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1949/05/14 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 農林委員会法務委員会連合審査会 第1号
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1949/05/14 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 農林委員会法務委員会連合審査会 第1号

#1
第005回国会 農林委員会法務委員会連合審査会 第1号
昭和二十四年五月十四日(土曜日)
    午後一時四十二分開議
 出席委員
 農林委員
   委員長 小笠原八十美君
   理事 坂本  實君 理事 松浦 東介君
   理事 八木 一郎君 理事 山村新治郎君
   理事 八百板 正君 理事 長谷川四郎君
   理事 深澤 義守君 理事 寺本  齋君
      遠藤 三郎君    河野 謙三君
      坂田 英一君    田中 彰治君
      野原 正勝君    平野 三郎君
      渕  通義君    村上 清治君
     藥師神岩太郎君    石井 繁丸君
      井上 良二君    大森 玉木君
      竹村奈良一君    中垣 國男君
      吉川 久衛君    寺崎  覺君
 法務委員
   委員長 花村 四郎君
   理事 金原 舜二君 理事 高木 松吉君
   理事 石川金次郎君 理事 梨木作次郎君
      押谷 富三君    佐瀬 昌三君
      田嶋 好文君    眞鍋  勝君
      武藤 嘉一君    猪俣 浩三君
      田万 廣文君    上村  進君
 出席政府委員
        法務政務次官  山口 好一君
        法務廳事務官
        (民事局長)  村上 朝一君
        農林政務次官  苫米地英俊君
        農林事務官
        (農政局長)  山添 利作君
 委員外の出席者
        專  門  員 岩隈  博君
        專  門  員 村  教三君
        專  門  員 小木 貞一君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 農業資産相続特例法案(内閣提出第一八八号)
    ―――――――――――――
#2
○小笠原委員長 これより農林委員会、法務委員会連合審査会を開会いたします。
 私が主たる委員会の委員長でありますから、暫時本連合審査会の委員長としての職務を行います。
 それでは、農業資産相続特例法案を議題とし、審議に入ります。まず提案理由の説明を聽取いたしましてから、質疑に入ることにいたします。なおこの際、質疑は通告の順にこれを許しますから、あらかじめ御通告を願います。それでは、まず政府の提案理由の説明を求めます。苫米地農林政務次官。
#3
○苫米地政府委員 農業資産相続特例法案につきまして、その提案理由を御説明申し上げたいと思います。
 申すまでもなく、わが國の農業は、その経営規模がきわめて零細でありまして、農業生産力の発展をはかる上において大いなる難点をなしていることは御承知の通りであります。從つて経営規模が現状以上にさらに零細化を示すことに対しては、可能な限り必要な対策を講じますことは、きわめて大切であります。
 この事柄に関連して一昨年新憲法の施行に伴い、民法が改正せられて、家督相続が廃止され、均分相続が行われることになりましたが、このことは、これをそのまま農地その他の農業資産の相続に適用することとなりますと、そうでなくても過小な農家の農地等は、さらに細分化されるおそれがあることは明らかであります。従いまして、新しい憲法の精神と民法の制度に即應しつつ、相続に起因する農業資産の細分化を防止して、農業経営の安定をはかるべき適当な措置を講ずることが必要であります。この法律は、以上の観点から、農業者の相続に関し、均分相続の原則と農業経営の安定の要請との調整をはかるため、民法の特例を定めんとするのでありまして、本法案の主要な内容は、概略次のごとくであります。
 農地その他の農業資産は、原則として農業を営む見込みのある者一人に相続させることにいたしたのであります。しかして農業資産相続人の決定につきましては、まず第一に被相続人の指定した者があるときはその者、被指定者がなければ共同相続人間の話合いによつて選定された者が相続人になることとし、またこの話合いがまとまらない場合は、共同相続人の申出によつて、家庭裁判所で決定することになるのであります。
 次に、均分相続の原則との関係につきましては、農業資産相続人一人に農業資産が帰属することになりまして、他の共同相続人が不当に利益を害されることのないように、民法による相続分に應じて、他の共同相続人は一定額の求償権を有することといたしました。もつともその求償権については、農業経営の安定を害しないようにしなければなりませんので、その求償に関して、もし当事者で円満な話合いがつかない場合におきましては、返還の金額、時期、方法等を家庭裁判所で、諸般の事情を考慮の上これを定めるようにいたしております。
 以上が法案の主要な内容でありますが、何とぞ愼重御審議の上、すみやかに御可決あらんことを御願いいたします。
#4
○小笠原委員長 これにて提案理由の説明は終りました。引続き本案に対する質疑に入ります。通告順によりまして、上村進君。
#5
○上村委員 まず第一に、こういう法案を出すにつきましては、民法施行後、今日までに、全日本の農村において農業資産がさらに細分化されるおそれがあるというのですが、そういう実例を政府当局においてはお調べの上、お確かめをいたしてのことでありましようか。その点をまずお伺いしたいのでございます。
#6
○山添政府委員 これはまだ新しい民法が施行になりましてから、そう時日もたつておりませんし、全國的に調査をいたしたような結果は持ち合せておらないのであります。現在におけるやり方といたしましては、大体こういうふうな場合が多いのであります。相続人が大勢ありましたときに、他の共同相続人が相続の放棄をするという形によりまして、大体分割しないで相続をいたしておるというケースが多いと思います。この事柄は、調べました数箇の事例によりましても、家庭裁判所に相続放棄の届出が非常に多いという事実からも察知されるのであります。全体といたしまして、新民法の施行後農業資産が分散をいたした、こういう事実は確かめておるわけではございません。ただだんだんそういうことになる危険性は感じておるわけであります。從つてこういう法律によりまして、規定の事項と基準を示しまして、農業資産が分割されることがないようにやつて行きたい、こういう考えでおつたのであります。
#7
○上村委員 そうすると、ここに細分化するおそれがあるということは、單に政府の観念的な想像であるというふうに承つてよろしゆうございますか。
#8
○山添政府委員 これは外國の事例等――もつともこれもかなり昔の問題でありますが、相当細分化されておるような事例があるのでありまして、日本の農業におきましては、御承知のように明治以來をとつてみましても、大体耕地面積が五百万町歩見当、農家戸数も四百五十万から最近は六百万、大体五百万ということでございまして、
    〔委員長退席、坂本(實)委員長代
  理着席〕
経宮規模といたしましては、現在は平均約八反強、しかも小さい人が非常に多いという事情からいたしまして、日本の農業の場合におきましては、これ以上農業経営の立場から見ての細分化というようなことは、あまり考えられないと思うのであります。それにいたしましても最近の――特にいくさが済みましてからの状況は、これは民法の関係ではございませんけれども、零細農が非常にふえておりますことは、きわめて顕著な事実でございまして、こういう情勢が続きます限り、また日本全般としての就業の機会が非常に十分にあるということでもございません限り、やはり現状以上にそう著しいということでなくても、細分化の方向に向うことは、これは想像と申しますよりも、どうしてもそういう傾向になるだろうというふうに考えております。
#9
○上村委員 そうすると、結局においては、民法の均分相続の実績というものは、全然当局においては確かめていないというわけですか。
#10
○山添政府委員 これはまだ日も浅いことでありますし、全國的の調査をいたしたわけでもありませんので、明確にそういう事実があるということを考えておるわけではないのであります。ただ農村の場合に、いかに扱われておるかということにつきましては、ある種の事例について調べてみた資料がございます。それによりますと、先ほど申しましたように、相続の放棄ということによつて、今の形における農業軽営が承継せられておる、こういうことになつておるという事実を申し上げておるわけであります。
#11
○上村委員 私の経験では、今政府委員が言つたように、この相続が開始された事件をしばしば取扱いまして、何の不都合もないわけでございます。要するに、当事者において、相続権の放棄をしたり、放棄しなければ一緒にやつたりして、決して農業経営を妨害するような結果が生じていないのであります。にもかかわらず、そういうおそれを抱いて、つまり結局想像をいたしまして、せつかく民主的に均分の相続を民法で行つておるにかかわらず、そんな想像的なことで、この大問題をまた元へもどすということは、私ども非常にどうかと思うのですが、その点は、いかがでしようか。
#12
○山添政府委員 これは外國のことでありますから、事情は違いますけれども、過去におきまして、フランスその他におきましては、相続の関係によりまして、相当この細分化を來したのでありまして――もつともこの場合には、昔のことでありますから、細分化によつて能率があがつた、こういうようなこともございますけれども、細分化を來したという事実は、疑いないのでありまして、日本の場合におきましても、ただいまうまく行つておるとおつしやいますけれども、日本の農業は、現に非常に零細なるものである。これを経営の見地から見まして、さらに細分化する余地が少いという経営上の要求、社会的な、経済的な理由から來ておるのでありまして、それが大部分ではありますけれども、同時に現在ではまだ新しい民法の趣旨がそれほど徹底していないというところからも、この細分化を來していないようなことになつておると思うのであります。從つて將來を考えてみますれば、現状に何らの措置を講じない、また國として何らの指導方針的なものも示さないといたしますれば、これはある程度細分化を進めて行くということに当然なると思うのであります。從つてただいまの事情におきましては、何ら支障がないと言いますのは、結局民法が施行されたけれども、それがそのように行われていないということによつて、支障がないということになつておるわけであります。そこでやはりこの民法の基本原則を一方には考え、一方には農業経営上からするところの下分割を考えて、そこに合理的な制度を立て、そうしてそれを基準にして物事が動いて行く、処理をされて行くということが一番望ましいのではないか、こういう考えでおるのであります。
#13
○上村委員 その点深く議論すれば、議論になりますが、そうするとなおさらにお問いしたいのですが、この細分化するというのは、一体何が細分か。土地の所有権が細分化するのか、それとも耕作権が細分化するのか、この点をお伺いいたします。
#14
○山添政府委員 それは両方の場合があろうと思います。この法律の目的といたしますところは、所有権並びに耕作権を含めた農業の経営というところに着目をいたしておるわけであります。
#15
○上村委員 両方が細分化すると言うけれども、耕作権が細分化するということは、さらに所有権が細分化する以上に私はないと思う。所有権は観念的なもので、相続分において所有権を持つということはあり得るのですが、今全日本の農家において、一つの農家が農業を経営しておるというときになると、まず今日では農地の開放が前提となつて、耕作権というものが主になつておるわけです。この耕作権は決して均分相続によつては、そうやたらに細分化していない状態にあると私は信じますが、日本の状態において、この耕作権が均分相続によつていかに細分化され、またされておる、されようとしておるかを、当局はお調べになつたことがございますか。その点を明らかにしていただきたいと思います。
#16
○山添政府委員 なるほど耕作権自体といたしましては、先ほども申しましたように、日本の農業経営といたしましては、現在以上にそうむやみに細分化することは実際上でき得ないのでありますから、細分化の傾向というものは比較的少いと思うのでありまして、実際問題としては、細分化ということは、相続の関係におきましては所有権についてであります。しかし建前といたしまして、これは自作農創設特別措置法の根本精神であるところの、所有と耕作権とを一致せしめる建前、これが農業政策のわれわれの考えの基礎をなしておるわけであります。
#17
○上村委員 そうすると、民法の施行によつて、耕作権がどういうふうに細分化されたかどうかということは、明確になつておらぬというわけですか。
#18
○山添政府委員 この点につきましては、先ほど相続一般の事例について申し上げた通りであります。
#19
○上村委員 そうすると、当局が先ほ所有権と耕作権の両方の細分化を恐れるというのですが、どの点から言つても、まだ実績においては細分化を恐れる、だからこういう法律にしなければならぬというような、実績はどちらにもないということを承つておりましたが、どうですか。
#20
○山添政府委員 先ほども申しますようなことでありまして、現在それほど顕著な事例が現われておるというわけではございません。われわれはそういう事実が現われてからでは間に合わないのでありまして、その前に一定の規定を置きたいという考えであります。
#21
○上村委員 そうすると一種の何と申しますか、杞憂と言うては語弊があるかもしれないが、まず細分化しない間に、これを何するという意味であつて、実績はわからぬ、こういうわけですな。
 なお続いてお尋ねしたいのですが、この法律によつて、実際においては少くとも民法の、農村における農家の立場から、家督相続の復活になるのではないでしようか。
#22
○山添政府委員 これは農業を実際に承継して行く人が相続をいたすわけでありまして、家督相続でございますれば、これは長子相続、すなわち身分的なものであります。これは今の生れた身分というようなことには関係がありません。事実その農家を承継する人が承継をして行く事実に立脚しておるわけであります。
#23
○上村委員 それはまつたく純法律的であつて、この法律が農家において適用されて、そしてこの原案の法案のしまいにくつついているような財産が、全部特例相続として一人の人に行くならば、法律観念は違うが実際においては家督相続と何らのかわりがないわけです。そうするとここに一つ、これは法務総裁かあるいは農林省の関係でもようございますが、かえつて家督相続と、それからこの特例による相続との争いが激化するということは、お考えになつておりませんか。
#24
○山添政府委員 そういうことは、家督相続というのは今ないのでありまするし、そういう例はないと思つております。なるほどたれが農業を相続するかということにつきましては、現にその家にあつて農業に從事しておる人から選ばれるわけでありまして、長子でありましても、これが他の方面に出て仕事についているということでありますれば、この農業資産を相続することとは関係がないわけであります。おのずから事態々々によつて農業資産の相続人が定まるというふうに考えておるわけであります。
#25
○上村委員 純粋なる家督相続ではありませんが、民法にはつまり礼拝所や、俗に言えばそこの家を継ぐという特殊な人があるわけです。それとこの相続人と違えるということがあり得るわけです。そういうことの矛盾はお考えになつたことはございませんか。
#26
○村上(朝)政府委員 民法の規定によりまして、祖先の祭祀を承継すべき者と、この法案による農業資産相続人とは必ずしも一致しないと考えるのであります。
#27
○上村委員 そこでその一致しないものができるような点をお考えになつて、それでもこれをこういうふうにして置く方がいい、つまり民法の方の礼拝所を相続するのと、特例資産相続をするのと違つたがために、かえつて家庭に争いが多くなるということを、御研究になりましたかどうか聞きたい。
#28
○村上(朝)政府委員 その両者が違うために、かえつて争いがしげくなるというようなことは考えておりませんので、特にそういう点についての研究はいたしておりません。
#29
○上村委員 これは実際問題として起り得る問題なのです。ある事情によつて、つまり長男が大体民法の位牌を継ぐというこになつて、それに指定しなければならぬ。しかるにその後において、それをかえて全然別個のものを指定する。こういうことになると、そこにつまり家の問題として、そういう家督相続はないけれども、農村にはやはり家というものがあつて、そして相当それに対する祉会上の地位やいろいろの問題がある。それを指定された人と、それから全部の農業を経営される人とが別人になるということは非常に家庭の争いをこの法律によつて増して行くということを、われわれは懸念するのですが、その懸念があつてもそれは什方がないというのでしようか。そういうことはない、問題じやないというのでしようか。どういうものでしようか、その点を明らかにしていただきたい。
#30
○村上(朝)政府委員 私どもとしましては、そういう懸念はないと考えておる次第であります。
#31
○上村委員 ないという理由をもう少しし御説明願いたい。
#32
○村上(朝)政府委員 多くの場合、両者が一致すべき事情がありますれば、被相続人は同じ者を指定いたすことと思われますし、たとえば長男は同じ村にいて、学校の先生をしている。二男は農業を引続いて営んで行くというような場合に、長男を祭祀を承継すべき者に指定し、二男を農業を営む農業資産相続人に指定するというようなこともあり得ると考えます。特に違つた人を指定するという場合は、何かそれに適した事情がある場合に行われると考えますので、この法律ができることによつて、家庭の争いが多くなるという懸念はないものと私ども考えております。
#33
○上村委員 さらに進んで、この特例法案は、せつかく民法が均分相続にしたのを、何ら理由なく――われわれが今直観したところでも、政府の答弁では、大してこれを改正しなければならぬという理由がないのに、こういう改正案を出すというのは、要するにこれは家族制度の復活へと、あるいは地主制度の復活へという結果になるというようなことを、お考えになつたことはありませんでしたか。
#34
○山添政府委員 全然そういうことは考えておりませんし、またこの結果を想像――想像といいますか、推測いたしましても、そういう結果にはならないと考えております。
#35
○上村委員 一人の相続人にほとんど大部分の財産をやるというようなことは、やはり家族制度の復活、あるいは地主制度の復活へ行かないとは断言できないと思うのであります。行かないと思うならば、その行かないという理由の説明を、簡單でもよろしうございますから説明していただきたいと思います。
#36
○山添政府委員 家族制度と言いますが、これは人によつてそれぞれ解釈があろうと思いますが、どこの國でも――日本のような家という制度は、これは日本独特でしよう。どこへ行つたつて家族を中心にして協同生活をしておるという家族生活はあるわけです。農村におきましても、これは民法がかわろうとかかわるまいと、農業を中心として一つの家族が生計を立てて行つておる、この家族生活は前からありまするし、今後もあるわけです。この事柄が持続するということと、旧民法における家、もしくは家の観念が、そのまま存続するということは、おのずから区別して考えるべきであると思います。
 それから地主制度の復活ということのお話がございましたが、農業経営を一本的に、安定したものとして持続して行くという事柄と、みずから耕作しないで、土地の所有権を持つという地主制度とは、全然別個の問題でありまして、もしこういう農業資産相続特例法案というものがないといたしますれば、これは所有と耕作権とが分離をするということでありまして、規模は小さいかもしれませんけれども、性質上は、いわゆる旧地主制度がそこに復活するゆえんがあるわけでありまして、またそれを放任しておきますれば、そういう耕作権と離れた所有権が集中することも考え得るのでありまして、こういう法律がなければ、それこそただいまお話になりましたような地主制度が復活をする、こういうように考ておるわけであります。
#37
○上村委員 その点はそのくらいにしておきますが、一人の人に指定してしまうということになると、この点においては遺産相続で、あとの人は求償権を持つということしかないわけですが、これによつてこの相続は、普通のいわゆる一般相続と同じように、指定すべき人が、その以前に均分相続人になるべき相続人に分與するということを、妨げるものであるかどうかをたしかめておきたいと思う。
#38
○村上(朝)政府委員 この法律案は、農業資産に属する財産を被相続人が生前の処分または遺贈によりまして、推定相続人その他の者に與えることも妨げるものではありません。從いまして共同相続人の一人に対して、農業資産の一部が贈與あるいは遺贈されるということもあり得るわけであります。
#39
○上村委員 そうすると、一体弟なら弟が実際はそこの家におつて、兄は東京におつて役人をしているとか、先生をしているとか何かしておる。こういう場合に、実際は弟が相続を行う耕作者であるにもかかわらず、兄を指定した場合にはどうなりますか。
#40
○村上(朝)政府委員 指定された者がその農業資産について農業を営む見込みがない場合、東京で教師なり役人なりをしておつて、自分で農業を営む見込みがないことが明らかな場合には、他の共同相続人の請求によりまして、家庭裁判所がその指定を取消すことになつております。第五條にその規定があります。
#41
○上村委員 そうすると、そういうことがちよいちよいあり得ると思うのですが、むしろそういう相続によつて、実際の耕作権者が特例相続によつてひどい目にあつて、そうして極端に農業をし得ない者といえばどういう種類かわからぬが、ちよつとよそに出ておつて、家に帰れば長男である。そういう人が帰つて來てすぐに相続の指定を受けたというので、実際今まで耕作しているところの弟がなんら文句を言うことができずに、そこの農業を捨ててしまわなければならないということは、むしろ立法の趣旨からいうと逆の効果を生ずるのではないかと思う。そういうようなことを、一体お調べになつてこういうことをやつたのであるかどうかを確めておきたい。
#42
○山添政府委員 これはもとより先ほども申しますように、現在までの事実を克明に調べてやつたという性質のものではないわけであります。この法律の性質といたしましては、かくあるべしという基準をここに立法化しようというのであります。ただいまお話になりましたような場合が絶無とは言えませんが、そういう場合におきましては、家におつて農業を営んでいる人は、これを家庭裁判所に持込みまして、正当なるその前の指定の取消し、自己に対する農業資産の相続人の指定、こういうことができるのであります。すなわち農業を実際営んで行こうとする人に対しては、この法律はこれを承継し得べきところの法律上の保護を與えておるのでありまして、もし何らのこういう法律の規定もなければ、上村委員のおつしやつたような事柄は、その場合にその不合理な財産の処置がそのまま続けられる。こういう結果になるのでありまして、そういう場合があればそれを是正する。少くとも是正し得る法律上の権利を與えるというのが、この法律の趣旨であります。
#43
○上村委員 私どもは多年民主主義の立場から、長男相続はいけない。すなわち親が子に対する愛はすべて平等である。從つて男の子が三人あるならば、この父の財産は三人の男の子、いな男の子だけではなく、女の子でも、とにかく親が子に対する愛は平等である。これを見のがすことはできない。そして今の耕作権の例をとるならば、せつかく新しい民主主義憲法によつて民法が改正されて、親の耕作権を農村の二男も三男も、三人の子供が平等に持ち得るということは、これは民主主義からいつてどこまでも喜ぶべきことであり、強調しなければならないことなのであります。にもかかわらず何ら弊害もないのに、この規定をむりやりにこしらえて、そうして昔の長男相続制にもどして――長男にとは言いませんけれども、大体この法律ができれば長男の方に行くことは、農村の封建性からいつて当然なのです。そうするとせつかく二男、三男が憲法によつて獲得したところの財産権というものが、この法律によつて一人の子が独占して、そうして他の同等の愛を要求すべき二男、三男あるいは二女、三女、これの権利を無視するということは、これはどうしても非民主的であり、民法の改正の根本趣旨にも反するし、また憲法にも反すると私は思いますが、この点について法務総裁並びに農林大臣の所見を伺つておきたいと思います。
#44
○坂本委員長代理 法務総裁は本会議で緊急質問の答弁がありますので、出席を要求しておりますが、今すぐここに出席しかねるそうであります。農林大臣は御要求がなかつたのでまだ呼んでおりませんが、後刻に願います。
#45
○上村委員 それはひとつぜひ大臣の責任ある答弁を伺つておきたいと思う。これは日本におきましては、特に日本の農村におきましては、重大な問題でございます。一政党政派の問題ではなく、日本農村全体の問題であり、從つて日本の農民、ひいては食糧問題、そういうことに重大な影響のある法律案でありますから、ぜひとも責任ある答弁を得たいと思います。
 私は他にまだたくさんありますが、独占してははなはだ相済みませんから、私の質問はこれで打切ります。
#46
○石井委員 ただいま上村委員が、法律的な立場に立ちましていろいろ質問されたのでありますから、私は、農村におけるこういう相続の形が、実際において政府の意図しておるような形になるか、あるいはまた逆の結果になるのではないか。そういう農村の実情に即した立場からお尋ねをし、農林行政、あるいは日本における均分相続体系にも関係して参りますような、重大な点については農林大臣並びに法務総裁等の御答弁もお願いしたいと思つております。
 大体民法において、相続の問題は均分相続になつたのでありますが、今度農村についてはこの特例法が出たのであります。これは農地だけでなく、今度は個人の営業の方においても、おそらく今後特例を出してくれというのが頻繁に起ろうと思う。農業資産、あるいは漁業資産、あるいはまた商人においても、あるいは個人の企業においても、みな同じような形が現われはしないかと思うのであります。こういうような措置をとりますと、相続の均分、相続の法律の体系というものが、根本的にくつがえされて來ると思うのであります。これらの相続の体系というものができたについて、それに対するいろいろな結果あるいは欠陥等が現われて來ると思う。あるいはまたこれに対して、日本の國民が民主的にどう解決するかというような結論をまたないで、そういうような特例を出すというようなことは、大きな法律の体系を混乱に導くものではないかと考えるのであります。これについて法務総裁においては、日本の相続体系というものの形をくつがえしてしまうものではないか。たまたま一つの例外であるが、今後さような問題が出た場合においては、現在の憲法の体系をくつがえしてもそういう特例を認めて、一般均分相続が、実質上においては特例の法律になつてしまうというようなことについてどうお考えになるか、お伺いしておきたいと思います。
 それから相続というものは、御承知の通り漫然とあるものではありません。各國の立法の体系、相続の体系を見ると、大体相続というものは祭祀を中心としたところの相続、あるいは経済根拠また経営から來る相続、血族というものを中心とした相続、これらの法律の体系から出て來ておるのでありまして、今度の相続というものは、大体経済経営ということを中心として來ておるのであります。そういう立場になりますと、民法の相続の問題等も、やはりそれに関連して根本的に考え直さなければいかんと思います。民法の相続に対する根本的な基盤というものがどこにあるか、それに基いて今度農業相続というものがどういう形をとるべきか、また他の経営というものに対しては、どういう相続の体形がとらるべきものであるか。こういう問題について、根本的に掘り下げた一つの相続の立法体系というものがつくられなければなるまいと思うのであります。問題が起るたびに、木に竹をついだように、ただ目前を糊塗するということであつては、非常に立法上の体裁からしても当を得ないようなかつこうになるのではないかと思うのでありますが、これらの点につきましては、法務総裁より、日本の法体系の一つの行き方について責任を持つておる当局として、十分な根拠に基いて御答弁を願いたいと思うのであります。
 さらに私は主として農村の立場から申し上げます。御承知の通り、けさの新聞等によりましても、ウ博士が、総司令部の人口問題の顧問でありますが、日本の人口は多過ぎるということで心配しておるのであります。本日の新聞を見ますと、本年一月の人口は、千人につき四七・八の出生率、一二・七の死亡率である、自然増加が三五・一、昭和九年一月以来の人口増加である。かように言われておる。昭和五年十月の国勢調査においては六千四百四十五万の人口が、十年になると六千九百二十五万になつております。十五年には七千二百十四万になつております。こういうふうに非常に人口が増加して來ておるのであります。昭和二十一年、戰後でありますが、五月一日から二十二年の九月三十日の十七箇月におきまして、人口が百六十七万人ふえた。食糧が不足である、人間が餓死をする、戰死者等も相当に出た、病人の手当もできないというようなときにおきましても、百六十七万人の人口の増加がある。こういうことが、反映いたしまして、農村におきましても人口の増加が非常に大きくなつて來ております。二十二年の八月一日においては、農家人口三千五百九十一万余であります。二十一年の四月二十六日のときにおきましては三千四百二十四万人、この十四箇月に農村の人口だけでも百六十七万人の増加、つまり五%の増加があるわけであります。この間におきまして、耕地を見まするというと、二十二年の八月一日五百三万七千町歩であります。二十一年四月六日におきましては、五百一万余町歩というふうになつておる。つまりその間において、耕地の増加は二万五千六百町歩ばかりでありまして、人口の増加は農村におきまして五%であるのに、耕地は〇・五%である。こういうふうに農村人口というものはやたらに多くなつておる。しかるに耕地はふえない。これが実情である。今後開拓等をいたしましても、なかなか農村の耕地というものは、人間がふえるようにふえない。こういうふうな問題になるときに、根本的に農村の人口問題というもの――日本の全体の人口問題等もありまするが、こういうふうな大きな問題を考慮に入れないで、農村に置いたところの少しの人間だけが、耕地をこれをだれかに経営させて、この経営規模を細分したくないというふうにお考えになつておりますが、そこでそのはみ出されたところの人間を、一体どういうふうに処置されるおつもりであるか、一体農業経営にありついた者はどうにかなるが、それ以外の人間になりますと行き場がない。これらの問題について、法務廳方面におきまして、一体この人口問題について、どういうふうな厚生省との関係があるか、また農林省当局においても一体どういうふうにしてその問題を処理して行くつもりであるかということ等々について、根本方針がありませんと、他にはけ口のない人聞は農家のうちにこもつて來るということになると、農業経営の規模の零細化というものは防げますけれども、しかしながら一経営規模のうちにおいて多くの人間をかかえるということになる。昔の新潟縣のように二男、三男というと、それには嫁をもらわせない。婿に行くまではおじとして家の中にとじ込めて置くという制度ならよろしいと思いますが、今ではだれも細君を持ちたがるというふうな実情になつて來ると、非常に小さい経営規模で、他に人間のはけ口ができないという現在の状態において、一体それらの問題をどういうふうに解決するか。こういうふうな、根本的な問題に触れないでは、問題の解決ができない、この場合問題と農業経営の形態というものによつて、農林省並びに法務廳当局におきましては、産児制限、堕胎罪の廃止、こんなふうないろいろな問題にも関係があると思います。また農林省におきましては、過剰人口、農村からはみ出すようなこういう人間をどういうふうに考えるか。また將來において、根本的にどう考えたらいいかというようなことについて、大臣の答弁する範囲もありましようが、当局の答弁を求めます。
#47
○山添政府委員 ただいま石井委員の述べられた問題は、現在の農村において深刻な問題だと思います。日本の人日は明治当初から比べますと二倍半ぐらいになつておる。農家戸数は当時およそ四百万戸、現在では六百万戸でありますが、ほんとうの農家らしいのは五百万戸、農家の戸数ないしは人口というものはそれほどふえなくて、國全体の人口が非常にふえておる。結局農村にふえましたものは他の工業、商業あるいは公務、自由業、そういう方面に、それぞれ経済の発達に應じて吸収をされて行つたのであります。ところが戰争が終りましてからは、他の方面で非常に就職の機会が少いところへもつて参りまして、在外邦人が六百万人も引揚げておられる。農村に縁故のある人は農村に入つておられる。あるいは戰争中に疎開された人がそのまま入つておつて、農村の人口は非常に多いのであります。一番悩みの問題は、二男三男をどうするかという問題であります。しかしこれを考えますにつきましても、農村だけを切り離して、農村の人口問題をどうするかということでは、もとより解決の道もございません。やはり國全体といたしまして、貿易を中心とするところの経済の回復、産業の拡大ということによつて、初めて解決される問題であると思います。農村自身の問題と言いますか、農林省だけの問題といたしましては、農業につきましては、農村工業を興して、できるだけ就業の機会を造成する。また開拓の問題にいたしましても、食糧増産の面がありますと同時に、農家の子弟をそういうところに吸収をいたしたいという、人口問題の上からも考えておるのであります。ただ現在どういう計画でどうなるかということは、日本全体の経済の今後の発展の速度、規模というようなことが確実にはつかめないので、これを計画的にどうであるかということは、今はわからないのでありますが、何と言いましても、農村の立場から見ますれば、一番人口を多く吸収してもらわなければならぬのは、他の産業方面にあることは間違いないのでありまして、それは貿易を中心としているうりな産業を興すようにいたしたい。こういうふうに考えております。
#48
○村上(朝)政府委員 人口問題につきましては、大体ただいま山添政府委員からお答えいたしたところで盡きておると存ずるのでありますが、これに関連いたしまして、法務廳で堕胎罪の廃止等を考えておるかというお尋ねもございましたが、ただいまのところ、堕胎罪を廃止するというようなことまでは考えておりません。
#49
○石井委員 今の民法の相続は、血族ということを中心とした相続の体系であると思います。しかるに今度のは、経営ということを中心とした法律体系であります。そういう特例法が幾つもできると、基本法が血族を中心としたものでありますから、特例の方が、実質上においての主体たる民法の原則よりも大きくなつて來れば、法体系が根本的にくずれて來ることになりはしないか。こういう点について、法務廳はどういうお考えでありますか、お尋ねしたいと思います。
#50
○村上(朝)政府委員 民法におきまして、相続は血族を相続人といたしております。この点におきましてはこの法律案も同様でありまして、民法の定めております相続人の中で、特に農地細分化防止という目的のために、一人の人に農業資産を収得させるというのにすぎないのでありまして、血族中心の相続体系をくずすということにはならないと考えておるのであります。状來も同様な特例がたくさん出て、特例の方が多くなつてしまいはしないかというようなお尋ねでございましたが、農地につきまして、特に細分化防止ということが農業政策上きわめて緊要な関係上、この法案によりまして特例を認めようといたすのでありまして、將來各種の事業について、それぞれ同様の特例を設けて行くということは、考えておらないのであります。從いまして民法のいわゆる均分相続は、大原則として將來も維持されるものと考えております。
#51
○石井委員 この点はあとで法務委員の方によく御質問願うことにいたしまして、私はこの農業の資産相続によつて、農村の経営形態を安定させるということについての農林当局の御心配は、よくわかるのであります。しかしながら一番問題になりますのは、今農村において農業形態を安定化するというふうなことも必要であろうと思いますが、農村において封建的な要素を非常に残し、農村の民主化を妨げ、次第に農村が、いろいろな経済の変化その他に基いて封建的な、最も退歩的な農業経営になつてしまうということになりますと、角をためて牛を殺すというような形になると思うのであります。この点におきまして、上村委員は長男だけに身上をくれるというような結果になつて、あとのものは不利益になるのじやないか。要するに兄弟に同一の恩恵を與うべき民法の規定を破る。憲法の制度を破る。こういうふうに申しておるのでありますが、実際問題としては、現在におきまして、もしただいま山添農政局長が言つた通り、今後におきまして若干日本の経済にゆとりができ、海外貿易等ができて参りまして、二男、三男のはけ口、あるいは人口問題の緩和等もでき、それらの問題が解決しますと、農村における農業資産を相続したものが非常に有利であるかどうかということについては、非常に大きな疑問が持たれて來るのであります。今までにおきまして、どういう関係で長男が一應相続して來たかということになりますと、長男で身上をもらえるから、得がとれるから、しんぼうして親の言うことを聞いて相続人になるというような人は少かつたろうと思います。実際の問題として、小作人の家あるいは小さな自作人の家においては、とにかく長男というものは家業を継ぐものだ、こういう一つの多年の慣習から跡を継いで來たと思います。大きな地主であるとか、大きな財産のある農家であれば別でありますが、一般にはそうであつたろうと思います。そういうふうな形であつて、あとからそれは得だ、非常にそのものが他のものから見ると有利であるということばかりに断定はできないのでありまして、そういうようなときにおいて、今度の農業資産相続特例法というものが、一つの災いをなさなければよろしいがと考えるのは、これは法律によつて農業資産の相続の指定の問題であります。この指定が一旦指定したものがまた取消しができるという規定になつておれば――御承知の通り日本の農村の世代交替というものは非常に期間がとれる。一世代の交替が三十年であるというような調査の結果になつております。たとえば会津地方とか、山間に行きますと、親の代を継ぐものが六十になるという跡取人が非常に多いという状態になつておるのであります。この指定というものを與えるなり、また取消しをしたりする。こういう形になつて参りますと、相続をする人、農業資産を受け継ぐ人の地位が非常に不安定になつて來る。こういうふうな形になつて來ました場合において、実際は指定したり取消したり、こういうふうな、今の被相続人に活殺自在の劔を與えておいて、そうして一家において農業の責任をとるものの地位が定つて行くかどうか。おやじがそういうことをやたらにすると、子供が多いというような場合におきまして、法律でこういうことをしますと、むしろ混乱が起きるのではないかと思いますが、これらについて農林省並びに法務廳当局の御意見を、一應承つておきたいと思います。
#52
○村上(朝)政府委員 被相続人に農業資産相続人指定の取消しをする権利を與えることによつて、農業資産相続人の地位を不安定にするおそれはないかという御趣旨の御質問のように承りましたが、相続開始前における推定相続人の地位というものは、民法におきましても不安定なものでありまして、この特例が出ませんでも、被相続人は遺留分を害しません限度においては、すべての農業資産を生前において他人に贈與したり、あるいは遺贈することもできるのであります。この特例法ができることによりまして、農業を営もうとするものは、相続人の地位が特に不安になるということはないように考えております。
#53
○石井委員 農業において非常に経営者の交代が遅くなる。親がいつまでも身上まわりをしておる。こういうことについて十分に考慮を拂わないと、実際におきまして、指定権の制度というふうなものができ、また取消すというふうなことができますと、私としては、非常に農村に混乱を惹起するのではなかろうかと思います。ということは、御承知の通り、農村におい長男がます先に嫁をもらうのであります。ところが日本では多年の慣行で、どうも嫁いびりというのを非常にいたすのであります。これは今まで通りであつて、とにかく兄嫁が兄貴と一緒にこの身上を継ぐのだということになりますと、しゆうとあるいは小じゆうとたちが、嫁いびりをしたり何かするが、自分たちがいつかは嫁のせわになるから、しゆうとが嫁いびりをするにも限度がある。弟妹も、いつかは兄貴夫婦のところにお客に來たり何かするというようなわけでありますから、嫁いびりなんかするにも限度が一應きまつておる。ところが、日本において、そういう嫁いびりの風習がある所で、うまく兄貴と嫁をいびり出すと、身上がもらえるのではなかろうかということにからんで、問題が起るのではなかろうか。今まではそういうことはなく、とにかく幾ら親孝行をして百姓を一生懸命しても、親が死んでしまえば、兄貴夫婦がかまどの下の灰までおれのもんだと言えば、勝負がきまるわけであります。今までは農業資産の相続をする。身上をもらつたというよりも、経営を継いだ。とにかくそういうような状態であつた。ところが今度は、こういうような指定権があり、また指定の取消しがある。そして二男、三男のはけ口も思うようにない。その上に最近において非常に冠婚葬祭がはでになつて來ておる。それで実際長男に身上を譲る場合に、早く譲りたがらない根本的な原因は、その冠婚葬祭の費用の多いということである。自分が五十に近くなつても子供をつくる。そうしてしまいにできた子供までちやんと嫁にやろうというような考えになると、なかなか跡取りにはまかせられない。冠婚葬祭の費用が、特に嫁入りの費用が非常にふえて來る。こういう状態において、うちで若いころから農業の手傳いをしておる相続の責任を持つような立場の人は、そう一々おやじかむりにこしらえたところの御祝儀その他をはでにやるということは、結局跡取りをする責任者が、弟妹のために一生奴隷のようなかつこうになる。そういうわけで反対をすると、親たちは自分の子供がかわいいという立場から、当然跡取りの立場にあるところの長男夫妻と不和を生じて、そのような人たちが家にいつかれないというような問題が、非常に起るのではないか。民法の相続均分の制度ができたり、また指定の取消しという問題ができたり、次第に冠婚葬祭の費用はかさみ、農業の経営は困難である。嫁をいびるという犠牲が伴うような問題が起ると、今までは民法を知らないから、均分相続というものがあまり争われなかつたからよかつた。この相続法もおやじに指定権があるのだということを知られないうちはいいが、これをおやじに指定されるということが知られて来ると、また大きな波瀾を起すだろうと思うのであります。大体日本の相続法が、初め末子相続であつたということは、もうよく御存じの通りであります。大体相続というものは、昔から末子相続が人類の原則になつておる。それが支那における儒教の関係で、日本に長子相続というものを持つて來られたのでありますが、実際親になると、末子の方がかわいい。上の者はとかく親にたてついて來る、下の者はかわいい。そういうことがさつき言つたこととからんで來まして、そうして、おやじがいつまでたつても身上をまかさない。そしてその間に次々に弟妹の御祝儀や阿かに金がかかつて、そのために争いが積み重なつて來る。そこでおやじは、こういう身上をだれにくれようと、指定権もあり、取消権もある。それから氣に入らなければ、おやじにあとの弟妹たちがたきつけて、そんなことならいつそ私どもがもらおうじやないか。そのようなことを言つて來る。こういうことになつて、民法は知らないから均分相続で争いが起らないというような局長の意見でありますが、この法律がよく農村に知られたあとにおいて、そういうふうな困難な原因を取除かないで、それらの点をそのままにしておいて、この法律が適應されると、きりなく農村に混乱を引起し、家庭の悲劇を引起す。いろいろと問題が多かろうと思うのでありますが、それらの点について、政府はどういうふうなお考えを持つておられるか。またこの法律が、そういうことに対する運営にあたつて多くの欠陥を発生して、せつかく骨を折つてつくつてもらつて迷惑をしたというようなことが起らないかどうか。これらについてのお考えをお伺いしておきたいと思うのであります。
#54
○山添政府委員 世の中にはいろいろなことがありますので、今仰せになつたような事柄が、全然この法律との関連において起り得ないということは、断言はできません。しかしもしそうでなくして通常の均分相続によるということでありますれば、今お述べになりました事情から申しますれば、農業を相続をしておる人は、いろいろ苦労をして他の兄弟の費用、教育、嫁入りということにも盡しておつた。しかるにおやじが死んでみると、みなそれぞれわけ前を持つ。こういうことが民法の上から当然ということになるのであります。これだとあまり農業政策上困ることはもちろん、また社会道徳的に見てもおもしろくない。そこでこの法律といたしましては、大体のあるべき規範を示しておるのでありまして、惡いケースがあるということも考えられますけれども、しかしいい場合と比較してみますると、悪いことは大体例外ということであります。そこで原則についての立法をいたしておくことが妥当である、こういう考えでおります。
#55
○石井委員 その点について、これ以外にうまい妥当な考え方はなかつたのですか。何かもつと別な方法で、農村にさような混乱を招かない、そしてすなおに今の農村の形というものとにらみ合せて、そういうふうな特別立法をしないでも、何とか解決する方法が考えられなかつたかどうか、承りたいと思います。
#56
○山添政府委員 この法律のごとく、農業経営を分割しないで、そのままに続けるという前提におきましては――これは遺贈の方法とかいうようなことはあるわけでありますけれども、それでありますと、おやじがかつてなことをやるという弊害が著しいわけであります。弊害が著しいと言いまするか、そういう一方的なことになる。あるいは相続法というような、言いかえると、そういう制度がありますゆえに、わざわざそうするのだという無理というか、感心しないような方法になるわけであります。やはりこういう重要な問題につきましては、まつ正面から新しく法を規定するということが、最も必要だという考えを持つております。
#57
○石井委員 この点について先ほど上村委員も述べたのでありますが、大体相続ということについて、所有権、財産というふうな形から見ないで、耕作権、つまり農業経営の形態ということから見た一つの理念が述ベられたのでありますが、大体において、これは意見にもなつて参りますが、農業の経営というものを一應早くさせる。ある子供の適任者があるときには、農業の経営を早くさせる。少くとも四十歳くらいで責任が持てるというような者があつたならば、もう一切収支の責任を持たす。三十歳前後においては、仕事の上、農地上の責任は持たせるというような農村のあり方をつくつて行く。そうして親が死んだときにおきましては、遺言を待たずしてその農業経営の責任を持つておる者に対しては、民法に認めたところの最大限度の贈與の規定でありますが、あの贈與の規定を必然的に適用させるというような形になりますと、遺産相続、つまり半分の身上と、自分の受ける分と、並びにそこに母親がおりますれば、母の三分の一、大体八割程度はその農業の経営の責任の衝に当つておる者が、おのずから受継げるというようなかつこうになろうかと思います。そういうふうにいたしますと、指定の問題をめぐる争いもなく、それから早い間に農業の経営の担当者をつくるというふうな形になつて、若い者が農業の実情に参加しますれば、農村の若がえりにもなり、封建性も取除ける。そうして一つの看做し規定であつて、遺言を証文等をつくらないでも、実際に農業上の経営者になり、農業協同組合に名を出して、供出の責任者にもなる、こういうようにして行くと、そこでおのずから問題が解決する。むしろこういうことが一番適切なあり方ではなかろうかと考える。そういたしますと、相続法に対する遺言の規定を一つ改めれば問題が解決するというふうなことになり、法律の体系もくずさずに、実際にもまた指定権上の争いもなく、農村が若がえるというような問題等にもなつて來るのであります。今後の農村問題の実情とにらみ合せて、さき言つたよめの問題、冠婚葬祭の問題、農業経営の困難の問題、これらがなされるときには、そういうような方針等が一番適切な方法ではなかろうかと思つておるのでありまして、私どもといたしましては、民法の改正後におきまして、各地におきまして、農村の青年あるいは年寄り等から、そういう方面のいろいろ意見を聞いておりまするが、それらの点について、非常に農民も考えておるのであります。こんなような簡易な解決方法、こういう点についてのお考えはあつたかどうか、承つておきたいのであります。
#58
○村上(朝)政府委員 民法におきましては、遺言の自由を認めておるのでありまして、だれに遺贈をするか、あるいはそれを取消すかということは、まつたく被相続人の自由とされておるのであります。それを制限することは、農地の細分化のために別段役立つとも考えられませんので、その点については考慮いたしておりません。
#59
○石井委員 大体要点を質問さしてもらいました。この問題は非常に研究すべき問題でありますから、法務委員の方におかれましても、実際はそれらの農村の実情というような点から、法律的見地に立ちまして、十分の御檢討を願いたいと思います。実際の農村に起つた幾多の実例等に基いて質問をいたした次第でありますが、あとこれに基くところの立法的な処置やいろいろな点は、法務委員の方から十分に御質問願つて、そうしてこの法律が、正しく農村に適用されるような形につくられることをお願いしまして、私の質問は終ることにいたします。
#60
○坂本委員長代理 佐瀬昌三君。
#61
○佐瀬委員 私はこの法案がきわめて重大性を持つているという意味において、扱い方をどうすべきかということをここで考えて行きたいと思うのであります。先ほど上村委員の御質疑に対して、この法案を実施する必要性が一体あるかどうかという点について、政府委員から、具体的にはその点を農家の零細化というような意味の調査をしてないというようなお答えがあつたように承つておりますが、これは民法を制定する当時から、農地改革の問題と相並行して、すでに一部では取上げられておつた問題であります。そこで私は各地区における公聽会とか、あたかも労働立法について労働者の意見を徴したごとく、そうしたようなことが農林当局においても必要であつたのではないかと思うのでありますが、あるいはそれを実施されたということであるならば、どういう形式でもいいのでありますが、そういう方面の一般の意向がどうであつたかということをここで御披露になつた方が、本法案を理由づける実証的な根拠になるのではないかと考えるのであります。そういう観点から御説明を願えれば仕合せだと思います。
#62
○山添政府委員 一昨年この件につきまして、相当廣い範囲にわたりまして農村の輿論調査をいたしたのであります。その結果もまとまつて印刷物にしております。九九%まで均分相続によるところの分割は困る。やはり農家の実際農業をやつて行く者、その当時あまり民法の知識もないような人は、長男という言葉を使つておりますが、一人で相続して行くことが望ましい、困つた世の中になつたものだ、こういうような意見が九九%、その資料はまだございませんから提出いたしたいと考えております。
#63
○佐瀬委員 至急にその資料を御提出願いたいと思います。
 それから次にお伺いいたしたいのは、先ほども石井委員から法務廳当局に対してお尋ねがあつたようでありますが、ひとり農業資産に限らず、漁業資産あるいは中小工業資産の相続についても、同様の問題の起る可能性があるのでありますが、これらを総合的に法務廳において調査研究されたかどうか。もし調査研究されたならば、その辺に関する資料をこの際御提出願う方が、本案を審議する上において便宜だと思いますから、その点をお伺いしておきます。
    〔坂本委員長代理退席、山村委員長代理着席〕
#64
○村上(朝)政府委員 御説のように民法親族編、相続編の改正は、憲法の改正に伴う緊急の改正でありましたがために、十分な調査研究をするいとまがなく、憲法の要求する最小限度の改正であつたのであります。相続編の中で、共同相続に関する規定は、家督相続の廃止に伴いまして、当然根本的に考え直すべき事項を多く含んでおるのでありますけれども、根本的檢討するいとまがないために、とりあえず從來の遺産相続の規定を踏襲して、今度の規定ができたのであります。その際も中小商工企業その他の共同相続についてどういう方策をとるかということも考えられたのでありますが、共同相続に関しては、民法相続編の規定を根本的に檢討する際にあわせて檢討するということで、今日に至つておるのであります。この点につきましては、改正民法が國会において御審議になりました際にも、付帯決議として、早急にさらに改正をすべき点を立案することになつておりますので、法務廳におきましても、親族編、相続編の再檢討という意味におきまして研究を始めておるのであります。何分問題が雄大でありますために、またお示しできるような資料にはなつておりません。その点御了解を願います。
#65
○佐瀬委員 内容にわたつては、すでに各委員からも出ておりますように、かなり憲法上の問題もあり、また民法上相続体系の上から見た論議もあり、また他方においては日本の農業の確立、農地改革の徹底、あるいは農村の民主化という意味合いからもきわめて重大な内容に思われます。憲法問題については、いずれ法務総裁あたりから御答弁があるはずだと思いますが、そういう根本問題はしばらくおきまして、ここではこの法案の内容について一、二お尋ねしておきたいと思うのであります。
 まず第一に考えなければならぬのは日本の家族制度、これは政府委員からも、法律上の家族制度と社会的な家族制度を区別して考えなければならぬと言われたが、これはまことにごもつともな御意見でありまして、私どもはもちろんそれを峻別した上に考え方を立てておるのでありますが、もし長子相続ということが実際に農村の傳統的な事え方から行われることになると、いわゆる憲法が平等を保障し、均分相続を原則とする根本精神に反するような疑点がある。しかも他方において、もしこれを二男、三男、あるいは長子についても指定ができて、農業資産の相続の特例が認められるということになると、相続争いということがきわめて起りやすいという二つの面から、それぞれ難点があるように考えられるのであります。そこでそういう不合理あるいは摩擦ができないようにするにはどうしたらよいかという点について、指定制度その他にくふうを要すべき点があるのではないかと考ふるのでありますが、この原案立案の際に、その辺についていかなる顧慮が拂われましたか。ここであらかじめ承つておきたいと思います。
#66
○山添政府委員 大体私の考え方といたしましては、実体的には、農業経営というものは代々続けられて行く、そうしてこの法律となつておりますところは、今までの家督相続と違いまして、家に残つてそのまま農業経営を実質受継いで行く人が実質上の相続人になる、こういう考えでおるのであります。そういう点からいたしますと、農業資産を相続する人も、自然の形においてきまつて來るというのが、ふつうの場合だろうと思います。指定制度をとりますゆえんのものは、必ず指定が行われるだろうとかいう考え方ではないのでありまして、日本の農家、農家のみではありませんが、遺言制度はありましても、遺言をしないのがふつうでありましても、たとえば農業資産相続人の指定ということも、わざわざ年月日、署名して、これこれに指定するというような手続はとらないのが実情ではなかろうかと考えております。ただ兄弟のうちでも、親の方で心配をして、あらかじめきめておつた方がよいという場合には、指定をしておつた方が無事であります。そういう実際上の考慮、それから元來遺言もし得るでありましようし、いたしますれば、事前に処分についてきめておくという制度を認めることが、法律の建前として当然ではなかろうかということで、指定の制度が出たわけであります。農業資産の相続をめぐつて、こういう法律がありますと、争いを非常に刺激する結果を來しはしないかという点につきましては、元来均分相続になりましたときに、そういう問題の発端があつたわけでありまして、昔のように家督相続とか何とかきまつておりますれば、これは争いの余地がない。均分相続になればそこに争おうと思へば争えるわけであります。しかしそれは農業資産が、それでは分割をされるかといえば、多く分割すればみなが食えないということになつて参りまして、結局社会的な理由あるいは経済的の事態として、先ほどもちよつとそう分散することはないだろうと申し上げましたが、しかし同時に争いということは、どういう法律でありましてもこれは起り得る、それが均分相続制度であれば一層起るわけでありまして、それらの場合においても、この法律の示すような一定の基準を示し、また具体的にそれを解決し得るような方法か示してありますれば、事が円滑に処理し得る。かように考えております。
#67
○佐瀬委員 指定の効力の問題でありますが、この法安においては、指定によつて相続財産、農業資産が当然分離するというような方法によらなかつたという形になつておるようでありますが、それはどういう根拠によつてさようなふうに運ばれたか、その理由をここで御説明願いたい。
#68
○村上(朝)政府委員 この法案におきましては農業資産は、資産の分割によつて初めて分離いたします。一應相続財産として共同相続人の共有となります。初めから農業資産だけを相続財産から分離させる制度をなぜ考えなかつたかという御質問でありますが、農業資産を承継する相続人は、それに相應する被相続人の債務をも同じ割合で相続するのが、相続の建前でありますので、相続財産の中で、農業資産額の占める割合の相続分を與えるという建前をとりました関係上、当初から農業資産を相続財産から分離するということは、技術的にできませんので、遺産の分割によつて農業資産を相続人に相続のときにさかのぼり帰属するということにいたしたのであります。
#69
○佐瀬委員 この指定の行為は、別に様式行為にする必要はないか、または指定の効果はいつ発生するか、その時期いかんということについての御見解を承りたい。
#70
○村上(朝)政府委員 この指定はきわめて重要な意義を持つ法律行為でありますので、遺言のごとき嚴格な方式によるのが本來相当であろうかと考えたのでありますが、ただいまの日本の民法にありますような嚴格な方式を農民の間でとるということは、はなはだしく困難であろうと思われますので、遺言の方式をとることは必要としないということにいたしたのであります。しかしながら、後日において争いが起きた場合に、指定があつたかどうかというようなことは、はつきり証拠を残しておく必要はありますので、第三條の第三項におきまして、「被相続人が署名し、且つ、日附を附した書面でしなければ効力を生じない」ということにいたしまして、この程度においては様式有為といたしたのでございます。
 指定が効力を生ずる時期でありますが、現実に効力を発生するのは相続開始の時であります。
#71
○佐瀬委員 まずその指定があつて、初めて被相続人が確定する。しかしてその指定がなかつた場合には、共同相続人が協議の上で被相続人を選定するという順序に相なつているようであります。もし共同相続人の間において選定が行われなかつた場合には、そこで初めて家庭裁判所の決定にまつという段階のもとに行われるようになつておるのでありますが、問題はその共同相続人の間において、協議選定が全然行われなかつた場合には、一体どういう結果に相なるか、この点についての御見解を承つておきます。
#72
○村上(朝)政府委員 被相続人の指定もなく、また共同相続人の協議もなく、さらにまた協同相続人から家庭裁判所に選定の請求もない場合には、民法の原則による相続が行われるので、この法律の適用はないわけであります。
#73
○佐瀬委員 いわゆる均分相続に関する民法の一般原則にまかせるという御見解のようでありますが、そうなると、せつかくこの特例法を認める趣意がかなり没却される結果になるおそれが実際上あるように思われるのでありますが、それに対する見通しはお持ちになりますか。
#74
○村上(朝)政府委員 この法律の農業資産細分化の防止は、なるべく被相続人あるいは共同相続人の意思を尊重いたしまして、その発意によつて特例が働いて行くということにいたして、國家の干渉をなるべく避けるのが適当と考えて、ただいま申しましたような規定になつておるのでありますが、見通しといたしましては、この特例法によりませんでも、民法の遺産分割の規定、あるいは相続の放棄、あるいは遺留分の放棄等の規定によりましても、ある程度農業資産の全部または大部分を相続人の一人に集中する道も開かれておりますので、この特例法が非常に多く適用されるとは考えておりません。
#75
○佐瀬委員 劈頭に上村委員から、農村においては実際上適当に処理されておるために、こういう法律の必要を認めないという御意見を含めた質問があつたように聞き取りました。さらにただいまのような均分相続になつて行くという実際の場合が多いということになると、本法案の立法の必要性はきわめて稀薄になる感があるのであります。しかしそれはわれわれの意見といたしまして、これ以上問題にいたす必要はありません。そこでもう一、二点お伺いしておきたいのは、農業資産に対して相続の面で國家がかような保護を加えるという趣意は、われわれも非常に共鳴するのでありますが、さらに農業資産においてこれを徹底するならば、單に相続の面ばかりでなく、たとえば農業資産に対する差押えを禁止するというような、他にいろいろ保護立法的措置が必要ではないかと考えるのでありますが、そういう面についての調査なり、研究なり御意見があるならば、この機会に伺つておきたいと思います。
#76
○山添政府委員 差押えを禁止するということは、これを一面から見ますると農業に対する金融の道を封鎖することに相なるわけであります。農業政策一般といたしましては、農家の経営を安定せしめるような食糧政策をやつて行く。現在農業の問題といたしますと、税の問題、供出の問題、あるいは経営の問題とかいろいろありますが、これらの問題については、絶えざる努力をいたしておるのであります。しかしそういう一般的なことは別といたしまして、金融ということについては、結局將來相当の施設をしなければならぬのではないかという考えを持つておるのであります。この法律には、農地改革の継続として、その成果を保持するという思想も強く含んでおるのでありまするが、農業に対する長期の信用、たとえばこの法律の第十二條で、他の共同相続人にかりに一時拂として相当の額をやるという場合、あるいは將來負債が累積した場合に、経営を維持して行くための資金、こういうような事柄は、当然自作農創設特別措置法として法文化されておるあの制度とも関連して考えなければならない制度だと思つております。しかし現在は、極力通貨の膨脹を防ぐという時期でありますし、またこういう特別の時期でございますのでそれを実現する時期ではございませんけれども、そういう構想を持ちまして研究はいたしております。
#77
○佐瀬委員 相続は同時に遺留分に関し、遺留分は同時に人口問題に関連する。しかも日本の農業経済は、農業者とその耕作反別の比率のバランスが非常にとれていないという点に農業生産の隘路というものが考えられております。そこで先ほども堕胎罪の問題が派生的にここで論議されたようでありますが、最近の新聞によりますと、厚生委員会で優生法の改正か何かに関連して、妊娠中絶が家庭の貧困のために認められるということが、議案として実際上扱われておるということを、私ども承知しておるのでありますが、これは日本の農村人口をやはり眞劍に考える場合に、かつてロシヤが一九二四年であつたかと思いますが、堕胎罪を許す立法措置をし、しかもその実際の対象が多くは農村にあつたという実例と、実況を私ども見て参つた経験によりますと、やはり日本においても、現在同様な状況にある。從つてこれは相当眞劍に考え、いわゆる経済的適應症としての妊娠中絶ということは、相当考うべき問題になるのではないかと思うのであります。現在においては、法務廳はいまだその方面に手を染めていないという御答弁のように承つておりますけれども、すでに厚生省でもさような案を持つておるというのであれば、これは法務廳においても、至急相当権威のある調査研究を、私どもは望んでやまないのであります。この点について、現在係の方がおらなければ、いずれあとで御意見を承つてもよいのでありますが、もしその辺についての方針をここで明らかにしていただけるならば、伺つておきたいと思います。
#78
○村上(朝)政府委員 後ほど係の政府委員からお答え申し上げます。
#79
○竹村委員 三、三点お聞きしたいと思います。本法案は、問題はもちろん先ほどから指摘されておるように、法律上あるいは憲法上の問題にまで及ぶ重大な問題であります。しかし一應農業の細分化を防ぐということが主眼だ。こう言われておりますけれども、しからばこの細分化を防ぐと言われる細分化した原因というものが、均分相続によつてそういう細分化がなされたか、あるいはそうではなしに、これは日本の農業の本來的に持つておるところの弱点なるがゆえに、細分化されたと思うのですが、その点についての御見解を承りたい。
#80
○山添政府委員 均分相続の結果細分化した顕著な事実があるということは申していないのでありまして、また事実もございません。先ほど來申しておりますのは、日本の農業としては相当細分化をいたしておる、これ以上の細分化は実際上困る。少くとも農業政策上望ましくない。また最近において細分化したのは、これは飯米百姓が特殊な事態によりましてふえたことでありまして、これは他の一般経済が回復しますれば、また元にもどる可能性はあるであろう。ただそういうような時期がいつ來るであろうかということは、今見通しがつかないのでありまして、当分今後における数年間の状況は、相続のいかんにかかわらず、細分化の傾向をそのまま持つておると思います。
#81
○竹村委員 今の御答弁ではつきりしたと思うのでありますけれども、そうすると細分化ということは、今政府の答弁されたように、いわば食糧の問題が窮屈なるがゆえに、飯米百姓として細分化されておる、この点は今政府の答弁で明らかにされた点であります。そういたしますと、飯米百姓であるがゆえに細分化して行く。これを防ぎとめるためにこういう法案を出されるということは、結局百姓のためだという形では法律を出されておりますけれども――飯米百姓が多くなつて細分化して行くのを防ぐためにこういう法案を出されたと言いながら、その実は農民は昔ながらの相続をして、子々代々長子は百姓をやれ、こういうお考えのように聞こえるのですが、この点はどうですか。
#82
○山添政府委員 それは今の私の話を聞き違えられたのではないかと思うのでありまして、私の言いましたのは、最近における細分化の傾向を來たしておる原因、そしてこれ以上の細分化は望ましくないということを申し述べたのでありまして、その法案は、相続という事柄によつて現在以上に細分化が進められるであろうことを恐れるがゆえに、それを防止したい、こういうことであります。
#83
○竹村委員 その点については、あとでまた詳細にわたつて質問をすることにいたしますが、現在の日本の失業人口をどのくらいに見ておりますか、この点をお伺いしたい。
#84
○山添政府委員 これにつきましては、的確なる資料がございませんが、先般失業対策について研究いたしたときに、厚生省でも推定したものがございますけれども、これは今後顕在化するのであろうという失業者です。農村におきましては、何らかの形において失業者を出しておる。失業という形ではなしに、何らか仕事をしておるわけでありますが、しかしそれは働く場所を十分に持つていない。あるいは職業を持つていない。こういう意味における、いわば半失業と言いますか、そういう状態においては廣汎にあると思いますが、完全なる都市におけるような失業者というのは、比較的今は少い、かように考えます。
#85
○竹村委員 ただいまの答弁によりますと、農村における失業者は調べていないと言われますけれども、一月現在総理長の発表によりますと、農村の失業者は八百万ある、こう発表されております。これは農林省ではないけれども、総理廳から発表されたのですから、これは私は政府の見解だと思います。このように八百万もある上に、そういう法律的な措置で、いわゆる二男、三男には土地をわけないということを規定する、こういうことになりますれば、さなきだに八百万の失業者があると政府みずから発表している、この失業者の数はまた多くなる。二男、三男はまた失業しなければならぬ。これは二男、三男ばかりでなく、たとえば五人兄弟であつて、ある特定の人が指定されるならば、他の四人が完全な失業になる。さなきだに八百万人の失業者の上に、なおそういう失業を増大させることになる。ここに日本農業の細分化の原因があると私たちは申している。つまり百姓はもつと多くしたいのだが、農村の失業問題というものは解決していないから、たとい一般的なものをつくらなければならぬところに本質的な核心があるといたしましても、もし本法案が通りまして、先ほど申しましたように、一月にすでに八百万、これからどんどん細分化を防いで行くこになりますと、ますます農村に失業者はふえる。そういう場合に、それに対する救済規定というものは、一対どういう形でされるか、こういうことを伺いたいと思います。
#86
○山添政府委員 その総理廳の八百万の失業人口ということにつきましては、おそらくその失業の定義が、その統計の独特のものがあるのだろうと思いますので、後に調査をしたいと思います。私の考えによりますと、これは農村において急に人口がふえる。それから土地は昔からそう変化がない。從つて労力は余つておるので、部分的な失業と言いまするか、十分に労力を消化することができないため、失業の数は非常にふえておると考えておる。そこでそうりうような半失業的なものが、ますます細分化によつて増大して行く。こういうことは國全体の経済としても困るし、また農業の生産力という点から見ても困ると考えるのであります。そこでやはり細分化を防止する。しかしそのことによつて吐き出された人口をどうするかという問題は、むろん一方大きな問題としてあるわけでありまするが、それにつきましては、ひとり農業という分野でなくて、國全体の人口扶養力、失業人口に対する就職の機会を提供すること。こういう雇用の問題になつて來るわけであります。これはおそらく財政経済一般の最大の問題として、雇用を高めるという政策が行われることを期待しております。
#87
○竹村委員 この問題は、今度の農林委員会までお尋ねを残しておきたいと思いますので、詳しいことはあとで願います。実際この問題に対しては、いろいろ憲法論とかいうふうなものが出て來るわけでありますが、それはやめまして、とにかく私たちの考えでは、農業の細分化を防ぐという問題には、やはり日本の農政というものを改めなければ、これはいかなる法律をもつてしてもいたし方ない。從つてこの法文から見ましても、あたかも農地調整法というものは完成されたという観点に立たれているように考えられますので、その点から考えましても、たとえばこの法律では耕作権というものは実に軽く見られておつて、所有権だけが重く見られておる。耕作権というものは実に軽く見られておる。こういう点について、農林省は耕作権と所有権とを、今日の事態においてどちらに重点があるか。しかしこの法律から見るならば所有権が重く見られて、そうして耕作権というものはあまり問題にされていない。從つてこれが実施されましても、所有権は一つ所に固まるけれども、耕作権というものは自然の流れによつて細分化されて行く。この耕作権を細分化する原因は、先ほど申しましたいろいろなことがございますけれども、こういうような問題に対しては、どういうふうに思つておられますか。
#88
○山添政府委員 それは第二條にちやんと賃借権という形で、普通に申します耕作権が入つておるのであります。それであなたがおつしやることは、この法律が重視と申しまするか、当然考慮に入れておるわけであります。
#89
○石川委員 私たちは法務委員会で、法務委員といたしまして、この法案についていろいろお尋ねを申し上げたいことはありますが、きようはこの程度に打切つて、あさつてからいたしたいと思います。そういう意味において、私の質問は留保したいと思います。
#90
○深澤委員 では簡單にこの際二、三の点についてお伺いしたいと思うのであります。日本の農業の細分化を防ぐということにつきましては、われわれも考えなければならない問題であると思うのであります。しかし現在日本の耕作経営の実態を見ますると、すでにこれ以上細分化することのできないような事態に到達いたしておるのであります。当局は外國の例を引用いたしまするが、外國の耕作面積というものは、アメリカのごときにおいては三十一ヘクタール、一番少いイタリアにおきましても四・五ヘクタールというような耕作町歩であります。しかるに日本の現状は〇・八ヘクタール程度の耕作規模でありまして、まつたく比較にならないのであります。從つて外國の例をもつてただちに日本の農業にこれを適用するということは、まことに当らないということをわれわれは考えるのであります。幾多の例につきまして、われわれは外國の農業の実情から日本の農業を推しはかられまして、まことに迷惑をしておる事実が幾多あつたのでございます。本法案も、外國の例を強調せられまして日本に施行せられるということは、まことに当つていないというぐあいに考えるのであります。細分化を防ぐということは、單にこの法律一つをつくりまして、解決することはできないとわれわれは思うのであります。細分化の原因は、その根源にさかのぼりまして解決しなければならないのではなかろうかと思います。細分化の原因といたしましてわれわれが今まで承知しておることは、農地改革の声におびえまして、農村の保守勢力が自分の今まで貸しておつた土地を取上げて、自作したという傾向が非常にあります。この土地取上げの件数が、農林省の統計におきましても、すでに二十五万件顕在しております。伏在しておる土地取上げは、おそらく数十万件に達しておるであろうということも言われておるのであります。さらに土地のやみ賣りによつて、所有権が細分化されております。また自作や分家等によつてこれが細分化されておる。農地改革の被害をまぬがれようとした農村保守勢力のあがきが、この耕地の経営の細分化の原因になつておるということは間違いない事実であります。自作農特別措置法によりまして、賃貸借契約の復活並びに遡及買収等の手が打たれることによつて、十分解決し得られるのでありますが、これがまだ解決されていないということが一つであります。それから第二点といたしましては、不合理なる――地方等も十分に調査されていないがために、供出制度が非常にでこぼこに行われておるので、つくることによつて、かえつて自分の保有すべき飯米まで供出しなければならぬというようなことになりまして、土地放棄が行われておる。そういうことによつて土地の細分化が行われているのであります。さらに農村課税が非常に重くなつたために、またこれも土地放棄の原因になつておるということは、間違いない事実であります。從つてわれわれはこうした土地放棄の根源を解決せずして、一片の法律でこの問題は解決しない、こういうぐあいに考えておるのでありますが、眞に政府が農村の経営の細分化を防ぐというのであるならば、まず農地改革によつて細分化されたその問題を、根本的に解決する必要がある。第二には、不合理な供出制度を根本的に改革して、この耕作放棄の傾向を防止する必要がある。第三には、農村に対するところの重税を緩和いたしまして、この土地放棄の傾向を是正する必要がある。これがまず先に打つべき手であるというふうに考えるのであります。この点について政府の御意見を承りたいと思いますが、これは非常に重大問題でありますので各担当の大臣にあとでお伺いしたいと思うのでありますが、とりあえず農政局長がおりますので、御意見を拝聽しておきたいと思います。
#91
○山添政府委員 農地改革をめぐつて、それを動機として土地取上げが行われるということは、これは御指摘の通りであります。遡及買収につきましては、これは嚴格にやつております。それから、農家の方で不当に土地取上げをされた者が、耕作権の返還を受けるということは、農地調整法の附則に書いてあるのでありますが、これの動きははかばかしくございませんことは、この前にも申し上げた通りであります。これは小作者としては、そういう権利を持つているわけであります。しかしそういう申出がありますれば、これはもとより是正をいたすつもりであります。一面から申しますと、土地取上げ等が行われましたときと現在とでは、かなり時間的にすでに日にちも経つているので、ある程度土地移動が行われたならば行われたなりで、そこにまた新しい秩序も設置している、こういうふうに考えられるのであります。現在はあの規定は多く活用されていないと思いますが、当時といたしまして、私どもはあの規定の解明、宣傳には相当努力をいたしたのであります。しかしその結果といたしましては、やはり相当時日が経つておりますれば、新しい秩序がそこにできる。こういうことで大して活用されなかつたものと考えておるのであります。
 それから、土地放棄の問題でございますが、この土地放棄は、御指摘になりましたように、供出並びに税金が主たる問題でございます。これにつきまして、供出を合理的ならしめ、また税金を公正ならしめるということにつきましては、あらゆる努力をいたしており、今後もいたすことにかわりはございません。ただこの機会に申し上げておきたいことは、この土地放棄は、むろんこういう事態が起らないようにやうにやらなければならぬのでありますが、起つた結果は、必ずしも細分化ということでもないのでありまして、災害地を放棄しました者が相当多いということ、それから東北等におきましては、やはり家族労力が不足であるということのために、ある部分を他の人に耕作権を譲つている、こういう事例も相当あるのであります。これはもとのように人を雇つてやるということでは、今日の米價等ではとうていむずかしいと思うのでありまして、そういうことから起つておるのであります。必ずしも土地放棄の現象が、ただちにもつて土地細分化ということじやないと思います。なお供出、税金等については、大臣の方から、お答えいたしますでしようし、また具体的なことであれば、具体的にもお話をいたしたいと思います。
#92
○深澤委員 日本の耕作規模を檢討いたしますると、五百万の農家で、大体五反以下つくつておる農家は、四二%程度でありまして、二百四十万戸程度に達しておるのであります。日本の農業がいわゆる五反百姓といわれまして、この五反の程度で大体一家五、六人の生活をしておるというのが実情でありますが、その農業経営というものを正常に営んで行くためには、もはやこれ以上細分化をしては、農家として成立しないのであります。しかるにこういう法律をつくつて、非常に御心配くださることはありがたいのでございますが、これ以上細分化されない域に達しておるのにこういう努力をすることは、むしろありがた迷惑であるとすら、農村としては考えると思うのであります。均分相続制が憲法において決定されておりましても、事実上はこれを均分いたしますれば、お互いの生活が成り立たないために、相続放棄の方法によつて、ほとんどすべてこれを解決しておるのではないかと思うのであります。従つてこういう法律によつて、特に細分化を防止するというような努力をしなくても、農村が自主的にその経営を守るために、自分の長い間の農家を守るために解決しておるということが言えるのであります。そういうような事情にあるにかかわらず、何を好んでこの細分化の防止の法案をつくる必要があるかというぐあいに考えるのでありますが、そういう点について当局の御意見を承りたいのであります。
#93
○山添政府委員 五反ばかりの農家が二反くらいになりましては、これはお互いに食つて行けないのであります。從つて均分相続の制度が実施せられましても、事実上農家の経営がそれほど分割される場合が多いとは私どもも考えておらないのであります。しかしこの事柄は一面から見ると、分割すべからずという経営上の要求を持つておるということの反面でございまして、やはりそれだけでもつて問題は解決をされておるというふうには考えないのであります。やはりそこに均分相続の趣旨を徹底されます過程におきましては、これは非常な勢いと言うほどではございませんけれども、好ましくない細分化が行われる機会はやはりあるのであります。のみなず、ただいまお述べになりましたような分割できないのだということと、均分相続の適用とはそこにどうしても実際問題として矛盾を來しておるのであります。それを相続放棄というような形でただ処理するというよりも、これはこういう一定の法律によりまして、一定の國家的な基準をきめまして、その基準に從つて農家の人が行動をして行く、この事柄の方が、問題の合理的な解決である、かように考えておるわけであります。
#94
○深澤委員 既定の事実をあとから追つて法律にしたいというのが、從來の日本の政治であるように考えておりますが、これらもその類型に属するものであると思うのであります。農村におきましては、実情に應じて、経済の要求に應じてこの問題が自主的に解決されるものを、ことさらに好んで法文化する必要がないというような見解を持つておるのでありますが、農林委員会において、非常にこまかい点につきましては、なお十分に檢討を加えるつもりでございますが、ただちに農地の細分化を防ぐというその法律の効果が、これのみによつてあがる見込はわれわれは考えていないし、またすでに実情においてやつていることを、法文化して形にはめようとするこの傾向に対して、どうも解しかねるのであります。こまかい点につきましては、また後刻御質問することにいたしまして私の質問はこれで打切りたいと思います。
#95
○佐瀬委員 関連して一、二お尋ねしておきます。本法案の第二條で農業資産の農地を二反歩以上に押えた基準は、どういう根拠に基いてきめられたの御説明を願います。
#96
○山添政府委員 この農地の基準といたしましては、從來組合構成等においては、組合員の資格はすベて一反歩以上ということにいたしております。それから農地調整法に基いて農地委員会の選挙関係におきましても、やはり一反歩ということにいたしておるのであります。しかしともかく農家らしいものといたしまして、一反の農家はあまり農家らしくはないのでありまして、最少限の限界といたしましては、今までの一反ではむろん狭過ぎるので、二反歩程度はなくちやならぬ、こういう考えでおるわけであります。自作農創設特別措置法によりまして政府が農地を買上げまして賣渡すわけでありますが、その賣渡す場合におきましても、これは二反歩以上の農家ということに制限をいたしておりまして、それよりも小さい農家はつくらないという考え方にいたしております。
#97
○佐瀬委員 さきほども質問に出ておつたようでございますが、災害、供出あるいは税金等の問題のために、いわゆる飯米農家に轉落する、その他耕作権の放棄という問題が全國的に新しい事態として起りつつあるということを、私ども承知しておるのでありますが、この際もしそういうものに対する係数的な御説明が願えればお願いいたしておきたいと思います。
#98
○山添政府委員 これは昨年度の事例でございますが、調査したものがございますから、資料を差上げたいと思います。
#99
○山村委員長代理 それでは暫時休憩いたします。
    午後四時四分休憩
     ――――◇―――――
    午後四時三十二分開議
#100
○小笠原委員長 休憩前に引続き会議を開きます。
 これにて本連合審査会は散会いたします。
    午後四時三十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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