くにさくロゴ
1949/05/18 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 運輸委員会 第21号
姉妹サイト
 
1949/05/18 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 運輸委員会 第21号

#1
第005回国会 運輸委員会 第21号
昭和二十四年五月十八日(水曜日)
   午後三時二十四分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○船舶運営会の船員の給與基準の設定
 及び船舶運営会の役職員に対する特
 別手当の支給に関する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
○通訳案内業法案(内閣提出)
○小委員長の報告
○郡山市に測候所設置の請願(第百六
 十四号)
○山形測候所存置に関する請願(第八
 百十八号)(第八百七十三号)
○敦賀測候所存置に関する陳情(第二
 百五十一号)(第二百八十五号)
○塩釜港修築に関する請願(第百七十
 六号)
○羽幌港船入ま修築等に関する請願
 (第二百二十九号)
○伊万里港修築に関する請願(第二百
 五十九号)
○函館港ふ頭修築工事促進に関する請
 願(第六百四十号)
○八幡浜港修築工事継続施行に関する
 陳情(第三百十六号)
○小松島湾接続地帶の補強工事等促進
 に関する陳情(第三百四十六号)
○汽船龍頭山丸移動促進に関する請願
 (第二百八号)
○機帆船用玄海航路標識拡充に関する
 請願(第二百十号)
○台ヶ鼻燈台設置に関する請願(第二
 百九十七号)
○長崎縣壱岐郡田河町滝ノ上に燈台設
 置の請願(第七百六十一号)
○機帆船海運政策に関する請願(第七
 百三十八号)
○長崎縣壱岐郡田河町名嶋に避難港設
 置の請願(第七百六十号)
○高知縣の海上輸送に燃料増配の請願
 (第七百六十四号)
○運輸省の枕木購入方法に関する請願
 (第六百五十七号)
○二俣、佐久間両駅間に鉄道敷設促進
 の請願(第九百八号)
○掛川町、御前崎間に國営自動車運輸
 開始促進の請願(第九百九号)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(板谷順助君) これより会議を開きます。先ず船舶運営会の船員の給與基準の設定及び船舶運営会の役職員に対する特別手当の支給に関する法律案を議題に供します。これにつきまして、先ず私から政府の意向を確めておきたいと思いますることは、昨日の委員会においても、政府委員の言明を得たのでありますが、先ず第一に現在のアメリカ貸與船が定員を二〇%減じておるのであるが、これに伴つて現在の運営会の帰還輸送船に対する定員につきましても、これと同樣にやつて貰いたい。ということは要するに早晩この運営会におけるところの船舶が船主に返る場合においては、やはり同一の取扱をせねばならん関係から、これに対するところの政府が米貸與船と同樣に二〇%を減ずるということをこの際一つ言明をお願いいたします。
#3
○政府委員(岡田修一君) 只今委員長からお話のありました運営会の乘組定員の減少の問題でございますが、米貸與船につきましては二〇%減を五月一日から実施しておるのでございます。一般帰還輸送船も同樣の処置を実施すべしという点につきましては、帰還輸送船は特殊の使命を持つておりますることと、殊にその仕事の内容が引揚者のお世話というふうな性格を持つておりまする点に鑑みまして、一般貨物船乘組員並びに米貸與船と同樣にその定員を減少をするということは困難であろうと思いまするが、併し一般的に乘組員を減少しなければならないという趣旨につきましては、十分檢討実施に移したいと考えております。
#4
○委員長(板谷順助君) 今一件政府の意向を確めておきたいことは、御承知の通り現在の定期よう船につきましては、輸送料の中に船員費が七千六百七十一円に規定してあるのでありますが、然るにも拘わらず運営会の現在の船員に対する一万百円支給するということになりますと、同運営会に働いておる船員が或る時期においては船主に帰えるということになりまするので、この開きがあるということは、今申すようによう船料の中に含んでおるという関係におきまして、將來均衡を保つ上において政府はできるだけ用船料の中に織込むということについての御努力を願いたい。必ず將來補正予算が出る時期があろうと思うのでありますので、現在のところでは船主としてこれを賄い得る余力がないということにおいても、政府の意向を確めておきます。
#5
○政府委員(岡田修一君) 運営会から船主に拂いまする定期用船料中に含れておりまする船員の給與標準が、七千六百七十一円のベースでありますることは、私ども現在の一般賃金水準に比しまして低き失すると、かように考えるのでございまするが、企業三原則の建前上、これを直ちに引上げるということが困難でございまして、この給與の引上げにつきましては、船主側の企業の合理化或いは乘組定員の減少等の措置によりまして、適当なる給與ベースに引上げになるのが適当であると、かように考えておるのでございまして、將來の補正予算におきまして、これを運営会と同樣の一万一百円ベースに引上げますることは、他の一般的な経営條件が変つた場合におきましては、或いは考え得るかも知れませんが、現下の経済情勢並びに現在取られておりまする経済九原則の建前からいたしまして、非常に困難な点があるかと存ずるのでございます。尚私共の方におきまして、十分船主側のお氣持を考えまして、研究をして見たいと思います。
#6
○委員長(板谷順助君) 尚いま一点この際確かめておきたいことは、船員保險の問題であります。これは片山内閣の当時において、閣議の決定によつて船員行政は一元化すべきものである、こういう建前からすでに参議院の本会議において言明しておる問題であります。ところが未だに政府の努力が足らんというのであるか、その後何ら関係方面に御交渉がないというようなことでありまするが、社会保障制度の審議委員会が開かれるということでありますから、この際政府においては一層の努力をして、この問題の表現に努力されんことを希望しておきます。更に又船員保險につきましては、実は厚生と運輸委員会の合同審査会を開いたわけでありまするが、その席上におきまして、失業保險については一円六十銭が適当である、又厚生省の政府案といたしましても一円六十銭という原案を出したところが、関係方面の了解を得ざるためにこういう結果になつたということは甚だ遺憾でありまするが、今後におきましても、船員、船主の負担が大きくなるということは、現在の情勢においては誠に困難であるから、政府においてもこの点を一つ尚將來においてできるだけ努力を願いたい。
 それから普通保險につきましては、この問題について船主側におきましても、よう船料にこれが含んでおらんというような関係から、四千四百四十万円を支出せねばならんという現状におきまして、船主においてはそれを支払い得るという金がないのであります。併し又一面において運営会に所属しておるところの船主側におきましても、聞くところによれば、予算がないというようなことであるにも拘わらず、この法案が厚生委員会において議決をされたということを承わりまして、非常に遺憾に考えておるのでありまするが、若し今後におきまして、昨日來政府委員の言明によれば、七千九百万円の予備金があるから、そのうちから関係方面の了解を得るならば船員に対する保險料並びに船主の余分な負担になるところのこの保險料を、それから支出するというような言明を得ておるわけでありますが、尚この際その点を確かめておきたいと思います。
#7
○政府委員(岡田修一君) 船員保險料の引上げによりまする船主の負担になりまする額は、只今委員長のお説の通り、四千四百万円余になるわけでありまするが、これを運営会から交付いたしまするよう船料の中に織込みますることは、すでにその引上げが決定いたしまするときには運営会のよう船料というものが定まつておりまして、その中に含まれていないのであります。これを今後増加いたしますると、運営会経費の中に含まれておりまする予備費から差繰りすることに相成るわけでありますが、この予備費の差繰りにつきましては、非常に困難な実情にあるのでございます。今後尚関係方面とも折衝をいたしまするが、恐らくこれは望み得ないものとかように御了承願わなければならないかと存ずるのであります。船主経済の非常に苦しいときにおきまして、この負担が増加いたしますることは、誠にお氣の毒に存ずる次第でありまするが、事情さような次第でございまして、新たにその額をよう船料に入れるということは、目下の状況におきましては望み得ないという実情であります。
#8
○委員長(板谷順助君) これは昨日の委員会におきまする秋山長官並びに海運局長の言明と、只今の言明とは違う。昨日は関係方面の了解を得るならばという條件はあつたけれども、この七千九百万円の予備金のうちから、いわゆるよう船料に含まざるところの船主の負担となるところの保險料並びに運営会に所属しておるところの船員の保險料を支拂うということを言明されておるにも拘わらず、今お話が違うということは一体どういわけですか。
#9
○政府委員(岡田修一君) 昨日海運総局長官が申しましたのは、関係方面の了解を得るならば、運営会の予備費から差繰ることができる、その場合には考えることができる。こういう意味でございますから、今まで関係方面と折衝いたしましたところによりましては、殆んど望み薄という状況にあるのでございます。尚この上折衝いたしまして、若しそれが可能ならば勿論私共としてもその中から差繰ることに、聊かも吝かではないのでありますが、実情は望み得ないという状況にあるのであります。從つて昨日の言明も関係方面の了解を得るならばという條件の下にお話したかと思います。
#10
○委員長(板谷順助君) この船主に対するところの問題は別問題としても、現在政府の機関であるところの運営会の船員に対する保險料、これはどうするおつもりです。これはあなたの方では、出す金がないというようなお話があつたが、更に七千九百万円の予備金があるから、この中から出すというようなことを言つておられるのであるけれども、その点は、その中から一体出し得のですかどうですか。
#11
○政府委員(岡田修一君) 運営会の船員の保險料負担額の増加につきましては、先程のお話にありましたように、米船乘組員の定員の減少等によりまして、船員の経費に或る程度の余剰が出るかと思います。從いましてその余剰から保險料の増額の分を拂えるものと、かように考えております。
#12
○委員長(板谷順助君) あなたと押問答しても際限がないが、併し関係方面の了解を得るように一つ努力されんことを希望いたします。昨日秋山長官は確かに言明しておるのであります。だからそのおつもりで、若し場合によつては秋山長官にこの点を一つ確かめます。
 小泉君、何かお尋ねがありますか。
#13
○小泉秀吉君 私、昨日欠席いたしておりまして、今の御趣旨分りませんが、これは重複するかも知れませんが、先程岡田政府委員のお話によると、この切換えで船主に還つた船の運航能率並びに人員の削除等によつて、今委員長の言われたような給料並びに保險料というようなものを含んだ経費は、船主自体で出して貰うより今の段階では仕方がないというようなふうに私は了承しましたのですが、その船舶運営会が直接運航する船の乘組員というものは、現在の船主に還つた船よりも相当乘組員数を削減するということは確定してあつて、それに準じて船主もやはり減員することができるだろうというお話であるのか、その辺のところをもう一遍伺いたいと思うのです。
#14
○政府委員(岡田修一君) 只今の運営会に残つている船員の乘組定員について、或る率で減少するということが確定していて、それを民間の船に及ぼすのかということでございまするが、現在運営会において定員減少の確定しておりまするのは、関係方面の指示によりまして米船、米貸與船の乘組員が約二〇%減少するというふうに決まつておるのであります。その他の帰還輸送船につきましては先程御答弁申上げました通りに、これから研究をいたすつもりでございます。從いまして如何なる率を民間に返した船について削減をするかということは、これは船主協会と日本海員組合の間の交渉に待つておるのであります。目下その交渉が両團体の間で行われているような次第でございます。從いまして運営会の方でこれだけの定員を減少したから、民間の方でもそれに右へならえというふうには目下決定していないのであります。
#15
○小泉秀吉君 もう一つ伺いますが、只今のお話で向うから持つて來ておる船は二〇%減らす。然らざる船はいろいろな関係で必ずしもそうは行かないということは了承いたしましたが、そのこちらの船で帰還輸送に使つておるような船も或る程度減員するということに対しては、政府がそれに関與するのですか。運営会自体でその減員をするということになるのでございましようか。その点もう一度伺います。
#16
○政府委員(岡田修一君) 帰還輸送の船につきましては、多数の船客を設備の不完全な船で扱つておりますために、又強いて減員を必ずしも強行しようというような方針は持つておらないのでございますが、尚過剰員がありますれば諸般の他の方の船舶との間の権衡もございまして、これは減員しなければならんと思つております。その間の調査をして貰つているわけでございます。尚これが処置につきましては、勿論運営会が当面の責任者でございますが、問題が運営会に関する重大なことはやはり運輸大臣の許可にかかつております。予算の関係もございますので、運輸大臣はその圏外であるということを申すことはできないとかように存じております。
#17
○委員長(板谷順助君) よろしうございますか。
#18
○小泉秀吉君 はあ。
#19
○委員長(板谷順助君) 只今岡田政府委員と質疑應答をやつたのでありますが、第一の要点は、この法案を通すことになれば、運営会に所属したる船員は一万百円ベース、然るに民間に返されたところの船員は七千六百七十一円という賃金ベース、その差額は相当に大きい。それを定員減少、或いは修繕費といつて見たところがその余地がない。それから定員の減少をするということがこれに並行して伴つて行くというのでありまするし、又將來運営会の所属の船員というものが早晩民営に帰つて來るということになるのでありますから、先ず定員の減少ということが米船は二〇%減らす。併し帰還船についてはいろいろの事情もありまするけれども、原則としてやはりそれに準じたる定員の減少をやるということでなければ、今お話するようにつまりこの一万百円と七千六百七十一円の金の差額が拂えないという結果になる。でありますからして定員の減少ということを先ず原則として一つの方針としてやつて貰いたいということと、それから又將來このよう船料に含まざる差額については適当な時期において、果してその修繕費或いは又償却その他について浮び出し得るかどうかということも疑問でありますから、その際においては適当にこの補正予算についてそのよう船料の引上げを考慮するということについて一つお考えを願いたいということを、今岡田政府委員に尋ねたわけでありましたが、あなたから更にもう一遍それに対する一つ意見を確めて置きたい。
#20
○政府委員(秋山龍君) 過剩な定員がございまして、そのために運航経費が嵩んでおりまするといたしますれば、九原則のもと当然これを制限しなければならんことは当然だと思つております。
 それから尚いろいろな都合でよう船料が現在の物價、給料の事情に対して十分ではないと私共も存じておるわけでありますが、これも九原則のもと予算編成の方針からいたしまして、今回も甚だむずかしかつたのでございまして、將來ともむずかしい問題だとは存じまするが、併し必要な或いは正当な事柄に対しましてはこれを正当に保障しなければならんと考えておりまするので、十分御趣旨に副うように努力いたしたいとかように存じます。
#21
○委員長(板谷順助君) それからいま一点は船員の保險の問題でありますが、普通保險に対しては今度増額をした。ところがこれも船主といたしましては増額の保險料がよう船料に含まれておらない。それから一方運営会に残つておるところの船員におきましてはこれは予算がないが、併しながら七千九百万円の予備金があるからして將來関係方面の了解を得たならば、運営会の船員に対しても、或いは又船主に対する保險料についてもこの予備金から出すということを昨日弁明されたのでありますが、この点をあなたからもう一遍確かめて置きたいと思います。
#22
○政府委員(秋山龍君) 予算措置が伴つておりませんのに船員保險料が法律によつて上るということになりますれば、誠に困つた次第でございます。併しながら法律で一旦決まりました以上は何としても拂わなければならんものでございまするので、これが予算的措置につきましては関係方面とできるだけ折衝をいたしまして、合理的解決をするように努力いたしたいと思います。
#23
○委員長(板谷順助君) 如何ですか、外に……
#24
○小野哲君 私から一点伺つて置きたいのですが、これは昨日の委員会でありましたか、船員の問題について伺つたときに、船員が海員組合に属しておる。こういうふうな御答弁であつたと思います。昨秋來の船員に関する給與の問題は、御承知の如く種々なる経過を辿つて來ておるものでありまして、それがために船員のストライキまで惹起したというふうな事例があるわけでありますが、今回のこの措置は船舶運営会の性質から考えまして、暫定用若しくは経過的な措置のようにも考えられますので、從つて当然船舶運営会の予算の範囲内において処理さるべき事柄ではありますけれども、先程海員局長の御答弁によりますと、当該團体相互の間において交渉をしてこれが実施をしなければならないような事柄のようにも伺つたのでありますが、この点に関して政府におかれても円滑なる実施をするために十分な御用意を持つておられるか。又我々としてもこの法律案の実施に当りましては円滑なる実施に対して十分な期待を持ち得るかどうか、この点についての政府当局の御所見を伺つて置きたいと思います。
#25
○政府委員(秋山龍君) 運営会所属の船員の給與問題につきましては、昨年の十二月以來非常な大問題として長い間揉みに揉んだ問題でありますことは御承知の通りでございます。そういつたような過程を通じまして、この予算並びに本法律案が生れて参りましたのでありまして、これが実施につきましては、非常な責任を感じておりまするが、又組合側もその意味におきまして相当の責任を感じてくれておるのでありまして、私としましては、本法の円滑なる実施につきましては、殆んど問題なく行くのではないかということを心ひそかに確信をいたしたおるような次第でございます。
#26
○委員長(板谷順助君) 尚この際伺いますが、新聞に船舶管理令を六ケ月延ばすという記事が出ておつたのですが、あれは一体どういうのですか。
#27
○政府委員(秋山龍君) あれは管理令を六ケ月延ばすという問題でございまして、船舶運営会の根拠法規であります海運管理会の効力が、今月を以て満了いたしますので、諸般の事揚に鑑みまして、やはりもう六ケ月ぐらいは延長しなければならない、かようなことになつておるのでございます。
#28
○委員長(板谷順助君) あれは別に國会の同意を得ないでもいいのですか。ちよつと速記を止めて。
   〔速記中止〕
#29
○委員長(板谷順助君) 速記を始めて。
#30
○委員長(板谷順助君) 他に御質疑がありませんか。なければ質疑は終了したものと見てよろしいでございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#31
○委員長(板谷順助君) それでは討論に入ります。御意見がありましたらば……。別に御意見がありませんければ討論は終結したものとみなします。これより採決に入ります。原案通り賛成の諸君の挙手を願います。
   〔全員挙手〕
#32
○委員長(板谷順助君) 全会一致可決するものと決定いたしました。委員長の本会議における口頭報告は慣例により委員長に御一任願います。それでは多数意見者署名を順次お願いします。
   多数意見者署名
     高田  寛  大隅 憲二
     前之園喜一郎 飯田精太郎
     小野  哲  小泉 秀吉
     結城 安次  植竹 春彦
#33
○委員長(板谷順助君) 次に通訳案内業法を議題に供します。何か御質疑はありませんか……。それでは質疑は終了したものとみなします。それではこれよう討論に入ります。
#34
○高田寛君 通訳案内業の指導取締については從來内務省令の案内業者取締規則がありましたのが、昭和二十二年末に失効となつて今日に至つておるのでありますが、今日外國より観光客が多数に入つて來つつあります時代になつて、尚この取締法令がないままで置くことはできないと考えております。この際にこの業者の素質の向上を図るために、運輸大臣が全國を統一して資格試驗を行い、これに基いて全國の都道府縣知事が免許を與える制度を打立てまして、この指導取締の完全を期するという、この本法案の趣旨につきましては、私は賛成する者であります。
 ただこの法律案を見ますると、大分まだ欠陷があると思いますので、本員は通訳案内業法の一部修正案を提出いたしたいと思います。先ずその案文を朗読いたします。
 第四條に次の一号を加える。
 三 第十四條第一項第三号又は第四号の規定により免許を取り消された者で免許を取り消された日から一年を経過しないもの。
 第六條第一項中「受驗に際し、他人を出頭せしめ、受驗場に持ちこむこてを禁ぜられている物件を持ちこみ、又は他人の答案をぬすみ見するような不正な方法によつて、」とあるのを「不正な手段により」に改める。
 第十條中「再交付」の下に「若しくは書換」を加え「政令」を「省令」に改め、第二項として次の一項を加える。2 前項の手数料の額は、三百円以下の範囲内において省令で定める。
 第十二條中「警察官、警察吏員」を「当該官吏吏員」に改め、同條に次の一項を加える。2 当該官吏吏員が前項の請求をするには、その身分を示す証票を携帶し、通訳案内業の要求があるときは、これを示さなければならない。
 第十三條第一号中「物品」を通訳案内を受ける者のためにする「物品」に改め、同條第二号を次のように改める。二 通訳案内を強要すること。
 三 免許証を他人に貸與すること。
 第一四條第一項を次のように改める。
 通訳案内業が左の各号の一に該当するときは、都道府縣知事はその免許を取り消し、又は期間を定めて営業の停止を命ずることができる。
 一 一年以上の懲役又は禁この刑に処せられたとき。
 二 精神病又は傳染病性の疾病にかかつたとき。
 三 前條の規定に違反したとき。
 四 前号の外その業務に関して不正な行爲をしたとき。
 同條第二項中「聽聞」を「公開による聽聞」に改める。
 第十八條中「第十二條」を「第十二條第一項」に改め、第二項として次の一項を加え、同條を第十九條とする。 2 通訳案内業者の團体が第十五條の規定による届出を怠り、又は虚僞の届出をしたときは、その團体の代表者又は管理者を千円以下の過料に処する。
 第十七條中「又は免許証を他人に貸與した者」を削り同條を第十八條とする。
 第十六條第一号中「受けないで」を「有しないで」に改め、同條を第十七條とする。
 第十五條中「且つ、」を「又裁判所に違法な処分の取り消又は変更」に改め、同條を第十六條とする。
 第十四條の次に次の一條を加える。 (團体の届出)第十五條 通訳案内業者の團体は省令の定めるところにより、行政廳に対し、その成立又は解散の届出をしなければならない。
 以上であります。この大要を簡單に御説明申上げますと、先ず第一に、免許の欠格條項に、この免許を取消された者で、その日より一年以上を経過しないものを加えたのであります。それから第二に、この原案には、免許手数料等の額の決定を政令に委ねてありますのを改めて、最高限度を本法に規定し、その範囲内で省令を以て定めることとしたのであります。それから第三に、業者に対する禁止行爲の規定は、原案は廣範囲に失するので、社会常識に会うように修正を加えたのであります。それから第四に聽聞を公開するということを特に決めたのであります。それから第五には、業者が業務の円滑な提供を図るために團体を組織することは十分に予想されることでありますから、この業者の指導監督上、この種の團体の届出に関する規定を加えたのであります。その他全般に亘りまして、本法案は用語、條文等に相当不完全な点を認められましたので、これを整理いたしまして、この修正案を作成しました次第であります。
#35
○委員長(板谷順助君) 只今の修正案に対して外に御意見ありませんか。
#36
○小泉秀吉君 修正案に全面的に賛成いたします。
#37
○委員長(板谷順助君) 外に御意見ありませんか……。それでは討論は終結をいたしました。先ずいま高田君のお述べになりました修正案を議題に供します。修正案に賛成の諸君の挙手を願います。
   〔総員挙手〕
#38
○委員長(板谷順助君) 全会一致であります。次に修正部分を除いた原案に対する採決をいたします。これに賛成の諸君の挙手を願います。
   〔総員挙手〕
#39
○委員長(板谷順助君) 全会一致と認めます。それでは修正可決すべきものと決定いたしました。それでは例によりまして委員長の口頭報告は委員長に御一任願います。それでは御署名を願います。
   多数意見者署名
     高田  寛  大隅 憲二
     前之園喜一郎 飯田精太郎
     小野  哲  小泉 秀吉
     結城 安次  植竹 春彦
#40
○委員長(板谷順助君) 御署名漏れはありませんか……ないと認めます。
   ―――――・―――――
#41
○委員長(板谷順助君) それでは請願委員長の御報告を願います。
#42
○飯田精太郎君 請願及び陳情に関する小委員会における審査の結果を御報告申上げます。
 請願第百六十四号郡山市に測候所設置に関する請願の要旨は、郡山市に測候所を新設し、地方の産業、防災等に役立たせたいということであります。政府当局の答弁によりますと、氣象台予算は今般大幅の縮減を受けたため、盛山市に測候所又は観測所を新設することは本年度は困難あるが、將來適当な時期に設置したい趣であります。審議の結果、願意は妥当であるから財政の許す限り施設すべきであるとし、内閣に送付するを要するものと全会一致議決いたしました。
 次に請願第八百十八号及び第八百七十三号山形測候所存置に関する請願、陳情第二百五十一号及び第二百八十五号敦賀測候所存置に関する陳情は、いずれも当該測候所を氣象台の行政整理の対象から除外し、從來通りに存置せられたいとの趣旨であります。政府当局の説明によりますと、本年度氣象台予算の削減に伴い、或る程度の行政整理を余儀なくされるが、山形測候所は縣廳所在地に位置する重要な測候所であり、請願のごとき心配はないと思われる。又氣象観測は一定の地点でデータを長期間に亘つてとることを必要とするので、敦賀測候所は本年度予算削減のため観測所に格下げせざるを得なくなるかも知れんが、陳情の趣旨に副うべく努力したいとのことでありました、審議の結果、いずれも願意妥当と認め、内閣に送付するを要するものと全会一致議決いたしました。
 次に請願第百七十六号塩釜港修築に関する請願、同第二百二十九号羽幌港船入ま修築等に関する請願、同第二百五十九号伊万里港修築に関する請願、同第六百四十号函館港ふ頭修築工事促進に関する請願、陳情第三百十六号八幡浜港修築工事継続施行に関する陳情、同第三百四十六号小松島湾接続地帶の補強工事等促進に関する陳情は、いずれも港湾修築に関する請願又は陳情であります。政府当局の説明の大要を申上げますと、本年度予算は相当額削減せられた結果、本年度修築計画は昨年度よりも下廻り、当初計画の三分の一程度に圧縮するの余儀なきに至りましたので、修築工事について右請願又は陳情は要望通り実施することは困難であるが、塩釜港については、本年度においては、泊地の浚渫、盛土、エプロンの鋪裝を実施する計画であり、羽幌港については、先ず小型船の出入に便なるよう防波胞蒿上及び浚渫埋立を実施する計画であり、伊万里港については、一部の浚渫を実施し、函館港については、北防波堤を整備し、八幡浜港については、浚渫埋立を実施し、小松島湾については地盤沈下の復旧工事を急ぐと共に、防波堤工事を行う計画である趣であります。審議の結果、いずれも願意妥当と認め、内閣に送付するを要するものと全会一致議決いたしました。
 次に請願第二百八号汽船龍頭山丸移動促進に関する請願の要旨は、龍頭山丸の移動については、すでに第三回國会において採択されたものであるから、至急実行に移されたいというのであります。政府当局の答弁によりますと、関係方面の移動許可があつたので、船主に対し早急に移動するよう勧告を行なつた趣であります、審議の結果願意を妥当と認め、内閣に送付するを要するものを全会一致議決いたしました。
 次に請願第二百十号機帆船用玄海航路標識拡充に関する請願、同第二百九十七号、台ケ鼻燈台設置に関する請願、同第七百六十一号長崎縣壱岐郡田河町滝ノ上に燈台設置の請願は、いずれも航路標識設置に関する請願でありますが、政府当局の説明を総括いたしますと、本年度予算は極度に切りつめられました結果、いずれも本年度においては実施不可能であるが、來年度においては実現できるよう十分考慮したいとのことでありました。審議の結果いずれも願意妥当と認め、内閣に送付するを要するものと議決いたしました。
 次に請願第七百三十八号機帆船海運政策に関する請願の要旨は、國鉄及び汽船の政策運賃と、自主運営による機帆船の採算運賃の不公正な競爭を排除し、又重要物資輸送に必要な燃料の確保等について万全の措置を講ぜられたいというのであります。政府当局の説明によりますと、現行物價体系維持のため、汽船運賃も亦國鉄貨物運賃も据置かれたが、事情の許す限り速かに機帆船運賃との調整を図り、又機帆船燃料油の確保は極めて困難な情況にあるが、請願の趣旨に副うよう努力するとのことであります。審議の結果願意は適当と認め、内閣に送付するを要するものと全会一致議決いたしました。
 次に請願第七百六十号長崎縣壱岐郡田河町名嶋に避難港設置の請願は、名嶋周辺には魚族、海「も」が豊富であるため、雑船の去來頻繁であるが、同島が玄海のただ中にあるため漁民漁船の遭難が多いから、避難港を築設せられたいというのであります。審議の結果、願意は妥当と認め、内閣に送付するを要するものと全会一致議決いたしました。
 次に請願第七百六十四号、高知縣の海上輸送に燃料増配の請願でありまして、その願意は高知縣は地勢上交通運輸に惠まれず、陸上運輸は貨車廻り不足のため滯貨多く、海上輸送も燃料割当の削減により出帆回数減少し、産業発展に支障を來しているから、毎日出帆可能の所要燃料油を増配せられたいということであります。政府当局の説明によりますと、交通船は民年安定上重要な輸送機関であるから、所要燃料の確保については十分努力したいとのことであります。審議の結果、願意は妥当と認め、内閣に送付するを要するものと全会一致議決いたしました。
 次に請願六百五十七号運輸省の枕木購入方法に関する請願、請願の要旨は、現在北海道には政府の生産計画に基いて、業者が多大の犠牲を拂つて確保した九十六万本の枕木(内二十五万本は引渡済)が保管されており、これに投資された金額も二億一千万円に達しているから、速かに適切な措置をとつて欲しいというのであります。本件につきましては、政府当局におきましても、その善後策に腐心し、業者の損害を最小限度に止めるよう努力している点が十分認められましたし、小委員会におきましても願意は妥当と認めました。
 請願九百八号二俣・佐久間両駅間に鉄道敷設促進の請願、請願の要旨は、本区間は昭和十九年度に着工して同二十三年度に完成の計画であつたが、未だに着工されないから、速かに敷設して欲しいというのであります。小委員会におきましては沿線の森林、鉱山資源の開発と水力電源の開発を促進する意味で願意を妥当と認めました。
 請願九百九号掛川町、御前崎間に國営自動車運輸開始促進の請願。請願の要旨は、御前崎港の改修築港工事が施行せられるので、掛川御前崎間に國営自動車の運輸を開始して欲しいというのでありまして、小委員会におきましては願意を妥当と認めました。
 國営自動車の拂下げ反対に関する請願及び陳情が第四百二十四号國営バス南子線拂下げ反対に関する請願外二十五件提出されておりますが、いずれも政府が先般財政調整のため國営自動車の拂下げをする用意がある旨発表した後の請願、陳情であります。然るに政府の國営自動車拂下げに関する方針は、未だその時期、方法等につき必ずしも明確でないのであります。政府においても今度かかる民衆に反響の多い方針を発表する場合は愼重な態度をとつて欲しいのであります。
 尚小委員会におきましては本件外二十五件の請願及び陳情は政府の方針が明確となるまで審査を留保することといたしました。以上請願十七件、陳情四件は審議の結果、願意は妥当と認め、全会一致速かにこれを内閣に送付を要するもの議決いたしました。御報告申上げます。
#43
○委員長(板谷順助君) この請願委員長の報告の通り採択することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#44
○委員長(板谷順助君) それでは満場一致採択することに決定いたしました。
 では本日はこれにて散会いたしまして、明日は十時から開きます。
   午後四時二十七分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     板谷 順助君
   理事      小泉 秀吉君
           小野  哲君
   委員      植竹 春彦君
           大隅 憲二君
          前之園喜一郎君
           飯田精太郎君
           高田  寛君
           結城 安次君
  政府委員
   運輸政務次官  加藤常太郎君
   運輸事務官
   (鉄道総局長
   官)      加賀山之雄君
   運輸事務官
   (海運総局長
   官)      秋山  龍君
   運輸事務官
   (海運総局海運
   局長)     岡田 修一君
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト