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1949/03/29 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 運輸委員会 第5号
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1949/03/29 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 運輸委員会 第5号

#1
第005回国会 運輸委員会 第5号
昭和二十四年三月二十九日(火曜日)
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○運輸行政に関する件
○日本國有鉄道法の一部を改正する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
  ―――――――――――――
   午後一時三十六分開会
#2
○委員長(板谷順助君) これより会議を開きます。運輸当局から運輸行政に関する全般の御説明があるそうでございますから、それを承わりまして、更に質疑に移りたいと思います。
#3
○説明員(下山定則君) それではこれからいろいろ法案、予算その他を御審議願いますにつきまして、運輸省の各総局長官から一應順次行政の大網を御説明申上げることにいたします。最初加賀山鉄道総局長官から鉄道総局に関する説明をいたします。
#4
○政府委員(加賀山之雄君) 御指名によりまして、概略國有鉄道の現況に関しまして御報告を申上げます。お手許に一番から十一番まで番号をふりました資料を差上げてあると思います。まだですか。
#5
○委員長(板谷順助君) まだ配付されておりません。
#6
○政府委員(加賀山之雄君) 御承知のごとく國有鉄道は約二万キロに亘りまする鉄道と、約九千キロに及びまする國営自動車を運営いたしまして、昭和二十三年度におきましては、旅客におきまして約三十三億万人、これは戰前に比較いたしますると、戰前昭和十一年を標準年度といたしまして、指数といたしますと、三百十一程度になろうかと存ずるのでありますが、つまり三倍余の旅客運送をやつている、それから貨物におきましては、概略一億三千万トン、これは年度当初の目標であつたわけでありますが、僅かこれを切ると予想されるのでありますが、九九%余の実績を收められはしないかと存ずるのでございまして、この数は、やはり基準年度に比較いたしますと、百三十二、三割二分の増加ということに相成つておるわけでございます。で財政の面におきましては、御承知のごとく当面におきまして、一千二十七億という損益勘定の経費を以て出発いたしておるのでありますが、七月に両院の御承認を得て、運賃を貨物は三・五倍、旅客は二・五五倍という倍率は引げられましたにも拘わず、当時におきましてすでに三百億余の欠損が生ずるということが予定されたのでありまして、その欠損三百二億を加えまして、千二十七億、一千億をちよつと出た経費を以て運営をいたして参つたわけであります。その後の旅客なり貨物の輸送状況は、旅客に対しましては、改正前までは相当の客足を見ておつたのでありますが、改正後におきましては、客足が落ちまして、客数が減りますと同時に又乘車距離も縮まるという結果を招來いたしまして、可成りの利用減を見たわけでございます。併しながらその後徐々に回復いたしまして、年度を通算いたしますると、予定に対し、八分見当に減少に終るのではないかというふうに考えられておる次第であります。貨物におきましては、これは秋の繁忙期に入りますと、俄然勢いを取戻しまして、一日の輸送トン数、省線のみを以て三十五万トン、或いは三十六トンというような日が続きまして、その結果といたしまして、昨年度あたりには非常に御心配かけました沿線の滯貨、在貨も逐次減少を見ました。当時三百数十万トンの滯貨、在貨があるということを御心配おかけしておつたわけでありますが、本日はもうすでに八十万トン程度に低下した。これは輸送の約二日分に当るに過ぎない在貨でありまして、在貨の数量としては却つて心細さを感ずるという状況を示しておるわけであります。そういつた輸送力の発揮の原因といたしまして、当初は危ぶまれましたところの一億三千万トンの輸送が、今日になつて見ますると、いわゆる下半期の非常な努力によりまして、ほぼ達成されようという情勢に至りましたのでありまして、重要物資の輸送を始めといたしまして、貨物輸送におきまして挙げました成績は、これは本委員会におきましても、これを非常にお喜び願うることではないか、私共もまだこの程度では勿論鼻を高くするわけには参りませんけれども、まあほぼ貨物輸送の目標を達成し得る段階まで來たということを、心の中に喜んでおる次第でございます。で、これを財政面から再び見ます場合に、昨年度におきまして、すでに年度当初から三百億程度の一般会計からの補給金を受ける、繰入れて受けて漸く收支を合せるという状態でありました。國有鉄道といたしましては、御承知のごとくこれも両院において御決定を願わなければならないのでありますが、いわゆる四月一日から日本國有鉄道に切替わるという事柄を主として運輸省設置法その他との関係と睨み合せまして、六月一日に延期をしなければならないという政府の見解、考え方であります。後刻この点に関しましては、本委員会におきましていろいろ御審議を願わなければならないと存ずるのでありますが、そういうように六月一日に延びたといたしましても、日本國有鉄道という公共企業体に切替わるのでありまして、法律の上におきましては、これも御承知のように独立採算制を確立するのであるということは、法律の中にははつきりは見えておりませんけれども、我々國有鉄道の從事員になるものの心構えといたしましては、何としてもこの際独立採算制を確保いたしたいという氣持を持つべきであり、又客観的に見ましても、これを持たなければならない情勢にまで到來しておるということは当然でございます。その点から再び又運賃の問題が今回の予算の審議に伴いまして出て参つておるという状態でございます。この運賃の問題に関しましては、我々の見解といたしましては、元々これもよく御承知のごとく貨物運賃が非常にコストを割つておる点、又他の輸送機関等におきましても、主として貨物の收入に頼る以外にない。船舶でございますとか、或いは地方鉄道、貨物を主とする地方鉄道等におきましては、貨物運賃の釘付けが、経営に非常に影響をしますと同時に、又海陸の運送調整なりをいたします場合の非常な支障になるということであります。特に経費を極伴に減少して來ますためには、國有鉄道といたしましても最も低廉な運送費を以て石炭等を運ばなければやつて行けないという情勢に相成ります場合に、自然に如何なる長距離でも、最も安い陸送による外はない。從つて先日も本委員会に陳情がございましたように、機帆船等は立場がなくなるというような状態が現われるわけであります。で、これは國有鉄道の経営に当る者といたしましては、心ならずも、どうしてもそうしなければ自活の途が講ぜられないという点から出発するわけでありまして、そこに必ずや貨物運賃の不合理ということが問題の焦点に相成る。かような次第ではないかと私は存ずるのであります。で、その他貨物運賃に関しましては、いろいろ申上げる点はあると存じますが、只今の予算上におけるところの進み方といたしましては、これも特に御承知かと存じますが、旅客運賃のみを以て行くのだという方向に進んでおります。これは我我の平常の主張からいたしますれば、何とかして貨物もこの際改訂をして頂きたいという強い希望を持つておるわけでありますが、その我々の希望は今回の予算上におきましては、盛り込まれていない次第であるということを、これはまだはつきりと御報告申上げる段階になつておらないかも知れませんが、この御報告に併せまして申上げて置きたいと存ずるわけであります。本年度といたしましてはそういう状態で、專ら旅客運賃の改訂によつて約二百三十億余の收入を見込み、それを以て全く收支の均衡を合せるという、非常に何と申しますか、從來から申しますと、非常に極端に節減をしなければならない、節減というよりもむしろ全く変つた行き方をしなければやつて行けないのではないかと思われるような損益勘定の予算に相成るかと存じておるわけであります。これははつきりと両院において予算が審議され、決まりました上は、何といたしましても経営の責任を持つものといたしましても、又從事員といたしましてその予算を確実に執行し、而も汽車を一日もかかすことなく走らせるという重要な任務を負うわけでありまして、その点に関しまして、この予算の編成に伴いまして、非常に我々といたしましては苦慮をいたしておる点があることを御了察願いたいと存ずるわけであります。元々この運賃決定をいたすがためには、これはいわゆる公正報酬の原則に基いて、適正なる運賃でなければならない、それはどういうことかと申しますと、経営を極度に合理化いたしまして、而もどうしても必要であるという経費を償うものでなければならない意味であろうと存ずるのでありますが、先程申しましたように、爾來本委員会等におきましても、國鉄経営合理化につきましては非常な御心配をかけ、又激励を賄つておる状態でありまして、我々といたしましては、力を盡してこの経営合理化の実現に努めて参つたつもりでございます。で、ただ力弱くして我々が考えましたところの勿論全部はこの二十二年度におきましては、成就でき得なかつたのでございますが、年度初当からいたしまして、貨物の増送運動でありますとか、貨車積出しの運動でありますとか、又石炭の節約運動でありますとか、その他各部門々々に分ちまして、経営の合理化をするための運動を展開いたしました。その結果どういう実績を得たかという概要につきましては、お手許に差上げましたものに書き留めておるわけでございますが、その中で特に我々がこの委員会で御報告申上げなければならんことは、石炭の節約という問題であろうと存ずるのであります。この問題につきましては、前國会を通じまして、特に本委員会の委員長始め各委員の非常なる御声援を得まして、我々としても勇氣を持つてこの石炭の節約に努めて來たのでございます。又石炭の獲得方法の合理化に努めて参つたのでありますが、その結果といたしましては、僅かながらカロリーを上昇することができました。で節約運動を通じて得ましたものは、或いはパーセンテージにおいては皆樣方がお考えになる、なんだこれつぽつちかとお考えになる程度かも知れないのでございますが、とにかく数字に現われる節約率を示したのでございまして、これはこの程度において本委員会に御報告申上げ、これを読んで頂きまして、更に今後の御後援をお願い申上げなければならんと存ずるのであります。勿論昨年度といたしましてはカロリーが上つたこと、その外に氣候が比較的温暖でありました点、又根本的には石炭の入手が比較的円滑に参りまして、一昨年度のように今日の石炭をどうするかというような問題がございませんでした点、更に列車のスピード・ダウンを実施いたしまして、低質炭に向くような運轉速度を以て列車運轉を実施いたしました点、或いはその蔭には從事員の相当の苦労も入つていようかと考えるのでございますが、それらが総合いたしまして、節約率を上げることができたわけでございます。これらはそれぞれこの御報告に記述してございますが、嚴格に見積りましても、決して少額ではないものであるというふうに考えておる次第であります。次に人員の問題に関しましては、常々國有鉄道の人員は多過ぎるのではないかということがいろいろの御論議を釀しておるのでございます。勿論我々といたしましては、この多過ぎるかどうかという問題に関しまして、一つは現場の作業の実態を見、一つは数字の上におきまして、我々の方でワイモンドの方式と言つておるのでありますが、全体を不変の費用と、つまり業務量に拘わらず不変のものと、それから業務量の増加によつて殖えて参ります増減のあります部分とに分けまして、これを費目に分けまして、それを過去の業務量と比較いたしまして檢討するというような方策を取つて参りましたのでありますが、人員はやはり放つておけば自然に膨脹の一途を辿ることは否めないのでございまして、一昨年度におきましては、昭和二十二年七月から昭和二十三年三月までは從事員の採用をフリーズいたしまして、一人でも採用を必要とするものは本省の承認を求めるにあらざれば採用ができないという方法を取つて、嚴重に膨脹を警めたのでありますが、昨年度におきまして、昭和二十三年四月よりはこの方式は却つて角を矯めて牛を殺すと申しますか、必要なところにも採用ができない、それが業務に支障するという結果を招來するのを恐れまして、地域的に、或いは職種の上におきまして、定員を多く持つておるものには全然補充を認めない、一方現に定員を割つておるというようなところには一〇〇%補充を認める、その間を幾つかの段階に切りまして、八割或いは六割、或いは五割というふうなところの割合を決めまして、増員を認める、減耗に対する補充を認めるという方式を採用いたして参つたのでありますが、その結果昨年度、昭和二十三年度を通じまして、人員の増加は抑えることができたわけであります。その程度におきまして又いわゆる配置轉換、配置の適正化に一歩近付いたということは言えると存ずるのであります。只今の現在人員といたしましては六十一万七千人程度の人員を持つております。予算定員は六十二万七千五百人、これが昭和二十三年度の予算定員でございまして、現在人員と約一万人程度の開きがあるわけであります。今回の予算の編成並びに行政整理方針等によりまして、相当数の減員はどうしてもやらなければならないのではないか。我々といたしましては單に数字的に頭からこれだけと言われましても、結局我々がなさねばならんことは、列車を走らせ、旅客の輸送、貨物の輸送に支障なからしめないという点でございまして、そういう点をよく認識をして、然る後問題を決定して行かなければならない。勿論これが一律に形式的に現在人員の何割、或いは予算人員の何割と決めます場合は又止むを得ないのでありますが、そうなつた曉にも尚且ついわゆる一般行政官廳と違いまして、事業を持つておりまするところにおきましては、この仕事が本当にやつて行けるかどうかということに対して強い自信を持つたものでなければならないというように存じておる次第であります。尚本年度の予算の編成に伴いまして問題になりましたことは、この際收入を図る一途として、國鉄の持つておる土地、建物、車輛その他の資材等を賣却して、これを財源に当てるべきであるという説が非常に強いことでございまして、その点に関しましては業務に支障なくやつて行ける資材はこの際できるだけこれを拂いたい。そういう点から申しまして、今回の予算といたしましても約三十五億程度の拂下げ、これは拂下げばかりでございません。廣告等の料金をも含んでおりますが、これを見込んでおるというのが現状でございます。その他いわゆる地方鉄道、或いは自動車等の拂下げ等も問題になつておるものでございまして、拂下げするとすれば幾ばくのものがあり、幾ばくのものが見込まれるかというような点に関しましては、一應の計算をいたして準備はいたしておる次第でございまして、この資料の中にもそれらの実績と計画等につきまして、お目にかける数字が出ておる次第であります。
 以上極くあらましでございますが、國鉄の現状に対しまして申上げました次第であります。尚御質問を頂きまして、我々のこの資料等の御説明を申上げたいというふうに存ずる次第であります。
#7
○委員長(板谷順助君) この際諸君にお諮りをいたしますが、運輸行政に関する問題、まだ自動車海運関係が残つておりまするけれども、差迫つた問題でありまするこの運輸省の機構改革の問題或いは道監の委讓問題等につきまして、幸いに両大臣出席の上によく意見の交換をいたしたいという考えでおりましたところが、運輸大臣は今衆議院の本会議の関係で來るのが遅れるというお話でもあり、又本多國務大臣はお急ぎになるような関係もありまするので、この際本委員会といたしましては、例えば道監の地方委讓の問題、或いは又海運局を建設廳に移すような噂が立つておるのでありまして、先般來この問題について委員会においてもいろいろ討議いたしました結果、大体においてこれは反対の空氣が強いのでありまするが、併し直接官廳でありまする行政本部廳から本多國務大臣の御意見をこの際伺いまして、更に又質疑に移りたいと思います。
#8
○國務大臣(本多市郎君) 私が行政管理廳を受持つて行政整理の仕事をやることになりましたのであります。初めて皆樣方に委員会でお目にかかりますが、どうか一つ今後よろしくお願いいたします。只今委員長からお言葉がありました運輸省の道路監理事務所の問題でありますが、これは実は今日の資材割当配給の事務は殆んど各省から全國に流す仕組みになつておりますために、いろいろなそういう直接の出先機関ができ上つているのであります。商工関係、更に農林関係、皆大きな地方出先機関によつてそういうことをやつておられますが、その他に省においてもやはり本省で掌握して流すようなことをやつているのであります。建設方面につきましては、建設事務所というものがありまして、同じようなことをやつておつたのでございますけれども、これは昨年廃止せられまして、地方に移管してしまつたのであります。この出先機関を何とかして整理しなければ、折角國家行政組織を持つておりながら如何にも不合理でないか、又経費もそれだけ余計らかかるわけではないかというのが國民の輿論であると私は考えております。そういう見地に立ちまして、今の政府におきましては、府縣單位以下の出先機関を原則としてこれを府縣に委讓するということの原則を定めたのでございます。この方針に從つて今進みつつあるのでありますが、結局のところ道路監理事務所にいたしましても、商工局の出張所にしても、農林省の資材割当事務所にいたしましても、その資材割当配給の面の仕事は全然同じような性質のものと考えておりますので、同一方針で臨むつもりでございます。具体的に今道路監理事務所をどうする考えであるかということは、今の段階におきましては、政府の方針が具体的にはまだ決まつておりませんので申し上げることはできませんが、原則的な方針としては只今申し上げました通りであると御了承願いたいと存じます。尤もこれを漫然地方に委譲するということは勿論できないことでありまして、そのためには如何なる事務を保留すべきか、又地方においてこれを実施する場合の指導監督の権限を如何にして、如何なる程度に政府が持つかというような法的措置の問題は、勿論これに伴なわなければできないことと考えております。そうしたことと併せて只今丁度研究中であるのであります。尤も行政管理廳といたしましては、一應の案を作りまして閣議に本日提案いたしたのであります。この案の内容はどうであるかということは、これは御想像できようかと思いますけれども、私といたしましては、これが決まるまでは嚴祕にして置きたいと考えますので、これを具体的にはこの際申し上げかねるのであります。更に港湾局を建設省に移管してはどうかという問題でありますが、これも確かにさような意見がございます。港湾局の仕事は港湾の設計並びに直轄の港湾の建設工事であるから、これをこの際建設省に統合したら、これが工事も合理的に、総合的に能率を挙げることができるのではなかろうかということで、これも縣案になつていることは事実でございます。只今申上げました通りに、政府の方針がこういう具体的なことについてはまだ決定しておりませんので、明確なことは申上げかねるのでございます。只今大体以上のような程度であります。
#9
○小野哲君 今本対國務大臣から極めて概要のお話がありまして、二、三お聞きしたい点もありますので、私から質問いたしたいと思います。先般來本委員会では、今回の行政整理に伴う、或いは又行政整理と同時に行われる機構改革の問題について多大の関心を寄せておつたのでありますが、特に運輸委員会の直接な関係事項としての運輸行政の点について、行政機構の在り方については格別な注意を持つておるような次第であります。中央機構の点についてはまだ具体的に御決定にならないというお話でありますが、すでに数週間前の新聞紙上には内閣案というものが発表されておりまするし、又昨日の全國の知事会議においては、どなたか存じませんけれども、その席上において地方出先機関の整理の方針はこうであるということを内閣当局は言明されておることが本日の新聞に掲載されておるのであります。その外新聞紙上等から考えまして、相当内閣においては、特に本多國務大臣を中心とされておる本部においては具体的の案が纒まつておられる筈と考えまして、今日伺えば、閣議をお聞きになつて尚具体案も決まつておらんというようなことでは、いつ一体行政改革を断行される御意思があるのが、この点も先ずお伺いしたい一つであります。
 次に運輸省の行政機構の問題について伺いたいことは、すでに運輸当局から運輸原案が内閣に提案されまして、この又運輸省原案と内閣案との比較の記事が新聞にも出ておるような次第で、問題は相当具体的に進んでおるように見受けられるのであります。その中で問題となるべき二、三を取上げますと、先ず第一は陸上の関係の交通に関して鉄道部門において、國有鉄道の監督機構と地方鉄道軌道の監督機構とを一本にして、これを鉄道監督局という名称の下に新たなる機構を設けたいという内閣案があるように伺うのであります。現状においては國有鉄道の経営と地方鉄道軌道の経営とは、おのずから区別されなければならない問題が多々あるのでありまして、同じ所でこれを監督するということは十分ではないし、且つその特徴に應じた監督行政ということを円滑に遂行するということは殆んど不可能である、かように考えるのであります。從つて具体案はおできになつておらないとは存じますけれども、若し具体案ができておらないとすれば、この際再檢討されまして、國有鉄道に対する監督機構と、地方鉄道軌道に対する監督機構とは、その事業の特徴に應じて異にすべきである、こういう私は意見を持つておりますので、この点に関して本多國務大臣の御意見を伺いたい。
 次は港湾局の問題でありますが、これは本多國務大臣はすでに内閣において関係省からよし事情をお聞取りだと存じますけれども、先般建設省設置法案が國会において審議されました場合に、総合的な建設行政を行うべきであるという輿論と申しますか、希望が相当あつたのであります。その際に道路行政の問題も取上げられ、又港湾行政の問題も論議されたのでありますが、それのみならず農林省との関係において開拓事業の関係、或いは河川修理等に必要なる植林の問題、言い換えれば山林、砂防の問題等が論議されまして、できるだけ各官廳の権限を調整する必要がある、こういう声が高かつたのであります。その際私は港湾行政並びに道路行政は、これは交通行政の一環として考えるべきものであつて、單に建設土木の面からのみこれを批判すべきではない、こういう見解を持つておりましたために、港湾行政は海運行政の一環として運輸省にこれを担当すべきであるし、更に建設省が担当しております道路行政をも交通施設として交通行政の総合的な監督官廳として、或いは企画官廳としての運輸省にこれを包括すべきである、こういう意見を述べて、当時すでに港湾局を建設省に包括することについては反対の意を表明したわけであります。然るに今日尚かかる問題が論議になつておると言いますことは、内閣において交通行政に対する認識が不足しておるのではないか、こういう氣がするのであります。只今本多國務大臣の仰せになりました港湾行政についてもすでに偏面的な御観察があるのでありまして、港湾行政は單に港湾の計画、或いは改築、若しくは建設というふうなもののみではないので、運営の面においても海運と切つても切れない関係にあるのでありまして、それがために昭和二十一年度における運輸省の機構改革に当りましては、港湾局を海運総局の中に入れまして、海運行政、海事行政の総合的な一環としてこれを認める、こういうことにいたした理由でありまして、今更これを切離して建設省に持つて行くということは理由相立たないというふうに私は思つておるのであります。從いまして行政機構の具体案については極祕に附されておりますので、これをお聞きしようとは思いませんけれども、こういうふうな見解に対して本多國務大臣は如何ようにお考えになつておりますか、これを伺つて置きたいと思います。先ず以上の点についてお伺いします。
#10
○國務大臣(本多市郎君) 最初のお尋ねでありますが、ここで個々の事項について具体的に申上げることができませんということを申上げたのでありまして、閣議にはすでに行政管理廳といたしまして提案いたしたのでございますから、その程度には進行しておるものと御了承願いたいと存じます。
 それから鉄道監理の問題について、私鉄と國有鉄道とはその監理の部門を区別をして担当させなければならんだろうという御意見でございましたが、この点は誠に御尤もな御意見であると思いますので、十分考慮したいと思います。
 更に港湾局の問題でありますが、この点は実は港湾行政というよりは、私はその港湾の建設の仕事だけを建設省に移管したらどうかというその意見がありますということを申上げたのでありますが、この点につきましても十分御意見も考慮いたして研究いたしたいと存じます。
#11
○委員長(板谷順助君) 本多國務大臣に御注意いたして置きますが、あなたがすでに閣議に御提案した以上は、勿論その腹案があるべき筈であります。然るに大体決まるまで嚴祕に付すというお言葉があつたけれども、この委員会におきましては、これは審議する権能を持つておるのでありまして、從つて若しあなたが……、発表ということは勿論私は、要求いたしますが、お差支えあるならば祕密会を開いてもよろしい。若しあなたの御主張がこの委員会と意見が違つておるならば、お互いに意見の交換をし合つて決めるべき筋合のものじやないかとこう思うのですが、それは是非あなたはその腹案を発表願いたい。
#12
○國務大臣(本多市郎君) お話の通り私の方が或る段階まで進行いたしましたならば、最後的決定に至らなくても私は御相談してよかろうと思いますが、今のところではそれがちよつと困難であるということは御了承願いたいと思います。只今申上げました通りに、最後的決定には至らない前の段階においても勿論御相談願う機会があろうと思います。
#13
○小野哲君 港湾局の問題につきましては、尚他の委員からも御質問があろうかと思いますので、私の意見を申し述べ、只今大臣は十分考えて見ようというお考えのようでありますので、他の意見を十分に尊重されまして、この趣旨に合うような工合に再檢討されることを希望いたして置きます。
 次に尚観光局の問題がございますが、これは他の委員から御質問もあろうかと思いますので、私は設置の必要があることを申述べる程度にいたして置きまして、他の問題に移りたいと思います。
 中央行政機構は從來は官制通則によつて、極めて形式的且つ画一的の行政機構を作り上げておつたのが過去の姿であつたのであります。併し現実の行政は非常に変つて参りまして、今日においては單に監督行政は認許可を本体とするようなものではなくして、事業の実体を把握してこれに即應するような適切な行政を行うというのが今日の状況であり、而も資材その他の関係から申しまして、どうしても或る程度の統制を行わなければならないのであつて、これを自由放任に委せるというふうな時代は今日來ておらないということは、私から申上げるまでもないのであります。それと共に実質行政を完全に行いますためには、機構の上についてもその特徴に應じた彈力性のあるものを考えなければならん。從つて同じ中央の官廳と申しましても、純然たる行政事務を担当しておる所と、相当厖大な事業を監督しておる所とはおのずからその内容においても異なつて來なければならないし、その機構の上においても、異なつた形が現れて來なければならないと思うのであります。そういう意味合において運輸省の機構のごときは、御承知のごとく、鉄道といい、國有、民営を併せまして、我が國において厖大な資本と組織と又人員を擁しており、又自動車を中心とした道路運送事業におきましても、これに劣らない実績を持つておる事業でありまして、尚又海運は今後の國際收支の関係から考えまして、一層これが復興を図つて行かなければならない事業であります。こういうふうなものは、その他氣象台又は観光事業等をも対象とした運輸省の機構については余程考え方を新たに御研究になる必要があろうかと思いますので、甚だ失礼かと存じますが、私の意見を申述べて置きたいと思うのであります。
 尚次にお聽きしたいことは、地方機構の問題でありまして、これ又、各地方自治体においては、地方自治法の施行の精神に則つて治方自治行政を強化して行きたい、或は総合化して行きたいという声が非常に強いことは私も承知しておるのでありまして、地方自治体の例えば市長が、知事、或いは町村長が公選になつた以後においては一層その声は高いのであります。從つて中央の地方出先機関を整理しなければならんということは勿論考えられまするし、又行政整理との関連から國費の節減を図つて行くという目的のためにも、研究をいたさなければならん問題であることは同感であります。先般行政管理廳の中川管理部長の御出席がありまして、その際私からもお尋ねをしたのでありますが、政府が閣議において決定されました一月二十五日の原則は、原則であつて、具体的に如何なる地方機関を如何に処理するかということについては十分檢討を加えなければならん。こういうふうな答弁があつたのであります。只今の本多國務大臣のお話によりましても、或るものは残さなければならん、或るものはこれを廃止しなければならん、こういうふうなことと受取つたのでありまして、本日の新聞に出ておるところによりますと、道路運送監理事務所ほか四地方出先機関はこれを廃止する。それから食糧事務所等についてはこれを存置する、こういうふうなことがはつきりと出ておるのでありますが、その中で道路運送監理事務所の生立ちを考えて見ますると、昨年道路運送法の制定の際に、その法律の中で國会が道路運送監理事務所を設けることの承認をいたしたのでありまして、のみならず運輸交通の見地から申しまして、從來のように地方に分散した有樣で行政をやるということは、今日のように資材の配給、その他特に道路運送事業が多岐に亘つておるという点から申しましても、これらの事務所の役割は相当評價してよいのではないか、こういうふうに思うのであります。ところが只今の大臣の御意見によりますと、これを地方廳に委讓する。こういうふうな御説明でありますけれども、この点に関しては前々回、数回に亘つての本委員会において論議をしまつた結果、これは地方廳に委讓すべきものでない。地方廳に委讓することは地方末端運輸行政を分散、且つ業界が混乱に陷る虞れがあるというふうに諸種の理由から、地方委讓は不適当である、こういうふうに大体の結論が出て参つたのであります。そういうふうな観点から考え、その他いろいろの法制的、或いは実際行政の方面から判断いたしまして、この際道路運送監理事務所を一括して地方廰に委讓するということについては、私は亦本委員会の論議と同じように適当でないという結論を持つておるのであります。併しながら行政整理との関係がありますので、地方委讓については適当ではないけれども、如何なる機構方法によつて地方における道路運送、その他陸運の監督をすべきであるか、又その機構をどの程度に見なきやならんかということについては勿論再檢討をしなけりやならないし、運営の面についても能率的に又その内容を刷新するということについては強く要望するものでありますけれども、ただその地方的な機関と一律にこれを取扱つて、一括して地方廰に委讓するということは策を得たものではない、本委員会に対しましても、業界方面、その他各方面から地方委讓の反対の陳情等が山積いたしておるような事情で、我々委員としては、公正な立場で判断して、地方委讓は適当ではないというふうに考えられるのであります。そういう点につきましても、行政の特殊性というものから判断されまして、道路運送監理事務所の問題についても檢討を加える必要があろう、先程大臣は道路運送監理事務所をも、一括して地方廰に委讓するようなふうにお話があつたように思うのでありますが、この点に関して御見解を承りたいと思います。
#14
○國務大臣(本多市郎君) 予め申上げました府縣單位以下の出先機関はこれを廃止、若しくは地方へ委讓するという原則に照らしてお話を申上げたのでありまして、この原則は原則であつても、如何なる例外があるべきであるかというようなことについて、一應の私共の案はできましたけれども、尚政府として研究中でありますので、只今お話のありました点は十分一つこれより研究いたしたいと存じます。
#15
○小野哲君 更に今のお話の中で、縣單位以下の出先機関については廃止するか、或いは地方廰に委讓するか、いずれかの方途を講じたい、こういうふうなお考えのようでありますが、これは大臣の何と申しますか、御意見で結構でありますが、具体的な案については或いはお洩らしかねるのじやないかと思いますので、道路運送監理事務所の縣單位のものについては、全然廃止をするという方面にお進みになつているのですか、或いは地方廰に委讓しようという方面にお進みになつておりますか、この点を伺つて置きたいのです。
#16
○國務大臣(本多市郎君) 監理事務所の点につきましては、その事務を地方に委讓するという、若しそういう方向に行くとすれば、委讓するという方向になるのでありまして、全体の事務を廃止するという意味ではありません。
#17
○小野哲君 私が先程來申上げていることは、縣單位の道路運送監理事務所の権限を地方廰に委讓することが適当でない、こういう意見でありまして、若し廃止するということならば極めて明瞭になるのでありますが、委讓するということについては尚大臣において十分の檢討を加えられなければならない問題があろうかと思います。縣單位以外のブロックにおける地方の行政についてはどういうふうなお考えを持つておられますか、商工局と同じような工合に陸運行政を担当する機構を作るようなお考えでございますか、この点を序でに伺つて置きたいと思います。
#18
○國務大臣(本多市郎君) 割当配給の事務はどうしても続けなければならん、まだ段階にありますので、そういうための出先機関を悉く全廃して、全部本省で直接割当てるということはこれはできないと思いますから、出先機関を整理するとすればその仕事を府縣に委讓する、又府縣單位以外の廣域の出先機関と申しましようか、そういうもののあるところにはそういうものによつて、どういう程度までそういう所へ事務が保留されるかというようなことが、これから考えなければならん問題だと思います。原則はそういうふうになつておりますけれども、廣域のものにつきましても、廃止を適当とするという結論に行つたものがあれば、廃止又は委讓することになりますが、今日のところ道路運送監理事務所のその廣域の機関につきましては、運輸省の本省の機構改革と一緒に考慮して行きたいと考えております。
#19
○小野哲君 更に附け加えて申上げて置きたいのは、只今大臣が廣域の出先機関とそれから県單位以下のもつと区別してお話になつて、縣單位以下のものを地方に委讓するこういうふうなお考えのようでありますが、交通行政は御承知のごとくに相互に非常に関連があり、單に縣單位の行政にのみ拘束されない性質のものでありますので、この点に関しては他の行政部門とは相当異つておると私は思うのであります。のみならず交通行政が、特に陸運行政が地方鉄道軌道或いはバス、トラックとか、又は牛馬車の小運搬、軽車輌を対象にしているような非常に複雜なものでありますので、これを完全に運営して行きますためには相当の監督をやつて行かなければならんことは申すまでもないのでありますが、そのためには中央と地方との間に一貫した指揮命令ができるような組織になつておる必要があろうかと思うのです。私も過去においては陸運行政の状況を経驗したことがあるのでありますが、指揮命令が完全に行かないことにはうまい行政はできないので、從つて縣單位の行政を地方廰に委讓するということになりますと、過去の実績から考えましても、適当なる結果にはなつておらない。そのために昨年道路運送法の制定によつて、一貫した行政計画を新たに立てることになつたばかりでありまして、こういうふうな点から考えましても、地方廰に委讓するということはこの際本多國務大臣を中心とされました機関において、再檢討をされることが必要であろう、こういうふうに考えますので、重ねてこの点を大臣に申上げ、大臣のお考え、お氣持を伺つて置きたいと思います。
#20
○國務大臣(本多市郎君) 交通行政につきまして、全國的な調整を政府においてやつて行く必要があると言われます点においては御同感であります。いろいろお話のありました事柄は誠に重要な点であると思いますので、十分研究いたしたいと思います。
#21
○委員長(板谷順助君) 尚この際大臣に申上げて置きますが、まだ決まつておらん、研究中ということでありまするから、恐らくはこの委員会の意のあるところもよく御勘酌になることと思うのですが、先般來道監の問題につきましては、この委員会におきまして再三論議をしたる結果、委讓すべからずというところにまあ大体の結論が出ているような次第であります。從つて行政機構の改革は申すまでもなく或る程度まで人員の整理、或いは又仕事の簡素化、経費を減らすとかいう目的があることは当然でありますけれども、この道監のごときは地方に委讓された場合において、現在何ら受入態勢ができておらない。從つて新たに都道府縣においてはこれに対するところの受入態勢の設備をしなければならんというような結果になることと思うのであります。從つてまで決まつておらんということでありまするならば、十分一つ再檢討をして、この委員会の意のあるところを十分に一つ御勘酌を願いたい。我々としては公平な判断をしたる……そういうまだ決議はしてありませんけれども、そういう結果を得ているわけでありますから、これをどうぞ一つお含みを願つて置きたいと思います。
#22
○内村清次君 この際委員長にお願いしたいのですが、これは又本多國務相にもこの私の発言をよくお聞き取り願いたいのでありますが、先程からの御答弁によりまして、まだ閣議においても最終決定はいたしておらないし、案の内容についても具体的な御説明もないので、こういうようなことでありますれば、先程委員長が言われましたような、即ち委員会において是非この問題は一應お諮り願つて、そうしてその委員会のいわゆる今日の意見を如何に消化されたかというようなことを一應一つ説明を願つて、そうして最後の決定をして頂きたい。ここにおきまして委員長の方では、一つこの閣議の最後の決定になる前に連絡をとつて、この委員会を再度開いて頂きたい。先程小野委員から言われましたような、即ち港湾の問題につきましても、それから道路運送監理事務所の問題につきましても全く同意見でありまして、而も又この問題の影響は各現場機構に対しても相当大きな反響があります。現場機構のみならず、又業者間におきましても大きな反響があることでありまするからして、いわゆるこの決定の点につきましては、先程申しましたように、この委員会の意見を十分参酌して頂きたいということを特にお願いして置きます。
#23
○委員長(板谷順助君) その点は先程大臣からも御説明がありましたが、最後の決定に先立つて、この委員会に話があるということについては……。
#24
○國務大臣(本多市郎君) その点は最前も申上げました通り、最後決定に至る前に皆様に御発表できる機会があろうと思います。その際に更に又お伺いいたしたいと思います。
#25
○高田寛君 只今小野委員から廣汎に亘つていろいろと御意見がありましたので、私はただ一点について、観光局の問題について御質問を一ついたしたいと思います。先般新聞に現われました機構改正案といたしましては、運輸省の中に観光局を設置するということが見られたのでありますが、大体只今我が國の情勢を見ますると、輸出貿易と輸入貿易のバランスがなかなかむずかしい。この際に観光事業によつて外貨を獲得するということが大きくこれは取り上げらるべき國策だと思つております。当委員会におきましても、引続いて運輸委員会の中に観光小委員会を作つて、観光事業の振興方策ということを種々調査研究を続けておるのでありますが、今年はこの内閣の観光事業審議会の公式に発表されました見通しによりましても、約二万人の外國の観光客を受け入れて、大体二十六億円の観光收入を得るというような見通しも発表されているような次第でありますが、このときに当りまして、民間におきましては、一昨年來観光事業を振興しなければならん、このために政府におきましては、その行政が或いは運輸省、或いは厚生省、或いは文部省、建設省又は貿易廳と、いろいろに分れていて、取纒める部門がないことにこの事業の振興のために非常に大きな支障がある、どこか一つこの根本方策を決め、一つのものがこの実行の中心になるような官廳を作つて貰いたいというような陳情、請願を非常に多く、第一國会、第二國会の頃に出されたのであります。これによりまして幸いこの根本方策の樹立につきましては、昨年内閣に観光事業審議会ができたのでありますが、この実施面を指導する方面におきましては、各省ばらばらになつておる。勿論この仕事は関係するところが廣汎でありまして、一省だけでできる問題ではありませんけれども、これを各省の仕事を取纒める、或いは幹事役となつてよく連絡を取る、民間から申しますと、民間のこういう事業方面の関係者が取つつくところを、どこか一つ幹事役になるような所を作つて貰いたい、こういう意味で陳情、請願が出たのであります。この益益観光事業を振興しなければならんという際に、一面においてできるだけ官廳の機構を簡素化しなければならんという建前から、新らしく局を作ることはどうかという疑問も起り得るのでありますが、丁度昭和五年に、当時非常に不景氣のどん底であつた際に、行政整理を着々とやつておりました際には拘わらず、当時やはり貿易の收支バランスを取るという建前から、鉄道省に國際観光局を設置しまして、十数年間國際観光局が鉄道省にありまして、種々この方面に力を盡しました結果、昭和十一年頃段々と挙つて、観光收入も当時の金額として一億円を突破したような次第であります。今日も当時と同様というか、或いはより以上に貿易の收支のバランスということを心配しなければならん、外貨を獲得しなければならんというこの時期に当りまして、この観光事業実施面の担当をする局、少なくも局、或いはもう少し大きなものを作る必要が是非あるということを私共考えておるのでありますが、本多國務大臣におかれても、こういう観光事業を担当する局というようなものを作る必要があるとお考えになつておられるかどうか、この点御意見を一つ伺いたいと思つております。
#26
○國務大臣(本多市郎君) 観光事業に対してのお考え方につきましては全く同感であります。從つて機構の上においてどう考慮しておるかと言われますが、これは最前申上げました通りに、只今お話のような趣旨を以て研究中でありまして、この点は十分一つ御期待にも副えるように考慮したいと考えております。
#27
○高田寛君 それでこれの局を作るにつきまして、從來或いは総理廳に観光廳を作れというような要望もありましたし、いろいろありましたが、私共の本委員会でいろいろ檢討しましたところによりますと、やはりこの観光事業というものは旅客を輸送する、内外の旅客を輸送して初めて観光事業というものが興つて來るのであるという点から考えましても、又從來の沿革から言つて、鉄道省に十数年間國際観光局があつたというような点から考えましても、この観光事業の取纒役というようなところは、やはりこれを運輸省に設置するのが最も適当であると考えておるのでありますが、この点につきましては、近頃いろいろ外の変つたような意見も聞かれるのでありますが、運輸省に置くのが適当であると考える。その点につきましては、本多大臣はどういうふうにお考えになつておられますか、その点も併せて伺つて置きたいと思います。
#28
○國務大臣(本多市郎君) 観光事業と申しますと、外の省の仕事に関連する面が非常に多いので、これを從來のように運輸省の中に置くよりは、むしろ各省関係のある事業であるから、総理廳あたりにでも観光を担当する部局を置いてはどうかという意見も確かにあるのでありますけれども、これはやはり一番関係の深いのは鉄道との繋がりであるというふうにも考えられますので、只今お話のような御趣旨に從つて今考慮中であります。ここではつきり申上げられませんのは前以て申上げました通り遺憾でありますが、十分そういう意見を尊重して考慮して行きたいと考えております。
#29
○委員長(板谷順助君) 大臣に尚念のために申上げた置きますが、例えば行政機構の改革問題については、本日の午前中に閣議を決定したいというような話を漏れ承つたのであります。然るにあなたはどうも研究中とか、考慮中というお言葉が大変多いようですが、もう明日でも決めるのではありませんか。そうするとこの委員会において、相当審議する権能を持つておりますので、或る程度まであなたの腹藏のない御意見を承つて、若し我々が反対であり、運輸大臣が反対であるならば、それに対する適当な処置をとらなければならない。然るにどうですか、その前に御相談下さるというお言葉もあるけれども、どうも物足らんような感じがしますが、はつきり一つお答えを願いたい。
#30
○國務大臣(本多市郎君) 最後的決定には相当まだ日子があると思われます。なぜかと申しますと、一應閣議でこの約度ならと了承したのを拵らえまして、関係方面にそれを提出いたしまして、向うの了解も得なければならませんので、その上でなければ正式な決定はできないのであります。でありますから、一應閣議で了承という程度に至りましたならば、閣議にも諮りまして、これを皆さんの前に御説明すべきか否かを決めて、その上でまた一つ御相談をいたしたいと考えておりますから、その段階は必ずあり得ることと考えております。
#31
○委員長(板谷順助君) 例えば今の道監の委讓問題のごときも現在のままに置くべきものであるということは、運輸省が原案を出す際に、すでにGSからOKを受取つておるということを聞いております。それでその点お考えになつておる点は、私は別にどうこう申上げるわけでありませんが、委員会の空氣を一つお察し下すつて、善処をお願いしたいと、こういうわけです。
#32
○小泉秀吉君 ちよつとその前にお伺いしたいのですが、只今観光局を運輸省に置くということが適当であろうという大臣の御意見だということをはつきり仰せになつたらしいので、大臣の御意見を伺つて極めて安心したのですが、更に港湾行政の港湾局を運輸省から建設廳に持つて行くかも知らんというようなことをこの前の委員会でしたか、委員会の懇談会でしたか、いずれにしても運輸大臣から初めて伺つて、実は今日の委員会で運輸大臣並びに本多國務大臣の御列席の上で、その点をはつきりして頂きたいというようなふうに私は思つておりましたのですけれども、先刻小野委員の本問題に関する御意見は、私は全面的に賛成であります。從いまして現在ある運輸省の海運総局で持つておるこの港湾局を建設廳に持つて行くというようなことは、これは大体経費の節約にもならなければ、事業の合理化にもならない。実際上港湾行政を昔の内務省が持つておつたときと同じようなところに逆行させるに過ぎない。理由を申上げますればいろいろありますけれども、一應國務大臣がそのことに関してどつちに一体置くべきものだという御意見をお伺いしたいと思います。
#33
○國務大臣(本多市郎君) 誠に不本意ですけれども、政府の方針が決定いたしませんために、ここでそのことを明らかに申上げることができないのでありますが、お話の点は十分考慮して見たいと思います。
#34
○小泉秀吉君 今大臣の御意見をはつきりお飼いすることができないというのは非常に残念でありますけれども、それ以上論議しても仕方がありませんのですが……。
#35
○委員長(板谷順助君) どうですか、速記を止めまして、懇談に移ることにしたらどうです。
#36
○小泉秀吉君 それも結構ですが、ちよつと一言……。
#37
○委員長(板谷順助君) それではどうぞ。
#38
○小泉秀吉君 さつき委員長からのお話のあつたことに対して、確定する前に相当の余地があるのであるからして、必ずその前にはここで適当な段階に達したら、大臣の方から話をするというようなふうに私了承したのですが、それでよろしいのでしようか。
#39
○委員長(板谷順助君) その通り。
#40
○小泉秀吉君 それでは後は懇談会にして……。
#41
○委員長(板谷順助君) それでは速記を止めて、又呼びにやりますから……暫時休憩いたします。
   午後二時五十五分休憩
   ―――――・―――――
   午後三時十九分開会
#42
○委員長(板谷順助君) 引続き会議を開きます。
#43
○政府委員(小幡靖君) 陸運関係につきまして概略申上げます。大体御案内のことは省略いたしまして、時間の関係もありますから、極く主な問題になつておる点だけを申し上げます。御承知の通りに私の方でやつておりますものは道路運送の関係でありまして、具体的に申上げますれば、自動車、荷牛馬車、薪車運送、こういう方面の監督をいたしておりますが、自動車の面におきまして、概念的に鉄道で以て一億三千万トン輸送ということを目標にやつておるのは御承知の通りでありまするが、自動車の方面につきましては、昨年二十三年度はその倍の二億六千万トン輸送ということを目標にしてやつておつたわけであります。実際の輸送は今のところ一億八千万トン程度しかできていないのでありまするが、これは主として資材の不足という面が最も大きな原因になつておるように思います。併しいずれにいたしましても、キロ数は遥かに鉄道に比べて少ないのでありますが、輸送量におきましては殆んど鉄道の倍を目途としてやつております。更に牛馬車小運搬としては大体三億トンという数字に上る輸送を担当いたしておるわけであります。直接面の生活に非常に関係の深い物資をそれだけ多量に輸送しておるという点に非常な重要性があると思うのでありますが、以下申上げますような点で非常な大きな隘路があつて十分な輸送ができていないということであるのであります。隘路の点で最も大きいのは、申上げるまでもなく資材、その中でも特に輸入資材でありまするタイヤ・チューブ及び石油製品の点が一番大きな隘路になつておるわけであります。それでタイヤの点につきまして簡單に申上げますが、大体二十二年度におきましては、需要の僅か一八%程度しか満しておりません。二十三年度は余程生ゴムの輸入数量が増しまして、約需要の二三%乃至五%程度のところを満すことができておるのでありまするが、それでも尚最小限必要量の四分の一に足りないというこういう哀れな姿になつております。タイヤの関係につきましては、特に生ゴムの輸入という点が大きな問題であることは申上げるまでもございませんが、この点につきましても大した大きな期待が持てない現状であります。昨年の十月に特に現地の買付の惡かつた関係で、一時相当大きな不足の状態に直面をいたしたのでありますが、これはその後漸次回復いたしまして、この危機は突破いたしましたけれども、全体的に眺めて見まして、大きな数量の増加ということは到底期待できない状態にございます。今私共が考えております点は、特に再生という点に力を入れるという考え方で專らタイヤ、チューブの再生に協力をいたしておるのでありますが、更に今後とも生ゴムの輸入及びカーボン・ブラックの輸入を増して貰うということについて特に関係方面に対する懇請をいたさなければならんと考えておるのであります。
 次にガソリンの問題であります。ガソリンの関係におきましても、大体今までのところ約必要の六十万キロリツターのうち四七・八%程度の輸入しか今日できておりません。でこれも我々の方で査定をいたしました最小必要量の半分足らずのガソリンが現在輸入されておる、こういう姿になつておるのでありまするが、而もガソリンの問題につきましては昨年の九月頃までは、大体僅かずつではありまするが、輸入量が増して参りまして、この調子で行けば二十三年度絶対数量におきましてもずつと増しまするし、又率から見ましても、昨年、二十二年度に比べまして先づ落ちない程度に行けると考えておつたのでありますが、この九月以降特にガソリンの使用の嚴正ということをやかましく言われまして、まだまだ必要でないところに使つておるというような点を嚴しく責められまして、僅かずつではありまするが、ずつとガソリンの輸入が落ちておる状態になつております。そういう状態にありますので、どうしても今後まだ当分の間ガソリンの増の見込がございませんので、むしろ薪車に轉換するということが今日の差当りの大きな方策として採用しなければならんという問題に直面いたしまして、農林省ともよく相談いたしました結果、概ね二ケ年計画を以ちまして、ガソリンの切替という問題を現在実行に移しておるようなわけであります。過般閣議決定をいたしまして、二ケ年後におきましては、瓦斯用木炭の配給は零になるという考え方で、それまでに必要量の車を、主としてトラック及びバスでありますが、これを薪車に轉換するという計画で進めております。勿論このためには特別に轉換用の資材という点が直ぐ問題になるのでありますが、これに対して資金及び資材の面において相当の手を打つということを閣議決定にも決定いたしております。先ず今のところ資材の面におきましては、大体手が打つておりますから、概ね安心できますが、資金の面におきましては余程今後共努力協力いたしてやりませんと、思うように参らないだろうという点を心配いたしておるわけであります。勿論この薪車に轉換するという点につきましては、日本の植林の問題と関連いたして相当大きな問題がこれはあるだろうと思いますが、只今のところ農林省の方におきましても、木炭を使うことから見れば僅
か三分の一くらいの原木で以て足りるといつたような長所もありますし、價格にしても二分の一足らずというような長所もある、そういう点から薪車に轉換ということを大きな眼目にして、この燃料問題の解決に進んでおるようなわけであります。
 それから小運送の問題についてちよつと簡單に申上げて置きたいと思います。これはすでに御案内かと存じますが、現在の日本通運、主として日本通運でやつております一駅一店制という制度は、今日においてもまだまだ十分意義があるということは当然我々考えておるのでありますが、一面においていわゆる独占の弊というものがここに又釀し出されておることも否めない事実でありますので、この問題を解決するために、現在の長所を活かしながらこれに競爭の原理を取り入れるという考え方から、小運送のいわゆる複数化という問題を取上げたのであります。昨年の十一月の初めに閣議決定をいたしまして、漸進的にやつて参るという考え方から、大体一駅に新たに一店を設けて、そうして両方睨み合せながら段々殖やして行く、こういう考え方で閣議決定を見た上、十二月初めから小運送審議会を開きまして、これにかけまして、免許基準を詳細に詮議いたしました結果、今月の十九日にこれを発表いたしたようなわけであります。この結果大体二ケ月余りを置きまして、出揃つたところで、五月末くらいから具体的に詮議に入つて参る、こういう段取りにいたしておるわけであります。審議会の都合で東京で一本で詮議いたします関係で、どうしても余り廣く手を伸ばす余裕がございませんから、先ず差当り先般発表いたしましたような約年間五十万トン以上の取扱いのある駅ということを一應調べまして、そういうところに増加を認め、そうして漸次仕事の進むにつれまして、四十万トン、三十万トンといつたように落してやつて参ろう、こういうような計画で進めておるのでありますが、小運送の問題につきまして、非常によく問題になる点がありますから、これを尚附言して申上げますがそれは結局各駅に、各一つの駅に一店ずつ、或いは二、三店殖やすという考え方で、一つの経済地域といつたようなものと関連せずに、各駅に一店を置く、こういう方向で進んで貰いたいという希望が非常に強いのであります。例えて申しますと、東京の汐留ならば汐留だけに店を出す、秋葉原ならば秋葉原、品川なら品川だけに店を出すという考え方で出ておるのでありますが、これでやりますと、非常に混乱を起す可能性があるのであります。即ち分りやすく申上げますれば、汐留の駅だけに店を出すことを許せば、その汐留に認められた店が、例えば秋葉原の駅から東北方面に行くべき品物を取つても、わざわざ汐留の駅から廻わして青森の方に持つて行くというやり方に勢い競爭上なるわけであります。こういうことになりますることは、鉄道の輸送貨車の運輸効率の阻害という点から行きましても問題でありますし、又集配の自動車の利用の面からいたしましても、非常に損をいたす仕組でございますし、又そういう一つの所だけという、最もいい所をよくするという行き方で行きましては、既存の業者が損をする、そういうことは到底許されないという点もありまするので、これらのいろいろな事情からいたしまして、一つの駅だけというものを掴えて、その駅にだけ出すということは認めない、或る程度の廣い地域に亘つてやるという点が自然考えられるのであります。私共としてはこれを小運送に対する一経済地帶に一つ置くという考え方で行つておるのであります。これに対して、こういうような行き方でいきますれば、勢い割合大きな会社にならざるを得ないということになるのであります。天秤棒一本を持つてやれるということでない、從つて成るべくそういう小さなものでやりたいという希望で、それぞれいろいろの要求が出ておるのであります。恐らく皆樣方にそういつた声がしばしばお耳に入るのじやないかと思いますが、勿論余り厖大なものにいたしまして、迚も出頭のし方がないということにすることは勿論避けなければなりませんが、資力、信用という面から考えましても、余り小さなものでは困るというために、今申上げたような趣旨も、相当廣い地域を予定せざるを得ないということで進めておるわけであります。その点が最も大きな問題になつておりますので、附加えて申上げたわけであります。
 それからも地方鉄道軌道の面につきましては、今日実は御承知の通りに地方鉄道軌道は國鉄に比べまして、今までのところでは、運賃も多くの場合高くなつております。併しながらその代り一面補給金の問題とか、補助金というものを一つもやつておりませんし、一方において國鉄よりも人件費が多くのものを出されるという面が考えられ、地方鉄道といたしましては、施設だとか、車輛だとかいつた面に対する改良、補修という点が、非常に大きな遅れを來たしておるわけでございます。この点につきましては、昨年CTSの方からも特に申入れがありまして、十分に監督をやつた上で、これは対策を考えろということを言われたのであります。我々といたしましたも、その必要を感じておりますので、昨年來各鉄道局長の方で十分な監督をいたしまして、相当厖大な資料ができ上つたのであります。これを基にいたしまして、今後とも車輛或いは施設の面の改良を強力に進めて行くというふうに考えておるのでございますが、その面で最も大きな問題になりますのは、申すまでもなく資金の点であります。と同時に又一面資材の問題、その両方が非常に大きな負担になるわけでございます。御承知のように現在の金融界の現状といたしまして、私鉄に取つては取り分け金融難という点を感じておるわけであります。これに対して私の方でもできるだけの努力をいたして援助して参りたいと思いまするが、國会方面におきましても、御協力、御支援を頂きたいと存ずる次第であります。大体問題になつておりまする点の大きなところを二、三だけ申上げましたわけであります。御了承を願いたいと思います。
#44
○委員長(板谷順助君) 次に海運関係の御説明を願います。秋山政府委員。
#45
○政府委員(秋山龍君) この海運関係の問題はすでに皆樣十分御承知のことでございまするので、極く問題になつておりまするような主要點につきまして、二、三御説明をいたしたいと存じます。
 本年度の汽船輸送の目標は千四百八十万トンでございましたが、しばしばの爭議に拘わりませず、一月末におきまして、すでにその九〇%を達成いたしまして、今年は計画を少なくとも五%乃至十%を上廻る成績で行けるのではないかと見ておるのであります。海上輸送は、汽船輸送は平均いたしまして、鉄道輸送キロの大体五倍程度の輸送キロを持つておりまするので、千五百万といたしますると、大体七千五百万トンの鉄道貨物に相應する輸送力になる、かようなことになるわけでございます。機帆船におきましては、三千二百四十万トンの計画でございましたが、油が去年の年末におきましては相当殖え、その後又油が削られましたりいたしまして、いろいろと事情は変遷いたしておりまするが、すでに一月末におきまして三千二百五十六万トンの輸送をいたしておりますから、これ亦計画を大体上廻ることは確実でございます。かような輸送力を得ました根本の原因は、船腹の回復が非常に順調であるということでございまして、終戰後大体八十万デッド・ウエィト・トンの稼動船腹を持つておつたのでございますが、四月一日定傭切換えの当時におきましては、新船、傭船を合わせまして六百九十五隻、百九十五万デッド・ウエィト・トンを定傭に切換えることができ、それだけが稼動し得る貨物船である、こういうような状態に相成つておるのでございます。
 次に船員の問題でございますが、船員の問題につきましては、從來過剩船員があるということを非常に各方面から非難されております。何とかこれの整理をいたしたいと考えておつたのでございますが、逐次整理或いは自然退職等によりまして、この定傭切換えのときにおきましては、殆んど過剩船員というものがないという状態にこぎ付けております。下級船員におきましては、本年度の半ばぐらいから、すでに不足を愬えておりまして、逐次新らしい船員を以て補充をいたしておる状況でございます。高級船員につきましては、再教育養成の定員を除きますると、大体一杯々々に落着くというような状況でございます。船員の給與問題につきましては、十一月の末以來例の爭議がございまして、我々賃金の問題の解決にいろいろ骨を折りましたが、遂に十二月におきましてはこれが解決を見ませんで、議会も終了いたしておりまして、何ら解決の方途がございませんので、組合にもよく話しまして、一應爭議を解除させたのでございます。然るにその問題が継続いたしまして、本年の一月半ば頃からこれが解決を迫られ、組合におきましても、相当の実力行使に移るというような状態に相成りまして、只今一種のスローダウン・ストライキといいますか、そういつたような形になつておるのでございます。この問題の取決につきまして、関係方面と鋭意折衝に当りましたのでございますが、漸く或る種の了解に到達いたしまして、運営会補助金の追加予算二十五億の中に課せられております給與の改善に充て得る金は五億円を超えてはならないという制限條項を緩和して頂くという補正措置を講じて頂くことに相成りました。恐らく一両日のうちに当院の御審議をお願いするという結果に相成ると思うのであります。この解決の方法は実は來年度予算におきまして、運営会の船員のうち約三万余は定期傭船の切替えに伴いまして、民間船会社の船員に代りまして、あと約七千名程度の船員が運営会に残留いたしまして、帰還輸送及び米船関係の仕事に從事するというような形に相成るのでございますが、この船員に対しまして、民間に帰ります船員は私企業の船員であります。民間事業の從事員の給與に関して、その給與増額のためには補助金を與えないという鉄則がございまして、どうしてもこれを動かすことができません、そこでこの新給與問題は定傭切替と共に船主協会と全日本海員組合との間に新らしい團体協約によつて決めて貰わねばならんのでございます。運営会に残留いたします船員につきましては、未だ多少問題に残つておりますが、大体公務員として指定されるということを前提といたしまして、公務員としての給與水準による給與を與えられるというような方向に進むようでございます。そういたしますと、現在そういうことを前に控えております今日、政府が補助金を以て船員の給與の水準を決定するということはその團体交渉を不当に拘束するという考え方もございまして、十二月乃至三月までの給與の増額の要求に対しましては一時金を以て対処する、こういうような工合に解決の曙光を見出すのでございます。この案に対しまして海員組合その他関係方面にそれぞれ当つておりますが、大体この程度の措置を以ちまして爭議は円満に解決し得るものと見透しを立てておるのでございます。來年は定期傭船の切替によりまして、船員は民間船会社の船員として働くことに相成りますので、この船員がよく働くかどうかということは船会社の経理とも非常に重大な関係がございますので、爭議を成るべく速かに円満に打切り、そうしてそのさつぱりした姿で新らしい團体交渉を通じまして、船会社のマネージに船員を入れる、かような心組みで関係方面と折衝いたしておるような次第であります。船員の問題の一部として教育の問題がございまして、私共の方では高等商船学校或いは商船学校、海運学院、海運專門学院海員養成所といつたような一連の教育施設を以ちまして、船員の教育に当つておるのでありますが、この船員の教育は戰時中相当歪められた形になつておりまして、これを正当に戻すことにつきまして、今いろいろと策を練つておるような次第でありますが、その時に当りまして、学校制度の改革と共に、高等商船学校を商船大学に、地方商船学校を商船高等学校にするという問題がございまして、これに伴い学校教育は一切文部省に移管してはどうかというような話がございまして、非常に心痛いたしておるのでございまするが、先月の当委員会における文部当局の御説明のごとく、大体大学が完成いたしまするまでは、運輸省において主管するということで、事務的には妥協が成立いたしまして、あとは政治的に御決定を待つというような段階にまで到達いたしておるのでございます。この点は当委員会の皆さんの御支援に対しまして厚く御礼を申上げますと共に、御報告申上げる次第でございます。
 次に船舶関係の問題でございますが、只今申上げました通り、定傭切替まで民間に帰りまする貨物船は六百九十五隻、百九十五万重量トンであります。その船の大部分、約七割は戰標船でございまして、あと約三割は老朽船が主でございまして、いわゆる我が國の海運の本來の使命といたしておりまする外國方面に出まする船は極めて僅かのものでございます。特に外國の船級協会の規格に合致いたしまして、最低保險料率の適用を受けまする船は五指を以て数えるに過ぎないのであります。その他の船でも、外國の満載吃水線條約等によりまして、何らの非難を受けないで外航に從事し得るものと申しますのは、これ亦極めて寥々たるものであります。從つて私共の当面いたしておりまする問題は、日本沿岸としては十分な船を今度は外航に適する船にどうして轉換するか、という問題に目下当面いたしておるのであります。私共の見込といたしましては、戰時中、戰標船型の二A、三Aと申しまする一万トン級の船は当分のうち何らかのエクスキューズで外航に使い得ると考えておつたのでありますが、これに対する相当の強い批判がございまして、目下その対策に追われておるのでございます。この船が内地に残留いたしまして、北海道炭その他の石炭輸送に充当いたしますると、沿岸の船舶は相当の過剩を愬たえるのでございます。一面只今申上げましたように、外航適船は甚だ少いのでございます。この外航の配船につきましては、皆樣からもいろいろと御心配を賜つておるのでございますが、最近契約が割合にうまく進んでおりまして、又関係方面の特別な御配慮もございまして、バアレン島方面に戰時標準型のタンカーを以ちまして、油の積込に参つております。すでに去年の八月以來今日までに十七万五千キロリツターの完了をいたしております。その外フィリピン方面の鉄鉱石の積取、或いはインド方面のコーキング・コールの積取など、最近にはシヤム米の積取にその機会を與えられておるのでございます。この意味におきまして、私共は日本海運の將來に対して非常に明るい氣持を持つておるのであります。併しながら何分にも外航に適する船がございませんので、外航に適する船をどうして作つていくかということが目下重大な問題でございます。同時に國内に船腹が多少余るといたしますれば、それと船質改善とを何らか結び合す方法がないであろうかというような考え方で目下研究を進めておりまして、成案を得次第関係方面の了解を得てその日の一日も早からんことを期待いたしておる次第でございます。この新らしい船の建造に対しましては、從來船舶公團という制度を設置して頂きまして、これにいわゆる共有制度というような方法を以ちまして、新規造船の資金の援助をいたして参つたのでございますが、今回の予算におきまして、船舶公團に対しましては、現在船台に乘つております仕事、つまり繰越しの仕事に対しまする政府がすでに約束いたしておりまする金額、約五十四億円だけの予算を認められまして、新らしい新船建造に対する資金は、政府資金の援助は今のところ一文も認められておらないのであります。併しこのままで進めますと、到底今年、先程申上げましたようないろいろな理想的な案を考えましても、現実に新船建造は不可能でございまするし、又造船所といたしましても、新船の建造は一船も許されないということでは全部倒れてしまう。こういうような状態に相成りまするので、この問題につきまして鋭意各方面と折衝いたしております。何とか新らしい政府資金の援助の方法を見出しまして、所期の計画に邁進いたしたいと存んじております。この点につきましても、当委員会の皆樣の格別なる御支援と御指導を賜わらんことをお願いいたす次第でございます。
 次に運賃の問題でございまするが、國鉄の貨物運賃が大体据置きということに決まるそうだというような風評でございます。現在の運賃体系と申しますると、大体國鉄によりまする輸送が最も安くて、その次に船舶運営会による船舶の輸送、船舶運営会の中では八百トン以下の小型の船は運賃が大体倍額でございます。これがその次に高い。それから八百トン以下の小型船舶は本年度の予算によりまして、大体八月頃には自営に返すというような案がございます。それから又その外に自営といたしまして、機帆船というグループがあるのでございます。この機帆船は從來補助金を出しておりませんために相当に高い、運営会の運賃に比べますというと、大体四倍程度の運賃を認められておるわけでございます。こういうふうに大きなものは運賃が安くて、小さくて独立しなければならんものは運賃が高いというような状態になつております。こういう状態で而も最近の状況によりますと、金融その他の行詰りから荷枯れの傾向が非常に顯著に行れて來ております。そうしますと、このままで推移いたしますると、この緊縮予算その他から來る経費の節減等と睨み合わせて見ますると、本年は大輸送機関には荷物が集中いたしますが、小輸送機関に荷物がなくなる。こういうような状態が予想せられるのであります。これが是正につきまして、私共も心痛いたしておる状態でございます。つまり國鉄の運賃或いは運営会の運賃を或る程度上げまして、又同時に機帆船その他につきましては、相当の節約と申しまするか、合理化と申しまするか、そういうことをして貰いまして、そうして運賃の均衡を得るということでなければ、輸送の調整或いは小さな業者の独立ということは、経済的に成り立つて行くということは困難ではないかというような状態に相成つておるわけであります。この点は私共非常な心配をいたしておるところであります。
 その次に最後に申上げたいのは、港湾の問題でございます、港湾の輸送につきましては、戰前は非常に沢山のいわゆる荷役業者というものがございまして、これが個々ばらばらに仕事をいたしておりますのを、戰時中港湾運送強化統制令というものによりまして、大体一本の会社に纏めておつたのであります。これが独占の弊害があるというような点から解体措置を講ぜられまして、解体をせられているわけでございます。六大港の港湾会社、主として艀を持つております会社につきましては、閉鎖機関に指定されまして、その艀を大体旧業者に戻す、こういう処置が行われております。その結果横浜におきましては八十数名の業者、名古屋におきましては二百九十の業者が艀を取得しているそうでありますので、その艀も戰爭中減つておりますので、例えば名古屋の二百九十の業者のうち九十業者まで七以下の艀、こういうような状態になつております。これでは到底円滑なる荷役ができませんので、業者がおのおの相集りまして、その小さな持分を出し合いまして、或る程度の規模の会社を設立するというような動きになつております。從いまして、この閉鎖機関の処分、その後の動きを考えますと、大体十社程度の艀会社に再編成替えせられるという状態が現出するのではないかと聞いております。船内荷役のいわゆるステベの会社といたしましては、これは労務を主とする会社であります。職業安定法の関係で親方制度の排撃という趣旨から、元の状態に還すことは困難でありますので、これは数個の業者に分割するという方向に向つております。その六大港の外の港につきましては、やはりこれにならつて、複数制といいますか、還元化といいますか、再編成を考えるというようなメモが出ておりまして、目下そのメモに從つて、やはり業者からどうするかという再編成案を出して貰つております。これを関係方面と協議いたしまして、最後案の決定を見るわけでありますが、その結果主要の港については、相当複数制の港が現出するということになつているのでございます。この際私共の方の海運総局の中には港湾局というものを持ちまして、港湾の運営と港湾の維持並びに建設の仕事をいたしております。それにつきましては、建設に持つて行くというような話がございまして、甚だ遺憾に存じている次第でございますが、この点につきましては、先程も委員の皆樣から熱烈な御支持をされまして、誠に感謝に堪えない次第であります。こういつたようなことが、大体現在の持つている問題でございます。
 もう一つ申上げて置きたいことは離島航路の問題でございます。北から申しますと、利尻、礼文、燒尻、奧尻、日本海方面に参りまして佐渡、隱岐、壱岐、対馬。九州方面に参りまして五島、屋久島、種子島、太平洋岸に参りまして伊豆諸島、こういうような離島に対しましては定期航路の汽船がございまして、これが陸上の道路と同じような働きをいたしているわけでございます。然るに最近数次の値上によりまして相当この旅客運賃が高くなつております。從つて島民からはこの旅客運賃は高すぎて困る。こういうような非難もございますと同時に、会社といたしましては、各輸送原價の値上りによりまして航路の維持が困難である、こういうような問題が起つているのでございまして、政府といたしましてこれに或る程度の補助金を支出いたしまして、地方の補助金と合わせて定期航路の維持を図りたい、かように存じて計画いたしているのでありますが、この補助金等につきましては、今回の予算編成では法律の根拠のないものは一切廃止するという議がございまして、目下のところ実現が非常に困難のような状態になつているわけでございます。こういう問題と合わせまして、私共の方では本議会に水上運送法というものを御提案いたしまして、こういつた定期航路の調整に関する問題及び海運局がやつておりますいろいろの行政の一つの根基法規を作りたいというようなことを考えております。目下関係方面で審議中であるのであります。それから尚港湾法、これは港湾に関する工事のいろいろな法規が太政官布告、その他各種各樣の行政慣例等によりましてやつて参つておるのでありますが、これも一つの法律根拠を持たなければ行政として困る、こういうような問題がございます。又港湾の運営につきましてもいろいろと錯綜した問題がございますので、そういつた問題を解決する一つの根拠法規を作りたいというので、港湾法というものを考えておるわけでございます。
 それから造船関係につきましては、現在造船所の数が非常に沢山でございます。それを少ない造船量のときこの造船能力を調整いたしますためにも、或る種の根拠法規が必要でございますし、又船種の改善等につきましてこれを助成しますためにも、或る種の根拠法規が必要であるという実情でございます。この関係におきまして造船調整法というものを考えておるような次第でございます。大体この三つの法規が只今考えておりまする一番大きな法規になつておるのでございます。関係方面を目下鋭意折衝研究中でございまして、成案を得ましたならば御審議を願いたいと、かように存じておる次第でございます。どうかこの点につきましても御指導、御支援を賜りたいと存じておる次第であります。以上簡單ながら御説明を申上げます。
#46
○委員長(板谷順助君) 次に海上保安廳の御説明を願います。成るべく関單に……。
#47
○政府委員(大久保武雄君) 海上保安廳の御説明を申上げます。海上保安廳は御案内の通り海上の航海の安全と、海上の治安と、この二つの任務を持つております。これから私共が非常に力を入れなければならないと考えておりまする第一の問題は、日本近海における海難の救助という点であります。海難の発生状況を海上保安廳が整理いたしまして昨年の五月から十二月までの実績をとつて見ますると、海難の発生件数は重船、軽船合せまして隻数において二千六百七十一隻であります。それをトン数に直しますと二百三十二万トンの多きに上るのであります。このうち救助を要しました船舶は隻数において九百九十七隻、トン数において五十二万五千トン、うち救助いたしましたのが隻数において三百九十五隻、トン数において十三万八千トンというふうに相成つております。この海難全船舶を評價いたしますると、船体において三百億に近いといつたような見積りも出る次第でありまして、如何に海難の発生が重大であるかということが考えられるのであります。これは積荷も数えておりませんが、積荷の損害をマル公で考えましても、この僅か九ケ月間に四十九億に達する。一ケ月平均積荷の損害が六億円に達するといつたような海難の状態を出しておるわけであります。そこで私共この海難による物質的損害は勿論のこと、人命の損傷に至りましては、これは到底忍びない問題でございまするので、全力を挙げて海難の救助に邁進するという態勢を整えたいと考えております。そこで海難救助態勢の整備をいたしますためには、先ず必要であるのはこの海難を救助いたすべき船舶であります。ところが海上保安廳の船舶は木船の百三十総トン程度の船を主力といたしますものであります。誠に貧弱な態勢であります。航海距離も僅か八百海里程度でありまして、太平洋全域に亘つて活動する日本漁船の荒天時における保護ということは到底私共の力の及ばないといつたような、誠に重大な状態に置かれております。かような状態でありますから、海上保安廳の船舶の整備をするということは、何事にも代えまして重大な問題でございます。そこで私共は來るべき年度におきまして、予算の御承認を頂きますならば新船の建造に向つて全力を傾注したいと、かように考えておる次第であります。
 次にこの海上保安廳の外廓團体といたしまして、水難救助会、これを強化いたしまして、全國の各海浜の市町村に水難救助会の細胞組織を作りまして、全國を連ねまして、日本の沿岸における一つの事故水難救助態勢というものを作り上げたいと考えております。次に海難救助と関連がございますが、航海の安全を保持する一つの重要なる問題は燈台並びに水路の問題であります。そこでこの燈台につきましては、終戰直前約三分の一の燈台、航路標織が被害を受けたのであります。この航路標織を復旧いたしますことは、連合國においても非常に関心を持つておりまして、速かにこの航路標織を復旧すべしという指令を終戰直後貰つておる次第であります。そこで海上保安廳といたしましては、航路標織の復旧に全力を傾けて参りまして、海上保安廳の所管の燈台は昭和二十四年度において殆んど復旧を完了するというところまで参つております。ただ問題でありますのは、地方の公設航路標織が地方の財政その他の事情によりまして、十分にはかばかしく参つておらないのであります。かような関係から関係方面におきましては、この地方公設の航路標織の復旧につきまして、非常に重大な関心を持つておる次第であります。私共としましても、航海の安全を一日も早く図りたいという念願からいたしまして、昭和二十四年度におきまして、五百有余の地方公設燈台を海上保安廳に移管いたしまして、一元的に強力に日本の近海を明るくするということに努力をいたします方針でございます。尚又瀬戸内海、日本海に敷設されました機雷、これは先般も御説明を申上げましたように、日本軍が敷設したものと併せまして約六百有余あります。これに対しましては、日夜この掃海に從事いたしました結果、現在残つておりますのは約一千個と推定されております。併しながらこの機雷によりまして昭和二十三年度におきましては、十隻程度の船舶の被害と数百名の人命の損傷をいたしております。そこでこの点につきましても、私共一日も早く航海の安全を図る上におきまして、徹底的に機雷を除くために相当の努力をいたしたいと考えております。
 最後の海上保安廳の持つております任務の一つとしまして、海上における治安の任務でございます。海上における治安の任務といたしましては、昭和二十三年五月から十二月までの九ケ月間において海上保安廳で檢挙しました人員が三千七百九十名、そのうち不法入國者が千七百九十六名、密貿易が三百九十四献、密漁が七百七献、経営違反五百三十一名、強盜、傷害脅迫、殺人といつたものが約八十といつた数字を出しておるような次第であります。かような次第でありまして、海上における犯罪の状態は最近非常に凶惡になつて参りました。瀬戸内海方面におきまして、逮捕いたしました犯人の家宅からピストル、日本刀は勿論のこと、手榴彈、ダイナマイトなどが発見されました。最近土佐沖で密輸船が日本の表示をした船をダイナマイトで沈沒させて遁走したというような事態が起つております。海上保安廳といたしましては、又密漁船におきましても、最近はダイナマイト密漁が非常に多いといつたような関係でございます。この取締りに対しましては非常な困難を極めておるような次第であります。併しながら海上保安廳といたしましては、一日も早く犯罪の面におきましても、燈台と同じように日本の近海を明るくしたいという念願からいたしまして、全員がこの取締りに挺身をいたしておる次第であります。停船しない船に対しましては相手の船の胴腹にこちらの船を衝突させまして、そうして相手の船を強制停船をさせるというようなことまでいたしまして、職務に盡瘁をいたしておるような次第であります。丁度海上保安廳は皆様の御協賛を得まして、海上保安廳法が成立いたしまして創立されましてから約一年になります。私共創立早々の際でございまして、何事によらず努力はいたしましても、不十分の点が多いのでありますけれども、総員が全力を挙げて努力をしておるということをここに申上げたいと存ずる次第でございます。どうぞ今後もよろしくお願いをいたしたいと存じます。
 次に今國会におきましては、海上保安廳といたしましては、海上保安廳法の改正をいたしたいと存じます。この改正は海上保安廳の組織変更に伴う若干の改正でございます。次に水先法の改正をいたしたいと考えております。これは新憲法下における水先法を適正なものになるための改正でございます。
 次に航路標識法の改正の提案をしたいと存じます。これも亦先程も申し述べましたような、終戰後における航路標識の重要性につきまして、海上保安廳の監督権というものを強化いたし、これが設置運営についても強力なる措置を講じたいと考えておる次第であります。次に港則法の改正をいたしたいと思いますが、これは海上に石炭殻その他を捨てるものに対する取締り、或いは廃油を流すものに対する取締り並びに錨地指定の行使に対して若干の改正をしたいと考えております。最後に水難救護法の改正をいたしたいと思います。これは全面的な新態制を即應する改正をしたいと思いますが、今回は市町村長が持つておりましたところの救助責任を海上保安廳においてこれを引受けるという最小限の改正をしたいと考えております。以上簡單に海上保安廳の近況を申述べました。
#48
○委員長(板谷順助君) これにて運輸行政に関する大体の説明は終りました。質疑は後廻しといたしまして、この際先般本委員会に付託されましたる日本國有鉄道法の一部を改正する法律案、それを議題といたしたいと存じます。御承知の通りこの鉄道國有法案につきましては、この委員会において愼重審議の結果修正意見を出したのであります。ところが十一月三十一日の夕方になつて、関係方面かり参りまして、どうしても通せということの関係から、止むを得ず原案のまま通した次第であります。從つてこの問題に対しては、幾多の修正すべき意見がこの委員会に残つておるのでありますが、併しながらこの法案の目的は、四月一日から施行するやつを六月一日に延期するという極めて簡單の法案であります。これについて何か御質疑がありますならば、お申出を願います。別に御質疑はありませんか……。御質疑がなければ討論に移ります。何か御意見ありませんか……。ありませんければ、討論は終局いたしたものといたします。これより採決に入ります。本案を原案通り賛成の諸君の挙手を願います。
   〔挙手者多数〕
#49
○委員長(板谷順助君) 全会一致、本案は可決すべきものと決定いたしました。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしましたが、本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四條によつて予め多数意見者の承認を経なければならないことになつておりますが、これは委員長において本案の内容、本委員会における質疑應答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することとして御承認を願うことに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#50
○委員長(板谷順助君) 御異議ないと認めます。それから本院規則第七十二條によりまして、本委員長が議院に提出する報告書につき、多数意見者の署名を附することになつておりますから、本案を可とする方は順次御署名を願います。
 多数意見者署名
   小野  哲   飯田精太郎
   高田  寛   結城 安次
   小泉 秀吉   大隅 憲二
   入交 太藏   植竹 春彦
   内村 清次
#51
○委員長(板谷順助君) それでは本日はこれにて散会いたします。
   午後四時二十一分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     板谷 順助君
   理事
           小泉 秀吉君
           小野  哲君
   委員
           内村 清次君
           大隅 憲二君
           入交 太藏君
           植竹 春彦君
           飯田精太郎君
           結城 安次君
           高田  寛君
  國務大臣
   運 輸 大 臣 大屋 晋三君
   國 務 大 臣 本多 市郎君
  政府委員
   運輸事務官
   (鉄道総局長
   官)      加賀山之雄君
   運輸事務官
   (鉄道総局職員
   局長)     牛島 辰彌君
   運輸事務官
   (海運総局長
   官)      秋山  龍君
   運輸事務官
   (海運総局総務
   室長)     壺井 玄剛君
   運輸事務官
   (陸運監理局
   長)      小幡  靖君
   運輸事務官
   (海上保安廳長
   官)      大久保武雄君
  説明員
   運 輸 次 官 下山 定則君
ソース: 国立国会図書館
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