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1949/05/22 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 運輸委員会 第24号
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1949/05/22 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 運輸委員会 第24号

#1
第005回国会 運輸委員会 第24号
昭和二十四年五月二十二日(日曜日)
   午後一時十一分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○海上運送法案(内閣提出、衆議院送
 付)
○監理委員及び運輸審議会委員に関す
 る件
○戰時中政府が買收した鉄道の讓渡に
 関する法律案(衆議院送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(板谷順助君) これより会議を開きます。海上運送法案を議題に供します。御質疑ありましたらお申出願いたいと思います。
 この衆議院の修正は政府の同意をなすつたのですか。
#3
○政府委員(秋山龍君) 同意をしております。
#4
○委員長(板谷順助君) それから第四十二條に「この法律の規定は、國、日本國有鉄道又は船舶運営会が海上運送業を営む場合には、適用しない。」ということになつているのであるが、こういうことを言つていますね、現在職員法の免除軽減措置は臨時船舶管理法によつて規定されているが、今議会に提出された海上運送法案において臨時船舶管理令を廃止することに規定されており、今直ちに法律によつて軽減を廃止すれば船舶運航に重大なる支障を來たすにつき、この法律を改正するか、通過を延期するかの措置をすることにいたしたい。
#5
○政府委員(秋山龍君) 本法と造船法とが両方通過いたしますれば、大体臨時船舶管理法は要らないことになる予定でございましたが、船造法が通過困難の見通しができましたので、衆議院の修元にございます通り本法におきましては臨時船舶管理法の第六条のみを削除するということにいたしておりますので、その関係は問題ないかと存じます。
#6
○委員長(板谷順助君) それから第二條第三項に『この法律において「定期航路事業」とは、一定の航路に旅客船を就航させて一定の日程表と賃率表とに從つて運送する旨を公示して行う』という点があるが、この運賃表ということが特に旅客運賃表ということを入れなくても、例えば價格整理というような問題と混同し易いというようなことを言つておりましたが、旅客船ということが前にあるから別に旅客運賃表ということは入れなくてもいいと、そういうふうに解釈して差支ないのですか。
#7
○政府委員(秋山龍君) この定期航路事業におきましては旅客船の定義を他の法律によつて旅客定員十三人以上といたしました関係上、場合によりますと相当な貨物定数を持つ船があると存ずるのであります。併しながらこの賃率表として掲げられるものは修正案にもございます通り、手荷物の外、小荷物だけでございまして、小荷物以外の貨物におきましては、一般貨物運送と同樣に取扱われる起旨でございまして、貨率表は公示されないことになつております。
#8
○委員長(板谷順助君) 外に御質疑ありませんか。
#9
○小野哲君 私聞きたいことがあるのですが、この海上運送法案中で定期航路事業というのは旅客の運送に從事するものであつて定員が十三名以上、そういうふうになつておりますが、貨物事業についての定期の性質を持つているものがあるのではないか、こういうふうに思うので、貨物船については定期航路事業としての法律における取扱いがないのはどういうわけか、ということが第一点であります。
 第二点としては旅客定員を、これは先程ちよつと政府委員からお話があつたようなんですが、聞き洩しましたので伺いたいのですが、十三人以上ということにしておりますのは、どういう根拠があるのか、それから逓信省告示として以前に海運業の種類が決めめられておつたと思うのですが、今回のこの法律案によりますと、この種類を全然止めて、新らしい考え方が出て來ておるようなふうに読めるのですが、この点はどういうふうな理由がありますのかこれらを伺いたいと思います。
 更に時間の儉約をいたす意味から申上げて置きたいのですが、今回のこの法律案を制定になりますためには第一條にあるような目的を持つておるということは窺われるのでありますが、日本の海運事業が戰前において世界の第三位、言い換えれば、六百数十万トンの船腹を保有しておつた時代には、この種法律による規制を受けないで海運事業が國際的に或いは又國内的に自由に事業を営み得たのでありまして、この結果においてこそ日本の海運事業が非常に発展を來たしたというふうにも考えられるのではないか、今回の海上運送法案を見ますと、事業の経営につきましての法律上のいろいろの制約がある、こういうふうな制約があつて而も今日の船腹の保有数量は戰前の漸く四分の一程度かと思いますが、そういうふうな少数の船腹を保有している現状において、この種法律の制定によつて制約を設けるがために、却つて自由にして調達な海運事業の発展を期待することが困難になる虞れがあるのではないか、從つて私はこの法律案を御制定になる一つの大きな狙いなり目的というものがなければならない、同時に具体的にな免許、認可或いは報告とか或いは又檢査に関する事項、更にこれに伴う罰則の規定も相当あるのでありまして、これらが業者の特に海運事業の変轉期にあり、將來の発展を約束しようとする諸制度が実施されようとしている際に、その運営に対して拘束を與える虞れがあるのではないかというふうな懸念が持たれるので、從つてこの法律案を政府が制定されようとする必要の眼目がどこにあるのか、これらの法律によつて相当の制約を加えずして我が國の海上運送事業を助長する御意思がないのかこの点を伺つておきたいと思います。尚あと二、三点ありますが、一應御答弁を願つた上で御質問いたしたいと思います。
#10
○政府委員(秋山龍君) 小野さんの御質問は大体四点かと存じますが、第一の貨物定期というものがある筈であるが、これに対してはどういう考えを持つているかという御趣旨かと了解いたしますが、私共海運の政策といたしましては、第四点についてお述べになりましたように飽くまでも自由闊達なる発達を希望するのが根本でございます。ただ旅客交通及び旅客に伴う小荷物、こういつたようなものの交通は、それが社会生活の一つの基盤といたしして、定期に運行されるというところに非常に大きな公益的な意味があるわけでございまして、この公益を保護するために一定の規制を加えるが、それの必要な以外の点につきましてはできるだけ自由な発達を希望するというのがこの法案の建前でございます。貨物船を以ちまして定期的に航海するものもあると思いますが、その本質におきましてはやはり貨物の動きがたまたま当該のルートにおきまして、定期的に運航するに足るだけの数量があるというだけでございまして、これも時期によりましては、或いは予定せる船腹よりも超過することもあるのでございまして、さような場合には忽ちにしていわゆる不定期船の競爭の対象になるわけであります。從いましてこれらは我が國の海運の特色といたしまする自由不定期貨物というものと競爭になるわけでございまして、特に定期的に運航するからと言つて、これを規定するという理由に乏しいのでございます。從いまして、それらは自由なマーケツトによる公正なる競爭によつて需要を満たして行くという考え方を採りたいのでございます。從つて貨物定期は本法の定期航路事業としての規正の対象にいたさなかつた次第でございます。尚第二点の旅客船の定期でございますが、旅客船は船舶安定全法の第四條の第二項に旅客船といたしまして「十二人ヲ超ユル旅客定員ヲ有スル船舶」と書いてございますので、旅客船は十二人以上の定員を持つということによりまして、いろいろな安全法上特殊の監督規正を受けておるわけでありますからして、これを以ちまして旅客船の定期といたした次第でございます。それから第三点につきましては、海運局長からお答えすることにいたします。第四点の海運の政策として、自由なる発達を所期すべきではないか、戰前には現在に四倍する船腹を持ちながら何らかような法規なくして発達をしたのではないか、こういうような御趣旨だと存ずるのでありますが、海運につきまして、特に海洋の自由というような見地からこれを自由なる発達に任したいというのが私共の根本の方針でございます。戰前におきましてはやはり定期航路につきましてはしばしば競願でありますとか、或いは経済的な変動による運航の困難のために、定期航路が廃止されるというようなことで、公共の利益を阻害するというような事態があつたのでございますが、そういつたような事態に対しましては、常に法律の根拠に基かずして、或いは補助金の支給をなる或いは官の斡旋によりまして当該競願或いは競爭状態を緩和するというような措置を講じたのでございます。併しながら新憲法下新運輸省設置法等に趣旨に從いまして、かかる事実上の行政行爲というものは非立憲的である、民主的でないということになつておりまするので、我々としましては、そういう長年やつて來ましたやり方をここに法律的に明定いたしまして、この法律に基いて行政をするということにいたしたい、いわゆる行政の民主化、こういうような趣旨から本法を提案するに至つたのでございまして、この交易に関係のある定期旅客航路以外の海運事業につきましては、單にその実情を知るための報告義務を課するという程度に止めておるのであります。それ以上何ら経営上の拘束になることは多少公正取引及び独占禁止法との関係で條文が入れてございますが、それ以外には敢て干渉すると意思を持つておらないのでございます。飽くまでも自由闊達なる発達を望みたい、併しそこには又適時に適当なる政策を加える必要があるでありましようが、その場合に海運業の実体が不明であるというのでは、これ又策の施しようもないわけでありますから取敢えずそういう業態の実情を把握するという程度に権限を止めておる次第でございます。
#11
○委員長(板谷順助君) 大体この海上運輸法案は、この定期船に重きを置いてやつたんでしよう、ところが今小野君の御質問は、要するに四十條のごときですね、「運輸大臣は、海上運送事業に使用する鋼製船舶についてその規格を定め、これを公示し、当該規格により船舶を建造することを奬励」しということがあり、四十一條も、これはある程度まで無用の競爭は避けなければならんが、併し自由闊達なつまり発達を図るというのに対するこういう規定ですね、これを嚴格にやられることになればと、こういう質問だと思う、あなたも自由闊達というけれども、こういう條項がある以上は、やはりこれによらなければならないと思うんですが……
#12
○政府委員(秋山龍君) その点に関しましては、そこに條文に示してございます通り、運輸大臣はこの日本の海運の発展上、自分の判断で適当と認める船舶の規格というふうなものを定めて、公示いたしまして、奬励するというだけでございまして、何もそこに業者を縛るというような趣旨はないのでございます。
#13
○政府委員(岡田修一君) 先程小野委員からの御質問の中で、本邦における海上運送事業という名称が、他の法律における海上運送事業と同樣のものであるかどうかというお尋ねがあつたのでございますが、法律の上におきまして海上運送事業という非常に包括的な名前を用いましたのは、本法が初めてでございまして、この海上運送事業の中には、狹義の海運業、いわゆる本法において船舶運航業と申しておりまするものの外に、海運に非常に関係があり、不可分のものとして考えられる海上運送取扱業だとか、仲立業、代理店、檢数業、檢定業、こういうものをすべて含みまして海上運送事業というふうに述べておるのでございます。
#14
○小野哲君 次に伺いたいことは、先程政府委員から船舶安全法第四條第二項の規定によつて、十二人以上の定員というお話がありましたが、これは十三人じやないかと思うんですが、これは後で若し間違つておれば御訂正を願いたい。
 それから次に伺いたいのは、この法律の第三條によりまして、定期航路事業を営もうとする者は航路ごとに運輸大臣の免許を受けなければならないと、こういうふうになつておるのでありまして、その場合は定期航路事業の経営者は一体如何なる範囲を指しておるか、私がよく檢討を加えてないために、或は見当違いかとも思うんでありますが、船舶運営会が営む海運事業は、これを如何にこの法律によつて取扱われようとされておるか、言い換えれば自営の船主或は定期航路事業者にのみこれを適用しようとする御意図であるかどうか、こういう点についての御見解を伺いたい。
 次に伺いたいことは、この第三條との関連でありまして、この法律案の附則によりますというと、免許等をやります場合においては、運輸審議会に諮つて行わなければならないような規定が、附則の第五項でありますか、入つておるんでありますが、然るに定期航路事業を営もうとする者が、航路ごとに免許を受けるということになりますと、本來の運輸審議会の使命は運輸省設置法案におきましては、基本的な運賃及び傭船料をその対象としておるように見受けられるのであります。その場合に一つ一つの航路について運賃等を審議会の諮問事項とすることは、運輸審議会の実際の運営上から言つて余りに煩瑣に過ぎるのではないか、又事業経営の円滑を害する虞れがあるのではないか、こういうふうに考えるのでありますが、これに対するお考えを伺いたいと思います。
#15
○政府委員(秋山龍君) 第一点の定員の点につきましては船舶安全法によりますると、十二人を超える旅客定員になつております。本法によりますと十三人以上となつておりまして平仄は合つておると考えます。
 それから定期航路事業の範囲でございますが、定期航路事業の範囲といたしましては、五トン以上の船舶で以て経営する定期航路は全部規定の対象になる建前でございます。但し船舶運営会の営みまする定期航路の問題でありますが、船舶運営会は現在旅客船を以ちまして、これは旅客定員よりも非常に貨物スペースの多い船を使つておりますが、定期的なる運航をいたしておるわけでございます。併しながらこれは本法の第四十二條によりまして船舶運営会の営む海上運送事業には適用しないことにいたしております。又これは民間に還りました場合を考えましても、そういう例えば氷川丸というふうなものを國内に運航するのをこれは定期航路事業であるということは、恐らく困難ではないかというふうに考えておるわけでございます。
 それから免許と運輸審議会の関係でございますが、免許はこれは一本々々免許をいたす建前でございますが、特に運賃等の関係で運輸審議会の審議を受けることになつておりますが、その場合に運送審議会の方は「基本的な運賃」と書いてございます。併しながらこの基本的と申しますのが、私共の了解ではやはりケース、バイ、ケース、普通一件々々ごとに当該事業における基本的な運賃料金というふうに了解いたしておるのでございます。現在におきましてはこれは物價統制令の関係上物價統制外があります間全部物價廳においてやることになつておるわけでございまして、物價廳におきましてもやはり事情の異りまする場合には、ケース、ケースの運賃を認可いたしておるような次第でございまして、將來ともこの運賃の問題はやはり公衆の利便と事業の存立、いわゆる公益と私益との調和点として最も重要な事項でございますので、こういうものこそ運輸審議会の公正な御裁断を願うことが最も適当であるとかように考えておる次第でございます。
#16
○小野哲君 只今の運輸審議会との関係におきましては、さような取扱が妥当であろうと思うのでありますが、この法律案の趣旨から考えますと、定期航路事業というものが航路が基礎となつて考えられなければならない、從つて航路ごとに判断をするということになるのでありますので、基本的な事項ということと航路ごとの現実的な処理ということとは必ずしも一致しない場合が起つて來るであろう、こういうふうに考えられますので、この点について更にお考えを伺いたいと思うのであります。
 更に続いて伺いたいことは、他の法律との関係でありまして、この海上運送法案が主として定期航路事業を対象としているというふうな御趣意でありますが、從來からの海員のストライキの実情を見ますというと、主として不定期航路においてその弊害が相当あるやに見受けられるのであります。さような場合において、この法律案が定期航路事業に重点を置いた趣旨は理解ができるのでありますけれども、一面貨物の事業におきましても、先程も言われましたように、場合によつては定期的な性格を持つたものも中には見受けられるのではないか、從つて今後の事業の平和的な運営を企図いたして行きますためには、労働関係調整法との問題をこの際相当考慮する必要があるのではないか、即ち公益事業の点についてこの海上運送法が実施されました曉において、どういうふうな関係においで取扱うことが最も妥当であるかということの政府の御見解と、又從來の海員ストライキの実績に徴して、如何にすることが日本の海運の発達のために最も適当であるかということについての御見解を先ず伺いたいと思います。
 それからもう一点伺いたいことは、海上運送には陸上運送と関連した事項が相当あるのではないか、例えば運賃の問題にいたしましても、海陸運賃の調整の問題が当然考えられなければなりませんし、又陸運事業と海運事業との間における輸送の面における相互の関連というものも考えなければなりませんので、これらの点について、この法律案の中では他の運送事業との関係については何ら触れられておらないように見受けるのでありますけれども、果してこれでよいのかどうか、こういうふうな点についてこの法律案の立案に際してどの程度御研究に相成つたか、他の事業法によりますというと、或る特定の運送事業が、他の運送事業と或いは連絡を取つたり、或いは運輸の協定をしたりするというふうな場合をも想定して規定を定めているものもあるように見受けられるのでありますが、これらの点についての御見解を承つて置きたいと思います。
#17
○政府委員(秋山龍君) 運輸審議会の運賃料金等に関する権限として「基本的な」ということが書いてございますが、その基本的ということは解釈もいろいろあると思いますが、私共の考えといたしましては、やはり航路ごとに、その最も基本的な運賃というものがあるのでございまして、いわゆる附随的な小さな事柄は別といたしまして、基本的な旅客、貨物、小荷物の運賃というふうな解釈の余地もあるのではないか、又そういうふうに解釈して行きたい、かように考えている次第でございます。
 第二点の海員ストと、海運事業との関係でございますが、今日たまたま海運、特にこの貨物の海運、大型船の貨物海運が全部運営会に統合されておりまして、これに対して全日本海運組合という一つの單一組合がございます。これとの間に賃金に関するいろいろな係爭問題がございまするために、全面的な輸送の停止というような事柄が起つて参るのでございます。併しながら將來を考えてみますると、運営会というものは過渡的な形態でございまして、結局この船は百数十に上る船主の自由運航に還るべき時期が必ず來ると思うのでありますが、その場合にはストは恐らくこういう全面的な形をとつて來るかどうかということは非常に疑問でございまして、今のような全日本海運組合と船主協会というような團体交渉の形態をとつておりますけれども、これも果してそのまま続くものかどうかという点も多少疑問でございまして、これが仮に各会社と組合との間に個々に賃金問題が協定せられるというような状態が参りますれば、恐らく只今直面いたしまするようなシーリアスな状態は起らないのじやないかと考えております。又この貨物輸送自体が、運賃にしましても、大体市場の情勢により、自由な契約によつて定まるというような建前をとつております関係上、これ自体一つの公益事業として考えることについては、そこに若干の困難な問題があるように考えられます。又過去におけるストの経驗におきましては、たまたま戰爭及び戰後の非常なるストックの枯れ果てた状態におきまして起りましたがために、非常にシーリヤスな状態を現出した場合もございますが、それでも産業は、何とか、その状態を切り拔けたのでございまするし、又最近段々ストックの状態が、平常に還つて來たと同時に、その状態は非常に緩和されて参りまして、そういうような状態でございまするので、どうもこの全般的な貨物船の輸出を、公益事業として見るということについては、相当な困難な問題があるように考えておるのであります。そういつたような見地から、大体現在までの考え方を、そのまま踏襲するというような結論に落ち着いたわけであります。
 それからその他の輸送機関との輸送調整の問題でございますが、我が國の輸送態勢は、御承知の通り國有鉄道というものが、輸送の根幹、沿岸におきましては、輸送の根幹をなすのでございまして、この輸送に対して、今多くの群小のものが、挑み掛かろうというような状態になつておるのでございます。從いまして、國有鉄道の運賃というものは、輸送界における支配的なファクターでありまして、從つてこれについては國会の御協賛を得なければ、運賃は決められないというようなことが、強く統制を受けておるような次第でございます。結局この運賃を、どういうふうに國会において決めて頂けるかということが、輸送分野の調整の根幹をなして行くものだと思うのであります。そういうような関係から海運におきまして、大体自由に輸送をいたしましても、その運賃の決め方によつて、輸送分野が変わるだけでありまして、積極的にそういうような運賃の、例えば不均衡というようなものを超えて、強権によつて輸送を調整するというふうなことは、余り適当でもないように考えたのでありまして、從いまして、特に輸送の調整に関することは、考えていないのでございます。併しながら連帶輸送、その他定期航路事業が、他の輸送事業と契約を以て、いろいろの便宜な処置を講ずるということは、勿論これは可能なことと法律的に考え得ると思つております。
#18
○小野哲君 次に伺いたいのは、これは第三條の免許の関連の問題でありますが、例えば一海運局の管轄区域内の港相互間だけを。航路とするような定期航路事業の免許とか、或いはこのような定期航路事業に関する認可、許可というふうなものは、当該管轄しておるところの海運局長をして、行わさせると共に、その海運局長が、この法律に示してありますように、免許の基準に適合しておるかどうかということを決定する場合には、その海運局毎に公聽会を開いて、海運局長に決定をさせるというふうな方法が考えられるのではなかろうか、かように思うのでありますが、この点に対して御見解を承りたいと思います。
 次にもう一点伺いたいのですが、今回のこの海上運送法案を通覧いたしますると、先程申しましたように、本來の海運事業の発達が自由且つ自主的に、尚又闊達に行わしめなければならんということは、政府委員の御見当にもあつたのでありますが、新情勢下における制度として、この種法律案を必要とする御見解につきましても理解が持てるのであります。ただこの場合において伺つて置きたいことと、並びに御説明を願いたいと思いますことは、先ずこの外國航路についての定期航路事業も亦この法律の適用を受けるかどうかということであります。
 それからこの法律案の中に入つております私的独占禁止法及び事業者團体法の適用除外の問題でありまして、この種規定を織り込まれるにつきましては、いろいろ経緯があつたのではないかと思うのでありますが、若し必要があるならば、速記を止めてその経過を御説明を煩したいと思います。
#19
○政府委員(秋山龍君) 一海運局管内だけの定期航路事業と言いますか、或いは船のトン数の非常に小さなもので、交通量の非常に少い定期航路事業、つまり軽微なる事業というようなものにつきましては、一々これを中央の運輸審議会に掛けませんで、地方限りに決めさせる方針を拵えてはどうか、こういうふうなお考えのように拜察したのでありますが、実はそういう点は原名にはそういうふうになつておつたのでございますが、その後審議の過程におきまして、そういうことも考えられるけれども、それは運輸省設置法との関係において、運輸審議会が事の軽微なものと認めるものについては、運輸大臣は運輸審議会に諮らないでこれを行うことができる、事が軽微であるか否かということは運輸審議会が決めるべきものである、從つてこの際これを法律に決めなくて、むしろ運輸審議会に諮つて、その軽微か否かを判断して貰い、軽微と決まつたものにつきましては、運輸大臣が適当に地方の局長に委任し、又これをして最も妥当なる公益の代表的意見を聞いて、決めさすというふうなことにしたらどうかというような意見が抬頭いたしましたため、それも一つの考え方であるとしてこれから除いたような次第でございます。從いまして、全國津々浦々の定期航路事業全部について、中央の運輸審議会で全部やるということについてはできないのではないかというふうに了解いたしております。
 それから本法の外國航路に関する、或いは外國の事業に対する適用の問題でございますが、文理からいたしまするというと、やはり適用ありとせざるを得ないと存じております。併しながら現実の状態といたしましては、現在は連合各國に対する適用、或いは外國は事実航路もございませんし、そういうような問題につきましては、特殊な、やはり関係方面の指令によつて決まるものとかように了解いたしておる次第でございます。
 それから第三点は、この独占禁止法と事業者團体法との除外関係の問題でございますが、これにつきましてはちよつと速記を止めて頂きたいと思います。
#20
○委員長(板谷順助君) 速記をちよつと止めて下さい。
   午後一時四十八分速記中止
   ―――――・―――――
   午後二時五分速記開始
#21
○委員長(板谷順助君) 速記を始めて……。それでは本法案について質疑はありませんか。
#22
○小泉秀吉君 本法の第一條の最後に「公共の福祉を増進することを目的とする。」というようなこれは結構なことだと思うのでありますが、それから発展しましてこの第二條の最後の方に檢数業、鑑定業及び檢量業というようなものがやはり船舶運航事業の一部と、海上運送事業の一部としてここに挙げられておるのでありますが、特に鑑定業或いは檢量業というようなものはいわゆる営利事業ではなくてこれは公益事業であると私は考えますので、こういう公益事業をこの法案ではどこでも縛つておるところがないのでいわゆる届出主義で届出さえすれば誰でも仕事ができて自由競爭ができるというようなことに見受けるのでありますが、その中ただ一つ登録をするという條文がどこかに、この三十五條に檢数人、鑑定人又は檢量人になろうとする者は登録簿に省令に定むる手続によつて登録をするというだけが一つあるのであります。抑えてあるようでありますが、その省令の定むる手続というものは今私の申しましたような意味において何かそれを統制する意味で許可認可の制度というようなものをここで抑えて行けるのかどうか、それからもう一つは特に鑑定業のごときは相当專門の知識と経驗がなければ、誰でもやるというようなことであると、どうも折角公共の福祉を増進するため或いは事業の健全な発達を図るを目的としてと言うて見たところで、これが非常な自由競爭をして不正を助長したり、又その他いろいろな関係で事業の妨げになるというようなことがあり得と思うので、過去においてもそういうようなことのために或る程度政府みずから主になつてこういう事業を或る程度規制しておつたというような事実から鑑みましても、折角こういうふうな法律を作るならそういう点に対して相当な考察をしていいのだろう、こういうふうに思うのでありますけれども、今私の申上げましたような点に対しての政府の御見解を伺つて置きたいと思います。
#23
○政府委員(秋山龍君) 只今の小泉さんの御質問は誰に御尤もの点でございまして、檢数人、鑑定人、檢量人と申します者は船舶の、特に貨物の移動に対しまして非常に公益的な機能を果しておるものであります。政府は法律にはよりませんが、戰時中種々の方法によりまして、これが素質の改善、或いは取引の安全を期するために公益法人を設置せしめまするとか、いろいろな方法によつて素質の改善に努めて参つたのであります。本法の立案に当りましても当方としましては何らかそこに免許制度を設けるとか何とかいうような方法によりましてスクリーニングを相当嚴重にし、そうしていわゆる取引の実体的な安全を確保するような方法を講じたいとかように思いまして、立案いたして参つたのでございますが、又一面こういう事業もやはり、これこそ誠に公の信用を得なければ勤まらない仕事でございまして、その資格その他に干渉せずとも、資格その他、経歴、経驗、学識等が優秀でありまして、そうして又品性の高潔な者には自然に需要が集中してそういう者が栄える、そうしてこれに副わない者は当然落伍するではないか、そういうような一々小さな事柄にまで政府が干渉することはどうかと思うという有力な意見もございました。いろいろと揉んだのでございますけれども、どうも俄かに結論に到達することができませんでしたので、檢数、鑑定及び檢量は、他の海運事業と違つて單にその状態を届出その他によつてその報告を受ける権利を明示してその状態を知るというだけでは満足できない、一定の欠格條項を設けまして、少くともその欠格條項には触れていないということだけでもこれを登録して公示するというような制度をとりまして、この程度に一應話を折合わしたような次第でございまして、私共もこれを以ちまして、決して満足しているような次第ではないのでございまして、將來十分に研究をいたしまして、更に適当な時期に適当なる、お説によりまするような公益に確保に関する適当な措置を講じたい、かように考えているような次第であります。從いまして三十五條にありまする「省令の定める手続により、」という省令はその手続きだけでございまして、そういうような、憲法の規定いたしまする個人の職業の自由を縛るというようなことは、この省令ではできないと存じております。その際は改めて法律案として御審議を経なければならないものと、かように了解いたしておるのであります。
#24
○小泉秀吉君 もう一つ伺いますが、この鑑定人その他の者は外國人でも自由にやれるのかどうかということが一点。
 それからもう一つ第三十九條の第一項に「箇数の不正な計算又は受渡の虚僞の証明」、「積付に関する虚僞の証明又は鑑定」、「容積又は重量の不正な計算」というようなことに対して各号に該当をする行爲をしてはならないというふうなんだが、これは道徳的にならないだけであつて、それを、こういうものをしたか、しないかという判定はどこでするかというようなことは法律の上では分つておらんような氣がするのですが、これはどこで誰がこういう一号、二号、三号の事実があつたかどうかということを判定し、又判定がこういうことをしたというたらどういうことになるのでありますか。
#25
○政府委員(秋山龍君) 外國人で問題ですが、外國人に関しましては憲法の規定に從いまして、國籍及び民族、信教でございますが、そういつたことによつて不平等差別的待遇はできないわけでございますから当然外國人もこういうような仕事はできると、こう言わなければなりません。但しやります場合には本法の適用があると思います。但し占領下にあるという特殊事情による或る種の制約はあり得ると思います。
 それから第二の点の檢数人の不正に関する問題でございますが、檢数人が不正をいたしたような場合には、不正ありと称する者から必ずその不正ありということの、いわゆる申告があると思うのであります。そういうコムプレイントがない限りは役所としては発動しませんが、不正行爲ありとしてコムプレイントがあつた場合には、若しその事実が確認されれば三十九條第二項によりまして業務停止処分或いは登録抹消の処分が海運局長におきましてできることになつているわけであります。但しこれをやります場合にはその事歳の認定を要する次第であるのでありますから第三項によりまして海運局長は聽聞会をやりましてその場所において当該檢数人等の陳述も聞き、又一方コムプレイントをした人からの言い分も聞きまして、そうして判定をして処理する、かようにいたしておる次第でございます。
#26
○委員長(板谷順助君) 他に御質疑はありませんか。
#27
○丹羽五郎君 この海上運送法が仮に通りましても造船法案が通らないと、臨時船舶管理法というものはやはり存続するわけになつて來るわけですね、造船法とそれから海上運送法とが二つが成立して、そうして初めて臨時船舶管理法というものがなくなるというわけになつておるのですか、その点をちよつと……
#28
○政府委員(秋山龍君) 丹羽さんの御意見の通りでございまして、原案によりますれば造船法とこの海上運送法とが通りまして初めて臨時船舶管理法が全面的廃止ができるのでありまして、両方とも通るという前提の下に原案におきましてはこれを全面的に廃止することにいたしておりますが、造船法案の見通しが非常に惡いものでありますから、衆議院においてその点を修正されまして、お手許に修正案が参つておると思いますが、衆議院の修正によりますと、本法によつて廃止しますものは臨時船舶管理法の第六條だけということにいたしております。從いまして造船法が通らない場合にはその臨時船舶管理法の分は残るわけでございまして、本法を衆議院の修正通り御可決下さいましてもその点に関する支障はないということになつております。
#29
○丹羽五郎君 これで見ますと、第二條の第三項の定期航路事業というのは、一定の航路の旅客船、十三人以上の旅客定員を売する船舶、それを対象としておるということになつておりますが、今長官の話では、その船舶は五トン以上の船舶だということですが、そうすると小さい客船で運航しておる巡航船はこれには適用されないのでありますか、やはりそれも一定の日程表と賃率表とによつて運送をやつておるのですが、それはこれには適用されないのですか。
#30
○政府委員(秋山龍君) その点は四十三條、四十四條に規定がございまして、一般に海上においては五トン未満の船と、主としてろかいを以て運轉する舟には適用がございません。河川、湖沼におきましてはこの五トンを二十トンに読み替えておりまして、二十トン以上のもののみに適用がある、二十トン未満のものには適用がありません。
#31
○丹羽五郎君 そうすると第二條第二項に『この法律において「船舶運航事業」とは、海上において船舶により人又は物の運送をする事業』ということになつておりまして、これに限定しておるのですが、やはり河川にも適用があるのですか、海上ということを特に限定しておるのですが……
#32
○政府委員(秋山龍君) お答えいたします。本法は海上において輸送するものに適用があるのであります。四十四條におきましてもつぱら湖、沼又は河川において営む船舶運航の事業に準用」をいたしております。從いまして理論としては一方は適用しており、一方は準用しておる、実質としては両方共適用があるわけであります。
#33
○委員長(板谷順助君) 外に御質問ございませんか……。質疑は終了したものとみなしてよろしうございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#34
○委員長(板谷順助君) それではそのように決定いたします。
 これより討論に入ります……。別に御発表がございませんければ討論は終結いたしました。これより採決に入ります。海上運送法案は衆議院から修正をされて本院に廻つて來たのでありますが、衆議院の修正が原案となつておりますが原案について賛成の諸君の起立を求めます。
   〔総員起立〕
#35
○委員長(板谷順助君) 全会一致、原案通り可決と決定いたしました。尚委員長の口頭報告の内容については慣例により御一任願います。本案を可とされた方は例により御署名をお願いします。
 多数意見者署名
    村上 義一  入交 太藏
    高田  寛  飯田精太郎
    小野  哲  結城 安次
    小泉 秀吉  内村 清次
    丹羽 五郎  鈴木 清一
    大隅 憲二
#36
○委員長(板谷順助君) 速記を止めて。
   午後二時二十一分速記中止
   ―――――・―――――
   午後三時四十六分速記開始
#37
○委員長(板谷順助君) 速記を始めて。では休憩いたします。
   午後三時四十七分休憩
   ―――――・―――――
   午後七時一分開会
#38
○委員長(板谷順助君) 引続き会議を開きます。政府より発言を求めておられます。これを許します。
#39
○政府委員(加藤常太郎君) 國有鉄道法案が通りました結果、監理委員の任命がありますが、この点につきましては、政府内において、各方面から候補者を採りまして愼重審議いたしまして、本日衆議院に提出いたしまして、衆議院を通過いたしまして参議院に廻付になるのでありますが、その人名をこの際皆樣に御発表申上げまして、運輸委員会の御承認を得たいと思いまして、実は閲歴、その他につきまして詳しく御説明申上げたいと存じますが、相当長時間に亘りますから、ここに概略の履歴書を持つておりますから、皆さんに御廻覽願つて、その後に皆さんの御同意を得たいと思います。
 次に運輸審議会の委員でありますが、この点も法文にある通り、廣い経驗を高い知識を有する者の中から選考することになつておりますが、本日この選任を大体終えまして閣議も通りまして、運輸省設置法が通れば早速衆議院、参議院の両院の同意を得るのでありますが、この点はまだ設置法案が参議院で修正案が出まして衆議院に廻つておる関係上これは衆議院に廻しておりませんが、本委員会の皆さんの御承認を得るために、これ亦詳しく申上げたいのでありますが長くなりまするので後に皆さんのお手許にお廻しいたしますから、どうか御覽の上御承認を願いたいと思います。監理委員のあれは、今申上げました通り、後でお手許に廻しますが、お名前だけを申上げたいと思います。鈴木清秀氏、運輸関係でございます。それから栃木嘉郎氏、これも運輸関係でございます。それから鈴木義彦氏これは工業であります。これから佐藤嘉一郎氏、金融であります。阿部藤造氏、商業であります。以上の通りであります。
#40
○委員長(板谷順助君) 運輸委員はまだ決まらんですか。
#41
○政府委員(加藤常太郎君) 運輸審議会も名前だけ、これは、商業、工業の別はありませんから氏名だけ申上げます。太田三郎、岡田信次、木村隆規、平井好一、柏原語六、松浦薫以上六氏であります。
  ―――――――――――――
#42
○委員長(板谷順助君) 私鉄拂下げ法案について引続き質疑を継続いたします。運輸大臣もおいでになつておるから、何かお尋ねがあるならばお申し出でを願います。先つき何ですね、佐藤君のその答弁では、必ずしもその買收をされた会社に拂下げをするという意味ではなくて、或いは運輸審議会に諮つていろいろそのすべての條件を勘案しつつ決める、ということにはなつておるけれども、併しながらその一般に拂下げをするというようなこの意味合いも、含んでおるようですが、競爭入札にでもするつもりかなんか、それについてのお考えがありますか。
#43
○國務大臣(大屋晋三君) その点はまだ具体的に考えておりませんが、やはり在來のこの所有者並びにその所有者自体が、会社というようなものが清算でもしておつて、その元の所有者が残存していないというような場合には、例えばその鉄道に関連をした最も近い関係にある会社関係というようなもの、更にそれがインテレストのない場合には、やはりこの私鉄を買收して、交通経営の経驗、実力が、財的にも、技術的にもありと認められるその他の者にもというふうに拡大をして考えておりますが、やはり個々の点に從つて、多少そこらが違うと思いますので、法律の精神はそういうふうに拡大をして書いて置いた模樣です。
#44
○委員長(板谷順助君) それから昨日來問題となつたのは……
#45
○國務大臣(大屋晋三君) それからちよつとなんですが、順位は付けておらんのですから、さよう御了承を願います。
#46
○委員長(板谷順助君) 問題となつたのは、國鉄のこれらの関係会社、会社でなく何んですね、拂下げしようという目標の鉄道に対しては、國鉄の從業員が非常な反対をしておる、こういう理由で、いろいろここで論議されたのですが、こういうような始末は、何か予めまあいずれ運輸審議会に掛かる問題でもありましようが、運輸当局としては、何かこれについて相当どういう処置をとるかくらいのところはお考えになつておるか、どうか。
#47
○國務大臣(大屋晋三君) その点は、つまりこの國鉄を拂下げる目的が、一つには、この國鉄を拂下げるに当りましては、いわゆる公共の利益というものに相当の重点を置いておるわけでありまして、如何ようにそれを分析いたしますかという、例えば今委員長の仰せられたような地元の人々なりが非常な猛烈な反対をしておるというような場合、又買手が熱心な買手がありましても、その買手にそれを賣却いたして公共の利益に反しない、いわゆる俗に言う鉄道の公共性を認識しないで我儘な私益を図るというような観念の持主であると解釈されるような者には、賣却をすべきでないというような意味合いが含まれております。又この從業員の問題でございますが、これはやはり國鉄に身分のあるその線を担当しておる從業員が、喜んで新規の会社に行きもするし、又新規の会社も喜んでこれを引取るという状態であれば問題はないのでありますけれども、法律の中にさような從業員は絶対に賣渡をする会社に鉄道と諸共にやるというような規定を書くのは、少しこれは個人の自由を束縛するというような意味で不穩当であるというふうな見方がございますので、これは本人の希望というようなものに相当の敬意を表してやるというふうにこの法律は書いてございます。
#48
○内村清次君 運輸大臣に質疑をします前に先程の委員会で私委員長にいわゆるこの法案の内容に対しては國有財産の拂下げに関して密接な関係があるのだ、而もその所管というものは当然その見地から見れば大藏委員会で檢討すべきである、こういうような空氣が一部にあるが、而も又その空氣というものはすでに大藏委員会においては決議をしているのだ、そうして議長の方にこの議案提出の変更を申出ているということを申しましたところ、委員長はまだということは知らないというふうなことでありましたが、事実その後の経過を聽いて見ますると、委員長の言葉と少し食い違つておるような状況ですが、一体その間の事情をよくお話を願いたい。
#49
○委員長(板谷順助君) それは先程申上げましたようにこの運輸委員会にこの法案が廻つて來たがためにこの委員会において審議すべきものであるというので、昨日來これを継続しておるわけであります。その後議長の方から何ら話はありません。それから又昨日大藏委員から大体國有財産の拂下げであるからして大藏委員会に廻るべき筈のものであるがどうだ、こういうのでそれは僕は分らんけれども、とにかくにも運輸委員会に廻つたから我々の方で審議しておるが、併し、成る程國有財産にはなつておるけれども、併しながら私鉄の買收は運輸省において買收をして、そうしてこれを拂下げをするという法案を作る程度であつて、まだその実際において價額の協定その他については今後の問題であるというような関係において恐らくはこの委員会に廻したものであると思うという、実は返事をしたわけでありまして、從つてこの問題についても先程大藏委員或いは又議院運営の委員の諸君とも話合つたわけでありまするが、まあ打明けて申上げますならば、若し大藏委員の方で合同審査を要求されるならば我々の方は一考しても差支ない、聞くところによれば衆議院においても運輸委員会に廻つて大藏委員会との合同審査を時間を切つてやつたという話も聞いておつたわけでありますが、併しこの委員会としては今申上げるように、とにかく議長から何ら話もなくこの委員会に廻つた以上は、ここにおいて審議を継続すべきものであると、こう委員長は考えております。
#50
○内村清次君 委員長のお言葉では表面に出たことにつきましては全くその通りで、その通りのことにつきましては私異議はありませんけれども、お言葉の中にいわゆる合同を申込んだときには合同審査をやろうということはこれはもうはつきりいたしますですね、そうしますとこの問題が議院運営委員会の問題になつて、そうして今その問題で審議中だということでありまするが、先ずやはりこの法案の性質上からいたしまして、やはり並行的に先ず審議を進めた方がよくはないかと思いますが、委員長としては如何でございますか。
#51
○委員長(板谷順助君) ですから今申上げたように、この委員会に付託をされたる以上は委員会としてはどうしても審議をせねばならん。だが併しその國有財産の関係において大藏委員会においての希望があるならば、我々はその合同審査を敢て厭うものではない、けれども併しもう期日も切迫しておりまするし、又この委員会としてはこの質疑を継続して行くより外に方法はないと、こう考えております。
#52
○内村清次君 委員長がその期日が切迫しておるかというようなお考えの下に、この重大な法案を取扱つて行かれることはどうかと思いますのです。いわゆるこれはもう少し……、大体この提出の際におきましても昨日提出した問題であつて、而もこれは今まで前例のないことですから、國有鉄道といたしましては……。こういうような問題を一日くらいの審議で結論を付けて行こうということについては、これは無理のある問題であつて、私達はどこまでもこれは影響するところが非常に多いから、やはり相当な國家としては手続をとつて、そうして輿論の納得するような見地において、やはりたとえそれがこの法案の内容にありまする、即ちあなた方が常に主張しておられまするが、ただ次の讓渡その他についてはこの委員会でやるのだからそれでいいじやないかというようなそんな簡單なものではないと私は思うわけですが、そういうような断定の下にこの委員会を開催して行かれるということは私は非常に遺憾に思います。
#53
○鈴木清一君 今の件ですが、委員長が今言われたように大藏委員会の方の意思表示を何ら聞かなかつたり、又議長から付託されたからここで扱つたと、これはまあ御尤もだと思う、ただ問題はその後大藏委員会においては、その前にすでに大藏委員会においてこの法案は大藏委員会で扱うべきであるというような大体話合になつておつたそうでございます。ただそのなつていた態度を大藏委員長の方からこちらへ相談をされなかつたからこの結果が起きて來たのであつて、それで議長はそのまま運輸委員会に委託したのだろうと思う、その後いろいろその当時決定された事項について疑義が出て來たのである、而も大藏委員会としては委員会を開いてこの態度を決定しようとしているということも聞いておるのです。それで今この議案を委員会で何か審議しておるということを聞いております。そうだといたしますると、先程委員長が言われたように合同委員会を持つてなり、又大藏委員で以てやるなり、そうしたことが大藏委員会の態度として改めて表明された場合は、それについて考慮しなければならないということは多分に言外に含まれておるわけであります。でありまするから今向うの態度が決定せられて來るのを待つべきだと思うのです。私達はここでそれを待つて、その結果によつてこちらになるか、向うになるかは別として、その結果によつて審議を続行して行くという意味で以て、私はここで暫くその態度が分るまで休憩して貰いたいと、こういう意味なんです。
#54
○委員長(板谷順助君) それは委員多数の諸君がそういうお考えならば、それは敢て委員長が独断的にやるべき筋合のものではありませんが、併しその提案者の一つ意思のあるところを幸いに提案者として佐藤君がこれに列席をされておりますから一應提案の一つ趣旨を御説明願います。
#55
○衆議院議員(佐藤榮作君) 只今戰時中政府が買收した鉄道の讓渡に関する法律案を大藏委員会でというお話が出ておるのであります。その点はこれは参議院の皆さん方でお決めになる性質のことでありますので、衆議院に席を持つ私がとやかく言う筋合はないと思いますが、ただ國有財務という言葉が出ましたので、その点について提案者の意見を一つ申上げてみたいと思うのであります。御承知のように鉄道は一つは事業でありますので、これを民間に拂下げをするという場合におきましても実は事業として考えて参つておるのであります。個々の國有財産、一つの車輛、一つの線路、或いは建物、或いは土地、いわゆる一般に取扱われておる國有財産の処分方法とはおのずから別のものがあるように実は考えるのであります。國有財産であるが故に大藏省云々という点については実は提案者といたしまして、そういう考え方でなくて、むしろこれは一つの國有財産が集まつて形成しておる事業、その事業の讓渡だとかように実は考えて交通事業として考えますならば、運輸委員会において御審議願うのが本筋ではないか、実はかように考えておるのであります。いろいろ参議院で御審議なさいます際の御参考になるかどうか分りませんが、提案者の意見を一こと申上げるような次第であります。
#56
○委員長(板谷順助君) 只今内村君、鈴木君からこの審議を延期されたいという御説が出ましたが、これについて決を採ります。
#57
○内村清次君 決を採る前にこの大藏委員会の、いわゆる空氣といたしましても、すでに昨日は決議をして、そうしてこの案件に対しては自分達の所管にも相当関係するところが大であるというようなところで結局大藏委員会は大藏委員会の立場からこれを議長に申込み、而も議院運営委員会にも掛けてやつておる問題でありまして、やはりこういうようなお互い國会の中にあつて、参議院の即ち中にあつて今まで一つもそういつた空氣の発生したことはなかつたわけであります。そこへこういうような空氣のある中において、前例をつくるのつくらないのという見地からではなくして、一つ議院運営会はどう決定するか、そうしてどうやつてお互いが納得の上で、この法案を処理して行くかというようなことにやつた方が、それは委員長としては御賢明ではなかろうかと思いますがね、それを待たずに多数決で以て決を採つて行こうと、それは直ぐ向うの方ではとにかく決定も眞近かだろうと思つておるのです。議院運営委員会でもそれならばそれで以てやつて行かんと將來やはり議案そのものについての合同審査はこれはただ運輸、大藏という問題ではなくして各種の委員会が合同審査をする場合にも起きて來る問題があると思うのです。そういう場合のときにお互いいがみ合つて行くというようなことは、これは大きな問題じやなかろうかと私は思いますね、その観点からいま暫くお待ち願つて、そうして又勉強してやるときはやつて行こうということで……
#58
○委員長(板谷順助君) 分つておるが、併し君、僕は今まで超党派的にやつてきたつもりなんだ、けれどもそれは或いは運営委員会なり、大藏委員会がどういう決議をされたか分らんが、この委員会にそれが反映せざる限りはやはりこの委員会としては継続して行かなければならん、だからそれは諸君に今申上げるように、この審議を継続するということに賛成の諸君は挙手を願います。
#59
○小泉秀吉君 只今の運輸委員長のお話でありますが、内村君並びに鈴木君の御意見もありますので、今決を採つてどうこうということも、これも一つの方法ですけれども、とにかく内村君の提案と言いますかな、希望によつて運輸大臣の出席を求めておつたように私は聞いておりますが、そういう意味で運輸大臣が折角お見えになつておるのだから、一應運輸大臣に対しての質疑を続行するということにして、それでその上で今のようなことが必要ならば、委員長が採決をするというようなことにしたら如何でしようか。
#60
○小野哲君 運輸大臣も出ておられますし、それから又発議者の佐藤君も出ておりますので、大藏委員会なり、或いは議院運営委員会の模様は模様として、できるだけこの際能率的に委員会の運営を図るという意味からも、一つ質疑を御継続願うことが適当ではないか、かように考えますので、委員長採決をお採りになる前にそういうふうなことで御取計いを願えば円満に議事の運営ができるじやないか、かように思います。
#61
○委員長(板谷順助君) 内村君、君運輸大臣の出席を要求しておいでになつておるから一つ質疑を継続したらどうですか。
#62
○内村清次君 これを先程要求いたしまして、勿論大藏大臣に要求しております。それから発議者の方も要求しておりますが、この問題につきましては、やはり発議者及び大藏大臣、それから運輸大臣、三方がおられました時においての私は関連した問題だというような考えで要求したわけです。そこで單独にこの問題について今一つ明確にして置かなければならん事項も勿論ありますが、その点は極く少い程度でありまして、関連した方が非常に多いわけですが、お立会ができますればそういうふうに委員長の方でして貰いたい、こういうように考えます。先程その通り私は申上げたのです。
#63
○委員長(板谷順助君) 先に運輸大臣と大藏大臣を要求して置いた、内村君の要求によつて。ところが大藏大臣は今G・HQに行つて留守だそうです。若し大藏大臣が差支があるならば、それに代るべき人は誰がいいかということを今係の方から言つて來ておりますが、今立会と言つてみたところが、どうもなかなか揃うということは困難ですし、取敢えず運輸大臣に対する質疑を継続したらどうです。
#64
○鈴木清一君 内村君の大藏大臣を要求したのは、実はやはり扱いについての根本にも触れるかと思う、それとの関連もあつて、大藏大臣を要求しただろうと思う、やはり大藏大臣が今來られないと言われるならば、それは別にこれに代るべき人の出席を求めた上で、そうして話をしたい、恐らくそういう内村君の方の意向だろうと思う、ですからできますれば代りの人の御出席を願つて……
#65
○委員長(板谷順助君) 大藏省の誰が希望はありますか――。とにかく運輸大臣に一つ、立場は大藏大臣と運輸大臣は違うんだから、運輸大臣に一つ質問を継続なすつたらどうですか。
#66
○鈴木清一君 大藏大臣の出席を求めておるのは、恐らく大藏大臣もこの法案を所管として扱うのに、大藏委員会でもすでに委員会でかような態度であるという見解から、この委員会の見解を大藏大臣はどう考えられるかということの質問でもあるわけであります。でありまするので、これは單なる質問だけでなくて、見解をはつきり表明して貰いたいという要求があるので非常に重要だろうと思います。それで特に出席をお願いしておるわけです。
#67
○委員長(板谷順助君) それでは大藏大臣にもう一遍請求しまして、大藏大臣が差支があるというならば、大藏政務次官でもようございますか。
#68
○鈴木清一君 ええ、よろしうございます。
#69
○委員長(板谷順助君) それでは一つ至急連絡して下さい。ちよつと速記を止めて。
   〔速記中止〕
#70
○委員長(板谷順助君) 速記を始めて下さい。
#71
○内村清次君 実は、私、今回の國家予算を提出せられましたときにおきまして、予算委員会において丁度この國有鉄道を一部拂下げするというような風設がありました関係で、その賣價價格につきましても、ただその賣價價格によつて現在のあらゆる財政の收入面を補填する、そうして國民の税の軽減を図るというその趣意に副うような額であるかどうかの檢討につきまして、大藏大臣に、先ずこの拂下げということについては、大藏省としては考えているかどうかということをきいたわけですが、そのときに、まだ國有鉄道というような問題については考え及んでおらないが、併しながらこの財政の赤字補填については、外の國売の即ち財産の拂下げについては目下研究中である、こういうようなお話だつたのですが、大臣みずからにきかないと、どうも政務次官で、これに対して大臣に代つて御返答ができるかどうか分りませんが、先ずこの点を一つ、これは将來の基本問題になりますので、私次官に一つおききしたいと思います。
#72
○政府委員(田口政五郎君) お答えいたします。國有財産を拂下げまして、財政の歳入の方の財源に充てるという方針については、只今大藏大臣が申上げましたと言われました点と同樣でありまして、ただ國有鉄道のことに関しましては、これは運輸省関係でございまして、今日のところでは大藏省では具体的に案を示していないのであります。
#73
○内村清次君 この法案は議院提出で以て、勿論この内容の点におきましても、相当今後大藏大臣の所管といたしましてなすべき点がありまするが、これに対して大藏省は全然関知しておられませんか、どうですか。
#74
○政府委員(田口政五郎君) 國有財産の拂下げをいたしてもいいということは考えております。
#75
○内村清次君 この法案自体につきましても、相当大藏省の管轄に属することもありますし、こういうような点につきましては、何ら大藏省としては今まで御相談も受けたことはない、ただ議員がやつたことであるからというような態度であつたわけでありますか。
#76
○政府委員(田口政五郎君) 國会で御決議になりましたように善処することは覚悟いたしております。
#77
○内村清次君 そこで運輸大臣に一つお尋ねいたしたいのですが、運輸大臣も、この委員会では、又私間接的にといわゆるこれは組合との正式交渉の席上でもありましたのですが、この國有鉄道の拂下げについては、買手があれば賣るけれども、現在その買手はないだろうからして、というようなお話があつたようですが、これはその通りでございますか。
#78
○國務大臣(大屋晋三君) つまりですね、私はしばしば申上げておるのですが、この法案はこれは議院提出で政府提出じやないのですが、運輸審議会に掛けて或る一定の値段で決まつたとしますと、つまり取引ですから、これは讓渡です。それで相手がその決まつた値段でどうもいわゆる讓渡の取引ができなければ、いわゆる民間の取引と同じように値段との折合ができなければ、何ぼ賣る、何ぼ買うと言つたつてそれまでのお話だということを私はしばしば申上げておるので、今でも変つておりません。
#79
○内村清次君 これはあの昨日の提案者の代表の人がおつしやつたのですが、この法案の出所というものは結局民自党側の政調会によつて大体決まり、役員会によつて、決まつた、それで運輸当局の方の態度としては、どうも余り賛成でないけれども、大臣だけはその話に乘つておるのだというような話でありましたが、それは事実でありますか。
#80
○國務大臣(大屋晋三君) それはとにかく運輸当局と言いましても、上は大臣から下は踏切番まであるのでありますから、多数の中にはどういう考えを持つておるは私は知りませんが、少くとも私は終始運輸省の方針として、いわゆるこの法文の一條に書いてある精神で、一には國鉄の赤字は埋めるという意味を含んで、戰時中に政府で買收した鉄道を民間に拂下げて、若しそれが買手があつて、而もその結果が鉄道の事業の強化になる、公共の利益や福祉を増進することになるのであればこれはやつてみたいという信念は終始持つておりますし、運輸当局といたしましてもそれには何ら不服はないと信じております。
#81
○鈴木清一君 私政務次官にお伺いしたいのですが、先程の御説明の中で、次官は、國有鉄道のことについては拂下げてもいいが大藏省は関知しないとこう言いましたな……、そうだとすると、今回の問題に限りなのか、今後も各省の國有鉄道を拂下げる場合に、大藏省としては何らこれに触れなくてもいいのか、大藏委員会に掛ける必要がないのか、必要がないと言われるか、その点をちよつとお答え願います。
#82
○政府委員(田口政五郎君) 勿論必要はないとは申し上げません。大藏省は拂下げることになりましたら当然協議いたしますし、善処する考えでおります。
#83
○鈴木清一君 そうするとその必要のないというのは、委員会に掛けることの必要のないということと、そうして外のことがあるのですか、委員会に掛るのも必要ないと言われますか。
#84
○政府委員(田口政五郎君) 委員会と申しますと……
#85
○鈴木清一君 大藏委員会に掛けるべきであると……
#86
○政府委員(田口政五郎君) それはこういうふうに……、國会の方で議員提出の問題は然るべく御決議を願いましたら、それに対して大藏省は勿論関心がないことはありません。一生懸命で極力善処いたす覚悟でおります。
#87
○鈴木清一君 國会で議決することについては御自由だということは勿論です。勿論こつちで議決することについては参與もして頂きたくもないのですが、問題はこれから官廳がこの場合國有財産を拂下げるのでありますので、こうした問題は院の中にもいろいろな見解の相違はありますけれども、むしろ國有財産拂下げの場合は大藏委員会にも掛けて、委員の意向も聽くべきであるというような意味もあるわけなのです。こういうことについての見解なのですが、どうお考えになりますか。
#88
○政府委員(田口政五郎君) 別にそれに対する考えは持つておりません。然るべく御相談を願つたら結構だと思います。
#89
○鈴木清一君 では運輸大臣にお尋ねします。運輸大臣は今内村君の質問に答えられまして、赤字が克服できれば拂下げてもいいのだ、こう言われたようでありますが、併し恐らくこの法案に盛られるところの二十二社については鉄道の赤字を克服するような線が依然としてないと思います。
#90
○國務大臣(大屋晋三君) 鈴木君、そういう意味じやありません。私の言つたのは、つまり鉄道という物件を賣拂つてその代金を以て鉄道の事業それ自体の赤字の穴埋めにする、こういう意味で、この鉄道自体を拂下げたものが経営がプラスになるかマイナスになるかという問題に触れたのではないのです。
#91
○鈴木清一君 私の問うところも実は鉄道の赤字克服のためにこの買收線を拂下げる、そういうことをお考えであるかという意味ですが、そうでしよう。
#92
○國務大臣(大屋晋三君) そうです。
#93
○鈴木清一君 そうだとすれば、実はこの法案に盛られる二十二社のうちに、現在においては少くとも私はこれを拂下げたがために鉄道の赤字を克服することのできる線路はない、こう解釈しております。
#94
○國務大臣(大屋晋三君) 鈴木君、まだ私の言うのはそういう意味じやないのです。つまり鉄道が二十二線あるでしよう、そうしてそれぞれ價値を持つていて、幾らかに賣れます、三億に賣れるか、五億に賣れるか、七億に賣れるか、とにかく賣れます、賣れるとその金を以て、日本國有鉄道が今あなたも御承知の通り二百三十億という赤字を出し、これからプラスになるかマイナスになるか、どういうふうになるか分らんが、賣掛代金を以てそのマイナスを埋めよう、そういう意図を以て私鉄の拂下げをやる、こういう企図をしたということであります。
#95
○鈴木清一君 それでお尋ねしたいのは、曽て新聞や何かにも出ましたように、業者の拂下げを要望している價格と運輸省が査定しておる四十億の價格とは余りにも開きがある、運輸審議会あたりでもこれに対しては反対の意思を表明しているようでありましたが、この四十億の現在の價格では果して再評價四十億の價格で賣つていいのか悪いのかという見解です。
#96
○國務大臣(大屋晋三君) それが今大臣が申上げる権能がないので、運輸審議委員会がこの問題を取上げて、あなたのおつしやる通り時價は四十億何がし、併し買手に時價が四十億だからお買いなさいと言つても、いわゆる取引だから、賣手と買手とで話ができなかつたら、幾ら運輸省が四十億で賣ろうと思つても、買手がいやだと言えばそれまでの話で、幾らで商談の手が打てるか、或いは手が打てず仕舞いになるか、先つき申上げた通り商談不能になるかも知れません、そういうふうに考えております。
#97
○小泉秀吉君 これは前々も大臣以外の方からお話のあつたように思いますけれども……、改めて伺いたい、或いは重複するかもしれませんが、第一條の目的によつて拂下げをするということでありますが、この十八年、十九年に、戰爭の目的で買收した鉄道も、その後いろいろな経過を経て、相当地方民、並びに元の会社というようなところ、或いは從業員や何かに利害関係が錯綜しているのは御承知の通りであります。從つてこういう線路を買收したいとか、或いは賣つちや困るとかいう請願が、これまででも当委員会に相当多数に参つておつたのもこれも御承知の通りであります。從いましてこれは相当公共の利益という見地から、こういうものをこういう法律的な措置をとつと処分をしようというためには、從來いわゆる民主的に民衆の声、或いは関係者の声を聽こうというようなことで公聽会その他の方法で意見を徴したようなことが外の場合には多々あるにも拘わらず、この問題だけは、提案者のお話によると、提案者即政府だと言つてもいいような関係で出しているんだというようにこの前伺つたのでありますけれども、提案者はそういう責任はなかろうが、これを取上げる國会はやはり一應只今申上げましたような愼重な態度をとつて、そうして審議に入るべきものじやないか、衆議院においてはどういうふうな方法でなされたか知れませんけれども、当院におきましては、やはり一應はそういうことをすべきではないか、会期が切迫していることは誠に事実ではありまするが、もともとこの法案の提出そのものは会期の切迫したときに出て來て、急遽これを決定するというようなことは何かそれに相應した特別緊急の理由があるのでなければ、どうも少し疑惑の目を以て國民から見られるような虞れはないか、こういうことに対して政府はどういうふうにお考えになつているか、大臣の御所見を伺います。
#98
○國務大臣(大屋晋三君) 只今の御質問は、買收の実体をよく研究し價格を出すということに対しては、政府は愼重審議やるのですが、今の小泉さんの御質問は委員長に、こういう委員会にこういう法案を持つて來るまでに、あなたのお言葉じやないですが、いわゆる公聽会というものを開くべきじやないかというようなことにもなると思うのですが、それは委員長にお尋ね願う方が適当ではないか、後のことはいよいよこれをどういうように價格を算出するかというようなことは、私の責任ですから、それは私が答弁いたしますが、前段の点は委員長から、或いは提案者かどつちかの問題じやないかと思います。
#99
○委員長(板谷順助君) この問題につきましては打明けた話が、実は前々議会から衆議院の運輸委員会又参議院の運輸委員会におきましても、戰時中に強制買收された鉄道の拂下げ問題が起つたのです。そこでこの前の議会で、衆議院の委員会において、これに対する議員提出の法案を作りまして、その時分には民自党、民主党、それから社会党もこれに賛成して、法案提出の運びになつたのでありましたが、それが遂に延び延びとして今日に至つたというようなわけでありまして、お説のように、とにかく地方の関係者或いは國鉄の從業員にも相当の影響を及ぼす問題でありまするから、或いは公聽会を開くという必要があるかも存じませんけれども、とにもかくにもこれはただ先程運輸大臣の説明されたるように、ただ拂下げするという法案であつて、從つて運輸審議会においてこれをどういう取扱をするか、或いは運輸審議会がつまり公聽会を開く必要があるかどうか、又その價格についても果してこれが賣手買手の関係において成立つかどうか、これはただ單に法案の程度でありますから、その点を一つ御承知おき願いたいと思います。それから実を申しますというと、この委員会に廻つて來ましたのが漸く昨日で、その点は非常に私も遺憾に感じておるのでありまするけれども、併しながら、まあ大体この法案に対する内容はもう先年來からこの委員会でも相当に問題となつたこともありまするから、実はこの請願に当つてもいろいろ申出がありまして、請願委員会においても、これを相当に審議したその経過のある問題であります。だからそういうふうに御了解願つて置きたいと思います。
#100
○内村清次君 先程の運輸大臣の御言葉の中、及び大藏政務次官の言葉の中にも、又先般私が大藏大臣にききましたときの答弁の中にも、少し考え方において、又その現実は事態の処理について、少し食い違つておる点を見受けますが、これはどうしても私はまだ納得行かないところであつて、それはいわゆる運輸大臣は現下の國有鉄道の経営状態において二百三十億の赤字があるんだ、そこでその赤字補填のためにもこういう問題について一應党の即ち立場から、又は運輸大臣、即ち党の一員であり運輸大臣であるところの、自分としては賛意をしておる、補填のために賛意を表しておる、こういうようなお話で、それから大藏大臣の方では、予算の提出のときにはまだこういう問題については考えておらない、將來において國有財産の拂下げについては考慮中だ、政務次官もこういう話であつたのでありますが、予算の審議においてはもう現に予算面において歳出のバランスをとつて、そうして一應の即ち財政は確立されたものである、即ち今後の経営状態によつては、すでに独立採算制の建前からこの旅客運賃の値上までしていらつしやる、そうして一應は二百三十億の赤字も埋めて、そうしてコーポレーションとして移行されておるというような状態でありますが、その赤字を埋めるというような即ち前提の下にこの法案に御参画になつたという考えはどうも私は少し違うのじやないか、運輸大臣この点についてはどうですか。
#101
○國務大臣(大屋晋三君) 御尤もな点なんで、実は言葉が足りないから……、事実最初は今回二十四年度の予算を編成いたしますときに、驚くべき赤字が予想されましたので、その際につまり間に合えばいわゆる歳入の面に、これらの鉄道を賣却したその賣上代金を以て歳入の一助としようとしいう考えを強く運輸大臣といたしましては抱きましたのですが、彼れこれいろいろな関係がございまして、法案も作らねばならん、賣却の相手も見附けねばならんというので、二十四年度の歳入の面にこの賣却を実現することができなんだのでありますが、そこで從いましてこれの賣却が実現するということは遥かに後になりますから、二十四年度の予算はもう御承知の通り旅客運賃六割の値上をいたしました收入を以て辻褄を合せるということをいたしましたのですから、二十四年度分は内村君の御示しの通り、ここに收支予算が成立いたしましたので、このつまり賣訳代金は後日まだまだ政府が金が欲しいことが沢山ある、而して單にその金は税の收入を以て補う以外に、不要な國有財産、或いは不要でなくてもこういうような精神でこの鉄道なんかを賣つたその賣上代金を歳入に持つて來て、それを以て有用な支出を考えるという、仕事を沢山頭に描いておるので、そういうふうにこれを利用するということに相成るわけであります。
#102
○内村清次君 戰時中に即ち買收されたところのこの鉄道というものは、勿論当時の経営者におきましてはそれは請願その他によつて一應拂戻して貰いたいという希望はありましよう。希望はありましようが、一應これは片附いた問題であつて、而も又これに連関しておるところの從事員や或いは沿線住民の民々も強くこの問題については反対をしておるし、同当に又鉄道自体としてもその後において相当な資金を注ぎ込んでおる、こういう見地から、而も又、まあ運輸大臣は今後コーポレーションの総裁に対して、一旦この二十四年度の予算面でこうやつて收支バランスの予算を君にやるから、これで一つコーポレーションとしての経営をやつてみろというような点で、いわゆる國会も國会の意思に從つてこのコーポレーションを認めたわけですから、それでこういう見地からいたしますると、今この問題をまだやつてもみない状態において、尚且つ一部の人たちの希望を叶えるようなこういうような法案をあなたが結局御承諾の上に考えておられるということは、どうも私として納得の行かない問題ですが、如何ですか。
#103
○國務大臣(大屋晋三君) それは先程申上げましたような、つまり財源を得るという目的も、これは相当の強い部分を占めておるので、ひとりこの鉄道ばかりでなしに、いわゆる不要な建物、或いは不要な土地、或いは不要な機関車、或いは不要な貯藏品というような、鉄道所有の財物を換價するという方針を一貫して持つておりますので、ただこれは鉄道でございますから、あなたのおしつやるようにどうも賣渡してみて却つてうまく行かんじやないか、現状の方がいいじやないかというようなお考えがあられるのは御尤もかも知れませんが、併し私共はこれを賣つて取引ができて、民間がやつて而も公共の利益を害しないという見通しがつけば、これをやつても一向差支ない、こういう信念でやつておるわけであります。
#104
○内村清次君 その御信念を押拡げて行けば、將來、即ちこれも修正案にあるいわゆる戰時中の政府が買收した鉄道の讓渡に関する問題を押拡げ出行つて、現在の國有鉄道の線路その他についてもどんどん拂下げて行くというようなお考えですか。
#105
○國務大臣(大屋晋三君) その点は鉄道に関する限り、差し詰めこの法律案に盛つておる戰時中に買收した二十二線に限定しておるわけでありまして、爾余の鉄道を民有に拂上げるという考えは今のところは持つておらないのであります。
#106
○委員長(板谷順助君) 如何です、外に御質疑ありませんか。
#107
○鈴木清一君 それではこれは所管大臣としての運輸大臣としてお尋ねしたいのですが、御承知のようにこの問題につきましてはすでにもう大臣もしばしば決議文も貰つておるでしようし、電報も貰つておると思うのですが、組合は勿論反対しておる、それで又この所管大臣ですが、外の民意の反対しておる点は、又自由党の幹部として又別のお答えになると思うのですが、御承知のように組合の反対していることの眞意は定員法問題も殊更ながら、この鉄道からこれを讓渡されて離れて行くようなことになつたらどうなるかという心理はよくお考えになつて頂けば分ると思うのでありますが、これに対しまして、この反対は相当強固なんです、或いは予測しない態度で以て反対しようというような状態でありますし、且つ又本日のごときは國会に來てハンガー・ストライキもやらなければ治まるまいとまで言つて意氣高く來ておる人たちもあるくらいで、むしろ地方の讓渡に当てられておる前部にある諸君は非常に心配しております。こうした点につきまして若しこの法案をここで可決して通つた場合、予測しないような結果が起ることについては私共初め心配いたしておるわけであります。こうして從事員の切実な点についてはどうお考えになられるか。
 それといま一つは民自党の幹部といたしまして、大臣を離れてお考え願いたいのは、民意がすでに請願、陳情を御覧になつても分るように、反対の声が多いのであります。而もそれは組合員が反対、組合員の者とか、或いはただ組織大衆とかいうことばかりでなくて、これに対しまして反対しておる、すでに業者を交えても十分反対しておる、早い話が鶴見のごときはこれに関係している業者の内五十九社もの社長の人たちが反対しておるような状態であり、横浜市会、川崎市会はすでに一致して決議しておるようである、市会議長初め、横浜市会、或いは八王子市会というような人たち、或いは九州に参りますと、小倉市の市会がこれに対しましては反対を表明しておるようであります。このように民意も十分反対しているのに、どうしてこの問題を今取上げなければならないのか。そうして又この発表が議員である限りにおいては民意を代表すべきものであるにも拘わらず、民自党の中においてさえこれに対しまする反対陳情書に紹介議員としてその眞の声を受け附けて紹介議員となつておられる人も多分にあるわけであります。そうした中において民自党の一部とは申上げませんが、民自党の中からこうした問題が出て來たということは、私共は非常に了解に苦しむわけであります。この点につきまして、所管大臣としては前についてのお答えと、民自党の幹部としての一つ御所見を聞かして頂きたいと思うわけです。
#108
○國務大臣(大屋晋三君) 只今鈴木君の御質問の点は、即ちこの問題を今取上げる必要が強いてないじやないかという御意見ですが、私これと正反対で、今こそ正にこの問題を取上げて解決するのが最も内外の事情から適切であるとこう考えるのであります。
 それから今御質問の二点で、買收の対象になつておりまする鉄道の從業員の心持をどう思うか、又二段としてはいわゆる大衆の民意の点をどう思うか、誠に御尤もな御質問ですが、先ず前段の、從業員諸君に対しましては、若しこの鉄道がいわゆる契約ができて落ち着くところに買收されたという場合には、私はでき得べくんば國鉄に從事し勤務しておつたときと少くとも待遇上において劣らない待遇を以てその鉄道の買收先に移つて頂くことを希望いたしますが、併しこれは人の自由でありまするので、そう強制するわけにも参らないと思つてあります。
 それから第二段の問題は、いわゆる民意を尊重する、沿道の人々の声を尊重する、これは誠に然るべきことで、即ちこれを買收しまして何でもかでもこれを賣渡すというようなことでなしに、正しく、いわゆる公共の利益を害しない、利益の増進になるという意味合は、即ち鈴木君おつしやるように民意、即ち沿道の人々がこの鉄道はどうしても賣つては相成らんというような、その輿論というような点もこの公共の利益という中に勿論含まれておりますので、或る線の買收を決定いたしましたときに、審議会において議する場合も勿論、運輸大臣がその判定を下す場合も勿論、更にその結果を両院議院に提出いたしまして、参議院、衆議院の議員諸公の判断も抑ぐという数段の愼重さを以てやるということにいたしておりますので、民意も無論尊重してやりますことを御了承願いたいと思います。
#109
○委員長(板谷順助君) 如何ですか、外に御質疑はありませんか。
#110
○内村清次君 この法律の條項別で、実は大体この運輸大臣の氣持も分りましたからまあこれから一つ出題者の側の方にきいて見たいのでありますが、まあ併しききます前に、戰時中に政府が買收したところの鉄道のいわゆる経営状態その他を、先だつて発議者の方にきいて見ると、一應審査したというようなお話ですが、この点は本当にまあ五名の方々があられますが、ずつと経営状態は一應見て、これならば現在の状態よりもより以上にその地方公共の利益の、福祉に叶うという見解の下に出しておられるのでしようか、どうでしようか。
#111
○衆議院議員(佐藤榮作君) 十八年、十九年に買收いたしました鉄道は二十二あるわけであります。その二十二の線の中、買收された会社で尚存続しておるものが十社ばかりあるのでございます。その全部について営業成績を調べるのも一應の考え方でありますが、今回御審議を願つておりますものは戰時立法による特別授権によりまして買收した鉄道を一括いたしまして、一應政府に拂下げ得る授権をしようという法律でありますので、この中に入つております鉄道を全部讓渡するかどうか、これは具体的な場合におきまして十分御審議を願わなければならないと思うのであります。この具体的な問題が起りました際に只今言われますごとき運輸成績であるとか、或いは地方の交通機関としての使命が如何であるか、或いは沿線の利用者の意向がどういうことであるか、各方面に亘つて調査して讓渡すべきか否かを決定すべきであり、同時に又價額算定に当りましては第五條に明記しております基準によりまして、それぞれの資料を集めて公正に決定さるべき筋のものであるというように考えるのでありますが、法律案提出の際におきましては取敢えず、会社が残つておりますものにつきましては一應資料を要求したわけであります。
 先程申しましたように戰時授権によつて買收いたしました鉄道を一應一括して民間に讓渡し得る対象としてこの法案を作つておるのでありますので、その中のどの線は拂下げに当らないとか、どの線は拂下げをしていいとか、そのようなことはこの法案では決まつておらない、その点御了承願いたいと思います。
#112
○内村清次君 発議者の方にお尋ねしたいのですが、只今ではこれは一應、この法律の内容におきましては、一應戰時中に拂下げたところの鉄道は対象としておるけれどもが、個々の鉄道に対しては、まだこの運輸審議会なるものにおいてそうして檢討した上でこれを決定するというような法律であると、こうおつしやつておるようでありますが、この問題につきましては、やはりこれは先程からのいろいろお話があつたように、この運輸の請願委員会あたりでもこの希望意見が出て参りましたが、そこで当時の運輸大臣の岡田運輸大臣でしたか、とにかく一應これは鉄道審議会で一つやろうというようなところで、鉄道審議会の方に委せるというところで、まあ一應この請願委員会でもこの請願をその方に廻わしたわけですが、この鉄道審議会というようなことの即ち内容を調べましたこと、そのことにつきましては、一應発議者の方でも御存じあつたと思いまするが、先般運輸省の方に聞いて見ますると、やはり依然として鉄道審議会はやつておるのだという御答弁でしたが、鉄道審議会の御決定に対する御考慮は如何であつたのでしようか。
#113
○委員長(板谷順助君) 内村君にちよつと申上げますが、運輸大臣がどうしても今公用で行かなければならんというのですが、運輸大臣に対する質問はよろしうございますか。
#114
○内村清次君 明日ですね、質問を続行するそのときちよつとお願いしたい。
#115
○委員長(板谷順助君) 簡單な質問程度にして、今日は大体質疑をやつて下さい。
#116
○衆議院議員(佐藤榮作君) 只今のお尋ねでありますが、先程委員長からもお話がありましたように、戰時中政府が買收した鉄道の讓渡に関する問題は、両院におきましても請願されたこともすでにあるのでありまして、又法案自体といたしましても二十三年十一月に衆議院におきましては先程申されますように民自党、社会党、民主党……
#117
○内村清次君 社会党は一部でしよう、ないはずだ。
#118
○衆議院議員(佐藤榮作君) その他の党の方々が提出者になられまして法案を議長の手許まで出され、議長の決裁まで一應得ておるのであります。その問題は別といたしまして、請願をしました線区につきましては、それぞれの院において專門員を派すとか、その他の方法によりまして現地視察もしておるのであります。これは両院共請願の後始末としてそれぞれ現地視察をしておられますので、恐らく当運輸委員会の皆樣方におきましてもそういうような事柄があつたのではないかと私は考えております。それで只今岡田元運輸大臣のお話が出ておりまするが、今回は運輸大臣が如何ような話をされたか私共十分存じないのでありますが、民主自由党所属の私共六名が提案いたしておるような次第でありますから、この点誤解並びに御混同のないように一つお願いしたいと思います。
#119
○内村清次君 今発議者の方が少し誤解されておるようです。私は鉄道審議会というものが今ある、これは当局が認めておる、これは解散していないというのでそこで決定されたということについては大きなこの法案に盛つてありまするような、ただこれは形式から行けば法案のやつは一應國会の両院の委員の承認を得るのだというようなことが、一應変つておるようでありますが、併しその性格におきましては殆んど同じじやないか、而も又運輸省の方のこの審議会というものもやはり知識経驗者、民間人その他專門員、この條項にありますような人たちが寄つて結論を出しておるんだから、その出しておる結論につきましてはどうお考えになつてやられたのであるか。
#120
○衆議院議員(佐藤榮作君) その点は鉄道審議会が如何ような答申をされたか分りませんが、私達は國会の委員として、実は審議会の御意見もさることでありますが、この法案を出して意見……、立法をすることは、これは最も機宜を得たものじやないかと実はかように考えておるのであります。恐らく今後この法案が皆樣方の御協賛を得て通過いたしました曉において具体的にこの路線を民間に拂下げをするかどうかというような問題の際には過去の調査その他も恐らく鉄道審議会では参考にされるだろうと思いますが、只今その過去において審議されたこと、それは実はこの法案と直接の関係は実はないのではないかと、かように考えております。
#121
○内村清次君 それはもう発議者の方では直接に関係は勿論これは法案自体の性質から言つて、又法案自体の、今から構成しようという、即ち人の顏ぶれから言いますればそれは変つたことになるかも知れませんが、一應当局の方でやはりこの問題を中心として、そうしてその答申しておるんですね、そうしたならばこれは人が変れば変るじやないか、世の中が変れば変るじやないかと言えば、それは一概にその普遍的な問題として取扱うことはないかも知れませんが、一應大体原則的にはもうここで当時の大臣も審議会は作つてやりますが、自分たちの方では意思がないけれども、審議会の一應意見を聞きましよう、專門員の意見を聞きましようというようなことで、國会自体はその方に委せた、委せたが、その委せた審議会がこれはいけないという、こういう判定を下した、そうするとそういう判定は國会の意思において、運輸委員会の意思において判定して貰つたことだからこれを更にこの委員会が同じ性格の委員会を認めてやるということは國会のこれは各会派を問わずどうもおかしい、結局これはやはりあなたの時が変り、時が移れば又天下の状態も変るじやないかという状態というのは結局数の即ち状態であつて、それで押切つて行こうというようなお考えの下にどうもこの法案を出されたような氣持がしますがね。
#122
○衆議院議員(佐藤榮作君) 当時のお話は内村委員の方がお詳しくいらつしやるんですが、御承知のように鉄道審議会というのは運輸大臣のあれは諮問機関でございまして、別に決定権のあるものではないように私は思つております。而して私が伺つておるところでは岡田元大臣が当時鉄道のことは鉄道の審議会と連絡をとつて決めるからというお話をされたのでありますが、当時衆議院におきましては、その大臣が、審議会だけで決めることは不穩当だ、重大なる問題であるから國会がこれに関係すべきが筋だというようなことで一應大臣の申出があつたが、それはその通りに從がつたのではなかつたというように私は伺つております。私は衆議院、参議院も同様だと思いますが、この事柄の性質から見まして、やはり一審議会に全部お任せするというわけには恐らく行かない、これこそ國民の代表の府である両院も或る程度の関與は当然なさなければ決め得ないような重大な問題ではないかと実は思うのであります。先程來内村委員なり鈴木委員からいろいろ事柄の性質の重大さを御主張になつておられますが、私共も同様に考えます。同様に考えますが故に一審議会の意見は、それ審議会でかく決めたではないか、だからその審議会通りなぜやらないかと言われるのは私は不滿なんであります。私は審議会で、よし買收した線を拂下げろ、こういうような意見が出たといたしましても、尚國会におきましては國会の立場においてこの問題に関與すること、これは当然じやないかと実はかように考えておるのであります。恐らく内村委員も事柄が重大だからということで御発言なすつておられるのだと思いますが、重大なればこそ尚更國会においても十分過去の審議の模様等についてもその結論についてもう一度檢討をする必要があるように私共は考えております。
#123
○内村清次君 その点は全然同感です。併し審議会のいわゆる決定事項については、これはただ運輸大臣の諮問機関であつて運輸大臣だけの作つた問題であつて、そうして國会は全然関係はなかつたかというと、そうではなかつたのであります。運輸大臣が國会において相当答弁されてこういうような機関を作つてやりますからというようなことで、請願委員会では内閣に対しては運輸審議会において十分討論をすべしというわけで、一應これは多数決によつて採択されたというような状態があつたわけですが、これを又一審議会の答申のみでなくして、これを又國会全体において審議するというようなお考えは尤もでありますけれども、この第二條からいわゆる運輸審議会の性格というものがやはりこの問題に集中した性格であるし、同時に又構成の、即ち人員程度又構成人員の條件につきましてもやはり殆んど同じような性格になつてしまう、できればやはりこの結果から見てみますればやはり鉄道審議会の性質と同じことだし、ただ形式的に國会の承認を得るということであつて、國会はやはりときの絶対多数の、即ち意思の上で決定するような法案になつておりますからして、その点をもう少し具体的にこれはこの委員会ではどういうようなことをやらなければならない、いわゆる公聽会も開き世論もよく聞いてやらなければならないというような條項が、これには余り見えておらない、ただ一方的に地方の交通というようなことが字に見えておりますけれども、どうしてもその字の表現が、現在の経済情勢下においてはどうしても私が考えましても、この戰時中の買收線を拂下げても、或いは公共の福祉に適うような状態に経営ができるかというようなことはどうしても考えられないのです。この点についてこれは結論においてはやはり相当に、運輸当局がこの会社自体に対しては補給金をやり、又相当な資材の便役もやらなければならないというような事態になりはせんかということを私は考えておりますが、こういうような経済情勢と引き比べた会社の経営をどうお考えであるか、この点を一つ……
#124
○衆議院議員(佐藤榮作君) 内村委員は長い間、鉄道におられ鉄道のことは詳しいわけですが、私も又鉄道におつたので、鉄道のことは或る程度存じ上げておるつもりであります。只今御指摘になりました点は、第一條の公共の利益なり或いは地方の交通の利便を増進するや否やという問題から発しまして、國有是なりや民営是なりか、こういうお尋ねだろうと私は思うのであります。私は概括的、一般的、抽象的な立場においての國有論、民有論をここでやることは、問題を解決する所以では実はないように考えるのでありまして、具体的な問題について当該地区が民有民営の方がいいか或いは國有國営の方がいいのかということを決めて頂きたいと思うのであります。一般的に申しますと御承知のように一般的には民間鉄道の場合は、旅客輸送に相当の力を拂つておるように見受けられ、國有の場合におきましては旅客、貨物、特に貨物輸送については、特別政策運賃まで設定して特別に力瘤を入られておるように実は考えられます。而もこの交通の利便という方の面から見ますならば、輸送力の増大であるとか或いは安全度或いは正確さいろいろの問題があるように思うのでありますが、これらの一概に民営の場合、不都合だと実は言いかねるように思うのでありまして、御承知のように長大な又重い機関車によりまして一回の輸送力は非常に多いが、列車回数は非常に少い、小さな機関車であるが輸送回数は非常に多い、一体いずれが便利なのか、こういうような問題もあろうと思います。或いは線区によりまして特別な施設企画を必要としない、具体的に申せば御承知のように、そう大きな産引力の機関車で引つ張る必要もない、小さな機関車でいいのだ、かように考えますので、自然にレール等にいたしましても、小さなレールでもいいというような問題にも実はなつて來るのであります。これは長い間、鉄道におられ経驗を積んでおる内村さん、鈴木さん等もよく御承知の点と思います。そういうような問題を各方面から一つ総合して御判断を願い、そして当該路線を讓渡すべきかどうか、これを一つ決めて頂く、それはやはり相当專門的の知識を必要とするのでありますので、今回公社としてスタートいたします鉄道省における鉄道審議会でかような問題を一つ取扱つております。元の法案といいますか、修正前は実は鉄道讓渡審議会という特別審議会を作くろうかと考えまして、パブリツク、コーポレーションとしてスタートする鉄道審議会ということになつたのであります。それらはすでに決まつておる鉄道審議会で決めて行く、この鉄道審議会は岡田元運輸大臣当時の鉄道審議会とは性格がすつかり違つておるのであります。字句は同じでありますが、これは皆樣方の御協賛を経て出発せんとする一つの機関であります。でありますから今回この審議会でこういう問題を取扱うという場合におきましては、過去の運輸大臣の諮問機関に過ぎなかつた運輸審議会とは内容なり性格がすつかり変つております。この審議会が公正な立場におきまして、そうしてこの重大な問題を取上げて行く、当該線区を民営に移すかどうか、讓渡すべきかどうか、或いは價格をどうするか、その範囲は如何にすべきかというようなこの第四條でしたか規定しておるような事項を決定して参るわけであります。先程來いろいろ線区についての拂下げの反対の請願があるということを言つておられますが、私共も反対の請願なり或いは陳情なりが各地から來ておることは実は承知しておるのであります。同時に又この民営に移して欲しいというような陳情なり請願はひとり旧会社ばかりでなく、地方におきましても、沿線の町村それぞれの地方議会の決議まで添えて実は参つておるような次第であります。私はこの席上で陳情の数を比較しようとは考えておりませんが、只今申上げたような点はこの問題が如何に重大であるかということを意味するものだと思いますので、この運輸審議会なり、或いはその後の処置なりにつきましては、どこまでも公正に又この第一條に明記しておりますごときこの趣旨に合致するようなそういうような処置を是非ともとりたい、かように実は考えておるのであります。
#125
○内村清次君 今その反対及び賛成の比較論が言われたようでありますが、実際その何ですね、これは現在の國有鉄道に当時引継がれた職員の人たちが、又更にその会社経営の方に引継がれるというような事態になるということについては、もう現下の情勢では非常なやつぱりいろいろな生活状態も激変しておりますし、又今回の政府がなさんとするところの即ち首切法案その他において非常な変搖しておることは実際であつて、請願を取扱つてみると、実際に鉄道を拂下げた当時においての引継職員、現在の職員、運輸省の職員としてのですね、待遇は非常に同情すべき点もあるわけで、請願委員会におきましても、いわゆる退職金の問題、それから勤続年限の問題、こういう問題も取上げられたような次第ですが、そういうような見地で非常に不安に思つておる從事員の問題を今後処理して行かなくてはならない、今後考えて行かなくてはならないというような、いわゆるこの審議会の委員に、いわゆる第十一條の二項ですね、これにはそういうような代表者は委員であることができないというようなことがあるのですが、これは一体どういうお考えからこういう條項を規定されたものでありますか。
#126
○衆議院議員(佐藤榮作君) 尤もな御意見だと思います。この拂下げにつきまして、利用者の立場からの御趣旨が前段にもあつて、或いは從業員の身の振り方について如何になるかという御配慮のようでありますが、私共提案者の方から見ましても、実は利用者の問題と、利用者一般大衆ですが、その問題と、同時に從事しておる從業員の処置、処遇これは実は非常な大きな問題だと考えて参つておるのであります。そこでこの法案の中におきましても、先ず第一に失職することのないように職を確保するということを先ず第一に考えております、先程運輸大臣からもお話がありましたが、勿論大人の意思に最後にはよらなければならないことでありますが、建前といたしましてはこの民営に拂下げをするというような、そういうように経営者が代るというような場合に、從業員が失職をする、職を失うというようなことは絶対に避けなければならないと思つておるのであります。又衆議院におきましては共産党の諸君から鉄道從業員の待遇は会社よりもよい、從つて会社になつた場合には待遇が低下するから反対だこういうお話がありました。私は長い間鉄道に身を奉じていたのでありますので、内村君にいたしても同様だと思いますが、恐らくこの鉄道の方が民営よりも待遇はいいのだと一概には言つてしまえるような状態ではないと思いますので、共産党の諸君の言い分はこれは間違つているだろうと思います。恐らく私と同様に内村氏も考えられることと思いますが、個々の会社を鉄道の待遇とを比べて見た場合にはいい場合もありましようし、惡い場合もありましよう、いろいろあるだろうと思います。併しこの拂下と言いますか讓渡を実施いたしました際に、それらの方の待遇がです、特に不都合を來たさないように、この点については特別の留意が拂われておりまして運輸大臣が鉄道に処置をなし得るように、その点の保護規定を実は設けてあるのであります。かように考えますると精神的な問題といたしましては、これはどうも解決のしようがないのであります。この点では職を変わられる、少くとも職を変わる、会社を変わると言いますか、経営主体の違つたところに移られるのでありますので、その点については実は線済方法はないのでありまして、誠にお氣の毒と言いますか御同情申上げる次第でありまするが、最も現実的なる面においていわゆる失職するというようなことは、これは万全の方途を講じて防ぐし、同時に又待遇が低下するということのないように、十分の注意が実は拂われておるのであります。從いまして最も大事なことであり、又重大な問題である從業員の処遇につきましても、十分注意をいたしたように思うのであります。而して運輸審議会に從業員の代表を入れることはできないかというお尋ねでありますが、運輸審議会は過般両院の審議を経ましたように、それは特別の機能を持つものでありまして、純中立的な立場においてこれが審議運営を図つて行く、例えばその委員になる人は利害関係を持つてはいかんということは実ははつきり明記されておるのであります。これはこの運輸審議会の性格上から見まして尤もなことである、いずれにも偏しない、又委員そのものが何ら利害関係を持たない、こういうような方を実はお願いするということにもなつておるのであります。これに特に只今言われますような從業員の代表を入れるということは、私共も反対でありますし、運輸審議会の建前からそれはむずかしいとかように実は考えておる。
#127
○内村清次君 この只今の御説では職員の待遇の補助について、これは十八條で「前條の場合において、会社は、当該職員が讓渡の際に有する待遇に相当する待遇を保障しなければならない。」この一項が書いてありますね、いわゆる現在の職員の釈與をそのまま保障しなくちやならない、これはですね、いわゆる待遇上の保障の点については、これで万全だというようなお考えはどうかと思うのですね、そこでこれは引継のときにはつきり現われた現象でありまして、國有鉄道なるが故にこれは相当この人員も余計に收容しようと、同時に又その收容した範囲内においては、勿論当時は國有鉄道の方の職員の素質の点や、又將來國有鉄道の從業員としての技倆その他の観点から、或いは幾らか、これは比較して見ますと、公職というような問題も起つてはおりましたが、一應これは國有鉄道に引継がれた從業員というものは、もう職は安定するのだ、如何なる経済状態の変動があつても一應その職は安定するのだという前提の下に立つているのですね、ところがこの法案においては、これは相当待遇を保障しなくちやならないという一項だけであつて、事実この経営上から見てみますと、やはり現在のこの戰時中に買收されたところの鉄道というものは、これは五億その他の赤字があるのだということは、発議者自体も認めておられるのですね、それでここの線別の経営状態を、ここで具体的にお互い、発議者と又我々とで檢討とて行きたい、これはこの委員会といたしましては実に重大なことでありますから、して行きたいのです。又私達はそれを希望するのですが、併しながら先ずそれは暫く措くといたしまして、そういうような経済情勢の下に引継がれた赤字の会社に今後引継がれるような人たちは、やはり自分の職というものに対する心配というものは非常に多いのですね、同時に現在從業員のすべてが反対しておるのであります。それで反対しておるところのその会社に引継がれて行つて、これはもう実際食うに食われないからして結局不満ながら残る人も、それはあるでしよう、あるでしようけれども、それは丁度やはり戰時中において強制的にやられた方策と一つも変らないような状態が浮かんで來るのですね、これはこの法律一片で、これはあなた方は保護法が出ておるから安心だというようなことを言うが、実際の状態は決してそうじやない、これは明らかなものです、そういうような不安な状態に陷らせるような從事員を、その代表を一人入れて、或いは二人入れて、その讓渡計画に対して発言権を持たせるということは、これは当然である、私はこのコーポレーション移行のときにも、これは当然労働者の代表を入れるべきだということは、党一本の姿としても主張したわけです。この状態というものは、やはりアメリカの鉄道にも、イギリスの鉄道はもう勿論ですが、労働者代表のおらないところの管理委員会だとか、審議機関だとかいうものはないのです。こういうようにやはり労働者の代表を入れて、職員の代表を入れて、そうして労働環境や或いは又職員の今後の状態についてやるというようなことは必要であるが、そういうようなところのない法案ですね、ただ外面、形式をどんなに審議しましても、形式を飾るような状態と私達は思いますが、この点についてはどうですか。
#128
○衆議院議員(佐藤榮作君) この法案では、御承知のように、第四條の一号以下重大事項を決定する場合におきましては、両院の同意を経なければならないということに実はなつております。個々の線区の從業員、これは直接関係される方の御意見も他の方法で聞かれるのもこれはいいことでありましようが、望ましいことでありましようが、私共が國家的機関の関與という面から見ますれば、これは両院におきましても、これに同意を與える機会があるのでありまして、この意味におきましては、皆樣方は、一線区の從業員ばかりでなく、廣く國民の代表としての立場におかれまして、この同意権の行使を実行なさるのでありまして、これこそより強いものではないかと私は考えるのであります。恐らく内村君にいたしましても、從業員の代表を是非入れろと言われますことは、こういう事柄が極く少数の審議会の委員だけで決められ、そうして大臣が決定してしもう、そうして多数の從業員や事業者の意向が無視されては困る。こういうような御懸念であろうと思いますが、只今申されましたような点は、一應考えられておりますので、これはいろいろの立場におきましての御主張はおありだろうと思いますが、私共はこの法案で只今言われることを補つているのじやないか、かように考えております。
#129
○委員長(板谷順助君) 丹羽君に申上げますが、あなたが不在中に、長時間に亘つて質疑が継続しておつたのでありますが、あなたは何か御質疑がありましたならば、今委員外に質問をしたいという御希望もありますが、あなたは何かありましたら、提案者を代表して衆議院の佐藤さんが見えておりますから、どうぞ。
#130
○丹羽五郎君 私ちよつと佐藤さんにお尋ねしたいのですが、実は私、先程この法案を初めて拜見したのです。その折に一番私が驚いた点は、第二十二條の免税の点だつたのです。恐らく今権利移轉税が千分の三、千分の四というような、百分の五、百分の四という時代にこういうことをやつて行くことが、法案自体に如何に内輪のだらしなさ、又その法案作成者の意図がここに現われておるか、実は私はこの法案については余り信頼できないということを、前田氏が來られた折に申上げたのですが、今日はその二十二條を全部削られておりますから、削つたやつを別に申上げるわけじやないのですが、最初この二十二條をお拵えなさつた本意図はどこにあるのですか。
#131
○衆議院議員(佐藤榮作君) これは先程來いろいろお話をしておるのですが、この二十三年の十二月に、衆議院においては一應戰時中政府が買收した鉄道の讓渡に関する法律案というものが、議長の手許まで実は出されているのです。これはひとり自由党ばかりでなく、民主党、それから第九の民主党の方、社会党、或いは高瀬君もいますから、その他の会派の方も、それから國協党の方もおられるわけであります。殆んど各党とも極く少数の方ずつではありますが、二十名署名された実は案ができているのであります。その中の案を見ますと、今御指摘になりました二十二條に該当するような、税に関する規定が実はあるのであります。事柄の性格が、戰時中買收した鉄道の讓渡に関する法律案というものは、なかなかこれは大きな問題でありますので、各党一樣に意見が一致しているような扱い方をする方が、これは案の進行上、又議員提出の上から行きましても、一應望ましいように実は考えたわけです。それで原案といたしましては、御指摘のような條項があつたわけでありますが、運輸常任委員会の審議の経過から見まして、これに対する修正案が出まして、その点では原案を固執することなく、修正案によつて参議院に回付して來た、これは別に意図あつて申上げるわけじやないのですが、どういうわけでそう変つたかと申されますので、率直にありのままの経過を申上げる次第であります。
#132
○丹羽五郎君 私はあなたが提案者ということであつたので、今日はそのつもりでお尋ねをしますけれども、実はこの法案を、二十二條はないのですから、これを論ずる必要はないと思いますけれども、併しこの法案を審議する上においては、運輸委員会として、実は私は大いにお伺いして行きたいと思つておるのだか、第一國以來今日までに全部で千三百幾つかの法案が出ましたが、その中で未だ見ざるようなだらしない、功利的な、一方的な法案は、初めて見たのです。而もこの中には権利移轉をやることを一つの要件としてここの法文が書いてあつたのです。六ケ月以内においては讓渡を受けた者はこれを他に譲渡すべき場合にはやはり前條の規定を準用するということになつております。今ここで経済界の一番大きな問題は権利移轉税ということです。それが権利を受けた者がやはり免税に等しいような低い税率で又第三者にそれを讓渡ができるということを、これも起案者が、一條から全部に盛り上げておるような氣分が裏にするわけです。そこであなたのような賢明な方が、何でこれを讓渡を受けた者に対して、五ケ年なり十ケ年なりその事業の安全性を考えるならば、権利移轉の、讓渡禁止の條件をこの中に織り込まなかつたということを、私は実は提案者としてのあなたにお尋ねしたいのですが、当然考えるならば、讓渡を受けた者は、公共事業、公益事業として、これはやるならば、受けた人が少くも十ケ年なりは他にこれを讓渡できないというような讓渡禁止の條項を特に入れることが、実際の法の精神を活かして行くものじやなかろうかと、こう考えておつたのですが……
#133
○衆議院議員(佐藤榮作君) 丹羽さんの御意見、私ちよつと理解しかねるのでありますが、この拂下げをいたしました鉄道と言いますか、拂下げが実施された曉においては、実はこれが一つの地方鉄道としての経営形態になるのでありまして、地方鉄道として、いわゆる地方鉄道法の適用を受けるというのが普通の考え方のように私は思うのであります。でありますので、この拂下げを受けた鉄道は特別の何か制限を付けろというお考え方には、私共どうも考え方が一致しないのでございますが、それはどういう意味でございましよう。何故制限を付けなければならんのでございましようか。その点一つ御疑問となさつておる点を明確にして頂いたら私分るように思うのです。
#134
○丹羽五郎君 私はこの法律でこういうように樂に法律によつてこれを拂下げをするという法律を作るならば、少くもその反対給付の立場を考えて、この事業を國家が賣つても公益ということにはちよつとも変りはない、國家に監督権はあるわけだから、少くもこれを買つた人は十ケ年なら十ケ年の間は第三者に讓渡できないようにして法文を作つて行くことが、私は今の場合に、國家が仮に賣るとした場合に、一番必要なことじやなかろうか、実は私の議論の要点は、新らしく日本國有鉄道法というものができるのであるから、公共企業体の新らしいものが……、一應その方に立つて、私は日本國有鉄道の立場から、新らしい法人格の立場から、私はこういう案が出て來るならば又これは考えてみたいと思う、まだ日本國有鉄道というものはこの六月一日から誕生する前に、そこからいろいろのものをこつちに横へのけて行くという法律を、今何でここで作らなければならんかということから私は考えて、少くも十ケ年くらいの讓渡禁止ということが、私は立法の本当の精神でなかろうか、こう考えるのです。
#135
○内村清次君 議次進行について……この委員会の再開劈頭に私、言いましたように、委員長も十分御承知と思うが、この審議をこの委員会ですることについて、大藏委員会の方では決議をやつてそうして議長に申込み、すでにその問題は議院運営委員会の問題になつておるんだということは、十分御承知の筈だと思うのです。そこで委員長はこれを採決にしようと、この審理を進める上において採決にしようというようなお考えもあつたようですが、一應私はいわゆる所管大臣を呼んでおつたために、所管大臣だけは聽いたらどうかということで、皆さん方の氣持もそうあつたようでありましたから、聽いたわけですが、まだ運営委員会においてはこの問題で本会議を止めて、そうして運営委員会で話しておるという状態ですね、そういうような状態のときにおいて尚この委員会を……、これはもう発議者に対してはまだ十分質問して行きたいところは沢山ありますのです。この條項別にですね、併しながらもう本会議もそういう観点で今議事を止めておるような状態ですから、暫く議院運営委員会の樣子を見るために、一時休憩したらどうですか。
#136
○委員長(板谷順助君) それは先つき申上げたように、今この際採決をするというところまで進んでおらないんだ、要するに議長によつてこの運営委員会にこの案が付託をされて、又委員長としてはこの委員会に付託されることが当然であるというような信念下のに、実は昨年來開いたわけであります。別に質疑を打切るとかいうような考えはありませんけれども、折角先つき申上げたように、例えば運輸委員会でこの法案が何れに廻るとしても、現在のところでは形式の上において運輸委員会に付託されておることでありますから、それで先程來御了解を得てこの質疑を継続しておるわけであります。であるから、多数の諸君が暫時休憩するという御意思であるならば、別に委員長はこれを固執するものではありません、ありませんから、諸君の意向によつて行こうということを言つておるわけであります。(「休憩しよう」と呼ぶ者あり)丹羽さん、今佐藤君があなたの質問に対して答弁すると言つておりますが……
#137
○内村清次君 まだ発議者にきく点が沢山あるのですよ、こちらが正式にこの議案を取つて審議するということになれば……
#138
○丹羽五郎君 私の質問に対して佐藤君が答えるそうですが、これは後で結構ですから……
   〔委員外議員島清君発言の許可を求む〕
#139
○委員長(板谷順助君) 委員外議員の発言はとにかく委員の質問が終つてからにして下さい。
   〔委員外議員島清君「関連しておりますから」と呼ぶ〕
#140
○委員長(板谷順助君) 委員外の質問は委員の了解を得なければなりませんから……
#141
○鈴木清一君 私も実は質問のまだ数はあるのですが内村君が質疑をしておりましたので……。まだ私も佐藤さんにも次官にもお尋ねしたい点が沢山あるのです。それで内村君の質問の終るのを待つておつたのです。どうですか委員長、御趣旨を分つておるし、先程のあれのように委員長の氣持も分つておるので、本会議を止めて向うですでに待つておるというような状態なんですから、一應ここで質疑る打切つて、そうして各派交渉会を早く開いてスムースに持つて行くようにしたらいいと思いますが……
#142
○委員長(板谷順助君) 大体の御質疑を打切つたと……
#143
○内村清次君 いやいや。一應です。
#144
○委員長(板谷順助君) それでは三十分間休憩いたします。
   午後九時九分休憩
   ―――――・―――――
   午後九時四十九分開会
#145
○委員長(板谷順助君) 再会いたします。本日はこれで散会いたします。
   午後九時五十分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     板谷 順助君
   理事
           小泉 秀吉君
           小野  哲君
           丹羽 五郎君
   委員
           内村 清次君
           大隅 憲二君
           入交 太藏君
           飯田精太郎君
           高田  寛君
           村上 義一君
           結城 安次君
           鈴木 清一君
  委員外議員
           島   清君
  衆議院議員
           佐藤 榮作君
           前田  郁君
  國務大臣
   運 輸 大 臣 大屋 晋三君
  政府委員
   大藏政務次官  田口政五郎君
   運輸政務次官  加藤常太郎君
   運輸事務官
   (鉄道総局業務
   局長)     藪谷 虎芳君
   運輸事務官
   (海運総局長
   官)      秋山  龍君
   運輸事務官
   (海運総局総務
   室長)     壺井 玄剛君
   運輸事務官
   (海運総局海運
   局長)     岡田 修一君
ソース: 国立国会図書館
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