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1949/04/22 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 運輸委員会 第8号
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1949/04/22 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 運輸委員会 第8号

#1
第005回国会 運輸委員会 第8号
昭和二十四年四月二十二日(金曜日)
   午前十時四十三分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○証人喚問に関する件
○國有鉄道運賃法の一部を改正する法
 律案(内閣送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(板谷順助君) これより会議を開きます。これから諸君にお諮りしたいことがあります。この度の運賃改正の問題につきまして、広く民間の意見を聽取したいという関係から、公聽会の形式において証人の喚問をいたしたいと存じます。その期日は二十五日の月曜日の午後一時からということに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(板谷順助君) そこで只今委員長の手許において証人として、商大講師の細野日出男君、京浜急行の井田社長、大阪毎日新聞社政治部長の井上縫三郎君、東京商工会議所調査部長の高瀬千波君、西日本石炭輸送株式会社社長野村治一良君、全日本学生自治会総連合会武井昭夫君それから産別代表は目下調査中でまだ人は決定しておりません。これらの人々を証人として喚問したいと思いますが御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(板谷順助君) それではそのように決定いたします。
  ―――――――――――――
#5
○委員長(板谷順助君) 藪谷業務局長が出席されておりますが、同氏に対する何か御質疑がありましたならば、運賃改正法案の質疑を続けたいと思います。
#6
○小野哲君 藪谷政府委員に伺いたいと思いますが、或いは全体の問題として大臣に伺いたいと思つておりますが、これは又別の機会といたしまして……。
#7
○委員長(板谷順助君) 大臣も閣議が済めば直ぐ出席するそうであります。
#8
○小野哲君 先ず伺いたいことは、國有鉄道の二十四年度の輸送計画がどうなつておるか。この内容を承わりたいと思います。次に、輸送計画の内容と考え併せて、二十四年度の予算によつて一体この輸送計画を実現する可能性があるかどうか。で、輸送計画が一つの計画として立案されておりますので、予算の実行に当つて、この輸送計画を実施するのに果して可能であるかどうかという問題が起つて來るであろうと、かように考えられるのです。先ず、この点をお伺いして、尚あと二三の問題を関連してお尋ねしたいと思います。
#9
○政府委員(藪谷虎芳君) 二十三年度における貨物輸送計画は一億三千万トン、前年に比しまして一六%増の相当無理な計画を遂行いたしましたが、その間福井の震災、或いは東北地方の水害等の惡條件があつたにも拘わらず、部内外の協力を得まして一億二千九百七十万トン、殆んど一〇〇%に近い好成績を收め得たことは、我々として満足しておるわけであります。さて二十四年度におきまして、貨物輸送の計画数量を如何にするかという問題につきまして、商工、農林、安本、当局とも十分協議いたしました結果、石炭四千二百万トン、鉄鋼百八十万トンの生産計画に対しまして、他の物資もこれに増送問題を加えました輸送要請を纏めますというと、一億四千万トンであります。ただ最近出荷が非常に低調になつておりまして、昨年の四月、鉄道の在貨が毎日三百二十五万トン程度ありましたが、これは大体八十万トンから七十五万トンに減つております。かような出荷の低調から見ましても、一億四千万トン以上の出荷並びにこれに伴う輸送計画を必要としないということになるのでありますが、この輸送要請に対する輸送計画といたしましては、昨年來貨車の新造或いは修理に力を入れました結果、非常に輸送力を付いて参りまして、大体現在の輸送要請よりも輸送力の方が多少上廻わる余裕ができたことを、ここに喜んで御報告を申上げるものでありまして、必らず一億四千万トンの輸送は可能であると、こう考えておる次第であります。旅客輸送につきましては、今年度の輸送計画は三十五億の人員を選ぶべく、この輸送力もこれにマッチいたしております。大体本年度の計画の概要を御説明申上げます。
#10
○小野哲君 今伺うところによると、二十三年度の輸送実績も極めて好調であつたことは御同慶に堪えない次第でありまして、更に現在の輸送力はややゆとりがある。從つて昭和二十四年度の一億四千万トンの貨物輸送並びに三十五億人の旅客輸送は可能である。こういうふうなお話があつたのでありまするが、先般運送次官の説明によりますと、今回の予算によりましては車輛の新造或いは修理等も極めて困難である。こういうふうな説明を伺つておるのみならず、二十四年度の予算の内容を檢討いたしましても、果してこれらの輸送計画量を十分に輸送し得るかどうかということについて疑問を持つざるを得ないわけであります。從つて業務局長が太鼓判を押されてはおりますが、果してこれが継続し得るものであるかどうか、車輛の修理とか、その他の関係から、予算の面から制約されて、今日考えられておるごとくに樂観を許さないものがあるのではないか、特に滯貨の点につきましても非常に減つて來ておる。近來にない低調を示しておるということから考え併せますと、決して樂観は許せないであろうというふうに私は考えるわけであります。特に今回の運賃の改訂が、旅客運賃の六割値上を移て実施し、赤字二百三十億余円を補填しようというような計画でありますが、若し輸送計画量が確保できないというふうな場合において、果して今回の旅客運賃の値上げだけで赤字補填ができるかどうか、こういうことをも、やはり経営者としては予め十分に考えて置かるる必要があるのではないか、若し旅客運賃の値上げだけで赤字補填が困難であるという場合において、國鉄の收支の均衡を保つて行くためには、どうしても貨物運賃の改訂によつて、予算の補正を行うという必要が生じて來るのではないか、かように思うわけであります。で運賃の理論から考えましても、輸送原價から考えて、旅客運賃の六割値上げのみを以て赤字をカバーするということは、一つの跛行的なやり方であろうと、かように思うのでありまして、近き將來貿易運賃の改訂を行わざるを得ない状態が來るのではないか、こういう感じがいたすのでありますが、この点についてのお見込みは如何でありますか、伺つて置きたいと思います。
#11
○政府委員(藪谷虎芳君) 先ず第一に輸送力の点につきまして、尚補充して御説明申上げたいと思いますが、本年度における貨車の新造は大体千七百輛ばかりでありまして、車輛会社が製造能力があつたために、これの約三分の一程度見越し生産をしておりますので、例年よりは早く年度当初から輸送力が付きます。又旅客につきましても大体三等車を中心にいたしまして百九十二輛ばかり、電車が百五十輛ばかりの新造の計画であります。修理につきましては、昨年度程は予算の面から見て十分ではありませんが、苦しい本年度の予算の間から、できるだけこの修理の予算を減らさないで修理の能力を挙げて参りたい、こう考えておる次第でありまして、修理の成績のよくなつたことは、昨年度の休車率を見ましても、大体戰前の休車率を近くなつて参りました。從つて本年度の予算におきまして、新造修理等の面から見ましても、旅客、貨物共本年度の輸送計画は十分遂行できるものと思つております。そこでこの八月一日を目標にいたしまして、貨物におきましては一割、旅客におきましては八%程度のダイヤの増発をやりまして、スピード・アップも共にやりたいとこう考えております。必ず輸送要請に対して、貨物におきましても輸送計画は実行できると信じております。旅客につきましてもまた戰前の八〇%程度しかダイヤ面においては復興いたしておりませんが、從つて相変らずの混雜を非常に緩和する程度にはなりますが、先程申上げましたような事情と予算の許す限り、大体八%程度の輸送力を増加いたして、少しても通勤、通学の混雜の緩和をいたしたいと考えておる次第であります。これに対する運賃の点でありますが、旅客におきましては今回の値上げに対して大体一〇%の收入減を見ております。昨年の改正以後の実績が八割五分に鑑みまして、大体一〇%減を見込むのが適当であろうと思います。貨物運賃の値上げは今後必至ではないかという小野さんのお説でありますが、昨日も大臣からの説明の通り、貨物の運賃につきましては運輸の関係、或いは自動車等の関係から見ましても、又鉄道のコストから見ましても、値上げすべき必要はあるのでありますが、低物價政策の結果、今回のごとく物價政策上適当な時期ではないというので据置きにいたしたのでありますが、恐らく小野さんのお話のように、近き將來において物價改訂等とも睨み合せて、恐らく貨物運賃の是正が問題になり得るものと私も考える次第でございます。
#12
○小野哲君 先般大臣からの提案理由の説明の中にも、特に貨物運賃の問題について政府の考え方が附加えられておるのでありますが、國有鉄道だけから考えましても、運賃整備の上で相当考慮をしなければならない実情にあるばかりでなく、海陸運賃の調整の問題があることは大臣自身も十分に承知しておられるところで、從つて貨物運賃の輸送原價の問題と、海陸運賃の調整という政策上の問題と両方面から考えましても伊このままで貨物運賃を据置きにして置くということは、將來國有鉄道が正常な運賃体系によつて経営され、更に言換えれば独立採算制の下に企業的な経営をやつて行くということが困難になるということは見通しが付き得る問題でありまして、今この際に運賃の問題を相当根本的に檢討を加えなければ、將來に禍根を残す虞れが多分にあると私は思うのであります。只今業務局長のお話ではさような点をも考慮して、近き將來に貨物運賃の是正を行うべき機会があるのであろうということを予想されておるようでありますが、この点については私も同樣の考えを持つておる次第であります。尚、この際私から伺つて置きたいことは、國有鉄道と私鉄、即ち地方鉄道、軌道の経営状態を比較した資材が提出されておりますが、これは未定稿ということになつておるので、或いは公開の席上でお話がしにくい点ではなかろうかと思うのでありますが、國有鉄道の経営をどういうあり方に持つて行くべきであるかということは、先般來たびたび問題になつております國有鉄道の経営合理指の問題として取上げました場合に、國有鉄道の経営をできるだけ一面において公共的な性格を維持しつつ、他面極力事業的に運営して行くというふうな考え方で行かなければならんことは、公共企業体になる國有鉄道の本質から言つて当然であろうと思うのであります。ところがこの國有鉄道と地方鉄道、軌道の経営状態の比較資材を見ますというと、尚相当國有鉄道においては経営を合理化し得る点が多々あるのではないかと思います。必要に應じては國有鉄道の一部分を民営に移すとか、その他國営自動車の運営についても再檢討を加え、又これに対して種種な新らしい政策を取つて行くとか、いろいろの問題が起つて來ると思うのでありまして、一体二十四年度の輸送計画は、今回の予算によつても尚且つ十分に確保できる。こういうお見通しでありますが、一面経営の面から言つて、もつと國有鉄道としては、企業的に経営し得るように合理化して行く、こういう点について地方鉄道との比較から考えてどういうふうなお考えを持つておらるるか、この際伺つて置きたいと思います。
#13
○政府委員(藪谷虎芳君) 小野さんの御所論は一々御尤もでありまして、私達も國有鉄道の運営方針といたしましては、根本的な問題としては從來からも企業性或いは公共性につきましては、双方の考えからいろいろと運営を合理化して参りましたけれども、パブリック・コーポレーションに移行する國有鉄道といたしましても、又刻下の重要問題でありまする九原則の実施の面から見ましても、今度は企業的な面から合理化することに重点を置かれねばならんことは同感であります。從來ややともかると國有性に重きを置いて、政策的な運賃、或いは政策的な考慮がいろいろ重く取上げられたもので頭りますが、そうした面は、勿論國有鉄道である限りは全然考えないわけには行きませんが、これらと企業性とを噛み合せまして、企業性に從來よりは重点を余計に置くような方法に進むべきではなかろうかと思います。第二点の、こうした点に関連して、私設鉄道との比較において、國鉄がどういうふうな運営をやつて行くかというお尋ねでありますが、例えば取扱いなり、人間の点において、私設鉄道との差は大分ございますが、御承知のように私設鉄道は主として旅客輸送に重点を置いたものが多いのでありますが、省はこれに対して貨物も一緒に取扱つている。或いは遠くの方の輸送もやらなければならないといつたように、私設鉄道の取扱い程單純ではございませんが、できるだけ私線等において、私設鉄道と殆んど同じような運輸量のあるようなところは、できるだけ私設鉄道のごとく設備も簡單な、又取扱いも簡易な方法が運轉、営業とも必要ではないかと、こういうふうに考えることによつて合理化をしたいとこう考えておる、從つてこれによつて人員、要員の面も合理化することと思いますが、現在の國鉄と私鉄と比較いたしますというと、一営業キロ当り又は百万人トンキロ当りの要員、これについても國鉄の方が私鉄よりも要員の多いのは事実でありますが、これは只今申上げましたように、取扱が省の方が複雜であるということに原因するのであると思いますが、できるだけこうした面は企業の合理化の立場から見まても、私鉄等における簡易なる取扱は私設鉄道を模範とすべきではなかろうかと思つておる次第でございます。対外的に見ましても、諸外國の例を見ても非常に機械化され、或いは貨物輸送が重点であり、驛間距離は長い。アメリカ等は日本よりも営業キロ当りにしましても、人トンキロ当りにしましても少いが、我が國と英國とを比較いたしますと、大体経済的には人口的にも地理的にもよく似た状態にあるに拘わらず、我が國の國有鉄道の方が六割程度の人員で運営しておるというところはございますが、從つて我が國有鉄道としては、大体営業キロ当り或いは運輸量に比較して、丁度各文明國の中間に位しておるような状態にありますが、今後といたしましては、できるだけ機械化し、業務を簡易化いたしまして、一運輸量の單位当り、一営業キロ当りに対しまして、できるだけ人員の整備も行なつて行きたい、こう考えておる次第であります。物件費につきましては、石炭初めいろいろの節約を行うと同時に、オープン・ビッド制等いろいろな面におきまして今後合理化をして、一層経費の節約に努力いたしたいと考えておる次第であります。
#14
○小野哲君 只今いろいろ詳細な御答弁があつたのでありますが、要は國有鉄道と地方鉄道、軌道とを対比して見ますと、運輸收支の均衡状態は私鉄に比して國鉄が惡い。殊に貨物輸送において著しくその均衡を失しておるということが一つ。運輸経費中の動力費の比率が國鉄は非常に高い。即ち高い石炭を沢山使つておるということ。更に國鉄の営業線が或る程度採算を犠牲にして、いわゆる國策的見地から行つておるものが可なりある。こういうふうな点が資料の中にあるのでありますが、貨物輸送の点において、特にこういう点が強調されておるということは、現在の國有鉄道の貨物輸送の制度の問題についても、或いは運賃の点についても、余程檢討を加えなければならない点が、ここではつきり現われて來ておると思うのであります。從つてこの点については、尚本委員会でも運賃の問題について檢討することになると思いますが、特にこの中で運輸経費中の動力費の比率の問題でありますが、高い石炭を七百数十万トン國鉄が使つておる。只今お話によると、一般競爭入札でありますか、そういうふうな方法によつて石炭を講入する、こういうふうなことで、それによつてできるだけ動力費も節約して行きたい、こういうお話のようでありますけれども、聞くところによれば、パブリック・コーポレーションとして独立採算制を確立するということと、それから一般公開競爭入札で物資とサービスと最低價格で講入するというふうなことが、関係方面からも強く指示されておるように伺つておるのであります。問題はこういうふうな新らしい制度によつて石炭の講入をやつて行くという場合には、どんなふうに一体國鉄の経営合理化に寄與することができるかということは、國鉄の運輸経費の中で動力費、殊に石炭が占める割合が多いという点から考えましても、重要な点であろうと思うのであります。本委員会は、石炭の問題についてはかねてから重要視いたしまして、それぞれ鉄道当局からも報告を求めておるのでありますが、恐らく報告が出ておると思うのでありますが、國鉄の経営の合理化と相俟つて、國鉄の石炭講入價格の問題と講入方法の問題、これは非常に大きな問題ではないかと、こういうふうに私は思うのであります。若し專門員のお手許へ、運輸当局から何か報告が來ておれば、この問題について御報告が願いたいし、同時に今日は石炭関係の主管局長がお見えになつておりませんので、次回でも結構でありますが、國鉄の石炭講入價格なり構入方法の問題について説明を得る機会を作つて頂きたいと、かように思うのであります。若し專門員のお手許へ、石炭の講入價格等の関係で報告が來ておれば、一応伺いたいと思います。
#15
○專門員(古谷善亮君) 前回の委員会におきまして、鉄道配炭の問題で御報告申上げましたその後の事情を申上げますが、一月の分につきまして報告が参つておりますのは、一月の計画數量が総數で六十六万トンでありましたが、実績は六十万トンでございました。かねてから問題となつております点といたしまして、塊粉の割合とカロリーの問題があるのでありますが、塊粉の割合におきましては、粉炭の割合が実績が六八%でございまして、これは大体塊炭四〇%前後を狙つておるとしますと、若干高いように見受けます。次にカロリーの方でありますが、五千七百二十二というのが実績になつております。更に二月、三月の分につきましては、まだ実績の計数が纒まつておりませんので、計画数量しか來ておりませんから、実績が参りましてから又委員会で御報告申上げたいと思つております。次に、講入方法でございますが、これにつきまして田、運輸省から委員長宛に、右炭の講入方法の改善によつて莫大な経費の節約が見込まれ、又一方これが実施によりまして起る経済界の混乱も殆んどないと思われますから、講入方法の改善について善処したいというような書面が來ておりました。これの資料といたしまして、講入方法をどういうふうに改善するかという説明が参つております。これにつきまして、過般運輸次官が省全般の説明をされましたときに配付されました資料の中に入つておつたように記憶いたすのでございますが、簡單にその要点を申上げますと、國鉄が只今石炭を調達しておりまする方法は、山元の貨車乘りで配炭公團から坑所の販賣價格で買いまして、それを揚地の機関区まで國鉄が自分で輸送して使つておるという方法でございます。從いまして輸送費は國鉄が持つておるというわけなんであります。ところでこの坑所販賣價格なんでありますが、この坑所販賣價格は、只今のところ平均が二千七百四十三円になつておる。坑所販賣價格は官報で出ておりますが、これは官報を見ますと、官報一頁に跨がる沢山の價格が出ております。只今申しましたこの二千七百四十三円と申しますのは、昭和二十二年におきまして三千六百万トンを出すという予定の下に作りましたところの價格の平均なんであります。從つてこの概数を以ちまして、大体のこれからの御説明を申上げたいのでありますが、この坑所販賣價格ができますまでには、大体この配炭公團が山元で買います原價であるのでございます。これが二千百八十四円、これは山元へ拂う金でございまして、次にこの実際の販賣原價というものができて來るのであります。この販賣原價ができますにはカロリーとか、いろいろの要素を入れまして販賣原價というものができますので、それが二千三百八十八円になつております。この開きが二百四円でございます。次にこの二千三百八十八円の石炭の販賣原價というものは、坑所で販賣いたします坑所販賣價格となりますと、只今申しましたように二千七百四十三円で、又三百五十五円ばかりの開きが起つております。この最初申上げました二百四円の開きというのは何であるかと申しますと、これはつまり生産者價格調整費に当るものでございまして、まあ内容を申上げまするに、赤字補填の増減或いは特別災害の復旧費でありますとか、或いは北海道向けの坑木運送注、解職手当、炭坑福利資金といつたような種類のものの合計が只今申しました二百四心になつております。これで生産者の價格を調整する、こういうようになつております。従いましてこれにつきましても若干の研究の余地があるのでございますが、次に申上げましたこの開きの三百五十五円につきましては、相当研究の余地がありますわけでございまして、三百五十五円の開きの内容はどういうふうになつておるかと申しますと、輸送諸掛りが二百六円、公團の手数料が六十九円、それからプール平均割当金と申しますものが三十二円、金利が四十五心ばかりで、尚この外に特別貯炭費というものが僅かばかりのものがございますが、これらの合算いたしましたものが三百五十五円の開きになつております。この三百五十五円は相当内容の研究を要しましたわけでございまして、鉄道といたしましてはこのうち公團手数料を四十円程度、又金利を二十円ばかりの程度は考えられるが、それ以下のものは節約いたすのが適当じやないかというような意見を持つておられるようでありまして、さようにいたしますというと、結局こけだけで約年間二十三億ばかりの概算にいたしまして節約ができるのじやないかと一応鉄道當局では見ておられるのでございます。尚これは販賣方法でございますが、先程もちよつと触れましたように、石炭のカロリーを上げて行く。それから又塊炭割合を変えて行くということによりまして、賣質上に非常な経費の節約ができるわけであります。只今のカロリーは、先程ちよつと申しましたように、一月の実績にいたしまして五千七百二十二カロリーでございますが、大体只今の平均と思われまするものは五千五百八十カロリー程度だそうでございまして、これで列車を、只今列車キロにいたしまして十億六千九百万キロばかりのものを二十三年に動かしておるわけであります。それで約七百十万トンばかりの炭を使つておるわけであります。この十億六千九百万列車キロを持つておりましたのは、昭和七年がこれに近い列車キロを持つておりまして、昭和七年の列車キロは十億六千四百万キロ、ほぼ近いのであります。その当時は炭は三百七万トンしか使つていなかつたような記録がございます。何故そう少くて済むかと申しますと、その当時の炭の質量が六千四百六十カロリーの高いカロリーの炭を使つておつた、こういうわけでございますので、カロリーが高ければ、炭は少くて済む。従つてここに大きな經費の節約ができる、こういうことが言えるわけなんであります。こういう面からも経費の節約ができますわけで、從つて塊炭、粉炭の割合を常に注視しておる必要があるのじやないか、かようなふうに考えます。運輸省から得ましたところの資料、尚その資料に基きまして私共が調べました結果を概略かい摘んで申し上げた次第であります。
#16
○小野哲君 今專門員から運輸省からの報告によつて御報告があつたのでありますが、問題は石炭の合理的な使用によつて相当経費の節約ができるということ、並びに今度の一般公開競爭入札が、この経営の合理化にどういう影響を與えるか、又これをどういうふうに運輸省としては取扱われようとしておるかというふうなことが問題となるのでありまして、如何にも運賃改正とは縁遠いようなことを言うようでありますけれども、先程申上げましたように、國有鉄道の荷物輸送が、その運輸收支の問題から言いましても、經費の点から言いましても惡い状態に置かれておるという点から考えまして、やはり國鉄の石炭の購入價格の問題並びに購入方法については十分な檢討を加えて行く必要があろうかと思うのであります。この問題は尚相当いろいろ運輸省としても意見を持つておらるることと思いますので、私だけが余り時間を取りますことは如何かと思い、後日主管の局長に來て頂きまして、更に運輸省側としての考え方をお聽きしたい、かように思います。
#17
○委員長(板谷順助君) どうです、今の小野君の発言に対して運輸省の方の御意見はありませんか。
#18
○政府委員(三木正君) 石炭につきましては前國会におきまして非常な当議会の御支援を得まして、我々関係の向きに折衝するのに非常に仕合せをさせて頂いたのでございます。お蔭樣で、一つには出炭量が相当殖えて來たという客観的情勢もあつたと思いますが、お蔭樣で檢修方面において、原料或いはカロリーの銘柄カロリーと、それから実際のカロリーとの差額というようなものについて相当見るべき改善を得ましたのでございます。それによりまして、併せて非常に冬が暖かかつたことと、從事員の技倆が或る程度向上いたしましたことと加えまして、九月以來相当の石炭節約の成積を收め、十二月、一月のごときは前年に比べて二〇%の節約といういい結果を收めたのでございますが、今年度の予算はどちらかと言いますと天引き予算でございまして、旅客を六割上げて得る増收の範囲内でやると、こういうような建前から來ておりますので、人件費におきましても、又物件費においても、相当猛烈な削減が加えられております。石炭は併しこれは我々の本当の仕事の元手でありますので、最小限の額を計上してございますが、これは昨年の実績を以てしたところの例によれば、現在の列車を動かすのに漸くという数量でございます。列車の増発は見込まれない、而もその中には機帆船に対しては非常に迷惑であつたのでありますが、オープン・ビツドによつて輸送費の節減をやるということを加えましても、やつと現在の列車を維持するに過ぎない程度であります。併し現在の列車キロを以てしましては、一億四千万トンの輸送も不可能でございますし、更に今度旅客運賃を値上げいたしますが、旅客の列車増発というようなことを考え、更に又増收というようなことを考えますと、現在の列車を以てしては到底不十分でありまして、できるだけの列車の増発をしなければならない現状にあるのでありますが、石炭の面から申上げますと、そういう恰好になつておりまして、ただ列車増発の石炭の財源としては節約による外仕方がない、こういうことになつております。それで檢修を大いに努めますと共に、從事員の投炭、運轉の技倆を研磨させまして、昨年よりも石炭の節約消費の節約をいたしまして、その分だけ列車の増発をしよう、このような覚悟で進み、又或る程度それをしなければならぬ。こういう決意を以て進んでおるような次第でございます。それからその他の独占的な品物でない競爭のできる物品、工事等につきましては、御承知の通り公開入札を行いますが、その他の物品につきましても天引き削減のものが非常に多いのでございまして、この競爭入札によつて少くとも五%の節約ができる、こういうふうに見てやつておるものでございますが、五%を以てしては到底この所要の量を得にくいものが多いので、できるだけ更に入札制度を活用することによつて炭價を低くする、それから消費の節約を十分に徹底的に行う、こういうことによつて何とか辻褄を合せて行きたい、その一つの方法としてこのオープン・ビツドによるものが相当大きく響く。それに非常に大きな期待をかけておるような現状でございます。
#19
○委員長(板谷順助君) 小野君に申上げますが、石炭問題は重大問題でありますから、適当の時期に主管局長並びに安本、石炭廰の関係者を呼んで、できるだけ研究をしたいと思います。
#20
○飯田精太郎君 石炭の問題は今委員長のお話のように重大に考えますので、関係当局が來たときに詳細伺いたいと思います。今ちよつと一言だけお伺いします。最近石炭の價格をメリツト・システムで改正されるように聽いておつたのでありますが、そういうことになると鉄道としてこの石炭費の上に有利なように行くお見通しであるかどうか、お分りでしたら伺つて置きたいと思います。
#21
○政府委員(三木正君) 詳しいことは聽いておりませんけれども、適当な價格でメリツト・システムが採用されるならば増減なく、或いは鉄道は御承知の通りスタンド・ボイラーでありませんので、外のスタンド・ボイラーに比べては、炭質が良ければそれだけ加速度的に有利な立場に立ち得るわけでありますから、その分だけは炭價が上りましても逆に有利になると考えますが、特に極端な何を取られればそうはならないと思いますが、恐らく合理的に定められるならば、そういうことになるのじやないかと思つております。
#22
○飯田精太郎君 大体原案ができて、世間で騒いでおるように聽いておるのでございますが、まだ別段石炭廰あたりからの連絡はないのですか。
#23
○政府委員(三木正君) 恐らく連絡しておると思いますけれども、私甚だ申譯ありませんが、聽いておりません。
#24
○委員長(板谷順助君) 大臣にお話ししますが、今石炭問題が取上げられまして、これは運賃改正にも重大な関係がありまするので、適当の時期に主管局長並びに安本、石炭廰、関係者を呼んで、できるだけ研究をしようということを決めたわけであります。大臣が見えれましたが……。
#25
○飯田精太郎君 先程小野委員からの御質問に対して業務局長から御返答があつたのでありますが、二三私から補足して伺いたいと思います。大体貨物運賃を近い將來に合理的に改訂せなければならんということは政府でもお認めになつておるようでありますが、ただ改訂されるまで今の運賃で、貨物運賃が据置かれるということになりますと、船の方の運賃の関係から、どうしても安い陸の、鉄道の方に荷物が移つて來る。先程のお話ですと、鉄道としても貨物運送に対して相当輸送力が強化されておる。余力もできたというお話で、これは至極結構でありますが、大体海から陸に逆に又戻つて來る貨物は、石炭とか木材というようにコストを割つた荷物が殺到して來ます。自然赤字がますます殖えて來るというようなことで、そのために折角独立採算制をやろうということが、なかなか確立ができないというような結果になりはしないかと心配しますが、そこら何か調整方法をお考えになつておりますか。
#26
○政府委員(藪谷虎芳君) 國鉄の貨物輸送力は十分付いて参りましたことは事実でありますが、又要請に対しても三月以來多少上廻つておることは事実でありますが、その余力と申しましても、他の自動車、或いは海運から轉移して來るまでに輸送力に余裕があるわけではございませんので、この余つた僅かながらの輸送力を、どう使つておるかと申しますと、現在、先程もお話が出ました石炭の輸送費でありますが、これは省炭に限りましてお話を申上げますと、大体九州炭の若松大阪が鉄道で入れば五百円臺であります。汽船で運びますと大体八百八十円ばかり、機帆船で運びますと千五百円台、かように一トンにつきまして機帆船で運ぶと千円も違うというふうな面から見まして、先ず省といたしましては、消費の節約に重点を置きまして、省みずからが自分の物を運ぶということで、從來海に三、陸において一、三対一の割合で輸送しておりました省用炭を、今立は二対二という程度に是正して自分の省用炭を運びつつありますし、今後もそうしようと思つております。機帆船の荷物等を他の、省用炭以外の営業荷物に特に轉嫁せしめるといつたような輸送力の余力はございませんし、海陸の輸送の調整から見ましても我々としては、現在取りつつあるような、省用炭の輸送に先ず向ける、こういうふうなことがよかろうかと思つております。運賃の調整につきましては、先程も申上げました通り、貨物運賃の改正を國鉄がなさない限り完全な調整はできませんので、從つてそれまでは機帆船の運賃を合理化するというより外はないと思います。現在におきましても、機帆船貨物において、公定以下に、合理化によつて得た経費で勉強されておるというのが、一、二割程度が現行の輸送費においても現われておるのですから、そうしたように、機帆船側においてできるだけ合理化して、將來運賃調整の場合には、根本的な改正を行うというより外は仕方ないものと考えております。
#27
○飯田精太郎君 石炭の配炭公團あたりは、安い方のルートを通して石炭を運びたいというような希望があつた際に、やはり運輸省として割振りの関係から、高くても機帆船で運べというような命令はできるわけですか。
#28
○政府委員(藪谷虎芳君) 運輸省としてはそれはできないのであります。先程申上げました通り、輸送力に余裕が付けば……他の品物までなかなか手が付かないというのが実情でありますから、その点先程御説明したような程度の輸送配分が丁度適当ではなかろうかと思つております。
#29
○高田寛君 今の飯田委員の御質問に関連して私も一つお聽きしたいと思いますが、この貨物運賃がそのまま据置きで非常に安く、旅客運賃だけ値上げすると、どうもこれは合理的でないと思うのですが、ただこの結果としまして海の荷物が陸に轉嫁されるという傾向がどうしても出ると思うのですが、そうしますと先程薮谷政府委員からお話のあつたような、この夏から大体貨物の列車キロは一割ぐらい殖す、旅客も七八割殖すという計画だと御説明があつたのですが、海の荷物が陸に轉嫁して來る結果、鉄道として儲からない貨物輸送がますます繁忙になつて來る。その貸物をこなすために、述に貨物列車の列車キロをますます殖さなければならないために、一方旅客列車の方は石炭なり機関車なりの制約からして、自然に圧縮されて來るような虞れがあるのじやないかということを私は心配しているのですが、その点についてのお見通しは如何でしようか。この点を伺いたいのですが……。これはもう旅客の方は運賃を六割も値上げする。これに伴つて旅客は今より楽に輸送できることになつて初めて一般大衆も納得する際であるのでありますが、これが万一荷物が陸に轉嫁するために貨物列車をもつと多くしなければならん。その影響でむしろ旅客列車を圧縮しなければならんということになると、旅客輸送面が現在以上に混乱することになるのではないかということを心配しているのでありますが、この点のお見通しを……。
#30
○政府委員(藪谷虎芳君) 高田さんの御心配になりましたように、旅客列車は列車キロといたしまし前は、戰前の約八〇%程度であり、輸送人員は三倍餘りも殖えておりますので、かような現状から申しまして、旅客列車キロはできるだけ確保いたしたい。御承知のようにこの旅客の方は定期で先ず入れたい。貨物の方は荷物が先程申しましたように出荷が低調でありますので、樣子を見まして次第にやつて行く関係から、多くは臨時列車としてのキロを以てやつております。その出荷の状態に応じて按配いたしたいと思いますが、旅客列車はできるだけ緩和したいために、定期を主として入れて御心配のような欠点のないように努力いたしたいとこう考えております。これらに要する石炭は先程お話申上げた通り、現在の予算及び石炭の中から節約をいたしまして、これだけの列車を増発して運賃改正等に対するサービスの点から申しましても是非必要なことと考えておる次第でございます。
#31
○飯田精太郎君 これは大臣にお伺いした方がいいのじやないかと思いますが、この間の大臣のお話ですと、貨物運賃を近い機会に何とか合理化したいというようなお話であつたと思いますが、近く爲替レートが決定されますと、この爲替レートを崩さないように是非やつて行かなければならない。それにはやはり物價体系を乱さんということが非常に大事なことになつて來ると思う。物價に影響が相当あると思うのです。貨物の運賃がどの程度か決まりますと、各産業は当分手が付かないのではないかということが心配になりますが、如何がなものでございますか。
#32
○國務大臣(大屋晋三君) 爲替レートがいよいよ実施されました曉には、日本のあらゆる産業に現在において予想し得ざる影響が起きて來るだろうと思つております。そこで我々の漠として氣持から見ましても、そういうふうに予測し得ない非常に困る現象が起きて來たならば、それを修正して行かなければならんのじやないかというような心持を以ちまして、今回の画期的予算を組みつつそういう心配を持続しているので、然らばどういう確定的な時期にどういう措置をするかというようなことはまだ決定しておらんのですが、そういうような氣持で爲替レートがいよいよ実施されまして、あらゆる生産阻害、あらゆるその他の現象が起きましたときには、その惡い現象を取除くようにしなければならんとこういう考え方が根底にございますので、近い將來に、いいチヤンスに貨物運賃の面を是正したいという氣持はそういう点から胚胎しているので、これは私一人の考えでなくて、今回予算を組みましたときにもしばしば附帶的な問題として議論されたことなんでありますが、但しいつの時期にどういうことをする、どういう現象が起きるだろうということは、無論將來のことに属する、こういうような氣持でおるのであります。
#33
○飯田精太郎君 私の感じとしましては、爲替レートを決定する前に、産業の基礎になる條件はすつかり安定して置くことが必要じやないか。その点から言いますと、この貨物運賃のようなすべての價格の基礎になるものを不安定な状態に置いて置くということが非常に心配になるのでありますが……。
#34
○國務大臣(大屋晋三君) それは安定して置くということの措置は、例えば運賃でも安ければ値上をする、或いはあらゆる凡百の物價に対して不当なコスト割れのマル公、不適当なマル公というものがあれば、それを是正して行くということが、つまり今回の環境においては不適当であるということに結論が到達いたしましたために、今回の予算並びに予算の中に盛られているいろいろなやり方がそういう根拠から出発しておりました関係で、運賃の面も非常にアン・バランスで不安定であることは承知しておりながらも、それをいわゆる安定して置くという措置ができなかつたわけでございます。
#35
○高田寛君 もう一つお伺いしたいのですが、改府の案としましては、一般の物價が上らない機会に旅客運賃の六割を上げるということなんでありますが、これについては、値段が高くなればこの機会にこれだけのサービスがよくなるということが示されないと、國民としてはなかなか納得し難い問題であると思うのですが、この運賃の値上に関連して、國鉄の旅客輸送面のサービスを向上させるという点につきましては、御説明の中にまあその片麟は窺われたのでありますが、一つどれだけの腹案を当局として持つておられるか、これを一つ纏めてお示しを願いたいと思います。
#36
○政府委員(藪谷虎芳君) 先ず國鉄のみならず、私設鉄道、自動車等の交通機関の使命から鑑みまして、國のために利用を十分にして貰う、國家の動脈としての働きをなすというような重要な使命から見まして、サービスの改善に努力しなければならないことは当然であります、又その從事員もこの使命を十分に認識して、公僕たるの努力を続けなければならんことは当然でございます。先ずサービスの改善の最大なものは、やはり輸送力の増強であると思います。先程から申述べましたように、我が國の経済復興と大きな関係のある貨物輸送力も増加する、或いは旅客の輸送の緩和を図つて國民の経済活動に資する、こういうふうな意味合から、ダイヤの増発もできるだけ合理化によつてやつて行きたい、こう思つているのであります。第二の点は、主として公僕精神の発揚といつたような精神運動を中心に企画するべきものでありまして、昨年度も一昨年度も明るい鉄道にする運動というものを続けて参りましたが、こうした第三次明るい鉄道にする運動といつたようなものを、或いは親切週間とかいろいろ精神的な運動を起すことによりまして、旅客に対する接遇なり、或いはガラス窓、或いは清掃等の面において、物心兩面から旅客のサービスの改善、貨物の愛護の精神を強調して行きたい、こう考えている次第であります。
#37
○小野哲君 大臣がお見えになりましたので、先程政府委員に伺つておりました中で、大臣に御答弁を煩わしたいというものがございますので、更に質問をいたしたいと思います。先程政府委員に質問いたしました中の一つとして、國有鉄道と私設鉄道の経営の状態の比較の問題でありますが、この点については政府委員から現状について率直に御答弁があつたわけであります。で今日の國有鉄道が相当厖大な赤字を持つておる、この赤字を補填するために旅客運賃六割の値上をする、こういうふうなことになつておるのでありますが、昨年四月においても相當な赤字がありまして、画期的な國有鉄道の運賃改正が行われたのであります。その際にもやはり論議されたのでありますが、特に公共企業体に國有鉄道が移行する際に当つて、独立採算制によらなければならんということ、或いはできるだけ物資の購入等についても價格を低くしなければならんということ等が要請されておるのでありますが、併し赤字の解消はなかなか簡單には参らない場合が多いので、当然経営の合理化をやつて行かなければならんことは申すまでもありません。併し赤字を常に運賃によつて補填するということは、國民負担の増大を來すことになるのでありまして、能う限り運賃の引上げによらない経営の合理化を行なつて行くことが正しい行き方であろうと、かように思うのであります。つきましては、國有鉄道と地方鉄道、軌道即ち私設鉄道の経営状態の内容を比較檢討しますと、まだまだ國有鉄道としては商事的な企業的な経営を行い得るし、場合によつては相当広汎な線区を國有鉄道は持つておりますので、從來地方鉄道がやつておつたような線区については、この際これを整理して行く、言換えれば民営に委讓するというふうな措置も考えられるのではないか。これは國有鉄道ばかりでなく、國営自動車についても同樣のことが研究され得ると思うのでありますが、政府におかれては、経営の合理化の一還として、現在持つております國有鉄道の営業線を民営に移すようなお考えを持つておられるかどうか、この点について伺いたいと思うのであります。実は前國会において、本委員会で当時の運輸大臣にこの点を質問いたしたのでありますが、はつきりとした御答弁をされる機会ではなかつたようでありますので、この際改めて私から運輸大臣に伺つて置きたいと思います。
#38
○國務大臣(大屋晋三君) 只今の小野君の御質問の通り、今度パブリツク・コーポレーシヨンに移ります上におきましては、私鉄の経営と同じように、或いは又民間の事業の経営と同じような考え方で、いわゆる在來の、俗に言うお役人仕事の域を遥かに脱した画期的の一つ企業の合理化を図つて行きたいと思つております。その行き方については、いろいろな御指摘の面、いろいろな面があろうと思つております。更に御質問の、このいわゆる私鉄と並行線或いはその他の自動車の路線を民間に拂下げる意思はないかという問題でありまするが、これにつきましては、この戰爭中に政府で買上をいたしました九社十線の分は、これは一つ買手があれば拂下をしたいと思つております。併しその拂下げの可否につきましては、いろいろな地方の民情、或いは買手、或いは賣渡しの値段というような問題でいろいろなことを考えなければならん節がございますので、これはそれぞれ適切なる機関にお諮りをいたしまして、やつて行くつもりであります。それから運輸省経営の自動車の路線の拂下問題に関しましては、これも同断で適当な買手があり、適当な拂下をする方が適切である、民営に移す方が適切であるというふうな場合には、これも考慮して見たいと思つておりまするが、順序といたしましては、先ず私鉄の拂下を片附けて、然る後に二段的に自動車の問題に……何と言いますか、研究と言いますか、その取りかかる順序が、私鉄を先ず先に片附けて、然る後自動車の方を私鉄と同樣に処理して行く、処理するということに対する個々の路線の研究に着手したい、かように考えている次第であります。
#39
○委員長(板谷順助君) この際私から大臣にお尋ねしたいのですが、二十四年度の鉄道の輸送計画について、先程來小野委員と政府委員の間にいろいろ質疑應答が行われたのでありまするが、この点については不得要領の関係からして、恐らくは飯田委員、高田委員からの質疑が行われたことと思うのです。ということは、二十四年度の一億四千万トンの輸送計画を果して確保できるかどうかということ、恐らくは二十三年度の状態から見たならば困難であろう、從つてこの計画に狂いが出た場合にはどうするかという意味の質疑のように承わつたのであります。ところが藪谷政府委員の答弁によるというと、昨年の滯賃が三百二、三十万トンであつたものが、現在において七、八十万トンよりない、從つてこの輸送計画を予定通りに行うということについて貨車は一〇%修繕をやる、或いは又新造をやる。旅客列車については八割増しをするというようなことでありますが、つまり現在の貨物運賃をそのまま据置にすることになると、積めば積む程損が行く、殆んど原價の半額にも達しておらないというような実情であるということであるとすれば、恐らく私は鉄道が、あらゆる手段を用いて荷物をできるだけ吸收する方針に出るだろうという場合において、海陸分野の輸送の計画というものが、段々鉄道に侵される、その結果海陸運賃の調整の問題がそこに起るのぢやないかという結果になると私はこう思う。そこで大体國有鉄道の運賃法というものは大臣は御承知かどうか分らないが、この運賃を定めるということについては、大体この法則ができている。公正妥当なるものであること、原價を償うものであること、産業の発達に資すること、賃金及び物價の安定に寄与すること、この條件の下に運賃というものを算定して決めなければならん。從つて旅客運賃を六割上げて貨物運賃をそのままに据置くということは運賃法に当嵌つておらん、こう思うのでありますが、これについての見解をこの際はつきり御答弁頂きたい。
#40
○國務大臣(大屋晋三君) この運賃を決める四つの原則的の考え方は、今もそれを崩したわけでは毛頭ないのでありまするが、今回の政府の一般予算編成に当りましては、いわゆる九原則並びにドツジ声明という線に沿いまして、あらゆるものに先行して、インフレの收束を第一とする、いわゆる復興よりもむしろ安定を優先するという考え方が強く響きましたために、元來であれば成る程コストを遥かに割つているんですから、我が鉄道の貨物運賃のごときも、只今委員長の御指摘の四つの原則の原價を償うという項目に從つて当然値上げをすべきであるということが起るのでありまするが、併しそれをやるというと、旅客を上げるよりも更に直接的に一般物價に影響がある。物價を上げるということはインフレ收束の大原則に反するというような見地から、その四つの原則には多少違反しますが、更にそれに優先する大きな経済九原則とドツジ声明の線に沿いまして、その結果が運賃は据置きということの止むを得ざる次第になりましたのでありまして、不十分であることは承知いたしておりますが故に、且つ又海陸の運賃面にアン・バランスを招來いたすことが顯著でありますので、その弊害はしばしば申上げました通り近き將來に是正をいたさねばならん、さように考えておるわけであります。
#41
○委員長(板谷順助君) 併し物價に影響するということは、これは見解の相違と言えばそれまででありますけれども、この委員会でしばしば論議をされたその情勢によりますというと、大した影響がない、そこで衆議院では何かこの修正案を出すというようなことで、まだ委員会が決定したかどうか分りませんが、勿論この國会の経緯におきまして、この修正案が果して関係方面が同意するかどうか分りませんが、その場合における運輸当局としての態度はどうお考えになります。
#42
○國務大臣(大屋晋三君) それは政府はしばしば申上げた理由によりまして、旅客運賃のみの値上を提案いたしたのでありまするが、國会の委員会におきまして決められた一定の目標の枠の以内で貨物運賃を上げ、旅客運賃も共に並行して上げるというような御修正をなさるのは、これはもうしばしば申上げました通り、議員諸君の審議権の当然の権利でございますから、御自由に一つおやり下さつて然るべきであると考えております。
#43
○委員長(板谷順助君) 外に御質疑はありませんか……尚、この際大臣の見解を確かめて置きたいと思うのは、船舶の傭船料の問題でありまするが、これは御承知の通り、從來船を政府に貸して運営会がこれを経営しておるということでありまするので、從つてこれに対するところの使用料を貰つているわけであります。でこの度船員と修繕費は船主の手許に返りましたけれども、併し相変らずこの運営会の経営上、政府に貸してある傭船料に対して取引高税を取るような噂がある、これは先の内閣において運輸当局と大藏当局といろいろ話合いの結果、取引ではないということに決定をしておつたのでありますが、現在においても運営会の経営でありますので、何らその実態には変りがない。運輸当局としては前内閣の決定して通りこれに御同意と考えと差支えありませんですか。
#44
○國務大臣(大屋晋三君) その問題は目下大藏省と折衝をいたしておりますので、お説のように取引高税の対象にすべきではないと考えております。
#45
○委員長(板谷順助君) ちよつと速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#46
○委員長(板谷順助君) 速記を始めて。それでは本日はこれにて散会いたします。
   午後零時十一分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     板谷 順助君
   理事
           小野  哲君
   委員
           大隅 憲二君
          橋本萬右衞門君
           入交 太藏君
           飯田精太郎君
           高田  寛君
           結城 安次君
  國務大臣
   運 輸 大 臣 大屋 晋三君
  政府委員
   運輸事務官
   (大臣官房長) 芥川  治君
   運輸事務官
   (鉄道総局総務
   局長)     三木  正君
   運輸事務官
   (鉄道総局業務
   局長)     藪谷 虎芳君
   運輸事務官
   (海運総局海運
   局長)     岡田 修一君
ソース: 国立国会図書館
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