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1949/04/26 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 運輸委員会 第11号
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1949/04/26 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 運輸委員会 第11号

#1
第005回国会 運輸委員会 第11号
昭和二十四年四月二十六日(火曜日)
   午前十時三十九分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○航路標識法案(内閣提出)
○港則法の一部を改正する法律案(内
 閣提出)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(板谷順助君) これより会議を開きます。本委員会に航路標識法案が付託になつております、これを議題に供します。先ず政府委員の御説明を願います。
#3
○政府委員(加藤常太郎君) 只今委員長からお話のありました航路標識法案の提案理由を御説明いたしたいと存じます。
 從來航路標識に関する法令としては、明治二十一年に制定された勅令の「航路標識條例」というのがありますが、これは旧憲法施行前のものであり、新憲法が施行になつた今日の法令体制上形式的にも甚だ現代に不相應なものでありますし、その内容においても現情勢に適應しないものでありますので、船舶交通の安全を確保し、船舶の運航能率の向上に資するため、航路標識の設置、維持及び運営に関する新たな法律を制定する必要があります。これが航路標識法案を國会に提出する理由であります。本法案は、航路標識條例に全面的な改正を加え種々の新らして規定を折込んだものでありますが、その内容の要点は次のごとくであります。
 一、法律の目的及び航路標識という用語の定義のついての規定を設けました。二、航路標識の設置及び管理は、原則として海上保安廳において行うこととしました。三、海上保安廳以外のものにも、自己の業務のためにのみ使用する場合等の事由があるときは、海上保安廳長官の許可の下に、航路標識の設置及び管理を認めることとしました。四、海上保安廳長官は、海上保安廳以外のものが設置した航路標識についても監督権を有し、その所在者又は管理者に対し、必要があると認めるときは、その修理、改善、移転、撤去等の措置を命ずることができることとし、特に必要があるときは、直接に管理し又は收用することができる。五、航路標識の現状に変更があつたときは、海上保安廳長官はそれについての告示を発する旨の規定を置きました。六、航路標識の事故を内見した者に、これを海上保安廳の事務所に通報すべき義務を課すこととしました。七、航路標識の保全のため、類似燈火又は音響の使用を制限し障課となる工事若しくは作業又は植物の植栽に対する制限をし、航路標識を損傷する虞れのある行爲を禁止する等の規定を置きました。八、損失補償についての規定を設け、廳問及び請願の制度を規定して私人の権利の制限に対し愼重を期しました。九、罰金額を現代に相應したものに改めました。以上簡單でありますが提案理由の御説明を終ります。何とぞ愼重御審議あらんことをお願いいたします。
#4
○委員長(板谷順助君) 本案に対する質疑は後廻しにいたします。
  ―――――――――――――
#5
○委員長(板谷順助君) 次に港則法の一部を改正する法律案を議題に供します。これに対して質疑はありませんか。ありましたらどうぞ。
#6
○丹羽五郎君 今日やりますか。
#7
○委員長(板谷順助君) ええ、今日片附けて衆議院に廻してしまいたいと思います。若し研究の面で質疑があるようであつたら必ずしも今日やる必要はないんですが……
#8
○丹羽五郎君 現在港長は何名ぐらいあるのか一應お尋ねしたいと思います。
#9
○政府委員(大久保武雄君) 現在この港則法は港域法の定めておりますところの四百十八港に対して適用されております。その中で特定港五十六港に港長を置くという建前に相成つております。
#10
○丹羽五郎君 この港則法の改正をいたしまして、將來港長を増減するという政府に意図はあるのですか。
#11
○政府委員(大久保武雄君) 只今港長の定員につきましては、予算上なかなか完全なる充足すらできないような状態でございまして、一部の港におきましては、海上保安廳の出先機関の職員をして港長を兼任させるという措置も取りまして、海上保安廳の本來の行政と、港の安全に関する警察行政とか両々円滑に進捗いたしますような便宜的な手段を取つておりますような次第でございます。
#12
○小野哲君 港則法の一部をこの際改正する場合に、特定港の外にもこれを準用するということになるのですが、この法律施行に伴なつて経費はどういうふうになつておりますか、伺つて置きたいと思います。
#13
○政府委員(大久保武雄君) 港則法の港長制度に伴う事務所設置に関する議経筒は一應計上せられてございまするが、本法施行によつて特段の設備費その他を要するという次第ではないのでございます。
#14
○委員長(板谷順助君) 例えば小樽の港ですね。港内が非常にどうも汚い、掃除しろというようなことを関係方面から命令された場合においては、市の負担においてやつておるというような実例もあるのですが、その区別は一体どうなるのですか。大隅さん、横須賀港あたりの掃除はどうしておりますか。
#15
○大隅憲二君 清掃ですか、まだやつていません。
#16
○委員長(板谷順助君) やつていませんか。國がやるのか、或いは市がやるのか、それがはつきりしない。関係方面から命令するのだからどうもしようがない。
#17
○政府委員(大久保武雄君) 今度港内の水質汚濁に防止に関する規定を設けておりますが、從來はそういう規定もございませんので、殆んど海上保安廳といたしましても、手を着ける方法もなかつた次第でございますが、今後におきましては、水質汚濁、例えば塵芥の捨場といつたような場合におきましては、港内におけるごみ船を利用して、そうしてこれを捨てさせるということができまするし、この場合におきましては、ごみ船の経営者との間の一つの協定になるものと存じます。尚又不当に石炭から等を投棄いたしまして、非常に港の安全を害するといつたような事態を起しました場合におきましては、故意にそういう措置をやりました者に対しまして、原状を回復せしめるという措置は、海上保安廳として強制できることになつております。
#18
○小野哲君 只今の政府委員の説明によりますと、この港則法の改正に伴う経費は、主として施設費にあるように伺つたのですが、從つて今委員長からもお話になりました港内の清掃等に要するための費用は、この改正法の中にも必要な措置をしなければいけない。こういうことになつておりますので、これは恐らく義務費になつて來るのではないか、こう思うので、從つて、これらの経費が二十四年度の予算にどの程度計上されているか、そうでなければこの改正法律案が成立いたしましても、なかなか実行は困難であり、同時に海上保安廳の経費の中から支弁するのか、或いは又当該港湾の種類によりましては、國の直轄のものもあるし、或いは又地方公共團体のものもあるし、いろいろと種類があるだろうと思うので、從つて経費の負担個所も区々になるのではないか、こういうふうな点を見通しをつけて、この改正法律を実施されるのか、この点を更に伺つて置きます。
#19
○政府委員(大久保武雄君) 港長といたしましては、港の清潔、整頓等に関する一つの交通警察的な行爲をいたします機関でありますので、港長側の経費といたしましては、さような費用は見込んでいないのでございます。それぞれその港の経営者、或いは港の清潔、整頓に関する阻害行爲を行いました者に対する一つの法律に基く原状回復の強制といつたような面からいたしまして、港を維持して哲く、かような筋合いになるものと存じておる次第でございます。
#20
○丹羽五郎君 今度の港則法の改正によりますると、特定港以外にも港長の権限をそれに付與するようになつておりますが、そうしますると、地方警察との関係は、特定港であれば港長によつて港内の処理その他ができますが、特定港以外にもこれを及ぼすということになつて來ると、地方警察との間における職域上の分岐点が、私ははつきりしないように考えておりますが、その点はどうなんですか。
#21
○政府委員(大久保武雄君) 陸上の警察と港長との権限の地域的分配でございますが、この点に関しましては、海上保安廳法に基きまして、港、湾、海峽その他の地域と、沿岸水域ということに相成つておりまして、その港がどの範囲でありますかということは、別に港域法でこれを定めることに相成つておる次第でございます。そこで港域法におきましてそれぞれ從來の実情等も勘案いたしまして、各港にそれぞれ具体的に港の範囲を設定をいたしております次第でございます。そこで港域法によつて設定せられました港の領域に関しましては、海上保安廳並びに海上保安廳の機関でありますところの港長の権限が法律的に設定になる、かように相成る次第でございます。
#22
○委員長(板谷順助君) どうも今小野委員の質問に対する答弁が納得ができませんが、「船舶は、特定港内において、前項に規定する廃物を処理しようとするときは、命令の定める標識を附したごみ船であつて」これは勿論その海上保安廳が直轄のごみ船なんでしような。
#23
○政府委員(大久保武雄君) ごみ船は、私共は特定のごみ船という考えでございませんので、おのおのそういつたごみ船の一つの事業体というものがございまして、まあそれと船舶との間の一つの契約行爲と、かように想定をいたしております次第でございます。
#24
○委員長(板谷順助君) どうもそいつが分らんな。ごみ般というものは、つまり何ですね、清掃の目的を達するためにこれを処理する、勿論この取締はいわゆる取締規則であつて、予算が伴うのでないようなお話であるが、大体特定の港を清掃する場合において、誰が捨てたか分らんようなごみが沢山ある、例えば川から流れて來るものもあるだろうし、そういうものは、それは何ですか、例えば特定の港の仕事か、そういう港の地方の自治体に委すというお考えなんですか。そこがはつきりしませんが……
#25
○政府委員(大久保武雄君) 只今委員長のお尋ねは至極お尤もでございまして、実はこの清掃、汚濁防止に関しましては、関係の面が複雜をいたしておりまして、例えば厚生省の方の衞生的な見地からいたしましても、又府縣の河川の取締の面からいたしましても、これらの面を総合しました塵芥その他の取締というものをどうするかということは、更に相当廣範囲な檢討を要する面もあるのでございます。ただこの港長関係の職務といたしましては、一應そういう塵芥に関しまして、濫りにこれを投棄することせ制限をするという一つの事項に止めまして、これを処理する事業自体を、或いは業者が営みますか、或いは府縣が処置をいたしますか、その辺の点につきましては別に触れていないということが現在の採つております処置でございます。
#26
○委員長(板谷順助君) けれどもそれに触れておらなかつたら法律にならないじやないですか。それをはつきりしなければ……どうですか、大隅君、あなたの方の横須賀あたりの現況はどうですか。
#27
○大隅憲二君 横須賀あたりの現況は、これは清掃をやらなければいかんが、なかなか費用が……
#28
○委員長(板谷順助君) 誰の責任においてやるかという問題です。
#29
○大隅憲二君 只今のところ決まつておらんです。
#30
○委員長(板谷順助君) 縣がやるならなつてもいいし、これは誰がやるか……
#31
○小野哲君 実は私から経費の問題を伺つたのはもう一つ実は関係がありますので伺つたのですが、從來沈船の問題が港内においては非常に重要な問題であるし、港路閉塞するためにいろいろの問題が生ずる虞れがあるのですが、今回の港則法の改正法律の中には、沈船の問題は全然触れておられない。ただバラストとか廃油、石炭から、ごみその他については廃物を捨ててはならん、こういうことになつておりますが、又捨てた者についての処理についても尚もう少し伺わなければならん点があるのですが、只今委員長からも御指摘になつたのでありますが、これに関連して沈船の問題はどこで取扱われ、又この法則法の関係においてはどういうふうなお考えを持つておられるのか、沈船の問題についてもこれを伺つて置きたいと思います。
#32
○政府委員(大久保武雄君) 只今小野委員のお尋ねの港湾等における沈船の処理、航路警戒という問題は非常に重要な問題でございまして、この点につきましては本年度予算におきましても関門並びに瀬戸内海における航路筋の沈船の航路警戒に対しましては約八千万円、正確に申しますと七千九百九十六万円余の予算を組んでおりまして、これによりまして航路筋の警戒を行なつておる次第であります。それから尚合せまして、先程委員長並びに小野委員からお尋ねの、塵芥、バラスト等の投棄におきましてはごみ船等を差向けまして、極力それに積込ませるという処置を採るのでございますが、更にそういう船がないという場合におきましては、港長の指定する適当な場合にこれを捨てさせるといつたようなことにいたして、万全を期したいと考えておる次第であります。
#33
○小野哲君 沈船については関門、瀬戸内海において、その処理のために八千万円程度の予算が計上されておるということを伺つたのですが、私の伺つておることは、どこが責任を以てやるのか、並びにこの関門、瀬戸内海等についての予算の計上は他の港についても同樣のことがあるのじやないか、從つて政府は先ず差当り関門、瀬戸内海のために予算を計上されておるのか、その他の港において沈船等のあつた場合においてはどういうふうに処理をされるのか、尚この港則法の精神から考えますと、ごみ、石炭からのような廃物の問題については関心を拂つておるように見受けるのですが、それならば沈船の問題についても、この法律の中で処理することを規定すべきではないか、航路の警戒については、石炭から、ごみよりもむしろ沈船の問題が大きな問題になつておるので、なぜこういうことをこの改正法律案の中にお触れにならなかつたか、これらの点についても理由を伺つて置きたいと、かように思います。
#34
○政府委員(大久保武雄君) 沈船の処理に関しましては、ポツダム勅令に基きまして運輸省令四十号を出しまして、それに基きまして、航路筋における沈船或いはその他の地域における沈船の引揚げ処置をやつておりますといつた状態でございます。
#35
○丹羽五郎君 この改正法のうちで船舶運営上一番重大な点は二十四條の第三項「港内又は港の境界附近において、石炭、石、れんがその他散乱する虞のある物を船舶に積み、又は船舶から卸そうとする者は、これらの物が水面に脱落するのを防ぐため必要な措置をしなければならない。」現在は艀から本船を石炭を積み、本船から艀に石炭を卸すというような方法をやつております。むろん岩壁から直接に石炭を積み卸しておるところもございますが、大部分は本船から艀に石炭を積み卸すというような方法でやつておりますから、その脱落を防ぐために必要な措置と思いますが、これはこの改正法律において政府は何か特別に機械裝置でもしなければならんという構想を以て、この法律案を立案されたのでありますか。現在の荷役の方法程度でいいのではないかと思います。若しここで何か特別の措置か、設備をしなければならんということになると、これは非常に船舶運営の上において大きな問題が起つて來ると思いますので、その点を伺います。
#36
○政府委員(大久保武雄君) 只今丹羽委員の御質問は要するに施設並びに船舶の現状からいたしますれば御尤もな次第でございまして、現在の船舶及び荷役施設に直ちに完璧なる脱落防止措置をせよと申しましても、これはなかなか経済的の実体、その他からいたしまして困難な註文になつて参ります次第であります。そこで現在の諸般の情勢に照らしまして、その措置を極力講じて頂くということにいたしまして、まあ二十四條の第一項にございますように、濫りに捨てないということであれば、一應当分の間は默可するという考えで行かなければならん。かように考えております次第であります。
#37
○丹羽五郎君 そうすると現在の石炭の荷役の方法程度でいいということですね。現在石炭を本船から艀に、艀から本船に板す場合に脱落があるのですが、その場合、許可を中止されるということは、別に政府としては考えておらない。ただ濫りにという程度を、この法の精神として見ていいというわけですか。
#38
○政府委員(大久保武雄君) 只今の諸般の情勢から見ますと、條理に照しまして措置をして行くという以外にはないと思います。運用よろしきを得たいと思います。
#39
○委員長(板谷順助君) どうも、併しなんですね。この法律は要するに取締りだけの問題であつて、港内の清掃ということについて、成る程これは保安上できるだけ捨てないように監視をする。或いは犯した者はこれに罰則を加えるというようなことであるけれども、一面又港を綺麗にするということは関係方面からのやかましい問題でこれができるのではないかと思いますが、こういう船は、或いは民間にやらせるという場合があるとしても、果して引合うかどうか分らない。從つて若し引合わない場合においてはこれに補助をやらなければならんという問題が起るわけですが、このごみ船というやつを保安廳が直轄をしてやるというだけの決意がなければ私はその目的を達することができないと思いますが、その点についての見当はどうでしようか。
#40
○政府委員(大久保武雄君) 只今のところ、保安廳は勿論補助をするところまで考えておりませんが、これは今後厚生省、或いは府縣その他関係の機関もございますので、それぞれの関係機関と十分協議をいたしまして、極力法律の実体を考慮されますような措置を講じて行きたいと考えております。
#41
○委員長(板谷順助君) どうでしようか。今の政府委員の答弁で、それでよろしうございますか。
#42
○小野哲君 そうしますと、この法律案の精神から言いますと、大体港内の、まあ平たく言えば、清掃の問題でしようが、これは海上保安廳が責任を持たれると同時に、又沈船が仮に生じた場合に、その引揚等については、海上保安廳が責任を取る。こういうように了解してもよろしうございますか。
#43
○政府委員(大久保武雄君) 港湾の清掃に関しましては、水衆汚濁の防止に関する限り、海上保安廳が責任を持つ次第であります。尚又沈船に関しましては、海上保安廳が責任を持つ範囲は、航路の障害になつておる沈船に関してでございまして、一般の沈船を船舶の操業の見地から処理するといつた場合におきましては、これは運運省の海運総局の系統の責任である。かように存じております。
#44
○小野哲君 只今の御説明によれば、この一般のものについては、勿論運輸省としての海運総局の当該主管局で責任を取るであろうと思いますが、港内において生じた場合は、大体その航路に関する責任があるのではないか。例えば瀬戸内海とか、廣い水面じやなくして、港内の場合においては、海上保安廳が責任を取られる場合が多いのではないか、こういうように想像するのですが、そのような場合の経費は、予め予算に計上されておるのですか。或いはその都度予備費等からこれを支出されるのか、從來私がかようなことを申上げるのは、港内における沈船のあるために、非常に航路が閉ざされた結果、困つた状態が戰時中以來、戰時中においても見受けられるのです。而もその引揚げの責任者というものがないために、荏苒放棄されておる。こういうような事情を私自身経驗をして來たわけなんです。從つて港内の清掃は、この法律に定められておるようなものを清掃しなければならんという場合もありますが、やはり沈船の問題が相当大きな支障を與える虞れがあるのではないか。それでこの改正法律案を見ますると、そういうような点が全然予想されておらない。こういう感じを受けるので、先程來この点に関する質問を実はいたしておつたような次第であります。同時に又経費の負担の問題にいたしましても、海上保安廳が責任があるとするならば、やはり海上保安廳の経費として、この法律を御出しになる限りにおいては、予算に計上するという取扱をされるべきじやないか。若し先程お話になつたように、原状回復のための義務を持つておる者に負担させるというような方針で行くか、或いは当該地方公共團体、管理者である地方公共團体にこれを負担させるかというようなことも明確にする必要があるのではないか。地方財政等の関係から申しましても、なかなか地方の負担というものは困難な事情があるので、若し海上保安廳が地方に委せると、或いは原状回復義務者に委せるということになると、余程取締の上で督励をされなければ、実現は困難であるし、從つてこの改正法案の趣旨を達成することが困難なことになるのじやないか。こういう点が懸念されますので、こういうような点について、はつきり政府委員から御答弁を伺つて置きたいと、かように思う次第であります。
#45
○政府委員(大久保武雄君) 只今小野委員の御質問御尤もであります。港内におきまする沈船は、比較的に航路障害を起す場合が多いだろうと存じております。ただ港域法によりまする港と申しますものは、非常に割合に廣く設定いたされております。航路障害を全然起さないと感ぜられます場合、例外的にそういう例もあり得る次第でありますが、多くの場合は、やはり港内沈船には、航路障害が多かろうと存ずる次第であります。そこで只今の御質問の通り、沈船の引揚げに当りましては、どうしてもやはりこの引揚業者が採算上引揚げられないという場合が起り得る次第でございまして、この場合におきましては、どうしても航海の安全のためには、國家が補助をして、これを揚げさせるという以外には別に方法はない次第であります。かような次第でありまして、先程御説明申上げました、約八千万円の航路警戒費は、どうしても揚げなければならん航路中での沈船を揚げると、かような経費でございます。そこで新らしく沈船が起りまして、そうしてそれが急速に揚げなければならんという場合におきましては、或いはその船舶の所有者と引揚業者との間の一つの契約関係において処理できるという場合におきましては、その辺に委してよろしいかと存ずる次第でありますが、それがどうしても困難であるといつた場合におきましては、或いは國費で補助をすると、その場合においては、或いは予備金その他國における予算の措置を待ちまして、急速な措置を講ずるということが考えられる。かように存ずる次第であります。
#46
○委員長(板谷順助君) 今の小野委員の質問の要点は、船を引揚げて物にするという方面と、或いは港内の沈船のために、航路の安全を害するという、港内におけるところの港湾を維持する、いわゆる清掃でやるというような目的であるならば、これに対して、運輸省の今沈船は責任においてやるというようなお話だけれども、それにはあなた方との連絡がつかなければならん。それをどういうふうに連絡が一体ついておりますか。
#47
○政府委員(大久保武雄君) 只今委員長のお尋ねは、誠に双方の連絡を要する事項でございまして、この点に関しましては、先般來運輸省に沈船処理委員会を設置いたされております。この沈船処理委員会で航路警戒上必要なもの、或いは船腹増強上必要なもの、そういうものをそれぞれ見合いまして、必要なる順位を附しまして、沈船の引揚げに当つておりますような次第でございます。
#48
○委員長(板谷順助君) それからこの法律は、成る程取締りであつてできるだけ港内を綺麗にしよう、或いは炭殻なりその他捨てたものがあつたらそれを見付けて取締るというのであるけれども、併しこれではその目的を達することはできない。港内の清掃ということについては……であるから、厚生省その他といろいろ御相談になるということであるけれども、一体港内を綺麗にするということについては、私は先の北海道における一例も申上げたようなわけでありますが、一体その責任の所在というものは明らかではない。誰が捨てたとか、誰がどうしたとか、分らないということになると、結局海上保安廳がごみ船を直轄にするというか、とにかく保安廳の責任において港を綺麗にする何らの方法を講ぜざる限りは、目的を達することはできないと僕は思うのです。どうです。
#49
○政府委員(大久保武雄君) 海上保安廳はやはり取締機関でございますために、建前といたしましてはごみ船は、或いは業者に持たせるか、或いは港の経営管理者にこれを持つことを極力慫慂いたしまして、法律の目的に副いますように勧めて参りたい、かように存じております。
#50
○委員長(板谷順助君) どうもうまく行かない。どうですか、外にお尋ねはありませんか。
#51
○大隅憲二君 この船舶の航行を安全にするために、清掃問題が起つているんですが、横須賀港あたりの場合は、非常に民間で清掃希望をしている人がある。これはなぜかといいますと、相当金目のものがその軍港当時に入つておつた。從つてこれは清掃すると相当な利益がある。こういうことを狙つて清掃を希望している人があるのであります。ですからこの若し港内の清掃という場合には、港によつては相当な、清掃をして利益が挙る。こういうようなことが港によつてあると私は考えます。從つて今清掃問題が非常に論点になつておる。今政府委員の御説明では、どこに責任があるか、これははつきりしない。場合によつてこれは許可をすれば相当に民間で希望しておる人があると考えておりますから、こういうことを政府委員の方では何か考えておるか、聞きたいと思います。
#52
○政府委員(大久保武雄君) 御質問の通り非常にそういう事態があるのでございます。そこで沈沒しております石炭その他を渫うと言いました場合におきましては、やはり港内におきましては、相当船舶の交通と関係がございますので、港長がこれを承認を與えまして、統制を取りつつ清掃に当る、かような措置を取ることに相成つております次第であります。
#53
○委員長(板谷順助君) それは大隅君、例えば石炭だとか、そういうようなものはわざと落す。けれどもそれは海の底にあるやつを渫うという、今あなたのお説のように、そういうものはあるけども、大体あなた、表面に流れておるのはごみだ、いろいろなごみだ。これは金目のものじやない。これは誰が投げたか分らない。それでやはり関係方面が命令して、これをすつかり綺麗にしよう、こういうのです。その費用を從來はまあ市が負担しておるというようなことになつておるけれども、併し港の安全の上において、地方財政が非常に困難であるからして、それのごみ船を保安廳の責任においてやつたらどうだという、それは僕の私案なんだ。やれと言つてもやれやしないですよ。
#54
○大隅憲二君 金がないからなかなかやれませんよ。
#55
○委員長(板谷順助君) 併しそれはできるだけ何か方法をお講じにならなければ、取締ばかりじやなく、港を綺麗にするという目的に副うように一つお考えを願いたい。
#56
○政府委員(大久保武雄君) 先般來御質問の、港内清掃に関する責任の分界が不明解であるという御趣旨は誠に御尤もでございまして、この点は現在における港湾の経営体が先般も御質問がありましたように、非常に錯綜をいたしておりまして、そこでこの港長は取締交通安全の交通警察的取締面から出ておりまする行政期関であり、その線の法律でございます。そこで港の経営者がその施設を整頓して維持して行くという面の一つの法律体系というのは、まあ申せば、港湾法とでも申しますか、そういつた系統の法律案においても或る程度調整しなければならない問題であろうと存ずる次第でございます。この点に関しましては非常に廣汎な諸問題を含んでおりまして、まだ私共の方の所管外ではございまするけれども、政府としまして一致しました意見ができておりませんために、徹底的に明確になつておりません点は御了承願いたいと思う次第であります。
#57
○委員長(板谷順助君) ちよつと速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#58
○委員長(板谷順助君) 速記を始めて。
#59
○説明員(猪口猛夫君) 簡單に、今問題になつております港内清掃の点につきまして申上げますと、港を経営しております港の管理経営者が、自分でその港内を綺麗にするように清掃手段を講じておるということは御承知と思います。例えば港の中にガーベージ・ボートと言いまして塵芥船なんかが、市又は縣で準備されておりまして、それが船から出ますところのごみ、或いは臨港地帶から出ますごみをその船に積み込みまして、港長の指定する境界外に遠くの方に棄てるというのは御了承のことと思います。併し御承知のように不可抗力的な事由によりまして、港内が不潔になるとか、或いは港内の諸水路が阻害されるというようなものにつきましては、勿論港の管理経営者自体も努めてやつておりますが、公共團体においても財源的にも限定のある問題でありまして、この点につきましては、從來から海運総局の港湾局で予算的の措置を取りまして、或る一定の補助を與えて清掃しておるのが実情でございます。併し大型船、例えば五百トン以上の鋼鉄船というようなものにつきましては、主としてはその存在が水路の大きな障害になりますので、海上保安廳法の建前から航路哨戒の第一責任者は海上保安廳にあるという見地から、海上保安廳で航路警戒費用といたしまして予算的措置を講じまして、これの除去に当つておるわけでございます。考え方といたしましては、法規的の措置につきましては、先程からお話のありましたように確然たるものがありませんが、目下そういうものをはつきりすべく海運総局で立案中のように聞き及んでおります。併しやり方といたしましては先程申しましたように、港の管理経営者が恰かも陸上における清掃を都なり市なりがやつておると同樣に、港におきましても港の管理経営者が第一次的にはやるというのが從來の行き方であります。但し先程申しましたように、財源的に非常に窮迫を告げておる現在、又不可抗力的な事由に基きましたものにつきましては、先程申しましたような区分によりまして、政府がそれぞれ予算的措置を講じまして、これを完全に行わんとしておるのでございます。但し非常に國家財源の窮迫の折柄隔靴掻痒の感がありまして、それが完全に行われないということは我々も遺憾に思つておる次第でございます。
#60
○委員長(板谷順助君) そうすると、結局原則として港の管理をしておるところの府縣がやるべきものであつて、財政上困る場合においては港湾局の方から場合によつて補助を出す、こういうのですか。
#61
○説明員(猪口猛夫君) 今まで大抵港湾局が補助しておるのです。
#62
○委員長(板谷順助君) それじやそれでよろしうございますか。
#63
○丹羽五郎君 ちよつと今の政府委員の説明は足らないように思いますが……結局私共の今尋ねんとすることは、不可抗力における港の汚濁、又港が埋つて來るということによつて私共は訊くんでなく、この取締の対象になる項によつて來た清掃はどこがやるのかということをお尋ねしておるわけであります。或いは海上からごみを港へ入れて來るというような点でなくて、この取締規則の対象になるべき項によつて汚濁したものをどこがやるのか、その点をお尋ねしておるのです。
#64
○政府委員(大久保武雄君) 故意によつて議を汚濁して行爲にあつては、故意によつてそういう行爲を行いましたもの自体に原状回復の強制をいたしますわけでございます。
#65
○丹羽五郎君 それはあとの、港則法の改正の末尾に罰金刑或いは体刑とか何とかいうものがありますが、それによつて制裁をして行くだけなんですね。
#66
○政府委員(大久保武雄君) 処罰の外に現実の原状回復の行爲自体をやらせるのです。
#67
○丹羽五郎君 そうすると原状回復させるのですか、罰金刑及び体刑、これは体刑はなかつた筈だが……罰金刑以外に体刑もあつたかな……その原状回復させるのですか。
#68
○政府委員(大久保武雄君) そうです。取除かせるわけであります。
#69
○丹羽五郎君 原状回復は保安廳の規定によつて原状回復は法律的にできますか。
#70
○政府委員(大久保武雄君) 原状回復を命じます場合は故意の場合です。ですから濫りでないと考えました場合におきましては、その点は斟酌をいたします。濫りにいたしました場合におきましては、それを取除かせることを命ず、かように相成るわけでございます。
#71
○委員長(板谷順助君) それじやどうです、この程度で以て質疑は打初りますか……それでは質疑は終了したものと認めます。これより討論に入ります。別に御発言もないようでありますから……
#72
○丹羽五郎君 この港則法の今度の改正は極く法案そのものから見ますならば、特定港を止めて港にするということ、又港内の取締の一部の改正ということでありますが、只今我々の十分言わんとするところは今の政府委員の答弁によつて聽きましたので、私はこれによつて質疑を打切つたらとかように考えますが……
#73
○委員長(板谷順助君) 外に御意見はありませんか……御意見はないようでありますから、討論は終局いたしました。これより採決に入ります。本案に賛成の諸君の挙手を願います。
   〔総員挙手〕
#74
○委員長(板谷順助君) 全会一致可決すべきものて決定いたしました。尚本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四條によりまして予め多数意見者の承認を受けなければならんことになつておりますが、これは委員長において本法案の内容、委員会における質疑應答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することに御承認を願うことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#75
○委員長(板谷順助君) 御異議ないと認めます。
 それから本院規則第七十二條によりまして委員会が議院に提出する報告書には多数意見者の署名を附することになつておりまするから、本案を可とする方は順次御署名を願います。
  多数意見者署名
     小野  哲  飯田精太郎
     丹羽 五郎  入交 太藏
     大隅 憲二  内村 清次
     橋本萬右衞門
#76
○委員長(板谷順助君) それではこの次に運賃の法案について審議を継続いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時四十五分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     板谷 順助君
   理事
           小野  哲君
           丹羽 五郎君
   委員
           内村 清次君
           大隅 憲二君
          橋本萬右衞門君
           入交 太藏君
           飯田精太郎君
  政府委員
   運輸政務次官  加藤常太郎君
   運輸事務官
   (鉄道総局業務
   局長)     藪谷 虎芳君
   運輸事務官
   (海上保安廳長
   官)      大久保武雄君
  説明員
   運輸事務官
   (海上保安廳保
   安局海務課長) 猪口 猛夫君
ソース: 国立国会図書館
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