くにさくロゴ
1949/05/19 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 運輸委員会 第22号
姉妹サイト
 
1949/05/19 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 運輸委員会 第22号

#1
第005回国会 運輸委員会 第22号
昭和二十四年五月十九日(木曜日)
   午前十時四十七分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○海運管理令の延期に関する件
○海上運送法案(内閣送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(板谷順助君) これより会議を開きます。秋山政府委員より発言を求めておられます。
#3
○政府委員(秋山龍君) 一言御報告を申したいのでございます。
 船舶運営会の根拠法規でございます海運管理静は、今月の末日を以ちまして一応有数期限が満了することになつておるのでございますが、その後諸般の情勢を見まするのに、依然船舶運営会を存置する必要があると認められまするので、過日閣議におきましてお手許に差上げておきましたような政令を決定いたしまして、大体來る二十三日頃公布の予定でございます。本政令によりますると、海運管理令の有数期間を更に六ケ月延長いたしまして、十一月三十日まで有効とする、かように決定いたした次第でございます。本件につきましては從來いろいろ御審査を煩わしておる次第でございますが、海運航体制のうちの最も重要な部分でありまするような船形式の変更につきましては四月一日より実施いたしまして、何らのトラブルもなく、又その後の運航成績も予想以上に良好なものでございますことも併せて御報告申上げる次第でございます。
#4
○委員長(板谷順助君) 只今の海運管理令の延期については御承認を得ることにいたしたいと存じます。
  ―――――――――――――
#5
○委員長(板谷順助君) それから尚この際海上運送法案を議題といたしまして、政府委員から大体の御説明を願います。
#6
○政府委員(秋山龍君) 海上運送法案につきまして大臣より提案理由を説明いたしてございますが、更にやや立入りましてこれが提案の理由を御説明申上げたいと存じます。海上運送に関しましては従來全く法規の拠るべきものがございませんで、專らいわゆる行政指導を以て行政を行なつて参つたのでございまするが、最近國家行政組織法の施行並びに運輸省設置法の制定に伴いまして、あらゆる行政はすべて法律に基くことを必要とするに至つたのでございまして、この運輸省設置法と睨み合せまして本法を立案いたして参つたのでございます。で本法の規定いたしまする対象といたしましては、船舶運航に関する事業を中心といたしまして、これに船舶貨渡業、海上運送取扱業、海運仲立業、海運代理店業、檢数業、鑑定業及び檢量業というような、船舶の運航に附帶いたしまする事業を規定の対象といたしたのでございます。船舶運航事業には大体二つございまして、いわゆる定期航路運航事業と不定期航路運航事業と二つあるのでございます。そのうち、定期航路事業にありましては、これが丁度陸上におきまする鉄道でありまするとか、或いはバスでありますとかというように、民衆の日常生活に極めて緊密に関係いたしておりまして、これを單なる私企業の勝手な経営に委せるといふことは困難でございまして、一面これが運航の確保を公益的見地から強制いたしますると共に、半面これが經営につきましては、その経営業者の数というような方面からこれを規正いたしまして、運航事業の存立の規礎を確実にしてやる必要がございますし、又どうしてもその業者が運航が困難でありまする場合には、積極的に補助金を交付いたしましても、これが運航を確保してやるという必要があるわけでございまして、從いましてこの定期運航事業にありましては、当初よりその事業を免許事業といたしまして、その免許のやり方、或いは免許されまする條件、或いはその行いまする事業の内容といつたものを公益的に見地から規正いたしたいというのが第一のグループでございます。併しその他の運輸事業、いわゆる不定期航路事業につきましては、これは特に我が國の海運は四面環海の地理的状況から見ましても、單に沿岸だけではなく、広く海外より輸入又は輸出いたしまする物資を運送する。それにはやはり相手方の諸外國の事情等もございまするし、又元來海洋が自由である原則からいたしましても、やはり自由なる運航体制を採らなければならないと存ずる次第でございまして、從いまして本法におきましては、この部分に対しましてはできるだけ國家的な規正、干渉をなさないことにいたしました。ただその存在が一体どういうものがどういうふうに動いているかということを知つて置きますことは、行政を進めまする上におきまして適時必要なる施策を講ずる上において絶対に必要でございますので、大体その必要に應ずる開度の権限を運輸大臣に設定する、こういうような考え方を採つておるのでございます。で先程船舶貸渡業以下読み上げましたる海運に附隨する諸業につきましては、これまたその事業の性質上非常な干渉を加える必要はございません。自由に闊達なる発展を期すべき事柄であると思いますので、從いましてこれに対しましては、大体不定期航路事業において採用いたしましたるいろいろな原則をそのまま準用いたすことにいたしたのであります。併しながらその中に檢数、鑑定及び檢量という仕事は、その機能がやや公共的な機能を持つておりまするので、これらの業者につきましては一定の適格條項を認めると共に、登録制を設けまして、取引の実体的な安全を最小限度において確保したい。かような建前を採つたのであります。尚不定期航路事業にとりましては、今後我が國の海運が國際社会に復歸を許されまする場合を想定いたしまして、これに必要な、例えば船舶の規格につきましては、船級協会の船級を取得することを勧告ができるというような事柄でありますとか、或いは自由でありまする海洋における海上運送事業に世界的慣行として行われておりまする海運同盟というもの、これは現在施行されておりまする独占禁止に関する法律、或いは事業者団体法というものによりましては全然禁止されておるのでございますが、世界的な慣行でありまするこれらの事象を我が國に限り絶対的に禁止するというのでは、我が國の海運の國際関係に復歸する場合にも支障がございまするので、これを独占禁止法の適法なる……、特に不当な目的、例えば非常な独占を來すとか、或いは特に不当な競爭け來すといつたような特定な場合を除きまして、海運同盟を独占禁止法、或いは事業者団体法の適用除外にいたしまして、これが円満な又発達を期したい、かような條文でありますとか、或いは海上取引におきましてしばしば諸外國より我が國の海運事業に対して非難のありました、不当な競爭というような事柄につきましては、一定の基本的な考え方を規定いたしまして、そういうような不当な競爭を避けるというような事柄をも規定いたしました。これによりまして將來我が國の海運が國際社会に復帰することを許されましたる場合に備えるというような若干の事項を規定した次第でございます。
 これが大体の海上運送法の立て方でございますが、会期切迫の折柄、かような大部なものを提出いたしまして、皆様に誠に御迷惑を掛けておりますることは恐縮に存ずる次第でございます。併しながら本法律案は一年半ばかり前から研究に着手いたしておりまして、十二月頃には凡そ案ができておつたのでございますが、その後運輸省設置法を立案制定されることになりまして、これとの関係上睨み合せを必要とする條項が沢山ございましたために、運輸省設置法が決まりまするまで、提案の運びに至りませなんだような事情でございまして、私共としましても、本当に責任は感じておるのでございまするけれども、事柄の緊急性並びに必要性の鑑みまして、何とぞ御審議下さいまして、御可決下さらんことを切に希望いたす次第でございます。
#7
○委員長(板谷順助君) それではこれで速記を止めて……。
   午前十一時零分速記中止
   ―――――・―――――
   午前十一時三十一分速記開始
#8
○委員長(板谷順助君) 速記を始めて。それでは本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時三十二分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     板谷 順助君
   理事
           小泉 秀吉君
           小野  哲君
           丹羽 五郎君
   委員
           大隅 憲二君
          橋本萬右衞門君
          前之園喜一郎君
           飯田精太郎君
           結城 安次君
  政府委員
   運輸事務官
   (海運総局長
   官)      秋山  龍君
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト