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1949/03/26 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 運輸委員会 第4号
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1949/03/26 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 運輸委員会 第4号

#1
第005回国会 運輸委員会 第4号
昭和二十四年三月二十六日(土曜日)
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○日本國有鉄道法の一部を改正する法
 律案(内閣送付)
○商船学校の移管問題に関する件
○運輸省の機構改革問題に関する件
  ―――――――――――――
   午後一時四十三分開会
#2
○委員長(板谷順助君) これより会議を開きます。先ず日本國有鉄道法の一部を改正する法律案を議題といたします。運輸大臣より御説明を願います。
#3
○國務大臣(大屋晋三君) 只今議題になりました、日本國有鉄道法の一部を改正する法律案を説明する前に、御挨拶申上げます。私、今回運輸大臣に就任いたしましたにつきましては、どうぞよろしくお願いいたします。
 只今から日本國有鉄道法の一部を改正する法律案の提案理由について御説明申上げます。政府におきましては、目下行政機構の改革、予算等の問題につきまして、種々努力いたしておるのでありまするが、これらの問題は、只今までのところ四月一日までには確定することが困難な状態であります。このために國家行政組織法の施行の期日を六月一日に延期し、それに伴いまして、運輸省設置の法律の制定も、同期日まで延期することを予定しておるわけであります。御承知のように、日本國有鉄道法は、先の第三國会において成立し、昭和二十三年法律第二百五十六号として公布されたものでありまして、その施行の期日は本年四月一日になつておるのであります。申すまでもなく日本國有鉄道の設立は、運輸省の機構を根本的に改変するものでありまして、このため日本國有鉄道法の施行は、運輸省設置の法律と不可分の関係にあり、その施行期日を運輸省設置の法律のそれと同一期日にする必要があるのであります。以上述べましたような次第で、日本國有鉄道法の施行を運輸省設置法法律制定の予定期日でありまするところの六月一日に延期したいと考えるのであります。以上がこの改正法律の制定の趣旨と、その内容であります。何とぞ愼重御審議の上、速かに可決あらんことをお願い申上げる次第であります。
#4
○委員長(板谷順助君) この法案は予備審査でありまして、質疑は後廻しにいたして、目下重大問題となつておりまする商船学校の移管問題について、運輸省並びに文部省の当局から、一應説明を承りたいと思いますが、それでよろしうございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(板谷順助君) 文部当局は衆議院の方へ行く都合があるそうですから、文部省の方から先に一つその経過を……。
#6
○説明員(剱木亨弘君) 商船学校の移管問題でありますが、今般商船学校は商船大学といたしまして、文部省に設置されております新制大学の大学設置委員会の議を大体経まして、一應希望條件的で二十四年度から新制大学として出発いたしますことを可と認むという答申を得ておるのでございます。その條件は、速かに商船大学の所管を決定することという條件が附いておるのでございます。かねがね商船学校の所管問題につきましては運輸、文部両省の間におきまして、いろいろ話合いを進めておるのでございますが、近く國立大学の設置法を上程いたします関係から、その法案に関連いたしまして、この所管の問題を早く決定いたさなければなりませんので、今運輸省といろいろ折衝中でございます。文部省の考え方といたしましては、現在の新制大学は大体文部大臣の所管に属するという筋につきましては、十分その考え方を持つておるのでございますが、併し一面商船大学なり、同時に農林省所管の水産講習所がございますが、この学校の運営につきまして甚だしく支障を來たすというようなことがあつては、学校自体に非常に御迷惑をかけますし、又日本の商船教育のためからも思わしくないと思いますので、その所管につきましては十分両省ともお打合せしまして、そういつたような実際上の障害を來さないようにという考え方を以てお話合いをいたしておるのであります。今日まだ行政管理廳との話合いをいたしておりますので、最後的な決定はいたしておりませんが、その実質的な面におきまして、現在の状況を、少くとも当分の間変更することなくして、何らかそこに解決点を見出す方法があるのではないかと考えておる次第でございます。只今までの大体の交渉経過は、尚運輸省からも御説明があると思いますが、文部省といたしましてはさように考えております。
#7
○委員長(板谷順助君) 今度は運輸当局の御所見を伺いたいと思います。
#8
○政府委員(秋山龍君) 運輸省の商船学校に対しまする立場を御説明申上げます。
 只今文部省の方から御説明がありました通り、我々といたしましては、高等商船学校が新らしい学校制度の下におきまして、是非ともこれは新制大学にして頂きたい。これは船員の矜持を持たしめ、又良質なる船員を得まして、これを以て海運の重要な原動力としなければならない現在といたしまして、最も必要なこととかように考えて、文部省と親しく折衝いたしておるような次第でございます。然るにこれが所管につきまして、いろいろと事務当局の間で議論を交しておりまするのでございますが、学校教育は成るべく文部省に一元化したいと言われる文部省の考えも誠に理由なしとはしないのでございます。併しながらこの船員、特に海運は戰爭中非常な打撃を受けまして、目下再建の歩をどうして踏み出すかということにむしろ悩んでおるような状況でありまして、その見通しも未だはつきりいたしておりません。又將來日本の海運を進展いたしまするために如何なる支持を與えることができるかということもはつきりしない、今我我として最も頼り得るものは船員だけである。從つていい船員を養成したいということを專ら念願をいたしておる。又それに力を得たいと考えておるような次第でございます。ところが実際の面を見まするというと、船員の面におきましても、戰爭による打撃というものは非常なものでございまして、例えば戰爭中に中堅船員の相当部分を戰爭で失つておりまして、船員の年齢構成上非常な打撃を残しております。又戰爭中急速に大量の船員を養成いたしましたために、船員の技倆或いは素質が非常に低下いたしております。又戰爭後のいろいろな思想の混乱によりまして、船員の氣持においても非常に混乱が見られ、この状態を早く手当いたしまして建直さなければいけない、こういう問題に直面いたしておりまして、そのため私共といたしましては、戰爭中より移管を受けております。これは元々は我々がやつておりましたが、一時文部省に行つておりましたのを、戰爭中移管を受けておりまして、高等商船学校或いは地方の商船学校、それから海技專門学校、海務学院、船員養成所といつたような、こういう多種多樣の教育機関を運営いたしまして、そうしてこれらのものを総合的に利用して、例えば戰爭中に短縮教育をいたしておりまする船員の技倆を向上するために補修教育をするとか、或いは戰時中に低下いたしております。外國語或いは外國事情、或いは航海能力といつたものにつきましても、海務学院という上級のものを以ちまして、この技倆の向上に努め、或いは又商船学校で重要供給のうまく行きませんものは海拔專門学院というのを運営いたしまして、船員の需給を併せるような工作をするというような、いろいろそういうふうな船員政策全体としての手当をいたしております。これが又日本の海運はどういうふうに復興して行くかということによつて非常に微妙にアジャストして行かなければならんというこういつた事情に相成つておりますが、現在の高等商船学校をこの機会にすぐ文部省にお願いしてもいいものであろうかどうかということについて実は非常な悩みがございまして、そこで何とかしてこの大学にする、或いは新制高等学校にするというようなことが実現いたしまする範囲におきまして、私共で、本当に学校の運営だけはできるような方法はないものであろうかというようなことにつきまして、文部当局と話合いを進めておるような次第でございます。これが現在の段階でございますことを一言申上げて置きます。
#9
○委員長(板谷順助君) 先ず運輸大臣に伺いたいことは、商船大学に昇格するということについて教育委員会と申しますか、それから答申がありまして、それはほぼ確定しておるのですか。商船大学に昇格するということは……。
#10
○國務大臣(大屋晋三君) それは確定しておるそうですがね。そこで大学にする資格があるかということは、これは当然資格があるということですが、そこで運輸省の希望としましては、今秋山君に述べさしたような理由で長年やつて來ておるし、特殊の專門的な教育を必要とする関係があるわけであるから、商船学校の実体の経営は運輸省に一つやらして貰うようにしたい。併し学校であるから、而も新制大学は全面的に文部省が扱かうということになつていますから、その監督、つまり何といいますから、学校として、つまり新制大学としての扱いは監督というようなものか知らんが、文部省が一面学校としては取扱するが、実体の運営は運輸省でやれるような仕組に一つ考えて貰いたい。これくらいのふうに考えておるのですがね。そこにどういう線を設けてやるか、一つ委員諸君からよいお智慧を拜借したい。そういう氣持でおりますんです。
#11
○委員長(板谷順助君) 質疑に入ります。
#12
○小泉秀吉君 今大臣のお話並びに文部省の説明なんかを総合して考えますと、高等商船学校を大学設置委員会の答申によつて新制大学にするという意向は決まつたのであるが、併しそれを尊重してやりたいんだが、今の段階でははつきり文部当局並びに運輸当局は二十四年度にするということに対しては、そこに行く段階に、所管の問題でまだはつきりしたものではないようなふうの御説明のように伺いましたのですが、そういうことであるのか。二十四年度に高等商船学校を新制大学にするということだけは両省とも一致して政府としてその由がはつきり決まつておるのか。今決まつておらなければ、努力して是非決めるというような御決心であるのか。その点を文部当局並びに運輸当局の方にはつきりした御意見を伺いたいと思います。
#13
○政府委員(秋山龍君) 運輸当局といたしましては、何とかして所管問題は適当に解決いたしまして、二十四年度から是非新制大学にいたしたい。かように考えております。
#14
○説明員(剱木亨弘君) 文部省としても全く同感でございまして、ただ後に國立大学の設置法という法律の案を作りますのに技術的な面を考えておるだけで、両省といたしまして是非二十四年度から大学にいたしたいということは全く一致した意見であります。尚それに附け加えまして、実は二十四年度の予算は、新制大学の予算といたしましては、商船学校のは運輸省の予算に計上される予定でございますので、今から予算を所管の問題に関連しまして、仮に文部省に所管を移すとしましても、非常に技術的にも困難だと思いますので、そこで只今私共の考え方としましては、所管は文部省にするという一つの方針だけを樹立いたしますれば、実際の管理は、これはまだ期限ははつきりお話しておりませんけれども、当分の間運輸大臣にあるようにいたしまして、実際は今まで通りの運営をして頂く方が、非常に差迫つておりますので、根本的な解決は將來に残した方がいいのじやないかという感じを只今持つているのでございます。この点はまだはつきりお話合いをしたわけじやございませんが、それならば、恐らく文部省におきまして問題はないのじやないか。とにかく二十四年度から新出発したい、そういうふうに考えております。
#15
○委員長(板谷順助君) 尚念のために文部当局に伺つて置きますが、実は大臣並びに次官の出席を求めたのでありまするけれども、都合によつてあなたが只今お出でになつたが、あなたの今言明されたることは文部省の纒つた意見ですか。
#16
○説明員(剱木亨弘君) 二十四年度から商船大学を設置させたいという意見につきましては、全く纒つた意見であります。
#17
○委員長(板谷順助君) 予算問題についても、運輸省の所管にして置いて、適当な時期において解決する……。
#18
○説明員(剱木亨弘君) さようでございます。大体昨日省議でいろいろお話しまして、その方向に一應行くことになつております。
#19
○橋本萬右衞門君 何も劃一にするというのじやないのですが、やはりそれは省議で決定した以上は運輸省に運営から一切委せても差支えないのじやないですか。
#20
○説明員(剱木亨弘君) 大体新制大学の所管につきましては、教育事業としまして、國立大学は文部大臣の所管になるという原則は間違いないと思うのであります。ただ実際の運営に運輸省といたしまして非常な御関心があるわけでありまして、それを文部省としては全然排除するという氣持はないのでありますから、両省の間におきましても、両方とも十分話のできますようにして、要するに商船教育というものが十分にできるように我々は教育したいと思います。
#21
○委員長(板谷順助君) ほかに御質疑ございませんか。
#22
○小野哲君 只今文部当局からの御説明によりまして、大体文部省として商船大学の設置に関する方針の大体を承知することができたと思います。で、私自身の考え方も商船教育の特殊性、特に実習を本体として教育制度を多分に織込まなければならんということ、それから船員の再教育、先程秋山政府委員が言われたように、終戰後における船員の再教育が今後の我が國の海事行政の方では重大な使命を持つているというふうな二つの点から考え合せましても、立体的な経営においては、やはり海事行政の一環として、船員の教育行政を担当して、言い換えれば運輸省がこの衝に当るということが妥当のように思うのであります。ただ学校教育の一般的な國の考え方、或いは法律の精神を斟酌いたしますと、全然文部省が無関係の立場にあるということも考えられないので、この間において何らかの適切な措置が講ぜられるならば、誠に船員諸君にとつても幸福ではないかということを常日頃念願いたしているのでありまして、若し文部当局が今説明をされたような方向に副い、且つ運輸当局が希望されておるような実体が十分に確保できる場合においては、私自身としては速かにこの問題を解決されて、所期の方針のように大学昇格を二十四年度からこれを的確に実施するという点に早く持つて行かれることが必要であろう、こういうふうに思うのであります。えてして所管の問題は各省がお互いにその立場を固執して、結局その被害を蒙るものは当該受益者で、且つ國民でありますので、その辺のところを十分斟酌せられまして、円滑に且つ迅速に要望が実現するように一層丁力をして頂きたいということを要望いたしたいのであります。要は船員教育の本旨が完全に実行せられるということと、それから、新制大学の昇格が昭和二十四年度から確実に実現するということに要点があるので、この点について一層の今後の御努力を要望いたしたいと思います。尚水産講習所関係の問題で、行政管理廰においても、いろいろと御相談になつておるというようなことを文部当局からもお話がございましたが、今回の商船大学の問題と、それから農林省所管の水産講習所の問題とは、大体似たような線で進むものであるかどうか、その点を一應御当局に伺つて置きたいと思います。
#23
○説明員(剱木亨弘君) 御承知の通り全く水産講習所と商船学校との問題は非常に似かよつておりますので、その処置といたしましても大体同じような処置を取りたいと思つております。
#24
○委員長(板谷順助君) 外に御質疑はありませんか。
#25
○小泉秀吉君 私のは質問というか、或いは質疑というよりも意見の開陳のようになりますが、少し意見を申述べて置きたと思います。大体今までの御説明ではつきり分つたと思いますが、要するに文部省並びに運輸省におきましても、二十四年度に新制の商船大学を設置するという御意向ははつきりしておる。こういうふうに了承しておる。予算の関係においても文部省当局の御説明によると、それは今まで運輸省でやつているのだからして、今更文部省に移管するというようなことでなしに、運輸省自体がやつているものを、それを踏襲して行くということもはつきりしたのであります。從つて將來商船大学を文部の所管にするとか、或いは運輸省で引続いてやるというようなことにおいて運輸当局の御意向がはつきりしておりませんければ、これは私共の観点から言えば、文部当局がいろいろな行政から見て、先刻御発言になつたようなふうな意向で行かなければ、この問題を今年中に解決ができないというようなことになつては非常に残念だと思います。大体小野さんの述べられた同じ意見を私は持つておりまするが、とにもかくにも両省が移管問題のことで一日でも二日でも日にちを延ばすというようなことのないように、速急に移管問題を解決して、そうして高等商船学校を新制大学にするということに是非御協力を願いたい。こういう私の意見並びに希望に対して運輸大臣の御所見を一應お伺いしたいと思います。
#26
○運輸大臣(大屋晋三君) 只今小泉さんの御意見に全く同感でありまして、早く今の所管の点と、実際運営の点とをはつきりすると同時に、新制大学の昇格を決定して、早く実動に入りたい、こう考えておりますから、御趣旨に副つていたすことにいたします。
#27
○委員長(板谷順助君) 外に御質疑ありませんか。
#28
○橋本萬右衞門君 大体今ので盡きておりますが、今文部省の方のお話では、この國立大学設置法に縛られておるそうですが、高等水産学校と商船学校とに限つては、例外規定を設けても差支ないんじやないかと思います。一つその点について……。
#29
○説明員(剱木亨弘君) 國立大学設置法と申しますのは例の官制のようなものでございまして、どこの所管になりましようが、それは必ず要ると思います。ただ國立大学設置法というのでずつと一本で行きました方が、商船大学とか、水産大学と、別に行くよりも非常に國会に対する関係も都合よくはないかと思いまして、今そういう立案を急いでいるわけであります。ただそういうふうにしましても、実際上支障のないようなことを考えたいと思います。
#30
○委員長(板谷順助君) この問題については、先日の委員会においても論議をされたのでありまするが、要するに只今政府当局もお聞きの通り、先ず商船大学の昇格するということが先決問題である。ところが今大臣のお話では、その所管が決まらなければこの問題に触れないようなふうなことを言つておられる。又文部の当局はとにかく二十四年度の商船学校の予算は運輸省の所管として計上する、追つてこの問題は両当局の間に解決するという意味の答弁があつたのですが、ただこの所管が決らなければ商船大学に昇格することができないというこの意味がちよつとはつきりしませんから、そこを……。
#31
○運輸大臣(大屋晋三君) それが両省の間にまだ実は熟しておらんと思うのですが、それですから、私共の考えでは大体実は文部大臣と私二人で話をして、やはり学校なんだから、文部省と全然手を離すというようなことは、橋本さんのお話のように、特別な法律でも拵えなければいかんから、所管は文部大臣がやるということにとにかくして、実際の運営は運輸省が全部やるというような形にでも一つ持つて行つて、解決しようじやないかというような話をしたようなわけでありまして、私と高瀬君はそういう話をしておるのですが、まあ專門のそれぞれの両省の係りで、一つはつきりそこの姿を現わうことにいたします。
#32
○委員長(板谷順助君) まあ大体両大臣の間の話合いができましたら、この委員会に一つ御報告を願います。
#33
○運輸大臣(大屋晋三君) 承知いたしました。
#34
○委員長(板谷順助君) それでよろしうごずいますか……。それでは先だつて來問題になつておりまする運輸省の機構改革の問題につきまして、一應とういうような構想を持つておられるか、御説明願います。
#35
○運輸大臣(大屋晋三君) 只今日本鉄道法の一部改正の提案をしました通り、日本鉄道法として、六月一日に國鉄の主体が出てしまいますので、そこで結局今度の機構改革に際しましては、本省の方に鉄道の方の部分としては、監督行政の分としての規模は、私鉄を監督する機関と、國鉄を監督する機関と二つ設けた方がよろしいという議論がいろいろありましたのです。それから又自動車の方のあれは、まあ大体業務と監理の一局でやれという意向がございます。それから海事審判所は今独立しておるんですが、これは海上保安廰の中にひつくるめて貰いたいという意向があります。それからシッピング、海運の方は、大体局を四つ程作ろうかということになつておりまして、そうしていずれも海運長官制を廃める、鉄道も無論長官制を廃める、それから自動車も長官制を廃める、海上保廰はそのままといたしますというような関係で、いわゆる長官制を廃めて、鉄道の方は二局という希望があつたんですが、鉄道が一局でございます。それから海運が一應四局の案を立てましたのですが、又昨日あたり行政整理の意味合において三局にして呉れないかという希望の申出を受けておるのです。四局というのはどういう局を置くかと申しますると、海運局、船員局、船舶局、公安局とこの四つを考えておりましたのですが、行政整理をやつている本多國務大臣の方が係りでやつておりますが、もう一局減らして呉れないかという註文を実は昨日から受けておりまして、私はまだこれに何らの意思表示をしておりませんが、四局という我々の原案に対して、三局という申出でを受けているようなわけであります。それから運輸審議会という制度を置いて貰いたいという関係筋の方からのお話がありますのですが、これに対しまして、実は運輸大臣の考えと在來の関係筋の考えと少し意見の相違がありますので、目下折衝中なんであります。それはどういう点に相違があるかというと、在來の関係筋の意向といたしましては、運賃の決め方その他相当重要な問題に対しまして、その審議会の議を運輸大臣は相当の程度において尊敬をして実行しなければならないというふうなことになつております、性格が……。それから更に十一人の次官級の、常時傭切りの人間を以てその審議会を構成するという仕組みになつております。即ち名誉職の、在來の形の、有能の人々を委員に委嘱して構成する委員会とは趣を異にいたしまして、つまり常傭次官級の人物十一人で常設をするという考え方になつておる。そこで私はですね、これを大臣の諮問機関であればいいと思うけれども、その審議会が決めたことを殆んど大臣に強制する強制力を持つているような委員会では、大臣の地位が現在の内閣制の実情に即して非常に制限を受けるので、私はそれは不適当であると思う。即ち大臣というものは、日本の内閣制度はイギリス式のシステムを採つておるのでありまして、國会に対して國務大臣は責任を負うているわけなんであります。然るに運輸省に運輸省全般の問題をディスカッションする、審議をする審議会ができ、その審議会の決めたことを殆んど大部分強制的に運輸大臣がそれを実行しなければならないということでは、運輸大臣の國務大臣としての職責を完遂することはできないという見地から、私はその審議会はそういう理由が一つと、それから日本の現状においては、有能なる次官級の十一人の人物を常傭いにして常置するというようなことは、目下行政整理をやらんとしておる際でもあり、又日本の実情から見て有能なる十一人の人間を常にフイックスト・ペイで、名譽職にあらざる常傭いの人間を集めるということも、事実これは不可能であるというような理由を附しまして、諮問機関的のものにして頂けるならば私もこれを了承しますが、どうも現在のような趣旨では了承し難いということで、目下ディスカッションを続けておるということが一つくつ付くということになつておるのです。私はこれをあちらの指示通りでなしに、置くことは一向差支えないが、その性格は諮問機関にして頂きたいと考えております。そういうものも私は諮問機関であれば設けて差支えないと思つております。その外に氣象台は、在來通り運輸省の管轄ということになります。
 更にこれを組織的に初めからずつともう一遍繰返して申上げますというと、長官制を廃止しまして、鉄道の方は一局ということであります。それから海運の方は長官制を廃止いたしまして、私は四局と考えておりますが、更に行政管理廳の方からは、もう一局減らして呉れという註文が出ておりまして、まだこれはペンディングになつております。それから自動車の方は、二局にいたすということに一應考えております。それから海上保安廳の方は、これに海事審判所が在來外にありましたのを繰入れるということ。それからその外に中央氣象台が相変らず運輸省管轄に残るという組織にするということに考えておるのであります。
 そこでシッピングの方が四つになりますのですが、或いは三つにして呉れという註文も只今申上げました通りあるのですが、これを総括するものが何らかの形で欲しいということを私は考えているのです。これを総括するというと、仮に関か四つの局を指揮監督するそれ以上の上位を以て総括させるということでありますというと、一番いいのですが、それでは現在の長官制と等しきものができてしまう。長官制を廃めるという趣旨にそれでは違背いたしますので、何とかできんものかと思つて考えました末に、一應海運局なら海運局の中に調整部なら調整部というようなものを設けて、権限的に四つの局に指揮命令する権限はございませんが、事務的に運海全体の四局に跨がる仕事をその調整部というようなもので纒めさせるような案にしたらどうかというようなことを考えております。大体はそのくらいの程度で只今考えております。一両日のうちに閣議を開きまして、或いは最後の決定をしなければならんかと思つております。
#36
○委員長(板谷順助君) 大体大臣の構想は分りましたが、そこで大臣に予め御承知を願つて置きたいことは、只今大臣の権限について云々というお話があつたと同様に、この委員会におきましても、必ずしも政府の原案を丸呑みにするという意向があるわけではないので、今の構想の中に、例えば國鉄の監理と又私鉄鉄道の監理の二局を是非置いて貰いたいというのが、先達つて來の委員会における強い意見であります。それと同時に又海運関係におきましても、いわゆる今お話しのように各局を総括する、ばらばらになつておるものをそこで或る程度総括する、例えば総理廳のごときものを置いたらどうかというような意見も相当強く出ております。從つて、行政整理或いは仕事の簡素化を図るというその趣旨においては賛成でありまするけれども、併しながら予め構想ができましたならば、この委員会においてやはり懇談式にお話を願わんというと、或いはここにおいて修正する、それがために政府とこの委員会と対立するような結果にならんように、一つ万全の御注意を願つて置きたい、こう思うのです。
#37
○小野哲君 ちよつと伺いたいのですが、今大臣の御説明で大体現段階の模様は承知いたしたのですが、その中で観光局の問題がどうなふうになつておりますか、それを伺つて置きたいと思います。
#38
○國務大臣(大屋晋三君) 忘れておりました。それは入つております。
#39
○小野哲君 それでは観光局は運輸省としてはお入れになるということになつておるわけですね。
#40
○國務大臣(大屋晋三君) そういうことになつております。
#41
○小野哲君 それからもう一つ伺いたいことは、只今委員長から鉄道監督局の問題についてお触れになりましたが、前回の委員会でも、現在の物資資材等の現況並びに輸送に対する統制の尚継続を必要とするような際においてと、どうしても國有鉄道を民営鉄道とは異なる機関で監督をして行くということがよいのではないかと、こういう意見が本委員会においても強く主張されて参りました。今日のお話では、海運方面で更に行政管理廳の方からの註文も出ておるようでありまして、尚ペンディングであると、こういうお話でありますので、運輸省の機構全体についてもペンディングである、こう解釈してもよいではないかと思いますが、從つて海運関係の問題について本多國務大臣と御折衝になります際に、鉄道関係のもお入れになつて解決するように、大臣において御努力あらんことを希望して置く次第であります。
 尚、只今の御説明は中央機構の問題でありましたが、地方機構は運輸省としてどういうふうなお考えを持つておられるか、その概要を承つて置きたいと思います。
#42
○國務大臣(大屋晋三君) 地方機構に対しましては、在來の鉄道の方は日本鉄道に分離いたしますから、その中で現在のものがそのまま生きると御了承願いたいのですが、海運関係の方も十ありまするから、十ある現在の海運局はのそまま存置するということになつておりまするが、いわゆる道路関係の道路運送監理部というのですか、それは大きいやつが九つあつて、その下に各所に三十幾つかございますが、その大きい九つの分は存置するが、小さい分はこれを廃めと呉れないかというのが、行政管理廳の本多君の註文なのでありまするが、私共としては廃めたくないのです。ところが各省の重要なる出先機関も共にこれを廃めと、而もその仕事は都道府廳にやつて貰うのだ、併しそれの監督権限は原省の運輸省が持つのだという註文を実際昨日聞きましたのですが、これに対してまだペンディングで、イエスともノーとも言つていない、こういう姿であります。
#43
○小野哲君 地方機構の問題の概要を承つたのでありますが、前回の本委員会の模様は、これは或いは出席の下山次官から御報告があつたものと思いますが、道路運送に関する行政、現在の輸送並びに資材の状況から見まして、又地方鉄道軌道、自動車、荷牛馬車等の小運搬等の広汎に亘る実体的な行政をやつて行かなければならない点から考えまして、これを地方廳に分散するということは当を得た処置ではない、從つて交通政行の総合的な立場から考えましても、地方廳に委讓することはよろしくない、こういうような強い意向が表明されておるのであります。と同時に仮に現在の特定道路運送監理事務所を何らかの形において存続して、そうしてできるだけ監督に関する権限をそれに集中する場合におきましても、何らかの方法で、政府機関としての地方の機関を持たなければ円滑な行政運営は困難であろう。併し今回の政府の考えられておられる行政整理の趣旨に副うて、できるだけ簡素にして且能率的な機関を設けることが必要である。こういう見解の表明もあつたような次第でありますので、まだ只今のお話ではペンディングになつておるようか状態とお聞きいたしましたので、この辺の事情も十分に勘案せられまして、大臣におかれて善処されることを私とした希望いたして置きたいと思います。
#44
○委員長(板谷順助君) 尚大臣に附加えて申上げますが、今の道路運送の監理廳委讓については、全國から何百通の電信並びに手紙が來ておりまして、そうしてやはり移すとしても新たに又、例えば都道府縣にそれだけの機関を設けなけりやならん。それから中央に統一をするというその又以外に、地方においてはいろいろ運動が起されて、又非常な弊害が伴うという意味において、民間の輿論はこれに反対しておるということについてやはりお考え願つて善処願いたい。こう思うのです。
#45
○國務大臣(大屋晋三君) どうもそのお説の通りで、もう沢山の手紙が來て、これを廃止するということに対しては私も当惑しておるのですが、まあよその省のことは言う必要はないが、よその省で、まああなたがた御推察ができると思うのですが、相当大きな、地方に関係ある省で、やはり同じようなものを廃して呉れ、こういう註文もあるので、どうもこいつは困つたもんで……それから前の四局を三局にして呉れという分も、これは御推察できるやつなんだが、どうもあの一局も、これもどうもオミットしたくないのですが、こいつも一つ十分御声援を願わんと、これもどうも……ちよつと速記は止めて下さい。
#46
○委員長(板谷順助君) 速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#47
○委員長(板谷順助君) 速記を始めて下さい。それでは本日はこれで散会いたします。次回は公報によつて御通知いたします。
   午後二時三十九分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     板谷 順助君
   理事
           小泉 秀吉君
           小野  哲君
   委員
           内村 清次君
           大隅 憲二君
          橋本萬右衞門君
           飯田精太郎君
           結城 安次君
  國務大臣
   運 輸 大 臣 大屋 晋三君
  政府委員
   運輸政務次官  坂田 道太君
   運輸事務官
   (海運総局長
   官)      秋山  龍君
  説明員
   文部事務官
   (學校教育局次
   長)      剱木 亨弘君
ソース: 国立国会図書館
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