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1949/05/27 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 議院運営委員会 第40号
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1949/05/27 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 議院運営委員会 第40号

#1
第005回国会 議院運営委員会 第40号
昭和二十四年五月二十七(金曜日)
   午後一時三十一分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○檢察官適格審査委員会委員の予備員
 選出に関する件
○犯罪者予防更生法第四條第二項及び
 同法施行法第一條の規定による中央
 更生保護委員会委員任命につき同意
 を求める件
○運輸省設置法第九條第一項及び附則
 第二項の規定による運輸審議会委員
 任命につき同意を求める件
○懲罰動議の取扱いに関する件
  ―――――――――――――
#2
○理事(高田寛君) それではこれより運営委員会を開きます。
 最初に檢察官適格審査委員の問題がございますから、議事部長から一つ御説明を願います。
#3
○参事(寺光忠君) 御手許の法規の四百三十六頁でございます。四百三十六頁の檢察廳法「檢察官適格審査委員会は、内閣総理大臣の監督に属し、國会議員、檢察官、法務廳の官吏、裁判官、弁護士及び日本学士院会員の中から選任された十一人の委員を以てこれを組織する。但し、委員となる國会議員は、衆議院議員四人及び参議院議員二人とし、それぞれ衆議院及び参議院においてこれを選出する。」そういう規定がございます。ところがこの國会で先頃檢察廳法の一部を改正する法律案が通りまして、その予備委員を作ることになりましたので、この只今の二十三條第四項の次に「檢察官適格審査委員会に、委員一名につきそれぞれ一名の予備委員を置く。各委員の予備委員は、それぞれの委員と同一の次格のある者の中から、これを選任する。但し、予算委員となる國会議員はそれぞれ衆議院及び参議院においてこれを選出する。委員に事故のあるとき、又は委員が欠けたときは、その予備委員が、その職務を行う。」こういうふうに改正になりましたので、從いまして予備委員を二名当院においてお選び願わなければならないのでございます。御参考までに、本委員の方の選任はどのようになつておるかと申しますと、現在緑風会の徳川宗敬さんと民主党の前之園喜一郎さんとお二人が選任になつております。そのときの選任の事情は、当時の議院運営委員会の速記録によりますと、昨年の十一月十日の議院運営委員会で村上委員長がこのように言つておられます。「御報告を申上げますが、檢察官の資格、適格審査委員につきましては、一名は緑風会から推薦され、一名は社会党、民主党、民自党で御協議願うということになつておりましたが、民主党から候補者を出して頂くということに協議が纏まらなかつたのでありまして、まだ具体的な名前は伺つておりません。」そういう経過によつて民主党から一名出ておるということになつておりますが、選任はどういうふうになさいますか御決定願いたい。
#4
○矢野酉雄君 予備委員ですから、徳川君、それから前之園君の予備委員として行くのでから、その会派のものから出すようにしたらどうですか。(「異議あり」と呼ぶ者あり)
#5
○藤田芳雄君 こういう委員は何かの國会員から出すものについては、数の問題が、まあ新生クラブは今日見えてないですけれども、全体を見渡して或る会派にだけ偏るようなことのないようにして貰いたいという御意向があつて、それは誰でも尤もな話で、そうあるべきだと思うのでありますが、先程お話中の一名は他の三つの会派から協議の上出して貰うということで、民主党がおなりになつたとすれば、むしろあとの民自党及び社会党から予備委員を一名ずつお出しになるのがむしろ順当ではないかと思います。
#6
○理事(高田寛君) 他に御意見はございませんか。
#7
○矢野酉雄君 どうでもよろいしです。
#8
○小林勝馬君 藤田君の意見に賛成します。
#9
○理事(高田寛君) それでは予備委員は民自党と社会党からおのおの一名ずつ出すということで御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○理事(高田寛君) ではさよう決定いたします。
  ―――――――――――――
#11
○理事(高田寛君) それから本日の日程に載つております地方厚生保護委員会委員の任命について、只今法務総裁から発言を求めてられております。
#12
○國務大臣(殖田俊吉君) それではこの保護委員の御承認を願いますので、ちよつと私から申上げますが、今度犯罪者予防更生法というものを御決議になりましたので、これは從來は行刑局でやつておりましたことなんです。最近の法務廳では行政長官の下において矯正局というものがございまして、そこでやつておつた。向うの考え方で、お役所だけでやつてはいかん。そこで委員会を設けてそうして委員会の審議に移せ、委員会の下に事務局を置いて事務をとらせる。そこで委員会というものは役人だけでなく民間の有識者を以て組織しろ、権威を以て組織しろということになりましたので、三人の委員会で構成されて、この三人の委員会が、つまり人事院とか、或いは会計檢査院みたいに、この三人の委員がすべて相談をいたしまして、大方針を決めるということになりましたので、この人選をいたしましたのであります。これもなかなか行刑のことに関するエクスパートは見当りませんので、この三人が今のところこれ以上に人はちよつとあるまいというのでお願いをいたしたのであります。この他に名古屋の大学の先生にもお願いをしたのでありますが、どうしてもお断りになりまして、出られないものでありますから、それでこの眞中の戸田貞三さんは、これは東京大学の社会学の先生で、非常な権威であります。それから現に私の方では、今年の初めから行政科学審議会というものを設けておりますが、この審議会の委員をお願いいたしております。この行政科学審議会は、制度といたしましては、今年の二月に作りましたのでありますが、もう一昨年ぐらいから実は向うのサゼッションによりして設けておりました。それをこの二月に表向の機関にいたしました。そのメンバーにこの戸はさんをお願いいたしておりまして、一番主にやつて頂く方であります。
 それから最後にお願いしました原という方があります。原泰一、この方は囚人保護につきまして、昔から有名な原胤昭という方の令息であります。そうしてアメリカで勉強した人であります。初めは銀行員でありますが、後にはやはりお父さんの後を受けまして、そうしてこの保護事業の本当の專門家として働いておられる。これはもう親子二代に亘つて日本の第一人の保護事業家なんであります。この方をお願いしました。
 それからもう一人、三人目といたしましては、実は名古屋の大学の先生をお願いしたのでありますが、お断りになりましたので、二番目の後補者といたしまして、この池田確二君、これは相当長い間司法官でありまして、判事でありました。それが終戰後判事からも檢事を採るということになりましたので、檢事になつて頂きました。そうして仙台の高等檢察廳の檢事長を願つておつたのでありますが、この間お辞めになりました。これは実に穏健な人物でありまして、又保護事業にも、從來からも熱心な考を持つておる方でありましたが、この人にお願いしたらよかろうというので、お願いすることにいたしました。
 先ず戸田さんと原さんが第一の権威者であります。池田君はその意味におきましては多少劣るかも知れませんが、併しながら判檢事の中では最も優秀な方であります。実はここにおられる岡部議員が議員でなければ実はお願いするところでありますが、議員であるのでお願いするわけに参りませんので、そういう意味で、この方をお願いすることになつたわけであります。どうぞ御承認を願います。
#13
○門屋盛一君 大体いろいろの法律によつて政府の方からこちらの方に同意を求められる手続として、事務局の方にも少し御注意願いたいのですが、予め四、五日前にでも、或いは分れば一週間前にでも、こういうものをお配りになつて置いて、そうして我々に多少の考慮の期間を與えて貰いたいということは、たびたび申上げてあるのであります。そのことが行えないのは、これは政府にも、事務局にも、一つ遺憾の意を表さなければならん。そういう意味から考えると、もう少し研究して見たいと言いたくなるのですけれども、只今の法務総裁の御説明は、近來の政府の御説明には珍らしく墾切を極めておる。了承いたしました。
#14
○國務大臣(殖田俊吉君) 私はこれをもつと早くからお願いしたかつたのでありますが、予防更生法が議決にならんので、議決にならん前にこれをお出しすることはどうかと思いまして、控えておりました。両方御可決になりましたから出しましたので、甚だ遅れまして申訳ございません。有難うございました。
#15
○板野勝次君 私は門屋委員の言われました前段の部分に対しては賛成であります。従つてこれは今法務総裁がうまいことを言われたということに、感心せられたという意味ではなく、門屋委員はこれを了承されたわけなんでありますけれども、我々としてはどういう御立派な方であるということと、それから保護委員会の委員候補者として適当であるという問題とは又別なんでありまして、やはり前から我々は何回もこういう経歴の問題については、予め出して貰いたいということを言つておるが、今出たのですからこれを説明されて後に又成るべく早い機会に決定される、やはり各派で相談する時間の余裕を與えて頂く、こういうことがいいのではないかと思いますので、今日は採決されることは御遠慮願つたらどうかと思います。
#16
○矢野酉雄君 どうですか、大体今までやつて來たものの中にその材料も……、それは法律案の問題で遅れたようだが……、そうして説明もよく率直に説明してなんだから、各派から大体お預りして來ておる僕らだから、この程度において今日了承を與えたら如何ですか。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#17
○板野勝次君 それはそれとして分るのですけれども、併し前から余裕を置いて、人事の問題に関しては余裕を置いて各会派で相談するということになつておるので、自分の方の会派には予め諮つておりますから、どんないい人であつても、いい場合には直ぐ、分らん場合には延ばすということではなくて、いつもそういう原則を守つて頂きたいと思います。そうでなくて原則はいつでも多数決で破られるというのではこれは面白くないと思います。
#18
○理事(高田寛君) それでは如何いたしましようか。
#19
○藤田芳雄君 この規定は両議院の同意を経て法務総裁なり國務大臣なり総理大臣なりが任命するという、形式を取ることはいわゆる民主的な形ではない。委員を任命するという根本原則を現わしたもので、これは重大なんであります。ただ形式的に両議院の同意を求めたのでは、これはいわゆる民主的ではない、ほんの形式的にしか過ぎないのであります。今まで実は私共法案を作るときに、委員の任命の仕方が問題であるということがたびたび問題になつて、そのときに皆さんの御意見として言われますことは、國民を代表する両議院が同意を與えるのであるから、これこそ最も民主的なものではないかというのでありまして、形の上においては確かにそうなんであります。ところが今までの実情はどうかと申しますと、先程來問題になりますように、その場に持つて來て、考慮の余地なしにまあそれでいいじやないかというような形で行つておる。そうしますと、一体民主的に運営する内容の意味がその法文の実際と副わないような形になつて來るのでありまして、そういう意味からしましても、やはり一應、私共としても会派に持ち帰つて、皆さんの御意見をお聴きしなければならんと思いますし、今一つは先程來お話のありますように、少くとも或る程度それぞれの議員が考慮し得る余地を残すように、前以て資料を出して頂くということが絶対的條件ではないかと思うのであります。それで今まで委員会といたしまして、門屋委員も先程言われましたように、数回に亘つてたたいておる問題でありまして、今承認を與えるというお話がありましたけれども、その原則はまさかお破りになつたのではないと思います。若しそれ程急がないのでございましたならば、一日だけでも考慮の余地を與えて頂きたい。何か急がなければならんという特別の事情があるならばその点をお聽きしたいと思います。
#20
○参事(寺光忠君) 実は本件は非常に早く議長まで提出せられておりましたのですけれども、議院運営委員会がその後御承知のような状況で、これをここにお諮りする機会を今まで失つておりましたのでございまして、政府の方から提出されましたのは相当以前であるということをちよつと議長部長として……
#21
○原虎一君 政府の方では明日では困るのですか。明日も運営委員会が開かれるのですか。
#22
○國務大臣(殖田俊吉君) 甚だ勝手なことを申上げますが、実は六月一日から委員会を開かなければなりませんものですから、それまでに御承認を願えれば……
#23
○理事(高田寛君) それではいかがでございましよう、今日は今ので保留してその次の機会に決定するということにして……
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#24
○理事(高田寛君) それではさようにいたします。
 それでは次に運輸審議会の委員の任命に同意を與える件であります。これは今お手許に履歴書をお配りしたのでございますが、それでは一つ官房長官から御説明を願いたいと思います。
#25
○政府委員(増田甲子七君) 運輸審議会の委員の任命について、運営委員の同意を得ることについて御説明申上げます。
 この運輸審議会は、來るべき運輸省の各種の諮問のために運輸省設置法の八條によつて設置されております。その九條において、「委員は、年齢三十五年以上の者で廣い経驗と高い識見を有する者のうちから、内閣総理大臣が両議院の同意を得て、任命する。」この條項に基いて御同意を願うためにお願をいたしておる次第でございます。
 委員の候補者といたしましては、太田三郎君、岡田信次君、それから柏原語六君、木村隆規君、平井好一君、松浦薫君でございます。
 太田三郎君は、昭和三年に東大を出まして、爾來外交官生活を送つておつたのでありますが、只今は終連の方の局長の兼務を経まして、横須賀の市長をいたしております。横須賀の市長を最近辞表提出中でございます。この太田君は別段運輸に関する特別の知識なり技能を有するものではございませんが、第九條の第一項にいわゆる廣い経驗と高い識見を有するというような見地から適格者と政府においては認めまして、任命いたしたい、こう思う次第でございます。
 それから岡田信次君でございますが、岡田信次君は大正十二年に京都大学の工学部土木工学科を卒業いたしまして、爾來鉄道の技術的方面に勤務をいたしておりまして、最近まで運輸省の鉄道総局の施設局長をいたしておりました。去年の三月二十日に本官を免ぜられまして、只今は小田急の嘱託をいたしております。これはこの鉄道建設の方面につきましては権威者でございます。
 それから柏原語六君は、大正九年中央大学を卒業いたしまして、東京弁護士会の役員等をいたしております法曹界の権威でございまして、これも専門家ではございませんが、太田三郎君と同様に、民間側におきまま支、法曹界における立派な幹部権威者としていわなる廣い経驗と高い識見を有するというふうに認めまして、これを任命することを適当と認めておる次第でございます。
 それから大村隆則君でございますが、大正九年に東京の帝大を卒業いたしまして、爾來鉄道職員といたしまして勤務いたしておりました。これは工学ではありません。事務の方面をやつております。鉄道監になりまして、役人を止めて丸通の幹部をいたしておりました。現に中央道路運送委員会の委員長をいたしておる次第でございます。
 それから平井好一君でございますが、大正七年に東京大学を卒業いたしま島て、船舶方面海運関係にずつと從事いたしまして、それから後経済安定本部の運輸局長をいたしておつた者でございます。これは海運界における専門的の知識経驗並びに廣い経驗と高い識見を在するというふうに認めておるのでございます。
 松浦薫君は、昭和五年に東大の工学部の土木科を卒業いたしました。松浦工業株議会社の代表取締役をいたしておりましたが、最近辞任いたしまして、いわゆる平取締役となつて現在に及んでおります。土木工学界における権威者であります。
 以上六名を運輸審議会の委員として適格を有する者と認めまして、皆様の御同意を得て、政府においては運輸審議会の委員に任命いたしたいと存ずる次第であります。何とぞ御同意賜らんことを切望いたします。
#26
○理事(高田寛君) 御質問はありませんか。
#27
○中村正雄君 官房長官に迂濶なことをお尋ねいたしますが、鉄道審議会の重要な仕事というばどういう仕事ですか。
#28
○政府委員(増田甲子七君) 鉄道審議会は今度の設置法によりまして、初めて設けようとする運輸審議会であります。これは諮問等に應ずる次第であります。
 その諮問事項は、日本國有鉄道の基本的な運賃或いは料金の設定若しくは変更又はこれらに関する認可、地方鉄道方面の監督関係についての事項、その他後で申上げますが、それらの事項について運輸大臣は必要な措置を採る場合には運輸審議会に諮つて、そうしてその決定を尊重してこれを実行するということになつております。併しながらいわゆる決定機関ではない、諮問機関であります。この運輸審議会の諮問答申はできるだけこれを尊重して、これをしなければならないということが設置法の第六條の書かれておる次第であります。尚審議事項等を申上げますと、水上運送事業の國内航路における基本的な運賃及び傭船料における指定又は認可をする場合は、やはり諮問をしなければならないのであります。
 それから、港湾運送業をおける基本的な港湾作業料率及び倉庫業における基本的な保管料率に関する指定又は認可とか、軌道の特許或いはその取消、或いは営業の停止、それから自動車運送事業の免停若しくは取消或いはその停止、それから小運送業の免停若しくは取消又は停止、日本國有鉄道が行う鉄道新路線の建設、或いは運輸事業の讓受、連絡船航路又は自動車運送事業の開始及び営業線の讓渡の許可又は認可、それから日本國有鉄道、地方鉄道、軌道の営業線の休止或いは廃止の許可、それから地方鉄道、軌道自動車運送事業における会社の合併、事業の讓受又は讓渡し、事業の管理の委託又は受託事項の許可、認可を與える。こういうような場合におきまして運輸審議会を経て運輸大臣が監督権を行使しなければならない、こういうわけであります。
 御承知の今度の運輸大臣は概ね監督行政をするためにも、監督行政を行うに当つて、いろいろな諸般の重要な事項は、いずれも運輸審議会に諮問をいたしまして、その答申をできるだけ尊重して、そうして運輸監督行政を行う。こういう建前であります。
#29
○中村正雄君 審議会の内容は分りましたが、六名の委員の方を選考なさつておる、この候補者を職業別又経歴を見ますと外交関係の人が一人、鉄道は技術と事務と分けて二人づつにする。弁護士、それから海運関係の人、土建関係の人と、こういうふうに入れてあります。從いまして、一應私達がすぐ感づきますのは、これは運賃その他の決定につきまして、むろん重要な仕事をお持つになつておる審議会に、何故金融関係から入つておらないかという点。
 もう一つは、このお選びになつた標準は、どういう業界から選ぶという標準によつてやられたのか、その点をお聞きしたいと思います。
#30
○政府委員(増田甲子七君) 御承知のごとく、金融機関を除いて、あとは六人ということで、その六人の選び方について、運輸当局を主体とする政府においては、種々研究を重ねた次第でございまするが、十分いわゆる世の中の常識を豊富に持つておる、或いは高い識見と廣い経驗というようなものを持つておる者から二人、あとはそれぞれ専門家をこれらの委員に依嘱した方がよろしい、任命した方がよろしい、こう考えて一應二と四といつたような割合は一應研究した次第でございます。そこで常識の方面について、いわゆる専門家でない識見と、廣い経驗とを持つておる者としては、先ず外交官といつたものが、非常に廣い視野を持つて、諸國を歩いた関係で、これはよかろうというようなこと、それからあと萬く見渡しますが、先ず法曹界あたりで、これは運輸関係のことにつきましても、なかなか係爭事分にも馴れておるし、そういうような面から、法曹界から一人こういうふうにいたしました。あとは御承知のごとく、民間と官界といろいろ経て來ておる経歴の、経驗は違いますが、いずれも鉄道或いは海運における専門家でございます。
#31
○中村正雄君 従つて金融界の方からは選ぶという意思はなかつたわけなんでございますか。
#32
○政府委員(増田甲子七君) 金融界のことも考えたには考えたのでございますが、結局二と四の割合になりまするというと、四の方が技術的或いは事務的の専門家、二が一般の廣い常識或いは経驗と識見というような見地から考えまして、金融界或いは中小工業いろいろなことも考えましたが、結局ここに落着いた次第でございます。
#33
○中村正雄君 もう一つお尋ねしたいのは、六人の中の経歴を見ますと、非常に奇異な感じを受けますのは、六名の中四名までが、東京帝大出身、一人が京都帝大出身、一人が中央大学出身、こうなつております。むろん選ばれた人が偶然にもそうなつておるのかも知れませんけれども、余りにも帝國大学中心で選考なさつておるというような奇異な感じを受ける、この点につきまして、何か御所見があれば承りたいと思います。
#34
○政府委員(増田甲子七君) 東大に偏しておるというようなきらいがあると仰せになるかも存じませんが、これは偶然にそうなつたのでありまして、初めの我々の選考の標準から、結果的にこうなつたというふうに御了承願いたいのであります。
#35
○藤田芳雄君 この審議会の委員の任命については、何か欠格條項があつたと思うのでありますが、その欠格條項をもう一度読上げて見て頂きたいと思います。
#36
○政府委員(増田甲子七君) 國務大臣、國会議員又は地方公共團体の議会の議員政党の役員、こういうような者が委員であるわけには行かないのであります。
#37
○藤田芳雄君 それだけでありますか。何かこの運輸事業に利害関係のある者は除くとかなんとかいう條項はなかつたのですか。
#38
○政府委員(増田甲子七君) 慣例はあることですが、こちらにはないことであります。但し藤田さんの仰しやる特定の事件について特別の利害関係を有する人は、当該事件の決議に参加することができないというふうになつております。
#39
○門屋盛一君 中村君の御質問によつて大体なされたのですが、中村君は金融界と限られたが、経済界代表が一人入つておらん。それに引きかえて、土木関係が二人、いずれも各分野から人選する上から苦心なさつたというが、土木は岡田君一人おれば土木工事は皆分る人、二人も要らないと思いますが、松浦君……
#40
○政府委員(増田甲子七君) 松浦君は履歴外には実は存じませんが、東大の土木工学科を出まして、由來土木経営のことに終始しておられ、目下会社の社長もいたしておりますから、そういう視野からも、経済界関係における視野から、指導者の経驗を持つておる、専門的の経驗を持つております。自分で会社も経営いたしておりますから、他の専門家という見地に比ベて、多少経済的見地という意味、それも加味されておるというように御了解願いたいと思います。
#41
○門屋盛一君 松浦氏の経歴から申しますと、むしろ土木の方の者であつて、土木をやりながら、その土木の会社に関係しておる、その経営しておることが、実業団体に関係しておるということには思われないのであります。私達は、運賃を決めるとか、私設鉄道のあれをやるとか、いろいろのことは審議会に諮られる重要な案件になつておる点から考えまして、本当に誰が見てもうなずけるような経済界代表を一人入れる余地がある、人選の余地がある、こういうふうに思うのであります。これは関連した問題ですが、前の國有鉄道の拂下げの問題の折も、その説明から言つても、岡田君一人おればいい。官房長官の言われるように、松浦氏の経歴から言つて、善経済界を代表するという大きい立場でなくして、いささか人選が軽率でなかつたか、でなかつたならば、何等かそこに妙な流れがあるのじやないかという直感ですが、あります。御説明を願いたい。
#42
○政府委員(増田甲子七君) 門屋さんにお答え申上げます。松浦君のこの経歴でも御覧の通り、土木工学科を出た水でございまして、その方面から、いわゆる土木建築業務を営んでおる、会社経営をいたしておる、こういう立場ではございまするが、併しながら從來の経歴に鑑みまして、或いは高松財務局の不動産評價委員をいたしておるとか、或いは文部省の科学教育振興委員会の委員をいたしておるとか、或いは瓦斯会社の取締役をいたしておるとか、こういうような関係でございまして、全日本を代表するというお説のような経済團体の代表者とは言い兼ねますけれども、併しながら土木工学の見地と、それから経済的方面についていろいろ廣い視野を持つておるという立場と、私は両方面の資格要件を備えておるというふうに感じますから、門屋さんのおつしやる一つの目的を、全部ではございませんが幾分は達しておるというふうに考える次第であります。
#43
○門屋盛一君 官房長官はそう言われますけれども、この履歴にはつきり書いてあるように、昭和五年に帝大を出て、昭和二十三年の二月までは大倉土木と、松浦工業株式会社の代表取締役をしている人で土木建設業の責任者であつた。それが一つの背景となつて香川縣の農業会の常任理事とか、それから今御指摘になつた高松財務人とか、文部省とか四國瓦斯の取締役ということになつておるけれども、今挙げられましたことが、直接の運輸とはすこぶる縁の薄いことを兼ねられておることと、それから今日の複雑な経済界において、決してお兼ねになつたことが……軽いことという意味ではないけれども、これは常識で判断しましても誠に、これだけのことを兼ねておつたから、今日運賃なんか決めるとか、鉄道拂下げなんかの審議をするとかいう上においては、如何に我が國貧弱なりといえども、もう少ししつかりした人があるのじやないかと思うのです。(「同感」と呼ぶ者あり)これだけは私どなたが御覧になつても、この経歴であの重要な運輸審議会の委員にするのなら、もう少し人がありはしないか。年のことは申しません。年のことは申しませんけれども、御年輩から言つてもこれだけの兼務をなさつておつただけでは、経済界の全般の事情に通じておるとか、経済界の代表の意味を含めたということは些か官房長官の御強弁のように思うのです。
#44
○藤井丙午君 私もこの門屋さんの意見に賛成です。從來鉄道の審議会は、私の記憶では今の運賃決定の諮問機関というようなこともあつて、輸送の需要者側の代表という人が必らず入つているのです。重要物資の指定産業とかいろいろ……。それがつまり経済代表、産業代表ということと同時に、輸送事業側の代表というような意味も確かに入つておる、私はこういうことがあると思つております。そういう要件を備えた人が入つていないということは私も奇異に感ずるのであります。少し人選が……、人のよしあしは別として、偏り過ぎているという感じを持つわけです。
#45
○政府委員(増田甲子七君) 私の御説明が実は私もざつくばらんに申上げますと運輸大臣からその話を承わつた範囲を御説明しているのであつて、あとの細かいことについては資料が乏しゆうございますから、いずれ皆様の御意見をよく運輸大臣に傳えまして、運輸大臣の方から場合によつては罷り來させまして、門屋さんの人選の御質問にお答えさせるようにいたしますが、如何でございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#46
○理事(高田寛君) それでは何か御質問……。それではもうこの問題は今日はこの程度で保留して次回に審議することにして御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#47
○理事(高田寛君) ではさようにいたします。
 それでは一時休憩いたします。
   午後二時十四分休憩
   ―――――・―――――
   午後二時五十一分開会
#48
○理事(高田寛君) それでは休憩前に引続きまして会議を開きます。それではここにかける問題は昨日のこの懲罰関係の問題ですが、これはこの会議でどういうふうに扱いましようか、これは別に付託されて審議するという筋合のものではないので、或いは懇談会にして話合でもいたしますか。どんなふうにいたしましようか。
#49
○藤田芳雄君 懇談会にしましても、話合にいたしましても、若しここでこの問題に触れるならば、私このいわゆる懲罰に挙げられた人ですね。その人が中に加わつての話はどうもいかんと思う。だからその人達は一たん交代して貰うなりしてもらわないと……どうもそういうふうにしないと……
#50
○門屋盛一君 今の藤田委員の方では何か誤解があるのではないかと思うのですが……、懲罰事犯をどうしようというのではなくして、この扱い方をどうしようというのですから、何も個人の問題をやるのではないから、おられても差支えないと思う。別にそれがどうということではないと思う。
#51
○藤田芳雄君 その扱い方というものが、結局問題になつて行くんじやないかと思います。ですからやはり直接関係のある人は遠慮するのが穩当じやないかと思います。
   〔「それなら代りを出して」と呼ぶ者あり〕
#52
○藤田芳雄君 勿論代りを出して頂いてですね。……
#53
○門屋盛一君 私昨日これを運営委員会で扱つたらということを言い出した責任上、私の氣持はそうまで深くここでは堀下げられないことだからと思うのです。昨日からそういう話は聞かんこともなかつたけれども、それは運営委員としての責任があるのですから、その間立退くということになると、若しそういうこともありますまいが、参考までに、運営委員全部が懲罰の対象に挙げられるようなことも考えられますが、運営委員会の懲罰事犯の審議はできないのです。ただ扱い方だけだから差支えないと思います。
#54
○小林英三君 門屋委員の意見に全然同感です。退席する必要はないと思います。
#55
○門屋盛一君 それは懲罰委員会の審議権に入つて行くことになると……
#56
○原虎一君 私は藤田委員の言われていることは道義的には考えなければならん必要があると思いますが、規則的には決して考える必要はないと思います。私は言わして頂きますならば、その前に運営委員会として、もう少し考えるべきことがあるんじやないかと思う。昨日も私の申しましたことを門屋さんは恐らく察せられておると思いますが、この問題を懲罰の事務として我我が一應扱うことが成る程議事上は必要であります。併しながら参議院の権威を保つという点において必要ないんじやないか。今日お互の努力と申しましようか、各同僚議員の協力と申しましようか、正常運営状態に還つて参りました。併しこれは私は懲罰に付せられておる人もいない者も運営委員として、一應この責任を参議院として感じなければならないのではないか。そういう点から考えて、私は懲罰事犯を事務的に、私共が運営して起つた問題であります、その問題を懲罰事犯の事務扱いとして、我々が簡單に扱つていいのでありましようか。衆議院はどうやつているか分りませんが、参議院はもう少し考えるべきではないか。こういうふうに考えますときに、私はできますならば懇談会に移して頂きまして、私共の意中をお互聞いて頂いて、御批判願つて、そして参議院が参議院としての権威を保つための処理を進めて行くと、こういう立前に立つて初めて進んで行くんじやないかとこう思うのです。
   〔「同感」と呼ぶ者あり〕
#57
○岡元義人君 私はそうなると発言の何がない筈ですが、実際言うとまあ私今のお説もよく分るのですが、ただここでそういうふうな懇談会をお開き頂きまして、そういうようなことをやりましたそのままが、再び本会議でも繰返さなければならんということであれば、これは又何もならないと思うのであります。それだけ時間を費すだけで、空費するだけ損です。その点をよく……、何かの前提の下に、その前ここで、そういう弁明を聞こうということでありますならば、これは私は賛成であります。
#58
○原虎一君 私は岡元さんがそういうお考えで、今御発言のようなお考え――、私の受ける感じからいたしまするならば、この懲罰事犯をそういうお考えで扱つたら参議院の権威は落ちてしまうと思います。この懲罰事犯はお互の信頼感がなかつたならば、やはりあの二十三日のあれを繰返すのではないかと思う。あと四日間において繰返すのではないかという感じを抱いております。でありますから懲罰事犯は参議院のお互各派から出ております運営委員会でありますけれども、お互参議院議員として、あの新憲法に基いて初めて立つた我々が、この第一頁に汚点を付けた、これは懲罰に付された人間だけが私は責任があると、そしてその他は責任がないとは言えないと思います。このような観点からこの問題を処理しなければ衆議院と違うところは出て來ないと思います。衆議院はやはり党派別において非常に鬪つて、懲罰事犯をやりますことは御承知の通りであります。併し今度の問題は、私共の結論から申しますれば、お互いの未熟ではなかつたのではありませんか。私はそういう観点からこの問題をザックバランに話合つて、そうして参議院を、本当に今後どうやつて行つたらいいか。それがためにはこの問題を不問にするとかしないとかいう問題ではない。不問にしたいなら不問で宜しい。どうしても懲罰にしなければならんというならば、しなければならんようにする。もう少しザックバランに話合うということが必要である。そうでなければ、私は本当に参議院らして処置を採ることにならんのでないか。そういう観点から懇談会というのでありますけれども、どうもそれが疑いがある。又引延したのではないか。何か肚があるのではないか。こういう考えならば、御賛同を得るならば、この運営委員会で、どうか時間を許して頂いて、私共の考えをザックバランに申上げて、それに対する批判をして頂いて、そうして運営委員会で動議を私は提出いたしたいと思います。併しそれは余り角張るから、私は懇談会に願いたい。併し懇談会でいう発言に責任がありますから、私は速記をつけて置いて頂きたい。こういう考えで私は懇談会の動議を提唱しておるわけです。
#59
○藤田芳雄君 私の提案しました意味をもう少し敷衍いたします。実は懲罰事犯が出て参りましたが、これを懲罰に付したならば、要するに、ああした不手際を二度としないで済むということならば、それも結構だと思いますけれども、併しただ單にこうした懲罰事犯を、その通り処理したらうまく行くかどうかということについては、私は大きな疑問を持つのであります。むしろその懲罰というような形の出て來たものを、何とか本当に参議院として、二度とああした醜態を演じなくて済むような方法を、この運営委員会で懇談の形で見付けられるならば、それが結構である。要するに運営委員会に移すならばもうお終いですから、その前にそうした檢討をするのがいいのではないか。それがためには直接まあ被告と言つてはおかしいけれども、名前を挙げられた者が、自分の正しい意見を述べようと思つても、それは自分の懲罰に関係したことだから、自分に都合のいいようなことを言つたというように、痛くない腹を探られるようなこともお氣の毒に思いますし、又側からそういうふうに見られることも誠に心外千万だと思います。そうした意味から、円満な形にするための意見を十分に述べるためには、やはり直接にそこに挙げられない人に代つて頂いて、そうして話合いを進めるという方がいいのではないかという意味合から、私は実はその委員の方を交代して頂いたらどうかという感じがいたすのであります。要するに懲罰事犯というものを、今ここへ出て來たからどうしてもここへ持つて行かなくちやならんそういう前提なしに、その以前に何かまだそれより以上に有効な完全なそつのない運営のできるようなうまい方法がないのであるか、そこに考慮の余地があるのではなかろうか、こういうことから私は提案いたしました。尚皆さんからよくお考えを願いたいと思います。
#60
○門屋盛一君 藤田さんのお話は先程私申しましたように、これは若干事務的の面からお考えになればいいのではないかというふうにとれるのですが、私はその事務的に扱います前に、原委員の言われましたように、私も昨日運営小委員会の劈頭において、私自身慙愧に堪えないというお詑びを申上げて御了解を願つた。私はこういう騒動が起りましたことは、これは参議院全体の責任であつて、その全体の責任の中から更に一際堀り下げてみますと、運営委員全体の責任である。この運営委員の中で我々は席を蹴つて立つたりいろいろしたことは、私は非常に慙愧に堪えないという意味でお詑び申上げたのでありますが、從いまして私の会派で今日いろいろと先輩諸君の御意見を聞き、その他同僚諸君の御意見を聞いたのでありますが、私の会派ではまだ決定はしておりませんが、今後の参議院が本当に建直つて行くためには、單にこの懲罰の問題だけではいかないであろう、何とかここに決議案と言えば大げさになるが、決議案に等しいような、各派の代表でも集つて嚴重なる申合せでもするとか、或いはそれが若し決議案にして置けばいいと言うならば、決議案みたいなものを作つて、本当に自粛して行けるような方法をとる必要があるであろうというような意見が、私の会派では多いと思います。從いまして今後も懲罰問題の取扱いは、参議院全体がそういう意味に立ち返るか立ち返らないかというところに大きな問題があるのではないか。もう少し言葉を換えて言いますならば、お互いが自省してかかるかどうかということにある。それで一昨日の午後から、昨日、今日にかけての運営方法は二十三日以前の状態に戻つておりますが、私はこれを運営委員会で扱うということにつきまして、皆さんの御同意を得てここに扱うようになりましたのは、昨日今日の間に当委員として知一層の効果を狙つたと思います。單にこの懲罰問題だけでなしに、何とかして反省して行くということが先に決められなけけばいけないのではないかと思うのです。さもないと非常に恥かしい話ですけれども、再びあの通り見苦しいような状態を繰返す虞れがある。そういうことを原議員の言われますようにここで御懇談願いまして、何らかそこで一致点ができた上で、この懲罰事犯をどういうふうに扱うか、私の会派でも出されておる人は、非常に氣の毒な人もあるので、これがただ闇から闇に葬むられたんでは却つて疑惑を増すことになるから、むしろ早く本会議にかけた方がいいのではないかというような意見を申上げる人もある。又前段で話しましたように、もう少し参議院が自省してから出すべき問題ではないかというような意見も出ておるのであります。この意味において、原委員の言われますように、皆さんの御同意が得られるならば、一應懇談的に今後の参議院の態度をどういうふうに決めたらいいか、この間の二十三日の騒動に対して我々は相当に反省しなければならんのではないか、單に懲罰に挙げられている人だけではなしに、議員全体が反省しなければならんのではないか、こういうふうに考えております。
#61
○理事(高田寛君) 如何いたしましようか、今懇談会に移したらどうかという原委員からの御発言がありましたが……
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#62
○門屋盛一君 私は賛成いたします。
#63
○矢野酉雄君 懇談会のことで皆さんの御意見が出ましたので、懇談会に移すという線に沿うために、その前に一應態度を明らかにして置きたいと思います。皆さんのお言葉の中に非常に私遺憾に思うのは、今度又これを取上げるとあれより以上の紛糾が生ずるであろうというようなお言葉があります。この点ああしたことを前以て肯定するというような氣持は……もうあれを見てぞつとする程私達は自粛し自省しておる者の一人であります。だからそういうことの予想の下に、この当り前の一つの運び方を変えなければならんというような態度は、私は非常にこれは眞劍に考えなければならん。
#64
○門屋盛一君 それは違う。
#65
○矢野酉雄君 私の解釈した範囲においては、そういう意味においては私は賛同ができないのです。やはりあれだけ國民の信頼を裏切つた行爲が現にあるのでありますから、これを参議院みずからの力で、本当の希わくは、それらの粛正をするためのいろいろな手段と申しますか、範囲と申しますか、そういうものは成るべく、犠牲と申しますか、犠牲も当りませんが、それらの範囲は成るべく狹くして、そうしてこの罪を拡大してつくる、そういう方針には私は反対しますけれども、何とかしてあの起つた事件そのものは、参議院みずからの力で大掃除をして行く、そうしてさすがは参議院だと云つて國民が肯いてくれるような方法を私はとるべきだと思う。そういう意味において懇談会に移つて、そうした私の申上げたような方面に向い得る意味において御賛成を申上げる次第であります。
#66
○門屋盛一君 ちよつと御解釈が違つていると思いますから、私の発言に補足いたしますが、この前より醜い状態と申しますのは、この懲罰事犯を本会議及び委員会の審議に入るに先立つて、参議院が自粛自省した建前になれば、非常に私はスムースに行くと思うのです。ただ醜いというのは、あの殴り合いとか何とかいう形の上の醜いのでなくして、懲罰の対象になつている人数が現在でも十五人、これが追い追い審議されて行く途中におきましては、更に追加されるであろうということも取越し苦労と考えますが、それらの一身上の弁明とか何とかいろんなことを考えました場合、昨日中村委員から会期延長でもしなければ片付かないのではないかと言われましたが、これが昨日本議会にかけられずして本日かけて、その間の一日や二日の問題でなくして、昨日本会議にかけられておつたとしましても、これはやはりその張合つた氣持のままでは、殴り合いの醜いのでなくして、議事運行上の醜い……時間引延ばしとか何とかいうのでなしに、普通にやつて行つても会期中に結末のつかない懲罰事犯になる、これを結末をつけようとすれば、再びそのための会期延長を申出ることになる、私達は今回の六日間の延長ということも、最初に会期延長をやつたことはこちらの方にあつて、衆議院について來いと言つて、今度は無論政府からの申入れでありますが、こちらのために幾らか申入れになつたというような形で、これすら参議院にございます。更にその上に会期の延長が必要になつて來るということをさして、この上に更に醜いことにならないようにということで申上げたので、なぐり合いということでなく、当り前に進めて行つても、こういうような結果になるということで、そういう意味で、どうしても懇談会に移つて頂いて、一應参議院として自省した建前に戻つて、そうしてこの懲罰案の扱い方を、改めて考えた方がいいんじやないかと考えます。
#67
○理事(高田寛君) では如何いたしましようか。懇談会に移すことに御異議ございませんか。
#68
○駒井藤平君 原君ならですね。門屋君の懇談会に移すということに賛成いたします。
#69
○藤田芳雄君 若し懇談会に移すとしますならば、それこそ本当に今の門屋君のお心持を徹底的に話し合うためには、一つ祕密会というような形の懇談会にした方が一番いいかと思いますが、その意味のものならば賛成したします。
#70
○理事(高田寛君) 如何いたしましようか、今藤田委員からも……
#71
○小林英三君 私はどうもその意味が分らない。何かこの懲罰について、臭い物に蓋をしろという意味ですか。
#72
○原虎一君 小林委員がそういうように言われるところに、我々は尚懇談会を開いて頂くことが必要であると思います。決して臭い物には蓋をせいということではなく、臭い物を徹底的に洗えという考えであります。ただその洗い方を與党、野党の立場、或いは反対党の立場をとつたら、更に醜い結果を生ずることを恐れる。だから祕密会としてでなくても、私は公開として頂いて結構でありますが、尚もつとざつくばらんに話し合うにはむしろ祕密会の方がよいのではないかという御意見もありますから、これもお考え願いたい。
#73
○藤井丙午君 懇談会賛成ですが、祕密会は、私はこの際懲罰問題が会期延長の問題とからんで、非常な社会の規聽を集めておる最中でありますから、却つて祕密会を開いて、何かあつたという誤解を生ずる虞れがありますので、むしろこれは公開の方がよいと思います。
#74
○理事(高田寛君) 懇談会にするということは異論がないようでありますから、先ず懇談会に移すということに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#75
○理事(高田寛君) それでは懇談会に移すことにいたします。次にこの懇談会を祕密会にするかどういたしましようか。(「必要なし」と呼ぶ者あり)
#76
○矢野酉雄君 それはもう各新聞があれ程社説で取り上げておる一大問題になつておるのですから、祕密会にするということはいけない。(「公開してよろしい」と呼ぶ者あり)何か取引をしたようになつて……
#77
○理事(高田寛君) それでは祕密会にしないで、公会にすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#78
○理事(高田寛君) さようにいたします。これは懇談会に速記を付けるというお話しが出ましたが、これは異例のように思いますが、如何いたしましようか。
#79
○原虎一君 これは懇談会全体に速記を付けて頂くというように誤解を受けておると思いますが、私に発言さして頂きますならば、責任がありますから、速記を付けて頂きたいと、こういう私的の要求をしておることを御了解を頂きたい。決して懇談会全体に速記を付けて頂きたいということを私は要求いたしておりません。
#80
○小林英三君 懇談会はどこまでも懇談会でありますから、これに速記を付けるということは賛成し兼ねます。速記を付けないように。
#81
○理事(高田寛君) その点は事務局の方はどうですか。ちよつと速記を止めて頂きたい。
   〔速記中止〕
#82
○理事(高田寛君) 速記を始めて。それではこれから会議を一時休憩いたしまして、懇談会に入ります。
   午後三時十五分休憩
   ―――――・―――――
   午後四時二十二分開会
#83
○理事(高田寛君) これより休憩前に引続いて会議を開きます。懲罰の案件につきましては、明日の議院運営委員会におきまして、各発議者から説明を一應求める。これは本会議にこの案件が持ち出された場合の、判断の予め資料とするという意味で一應の説明を求める。こういうことで御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#84
○理事(高田寛君) それではさようにいたします。そういたしますと明日の会議は、(「十時」と呼ぶ者あり)議院運営委員会は十時、明日の本会議に問題は、これは本会議に送り込むという点から行きますと、本会議はやはり開くということになりますな。(「本会議は十時からがいいですよ」と呼ぶ者あり)本会議も開く。外に別段御発言はございませんか。
#85
○板野勝次君 先程懇談会のときに中村委員から言われましたが、少し私は腑に落ちない点は、明日運営委員会でそういう発議者の説明を聞いて判断の資料とするというのならば、ここで大体に判断をつけて、その場合に発議者の方から撤回するとかしないとかいうようなことをされて、そうして本会議に持つ出された場合に、全体十何人というものを一々判断して、個々について採決するというのは、それは記憶がないし、とても判断がつかない。勢い超党派的に会議をされるということは極めて困難だと思います。ですから大体において運営委員会でその発議者の意向を聞いて判断をした上で一旦あそこへ出した懲罰動議は全部採択して行くということにならないといかんと思います。そうしなかつたら、超党派的に決定して行かんと思う。
#86
○理事(高田寛君) 本委員会ですから御発言は一つ……
#87
○矢野酉雄君 それは議論としてはなり得るかも知れませんけれども、決まつたのだからやはりそのままで行きましようよ。
#88
○理事(高田寛君) 御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#89
○理事(高田寛君) それではさように決定いたします。
#90
○島清君 ただ異議があつて申上げるわけではないが、そうなりますと、被疑者の(「まだ被疑者ではないのだ」と呼ぶ者あり)、本会議に方に出されたその趣旨弁明はどうしますか。(「本会議でやらせるわけです」と呼ぶ者あり)
#91
○理事(高田寛君) それではこの運営委員会はこれを以て散会いたします。
   午後四時二十五分散会
 出席者は左の通り。
   理事
           川村 松助君
           平岡 市三君
           高田  寛君
           矢野 酉雄君
   委員
           島   清君
           原  虎一君
           中村 正雄君
           小林 英三君
           重宗 雄三君
           山田 佐一君
           門屋 盛一君
           宇都宮 登君
           奥 むめお君
           岡部  常君
           岡元 義人君
           藤井 丙午君
           板野 勝次君
           千葉  信君
           藤田 芳雄君
           駒井 藤平君
  ―――――――――――――
   副議長     松嶋 喜作君
  ―――――――――――――
  國務大臣
   國 務 大 臣 殖田 俊吉君
  政府委員
   内閣官房長官  増田甲子七君
  事務局側
   事 務 総 長 小林 次郎君
   参     事
   (事務次長)  近藤 英明君
   参     事
   (議事部長)  寺光  忠君
   参     事
   (委員部長)  河野 義克君
ソース: 国立国会図書館
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