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1949/10/10 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 観光事業振興方策樹立特別委員会 第10号
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1949/10/10 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 観光事業振興方策樹立特別委員会 第10号

#1
第005回国会 観光事業振興方策樹立特別委員会 第10号
昭和二十四年十月十日(月曜日)
    午前十時五十分開議
 出席委員
   委員長 栗山長次郎君
  理事 今村 忠助君 理事 岡村利右衞門君
   理事 河野 謙三君 理事 久保田鶴松君
   理事 砂間 一良君 理事 山本 利籌君
   理事 飯田 義茂君
      石原 圓吉君    岩川 與助君
      加藤隆太郎君    川村善八郎君
      塚原 俊郎君    高橋清治郎君
      藤田 義光君    梨木作次郎君
 委員外の出席者
        運輸事務官   間嶋大治郎君
        建設事務官   佐藤 寛政君
    ―――――――――――――
九月二十四日
 委員若松虎雄君は死去された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 観光、道路の整備に関する件
 國際観光の対外宣傳費に関する件
    ―――――――――――――
#2
○栗山委員長 ただいまから会議を開きます。
 最初に御報告をいたします。目下シンガポールで、國際連合の極東経済審議会の一機関としての極東における族行者の扱い等につき、國際的な会議が開かれておりまして、日本側の代表としてはESSのハーフ氏がこれに出席しておるのでありますが、同氏出席の前に、日本側としてその事項に関係のある人々の意向をまとめ、ハーフ氏がこれを携帯して出席しておられます。
 次に御報告申しますのは、本委員会が深い関心を持つております國際観光事業に対する融資の問題でありますが、この融資の順位につきましては、日銀及び大蔵当局に申入れがしてあつたのであります。この申入れをいたしましたころは、金融措置令は一時中止になつておつて、甲乙丙等の段階は休止されておるということでありましたが、その後それがまた復活された実情にあります。そうして観光事業関係の多くのものは、その丙種の中に入つておりますために、施設を充実するのに、金融方面に依然として支障が残されておるわけであります。この点に関しましては、本委員会としてさらに一段の折衝を重ねなければならぬと存じますが、さような状況中にありましても、かねて御報告申しましたように、内閣において関係各省、衆参両院からも一名ずつオブザーバーが出まして、審議調整いたしました外客宿泊施設整備のために日本旅館二十六軒を選定して、これをすみやかに外客に適するよう改装するという議がまとまり、表ができまして、その二十六の日本旅館の改装については、とりあえず乙として扱つて、その施設の改善を急ぐという措置が大蔵省において講ぜられております。わずかにその点だけが、本委員会の意向に沿うて進捗をした一例であることを、御報告申し上げておきます。この線に沿うては一段と当委員会として折衝を重ねなければならぬと存ずるところであります。
 次には御報曽並びにお諮りをする事項であります。ただいまお手元に配付いたしました國際観光ホテル整備法案――本委員会の御審議の要綱に従いまして衆議院法制局がこれを成文化し、大体において成案を得たことになつたのでございますが、この運びにつきましては、委員長としてはこれから先はお諮りする事項でありますが、臨時國会の召集も近いことであるように了承いたしております。臨時國会の召集を見るに至りますれば、委員諸君の御登院もよくなると存じますので、臨時國会の召集を待つて、さらに本格的の審議をなし、決定をするという考え方を持つておりますが、いかがでございましようか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○栗山委員長 御異議ございませんければ、さようにとりはからいます。その期間中各委員におかれても、所属の党の意向をおまとめくださるなり、また委員会としては関係常任委員会との折衝を進め、さらに参議院側の運輸委員会の中に、観光小委員会が設けられておりますから、そこべも連絡をとり、同時に今の状態として、司令部との連絡もはかるというような手続に進めたく存じております。御了承を願いたく存じます
    ―――――――――――――
#4
○栗山委員長 今日の主要なる議題は、御通知いたしました通り、観光道路に関する件と、國際観光に関する予算の件でございます。幸い観光道路の資料が建設省の当局から提出されておりますので、お手元に配付してございます。これにつきまして建設省道路企画課長佐藤氏に概略の御説明を求めます。
#5
○佐藤(寛)説明員 お手元に差上げてございます観光道路資料という印刷物につきまして、これをもとにいたしまして、概略の御説明をいたします。順序といたしまして昭和二十四年度、本年度観光道路としてはどういうふうなことをやつているかということを、ごく概略申し上げますと、この表のうしろから四枚目でございますが、二十四年度観光道路整備事業と表題を書いた表がございます。これでごらんくださいますように、観光関係の道路事業といたしましては、今年度道路事業費総額約五十億に対しまして、九億二千四百万円の道路工事をやつております。この内容は、観光道路審議会におきましてさきに御決定を願いました、前期、後期路線に載つているものがそれだけあるということでございまして、改良工事、それから砂利道路の補修工事、鋪装道修繕工事というふうにわけて、数字をごらんに入れてございますが、全体といたしまして改良関係では約四億円、補修関係では五億千七百万円ばかりのものを、本年度は実施している状態でございます。
 この工事の場所はどういう所かということでございますが、一枚めくりましたあとに、観光道路審議会におきまして「前期分として御決定を願いました路線ごとの事業費がそこに書かれてございますが、この資料の最初の五、六枚の図面の中に、ざつとおわかり願うようにお示ししたつもりでございます。北海道、東北と順々に略図をつくつて参りましたが、たとえば北海道で申し上げますと、右の方の北見にまるがついて、釧路にまるがついて、その間に線が書いてございます。これがまた中ほどにもございますし、左の側にもございますが、北海道ではこのルートが観光事業審議会においてお坂上げになつたルートでありまして、それに対しまして、北見、釧路間のルートで申しますと、釧路附近、弟子屈と阿寒の間に点々が書いてございますが、こういう点々で書いた所が、先ほど申しました今年の事業費で補修をやつておる、こういう意味でございます。なお改良工事に対しましては、この北海道の部分にはございませんが、一枚めくつて東北の図面を、ごらん願いますと北の方の十和田、古間木の間に二角のしるしがついた所がございますが、この三点じるしが二十四年度の改良事業を実施しておる、こういう意味でございます。以下各地方の略図をお示しした次第でございますが、全体といたしましては、先ほど申しましたように九億二千四百万円の事業をやつておる状態でございます。
 これに対しまして來年度はどう考えておるか。來年度の観光道路に対しましては、さきに観光事業審議会の御意向もございますが、同時に衆参の國会におきまして、いろいろ御意向を伺つておりまして、できるだけ御意向に沿うように計画を進めておる状態でございますが、全体として申し上げますと、この表のうしろから二枚目の紙でございますが、ただいまのところでは昨年の約四倍、三十四億六千万円ばかりの観光道路事業をやりたい、こう考えておる状態でございます。改良事業として約十億、それから補修事業としては二十四億、合せて三十四億六千万円、このくらいのものをやりたいと考えております。この工事の箇所でございますが、詳細なものについては、ただいま計画を進めておるわけでございます。御存じのように道路の計画は、一應その筋の了解を得るようにというふりになつておりますので、詳しい資料を本日お示しできないのは、はなはだ残念に存ずる次第でありますが、ごくおもなものを取上げてみますと、その次にございます昭和二十五年度観光道路整備計画という灰でお示ししてございますように、これは事業費としては約六千万円ということになつておりますが、これはその筋から示されております連絡道路、市街道路、生産道路、取付道路というものに入つて来ない。――観光という考え方をしないと、全然入つて衆ないものだけをここにあげてみた状態でございます。事業費といたしましては、わずかに六千万円はかりしかございませんが、このほかに、ただいま申しました生産道路、連絡道路云々というような名目でもつて二十四億のものが計画されておるという状態でございます。ただこの計画の事業費は、二十五年度の道路予算としてお願いしておる二百二十億に対する計画量でありまして、漏れ承るところによりますと、いろいろ財政の事情から、非常に困難なようなお話も伺つておりますので、私どもは心配いたしておる状態でございますが、私どもといたしましては、できるだけ関係当局とも連絡いたし、またその筋にも十分理解を持つていただきまして、少くともこの程度のものは来年度の観光道路関係として成立させるようにお願いいたしたい、こういうふうに思つておる状態でございます。ごく簡單でありますが……。
#6
○栗山委員長 御質問がありましたら、御発言を願います。もしくは希望等についてもお述べを願います。
#7
○河野(謙)委員 ちよつとお尋ねしますが、ただいまいただいた資料によりますと、大体國道中心になつておりますが、新しい観光の観点に立つて、從來の懸道であり、里道であつたものを、ここに新しく國道として取上げるという面が多々あると思います。これらについて、從來懸道であつたものを、この際國道に直すというような新しい意味の計画がありますれば、お伺いしたいと思います。
#8
○佐藤(寛)説明員 ただいまの國道縣道等につきましては、道路法の再檢討をただいま建設省でいたしておりますが、道路法の改正によりまして、國道網、縣道網等は若干変更をきたすのじやないかと思つております。その際現在の縣道から國道に編入されるものが、相当やはり考えられるんじやないかと思つております。從いましてこの國道網を考慮いたします際には、当然ただいまのお話のようなことが考えられなければならない次等でございまして、目下私どもその研究をいたしておる次第でございます。なお縣道等に対しましては、やはり國道の整備に関連して、現在り町村道と合せて考えた新しい縣道網ということが、逐次考えられることと存じますので、新しい橋道編入ということも、引続きの問題として考えなければならぬのではないかと思つております。
#9
○河野(謙)委員 次会でけつこうですが、事務当局の手元に、新しい意味の観光を中心とした國道網の計画があれは、それをお示しいただきたい、かように存じこす。
#10
○佐藤(寛)説明員 いろいろ案は持つておりますが、まだ決定の段階に至つておりませんので、研究案としていろいろなものをお示しすることはできるかと存じますが、まだ確定いたす段階には至つておりません。
#11
○栗山委員長 ただいまの御発言について委員会として希望いたしますことは、決定別の研究案、これについて、国会、特に本委員会は重大な関心を持つておりますから、その過程においても、資料がございましたら、御提出を願います。
#12
○佐藤(寛)説明員 承知いたしました。
#13
○石原(圓)委員 二十五年度の観光道路整備事業計画の中に、東京、山田間の第一國道、及び山田より今回ホテル建設に確定しました賢島間の施設について、何らかこの中に考慮がされておるでしようか。
#14
○佐藤(寛)説明員 東京、山田間という御質問でございますが、東京、山田間につきましては、たとえば東海道あたりが、観光以外の面から見ましても、非常に大事な線でございまして、そういう意味では相当多額の事業費が振り充てられるのではないかと存じております。ただ賢島というような先の方になりますと、ただいまのところ、そこまで考えておらないのであります。これは実は一番最後の資料にお示ししましたこの箇所が、非常に不十分であり、不備なものでありますが、御存じのように道路の方は、昨年の十一月末のその筋からの覚書によりまして、生産道路、連絡道路、市街道路、取付道路という面で考えられるものだけ計画しろ、こう言われておりますので、従いまして観光関係の色彩の非常に強いものは、私どもとして非常に現准のところやりにくい状態にあるわけであります。しかしながらこれはやはり大事な仕事でございまして、十分いろいろな方面の御認識もいただいてやつて行かなければいけないのだ、こう存じまして、少くともここに掲げてあるぐらいのものは、何とでもして、ひとつ來年度ものにしなければいけないという交渉をいたしております。原案はそういう意味なのでございます。
#15
○今村(忠)委員 ちよつと來年度の予定として取上げた事務的な手続とでも言いますか、それについてお聞きしておきたいのでありますが、つまりこれをきめたのは観光道路審議会ですか。
#16
○佐藤(寛)説明員 そういうものはございません。観光事業審議会です。
#17
○今村(忠)委員 それから第二には、これらをきめるについては、例の國立公園と何か関連を持つておりますかどうですか。きめて行く過程において……。
#18
○栗山委員長 國立公園との関連が考慮されておるかと言うのです。
#19
○佐藤(寛)説明員 國立公園の関係その他は、私の考えといたしましては、観光事業審議会、いろいろな方面の事情を総合化されておきめになつた、こういうふうに考えておるのであります。なお私どもとしましても、直接國立公園の委員会の方にも関係させていただいておりますし、いろいろな方面の御意向を伺つて、一應事務的にこういう案を立ててみた、こういう意味でございます。
#20
○栗山委員長 ほかにございませんか。――ございませんければ、委員会の意向としてありたいことの御相談をいたしたく存じます。内閣の観光事業審議会は、今新しいものがまだ成立いたしておりません。佐藤企画課長が触れられました観光事業審議会というのは、前にあつた審議会でございます。行政府としてさような審議会を開催し、これによつていろいろ審議することは当然と存じますが、本委員会も國会の観光事業特別委員会という立場から、道路計画については重大な関心を持つておるのでありまして、この委員会としてまとまるものがあれば、他の機関と並行してでも、まとめることがよかろうと思いますので、具体的の事例について、委員各位において案がだんだんとおできになる存じますが、さような資料をまとめてこの委員会において官本の観光道路計画はかくありたいものであるという要綱をつくり得れば、仕合せだと存じます。そういう方面に対しての委員会の活動を、できるだけ廣げることがよかろうと存じますが、いかがでございますか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#21
○石原圓委員 適切当を得ます。
#22
○栗山委員長 さような方針でこの問題に臨むことに、本委員会といたしましては決定をいたします。
 この配付されました資料について、資料を作成された当局の人たちに質問なさることはございませんか。
#23
○岩川委員 ちよつと前にもどりますが、お尋ねしたいと思います。さつき御説明になつた二十五年度観光道路整備事業計画に、事業費と予算と両方書いてありますが、この事業費というのは――予算は二十五年度の分であつて、完成までにはこの事業費の通りに行く、こういうことなんですか。
#24
○佐藤(寛)説明員 事業費と申しますのは、二十五年度に仕事をいたします経費の全体という意味でございまして、内容には國費補助額と地方の負担額を含んでおるわけであります。予算額というのは、それに対する國費予算額という意味でございまして、この事業費と言い、予算額と言い、両方とも二十五年度分だけを書いてあるわけでございます、予算額はそのうちの一部國費で計上する分でございます。御存じのように、この事業の中にはただいま建設省が直轄で事業をしておるものがございます。これは一應全額國費を充てております。府縣でやつておるものに対しましては、大部分のものに対して二分の一補助というような形でやつております。そういう関係で、予算額というのは國費分だけを計上いたしております。
#25
○岩川委員 表から行きますと、國庫の負担よりも地方負担の方がよほど多くなつているのではないですか。三十何億と十三億で、約二十億ぐらいの地方負担になつておるが、これは非常に困難な事業になるのではないですか。
#26
○佐藤(寛)説明員 その点についてただいま説明を申し落しました。改良事業はただいま御説明いたしたようなことてございますが、補修事業に対しましては、事業費の三分の一を國費で補助するという建前になつております。なお御存じのように、道路事業につきましては、昨年の覚書によりまして、ここ数年は補修事業を重点的にやつて行くということになつておりますので、この二十五年度の観光事業の内容といたしましては、ごらんのように補修が改良より多くなつておる。それで事業費と予算額を比べますと、三分の一の数字になつておる、こういうわけで地方負担が多くなつておるような次第であります。
#27
○砂間委員 最近災害による道路の破損等が非常に多く起つておりますが、それは観光道路の事業計画の方とは別に、災害復旧か何かの方の費用で計上されてあるのでございますか。
#28
○佐藤(寛)説明員 さようであります。
#29
○岡村委員 道路とは別に、深い関係かあるようであり、ないようでもあるのですが、それは今のシヤウプ勧告案によりますと、入場税であるとか、あるいは遊興飲食税というものは縣の方に移管されるようになりまして、町村にはそれの配付がないというような状態になるのでございます。そうすれば、新興観光都市というものは、非常に財源に困る。今まではそういうような財源によつて、いろいろ観光施設をしておつたのでありますが、もしもこれが縣に移管になるような場合には、財源に非常に困るというような状態に立ち至るのではないかと思うのであります。何とかして都市に対する遊興飲食税とか、あるいは入場税の額に相当するようなものを観光施設とか、補助というような形で、考えていただくことはできないかというようなことを考えておるのでありますが、いかがでございましようか。
#30
○栗山委員長 どなたかその点について御所見ございますか。
#31
○石原(圓)委員 観光道路の計画は建設省でやつておられるようでありまするが、国立公園は厚生省の所管でありまして、国立公園地帯のいわゆる観光道路と、それ以外の観光道路に対して、一方が厚生省の所管なるがゆえに、甲乙をつけることがないかどうか。また観光道路の問題につきましては、この委員会に厚生省の所管の方も出席になつて、ともに観光道路についての最善の道を求めて行くようにした方炉よかろうと考えるのでありまするが、建設省当局の御意見を承りたいのであります。
#32
○佐藤(寛)説明員 この観光道路を私の方で取上げて、その内容を整えます場合には、お話のように当然厚生省また運輸省、そのほか関係方面と御連絡の上、原案をつくりますようにいたしておる次第でございます。ただいまのお話はまことにごもつともでございまして、今後なお一層そういう連紹を十分にして進めて行きたいと存じており為す。
#33
○石原(圓)委員 最近北海道、内地等にも國立公園の指定があつたのでありまして、この地域は非常に慶大なものであります。ことに観光施設としての國立公園は、國の権威のある方面できめたことであります。それにかかわらず、道路費のごときは、いまだほとんど計上されていないというような実情であります。これは対外関係から申しましても、今の状態ではいけないと思います。よつて建設省におきましては、厚生省と熱心なる協力のもとに、施設をされるように特に希望を申し述べておきます。
#34
○栗山委員長 石原委員の御発言の前に、岡村委員から御発言のありました件につきましては、今ただちに政府当局として発言をし得る者がおりません。この委員会の研究課題にさしていただきたく存じます。
 ただいま石原委員の御発言から考えますことは、本委員会が中心となつて、建設省、厚生省、運輸省観光部、これらの方々と相寄つて協議をして、相互の研究を深めて行くということが、有効ではなかろうかと存じます。委員会の承認が得られますれば、さような運びを近い機会にいたしたく存じます。いかがでございますか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#35
○栗山委員長 それではさようにとりはからいます。観光道路問題につきましては、今お諮りいたしましたような基本形式によつて、さらに掘り下げて行くということで、本日は一應この問題をたなに上げたく存じます。
    ―――――――――――――
#36
○栗山委員長 次に國際観光事業に関する予算の件について、御審議を煩わしたく存じます。本委員会が特に関心を持ちますものは、國際観光事業に関する対外宣博であると存じますが、対外宣傳の事柄は、一民間團体のよくなし得るところではございませんし、またその性質上、國が担当して國費をもつてなさるべきものであると考えますがゆえに、本委員会の議題として、ぜひ檢討いたさなければならぬことと考えます。資料をお持合せの当局がありますから、説明を求めます。
#37
○間嶋説明員 対外観光宣傳の概況について御説明申し上げます。
 昭和の初年に逐次來訪の外客がふえて参りまして、対外観光宣傳にとりまして絶好の機会と認められましたので、当時の鉄道省及びジャパン・ツーリスト・ビユーローが提唱いたしまして、対外宣傳、特に対米宣傳を大いにやろうということに相なりまして、昭和四年に鉄道省、満鉄、郵船、商船、あるいは朝鮮鉄道というような團体が拠金いたしまして、約二十万円の資金をもつて、対米共同廣告委員会をつくつたのであります。それによりましてアメリカを主とする対外宣博をやつたのであります。その後昭和六年に國際観光協会が生れまして、これが当時すでにできておりました、鉄道省の外局の国際観光局の姉妹機関といたしまして、もつぱら対外宣博に従事することに相なつたのであります。その結果対米共同廣告委員会は、その事務を国際観光協会に移したのであります。國際観光協会は逐年その事業を発展させまして、パンフレツト、映画、あるいは写眞等によりまする対外宣傳、あるいはまた海外各地に宣傳事務所を設置いたしましたり、また世界の主要都市に宣傳嘱託員を置くというような方法によりまして、活発な活動をいたしました。当時の予算といたしましては、最初は鉄道特別会計から十万円、その地関係團体の拠金が十万円、合計二十万円で事業を行つておつたのであります。一番多かつた昭和十五年におきましては、一般会計から五十万円、鉄道特別会計から八十万円、その他の團体から三十万円、合計百六十万円という予算をもつて、海外宣傳を実施いたしたのでありますが、戰争が激化いたしましてから、海外宣傳が活発にやれなくなりましたし、またその海外宣傳の重点、東亜の地域に変更いたさざるを得なくなつたのであります。その結果、当時の國際観光局も、行政機構の改革によりまして消滅いたしました。また國際観光協会も存続ができなくなりまして、当時の東亜交通公社――現在の日本交通公社の前身でございますが、その東亜交通公債と合併いたしたのであります。それまでは日本交通公壁はもつぱら内外人の旅行のあつせんを主たる任務といたしておりましたが、昭和十八年からは内外人の旅行あつせんとともに、対外観光宣博をも合せてやるという国体にかわつたのでございます。その後戰争がますますはげしくなりましたので、ほとんど中絶状態になつております。終戰後再び観光事業を大いに取上げなければならぬという声が各方面に起りまして、当時はまだ海外へ宣傳をするという段階ではございませんでしたが、日本に進駐して参りました将兵及びその家族を中心といたしまして、これに対する宣傳に中心を置き、また将来の観光事業のために、國内の啓蒙運動というようなものを中心にやつて参つたのであります。政府といたしましては、その必要性を認めまして、補助金といたしまして、昭和二十年度におきましては日本交通公社に対外宣傳経費といたしまして、百七十万円を支出いたしたのであけます。その後昭和二十二年度におきましては、日本交通公社に対しまして補助金を三百万円に増額いたしました。それから同年度からは新しく生れました全日本観光連盟、これが國内の観光機関の総合團体といたしまして、施設の整備及び観光観念の普及というような、國丙の啓蒙運動をも使命としておりましたので、これに対しましても二百万円の補助金を支出いたしまして、これは主として國内啓蒙運動に使われたのであります。合計昭和二十二年度は交通公社に三百万円、全日本観光連盟に二百万円を投じたのであります。二十三年度におきましては、日本交通公社の補助金を五百万円にいたしました。また全日本観光連盟に対しましては、補助金を一千万円に増額いたしました。それから当時海運界におきまして――戦争前におきましては御承知の通り、海運事業が日本の観光事業に非常に大きな役割を果しておつたのでありますが、将来の海運の面から、観光事業を大いに促進しようということで、日本海上観光協会というものが生れたのであります。それに対して昭和二十三年度は新しく七十五万円の経費を支出いたしました。これは海上観光事業の面における啓蒙宣傳の経費に投じた次第であります。その後昭和三十四年度におきましては、当時御承知の通りドツジ政策によりまして、完全な均衡予算を組まなければならないというような建前で、補助金的性質を持つものは非常に大なたを振われました結果、二十四年度本予算におきましては、全面的に削除を受けたのであります。その結果、せつかくつちかつて参りました対外宣傳及び國内の啓蒙宣傳も、ほとんど中絶のやむなきに至つたのでありますが、幸い今回の補正予算におきましては、全日本観光連盟に対します補助金といたしまして一千万円、それから海上観光協会に対しまして七十五万円の補助金だけは、ようやく認められるというような状態に相なつておるのであります。まだ政府案の内定でございまして、もちろん決定は見ておりませんが、案といたしましては一應は計上せられておるのであります。交通公社の対外宣傳補助金が復活を見なかつたことは、非常に遺憾であります。この点につきましては私どもといたしましては、関係團体かちの宣傳経費の拠金というようなこともできるでけあつせんいたしますと同時に、日本交通公社の方におきましても、そのあつせん事業なり附帶事業なりを活発にいたしまして、そうしてできるだけ対外宣傳経費の方に繰入れるというような方策によりまして、この一年は切り拔けたい、こう考えておるのであります。
 來年度におきましては、お手元に差上げました予算書にございますように、來年度からは本格的に対外宣傳並びに國内の受入れ態勢を整備いたしたいという考え方で、この三者の国体に対する予算及び当観光部における若干の行政費等につきましては、要求をいたしておるのであります。特に対外宣傳につきましては、日本交通公社の予算をごらん願いますと、この中で特に來年度から計画をいたしておりまするのは――從來は御承知のごとく、まだ海外に参りまして直接宣傳するというかうなことが、できなかつたのであります。主としてこちらにおりまする進駐軍将兵その家族、及びこちらへ参りまする各種のシビリアンに対して宣傳いたしますると同時に、アメリカン、プレシデント、ラインはノース、ウエスタン、パン、アメリカンというような、海外の飛行機会社、船会社のようなものと提携いたしまして、その手を通じてアメリカ及びその他の各地における宣傳をしてもらうというような、間接宣傳の方式をとつておつたのでありますが、すでに欧米各國がアメリカその他の各地に事務所を出しまして、活発な直接宣傳を開始いたしまする現状におきましては、日本といしましては、やはり間接的な宣傳では隔靴掻痒の感がありまして、十分な効果別上りませんので、來年度におきましては、ぜひとも宣傳並びに案内事務所のようなものを、少くともアメリカに一箇所は設置いたす、そういつた経費と、それから御承知のごとく、向うの新聞、雑誌の廣告は非常に大きな効果を発揮いたすものでありますが、これは非常に莫大な経費を要しまして、一民間團体のよくし得るところでございませんので、こういつた新聞、雑誌等に対する廣告というような経費も相当見込んでおりまして、八千万円程度の金額を要求いたしておるのであります。また全日本観光連盟の從來やつた事業といたしましては、毎年春に緑化運動というものをやりまして、終戰後荒れております観光地を緑化しようというようなことで、もうすでに三回やりまして、大分大きな國民運動になりつつありますが、これをさらに拡充いたしますると同時に、本年度から國土美化運動というものを積極的にやりまして、國土の美化清掃に大きな努力をしたいということで、来年度からはこれも本格的な國民運動のようなものに展開いたしたいという計画でございます。そのほか各地の施設がまだなかなか整備いたしませんが、全日本観光連盟を通じて、傘下の各種團体に対し模範施設をつくりまして、各地にちやちな施設ができないように、せつかくつくります以上は、それぞれの観光地に適合した、りつぱな施設ができるように設計をし、そして一部の経費を補助するというような考え方で、模範施設の整備というようなことに力を注いで行きたいと思つているのであります。こういつた経費を合計いたしまして五千万円程度要求いたしているのであります。また海上観光協会に対しても來年度は積極的に宣傳及び啓蒙運動をやる考え方で、五千万円程度の経費を要求いたしているのであります。
 こういうような状況でございますが、御参考までに海外各國の補助金、海外宣傳のやり方について一、二私の方で調べたものを申し上げてみますと、英國においては一九四七年の初めに観光休暇局といえ團体をつくりまして、これも半官半民的な團体でございますが、この團体は、主として海外宣傳、そして國内に受入れ施設の整備を中心とする團体でございますが、この團体に対しまして政府は一九四七年度には、三十五万ポンド、一九四八年度には四十二万ボンドの補助金を支出いたしております。その大部分は海外宣博経費でございます。またスイスにおきましては、やはり半官半民的な観光宣傳機関といたしまして、中央観光局というももがございますが、これに対しまして連邦政府から農近年度におきまして約三百万フランの補助金を支出いたしております。また南阿連邦におきましてはサウス、アフリカのツーリスト・コーポレーシヨンというものができまして、これもコーポレーシヨンの名のごとく半官半民的な公的色彩を持つた團体でありますが、それがやはり海外宣傳機関でございます。これに対しましては、総経費が十万ポンド以下の場合は半額國庫から補助する、また総経費が十万ポンド以上の場合は、その部分に対して三分の二の補助をするというふうな、経費を支出いたしておるようでございます。大体私どものわかつております外囲のやり方及び経費の支砥の程度は、現在までのところその程度でございます。
 海外宣傳につきましては、もちろん観光事業の振興によつて受益する團体もございますが、現在はまだ過渡期でございますし、先ほど申し上げました駿事前の相当盛んなときにおきましても、やはり国家的事業として、國家が相当の負担をしなければ、海外宣傳というものはできない実情でございました。ことにまだ過渡期にありまして、観光事業の各種の機関、会社等におきましても、そう直接多くの受益がございません現在におきましては、民間の資金のみにこれを依存するということはできがたい実情にあるのであります。私どもといたしましても、この際ぜひとも來年度からは本格的な宣傳を実施するという建前で、現在関係方面と宣傳経費の問題につきましては、交渉いたしておるような現状でごごいます。
#38
○栗山委員長 御質問ございませんか。
#39
○藤田委員 ただいま観光部長から海外宣傳費の詳細なる御説明がありました。その内容については一應了承いたしますけれども、御存じの通り現在國家財政は非常に深刻でございます。ただいま明年度から補助金を支出したいと言われ、あげられました数字は、相当厖大になつております。本年度は配付税が激減いたしました関係上、全國の公共團体、特に町村長千三百名が、町村財政の窮迫から辞表を出しております。かかる際に、山梨縣あるいは宮崎縣の一年間の配付税と同程度の厖大な補助金を出されるということは、非常に大きな問題でございます。観光部長のお手元で、詳細な科学的な検討が加えられておると思いますが、これだけの海外宣傳費を投じまして、どのくらいの外貨を獲得できるか。大体宣傳というものは、御存じの通りそれによる効果を期待して出すわけでございますが、いかなる基準に基いてこの金額を算定されましたか。述べられました各團体の予算のわくが、初めからきまつておつて、その中に、先ほど述べられた補助金を投ぜられるのか、この点一言お聞きしておきたいと思います。
 それからここに法律案が出ておりますが、國際観光ホテル整備法案の審議に関連いたしまして、某官廳では非常にいろいろな批判が行われております。関係官廳は特に緊密なる連絡をとりまして、観光事業には積極的な熱意を見せていただきたいことはもちろんでございます。昨日吉田総理が車中談で言われております通り、國土の開発、観光事業等はまつたく超党派的な、國家的な問題でございまして、各省少くとも関係官は、十分緊密な連絡のもとに、予算化を急がれたというふうに想像いたしておりますが、海外宣傳費の捻出に関しましては、観光部長の独自の見解に基いて立案されたか、あるいはたとえば海外宣傳の重点となります國立公園等を所管しております厚生省、その他にも十分連絡されたかどうか、簡單に御答弁願いたいと思います。
#40
○間嶋説明員 最初の御質問の、こういつた宣傳費を支出いたしまする基準でございますが、もちろん宣傳費を投じまする以上は、相当の收入を考えなければならぬわけであります。私どもといたしましては、來年度は大体少くとも一千二百万ドルというふうな点を基準にいたしまして――今年の実情から見まして、ある程度の努力をすれば、その程度の牧益が上るじやないかという見通しを立てているのであります。これを邦貨に換算いたしますと、大体四十三億数千万円というふうな額に上るのであります。過去の収入と、それから宣傳経費との比較、あるいは海外との比較から考えましても、ことに現在は過渡期でありまするので、億程度の宣傳費は、出してもいいじやなかろうかというふうな考え方を実はいたしているのであります。例えばこの四十三億の收入に対しまして、大体一%といたしますと、四千三百万円になりますが過渡期でございまするので、大体三%程度というふうな考え方を実はいたしたのであります。そういつた点に、私どもといたしましては基準を置いて考えております。
 それから次にホテルの整備法の問題について御質問がございましたが、この点につきましては私どもといたしましては、かねがねホテルの整備に、こういつた助成的内容を持つた法律が必要だというふうな考え方を持ちまして、昨年八月設置されました観光事業審議会、これには関係各省、もちろん厚生省も入つておりますが、関係各省が参画し、また民間の委員別入つておられます。この審議会に一應の試案を出して御説明し、なおその趣旨に沿つて進めるようにというふうな示唆を受けたことはございます。その後準備を進めましたが、本委員会の方でお取上げになるということになりましたので――私どもといたしましては、私ともがかねがね望んでおりました法律をお取上げになることに相なりましたので、委員長の御指示を受けまして、その下働きというかつこうで、いろいろ協力申し上げている、こういう実情でございます。
 それから宣傳経費の問題につきましては、特に今お話の厚生省と協議したというふうなことはございませんでした。これは時期的な関係と、非常に急ぎましたので、関係各省と連絡するということはいたしませんでしたが、私どもとしては、別に國立公園を除外するというようなことではなしに、日本の観光地全体を、海外に宣傳するという考え方でやつております。この点私どもといたしましては、昨年できましたあの観光事業審議会に、各省の方も呼びましたし、また民間の観光関係の権威毒も呼びまして、かなり各省の調整というものはうまく行つておりました。今度もこれが一日も早くできまして、その目的の一つである名寄行政の調整ということがスムースに行われることを、実は期待いたしておるのであります。なおお話の点もございますので、今後は十分関係方面とは連絡して行きたいと思つております。
#41
○栗山委員長 砂間委員から発言を求められておりますが、ただいま藤田委員と観光部長との間にかわされました御意見に関し、委員長として御報告をし、御了解をいただきたいことがございます。委員会の意向として、行く行くは観光廳のごとき統一官廳を設けて、これに観光事業を所管させるという線が強く出ておるのでありますが、その運びにはまだ距離があることと存じます。委員長といたしましては、行政管理廳の長官、國務大臣本多市郎君と、この問題について打合せをいたしたのであります。と申すのは、ただいま藤田委員から御指摘のまうに、行政府の各担当部門との連絡、これが円滑に行かないというようなことを、私も聞いておりますので、いかように観光事業のおもなる内容を、各賞穂が担当したらよろしいかということについて、太多國務大臣と打合せをいたしてスタートをしたのでありますが、その打合せによりますと、ホテル、外客の扱い、それから海外宣傳、その他もございますけれども、主要なるもののこの三つについては、運輸省の観光部において行政廳としては担当することになつておる。観光道路については建設省が担当する。観景――景色のことでありますが、シイーナリイ及び衛生については厚生省が担当する。かように担当をきめて進行すれば、観光廳のごときものが、ただちになくとも、一應主要なる要項については、行政措置ができるという、お互いの話合いをしたことがありますし、今申し上げたことは主として本多國務大臣の意向でありますが、その打合せに基いて、ホテル関係の事柄、外客扱いの事柄、それに対外宣傳のこと、この三つのことはとりあえず運輸省の観光部で事務をとつてもらつて、この委員会の審議の資料として提出をいたしておりますので、この点お含みおきを願いたく存じます。
#42
○砂間委員 先ほどうつかりしておりまして、よくのみ込めない点があるのですが、二十五年度の予算として國の方から支出する分というのは、日本交通公社に対しましては八千百一万円、これは全額國の方から補助する。それから全日本観光連盟はこの收支計算の不足分の五千百十万円というものを補助するというので、今日の資料は配付されておるのですか。うつかりしておりまして、観光連盟で立てた予算、交通公社で立てた予算と見ておつたのてすが、そうではなくて、これは國の方から補助する大体の予定額として、お示しになつてあるわけですか。
#43
○間嶋説明員 その点、この説明が惡かつたのと、それから資料がちよつとふぞろいでございますので、申訳ございませんが、私どもの方といたしましては、日本交通公社及び全日本観光連盟では、要求といたしましてはさらに多額の要求がごごいましへのですが、しかし先ほど申し上げましたような基準で、とてもこの程度は、いろいろの事情から要求できないというふうな考え方で、大体五千万円、八千万円というふうな程度で予算をつくるようにという指示をいたしまして、それによりましてつくらせたものであります。ただこの中で、全日本観光連盟の方は全収入と全経費をあげまして、どうじても足りないものを五千万円程度に圧縮させまして五千百十万円ということにできておりますが、私の方では、補助金はそうこまかくいつも要求いたしておりませんので、ラウンド・ナンバーで少し減らしまして、五千万円という要求を出したのであります。それから交通公社の方は、実はこれ以外にも事業がございますので、全部のものはここにはあがつておらないのであります。ことに御承知のように、対外宣傳刊行物の中には、有料のものもございますが、有料の分は一應全部除きまして、無料で配布するようなものだけをそこに計上いたしまして、そしてその経費を八千百万円というような額に、予算の方を交通公社で組まれたのであります。私どもの方では、最初から約八千万円程度ということで指示をいたしておりますので、これまた八千万円ということで要求いたしております。
#44
○砂間委員 その点はわかりましたが、日本交通公社の分を見ますと、人件費や事務費というのがあります。たとえば交通公社で働く人の費用を國の方から六百五十四万円出してやる。それから事務費の場合で兜ますと、調度費、借地借家費、そういう費用も國の方で出してやる。交通公社でいろいろ調度品を買つたり、家を借りたりする費用を、國の方で一千百九十一万円出してやるということになるわけでありますか。
#45
○間嶋説明員 その点はこういう考え方でございます。交通公社の方におきましては、有料で配布するような資料等につきましては、もちろん出版部というものがございまして、そこでやつておるのですが、海外宣傳につきましては、外國部というものを設けまして、そこが専門にやつておるのであります。これにつきましては收入が伴いませんので、それでそれに専任しております者の人件費、事務費というものは、やはり計上するという考え方であります。
#46
○砂間委員 それから交通公社の方の内訳を見ますと、招待、接遇費接遇費として百万円あげてありまして、外國の著名人の接遇及び関係者の接待というふうに書いてありますが、つまりいろいろ宴会をやつたり、御馳走をやつたり、また、ただとめてやつたりするというために――外國の著名の人をとめてやるために、百万円計上してある、こういうことになるわけでありますか。
#47
○間嶋説明員 この接遇費の内容といたしましては、先ほどもちよつと申し上げましたタイアップをいたしております海外の、たとえばアメリカン・プレシデント・ライン、あるいはノース・ウェスタン・エアラインズというような会社の幹部の者もしよつちゆう参りますし、その他観光事業といたしまして、連絡をつけた方がいいと思われるような著名人が相当参ります。その人たちと交際費という内容と、御解釈願えればいいと思います。
#48
○砂間委員 ちよつと予算の面と離れますようでありますが、観光と申しますと、廣く外國人が日本へ來て観光してもらうということになると思うのですが、現在日本は占領下に置かれておりまして、どこの國の人たちも、自由に入つて來るということはむづかしくなつたのじやないかと思うのです。その点はどうなつておりましようか。たとえばソビエトの人でも、中國の人でも、インドの人でもイタリアの人でも、フランスの人でも、自由に日本へ観光に來れるような状態になつておりますでしようか。それともある特定の國の人でなければ、入つて来れないということになつておるでしようか。その具体的な観光客――日本に観光で來る外國人はどういうような人たちか、またどこの國の人でも自由にできるかどうかどいうふうな点について、お伺いしたいと思います。
#49
○間嶋説明員 ただいまの点につきましては、原則といたしまして、國籍による入國制限というものは現在はございません。ただ入國につきまして、いくらか制限がございますのは、いろいろの外客が参りますが、御承知の通り、まず商業目的でバイヤーとして参ります者、これはやはりその目的で許可を受ければ入れるわけでございます。これはほとんど世界各國の人種が網羅せられております。それからその次が観光各でございますが、これにつきましては一週間、二週間、三週間というふうに、いろいろの旅行のプランがつくられておりまして、最大三十日まで認められております。そのプランによりまして、海外で飛行機会社なり、船会社あるいは旅行あつせん業者が、何と申しますか、旅行を賣るわけでございますが、それを買つて参りますれば、國内へ入れる。こういうことになつております。これも人種の差別はございません。それからこの四月から近親訪問者、これが友人にまで拡張せられておりまして、近親友人の訪問者というのでありますが、日本に自分の近親なりあるいは友人がおりまして、そしてその人たちを訪問したいという意思を表明いたしまして、その人たちがそれを承諾したものは、やはりGHQから許可が出ます。これによりまして穴部分の日本人の一世、二世は日本へ帰つて來ておるわけでございますが、これも人種に制限はございません。中國人でも、場合によりましては朝鮮人でも、やはりこれを利用いたしまして、日本におります友人あるいは近親が承諾の意思を見せました場合には、許可をいたしております。その他の外國人も若干実績としては現われておりますが、大部分は一世、二世であります。
#50
○今村(忠)委員 期間は……。
#51
○間嶋説明員 期間は六十日でございますが、しかしさらに延期が六十日できるという建前になつております。
#52
○今村(忠)委員 バイヤーの場合は……。
#53
○間嶋説明員 バイヤーの場合は、最近ほとんど無制限になりました。
#54
○砂間委員 そういたしますと、一應許可さえ受ければ、どこの國の人でも自由に日本へ観光に來れるという建前になつておるという御説明でございますが、そうすると対外宣傳の場合におきましても、來てくれそうな所には、どこへも宣傳をやつたらいいと思うのです。先はどのお話によりますと、昭和四年以來、対米宣傳ということに重点が置かれまして、今度の交通公社や観光連盟の対外宣傳の内容を見ましても、主としてアメリカに重点を置かれるようでありますが、中國だとか、あるいはほかの國に対しましては、そういう宣傳の必要はお認めになつておらないのでありますか。その辺はいかがでございましようか。
#55
○間嶋説明員 ただいまの点につきましては、もちろん観光事業といたしましては、アメリカだけに限らず、その他の國からも、十分来る見込みがあれば、また宣傳でそれだけの効果があると思えば、やらなければならぬと存じますが、現衣御承知の通りアメリカ以外の國、ことにポンド圏におきましては、ポンドを海外に向つて使うということを極度に制限いたしております。そういつた関係で、ただいま積極的な宣傳をやりましても、さほど効果がないのではないか、こう思われるのであります。ところがアリリカは、対外経済協力局長官なんかも向うで言明いたしておりますが、アメリカが海外復興につきまして多額の資金を出しておりますが、それを回收する一つの手段といたしまして、積極的にアメリカのツーリストをそういつた國々に送るということを、一つの政策としておるようであります。特にヨーロツパに向いましては、アメリカ人を多数送りまして、そうしてアメリカ人がヨーロッパの状況をみずから知ると同時に、その消費するドルによりまして、ヨーロッパの復興に貢献する。こういうふうな考え方をしておるのでありまして、われわれもう日本に対してももちろん同じ考え方がなされるものと考え、またその政策を、ヨーロツパとひとしくアメリカがとることを実は望みまして、対外宣傳もアメリカにやはり重点をとりたい。アメリカでやる方が、効果があると確信いたしておる次第であります。
#56
○栗山委員長 ちよつとお諮りいたします。十二時過ぎましたけれども、引続きあと三十分ほど審議いたしますれば、今日予定した議題は議了できると思いますので、三十分の時間の延長には御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#57
○藤田委員 これは通常國会で十分論議されると思いますので、簡單に御答弁願つてけつこうでございます。われわれの研究題目として必要でございますが、先ほど間嶋観光部長は、海外宣傳費の補助團体として、三つをあげられたと記憶いたしております。この補助團体選定の基準というものを、簡單にお知らせ願いたいと思います。海外宣傳を担当し得る團体は、日本に幾つくらいあるか。この三團体に海外宣傳費の補助は限定されるのか。この三團体を選定されたのは、戰前の慣例に從つて、その惰性できめられたのか、こういう点をお聞きいたしたいと思います。
 もう一つの点は、先ほど來、明年度の外貨獲得額を大体四十三億円と想定され、その三%ぐらいを選んだというふうに御答弁がありました。戰前の外貨獲得額と宣傳費のパーセントは、どのくらいになつておるか。観光部長の御答弁にあります通り、現在の観光客は、いろいろな面から、何と申しましても、占領國なるがために、制約を受けております。從いまして、戰前の比率でそのまま宣傳費を出すということは、ややむだになるという危險がございます。この点に関しまして過去の資料がございましたら、簡單に御答弁をお願いしたいと思います。
#58
○間嶋説明員 補助金支出團体の選定理由といたしましては、まず対外宣傳につきましては、先ほどもちよつと御説明申し上げました通り、国際観光協会というものが総合観光宣傳機関として存在いたしまして、それが日本交通公社に合併いたしまして、日本交通公社がそのままそういつた観光宣傳機関として存在いたしておるわけでございますが、また実力から申しましても、当時の人材、資料その他一切を引継ぎました関係で、ほとんど日本におきまして、唯一の内容の充実した宣傳機関でございます。また一方外人の観光あつせん事業もやつておりますので、海外事情にも通じておりますし、宣傳関係の有能なスタッフをそろえておりますので、適当な團体と考えておるわけでございます。また一方対外宣傳そのものは、直接には消費事業で、リターンは國家全体に、各種の團体にわかれて均霑いたしますが、宣傳だけを主眼として團体ができるということも、なかなか考えられないのでございます。ただ交通公社は、一方ではあつせん事業をやつております関係で、從來比較的財政がゆたかな時代には、国家の出しました経費以外に、みずからかせぎました経費を相当多額に計上いたしまして、多いときには一千万円も投じまして、直接にはリターンにならない、國全体にうるおうような観光宣傳をみずからやつております。そういつた財政的な理由もございまして、從來交通公社を選んでおつたわけでございます。
 それから全日本観光連盟と海上観光協会、これは宣傳と申しましても、現益の段階では國内の啓蒙運動が主でございます。このやはり全日本観光連盟も、全図のあらゆる観光機関を総合いたしまして、全部をその傘下に包含しておる團体でございます。こういつたような全図の総合的な国体に対しまして、まとめて支出すること別適当だというふうな考えで出しておるのでございます。それから海上観光協会は、実は海上観光というものの特殊性を考えまして――戰前におきとましては、観光收入と相並びまして、海運收入というものが非常に大きな地位を占めておりました。また海運界におきまして、戰後日本の経済復興のためには、どうしても外航進出をし、外國のツーリストをみずからの船で運ばなければならぬということが考えられまして、こういつた方面に対しまするいろいろの啓蒙運動、あるいは宣傳活動をやらなければなりませんので、特殊性を認めまして、これに対して補助金を出しておる次第でございます。
#59
○河野(謙)委員 先ほど來交通公社の補助金の問題が出ましたが、私は宣傳費はいまさら申すまでもなく、宣傳をすれば必ずリターンするのだということでいいと思います。ただ宣傳の技術の問題たけであつて、宣傳した結果どういうことになるかということは、宣傳そのものの根本観念からいつて心配する必要はないと思う。ただ交通公社の補助の問題で内訳を見ますと、宣傳費と在外事務所費、この合計したものを一應宣傳費と見ました場合に、残る人件費と事務費が約三〇%になる。これは宣傳費に対して事務費、人件費が少し多過ぎるのではないか、かように思うのです。さような疑いも出ますので、この際この予算をはつきりさせる意味において、これ以外の交通公社そのものの事務費、人件費、これらも一括してお示しくだされば、非常に國の補助の関係がはつきりして来ると思うのですが、もし交通公社の予算全般について、これ以外に一体どういうことになつているかということをお示じ願えば、たいへんけつこうだと思います。
#60
○今村(忠)委員 先ほどのでわからぬ点ですけれども、日本海上観光連盟の補助金はいくらですか。
#61
○間嶋説明員 これは從來七十五万円でございます。二十三年度、それから二十四年度の補正予算で一應きまつておりますのが、七十五万円でございます。
#62
○今村(忠)委員 二十五年度は……。
#63
○間嶋説明員 二十五年度は五百万円です。
#64
○今村(忠)委員 なおこの際観光部長にお願いします。これはあるいは委員長かと思うのでございますが、大体わが國の観光関係の來年度における予算の全貌というものを、一度知りたいのであります。何か刷りものにして、今三つあげた民間団体期間への補助金のほか、一体來年度において観光事業方面にどのくらいなものが使われるのか、全部ひとつわかるものを示していただきたいと思います。
#65
○栗山委員長 了承いたしました。あとの方面は補助金でなくして、私の承知するところでは、國立公園費とか、文部省所管の國宝保存費だとか、さようなものになるかと思います。
#66
○今村(忠)委員 それをひとつお願いします。
#67
○石原(圓)委員 ちよつと問題がそれるかどうかしりませんが、委員長が劈頭に御報告されました、日本旅館を改善するこの融資の問題を、乙種に加えれらるということは、非常に委員長の御努力が拂われておるものと察するのでありまして、この方面になお一段の努力が必要かと思うのであります。そういう場合に、なおわれわれもともに奔走する必要があれば、そういう点も考慮していただきたいと思うのであります。なおこの乙種とされた二十六の箇所を、おさしつかえなければ、表にでもして御配布願いたいと思います。
#68
○栗山委員長 今ありますから、差上げます。
 予算関係は、申すまでもなく本院としては予算委員会の所管事項でありますが、再発足の観光事業については、この委員会が特に力を入れ支援をするのでなければ振興を期しがたいと存ずる点から、この予算問題を御審議願つたのであります。砂間委員の御希望條項にありましたように、今後の國際経済状況の推移に伴うて、海外宣傳をなすべき対象國については、十分なる考慮をしなければならぬという希望的意見をつけまして、本委員会としては一應この提出になつた海外宣傳予算をお認めになられますかいかがでございますか。
#69
○砂間委員 私は結論を申し上げますと、反対であります。現在日本は占領下に置かれておりまして、外國の人たちが自由に入國できるという條件ができておりません。またホテルや道路その他國立公園等の施設にいたしましても、戰争中から非常に荒廃しておりまして、まだ十分外客を招致するに足るほどの準備ができておらないと思います。ことに日本の現在の政治経済の全体の実情を見ますと、災害なんかにおいても年々莫大な被害が起きて、その復旧すらも繰延べになつているというふうな状態でありまして、また失業者なんかも非常にふえて来ている。こういうふうなときに、單に海外宣傳費だけに一億数千万円の莫大な費用を投ずることは、これは單に観光という狭い部面からだけでなくして、この日本全体の現状という点から見ました場合に、こんな必要はないと思う。外貨獲得というふうなことを言うておられますけれども、しかしこういうことをやらなくても、もつと外貨を獲得する方法は、貿易の自主性とか、あるいはもつとほかの國々と自由な貿易を発展させて行くことによつて、他にその道はあると考えます。從つてこういう観光というふうなことは、現在その時期でないという観点からして、こういう莫大な宣傳費を出すことについては、私は反対の意見を表明しておきます。
#70
○栗山委員長 ただいまお諮りいたしておりますのは、この表にございます金額の八千百一万七千円についてだけお諮りしているわけであります。皆さんの大部分の御意向がいずれにあるか、それを御表明願いますならば、その方向に従つて行動をいたすよりほかないと存じます。
#71
○藤田委員 ちよつとお伺いします。観光宣傳予算の採決を委員会としてされるのじやありませんですね。
#72
○栗山委員長 さようではございません。反対という御意見が出ましたので、ここで反対、賛成の討論をしてさうして採決をすることはできないとういことを申し上げたのであります。
#73
○藤田委員 二十年度は全滅しておる予算でありますし、一應党に持ち帰りまして、政調会あたりの研究題員にしたいと思います。宣傳費の必要についてはわれわれは賛成でございます。内容についてもう少し研究させていただきたいと思います。
#74
○栗山委員長 それではこういうふうにしてお諸りいたします。海外宣傳の必要を本委員会としてお認めになりますか、いかがでございますか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#75
○栗山委員長 さようでございましたならば、内容につきましては、逐次意向を加えて改正することにいたしまして、この予算を扱つている方面に対して、委員会として海外宣傳費は必要であるという委員会の申入れをいたしてよろしゆうございますか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#76
○栗山委員長 ついでにお諮りいたしておきますが、これは補助金の形式をもつて準備されておりますけれども、今の財政切盛りから申しますと、補助金形式は通りにくいのだろうと思います。そういたしますと、國の行政費の中にこれを入れて支弁するか、行政費の中に入れるといたしましても、別の代行機関を單行法によつて設けて、この機関が代行するのであるということにいたしませんと、支出はむずかしかろうと存じます。もしさような別の代行機関を設置し、これをして海外宣傳をなさしめるという法的措置を必要とする場合には、準備をいたしてお諸りいたすことにいたします。
 以上をもつて本日準備されました議題を議了いたしました。先ほど御了承を得ました観光道路問題に関して、本委員会を中心とし、厚生省、建設省、運輸省相寄つて協議会を開き、万全を期したいという御決定を得たのでありますか、それにつきましてお諮りをいたしたく存じます。幸い理事今村忠助君は建設委員であられます。また理事畠山鶴吉君は厚生委員であられます。この両君は理事として本委員会のために御盡瘁あられる方でありますので、はなはだ恐縮でありますけれども、右申しました協議会のお世話役を今村理事、畠山理事にお願い申したく存じます。いかがですか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#77
○栗山委員長 さようにとりはからわして、ただきます。両君よろしくお願いいたします。
 ほかにございませんければ、本日はこれをもつて散会いたします。
    午後零時二十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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