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1949/05/14 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 政府支払促進に関する特別委員会 第3号
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1949/05/14 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 政府支払促進に関する特別委員会 第3号

#1
第005回国会 政府支払促進に関する特別委員会 第3号
昭和二十四年五月十一日
 小峯柳多君、澁谷雄太郎君、島村一郎君、庄
 司一郎君、上林與市郎君、千葉三郎君、河田賢
 治君及び逢澤寛君が理事に当選した。
    ―――――――――――――
昭和二十四年五月十四日(土曜日)
    午後一時三十五分開議
 出席委員
   委員長 岡野 清豪君
   理事 小峯 柳多君 理事 澁谷雄太郎君
   理事 島村 一郎君 理事 千葉 三郎君
   理事 河田 賢治君 理事 逢澤  寛君
      大上  司君    鹿野 彦吉君
      小山 長規君    首藤 新八君
      高間 松吉君    中村  清君
      南  好雄君    今澄  勇君
      西村 榮一君    荒木萬壽夫君
      川上 貫一君    内藤 友明君
 委員外の出席者
        参  考  人
        (日本産業協議
        会産業部長)  仲矢 虎夫君
        参  考  人
        (日本産業協議
        会産業部次長) 乙幡 近治君
        参  考  人
        (日本産業協議
        会産業部員)  三浦喜代一君
        参  考  人
        (帝國銀行取締
        役審査部長)  淺生 信一君
        参  考  人
        (帝国銀行審部
        次長)     小山 五郎君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 閉会中審査に関する件
 政府支拂促進に関する件
    ―――――――――――――
#2
○岡野委員長 これから開会いたします。
 まずお諮り申し上げたいことがございますが、閉会中の審査の件についてであります。本委員会といたしましては、その使命の重大性に鑑みまして、また会期も切迫いたしております現状によりまして、当然閉会中も継続して審査をしなければならねと思いますが、この点はいかがでございましようか。皆さんにお諮り申し上げます。
    〔「異議なし」呼ぶ者あり〕
#3
○岡野委員長 御異議がないと認めまして、さよう決定いたしました。閉会中でも継続して審査することにいたしたいと存じます。これは國会法第四十七條第二項の規定により、議院の議決を要することになつておりますので、それらの手続に関しましては、委員長に御一任くださるようにお願いいいたしますが御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○岡野委員長 それでは御異議なしと認めまして、さよういたします。
 次に十一日の理事会において、まず政府支拂いの現状について関係者から御意見をお伺いすることに申し合せをいたしておりまして、本日は日本産業協議会から日本産業協議会の産業部長であられる仲矢虎夫さん、岡部の乙幡近治さん、三浦喜代一さん、また帝國銀行からは取締役の審査部長蒲生信一さん、同行審査部第三課長の小川五郎さんにおいでを願いまして、いろいろ御事情を伺いたいと存じておりす。これらの方々を参考人として御意見を聴取するに皆さん御異議ないことと存じますが、いかがでございますか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○岡野委員長 異議ないと存じます。それではこれから皆様方のお話を伺うことにいたします。
 皆さん方におかれましては、非常に御多忙中を特にお繰合せ御出席くださいまして、まことにありがとうございました。ただいまからお願いいたしたいと存じますが、実は時間の制約がございまして、大変おせき立てさせるようでございますけれども、お一方約二十分程度にお話をお願いいたしたいと思います。お話は発言台にお立ちを願つてやつていただきたい。また御発言の際には、皆様の御職業と御氏名をお述べいただくようにお願いいたします。それでは仲矢虎夫さんにお願いいたします。
#6
○仲矢参考人 私、日本産業協議会の産業部長を勤めております仲矢でございます。初めに私から、この政府支拂いの促進の問題を日本産業協議会が取上げましてから今日に至るまでの活動の経緯及び調査の結果の概略をご報告申し上げまして、なおあとで、それらの具体的な調査の結果に基いての具体的な御説明は担当の者から申し上げることにいたしたいと思います。
 政府支拂いの遅延の問題は、昨昭和二十三年度本予算の成立が遅れまして、暫定予算が行われることになり、また昨年の六月下旬以降物價の改訂が行われて、價格水準が変化いたしました結果、各省とも大体におきまして、昨年の六月物價改訂以降の支拂いが渋滞しておるようになつた次第であります。ところが他方産業界におきましては、逆に物價の改訂によつて設備資金ないし運轉資金も所要額が増大するに至り、さらにまた金融の引締めに基きまして金繰りが逆に非常に困難になつて参つた次第でありまして、そのために政府支拂いの遅延を打開促進するために、当会におきましては御承知のごとく経済団体連合会と協同いたしまして、八月にこのための事業金融委員会というのが日本産業協議会の中に常設されておりますが、事業金融委員会を中心として昨年の八月からこの問題を取上げることになつた次第であります。まず最初に政府支拂いの状態がどういうようになつているかということを取調べるために、昨年の九月に大蔵省当局を産業協議会の方に招請いたしまして、事情を聴取いたしました。大体におきまして大蔵省方面におきましては、実態がどうもつかめていなかつたためにはつきりした御回答をいただくわけに参りませんでしたので、具体的な結論には達しなかつたのでありますが、当日の会合におきまして、日本産業協議会に実態の調査を依頼したい産業協議会に実態の調査を依頼したいという申出がございました。なおその席上いろいろな懇談がありまして、そのときのフリー・トーキングでございましたが、当時の業界の希望としましては、その当時まで行われておりました前渡金のパーセンテージを三割程度くらいのものならば、たとえば七割程度に上げてもらいたいとか、あるいは支拂いが遅滞した場合におきましては、民問の慣例榊にならいまして延滞利子を支拂つてもらいたいという希望が、その大蔵当局との懇談会の席上の自由討議におきまして、自由な要因が出た次第であります。ところが何分にも先ほど申しましたように実態がはつきりしておりませんので、まず何よりも実態をつかむことが必要であるということを痛感いたしまして、産業協議会におきましてには、大体この問題に関連が深いような会社を選定いたしまして、九月の上旬におもな会社大体二十社に対して調査表を配りまして、回答を求めた次第でございます。大体その内容といたしましては、当時その調査のときは昨年の九月でございますが、さかのぼりまして、同じ年の一月から八月までの各月別に調査したその詳細な内訳を、項目を指定しまして、調査表に記入していただくという方法でやつた次第でありますが、大体回答をいただきましたのが二十社ございました。それで実はその回答の調査の結果を大蔵省初めその他関係方面に配付いたしまして、注意を換起した次第でございます。ところがその後一時はそういうような輿論と申しますか、声があがりましたので、支拂いが促進された感があつたわけであります。ところが今年の一月以降一月、二月に至りまして、再び政府支拂いの遅延が見られるようなことになりました。そこで先ほど申しましたこの問題を取り上げた事業金融委員会におきましは、二十四年の二月に政府支拂いの促進に関する要望書といつたような意見書を作成いたしまして、これを発表し、さらに関係当局にこれを建議いたしました。その建議の内容といたしましては、先ほど申しましたように金融が引締められ、さらに徴税が強行されたために、産業界における金詰まりが非常にひどくなつたから、この際将來に対して再びこの政府支拂いが遅滞するような事態が発生しないように、つまり單にお役人の手心によつて、親切によつてその事務を敏活にするというようなことでなしに、何か規則的に、いわば機械的に、自動的に促進が行われるような機構的措置を講じてもらいたいというのが大体その建議の趣旨でございました。さらに今年の三月十五日に日本産業協議会の会員総会がございました際に、この問題は産業界にとつて非常に大きな問題でありますので、緊急動議としまして政府支拂いの促進に関する決議が上程されまして、満場一致をもつて可決された次第であります。その大体の趣意は前に申しましたこととかわりはないのでありますが、特に延滞利子の問題であるとか、あるいは概算拂いの問題であるとか、あるいは先ほど申しましたような具体的な手続が機械的に行くような措置を講じてもらいたいというようなことが大体の内容で、さらにそれに附け加えまして、当時税金の問題がやかましい問題でありましたので、徴税の強行とこの政府支拂いの問題との時間的なずれの問題、時間的な調整をはかつてもらいたいというようなことが要望された次第であります。そうして産業協議会といたしましては、この総会の決議をもつて関係大臣に建議をいたしました。ところが、これに対しまして、大蔵省では問題の重大性にかんがみまして、主計局長、理財局長、さらに管理局長の三局長名をもちまして、日本産業協議会あてに、さらに最近における、特に三月十五日現在における政府の未拂い問題ににつきましての具体的の調査を依頼して参りました。この調査の内容は大蔵省がじかにこれこれこういう項目について調べてもらいたいというような項目のフォームまで向うから希望がございまして、実はそれに基きましてさらに具体的な調査を進めた次第であります。大体におきまして調査は日本産業協議会傘下に加盟しております、大体この問題に関連の深そうな百六十社に対して照会状を発しました。これに対しまして、お手元に差上げてあります表がその中間報告でございますが、現在まだ回答が少しずつあとから集まつておりますので、中間報告以後に提出された所でございます。これに三月十日現在におきます政府支拂いの遅延状況の報告でございまして、調査項目は御承知の通りそれに書いてございますが、相手方のどういう官廳が未拂いになつておるか、その相手方官廳、それから契約物件、契約の納期及び金額、それから契約物件、契約のなつておる金額、未拂いになつた原因というような問題であります。詳細はあとで御説明申し上げることにいたしまして、お手元に差上げた表をごらんになつていただきたいと思いますが、特に問題になります点は、車輌並びに機械関係の部門でございまして、この車輌、機械、特に通信機械、車輌と通信機械部門におきましては政府支拂いの遅延がになはだしく、特に御承知のように正式の契約ができない前に事前割当あるいは内示発注による納入品が相当ございます。それで四月十八日にこの車輌並びに通信機械のメーカーの方にお集まりを願いまして、実情聴取の懇談会を行いました。車輌関係におきましては特に日本車輌鉱業協会並びに関係会社においでを願いまして、詳細な実情報告をいただきました。なおこの報告につきましは、参考資料ができておるのでありますが、いただきましたものが部数がたくさんございませんので、委員長の手元にだけ一部お届けしてございますから、御参考に願いたいと思います。大体車輌におきましては特に問題は――これはほかの産業においても同じことでありますが、新規の予算が予定ほどとれなかつたために、未拂いの部分をその中から支拂つてしまいますと、今年度の新車の発注がほとんど言うに足りない数量になり、従いまして車輌関係、通信関係におきましては、その企業の経営という問題の根本問題まで危うくするような事態に今当面している次第であります。特に車輌及び通信機に関しましてはこういう重大な事態に当面いたしましたので、実は昨日運輸省及び逓信省の担当局長の方においでを願いまして、現状並びに将来の見通しについての懇談会を持ちました次第でありまして、大体におきまして昨日の御説明では逓信省、運輸省ともに政府支拂の遅延はほとんどないような御報告をいただたいた次第であります。これはちよつと委員長には先ほど申し上げたのでございますが、大蔵省の調べによります支拂いというのは、御承知のごとく正式に政府支拂いの計画が大蔵省で認証になりまして、さらにそれが国庫の支拂いになつておるものとの対照でございまして、従いまして支拂いの認証になつた金額と現実に国庫から支出された金額との差額だけが政府の未拂いになつておる次第でありまして、大体三月末日で四百二十二億になつておるのでありまして、四月になりますと、ぐつと支拂いが促進されまして百五十七億程度に減つております。しかしながらここでちよつとご注意をお願いしたいと思いますのは、大蔵省の調べによります支拂いの金額は、先ほど申しましたように大蔵省で支拂い計画が認証済みになつたものについての金額でございますので、先ほど申しましたように、正式に契約ができていない内示発注部分は、おそらくはこの支拂い計画の認証の中には入つていないのではないかと私どもは推察しておるわけであります。従いましてその支拂い計画の認証になつていない内示発注部分をこれに加えますと、おそらくはこれよりもつと大きな未拂額が残つておるはずであると私たちは考えておる次第でございます。なお当日これは御説明申し上げることもありませんが、内閣に監査会ができたこと、さらに大蔵省に調査室ができたので、大蔵省の担当者としては、政府の未拂いになつておるものはどんどん一々具体的な事例を提出していただいて苦情を申し出て来ればしかるべく大いに努力して支拂いの促進にあたるというような御回答がございました次第であります。
 なおこの問題は政府支拂いの問題に関連いたしまして、同じように問題が各産業企業会社相互間にもございまして、特に顕著な問題は炭鉱の未拂い問題でございます。この問題は本日の問題とは直接の関係はございませんが、この問題につきましても、日産協といたしましては、それぞれ調査を進め、かつ対策を講じておる次第であります。
 なお私からは一般的な概論を申し上げましたが、詳しいことにつきまして、先ほど申しました車輌及び機械工業の事例、さらに具体的にある特定の機械製作会社の例でございますが、そういうものにつきまして御参考までに係の者から御説明申し上げたいと思います。私の報告はこれで終わらしていただきたいと思います。
#7
○岡野委員長 ただいまの仲矢君のお話につきまして御質問がございましたらどうぞ。――御質問がないようでございますから、次に移ります。
 それでは三浦喜代一さんにお願いいたします。
#8
○三浦参考人 日本産業協議会の三浦でございます。先ほど御説明いたしたと思いますが、こちらでつくりました政府支拂遅延状況の中間報告でございますが、これは大蔵省の御依頼によりまして約百六十社から報告をとりまして、これを一應整理したものでございます。今お手元にございます資料は、御覧になりまするとその通りでございまして、特にここで御説明申し上げるほどのことはないと思うのでありますが、まだ最終の報告に至つておりませんので、その項目につきましてまだいろいろ不完全なところがたくさんございます。それからまた個々の会社のその後の支拂いの状況や何かがどうなつておるかという点につきましても、一々これを問い合せましてその後の経過を聞きたださなければならない点もございますので、このままでははなはだ不完全にはございますが、大体ご注意申し上げる点を二、三申し述べたいと思います。
 まず契約金学徒代金受取未済額の件でございますが、この第一ページに契約金額、受取未済金額、未済割合、拂込資本金という項目を入れてございますが、これはこの第二ページの注に、「契約金額が代金受取未済額と同額のものは全契約金額を表示したものと見なされないから未済割合は記載しない、以下も同じ」とあります。これは多少訂正を要するのでありまして、契約金額は三月十日現在の未済部分を残しておるものを示しておるのでありまして、従つて契約金額で金額支拂済のものはこれを除外されておるわけでございます。従いましてこの代金受取未済額との未済割合は、たとえば契約金額と代金受取未済額が同額になつておりますのは、やはり一〇〇%未済割合になつておると見てよいのではないかと思います。
 それから次に納入時期でございますが納入時期につきましても、ここにある大部分は昭和二十四年一月ないし二月末のものが多いのでありまして、この中には昭和二十三年十一月とかあるいは二十二年の十二月とか、一箇年以上にわたつておるものもあるように見受けられますが、大体この納入時期から支拂いになります期間が平均いたして二箇月くらいになつておるわけであります。これは調査時期が平均して大体四月中旬に記入したものが多いのでありまして、その意味でこの数字をこのままお受取りになりますと、かなり間違いがあるのではないかと思います。
 それからこの表につきまして注意事項といたしましては、そのほかに造船関係で、第六ページにございますが、新造船の代金受取未済額の中には既工事内拂いというようなものを四五%計上しておるものも入つておるのでありまして、造船関係でございますと、非常に長期間にわたる工事でございますから、延滞日数が非常に長いというようなかつこうになつておりますが、そういう点も考慮しなければならぬと思うのでございます。大体この中間報告は今申しました通りまだ最終報告のものでございませんから、非常に不完全な点もあると存じます。これを若干補正いたしまして、これは皆さまのお手元には差上げてございませんが、このうちの機械並びに車輌関係の政府支拂いの遅延状況を調べたものがございますが、それによりますと、大体この中間報告以外のものを加えまして、十三社につきまして調べたものでございます。特にその内示分につきましては、これよりも詳細に調べました結果、大体内示の割合が五〇%くらいになつておるものが非常に多いという点と、それから三月十日以後入金になつたものが若干出ているのでございます。それによりますと、中には四月末におきまして、入金済みになつておるものも若干ございますが、また部分的な入金は相当ございますが、その受取り未済額と入金額との割合が約一箇月の間に官廳側のいろいろの御説明によりますと、四、五月には促進されることになつていたようでございますが、まだ非常に少いようでございます。多いので三〇%、六〇%くらい入金になつたものもございますが、大体一七%か一二%、それが四月下旬までのものが多い。この関係はほかの業種にも大分通ずるものではないかと思うのでございます。ちよつと中間報告を補正する意味におきまして、それを申し述べておきます。大体中間報告の御説明としましては以上の通りであります。
#9
○小山委員 ちよつと質問いたします。中間報告書でございますが、契約してから納入するまでには相当の時間があるのが当然だと思いますが、契約金額でなくして、実は知りたいのは納入したものが幾ら未拂いになついておるか、こういうことだと思います。納入済みのもので、幾ら未拂いになつておるかというようなお調べではなかつたのでありますか。契約したものの未拂いではなくして――政府ではただ契約しただけでは金を拂つてくれない。納入して初めて未拂い、あるいは支拂いの遅延というものが起こるので、これは納入契約と支拂い未済との間の関係が知りたいのでありますが、その点資料はないのでありますか。
#10
○三浦参考人 それにつきましては、この表では大体竣工時期及び納入時期と、それから未済金額を対比したのでございまして、調査いたさなかつたのであります。ただ支拂請求提出の時期も入れて申しましたのです。
#11
○小山委員 ここに書いてある契約金額は支拂請求書を出した金額、こういう意味でありますか。それとも最初に契約した金額でございますか。ここに書いてあるような契約金額では意味をなさないのではないかと思います。支拂い遅延ということに対しては、納入したものの支拂い遅延が幾らあるかということが問題であつて、契約したものに対して幾ら納入したかわからないのに支拂い遅延というのは、表としての意味をなさないのではないかと言うのです。
#12
○三浦参考人 これは三月十日現在における状況でございますから……。
#13
○小山委員 むろんそうですが、支拂請求書を出して当然受取るべきものの代金という意味ですね。つまり支拂い時期が來ているにかかわらず、拂つていない、こういう意味でございますか。それともたとえば十万円の品物を去年の十二月なら十二月に契約したところが、品物を納めるのは三月に納める、そうして現在まだ支拂つてもらつていない。ここに書いてある契約金額というのは、去年の十二月の十万円契約したのが表示してあるのか、今年の三月に拂うべき金額が表示してあるのか、それを伺いたい。ただ契約しただけでは支拂い遅延といえない。納入して初めて支拂い遅延」ということが起るのです。
#14
○三浦参考人 それはそうです。
#15
○小山委員 ここに書いてあるのはどちらでございますか。
#16
○三浦参考人 納入した分でございます。
#17
○澁谷委員 ちよつと伺います。そういたしますと、先ほどのお話のときに支拂いの割当とか、あるいは内示発注というのがありますが、その御説明とこの表とは食い違いがあるのではありませんか。
#18
○仲矢参考人 納入は必ずしも契約がなくとも納入しておる。正式の契約がなくして内示発注がありまして、そうして製品が完成した場合に、まだ正式の手続上の契約が成立しない前に品物を納める。從つて金は契約ができていないからまだ支拂われないという事例が非常に多いわけです。
#19
○澁谷委員 その問題は政府支拂いの遅延というよりは、むしろ商取引を行うところの契約の仕方に欠陥がある、こういうことなのですね。
#20
○仲矢参考人 そういうこともあります。
#21
○澁谷委員 そういうことが主たる原因になつておりますか。
#22
○仲矢参考人 それもありますが……。
#23
○澁谷委員 鉄道車輌なんかの問題でもそういうことがあることを伺つておりますが……。
#24
○仲矢参考人 中にはそういうものもございます。
#25
○澁谷委員 たとえて申しますれば一般の商取引でありますれば、大きな契約をいたしますれば、かりに一億円なり十億円の契約をいたしますれば、もちろんそれだけの品物をつくりますにつきましては、ある程度までの契約金というものはたいていの場合においては前渡しされるわけであります。それから場合によりましては、工事半ばにおいて資金がいりますから、中間においてある程度までは支拂うという契約がなくてはならぬわけであります。最後の納入完了の時に初めて支拂う。そういうふうにいたしますと、この政府支拂いの遅延というこの意味合いにおいては、これらの三つの意味が含まれていなければならぬ。これだけだというと、どこがそういう状態になつているかということがわからない。
#26
○仲矢参考人 そういうものもありますし、それから先ほど私が申し上げましたように、予算がとれるはずで内示発注をいたしまして、あとから予算が予定通りにとれなかつたとか、あるいは物價改訂によつて物價の値上りの見込みが最初の契約当時とは違つて來たとか、そういうようなことで契約ができたものでも、あとで金額が値上りになつたために支拂いが不十分になつたというようなこともおそらくあると思います。今のお話のような事例もあるわけです。ですからやかましく言えば、それは契約が正式にできないのに、なぜ内示によつて物品を納めて、金がとれないので文句を言つたかという――やかましく言えばそういう手落ちがないわけではないのです。しかし從來そういうことは割に円滑に進行しておつた慣習もありますし、從來から前渡金なんか渡つておつてやつておつたというようなこともあります。確かにそういうようなやかましく言えば手続上の問題もあるわけです。
#27
○澁谷委員 これは私の質問としましては、日産協の方にもお尋ねするということは間違つておると思いますが、普通の商取引から考えますと、かりに契約が成立いたしましても、物價が変動されますならば本來から申しますれば、その中間において物價の変動によつて当然契約は更改されなければならね。ところが現在の支拂い遅延のかなり大きな原因が、中間の物價の変動に対する契約の更改というものが完全に行われていない。それであとで補正するというようなやり方をやつておるのが相当に大きな原因になつておるのではないかと思います。これはいずれ政府当局に厳重につつ込まれなければならねと思います。するとこの表には契約当時の價格があるのですね。
#28
○仲矢参考人 必ずしも契約当時というか――更改されたものもあるわけです。途中で更改されたのや、不十分であつたというようなことはあると思いますが、全部最初の契約通りの金額ということではありません。
#29
○澁谷委員 質問がダブつて來ますが、そうなつて参りますと現在の支拂い金額が何パーセントということは、これはいよいよ決済するときになつてから物價が改訂されておりますから、その支拂い前の何パーセントというものでは、このパーセンテージにも相当の間違いがあるかもしれませんね。
#30
○仲矢参考人 大体支拂いの未済のパーセンテージは、決定された契約金額についての比率なのです。ですからそれは更改されたものが記載されておるわけです。ですから契約した最初の数字そのままというものもあるかもしれませんが、更改された分については帳簿上の請求金額が載つておるわけです。
#31
○澁谷委員 そうしますと日産協の方にもう一つお尋ねしておきたいことは、おそらく日産協の関係の方々からいろいろな政府の支拂い促進の問題につきまして、関連して御意見が出ていると思いますが、その関連している御意見としまして、われわれが当然多く起こつて來なければならぬじやないかと想像する問題は、今の契約の問題、私たちの承知している範囲におきましては、鉄道などの場合によりますと、指示だけでありまして実際においては注文書なんかが出てないのだ。そして物品は実際において納まつてしまつた。こういうことは民間の人が聞きますと実にばかげたことなのです。想像もつかぬことなのです。そういうところに非常に大きな欠陥があるのではないかと思います。もしかりにそういう事実があつたとするならば、いよいよ鉄道その他も独立採算制をとらなければならぬような時代になつて來たということで、当然ここでもつて機構を根本的に改めてやることがむしろ支拂いを促進する根本の問題になつて來やせぬかと思うのでありますが、そういう問題につきまして業者間から日産協に対していろいろ御意見なり御注文が出ておりますか。
#32
○仲矢参考人 その話は実は昨日出たのでありますが、非常にやかましければ、これは御説の通りに問題が相互間の取引でありますでば、今のような問題は割に起るケースが少いだろうと思いますが、從來そういうケースがあつたにしてもそういう支拂いの遅延とか、不拂いと言つた問題は相手の信用がある官廳でありますから起こらなかつた。おそらくは從來の慣例と言いますか、そういう間違いのなかつた時代の慣例をそのままやりまして、それが予算の関係その他でうまく予定した通りに行かなかつたというために、結局やはり手続上の問題がちやんとしてなかつたというようなことは確かにあると思います。その点はこれからの問題として、産業界としても大いに注意を要する点であるということは、昨日の話にも出た次第にあります。確かにお説のような話はあるわけです。
#33
○岡野委員長 乙幡近治君。
#34
○乙幡参考人 日本産業協議会産業部次長乙幡近治であります。大体先ほど來私どもの仲矢部長から日産協が未拂金の解決についてどういう仕事をしておるか、それから業界における未拂金の一般的な事情について御説明申し上げましたし、それからさらい私どもで行つております調査の具体的な内容につきましては三浦さんの方から御説明申し上げましたので、私といたしましては特に補足して申し上げることもないのでありますが、その際仲矢部長の発言の中にもありましたが、最近におきましては皆さん方の御努力によりまして、一時に比べまして非常に政府支拂いも促進されまして、ほぼ表面的には解決を見つつあるのであります。ただ本年度の予算の成立に伴いまして、通信機並びに車輌部門において相当の打撃を受けておるという話がありましたので、その通信機の鉱業と鉄道車輌の関係につきまして、若干数字的にその辺の事情を簡單に御説明申し上げたいと思います。
 第一に通信機関係でありますが、通信機につきましては予算関係でございますから私がここで申し上げるまでもなく、皆さん方の方が非常によく御承知のことで、蛇足にすぎぬことと存じておりますが、二十四年度の予算としまして、通信省関係でございますが九十六億とつておるようでありますが、実際の実行計画としては八十五億ほど使う計画になつておるように聞いております。そのうちケーブル関係とか、連合軍関係等をのけまして、電氣通信機に向けられる予算は三十八億でありまして、その三十八億の中でも電力機械等を除きますと、純然たる電氣通信機関係は大体二十八億の予算をとられておるように聞いておるのであります。ところで二十三年度、昨年度はどのくらいこの純然たる電氣通信機関係に予算があつたかと申しますと、三十億と聞いております。これを本年の價格に直しますと、大体四十四億ほどと見積られるのでありまして、從いまして今年は昨年に比べまして大体政府からの発注は七十%程度の数値になると考えるのであります。御承知の通り通信機関係は、從來政府の発注に依存して発達して來ました工業でありまして、通信機関係総体の約八〇パーセントないし九〇パーセント程度は政府の予算に依存しているんじやないかと思います。その政府の予算は昨年度の七〇パーセント程度になつたという点におきまして、今後通信関係の工業の受ける打撃は相当深刻なものがあるように見受けられております。
 なお鉄道車輌の関係でありますが、これは少し古いのでありますが、先月四月十八日に私ども未拂い問題につきまして懇談会を持つたときに業界から聴取した事情でありますが、二十三年度の契約分の未拂い、これは鉄道省から業界に契約いたした車輌の契約分の未拂いでありますが、二十三年度の契約分の未拂いは約六億でありました。もつともそのうち二億ほどは四月当時懇談会までには入つていたのでありますが、大体六億でありました。それから二番目としましては、先ほどもちよつと話の中へ出ましたが、昨年度車輌が発注されまして、途中において價格の値上りがあつたのでありますが、当時價格の値上りとしまして追加予算は一・七倍ほど予算を見積つたのでありますが、実際は價格の値上がりが二・二倍になりましたために、その差額が十六億ほどあるのでありまして、この十六億ほどが予算に計上されなかつたために、事実支拂いが困難になつていたのであります。それから三番目といたしまして、二十四年度の内示割当が当時すでは出ておりまして、これが貨車としまして約千輌あまりでありましたが、その内示割当が六・八億はどありました。そうしまして、そのうちの先ほど申し上げました値上りから来る差額のたな上げ分と、それから内示の割当分六十八億、その二つの点は、二十四年度の予算に組まれたのでありますが、なおさらに業界としましては鉄道省に電化計回があると聞きまして、三十一輌ほどの車輌の作成に努力していたのでありますが、その金額が約五・四億でありまして、この電車機関車関係におきましては、本年度の予算て全然削られましたので、それがそのままひつかかりになつておるという状態であります。なお一部にはすでに納入になつておるものもあるかと思いますが、大体そのような状態になつておるわけであります。
 ところで本年度の鉄道省関係の予算につきまして、車輌関係がどういう状態になりますか聞きましたところにおいては、大体建設公債二百七十億のうち、運輸省関係が百五十億でありまして、そのうち新車と改修部分にあてられますものが四十二億五千万円、そのうちの新車の分が二十六億というように聞いておるのであります。この二十六億、あるいは二十五億とも言われておりますが、業者としましては一部の製作を終え、すでに納入して鉄道省でこれを運轉しているものに六・八億を充てるわけでありまして、なお先ほど申し上げました價格差益額によつてたな上げになつております十六億、実際は十一億とも言われておるのでありますが、十一億あるいは十六億の金額を加えますと、少く見積りまして、十七億八千万円であります。從いまして本年度新車に向けられまする二十五、六億のうち、実際に本年の新車として契約済みのものは約七億程度にすぎないのであります。この七億が車輌の生産能力のどのくらいに当るかはただいま数字を持ち合しておりませんが、能力から申しますと非常に過小のものでありまして、この七億程度ではとうてい車輌工業を経営することは不可能である実情にあるのであります。こういう事情でありまして特に車輌工業におきましては、通信機程度ではありませんけれども、なお政府の発注に依存しておる部分が過半を占めておるような関係であります。從いましてこの鉄道車輌の予算が実際におきましては二十四年度の新規発注に向けられるのは七億程度であるという点におきまして、非常に深刻な打撃を受けておる。そういうふうな事情であるわけであります。
#35
○岡野委員長 日本産業協議会の方に一まとめにして何か御質問でもございますれば、この際御発言を願います。
#36
○高間委員 納入した品物と契約金額と未収入と残高とが具体的に出されておりますが、政府から契約した品物であるからそのまま漫然と納まるということに私どもは考えられないのでありまして、万一にもこの契約した品物に対して苦情などがついておつた関係で、政府の方へ納入はしてあつても、納入の部類に入らないというようなものがありはしないかということが考えられるがありにしないかということが考えられるのであります。そこでこの日産協でべて来たところの大体の数字は、その品物が完全に納まつて、しかも当然支拂わなければならない責任がある金であるにもかかわらず拂わないのであるか、それともその間によく商人の言う、納めたけれどもくれない、納めたけれども代金を拂わないというようなかけひきによる請求であるか、その点をお伺いしたいのと、同時に思いますことは、先月の二十五、六日ころの大蔵委員会のときだと思いますが、政府支描いによる不正防止法案というのを私は可決した覚えがありますが、そのときに今までの物價が自然自然と上昇して來るに從つて、政府に対する契約者が資材の上るにつれていろいろな面でいろいろな運動をして、しかもその契約金額をある程度上せてしまつて、それをまた漫然と支拂つておつたというような傾向があつたかのようにあの法案にも書いてありましたが、そこで今度はその防止法案を出して、そうして政府できめたことははつきり政府のきめた通りにやらなければならねというようなことになると、現在のようなデイス・インフレというような状況になつて、その原料資材が少しずつでも安くなるうような傾きになつておるとときには、その防止法案をたてにとつて、その通りに必ず支拂えというようなことになると、國家の損失は実に莫大であるということを思わせるのであります。ですからこの法案を可決したときにそうしたような氣持一で可決したのであります。そこで政府の支拂い遅延、ここに出してあるところの各会社の未拂いの点については、その点日産協の方では実際に納められておるかどうか。全部はおわかりになりますまいけれども、ある程度東芝、エンバイヤ、トヨダというような具体的な会社の実情について、眞に納まつているのに拂わないというようなことがおわかりでしたら、それをこまごまと御説明願いたい。
#37
○仲矢参考人 今の御質問でございますが、お手元に差上げてあります中間報告の数字の全体一につきましては、お話の通りに留置になつたものがどの程度含まれて、完全に檢收済みで納まつたものがどの割合であるということが、全体について私どもの方ではこの表ではよくわかりかねる。ただ特定の会社につきましてはそういう調査ができているものもございます。つまり正式に契約の済んだものが幾らで、未契約のものが幾ら、合計幾らになる、そのうち製品が險收済みになつたものと、留置になつたものというふうにわかれて御報告いただいておるものもあるのです。そのうち製品が險收済みになつたものと、留置になつたものというふうにわかれて御報告いただいておるものもあるのです。その数字の全体については御説のように留置になつたものも入つているケースが若干ありますが、幾ら留置になつておるかということについては、全体についてはちよつとわかりかねるのです。
#38
○三浦参考人 某機械製作会社、車輌と電氣機械の製作会社の調べでございますが、二十四年度三月末の官廳等賣掛代金の未收調べの中に、契約済みの分と未契約分がございますが、その未契約の中の納入済みの分と留置分が若干あるのでございます。納入済みの分は大体契約済みと未契約と合せて約六億七千万円ほどございます。これは会お話がありました通り、たまたま一社からそういう詳細な数字が参りましたので、ほかの会社につきましてはこういうものがあるかどうか、今まで來ました報告の中にはその点がふれてないようであります。今後最終報告をいたします場合に、一々会社につきましてその点を尋ねまして、もつと詳細なものをつくりたいと思つております。
#39
○高間委員 大体の構想は今の御説明でわかりましたが、私は日本産業協議会というこの会がどういうふうな構想によつて、そういう使命を持つておるものか、その点ははつきりわかりませんけれども、ただ單に各会社の提出する資料によつて、今後衆議院に政府支拂いの促進委員会というのができたから、ここへ持ち込んで早く拂つてもらおうという便乗主義の支拂い要求をされるのであつては、國家としてもこうした内面的に苦しい財政の今日、各会社が営利を目的にしてのみこれを提出することについては、私どもは國家のふところを考えるときに、漫然と政府に向かつてどしどし支拂いを促進させるというようなことはでき得ないと考えます。何とぞ日本産業協議会の方々にお願いしたいことは、御参考にお呼びして、しかも御氣篤なる御説明をいただいたにもかかわらず、警告がましいことを申し上げてははなはだ失礼でありますけれども、反面においては、眞にそれが品物も納まり、いろいろな面で苦しんでおるにもかかわらず、賃金も拂うことができないというような、賃に苦しい請求であるならば、われわれは満腔の意を表してあらゆる努力もいたしますが、その点よくよく御調査をやられまして、眞に参考になる資料を御提供あらんことを、再びお願いいたしまして、私の質問を終ります。
#40
○岡野委員長 それではほかに御質疑もないようでありますから、帝國銀行の取締役審査部長浅生信一君にお願いいたします。
#41
○淺生参考人 帝國銀行の審査部長の浅生でございます。実は昨日三時過ぎに、きようこちらへ出て來いという御要請を受けましたので、せつかくお伺いいたしましたにもかかわりませず、具体的に皆様の御満足の行きますような資料を持つて出ますることのできなかつたことを非常に遺憾に思いますが、この点あしからず御了承願いたいと思います。ただ金融人といたしまして、銀行の窓から見ました政府支拂いの状態、及びそれがどういうように影響しておるかという私の感じを率直に述べさせていただくことにいたします。まず政府支拂いを要望しておりました問題につきましては、今日に始つたことではありませんので、一昨年すなわち昭和二十二年の七月、銀行協会でこの問題を取上げまして、その支拂い促進を要望いたしたのでありまして、経済團体連合会の方からも要望を出しておるのでございます。ところがそれが最近になりまして問題になりましたのは、申すまでもなく、本年初頭以來、腹金の融資の停止、あるいは徴税の強行、あるいは相互間の金融が始まりましたため、産業界におのおの支拂いを延ばしたというようなことで、相当問題を起こしたのであります。ことに政府及び地方自治團体の支拂いが遅延したと思いますが、あるいは予算削減によりまして、内示注文の打切り等の問題が起りまして、そのために金融は異常に逼迫して参つたのであります。政府支拂いは御存じの通り三月末におきまして、一般会計の予算の配布額が四千六十億に対しまして、支拂い済額が四千百七十九億、差引き四百八十一億も遅延しておりましたが、これに特別会計分を加えますると、約六百億になんなんとしておると承認いたしております。しかも政府支拂いが國民経済において占める地位はどうであつたかと申しますると、たとえば二十三年度の國民所得大体一兆五千九百億に対しまして、政府の歳出総額は一兆六十億、すなわち約三分の二に達しておるのでありまして、これを見ましても未拂い額がもしもありますれば、相当大きな影響があるということが想像されると思います。これが金融面におきましてどういうような影響があるかということを考えてみますと、手形交換高を例にとつてみますと、本年の一月以降四月までの東京の手形交換所の交換高は枚数にいたしまして約五百九十万枚、金額にいたしまして八千六百七十一億でありまして、これを前年の同期すなわち昨年の一月以降四月までの数字に照し合せて見ますと、同期間の枚数は百五十一万三千枚、金額におきまして六千四百二億円の増加を見ておるのでございます。もちろんこれは物價の騰貴の影響もありましようし、この増加率はなかなか容易ならぬものであると思われるのでありまして、これは必ずしも信用制度がある程度確立したために手形が多いというのではありませず、不渡手形の数字を調べてみましたところが、二月は二百三万八千円、ところが二月になりますとそれが六百四十九千円という数字を表わしておりまするが、これは昨年度、すなわち二十三年の一箇年の不渡総額が六百七十二万円でありまして、これから見ましても一年分の不渡手形の金額が一箇月に出ておるというような情勢になつております。こういうような数字は東京の手形交換所に正式に届け出られた数字でありまして、実際は交換所に届け出ずに、裏のうちに操作されておりまする数字も相当あるものだ、ちようど氷山の頭だけが出まして下の方が大きいというような状態もあるのではないかというようなことを考えております。また手形の金額ばかりでなく期間にしても、今まで二箇月あるいは三箇月で渡つておりました手形が、さらに九箇月、十箇月になるといつたような傾向もだんだん現われております。これが最近の金融面に現われております。これが最近の金融面に現われております事情であると思うのであります。
 次に産業界におきまする情勢を調べてみますと、賣掛金がだんだんふえて参ります。御承知の通り資金の遅配、あるいは欠配あるいは分割拂いの一般化ということがだんだん露骨に現われて参ります。また成規のルートに乗りました資料でありましても、これをやむを得ず辞退するという情勢も現われて参ります。一方できました製品が賣れない。すなわち滞貨が累増して参りまして、究極におきましては、結局生産低下という現象が現われて來ておるのであります。それから政府支拂いの遅延が直接に影響いたしますのは、まず一般的に関係がありますけれども、その現われといたしましては、大企業には相当露骨に現われておりますが、大企業を通じまして、いわゆる下請け会社なり、業者でございますが、その方面にも漸次悪循環を來して参つておつのであります。企業によりましては、生産は一應増加しているように見えるというような情勢でありますけれども、現実に賣上げ收入はむしろ減る、すなわち收支ではもうかつておりますけれども金繰りでは非常にきゆうくつになつておる。從いまして今申し上げました通り、資材の配給を辞退する、あるいは場合によれば品物を投賣りするというような方面で、相当大きな損害をこうむつておるように思われるのであります。それよりさらにわれわれの一番おそれますのは、このような情勢が現われて参りますということによつて、経営者も、あるいは從業員も生産意欲を低下するということが、わが國産業のために多大の悪影響があるのじやないかということが考えられるのであります。
 そこで今まで申しました最近の金融、産業方面におきまする状態は、これは遅延による結果だということは申し上げかねるのでありますが、大なる原因をなしておるということは、見過しがたいと思うのであります。最近の情勢といたしましては年度末、いわゆる政府の指定預金が散布せられまして多少一般金融は緩和せられるような情勢にもまつて参ります。また事実予算の通過によりまして徐々に支拂いが開始されて参りました。先月は百二十七億でございますが、五月においては大体百六十億の散布超過が予想されておるのであります。先ほどから申します通り、支拂われるときに支拂われなかつたという、いわゆる時期の喪失によるロス、これが非常に大きなものではないかというように考えておるのであります。それで支拂い遅延の原因が、あるいは政府の手続きの煩瑣か、その他に基くといたしますれば、二十四年度の予算の一般会計が七千億と相当大きな数字を示しておりまして、昨年に対しましては約五割の膨張を見込まれておりますときに、この收入源をすべて國民所得に仰ぐものといたしますときには、本年度におきましてもこういうような過諛のないように御協力をお願いいたしたいと思います。それでさきに経団連の方からも要望をいたしておりまする通り、すべての手続きの簡素化あるいは概算拂い、あるいは前渡し金の実行をしていただきたい。あるいは延利をつけるとか、場合によつて政府の支拂いというようなことを官廳の違つております場合でもそれを実行していただくというような方法を講じていただければ非常に幸甚だと存じます。はなはだ漠然としたお話で御参考になりましたかどうかわかりませんが、何か御質問でもございますれば、またの機会に具体的な数字をもつて御説明申し上げたいと思います。
#42
○岡野委員長 ただいまの御公述について何か御質問はございません
 か。――御質疑もないようでございますから次に小山五郎君にお願いいたします。
#43
○小山参考人 御紹介にあづかりました帝國銀行の審査部の小山でございます。われわれ金融機関の目から見ました政府支拂い遅延の問題でございますが、これは金融機関はその性質上、あらゆる産業の集結した姿がここに如実に現われて來るのでありまして、俗に申します金にマークがないというたとえの通り、どの部分がどういうふうにこんぐらがつて來て、現在の金融梗塞の困をなしているのか、それはなかなか解明しがたいところであると思います。そこでただいま私ども早急にこちらの御要請に應じまして上りました現在としましては、個々のデーターというものを不幸にして持ち合せておりませんので、はなはだ漠然としたお話になるのでございますが、要するにただいま淺生の申しました通り、直接的影響を受けますのは大企業でありますが、それが下請その他を通じて下部機構に因となり果となり悪循環をしておる。そのために手形その他が非常に長期化しておる。單にこれが不渡りになるばかりでなく二箇月で落つべきものが実は買いもどし、継続というような形で九箇月、十箇月の長期にもわたつておつのが往々にしてあるのであります。その結果が手形交換高の増加ともなり、そしてまたその結果が一應ノミナルの面における売上げ増加。しかしながらこれは実質的にはただノミナルの回轉である。そういう結果をもたらしておるのだと思うのであります。そしてそのうちのどの部分がしからば政府の支拂いによつてなつて來るのかということは断然いたしませんけれども、先ほども申された一昨年の八月、第一次物價改訂のあつた直後の政府支拂要請当時の記憶によりますと、全國の金融機関約十一行ばかりの新勘定貸付高うち、政府支拂い遅延のために影響されたと思われるものが約一九%ばかりあつたのであります。それがこの四月末にはたしてどういう姿になつたかと申しますと、さつきゆうのことで各行の総計ということはわからないのでございますが、大体においてこれは倍加しておるのではなかろりかと想像されるところがあるのであります。そしてそれが大企業面にかかつておるとしますと、下請にこれが細分化をされます場合にはいわゆるコンビネーションの形と申しますか、これがさらに算術平均的な厖大化を示すのではなかろうかと思われるのであります。そこで具体的に二、三記憶をたどりまして具体的の例で申し上げますと、日産協の方が特に申されました車輌部門のことでございますが、われわれが取扱つております一車輌会社――これは電氣機関車がおもなんでありますが、電氣機関車のメーカーとしては三大メーカーの一つでもあります。大体政府つまり運輸省関係のお仕事が総收入の八〇%見当を占めておる会社でありまして、これが先ほどからいろいろ議論がああつた内示打切りの問題にひつからみまして、今やほとんど立つあたわざらんとするような状態にまで立至つておるのであります。しかもこれは現在の場合は内示によつて予算縮減による打切りという問題が起つたのでありますが、これは前年度、前々年度の場合におきましても、第一次物價か改訂のときそうだつたのでありますが、予定の注文台数の改訂によりましておよそ倍額いたしましたために予算を使い盡して、その後のものは繰越の予算でもつてまかなうということで、生産は行つておつたが、実際の收入は翌年の七月に拂われたということなんであります。そこで二十三年度の場合におきましてもこの内示打切り以外の、打切られない分といたしましても同様のケースがありまして、新予算が組まれたら四月末に入るべきものであつたが、六月、七月、十月というふうに分割して入るということになつておりまして、会社としては非常に困つておるという事例を聞いております。それから予算がある部分でも、われわれが扱います場合に、政府のひもつきと申しますか、代理委任状を交付しておりまして、これは最も確かなものとして一般金融機関が扱つておるのでありますが、このひもがするすると伸びてしまつて、われわれとしてとりつく島がないようなことが政府支拂い遅延の結果なんであります。少なくとも予算のあるもの、代理委任状を民間に交付しておる先は、予定通りの期間に支拂つていただきたいと思うのでありままたある一例を申し上げますと、予算收支のずれということで、ある会社のごときは政府の支拂いが確かにこうあるのだということでもつておりましたところが、税金の方はそれに遡及して容赦なく取上げられた。從つてこれは差押えというような問題にまで発展してしまつたという不幸な実例もわれわれに見ておるのであります。
 はなはだ漫然としてとりとめないことではございますが、二、三の事態の示すように、政府支拂い遅延の影響は因となり果となつて経済界全般の問題に波及して來ることでございますから、何とぞ二十四年度予算の場合にも再びその例を繰返さないような手続をおとり願いたいと思うのであります。
#44
○岡野委員長 ただいまの御公述について何か御質疑はございませんか。――御質疑がないようでございますから、御参考人の御公述にこれで終りといたします。御参考人の五氏の方に厚く御礼を申し上げます。大変御多忙中のところ特にお繰り合せくださいまして、まことに有益なるお話を伺いまして、委員会といたし非常に感謝いたします。ありがとうございました
 それから今日の会議で実は大蔵省の理財局長にお話を伺うことにいたしておつたのでございますけれども、部屋の都合がつきませんので、この三時ににあとの委員会がすぐ入れかわつてこの部屋を使わなければならないという状態になりましたので、今日は理財局長のお話を伺う時間がございませんから、來週になりましで機会を見まして理財局長の話をあらためて伺うことにいたしたいと思います。
 本日はこれをもつて散会いたします。
    午後二時五十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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