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1949/05/11 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 考査特別委員会 第3号
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1949/05/11 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 考査特別委員会 第3号

#1
第005回国会 考査特別委員会 第3号
昭和二十四年五月十一日(水曜日)
    午後二時五十一分開議
 出席委員
   委員長 鍛冶 良作君 
   理事 小玉 治行君 理事 猪俣 浩三君
   理事 神山 茂夫君 理事 吉田  安君
      安部 俊吾君    大橋 武夫君
      佐々木秀世君    篠田 弘作君
      高木 松吉君    田嶋 好文君
      内藤  隆君    福井  勇君
      赤松  勇君    田万 廣文君
      椎熊 三郎君    徳田 球一君
      石田 一松君    浦口 鉄男君
      北  二郎君
    ―――――――――――――
 委員外の出席者
        考査特別委員会
        顧問      明禮輝三郎君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 浦和税務署をめぐる官吏汚職事件
 証人出頭要求の件
 資料要求の件
#2
○鍛冶委員長 これより会議を開きます。
#3
○神山委員 議事進行に関して……。
#4
○鍛冶委員長 日程がありますから……。
#5
○神山委員 日程に入る前になぜ私たちの発言をお許しにならないのか。その点議事の進行上聞いておきたい。
#6
○鍛冶委員長 日程は先にやるべきです。
#7
○神山委員 私は前から理事会において意見を留保しておるじやないか。そのものをどうして許さないのか。
#8
○鍛冶委員長 別に許さぬということはないが、日程がきまつていますから、それを済ましてからにしてもらいたい。
#9
○神山委員 議事に入る前に発言させてもらいたいということを、私は理事会において言つておるし、今もそれを言つておる。だから議事の進行方法について発言を私は求めておる。
#10
○鍛冶委員長 議事進行に関してだけ発言してください。
#11
○神山委員 私がきよう日程に入る前になぜこのことを言いたいかといいますと、理事会においてすでに委員長に繰返してこの点の発言を留保してあると思います。というのは本日の日程であるところの浦和税務署事件の証人喚問のことについてはあとで述べることとしまして、この浦和税務署の事件を取扱うということのほかに、本日の各新聞には商工省の汚職事件、すなわち紙の割当に関連する汚職事件を扱うということに書かれている。ところが私は理事の末席を汚しておるものでありますが、残念ながら理事会はこういうことを扱つたことを知らない。從つて日程そのものがすでに問題を含んでいるということを、私はきようの理事会で繰返して言つたわけでありますが、ここで一つの問題が起りますのは、なぜこういう理事さえ知らないような問題が、新聞に出るかという問題であります。これがどこから出たかということが一つ問題でありますが、さらにさかのぼつて、理事会その他におきまして、この考査特別委員会では、新聞記者諸君に対する発言は、各理事がかつてにしないということをお互いに紳士的に申し合せて、私たちは厳粛にこれを守つている。そのために新聞記者諸君はわれわれに対して不満を持つておられる。委員長にも不満を持つておられるかもしれない。こういうことがあるにもかかわらず、私たちはこの委員会が超党派的であるということを考えるからこそ、党派を超えて沈默を守つているわけであります。それにもかかわらず商工省の紙の割当に関する汚職事件をやるというふうなことが、理事にも諮られずして、われわれに寢耳に水のように出て來るというのはどういうわけか。どこからばれたか、その責任を追究したい。もう一つは新聞記者諸君に対する発表を現に統制されておるわけでありますが、この統制が現にこういうふうに破られておる事実から見て、私たちも今までは紳士協約であるから從つていたが、以後こういう申合せに從わないというふうにしてもいいのかどうか。この点を私は本委員会であらかじめ決定されることなしには、日程そのものに大きな問題が残るということを終始強調したわけであります。從つて今日の日程に入る前に、この問題について一應討論されることを希望します。
#12
○鍛冶委員長 私に対する質問として私から答えたいと思います。私とてしはかねて理事会にも諮り、また委員会にも諮つてきめたことでありますから、これを遵守しておるつもりであります。なお將來に対しても、これは遵守していただきたいと思います。これが第一点です。
 その次に、どうしてそういうことが漏れたというか、新聞に出たかということになりますと、その原因は私としてある程度調べはいたしまするが、今も新聞記者諸君にそのことを言つたのですが、新聞記者は新聞記者として探知したことは、別にどこからということは言わぬと言つております。但しかりにわかつたとしても、それを載せてもらわぬということを、新聞記者諸君にも御了解を得ているはずでありますから、これだけは皆さんにも守つていただきたいと、かように申し上げるほかはないのであります。
#13
○椎熊委員 この新聞に出ている商工省の用紙割当に関する汚職事件は、当委員会で取上げることに理事会が決定したのでしようか。この点はお答えできるでしよう。
#14
○鍛冶委員長 前にはしてありません。
#15
○椎熊委員 將來はこれを取上げる御方針でありますか。
#16
○鍛冶委員長 いまだ公表する時期に至つておりません。
#17
○椎熊委員 私はこの新聞記事は、大体委員長あるいは事務局長が、新聞記者諸君に何らかの了解のもとに話したのでなければ、これは漏れるはずがないと思います。おそらく委員長においてはそういうところを十分注意の上、これは新聞に書いてくれるな。將來はやるつもりだというふうな形式でお話になつたのじやないですか。
#18
○鍛冶委員長 私はまだそこまで話しておりません。
#19
○椎熊委員 そこまで言わなくても、それに似たような表現があつたのじやないでしようか。
#20
○鍛冶委員長 いろいろそういうようなことを言われたことはありますが、まだどこまで行くかわからぬから、明日発表できれば、そのときまで待つてくれ、私は今これをお話しすることはできぬと言つております。
#21
○椎熊委員 いずれにしてもこれは委員の口を封じ、理事の口を封じておいて、なおかつこういうことが漏洩するということであるならば、当委員会における將來の運営上に重大な影響がある。その点については、委員長においてとくとこの漏洩した責任等についてお調べおきを願いたい。そうして当委員会に御報告を願いたい。
#22
○鍛冶委員長 承知いたしました。
#23
○北委員 この問題につきましては、先ほど理事会で委員長が大まかなことは発表したかもしれないと、こういうことを言われたと思いますが……。
#24
○鍛冶委員長 そんなことはない。
#25
○北委員 この問題に限つては事実はない。あとの問題に限つてはそういう事実がある……。
#26
○鍛冶委員長 この前の理事会で、この問題が次に出せるかもしれぬと言つたようだと言つただけです。
#27
○北委員 そうするとこの問題も言つたようだということになるのですか。
#28
○鍛冶委員長 理事会でですよ。
#29
○北委員 理事会でなく、新聞記者諸君に大まかな発表をした、そう理事会で申したのじやないですか。
#30
○鍛冶委員長 新聞記者諸君には話しておりません。
#31
○椎熊委員 事はここまで世間で知つて來たことですから、この際あらためて私委員の一人として希望を申し上げますが、新聞用紙配給の問題は、かなり世間の疑惑が集中されている問題ですから、堂々とこれを取上げて、本國会中に糸口を開くように事務当局を督励し、われわれはいつでも招集に應じて審議に当ります。ぜひともお取上げあらんことを私は希望いたします。
#32
○鍛冶委員長 承知いたしました。
 これより進行いたします。前回の委員会において一應調査事務局の機構について構成を終了いたしましたので、さつそく理事会を開いて、各委員諸君より提出されました案件について協議の結果、事務局において基礎調査に着手したものが数件ありますが、そのうち基礎調査を終了いたしましたものについて、委員諸君の御承認を得て、本委員会として正式に調査に着手いたしたいと存じます。それは過日新聞にも報道されました浦和税務署をめぐる官吏汚職事件でありますので、諸君も御承知のことと存じますが、その大略を明禮事務局長よりまず説明していただきます。
#33
○明禮事務局長 事務局の概念をここに御説明申し上げます。大体のことは先日新聞に出ておりましたので御承知であろうと思いますから、要点を申し上げてみますと浦和税務署における汚職事件、これを具体的に申しますと浦和税務署の大藏事務官川上次郎並びに浦和税務署の雇吉岡重行、この二人の問題から出発するのでありますが、この二人の者はすでに收賄によつて起訴されているのであります。
 そこでこの收賄はどういうことから來ているかと申しますと、川上次郎という大藏事務官は、昭和二十三年の十一月ごろ、浦和市仲通り五の七七、飲食店黒猫こと今宮フサ方において、浦和輪業組合員大堀長吉外三名より、二十三年度所得税額決定につき便宜取扱いの請託を受け、その報酬として一万円の贈與を受けたということであります。
 その次に古岡重行というのは、窃盗前科一犯の男であります。この男が税務署の雇となつて入りまして、徴税事務補助を勤め、約説者が大藏事務官と誤認して遇するを利用して、金品騙取したということであります。
 これを拾つて行きますと、浦和市高砂町二の六三番地、家具販賣業辻村久藏方に参りまして、身分を利用し、数日中に返すと称し、二十三年十一月下旬ごろ金一万円を借り受けております。
 第二の事実は、その本人の姉そめを嫁入りさせる目的で、婚礼家具類を代金を借りて購入するようにと、父の万次郎から頼まれたのを機といたしまして、昭和二十四年一月の上旬ごろ代金借入れの意思を隠して、婚礼道具一式、たんすとか鏡とかいうようなもの九品目、その代金一万六千八百三十円を詐取したということになつております。
 第三の事実は、同僚の秋谷義男と共謀して、昭和二十三年十二月上旬浦和市常盤町九の二四、菓子屋榎本善五郎方に参りまして、大藏事務官と誤認させ、榎本より所得税の減額の話を聞き、税額決定の機能、力のないにかかわらず、あるがごとくうて、三千円をもらつた。
 第四の事実、昭和二十四年一月中旬ごろ、榎本善五郎方に至り、話合いがきまつたから少し金がいると称し、仲町三丁目の税務署屋上において六千円をもらつた。
 第五の事実、昭和二十四年一月初め、浦和市針ヶ谷町七一番地、精米業町田耕平方に参りまして、同人の二十三年度の仮更正二十万円の決定が來ているが、困つているから何とかしてくれというこの運動に、運動しなければ三十万円くらい來るぞというように申し、その一割三万円出せば何とかしてやると称して、即時に同所において三万円をもらつた。
 第六の事実、同上旬ごろ浦和市仲町一ノ七五番地、電氣工事請負人星野秋太郎方に行きまして、数日後には必ず返済すると称して、二、三万円の借入方を申し入れ、三万円を受けた。
 その他余罪がある見込みであります。これは表面に出ている問題でありますが、このほか目下調査中にかかるものが七件ありまして、收賄の総額が四十二万一千七百七十円となつております。ほかに饗應その他が相当あるようであります。
 ここに調査をいたしました私どもの委員会に御調査を願いたい趣旨は、もともとかような犯罪は相当ありますが、これ以外にこれら税務署の今日の課税徴收、その他かような入々を使用している官廳としての監督の責任、並びに全國にまたがる徴税についての取扱いが、はたしてかようなやり方でいいものであるかどうかということの資料を得、これらについての今後の措置を願いたいということに重きを置くのであります。かような意味において今日の税務署の問題は、その他の税務署においてもかくのごとき事犯ありやとうかがわれるものがありますので、ここに浦和税務署を官吏汚職事件の第一の取扱いとして、調査を終了いたした次第であります。簡單ながら御報告申し上げます。
#34
○鍛冶委員長 本件は以上の内容のもので、すでに檢察当局においても取調べ中でありますが、当委員会としてはこういう不祥事件がどうして発生するのか、その発生の原因がどこにあるかを調査いたしまして、一浦和税務署だけでなく、日本全國の税務署における課税徴收に関する汚職の根絶をはかることを目的として進みたいと存ずるものであります。本委員会としてはこれを正式に調査することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#35
○鍛冶委員長 異議なきものと認めます。それではさように決します。
 なお本件につきまして浦和税務署長杉田磯吉、前浦和輪業会長藤倉新吉、現浦和輪業会長金子由太郎及び輪業会役員鈴木政吉の四名を來る十四日に証人として出頭を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#36
○鍛冶委員長 御異議なきものと認めます。それではさよう決します。なお税務署の汚職に関しては、他の方面にも次々と調査を進めるつもりでありますから、問題があるということがおわかりでありましたら、続々御提出を希望いたします。
 次に資料要求のことで御了解を得ておきたいのは、本委員会で正式に取上げる以前において、調査部で必要な資料は適宜委員長より提出を求めることを御承認願いたいのであります。御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#37
○鍛冶委員長 それではさようとりはからいます。
#38
○徳田委員 この事件は大藏委員会でも問題になつておりまして、大藏委員会が一ぺんあすこへ行つたはずです。何べんも行くはずだつたが、結局一ぺんしか行かない。向うで行つて調査したいろいろな書類があるはずでありますが、この書類は事務当局ではすでにとつてありますか。
#39
○明禮事務局長 その話を先ほど聞いたのでありますが、まだ聞いたばかりであります。私の方では大体檢察廳と税務署の方に特に力を入れて調査しておりますから、すぐ今日でも取寄せることにいたします。
#40
○鍛冶委員長 ほかに御発言はありませんか。
 それでは本日はこれをもつて散会いたします。
    午後三時十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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