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1949/04/02 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 外務委員会逓信委員会連合審査会 第1号
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1949/04/02 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 外務委員会逓信委員会連合審査会 第1号

#1
第005回国会 外務委員会逓信委員会連合審査会 第1号
昭和二十四年四月二日(土曜日)
    午前十一時十三分開議
 出席委員
  外務委員会
   委員長 岡崎 勝男君
   理事 安部 俊吾君 理事 栗山長次郎君
   理事 若松 虎雄君 理事 並木 芳雄君
   理事 松岡 駒吉君
      佐々木盛雄君    塩田賀四郎君
      竹尾  弌君    守島 伍郎君
      園田  直君    山本 利壽君
      戸叶 里子君    木村 俊夫君
  逓信委員会
   委員長 辻  寛一君
   理事 飯塚 定輔君 理事 加藤隆太郎君
   理事 田島 ひで君
      風間 啓吉君    高塩 三郎君
      坪内 八郎君   橋本登美三郎君
      降旗 徳弥君    神山 茂夫君
      浦口 鉄男君    山手 滿男君
      石野 久男君
 出席政府委員
        外務政務次官  近藤 鶴代君
        (條約局長)
        外務事務官   西村 熊雄君
        逓信政務次官
        (郵務局長)  武藤 嘉一君
        逓信事務官
        (貯金局長)  小笠原光壽君
        逓信事務官   村上  好君
 委員外の出席者
        專  門  員 佐藤 敏人君
        專  門  員 村瀬 忠夫君
        專  門  員 吉田 弘苗君
        專  門  員 稻田  穰君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 郵便振替に関する約定に加入することについて
 承認を求めるの件(條約第一号)
 郵便為替に関する約定に加入することについて
 承認を求めるの件(條約第二号)
 代金引換郵便物に関する約定に加入することに
 ついて承認を求めるの件(條約第三号)
 價格表記の書状及び箱物に関する約定に加入す
 ることについて承認を求めるの件(條約第四
 号)
    ―――――――――――――
#2
○岡崎委員長 これより外務委員会逓信委員会の連合審査会を開きます。
 連合審査会の委員長は、議案を付託されておる委員会の委員長がこれに当ることになつておる慣例のようでありますから、不肖私が委員長の職務を行います。
 ただいまより郵便振替に関する約定に加入することについて承認を求めるの件、郵便為替に関する約定に加入することについて承認を求めるの件、代金引換郵便物に関する約定に加入することについて承認を求めるの件、價格表記の書状及び箱物に関する約定に加入することについて承認を求めるの件、以上四件を一括議題といたします。まず当局より詳細なる説明を聽取いたします。
#3
○武藤(嘉)政府委員 國際郵便業務に関しまする條約といたしまして、一九四七年七月五日にパリで成立いたしました條約がございます。從つてこの條約の中で、万國郵便條約、小包郵便物に関しまする約定につきましては、前前國会におきまして各位の協賛を経て、また連合軍のあつせんをもつて、これはパリの方へ通達され、この條約は成立しておるのであります。しかしながら價格表記の書状及び箱物に関する條約、代金引換郵便物に関しまする條約、郵便為替に関する條約、郵便振替に関する條約の四つは、この基本的國際郵便業務の中に含まれてはおりまするが、わが國におきまする國会の承認、またひいては連合國のあつせんによりまするフランス國に対する通告がまだないのでありまするので、この際あらためてこの國会に提案されることになつたのであります。御承知のように、すでに基本條約は前々國会において承認されておりますが、なお一層この郵便業務の発達及び改善の点から、早速各位の御承認を得たいので、ここに外務委員会を通じて提案になつたのであります。詳しいことにつきましては、関係の政府委員の説明をお聞き願いまして、早速御審議、御承認をお願いしたいと存じます。
#4
○村上(好)政府委員 便宜上郵便為替に関する約定並びに郵便振替に関する約定、この方から内容の御説明を簡單にいたしたいと思います。先に郵便為替に関する約定について申し上げますが、この約定は連合條約の附属約定でありまして。あらましの沿革を申し上げますと、明治十八年に加入いたしまして、その後昭和十五年ブエノス・アイレスの約定に至りまして、戰爭によりましてその約定の施行が中止され、今日に至つているわけであります。この郵便為替の種類は、通常為替、代金引換為替、電信為替、旅行小為替、この四種類になるのであります。うち代金引換為替は通常為替の一つの形で、通常為替に含まつているものと考えられてさしつかえないと存じます。以下この約定の、前回のブエノス・アイレス大会におきまして定められた約定との條文の違つた点を、逐條的に申し上げたいと存じます。
 第一條の第二項でございますが、「郵便為替の交換は、郵政廳の選択により、カード式又は目録式によることができる。」これが新しい制度でございます。從來万國郵便連合におきましては、カード式のみによつていたのでありますが、今回目録式を追加するということに相なつたのであります。と申しますのは、この連合の為替約定にはイギリス、アメリカ系統が加入いたしておらなかつたのであります。その理由は、イギリスとアメリカのは目録式をもつて為替業務を行つておるという関係がありましたので、カード式の万國郵便連合條約のこの約定には加入いたしておりません。今回パリー大会におきまして目録式を採用いたしまして、イギリス、アメリカ両國の加入を容易ならしめるような道が開かれたものと考えてよかろうと思います。
 その次は、これは前回の條文の改正ではございませんが、第四條の振出最高額、第一号第一項に「各郵政廳は、千フランをこえない範囲内で、為替の振出最高額を定める権能を有する。」この千フランは三百八十九円でございましたので、四百円をもつて最高としておりましたが、今回單一為替レートの設定が問題になつておりますが、かりに一ドル三百三十円といたしますと、約六万円に相なるのであります。
 その次は第五條料金であります。第一項「各為替について差出人の支拂うべき料金は、為替一口ごとに二十サンチームをこえない一定料金」云々とございます。この第五條の料金は、ここで國際條約によつて最高額を押えてございます。これは日本の國内法によりますと、およそ料金をきめる場合には、法律をもつてしなければならないという建前に相なつておりますので、もしこの約定に入つて、料金を國内的に日本がきめる場合には、またあらためて法律を出さなければならない建前になつておりまするので、これは別に國内為替法の改正になりますが、為替法におきまして、新しい條文を設けたいと考えております。條約において最高額が定められた場合には、逓信大臣はその範囲内で料金を定めることができるということにいたしたいと存じております。これは別途法案を議会に提出する予定でございます。
 その次は第六條の第二項であります。「通常郵便物について條約第五十二條第二項ない至第四項に規定する條件により発受する捕虜及びこれに準ずる者に関する為替についても同樣とする。」この中で「これに準ずる者」といすのが新しくはいりました。これは從來、捕虜は無料為替であることは定められておりましたが「これに準ずる者」と入れまして、非戰闘員等が抑留所にある場合には、無料為替を使うことができるという規定でごどいます。
 それから第八條の第一項、第八條は拂渡済通知卵でありますが、この通知書は航空便によることもできるということが追加されたのであります。
 それから第十條本人拂、これが新しい制度でございます。條文は「同意した國との関係においては、差出人は、為替証書面に指定した受取人本人の受領証によつて本人にみの支拂うべきことを、式紙に明らかに記載して、請求することができる。」これは從來の約定にはなかつたのでありまするが、この規定は指定のある為替は、受取人が必ず本人でなければならない、代理人をもつては受取ることができないという規定であります。これは外國でよく恩給や年金の支拂いをする場合に、その受給者が外國に居住している場合に、その受給者に金を支拂う場合であります。その場合に恩給を支拂う政府が、本人の生存証明書というものをとつて、初めて恩給の支拂いをすることになつておる國があるのでありますが、この場合にその生存証明書を省略するために、外國の郵便局の窓口に、必ず本人でなければいけないという制限を設けて、取扱いを簡易にするという趣旨から出た規定でございます。
 第十一條拂渡の第二項であります。これも新しい制度で「名あて國の郵政廳は、拂渡の際、國内法制が必要とするときは、その旨を相手郵政廳に通知した後、貨幣單位の端数を切り捨て、又は金額を最も近い貨幣單位の金額とし、若しくは、場合により、最も近い十分の一貨幣單位の金額とする権能を有する。」これは為替というものは十銭未満のものは受けないという國内法制がある場合に、外國為替が來たときに、何十何銭という十銭未満の数字が出たとしますと、國内法では、それはやつておらないで、そういう場合に國内法と歩調を合せて、その十銭未満を四捨五入、もしくは切捨てるということをやつてさしつかえないという規定であります。
 第十八條第一項「為替証書は、振出の月の翌月の末日まで効力を有する。この期間は、関係郵政廳間で協議した上、三箇月目の月の末日まで延長することができる。」これは一箇月間延長されたのでございます。
 その他は前のブエノス・アイレスの大会できめられた約定と内容はまつたく同じでございます。その説明は省略いたします。
 なおつけ加えて申し上げますが、郵便旅行小為替業務に関する追加書というものがございます。これが約定の一部分をなしておるのでありますが、日本は戰前においても、この業務を取扱つていなかつたのでありまして、今回この約定に加入いたしましても、この業務はさしむき施行しない予定でございます。もしこれをやるといたしまして、この小為替業務の前と違つた点を御参考のために申しますと、この旅行小為替は、外國に旅行しようとする人が現金を持つて行くかわりに、郵便局で小為替を組んでもらつて、その小為替を持つて行けば、自分の行こうとする外國のどこの郵便局でも、その金が自分でとれるという建前であります。この小為替は、貨幣の表示が從來は金フラン一本で行つたのであります。どこの國でも金フランですから、これは非常に不便であります。アメリカへ旅行したら、ドルで行つたらいいだろうということになりますので、今度は相手國の貨幣をもつて表示することができる、拂渡國の貨幣で表示することにかわつたという点が、おもなる改正点でございます。條文の大体の説明は以上の通りでありますが、御参考までに申し上げたいと存じます。約定の参加國のうちにアメリカが実は入つていないのであります。アメリカと日本との為替の交換は、單独な條約をもつて從來行われていたのでございますが、今回御審議を願つている約定は、たまたま万國郵便連合條約の約定に加入のチヤンスを得ているものであります。アメリカとは單独な両國間の條約によらなければならぬので、ただちにこれを復活することができない状態にございます。それでただいまのところ、貿易の上では國際為替をやりたいと存じますが、最も必要に迫られている一つは、アメリカであると思います。かような状態にありますので、アメリカとも何とかして為替の交換を早く開いてもらいたいということを申し入れました。もし單独條約が可能ならば、平和條約締結前でもやらしてもらうと仕合せである。もしできないならば、條約と同一内容のとりきめみたいな適当な方法をもつて、それにかえさしてもらいたいということを申しているわれでございます。これに対してGHQは、この問題は本國政府の指示を受けなければならない。從つて本國政府によく照会してみるということに相なつているのであります。米國との関係はさようでございます。イギリス及びその植民地もこれに入つておらないのであります。これはアメリカが解決すれば次々と及ぼしたいと存じます。この約定には支那、朝鮮、インド支那、蘭領インドが入つております。この約定に加入いたしますれば、將來支那との為替の交換は非常に有利だろうと考えられます。また朝鮮との関係も生じて來ると思います。かような関係にあることを御参考までに申し上げたいと存じます。
 それから実施時期につきましては、去年も加入を問題にしたとき、同一の問題があつたのですが、為替レートが決定しないと為替の交換はできないのであります。近く單一為替レートが決定される機運に向いているのであります。これの決定のあかつきには、GHQの許可する最も早い機会に約定に加入いたしまして、なお加入とともに為替約定に関しましては、これからこれを実施しようとする両國間の協定が必要なのであります。ではカード式にするか、日録式にするか、紙幣の標準は円にするか、ドルにするか、かようないろいろ細目の協定が必要である、その協定の成立の後に実施ができるという関係にあることを御承知願いたいと存じます。
 以上は郵便為替に関する約定の大体の御説明であります。
 次には郵便振替に関します約定を簡單に申し上げます。約定は日本に関しとは歴史が比較的新しくございまして、大正九年に加入いたしまして後、実施は昭和六年に相なつたのであります。この振替の内容を概略御説明いたしますと、かりに例をとつて申しますと、日本とフランスとの間でこれを使う場合を申しますと、日本人がフランすから本を買つた場合、金を送るのに、その日本人が日本の國内の振替口座の金を、そのフランスの本屋の振替口座――フランスの國内で使つておるそのフランスの口座へ、日本の逓信省をして振替えさせる手続であります。その振替の方法をもつて代金の支拂いをするという制度でございます。この約定はあまりかわつておらないのでありますが、第三條の第四項、これは先ほど申しましたように、金額の端数の整理でございます。その國の國内法では十銭未満の端数をつけさせないことがある場合には、郵便振替におきましても、同じく相手國に通知をして端数をつけないということであります。その他はブエノス・アイレスの大会においてきめられた約定と何らかわるところはございません。
 それで一体これらの為替及び振替はどのくらい利用されるかと申しますと、將來のことは実はいろいろな予想で、ただちに数字を申し上げることは困難でありますが、過去の実績を申し上げますと、約定は英米系を除いておりますので、英米系は別な外國為替になりますが、万國郵便條約に基くこれの数字を申しますと、振出において一番最高が昭和十三年の百三十六万九千円、拂込みが五十四万九千円、これは昭和十年であります。それから郵便振替の方におきましては、受入れの最高が昭和十二年二万円、拂出しが昭和十四年の四万円という実績でございます。以上をもちまして概略の御説明を終ります。
#5
○小笠原政府委員 それでは價格表記の書状及び箱物に関する約定並びに代金引換郵便物に関する約定に加入することについて簡單に御説明申し上げたいと存じます。
 初めに價格表記の書状及び箱物に関する約定でございますが、價格表記の書状と申しますのは、たとえば銀行券でありますとか、紙幣でありますとか、あるいは船荷証券、保險証券、その他の有價証券あるいは有價書類を包有する書状の、いわば保險につきまして起る取扱いでございます。また價格表記の箱物と申しますのは、宝石でございますとか、あるいは貴金属といつたようなものを内容にいたしまして、小型箱物の形をいたしました郵便物でございまして、それにやはり普通の言葉で申しますれば、保險をつけて送るという取扱いでございます。この價格表記の書状及び箱物に関します約定の成立は、万國郵便條約と同樣非常に古いのでありまして、日本でも明治十七年以來、引続いてこれに加入して参つたのでございます。そうして新しくパリで締結せられました約定の現署名國は、六十四の國家または地域ということになつております。主要な改正点を申し上げますと、一つは價格表記箱物の郵便料金でございますが、第三條の(ろ)に書いてございまするように、價格表記の箱物の郵便料金は、從來は最低八十サンチームとする、五十グラムごとに二十サンチームでありましたのが、最低八十サンチームとする、五十グラムごとに十六サンチームに限定されまして、要するに郵便料金を若干低減したのでございます。二番目に郵便料金の免除でございますが、これは先ほど村上政府委員の関係の約定について御説明申し上げましたように、捕虜に準ずるものに発着する郵便物につきましても、第十三條第二項によつて料金を免除することに改定をいたしたのであります。第三番目には、價格表記箱物の料金引上げ及び引下げに関する約定の最終議定書の二に書いてございますが、これまでは料金のきめ方に彈力性がなかつたのでございますが、この約定の最終議定書の改正の規定によりまして、約定第三條(ろ)の規定によりまする價格表記箱物郵便物の基本郵便料及び最低の料金は、最高百分の四十引上げ、または百分の二十引下げることができるというように規定されたのが、おもな改正事項でございます。
 大体御参考までに、戰前はどういうふうな取扱いがあつたかということを申し上げますると、大体日本から出て参りました價格表記の箱物に包有されておりましたのは、主として眞珠といつたようなものが價格表記郵便物で送られておつたのであります。また外國から價格表記郵便物で日本に参つておりましたのは、時計でありますとか、あるいは時計の石であるとか、首飾り、あるいは宝石類、あるいはダイヤモンド細工といつたようなものが日本に輸入されておつたのでございます。昭和十三年の統計によりますと、日本から外國へ出て参りました價格表記郵便物は、大体九千通でございます。また外國から日本へ到着いたしました價格表記郵便物は、約十二万通でございます。しかしこれらは主として当時はもちろん、現在は中華民國でありますとか、あるいは満洲といつたようなところが主要な数字を占めておりました。今後どういうふうな情勢になるかわからないので、ただいま申し上げることはできないわけでございます。
 それからその次に代金引換郵便物に関する約定につきまして申し上げたいと存じます。代金引換郵便物は、御承知のように外國の郵便制度においても同樣のものがございますが、郵便物を送りまして、向うがその郵便物の代價を取立てて、郵便物の差出人へその金を支拂うという制度でございます。この代金引換郵便物につきましては、從來万國郵便條約、それから價格表記の書状及び箱物に関する約定並びに小包郵便物に関する約定の中に、それぞれ規定してあつたのでございますが、一昨年のパリの大会におきまして、これらの條約及び約定の中から、代金引換に関する規定だけを拔き出しまして、これに必要な修正を加えたわけで、一つの新しい約定ができたのでございます。それがお手元に提出いたしました代金引換郵便物に関する約定でございまして、現署名國は五十一の國家、または地域でございます。代金引換郵便物の戰前の状況を申し上げますると、主として日本から出て参つておりました代金引換郵便物の内容は、雜貨類でありますとか、おもちや、豆電球、メリヤス製品といつたようなものが日本から出て行つておつたのでございます。外國から輸入されておりましたものは、時計とか、その部分品、また雜貨といつたようなものが到着いたしておつたのでございます。そうして代金引換の外國郵便物の取扱いの量はどれくらいあつたかと申しますると、昭和十三年におきましては、通常郵便物といたしまして日本から外國へ出て参りましたのが約四万七千通でございます。外國から日本に到着いたしましたものがわずかに千通程度であつたのであります。しかしながら代金引換の小包郵便物につきましては、日本から外國へ輸出されましたものは約二十万箇ぐらいございまして、外國から到着しておつたものが約千個程度であつたのでございます。
 主要な改正事項を御説明申し上げますると、一つは代金引換金額の郵便振替口座への振替の規定でございます。これは第三條の第一項の(ろ)及び第二項に規定してございますが、代金引換金額を、郵便振替口座への拂込みによりまして清算いたしますことを、郵便物の差出人が請求いたします場合に、從來は郵便物の差出國における振替が認められていなかつたのでございますが、新しい規定では、郵便物の差出國における郵便振替口座からの振替も認められることになりまして、これに関する必要な料金の規定等を規定いたしたのでございます。第二番目には、代金引換為替証書の航空による返送の規定がございまして、それは第三條第一項(は)及び第十三條(ろ)に規定されております。これは差出人が請人いたします場合には、代金引換為替証書を航空便で返送することとなつておるのでございます。そうしてそれに関する料金を規定いたしたのでございます。
 第三番目は貨幣單位の端数の整理の規定でございまして、第三條第六項に規定されておるのでございますが、これは先ほど村上政府委員から郵便為替約定及び郵便振替約定におきまして御説明申し上げましたと同樣でございます。
 第四には代金引換金額の取消、または変更の料金に関する規定でございますが、第四條の第三項と書きまして、代金引換金額の全部もしくは一部の取消または引上げの請求が電信により送達されることを要するときの料金は、從來の料金は、電報料金の書留書状一通分に相当する料金、たとえば最高六十サンチームを加えた料金であつたのでありますが、今回は電報料金に最高四十サンチームの料金を加えることに改正されるという点が主要な改正の要点でございます。はなはだ簡單でございますが、以上をもちまして御説明を終ることにいたしたいと思います。
#6
○岡崎委員長 これより質疑を許します。
#7
○若松委員 郵便為替に関する約定、それから郵便振替に関する約定というものは、大体英米系が入つておりませんようですが、これはどういう理由ですか。また今入つておりませんが、近い將來において入るお見込みがあるのですか。
#8
○村上(好)政府委員 御説明いたします。英米系は先ほどお話申しましたように、為替の交換方式といたしまして、目録式という方式を使つております。それからこの万國郵便連合はカード式を使つております。この内容を概略御説明申し上げますと、目録式と申しますのは、送金者が郵便局で為替の送金を請求いたしますと、その送人、受取人、金額、それらのものを日本の中央の貯金局でやつております。そこへその日のやつを全部集めまして、一表の目録にいたします。これを海を越えてアメリカにこの目録を送りまして、その目録によつてこの金額をこの受取人に拂つてくれということにいたします。向うはそれを郵便局にまわして、同時に向うで為替証書を書いて、それを受取人に送達して拂い渡す。それで決済は、その目録の金額を基礎にして、実際の支拂い金額をもつて決済するという行き方が目録式であります。それからカード式と申しますのは、金を送る場合に、ちようどはがき大の送金カードというものがあるのでございますが、このカードに振出人、受取人、金額、もちろん住所を書いて、それを郵便局の窓口に金をつけて出します、そのカードは受取人に直接あてるカードでありますが、そのカードが郵便局からすぐにアメリカならアメリカへ、すつとまつすぐに向うの郵便局に一ぺん入つて、その郵便局から受取人に配達されます。受取人はそのはがきを持つて來て、その金を受取りに來ると、ただちにそこで拂つてくれるという式で、きわめて簡單な方法なのであります。これはカード式の方が、新しい制度として万國郵便連合で採択された制度でありますが、アメリカとイぎリスは昔から目録式を採用して、なかなかそれをかえないのであります。これが國際連合に加入をはばんだ最も大きな動機と称されております。今回パリ大会のこの約定におきましては、それではイギリスもアメリカも入れるように、目録式も万國郵便連合の中に採択して、道をつくつておいた方がよかろうというので、目録式というものが新しい約定の中に入つたような次第であります。しかしイギリスもアメリカも、まだこの万國郵便連合には加入はいたしておらないような状態であります。
#9
○若松委員 そういたしますと、実際に英米が入りません、また英米の植民地が入りませんというのでは、約定の價値が非常に減殺されるようになりますが、それは別として、今日本はカード式を使つておりますか。
#10
○村上(好)政府委員 日本は連合に関する限りカード式を使つております。
#11
○若松委員 それでお伺いしますが、カード式か目録式にするためには各國間の協定を経なければならぬというお話ですが、そうしますと実は條約に入つた上によけいなめんどうなことがありますが、それは議定書か何かで、日本は両方とるか、あるいは一方をとるかということをはつきりしてただ不都合な場合のみほかの國との間に協定するというような、煩を避けるような方法は考えられませんか。
#12
○村上(好)政府委員 これは各國とも両國の事情に應じて、根本原則は條約及び約定に從いますが、條約及び約定で各國の協定にゆだねられた範囲のものはどうしても各國がその他の協定で、その間の細目を協定することになつておりまして、その点はいたし方がないのであります。
#13
○若松委員 私の言う意味は、せつかくこれだけカード式または目録式によることができると書いてありますから、どうせ自分の國の制度を保持したいのが各國の意見だろうと思いますが、そこで自分はカード式だとか、自分は目録式だということになりますれば、自然大きな面において一致して來るのであります。ただどつちをとるかということがはつきりしないような場合、初めてその事情の國だけで協定ができると思うのであります。これは條約上の問題でありますから、あるいは外務省の方からお答え願つた方がいいかと思いますが、やはりこれだけの必要な國際的な條約に参加してまた各個別にやるということは、いかにも私は不経済のようにも思いますし、また何か條約の價値から見ても非常にどうかと思うような点があります。これは何か議定書あたりで相当に歩調を合わせる整理するようなわけには参りませんか。
#14
○西村(熊)政府委員 英米系の諸國も、むろん万國郵便條約の本條約の方には加入しておるわけであります。ただいま問題になつておる約定については、村上政府委員が御説明になりましたように、從來の約定の制度は固有の制度が含まれておるために参加はしていない、こういうふうな関係にあります。從つて日本としては、こういう約定に参加していない國との間において、必要がある相手國との間には、特別の協定または業務協定を締結していたわけであります。從つて日米の間とか、日本とイギリスの自治領とか、植民地との間には、そういう数種の特定の條約がございます。こういう状態はなるほど若松委員がおつしやる通り、きわめて不自由な制度でありまするが、何といつても各國とも個有の制度の関係上、一律に約定に参加し得ないという事情がある。他面そういう國との間において、日本としてはこういう特殊の郵便料も改訂する必要があるという場合には、どういたしましても、特殊の約定を締結するということが結果的に必要になつて來るわけです。われわれの希望は、一律に世界の各國がこれらの約定に参加することによつて、特別協定を結ぶ必要がなくなることを希望しますが、なかなかそういうことになることは困難かと思います。
#15
○神山委員 二、三質疑をしたいのですが、その前に一つ、二つ希望あるいは遺憾の意を述べておきたいのです。第一にきよう比較的大事なこの委員会に、大臣の顔が一つも見えていない。これは政府が怠慢とも考えませんが、あまり誠意のある態度ではない。次官だけ二人並べてと言つては惡いかもしれませんが、この点非常に遺憾である。これが第一。
 第二には、今村上政府委員が先ほど中華民國のことを支那と言われた。これは言葉じりをとらえるわけではなくて、さきに吉田首相が日本帝國と言つたのと関連して、いまだに中華民國を支那と考えておることは、この点政府委員の顔を少し切りかえてもらわなければならぬ。この点何らかの意思表示をしてもらいたい。これが第二点。
 それから質問したいことがあるのですが、今度の問題は、さきの國会で承認されておることでもありますし、それから憲法によつてこういうような條約を政府が締結されることはけつこうでありますが、われわれは今これを審議して承認するわけですが、今若松委員からも質問がありました、日本が最も密接な関係を持つておる英米、これらの國々とどうしても独立の條約を郵便関係に関しても締結しなければならぬ。これは近いうちにしなければならぬ問題だと思うのであります。またこれは促進してもらいたいと思います。こういうような場合にはぜひ前もつて――今度のようにあわててでき上つたものを私たちみ承認しろというのではなくて、必ず事前に十分審議の時間を與えるような準備を、政府側にしてもらいたい、この点について意見を聞いておきたいと思います。
 それから第二の点ですが、これはやはり今若松委員――名前が違つたら失礼しますが、新米のことだから許してもらいたいが、関係國との間の関係はよいと思うのですが、しかし西村政府委員も今説明されましたように、英米系が入つておる條約もあるし、入つていない條約もある。問題は入つていない條約が問題なのですが、これを締結する場合に、現在占領下にあつてまだ講和條約もできていない場合ですから、どういうふうな手続で締結されるつもりであるか。この点についても一應政府側の意図を聞いておきたいと思うのです。それからそれん関連して聞いておきたいことがあるのですが、村上政府委員の先ほどの説明の中に、この條約が締結されれば、國内問題については條約あるいは各規的の――御説明の言葉を十分聞かなかつたのですが、当然條規あるいは規則というものを制定しなければならぬ。これは國会に上程されなければならぬ。この場合に、これらのものは結果において、労働者側の負担あるいは待遇を惡化しないような用意のもとに問題を処理して行かなければならぬ。そういうような用意があるかないかを私は聞いておきたいと思う。
 もう一つ聞いておきたいことは、これに関連して、今の條約の中の航空郵便の役割が、いろいろな問題について非常に重大になつて來ております。これは都合によつては、あとで逓信委員会の問題にしてもよいが、航空郵便の現状について一應ここではつきりしておいてもらいたい。
 第四にもう一つお伺いしておきたいことは、捕虜郵便のことが政府委員の報告の中に出ております。捕虜郵便の現状についてどういうようになつておるか、この点をお尋ねしておきたい。
 以上四点について御説明願いたい。
#16
○村上(好)政府委員 まだいま中華民國を支那と申い上げた。この点私中華民國と訂正いたします。それからその次に國際為替をやる場合に、そこの從事員の待遇問題を惡化するようなことについての考慮いかんという質問と聞いておりますが、これは本條約成立に伴つて、この負担を加重する、その他労働條件を惡くするようなことはない、かように考えております。また負担を加重させる意図もございません。以上二点お答えいたします。
#17
○並木委員 参考までにお尋ねしますが、昨年七月一日から実施した万國郵便條約と小包郵便物の実際の取扱いについて、今までどれくらい実績が上つておるものでしようか。
#18
○小笠原政府委員 終戰後における外國郵便業務は、昭和二十一年九月から再開されまして、昨年の第三國会におきまして御承認を得て、即時仮締結の万國郵便條約並びに小包郵便に関する約定が今日適用されておるのでありますが、大体どれくらいの規模で現在適用されておるかという点につきましては、あいにくただいま七月で区切つた数字がございませんので、昨年一九四八年中の全体の数字を申し上げたいと思いますので、それでお許し願いたいと思います。日本から出て行きましたものは、昨年中に全体で四百九万通でございます。その中で、先ほど神山委員から御質問がございました航空郵便の関係は、四百九万通の中で約百三十七万通であります。また日本から出て行きました小包は、これは昨年の九月から日本の普通小包を外國に向けて出すことができるようになりましたので、まだ実施しましてから非常に期間が短かいので、昨年の九月から十二月末までの数字によりますると七百六十個の小包が出ております。外國から日本へ到達いたしたものについて申し上げます。全体で大体三百九十七万通の通常郵便物が到達いたしておるわけであります。その中で航空郵便で到達いたしたものは百五十九万通でございます。そのほかに小包郵便物といたしましては、御承知の通り從來からギフト・パーセル、その他の小包を取扱つておりますので、外國から到達いたしたものは昨年中には百一万個の小包が到達いたしておるわけであります
#19
○栗山委員 この案件はわが國と他の國々との間の金銭の引渡しを含むものでありまするがゆえに、為替レートの設定ということが前提になり、それなくしてはわれわれは承認してもしばらくたな上げになる案件でありますが、ここで承認を求めておいて、政府が機宜の処置をとつて善処するという意味だと解釈いたします。為替レートの設定についてはいろいろの報道がありますが、肯定する者あり、否定する者があり、現在調査研究の過程でありますが、これを急いで承認してほしいという理由はどこにありますか、それをはつきりしてもらいたい点が一つ。
 それから同僚委員によつてあげられましたが、英米系がただいまわが國の交友関係における最も重要な國でありますけれども、それらのものがこれによつては包含されない。しからばこういうものに加盟することによつて、英米とのこうした問題の解決を促進することができるかどうか。
 第三点は、為替管理は厳格になると思うが、こういうような管理をなし、またわが國として措置をなす等で、相当利用上はむずかしいと思いますが、將來の問題に属することではありますけれども、関係者としても十分為替管理とこの案件との関係、これを御研究になられる必要があろうと思いますが、いずれかの機会にそうした予備研究、また関係事項をどういうふうに処置されるかというようなことを、今でなくてもよいと思いますが、聞きたいと思つています。
 それからいま一つ、間接の事項でありますが前段申し上げましたように、為替レート設定と密接な関係を持つものでありますが、私どもはいろいろな報道を聞いておるのであります。その決定の実権を握る向きと思われる方面では、為替レートの設定はまだなかなかであろうというようなことを、否定的に言つておる向きが報道されておるのであります。外務省の関係の方々は、これについてわれわれ以上の消息を知つておられるならば、これまた参考に披瀝してもらいたい、以上四点であります。
#20
○西村(熊)政府委員 四点のうち、私の方から御答弁できる範囲内のことについてお答え申し上げます。お説の通り、この四つの約定への加入に対し國会の御承認を得ましても、政府といたしましては、すぐ條約の規定に基きまして加入手続をとる所存ではございません。これらの業務を実施するに前提條件として必要であります。為替レートの実施ということがありました上に、なるべく早く加入の外交上の手続をとる予定であります。
 私どもとしては、皆さまより以上に詳しく為替レートがいつ実施されるであろうかという点については、何らの情報を私は持ち合せていないのでありまして、皆様程度の知識をもつて判断しておるわけでありますが、少くとも今年中には実施されるであろうということは、ほぼ確実でありますので、今國会におきまして、國内法上必要なる処置をとつておきますれば、國会休会中に為替レート実施が実現すれば、すぐに加入の手続がとれる、こういうことになります。もしほんとうに、いつ為替レートが実施されるかという確実な知識をもちまして、初めて國会に対する手続をとろうといたしますれば、今期國会に対して手続をお願いすることもいたしかねるし、そういたしますと、次会ということになりますと、やはり為替レート実施とこの四つの業務の実施との間にギャップができて來る。こういう事態になりますので、今日の國会にこの手続をとることに決定したような次第であります。
 またこの四つの協定に加入するということが、これらの協定に加入していない英米との間の業務を開始することについて、促進になるかどうかという点でございますが、私どもはこの約定に加盟しておる諸國との間にこの業務を開始するということは、英米系統との業務の開始に促進刺戟の材料となると、こういうふうに考えておるわけであります。
#21
○神山委員 先ほどの私の質問に村上政府委員が答えられたのは、私としても了解するし、それからこの議事録を読んだ者も喜ぶことだと思います。しかし私の他の質問に対しては政府側からお答えがない。そこに次官が二人も並んでおりながら、私の出した質問に答えないのはこれも怠慢なのか、返事ができないのか。
#22
○武藤(嘉)政府委員 今日は実は閣議がありますので、多分逓信大臣はただいままで御出席がないのであります。次会からは努めて大臣に出席してもらうようにお願いしますから、御了承を願いたいと思います。
#23
○小笠原政府委員 ちよつと研究いたしておりましたので、お答えが遅れまして失礼いたしました。俘虜郵便については、万國郵便條約の五十二條に規定がございます。そうして戰爭中並びに終戰後は、もちろん俘虜郵便の取扱いが相当あつたのであります。今日におきましては、ソ連に抑留されております人たちから日本にあてまして、あの往復はがきのような形で通信が許されておりますので、それが日本に参りましたときに、日本から俘虜郵便扱いにいたしまして、差出人であるところのソ連に抑留されておる方々に返送するという業務を行つております。
 もう一つ、先ほど航空郵便の件につきまして御質問がございましたが、先ほど大体昨年度における取扱い実数だけは御説明申し上げました。その他現状を簡單に申し上げますと、今日におきましては、日本から世界各國に航空郵便を送ることができる。日本から出て参ります場合にはパン・アメリカン、ノース・ウエスト、この二つの航空機会社を利用いたしまして、海外に郵便物を送つておる。また世界各國から日本に到着いたしますものは、もちろん今のアメリカの会社に限らず、あるいは英國の会社、あるいは中華民國の会社、その他各國の航空便が利用されておる次第であります。また先般、先月でございますが、新しくエア・レターという制度をつくりまして、これまで外國航空郵便の料金は距離によりまして、もちろん送つてくれます航空機の会社にその料金を拂わなければならないのでありまして、距離が遠ければ遠いほどたくさんの料金を拂わなければならないのでありまして、距離が遠ければ遠いほどたくさんの料金を拂わなければならないので、從來距離制で料金を設けてあつたのでありますが、この三月から今の距離制のもののほかに、これと併行して世界各國均一のエア・レターという制度をつくつて開始いたしたのであります。この数はまだはつきりしておりませんが、三月一日だけで約三万通くらいの取扱いがあつたようでございまして、私どもはたくさんの方に利用していただいておることを非常に喜んでおる次第であります。
#24
○神山委員 航空郵便についてはまだ問題がありますけれども、これは逓信委員会でゆつくりお伺いしたいと思いますから、ここでは聞きません。
 補虜郵便の問題については、今の御説明で、ごく一般的のことはわかりました。ここで一つつけ加えて置きたいと思いますのは――ソビエト同盟の側は今お話の通りでありますが、一部にはソビエト同盟から積出した郵便物が、途中でわからなくなつてしまつたといううわさがある。うわさということを特に強調しておきます。しかしこれは逓信委員会の問題ですから、あとに讓つてよいのですが、これと関連して、中共地区や國民党の地区にも引揚者が残つておりますので、これとの通信を何とかして促進したいということは、日本民族共通の願い、ことに引揚げ家族の方の願いだと思いますから、このことについて関係方面といかなる折衝をしておるか、これはむしろ外務省側の方にお聞きしたいのです。それがまだ十分でないとすれば、万國郵便條約や、ここで問題になつておる約定の中にあります條文に從つて、できるだけ自由に、できるだけ多数の通信や金銭のやり取りが許されるような折衝をしたことがあるかないか。あるとすればどういうふうにしたか。ないとすればこれからどういうふうにするつもりか、これをお聞きしたい。もう一つ現在の檢閲事情について、われわれが受けておる檢閲の問題について、政府側の一應の意見を聞きたい。この檢閲をする人々の人件費、あるいはその他消耗品の費用は、一体どこから出しておるか、これもついでに聞いておきたいのです。もう一つそれに関連して聞いておきたいのは、こういう郵便物の中でなくなつたものがあるということです。これはもし必要があればあとで資料を出しますし、逓信委員会で十分問題にしていいのですが、手紙で送つたというのに來ていないことがある。これは証人もおります。こういうことについては政府側はどういう責任を負うか。
 それから最後に、これは近藤政務次官に聞きたいのですが、私が一番初めに、將來英米系その他との約定が必要であるし、その場合には当然國会に先にかけて審議するようにしてもらいたいと言つたが、回答がないこの点についてはつきりした言明を願いたいのと、さらにこれに関連して、黙つておられればだんだんよけい思い出しますが、この約定の中でこれの批准はどうするか、政務次官に聞いておきたい。
#25
○岡崎委員長 ちよつとお断りしておきます。本日は時間の関係もありまして、一括議題になりました四つの約定に関する合同審査をしておる次第でありますので、御質問は直接この問題に関係することに限つていただき、他の問題は逓信委員会なり外務委員会なり、適当のときにさらにいたしていただきたいと思います。
#26
○神山委員 今のあなたの御意見ごもつともで、私も承知しておるからこそ、自分の質問を端折つておるのです。また逓信委員会で論議していいということを言つておるのですが、これに関連してごく大まかな点だけ、こういうふうな機会が再々あれば別ですが、ちようどよい機会ですから言明を願いたい。ことに政務次官は私の聞いたことに対して、これの批准をどうするかという点についてのはつきりしたお答えがない。
#27
○西村(熊)政府委員 最後の一点について御返事申し上げます。
 この四つにつきまして、約定ということはないわけであります。批准というものは、條約に調印して、それに批准條項があつた場合に、調印國がその條約に最後的承認を與える行為であります。ところが日本は、一昨年の國際会議でできましたこの條約には、むろん署名しておりません。そういう國のためには、加入という道が條約によつて許されているのであります。條約の規定により、加入という道で日本はこの約定に入ろうとしているわけであります。從つて加入に対して國会の承認を求めるということは、憲法の七十三條で要求されている、いわゆる國会の條約締結に対する承認権といいますか、あれにあたるわけであります。加入がすなわち批准の行為だ、こういうふうになつております。
#28
○神山委員 わかりました。
#29
○小笠原政府委員 ただいま神山委員の御質問にありました檢閲のことを簡單にお答え申し上げます。
 檢閲の関係につきましては、これは占領軍の方で実施されておりますので、日本政府は、檢閲そのものにはまつたく関與いたしておらない次第でございます。從いまして、この郵便の檢閲に関する一切の人件費、物件費等は、日本政府の予算、通信特別会計の予算とはまつたく関係がないのでございます。それからこの檢閲によりまして、郵便の速度に影響があるというお話でありますが、まことにごもつともであります。この点につきましては、政府といたしましても、檢閲そのものによつて受ける郵便の速度等に対する惡影響をできるだけ軽減するように先方に要請いたしまして、先方もあちらの方の目的に支障のない限度においては、好意的に考えてくれております次第でございます。さようなわけで昨年の秋から実施いたしました東京大阪間の特別速達といつたようなものの取扱いにつきましても、あちらの檢閲当局に理解ある態度で協力してもらつた結果、今日東京から出すと明日は確実に大阪に配達されるといつたような制度を開始することができたわけであります。
 最後に、公用郵便物がなくなつたというお話でありますが、これは具体的の問題をお知せいただきまして、十分調査した上で善処いたしたいと思います。
#30
○神山委員 わかりました。
#31
○並木委員 先ほど数字を示していただきまして大体わかりましたが、今不着という問題も出て参りましたので、そのうちで事故によつてどのくらい着かなかつたか、わかつていましたら、昨年中のものを、通常、小包別にお知らせを願いたいと思います。
#32
○小笠原政府委員 実はただいま具体的な資料を持ち合せておりませんので、はつきりした数字を申し上げることは困難でありますが、外國郵便の関係におきましては、いわゆるギツト・パーセルが日本へ参るようになりました当初におきましては、遺憾ながら当時の一般情勢を反映いたしまして、まことに申訳ない次第でございますが間間郵便物の中味が抜き取られてなくなつたという例があつたのでございます。逓信当局といたしましても、これらの事故、犯罪の防遏に対しましては、できるだけの努力をいたしまして、最近におきましては、そういう例を聞くこともかなり少くなつて來たように存じております。一般的に申しますると、これは外國郵便だけではございませんが、全体的に考えまして、特に愼重な取扱いをするようにいたしてはおりますけれども、まあ昨年なくなつたことによりまして損害賠償いたしました率から考えますと、三万ぐらいに対して一万ぐらいの割合で損害賠償の問題が起つております。ただしただいま正確な資料を持つておりませんので、あるいは若干数字については間違いがあるかもしれません。
#33
○戸叶委員 この四つの約定のほかに、新聞紙及び定期刊行物の予約に関する約定というのがあるようですが、それに在來も加入しておられなかつたし、今回も加入しておられないようですが、それはどういうわけですか、お伺いしたいと思います。それから今までこういうものに対しては、どういう扱いをしていらつしやつたかということをお伺いしたいと思います。
#34
○石野委員 関連して伺います。だたいま戸叶委員からお尋ねになりましたと同じように、万國郵便條約の関連協定としまして、ただいま戸叶委員から言われました新聞紙及び定期刊行物の予約に関する約定のほかに、現金取立に関する約定があるわけでございます。この約定は為替レート設定ということが行われますれば、当然関連性を持つて來るものと思いますが、ただいまこれが國会の承認を要請されていないというのは、これは当分の間こういう問題については、政府としては考えなくてもよいので、出されないのかどうかという見解を同時に御説明願いたいと思います。
#35
○小笠原政府委員 ただいま御質問がありましたが、現金取立に関する約定並びに新聞紙及び定期刊行物の予約に関する約定に今日まで加入いたしておりません理由は、ただいまの二つの約定について、從來から日本は加入いたしておらぬのでございまして、その関係もあろうかと存じますが、パリ締結の條約におきましても、日本の加入を当然には予定してはおらぬのであります。今申し上げましたように、この二つの約定は、從來から日本は加入しておらなかつたのでございますが、これは両方ともわが國にとりまして、利用性がきわめて少いので、加入しておらない次第でございます。從つて今回はもとより、將來も当分の間は加入を予定しておらない次第でございます。
#36
○岡崎委員長 他に質疑はありませんか。
#37
○木村(俊)委員 参考までに伺つておきますが、國際約定に加入するについていろいろ経費がいりますが、その経費についてはどういう予算を計上しておりますか。
#38
○西村(熊)政府委員 経費の問題は、万國郵便條約という本條約によりましてできております万國郵便連合に対する分担金というので、一括負担しておりますので、その個々の約定については、別に何らの経費を必要としないわけであります。
#39
○岡崎委員長 他に質疑がなければ、これにて連合審査会を散会いたします。
    午後零時三十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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