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1949/05/31 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 商工委員会労働委員会連合審査会 第3号
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1949/05/31 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 商工委員会労働委員会連合審査会 第3号

#1
第005回国会 商工委員会労働委員会連合審査会 第3号
昭和二十四年五月三十一日(火曜日)
    午後三時十七分開議
 出席委員
 商工委員会
   委員長代理理事 神田  博君
   理事 小金 義照君 理事 澁谷雄太郎君
   理事 村上  勇君 理事 今澄  勇君
   理事 橋本 金一君 理事 川上 貫一君
   理事 永井 要造君 理事 河野 金昇君
      阿左美廣治君    岩川 與助君
      門脇勝太郎君    福田  一君
 労働委員会
   委員長 倉石 忠雄君
   理事 大橋 武夫君 理事 吉武 惠市君
   理事 春日 正一君 理事 島田 末信君
   理事 石田 一松君
      佐藤 親弘君    船越  弘君
      大矢 省三君    田代 文久君
      石野 久男君
 出席國務大臣
        商 工 大 臣 稻垣平太郎君
        労 働 大 臣 鈴木 正文君
 委員外の出席者
        総理廰事務官  森  五郎君
        総理廰事務官  佐藤 健輔君
        通商産業事務官 徳永 久次君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 金属鉱業に関する件
    ―――――――――――――
#2
○神田委員長代理 これより商工委員会・労働委員会連合審査会を開きます。
 私が主たる委員会の委員長の職務を行つておりますから、本連合審査会の委員長の職務を行います。
 ただいまより金属鉱業に関する件を議題として調査を進めます。質疑を行います。なお議事整理の都合上、お手数でも御発言にはあらかじめ委員長まで御通告を願います。小金君。
#3
○小金委員 まず商工大臣にお尋ねいたしますが、日本の地下資源、ことに石炭、亞炭を除いた他の鉱山の開発に関連いたしまして、重要な問題がここに起つております。それは價格政策の方面と労働政策、さらに産業政策の見地から、あるいはまた貿易政策の立場から、十分ここで檢討を加えて、至急何分の対策をとつていただかないと、わが國の経済産業の復興はおそらく画餅に帰してしまう、こういう状態に立ち至つておるのであります。
 まずいろいろな問題がありますが、その第一としてここに硫化鉄鉱の問題を取上げたいのでございます。これは食糧増産と関連いたしまして、またわが國の地下資源の中で一番豊富にあると言われる硫黄に関連した問題であります。世界に対して太刀打ちができるのは、おそらく石灰石と硫黄くらいなものじやないかと私は考えておるのであります。相当多量にあるこの硫化鉄の掘り出しの計画、肥料の増産の計画、これらをにらみ合せまして、昭和二十四年度において、承るところによりますと、十トンほどの硫化鉱の輸入が計画されておるような話でありますので、まずこの点について大臣の御所見を伺いたいと思います。
#4
○稻垣國務大臣 小金委員の御質問でありますが、硫化鉱が、安本の計画によりますと、大体十万トン輸入するという計画に相なつております。ただ、ただいまも御指摘になりましたように、日本の地下資源としての硫化鉱、この面についてはわれわれ十分力を盡さなければならぬと思うのであります。それについては、むろん價格の面の操作、あるいは資材の面、あるいは資金の面、そういつた点についてわれわれが十分の操作をしなければならぬと考えておるのであります。かりに十万トン輸入いたします場合におきまして、價格差補正金、そういう点を全然別といたしまして、入つて來るところの硫化鉱の價格というものを考えます場合に、これらのものを、現在の日本の硫化鉱の價格の上に按分して加えるということだけでも、硫化鉄の價格の上に相当影響を與えるのであります。そこで商工省といたしましては、これはできるだけ硫化鉱の輸入をとりやめまして、そうしてこれだけの数量を内地において生産するようにいたしたい、かように考えておるのであります。今後その方向において、実は目下関係筋とも交渉いたしておりますような次第でありまして、できるだけさようにいたしたいのであります。しからばかりに値段の上の操作を加えただけで、ただちに十万トンが今年度から出るかといいますと、これは困難であろうと思うのであります。かりに融資もできた、あるいは資材も間に合つたといたしましても、設備をいたします上において、相当にある期間というものが必要に相なつて來るだろうと思うのであります。またこれに対する電力の問題、あるいは石炭の問題、こういつたようなものを勘案いたしますと、即時にこれを実行するということは困難でありますけれども、しかしながらそういつた建前で、そういつた目的で、われわれはこれを進めて行かなければならぬ、かように考えておる次第であります。
#5
○小金委員 いろいろ御研究になり、また関係方面との御折衝もあり、ただ方針としては、私どもが考えておることを是としておられます点は了といたします。しかしながら、つなぎとして万やむを得ない場合に、肥料の生産とか、あるいは化学用の硫酸の製造のために輸入される場合は、これは別でありますが、どうもその点が私どもに納得が行かないのは、今まで價格政策による操作とか、あるいはまたそのほかいろいろな肥料工業との間の調整というようなことで相当な手が打てるのではないか、こう思われるにかかわらず、今日まで政府が具体的にその点をおとりにならなかつた。そのために、今金属鉱山の労働者のストライキが起るやに承つておるりでありますが、これはつなぎに輸入する程度の問題ならば、私はそういうものは十分避け得ると思うのであります。わが國でも昭和十三、四年のころは、たしか二百万トンあるいは二百十数万トンの硫化鉱を出しておつたと記憶するのであります。これらから勘案しますと、百二、三十万トンから百五十万トンの生産計画は、そうきびしいものではない。ことに能率を上げるという問題について、増産をすればコストが下るのだという考えが一部に行われていはしないか、これは鉱山資源全般にわたつて、私は相当用心しなければならぬ議論でありまして、工場生産は集約的に、電力さえあれば、あるいは人力さえあれば、コストは下るのであります。しかし鉱山、特に日本のような鉱脈の不均齊な、そうして品位がきわめて劣等なところをたくさん含んでおる金属鉱山などの開発は、決して大量生産によつてコストは下るものではない。大量生産はむしろ出て來る品物の品質を落したり、それから坑道その他設備の関係からいつて、日本の今までのようなやり方で参りますと、日本の資源ではいかに設備あるいは機械を利用いたしましても、コストは、大量生産によつて、そう下るものではない。これらの点を十分認識する必要があると私は思うのでありますが、大臣のこの点に関する御所見を承りたいと思います。
#6
○稻垣國務大臣 私はその点につきましては、小金委員とまつたく同感であります。普通の産業におきましては、大量生産、いわゆる操業度を高めることによつてコストが低くなるこれは間違いのないところだと思うのであります。ところが地下資源の場合におきましては、大体論といたしましては、下る場合もあり得ると思うのでありますけれども、増産するという面から、あるいは鉱脈の貧鉱の部分をも処理しなければならぬ、あるいはなお地下の掘り下げをいたさなければならぬ、あるいはそれがためになお坑道を延ばして行かなければならぬ、といういろいろな條件がありますので、増産ということは、必ずしもコストを下げることには相ならぬ。この点については、私は小金さんとまつたく同意見を持つております。從つてかりに増産をするという場合に、これによつてコストが下るということを予想して案を立てるということは、最も危險千万だと、かように考えております。
#7
○小金委員 そういたしますと、私は今の硫化鉱の價格とか、肥料の價格とのにらみ合せにおいて、今の硫化鉱のパーセント当りの價格が必ずしも当を得ていないように思いますが、大臣の御所見はいかがでありましようか。
#8
○稻垣國務大臣 この点につきましては、いろいろ議論もあると思います。また立場々々で、いろいろな意見も立つと思うのでありますが、われわれといたしましては、実際に硫化鉱の價格というものが低いのではないか、ことに償却その他のものを、それではカバーできないのではないかというような意味合いで、目下これが値上げについて、実は関係筋と交渉中であります。はたしてこれが了承を得るかいなかは、私ここで申し上げるわけには参らないのでありますけれども、せつかく物價廰において檢討をされ、なお関係筋とも折衝を続けておることを申し添えておきます。
#9
○小金委員 野放しに経営者に経営させた場合においては、これは品位のいいところをとつて高く賣るということで事は済みますが、今日のように、肥料を百十何万トンかつくらなければならぬという事態が要請されております際に、償却とか、あるいは坑道の長さとか、あるいは手を拡げる範囲等を十分勘案されたならば、私は必ずや、今の硫化鉱の價格が不当である。從つてそれによつて生活しておるところの從業員、労働者がその賃金の低きに苦しんでおるということに対して、間接的に問題も解消するし、増産もできるというような立場をとつて、今の價格政策を大臣あるいは政府が正当なりと信ぜられたならば、十分実現するように私に努力していただきたいのであります。これはどういう形態のもとについて政治をしても、是なりということ、正しいことは、私は必ず通るだろうと思つております。この点について、私は格段の政府あるいは通商産業省の、あるいは経済安定本部の特段のご努力を願いたいのであります。それでなければ労働問題とも関連し、ひいては今大事な肥料の生産が行き悩む。これでは食糧の増産ができない、ひいては日本の産業はおろか、生活自体を脅かし、一硫化鉱の問題のようでありますが、これは國民の生活と産業全体にわたる非常に大きな問題でありますから、一通商産業大臣、あるいは安本長官とか、労働大臣の問題ではなく、内閣全体の大責任だろうと思います。この点を十分ひとつ認識していただいて、ただいま腹案がおありであるようでありますが、その腹案は山も立つて行き、労働者もこれによつて生きて行く。從つて肥料の増産を停滯せしめるようなことのないように万全を期していただきたいのであります。大体の観察から行きまして、今硫化鉱一トン輸入すればおそらく五千何百円かの價格差補給金を出さなければならないだろうと思います。これらの点を考えますと、万やむを得ざるつなぎのほかは絶対に輸入を避けて、そして國内では桝原、松尾、秋田の諸館山というようなところでは十分出るにでありますから、この開発の計画を私は実現してもらいたい。これらの國内の鉱山の開発について資金、資材るいはその他の増産に必要な方面の計画がありますれば、あるとかないとかだけでけつこうでありますから御回答願いたいのであります。
#10
○稻垣國務大臣 今の小金委員のお話の点は私十分了承いたしております。但し一應それについて申しあげておきたいのは、今價格の値上げについて交渉をいたしておりますが、企業三原則に從いまして、その中にいわゆる賃金といものは含んでいないのであります。この点ははつきりいたしておく必要があると思います。但しこれが値上げになるということは、直接賃金がその中に含まれておりませんでも、いわゆるその企業自体の経理と申しますか、それは楽になるだろうということは予想されますので、これは賃金値上げとか値上げでないとかいう問題とは別に、ただそのコスト形成の中には賃金というファクターは入つていないということをはつきり申しあげておきたいと思います。それからその他の賃金、資材の面につきましては、これは安本と常に連絡を保ちまして、今お話のようにできるだけ輸入にまたないような方向に行きたいと考えておる次第であります。
#11
○小金委員 大体昭和十五年を基準としてわれわれが調べたところによりますと、硫安は昭和十五年を百といたしますと一万六千何ぼかの計数が出ております。石炭は一万五千三百五十ですか、そういう係数が出て、電氣銅は一万三千四百幾ら、硫化鉱は七千六百五十一、こういう数字が出ておりますが、これらはいかに價格のでこぼこがまだあるかということを立証しておるものでありまして、價格の面については通商産業大臣一存ではもちろん行かぬのでありますが、これらの点も勘案されて、この硫化鉱の問題については特別の注意を拂つていただきたい。これはパイライトのほかに含銅硫化の問題として銅の値段がただちに関連して参ります。わが國の鉱山といえば、石炭を除けば銅山、硫化鉱が大部分を占めておるのでありまして、この銅山の、あるいは硫化鉱山の盛衰いかんは、ただたちに日本の鉱山全体の盛衰を意味するものでありますが、銅の値段がはたして今のところ適当であるかどうかということについて疑問を持つております。ことに價格差補給金が近い將來においてやめられるということになりますと、約二十八億円くらいに勘定されておりまするこの銅の價格差補給金がなくなつた場合に、日本の銅がどうなるか。それからまた万をもつて数える銅の滯賃があるじやないか。これは銅は早晩國際價格によつて支配されなければならぬ運命にあると思いますけれども、銅の滯賃の処置並びに價格政策についてお考えがありましたら、その御所見を伺わしていただきたいのであります。
#12
○稻垣國務大臣 銅の問題でありますが、これは御指摘のように大体業者の手持ちをも含めました場合には約一万二、三千トンの滯賃を持つております。あるいはもう少しふえておるかもしれません。これについては毎月、今日の情勢におきましては需要の面から申し上げまして、一千トンくらいずつのストックがでる傾向にありますので、これが輸出をいたしたい、かように考えて、この輸出するということは滯賃を処理するということのみならず、業者の金融の面においても非常にけつこうなことでありますので、また銅は銅だけでなく硫化と一諸の関係もあります。その他地金、銀にも関係がありますので、全体的な関連として、できるだけこれを輸出いたしたい。こういうものでいろいろ交渉を試みたのであります。またこれに対して輸出反対の意見といたしましては、ただいまは要するに大体半分を鉱石によつておるが、半分を故銅によつておる。この故銅の收集がおそらくことし一年くらいで終つてしまうと、今度は來年度から銅の供給が非常に減るだろう、減る場合の用意にストックいたしておくことが必要である。こういう意見も一方にあつたのであります。しかしながらとにかく現下の情勢においては、大体今後一年ないし一年半はなお故銅を十分收集し得るという目安が立ちましたので、これが輸出を懇請いたしたのであります。その結果大体まずとりあえずストックの中から三千トンを輸出しようということに相なつたのであります。その交渉をいたしておりました当時は二十一セント、スリー・クォーターでありました。ところがそれからいよいよ輸出の手続をしようというときになりますと、ご承知のように今アメリカ市場は十八セント半あるいに十八セント四分の一、こういうように大下落いたしたのであります。從つて採算不引合によつて今日なお輸出ができない現状であります。それは先ほど御指摘の、すでにこういつた銅というものは國際市價といものに関連を持つて來ておるのであります。國際市價に関連を持つて來ているということは、從つて國内における銅價の決定に大きなえ影響を与えるといことをお考え願いたいと思うのでありす。そこで從來のように消費者價格は十二万円、それで生産者價格は十八万円、こういつたことがこの國際市價というものと比べまして、はたして妥当であるやどうかという問題があります。しかしながらなお日本の銅鉱業者は実際に十八万円で、十八万円が正しか正しくないかは別問題といたして、少くとも非常なる消費者價格との間に大きな開きがある。消費者の方はただいまでは十万円見当、あるいは十一万円見当でなければ買わない、こういう大きなひらきがあるのであります。この際ただちにこの補正金を取去るべきやいなや、こういうこともよく考えなけばなりませんし、また一面これは故銅を使つておりまする関係で減價が十八万円になつておるのであるが、故銅がなくなつた場合に実際どうなるか、こういつたことも考えなければならないのでありまして、これは十分の檢討を各方面からいたしませんと、銅の價格の決定はいたしがたいのであります。ただいま安本を通じまして、この銅の補給金を廃止するという一應の建前において、消費者價格と生産者價格を同じにする。しかも國際市價との間につながりを持たせて、どの線にきめるかという問題について、目下檢討中であります。從つて今どの程度になるかということは申し上げかねるのでありますが、しかしながらこの價格決定によつて業者をつぶしてしまうということでは、元も子もなくしてしまうのでありますから、その辺の檢討は十分いたさなければならぬと思うのであります。ただお話にもありましたように、硫化と銅が離るべかざる関係に立つておる。そこで硫化問題だけを解決いたしましても、業者対労務者の間の賃金の問題については、ただちに解決をしがたい面がある。硫化の面ではかりに値上げをいたしまして、楽になつたが、銅の面においては非常に惡い、こうなりますと、ただちにこれが解決のかぎにはならない、こういう面があるのであります。そこに非常な金属鉱山のむずかしさがある、かようにわれわれは考えておるのであります。その間を十分各方面得するような解決の仕方をいたしたい、かように考えておる次第であります。
#13
○小金委員 今大臣のお言葉の中に消費者價格十二万円とありましたが十万二千円だろうと思いますが……
#14
○稻垣國務大臣 そうです。十万二千円です。
#15
○小金委員 これが國際相場と関連をいたしまして、十八フラットぐらいまでに落ちたとすると、おそらく日本の銅山はみなつぶれてしまう。そして一たび銅山をつぶした場合にどうなるかというと、これは廃坑になつてしまうと、再び銅を掘るということはほとんど不可能な山がたくさんでて來る。ことにアジアにおる産銅國として從來もわが國は相当重きをなして來た。ここで万一この鉱山が破滅または破滅に値するような立場に追い込まれたときは、これは容易ならぬ問題であつて、大臣は業者はつぶさないようにするというお考えのようでありますから、その点は了といたしますが、そうすると價格差補給金を、これは特例としてある程度まで認めて行くか、とにかく何か特別の措置をお講じにならないと、計画だけで山はどんどんつぶれて行くという事態が起らぬとも限らぬのであるます。どうかこの点は私は大臣を信頼いたしまして、善処していただきたいと思うのであります。
 それから銅の輸出あるいは硫化鉱の輸入、すなわち貿易に関連してひとつお尋ねたいのでありますが、外國から物を買う場合においては、今度は百六十円になつたので非常な不利益になる。ですからできるだけ物を必要な原材料以外は買わないようにしてもらいたいこれはもう大臣もももろんお考えと思いますけれども、硫化鉱をカナダから買うとかいうようなお話でありましたが、これはやはり買うのには向うの船で持つて來なければならぬ。そうしますと運賃が非常に高いものになるのみならずバイライトの性質として発火のおそれがある、昭和十四、五年に南米のボリビアから買い入れた鉱石が途中で火をふいて沈んでしまつた。こういうようなこともその例が乏しくはないのであります。これらを考えますと、どうしても私はつなぎにでも、今から用意すれば、買わないで済むのじやないかという氣がいたします。大臣はどうしてもある程度足りないというような御見解のようでありますが、この買付その他についてどういう目途を持つておられますか。はたしてカナダからお買いになりますか。そういうような御計画がありましたら御発表願いたいのであります。
#16
○稻垣國務大臣 これは小金委員のお話のように、向うから入れないで済めば、入れないに越したことはないのでありまして、できるだけそういう線にわれわれは努力いたしたいと思うのであります。今日どの地域から買付をするという問題については、まだ折衝をいたしておりませんので、ただいまお話申し上げるわけに行かぬ立場にあります。
#17
○小金委員 肥料は、大体日本は窒素肥料として二百万トンぐらいかつては使つておつた、今日では、かつて御配付になつた資料から見ますと、昭和二十四年度では百十数万トンの計画のようでありますが、昭和二十七年度になつて、わずかに硫安で百六十万トンぐらい、その他の肥料を合せましても、まだ不足する。そこで昭和二十四年度において、数量ははつきりいたしませんが三十万トンぐらいの硝安か何かを輸入されるというふうに私は承知しておるのであります。その点はいかがでありましようか。
#18
○稻垣國務大臣 私はつきりした数字を今持つておりませんので申し上げかねますが、大体今お話の通の数量だつたと記憶いたしておりますが、硝安を入れる予定になつております。
#19
○小金委員 そういう肥料の不足から、その程度のものを入れなければならぬという日本の農業の方面の御要求があればやむを得ないかと思いますけれども、毎年足らないから入れるというのでは、知恵がなさすぎるので、それだけの経費をかけて輸入するならば、逐次輸入をゼロにして、むしろ肥料は輸出國になるというような計画をひとつ立てていただきたい。それにはまず石炭だとかあるいは電力の開発が先行するだろうと思いますが、これは問題が多岐にわたりますので、ここで電力までお答え願うことは、時間の関係もありますから、私はこれはやめまして、他の同僚諸君の御質問の時間もありましようから、私は今まで大体大臣のお答えになりましたことを了といたしまして、ただ十分実現にひとつ邁進していただきたいということを強く要望いたして、私の質問を終ります。
#20
○神田委員長代理 佐藤君。
#21
○佐藤(親)委員 商工大臣に一、二点お伺いいたします。ただいま小金さんの言われるのと同じようなことでありますが、硫化鉄鉱の採取に関する助成方法の件、こういうふうに私は申し上げたいのであります。私の知つておる範囲におきまして、硫化鉄鉱を採取いたしておりました所、そこに働いております人たちは石炭鉱山へ行けというので、戰時中なので皆石炭鉱山の方に人夫は振り向けられてしまつた。ほんとうに年寄りとか女たちとか、石炭鉱山の方に向かない者がこの硫化鉄鉱の採取にかかつておつた。場所の点を申し上げますと、それは那須山の裏であつて、福島懸の郡山から入る柳津線で行つて池谷で下車する。ここから約三里栃木懸の方面に入るところに、九十四万坪の鉱区があります。現状は私は刑事事件のために視察に参りましてわかつておるのであります。これはまつたく個人でやつております。相当に露出している鉱区であつて、現に出ております。この点に対して、何らの助成の方法がないので、ほんとうにその現場から、一キロばかりの間は自動車の來ないところで、荷馬車をもつて運んでおりこういうような現場であります。これを農業面に使いますと役に立つのでありますから、これに対する政府の方針をお示し願えれば、そこに働く人は助かるのではないかという点を考えますので、その助成方法のお考えありやいなやという点をお尋ねいたしたいと思います。
#22
○稻垣國務大臣 助成ということがどういう意味でお話になつておりますのか、ちよつと私にはわかりかねますが、たとえばできるだけそちらの方へ資材をまわせとか、あるいは資金について心配しろとか、こういうお話でありますれば、またご事情によりまして、個々の山のことにつきお話を伺いました上でいろいろ御相談に乘ることはまことにけつこうなことだと存ずるのであります。ただ助成金とか、補助金とかいう意味合いでありましたら、そういつた線でわれわれはやつていないので、ご承知のように今日におきましては、いわゆる坑道の助成、掘進についての助成というような特殊の事情の場合は別でありますけれども、一般にはそういつたことにいたしておらないのであります。ただ特別の個々の山のご事情については、むしろ通産省にお出を願いまして、資源廰との間でよくお話合いをお進め願いたいと、かように存じております。
#23
○佐藤(親)委員 ただいま助成と申し上げましたが、要は非常に人を必要とすることが一つ。非常に人を必要とするというのは、やはり資金の面が必要だということになるのであります。この点について政府から補助金をもらいたいというのではなくして、輸入しないでも硫化鉱がどしどし出るのでありますから、そういう面を商工省でごあつせん願いたいということに盡きるのであります。
#24
○稻垣國務大臣 その点においては御事情をよく承りまして処置いたしたいと思つております。
#25
○佐藤(親)委員 わかりました。
#26
○神田委員長代理 次は今澄勇君
#27
○今澄委員 私は本会議の時間も迫つておるようでございますから、簡單に御質問をいたします。第一点はこのたびの爭議の問題、第二点は金属鉱山開発の問題、第三点は関連産業としての肥料の問題について質問をいたします。今金属鉱山は硫化鉱山に至るまで掘業が蔓延しまして、これに対して全國の硫安工業の労働者が同調する。さらに繊維産業にもこれが及ぼうという事態をかもしておりますので、私は最初に一應重複するおそれがあると思いますが、労働大臣にただ一点だけ、労働大臣の爭議に関する見通しと、この爭議解決の條件の中には通産省としてこれらの鉱山開発の要素が一体どの程度含まれておるか、七〇%程度ということを局長が、言われたそうでありますが、一應労働大臣からこの爭議の見通しと、爭議解決の條件には通産大臣がどれだけのパーセンテージにおいて解決すべき責任を持つておるかという点について御回答願いたいと思います。
#28
○鈴木國務大臣 この爭議自体は、根本的に考えますときわめて深い関連があるということはだれでも氣がつくだろうと思います。というのは午前中も申しましたように、直接には賃金補給金の方式というものがなくなつたあとの賃金の形態というものはどうあるべきかという、石炭その他とも同じ條件における一つの問題がある。もう一つ繰返して今論議されております廣い意味の鉱業産業、この二つに根本的につながつておりますので、きわめてラジカルな形でもつて將來長期にわたつての解決という問題になりますと、相当十分な角度からの檢討を経て、そうして根本的の解決をはかつて行かなければならないということになると思います。しかしさしあたつて直接の動機となつたところの硫化鉱の問題自体につきましては、その問題は今申しましたような性格を持つておりますけれども、もつと端的に三月――この硫化鉱は多分三月からだと思いますが、三月から五月までの賃金を前の五千四百円ベースのつながりとしてどうするかということかが直接的な問題として頭を上げておる。それに今申しました根本的の問題がつながつておる。こういう形でありますから、解決の見通しはどうかという御質問でありますが、解決の方法といたしましては、まず最も先に頭を上げて來た硫化鉱の問題、それも一番切実な問題となつておる今の三箇月にわたる貸金の問題を一應片づける。そしてそれが終つてからという意味ではありませんけれども、それと同時に並行して根本的の問題、この問題になりますと硫化鉱だけではなくして各金属につながる問題になると思いますが、それをただちに並行して手をつけようという考え方でもつで進むべきだと考えております。見通しはどうかという問題になりますと、これは生きて動いておるストライキの問題でありますから、あす解決しますというような御返答はできませんけれども、明日くらいには中労委に対しまして政府のこの問題に対する政策の方向というものも明確にお伝えして、そうしてあつせんに乘り出してもらう。それから今申しました五千四百円のペースをどういうふうに扱うかという問題もをきめてもらう。大体の考え方といたしましては三月から五月までは暫定的なものとし、それから五月以後のものは本格的な考えのもとに賃金の問題は措置して行きたいと思つております。今商工大臣が列挙されましたような政策の中には、きわめて根本的なものがありますから、完全にそれが実を結ぶまでには相当の時間がかかると思いますけれども、しかし政府が誠意をもつて具体的にこういうふうに進むということを決定して、そうしてその方式をも積極的に中労委と一緒に考えて進むということによつて、一應硫化鉱の問題は、ストはきようにも始まつておりますけれども、一日もストをやらないようにということまでは申しませんけれども、きわめて短期間にこれを切り上げて、そうして暫定賃金の問題のけりをつけて行く。そうして本格的の問題に移つて行く。こういう方式でもつて行きますれば、政府の努力によつては決して絶望ではないと考えます。
#29
○今澄委員 そこで労働大臣のお話では、いろいろ基本的な問題と当面の暫定処置という二つに分けて、一應暫定処置によつてこれを乘り切る自信があるというお話でございましたが、そこで私は專門の労働関係の問題は労働委員の方に譲るといたしまして、しからば商工大臣としては、現下の爭議に対していかなるお考えを持つておられるか。少くとも今の発券制度なり、あるいはその運営なり、一切は政府の企画と運営によつて動いておるところの現在の組織の中においては、これらの爭議に関する政府の責任は絶対的なものであると思う。さらにもう一つ今までの價格差補給金であるとかいうようなものをはずすとか、その他の政府の政策の変更から生ずるいろいろな事件に伴うて起きた労働者への打撃も、これまた政府のやつた政策の変更の結果であるならば、政府がその責任を負わなければならぬというような意味において、このたびの問題の責任も、今大臣はパーセンテージを言われなかつたけれども、やはり少くとも七〇%は賀來局長の言われるように商工大臣にもしあるとするならば、商工大臣としては、本問題について、根本的な問題は今いろいろ伺いましたが、当面少くとも硫化鉱の問題だけが解決すればこの爭議は解決するというものではないと思います。少くとも私どもが誠意ある政府の態度に一應了承を与えるならば、これらの爭議は円満に解決するかもしれない。そこで私はこの硫化鉱の問題のみならず、銅、硫化、亞鉛、鉛といつたいわゆる金属生産、金属鉱山への振興政策に対する政府の根本態度が明らかになつておらぬところに、やはりその源を発しておると思います。そういつた具体的な問題に対する商工大臣の御見解――われわれ商工委員会としても、金属鉱山開発の決議案を出して、これが満場一致衆議院を通過したというそのことにおいても、これらのいわゆる資源、金属産業というものに重大な関心を持つことを御了解願いたいのでありますが、しからば当面の対策としてはどうするか、少くとも硫化鉱の問題については、私は化学工業の小委員長として第一國会から今日に至るまで大分努力をして、あるいは増産機関をつくり、あるいは増送機関をつくり、各官廰の機構を網羅した協議会をつくり、あるいは價格の面においても努力して來た。この点についてすでに二年有半、三年近くもこの問題が論議されつつあつて、しかもなお今日まで解決を見ておらぬ、そうして遂にこういうどたんばになつたということについては私は鉱山局当局の事務役人各位にも大きな責任があると思う。かたがた商工大臣にも大きな責任がある。私はかように思うのであります。そこで商工大臣の当面とるべき労働大臣の言われた対應策と、恒久的なそれらの対策について、今の業者並びに労働者並びに労働者を納得せしむる腹案をお持であるかどうかということをひとつお尋ねをいたしたいと思います。
#30
○稻垣國務大臣 今の御質問でありますが、暫定的な問題については、先ほど労働大臣からお答えを申し上げたものとまつたく私は同じだということを申し添えておきます。
 それから根本的問題については今澄さんのお話までもなく、金属鉱山に対しての從來の政策がいわゆる石炭その他の基礎産業に対する傾斜生産方式、これはあなた方も御一諸になつてあの前の第一國会以來傾斜生産方式がとられたのであります。そういう面から言いますと、そこに差別があつたことは、私は認めなければいかぬと思うのであります。そこで今日石炭ももとより今年度四千二百万トンが要請されておりますけれども、大体諸について來た。こういう場合において今度は地下資源で、しかも日本が持つております重要な地下資源をどういうようにして育成していくかという問題は、われわれとして大きく取上げなければならぬ問題である。かように私は考えております。そこで從來とられたところの政策が、そのときどきの経済的な段階において、そういうことであつたと私は思うのでありますけれども、今日においては金属鉱山に十分力点を置いてやらなければならぬときに來ておると思います。そこでたまたま先ほど小金委員の御質問にお答え申し上げたように、一面において輸入の硫化鉱の問題もあるし、また硫化鉱の價格の問題もある。それと関連して常に硫化鉱と一諸に解決しなければならぬ銅のいわゆる補給金の問題もある。あるいは銅の海外市場の非常な値下り、これに関連した國内市價をどうするかという問題、そういつた面もあると思うのであります。それからこればかりでなく、鉛、亞鉛の價格についても目下われわれは折衝いたしております。この價格の問題についても、われわれは考慮しなければならぬ問題があるのではないか。また將來の貿易に備えて、金鉱の開発も今日すでに手を打つておかなければいけない問題である。かように考えておるのであります。これらの点について今澄さんの先ほどお話のように、われわれがネグレクトしておるわけでは絶対にないのであつて、私としては金属鉱山にウエィトを置かなければならぬ、実は就任以來このことを私は申しておるのであります。この点において今の鉛、亞鉛に対する價格の問題につきましても、あるいは硫化鉱の價格の問題についても、また今日銅の價格について補給金の関連の問題もあります。こういつた点についてできるだけ日本の金属鉱山がその持つております大きな使命を果し得るように、この産業を育成して行かなければならぬ。かように私は考えておる次第であります。
#31
○今澄委員 まことに商工大臣の御見解にはわれわれ敬意を表する次第であります。ただ私は少くとも爭議もすでに指令を発した段階であり、全國金属労働組合も大会をあと二、三日に控えて二日からやるというような状況にありますから、根本的な問題は一應この程度におきまして、少くともそれらのものに対しては、たとえば硫化鉱の値段は目下交渉中であるが、大体あとどのくらい一週間――もたつたならば、この程度の何割方大体値上げになるだろう。さらに銅については補給金はこれこれこういう状態であるから、一應何箇月間はこれを打切る、あるいは延期するとか、あるいはこれは打切らないとか、あるいは打切るならば、こういう金融的措置を講ずるとか、鉛、亞鉛についてもそれに近いような具体的な見解をこの際披源されることが一番大事なことであつて、われわれはそういうような見解を披源されるならば、経営者においても一應この程度の採算の上に立つて、この程度の給与は出し得るであろうということで、いろいろな問題が労働大臣も先ほど言われたような解決を來す、かように考えておるのでありまして、今の例をあげた硫化鉱の値段の問題については、一体一週間くらいのうちに何割くらい上るという見通しがあるかどうか。さらに銅の問題については補給金は打切らないか、それとも打切らなければ延長するか、さらに延長して打切つて、金融的措置を講ずるかというような、具体的なお話がもしできるならば、ひとつこの際お話願いたいと思います。
#32
○稻垣國務大臣 ただいまのお話の問題でありますが、これは一体今度の硫化鉱の爭議とかなんとかいうことに無関係に、すでに大分前から折衝を行つておる問題であります。そうして今急速にこれが解決を見るようにお百度を跡んでおるのであります。ただそれがどの程度であり、それからまたいつあれするかということをここで申し上げることは、今話合いをいたしておりますことに支障を與えることになりますと、かえつて金属鉱業に從事される皆様方に御迷惑になりますので、私はここでその金額が幾らである、あるいはいついつかこれが解決できるであろうという私の想像話を申し上げることは、避けたいと存ずるのであります。ただしかしながらこれが非常に重大であつて、少しも早くこの問題を解決しなければならぬということは、私十分承知いたしておりますので、遠からず――ほんとうに遠からずという文字通りの遠からず、硫化鉱の値段について、決定を見るのではないかと考えております。
 それから銅の問題でありますが、これは向うの國際市價との関連でなかなかむずかしい問題であります。それに一体消費者價格が――先ほど小金さんに対するお答えで間違つて十二万と言いましたが、十万二千です。この十万二千の消費者價格で銅の需要が國内にあるかどうかということ。十万二千では、これを上まわつては消費がないのではないか、そこでストックが出る、こういう問題が起きる。そうすると、輸出すると、國際市價は十八セント何がしといことであつて、輸出では原價割れになる。こういう問題でそこは非常にむずかしい問題であります。そこでこれはどこまでもわれわれが補給金政策をとつて行つていいかどうかという問題が起る。かりに消費者價格が上げられて生産原價が下げられて、生産者價格と消費者價格が一本になれば、一番いいのでありますが、そうは行かないのであります。ここに非常にむずかしいところがある。それにもう一つ困つたことには、故銅というものが入つて來ておる。故銅の割合が大体五〇%くらい使つておる。これについて原價をいくらか下げておるこの故銅だけで行つた場合には、かりに原價は消費者價格よりも安い。こういうことをわれわれは想定いたしておるのであります。ところが鉱石からやる分は非常に高い。この線をどういうふうに引いていくかという、非常にそこにこんがらがつた面があるのであります。この問題は今にわかにこれを一切はずしてしまうということをいたすことは、今あなたのお話のように、たいへん問題を起すことになりますので、これをできるだけある一つの目標について関係筋との了解を得るということを、まず先に心がけなければならぬということで努力しておるのであります。いつ、あるいは幾らということについては、ご遠慮いたしたいと存ずるのであります。
#33
○今澄委員 それで基本的な問題でもう一つお伺いいたしますが、大体先ほど小金委員の質問にありました硝安の輸入約三十万トン、これに対する價格差補給金六十億、硫化鉱の輸入が約十万トン、これに対する價格差補給金は約四億五千万円、このようないろいろな輸入に対して補給金が出ておりますので、これらの補給金を、これらの金属鉱業の経営者も労働者もなるべくならば國内産業に振り向けて、それをいろいろな助成金なり、その他他ものに振り向けたいという希望があることはすでにご存じの通りだと思うのであります。ただ問題は、今の日本の肥料生産の上にそれらの硝安の輸入がいるかどうか、またこの硝安というものがわが國の水氣の多い國土にはたして適するかどうかというような根本問題もありますが、これはやめます。ただ硝安はわが國の現在の畑地には不適当であるということは、これはまぎれもない点であるので、北海道並びに九州の一部にこれが適するということはもはや間違いのない統計の結果であります。そういう点からするならば、どうしてもわが國の國内産肥料を需要に應ずるだけつくらなければならぬという状態にあるにもかかわらず、現在肥料配給公團は、政府の計画以上に肥料ができたので、計画以上にできた肥料を引取りを拒んでおるという実情であるのであります。それらの観点より見ると、ここにわれわれは國内でできる肥料の生産はある程度押えて、國外の硝安をむりやりに買つておるのではないかというような疑惑を与えた原因が、そういうところにあろうかと思うのでありまして、われわれは決して貿易によつて國が滅びるとは思いませんが、そういう点については十分注意をされて、これらの六十億なり、あるいは四億五千万円なりというような輸入の硝安、硫化鉱に対する價格差補給金を、これは原則論ですが、原則的國内における生産の目途がつけば、これを國内におけるそれらの産業へ振り向けてやるというようなお考えをお持ちでございますか。それとも、そういうことは現在の客観情勢では絶対に不可能なことであるかどうかといことをひとつお聞きをしておきたいと思うのであります。
#34
○稻垣國務大臣 先ほど硝安の輸入が三十万トンと申しましたが、正確な数字は三十四万トンであります。これは先ほども小金さんにお答え申し上げましたように、硝安に限らず、また硫化鉱にいたしましても、これはできるだけ國内で間に合うものは國内で間に合わせて行くということが、全体的に考えまして一番大切なことであつて、この点については私ももう異論はないのでえあります。ただこれもまた國内産業の全体的の面から見まして、從來電力の面あるいは石炭の面、あるいは設備の面、そういつたようなものを勘案いたしまして、大体輸入する、こういう建前に相なつておるのでありますが、しかしながらこれが必要がないというように國内の生産が高まり得るならば、それはこれに属したことはない、かように考えております。また必要のないように國内産業を育成して、そうして今後計画はいたしておりましても、これを輸入しないで済ませることができるならば、これに越した幸いはない、かように考えておる次第であります。
#35
○今澄委員 そこで私は今までの石炭の四千二百万トンとか、あるいはこれまでできたいろいろな各生産計画と、今日九原則下におけるいわゆる安定計画のもとにおいても、金融政策と生産、それの裏づけをする物價政策というものがこれで大体一致しておつたと思うのですが、現段階においては、そのような日本の経済の安定ということと、復興政策といことのいずれが重いかということから、そういつた日本のあらゆる生産資材、それを裏づける資金、それらの融通方式というようなものについて、私はアンバランスであると思う。この責任は全部をあげて政府にあると私は思う。よつて経済九原則下においては、各所にいろいろな矛盾を露呈しておりますから、これをわれわれが一々つつ込むということは、通商産業大臣として非常に御迷惑であろう。だからこのアンバランスが進んで、まだその全部の計画が一つのものに統一されておらぬ九原則下の現下の政府の施策の一部分として現われたもりのやはり石炭における今度のストライキの問題であり、そして石炭の場合における低品質の問題であつて、それがために経済九原則下においていろいろな問題が起りますので、これはそれらの一環であるということを、あわせてここに御指摘申し上げまして、どうか政府においては、特に産業経済をつかさどる通産省においては、そのような新たな九原則下におけを日本経済の計画というものをもう一ぺんやり直して、十分御檢討願うように希望意見を申し述べておきます。
 最後にもう一点、肥料産業などは硫加工に関連した産業でありますが、この肥料産業の生産が少いから、どうしても硫化鉱は輸入しなければならないのだとか、あるいは、ただいまここに硝安の問題が出たのでありますが、ここで一つだけ私は御質問いたしておきます。ちようど労働大臣がおられまするからぐあいがいいのでありますが、新潟の東洋合成の社長は、まことに一方的に解雇を宣して、そしてこの工場は今閉鎖宣言をしております。二十四日に通産省は、この新潟にある東洋合成に対する資材の割当中止ということを、大臣の決裁を経て、次官の申合せによつて、経営者の意図に反して通告いたしております。通産省はこれに対して工場閉鎖、事業停止の方針で今臨んでおり、大蔵省はこれに対して一應の見解を下し、通産省はこれに対して参考意見を述べるという段階に今なつております。しかしてこの東洋合成の肥料の値段は、今度設ける價格の中の第三段階にあたりまして、今まで二万四千幾らのものが、今度一万幾らに大体査定されたために、経営に成立たないという状況であります。そこで労働大臣は、現下の状態において、その價格を引下げられたために、経営者が、経営が成立たぬからというて、一方的に全員にその整理、首切りを申し渡すことがはたして妥当であると考えるかどうか。さらにもう一つはこれを申し渡されたために、組合は生産管理に入つたのでありすが、その生産管理に対して、通商産業省が資材の割当を全部打切つた行為は、一体どういうふうにお考えになるか、この二点が労働大臣であります。
 それから通商産業大臣に対しましては、通商産業大臣が決裁されて、ともかく資金、資材の配給を中止されたのでありますから、これは述べませんが、少くともそういうふうな経営者と労働者の問題が起きまして、これを閉鎖するような状態になり、それで資材の割当を中止するということになつたが、それは調査團を派遣して、実情を調査してやつたものかどうか。はたして経営者に非違があるかどうかということの調査もしないでそういつた決裁をされたことは、一つの手落ちではないか。今後通商産業省がこれに対して工場閉鎖の許可を出す場合には、今度こそは当然ここに民主的な対策がなければばらないはずである。そうでなければ、経営者が言う通り経営が成り立たないものか、それとも労働者が、言う通りかどうかわからない。九原則下のわが國でこの價格差補給金などを巨額に出さなければならないような情勢であるというならば、通商産業省はそういうことの調査に出るべきであると思います。それらの調査もやらないで、突如として、机上でそれらの資材の割当停止の決裁をなされた通商産業省の御見解とお氣持をお伺いして私の質問を終ります。
#36
○鈴木國務大臣 だしぬけに工場閉鎖をして、だしぬけに労働者の解雇、その通りに考えれば、そうはいかぬと考えますが、ただ、ただいまのところ十分の調査報告を受けておりませんから、実情についてさらに調査して申し上げたいと思います。
 それから生産管理の問題は、原則として、経営者の意思に反して工場を乘つ取つて生産管理をするというような非合法性が指摘せられておりますが、経営者が逃げてしまつていないとか、あるいは特殊な事情のもとにおける生産管理の事態までも、違法であるという形式論の中に当てはめようとしているのでないことは、別の委員会でお答えした通りであります。今の場合がそのいずれに属するかも、もう一度調査してみなければわかりませんけれども、機械的に生産管理の問題に当てはまるものではない、そういう原則として考えております。
#37
○稻垣國務大臣 東洋合成の問題でありますが、これは経営者の側からしばしばあそこの工場閉鎖の申出がありまして、そうしてこの工場を解散したいという話でありす。そこで通商産業省といたしましては、責任者のない所へ資材の割当は從來ともいたさない方針といたしております。そこで問題は、これが解散をするということで大蔵省へ申し出ておるのでありますが、これについてはわれわれといたしましては、はたしてその申出を許すかどうかについての通産省の意見をこれに申し述べる私は任務がある、かように考えております。これはわれわれの方は調査團を出しまして十分調査をいたしたいと考えております。実際の経理の面から申しますと、資本金四百万円の会社でありして、ただいま一億五百万円の負債を持つております。四百万円の資本金で一億五百万円の負債を背負つて、一万九千五百円の價格において製造ができるかどうかということについても、われわれは十分調査をいたしたいと考えております。われわれが調査しないで云々という考え方ではありません。つまり解散については十分調査いたして参りたい、かように考えております。一應われわれとしては、経営者の方で工場を閉鎖する、こう言つて参つておりますので、資材の配給をさしとめておる次第であります。
#38
○神田委員長代理 石野久男君。
#39
○石野委員 私は本日のこの合同審査会で特に通商産業大臣に対しましていろいろとお尋ねしたいことがあるのでございますけれども、同僚諸君がいろいろと聞いておりますことと、もう一つには本会議をもつておりますので、ごく簡單に二つの点をお聞きしたいと思うのであります。特に全鉱連のストに関連する問題が非常に廣汎な闘爭に立至るような状態になつて來ておりますので、この問題を今日緊急に解決することが必要だと私たち思うのです。先ほど労働大臣からも、この問題については暫定的な形と恒久的な対策とにわけて考えて行きたい、こういうふうにおつしやられております。私が聞きたいことは、まず政府に対して鉱業政策に関する件、今次の闘爭に関する件、この二つについて聞きたいのであります。
 今度の全鉱連の闘爭を解決するにあたりまして、何としても先決問題になるのは、政府の鉱業政策がどのようであるかということが重大な問題になつておると思うのでございます。小倉委員及び今澄委員等からも詳細にわたつての質問があり、大臣からもこれに対するいろいろこまかい御説明があつたのでございますけれども、一つだけ私はお聞きいたしますが、この爭議を解決する前に、政府といたしましては、鉱業政策に対しまする基本的な線だけでも、明示し得るような段階に立ち至つておるうかどうかということでございます。
 それからもしこの基本的な線が目途がついていないとすれば、おそらく暫定的な解決できないだろうという考えを私は持つのであります。そういう意味においてまずその点をお聞きいたします。
 それと関連しまして、先ほど小金委員に対しましての通商産業大臣の御答弁の中に、今度價格改訂については政府は十分考慮しておるけれども、それには賃金を含んでいないということを言われております。この賃金を含んでいないということの意味は、特に全鉱連におきましては昨年の十二月爭議の終結にあたりまして、きめられました補給金の額がございます。これが約千円になると思うのでございますが、この問題については全然考慮しないという意味で賃金を考えるのであります。か、それとも労働大臣が言つておりますように、五千四百円という十二月末における、一應の線をやはり確保するというお考えで言われるかということ。まずこの二点についてお聞きしたい。
#40
○稻垣國務大臣 初めの問題につきましては、先ほども小金委員並びに今澄委員に対しましてお答えいたしたと同じでありまして、そういつた鉱業政策全般の考えを持つております。この点はこの席でも申し上げましたのではつきり申し上げていいと思います。
 第二点につきましては、私の申し上げましたのは企業三原則によつていわゆる價格を上げるという場合に、その價格の中に賃金を繰り込むということにいたしていないのであります、かようなことを申し上げたわけでありまして、それは賃金の値上げとか値上げでないというような問題には無関係であります。ただ今の値上げの交渉の金額の中には、企業三原則に從つて賃金を織り込むことはできませんので、織り込んではいないということをはつきり申し上げたわけであります。
#41
○石野委員 非常にお急ぎのようでありますが、この問題については一應ここでお聞きしたいのであります。今大臣の御答弁に対しては、鉱業政策については十分考慮するという点は一應了承いたしますが、特に今度の爭議解決にあたりまして、私どもは労働大臣が言つておりますように、五月末に至る暫定的な処置は考えるが、あとのことはまたいずれ考えるというような考え方、これではなかなか解決しないと私は思うのであります。これは同時に基本的なものが一應でもわかつておらないと、この爭議の解決点は出て來ないと思うのでありまして、この点についてはやはり相当程度積極的な政府の施策を出していただくことを要望するのであります。
 なお通商産業大臣にお尋ねいたしますが、今次の闘爭の解決にあたつては、どうしても私どもは政府の見解が明白にされませんと、解決はできないというふうに考えておるのでございまして、先ほど來鈴木労働大臣から言われておりますように、両三日中に少くともその線を出すと言うておりますが、この線については通商産業大臣としましては、それを裏づけするように積極的に政府としてはそれをやるんだということをわれわれ確言をいただきたいと思うのであります。この点については中央労働委員会が今日までいろいろとこの問題について考慮しておりましたけれども、政府の施策が明瞭でないために、末弘会長が積極的にこの線に対する調停案あるいはあつせん案をつくることができなかつたというような事情も考えまして、特に政府のそれに対する明確なる御所見を発表していただきたいと思うのであります。
#42
○稻垣國務大臣 先ほどもお答え申し上げましたように、私はここでやるとはつきり申し上げるわけに参りかねる、なぜかというと交渉中でありますから、ということを申し上げたのであります。從つてその日にちにつきましても、また金額につきましても、申し上げることはかえつて業界に関係されておる皆様に反対の結果を及ぼすことをおそれて、私ははつきり申し上げることはできないと今澄さんに申し上げたと思いますが、それはちよつと御遠慮申し上げたいと思います。ただ私の考え方は、先ほども私のここで申し上げた通りであります。
#43
○神田委員長代理 暫時休憩いたします。
    午後四時二十八分休憩
     ――――◇―――――
    〔休憩後は開会に至らなかつた〕
ソース: 国立国会図書館
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