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1949/10/17 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 選挙法改正に関する特別委員会 第12号
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1949/10/17 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 選挙法改正に関する特別委員会 第12号

#1
第005回国会 選挙法改正に関する特別委員会 第12号
昭和二十四年十月十七日(月曜日)
    午後二時十一分開議
 出席委員
   委員長 生田 和平君
   理事 栗山長次郎君 理事 野村專太郎君
   理事 山本 猛夫君 理事 立花 敏男君
   理事 逢澤  寛君 理事 小平  忠君
      北澤 直吉君    田中 重彌君
      中川 俊思君   橋本登美三郎君
      藤枝 泉介君    淺沼稻次郎君
      鈴木 義男君    並木 芳雄君
      佐竹 晴記君
 委員外の出席者
        全国選挙管理委
        員会事務局長  吉岡 惠一君
        法 制 局 長 入江 俊郎君
        法制局参事   三浦 義男君
        法制局参事   川口 頼好君
九月二十日
 委員福田繁芳君辞任につき、その補欠として並
 木芳雄君が議長の指名で委員に選任された。
十月四日
 委員小川半次君、上村進君及び川上貫一君辞任
 につき、その補欠として志賀健次郎君、立花敏
 男君及び谷口善太郎君が議長の指名で委員に選
 任された。
同月十七日
 理事福田繁芳君及び川上貫一君の補欠として小
 野孝君及び立花敏男君が理事に当選した。
九月二十日
 選挙法改正調査小委員福田繁芳君委員辞任につ
 き、十月十七日その補欠として小野孝君が委員
 長の指名で小委員に選任された。
十月四日
 選挙法改正調査小委員川上貫一君委員辞任につ
 き、同月十七日その補欠として立花敏男君が委
 員長の指名が小委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 理事の互選
 小委員の補欠選任
 選挙法改正に関する件
    ―――――――――――――
#2
○生田委員長 これより選挙法改正に関する特別委員会を開きます。
 ちよつとごあいさつ申し上げます。去る七日内閣委員長であり、本特別委員であらせられました齋藤隆夫君が長逝せられたのであります。まことに痛恨哀惜の念にたえません。本特別委員会といたしましては、つつしんでここに哀悼の意を表したいと思います。
    ―――――――――――――
#3
○生田委員長 議事に入ります前にお諮りいたしたいと存じます。理事でありかつ選挙法改正調査小委員であられた福田繁芳君及び川上貫一君が、去る九月二十日及び十月四日にそれぞれ委員を辞任いたされたのであります。理事及び小委員の補欠選挙を行いたいと思いますが、それには投票の手続を省略いたしまして委員長において指名するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○生田委員長 御異議ないと認めます。よつて小野孝君並びに立花敏男君を理事及び小委員に指名いたします。
#5
○生田委員長 本委員会は去る七月二十日より二十三日まで四日間にわたり、選挙法改正に関する研究事項を原案として御審議を経、委員諸君の御意見を基調とし、これを小委員会に付託し、調査すべしとの御決議に基き、法制局の協力を得まして、爾來二箇月にわたる日子を費し、ようやく、十七章二百七十三條よりなる衆参両院並びに地方公共團体の議会の議員及び長の各選挙を一本にとりまとめ、かりにこれを選挙基本法と名称をいたしました。去る九月十九日より二十二日まで前章につき愼重審議の結果、両院選挙区制の問題外数件を留保し、かつ一部修正を加え、一應全部の審議を終了したのであります。今小委員会における審議の経過並びに結果をごく簡單に申し上げたいと思います。
 まず第一は、現行の衆議院議員、参議院議員、地方公共團体の議会の議員及び長並びに教育委員会の委員に関する選挙法規を単一法に統一いたしたこと。
 参議院全國選出議員の選挙事務は、全國選挙管理委員会において管理することとし、現行の全國選出議員選挙管理委員会を廃止する。
 第二は、選挙権及び被選挙権の範囲を拡張したこと。すなわち地方議員及び長の選挙権については、從來の六箇月の居住要件を三箇月に短縮し、準禁治産者及び選挙犯罪以外の犯罪による刑の執行猶予中の者にも選挙権を與える。
 次に選挙人名簿のことでございます。各選挙を通じて一の基本選挙人名簿及び補充選挙人名簿を作成することにいたしました。次には名簿登録の居住要件六箇月を三箇月に短縮いたしました。なお船員の名簿登録の特例を設けたこと。
 衆議院議員の任期満了による選挙については、任期の終る前に行い得ることにいたしました。
 次には、投票立会人の選任方法を職権主義に統一し、代理投票の範囲を拡張いたしまして、文盲者もなし得ることといたしました。参議院地方選出議員、地方議会の議員及び長並びに教育委員会の委員の立候補者の届出締切り期日を、衆議院議員と同様選挙期日前十日までといたしました。特定公務員の在職中の立候補の制限規定を設けたこと、供託金の額を一般的に引上げるとともに――衆議院議員はもとの通りでございます。――その没収率を参議院議員、地方議員及び長についても引上げたこと。なお新たに教育委員会の委員についても供託制度を設けたこと、教育委員会の委員については法定得票数制限を設け、繰上げ補充の道を開いたこと、当選人及び欠員の繰上げ補充の期間を三箇月に延長して、再選挙または補欠選挙施行の経費を節約、但し地方公共團体の長及び教育委員については、特別の措置を講じたこと。当選辞退期間――從來は当選の告知受をけた日から十日間となつておりましたが、これを廃止して、当選の効力の発生を当選の告示の日からとしたのであります。
 次には、参議院地方選出議員の補欠選挙は、一選挙区において欠員が二名以上なければ行わないこと。
 次には教育委員会の委員の当選辞退または欠員が生じた場合の補充委員選任方法を廃止して次点者から繰上げることとし、その委員の任期は次の定例選挙日までとし、その場合の任期終了による委員の欠員の補欠委員は定例選挙と合併して行うこと。
 次には地方選挙と教育委員会の委員の選挙との同時選挙を行い得ること。
 選挙運動については、公営の強化と言論の自由の伸張をはかつたこと、並びに全営を行う選挙の範囲は、衆議院議員、参議院議員、都道府縣知事及び都道府縣の教育委員会の委員の選挙としたこと。選挙事務所は衆議院、参議院地方選出議員、知事は二箇所とし、参議院の全國区は十五箇所とすること。都道府縣の議会の議員、市町村の議会の議員、教育委員会の委員は一箇所とすること。
 次には、選挙運動の期間を原則として届出の日から選挙期日の前日までとしたこと。次には、教育者の地位利用の選挙運動の制限事項を明瞭にいたしましたこと。次には戸別訪問は原則として禁止することとしたが、候補者みずからするあいさつ行為については、これを認めることといたしました。自助車の制限は、從來の通り一台としたか、拡声機二そろい、船舶一隻といたしました。但し全國選出参議院議員については特別の扱いをすること。無料はがきの枚数は、衆議院議員、参議院地方選出議員、知事については三万枚、参議院全國選出議員については五万枚、都道府縣の教育委員会の委員については五千枚としたこと。ポスターは衆議院議員、参議院地方選出議員、知事、都道府縣の教育委員会の委員は三千枚、参議院全國選出議員は二万枚としたこと。新聞廣告は、衆議院議員、参議院議員、知事については一回を限り無料としたこと。政見放送、経歴放送については、衆議院議員と同様参議院議員、知事、教育委員会の委員についてもこれを認めたこと。
 立会演説会は、從來の衆議院議員の場合と同様、参議院地方選出議員、知事、都道府縣の教育委員会の委員についても認めたこと。但し参議院全國選出議員についてはこれを法定しないこととしました。なお立合演説会につき從來の班組織による方法を改め、都道府縣の選挙管理委員会が計画を定め、それに候補者が申し込む方法によることとし、候補者の自由の意見を反映させることにいたしました。立会演説会の代理回数を五分の一から四分の一にふやしたこと。提示箇所二十箇所を三十箇所としたこと。立公演説会場における演説妨害者に対する取締り規定を設けたこと。公人演説会の回数の制限三十回を撤廃して、なるべく候補者の自由の意思を反映させることにいたしました。街頭演説会の制限を撤廃いたしました。演説会の開催制限を緩和し、言論の自由を尊重することといたしました。特殊建物または施設における演説について制限を設けたこと、氏名表の配付は廃止したこと、衆議院議員選挙以外にも、交通機関利用のためのパスの交付を認めました。選挙運動のための連呼行為の禁止を原則として撤廃したこと。
 政治資金規制法に規定した公職の候補者に関する選挙運動の収入、支出等の規定を基本法要綱中に取入れたこと。
 爭議罰則については、現行衆議院規則、参議院規則則、地方自治法の規定を総合的に取入れることといたしました。罰則の限度等は現行通りとしたこと。公訴附帯の私訴の制度は、新刑訴、により廃止されたので、これらの建前によることとしたこと、すなわち単独の訴訟として取扱うこととしたこと。
 次には選挙管理費用に関して國と地方公共團体との負担区分の限度について法定いたしました。
 なおこの議申し上げたいことは去る九月二十四日、司令部にウイリアムス國会課長を訪問いたしました際に、特に教育委員の選挙法を本基本法に挿入すベしとの示唆があつたのであります。越えて十月四日小委員会を開きまして文部当局並びに教育委員等の参集を求めて意見を徹した結果を報告いたしまして、ウイリアムス氏の示唆には何らこれに反対する理由がないという意見にまとまりまして、全会一致をもつて小委員会には、教育委員の選挙をも挿入するということに決定いたしたのでございます。以上の次第でありまして、本委員会は教育委員の選挙法を入れるに決定いたしました。その趣旨に基きまして、お手元に差上げてありまする通り青字で書いてあるのがそれであります。本日午前中に小委員会を開催して御承認を求め、御審議を経たわけでございます。小委員会におきましては、四、五の修正せられましたる点があります。その修正せられたる箇所は、まだお手元に差上げてありまする要綱には入つておらぬと思いますから、一應そのことを申し上げたいと思います。
 修正せられました箇所は第九十二の七、八でございます。都道府縣の教育委員会の委員の選挙の供託金を「二万円」とありますのを「一万円」とし、市の教育委員会の委員の供託金「一万円」とあるのを「五千円」に修正いたしました。なお九十円の一項の負担金の「二万円」とあるを「一万円」に修正せられました。今のは教育委員だけでございます。教育委員の負担金二万円を一万円としたのてあります。それから百三十一の教育委員の選挙事務所を一箇所に改めました。それから交通機関のパスは、教育委員は十枚に改めました。その他は原案通りであります。
 なお少し前後いたしましたけれども、お断り申し上げますが、お手元に差上げてあります要綱中、朱書になつております部分は、小委員会で御修正になつた分と字句の修正であります。青インキで書いてあります部分は、ほとんど教育委員の選挙法に関係のものばかりであります。
 以上をもつて小委員会の御審議その他についての御報告を終わります。
#6
○栗山委員 ただいまの御報告中、小委員会の最後の決定と違う箇所が一箇所あります。それは立会演説会における代理演説許容回数は、総回数の半数ということに、最後の小委員会では申合せができております。
#7
○生田委員長 ちよつとごらんを願いたいのは、百五十四の第二項の最後の方の立会演説会ですが、これは旧法によりますと五分の一に代理人を認めておつたのでありますが、今回それを四分の一に御決議になつたと委員長は解しておりましたが、ただいま柴山君から、それは二分の一になついるのだという御意見がありました。皆さんの御同意があれば二分の一に決定いたしてよろしいのでありますが、二分の一に決定して御異議ありませんか。
    〔「それは小委員会でやることだと呼び、その他発言する者あり〕
#8
○生田委員長 私の記録では実は四分の一となつているのですが、あるいは誤つておるかもしれまもんが、私の記録では四分の一になつております。法制局もそうです。――なお小委員会にお諮りすることにいたします。
#9
○橋本(登)委員 小委員会では特に区制の問題についての試みはなかつたのですか。一應小委員会では、たとえば参議院議員の場合、從來の全國区で行くか、こういう都道縣区というものをお認めなにつた上での……。
#10
○生田委員長 私の報告が漏れておつたと思います。区制の問題と、地方議会議員の現職立候補、この二点が終結に至らず保留のままになつております。多少御議論がありましたけれども、掘り下げてまでの御議論はなかつたのです。区制の問題は非常に重大であるから、いずれ議員全員御登院の後、党議にかけて御決定になるものと思うから、この問題は一應の議論はしても、保留しようじやないかという皆様の御意見でありました。なお地方公共團体の議会の議員の現職のままの立候補につきましては、かなりの御議論がありましたけれども、決定に至りません。この二点は保留になつております。
 これより審議に入りたいと思うのであります。つきましては、審議の順序をどういうふうにおきめを願いますか。委員長といたしましては、重要な点は各條について御審議を願い、次善のものはあるいは数項目あるいは一章を全部議題として御審議を願いたいと思うのでございますが、いかがでございますか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#11
○生田委員長 御異議なければさよう決定いたします。
 それでは第一章総則を議題といたします。
 その前に「選挙基本法案要綱」となつておりますが、この名称については小委員会においても多少議論がありました。しかし最後においては別に名前をかえる御議論もなかつたのでありまして、引続いて選挙基本法という名前のもとに本案を提出したわけでございます。さよう御承知を願います。
 次にはこの第一の法律の目的、これは非常に重要な問題でありますから一應御意見を承りたいと思いますが、まず一應朗読していただきます。
    〔参事朗読〕
  第一章総則
   (この法律の目的)
 第一 この法律は、日本国憲法の約
  神に則り、衆議院議員、参議院議
  員、地方公共團体の議会の議員及
  び長並びに教育委員会の委員を公
  選する選挙制度を確立し、その選
  選挙が選挙人の自由に表明せる意思によつて、公明且つ適正に行われることを確保し、もつて民主政治の健全な発達を帰することを目的とする。(この法律の適用範囲)
 第二 この法律は、衆議院議員、参議院議員、地方公共團体の議会の議員及び長並びに教育委員会の委員(地方公共團体の議会において選挙する委員を除く。以下同じ。)の選挙について、適用する。(議員及び委員の定数)
 第三 衆議院議員の定数は、四百六十六人とする。
 2 参議院議員の定数は二百五十人とし、そのうち、百人を全國選出議員、百五十人を地方選出議員とする。
 3 地方公共團体の議会の議員の定数は、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)の定めるところによる。
 4 教育委員会の委員の定数は教育委員会法(昭和二十三年法律第百七十五号)の定めるところによる。(公職の候補者の意味)
 第四 この法律において公職の候補者とは、衆議院議員、参議院議員、地方公共團体の議会の議員及び長並びに教育委員会の委員の選挙において候補者として届出をし又は推薦届出されたものをいう。(選挙事務の管理)
 第五 この法律において選挙に関する事務は、衆議院(全國選出)議員の選挙については全國選挙管理委員会が管理し、衆議院議員、参議院(地方選出)議員、都道府縣の議会の議員、都道府縣知事及び都道府縣の教育委員会の委員の選挙については都道府縣の選挙管理委員会が管理し、市町村の議会の議員、市町村長及び市町村の教育委員会の選挙の選挙については市町村の選挙管理委員会が管理する。(選挙時河野羞恥及び棄権防止)
 第六 全國選挙管理委員会、都道府縣の選挙管理委員会及び市町村の選挙管理委員長は、投票の方法、選挙違反その他選挙に関し特に必要と認める事項を選挙人に周知せしめるとともに、棄権防止につき適切な措置を講じなければならない。
 2 選挙人に対しては、特別の事情がない限り、選挙の当日、その選挙権を行使するために必要な時間を與えるよう措置されなければならない。(選挙取締の公正確保)
 第七 檢察官、都道府縣及び市町村の公安委員会の委員並びに監察官及び警察吏員は、選挙の取締に関する規定を嚴格に執行し、選挙の公正を確保しなければならない。(特定地域に関する特例)
 第八 交通至難の島その他の地において、この法律の規定を適用し難い事項については、政令で特別の定をすることができる。
#12
○三浦参事 ただいま第一章で読みました点は、選挙基本法要綱の全体に関します総則でありまして、第一におきましては、この法律の目的をあげまして、御承知の通り衆議院議員、参議院議員と地方公共團体の議会の議員と長、及び教育委員会の委員の選挙制度を確立して、選挙の公正を同時に確保して、民主政治の健全な発達を期することを目的とするということになつておるわけであります。
 第二は適用範囲でありまして、ただいま申し上げました地方公共團体の議会の議員及び教育委員会の委員にまで適用になる、こういうことになつておるわけでございます。
 第三は議員の定数でありまして、衆議院議員の定数につきましては、別表によつて自然に定数が現在四百六十六人、こういうことになつておるわけでありますし、参議院議員につきましては、参議院の選挙法の中に定数を書いてあるわけであります。また地方公共團体の議会の議員の定数は地方自治法、教育委員会の委員の定数は教育委員会法に書いてあるのでありまして、これらを総合いたしまして、衆議院議員の定数につきましても第三の一項においてこれを記述するとともに、他のものにつきましても、その定数の根拠とその関連を明らかにいたしたわけであります。
 第四はこの法律の適用関係におきまして、「公職の候補者」というような用語をいろいろ使つておりますので、公職の候補者の定義を明らかにいたしたわけであります。
 第五におきましては、大体從來通り選挙に関する事務は選挙管理委員会が行うことになるわけでありますが、ただ一つ異なつております点は、参議院の全國選出議員につきましては、全國選出参議院議員の選挙管理委員会というのが、別個にあるわけでありますが、それを廃止いたしまして、この基本法要綱におきましては、全國選挙管理委員会が参議院の全國選出議員の選挙に関する事務を行う、こういうことになつております。
 第六の第一項及び第七にあります点は、現在衆議院議員の選挙法にあります事項をそのまま引継いでございます。
 第六の第二項にございます点は、新しく置かれましたものでありまして、棄権防止のための措置と関連をいたしまして、選挙当日の選挙権の行使に関する特別措置の規定を置いたわけでありますが、訓示的な意味を持つておるわけであります。これらの点に関しましては、別途労働基準法にも、これとは多少違つておりますがございます。特に選挙の重要性に鑑みまして、こういう規定を置いた次第であります。
 第八につきましては、衆議院議員の選挙法、参議院議員の選挙法等にもこういう規定がありまして特別の場合の特例の措置でございます。
#13
○橋本(登)委員 第三の定数の問題ですが、これは区制の問題がからんでおりますから、ここでに保留する以外に方法がないではないでしようか。
#14
○三浦参事 ただいま御質問のあつた第三の点ですが、ことに第二項参議院議員の定数の問題は、全國区とも関連いたしておりまして、小委員会におきましても一應保留になつておつた点でありました。
#15
○橋本(登)委員 なおちよつとお聞きしたいのですが、等七に「選挙の取締に関する規定を嚴格に執行し」とありますが、これは法律用語としてあるのですか。法律執行に嚴格というのはおかしいと思いますが、嚴格という言葉がはたしてあるのでしようか。
#16
○三浦参事 これは先ほど申しましたように、昨年の衆議院議員選挙法の改正の際に入れました規定とまつたく同様であります。規定を執行するというようなことでも、もちろんよろしいかと思われますけれども、特にその点を強調いたしまして、檢察官その他こういう関係の人たちの取締りの公正の確保を期せしめよう、こういうことを強調する意味で特に「嚴格」と書いているわけであります。
#17
○橋本(登)委員 選挙の公正を確保しなければならないというのであるから、その上に嚴格にということもないと思います。こまかい点ですが御考慮願いたい。
#18
○三浦参事 その点はごもつともと思いますが、往々にして選挙の関係につきまして、取締り当局の方で手かげんをするというようなことも、過去におきましてはいろいろ問題になつた点でありますので、嚴格に執行するということを特に規定する方がよかろう、こういうような意味からその表現が用いられたのでありまして、現在の衆議院議員の選挙法にあります規定とまつたく同様であります。
#19
○栗山委員 今付議されておりますのは法案の名称と第一章でありますが、法の名称につきましては小委員会において、一應こうしておこうというふうな結論であつたと思います。從つてむしろわれわれは本委員会の席上で、さらによく法の名称が練られることを含みとして残しておつたわけでありますが、全部を検討したあとで応じられることは、この中に盛られております要件の中に、あるいはビラを何枚にするとか、はがきを何枚にするとか、事務所を何箇所にするとか、現在の経済事情に制約されて、やむを得ずある程度かげんをしたというようなこともたくさん入つている点を考慮いたしますと、選挙基本法案の基本という文字が、あくまでもいるかいらないかというような点が、小委員会の委員の一人としても、そのときにさような含みがあつた点にかんがみて、この委員会で、今とは申しませんが、適当な機会に御檢討いただくことが望ましいように思つております。
#20
○佐竹(晴)委員 この基本法という文字を用いますと、この以外にまた巨細ないろいろな規定を設けた挙法があることを予想される氣持がいたします。しかしただいままで練られておりまする案によりますれば、実に微に入り細にわたつて、各種の選挙の全部について規定をいたしておりまして、この基本法のほかに何か別の法律があるかのごとき想像を許さないまでに規定されております。だからこれはもう基本法などという文字は用いないで、あるいは公職に関する選挙法とかいつたような文字で表現をすることが適当ではないかと私は考えます。
 それからいま一つ、先ほど御意見が出ておりました「嚴格に執行し」というこの文字は、むしろこれは」公正に執行し」とやつて、それで次に、公正に執行すると同時に檢察官や公安委員会の委員などが不当に干渉するようなことを排除する、その反面のことをも、うたつておく必要があるのではないか。嚴格に執行するといつて、その面からだけ規定をいたしておりますが、他面檢察官やその他かみだりに干渉することをいかにも慫慂しているかのごとき感じを與えることは、民主主義の選挙法として適当ではない、こういう感じがいたします。從つて私はこのもじは適当に練るべきではないかと考えます。
#21
○生田委員長 ただいま御意見のありました、基本法の名前でありますが、これは基本法ときめました際には、教育委員の選挙法も入つていなかつたので、必ずしも全部を包含したものでないという建前をとつておつたのでありますが、今日では教育委員の選挙も入りましたから、基本法の本質がややかわつて来た、こういうような感じを受けております。小委員会では、なおこれを研究題目として含みある御意見で残しておるわけであります。これは委員長の手元においてなお研究いたしまして、もし適当な名前が見出し得ましたならば修正をいたしたいと思いますが、いかがでありましようか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#22
○生田委員長 ただいま佐竹委員から、第七の、嚴格に執行する、この嚴格という文字について御意見がありましたが、事柄を嚴格にするのだから、嚴格ということは公正ということも含またておると思うのであります。しかし修正の御意見が多数であれば、修正をしてもよろしいのでございますが、いかがでしようか。
#23
○橋本(登)委員 ただいま佐竹委員の意見に賛成ですが、これは適当な言葉を事務当局において御研究願います。
#24
○栗山委員 それでいいではないですか、ひとつ研究してもらいましよう。
#25
○佐竹(晴)委員 適当に御研究の結果いい案が出れば、字句の修正でしかるべく願いたいと思います。
#26
○生田委員長 御承知いたしました。
 それでは第一章は御異議ありませんか。
#27
○小平(忠)委員 今の基本法の名称の問題ですが、ただいまの委員長の説によりますと、委員長の手元で適当な名称があれば檢討を加えるという話であります。けつこうだと思いますが、ただこの場合、すでに教育委員の選挙に関しましてもこの要綱の中に入つておりますし、それから基本という文字を使つた場合には、通念としてその他具体的なものがさらにあるという観念をもたれがちであります。今日の委員会で、基本という文字は使わないで、他に適当な文字があつたならば入れる、基本という文字は使わないという方向に進めていただきたいと思います。
#28
○生田委員長 大体皆さんの御意見がそういう方向だと委員長も考えております。
 次に第二章を議題といたします。非常にここはややつこしくなつておりますから、一應朗読します。
    〔参事朗読〕
  第二章 選挙権及び被選挙権(選挙権)
 第九 日本国民で年齢満二十年以上のものは、衆議院議員及び参議院議員の選挙権を有する。
 2 日本国民たる年齢満二十年以家の者で三箇月以来市町村の区域内に住所を有するものは、その属する地方公共團体の議会の議員及び長並びにその教育委員会の委員の選挙権を有する。
 3 引き続き三箇月以来市町村の区域内に住所を有していた者で天災事変等に因りやむなく住所を移したためその属する市町村の議会の議員及び長並びにその教育委員会の議員の選挙権を有することができなくなつたもの、又はその者若しくは海外引揚者で市町村の区域内に住所を有する至つたがその期間がまだ三箇月に達しないものは、当該市町村の選挙管理委員会にその旨の申出をすることにより、前項の規定による住所に関する要件にかかわらず、当該市町村の議会の議員及び長並びにその教育委員会の委員の選挙権を取得することができる。
 4 前項の規定により選挙権を取得した者は、当該市町村を包括する都道府縣の議会の議員及び長並びにその教育委員会の委員の選挙権を有する。
 5 第三項の規定により住所を有する市町村以外の市町村において選挙権を取得した者は、その住所を有する市町村においては、第二項の規定にかかわらず、地方公共團体の議会の議員及び長並びに教育委員会の委員の選挙権を有しない。
 6 第二項の三箇月の期間は、市町村の配置分合又は境界変更のため中断されることがない。(被選挙権)
 第十 日本國民は、左の各号の区分に從い、それぞれ当該議員、長又は委員の被選挙権を有する。
  一 衆議院議員については年齢満二十五年以上の者。
  二 参議院議員については年齢満三十年以上の者。
  三 都道府縣の議会の議員についてはその選挙権を有する者で年齢満二十五年以上のもの。
  四 都道府縣知事については年齢満三十年以上の者。
  五 市町村の議会の議員についてはその選挙権を有する者で年齢満二十五年以上のもの。
  六 市町村長については年齢満二十五年以上の者。
  七 教育委員会の委員についてはその選挙権を有する者で年齢二十五年以上のもの。
 3 前項各号の年齢は、選挙の期日により算定する。
  (選挙権及び被選挙権を有しない者)
 第十一 左の各号に掲げる者は、選挙権及び被選挙権を有しない。
  一 禁治産者
  二 懲役又は禁錮の刑に処せられその執行を経るまでの者。
  三 懲役又は禁錮の刑に処せらた、その執行を受けることがなくなるまでの者(選挙犯罪以外の犯罪に因る刑の執行猶予中の者を除く。)
 2 選挙犯罪に因り選挙権及び被選挙権を有しない者については、第二百五十二條の定めるところによる。
#29
○橋本(登)委員 第九の二項の「三箇月以来市町村の区域内に住所を有する」――この三箇月ですが、これは名簿の異動、そういう事務的の必要上からの期間だと思うのですが……。
#30
○生田委員長 これはずつと前に進みますとわかるのですが、基本名簿と補充名簿と二つこしらえておる。基本名簿を先につくつて、いろいろあとからできたものはその補充名簿の方にはめることにいたしますから、事務上あまりさしつかえはない、こういう考えであります。
#31
○橋本(登)委員 ですから、三箇月の必要がありますか。これは基本的な権利なんだから、その日越して來ても入れるようにしてやるのがよいのですが、実際上そういう名簿作成の必要上、ある程度の期間はいるので、その場合せいぜい一箇月ぐらいあつたらよいのじやないですか。
#32
○生田委員長 從來は御承知のように二箇年であつた。それがだんだん短縮せられて六箇月になつておる。今度三箇月にいたしたのでありますが、あまり接近すると、いろいろの事情で町役場が困るだろうと思う。
#33
○橋本(登)委員 その期間が一箇月あれば十分じやないかというのです。
#34
○生田委員長 町役場の方は、選挙事務ばかりでないのですから、私も町村長をやつておりましたが、一箇月ぐらいでは非常に困るのじやないかと考えまして、今回は三箇月にしたわけです。
#35
○藤枝委員 今お話になつておる第九の二項は、これは地方公共團体の議会については、その市町村に三箇月以上住居しなければならぬとして、三箇月以上の住居というものを選挙権の要件にしておるようでありますが、元のように二年とか一年とかということならば、その意味が深いのでありますが、三箇月ということになと、そこにいる者がそこの地方公共團体の選挙権を有するのだという、選挙権の要件としては、もうあまり意味がなくなつて來たのではないかと思うのであります。そういう意味では、衆議院議員あるいは参議院議員の選挙権と同じように、登録の要件に三箇月ということをつけられるのはいいのですが、選挙権の要件に三箇月を置く必要は、もうなくなつたのではないかというふうに私は考えております。
#36
○三浦参事 ただいまの第九の第二項等に関連いたしました事項につきましては、小委員会におきましても、いろいろ御議論のありました点でありまして、全然選挙権の要件から居住要件をはずすかどうか、あるいは從來通りに六箇月の要件を置くかどうかという点で、いろいろ議論されまして、結局地方公共團体の議会の議員及び長の選挙等につきましては、地縁関係をやはり重く見るということが、いずれにしても必要ではなかろうか、こういうようなことから、選挙権あるいは被選挙権の要件としての三箇月の住所要件というものは、やはり置いた方がいいじやないか、こういうことになりまして、六箇月を三箇月には縮めるけれども、やはり住所要件は必要だ、こういう結論になりましたわけであります。なお、この三箇月直接関連しないでも考え得られますけれども、先ほど委員長からもお話がありましたように、選挙人名簿作製につきましては、選挙管理委員会ともいろいろ打合せましたが、最小限やはり三箇月はいる、こういうような手続上のこともありますので、それとも歩調を合せまして、三箇月という住所要件を残すことになつたのであります。
#37
○藤枝委員 御説明はわかるのでありますが、私の申し上げるのは、元のように二年とか一年とか――六箇月というのもどうかと思うのでありますが、とにかく相当長期間そこに住んでいる者に、そこの地方公共團体の選挙権をやるのだ、被選挙権をやるのだという意味ならば、これは相当意味があると思うのであります。しかし三箇月と短縮しますと、意味が遅くなるのではないか。とすれば、統一するためには、ただ登録要件に三箇月というものを持つて行つただけでも足りるのではないかという氣がする、こういう意味なのであります。
#38
○生田委員長 他にこの第二項について、御意見はありませんですか。
#39
○佐竹(晴)委員 その三箇月の根本的問題は、前にお述べになつた方の御意見もごもつともと思いますが、それについで、住所を移轉した場合に、天災地変等によりやむなく住所を移した場合だけを特別扱いする理由がわからぬと思います。たとえば、天災地変でなしに、任官するために住所を移したような場合です。天災地変のような場合にはこういう保護規定を置くが、任官で住所を移轉した場合に保護しないというようなことは、これはどうもあり得ないと思うのです。むしろそういう場合にこそ特別扱いされることが一番必要でありますので、天災地地変に因りやむなく住所を移した場合といつたような條件をのけまして、やむを得ない事情によつてとか、あるいは住所を移したる場合においてもとかいつたような、廣い規定にする方がよいのではないかと思うのでありますが、法政当局の方の御意見はどうでございましよう。
#40
○三浦参事 第九の三項につきましては、現在地方自治法に規定してございます。そのままの規定でございますか。この点に関しましては、むしろ全然これを削除したらばどうかというような意見も、ある方面ではあるようでございますが、しかしながら、一應この規定はこのままに残したわけであります。ただいまおつしやいましたような点に関しましては、実際の取扱いは、選挙管理委員会に伺つてみないとわかりませんが「天災地変等に因り」という「等」の中で、ある程度天災地変以外の場合の取扱いもこれで認めておるのではないかとも考えております。なおまた、かりに「天災地変等に因り」ということをとりますと、むしろ元の所でも、移つた所でも、どういう場合でも、どちらにも一應選挙権の要件として住居を認める、こういうことになりまして、本來の建前たる地方公共團体の作所要件ということから言いますと、むしろそこまで廣げない方がよいのではなかろうか、むしろこの規定は狭めて解釈した方がよいのではなかろうかというような氣が、一應私としてはいたしておるわけでございます。しかし、ただいま御指摘の点は「天災地変等」の解釈によりまして動いておるといたしますれば、よろしかろうと思つておりますが、その点につきましては、全國選挙管理委員会から話をしていただけばよいと思つております。
#41
○佐竹(晴)委員 今のお説でありますけれども、轉勤したような場合、これは「天災地変等」と例示してあります文句の中に当てはまるような場合ではないと思います。ところが轉勤したような場合は、最もよく保護してやらなければならぬ。天災地変で住所をやむなく移した場合に保護するのに、轉勤を命ぜられて、やむなく住所をかわつたときに保護しないという理由は、どうしても成り立たぬと思う。もし例示の言葉を用いるならば、そういつたような場合をも含むような適当な文句に直すべきだと私は考えます。
#42
○橋本(登)委員 二項、三項を削除されてはどうですか。とにかく引揚者が三箇月の規定によらなくてもできるということがあるのですから、今の轉勤の場合も同様でして、今外地に支店は持つていないかもしれないが、台湾からこつちに轉勤して來たらできないということになる。
#43
○中川委員 「天災地変等」の所へ今佐竹さんの言われたようなことを入れたらどうですか。たとえば今佐竹さんが言われたようなことを入れないでおると、地方の選挙管理委員会なんか、轉勤ということがないからというので、認めぬような場合があるかもしれないと思います。市町村吏員は融通がきかぬですから……。
#44
○生田委員長 佐竹さん、具体的に言うと、どういうふうに直したらいいですか。
#45
○佐竹(晴)委員 私はむしろここに書いてあるやむを得ない事情により住所を移したる場合というようなことを、一般的なことに規定したらどうかと思うのです。せつかく法制局がお考えになつておる通り、やむを得ない事情がないのに、特に選挙の関係において、選挙権を得るためにあちらへ移したりこちらへ移したり、盛んに策動する用に供せられては困るという御心配でございましようから、それを防ぐ規定で十分であると思います。それで天災事変に限つて、またこれに例示されたような疑似の場合以外は認めぬといつたようなことに、私は妥当でにないと思います。相当の事由によりとか、あるいはやむを得ない事情により住所を移したる場合とか、こういつたような文字でいいじやないかと思います。それをもしお認めになれば、それは字句修正で、適当に御研究せられて御修正なさいましてけつこうでございます。
#46
○生田委員長 これは大体現行法によつておるのでありますが、――御修正になるのはむろん御自由なのですが、非常に天災地変がいけないということになれば格別ですが、どうでしようか。
#47
○佐竹(晴)委員 もし例示の言葉としてぜひ天災地変を存じておきたいということになれば、それへ天災事変あるいは轉勤等やむなき事情によりと、こうする……。
#48
○生田委員長 それでは一應これは法制局でよく考えておきましよう。おまかせ願います。
#49
○佐竹(晴)委員 ただ轉勤なら轉勤等という言葉を加えて、もう少し天災事変というような限られた絶対的な不可抗力の場合のみに限らずに――あるいは轉勤等もある意味においては不可抗力かもしれませんが、そういつたものでない、任意に住所を移した場合でも、あるいは子供の教育のためにやむなく住居を移さなければならなかつた場合、そういつたような場合は私はいいと思います。だから轉勤等といつたような文字を加えるか、それはしかるべくお使い願つてけつこうでございますが、天災事変に限つてそういうことを例示とすることは私はどうかと思うのでございます。
#50
○三浦参事 ただいまの轉でございますが、第九は選挙権の要件をここに書いてございまして、第十九から以降に選挙人名簿の規定があるわけでございます。その期間を從來の六箇月から三箇月に短縮いたしましたので、かりに三箇月の期間で問題にいたしまして、轉勤等の事情によつてその期間に満たない人がありました場合におきましても、補充選挙人名簿には、たいがい載り得るだろうと思うのであります。それに補充選挙人名簿はその選挙の期日ごとに常につくることになつておりますので、実際問題といたしましては、そちらの方で処理できるかと思いますので、ここの選挙権の要件といたしましては原則的にかようにいたしておいてはいかがかと思うのでございます。
#51
○佐竹(晴)委員 そういうことだとすると、やはり根本の問題にさかのぼつて、だれかの御意見のように、これは根本から削つてしまつたらいい。天災事変の場合に移轉して補充の規定が必要で、轉勤の場合に必要でないと区別をする理由はちつともありません。轉勤の場合に補充することができる。そうしたら天災事変で移轉してもやはり補充できるのでありますから。その必要はないといつたようなことになれば、だれがの御意見のように一切こういつたことはとつてしまつた方がいいと思います。
#52
○栗山委員 私も小委員会の一人として責任を感ずるのでありますが、佐竹さんの御意見のように、天災事変だけの例示では、あまりに幅が狭まつておりますから、天災事変の次に、轉勤という法律上の用語があるかどうかしりませんが、轉勤に該当する法律上の用語を入れて、例示を二つとして、「等」として、このままお認めが願いたく存じます。
#53
○鈴木(義)委員 どちらでも大した問題ではありませんが、しかし実際問題として今疎しておる人が多い。それで私どもの選挙のときにも、選挙人名簿のある家族のおるところへもどつて、仕事は別な町でしております。ですから自分がその町に三箇月以上居住しておると主張すればできますが、せずに遠い二十里も離れたところへ帰つて選挙の投票をして來るというようなけなげな人もあるが、大体棄権する人が多い。そういう場合を考えるとむやみに選挙人名簿を登録がえすることは非常に危險を伴うので、そういう点を考慮して修正をよくお考え願いたいということを注文いたしておきます。
#54
○生田委員長 速記をやめて。
    〔速記中止〕
#55
○生田委員長 速記を始めて。
#56
○中川委員 これはむしろ天災事変と轉勤を入れないで、やむを得ざる事情のためにとしたらどうですか。たとえば轉勤とか天災地変でなく、ほかにやむを得ざる事情で移る場合もあるのですから……。
#57
○生田委員長 今確定はしておりませんけれども、委員長の考えとしては、天災事変または轉勤等やむを得ざるとしたらいいのじやないかと思つておりますが、これは法制局とよく協議してきめたいと思いますからおまかせ願いたいと思います。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#58
○生田委員長 御異議ないと認めます。第二章はこのまま決定してよろしいですね。
#59
○橋本(登)委員 事務当局にちよつとお尋ねしますが、選挙人名簿は衆議院議員の選挙も使えるように、一本におつくりになりますか。
#60
○三浦参事 そういうことになります。
#61
○橋本(登)委員 そうなるとこれを置くことによつて、幾らか煩雑さが少くなるということはあり得ないのじやないですか。
#62
○三浦参事 それは三箇月という要件がありますと、その方が煩雑だろうと思います。しかしながらそれは選挙人名簿の登録の手続が煩雑であるとかないとかいうような問題とは別個に、地方公共團体の選挙権というようなものは、地縁的なつながりを重視して考えるか、あるいはもうどこからでも、一日でもその土地に入つて來た人であれば、常に地方公共團体の選挙権を國会議員の選挙権と同じように與えるかどうかという、地方自治の本旨の問題とも関連する問題だろうと思つております。
#63
○橋本(登)委員 前の説明ではそうではなく、名簿が四割五割変更されて容易じやないということをおつしやつたが、しかしそれはこの問題じやなくて、国会議員の場合において当然それは訂正が行われるのだから、先ほどの説明は説明になつておらぬじやないですか。あなたの主張は、地方自治体であるがら地方に幾らかでもおつた者でなければならぬ、こういう見解です。先ほどの説明は名簿が、そうでなくとも四割、五割変更されてしまう、これをやるとなおさらほとんど全部がなつてしまうのではないか、こう言うけれども、実際上は衆議院議員の選挙人名簿をこれに充てるのですから、それらに関しては全然関係がないと思います。
#64
○生田委員長 その他に御意見はありませんですか。この問題に対しては先刻申し上げましたように、大体天災地変並びに轉勤等やむを得ざる事情がある場合というふうに直したいと思うのです。なおこれは決政局とよく相談いたしまして決定いたしたいと思います。
#65
○橋本(登)委員 次の第十の被選挙権の年齢の問題ですが、これはものによつて被選挙権の年齢が違つております。小委員会においては年齢を、たとえば衆議院議員の二十五年、参議院の三十年となつておるが、それにつき大体統一する、三十歳でなくても、二十五歳になつても才能においては違いはないというのですが、そういう考えの意見は出なかつたのですか。
#66
○生田委員長 衆議院の方の二十五才は御意見はなかつたのです。参議院の方は四十才に引上げたらどうかという御意見がありましたが、結局三十歳でまとまつたわけです。
#67
○橋本(登)委員 この被選挙権の年齢を一應統一する。実際上の能力者であればいいのですから、たとえば都道府縣知事については満三十歳以上というように、いろいろ違つたことがありますが、才能を持つておるといふ建前であるならば――その他の理由があるならば別ですが、同じように満二十五才の年齢でもつて一本建にしてよろしいのではないかと思いますが、それについての御意見にありませんでしたか。
#68
○生田委員長 衆議院に対しては御意見はありません。
#69
○橋本(登)委員 いや衆議院じやなく全部です。
#70
○生田委員長 参議院に対しては、年齢をもつと引上げたらいいじやないかというふうな御意見はあつたのですが、その他に対しては御意見は別にありません。――御意見がなければ異議ないものと決定いたします。
 進行いたします。第三章選挙に関する区域、これは先刻申し上げましたように選挙区の問題は全般的に保留になつております。
#71
○栗山委員 議事進行について、一應留保になつておる事柄及びきわめて事務的な事柄はここで逐條審議をするひまがあればあとですべきだろうと思いますが、この委員会は意向を一通りまとめて本院に報告をするという立場でありまして、最後決定を決に問うてもしなければならぬという建前でございませんから、時間を節約するという意味で保留になつておる事柄及びきわめて事務的な事柄は、今すぐというとごらんになつていらつしやらぬ方が多いようですから、委員各位によく見ておいていただいて次の日なら次の日から次の日にお諮りになられたらいかがですか。
#72
○生田委員長 ただいま栗山委員の御意見がありますが、実は四時までと思つたのですけれども、議案をよくごらんになつておらぬことは栗山委員のおつしやる通りでありますから、本日はこの程度で散会しまして、よく議案をごらんを願つて明日午前十時から開会いたしたいと思います。御異議がなければさよういたします。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後三時三十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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