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1949/03/19 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 運輸委員会 第2号
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1949/03/19 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 運輸委員会 第2号

#1
第005回国会 運輸委員会 第2号
昭和二十四年三月十九日(土曜日)
   午後一時三十三分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○運輸省の機構改革問題に関する件
○小委員の選任の件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(板谷順助君) これより会議を開きます。本日は運輸省の機構改革の問題その他につきまして、運輸大臣並びに本多國務相を呼ぶことになつておつたのでありまするが、運輸大臣は病氣のため欠席、本多國務相は止むを得ざる用件のため御出席がありません。行政管理廳から中川管理部長が出席されております。そこで先ず第一に運輸省の機構改革の問題につきまして説明をいたして貰います。それから下山運輸次官は政府委員になつておりませんが、説明員として答弁願うことに差支えありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(板谷順助君) それではそういたします。
 それでは私から先ず第一に伺いたいことは、運輸省の機構改革の問題、又この國鉄法案の公社問題につきまして、その後の経過がどうなつているか、それを昨日の委員会において一應政府の説明を聽いた上に我々の態度を決したいということになつているのでありますから、下山さん……。
#4
○説明員(下山定則君) この前の國会で國有鉄道法案、即ちコーポレーシヨンが四月一日から発足することになつておたつのでありますが、政府の方の組閣の関係、総選挙並びにその後の組閣の関係、更に今度の政府の方針といたしまして、相当強力な行政機構の刷新と、それから人員の整理をやるということになりまして、各省の行政機構を簡素化する。それから人員の整理をするということを先ず先に決めまして、予算の決め方もそれによつて決める、こういうことに変つたのであります。從つて過日二月の二十五日に一般の設置法は六月一日から御施行になるように、今まで四月一日ということになつておりましたものを六月一日からにする、これに伴つて併せて國有鉄道のコーポレーシヨンの方も六月一日からスタートするということに閣議で決まつたわけであります。從つて運輸省の鉄道総局、即ち國有鉄道がコーポレーシヨンで行われまして、後の機構は政府全体の各省の機構と同時に行政機構の簡素化と人員整理の分と併せてやるということで、行政管理廳が中心で、内閣において各省の機構をどうするかということの一連の下に目下審議されているわけであります。從つてこれを煎じ詰めて申上げますと、運輸省自体のコーポレーシヨンが出た過去の組織につきましては、六月一日から施行されるという設置法の基礎になる組織をどうするかということを目下内閣全般としてこれが審議されつつある。それからコーポレーシヨンの方は設置法の方と密接不可分の関係にありますので、これもコーポレーシヨンとしてスタートいたしますのは、六月一日からに延ばすということで準備いたしておるというわけでございます。
 次にこの行政整理、機構改革の方のことをもう少し申上げます。同じく政府全体といたしましては、二月二十五日に閣議決定になりました行政機構刷新及び人員整理に関する決定がございまして、行政機構の簡素化の方につきましては、政府の各省各廳が部局の整備廃合を行なつて、その基模は三割程度削減するということが決まつたわけであります。それから人員の方につきましては、右の機構簡素化の措置に伴つて事務の整理、或いは四十八時間の励行、能率的事務運営などによつて人員の減少を図る、原則としてこの三月一日現在の定員の三割、企業特別会計では二割というものを目途として整理をするということが決つたわけであります。この線に副いまして、行政管理廳の方で各省の行政機関につきまして、大体現在あります局並びに外局を併せまして、これを三割減少した案を作りまして、これについて各省の次官を呼んでこの線に副つて行政の簡素化をするようにという話合いがありまして、この線に副つて各省では各省の案を作つて今内閣の方に提出をしたわけであります。尚この細部につきましては、行政管理廳の方で話合いがあつたと思いますが、目下各省の出しましたものに対して、政府全体としてこれを査定し、これを決定する準備を今しておる段階でございます。それから人員の整理の方につきましては、一般会計と特別会計とに分れるわけでありまして、一般会計の関係につきましては、この行政機構の決定を見た上で、いわゆる一般原則の三割というものをどういうふうに適用するかということを決めるということで、まだこの方はどこをどうしてという具体的な決定には至つておりませんが、予算的措置の方も現在決められつつあります予算の中には、三割の減少については具体的にどこでどう減らすということにはまだなつておりませんので、これが決まつたあとでこれを補正するという段取になつております。一方現業企業関係の方につきましては、運輸省といたしましては、國有鉄道特別会計六十何万という從事員を持つております。
 特別会計につきましては一般原則の二割というのはございますが、これは予算を組みます上におきまして、機械的に二割とか三割とかいうことでなしに、業務の量、仕事の内容ということから、大藏当局と予算の金額の折衝の上においてまだ折衝の結論の出ない中途にございます。
 この特別会計におきます人員の整理という問題は、今度九原則の実施を強行するという建前から、その均衡のとれた予算という大きな原則から國有鉄道特別会計が今回独立採算制を採らなければならないということになりまして、昨年度一般会計の補助金を貰つておりました三百億円というものが零になることになつたわけであります。從つてこの三百億と、今度も事業を殖やさないで、昨年度の通りに仮にやるといたしましても、過日給與のベースが六千三百七十円に上りましたために、來年度にこれを延長いたしますと、約二百億の経費の増加を來たすわけであります。從つて大雜把に考えても五百億の赤字が出るものを、とにかく独立採算制の下にやるというところに追い込まれましたので、これをどうやつて收支のバランスを取るかということについてあらゆる角度から目下財政当局並びに関係方面その他と檢討中でございます。從つてこの方で運賃の関係、或いは又建設工事勘定で公債が発行できるのかできないのか、できるにしてもどれくらいできるのかということ等がはつきりいたして來ませんと、結局この均衡予算、独立採算制特別会計の帳尻がはつきりしないわけでございますが、一應今大藏当局と予算の折衝の過程におきましては、大藏省の案なるものが示されております。これに対して運輸省側といたしましては、そんなことではとてもやれないので、これに対する復活の要求なり、いろいろ事由を述べて復活の手配をしておるわけであります。從つてこの特別会計におきまして、いわゆる今度の行政整理というものにつきまして、一方これは独立採算制の観点もございまして、まだ何万何千人という数の決定には至つておりません。委員長の御質問によりまして、総括的に運輸省全体の機構、行政整理並びに國有鉄道のコーポレーシヨンの関係経過の概要を申上げます。
#5
○委員長(板谷順助君) 私は先ず第一に政府の所見を質したいところは、昨日の話合によりまして、この鉄道交社は御承知の通り原案のまま第四國会では通過したのでありまするが、併しこの実施に当つては相当の欠陷がある、これは御承知の通り國鉄審議会の答申案に基きましても、相当に修正しなければならない箇処がある。又この委員会におきましても修正案を出しましたが、事、急を要する関係から修正は後日に讓るということでそのまま通したわけであります。從つて四月から六月延期されたことについて、政府当局はどの案をお通しになるお考えであるか、或いは又修正を要する何か案をお出しになる御意見があるかどうか、その点を一つ伺いたい。
#6
○説明員(下山定則君) この前にあの法律を國会で御審議願いました際に、特にこの参議院の委員会におかれて大変熱心に御討議願つて、結構を勧告その他を頂いておりますので、私共といたしましても、現在の法律のままのコーポレーシヨンは非常に自主性に乏しい、何とかしたいという氣持は勿論持つておりまして、一方四月一日からこのコーポレーシヨンが発足するということについてこの、これのいわゆる施行法その他の準備等もありまして、忙殺されておつたのでありますが、過日六月一日に延びるということもございまして、参議院の御勧告の趣旨に從いまして、案を作つて今関係の方面とも話を進めております。從つてできるだけ今度の國会に間に合わせるようにして出したいと、こういうように考えております。
#7
○小野哲君 只今下山次官から運輸省の機構改革並びに予算の問題で御説明を伺つたのですが、一應御説明を伺つて置くことにいたしまして、行政管理廳の中川部長御出席でありますので、私から行政機構の改革問題についてのお考を伺つて置きたいと思うのですが、今下山次官からのお話では、一應運輸省の機構改革案が内閣に提出されて、内閣で目下審議中である、こういうふうなお話でありますので、どういうふうな内容の案をお出しになつたのか、新聞紙上以外はよく存じませんけれども、内閣において御審議中ならば、内閣のお手許で運輸省の成案は御存じのことと思いますので、先ず行政管理廳にいろいろ伺つて見たいと思うのです。今回の行政機構の改革の根本的の考え方がどこにあるかということを先ず伺つて置きたい。それと同時にどういうふうな機想で以て各省の行政機構というものをお考えになつておるか、言え換れば、行政組織というものは有機的に運営されなければならないので、從つてその運営が有機的であるということは行政組織自体も有機的に運営されるようなものでなければならない、と同時に國民が常に要望しておるように、できるだけ能率的な組織でなければならないと同時に、又ただ單に画一的な観念的な取扱じやいけないわけであります。その各省の持つておる仕事の性格に應じ、又その系統を止してこれを整理して行くという考が必要であろうと思うのです。特に運輸省のように厖大な現業を監督しておる、これは公共企業体に改編された以後における運輸省の姿でありますが、海運といい、陸運といい、相当厖大な事業を監督して行かなければならないような行政組織になるわけなので、從つて單純な行政官廳とは性格が違う。これは自然地方における出先機関との関係においても特殊な事情があるようにも考えられるのであります。從來ややともすると、内閣においては機構の改革を画一的な考え方でのみこれを処理する虞れが多分にあつた。そのために却つて行政官廳の能率が低下する、或いは事実困難である運営を強いるというような結果になる虞れがあつたと私は思うのであります。從つて單に画一的な基準のみによつて律する危險を或る程度避けますと共に、而も行政整理という至上命令的な趣旨を生かして行くというところに調和点を発見して、内閣としては十分な檢討が加えられる必要があろうかと考えられるのであります。そういうふうな考え方から見まして、今行政管理廳で行政機構の改革案の処理についてどういうふうな経過を辿らておられるか、どういうふうな考え方を以てこれを処理されようとしておるか、特に本委員会といたしましては、運輸省の行政機構の問題を議題といたしておりますので、具体的には運輸省の行政機構をお挙げになつて、政府の現状のお取扱の模樣を伺つて置きたいと、かように思います。
#8
○政府委員(中川融君) 御説明いたします。行政機構の刷新簡素化の問題はどういうふうな機想の下に取上げられたか、行われようとしておるかという点につきまして、先ず御説明いたしたいと存じます。日本の行政機構は終戰後相当に厖大になつて來ておるのでありまして、例えば各省の局或は部、そういうものの数について見ましても、終戰直後に比しまして現在は大体倍くらいの数になつております。これはいろいろ終戰後業務が殖えた部面も勿論あるわけでありますが、言わば終戰後の混乱に乘じまして、行政機構というものが全体的な構想の下においてでなく、各個にそのときどきの必要或いは客観情勢というようなものによりまして、殖えておるという部面が多合にあるように思われるのであります。これは終戰後におきまする國力の低下ということに比しまして、行政機構がどうしても大き過ぎる、これは機構の面のみならず人員の点についても同樣なことが言われると思うのでありますが、そういう事実があるわけでありまして、たまたま國家行政組織法という法律が昨年できまして、御承知のように、これによりますれば、今後政府が各省の機構を作る際、從來のように、政令、官制ではできない、すべて法律によらなければできないということになつたわけであります。同じく職員の数も法律で規定しなければならないというようになつたのでありますが、これが実施が延期せられておりまして、第四國会におきましても、これが更に今年の四月一日まで延期されたわけであります。四月一日に新らしい法律の要請に基きまして、各省の設置法、それから定員法ができるということになつておつたのでありますが、厖大化いたしました行政機構を簡素化する、並びに人員の整理も行うということは、丁度この國家行政組織法が施行せられ、それらのことが法律になる前にやつて置いて、その結果を今度の法律に盛込んだ方が適当であるというような考が出て参りまして、それに基きまして、急速に現内閣におきまして、行政組織の簡素化という問題が採上げられたわけであります。その大体の構想は二月二十五日の閣議決定に盛られてあるわけでありますが、その際の要綱といたしましては、行政機構におきましては概ね三割を縮減する、人員におきましては、先程下山次官が御説明しましたように、一般会計におきましては三割を目途とする、企業特別会計におきましては二割を目途として整理するということになつておるのであります。このうち行政機構の点につきまして三割を縮減するということは、これは勿論一つの標準を言つておるのでありまして、決して画一的に各省とも三割を天引的に引くという意味ではなかつたのであります。この行政機構の簡素化につきましては、これより先今の方針が内閣によりまして採用されました。今年の初め行政機構刷新審議会という非公式の審議会が内閣に設けられまして、民間有識者の委員の方の委嘱いたしまして研究して頂いたのであります。その研究の結果によりましても、各省におきましていろいろ簡素化の標準が違うのでありまして、現状に即しまして大巾に簡素化すべきもの、或いは役所によりましては全然廃止いたしまして、事務を他の役所に統合すべきものというようにいろいろあつたのであります。併し大体においてまあ機構の縮減の少いところからできるだけ三割程度までは減じたいというようなことが大体その審議会の答申でありました。この答申を参考といたしまして、現内閣ができましてから更に内閣自体におきまして、各省につきましていろいろ機構の簡素化についての案を作つたのであります。その結果は必ずしも画一的ではなく、或る省廳につきましては、三割以上に縮減するというようなことも考えております。尚この具体的な問題に入りまして、例えば運輸省の鉄道、これにつきましては、今お話のありましたように、いろいろ運輸行政の特殊性というようなことは勿論考慮しなければならず、でき得るだけ実態に即した、而も現在の日本の國情にも亦即したその画面からの要請に丁度合うような機構というようなことを考えて案を作つておる次第であります。その案につきましては、先般本多國務大臣から運輸省の方に示しました、大体この程度で運輸省の機構というものを纒めて貰いたいという案を示したのでありますが、その案は大臣官房以外に七局を予定しております。これに対して運輸省の方から更に運輸省といたしましての対案が出て來ておるのでありますが、これは大臣官房を除きまして八局ということになつております。從いまして、その間に一局の差違があるわけでありますが、その点について内閣側としては、最後的に案を今檢討中であります。まだ決定を見ておりませんので、御説明する状況に立至つておりませんが、大体の構想におきましては、運輸省の原案と内閣側の構想というものは大差はないというように御了承願つていいのではなからうかと思つております。
#9
○小野哲君 今のお話によれば、大体内閣案、私共が新聞の発表か或いは洩れたのか存じませんが、新聞で見たのによりますと、今お話のように内閣案は七局、運輸省から内閣を提出されたものと傳えられる案は八局というふうに聞いておるのでありますが、ただ運輸省内部における仕事の量なり、そういうふうな点から考えて内閣案の七局でいいかどうか、或いは運輸省案の八局でいいのかどうかという運輸省自体の仕事を具体的に檢討した場合において、これが均衡がとれておるかどうか、妥当であるかどうかということを十分に檢討される必要があろうかと思うのであります。例えて申しますると、内閣においては鉄道関係の監督機関として鉄道監督局を設けるようなことになつておるようであります。又自動車については自動車関係に対して一局を設ける。新聞の報ずるところによれば運輸省の方は鉄道の方は鉄道監督局、自動車の方は二局になつておつたように記憶をいたします。海運局は内閣案も、運輸省案なるものも同じようなことになつており、ただこれに加うるの観光局の問題があるように伺つております。その場合に鉄道の例を取つて見るならば、國有鉄道が今回の日本國有鉄道法の実施に伴つて公共企業体になるわけでありまして、他の地方鉄通軌道と相俟つて事業の経営を担当する新たなる機関ができるわけでありますが、その包容しておる從業員、或いは投下されておる資本、仕事の量、全体を考えて見ますると、これを我が國においても最も大きな企業と言わなければならないと思います。それに加うるに地方鉄道軌道、これ又十数万でありますか、多数の従業員と多額の投資をしておるところの事業を併せて一つの局で監督をするということを考えますというと、省内における局の配分についてはやや不均衡な点がありはしないか、こういうような感じを持つのであります。單に鉄道関係であるから全部を纒めて一局にしてよろしいというふうな簡單な結論にならないのでありまして、対象となる事業、言い換えれば監督をしなければならない事業の大きさに應じて、又その内容の複雜性に対処した監督機構を考えなければならんということは一つの常識論じやなかろうかと私は考えるのであります。從つて目下内閣において内閣案と運輸省案とを彼此考慮されまして、大差がないというふうな考えでありますが、私の目から見まするならば、運輸省案に対しても尚檢討の余地がある。同時に内閣案においても仕事の実態を尚檢討されまして、局の廃止、又一局でいいか、更に一局を必要とするかというふうなことを十分にお考えになる必要があるのじやないか。更に國有鉄道、今度は公共企業体としての日本國有鉄道になるわけでありますが、今日のごとく資材の問題、或いは從業員の給與の問題等から考えましても、いわゆる私企業に属しておるところの地方鉄道軌道と、公共企業体であるけれども、大体において政府機関と同じような取扱いをされようとする日本國有鉄道とを同じ所で同じような尺度を以て監督するということは、これは適当ではない。これは資材の割当の関係から申しましても、その他いろいろの点から考え合せまして、從來の実績がこれを表明しておるというふうに思われるのでありますので、日本國有鉄道に対する監督機構と、それから民営の鉄道に関する監督機構とはこれを分けるべきが至当ではないかというふうな感じを持つものであります。そういうふうなことにつきまして、どの程度御檢討になりましたか、その点を伺いたい。更にもう一つはこれは……。
#10
○委員長(板谷順助君) 小野さんどうですか一問一答になさつた方が……。
#11
○小野哲君 それではそういたします。
#12
○委員長(板谷順助君) 村上さんにちよつと申上げますが、昨日約束をいたしました運輸省の機構改革、又この國鉄法案の將來の実施方について運輸大臣と本多國務大臣せ呼んでおきましたけれども、運輸大臣は病氣で來られない。それから國務大臣は差支があるというので、今下村次官と行政管理廳の中川部長と質問應答中であります。それからこの國鉄法案につきましては、政府当局におきましても、修正すべき箇所があると思うので、今関係方面と折角折衝中でありますが只今は行政機構問題について質疑を続けておるわけでありますから、そう御承知を願いたいと思います。それではどうぞ今の問題について……。
#13
○政府委員(中川融君) 今お話のありました國有鉄道と民営鉄道とを一緒の局で監督することが果して適当であるかという御質問でありますが、我々行政機構の簡素化ということにつきまして考えております際にも、行政機構の簡素化は勿論これはしなければならないのでありますが、そのために却つて事務に支障を來たすというようなことは、できるだけないようにしなければならないということは常に念頭に置いておるのであります。從いまして、鉄道監督局というもの一本で監督をするという場合におきましても、内部の機構等をいろいろ考慮いたしまして、その間に國有鉄道と民営鉄道の監督につきましては、区分いたしましてこれを実施するというようなことは、内部の機構ということの面において或いは考慮できるのではないかというふうに考えております。
#14
○委員長(板谷順助君) ちよつとお待ち下さい。諸君にお諮りいたしますが、近海汽船業者の有志がこの委員会に陳情したいというので今外に待つておりますから、会議の済むまで傍聽させることにして差支えございませんか。よろしかつたら傍聽さして、会議が終つた後で陳情を聽くことに計らいたいと思います。
#15
○小野哲君 機構の問題など一般民間人に聞かして差支えありませんか。
#16
○委員長(板谷順助君) それでは陳情を聽くのは済んでからにいたします。
#17
○小野哲君 只今お話によると、内閣案と称せられる。鉄道監督局の中で内部的に國有鉄道と民営鉄道との関係に分けて行こう、これはどういうふうな方法でやられるか存じませんが、現在の國家行政組織法では部を作つたり何かはできないことになつておりますので、どういうようなお考えになつておりますか、政府の方で何らかの御準備があるだろうと存じますが、それよりも私が言いますのは、そういうふうな方法ではなくして、截然とこの際分けることが必要ではないか、これは未來永却に亘つてそうすべきであるということを言うのではなくして、現在の資材の関係、その他とにかく相当未だ統制の方式によらなければならない事業経営の現況に照らしまして、これを同一の局でやるということについては、民営事業と國有鉄道事業との間において必ずしも同じような立場において処理し得なかつた実情から考えて、民営鉄道の特殊性及び國有鉄道の特殊性を捉えた適切な行政監督を行なつて行くということから申しましても、別箇の機構で以て監督して行くということが少くとも暫定的と申しますか、今日の情況においては必要ではないか、こういうふうな氣がするのであります。從つて今お話になつた鉄道監督局の中で何とかするというふうなお話とは私の意見は見解が根本的に異つておる。こう申上げてよいので、局自体を別箇に考えべきではないか。こういうふうに考えますので、この点についての御所見をもう一度伺つて置きたいと思います。
#18
○政府委員(中川融君) 今のお話の二つの局を設けて、鉄道の監督をさせてはどうかという点でありますが、これはもとより仕事の分界ということはあるのでありまして、これを二つの局に分けさせることが許されるならば、勿論その方が或いはいいのかとも思いますけれども、全体的に見まして、行政機構の簡素化ということを今協力一致しようとしておるときでありますので、できるだけ局の数は、この際縮減して置きたいというふうな根本の考えがあるのであります。一旦局ができますと、なかなかこれを廃止するということはむずかしい。この際國家行政組織法を施行いたしまして、すべて行政機構が法律事項になるというこの出発点に当りまして、できるだけ各廳の機構は簡素なものにして置いて、その後におきましてこれに局を加えるというふうなことは、今後法律事項となりまして、法案として國会へ提出せられるということになりますので、國会の御審議によつて局は今後は殖して行くということになると思いますが、その出発に当りましてはできるだけ簡素にして行こうという趣旨で、各省の局を減らそうとしておるときでありますので、多少の不便はありましても、この際は是非鉄道の監督は一局で出発することにしたいというふうに考えております。
#19
○小野哲君 國家行政組織法の問題が出ましたが、これはもともと國会側が行政機構の問題に対して、新たに部局を設ける場合においては法律で以てやらなければならんということに修正いたしましたので、もともと今の内閣ではありませんけれども、以前の内閣においてはやはり政令でやりたいというのが本旨であつたのであります。從つてこれはもう当然のことでありまして、何も今に始まつた問題ではございません。むしろ國会自身の意思によつて、こういうふうにさせられたと言うのが今日の姿であります。同時に行政機構が厖大になつて來るのを簡素化して行かなければならんということで、これは國会自身が政府に対して要求して参つたので、國家行政組織法の政府原案を見ますると、或いは部を設けたり、或いは院を設けたり、まあ総局を作つたりというふうに、むしろ政府が自発的に厖大な組織を作ろうというふうな意思が、國家行政組織法の中に盛られておつたものと見なければならないので、從つて現内閣が勇猛心を奮つて、機構を簡素化されようということに対しては、十分に敬意を表するのでありますが、同時にその場合において具体的に果してそれが事務能率に好影響があるかどうかということは、我々としても十分に檢討を加えて行かなければならない責任があろうと考えておつたのです。で差当り政府が今例を採つております運輸省の設置法については、国有鉄道に関する監督部局としては、鉄道監督局一つでやつて行くというような案で、今回運輸省設置法案を御提案になりたい、こういう御希望があつたということは承つておりまして、その法律案が出ました場合におきましては、いずれ十分な審議をいたして行きたい、かように考えております。尚お許しを願つてもう一つ伺つて置きたいことは、今迄の話は原則として中央の機関、政府機関の問題でありましたが、中央の地方出先機関についてどういうふうなお考えを内閣においてお持ちになつておられるか、この点もいろいろ國会においても論議をされました経緯もありますので、最近の内閣におけるお取扱の模樣を伺つて置きたいと思います。
#20
○政府委員(中川融君) 中央政府の地方出先機関の問題でありますが、これは原則といたしましては、今度の行政機構簡素化の一環といたしましてできる限りこれを整理いたしまして、差支えないものは府縣に統合する、或いは府縣に統合しないでそのままこれを外の政府の機関に統合する、或いは差支えなきものは廃止する、こういうような措置をとりたいというふうに考えまして、これは別途今その案につきまして研究中であります。
#21
○委員長(板谷順助君) いかがですか、外に……。
#22
○小野哲君 私は一應この程度にして置きまして、尚出先機関問題については、お聞きしたい点もありますので、その他の委員の方々の御質問のあとに時間がありましたら更に伺いたいと思います。
#23
○高田寛君 先般新聞で見ました案によりますと、運輸省の中に今度観光局というものを設けるというようなことを拜見したのですが、行政管理廳の案にもそういうものは入つておるのかどうか、その点最初にお伺いしたいと思います。
#24
○政府委員(中川融君) 観光局の問題は、從來からいろいろ経緯がある問題でありますが、今回の機構改組に当りまして、各省に提示せられました内閣側の試案、これには観光局が一應運輸省に置かれるように載つております。併しこれは最終的な決定とまではまだ実は行つておらない。いろいろ從來の経緯等を考えまして、観光局の問題はもう少し檢討して見たいというような氣持もまだ少し残つておる訳であります。最終的に内閣としてこれを運輸省に置くと決定したというまではまだ言い切れないと思つております。
#25
○高田寛君 この観光局の関係の観光事業は、今回、昨年來内閣に設けられております観光事業審議会の調査の結果に見ましても、本年は観光事業によりまして、二十九億円外貨を獲得するというような予想も立てられておるのでありまして、今日貿易外收入として外貨を獲得する事業としては、観光事業が非常に重要なものになつて來ておると考えるのであります。この観光事業は運輸交通ということに最も関係が深いという見地からいたしまして、本院におきましても、この運輸委員会の中に、第三國会以來観光小委員会を作つて、この観光事業の振興方策というものを熱心に檢討を続けておるのであります。それでこの際に、從來この観光事業が或いは運輸省、或いは厚生省、或いは文部省、或いは建設省とか各省に分けておるために、なかなか親身になつてこれを面倒を見るという中心がないために、この観光事業の振興が必要だということを叫ばれながら、行政的になかなかこれが進んでおらなかつた点を誠に遺憾と考えていたのであります。その際今回新聞に現われた案によりますと、運輸省の中に観光局が設けられるということを見まして、これは非常に結構なことである。是非これを一つ実現を図りたいと考えておるのでありますが、その後仄聞するところによりますと、各省の間の何といいますか、繩張り爭いとでもいいますか、いろいろと観光事業は運輸省だけの所管ではないというようなことからして異論が出ているというようなことを仄聞しておるのであります。このような原因からいたしまして、折角この観光局というものが運輸省に設置されるという案が出ながら、これが流れてしまうようなことが万々一ありましたならば、この際非常に観光事業を振興しなければならんという際に、これは誠に遺憾の極みである。こういう仕事は時機を失してはもう何にもならん。折角外國の観光客が日本に出足が向いて來たこの際に、十分これを受入れて外貨を獲得するということに力を入れなければならん。この時機を失しないようにこの際に一つ是非設けなければならん。設けるならば、やはりこの仕事は運輸交通に最も深い関係を持つものであり、又沿革からいいましても、曾つて鉄道省に國際観光局が十数年間設置されておつたような点から考えましても、是非この運輸省の中にこれを設置しなければならんということを考えておるのであります。今行政整理の際に観光課であるのを、観光局にするのはどうかというような意見も聞くことがあるのでありますが、この前鉄道省に國際観光局が作られましたのも、御承知の通り浜口緊縮内閣のときであつたのであります。行政整理をやり、機構を小さくする際にも外貨穫得の見地から國際観光局というものを鉄道省の中に作つて、これが動機となつて戰爭前に相当に観光事業によつて外貨も穫得された。今日はこの当時に比べて尚一層我が國は観光事業によつて外貨を獲得しなければならんという際でありますから、一つ是非これは実現を図るべきもんだと私どもは考えておるのであります。尚繰返して申上げますが、官廳の間の繩張り爭いというようなことのために禍いされてこの案が潰れることのないように、その点は私どもとして強く要望して置く次第であります。尚これについて何かお考えがあれば重ねて一つ御説明を願いたいと思います。
#26
○政府委員(中川融君) 別にありません。
#27
○委員長(板谷順助君) 外にいかがですか……。
 それでは私から只今の出先関係の整理の問題について小野委員は質問を保留されておりましたが、昨日來道路運送監理部の地方移讓問題につきまして毎日のように電信、郵便が参りまして、業者が移讓に非常に反対をしているという傾向でありますが、これについて政府当局から現在の状態がどうなつておるか、これを一つ御説明を願つて参考にしたいと思います。現状、或いは当局の見込、その内容を一つ話してもらいたいです。
#28
○政府委員(小幡靖君) 現状につきましては、昨日も比較的詳細に御説明申上げましたし、又各委員からいろいろ御意見を出たのでありますが、現状を繰返すことは止めることにいたしまして今見透しでありますが、私どもの見ておりまするところでは、昨日衆議院の方の運輸交通委員会の專門委員会におきましても、この問題を御討議になりまして、今の道監をそのまま存置するということは勿論これは考えなければならん。当然これを簡素化するという点は考慮しなければならんと同時に、今の道監の持つております仕事のうち止めていいものは止めると同時に、又これを新たに考えられております地方陸運局に集中できるものは集中する、こういう方向をとつて、尚それ以上、その陸運局の下部機構としておるものが相当あると思うので、その点については、陸運局の出張所といつたような恰好で地方に部を置く。こういう構想でよいものであろうということが專門委員会の議決ということに相成りまして、このことを運輸大臣に傳えろというふうに委員長からお話があつたのであります。その際民主自由党の政調会の御意見というものを岡田委員から御説明がございましたが、これも大体今申上げたような專門委員会で以て議決になりましたところと、同じような御意見に決定をいたしておるということの御説明がありました。そういう樣子で、結局現状を大いに簡素化しなければならんが、これを地方に移讓することは今日むずかしい、考えものである。やはり陸運局の下部機構として簡素化せられたものを残すという方向で進むべきものだという結論に、衆議院関係、或いは民自党の政務調査会あたりの御意見としては決定をいたしておるように拜承しております。政府当局の御意見につきましては、私どもいろいろ皆樣方の方に陳情をいたしておりますが、まだはつきりとした勿論結論的なものも出ておりません。これはここにはいろいろ御理解あり、又御了解を得ておるというふうにも思いますが、結論的にどう進むかということにつきましてはちよつと私には見透しがつきかねております。
#29
○委員長(板谷順助君) あなた行政方面の……。
#30
○政府委員(中川融君) 地方出先機関の整理の問題は、先程申しましたように、原則としては府縣單位のものは府縣に移讓するという原則が、二月二十五日の閣議決定で決つておりますが、その具体的な個々の内容につきましては、おのおのの出先機関について檢討して決めたいというふうに思つて、目下その調査をしておるところのでありますので、今の道路運送監理事務所についても調査をいたしておりますが、これをどうするかということについてまだ結論を得ておりません。
#31
○小野哲君 先程私から質問の糸口をつけました関係もありますので簡單に私の所見も申述べ、又政府の見解をも伺つて置きたいと思いますが、中川部長のお話では閣議決定によつて原則として当該都道府縣の出先機関については整理して、即ち地方廳に移して行くというようなお考えのようであります。併しこれも……、実は私以前に治安地方制度委員もやつておりまして、現実に東京都廳を始めとして、政府の出先機関も調べたことがあるわけであります。その際におきましても、原則論として当該都道府縣に出先機関を移讓するということ、これを実行する場合において果して地方廳、言い換えれば受入側の地方廳に対してどういうふうな影響があるかということを考えなきやならんことと、仕事の性質によりましては、必ずしも原則論のみによつてこれを地方廳に移讓することが必ずしも適当でないというふうなものもあるのではないか、こういう印象を受けた一人であります。從つて今折角行政管理廳で御檢討中でありますので、御参考にもなろうかと思いますので、私の所見を申上げますが、最近の運輸、特に自動車等の陸運事業に関する監督行政の態樣は從前とは非常に異つておると申してよいかと思います。言い換えれば資材等の関係においては、臨時物資調整法の関係において單なる免許可を対象とした從來の監督行政ではなくして、相当事業の実態を把握し、且つ正確な資料に基いて、行政をやつて行かなければならないような状態にあるし、又輸送そのものにつきましても燃料資材等の関係から又重要物資等、その対象物資の如何によりまして統制を継続して行かなければならないような情勢にありますので、從つて仮に今陸運監督局長が言われたように、地方陸運局ができましても自動車とか或いは荷牛馬車とかいうような細かい事業を対象とした行政が円滑に行くためには、やはり手足を持つということが行政能率の上からいつても、亦監督を受ける業者の面から言いましても望ましいことであろう、かように思います。そういうふうな点から恐らく我々のところに業界方面から、或いは電報又は手現によつて再三地方移讓反対を陳情して参つております。そういうふうな点を考えまして、現状から見まして又今後の運輸行政のあり方をも加味して考えますと、地方廳にこれを移讓するということは適当でない。ただ如何なる形式で手足を持つかということについては、できるだけ簡素にして且つ能率的な運営ができ得るものでなければならんということについては、内閣方面の行政簡素化の趣旨には同感の意を表するのでありますが、さような考え方でこの問題は御檢討になる必要があるのではないか。本來地方廳に当然任してよいものであるに拘わらず、出先機関として置いておるものもあろうかと思います。そういうものこそ地方廳に移讓すべきものであつて、本來地方廳に移讓しなくてよいものを、わざわざ地方廳に新らしく受入態勢を作らせてまで移讓することは却つて地方財政の負担を加重することになりはしないか。國が持つ、地方廳が持つ、いずれにしてもどこかの負担になることに変りはないが、必ずしも行政整理なり簡素化の線に副うた目的達成ができるか。角を矯めて牛を殺すというようなことになる虞がないかという懸念を持つものであります。そういうふうな実態的な問題につきましても御檢討になつておられると思いますが、閣議決定の原則は、原則としてそういうふうな実態の行政内容から勘案されて、これを取捨選択されるようなお考えを持つとおられるか。これは國務大臣でないあなたに対して御質問申上げるのは少し無理かと思いますが、どういうようなお氣持でありますか。この点を伺つて置きたいと思います。
#32
○政府委員(中川融君) 今のお話の点でありますが、出先機関整理につきましても原則は原則としまして、実際にこれを府縣へ委讓するかどうかという点は、個々の事務の内容、性質等を調べまして、それによつて決定して行くということがやはり内閣での方針であるというふうに了解いたしております。
#33
○委員長(板谷順助君) 今一つの問題は、運輸省の機構改革につきまして、今度この海運関係が非常に重きをおかれることになるのであります。ところでまあ大体海運局、船舶局、船員局、港湾局というふうな局が設置されるというようなことを承つておりますが、從來の実績から見まして、どうしてもこれを総括的に綜合するという必要があるというような関係から、直接の関係である海運業者から、相当にこの点について陳情が來ております。政府当局はこれに対してどうお考えになつておるか。このままでは恐らくはばらばらになつて纒りがつかんと思うのでありますが、御意見があれば御発表願いいと思います。
#34
○説明員(下山定則君) 今の御質問の海運行政全体について、これを纒めて行くのがいいのではないかというお話でありますが、先程行政管理廳の方で説明いたしましたが、運輸省といたしましては、鉄道のコーポレーシヨンになつて出たあと、海運関係、それから陸運自動車関係、それから鉄道の関係というふうに三本建てに仕事が分れておる、この各々について締括りを考えて行くべきだという考えの下に、海運についてはこれを纒めて行く、今度総局を置くということは組織法でできないことになりましたので、これを纒めて行く次官の補佐、次官補といいますか、海運長官といいますか、こういうものを置いて海運を運営して行く、更に自動車の関係につきましては、自動車長官というものを置いて自動車の関係を纒めて行く、それから鉄道の関係は、鉄道長官というものを置いてこれを纒めて行く、從つてここに海運は海運で纒め、自動車は自動車、鉄道は鉄道で纒めるというふうに、三本足という恪好を考えたわけであります。その長官の下に局を置く、そうして運輸省の中の仕事を、責任態勢を以てどういう部局に分けて行くのがいいかということを考えました結果、理想的なことをいうならば、非常に局をもつと沢山殖やしてやらなければならないのですが、これも、政府全体の機構の簡素化というところも考慮に入れまして、先ず海運の関係については局を五つ、それから鉄道の関係については局を二つ、それから自動車の関係については局を二つ、つまり五、二、二それに、更に観光局を入れまして三長官の他に局を十局というものを案として作つたのであります。これについて先程お話がありましたように、政府全体の行政管理廳の、いわゆる政府全体の機構に対する案というものをつき合せ、いろいろ話合をした結果、長官の制度は認めるわけにはいかん、これは他との関係もあり、できないということで、これをやめることにしたわけであります。從つて今お話の、海運なら海運の関係で四つか五つある局を纒めて行くということがなくなつたわけであります。そこで元々この五つの局を考えておりましたときには、今残つております海運局、船舶局、船員局、港湾局の外に海運調整局という海運全体についての綜合調整といいますか、綜括的な仕事をするという局を考えておつたのでありますが、これは先程行政管理廳でお話になりましたように、仮に長官制を廃めましても運輸省全体としては局の数が十になる。それに対して七局程度でやりなさいということもありまして、先程いろいろの方からも御発言がありましたように、政府全体としてはこの際國民の要望であり、各方面の要望であるいわゆる官廳組織を簡素にする、そうして又役人の数を減らして國民の負担を減らすという大きな方針の下に、運輸省といたしましても内閣全体の御趣旨には大いに協力してやらなければならんという観点から、相当無理をしてこの局の数を減らしたわけであります。從つて海運の関係につきましても一局を減らして四局にして、今御指摘のあります海運の関係がばらばらになつては困るので、私の方の考え方といたしましては、海運局の中に調整部という部を置いて、ここで海運関係の纒まつた仕事をする、こういう考え方でおるわけであります。
#35
○委員長(板谷順助君) どうですか、行政方面ではこういう点について御調査になつておりますか。
#36
○政府委員(中川融君) 今下山次官から申しました新しい運輸省の機構についての案につきましては、目下政府で檢討中でありますので、まだ決つておりません。これについてどうするかということは決つておりませんので、的確に申上げられませんが、我々といたしましてもこの海運関係、船舶関係等の四局の纒めるということの必要なことは十分考えておるのであります。從いましてこれは海運局におきましてやはり何とか纒めて行くという機能を発揮することが必要であろうとは考えております。
#37
○政府委員(加藤常太郎君) 今次官からお話がありました通り運輸省の、特に海運関係の局の調整につきましては相当省内で愼重に審議したのでありますが、現在としての運輸省としては、一般に傳えられておる運輸省の案というもの、そのものでも満足しておるわけではありません。今後行政管理廳と折衝いたしまして、特に海運の特殊性と申しますか、今までの海運行政の経緯、経驗その他から勘案いたしまして、海運、船舶、船員、港湾、今まで資材局はありましたが、この各局とも有機的な、綜合的な連絡調整がなければ海運全体の行政ということは覚束ないのでありまして、今次官から海運局内部に調整部を置く、これは窮余の一策でありまして、これは調整というものは、ただ調整するだけならば何ら意味がないのであります。どちらかといえば四局の上に長官とか、苦しくは名目が変つても結構でありますが、どちらかといえば、コントロールする局が必要でありまして、又は局がなければ何らかの職を設けるとか、海運の行政の完璧を期せられるのでありまして、この点につきましては、特に特殊性を持つておるわけでありまして、運輸省といたしましては、もう一度よくこの海運の局の設置につきましては、行政管理廳と折衝いたしまして、海運そのものの特殊性を生かすようにいたしたいと思います。それにつきましては、特に運輸委員会その他の御協力、御援助を切にお願いした次第であります。
#38
○委員長(板谷順助君) いかがですか。御尋ねありませんか。村上さん何か御質問ありませんか。
#39
○村上義一君 別に私遅刻して來て、その後御意見を拜廳いたしておつたのでありまして、いろいろお尋ねもしたいと思つておりましたのですが、と角今審議中審議中というお話しでありまして、どう御審議なさるかということを実は伺いたいと思つたのですが、これはお話しにならんようであります。ただ運輸省からお出しになつた海運関係が四局、観光局、陸運関係二局、鉄道関係一局、こういう御説明があつたということを、今伺つたのですが、海運関係、陸運関係につきましては、一般の行政機構の簡素化を図るという現段階に対應して眞に止むを得ないものと考えておりますが、鉄道関係が一局であるということは、これはどうしても理解できないのであります。小野委員からもいろいろお話しがありました通り私鉄の監督というものと、これから発足する日本國有鉄道の監督というものは、およそ質において異なるべき筈だと考えるのであります。監督行政の面においても、幅さは勿論非常に異なつております。又質において地方鉄道及び軌道に対する監督行政、國有鉄道に対する監督行政とは、およそかけ離けたものであると思うのであります。監督行政においてもそうでありまするが、助長行政に至つては格段なる相違がなければならんと思うのです。資金の面に見ましても、又小野委員の御発言がありました如く、資材の面におきましても、独自の見地で審査配分等をなすべきであります。それが今日できておらんと私は断言するに憚からないのであります。それは出來ておる筈だ、その枠はそれぞれ安本において分けられておるというお説が出るだろうと思いますが、実際においては、非常に理解できない実情におかれてあるのであります。それは詳しく申上げませんが、そういう観点から見まして、一つの監督局で処理するということは、非常な惡弊を残すと思うのであります。是非共地方鉄道及び軌道に対する監督機関、日本國有鉄道に対する監督機関は別の局であらねばならんと固く信じておるのであります。
 尚第二にいろいろ問題が出ました道監の問題であります。これはもう中央廳に合併するということはどの見地から見ても宜しくないと私は思うのでありまして、できることならこの際地方の出先機関でその性質上可能なものは、できる限り地方廳に移讓するということはこれは至当だと思うのであります。
 この道路運送監理事務所につきましては、先に道路運送法を審議する際においても、十分本院においても檢討せられたことでありまして、質が違うものであり、又一面專門的な、技術的なエキスパートを養成していかんければ、この行政上の完璧は得られない、円満なる道路運送の発達を処理し得ないという現段階におきまして、特に又今道路運送に多大の期待を國家としては掛けておるのであります、五ケ年計画に鑑みてみましても、亦日本國有鉄道又地方鉄道等の現情勢に鑑みてみましても、道路運送の発達に俟たんければならんという分野は頗る廣いのであります。その際にこれが円満なる行政ができないということは、我が國の再建にも重大な影響を來たすと信ずるのであります。特に府縣へ移讓するという場合には非常な弊害が起つて來る虞れがあると考えられるのであります。地方の個人的政治力に移されると、経費が増大することも簡單に実は起ると想像せられるのであります。今日業界が挙つて猛裂な反対をしておるのもその所以はここにあると思うのであります。又一方今日東京都を始めとして、まだ数縣に留まりますが、みずから道路運送事業を経営しておるのであります。このみずから経営しておる都道府縣、又今後そういう傾向が濃厚にあるところに、一面道路行政をやり、又全面的な行政をやるということは、これは將來障害が起る可能性があるということはまさしく観察し得るのであります。而も都道府縣が直接にその経営を回避する、みずから経営を回避するという傾向は各方面で濃厚に今日兆しておるのであります。今回の國鉄のごとく運営と行政とを截然区別するということが必要なりとして、パブリツクコーポレーシヨンをつくるということになつたのは御承知の通りでありますが、こういう際に又道路運送事業は、國鉄の今までの弊を負担するようなことは、どうしても自分としては賛成できかねるのであります。ただ、それらの点を、自分の考えだけを率直に申上げた次第でありますが、ただこの委員会としまして、今日審議中である政府当局に対して、相当意見を申達して考慮を促すという措置を取ることが、必要じやないかと思うのであります。どうせ政府当局で立案せられたものは、本院にも配布せられて、正式に審査をせにやならんというようになると思うのです。今私は私個人の意見を結論だけを申上げたのでありますが、政府の審議の際にできるなら、当委員会の意見を政府に示すと、そうして成るべく摩擦のないよう、円満に進捗を図るようにしたら如何なものだろうか、こういうこと望んでおります。
#40
○委員長(板谷順助君) 分りました。そういう意味におきまして、実は委員会としては只今お話の通り法案の提出をされましたならば、それを審議する権能を持つておることでありまするけれども、できるならば成るべく原案の修正に先立つて委員会の空氣を政府当局によくお傳えして置くというような意味において、只今のいろいろ政府当局の御意見を聞いたわけでありますから、どうか運輸当局におきましても、必ずしも政府の原案をそのまま、こちらから呑むというような考えは毛頭ありません。從つて衆議院と連繋をとることは勿論でありますけれども、参議院の運輸委員会としては、独自の立場として十分檢討をいたします。併し今村上委員の御説の通り、成るべく摩擦を起さないように円滑に議事の進行を図りたい、こういう氣持であることをお含み置き願つておきます。
#41
○政府委員(加藤常太郎君) 運輸省としての現在の眞の考え方を釈明いたしておきます。運輸省として観光局を加えた九局の案が、運輸省の最後の案であるというような考えを持つておられる方も事実聞きますが、運輸省としては今村上委員からお話のように、鉄道監督局を國有鉄道と私鉄と二局にする。又海運関係の局の調整局を作るというような、又道路管理事務所の問題、こういう点につきましては各委員からお話の通り、又最後に村上委員からのお話の通りの氣持でありまして、又それが最終の、運輸省としては目的でありますので、皆さんの御援助を得ると同時に、運輸省自体といたしましても、結局今話した最終の理想に達成するように邁進いたしたいと思います。
#42
○委員長(板谷順助君) 尚この際諸君にお諮りいたしますが、昨日御承認を得ました請願小委員会、観光小委員会につきまして、委員長並びに理事にお委せ願つておつたのありまするが、本委員会は十五名でありますので、前議会通り七名づつ委員といたしまして、御希望のある、例えば請願小委員に希望であるとか、観光小委員に希望であるということをお申出を願つて、そうしてその残りの人を各両委員会に振り当てるということに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#43
○委員長(板谷順助君) それではさよう決定いたします。本日はこれにて散会いたします。
   午後三時六分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     板谷 順助君
   理事
           小野  哲君
   委員
           内村 清次君
           大隅 憲二君
          橋本萬右衞門君
           入交 太藏君
           飯田精太郎君
           高田  寛君
           村上 義一君
           結城 安次君
  政府委員
   総理廳事務官
   (行政管理廳管
   理部長)    中川  融君
   運輸政務次官  加藤常太郎君
   運輸事務官
   (陸運監理局
   長)      小幡  靖君
  説明員
   運 輸 次 官 下山 定則君
ソース: 国立国会図書館
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