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1949/05/12 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 運輸委員会 第16号
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1949/05/12 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 運輸委員会 第16号

#1
第005回国会 運輸委員会 第16号
昭和二十四年五月十二日(木曜日)
   午後一時四十六分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○日本國有鉄道法施行法案(内閣提
 出、衆議院送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(板谷順助君) これより会議を始めます。日本國有鉄道法施行法案について質疑に入ります。
#3
○小野哲君 二、三の点についてお尋ねします。
 第一は第二條の第一項と第二項の関係であるが、この点はつきり御説明願いたい。
#4
○説明員(荒木茂久二君) 第一項の方は主として國有鉄道関係のものであり、これは当然今度のコーポレーションの方へ引継がれるのであつて、引継がれない者を大臣が指名することにしております。又第二項は大臣官房等に勤務するもので、これは大臣が指名する者のみが行くことになります。
#5
○小野哲君 次に第一條の監理委員又は総裁となるべき者の指名に関する件でありますが、万一國会が閉会になつたとか、或いは他の予想し得ない事情のため、委員となるべき者の指名ができないときは、どう考えられていますか。
#6
○説明員(荒木茂久二君) この法案は比較的早く提案してありますので、只今御話のような事態になることはないつもりでおりますし、又実際も大臣が寄り寄り選考しておられるようですから、その御心配はないと思いますが、只法律論として言えば、何か補充的な法的措置が要ると思います。その法的措置と申しまするのは、例えば委員の選考に至らず國会が閉会になつたような場合、大臣限りで監理委員を選び、閉会の後に開かれる最初の國会に同意を求める、この場合若し同意が得られないときは、同意を得られなかつた委員は辞めて頂くというようなことでありましよう。
#7
○小野哲君 私も別にさような心配が現実に起ると思つて御質問したのではないので、その点御了解を願います。只法律措置として政府はどう考えておられるか一應伺つて見て置く必要があると思つたからであります。
 次に伺いたいのは、第十五條で國有鉄道運賃法の一部を改正されておりますが、第九條ノ二を追加して運輸大臣の認可を受くべき事項を定めておられる、而して一方運輸省設置法案第六條第一項第一号によりますと、日本國有鉄道の運賃は運輸審議会にかかることになつておりますが、これらの関係はどうなりますか。
#8
○説明員(荒木茂久二君) それでは運賃に関する法律関係をまとめて御説明申上げます。現在運賃は一粁一円四十五銭というような基本運賃が國有鉄道運賃法により規定されまして、それ以外の、今度この法案で改正する國有鐵道運賃法第九條の二に掲げてありますものは大臣限り設定しておつたものであります。それを今回コーポレーションになりますのでコーポレーシヨンが定めることになるのでありますが、運輸省としてコーポレーション限りに委すことも他の交通に関する運賃体系との関係もありますので、発言権を留保してこれを認可事項としたのであります。從つて基本運賃については法律によるのでありますから、コーポレーションになりましても國会の御同意により決まることには現在と變りありません。次に運輸審議會との関係ですが、これは國会に提出する法本運賃の原案を大臣が決定する際、運輸審議会にかけるということになります。
#9
○小野哲君 そういたしますと、第九條ノ二で運輸大臣の認可とするという根拠は大臣の一般監督者たる立場においてということになりますか。又財政法第三條及びその特例に関する法律は日本國有鉄道法第三十六條の規定による会計を規律する法律の制定されるまではコーポレーションは國とみなして、適用されるということに解してよろしうございますか。
#10
○説明員(荒木茂久二君) 法律関係は仰せの通りになります。運輸大臣はコーポレーションに対し、監督上必要な命令をなすことができます。又日本國有鉄道法第三十六條の規定による会計に関する法律ができるまでは財政法第三條と、その特例の法律は働きますし、日本國有鉄道法第三十六條の会計に関する法律におきましては運賃に対する関係は、國有鉄道運賃法及び財政法第三條の特例の例によるよう規定するか、又は他の適当な方法を講ずる必要があると思います。
#11
○内村清次君 第二條でいう運輸大臣の指名というのは個人別にやるのですか。
#12
○説明員(荒木茂久二君) それは勤務場所により違いますが、勤務場所によつては個人ともなり、又例えば大臣官房文書課の乘車証係というようなグループともなります。
#13
○内村清次君 それから今回の引継ぎによつて組合の関係はどうなりますか。
#14
○説明員(荒木茂久二君) 日本國有鉄道に引継がれる職員は現在の通り國鉄組合の組合員となります。運輸省に残る者で從來國鉄組合の組合員であつた者は公共企業体勞働関係法の関係からして國鉄組合の組合員となることはできないと思います。從つて運輸省に残る者は現在一般会計職員の組織している組合の組合員となることと思われます。
#15
○小野哲君 次に第十六條と第十七條について御伺いしますが、關連業務への出資は、日本國有鉄道法を審議したときも問題にし、日本國有鉄道法第三十六條の法律制定の際は、是非この点を考慮して欲しいと申したことでしたが、只今拜見すると、日通と營團の出資を認めることになりますが、これはこの法律で出資の途が開かれたことと解してよろしうございますか。
#16
○説明員(荒木茂久二君) さようであります。この法律で出資の能力を付與したことになります。
#17
○小野哲君 近く制定せらるべき日本國有鉄道法第三十六條の会計に関する法律ではこの出資に関する規定を設けなくてはならぬと思いますが如何ですか。又その場合、これもコーポレーションの業務に関連ある限度に限るべきと考えますが、かように一般的に関連ある事業に出資することにいたしますか、それとも從來の出資を引継ぐ限度にいたされますか。
#18
○説明員(荒木茂久二君) この施行法では後者の考えで規定しましたが、高能率云々の法律を作りますときは、関連事業への一般投資能力を付與することにいたしたいと思つております。
#19
○内村清次君 尚一点御伺いしますが、引継ぎ職員の退職金は、この法案の第二條に出ておりますようですが、どうなりますか、一應御説明を願います。
#20
○説明員(荒木茂久二君) 例を以て御話しますが、例えば私が十五年間運輸省におり、コーポレーションに引継がれたとしますと、引継がれたときは退職手当は支給しません。それは第二條の第三項にあります。それでコーポレーションに五年勤めて辞めたとしますと、そのとき前に運輸省に勤めていた十五年も加えて二十年として退職手当を支給されます。
#21
○内村清次君 運輸省にいたときの十五年、今の例でまあ十五年として、その十五年分の退職手当と、コーポレーションの五年分の退職手当とを合算して貰えるのですか。
#22
○説明員(荒木茂久二君) そうではありません。前の例で言うと、コーポレーションに二十年勤めていたことにして、その辞めるときの給與を基準にして、退職手当の率を掛けたものを支給とされるのです。
#23
○鈴木清一君 そうすると、前任期間の退職資金の負担をコーポレーションですることになるのですが、その点。
#24
○説明員(荒木茂久二君) コーポレーションとしては資産を全部引継ぐのですから、その点はよいと思います。
#25
○委員長(板谷順助君) 外に御質疑ありませんか。ありませんければこれにて質疑を打切つてもよろしうございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#26
○委員長(板谷順助君) 御異議なけばこれにて質疑を打切ります。それではこれより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
#27
○小野哲君 この法律については速かに成立せしめて、日本國有鉄道が発足することにいたしたいと思うので賛成するものであります。尚前から問題になつており、又政府に対して督促を続けておる高能率に役立つ公共企業体の会計を規律する法律が政府部内の意見がまとまらずに提出の見込の立たないことは遺憾でありますが、政府は速かに政府案として右法律を提案することを特に申添えて置きます。
#28
○内村清次君 私は前に日本國有鉄道法が成立の当時、種々の点を挙げて反対の意見を述べて置いたのであります。從つてその法律をこの法律案で施行しようとするのでありますから、当時反対しておいた意見と勘案して政府は速かに改正案を出すべきであります。併し会期も迫つており、日本國有鉄道を速かに発足せしめるということは必要と思いますので、私は政府に速かに改正案を出すことを條件として本案に賛成するものであります。
#29
○鈴木清一君 日本國有鉄道法については、当時意見はあつて私も反対したのである。よつて政府は実績を見て早く改正案を提出せられたいのである。改正案を出すことにして、期日も迫つておることでもあり賛成いたします。
#30
○委員長(板谷順助君) これで討論は終了しました。尚大臣も見えておりますが、別に御意見はありませんか。
#31
○小野哲君 先程から申しておるように日本國有鉄道法第三十六條の規定による会計に関する法律は、この法律で発足しようとする日本國有鉄道にとつて独立採算制の基礎を確立させるものでありますが、それが先程も申したように、政府部内の意見がまとまらないので未だに提案の運びに至らないのは遺憾な次第であります。若し提案されないなら議員発議で提案するということも考えられますが、日本國有鉄道法成立時当政府に要求した次第もあり、又政府部内において交渉も進んでいられるので、やはり政府案として急速にまとめられ御提案されるのが至当と考えます。
#32
○國務大臣(大屋晋三君) 承知しました。早速成案の上、提案いたすようにいたします。
#33
○委員長(板谷順助君) それでは日本國有鉄道法施行法案の採決に入ります。本案に御賛成の方は挙手を願います。
   〔総員挙手〕
#34
○委員長(板谷順助君) 全会一致であります。よつて本案は可決すべきものと決定いたしました。
 尚委員長の本会議における口頭報告の内容等につきましては、慣例により委員長にお委せ願います。それから本案を可とされた方の署名を例によりましてお願いいたします。
  多数意見者署名
     丹羽 五郎  結城 安次
     飯田精太郎  鈴木 清一
    橋本萬右衞門  大隅 憲二
     小泉 秀吉  小野  哲
     内村 清次
#35
○委員長(板谷順助君) 署名漏れはございませんか。なければ本日はこれにて散会いたします。
   午後三時五十九分散会
 出席者は左の通り。
   委員長
           板谷 順助君
   理事
           小泉 秀吉君
           小野  哲君
           丹羽 五郎君
   委員
           内村 清次君
           大隅 憲二君
          橋本萬右衞門君
           飯田精太郎君
           高田  寛君
           結城 安次君
           鈴木 清一君
  國務大臣
   運 輸 大 臣 大屋 晋三君
  政府委員
   大藏事務官
   (主計局法規課
   長)      佐藤 一郎君
   運輸事務官
   (鉄道総局長
   官)      加賀山之雄君
   運輸事務官
   (鉄道総局総務
   局長)     三木  正君
  説明員
   運輸事務官
   (大臣官房文書
   課長)     荒木茂久二君
ソース: 国立国会図書館
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