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1949/04/18 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 大蔵委員会厚生委員会連合審査会 第1号
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1949/04/18 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 大蔵委員会厚生委員会連合審査会 第1号

#1
第005回国会 大蔵委員会厚生委員会連合審査会 第1号
昭和二十四年四月十八日(月曜日)
    午後二時二十四分開議
 出席委員
  大藏委員会
   委員長 川野 芳滿君
   理事 島村 一郎君 理事 宮幡  靖君
   理事 荒木萬壽夫君 理事 風早八十二君
      岡野 清豪君    小山 長規君
      北澤 直吉君    佐久間 徹君
      前尾繁三郎君    三宅 則義君
      河田 賢治君    河口 陽一君
  厚生委員会
   委員長 堀川 恭平君
   理事 大石 武一君 理事 福田 昌子君
   理事 床次 徳二君 理事 田代 文久君
   理事 逢澤  寛君
      青柳 一郎君    中川 俊思君
      奈良 治二君    丸山 直友君
      堤 ツルヨ君    苅田アサノ君
      松谷天光光君
 出席國務大臣
        厚 生 大 臣 林  讓治君
 出席政府委員
        大藏事務官
        (主計局長)  河野 一之君
        大藏事務官
        (主計局次長) 阪田 泰二君
        厚 生 技 官
        (医務局長)  東 龍太郎君
        厚生事務官
        (医務局次長) 久下 勝次君
 委員外の出席者
        專  門  員 黒田 久太君
        專  門  員 椎木 文也君
        專  門  員 川井 章知君
        專  門  員 引地亮太郎君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 國立病院特別会計法案(内閣提出第三八号)
    ―――――――――――――
#2
○川野委員長 これより大藏委員会、厚生委員会の連合審査会を開きます。私が各位の御了解を得て、委員長の職務を勤めさせていただきたいと存じます。
 それではこれより國立病院特別会計法案を議題といたします。厚生委員会の諸君はいまだ法案の内容をお聞きになつておらないと存じますので、まず本法案の提案理由の説明を聽取することにいたします。
    ―――――――――――――
#3
○阪田政府委員 國立病院特別会計法案の提案の理由につきましては、先般大藏委員会で御説明申し上げたのでありますが、なおこの機会に一應簡單に御説明申し上げたいと思います。
 今回この法律を制定しようといたしますのは、國立病院の円滑な運営をはかり、その経理の適正をはかるために特別会計を設置いたしまして、一般会計と区分して経理をいたそう、こういうのがその趣旨であります。
 國立病院は適正医療を普及して、國民の健康な生活を確保するために、昭和二十年十二月一日から発足いたしまして、現在全國に九十八箇所の病院、病床数で言いますと、二万四千の病床数を持つておるのであります。この國立病院の発足の当初におきましては、御承知の通り元陸海軍の病院を引継いだのでありまして、当時から入院しておつた無料の患者等が大部分を占めておつたのであります。その後いろいろ設備も改善されまして、なお一般の國立病院に対する認識もだんだんと高まつて参りましたために、一般の利用者も次第に増加いたしまして、國立病院の運営も次第に軌道に乘つて來たわけであります。それで國立病院の経理の方の面からながめて見ますると、右のような事件に伴いまして、漸次改善の跡が見られるのでありますが、何分にも一般の事務官廳とは性質が異なりまして、病院、医療という特別の事業を経営しておる官廳でありますので、その経理面を明確に整理して、特別な会計を設置し、適切な経営方針を立てて行くことが最も適当であると認められるわけであります。それで今回この法律案を提出いたしまして、特別会計を設置し、一般会計と経理をわけて、はつきり收支を立てて行く、なお不足するところは一般会計からこれを補足するという措置を講じまして、國立病院の経理を明確にし、その運営の円滑をはかつて行きたいというので、かような案を御提案いたした次第であります。
 なおこの特別会計は準備の都合もいろいろありまして、年度当初から発足いたしますのが間に合いませんので、七月一日から特別会計を設置することといたしたいと考えて、さように提案しておる次第であります。簡單でございますが、一應この法律案の御説明をいたした次第であります。よろしくお願いいたします。
#4
○川野委員長 次に質疑に入ります。質疑は通告順にこれを許します。松谷天光光君。
#5
○松谷委員 ただいま提案の説明をいただきましたが、私どもといたしましては、政府が國立病院特別会計法を実施されんといるその内容について、まだ十分了解ができません。ことに私ども終戰以來民主政治を確立しつつ、そしてまた新憲法においては憲法二十五條で國民の生活の保障が與えられているにかかわらず、今日インフレの中に生活の安定を得られぬという状態の中におきまして、ただひとつわれわれが幾らかたよりにいたし、一ひだ疾病いたしました場合のわれわれ労働階級のよりどころというものは、この國立病院にのみかかつていると考えられておつたのでありますが、今ここに國立病院の特別会計法を提案されるに直面いたしまして、われわれ労働者は明日疾病した場合の不安戰慄におののいておるような状態でございます。
 一番初めに伺いたいのは、昨年の秋でありましたか、連合軍最高司令部から日本政府への送達書が参つております。社会保障制度に関する勧告、これを私らも受取り、また政府当局とされてもやはりこの趣旨に沿いまして、社会保障制度の確立の準備のために、社会保障制度審議会を設立されるという方向に進まれておると解釈をいたしておりましたが、はたして政府はこの社会保障制度の確立をなさろうとする意図があるかどうかということ、またどれだけの御熱意があるかということを承りたいと思います。
#6
○阪田政府委員 社会保障制度の問題につきましてのお尋ねでありますが、御承知のような司令部の方からの書面をいただきましたが、日本政府といたしましては、この社会保障制度法案は相当重大な問題であります。ことに財政面から言いますると、現在の財政状況におきましては、ただちに実施するということはもちろん困難な問題であろうと思われますが、全体といたしまして、この社会保障制度に盛られました趣旨につきましては、大いに今後これを檢討いたしまして、これの実現をはかつて行くという方向に研究を進めなければならない問題であるとは考えておる次第であります。お話のようなことにつきましては、今回の予算につきまして、社会保障制度確立のための調査研究をするつもりで、その準備を進めております。
#7
○松谷委員 政府が少くともこの社会保障制度確立の方向に向つて進まれるというのであるならば、政府のすでに一つ一つの施策なり行動というものは、その進行の方向に進まれるのが、当然であろうと考えるのであります。この場合に少くとも社会保障制度確立の上における病院の建設は、法的な資源をもつてなされなければならないということも、ある程度その勧告の中にもはつきりうたわれておるのでありまするし、ことに病院関係の問題については、基本的な計画の上に確立して行かなければならないというようなこまかい勧告まで受けておる。そのもとにおいて、この國立病院特別会計制度というものを考えて参りますると、まつたく進行して行くのではないかということが考えられるのでありますが、この点はいかがでございましようか。
#8
○阪田政府委員 お話の点でありますが、私どもといたしましては、今回の特別会計制度が、社会保障制度というような大きな方向に矛盾いたすものとは考えていない次第であります。この社会保障制度はもちろん御承知のように、現在行われておりまする社会保險、かようなものが結局基礎になつて、これらを整理いたしまして、全体としての社会保障制度の形をなすものと考えますが、現在の國立病院におきましても社会保險関係の医療というものは、非常に大きな部分を占めておるわけでございます。それで現在の國立病院がやつておりまする医療の事業が、全体として円滑に経理が行われ、事業の方針が明確に立つて行くようにという趣旨から、今回の特別会計法を提案いたす次第でありますから、お話のような点につきましては、何ら心配はないものと考えておるような次第であります。
#9
○松谷委員 私どもは國立病院特別会計制度の実施について、政府はいわゆる國立病院独立採算制をその内容とし、將來の國立病院行政のあり方としてこれを意図され、そうして今回のこの法案のもとにでき上る実態は、半独立会計的な性格を持つものと考えますが、政府はこの点いかに考えますか。
#10
○阪田政府委員 病院特別会計の独立採算制の問題でありますが、これは経理面、あるいは一般会計の財政面の立場から言いますと、早く独立採算制になることが望ましいことは申すまでもありません。ただ私どもも國立病院の事業が、鉄道とか、通信とか、さような事業とはまた異なつた性質を持つておる。先ほど來いろいろお話のありましたような、特別の性質を持つておるものであることは、十分承知いたしておりますので、この会計につきましても、無理をして國立病院の公共的性質に障害を及ぼすような方法をとつてまでも、独立採算制を達成すべきものであるとは考えていない次第であります。そのような意味で、先ほど來お話のありました社会保障制度というようなものの行き方と矛盾するような点は、別段ないというふうに考えておる次第であります。なお社会保障制度というものが完全に実現されるような時代になりますれば、社会保障制度の医療に要する経費は、当然その医療に要する実費によつて算定されなければならない。それだけの財源を何らかの形で國家から附與しなければならないということに相なりますので、独立採算制その他の問題も解消と言いますか、社会保障制度の問題の中に当然吸收されてしまう。こういうふうな形になると、われわれとしては考えておる次第であります。
#11
○松谷委員 ただいまの御説明はどうもはつきり受取れないのでございます。少くとも現在の状態に、犠牲を與えるようなことはしない、こういう御意見でありますが、しかし私どもが少くともこの法案を拝見しまして、特別会計制度が実施されますときに、まず出て参りますのは、病院のその経営がどうしても営利的にならなければならないであろうということが、これは当然考えられて來ることであります。今までの國立病院における患者の状態を見て参りますと、大体生活保護法患者が四八・八%、社会保險関係の患者が二二%、あるいは全額免除患者が八・七%、全額自費患者がわずかに一九・八%くらいの状態を占めております。これは一九四八年の十一月現在國立病院でなされた患者の実態調査でありますが、今日までの運営からいたしましても、いわゆる社会保險関係の患者、あるいは生活保護法の患者、こういうもののいわゆる医療券によるところの收入というものは、國立病院の上においても相当問題があつたのでございます。医療券の支拂いは十分に事務的にも迅速には行かない、あるいは全然届かないものもあるというように、現在の状態でさえもそこには苦情があつたわけでございます。これがなお國立病院が働いただけしか使えないということになれば、これはどうしても人情から言いましても、收入の遅れて來るような病人、遅れて來るような要保護患者、あるいはまた社会保險関係の患者というものは、できるだけ長期入院などはこれを停止いたしまして、即座に現金が入つて参ります全額自費負担患者をより多くとらなければ、今度は病院の経営が成立たないというような方向に当然これはなつて來なければならない。なるようになるであろうというおそれが多分に出て來るとわれわれは考えておりますが、この点はどうでありましようか。東医務局長がおいでのようでありますから、そういう心配がないかどうかということを伺いたいと思います。
#12
○東(龍)政府委員 ただいまのお尋ねでありますが、結論として申し上げますれば、さような心配は持つておりません。病院が営利化するというお話もありましたが、一般会計でありましても、特別会計でありましても、國立病院の本質に変化があるということを前提といたしまして、私どもは会計の形をかえるというようなことを考えておるのではないのであります。特別会計に相なりましても、國立病院の本質である一般の國民に平等に、しかも適正な医療を與えるということはそのまま堅持して参るつもりでありますし、また参れるという考えでおります。病院において、收入の上らない病院は、そしてまた上げ得ないような患者は、病院がこれを忌避する、あるいはまた病院が衰えるというようなお話がありましたが、さようなことはないと信じております。それぞれの病院によつては、收入の上りませんような、当然收入を上げられないような立地條件、あるいは施設等を持つたものがあることはよく承知いたしております。病院に対して厚薄をつけるということは医務局といたしましてはいたさないつもりでございます。
#13
○松谷委員 ただいま局長は國立病院としての本質に何らかわりはない、こう言われたのでありますが、一般会計によつておりましたところの國立病院行政のあり方、少くとも收入と支出の分離を原則といたしておりまするその病院のあり方と、今日の状態でも、いわゆる國立病院はその支出の約七〇%は確保しなければならないというような指示が先ごろ出まして、それからというものは、國立病院の実態というものはいくらかそこに変化があるということを事実一つ一つの國立病院が、科学的な事実をもつて証明しておりますが、七〇%だけを國立病院の責任で一應收入を上げなければならないというような一つの指示だけがあつた場合でも、これだけの変化を見せておりまするこの事実を見ましても、ここに特別会計制度が確立をいたしまして、いわゆる收入と支出の分離の原則を放棄いたしましたときには、どうしてもそこには大きな根本的な変化が参りまして結局それは收容患者あるいは治療患者の性格の変化、あるいはまたその病院で仕事をいたします從業員の労働強化の問題、あるいはまたそれが発展いたしましては医療從業員の整理の問題ということにまで当然発展いたして行くのではないかと考えざるを得ないのでありますが、いかがでありましようか。もう一度医務局長にこの点を伺いたいと思います。
#14
○東(龍)政府委員 ただいまお尋ねの特別会計になつた結果として、すでにその徴候を見せておるというお話でありましたが、七〇%の收入会々と申しますことは、各病院についての、何と申しますか、努力目標と申しますか、しかもそれは國立病院全体といたしまして決してむりなことを求めておるのではないのでありまして、國立病院の最近の実績等から見まして正しくむりをせずに経理を行つて参りますれば、それくらいのところは当然上り得るだろうというむりのない目標を示したものでありまして、そのために個々の病院について、國立病院の本質と反するような事実がありますれば、それは遺憾ながら私どもの指示に対する各施設の了解の不十分でありまして、財政に規制を受けることはやむを得ませんが、病院の運営並びに医療の方面には厚生省医務局から始終指示いたしておりますそのままを行わせるべきであると存じております。從つて私といたしましては、特別会計になつて收支が分離いたされましても、ただいま仰せのようないわゆる欠点と申しますか、短所ばかりが現われるものとは存じておりませんで、その経理面の分離によつてかえつて得る長所もまたそこにあるものと信じております。
#15
○松谷委員 ただいまの局長の御答弁には漏れておるところがあると思います。從業員の労働強化の憂いは、すでに診療時間を延ばすというようなことさえ申されておるようでありますが、その点はどうでありましようか。あるいはまた整理の状態はどういうお考えを持つておられるでありましようか、この点もあわせて伺いたいと思います。
#16
○東(龍)政府委員 勤務時間の延長の事柄は、私の方としてはさようなことまでを要求して、つまり勤務時間までを延ばさせて收入を増せというようなことは考えておりません。勤務時間の延長は、最近例の四十八時間制度によつて延長いたしましたことは当然あるとは思いますが、それ以外に特別会計にからんで、勤務時間の延長というようなことは、私承知いたしておりませんし、また特別会計とからみ合せて人員整理云々のことをやろうというふうなことも私は考えておりません。
#17
○松谷委員 ただいま局長は現在の七〇%確保というような指示を出しても、いわゆるそれによつて医療券の患者を締め出すというような指示はしない。そういうことがあれば中央の意思を無視したものであるというお話でありましたが、事実そういう例が各所に出ております。これは厚生委員会を通じまして具体的に局長とも折衝をし、そういう弊害を一つ一つ除去しつつは参つておるのでありますが、すでにそういう傾向が出ておる。この上にまた特別会計制度が出たことに対し、われわれとしては当然それが一層憂慮する状態に突入するであろうということを強く憂うるものでありますが、そういう心配が全然ないという局長の御意見でありましたが、この点は私としてはまだ実は局長のその意見をそのまま了承して安心することはちよつとできかねるのでございまして、なお今後あらゆる委員からの御質問に対する答弁を伺つておりまして、考えをまとめて行きたいと思つております。なおこの特別会計制が実施されて参りましても、先ほどの政府委員の説明によりますと、いわゆる足りない点はこれを一時借入金をもつてまかなうことができる。なるほど法案九條にも「國庫余裕金を繰替使用することができる。」という條項を見えておるようであります。また附則にも一般会計からの繰入金ができるというようにも確かに見えてはおりますが、もしもかりに九條にいかに國庫余裕金を繰入れることができるとありましても、今日のような状態で、四十万からおられますところの在外同胞の方々が、少くとも本年度には、政府の御意見によれば、また御努力しておられるところから見ると、引揚げられる。そうした場合において、今政府が計画しておられるこの特別会計制が実施された後において、そうした四十万からの引揚者をかかえて、ここに十分なる医療を施して行くことがはたしてできるであろうか。あるいはまた不時の災害等が発生いたしました場合において、それだけの活動が國立病院にはたしてできるであろうかどうか。昨年でありましたが、本会議において緊急質問がなされた場合に、たしか平工さんから御質問があつたと思いますが、大藏大臣でありましたか、総理大臣でありましたか記憶はいたしませんが、政府はいつでも予備金をもつて國立病院の費用はこれをまかなうのであるから、十分に使いたいだけ使えというような御答弁をなさつておつたように記憶いたしますが、今回は予算の編成も大部かわつております。ことにそうした國庫余裕金がなかつたというような場合に一体どうなさるつもりであるか。ことにその場合の責任は、一体大藏大臣がその責任をもつて借入れをなさるのであるか、あるいは厚生大臣が責任をもつてなさるのであるか、そういう点もはつきり伺つておきませんと、われわれ不安であると思います。
#18
○阪田政府委員 ただいまのお尋ねの点でありますが、九條の問題はこれは少し趣旨の違う規定でありまして、年度の途中におきまして、歳出予算はありましても、その歳出予算を支出するために必要な現金が不足するような場合に備えまして一時借入れをするとか、あるいは一時一般会計で余つておる金を借用して使つて行く、こういう意味の規定であります。從いまして國立病院の事業の分量は、お話のような事情のなめに非常に増加いたしまして、現在歳出予算に盛られておる金額では、全体として金額が足りない、かような問題が生じました場合には、結局予備金を支出してこれに充てるというほかないわけであります。それで現在病院特別会計には若干の予備費が計上してございますが、一般会計には本年は御承知のように予備費の計上がないわけであります。從いましてお尋ねのような問題は、本年度におきましては特に一般会計にそのまま置きますると、特別会計をつくりますといなとによつて臨機の措置ができるかできないかという点については、区別がないような状態になつております。ただ國立病院はもちろん事業を経営しておるわけでありまして、事業を経営して行く上におきまして利用者がふえて、どうしても歳出予算の面においても増加しなければならない、それにもかかわらず予算がないというときには、それがために事業をやめ、事業をストツプしてしまうということは、これはなかなか問題でありましようから、結局そのときは追加予算、補正予算等の措置が必要となることがあると思います。ただこの病院の予算の性質といたしまして、結局施設がありまして、その施設に伴う医者とか看護婦とかいう人でありまするとか、物的の施設を動かす経費とか、かようなものが入つておるわけでありますから、相当のところまでは予定以上に利用者がふえ、收容人員がふえましてもまかなえ得るものではないだろうか、よほどの場合でなければ、お話のような病院特別会計の予備費を使用し盡してもなお利用に應じ切れないような場合は生じ得ないだろうというような見込みで、今年度の予算も見込みを立てておるわけであります。その辺のところを御了承願いたいと思います。
#19
○松谷委員 ただいま政府委員は足らないときには追加予算を組めばよいということを言われたのでありますが、これはそのまま責任ある言葉として伺つてよろしゆうございましようか。私は実はこの問題はできれば大藏大臣に直接伺いたいと思います。少くとも先ごろの予算審議の場合において、あるいはまた政府の態度とされて、追加予算は絶対に組まないのであるということを建前に持つて行かれたのではなかつたでしようか。少くともこの場合に私どもは足らなければ追加予算でやるのだということに、安易な一つの安心感を持つことはできないのでございます。これは大臣がおいでにならないので、これ以上責任的な言辞を追究いたしましても不可能だと思いますから、委員長にお願いいたします。今政府委員が言われましたところの、足らなければ追加予算をつくつてやるというその面が、はたして大藏大臣としてもその腹がおありになるかどうか、そうしてそういうことが現政府の意見とされて確かにそう承つてよろしいかどうか、またの機会にぜひ大藏大臣から御答弁いただきたいと考えます。
 なおいま一つ大藏関係に伺つておきたいことは、去る四月七日の、たしか読賣新聞の記事であつたと記憶いたしますが、四月六日の参議院の本会議におきまして、今回の國有財産拂下げの問題についての大臣の御答弁中に、その中には國立病院関係も含まれておるのだということを言われたということでありますが、一体これは國立病院のどういう面を意味しておられるのでありましようか。はたして國有財産拂下げの内容に盛られるところのものが、國立病院のどういう点にあるのでありましようか。その点を一應伺いたいと思います。
#20
○川野委員長 松谷君の質問は大臣の御答弁を要求されておるようでありますが、幸いにして主計局長がお見えになつておりますので、主計局長からの御答弁を願うことにいたします。
#21
○河野(一)政府委員 阪田政府委員の申しました追加予算の問題でございますが、今回の予算を編成いたします場合には、大体年間の見通しをもちましてやりましたので、これの増額になるような追加予算は原則としてあるまいと考えております。但し年度の中途におきまして、うるいは組みかえと申しますか、多少の調整を要するようなことはあろうかと思いますが、原則としてはなかろうかと思います。その点は大藏大臣の言われた通りであります。ただ國立病院の特別会計の問題につきまして、四万六千人でありましたかの入院患者、これも從來の実績に対してある程度の増加等も見込みまして一應編成してございます。從いまして万々そういうことはなかろうかと思うのでありますが、ただこの事業の性質上非常に増加する、あるいはそういつた場合がほかの場合にもなくはないのでありまして、たとえば傳染病が突発する、從つてワクチンが非常にいるといつたようなことは、現在の見通しで一應やつておりますので、場合によりそういうことが起るかもしれない。その場合においては收入もあることでありますし、そういつた手も考えられる。今ただちに追加予算を考えてやつているのだという意味ではないことを重ねて申し上げておきます。
#22
○阪田政府委員 ただいま大藏大臣が参議院で國立病院の拂下げというようなお話をされたかという御質問でありますが、私どもはその話は承知しておりませんけれども、私どもの承知している限りにおきましては、ただいまのところ國立病院を拂下げるというような計画なり案なりは全然ございませんから、その辺御了承願いたいと思います。
#23
○松谷委員 ただいま政府委員はそういう内容は全然ないとおつしやつたのですが、ちよつと私数字ははつきりいたしませんが、たしかそれは二百七十万ぐらいはとはつきり大臣がおつしやつておられますので、その点を至急お調べくださいまして資料を頂戴いたしたいと思います。あるいは読賣新聞の記事が誤つておつたのかどうか、私もそれを傍聽いたしておりませんでしたので、その点もなおお調べの上御答弁を願いたいと思います。
#24
○阪田政府委員 御質問のような國営を廃止して拂い下げる、かような問題が現在ありませんことは繰返して申し上げておきますが、ただ今回の歳入におきましては、いろいろその増加策をはかるために、不要物品の拂下げというようなことを相当考えております。それに伴いまして、たとえば鉄道でありますれば古いレールを拂い下げるとか、そういつたものを歳入に見ようというような問題があるわけでありますが、病院関係におきましても――これは病院にはあまりないと思いますけれども、たとえば檢疫所で不必要になりました物品等を拂い下げるというようなものはある程度考慮しておると思います。あるいはその方の話ではないかと考えます。一應お答え申し上げておきます。
#25
○川野委員長 松谷君に御相談申し上げますが、実は非常に質問通告者が多数ございますので、できるだけ簡潔にお願いいたします。なお委員諸君にもお願い申し上げておきますが、ただいま申しました通り、質問通告者がたくさんございますので、委員長としてはできるだけ均霑した質問を願いたいというふうに考えておりますから、できるだけ質問は簡潔にお願いいたします。
#26
○松谷委員 先ほど借入金のことで大藏省関係に伺つたのですが、その借入れの場合に責任者は大藏大臣ですか、あるいは厚生大臣になつておられますか。
#27
○阪田政府委員 國庫の現金の問題、借入金あるいは國債を発行する、かような問題は大藏大臣がその事務を行うことになつておるわけでありますが、たとえば病院会計におきまして、具体的に現金が不足するというような場合におきましては、厚生大臣から大藏大臣に請求がありまして、大藏大臣が借入金をするとか、そのほかそれぞれの手続をいたす、かようなことに相なつております。
#28
○松谷委員 その場合に大藏大臣は厚生大臣の申出を尊重し、厚生大臣の意見をそのまま受入れていただけるというふうに解釈をいたしてよろしゆうございますか。
#29
○阪田政府委員 病院特別会計の経理の必要上、借入れを必要とする場合は当然認められるわけであります。
#30
○松谷委員 あとはまとめてお伺いいたしたいと思います。これは東医務局長に念のために伺つておきたいと思いますが、先ほど國立病院としての内容には全然変化を來さないであろう、こう言われておりますが、実際に昨年國立病院へのいわゆる補助は三〇%であつた。あるいはこれが今度は二〇%くらいになると伺つております。そうなりますと全然変化はないと言われておりましても、少くともそこに一〇%の開きは事実あるわけでありまして、ことに本年度は物價高で七%以上の値上りをいたしておりますときに、その内容から参りましても当然補助の状態がかわつて参るわけでありますし、ことにまたこの特別会計制が示しますように、いわゆる病院が黒字にならなければならない、あるいはまた働いただけでなければ使えない、こういうような状態になつて参りましたときに、これは先ほども承つたように、いわゆる手数のかかる、利益の上らない患者を締め出すということが常識として当然考えられて來るのでありますが、そういう点についても東医務局長は全然そういう憂いはない、先ほどから言われているように、現在と同じように変化はない、そういう事態が起るということは、中央のいわゆる政府当局の意見を十分に解しない、誤解したところから出て來る事実である、そういうことはいかぬ。それならばそれに対しては当局は責任をもつてその弊害の出ないようにするだけの一体自信がおありになるのかどうか。あるいはまた今まで医療費減免の患者がおりましたが、こういう医療減免というような状態をそのまま継続する意思があるかどうか。そうしてはたしてこの特別会計制が実施された場合において、いわゆる病院行政としての行き詰まりはないであろうか。國立病院としてどうしても廃止しなければならない、現在まで相当國民の利益をになつておりましたところの國立病院を、いわゆる採算が上らないからつぶしてしまえという意見は絶対ないということをはつきり言つていただけるかどうか。今日各所においては採算が上らないから、いわゆる末端病院はつぶしてしまえという意見さえ相当出かけております。直接そういう病院を御利用にならないところの町の方方へ町のお医者さんにかかつて十分に安心して治療のできる方々はよろしいが、いわゆる國立病院でなければその医療を受けることのできないという國民のあることを無視されまして、末端の病院は黒字にならぬからつぶしてしまえという考えに局長は同調されるのであるか。あるいはそういうものはどこまでも庇護されて、必ず從來の國立病院としての性格をそのまま存続して行かれるところの決意と自信が一体おありになるかどうかを伺つておきたいと思います。
#31
○東(龍)政府委員 先ほどから繰返し申し上げておりますように、收入が上らないからその病院をつぶすというようなことは考えておりません。私どもは國民の医療を第一義といたしておりますので、從つて國民に対する適正な医療を行うことができます限り、病院の組織は存続いたして行くつもりであります。ただしかしながら立地條件その他において國立病院としては不摘当である、むしろこれを療養所に轉換すべきであるというようなものにつきましては、さような利用の方法を考えることは当然であります。要は國民に対する医療が中心でありまして、金の上る上らぬによつてその本質までも曲げるようなことは絶対にいたしません。從つてただいまも御質問に対しては、私どもは十分に責任をもつて國立病院の使命を達成するために努力いたすつもりでおります。決して経理のみに左右されて病院の運営なり医療行政の方向を動かすことはございません。
#32
○松谷委員 減免の問題を御答弁願いたいと思います。
#33
○東(龍)政府委員 國立病院におきましては、医療費を拂える方々、すなわちそれが直接自分の懐中から出る人であろうが、あるいはまた生活保護法がの他の道によつて出る人もありましようが、いわゆる医療費として病院に納め得ますものはいただきますが、いただけない筋からしいていただこうとはいたしません。また金をくれないから見てやらぬというようなことは、これは國立病院の性質上できないことであります。一般の國民に公平に、とにかく適正な医療を行うというのでありますから、とれないところからしいてとろうとは思いませんが、とれる筋からはとろうというのでありますから、從つて免の方もありましようし、減の方もありますことは、依然としてそのままであります。
#34
○川野委員長 次は田代文久君。
#35
○田代委員 この法案はきわめて重要な法案でありますが、厚生委員会としましても今まで厚生大臣は一度も出席されておりません。本日もわれわれは厚生大臣が出席されて、厚生省の立場から十分全國の患者、また人民の方々の要望にこたえて当然その意思が反映されるものである。またそれが不徹底であれば、十分徹底するように説明があるものであるというふうに考えておつたのでありますが、やはり厚生大臣はお見えになつておりませんし、そういう点でわれわれは非常に不満を感ずる次第でありますが、どういう理由で厚生大臣は出ておられないかという点、その点で十分答弁に納得が行かなければ、私たちは直接厚生大臣がおいでになつて答弁していただくまで機会を保留するということにしたいと思います。
 それから実はこの法案が出るというようなことが全國に廣まりまして、第一番に國立病院に入つておられる患者さん、それからまたそこで働いておられる從業員の方々、あるいは地元の方々を含めまして、非常に大きな反対運動が起つておりまして、そこに今一部が提出されておりますように、現在まで少くとも四十四万九千、約四十五万人以上の反対の署名運動が起つております。また地元の方々からもこれに対しては、自分たちは非常に不満であるから、また非常にこれは間違つておると思うから、これを阻止していただきたいというようないろいろの陳情が日々集まつておるような次第でございますが、これが正しい法案であるといたしますならば、こういう運動を起らないと思います。ところが実際におきましてこういう法案をおつくりになり、あるいはこれを通過させようという意図があります場合に、こういう全國の患者諸君、あるいは地元の方々、あるいは從業員、医者というような方々のそういう反対意見が実際におきまして政府に反映し、またそれを十分考慮されておるのかどうかという点が第二番目の点であります。
 それからこの法案の理由、また目標といたしまして、國立病院の円滑なる運営をしたいというようなことが出ておりますが、円滑なる運営とはどういうことであるか、今まで円滑なる運営がされておらなかつたのかどうかという点、それから経理の適正をはかるということが目標になつておりますが、今までのやり方で経理がどういう面において不適正であるか、つまり円滑なる運営がなされず、また経理の適正が十分なされておらなかつたために、これを特別会計にするということが理由に出ておりますが、その点をはつきりしていただきたい。
 それから承るところによりますると、この法案の提出にあたりましては厚生省でもいろいろ研究なさつて、特別会計にすれば、こういう点においては利点があるが、こういう点においては非常に欠陷があるというようなことを研究されて、それが発表されたというふうに承つておりますが、その研究されました利点、あるいは有害な点、欠点というような点を御説明願つて、その上に基きましてなお質問を続けさせていただきたいと存じます。
#36
○川野委員長 田代君から御要求の厚生大臣の件に関しては、ただいま出席を要求しておきました。
#37
○東(龍)政府委員 この法案に対しまして、と申しますか、特別会計の制度に対しまして各方面に多数の反対の意見のあることは十分承知いたしております。また私どもといたしましても、反対がありますだけに、愼重に考慮したつもりでおります。その結果私どもは反対の意見を決して無視するのではありませんが、反対をせられるには、この特別会計によつて來る欠点を大写しにして、そうしてさようなことのないようにというふうな、われわれに対する御忠言である。十分それを尊重はいたしまして、從つてさような結果に陷らないように、十分それが避け得られるという見込みがつきますまでは、私どもといたしましてはあれやこれやと十分に考えたつもりでおります。從つて私どもは多数の方々の反対を決して無視はいたしませんが、その点は十分考慮いたしまして、私どもとして責任を持ち得るだけの自信をもつてこの法案の提出に至つたのであります。なお國立病院が從來運営が円滑でなかつたか、あるいはまた経理が適正ではなかつたか、あるいはその特別会計の利点、欠点等についてはというお話がありましたが、これは多少数字にもわたりますので、久下政府委員からお答えいたします。
#38
○久下政府委員 医務局長からお答え申し上げました以外の点につきまして、私から申し上げたいと思います。数字をあげて具体的に申し上げにくいことではありますが、特別会計を採用することによりまして、國立病院の経営が円滑になるというようなことを申しておりますのは、一般会計でありますと、御承知の通りに予算がございましても、それを一々支拂予算をつけてもらわないと、経理ができないのであります。特別会計になりますとその辺の幅がよほどゆるやかになり得る可能性があるのみならず、國立病院が特別会計になりまして、成績を上げることができますれば、特別会計法の中にもございますように、これを將來は積立金として一部を残して置くというような制度もありますので、だんだん年が経つて参りますれば、これらの積立金の運用によりまして運用上適正なことができるようになるではないか、こういうことを申しておるのであります。経理の適正が期せられるということを、病院特別会計の特長として申しておるのであります。國立病院は御承知の通り從來陸海軍の病院として経営されておつたのでありますが、厚生省がこれを引受けまして、一般國民の医療機関として経営を始めたのでありますが、当初は旧陸海軍病院として経営されておりました時代の患者が、相当多数を占めておりました。漸次この種の患者は全快退院をして参りまして、最近におきましては、率から申しますと、一般患者の率と旧陸海軍病院に入つておつた人たちの率とは、ちようど、反対のような数字になつておるのでございます。すなわち現在においては約三割が引揚げあるいは旧傷痍軍人でございまして、七割の入院患者が一般國民の利用者というような状態に相なつておるのであります。ただしかしながら從來の惰性がございまして、病院の経営の建前から申しますと、病院に從事しております人々が、病院として收入をとれる人から收入をあげるというような面に必ずしも熱心でなかつたきらいがないと申せないのであります。ことに最近の実例でございますが、二、三の病院に対しまして、生活保護法の適用患者、すなわち市町村からの医療費の收入が非常に遅れておりますので、これを注意いたしましたところ、関係の向きと折衝いたしまして、收入の面を非常によくしておるというような実情もあるのであります。すなわちとれない人からむりやりにとるという意味ではないのでございます。病院としては、收入をあげ得る向きから適正に適時に收入をあげて行くというような行き方が、特別会計制を実行することによりまして可能になるというようなことを考えておるのであります。もちろんこのことは、一般会計の時代でありましても、收入の点を全然無視してよろしいというわけでないのでありますので、今申し上げましたように、われわれとしては一般会計の時代におきましても、歳入面の注意をしておつたのでありますが、特別会計になりますと、御度それ自体の効果として、そういう点が現われて参るというふうに考えておるのであります。
 特別会計を採用することになる弊害としてあげられますことは、先ほど來松谷委員からもお話がございましたが、病院が営利的になるのではないか、あるいは成績の惡い病院が整理されるのではないか、あるいは医療の内容が向上しなくなるのではないかというようなことが言われるのでありますが、私どもといたしましては、國立病院の経営の方針といたしまして、営利的であつてはならないということを基本的な考え方といたしておるのであります。言葉をかえて申しますれば、かりに料金をいただく人に対しましても、いただく料金だけのサービスは必ず行うというような建前で参るつもりでおるのであります。從いまして、先ほど医務局長から申し上げましたように、医療費の支拂えない向きに対しましては、これは病院の赤字となつて現われるわけであります。これにつきましては、一般会計からの繰入れをお願いしてやつて行くようにしておるのでございます。
 それから病院の整理が行われないかということにつきましては、先ほど医務局長からお答えを申し上げました通り、現在の國立病院は、すでに終戰当時陸海軍病院を引受けましたころから申しますと、相当の数のものが、いわゆる結核療養所に轉換をしておるのであります。その他現在残つております國立病院は、それぞれその土地々々におきまして、國立病院としての使命を果しておるものと私どもは考えておりまするので、先ほど医務局長から申し上げましたように、特別会計をやるんだから、その結果病院の整理が行われるというようなことは、全然考えておらないのでございます。
 それから、医療内容の低下を來しやしないか、言いかえますと、もうけようとするために、收入をあげようとするために、十分な医療を施さないで、料金の請求だけは多額なものをおるということになりはしないかという弊害が、しいて考えれば考えられないことはないのでありまするが、これは運営のいかんだと私どもは考えております。この点につきましては、一般会計のもとでありましても、收入のことを全然無視した運営はできないのでありますので、当然同じような事態でありまして、私どもとしてはサービスしただけの料金以上のものをとらないように、言いかえれば、とる料金だけのサービスは必ずするようにということで、やるつもりでおりまするし、また二十四年度の予算の組み方から申しましても、医療費なり、まかない費なり、その他の單價なども、昨年度に比しまして相当額増額せられたものが計上しておりますような事情でございます。
 なお、國立病院は現在非常に建物の状態が惡く、バラツク建てのものが多いので、大いに修繕費がかかるのではないか、これらを特別会計でまかなつて行くということになるとむりではないか。そのように今の國立病院の実情を見ました場合の弊害ということが言われるのでありますが、この点につきましては、財務当局とも話合いがつきまして、いわゆる公共事業費に属しますものは、特別会計のわく内に組み入れずに、將來とも一般会計から支出をしていただくということに相なつておるのであります。
 以上、特別会計の利害得失として考えられます点を簡單に申しました。
#39
○田代委員 この案の附則の三のところに「政府は、この会計の歳出の財源に充てるため必要があるときは、当分の間、」とあり、この「当分の間」が問題であります。「当分の間、第十七條に規定する場合の外、予定の範囲内において、一般会計からこの会計に繰入金をすることができる。」こういうように出ております。この当分の間ということが、私は非常に問題であると思うのですが、つまり政府ないしこの法案の意図しまするところは、たとえば本年度一般会計から繰入れを七億にし、來年度は四億にし、再來年度は三億にして、最後は打ち切る。つまり收入をはつきりねらつておる、これがこの法案の性質のように理解されまするが、なお言いますと、はつきりした独立採算制を確立するという目標のもとに、これが出ておるように思いますが、そのように理解していいのですか。また先ほどの御説明によりますと、二十四年度はこうだというようなことをおつしやいますが、將來どうなるかという点に対しましては、何らのはつきりした説明がありませんので、この点をはつきり御説明願いたいと思います。
#40
○阪田政府委員 ただいまお尋ねの点でありますが、先ほども申し上げましたように、單純に財政上の立場から申しますれば、独立採算制になるということは、早ければ早いほどけつこうでありますが、こういうような公共的な、公益的な、事業でありまするから、むりにさようなところに持つて行くというふうには、われわれとしても考えていないのであります。それで、先ほどお話がありましたように、本年度は何億であるが、來年度は何億にする、再來年度はどうするという、さような計画をもつてこの繰入れを漸減するということを考えておるというようなことは、まつたくないわけでありまして、病院の各年度の予算を編成するときにあたりまして、その病院の経営の実態を見まして、繰入れをするかしないか、その繰入れの額をいかに定めるかということを決定して行きたいと考えておるのであります。ただいまから計画的にどういうようなことをやつて行くかというような、お尋ねのようなことは全然私どもとしては考えていないのであります。
#41
○田代委員 そういたしますと、当分の間というようなことを入れる必要が全然ないのではありませんか。
 それから同時にお尋ねしますが、承りますと、大藏当局は現在まで非常に赤字を出している十三病院を廃止するというようなことを発表されて、それに対して全國的に非常に反対の運動が起つたので、それは引つ込められたというようなことになつた。そういうことが発展して、特別会計にする、こういう案の方へ持つて來て、そして結局見通しとしましては、いろいろ先ほど説明がございましたけれども、そういう赤字病院を廃止させる方向に持つて行くのだというようなことを主計局の第四課長が説明されたという話もあるのであります。こういう点が全國的に非常な不安な種をまいておるのでありまして、これが事実であるかどうかという点を、あわせて御答弁願いたい。
#42
○阪田政府委員 先ほど申し上げましたように、來年度はどう、再來年度ほどうというような計画を立てて繰入金を廃止するということは考えておりませんので、さような意味におきまして、期限を限定しないで、当分の間と、融通のとれるような書き方をしてあるわけであります。
 それから先ほどお話のありました病院を十三ほど整理いたしまして、赤字をなくす、さような案を第四課長が何らかの機会に申し上げたことがあるのか、私は存じませんが、私どもの方では、さような病院の整理の案を立てたという事実はございませんから、さよう御了承を願いたいと思います。
#43
○田代委員 そうすると、やはり当分の間というようなことを入れる必要は全然ないと私どもには理解されますが、いかがですか。これが入つておるということ自体が、一定の期間が來ればこれを切つてしまうのだということをはつきり予定されておるとしか理解されないのですが……。
#44
○阪田政府委員 特別会計法をつくる際におきまして、この特別会計の立て方として、一般会計からの繰入れというものが必ずなければならない、そういうふうな仕組みの病院特別会計でありますれば、これは当分の間というふうなことを書くことは無意味になるわけでありますが、この会計といたしましては、先ほど申し上げましたように、むりに一般会計からの繰入れをなくするようにしようということは申しておりませんが、特別会計の立て方としては、病院関係の收支をもつて成立つて行く会計でありますから、その意味から申しまして、この規定を附則に入れて、かつ、当分の間というような規定をいたしておるわけであります。会計の立て方として、いわば会計自体にどうしてもなければならないという、そういう歳入ではありませんので、その意味で一應かような書き方で載せてあるというわけであります。
#45
○田代委員 先ほどからの御説明によりましても、そうでないそうでないと再三言われますけれども、たとえば医務局長が言われました努力目標という言葉、あるいは成績を上げるというような表現におきましても、その内容は、明らかにこの收入、いわゆる財政面における成績を上げるとか、財政面における努力項目をつくるとかいうふうに理解されまして、どうしても実際における質的な面における成績を上げるとか、なお言いますと、基本的に社会保障というものを十分達成する、そうして困窮者、要保護者が非常にふえつつある現状において、文化國家としての実際の成績を世界に示して、はずかしくないような状態に持つて行くというような、質的面における成績を上げるというような点は全然表現されませんし、そういうねらいも出ていないように思います。なお申しますと、これから以下に出ておりますことは、國の收入をいかに上げるかということに重点が置かれておるようでありまして、こういう点が、片方におきましては社会保障制度審議会というようなりつぱな機関を同時的につくるというようなことを言われながら、実際においてはこういう法案において反対に打切られるということから、いろいろ全國の患者さん、あるいは要保護者並びにその関係者の不安の定になつておるのであります。そういう点は、今までの説明では私は十分納得できないのでありまして、この点をはつきり御説明願いたいし、先ほどの説明によりますと、とれる人から收入を今までとれなかつたので、今後とれる人からとるという建前からこの経理の適正をはかるのだということをおつしやいましたが、これはまた実際におきまして、とれる人、とれない人という点に対する実情の調査、政府当局の理解というものがきわめて不十分ではないだろうかというふうに私どもは考えるのでありまして、たとえば、現在生活保護法から入つて來ておる患者なんかにいたしましても、これは民生委員との連関において生活保護者は動きがとれるわけでありますが、そういう場合にも、現在では民生委員と結託した顔役とか、ボスとか、裕福な生活の人がむしろ生活保護法を惡用して利用しておるということが実情においては多いのでありまして、ほんとうに救わなくちやならないというような人々がむしろ排除されておるというような傾向があるのであります。こういう面の運営でありますならば、これはこういう特別会計にすることによつて、とれない人から金をとらずに、とれる人からとるというようなことになるのでなくして、むしろそういう生活保護法の運営なり、民生委員の運営というような面におきまして解決するならば、当然解決されるのであります。そういうことから逆に、経理の適正をはかるために、とれる人から收入を今までとつてないというふうに理解されますことは、非常に不十分であるというふうに考えられますが、この点に関しまして、当局の御見解はいかがであります。
#46
○久下政府委員 ただいまの御質問に対して、私からお答え申し上げます。
 まず第一に、收入のことだけを考えて、医療の質的な向上を考えておらないのではないか、こういうお話でございました。私どもといたしましては、國立病院の一つの大きな使命といたしまして、医療内容の向上をはかるということを考えておるのでありまして、予算的に申しますと不十分ではありますけれども、昭和二十三年度におきましては三百万円でありました治療研究費を、二十四年度におきましては一千万円を計上いたして、子算案を提出しておりますような次第でございます。そのほか医療器械の整備にいたしましても、これも決して十分とは私ども考えておりませんけれども、いろいろ予算の折衝を重ねました結果、昨年よりも増額されました金額を計上いたしておるような次第であります。こうした予算上の措置のみでなしに、病院の医師、齒科医師等が十分誠意をもつて患者を取扱うことにより質的な向上ということは、常に機会あるごとに指示をいたしておるつもりでもありまするし、また國立病院に働いておりまするすべての方々が、そういう氣持でやつてもらつておるものと確信をいたしておる次第であります。
 それから、收入のとれる人ということについてね政府の調査は不十分ではないかというお話でございました。具体的なお話がございましたけれども、御引例になりましたような民生委員と結託しておるような者だけが適用を受けておるというようなこと、これは生活保護法の運用の問題でございまして、具体的に私どもからお答えをすべき筋合いではないと存じますが、私どもが申しておりまするのは、その適用をさられております事情がいかがでありましようとも、生活保護法の適用を受けて、市町村の方から医療費の入つて参ります人々は、病院の立場から申せば收入の入る人、こういう意味で收入のとれる人ということを申し上げておるのであります。從いまして、もしお話のごとく、非常に生活が困つているのに生活保護法の適用を受けてないということでありますれば、結局病院には收入が入つておらないわけであります。つまり收入がとれない人であります。こういう方々に対しましては、從來私どもは、國立病院における扱いとして、所在市町村長の証明書を持つて來てもらいまして、病院限りで減免の取扱いをしておる事例もあるのであります。さように御了承いただきたいと思います。
#47
○田代委員 厚生大臣に対する質疑だけ保留して、一應これで私は打切ります。
#48
○川野委員長 それでは青柳一郎君。
#49
○青柳委員 松谷委員、田代委員から相当こまかい質問がありまして、私は重複を避けまして、ただ二、三当局に確かめたいと存じます。
 まず第一点は、本二十四年度の入院及び外來患者の收入予定は、一般、特別両会計を通じまして、実に二十二億三千万円ということであります。しかるに昨年度の実績を厚生当局に開きますのに、十三億四千八百万円ということであります。非常な開きであります。はたしてこれだけの收入を二十四年度において確保し得るやいなやを心配するものであります。從いまして、この收入の二十二億三千万円につきましての内容を承りたいのが、まず第一点であります。
 第二点といたしましては、二十三年度の國立病院の收支の実績を当局より承りますのに、支出の面において二十三億一千万円、收入において十三億四千万円ということであります。從いまして赤字が九億七千万円こういうことになるのであります。しかるに二十四年度の特別会計へ一般会計からの繰入れは五億八千万円と承知するのであります。この開きは社会保險制度の割引の廃止、または未復員者給與法の改正などによつて補うと言いますが、あまりにも開きが多いし、二十三年当初からの物價の高騰も相当なものであります。はたしてこれだけの開きを補填し得るやいなやにつきましても心配であります。この補填策につきまして、政府の自信のある具体的な御説明をお願いいたしたいと思います。
#50
○久下政府委員 本年度の料金收入の予算を確保し得る見込みがあるかどうかというようなお話と承りました。御指摘のように、本年度、昭和二十三年度の收入と支出との関係はなつておるのであります。これにつきまして來年度の收支見込みを立てまして基礎も実はもうすでにお話の中にあつた通りでありまするが、ややこまかく数字を申し上げてみたいと思います。昭和二十四年度の收入支出の予算は二十二億三千三百万円であることは御指摘の通りであります。これを計算いたしました基礎は、從前の実績を基礎にいたしておるのであります。すなわち入院患者につきましては二十六点、社会保險の点数にいたしまして二十六点、外來患者は九点、合計いたしまして三十五点という数字が出るのでございます。これが入院、外來おのおの予算上は二万三千人を予定いたしております。日々二万三千人の入院と外來があるということを予定をいたしておるのであります。一点の單價が十円でございますので、これを年間に引伸ばしまして、さらに二五%のものは收入が上らない、いわゆる先ほど申し上げました收入のとれないという計算をいたしまして、二十二億三千三百万円という数字を出しておるのであります。これが自信があるのかというお話でございますが、二十三年度の数字は途中において物價改訂がありましたり、あるいは給與ベースの改訂がございましたりいたしまして、年間を通してみますと、かなり大きな收入のあなになつておるようでございますが、これは御指摘の通りに、一つには社会保險單價に対して入院患者は一割五分引き、外來患者は一割引きというのを実施しておりましたのを、二十四年からは全額をとることにいたすということになりました方針、これが收入の面に響いておることは事実でございます。さらにこれも御指摘のように、未復員者給與法、特別未帰還者給與法に伴う收入の増額も当然見込み得るものと思いまして、昭和二十四年度の國立病院の経理上は、これを相当に見ておるつもりでございます。まず第一に社会保險の割引を廃止いたしますことによりまして、昭和二十三年度の年間平均の收入は歳出に対して六七%という計算がせられるのであります。これに対しまして今申し上げました未復員者給與法、特別未帰還者給與法の全面的実施に伴う四月一日以後の收入増も相当見込み得ると考えておるのであります。それからさらに徴收をし得る面に対して、必ずしも徴收が熱心でなかつたということを先ほども申したのであります。それらのことによりまして本年度の数字を特別会計分だけで見ますと、一般会計からの繰入れは、七月以後の特別会計分だけで申しますと、二五・九六%という計算に相なります。これは反面から申しますと、七四%の歳入を見込まれていいということに相なります。私どもとしては昨年あたりの実績を見ますと、六七%という換算をせられました年間收入というものは、逐次好轉をして参りまして、最近におきましては、まだ決算が出ておりませんので正確にはわかりませんが、大体七〇%あるいはそれをちよつと越すくらいのところまで來得るものと確信をしておるのであります。そういたしますとあと四%ばかりのものを、未復員者給與法、特別未帰還者給與法の全面的な施行適用並びに歳入を、とれる人から收入をいただくような努力という、二つの面をもちまして十分カバーできるものと考えます。言いかえますれば、この本特別会計予算の数字で國立病院の実態を、そう変化することなしに経営ができるものと考えておるのであります。
#51
○青柳委員 先ほど來、國立病院の会計を特別会計にするという理由につきましては、だんだんお話がありまして、これは了承したのでありますが、ここで重ねてこれに関連してお尋ねいたしたいのは、特別会計への一般会計からの繰入れ五億八千万円、こういうものはどういう根拠で出されたものが、それをお聞かせ願いたい。
#52
○阪田政府委員 一般会計から特別会計への繰入れは、ただいま医務局の次長から御説明申し上げましたように、一般の收支の不足額というものが大体二六%近い金額でございます。さような金額と看護婦養成関係の経費は別に考えております。この分につきましては大体五〇%、これだけの金額を積算いたしたのであります。ただ御承知のように、この会計は七月一日からスタートするわけでありまして、繰入額として載つております金額は九箇月分でありまして、四月から六月までの三月分は一般会計の中に入つておりまして、実質上は一般会計の方から病院の補填にまわしたことになつておりますから、予算面上は出ておらないと思います。
#53
○青柳委員 ただいまのお答えは不足額をおもに計上したというお話でありますが、將來もその方針を続けていただきたいのであります。先ほど來、だんだんと各委員から國立病院の経営に関しまして、他の事業と異なる点を述べられまして、ぜひ將來も独立採算制に至らないようにそういう心配を除いてくれろというお話が出ておりました。現在とられておりまする方針と同じように、來年度以降におきましても、不足額は一般会計より特別会計へ繰入れを望むものであります。また同じ点に関連いたしまして、先ほど田代委員からでありましたか、この法案の附則にある「当分の間」ということが問題に相なつておりました。この点が、非常に將來独立採算制に相なるかの危惧を世間に與えるものであります。この「当分の間」というようなこと、あるいはこの規定が附則に入つておるという点につきまして、われわれは心配するものであります。その問題は今日は論外といたしまして、何とかしてここに大藏当局から、將來ともこの特別会計は独立採算制で行くものではないのだという御声明をいただきたいのであります。
#54
○阪田政府委員 先ほど來たびたびお答え申し上げておりまするように、財政上の立場から言えば、独立採算制けつこうでありますが、さような立場からのみ、この特別会計をただちに独立採算制に、今むりをして持つて行くというような考えは持つていないわけであります。それで二十四年度の予算におきましても、ただいま厚生省の方から御説明になりましたような、大体妥当と認められる收支を計算いたしまして、その差額を補填するという見方をしたわけでありますが、二十五年度以降の予算の編成にあたりましても、同様に妥当な見積りをいたしまして、なお足らない額は一般会計から入れるというような建前をとることにはかわりはないと思います。大体お尋ねの点はさような点であつたと思います。
#55
○川野委員長 ただいま厚生大臣がお見えになりましたので、田代文久君の質疑を継続いたします。田代文久君。
#56
○田代委員 詳細な点はすでに先ほどから質問いたしましたが、大臣に特に答弁をお願いいたしたいことは、私たちは現在の社会保障制度を確立するという考えから申しまするならば、当然医療は國営にしなければならないというふうに考えております。徹底的にこれは社会が保障する。特に傷痍された方とか、あるいはその他要保護者などの生活に困つておられる方、こういう方々に対しても当然これは社会がやるべき義務がある。從つて当然医療の國営という方向へ進むべきものであると思いますが、これに対する大臣の考え方、それから提出されたこの特別会計制で行くということは、社会保障制度の確立という方向とは逆行しているように思います。先ほどからいろいろ御説明されましたことは、われわれは理解しております。この点に関しましては、ほかにも同意見の方が多数おられるのでありまして、そういう社会保障制度を確立したい。そうして文化國家を十分確立するという方向と逆行して、收入を上げるというようなせまいねらいからこれが運営され、また本案がつくられようとしておるのではないか、こういう点に対する厚生大臣の御答弁を求めたいと思います。
#57
○林國務大臣 保障制度の問題につきましては、本年度も相当に予算をちようだいいたしまして、その審議会を開いておりますので、ただいまお話の、このたびの特別会計にするというような事柄は、私の方ではまつたく社会政策に逆行いたすものとは実は考えておらないのでございます。それはなぜかと申しますると、すでにこの委員会において政府委員並びに説明員から詳細にお話を申し上げたことと考えますが、いろいろ考慮してみました上で、一般会計にそのまま置いておきまするよりも、支出の面で、あるいはその他收入の面につきましても、特にこの際は特別会計にする方が利益が多かろうという点を考慮いたしました。先ほど大藏政府委員からも詳しくお話のありましたように、私どもの方におきましてはこれが独立採算制によつて進んで行くのではなしに、どこまでもその根本方針は社会制度について十分考慮した上で、これを実行いたして行きたいと考えております。その点は大藏政府委員から御説明になりました通り、厚生省でもとくとその点について考えておりまして、設備万端についても不足をいたしますような場合がございましたならば、大藏当局とも十分折衝いたしまして、万遺漏なきを期したいと考えておる次第であります。
#58
○田代委員 そういたしますと、一般会計からの繰入れということは必要な限り今後いつまでも続けるという御意見でありましようか。
#59
○林國務大臣 ただいまのところではそう心得ております。
#60
○田代委員 そういたしますと先ほども問題になりました「当分の間」ということは無意味であると思いますが、これを削除されるようなお考えはないものでしようか。
#61
○林國務大臣 その辺のことは十分予算その他にかんがみまして、決してそういうことのないように、私どもはして行きたいと考えております。
#62
○田代委員 今の御答弁でははつきりいたしませんでしたが、つまりもし不足分が出るとすれば、今後いつまでも一般会計から繰入れる。それが不利益であるから、收入だけをねらうという方向へ持つて行くか行かないかということになりまするならば、当分の間一般会計から、この会計に繰入金をすることは不必要であると当然理解されるのであります。これを削除される意思があるかないかという点であります。
#63
○林國務大臣 「当分の間」というのは時期をきめないという意味で入れてあるのでありますから、さよう御了承願いたいと思います。
#64
○川野委員長 青柳一郎君。
#65
○青柳委員 ただいま田代君の質問に対しまして、厚生大臣から將來独立採算制に進むのじやないという明確なお言葉がございましたから、私の質問はこれで終ります。
#66
○逢澤委員 ちよつと関連して――独立採算制でありますが、特別会計にいたすにつきまして、ただいまの大臣のお話を承りますると、先ほど來の政府委員から御説明になりましたその答えの通りなのでありますが、私どもは國立病院を利用なすつているところの多数の國民諸君の福利の点につきましては、これは感服しておるのであります。しかしながらこの國立病院が全國に普遍的に行われておるかいないかという点なのであります。そこでその点を政府当局はひとつお考えを願いたいと思います。これを利用できる地方にある人は利用價値が非常に多いわけで、また受ける利益というものも非常に大きいのであります。しかしながら大きな國費を負担するこの國立病院がないところの地方の人は、これを負担するだけで受けるところがないと思うのであります。そこで先ほど來からいろいろ皆さん方のお話を拜承しておりましてもその通りでありますが、病院が全國に普遍的にあるとすれば私ども同感であります。しかしながら先ほどお話を聞いていますと九十八箇所もあるそうですが、ない地方もたくさんある。そうするとない地方の人はこの病院を利用することができない。こういう結果になりますので、國費負担ということはまことにけつこうであります。それらお気の毒な人々が、國費によりましてこれを利用していただくこともまことにけつこうであります。しかしながら全國民に均等にというわけには行かぬでしようが、できれば國費でやるものなら普遍的に行くような措置を考えておるかないかということをひとつお尋ねしたいと思います。
#67
○林國務大臣 お答えいたします。仰せのごとくこれは大体が旧陸海軍のあとの病院を使つたようなものが実は多いのでありまして、一方に偏しているような場合が多々あることと考えます。しかしながら今後病院を普遍的にふやすということよりも、社会保障制度が完成いたしましたときには、一般の病院、その他医院と申しましようか、個人の病院などを國立病院の療養と同じような、それに近いものにいたしたい、こういう氣構えでこちらの方では考えておるわけであります。そこで保障制度委員会などができましたならば、厚生省といたしましては、御説のように、なるべく普遍的に皆さんに医療のできるように、利益の均等するように進んで行くような制度にいたしたいと考えておるわけであります。
#68
○川野委員長 次は福田昌子君。
#69
○福田(昌)委員 先ほどから皆さんの相当突き進んだ御質問によりまして、私はまた先ほど厚生委員会におきましていろいろ質問いたしましたので、強く質問することもないと思いますが、この特別会計法は独立採算制の前提でないということと、國立病院は行政整理の対象にしないということを厚生大臣が確約いたしました。そういうことに対しては申すまでもないことであります。私としましてはこの独立会計をとることは多くの利点があるかもしれませんが、何と申しましても利点の多いというところに欠点の最たるものがあるわけでございます。利潤を求めるというような意味からいたしましたならば、國立病院の中におきましてはベツドも相当にあいておる、また地域的に言いましても、非常に便利な地域にある病院がございますが、そういつたような病院を、いわゆる將來の医療制度のメデイカル・センター式な病院として、一般開業医に開放するようなお考えはないのですか。
#70
○東(龍)政府委員 ただいまのお尋ねは、いわゆるアメリカで申しますオープン・システムなんかにする意思はないかということだつたと思いますが、これは現在の東京國立第一病院をいわゆるモデル病院といたしますときにも、いろいろと委員の間で審議いたしました結果、メデイカル・センターとするとともに、でき得べくんばオープン・システム、いわゆる一般の開業医にもこれを開放して、その施設を活用させる道を開くべきであるということが結論になつておりますので、私どもといたしましては、將來さようなことのやれますように考慮いたしております。ただ國のものであります関係上、経理の面にやや難点があるのでありまして、何とかしてさようにいたしたいと思つておりますし、また経理の面に触れません範囲内においては、眞のオープン・システムとは申せませんが、いろいろな意味において開業医と緊密な連絡をとつて、これを活用している國立病院があることをすでに聞いております。
#71
○福田(昌)委員 收入の増額ということをお考えになるのでございましたならば、現在の國立病院を利用しておる患者というもののみにその対象を限定しませず、廣くオープン・システム、メデイカル・センターとしての病院の活用の方面を厚生当局としては積極的に指導していただきたいと私は希望するものであります。私の質問はこれで終ります。
#72
○川野委員長 次は床次徳二君。
#73
○床次委員 私はこの國立病院特別会計の問題は、法案の問題ではなしに、むしろその運用の問題に一番重点をおきたいと思つておるのであります。先ほど來各委員の御質問によりまして、独立採算制をとらないということが明らかになつておりますが、單に独立採算制をとらないというばかりでなしに、特別会計法によりまして、將來の病院の内容の拡充と申しますか、形式、実質ともに拡充がなおでき得るがごとき予算を今後とも計上して行くという考え方が必要だと思います。先ほどの御説明によりますと、從來の会計による不足分を繰入金として計上しておられるというふうに聞えたのでありますが、これははなはだ消極的である。今日國立病院を、國民医療の向上を期するために、なお積極的に改善充実するための予算を、ある程度まで考えなければならないということを私は力説いたしたいと思います。
 なお運営に関しまして二、三申し上げてみたいと思いますが、今日問題となりますのは、この國立病院を利用する者に相当多数の生活保護法適用患者があるということであります。生活保護法が完全に適用されておりますならば、これはまことにけつこうでありますが、なかなか生活保護法による医療救護というものが、実は濫救も確かにあるかもしれませんけれども、同時に漏れておるものも少くないということを開くのであります。特に今日のごとく町村財政の窮乏の折からにおきましては、生活保護法がはたして期待できるような効果をあげるかどうかということについて、私は非常に疑いを持つものであります。この点におきましては、厚生当局は、單にこの特別会計の問題でなしに、厚生行政の一環として生活保護法の遺憾のない運用をやつていただく必要があると思うのであります。特にこれは関連した点でありますから、遺憾のないようにひとつ御努力を願わなければならない問題と存じます。特にこの点伺いたいものであります。
 それから次に今日の入院患者の中に若干の自費患者が入つております。数から言いますと至つて少数でありますが、その自費患者の中から若干の收入をあげるならば、採算は成立つように見えるが、先ほども申し上げましたように、今後の社会生活はまことに窮迫して参ります。しかもこの病院に入院いたしまする者は相当長期にわたつて入院する可能性のある者であります。しかも今回一割入院費が上つて來ることは、わずかな負担の増加ではありまするが、長期にわたる関係上、これが自費患者に関しまして決して樂なものではないと思います。その点におきまして病院の経営上、やはりほんとうに医療を必要とする者には、医療が届くだけの御配意を願わなければならないと思います。はたしてこの点におきまして遺憾なく運用ができるかどうかということにつきまして、十二分に御当局の所信を伺つておきたいと思います。
 最後に一言申し上げたいと思いますが、今回この病院の特別会計法案の設置につきましては、非常に各方面に反対がわいておるのでありまするが、しかしその反対の声を聞いて参りますると、もつぱら独立採算制に対する誤解と申しまするか、それに対する危惧の念より出たものが少くないように思うのであります。この点に関しまして現在の患者諸君に対して十分に法案の趣旨説明が行われていなかつたのじやないか、あるいは非常に間違つた宣傳が患者諸君に傳わつたのではないかと思うのです。この点は関係当局にも多少遺憾の点があつたのではないかと私ども考えるのであります。この点はたしていかように御当局は考えておるか、ぜひかかる誤解を生じないように十分な解決方法を講ぜられ、誤解を一掃されて、ほんとうの正しい運営に御当局が邁進せられるところの決意を示していただきたいと存じます。
#74
○久下政府委員 私からただいまの点にお答えいたします。まず第一は國立病院の改善、整備に関して不十分な点がないかというお話でございます。先ほども申し上げましたように、今年度の特別会計予算におきましては、若干二十三年度よりも予算の額におきましては増額されておりまするけれども、何分にも多くのものが戰爭中のバラツク建てのものであり、しかも軍人を相手にしておりますような関係から、一般の國民を相手にする病院としては整備が十分にされておりませんことは事実でございます。從つてそういう点からこの程度の予算をもつていたしましては、十全のものとは私どもとしても考えておらないのでありまして、今後とも國立病院の整備改善につきましては、努力をいたしたいと思つておる次第であります。
 それから生活保護法の運用につきましてのお尋ねでございますが、この問題は私ども医務局の所管と違いまするので、正面からのお答えはいたしかねるのでありまするが、私どもとしても病院の経理を適正にやつて行きますために、生活保護法が適正に運用をされることを期待をしておりまするし、また生活保護法の運営に当られる当局に、保護費の支拂いを迅速にしていただくというような面におきましても、協力していただく必要があると思いますので、これらの点につきましては、私どもの立場におきましては、今後とも関係の向きにお願いをし、御協力を得たいと考えておる次第であります。
 それから入院中の自費患者に対して、本二十四年度に割引を廃止すればむりが生じはしないかというようなお話のように伺つたのでありますが、私どもといたしましては、國立病院においては、先ほど申し上げました通りに、いただいただけのサービスはするという考え方で予算も組んでございまするし、また実際運営もそういうようにいたすつもりであります。実際に割引をいたさないことになりましても、医療のサービス面におきましても、できるだけのことをやつて行くつもりであるということで御了承をしていただきたいと思います。
 多数の方々が、誤解に基くか、この特別会計制度に反対をしているようだが、その点に対する当局の処置に遺憾はないかというお話でございました。実は私どもとしては、予算の折衝その他におきまして、財政当局等とこの問題につきまして眞劍に考えもし、折衝もいたしたつもりでございまするが、何分國会の議決を経ておりません。またそれを要するものでございますので、先走つてこうするのだからというような建前で外部の人々に公然と説明ができなかつたので、かような事情から御了承いただきたいと思います。
#75
○川野委員長 まだ質問通告者が多数ございますが、本日の連合審査会はこの程度にいたして散会いたしたいと思いますが、いかがでありますか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#76
○川野委員長 それでは本日はこれにて散会いたします。
    午後四時十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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