くにさくロゴ
1949/04/23 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 運輸委員会 第9号
姉妹サイト
 
1949/04/23 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 運輸委員会 第9号

#1
第005回国会 運輸委員会 第9号
昭和二十四年四月二十三日(土曜日)
   午前十時五十一分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○港則法の一部を改正する法律案(内
 閣提出)
○國有鉄道運賃法の一部を改正する法
 律案(内閣送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(板谷順助君) これより会議を開きます。港則法の一部を改正する法律案が、本委員会に付託をされましたので、この法案を議題に供します。先ず政府委員の説明を求めます。
#3
○説明員(下山定則君) 只今上程されました港則法の一部を改正する法律案について、提案理由を御説明いたします。この法律案によつて改正しようとする要点は、次の四点であります。
 その一は、繋船浮標、棧橋、岩壁その他船舶の繋留施設の管理者及び港長の事務の範囲を明確にすることであります。その二は、港内における船舶交通の安全と港内の整頓のために必要な廃物の投棄等の取締に関する規定を設けることであります。その三といたしまして、特定港にのみ限つて適用のある規定のうち所要の條項を特定港以外の港に準用するものとすることであります。その四として罰金を適当な額に改めるということであります。
 即ち現行法では、港長の錨地指定は、船舶が繋船浮標、棧橋、岩壁等の施設の繋留する場合にも及ぶこととなつているのでありまして、この場合において港長は、勿論專断的に指定するのではなく、その都度、これら施設の管理者の意向を聽いた上で指定をすることになつておりますが、かような場合、船舶はこれら施設の管理者との間の契約に基き一定の使用料を支拂つて繋留するのでありまして、一つの取引行爲に属するものであります。從つて取扱機関たる港長がかような施設への繋留についてまで全面的に命令するという形式をとることは適当ではなく、又実際においても必ずしもこの規定通りに行われているとは言えない実情にありますので、第五條等関係條文を実情に即するように改正して、これら施設の管理者と港長との間における所管事務の範囲を明確にする必要があるのであります。
 又現行法の第二十四條には港内その他日本國の水域における水質の汚濁防止については、別に法律で定める旨を規定しておりますので、昨年七月同法の施行以來種々研究をして來たのでありますが、利害の錯綜等諸種の関係から、これらの関する單行法の制定は極めて困難な実情にありますので、港則法といたしましては、同條を改正して同法の目的とする港内における船舶交通の安全と港内の整頓とを確保するために、必要な廃物の投棄等の取締に関する規定を設けることといたしたのであります。
 次に現在特定港のみに限つて適用せられることになつている規定の中には、同法施行以來の実績に徴し、例えば船舶交通阻害物件の除去に関する規定のごとく、法の目的に照らして特定港以外の港にも準用する必要のある條項がありますので、第三十七條の二の規定を設ける等の措置を講じまして、この点に関する不備を補おうとするものであります。
 最後に罰金の額が現在の経済事情の下においては適当でありませんので、この機会にこれを適正な額に改めることにいたしたのであります。以上簡單でありますが、提案理由の説明を終ります。何とぞ愼重御審議あらんことを希望いたします。
#4
○委員長(板谷順助君) ちよつと速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#5
○委員長(板谷順助君) 速記を始めて……どうですか。何か御質疑はありますか。別に御質疑がなければ質疑は後廻しにいたします。
#6
○飯田精太郎君 今度の旅客運賃の値上げの中で一番問題になりますのは、やはり定期の値上げだろうと思います。特に三ケ月と六ケ月を止めて一ケ月と同樣にしようということになりますと、六ケ月の分では二倍半くらいの値上げになり、通勤通学者には非常な打撃だろうと考えられます。それでこの負担が特に勤労階級に非常にかかつて行くので、相当これは社会的に問題になりはせんかというふうに考えるのでありますが、これらの定期の何といいますか、コストが一体どういうことになつておるか、お調べになつたものがあればお伺いしたいと思います。
#7
○政府委員(藪谷虎芳君) 現在の運賃收入支出を基礎とした原價計算から申しますと、支出一〇〇に対しまして定期運賃の收入は僅かに二六でございまして、今年度予算におきましては支出をできるだけ節約いたしまして、收入を旅客運賃六割増し、定期において三ケ月、六ケ月の賃率を廃止いたしました建前における本年度予算から見まして、五九程度に運賃値上げをいたしますれば、定期の輸送原價が是正されるのでありますが、まだこれだけ上げましても五九程度であります。
#8
○飯田精太郎君 今の定期の原價計算というものは、どういう基準でおやりになつたのかよく分らんですが、大体定期は東京とか大阪あたりの都市附近の電車区間が主であろうと思います。東京附近の省線の運轉区間の收支の何か御調査ができておりますか。
#9
○政府委員(藪谷虎芳君) 東京附近、或いは電車区間というような特殊区間につきましては收支の計算はいたしておりませんが、お手許に差上げました資料の中で、第七表をお開き下されば、本年度における定期の原價と收入がございます。現行の原價と收入もこの表にガリ版刷りで以て挿んでおります。二十四年度單位当りの收支予定表、第七表であります。これによりますと、旅客の定期が、原價が四十一銭九厘一毛、收入が二十五銭六毛その比率は先程申しました通り五九・八%であります。かように特定区間でなくして、全國に亘つて平均の單位当りの收入と支出を比較いたしまして、輸送原價に対する收入の割合を計算いたしたのであります。現行の分はガリ版で挿んでありますが、これに対して申しますと、旅客の定期が一人一キロ当り現在の運賃では五十八銭七厘の原價がかかりますが、收入は僅かに十五銭三厘であります。この比率は先程申しました通り二六%であります。
#10
○飯田精太郎君 只今のお話の定期の比較は全國的の比較でありまして、電車運轉区間だけの收支の計算になりますと、もつと收入の方がよくなつて來るんじやないかというような氣がするのであります。一番定期の値上げで打撃を蒙るのは大きな都市の附近が多いと思うのでありまして、特に住宅問題が今日のような状態の場合にこういう値上げをやられると、相当通勤のために罷めなければならんような人が出て來るんじやないかと心配するのであります。定期の賃率が非常に安過ぎるということは、もう古くからの問題でありまして、いつも社会問題を伴うために上げ得なかつたのでありますが、今回この機会に一氣にこれを是正しようということは、ちよつと時期が惡いんじやないかというような氣がしますが、この三ケ月、六ケ月というものをやはり今回の六〇%ですかに変えますと、どのくらい減收になりますか。
#11
○政府委員(藪谷虎芳君) 大体六ケ月、三ケ月据置きますと三十億程度赤字が出るわけであります。三ケ月だけを据置いて六ケ月を廃止いたしましても二十三億程度不足になります。
#12
○委員長(板谷順助君) 今藪谷政府委員の説明によると、原價五十八銭ぐらいであるが、実收入は十五銭とかというお話がありましたが、それはどういう計算でそんな数字が出るんですか。
#13
○政府委員(藪谷虎芳君) 定期收入を一人一キロ当りに割りました單位当りを出します。輸送原價におきましてはやはりその定期区間に要する旅客益の経費を單位あたりに計算いたしまして比較したものでございます。
#14
○委員長(板谷順助君) 新聞を見るというと今度パスの整理をなさるというのですが、その標準はどんなふうになりましようか。
#15
○政府委員(藪谷虎芳君) 只今部内部外共相当の数の発行を見ておりますので、先ず部内につきましては只今の原案といたしましては、家族パスを大幅に縮減をいたします。家族パスは廃止をいたしたいと考えております。それと合せて部外にも種々の事由によりまして非常に広範囲に発行されておるのでありますが、法律に基いての國会議員のパスは勿論そのままでございますが、それ以外のものは殆んど全廃いたしたい、非常に思い切つた措置を採るという方向で只今協議を進めておる次第でございます。
#16
○委員長(板谷順助君) 地方には輸送協力会というものがありますね。ああいう人々にパスが出ているようですが、あれは勿論整理なさるおつもりでしようか。
#17
○政府委員(加賀山之雄君) 只今の委員長の御指摘になりました点は輸送協力会自体を廃止いたして行く考えでございますから当然パスの問題もなくなると思います。
#18
○委員長(板谷順助君) 今までパスの発行をされた無賃パスの、まあ料金といいますか、何といいますか、それは凡そどのくらいに計算、まあ輸送の計算ですが、若し廃止された結果、その人々が利用が無くなつて將來の收入というものは、どういうような見込みですか、ちよつと見当つかんかも知れませんが。
#19
○政府委員(加賀山之雄君) これは非常にむずかしい捨定が入るわけでございまして、パスを発行しておる方が常時鉄道を利用されるとは限りませんので、必ずしも今委員長の御質問に対して明確にお答え申上げることは困難かと存ずるのでございますが、発行の枚数等から算定いたしますと、相当額に上ることは確かな点であると考えられます。
#20
○委員長(板谷順助君) 外に御質疑ありませんか。
#21
○小野哲君 ちよつと伺つて置きたいのですが、今度の六割運賃の値上げに伴うて最低運賃の問題ですが、これはやはり六割増になるのではないかと思うのですが、これがどうなつているかということと、それから細かい点になりますが、端数の処理の関係がどういうふうになるのか、旅客の予算收入には右の操作による増收を見込んでおるのかどうか、この点を第一に伺つて置きたいと思います。次は今回の昭和二十四年度の運送計画の中で、旅客の人員が掲げられておるのですが、旅客の自然増をどのくらいに見込んでおられるか、この二点について伺つておきたいと思います。
#22
○政府委員(藪谷虎芳君) 第一点の最低運賃の件は現在三円でございますが、これを六割値上げいたしますと四円八十銭でございます。これを切り上げて、今度は五円といたしたいと考えております。第二点の端数処理につきましては現行通り四捨五入いたしますので、差引何らの増收も減收もございません。旅客の自然増は例年通り大体五%程度と見るのが普通でございますが、前年もそういうふうな予想の下に一應予算は組みましたが、運賃値上げの際、結局自然増とこの値上げによる利用減差引いたしました結果、昨年は、前回の運賃値上げにおきましては五%減を見たのでありますが、結果から見ますと八%五減であります。今回はやはり如何程見ようかといろいろフアクターをとりましたが、やはり推定ガ入りますけれども、大体において一〇%の減を見ております。前回の二倍、五分五厘という値上げに比して、今回は六割値上げ程度でありまするが、先程からいろいろとお説が出ておりますように、旅客の負担率が限界点に近くなりつつある。こういうふうな事情から見まして、やはり減收は去年の実績の八割五分よりも多いであろうと、こういう予想の下に一〇%の減を見込んだ次第であります。
#23
○小野哲君 只今の政府委員の御説明によりますと、八・五%の減が結果から見て現れた。今回は大体自然増は五%を一應想定した上で、そうして一〇%減と、こういうふうに今回の予算は組まれておるのですか、どうですか。
#24
○政府委員(加賀山之雄君) 只今の御質問に対しましてお答え申上げます。御承知の通り旅客の数は人数と足と両方になりますわけでございまして、我我の計算におきましては、人キロの計算をいたしておるのでありますが、足と両方組み合わせまして、足の方はむしろ最近の事情といたしましては縮まつて來ておるという実情であります。頭数はこれは人口が増加すれば自然の趨勢で、その分だけは殖えるであろうという計算をいたしております。その両方を組み合わせまして人キロにおきましては約一%の増加になるのであります。それが今回の引上げによりまして利用減一〇%になるだろうということでありまして、先程の五%と申しましたのは人キロを合せての数字ではないわけでございます。
#25
○小野哲君 そうしますと若し今回の六割引上げをしないと仮定すれば、旅客の五%の増加あるのだとこう見ていいわけですか。
#26
○政府委員(加賀山之雄君) 昭和二十三年度の人キロに対して一%の増加でございます。値上げがなかりせばですね。そういう計算をいたしております。
#27
○小野哲君 先程飯田委員からお話があつたと思いますが、定期の問題は、相当深刻な影響を及ぼすのではないかということを私も心配するので、從つてこの問題についても、勿論從來の三ケ月、六ケ月定期の割引率が非常に多いという点は考えられるのでありますが、調整の図り方によつては、相当学生或いは勤労者に大きな影響を與えることになりますので、政府としては一挙に一ケ月定期だけにして、他は廃するという挙に出ないで、その間段階的にこれをやつて、その財源三十億なり、二十数億の不足分は他の方面から捻出するというような、お氣持はないでしようか。それを伺つて置きたい。
#28
○政府委員(加賀山之雄君) 御承知の通り、先日御審議を得ました予算案におきまして、收入を見積られるものは、勿論未だ決定になつておりませんところの鉄道路線とか、自動車路線等を除いて、雜收入も極度まで見積つておる次第でございます。それから貨物運賃におきましては、一億四千万トンの計画の数字で入つております。これは昨今の貨物輸送の状況から見ますると、鉄道の輸送力と申しますよりは、輸送貨物等の関係から見て、その達成はなかなか至難ではないかというように考えられるわけでありまして、貨物運賃の收入の面におきましても、これはそういつた樂観はできない。旅客輸送につきましてもそういうような状態でございまして、一割の減を見ておりますけれども、これも今後の経済事情なり、社会生活の状況から見まする場合に、必ずしも樂観的には見られない。こういうような状況でございまして、只今のところこの予算に組み込んでおりますところの收入以外には、他に財源を得る途は殆んど皆無と言つてもよいのではないか。勿論いろいろな過程がはつきりいたしますれば、それを而もこういつた收益勘定に使つてもよいというようなことになりますれば、これは或いは方法は皆無とは言えないかも知れないと思いますが、例えば船舶でありますとか、鉄道路線、自動車路線というものが有利に拂下げができるというふうになれば、そうしてそれが收益勘定の收益として立てることが許されるということになりますれば、その面から收入は見得るということになつております。なお念のため、旅客收入以外のいわゆる手、小荷物においても、これが今回としては限度と思つておりますし、これからの増收も、これ以上見積ることは困難であります。雜收入について申上げましても、廣告料金その他の料金、並びに鉄道の不要不急資材の拂下げ等、繰返して申しますが、極度にそれを見積つておるということを御了承願いたいと思うのであります。
#29
○小野哲君 今のお話、御尤もと思うのでありますが、今回一應成立いたしました予算では、極めて窮屈なことになつておる。そういう予算で鉄道の輸送力増強に必要な施設なり、或いは車両の整備を図るということはなかなか望み得ないということは、先般運輸次官からも御説明があつたわけでありますが、同時に歳出の面で相当合理的に節約を図ることによつて、その面から結局歳出の縮減を申しますか、そういうふうなことで、一般旅客の負担を軽減する方向に持つて行けるのではないか。例えば前回の委員会においても一應話題に上つたのでありますが、石炭の購入價格なり、購入方法というような問題が今度新らしくやり方を変えて來ることになるので、そういうふうな点から、石炭費の上に合理化が行われ得るのではないか。從つて今の予算には直接計上はされないまでも、或いは適当の時期に予算を補正することによつて、均衡を更に保つて行くような措置を講ずる、こういう考え方もできるのではないか。石炭の問題についても、尚新らしい制度によつて行われることになるわけで、これらが一体團鉄の経営合理化にどういうような影響を持つかということも檢討いたしたいという考えを持つておるのでありますが、そういうふうな点から考えて、今の予算はぎりぎり一杯で、むしろどうにもならないという状況であるけれども、今後の予算補正等の機会において、相当部分或いは分理化し得るのではないかというふうな考えがするのでありますが、こういう点についてどんなふうなお考えを持つておられるか、伺つて置きたい。
#30
○政府委員(加賀山之雄君) 收入の面ばかり申しまして、支出の面について申上げることを落したのでございますが、これも予算の御審議の時に、いろいろお考えを願つたのではないかと考えて、実は申上げなかつた次第でございますが、本年度のこの損益勘定の千百五十二億という数字は、昭和二十三年度の経費をそのまま平年度に直して計算いたしますと、千五百五十億程度になるものを千百五十二億という査定を受けておりますので、人件費は勿論のこと、物件費においても非常な削減を受けておるわけであります。その最も大きな物件費の中のものは、今御指摘になりました、石炭費と修繕費でありますが昨年度程度の修繕費を維持するには、どうしても三百三、四十億は要ろうかと思うのでありますが、今回の予算には、この國鉄の生命線ともいうべき修繕費ですら二百八十億削減せざるを得ないという状態であります。石炭費につきましても少くとも二百八十億程度以上のものがないと今後の列車増発等は非常に困難であるというように我々として考えているのでございますが、これは申すまでもなく、いわゆる石炭の使用する数量と、そのカロリーの問題があるのであります。数量自体については、本年度といたしましては、昨年度よりも一割足らず少い数量によりまして、勿論それにはカロリーも多少の上昇を得ておりますので、それと從事員の努力による節約で以て、本年度の列車計画を維持して行こうという考え方を採つておるのであります。價格の点につきましては、山元の生産者價格というものはもうコンスタントで決まつておるわけです。その後の取扱費用の面において如何に節減できるかということになるわけであります。この取扱費用は御承知の通りに配炭公團が扱つておりまして、勿論一般の最終の消費價格と國鉄の使用する石炭の價格とは差がございます。これは御承知のように國鉄の石炭は山元で取つて、大体自分の手で最終の消費地まで送るという建前を採つております関係で、ただそこにいわゆるプール平準の金額、或いは貯炭のための一部の費用、或いは金利の一部である、そういうものを國鉄の石炭にもかけておるわけです。併しながらこの取扱方の差をいろいろ嚴密に檢討して見ますと、國鉄としてこれは一般のものを被るのは不合理であろうというような分子を含んでおるのでありまして、これは只今正確に数字を覚えておりませんが、二百円程度のものがある、これを只今配炭公團と鋭意折衝中でございまいて、この折衝が済むまでは契約もいたさないということでやつておるわけです。その他の費用は一般の石炭と同樣に國対の石炭にかけられても止むを得ないというぎりぎりの数字になるわけです。それ以上の問題は運搬費自体の問題になるのですが、御承知のように機帆船で送つておつたものに対しましては、例えば若松、大阪間を比較いたしましても、國鉄運賃の五百円程度に対して千五百円という三倍程度高く、これでは國鉄の石炭費が持たないということで、これも背に腹は替えられないという意味から、止むを得ず國鉄のみずからの手で運搬をするという方策を採つて、石炭費を減らしておる次第であります。國鉄自体が減らすと共に、大藏省におきましても、國鉄がそれで計算いたしました額以上に実は査定をして來ております。從いまして國鉄といたしましては、そういうふうなぎりぎりにやりましてもやつて行けない程度の数字でございまして、それ以上は更に石炭の節約をして、それだけ数量を減らす以外に途がないというところまで行つている状態であります。
 人件費につきましては、よく問題になりますが、計算上は十二万人を削減しておる人件費、それに対する單價の計算も実は大藏省との間に多少の喰違いがございます。それから又退職資金等につきましても極く最小限のものしかないということは御承知の通りでありまして、今申上げました人件費、石炭費、修繕費という最も大きな三つの間で、これだけも約一千億円程度になる金額でございますが、これのみを以てしても今申上げたようなぎりぎりのところで、むしろ節約という観念以上に進まないと執行が困難であるという状況にある状態でございまして、收入の見積り以上に、支出の面においては非常に私は彈力性がないということを御了承を願いたいと思うのであります。
#31
○植竹春彦君 二、三の点について御質問申上げたいと思います。第一は運賃計算の技術上の面でありますが、或る駅まで切符を買いまして、その次の駅まで乘越した方が、最初から次の駅まで買うよりも、廉い場合が現にあるのであります。それはただ一つの駅の一例を取つたに過ぎないのですが、恐らくそういうことが現実に或る駅にある以上、全國的に考えますと、そういうのが沢山あろうかと思いますが、それに対して今度賃率をお定めになるときに十分合理的になさらないと、現場の取扱が非常に煩雜になつて困つております。それが第一点。
 第二点は、途中下車の制度があるために非常に現場の者が取扱上困つております。これは闇の防止の観点から出たのですが、況んや途中下車が無制限に何回も許されておるというので非常にその点が現場で困つておる声が盛んでありますので、この点についてのお考えを伺つておきたい。
 それから第三点は、利用減についての先程の他の委員からの御質問に対する御答弁でありますが、收支予算の作成上のバツフアーになつておる感があるように思われます、その收支予算の辻褄が合うように利用減を非常に少く見積つておられる感がある。これはもう少しやはり正確に推定を下して收支予算を作成になるように希望いたします。
 それから第四点は、労需物資であります。これが非常に配給が少くて職務上支障を來しておる現場が全國あちこちに認められておるようでありますが、この收支予算を嚴密にやるためには、支出を節約するためにあらゆる面において努力が必要なんでありますが、労需物資についてだけは十分に御考慮願いたいと思います。
 それから第五点は、寒冷地の越冬準備の金融について現場からあちこちで要望があるのでありますが、その点について一段と御考慮を拂つて頂きたい、こういうふうに考えます。
 それから最後に今の小野委員から質問いたされました石炭の購入價格のお話でありますが、前回の三木政府委員の御答弁にありましたごとく、三千百円で今買つておるのに、曾ては國鉄で千五百円、他の重要産業並の買入價格で購入しておつた。この点に対して前回の委員会で以て、國鉄は重要産業並の買入價格に引下げるように御努力あらんことを強く要望しておいたのでありますが、只今の加賀山政府委員の御答弁中には、その点に関しましてお伺いすることができなかつたので、その点について今一應の御説明を承わりたい。それだけであります。
#32
○政府委員(加賀山之雄君) 最初の運賃設定上の技術の問題についていろいろ御注意を頂いたのでございまするが、確かに只今その買い方によりまして、最高は十円ぐらいのものになろうかと思うのでありますが、そういう問題が出て参る次第であります。それはどういうことから起るかと申上げますと、或いは御承知かと思うのでありますけれども、端数を切上げたり切捨てたりしておるラウンド・ナンバーを採用いたすためでございます。併しながらそのために旅客が殊更にそれを非常に多く利用するというような形勢は、只今までのところそれ程顯著に出ては参つておらないのでございます。非常に金額自体が上つておりますことと、昔は一銭、二銭の差を非常に嫌つて、そういうことのないように定めたものでございますけれども、最近はそこまで丹念には実はやつておらないのでございまして、その結果そういう事態が生ずることはあるのでございます。併しながらそのためにそれをどこへ行つても合理的になるようにというようになりますと、繰上げ切捨の問題が非常に困難になりまして、運賃計算上却つて煩瑣になるのでございまして、これを目こぼしせざるを得ないという状況でございます。
 途中下車の問題は、確かに只今旅客の便宜のために途中下車を廣汎に認めておるのでございますが、これが非常に惡用されるようになりますと、その面から自然にこの制限をするという方向に出なければならないと存じておりますけれども、只今のところとしてはやはりこれは旅客の便宜を主とすべきではないかというふうに考えておる次第であります。
 次に利用減の見方がバツフアーになつておりはしないか、これをもう少し正確にというお話でございましたが、これは非常にむずかしい御注文と考えるのであります。実は五分で止めるべきか、或いは一割で済むか、或いは更に一割五分程度の利用減があるかということは、これは実を申しますと、運賃のみの事情から判定することは困難でございます。例えば主食の配給が非常に自由になりますとこの面からいたしまして利用減があるのでございます。從いまして國の万般の経済政策なり社会政策といつたものが強く響いて参りまして、況んや今後の経済事情の変動というようなことが万一にもあるといたしますと、これはとても我々の見通しのつかない問題でございます。從いまして我々の希望といたしましては、この利用減はできるだけ手堅くしておくということは考えておりますので、これを非常に窮屈に少く見積りますと、その結果予定收入が得られないで直ぐにそれだけ財源の不足ということになりまして、歳入欠陷ということを生じますので、できることならば多少の彈力性を持たせて行きたい。この一割という数字は最近の事情から見まして、又今回の値上げの率等から見まして、このまま経済事情なり社会生活事情が進むものとして、自然に來る現象がこの程度ではあるまいかという推定を以て算定をいたしております。これに科学的な根拠があると非常によろしいのでございますが、やはり如何に算定をいたしましても、寸分の差のない算定は困難ではなかろうかと考えるのでございます。
 次にいろいろ労需物資、寒冷地手当等について従事員に対していろいろ御同情を頂いたのでありますが、先程申上げました支出予算の面からいたしまして、消耗品等につきましても非常な削減でございます。そのうち大きなものは被服等の繊維製品でございますが、更に現在延ばしに延ばして、一着について四年半持たせるというところまで延ばして來ております。更にこれを半年なり一年延ばさざるを得ないのであります。被服と他の労需用物資でありますところの地下足袋、手袋等は、同じ纖維製品としての割当の中へ入りますので、そういつた労働をいたしますのに是非とも必要な手袋とか地下足袋等につきましては、極力これを二十三年度程度の数量は何とか確保いたしたいと考えておる次第であります。
 更に石炭の問題に関しましては、重要産業並の特定の價格で受入れる態勢になるということは、我々として甚だ有難いことなんでございますが、これは國の予算としてやることでありますので、他の鋼材その他のものと違いまして一應一般の價格に基いてやる。ただそれについては先程配炭公團についてお話申上げたような特殊な問題がございます。そしてその分をコストを割つておる運賃に求めるという方策が樹てられておるのでございまして、もともと國鉄は、他の如何なる方面においても補給を受けないで、自立をして行くという建前が堅く九原則に基いてとられましたために、今回は石炭費についてもそういつた措置がとり得なかつた次第であります。これは考えようでございますが、これができれば旅客運賃が下げられるのではないかということになるわけでございます。これは一般國策といたしまして、そのいずれをとるのがよろしいかという問題で以て総合的に決定せらるべきであり、又そういう見地から決定せられたというように我々は考えておる次第であります。
#33
○委員長(板谷順助君) 海運局長が見えておられますが……。それじや私から海運局長に対して質問をいたしたいのですが、二十四年度の鉄道におけるところの輸送計画は昨日業務局長より承わつたのでありますが、海運に関する二十四年度の輸送計画、これを先ず第一に承つておきたいと思うのであります。
#34
○政府委員(岡田修一君) 二十四年度の輸送計画でございますが、内航貨物におきまして約一千六百万トン、外航貨物におきまして三百万トン、合計一千九百万トンを予定しております。
#35
○委員長(板谷順助君) 昨年と比較してどうですか。
#36
○政府委員(岡田修一君) 二十三年度におきましては、内航貨物が一千二百十万トン、外航貨物が二百七十万トン、合計一千四百八十万トンになつております。それに対する実績は内航貨物におきまして約千三百五十万トン、それから外航貨物におきましてほぼ計画に近い数字を出しております。合計千六百万トンくらいが実績でございます。
#37
○委員長(板谷順助君) 昨年度に比較して本年度は輸送力の減つておるのはどういうわけですか。昨年度は内航は千二百十万トンですか、然るに二十四年度は千……。
#38
○政府委員(岡田修一君) 千六百万トンです。
#39
○委員長(板谷順助君) そうすると昨日は鉄道の輸送計画につきましては一億四千万トン、そこで問題は、現在の滯貨が七、八十万トンぐらいである。先年は三百二、三十万トンであつたものが非常に現在の滯貨は減つておるというような関係から、本年における鉄道の輸送計画としては、新車を幾らでしたかね……。
#40
○政府委員(藪谷虎芳君) 千七百両……。
#41
○委員長(板谷順助君) 修繕も徹底的にやるということであつて、貨物運賃がそのまま引上げられないということになると、できるだけ独立採算制の確立のために鉄道に大部分の荷物が移るという傾向があります。そこで海運としてはどういうふうなそれに対する対策をお持ちになつておるのですか。
#42
○政府委員(岡田修一君) 前の、二十四年度の計画は只今申上げた通りでありますが、この四月の輸送計画について見ますと、年度予定計画というものは外航貨物と内航貨物を合せて百五十万トンを予定しておるのでありますが、それに対しまして実行計画は内外合せて約百二十万トンであります。約三十万トンが計画よりも少いのであります。でそのうち鉄道の方に轉移したと考えられるものが草炭約四万トン、紙パルプ、鉄鉱石、硫化鉱などが約一万五千トン、その他まだ調査が十分行つていないものを推定しますと約六万トン程度のものが、水上から陸上の方へ轉移しておるのではないかとかように推定しております。この陸上的轉移の傾向は今後更に激しくなるのではないかと、かように憂慮いたしております。これに対する私共の対策といたしましては、根本的に海陸運賃の是正、こういう問題があるわけでありますが、一應現在の汽船運賃につきましてはその設定のときにおいて鉄道運賃を考えてそれに見合つた運賃というので設定しております。併しながら実際問題として運賃以外の諸掛が非常に鉄道で運ぶ場合よりも高い、或いは荷物の数量の関係、取扱の便宜の関係、或いは荷足等の関係よりしてどうしても鉄道の方へ轉移する傾向が強いのであります。更にこの傾向を阻止するためには運賃諸掛を、実際の経費において鉄道と汽船の間の、より一層の調整が必要であるとかように考えるのであります。
 この点につきましては関係方面に対しても十分折衝すると同時に内海方面への御協力をお願いしております。尚一般的にまだ荷主方面に対して何と言いますか、小さい汽船を利用するという方面の周知が徹底していないのではないか、その点十分荷主側とより一層緊密なる連絡を取つて汽船利用についての荷主側のより一層の便宜を考えて、汽船に対する貨物の増加運動を強力に展開したい、かように考えております。
#43
○委員長(板谷順助君) 尚海陸運賃の調整について何が対策をお考えになつておりますか。
#44
○政府委員(岡田修一君) 海陸運賃の調整につきましては、私共としては鉄道も汽船も共に採算ベースに立つ運賃を実施するようにして行きたい、かように考えるのであります。そうしました場合に鉄道の方では採算ベースに達するまでには、約二・三倍の引上を必要といるというふうに聞いております。汽船につきましては現在の船舶運営会の國庫補助の金額からいたしまして、内航貨物について約八割程度を引上げると採算に達するわけであります。從つてそこに約五割の鉄道運賃との開きが出て來るわけで、これだけの開きができますと汽船の運賃は鉄道の運賃に対して相当の有利性といいますか、利用する側において汽船を利用し易い運賃並びに諸掛の状況が出て來る、かように考えます。
 特に私共希望いたしますのは、汽船と鉄道の運賃の間の調整という点よりは現在一番問題になつております、機帆船運賃との間の関係であります。機帆船運賃は現在何ら國庫から援助を受けることなしに眞に採算ベースに立つてやつておる、その結果汽船並びに鉄道の運賃に対して約三倍に近い運賃に相成つております。今鉄道並びに汽船運賃がそれぞれ採算ベースに立つた運賃を実施されるならば、機帆船は未だ多少それらの採算ベースの運賃に対して高位にあつても、その経営の状況が非常に彈力性がありますので、その彈力性によつて十分汽船並びに鉄道とフエアな競爭をなる得る、かように考えております。而してこの汽船並びに鉄道の運賃の引上につきましては、物價に影響するという点におきまして、関係方面その他いろいろ意見があるようでございまするが、私共物價に対する運賃の引上げが、物價に対する影響を遮断するという一つの考えとして、鉄道並びに汽船運賃引上げによつて得られたその増收の額を特別の運賃調整基金として積み立て、それをその運賃引上げによつて影響を受ける物資のうち、特に安定帶物資として價格の安定を期せなければならんものに対する國家の補給金として、その基金から貸出す、こういうふうな考えで実行できないものかと、かように考えておるのであります。これは併し一つの大きな政策でございまするので、ただ私共海運総局の者の一つの單なる私見の域を脱しないわけでございまして、これが実行に至りますかどうか、今後関係の皆樣方の御檢討に俟たなければならないとかように考えておるのであります。
#45
○委員長(板谷順助君) 今お話の対策は何か具体的のものができておりますか、お持ちになつておりますか、又具体的にこの委員会に報告を願われますか。
#46
○政府委員(岡田修一君) まだ具体的な案というまでには至つていないのでございます。海運総局の関係の間でよりより檢討中のことでございます。
#47
○委員長(板谷順助君) 若し具体的な案ができるならば、この委員会に一つ御提出を願いたいと思います。参考になりますから……。どうですか外に……。
#48
○小野哲君 今海運局長からお話がありましたが、海陸の輸送調整の問題は、行政的な措置によつてやる場合と、運賃調整によつてやる場合と二通りあるわけでございますが、なかなか行政的措置というものを困難である。從つて運賃の面から調整して行かなければならない。要は海陸の総合計画というものがやはりなければならないと思うので、海賃調整の点もそういう観点から考えて行かなければならない、かように思うわけです。今後新らしい機構によつて運輸省の仕事が始められることになるわけでありますが、そういうふうな点についてのやりは一つの考え方を以て進められることが極めて望ましいと思う。又本委員会でも海陸の総合計画を立てて行く場合において、運賃の調整をどうかるかというような点を十分檢討する必要があろうかとかように考えます。
 尚ついでに岡田さんにちよつと伺つて置きたいと思うのですが、先だつて頂きました資料の中で、さつきもお話がありましたが、昭和二十三年度における汽船輸送計画は、千四百八十万トン、内航が千二百十万トン、外航が二百七十万トン、こういうふうな数字が出ておるのですが、外航の占める割合が極めて少いこの資料によりますと、昨年からペルシア湾の油の積み取りでありますとか、フイリツピンの鉱石、或いはインド炭の積取りなどで外航も追い追いと拡充されて來ておるようでありますが、國際收支の改善の立場から申しましても、できるだけ外航配船をして行くように、その機会を與えられるようにしなければならんと思うのでありますが、本年度は大体どういうふうなお見通とになつておりますか。ついでに伺つて置きたいと思います。今私の伺う数字は單に外航、内航というばかりじやなくして、外航の中で特に昨年から行われておる外航配給ですね、輸出入関係の物資に直接日本船が当つておるもの、又どの程度まで当り得るお見込があるか。この点を伺いたいと思います。
#49
○政府委員(岡田修一君) 現在日本船で外航に出ておりまする主なものは、只今お話のありましたバーレインからの油の輸入、それからフイリツピンからの鉄鋼石、更にインドからのコーキングコール、それから最近におきましてはシヤム米の輸送でございます。バーレインからの油の輸入につきましては大体本年度は日本船の活用し得る限り持つて來るということになつておりまして、大体六十五万トンを予定されております。勿論この中にはバンカーがありますから、バンカーを差引きますと五十八万トンくらいに相成ります。それからフイリツピンの鉄鋼石は二十万トンのうち十万トンが今輸送に從事しておるところでございます。これはすでに実行しておりまして、大部分のものを持つて來ておるわけでございます。更にシヤムの米につきましては五万トンが日本船で運ばれておるということになつておりまして、すでに第三船が積取りに出ております。インドのコーキングコールにつきましては、これは数量は極く僅かでございまして、日本船を一隻配給いたしました。今度どういうものを対象にするかということでありまするが、いろいろ話もございまして、一部殆んど決定に至つておるのもあるのでございまするが、これはまだ非常にデリケートな関係にございまするので、ここで申上げるわけには行かないと思うのでございますが、私共といたしましては只今申上げましたように、内航貨物におきましては非常に海上の運送が不振である。今年度の日本の経済の見通しからいいましてもこの荷物の増加は余り期待できない、相当の船腹の余裕が出て來るものとかように考えておりますので、この船腹を消化いたしますために、どうしても外航貨物にこの船を廻すようにいたさなければならない、こう考えまして鋭意その方面の解決に向つておるのでございます。その面に対しまして、私共としては相当明るい希望を持つておるのでございますが、その点はつきりと申上げかねる次第であります。
#50
○委員長(板谷順助君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時十一分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     板谷 順助君
   理事
           小野  哲君
   委員
           植竹 春彦君
           大隅 憲二君
          橋本萬右衞門君
           入交 太藏君
           飯田精太郎君
           結城 安次君
  政府委員
   運輸事務官
   (鉄道総局長
   官)      加賀山之雄君
   運輸事務官
   (鉄道総局業務
   局長)     藪谷 虎芳君
   運輸事務官
   (海運総局海運
   局長)     岡田 修一君
  説明員
   運 輸 次 官 下山 定則君
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト