一君 只今のは動議ではなかろうと思う。門屋君はそういう前提の下に二十日に決めるという希望を入れて行く、こういう考えなので、ここで動議として提出されたものでないと思う。又それで適当だと思う。
#60
○藤田芳雄君 今のお話のごとく、この席で直ちに違憲でないと決定することはちよつと保留して頂きたい。私共帰つて研究もして見みたいと思います。
#61
○中村正雄君 僕も違憲であるかどうかということは、これは各人の見解があるわけで、どちらに決まつてもいいわけですが、違憲でないからと言つて二十日に他の法律案、未提出のものもあり、審議中のものもあつて、それを切り離して二十日に予算を上げるかどうかということは別な観点から考えなければならんので、二十日に予算のプログラム通り他の法案とは関係なしに上るということに決定したわけじやないのでしよう。それともそう決定するのであれば僕は意見があると申上げておる。
#62
○門屋盛一君 予算が上つて來たが、予算を本会議に上程する間際までも、これは違憲であるとか、この予算は審議するとかせんとかいうことを、その場までやるのは面白くないから、違憲について疑問があれば一應運営委員会で質すのが運営委員会の役目じやないかと思う。若し違憲であるということに疑問があるならば、予算委員会が審議すること自体がおかしいので、そういうことは衆議院にも出ている。だから一應疑いのあるところは質して、参議院は何らこの問題に対して、違憲という言葉は荒いけれども、法律上差支ないのだという解釈の下に進めて行きたいと思う。これは御賛成願いたい。
#63
○中村正雄君 僕の言うのは違憲だからどうこうするわけではなくて、無論嚴格な意味で行けば税に関する、その他予算関係に関する法律が全部成立して、それから予算を組むのが一番よい途でしようが、そんなことは恐らくできないので、両方同時に出すとか、或いは諸法案があとから出ても、成立が同時になれば僕は違憲じやないし思う。又同時にしなくても、僕は法案の性質によつては違憲にならないものがあるだろうと思う。從つて予算関係を全然他の法案と切り離して予算を上げるということには賛成できない。從つて今未提出のものもあるのだから、それも出して、その他の重要な法案と予算の成立と僕は同時期にやるべきであると思う。
#64
○門屋盛一君 それで未提出法案について今大藏大臣から説明もありましたように、大体閣内の取扱いは終つておつて、向うからOKを貰うようになつておるんですな。これは私は理論的に言えば、中村委員の言われた通りであるけれども、今置かれている日本の情勢から言えばそういうこともあり得るので、好ましい弁明ではないけれども、万一予算関係の法律案が両院を通過しない場合は、予算の執行ができなくなつて内閣が責任を取らなければならないというようなことになるかも知れないけれども、一應私は予算と法案とを切離す、付いておるものをわざわざ切離す必要はないが、予算は予算で上げなければならない。予算を上げるということは甚だしい違憲ではないという解釈の下に予算を上げたい。
#65
○石坂豊一君 私共もやはりこの予算は、予算案と法律案とが併進して行くということが理想的であり、又そうあるべきものと思うのでありますが、そのずれが來るのは、これはいたし方ない。今一番急ぐのは予算の成立で、一刻も急ぐべきものである。これは当り前に言えば年度前に成立しておるべきものである。暫定予算を十五日までという一應の便法を取つて、そうして本予算は我慢のできる期日で成立せしめる。我々はできれば今日でも明日でも成立させて頂きたいのですが、それは時間的にできない。時間的にできる最大限で成立させるように一つ行きたい、こう考えておる。他の法律案と一緒に出されるということも容易でないから、まあそれも急ぐべきことでもあるけれども、その法律案を全部提出しなければ予算を審議して行けないということになると、非常が先が延びると思いますから、私共は先程予算委員長の述べられた期日内において急いで審議を進めたいと、こう考えておるんです。
#66
○矢野酉雄君 石坂さんの言われることはちよつと度が過ぎるようですが、とにかく中村さんの言うことも原則論としてはいいことであるし。又実際論として門屋さんの御意見も御尤もだと思います。併しここでは二十日までにやれということを運営委員会が決定するわけでもないのだから、その線に沿うように本委員会はそれを了承して、折角各委員から活溌なる御意見があるのだから、ここで二十日に終れという結論は……。
#67
○石坂豊一君 そんなことは言つておらん。そういう希望で……。
#68
○中村正雄君 併し今の大藏大臣のお話を聽いても、公務員の給與の支拂いは二十三日だから、大体しようがないだろうという、こういう話もあるのだし、未提出の税制諸法案も今明日中には出せるとおつしやつておる。從つて切離してやるという決定には不賛成である。少くとも予算に関係する諸法案が提出されない前に、予算を成立させることは僕は反対です。
#69
○門屋盛一君 内閣の手続は終つておるようだし、あとは向うとの折衝問題だから、それが果して今明日に提出ができれば結構ですが、だから切離しても止むを得ないんだから、私は構わんと思うのだがね。
#70
○中村正雄君 だから尚更と思うのだ。政府の考えだけでそのまま出せるものであればいいけれども、関係方面との交渉があつて、政府の出しておるものが全部駄目になるかも分らん。そういうときに実際出ていないものに対して予算審議をするのはおかしいと思う。今までのように閣議決定だけで出せるものは、それは目先で予算は出せるけれども、これまでの政府の折衝を見ても政府は全然信用できない。今日言つていることと昨日言つていることと全然違う。行政に関する諸法案の提出も見ぬうちに予算を成立さすということは不見識だと思う。國会議員として不名誉だと思う。
#71
○門屋盛一君 僕はそれを止むを得ないと思う。
#72
○石坂豊一君 先議権がある衆議院で通過しておるものを、こちらで阻止するということは……。
#73
○中村正雄君 それは衆議院の横暴だ。
#74
○石坂豊一君 横暴でも何んでも通つたらしようがない。
#75
○中村正雄君 衆議院が通つたからといつて、参議院が同調する、そんなばかなことはない。
#76
○矢野酉雄君 諸法案も早く出して貰うようにして、出ないからという前提によつて先議をする必要はない。大藏大臣もOKが出るだろうと言うのだから、それが出たら通すように努力して、一方は予算をどんどん進めて行く。
#77
○理事(梅原眞隆君) かように取計らつたらどうでしようか。予算の審議着関しまして、皆さん方の間に一致しないものがあるのだから、一應関係の方に來て貰つて、その事情を明らかにお聽取りになつたら……こういうことに一應しまして、大体の氣分としては予算も早く通したい。それからその予算の通るように法律の提出も十分に考慮せられて、早くお出しになるようにということを我々が政府に要望しつつ、一應ここで質疑を打切る。こういうことで御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#78
○門屋盛一君 そうすると、やはり中村委員の言われるように、法律案の提出を政府は急いで頂きたい。
#79
○理事(梅原眞隆君) 会議のことは先程申しましたように、常任委員長の……。
#80
○門屋盛一君 官房長官が帰られたようだが、予定されておる法律案は全部を上げなければならないのですか、今会期中に。
#81
○國務大臣(林讓治君) 成るべく少くしたいと考えたこともあつたのですが、できるだけ出たものは通したいという氣持でおりますが、この会期の間において支障のないものは削除するかも知れませんが、まあ大体できるだけ早く出しまして、審議を終るように……。
#82
○門屋盛一君 臨時國会が予定されておるわけですからね。それは首相の施政方針の中に臨時國会が予定されておるし、それであの中からもう一回ピック・アップして貰つて、本当にどれだけやればいいのか、明日でももう少し官房長官にも來て貰つて、もつと説明を聽かなければ、本当に二十日でもいいのか、一月延ばさなければいけないのか、見当が付かないことになる。
#83
○國務大臣(林讓治君) 関連したものだけ成るべく早く出したい。尚省いていいものは省いて……、省いて行くということはちよつと語弊がありますが、その辺のことをもう一遍精査しまして御相談申上げたいと思います。
#84
○中村正雄君 二十日間の会期延長ですが、今の門屋さんの重複するかも知れないが、これだけの法律案はどうしても出さなければならん。そのためには二十日の会期延長をする。そこに会期延長の根拠を置く。そういう点を一應はつきりして頂きたい。一應二十日間延ばして置こう、又その後五日延ばして行くとか、二、三日会期が残つているからもう一度法律案を出そうというのでは困る。これだけの法律案を出すためには二十日間要るのだという根拠をはつきり示して頂きたいと思います。
#85
○理事(梅原眞隆君) そうしますと、会期の問題に関してはこちらとしては二十日延期をせられる根拠になる法律を政府の方から御内示して貰いたい。そうしたら判断する。尚、委員長会議の結果と睨み合せて御相談を願うということにして御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#86
○理事(梅原眞隆君) ではさように取計らうことにいたします。
  ―――――――――――――
#87
○理事(梅原眞隆君) それでは理事の互選に関しまして一つ御相談申上げます。
#88
○参事(河野義克君) 今直ぐ資料をお配りいたしますが、遅れまして申訳ありませんが、問題はこういうことでございます。第三國会におきまして委員会が改組になりました際に、その当時の各会派の勢力に按分比例をいたしまして全理事を各会派に配分なさつて、具体的にどの理事を取るかということを各会議で御相談になつてお決め願つたわけでありますが、その後各会派の所属員数が大分変動を來した。それで常任委員会の方におきましては、その事実に基きまして、その変動を三月三十一日現在で行なつたわけであります。そういう常任委員については、そういうことを行なつたという事実と、更に現実に文部委員会におきまして、理事が無所属懇談会の岩間さんが共産党に入られた関係で、理事の辞任をされようと一遍なさつたわけでありますが、その後各派の所属員数が大分変つたから、この点は全般的に、総合的に檢討さるべきだという見解から辞表は撤回されまして、そういうようなことがかたがた解決を迫られておる関係がございますので、このことをどうするかということをお決めを願いたいのでありますが、從來常任委員長に関係の深い議院運営委員会の決定前に、これを常任委員長会議に付議すべき問題であるという常任委員長会議のお申合せがございますので、常任委員長会議に一應かけましたところ、常任委員会の空氣といたしまして、やはりこの際、各会派の所属員数に比例して理事の割当を変えるべきところは変えて貰いたいという希望が強かつたわけであります。それで理事の選任に関する議院運営委員会の決定事項に基きまして、この問題を調整しようといたしますと、結局民主党と社会党と無所属懇談会から各一名理事を数を減じて頂きまして、これを民主自由党に二名、共産党の方に一名割当を増すということに算術的にはなるわけでありますが、この算術的になる結果は、実際的にどういうことにするかということにつきましては、前の決定の次第を申上げますれば、算術的に決定いたしましたことにつきまして、具体的にどの委員会の理事をどの会派が取るということにつきましては、各会派からあのときは二名でございましたが、二名の非公式の交渉委員を出して頂きまして、その各会派の非公式の交渉委員会の折衝によつて、自分のところは何委員会と何委員会を取るということを決定して頂いたわけであります。從つて若しその線でやることに御決定がありますれば、この際は民主自由党、民主党、社会党、無所属懇談会、共産党の関係、五会派で御協議を願えばいいかと思いますが、この際各会派の所属員数に應じて理事の異動を行うか、或いはこの際は見送るかということ、行うならばどういうふうに行うかということについて御決定を願いたいと思います。
#89
○理事(梅原眞隆君) 只今委員部長の報告、お聽取りの程でございますが、先ずそれでは理事の数をこの際調整するか、若しくはこのまま見送るかどうかということにつきまして一つ御意見を承わりたいと思います。
#90
○石坂豊一君 これは先日ほぼ決定しておつたので、増減のあるところはおのおの委員を出して、そうして決めて貰うというようになつておつたと私は思つておりますが。
#91
○理事(梅原眞隆君) では変えることにいたしますか。変えることに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#92
○理事(梅原眞隆君) それでは変えることに決定いたします。その選出方法といたしましては、只今委員部長の方の案では、関係五会派から二名ずつ立てて、そうして一つ御相談を願う。こういうことが穏当でないかという点もあるのでありますが、如何に取計いましようか。
#93
○石坂豊一君 それはそのように取計つて結構です。
#94
○矢野酉雄君 緑風会は関係ないだろう。
#95
○理事(梅原眞隆君) 関係ありません。
#96
○門屋盛一君 緑風会も入つておつて貰つた方がいいと思います。
#97
○矢野酉雄君 いいですよ。
#98
○理事(梅原眞隆君) 関係会派から二名ずつお出し願つて御決定願うことに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#99
○理事(梅原眞隆君) それではさよう決定いたします。今日はこれで散会することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#100
○理事(梅原眞隆君) それではこれにて散会いたします。
   午前十一時四十四分散会
 出席者は左の通り。
   理事
           川村 松助君
           大隈 信幸君
           梅原 眞隆君
   委員
           中村 正雄君
           石坂 豊一君
           城  義臣君
           寺尾  豊君
           中川 幸平君
           門屋 盛一君
           奥 むめお君
           岡部  常君
           宇都宮 登君
           矢野 酉雄君
           藤田 芳雄君
  委員外議員
   地方行政委員長 岡本 愛祐君
   大藏委員長   櫻内 辰郎君
   予算委員長   黒川 武雄君
           兼岩 傳一君
  ―――――――――――――
   議長      松平 恒雄君
   副議長     松嶋 喜作君
  ―――――――――――――
  國務大臣
   大 藏 大 臣 池田 勇人君
   厚 生 大 臣 林  讓治君
  政府委員
   内閣官房長官  増田甲子七君
  事務局側
   事 務 総 長 小林 次郎君
   参     事
   (事務次長)  近藤 英明君
   参     事
   (記録部長)  小野寺五一君
   参     事 
   (議事部長)  寺光  忠君
   参     事
   (委員部長)  河野 義克君
  法制局側
   法 制 局 長 奧野 健一君
ソース: 国立国会図書館
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