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1949/05/17 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 考査特別委員会 第5号
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1949/05/17 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 考査特別委員会 第5号

#1
第005回国会 考査特別委員会 第5号
昭和二十四年五月十七日(火曜日)
    午後三時八分開議
 出席委員
   委員長 鍛冶 良作君
   理事 池田正之輔君 理事 小玉 治行君
   理事 内藤  隆君 理事 猪俣 浩三君
   理事 神山 茂夫君 理事 吉田  安君
   理事 石田 一松君
      安部 俊吾君    大橋 武夫君
      栗山長次郎君    佐々木秀世君
      篠田 弘作君    高木 松吉君
      田嶋 好文君    福井  勇君
      吉武 惠市君    赤松  勇君
      田万 廣文君    小松 勇次君
      小林  進君    浦口 鉄男君
      北  二郎君
 委員外の出席者
        証     人
        (青果物商)  石井竹次郎君
        証     人
        (洋服商)   鈴木 富藏君
        証     人
        (青果物商)  清宮松五郎君
        証     人
        (洋服商)   北島重太郎君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 委員派遣承認申請に関する件
 証人出頭要求に関する件
 浦和税務署をめぐる官吏汚職事件
    ―――――――――――――
#2
○鍛冶委員長 これより会議を開きます。
 まず委員派遣承認申請の件についてお諮りいたします。浦和税務署をめぐる汚職事件について調査のため浦和市に委員長外二名の委員を派遣いたしまして、元税務官吏吉岡重行、川上仁郎、荒木勝、松岡弘裕、吉田千恵子の五名に対し出張尋問を行いたいと存じます。御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○鍛冶委員長 御異議なきものと認めます。それではさようとりはからいます。
 なお委員の指名については委員長に御一任を願います。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○鍛冶委員長 それでは本日は前回に引続きまして浦和税務署をめぐる汚職事件につきまして、証人より証言を求めることといたします。本日お見えになつている証人の方は石井竹次郎さん、清宮松五郎さん、鈴木富藏さん、北島重太郎さん、ただいまより証言を求めることといたします。
 証言を求める前に、各証人に一言申し上げますが、昭和二十二年法律第二百二十五号議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人に証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならぬことと相なつております。
 宣誓または証言を拒むことのできるのは、証言が証人または証人の配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族、または証人とこれらの親族関係ありたる者及び証人の後見人、または証人の後見をうける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、及び医師、歯科医師、藥剤師、藥種商、産婆、弁護士、弁理士、弁護人、公証人、宗教または祷祀の職にある者、またはこれらの職にあつた者がその職務上知つた事実であつて黙祕すべきものについて訊問をうけたときに限られておりまして、それ以外には証言を拒むことはできないことになつております。而して、証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮、または一万円以下の罰金に処せられ、且つ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたとき、三月以上十年以下の懲役に処せられることとなつておるのであります。一應このことを御承知になつておいていただきたいと思います。では法律の定めるところによりまして証人に宣誓を求めます。
    〔各証人宣誓〕
#5
○鍛冶委員長 署名捺印を願います。
    〔各証人宣誓書に署名捺印〕
#6
○神山委員 今の証人の宣誓に関連してですが、この前の証人諸君の態度を見ておりますと、どういうわけか、非常におどおどしておられる点があつたので、委員長自身が始末に困られた事実があつたと思いますが、われわれも非常に迷惑をした。今日は特に委員長から、もつとやわらかく、氣樂に陳述されてよいのだということをよく証人の方に得心させるように、その上で腹藏のない事実を述べてもらうようにおとりはからい願いたいと思います。

#7
○鍛冶委員長 承知しました。
 石井竹次郎さん、鈴木冨藏さん、清宮松五郎さん、北島重太郎さん、この順序で調べることにいたしますから、石井さん以外の方は元の控室にしばらくお待ちを願います。
 それでは石井さんにお尋ねいたしますが、今読み聞かせましたように、あなた自身に関して、これを言うたら犯罪になるとか、こんなことを言うたら困るということがあつたら、それは言わなくてもよいのです。こちらは何もあなた方を犯罪者にしようと思つて調べておるのじやないのですから、決して臆することなく、いやなことはいや、覚えのないことは覚えがない、覚えのあることはすらすら述べていただきたい。
 あなたは浦和青果物組合の組合員でありますか。
#8
○石井證人 そうです。
#9
○鍛冶委員長 もと組合長であつたのですか。
#10
○石井證人 いや、ただの組合員でした。
#11
○鍛冶委員長 組合長になられたことはないのですか。
#12
○石井證人 全然ありません。
#13
○鍛冶委員長 あなたの二十二年度の所得税の申告はどれだけなさいましたか。
#14
○石井證人 六万円したのでございます。
#15
○鍛冶委員長 二十二年の四月ごろ、組合の幹部が集まつて、組合員の所得の序列をつくつたことがあるそうですが、そういうことはありますか。
#16
○石井證人 ございました。
#17
○鍛冶委員長 そのときあなたの方は六十万になつたということですが、それはほんとうですか。
#18
○石井證人 序列をつくつて申告したのは四月ごろなんです。そのときに私は六万円で申告した。大体序列をつくるときに、清水博次郎、八百博、その人とずつと序列をつくつたのですが、結局私はその人の下になつていた。下になつておるから、そのくらいの序列ならよいでしようということになつて、そのままになつていたのです。そのときに申告したのが六万円です。それから十月の確定申告のときに、結局六十万円になつていたのです。
#19
○鍛冶委員長 あなたの申告から十倍になつたわけですか。
#20
○石井證人 十倍になつたのです。
#21
○鍛冶委員長 それはどういうわけでそういうことになつたのですか。
#22
○石井證人 それは結局私は企業整備のときに営業をやめちやつたのです。そうして仲町に家がありましたけれども、実家や何か田舎にありますから、戰争中田舎にひつ込んで農業をやつていたのです。けれども、終戰のあくる年の二月ごろから、企業整備でやめた人は自由に今度組合に入れる。やりたい人はここで商賣をやつたらよいということに組合の方から話があつて、戰争は終えたし、いつまでも農業をやつていることもないし、商賣をやつたらよいだろうというので、それで私が今度また組合員となつて営業を始めたのです。ところが私が営業すると、役員をしている方で、非常に私をじやまにする人間がいるのです。そうしてその役員たちが、そのときに係官であつた税務署の調査員に一部たきつけたわけです。そうして苦しめてやろうというような意味でもつて、六十万という税金をかけて來たのです。それだから結局確定申告の十月ごろだつたと思いますが、そのときに市場へ行つたときに、その荒木さんという人が來ておつたのです。
#23
○鍛冶委員長 そのたきつけられた税務官吏というのは、荒木勝ですか。
#24
○石井證人 そうです。その人が來ていて、私は何もそうしたところに――私は大体役員や何かにへいへいするようなことはきらいなんです。それだもんだから、税金問題については、役員と不仲の者が皆多く來ちやつた。私は特に役員と不仲なんです。そんなような関係上、私はその日も確定申告の日に、せがれをやつて、自分で行かないことにしようかと思つておつたのです。ところが今副組会長をしている宮尾さんという人が、石井さん、たいへんなことだ、お前のところは六十万円の確定になつているといつて、知らしてくれたのです。そんな法外なことはないというので、私は市場へ行つたのです。そうしたら、なるほど黒板の一番の上に六十万ということで私が最高になつている。それから税務署の役人に私は何も言つたわけじやないのですが、役員たちに、何だ、こんな査定をだれがしたのだ、だれがこんな序列を組んだのだと私は言つたのです。そうしたところが、中に荒木さんがいて、この査定はおれがしたのだと言う。それだから荒木さんに向つて、こんな法外もない査定があるか、ろくに調査もしないで、こんな法外な税金をかけて來て、どんなわけで、こんな査定をしたのだと言うと、不正なもうけばかりしているから、そんな査定をしたのだと言う。不正なもうけといつて、おれの方は不正じやない、そんな査定をするのが不正だと言つたのです。そのうちにカネタの清宮たあちやんという人が、税務署の役人とけんかしてもしようがないからよせ、あとでまた話がつくから、と言つてとめたのです。そこで結局その日はわかれちやつたわけです。
#25
○鍛冶委員長 序列をつくるときには組合でみな役員が相談してやるのだそうだが、そのときに税務署の役人が出て來ているのですか。
#26
○石井證人 そうですね。序列をつくるときには税務署の役人は立ち会わないだろうと思うのですが。
#27
○鍛冶委員長 その前に來て何か話をして行くのですか。
#28
○石井證人 私は役員とは全然かかり合いをしていなかつたから、そう詳しいことは知りませんでしたけれども、序列をつくつてくれということは、税務署の方から話があつたのでしようけれどもね。
#29
○鍛冶委員長 別に來て相談しているというようなことは知りませんね。
#30
○石井證人 そういうことは、私大体役員とは年中不仲で、役員は私にろくに口もきかないし、私も役員にいろいろなことを聞きもしないから、そのくらいだから総会や何かでもあまりタツチしないようにしようということで……。
#31
○鍛冶委員長 そこであなたは、あとで話したらいいというので、それからどういうことをしましたか、それでどういうことになつたのですか。
#32
○石井證人 それで六十万という税金が來たのですよ。それだから、そのときはまあいろいろ言い争そつたけれども、あとで話がつくからと言うから、それでは一まずまかせておこうといつて、役員にまかせちやつて、私はその日は帰つちやつたわけです。それから今度仮更正が來たのが、やはり六十万で來たわけです。それから、こんな法外もない税金が來たつてしようがないからというので、私の家のすぐ下に久文先生という人がいたのです。私は無学なものですから、わからんことは何でも聞きに行くのですが……。
#33
○鍛冶委員長 何という人ですか。
#34
○石井證人 久文先生といつて、税務代理士をやつたり、弁護士をやつたりしている人です。その久文先生に、こんな法外もない、家を疊んでも納まらない税金だから、これをどういうふうにしたらいいでしようと言つて聞いたのです。そうしたら、ともかく異議の申請をしておきなさいということで、私は先生に頼んで異議の申請書を出したわけです。そうしてその異議の申請書を出してしばらくしてから、その翌る年の一月に組合の役員の選挙があつたのです。その役員の選挙で、旧役員は全部落ちてしまつて、新役員に全部かわつたわけです。そのときに組合長に三崎正次郎という人がなつたのです。そうするとその三崎正次郎という人が、去年の税金は非常にでこぼこだから、去年の税金のでこぼこは、今度役員がかわつたから直すということで、やつてくれたわけです。そこで六掛ぐらいならいいだろうと言うので、ほかの並みから押して行くと、私の家はいくら最高を見積つても十五万円だと私は言つたのです。そうすると、なるほど、竹さんのところは十五万円ぐらいなら最高だろうな、でもまあ今年は六十万と決定が來ているのだから、十五万円というわけにも行かないから、どうだろう、二十万ぐらいじやと言うから、二十万じやとても拂えないと言つたのです。そうしたら、それじやまあ十五万に申請してみようということになつて、それでもつて十五万に申請してくれたのです。そうして、今度申請書を出した人は、たいがい負かるだろうという話だつたのです。そうして何の通知もなくていたから、そのまま十五万円に負かつたものだと思い込んで、十五万円にはちよつと足りないけれども、二万いくらと、四千いくら二回と、二万いくらと納めて、あとは、そのときはまだ農家から商賣に切りかわつたばかりですし、金の貯えもないから、働いて金ができたら、またあとを入れるからということで、分納しておつたのです。そうすると、今度は決定書が來たわけです。それにやはり六十万と來たのです。それから、これはヤマ竹さんの三崎正次郎さんが言うには、十五万円であれしてやつたというので、それからすぐに今度は久文先生のところにまた行つたのです。実は十五万円で組合長が今度でこぼこを直したという話だけれども、直つていないから、ひとつ先生どうでしようといつて、行つたところ、どうもそういうのが一番困るんだ、今までちやんとしてある商賣が、組合でやることはそういうようないいかげんなことばかりやるのだからと言つて、先生が、それじやどつちにしても、正式に争つても六十万の資格はないのだから、これは正式に争つてでもあれしてやるからと言つてくれたのです。それじやひとつお願いしますということで、それで久文先生にお願いしたのです。そうして私この税金問題で、一度も税務署へ顔を出したことはないし、何も知らないで、悩んでいたのです。そうすると私のおいつこが來て、おじさん何だねというから、何だか知らないが、おれのところはまだ去年の税金もまかつたと思つたら負かつていないので、法外もない税金で非常に困つているんだ。それなら早く言つてくれればよかつた、おれは税務署に大勢知つている人がおる。それで知つている人の手引で話をしたら、早く話が進むだろう、それじやその知つている人を紹介してくれと言つて、私が頼んだのです。そうしましたら、吉岡重行とか何とかいう人を紹介してくれたんです。それが浦中の夜間部の学校友だちなんです。それで私は紹介してもらいましたから、税務署の人じや話が進むだろう、ひとつお願いしますということになつて、それで一、二回來てくれたのです。それからあとで私が税務署へ行つたのです。そうしたら、田村さんというその時係長をやつている方のところへ私を連れて行つて話をしてくれたのです。ところが、田村さんは全然受付けないのです。何でもない人の税金問題を出して來て、お前そんなことをしたら、とんでもない間違いになるのだということで、第一異議の申請書が出ていない、こう言うのです。それから私は異議の申請書が出ていないことはない、出ているはずだと言つたら、異議の申請書が出ていないから、それはもうだめだというのです。そうしてそのときに久文先生がやつてくれまして、書留で異議の申請書を出しておいたものですから、受取人の帰り返事があつたのです。それでその手紙を持つて行つて、こういうふうにちやんと出ているのだからと言つたら、それでもないからもう一度書きかえて來いというので、もう一度異議の申請書を書いて出したのです。そうして異議の申請書を出して來た。それから同月ごろだつたか、古いことで、あまりよく覚えておりませんけれども、去年の九月か十月ごろに、久保とかいう人が再調査に來たのです。そうして再調査をしてくれて、その結果二十万という通知が來たんです。通知が來ましたので、さつそく金をこさえて金を納めてしまつた方がいいだろうというので、納めに行つたのです。ところが、そのときに税務署へ行つて、日が遅れて困つちやつたが、どういうふうな方法で納めたらいいかということもわかりませんし、税務署へ行つても、だれも知つている人がいないので、また吉岡という人に聞いたんです。そうしたところが、吉岡という人は延帶金がたくさんたまつているが、延帶金はどういうふうにしてくれると言うのです。延帶金とか何とか言つても、本税だけでもようやく納めるのに、おれの方で去年の更正が法外もない税金をかけられて、それで納まらないでいたのですから、延帶金だけは何とか課長さんにでも負けてくれるように話をしてくれないかしらと言つて頼んだのです。それじやおれが課長さんにゆつくり話をしてみる、延帶金が負かるように話をしておいてやるから、ということだつたんです。それから私もそのつもりで帰つて來ちやいました。帰つて來ますと、それから今度しばらくして、十二月ごろになつて、その古岡という人が來て、ともかく六十万円が二十万円に負かつたが、おれもいろいろ骨折つたよと言うのです。骨折つたというけれども、それでも私の方では信用しなかつたのです。何も古岡という人に骨を折つてもらつた関係はないというような考えていたのです。ところが、課長に飲ませたり何かして、七、八千円かかつちやつた、こういうわけなんです。
 それから、だつておれの方じや正式にあれして再調査してもらつて、負けてもらつたんだから、吉岡さんがそんなにかけたことは知らなかつたと言つたところ、なあにそう言つたつて、おれも頼まれたんだから、いろいろかけてあれだけにこぎ着けたんだ、こう言うんですよ。だけれども、私の方じやそういうことは一つも信用しなかつたから、ああそうか、そりや済まなかつたと言つておいたんです。それから同じようなことを三度くらい言つて來たんですよ。だから、私も困つたなあと思つていた。そうすると、ちようど十二月三十一日に來て、ともかく七、八千円使つちやつたのだから、どういうふうにしてくれるかつて言う。どういうふうにしてくれるかと言つたつて、おれもちやんと正式な願いを出してあれしたのだから、そういうものを使つたとは思えぬけれども、と言つたところ、それじやどこへでも行つて話をつけるとか何とか言うんですよ。そこでうちの家内も、税務署のことだし、またそんなつまらぬことでけんかをしておつて、七千円や八千円のことで税務署から法外もない税金をかけられてはとても商賣はして行けないから、七千円や八千円なら返してしまつた方がいいだろうという話なんですよ。だから、少々高い税金拂つたと思つて、返しちやおうかというので、大晦日の晩の八、九時ころ、八千円持たしてやつたんですよ、どうしても立替えてあるからと言うので……。じや。吉岡さん長く済みませんでしたと言うつて、返したんですよ。そうすると、今度は正月のことだし、しばらく來なかつたですよ。そうすると、一月の月半ばころになつてから、ともかく石井さん税金を拂つてもらわなくちや困つちやうよと言つて來たんです。ちようど今度はおれも出世して、こつちの方の係はおれが全部やつているのだから、おれが知つている顔でもつて、たれか連れて來て、差押えするのはいやだから、早く納めてくれないか。納められないなら、たとえ半分でもいいし、分納でもいいから、納めてくれないかという話をして來たわけです。それから私も、それじやどうにかして拂おうと思つて、延帶金はどういうふうにしてくれる、こう言つたんですよ。すると、いやおれも延帶金では骨を折つちやつた。課長もいろいろ話をしてあるけれども、なかなか話がつかないが、延帶金はどうにかして課長に話をして、話をつけるからと言うのですよ。それからわしの方は延帶金さえ負けてもらえば、どうせ六十万が二十万になつたんだから、今まで商賣もできたし、一生懸命拂う氣なら借金してでも拂うから、それじやともかく少し待つてください、よく話をきめてくださいという話になつて、三回くらい來たかね。あしたあたりは差押えに來るかもしれないと言つて來るから、それじや延ばしておいてくださいよと言つて、三回くらい來たんです。それから今度は、たしか二月の二十六日だと思いますが、二十五日にまた差押えに來るかもしれぬと言つて來た。それから私は二十六日に金をつくつて持つて行つたんです。どうだろう、課長さんに話をしてくれたかしらと言つたところ、課長にいろいろ話をしてあるけれども、課長もこの際何しても忙がしいからというのでまだよく話に乗つてくれないからと言うのです。それじや金を持つて來たけれども、どこへ納めたらいいだろうかと言つたら、徴収するところには馬場さんがいるけれども、馬場さんに納めてしまつたんじや、馬場さんは話がわからないから、延帶金は負けてくれないと言うのです。どうしてもこれは課長に話をしてやらなければいけないから、課長に話をしてやると言うのです。それじやきようまた夕方でも來るから、課長さんに話をしてもらいたいと言つて、大金だと言うから、私もこれを預けて行くわけにもいかないんで、持つて帰つちやつた。その日の夕方、四時ごろ行つたんです。四時ごろ行くと、いろいろ話もあるしするから、ここじや何だから屋上に行こう。屋上でいろんな話をして、ともかく俺もこれじや骨折つたけれども、課長に話したら大分課長も納得したようだから、延帶金の方を負けてくれるだろう、ただ負けてくれ、負けてくれと課長に言うのは俺も話しにくい、現金を並べて、課長さん、これだけ納めるから負けてやつてくれと言うなら話しいい、どうも金を並べないでただ話すのは話しにくい、金を置いて行けるなら明日にでも話してやるから、こう言うんです。それでね、私もこれを聞いて、これは一理あるなと思つて(笑声)、ただ負けてくれと口だけで言つてもだめだ、何のあれも同じことだと思つたから、それでは持つて来たもんだから、私の方は要するに延帶金さえ負けてもらえれば自分で拂うつもりなんだから、じやお願いしますと言つて、自分でまさか、だまされると思わないから、それを置いて來ちやつたわけです。
#35
○鍛冶委員長 幾らですか。
#36
○石井證人 七万八千円です。そうしたら、そのあくる日は日曜なんです。で、そのあくる日に私が行つたんですよ。そして吉岡さん來ているかしらと言つたら、きようは大宮の方に差押えか何かで出張していると言うんで、実はおとというちの税金を納めたんだけれども、うちの税金は納まつているかしらと聞いたんです。そのときに山崎という人と、ほかの人が二、三人いて、そうだな、吉岡納めておるかしらという話だつたけれども、吉岡だつて人の税金なんか使い込むようなことはないだろう、こういう話なんです。それだから私もひよつとして使い込まれたりしたら困るなと思つたけど、そんな話ですからそのままそのときは帰つて來ちやつた。そのあくる日に税務署の人と、もう一人山崎さんという人と二人でうちに來たわけです。実は吉岡の件で來たんだけれども、お宅で吉岡に、税金を納めてくれと頼んだかしらと言うから、実は税務署に行つて吉岡さんが課長に話してやるからと言つたから置いて來ましたと言つたんです。すると実はぼくは吉岡の班長の山崎というんだがと言うから、私はそれじや私の方は税務署の中のことはちよつとも知らないから、よろしくお願いしますと言つておいたんです。だから、班長というものも知つておることだし收まらなければ收まらないで何か話があるだろうというんで、私も安心して、中で班長さんも知つているんだから話がついたんだろうと思つていたんです。けれども受取りもくれないので、二、三回私の方で行つたんです。何しろ忙しいし謀長がまだ帰つて來ないとか何とかいうことで、くれなかつたんです。それで三月のいつごろだつたか、うちの家内に、じやあ吉岡さん仮受取でも書いてくれと言つてやらせて、吉岡が仮受取を書いたんです。自分の判をおつペして持たせてよこした。それは山崎さんという人がこういう受取りを書いてもらいなさいと言つて、山崎さんが預り書の見本を書いてくれたのをその通りに今度吉岡が書いたわけです。そいつを二通もらつて、――そいつは今裁判所に行つておるかもしれないですが、そうしたことで私の方もそれで納まつておるものだと思つていたんです。そのうちに日が経つてしまつて、まだ受取りは持つて來ないが、納まつているのだろう、こう思つていたら、あんな事件が始まつちやつたわけなんです。(笑声)
#37
○鍛冶委員長 それで結局七万八千円は納まつておらないのだね。
#38
○石井證人 まだはつきりしたことはわからないのだけれども、税務署にも私はあまり行かないし、この間の話で納まつていないというような話らしいんです。
#39
○鍛冶委員長 それは二十二年度の税金だね。
#40
○石井證人 そうです。
#41
○鍛冶委員長 そうすると、本税も納めなければ延帶金もそのままになつておるわけだね。
#42
○石井證人 そういうことになります。
#43
○鍛冶委員長 二十三年度の税金ももはや來ておるが、それはどうなつておるか。
#44
○石井證人 二十三年度の税金も、五十万円が來ておるんですけれども、二十二年度の税金に一生懸命で二十三年度の税金まで手がまわらないんです。何しろそれだけの收入があるわけじやないんですから……。
#45
○鍛冶委員長 二十三年度の五十万円が來たとき異議の申立てをしましたか。
#46
○石井證人 してあります。
#47
○鍛冶委員長 まだきまらないのだね。
#48
○石井證人 きまらないのです。自分ではともかく五千円幾ら、最初に一回自分の申告だけを納めただけで、まだあとは納めていないのです。それで二十二年度のやつを一生懸命その年の暮に納めてしまおうと思つて……。
#49
○鍛冶委員長 あなたはさつき税務署に行つて発表したときは六十万円と言つておるが、ほかのところで言つたのでは、序列をつくつて発表されたときに六十万円になつていたと言われたが、それはどちらがほんとうだね。序列はただ順番だけつくるのだが、発表というと、金を発表するのだろう。
#50
○石井證人 ええ。
#51
○鍛冶委員長 そのときは六十万円になつておつたのじやないか。
#52
○石井證人 そのときに六十万円になつておつたのです。序列をつくつてあれしたときには、だれにも見せなかつた。役員たちがみなに見せて納得したと言うけれども、全然そんなことはしなかつたのです。
#53
○鍛冶委員長 あなたが一番上だつたのでしよう。
#54
○石井證人 一番上だつた。
#55
○鍛冶委員長 その次はだれだつた。
#56
○石井證人 岸町の魚久さん。
#57
○鍛冶委員長 それは幾らだつた。
#58
○石井證人 あのとき幾らだつたろうね。
#59
○鍛冶委員長 覚えはないですか。
#60
○石井證人 ええ。
#61
○鍛冶委員長 あなたの方の役員に清宮という人が役員になつておるんだね。
#62
○石井證人 清宮は三人おります。
#63
○鍛冶委員長 役員で清宮松五郎、それは役員だね。
#64
○石井證人 そうです。
#65
○鍛冶委員長 その清宮というのは、あなたが六十万円のとき幾らだつた。
#66
○石井證人 三、四万だつたと思いますね。
#67
○鍛冶委員長 それは実際商いはないのかね。相当あるのか。
#68
○石井證人 そうばかにあるほどでもないけれども、まあ三、四万という家じやないかね。
#69
○鍛冶委員長 六万だつたようだが、六万にしても君のところの十分の一だな。商いも十分の一ぐらいですか。
#70
○石井證人 そんなばかなことはない。私ら清宮の倍もできやしません。
#71
○鍛冶委員長 そうすると役員だつたから安かつた、こう見るよりほかないのだね。
#72
○石井證人 そうです。それよりも安いと思つたのは、うちのすぐそばの今泉だとか、石塚久作、これは役員で、つまり両はたに狭まつているんです。私はまん中にいるんです。その両はたの人がやはり六万くらいなんです。それでその年なんかはうちよりもよけい賣つているんです。配給所のあとだから、お客はいくらでも來るけれども、うちの方は戰時中休んでたものですから、お客は來ない。
#73
○鍛冶委員長 そこであなた方高いとか安いとか言うが、その高いとか安いとかいう標準は、実際店のあきないと、それから要る費用を引いたのをにらんで高い安いと言うのか、それともどういうところから言うのですか。
#74
○石井證人 私らの思うには、経費もかかるし、それを納めるだけの力がないから高い、こういうふうに思いますね。
#75
○鍛冶委員長 ほんとうは所得税というのは、あきないがあつてどのくらい金が入る、それから費用を引いてこれだけ所得があるのに、こういうものをかけて來たから高い、そういうことを考えてみませんですか。
#76
○石井證人 私らのやり方は、必ずしもあきないしたからもうかるというわけじやない、もうけずに賣るのが――役人に言わせると、それは賣る方が違うと言いますけれども、実際上かりに一万あきないしても、五千円のものはもうかつても、五千円のものは奉仕のものが出るわけです。そうすると結局一万あきないして、役人は二千五百円もうかると仮定するか、一千五百円もうかると仮定するか知らないけれども、役人の仮定する半分ももうからないわけなのですね。ですからそこにたいへんな相違が起るのじやないかと思います。
#77
○鍛冶委員長 あなたたちは一年にどれだけの收入があつて、その中からこれだけ費用を引いて、実際の所得がこれだけになるのだ、しかるにかけて來るのは多いとか安いとか、そういうりくつ張つた計算はしたことはないのですか。
#78
○石井證人 それはしています。ともかくおととしで六十万というと、一日税金千何百円納めるのです。そうすると、そのころはまだ商賣を始めたばかりで、悪い日は三千円くらいしか賣れない。それで一週間に何回とかいう程度で青物は配給制でまるつきりもうからない、水菓子なんかそれこそ雨が降つたり何かすれば一千五百円くらい、多い日で三千円くらい、そうするともうけは全部納めてしまつても税金に納まらないくらいな六十万だつたです。家で全部の人間が食わずに納めても……。
#79
○高木(松)委員 大体今委員長が尋ねられたので要領を得たのですが、簡單にお伺いいたします。あなた方は商賣の帳簿はちやんと持つているのですか。帳簿をつけているのですか。
#80
○石井證人 帳簿はつけたりつけなかつたりですがね。
#81
○高木(松)委員 そうすると二十二年度のほんとうの所得はなんぼですか。要するに必要経費を引いて基礎控除を引いて、残つたのはどのくらいあるのですか。大体でいいのです。
#82
○石井證人 そうですな、二十二年度は配給制でしたからどのくらい……。
#83
○高木(松)委員 あなたのは最初の六万円というのが所得かね。
#84
○石井證人 六万円では少かつたですね。大体最初の申告は六万円で、十五万くらいがほんとうです。
#85
○高木(松)委員 十五万くらいがほんとうなのをどうして六万円と申告したのですか。
#86
○石井證人 そのときはまだ確定しませんから……。
#87
○高木(松)委員 そこで先ほどから序列の問題があつたが、これは重大な問題だと思う。所得額を決定するのに何か別な方法をわれわれは考えなくてはならぬと思いますが、あなた方業者として、組合の方で序列を持つて行つて、それを基礎にして税務署がきめてくるということに対しては不満でしようね。
#88
○石井證人 それはもちろん不満ですね。役員など顔のいい人間は安くしちやつて、結局役員に憎まれている人間は序列を高くする。
#89
○高木(松)委員 それで役人からの天くだりでなく公平にきめるために、あなた方が納得するような決定の仕方について、民間から出て何かの方法を望んでいませんか。それからあなた方は異議の申立ての方法や何か知つていますか。
#90
○石井證人 全然知りません。
#91
○高木(松)委員 どうしても人手に頼まなければ異議の申立てはできませんね。そこであなた方が税務署に行つて異議の申立てがしたいと言つて相談したことがありますか。
#92
○石井證人 相談したこともないです。
#93
○高木(松)委員 第一、税務署の税務吏に対するあなた方の感情はどうです。恐ろしいもののように思いますか。
#94
○石井證人 ただ恐ろしいもののようにばかり思いますね。
#95
○高木(松)委員 ざつくばらんに話合つてくれるというようなことはないのですね。
#96
○石井證人 そういうような態度は一つも見せてくれない。行つたつてただ頭からおどかされてしまうだけで……。このごろはどうか知らぬが、去年あたりは税務署に行つたつて、うん、今忙しくてだめだと言つて、一時間も二時間も待つても、何も話もしてくれないし……。
#97
○高木(松)委員 あなたからこういうことを聞くのは何だが、われわれとしても考えがありますけれども、一体税のことについて何かひとつ、制度の上か何かに希望するようなことはありませんか。
#98
○石井證人 私らもそれはわからないのです。どういうふうにしたらいいものだか……。
#99
○高木(松)委員 ただ、今のやり方ではあなた方困るということにはなるわけですね。けつこうです。
#100
○鍛冶委員長 ちよつと聞きますが、組合の役員で、この税金のことで高いから負けてくれという、そういう運動はやつておりませんか。
#101
○石井證人 それはみんなやつているらしいですね。
#102
○鍛冶委員長 それは全体の運動をやるのか、自分のだけ負けてくれと言うのか。
#103
○石井證人 それは全体の運動をやるように見せかけて、それで自分たちのことばかりやるのです。
#104
○鍛冶委員長 わかりました。
#105
○小玉委員 あなたの青果組合は浦和青果物組合ですか。
#106
○石井證人 浦和青果物組合。
#107
○小玉委員 組合員は何人ですか。
#108
○石井證人 みんなで八十人近くあつたと思います。
#109
○小玉委員 二十二年度の税で幹部が集まつたという時期は四月ですか。幹部が集まつて序列をつくつたというのだが、それは四月ごろですか。
#110
○石井證人 はい。四月ごろです。
#111
○高木(松)委員 その際に税務署の方から浦和青果物組合に対して、全体で何十万というような割当があつたのですか。
#112
○石井證人 たしかそのときに割当があつたのでしよう。
#113
○高木(松)委員 総額でどれぐらいか知りませんか。
#114
○石井證人 私は役員とタツチしないので、そういうことは全然知りません。
#115
○高木(松)委員 どれだけの割当があつたかということは、役員でない普通の者には知らせないのですか。
#116
○石井證人 知らせなかつたのです。
#117
○高木(松)委員 序列をつくる際に序列のみではなく、割当があるから君は六十万、君は何ぼというように、みんなの話合いで割当額がきまる、そんなわけではありませんか。
#118
○石井證人 それを全然しなかつたのです。大体最初はみんなおよそ何万ぐらい、何万ぐらいということでめいめいに隠しつこして申告してしまつたのです。
#119
○高木(松)委員 隠しつこというのは……。
#120
○石井證人 役員や何かがはつきりしたことを言わないのです。
#121
○高木(松)委員 みんなの前で君は何ぼ、君は何ぼというように打明けて話し、お互いに相誤ずくで自分の税負担額がきまるというようなことを浦和の組合ではしなかつたのですか。
#122
○石井證人 しなかつたのです。
#123
○高木(松)委員 それであなたとしては隠しつこかどうか知らないが、六万円をそのときに申告したのですね。
#124
○石井證人 私はそのとき幾らぐらい申告したらいいだろうと聞いたのです。
#125
○高木(松)委員 だれにですか。
#126
○石井證人 役員が書いてくれたので、そのときは十五万申告したらいいだろうという話でした。
#127
○高木(松)委員 いいだろうということを幹部が言つたのですか。
#128
○石井證人 いや私は十五万じや多過ぎるといつて六万に申告したのです。
#129
○高木(松)委員 一應は組合の幹部から君は十五万ぐらいしたらいいだろうという話はあつた。けれどもあなたがそれに従わずに六万円にしたというのですか。
#130
○石井證人 他の人の序列を聞いたのです。ところがうちの両端の知つた人はどれぐらいかと言つたら六万ぐらいという。それならうちだけがそんなに商いはしないのにどうして多いのだろうと言つたのです。
#131
○高木(松)委員 それは確定申告だつたのですか。予定申告じやないのですか。
#132
○石井證人 確定申告ではなく、一番最初の申告です。
#133
○高木(松)委員 いわゆる予定申告ですね。
#134
○石井證人 そうです。
#135
○高木(松)委員 それで結局予定申告ならば、一年を四回にわけて一期ごとにして行くわけですが、一期分を六万円としたわけではないのですか。
#136
○石井證人 そうではありません。一年分を予定して申告しろということです。
#137
○高木(松)委員 そのときに一年六万円とした。それで税務署から六十万円として確定申告が來たのはいつですか。
#138
○石井證人 十月ごろです。
#139
○高木(松)委員 よろしゆうございます。
#140
○田万委員 先ほどから話を聞いていると、証人に六十万円もの査定額が下される。しかも営業を始めたばかりにそういうものが來たというのは、役員の中でじやまをする者があつた。税務署をたきつけて、不当に高くした人がある。そういうことですね。
#141
○石井證人 そうです。
#142
○田万委員 さしつかえなければその人の氏名を聞きたい。
#143
○石井證人 その人は大体うちのすぐ上でやつている八百屋さんらしいのです。
#144
○田万委員 税務署をたきつけたというのは、はつきりした事実があるのか、あれば聞きたい。
#145
○石井證人 それは結局こういうことを、市場の万人の前で言つたことがある。それはいよいよ十月ごろになつて六十万円の決定が來たでしよう、請求書が來たわけです。そのときに市場に行つて、おれの税金は十五円くらいに負かつておると思つたら、六十万円來た。税務署に行つて役員としておれの税金のことについて話をしてくれなかつたのか。こう言つたときに、すぐ上の今泉という八百屋が、竹さんのところだけは税務署でもつて受付けない、組合では受付けない、個人で來なければ税務署で、石井トクだけは――家内の名義でやつておりまして、私はまだ農家をやめてませんでしたから――石井の本人が來なければ受付けない。こういうことを万人の前で言つたことがあります。
#146
○田万委員 そういうところから大体たきつけた人があるということが想像できるのですね。
#147
○石井證人 ところが税務署では私の家だけ受付けないなどということはないらしいのです。
#148
○田万委員 その人は申告はどのくらいしておつたか。
#149
○石井證人 その人は四万五千円か、五万円くらい申告したと思います。
#150
○田万委員 決定になつたのは……。
#151
○石井證人 決定で六万円くらいでしよう。
#152
○田万委員 それも非常に少いわけですね。
#153
○石井證人 それは、うちがここにあつて、二丁くらい隔たつたところでやつておつた。それから三、四丁隔たつてここでもやつておりますが、両端とも役員をしておる。こちらの方の役員は平凡な人で、この人も六万円くらいだけれども、これは登録店舗のときはうちの三倍くらいあつた。こつちの方は登録のときはうちと同じくらいで、上か下か、何軒の差もないくらいだつた。それなのにうちだけが六十万、両方は六万……。
#154
○田万委員 役員だけ相当うまくやつたわけだね。
#155
○石井證人 それだけ店を張つておつて六万円で、新規の店が大概十万ぐらい來た。始めたばかりで……。
#156
○鍛冶委員長 さつき言つた組合の役員が税金を負けてもらう運動をするときに、あなたに運動費の割当を言つて來なかつたか。
#157
○石井證人 それは一つもなかつた。
#158
○田嶋委員 あなたが申告したのは六万円でしたね。この申告はたれかに御相談なさつておるのですか。それとも周囲の人々の状況を見て、そうしてこれくらいの見当だと思つてやつたのですか。
#159
○石井證人 それは周囲の状況も見、また役員がみな書いてくれた。役員が相談してどのくらいに書いたらよいだろうといつて……。
#160
○田嶋委員 役員に書いてもらつた。その六万円というのは青果物組合では申告のときの順位は最高ですか。
#161
○石井證人 最高ではありません。
#162
○田嶋委員 どれくらいの人が最高ですか。
#163
○石井證人 そのときは最高はどのくらいでしたか……。
#164
○田嶋委員 最高はあつたのですか。
#165
○石井證人 ありました。
#166
○田嶋委員 ところがあなたが六十万という最高になつたのですね。
 申告は最高が他にあつたのに、決定はあなたの方が上になつたのですね。
 それからもう一つ、二十三年度の申告は幾らでしたか。
#167
○石井證人 二十三年度の申告幾らですか、せがれがやつて來たので……。
#168
○田嶋委員 二十万円より多かつたか、少かつたか。六万円より多かつたか、少かつたか。
#169
○石井證人 二十万円より少いと思います。十五万円くらいじやないかと思います。五千幾ら一回納めたのです。
#170
○鍛冶委員長 あなたとしては良心的にやつたつもりですね。
#171
○石井證人 どうせ申告は一ぱいにしても、税金は必ず余計かけて來られる。かりに三十万とすれば、今度は百万もかけて來られるから、結局余計にはできないという頭で、うちはことしは大体三十万くらいのものは拂える、こういうふうな頭だつたのです。
#172
○鍛冶委員長 今年は三十万くらい拂わなければならぬが、十五万くらいにしておけば、三十万くらい來るだろうと、駈引で十五万にしたのですか。決定はいくらあつたのですか。
#173
○石井證人 五十万です。
#174
○鍛冶委員長 あなたの今の氣持では、三十万なら納まると思つているのですね。
#175
○石井證人 三十万なら納まると思つています。
#176
○鍛冶委員長 どうだね、税金というものはみんなそんな氣持でやつているのかね。
#177
○石井證人 何しろ申告しても申告通りに來るわけでもない、ほんとうに自分の申告した程度來るなら正しく申告して、義務ですから拂いたいと思います。
#178
○北委員 さつき課長さんに飲み食いしたから七、八万円くらい要つたというのは、七、八千円の間違いですね。
#179
○石井證人 ええ、そうです。
#180
○北委員 そこで十二月の三十一日に、吉岡という人が八千円くれと言つたわけですね。
#181
○石井證人 そうです。
#182
○北委員 そうすると、それの受取をとつてありますか。
#183
○石井證人 とりませんでした。
#184
○北委員 そうすると、吉岡さんがもらわぬと言つたらそれつきりですね。
#185
○石井證人 そうです。
#186
○石田(一)委員 吉岡の班長の山崎という人が、あなたの奥さんのいらつしやつたときに來て、こういう受取を書いてもらえと言つて受取の形を示したでしよう。それを奥さんは吉岡のところへ持つて行つて、山崎さんもそう言つているからこういう受取を書いてくれと頼んだというのですが、吉岡さんの上にいる税務署の役人があなたの奥さんに、吉岡にこういう受取を書いてもらつておけと言つて教えたのですね。
#187
○石井證人 それは私に、あなたが税務署に行つたときに、こういう受取をちやんと書いて判を押したのをもらつてくださいと言つたのです。
#188
○石田(一)委員 そうすると、それはいつも税務署から來る受取のような紙ですか、それとも普通の紙ですか。
#189
○石井證人 普通の紙でした。
#190
○石田(一)委員 何か税務署の名前が書いてあるのですか。
#191
○石井證人 どうでしたか、それはうつかりしました。
#192
○石田(一)委員 それが今警察にあがつているのですね。
#193
○石井證人 檢察廳に行つております。
#194
○石田(一)委員 班長というのは何をしているのか知りませんか。
#195
○石井證人 知らないです。
#196
○鍛冶委員長 では済みました。御苦労でした。
#197
○鍛冶委員長 鈴木富藏さんですね。
#198
○鈴木證人 はあ。
#199
○鍛冶委員長 あなたは埼玉縣洋服商商工協同組合浦和支部の組合員ですか。
#200
○鈴木證人 現在は組合員ではありません。元は組合員であります。
#201
○鍛冶委員長 いつまで組合員だつたですか。
#202
○鈴木證人 二十三年八月末で営業をよしまして、それからぬけました。
#203
○鍛冶委員長 その前はこの組合の役員か何かしておりましたか。
#204
○鈴木證人 わずかの間組合長をやつておりました。
#205
○鍛冶委員長 いつからいつまでです。
#206
○鈴木證人 大体に十二年の四月だと覚えておりますが、それから六月幾日だか日を忘れましたが、それまでやつておりました。
#207
○鍛冶委員長 あなたのところは昭和二十二年度、二十三年度の両年度に、所得額はどれだけに決定されましたか。
#208
○鈴木證人 最初は三万円の決定をいただきました。それに対して三月末日に納税を済ましました。そういたしますと四月の十八日になつて、前の決定を取消して、五十万円にするという通知を受けました。これにつきまして少し聞いていただきたいと思います。
#209
○鍛冶委員長 それは二十二年度の所得ですね。去年の三月でしよう。
#210
○神山委員 その点証人は誤解されていると思うのですが、二十二年度のやつを二十三年になつて納めるのです。もつとわかりやすくすれば……。
#211
○鍛冶委員長 二十二年度の分を二十三年の春になつて納めるのですから、二十二年の税額に違いないのです。よろしいですね。そこで四月十八日に五十万円に変更になつた。
#212
○鈴木證人 はあ。
#213
○鍛冶委員長 そうしたらどうした。
#214
○鈴木證人 それにつきまして、これにはちよつと前に聞いていただきたいことがあります、組合の幹部が、自分の勢力を張るのにじやまな勢力を税務署を通じてやつつけてしまう。そういつたことによつて、税務署を利用しまして、そういう大きな決定をぶつけられた。そういう関係になつております。これは私ばかりでなく、そのほかにも黒澤正三郎という人が、この人は浦和でただ一人の戰災者なんです。長年兵隊に行つておりまして、帰つて來て、わずかの間ですけれども、町に堂堂と店を張つている人よりも多い税金をくつつけられた。これもやはり私と同じように、じやまな勢力であつた。この人は廃業してしまいました。そして今は縣廳の嘱託で、縣の何か裁縫部へ勤めております。私もその一人に選ばれたわけです。
#215
○鍛冶委員長 それはわかつたが、それはどういう方法でそういう者を排撃することをしますか。
#216
○鈴木證人 それを申し上げますとまことに長いのですが、聞いていただけますか。
#217
○鍛冶委員長 なるべく簡單にひとつ。
#218
○鈴木證人 実は私が組合長になる前に戰争が起りまして、宮田金次郎という人が長いこと組合長をやつておりましたが、若い、つまり申し上げれば大木貞夫、黒澤正三郎、それから石渡喜一、佐藤悌二、こういつたつまり新進の若い連中から、この際組合を改革してもらいたいという希望があつたのでして、それで前の組合長にやめてもらい、われわれ若い者でやつて行きたいという希望があつた。それで私は、もう時代も戰争に負けてこうなつたのだから、皆さんが仲よくやつてくれるのなら宮田さんに納得してやめてもらつて、皆さんにやつていただきましようというので、私は宮田さんに話をしまして、清くやめていただいたのです。そして総会を開きまして、宮田さんに表彰を贈り、金一封を贈つて退いていただいて、さて次の組合長をきめるときに、私はただ改革だけはして上げようというので、組合長をやる意思はなかつた。ところが、ほかの、つまり若い連中十何人かが連判しまして、ぜひこの際鈴木やつてくれ、ほかにやり手がないからやつてくれというので、むりに私は組合長をおしつけられた。そのかわり私は事務は何も関係しない、皆さんでやつてくれるなら引受けましようというので引受けて、私が最も信用しておりました黒澤正三郎君に一切のことをやつていただいたわけです。ところがその創立総会のときに、事務所の問題について、大木貞夫という人が、定款をつくるときに、大体私に相談もなしに、事務所を大木貞夫のうちに置くということを高圧的にきめて來ちやつたのです。総会のときに、私はそれは待つてくれと言つた。ところが、自分が立て、事務所を私のうちに置きます。皆さん賛成してください。それで組合員のだれかが賛成してしまつたから、とうとう大木さんのうちにきまつてしまつたのですけれども、この男は前から最高幹部になりたいという希望があつて、露骨にそれを働かしておりました。私はどうしてもこの男にまかせる氣になれなかつた。それで一切黒澤正三郎君に、帳面でも、現金でも、品物でもみなまかしていた。ところが私が黒澤正三郎君にまかしておくものだから、きまつた事務所に仕事を移さないというので、今度は私をたたき落してしまおうというのが出発なんです。ちようど新組合員が入りたいという希望があつたので、どんどん新組合員を加入さしては、自分の勢力に引きつけて、今度表決でやろうという機運が見えました。それで、何月でありましたか、何でも六月ごろだと思う、税務署の税金のことでもつて組合員全部寄つていただいたことがあるのです。そのときに私のやることことごとく大木さんがうしろからひつくりかえす。私はもうこれではやつてもだめだという見切りをつけまして、私はそのときに、どうも役員諸氏と同じ歩調で行くことができないから、この際辞職しますと、辞職してしまつた。すると片つ方は私をたたき落すべく一切の準備をして來たので、すぐその場で選挙をしまして、自分がとるところであつたのでしようが、選挙の結果は高橋日本という男に行つてしまつた。そしてその高橋日本という人が、おれはロボットでいい、一切大木さんにまかせるというので、大木さんが一切の組合長代理をやつておりました。
 二十三年の一月の末に、最後の更正決定の相談会が大木さんのうちにありました。そのときに大体皆さんの税金の高が大木さんのうちできまつてしまつたわけです。しかしその税金の発表になつた結果を見ますと、税務署でなくて、ほとんど大木さんの勘定によつて課税されておるのじやないかというような感がありました。その結果、黒澤さんは営業をよしまして勤め人になつてしまつた。そのときの大木さんの――これは私は大木さんと申し上げますけれども、確証を握つて申し上げるのじやないから、まあ私の想像と思つていただきたい。私とか黒澤正三郎君、佐藤悌二君、宮田金次郎君、これはつまりいわば旧勢力で、この四人を税金でたたいてしまうという計画があつた。それで、臨時何とかという税金がありましたね。二十一年度でしようか、増加税で、その増加税のときに、増加税が済んでしまつてから、鈴木の税金は安かつた。これをとつてくれと税務署に申し出たらしいのです。それを私知らなかつたが、あとで聞いたのですが。それで私に対して五十万円、ほかの人にもそれぞれみなかけたらしいのですが、これは税務署の荒木さんが宮田さんのうちに折衝に來て、結局不成功に終つたわけです。取消した。その不成功に終つたのを、今度二十二年度の所得に持つて行つてまたそれを生かして來たわけなんです。生かして來て、五十万円決定の通知書をこしらえて出したらしいのです。ところが税務署内でも五十方円という莫大な金額には驚いたらしかつたし、それから私の方で、商工会にさつそく通知が來ましたので、商工会から何でも五人ばかり行きまして、いろいろと折衝して、鈴木は五十万円なんというのじやない、妥当な税金は三万円ぐらいだろうという証言がありまして、結局三万円の更正決定が來た。
#219
○鍛冶委員長 あなたは初め三万円であつて、五十万円になつて、それからまた変化して三万円になつた。
#220
○鈴木證人 いや、そうじやありません今申し上げたのは、つまり始まりなんです。荒木さんが五十万円の決定を出したのを、税務署へ、私の方の商工会から五人ばかり行きまして折衝した結果、三万円で決定が参りました。
#221
○鍛冶委員長 荒木というのは何ですか。
#222
○鈴木證人 税務官吏です。それで三万円は私がさつき申し上げたように三月末に納税しまして一應済んだ。ところがたまたま私の組合長を表彰するという意味で、四月の初めだと思いますが、大木さんに石渡さん、照澤正三郎さん三人で、表彰状と金一封と額ぶちを持つて私のところに見えられた。そのときに私が皆さんに一口上げながら、どうも税務署で私に五十万円の査定をされたそうだけれども、それだけの資格があるならよいが、資格のないものがそういうものを押しつけられては実に困る、こういうふうに持ちかけたものです。そうすると、それをすぐ逆に、その三人の中のだれかが荒木さんの耳に入れて、鈴木は五十万円をつきつけられて男として本懐だ、こういうふうに荒木さんの耳に入れたらしい。それじや野郎、生意氣だから、ぶつかけてしまえというので、三万円を撤回して五十万円の決定をよこしたわけです。そこで私もその五十万円に対してはほんとうに死の恐怖を受けたわけです。それでどうしたらよいかと思つて散々考えたあげく、これは大木さんがやつたことだから、大木さんに頼もうというので、私は手みやげを持つて、実につらい思いをして頼みに行つた。大木さんもどうも組合員として頼まれたのでは動かないわけに行かないので、一ぺん私は大木さんに連れられて税務署に行つたけれども、全然その荒木さんが受けつけない。ところが私がたびたび大木さんのところに催促に行くので、大木さんが、やはり役員の中で、名前は忘れたけれども、武藏屋という人を連れて交渉に行つたらしい。行つたときの交渉の顛末は、私はその武藏屋さんから聞いたので、自分でじかに聞いたのではありませんけれども、結局五十万円なんという税金はどうも適当ではないから、やめてもらいたいということを言つたらしい。そのときに荒木さんが何でも、それじや税務署をはめたなということを言つたらしい。それは武藏屋さんから私は聞いたのです。それで私も税務署に今度は一人で行きまして、堂々と、三万円で納税したのだから、ひとつかんべんしていただきたいと言いますと、荒木さんが、なあに、とると言う。それじや一應私のうちに來て調査していただきたいと私が言いましたら、調査する必要はない。行政裁判をしたらよいだろう。とるものはきつととつて見せる。何べん行つても、行政裁判しろと言う。私は裁判する意思はありません。ところが何でも行政裁判しろと言う。あまりそういうふうに言われるので、私も進退きわまつて弁護士のうちに頼みに行つた。ここにそのときの書類がありますけれども、弁護士さんに再審査の申告書を書いていただいたのです。これを税務署に持つて行つた瞬間に荒木さんの態度がかわつたのです。鈴木さん、そういうことをするならいいや。君はおれの惡口を非常に言つておるそうだと言つた。だけど私は荒木という人はそれまであまり面識のない人で、惡口を言つた覚えもありませんし、また言う必要もなかつた。けれどもそういうことを言われて、とにかく君、そういうことをするなら、おれは構わないと言う。それで、とにかく鈴木君、これは組合の重要な位置にいる人が言つたことなんだ。結局近いうちにその組合の何人かへ大きな税金が行くぞ、こういうことを言われた。それで私は黙つて考えておりまして、それじやここで荒木さんが氣持を直して私の税金を直してくれるだろうと自分でそういうふうに判断して、それじや荒木さん、せつかくこれを持つて來ましたけれども、ほかの証明書だけ置いて、弁護士のこれだけは持つて帰りますと言つて、持つて帰つて來た。そのままになつていて、いつになつても解決つかない。その間にその当時の直税課長であつた角田さんという方が、私の親交しております佐藤悌二君を通じて、差押えもしないし、処分もしないから、こういう際みなあわ食つて金を使うものだけれども、金を使わないようにしろというありがたい使いを受けたことがある。私はそれを信じて待つていたのですが、いつになつても解決つかない。それで土地の商工会長の内木さんにお願いしましたところが、それじやとにかく商工会で今度折衝しようということで、つまり私の最後の金額のことは大体商工会へおまかせしてあつた。それで商工会長さんは、結局時期を待て、こういうわけなんです。そのうちには荒木さんもどこかへ轉任になつてしまうから、轉任になれば解決がつく。だから時期を待てというので、実につらい思いでしたけれども、じつとがまんをして待つておつた。ところがそのうち荒木さんが直税から出てしまつて、ようやく解決がついたようなわけです。その間に税務署内でも何かあつたらしいのです。
#223
○鍛冶委員長 どれだけになりましたか。
#224
○鈴木證人 それで五万円になりました。その五万円も、私は三万円を希望しました。あくまでも三万円が私の妥当な税金なんだから、三万円でかんべんしていただきたいと申しましたが、そのときには係りがかわつておりましたから……
#225
○鍛冶委員長 それで税金が五万円ですか。
#226
○鈴木證人 決定額です。
#227
○鍛冶委員長 組合の役員ににらまれるとそういうことになると言いますが、組合の役員がそういうことを決定する権限はないわけだけれども、それはどういう方法でやるのですか。
#228
○鈴木證人 私らにとつては税務署よりも、むしろ組合の最高の役員の方がこわいのです。
#229
○鍛冶委員長 どうしてそういうことに……。
#230
○鈴木證人 確定申告のときに税務署がそこのうちに行つて大体個人の確定額をきめてしまう。ですから組合の役員ににらまれると、必ず高いことを言つて來る。
#231
○鍛冶委員長 税務署のものが役員のうちに來るのですか。
#232
○鈴木證人 來るのです。
#233
○鍛冶委員長 それはだれに幾らかければよいということを相談するのですか。
#234
○鈴木證人 相談するのです。それは相談する現場も私は見た。
#235
○鍛冶委員長 あなたが組合長をしていたときも、そういうことはありましたか。
#236
○鈴木證人 私がやつているときはなかつた。私は浦和市の農業会の二階を借りまして、そこでやつたわけですが、そういうことは私はしなかつた。私の次にやつた人は、税務署員をうちへ呼んで折衝した。
#237
○鍛冶委員長 組合員の税金の序列をきめるということがあるそうだが、あなたの組合でもあるのですか。
#238
○鈴木證人 それは大体組合できめろ、税務署でそう言われるのです。
#239
○鍛冶委員長 それはあなたのときもあつたのですか。
#240
○鈴木證人 それは私のときもあつた。それをきめる席で私は辞職してしまつたのです。ですから、私の組合長をしておるときには、私によつてきめたということはなかつたのです。地方税は一ぺんありましたけれども……。
#241
○鍛冶委員長 あなたのときはどうしてきめましたか。
#242
○鈴木證人 これは大体組合員の希望を聞きまして、大体私はそういうときには自分の意思は微塵も出さない。ほんとうに公平な氣持で皆さんの意見を聞いて、皆さんの言う通り、多少これは違うと思うときには、自分の意見を述べて、これじやあまり低過ぎる、ほかとの振り合いから言つてもこれじやおそらく通らない。このくらいじやどうですというような話合いのもとにきめて行きました。
#243
○鍛冶委員長 ところが今は大木さんの家でやるのですか。
#244
○鈴木證人 大木さんの家でやります。
#245
○鍛冶委員長 たれにも聞かないでやるのですか。
#246
○鈴木證人 大体二十二年度の決定はそうです。これはもし浦和へいらつしやる機会がありましたならば、ぜひその点をこまかく調べていただきたい。
#247
○鍛冶委員長 税務職員が大木の家に行けば御馳走になつたりするのだろう。
#248
○鈴木證人 それはもちろんなつたと思います。私も故意に見たわけではないですけれども、とにかくそういう場面はちらつと見ました。後ろ向きでしたから顏までは見ておりません。とにかく何らかのものはあつたように思います。
#249
○鍛冶委員長 一ぱいやつておつたのですか。
#250
○鈴木證人 そうです。未だに大木さんという人が表面へ出ていないのです。実に巧妙な人です。ここに北島君が今証人に出ておられますが、どうして表面に出たかと言いますと、私が悩み抜いておるうちに、あるとき北島君の家の近所の永井さんの家に行つたことがある。そこ北島さんがたまたま來られて税金の話が出た。そうすると鈴木さんは五十万円もらつたそうだな、初めは三十万円といううわさだつたけれども、今では五十万円になつたと言われた。それで私は初めて北島君がそういうことを税務署に言われたのだと感じたのです、北島さんがそういうことを言うのなら、ほんとうに自分が五十万円もらつたかどうか、調べてみたまえ、調べもしないでそういうことを想像で税務署に言われては困る、もし調べてみて五十万円もらつておつたら腹切つてみせると私は言つたのです。
#251
○鍛冶委員長 もらうというのはどこからもらうのですか。
#252
○鈴木證人 私は中等学校の制服組合の理事をしております。
#253
○鍛冶委員長 そこから注文をもらつたのですか。
#254
○鈴木證人 五十万円の現金をもらつたというのです。
#255
○鍛冶委員長 そこで組合としては序列をつくつたりすることは別として、組合全体として税金をまけてもらう運動はやるのじやありませんか。
#256
○鈴木證人 やつております。
#257
○鍛冶委員長 大木、北島などもやつておりましたか。
#258
○鈴木證人 やつておりました。
#259
○鍛冶委員長 それはみなと相談の上でやるのですか。
#260
○鈴木證人 それはやつぱり組合員の希望によつてだと思います。
#261
○鍛冶委員長 希望した者だけのをやるのか、全体のをやるのじやないのですか。
#262
○鈴木證人 希望した者の分。
#263
○鍛冶委員長 そういうことをやるのに運動費を醵出するとかいうようなことはありませんか。
#264
○鈴木證人 私の方の組合ではそういうことはやりません。
#265
○鍛冶委員長 たとえば大木と一緒に行つたときは運動金を出したことはありませんか。
#266
○鈴木證人 私はもうこの問題に対してはそういつた方法はちつともとらない、あくまで正面からとりかかる。
#267
○鍛冶委員長 そこであなたは業務をやめたのだそうですね。
#268
○鈴木證人 私がもし洋服屋をやつていなければ商工会で処理される。洋服屋をやつておるために浦和の洋服組合で処理されることになる。こういう税金で半年も死の苦しみをするのでは、永年洋服屋でやつて來たのだけれども、やめるよりしようがない、農業に轉換しよう、そういう氣持を出してしまつたのです。一時は死んでしまおうかと思つたのです。
#269
○鍛冶委員長 ここで今荒木勝のことをおつしやつたが、そのほかにもいろいろ浦和税務署ではそういう悪い評もしくは事実があるのではありませんか。
#270
○鈴木證人 荒木さんに対して……。
#271
○鍛冶委員長 ほかにもあれば荒木にでもたれでもよいが、そういうことは知りませんか。
#272
○鈴木證人 私直接ほかにそういうことは聞いておりませんけれども、あとになつてみて、私の問題で荒木さんが警察へひつぱられまして調べられた結果驚いたようなわけで、荒木さんのは実に乱暴なやり方です。ある場合には私に対して、署長の了解を得なくてもおれだけはこれだけの権限を持つておるんだ、こういうことまで言われたのです。
#273
○鍛冶委員長 荒木という男は金でも持つて行つたら特別にやるというようなことは聞いておりませんか。
#274
○鈴木證人 それも全然聞いておりません。税務署のすぐ前に石渡喜一という男がおる。この人が荒木さんを実にりつぱな偉い男だとほめる。それで私の税金のきまりをつけるのに、石渡さんが何の関係もないのにかかわらず、荒木さんの命を受けて、私に二十年、二十一年、二十二年の三年間の生活の決算報告を出せ、こういうことを石渡君が再三私のところへ來て責めたわけです。どつちかと言うと荒木さんより石渡さんの方がこわかつたわけです。
#275
○鍛冶委員長 大島某とか竹田某という人は御存じありませんか。
#276
○鈴木證人 大島というのもおります。竹田というのもおります。
#277
○鍛冶委員長 それは荒木に金をやつたのでえらく安くしてもらつたということですがどうですか。
#278
○鈴木證人 そういうことも私たちは聞いておりません。
#279
○鍛冶委員長 そういうふうだとすると、浦和の町はあなたのところだけじやなく、ずいぶん混乱しておるのじやないでしようか。
#280
○鈴木證人 現在では、警察より税務署がこわいというような状態です。
#281
○鍛冶委員長 それについて運動したり何かしたような事実は御承知ありませんか。
#282
○鈴木證人 運動ということでありますとどういう意味ですか。
#283
○鍛冶委員長 負けてもらうとか安くさせるための運動をやるとかいうようなことはありませんか。
#284
○鈴木證人 私としてはそういうことは聞いておりません。
#285
○鍛冶委員長 組合自身として洋服地なんか持つて行つて、荒木だけじやないかもしれぬが、負けてもらう運動をしておつたという話がありますが、これはどうですか。
#286
○鈴木證人 それは漠と聞いておりました。
#287
○鍛冶委員長 今あなたのおつしやつた大木が実力をとつてからですか。
#288
○鈴木證人 そうです。大木さんという男は家庭的にもずいぶんへんなのですけれども、もとからむりに勢力をとりたいという欲望を持つた人で、十六年か七年ころに各地に地区商業組合をつくれという命を受けたことがある。そのときには宮田さんが主体になつて組織をしまして、埼玉会館で創立総会を開いた。そのときにはもちろん縣からも係官が來た。ところが思いも寄らないことですが、大木さんのお父さんが宮田さんを立ち退けて非常識にも議長席に着いてしまつた。実に混乱して、浦和では商業組合ができなかつた。そのために浦和の商業組合はえらい損をしておるのです。つまり配給のルートがなかつた。ほかの組合にはいろいろ配給があるが、浦和には配給がなかつた。一年できずにおつたが、その間に浦和市長が間に入られて、大木さんと何べんも折衝したが、何にも解決がつかない。一年近くになつてほとぼりがさめて、どうしても商業組合でなければいけないというようなことになつて、最後に私に來たわけです。
#289
○佐々木(秀)委員 鈴木さんにお聞きしたいのですが、あなたの二十二年度の営業の状態はどんなふうな状態でありましたか。まずお聞きしたいのはお家族は何人ですか。
#290
○鈴木證人 六人です。
#291
○佐々木(秀)委員 営業はあなた一人でやつておりましたか。仕立ては……
#292
○鈴木證人 大体二十二年度は、私中等学校の組合の方へ、月のうちに十日くらいは行つておりました。
#293
○佐々木(秀)委員 中等学校の洋服ですね。
#294
○鈴木證人 はい。家ではあまり営業をやつておりませんでした。
#295
○佐々木(秀)委員 職人とか家族はやつておりませんか、全然。
#296
○鈴木證人 やつておりません。
#297
○佐々木(秀)委員 そのお家族がみなどつかにお勤めですか。
#298
○鈴木證人 一人長男が苦学をしながら、今明治大学の学部に行つております。
#299
○佐々木(秀)委員 收入はやはりあなたのお働きの收入だけですか。
#300
○鈴木證人 はい。
#301
○佐々木(秀)委員 そこでこれをお聞きしたいのですが、中等学校の注文というのは月にどのくらいですか。
#302
○鈴木證人 その当時は出た日によつていただいておりました。現在は廃業しまして……。
#303
○佐々木(秀)委員 いや二十二年です。
#304
○鈴木證人 その当時は出た日によつていただいておりました。五十円くらいずつ。
#305
○佐々木(秀)委員 お宅でも仕立てはやつておつたのですか。
#306
○鈴木證人 自分では仕立てるひまがなかつたのですから、注文をとつては人に頼んでやつておりました。
#307
○佐々木(秀)委員 そこでお聞きしたい。五十万円というのは法外の税金ですが、最後まで三万円を主張していたということですが、三万円ですと月割にして二千五百円ですね。当時の物價から見ても二千五百円では生活ができないと私は考えるのですが、われわれのしろうと目でも五十万円は法外だが、五万円ではあまりにも安過ぎるのではないかという感がするのですが、その当時のあなたの心境はどうでしたか。
#308
○鈴木證人 大体私ばかりでなく、組合員全体といたしまして最高が七万円、最低が二万円ですか、一万五千円か、最低は忘れましたが、組合を平均しますと約四万円弱の平均になるわけです。
#309
○佐々木(秀)委員 浦和組合員全体ですか。そうすると当時の税金からいうと高い税金ではありませんね。四万円という平均になりますとそれは決定額でしよう。
#310
○鈴木證人 決定額です。それで業者としての頭から見ますと、大体地域の関係から行きましても、私は実は農村に住んでおりまして、強制疎開で家をこわされまして、土合村に家を建てました。そこにおりますから営業としてはほとんど成立たなかつたのです。
#311
○佐々木(秀)委員 わかりました。
#312
○鍛冶委員長 どうですか、高い安いというときはどこを基礎にして言うのですか。
#313
○鈴木證人 大体振合い。
#314
○鍛冶委員長 ほんとうの自分の仕事をこれだけやつておつて、もうけがこれだけあつて、そういう基礎からはやらぬですね。
#315
○鈴木證人 それができればよいのですが、実際職人はそこまで実はできないのです。できる人もおりますが、平均してできない人が多いのではないかと思います。
#316
○鍛冶委員長 どうですか。ほかにありませんか。
#317
○神山委員 一、二お聞きします。先ほど一番最後にお話の出ました税務署の前におる石渡さんはどういう商賣の人ですか。
#318
○鈴木證人 やはり同業者です。
#319
○神山委員 洋服屋さんですね。その人がどうして、荒木君ですか、その人の手先みたいになつてあなたのところに決算書を出せといつて來るのですか。役員をやつておりますか。
#320
○鈴木證人 役員はやつておりましたが、組合として税に関係していたわけじやなかつた。それからもう一つ申し上げますけれども、荒木さんは組合の審査請求なんかの処理をしますときに、石渡さんの家でやつておることを見かけました。
#321
○神山委員 次にもう一つお尋ねしますけれども、先ほど石井さんは警察より税務署というところは恐ろしいと言われた。それは本音でしようね。それをありのまま言つてもらえばいいのです。
#322
○鈴木證人 これはまさか警察じや生命をとられることはありませんけれども、五十万円の税金をほんとうに何でもかんでもとるとおつしやるから、家を賣つても、あらゆるものを賣つても、それを満たすだけの金ができない。すると私のうちはほんとうに裸で家族が路頭に迷うより仕様がない。今までどうにか役員として幾らかみえを張つて來た者が、急に路頭に迷うことはできない。いつそ死んだ方がいい。そこまで私ども決心したのであります。
#323
○神山委員 よくわかりました。次に荒木さんがあなたに向つて、署長の許可がなくても自分だけでも五十万円に決定する権限を持つておると言つたことは事実ですね。
#324
○鈴木證人 事実です。なぜそういうことをおつしやつたかというと、これは私も聞いた話ですからよくわかりませんが、荒木さんが二度目に私のうちへ五十万円の決定書を発送するときに、当時の課長さんから、そういう決定書を出すのはよく根拠を調べたかと注意を受けたらしい。ところが荒木さんは、根拠があるとおつしやつたそうです。そこで課長さんがあるなら出したまえということがあつた結果、私の五十万円を下げるには、どうしても荒木さんが課長さんに謝らなければできないというような、もつれがあつたということを聞いております。
#325
○神山委員 最後に、そうしますと、そういうふうに荒木君なんかが強くなつて來た。そのもう一つ裏に、組合で序列をきめなければならぬという問題のときに、大木さんですか、そういうような人たちが一方的に自分たちだけで、組合全部に諮らずに、どんどん税額をきめるという事実があつたわけですね。
#326
○鈴木證人 それは全然諮らずという意味じやない。前には諮つて、いよいよ最後の確定申告のときには、おそらく大木さんと荒木さんとで、ほかのことは知りませんが、二十二年度の決定はそういうことででき上つたということが言えます。
#327
○神山委員 そうして大木君と石渡君、それから荒木君たちは自宅でそういうことをやつた。しかも一ぱい飲んでおるところをあなたは御覧になつた、そういうわけだね。
#328
○鈴木證人 一ぱい飲んでおるとも言えませんが、とにかくこういつた形のところがあつたのです。
#329
○北委員 ごく簡單に尋ねますが、中等学校の洋服の仕入と、自分の仕立のあれと、両方で所得が三万円ですか。
#330
○鈴木證人 中等学校の方は役員です。中等学校は埼玉縣一円の組合になつておりまして、そこの理事として出ておりましたので、別にそれは自分の営業というのではありません。
#331
○北委員 しかしさつき日当五十円もらつたということでしたが、それも仕立料も入れて総額三万円というのです
#332
○鈴木證人 そういうわけです。
#333
○北委員 そうすると先ほどちよつと聞いたのですが、三万円というのは大体組合員が頭数できめた、こういうことをちよつと言われましたが……。
#334
○鈴木證人 いや組合員ではなく、最初には荒木さんから五十万円ということが出たのです。それを私の方の商工会と税務署が折衝した結果、鈴木は三万円ぐらいの税金が妥当だというので、三万円の決定がなされたわけです。
#335
○北委員 そこで私がほんとうに知りたいことは、ほんとうの所得税額が三万円かどうかということを知りたいのです。これは良心に恥じないで言つてもらいたい。
#336
○鈴木證人 それは良心から言えば、あるいはもつとあつたかもしれませんが、申告者の心情から申しますと、少しでも安くということになりますから。
#337
○北委員 そうしますと、これは申告者同士が会合して安く納めようというようなことをきめたことはありますか。
#338
○鈴木證人 そういうことはありません。
#339
○北委員 むろん私どもも税務署の堊いことも認めますし、そういうことは認めますが、やはり納税者の方も参考のために聞いておきたい。
#340
○鈴木證人 それはやつぱり税務署から、今度洋服策者でどのくらいの税額を出さなければならぬかというような、やはり内示のある場合もあつたのです。
#341
○北委員 そうすると先ほど來のお話で、あなたの税額は、ほんとうの所得税よりもあるいは少いかもしれぬということを判断してもいいわけですね。
#342
○鈴木證人 そうです。
#343
○石田(一)委員 ちよつとお伺いしますが、あなたが組合長をしていらつしやるときに序列をきめた。その序列をきめるのに、組合員が集まつて、あまりひどい安いのがあると、君のところは安い、これはもつと高くしろということできめたとおつしやいましたね。そうするとある一つの一〇〇%なら一〇〇%、十割というものをつくつておいて、どこのうちが八割でどこのうちが六割というふうにしてきめたのか。それともどこのうちが幾らといつてきめておいて、どこのうちが幾らになつておるのにお前のところは安いといつて、金額できめたのか、どちらですか
#344
○鈴木證人 大体そのときの標準は増加所得の六掛というのが大体標準になつておりました。ただ申告者はなかなか六掛の申告をしないのです。それを標準にして申し上げたのです。
#345
○石田(一)委員 増加所得の六割ということを標準として、金額を出してやつたわけですね。
#346
○鈴木證人 六割であつたか何割であつたかその割合は忘れましたが、とにかく増加所得が標準でありました。
#347
○石田(一)委員 それは金額でやつたのでしよう。
#348
○鈴木證人 そうです。私のやつた場合は所得でないのです。地方税ですから、増加所得を基礎にしてやつたのですから、別に君のところは幾ら、君のところは幾らというふうに割出しはしないわけです。
#349
○鍛冶委員長 済みました、御苦労さまでした。
#350
○鈴木證人 それから私委員長さんにお願いしたいと思いますのは、組合の役員が自分の勢力を伸ばすじやまになる対象を、税務署を通して片づけてしまうというようなことで、私は今に何とかなるだろうと思つておりましたけれども、ただ今度は私はまあ税金は五万円に負けてもらいましたが、但し眞の対象はおそらくこの人じやないかという私には見当はついております。しかしそれがいまだに表面に出ていないというような状態でありますので、またそういうことをやるのではないかと日々が安心できないのです。これはおそらく荒木さんの口からでなければ確定的なことはわからないと思います。その点をひとつお願いしたいと思います。
#351
○鍛冶委員長 せいぜいできるだけ注意しましよう。
    ―――――――――――――
#352
○鍛冶委員長 清宮松五郎さんですね。
#353
○清宮證人 そうです。
#354
○鍛冶委員長 あなたは浦和青果組合の組合員ですね。
#355
○清宮證人 そうでございます。
#356
○鍛冶委員長 組合の何をやつておりますか。
#357
○清宮證人 理事をやつております。
#358
○鍛冶委員長 組合の役員は理事と何とありますか。
#359
○清宮證人 あとは組合長と副組合長とあります。
#360
○鍛冶委員長 理事は何名おりますか。
#361
○清宮證人 理事は七名であります。
#362
○鍛冶委員長 組合員は幾らほどおりますか。
#363
○清宮證人 組合員は以前は八十何名であつたのですが、支所が二つに分離しまして、現在は四十七名おります。
#364
○鍛冶委員長 そこで昭和二十二年度はおととしの年度ですから、去年の春納める税金、それから二十三年度は今年の春納める、その所得税の決定にあたつて、あなた方の組合で何か序列表というものをつくつたそうですね。
#365
○清宮證人 二十二年度は浦和税務署の方で、大体業者の方へ割当がありまして、そのときにはまだ統制がありまして、配給機構があつた。どこの家はどのくらい商いがあるかということがわからないから、ブロツク單位で、一ブロツクから十二ブロツクまである。それによつて一般の大衆の方はわからないから、ブロツクごとに一、二、三として、それでもつて、たれの家はどれくらいの商いがあるから、だれの家のはそれくらいにするかということで、今度はそれを調査した結果、税務署に報告したのです。
#366
○鍛冶委員長 それは賣上げの額をですか。
#367
○清宮證人 賣上げの額です。それによつて税務署の方で課税するだろうと思います。
#368
○鍛冶委員長 それは序列と同じようなものですね。
#369
○清宮證人 そうです。
#370
○鍛冶委員長 二十三年度についてはどうしましたか。
#371
○清宮證人 二十三年度のは二十二年度よりか税が意外に重いからというので、そのときにちようど荒木が來まして、それでどのくらいかと言つたら、今政府でも予算がないから、なるたけよけい納めてもらいたいというようなことでありました。
#372
○鍛冶委員長 荒木というのは、税務署の役人ですか。
#373
○清宮證人 荒木勝というので、入つております。
#374
○鍛冶委員長 それはあなた一人に言つて來たのですか。
#375
○清宮證人 組合が一括してやつておりまして、ついこの間私が税務の折衝にあたりまして、まだ一回も税務署へタツチしたことがないのです。
#376
○鍛冶委員長 それは割当をして來るのか、ただいいかげんにそこで序列だけをつくつて來るというのか、どつちですか。
#377
○清宮證人 向うでは大体昭和二十三年度のは登録の多い少いによつてやはり品物の純益が違うから、大体登録によつてやるのです。
#378
○鍛冶委員長 あなたの組合に石井竹次郎という人がおりますね。
#379
○清宮證人 おります。
#380
○鍛冶委員長 その人の二十二年度の所得税の問題についてどういうことで組合が序列をきめてやつたか、御承知ですか。
#381
○清宮證人 それは私たちずつと理事をしておりまして、さつき申し上げましたように、ブロツクをつくつて、ブロツク編制ごとに、店舗の等級をきめたのです。等級をきめたけれども、浦和で一番税を納めている石塚久藏という者が四十万幾らか來ておりました。そのときに石井竹次郎には六十万円行つたんです。それから新聞へも出されましたが、すぐそばの今泉正藏が石井竹次郎に税をたくさんかけてやれというようなことが新聞に出ておりましたけれども、私たちそういうことは一言も荒木に言つた覚えはないのです。それで今泉正藏という人は、すぐそばだから、商賣仇ででもなければ言えないわけです。できるだけ寛大な処置をとつてもらいたいと言つたら、荒木の言うのには、この石井は別物として、税務署が直接調べるから除いておいてくれというので、私の方は石井そのものには関係がなくなつております。
#382
○鍛冶委員長 石井が六十万円に決定されたということは……。そこにあなたがおつしやつた今泉ですか、その今泉は六万円だつた。十倍だね。
#383
○清宮證人 そうです。
#384
○鍛冶委員長 そんなに商いがあるのか。
#385
○清宮證人 十倍というような商いはないと思います。二倍か二倍半くらいだろうと思います。
#386
○鍛冶委員長 今泉よりか商いがないというのですか。
#387
○清宮證人 今泉よりか商いがあります。第一今までの税務署としては、このごろはどうも机の上でやつてしまつて、全然店舗というものを調べないで、非常に盲割当をやるので、実に困るのです。
#388
○鍛冶委員長 だけれども、あなたの方で序列をつくつて渡したのは、石井は何番くらいになつておりましたか。
#389
○清宮證人 石井はわたしの方で渡したときには四番ぐらいだろうと思います。
#390
○鍛冶委員長 一番はたれですか。
#391
○清宮證人 一番は石塚久藏。
#392
○鍛冶委員長 清水というのは……。これも相当高いじやないか。
#393
○清宮證人 相当高かつたですね。そのときの金額はちよつと私にはわかりませんけれども、それにあとへ細井喜一というのが……。
#394
○鍛冶委員長 石塚が一番で、それから清水が二番は……。
#395
○清宮證人 二番は私は聞きませんでした。何でも同額のものは山仁の細井喜一と清水傳次郎とかいうことでありました。
#396
○鍛冶委員長 あなたが今言われる石塚というのは七万円になつたですね。しかるに石井が六十万円になつているのだが、これはどういうわけです。
#397
○清宮證人 石井は六十万になつております。それで向うで言うのは、石井にはそういうふうな商いはないから、六万円にしておいてくれ、こういうのが石井の申出であつたのです。そのときに清宮洋一が、それでは通るか通らぬかわからぬけれども、書くだけは書いておきましようと言つて、それで清宮洋一というのが六万円に書いて税務署に出しあるのです。
#398
○鍛冶委員長 それは間違いありませんか。
#399
○清宮證人 間違いありません。
#400
○鍛冶委員長 それは少しは違つてもいいが、十倍になつて來るというのはどういうわけなんです。知らんですか。
#401
○清宮證人 知りません。私はそういうものには深くタツチしておりませんでしたから……。
#402
○鍛冶委員長 一般に組合の役員になつている者は低くて、そうでない者は高いというように言われているのですが……
#403
○清宮證人 そういうことは絶対にありません。
#404
○鍛冶委員長 絶対にないと言つても、役員は六万円から七万円より上へ出ておらぬのに、そうでない者は六十万円だの何十万円だのと言われているのだから……。
#405
○清宮證人 書いた書類が浦和税務署へ残つていますから、もし不審の点があつたら、浦和税務署へ行つて御覧になればいいと思います。
#406
○鍛冶委員長 大体のものはこつちでもわかつております。役員の者は大体六万円から七万円だ。あなたわからぬと言えばそれは仕方がないが……。
 そこで組合としては減税運動というが、負けてもらうように運動はしますね。
#407
○清宮證人 ええ、します。
#408
○鍛冶委員長 それはどういうことでやつているのですか。役員だけでやるのですか。
#409
○清宮證人 役員だけじやありません。一般組合員全部を集めて、あまりにも重税であるから、できる限り減税にしてもらえるものならばもらおうということでやつたけれども、がんとして、何しろ政府でも予算がないことであるから、がまんしろというようなぐあいでもて、大体の者はいいが、ごくひどい者は負けてもらつて、あとは大底税務署の言うなりになつておりました。
#410
○鍛冶委員長 これは今言う役員である者だとか……。
#411
○清宮證人 いや、そのときは今泉正藏は役員じやありません。
#412
○鍛冶委員長 だけれども、もう一人清宮という者がおりますね。
#413
○清宮證人 ええ、清宮洋一。
#414
○鍛冶委員長 石塚とかこれらはまけてもらつてこれだけになつたのですか。初めからこれだけだつたのですか。
#415
○清宮證人 そこにはいくらになつておりますか。
#416
○鍛冶委員長 清宮は六万で石塚は七万です。
#417
○清宮證人 そういうのは私たちは一向にわかりません。浦和税務署の帳簿を見ると向うには四十二万となつておりました。
#418
○鍛冶委員長 だれが。
#419
○清宮證人 石塚久藏が。
#420
○鍛冶委員長 これは七万でしよう。あなたは五万でしたね。
#421
○清宮證人 私は五万です。
#422
○鍛冶委員長 これは負けてもらつて五万ですか。
#423
○清宮證人 私のところは辺鄙なところであつて商いがないのです。それで前年度は三万であつた。ところがいきなり五万來たから、私は税務署にすぐ飛んで行つた。ところが今言つたように、國が貧乏しているから、日本を再建するにはやはり税金から、とこういうようなぐあいで――われわれは應召で行つて帰つて來ても、家が燃えなかつたという関係上、一回だけだろうと思いまして、そのまま拂つたのです。かけ合いには行きました。
#424
○鍛冶委員長 かけ合いに行くときに運動費は出しますか。
#425
○清宮證人 いや出しません。出すほどの税じやないですから。
#426
○鍛冶委員長 組合に序列をつくつてくれとか、何とか言つて税務署から組合へだれか來るのですか。
#427
○清宮證人 私は税の折衝でまだ一回も税務署ヘタツチしたことがなくて、大体私の方の役員の中で、のべつ専属的に行つているのは皆川重三と石塚久藏、それから高野彌四郎、この三人が大体のべつ税務署に折衝しておりました。
#428
○鍛冶委員長 税務署へ行つて負けてもらつたりするときには、ただの手段では負けてもらえぬので、何か特別の手段をやるのでなければいかぬというのは、そういう例になつているのじやないですか。
#429
○清宮證人 私の方は、税務署の方に飲ましたとか何とかいうことは、自分は役員として一回もタツチしたこともないし、聞いたこともないのです。
#430
○鍛冶委員長 あなたの方に荒木というのがいましたか。
#431
○清宮證人 いました。
#432
○鍛冶委員長 それが始終來ておりましたか。
#433
○清宮證人 私は二回ほど会いました。
#434
○鍛冶委員長 運動に行くときはたいてい荒木のところへ行くのですね。
#435
○清宮證人 私はだれが運動に行つてだれに会つたか、一向わかりません。
#436
○鍛冶委員長 そこで、浦和税務署ではいろいろいまわしい事件がたくさん起きたそうですね。どういうことがおもですか。
#437
○清宮證人 第一番には何かと言うと、私たち八百屋なんというものは、たいてい無学な者が多いから、昔式で第一回の五万とか、十万とかのその比率で何するならよろしいですが、仮更正とか、決定更正、確定申告する間に――結局交渉している間に、もう督促がついてしまう。それでもつて、結局督促がついて、税務署員に私聞いたことがあつたのです。百円に対する二十銭の日歩というのは、それは國庫に納まるのかと言つたら、納まるのだとこう申しておりました。
#438
○鍛冶委員長 そういうことだけですか。いろいろな問題が起きたのは……。
#439
○清宮證人 私は何しろついこの間、まだ二月ばかり前に税の折衝員になつたので、その前は全然タツチしないから深いことはわかりません。
#440
○鍛冶委員長 ほかの方の評判は聞いておりませんか。
#441
○清宮證人 ほかの方のは別に聞いてない。ただ今一般市民は、戰時中には警察がこわい、それから今は警察よりか税務署がこわいというような一般の世論はありましたが、だれかれがやつた、とつたというようなことは耳にしておりませんでした。
#442
○浦口委員 ちよつとお伺いいたします。組合として序列をおつくりになつた、その序列は税務署で勝手にかえられたのではないかというふうな事実はございませんか。それとも組合からやつたのをそのまま尊重して、それに従つてやるか、こういうことです。
#443
○清宮證人 大体は組合でもつてやつたのを、でこぼこのひどいのはあれで――税務署としてもあまりめくらめつぽうのことはしないだろうと思います。
#444
○浦口委員 そのかえる場合に、もう一度組合に御相談がありますか。
#445
○清宮證人 それは組合には何も相談はありません。
#446
○小玉委員 石井竹次郎という人は、八百屋の取引高は別として、個人的に非常に資産を持つているというようなことはないのですか。
#447
○清宮證人 資産はありません。
#448
○小玉委員 何か人柄が人から憎まれるというか、何かそういうような人がらでもないですか。
#449
○清宮證人 いやあの人は賭博の常習犯なんです。大体なりの小さい割に大きなことを言つておりますから、仲間から少し憎みを受けている点もあるのです。
#450
○小玉委員 組合全体に対して、昭和二十二年度どれくらいの額の割当があつたのですか。
#451
○清宮證人 総額ですか。総額は私は一向知らない。そのときは私は段をしておりましても、税の折衝はしておりませんでしたから……。
#452
○小玉委員 今は税の折衝をしているのですか。
#453
○清宮證人 していてまだ一回も私は行つたことはなかつたのです。
#454
○小玉委員 割当が來るでしよう、全体に対して何百万とか、何十万とか……。
#455
○清宮證人 私たちの方で全体のわくをよこせと言つたら、わくはよこせないといつて、わくはよこさないのです。わくをよこせば今度私の方でそれを適当に按分して、それを向うへ報告するからと言つても、そのわくをやることはできないと言つてわくをよこさないのです。
#456
○小玉委員 それから、業者仲間では大体各業者がどれくらいの所得がある、税金はどれくらいが相應だということは、大体あなた方がにらめばおよそ誤まりがないのじやないですか。
#457
○清宮證人 誤まりは大体ないと思います。
#458
○小玉委員 それが、石井竹次郎は六十万、あなた方よりも十倍も多くなつたというその原因はどこにあるかということを、あなた方か、またはあなた方仲間で評判をしたことはないですか。
#459
○清宮證人 そういうことはありません。
#460
○小玉委員 この人は経済違反の事件を起したことはないですか。やみ取引で何か問題を起したことはありませんか。
#461
○清宮證人 一向にそれはわかりません。
#462
○小玉委員 何かやみ取引でもやつて、莫大なもうけがあるとか、事実はともかくとしてそういう評判のあるような人ではないのですか、石井は。
#463
○清宮證人 評判というのはただとばくだけのことで、ほかのことは知りません。
#464
○小玉委員 それから税務署に対して六万円なら六万円の申告をする際には、申告の書面に一年にどれだけの取引があるというようなことを書いて出すのでしよう、基礎は……。
#465
○清宮證人 大体基礎は書いて出す。
#466
○小玉委員 それはあなた方が書いて出すのか、だれかに頼んで出すのか。
#467
○清宮證人 それはみな代筆で、組合員を集めて、一まとめにして税務署に出す。
#468
○小玉委員 そういうふうに書いて出した基礎があるのに、その基礎を無視して、六十万もよけい割当があると、どうしてそういうことになつたかということを税務署に聞き質すわけなんだが、それに対して税務署はどういう態應をとつておつたか。
#469
○清宮證人 石井の方では六万と言うから、それが通るか通らないかということで、荒木と石井のもつれは一向にわかりませんけれども、組合の方であれしたら、これだけは別扱いにすると言つて署の方の者が組合の要求を取入れなかつたものだから、じやそれだけはというので、ちようど組合員に三名反対がありまして、三名だけ別個にして抜いたわけです。
#470
○小玉委員 それは、だれ……。
#471
○清宮證人 石井と石塚久藏と清宮島太郎、この三人だけは、それでは組合ではわからないから、相対で済むならば君たち相対でしたらいいだろう……。
#472
○小玉委員 別扱いにするのは、組合の協議に服しなかつたから。先ほど石井に聞くと、十五万円が相当だろうと思つたのに、六万円に書いて出したと言うけれども、そういうことを御承知ですか。結局これだけを別扱いに出した。組合で一緒に出すところを三人が別に出したのじやないか。
#473
○清宮證人 三人が別に出したものだと思います。組合の言うことを聞かないから、これだけ税務署と相対にして、これだけ取除いておこうという組合の方針がありました。
#474
○小玉委員 何かそういうところから税務署の方の反感を買つて、税務署も特別扱いにしたのじやないでしようか。その事情はわかりませんか。
#475
○清宮證人 わかりません。
#476
○小玉委員 非常に割当がひどいから、どういう基礎でこういうことになつたかということを税務署の方に尋ねに行つた際に、税務署の者が権柄ずくで、そういうことは聞いてもわからぬとか何とか言うて内容を見せないのじやありませんか。割当が非常に多い、六十万も來たからどういう基礎からこういうような課税をしたかということを見せないのですか。
#477
○清宮證人 見せないです。
#478
○小玉委員 税務署長と協議なら見せるということは言いませんか。
#479
○清宮證人 言いません。
#480
○小玉委員 見せなければ異議の申立もできないわけですが、見せませんね。あなた、そういう経驗はありませんか。
#481
○清宮證人 私は経驗ありません。折衝に行つた人が見せないということを言つて來ました。
#482
○鍛冶委員長 今石塚と言われたが、石塚はどれだけ決定されたか知りませんか。
#483
○清宮證人 石塚はそのときでもつて、向うから來たのが十五万くらいの見当になつていたと思う。
#484
○鍛冶委員長 するとやはりほかから見ると、やや高いな。
#485
○清宮證人 高いけれども、やはり店を見なけりや困る。
#486
○鍛冶委員長 商いは相当あるのかね。
#487
○清宮證人 ある。店を見ていただかないとわかりません。ただここで高い安いと言われても困る。
#488
○北委員 あなたのところの青果組合で組合員を呼びまして、たとえばりんごの價格を何ぼにするとか何の價格を何ぼにするとかいつて償格を協定しておりますか。
#489
○清宮證人 價格は一定しておりません。等級は四段構えにも五段構えにもなつていますから、一定できるわけはない。
#490
○赤松(勇)委員 ちよつとお尋ねしますが、今あなたは二十二年度の税金について青果組合の方に税務署から割当があつたということを言われたですね。どれくらい割当があつたのですか。
#491
○清宮證人 わからない。
#492
○赤松(勇)委員 ではもう一つ聞きますが、序列をつくるときにみな集まつて相談したということをおつしやつたですね。二十二年度の所得税について、その序列をつくる会合をいつどこでやられたのですか。
#493
○清宮證人 市場のニ階で二回ほどやりました。
#494
○赤松(勇)委員 そのときは組合員全部集まつたんですか。
#495
○清宮證人 いくらか欠席した人もあります。
#496
○赤松(勇)委員 そのときは石井の方には通知しなかつたんですか。
#497
○清宮證人 別にあれすると言うから……。
#498
○赤松(勇)委員 別というのは序列をつくつて向うに出したからで、税務署の方が別に扱つてくれと言うんでしよう。序列をつくるときには石井は出席しましたか。
#499
○清宮證人 石井がそのとき出席したかどうか、記憶ありません。
#500
○赤松(勇)委員 全部の組合員に通知しましたか。
#501
○清宮證人 通知しました。
#502
○赤松(勇)委員 みなで相談して序列をつくつたわけですね。間違いありませんか。
#503
○清宮證人 ところが、俺のうちはこんなに賣つてないと言うんで、組合員が寄つたところでいくらか悶着が起きたことがあります。
#504
○田嶋委員 決定があつたときに、決定に対して異議申立は幾人ありましたか。
#505
○清宮證人 異議申立は三名あつたと思います。
#506
○田嶋委員 今言つた三名ですか。
#507
○清宮證人 そうです。
#508
○田嶋委員 そうすると、あとの人はあなたのように、序列をきめて申告したときよりもあまり多く取られなかつたわけですか。三名だけが多く來て、あとはあまりたくさん來なかつたわけですか。
#509
○清宮證人 來てます。そのときに、高野彌四郎と石塚久藏、皆川重三に一任してありますから……。
#510
○田嶋委員 聞いていることに答えてもらいたい。要するに、決定が來てから異議申立をした人が幾人あつたのか。
#511
○清宮證人 三人です。
#512
○田嶋委員 あとの人はなぜ異議申立をしなかつたのか。安かつたからですか。
#513
○清宮證人 安いわけではないけれども、私の方は組合でもつて向うに異議の申立をしました。
#514
○田嶋委員 異議の申立は個人でしようと組合でしようと、とにかく税務署の決定に対してこの決定は高すぎるから負けてくださいと紙で書いて出した者は何人あつたか。
#515
○清宮證人 それは記憶ありませんな。
#516
○田嶋委員 石井と三人は出したのだね。
#517
○清宮證人 石井と三人は俺の方で直接やるからと言うので……。
#518
○田嶋委員 その三人は別にやつたというの。
#519
○清宮證人 そうなんです。
#520
○田嶋委員 すると、三人を除けて、ほかの連中で最高來たのはだれで幾らでしたか。
#521
○清宮證人 知らないですね。
#522
○田嶋委員 ほぼ、あなたと同じくらいではありませんか。調べればこれはわかるが……。
#523
○清宮證人 調べればわかりますけれども、意外に高く來ているのがありますね。
#524
○田嶋委員 どれくらい。
#525
○清宮證人 今こちらに來ると、石塚久藏が七万になつているけれども、向うでは四十二万です。
#526
○田嶋委員 委員長、そうなつていますか。
#527
○鍛冶委員長 石塚というのは七万……。向うの決定は四十二万ですか。
#528
○清宮證人 四十二万です。
#529
○鍛冶委員長 すると、これが七万になつているとすれば、更正したわけですな。そう考えるよりないが……。
#530
○清宮證人 浦和國家警察に呼ばれたときに四十二万となつていました。
#531
○田嶋委員 組合としては決定後まけてもらうための運動をやつたね。
#532
○清宮證人 負けてもらうための運動というと、やはりある一部の者だけだろうと思う。
#533
○田嶋委員 あなたたちは初め組合で負けてもらうときに共同してやつているんだろう、序列をきめたり何かして……。どうして、それを來てから組合でやらないのか。
#534
○清宮證人 結局中には安い者もあれば、そこに参加してくれという場合には参加できないから結局一様の歩調がとれなくなつた。
#535
○田嶋委員 結局あんたたちは安い人が出たので、歩調がそろわなくなつたから組合では共同してやれなくなつた。こういうことでしよう。組合の幹部というのはずいぶん冷淡ですね。
    〔「組合の役員が安くなつたから」と呼ぶ者あり〕
#536
○清宮證人 役員は安いことはないですよ。帳面の相違があります。これは浦和警察にありますから、そいつをよく見てください。こつちの報告が全然違つております。
#537
○田嶋委員 今のような話になると、まるで税金をかけられる前の運動は、組合の幹部が自分の税金を安くするための運動で、きまつてしまえばおつぽり出す、あんたの話を聞くとこうとれる。
#538
○清宮證人 個人ではなかなか税務署が受付けないから、結局組合でやることになつた。個人で受付けてくれれば、個人でやるのが結局得です。
#539
○田嶋委員 そんなことはない。反対です。税務署は個人でやつてくれと言つておるのですから。
#540
○清宮證人 先の場合は組合に出してくれと言つた。
#541
○田嶋委員 それは組合に一つの標準を出せというためでしよう。序列をきめてくれというのでしよう。
 それから石井の問題を特にやるなら荒木が除外しようと言つたのですね。
#542
○清宮證人 はあ。
#543
○田嶋委員 それは荒木が石井に対して何か下心があつたのではないですか。そういうことはわかりませんか。
#544
○清宮證人 それはわかりませんが、マル北と浦和青果市場と二つになつたので、この間國家警察の方へ呼ばれたときに、ちようど私たちが先に行つたところがマル北の組合長の三崎正次郎さんが來ておりまして、國家警察でこういうことを言つておつた。石井があまり重税をかけたからおれは殺してやるとか言つたところ、荒木が言うのには職務で倒れるのは本望だ、おれはペンで殺してやる。これは埼玉新聞に出ていたので御承知であろうと思います。
#545
○田嶋委員 感情的対立があつたのですね。
#546
○清宮證人 そうです。
#547
○田嶋委員 最後に今あんたは警察よりも税務署がこわいとおつしやつた。それはたれも言うことですが、あんたとして警察よりも税務署がこわいというのはどういうことですか。
#548
○清宮證人 私としては金のないものに重税を課せられることが一番こわいのです。
#549
○田嶋委員 だけどあんたのは安いでしよう。
#550
○清宮證人 安いことはない。
#551
○田嶋委員 ほかと比較して安い。
#552
○清宮證人 店舗を視察して見ないで、ただ机の上でもつて、数字の上でやつたのではわからないのです。
#553
○田嶋委員 だからあんたとしては五万円かけられたことが重税だからこわいというのですね。
#554
○清宮證人 そうです。
#555
○田嶋委員 それから八百屋は二十二年度は配給でしたね。
#556
○清宮證人 そうです。
#557
○田嶋委員 配給だからある程度のバランスは出るだろうね。
#558
○清宮證人 出るだろうと思います。
#559
○田嶋委員 申告のときにそのバランスを出したのですか。配給だからね。
#560
○清宮證人 そのときの組合長が申告したろうと思います。
#561
○田嶋委員 あんたは……。
#562
○清宮證人 私としてはそのときはタツチしておりませんから。
#563
○田嶋委員 あんたの分は配給率によつて出したのでしよう。
#564
○清宮證人 登録の人口に対して出て來るのです。
#565
○田嶋委員 そうするとそのバランスに対してあんたのは三万円ですか。
#566
○清宮證人 その前が三万円、昭和二十二年度が五万円。
#567
○田嶋委員 あなたは申告するときに三万円で五万円來たと言つたですね。
#568
○清宮證人 そうです。
#569
○田嶋委員 その三万円はそうした配給のバランスを立てて計算して出したのですね。間違いないですね。
#570
○清宮證人 間違いないです。
#571
○神山委員 大分誘導尋問しておるのですが、事実と違つておればありのまま言つてもらえばいいのです。さつきこれについては赤松君も質問したのですが、二十二年度は税務署から割当があつたが、あなたの話を聞きますと、二十三年度は、先ほど小玉さんが聞いたのに、内示か何かあつたか、割当てがあつたかと聞いたら、二十三年はないと言つておる。二十二年度は割当があつたと言つておる。
#572
○清宮證人 そうです。
#573
○神山委員 それをあなたの記憶の通り言つてもらえばいいのです。いい惡いという問題で聞いているんじやない、あつたかなかつたか。二十二年度は來たが、二十三年度はよこさなかつたのですね。
#574
○清宮證人 よこさなかつた。
#575
○神山委員 もう一つあなたの言つたことで、税務官吏が自分の店を全然調べないで、机の上でめくら判ばかり押しておる。これはありのままだと思いますが、そうですね。
#576
○清宮證人 そうです。今年度は店をなるたけ視察してもらつて、店に應じてやつてもらわんと困る。
#577
○小玉委員 浦和税務署では税務代理士はいないのですか。あなた方が交渉するにも税務署の内部のことや手続がわからぬから、税が高いのを負けてもらうために、税務代理士に頼んで負けてもらうようなことはないのですか。
#578
○清宮證人 税務代理士は浦和にはいないですね。
#579
○神山委員 これはきまつたことだからどうでもいいが、今の証人の話の中に、あなた方が税額の問題について異議申請をしたり、更正決定なんかに対してまた異議申請などしている間に実際にどんどんきまつてしまつてとられてしまうからしかたがないとおつしやいましたが、それはどうですか。
#580
○清宮證人 そうです。
#581
○神山委員 それから書類を見せてくれと言つても書類を見せてくれない、それもほんとうですか。
#582
○清宮證人 ほんとうです。
#583
○石田(一)委員 ちよつと聞きますが、荒木という税務署の役人が、石井のことは組合でやらなくても、あれは別にこつちでやるからとあなたに言つたと言いましたね。
#584
○清宮證人 全体の役員の前ではそう言いました。
#585
○石田(一)委員 それは役員の皆さんで、石井という人が組合の言うことを聞かないから、あれは別にしておいて、組合は組合でやろうということをきめてから後に荒木という人がそう言つたのか、先に荒木の方がそう言つたのか、どつちが先ですか。さつきあなたの話では、組合の方でも話が出て、石井が組合の言うことを聞かないのだからあいつはかつてにやらせようということを言う人もあつた、だからその組合の役員さんにあなたたちがそういうことを言い始めて、それから後に荒木という人が石井のことはほつておけ、かつてにやるからと言つたのか、それともあなたたちがそういうことを言わないうちに荒木という人が先にそういうことを言つたのか。
#586
○清宮證人 私の方で石井が言うことを聞く聞かないではなく、それは税務署の荒木さんが先にそう言つたと思います。
#587
○石田(一)委員 そうすると、税務署の荒木という人が、石井だけはこつちで一人だけ別にやるからと組合に言う、その理由はどこにあると思いますか。
#588
○清宮證人 私たちは一向そういうことはわかりません。そのときは、ちようど電話がかかつて來たものですから、私はすぐその場から出てしまつた、うちに病人ができた子供が引きつけたというので帰つてしまつたから深いことはわかりません。
#589
○石田(一)委員 そうすると、あなたたちが役員間で石井は別にしようという前に、荒木の方で先にあなたたちが集まつているところであれはこつちで別にやるからということを言つたのですね。
#590
○清宮證人 そうです。
#591
○赤松委員 あなたのお隣りは何をおやりになつておるのですか。
#592
○清宮證人 お湯屋です。
#593
○赤松委員 おふろ屋さんにはどれくらい今度來ましたか。
#594
○清宮證人 二十万円くらいじやないですか。
#595
○赤松委員 その反対の方の隣りのお宅は何をやつておられますか。
#596
○清宮證人 魚屋です。
#597
○赤松委員 これはどれくらい來ましたか。
#598
○清宮證人 それは合資会社になつていますからわかりません。
#599
○赤松委員 隣近所の御商賣をやつておられる方と比較して、あなたのところに來た五万円という税額はどう考えてみても高いとお思いになりますか。
#600
○清宮證人 そう思います。うちのまわりはみな官吏ばかりです。商人町じやない。
#601
○赤松委員 わかりました。
#602
○鍛冶委員長 北島重太郎さんですね。先ほど読み聞かせましたが、ここではあなた方を罪人にしようとして調べているんじやないのですから、自分で言うて都合の惡いことがあれば言われなくてもいいのですが、知つておられることは十分言つてもらわんならぬから、あまり臆しないで氣樂に言つてもらうように願います。
 あなたは埼玉縣洋服商工協同組合浦和支部の組合員ですか。
#603
○北島證人 そうです。
#604
○鍛冶委員長 組合で何をしておられますか。
#605
○北島證人 現在相談役をやつております。
#606
○鍛冶委員長 あなたのその支部の役員というのはどういうのとどういうのがあるのですか。
#607
○北島證人 支部長一名、会計一名、それから支区長というのが一名、あと理事が七名あります。顧問一名、相談役一名。
#608
○鍛冶委員長 そうすると相談役というのは一人だけですか。役員中では重要な役員ですね。
#609
○北島證人 大して重要でもないです。
#610
○鍛冶委員長 組合のためには主としてどういうことをやるのですか。
#611
○北島證人 すべての機構、税金や何かのときにどういうようにしたらいいかという相談を受けるわけです。
#612
○鍛冶委員長 主として税金に関してですか。
#613
○北島證人 あと配給物や何かですね。
#614
○鍛冶委員長 そこで昭和二十二年度並びに二十三年度の所得税について組合で何か組合員の序列をつくりましたか。
#615
○北島證人 そのときは更正決定が來ましたときです。意外に小さな所を大きくしてある。その時分私は役員をしておりませんでした。従つて小さい洋服屋ですが、そこへ大きな更正決定が來た。役員をやつていた人には少く來たのです。
#616
○鍛冶委員長 序列をつくるというのは、更正を出さぬ前に、その更正を出すために、税務署はそういうものをつくつて來いといつて來るのじやないで
#617
○北島證人 そうですけれども、更正決定の場合は來てから相談したわけです。
#618
○鍛冶委員長 今言つた序列をきめておるのはその前でしよう。
#619
○北島證人 そのあとです。その前までは税務調査委員というのはおらなかつたのであります。
#620
○鍛冶委員長 序列はやはり税務署からお前の組合でひとつ序列をつくつて出してくれと言つて來るからやるのですか。
#621
○北島證人 一番初めはそうだと思います。
#622
○鍛冶委員長 二十三年度はどうですか。
#623
○北島證人 二十三年度もそういうことになりました。ですから各組合員が寄りまして、投票によつて序列をきめたのでございます。
#624
○鍛冶委員長 二十三年度の税金について――二十二年度でもいいのですが、あなたの方の組合員で鈴木富藏というのがおりますね。その鈴木富藏がたいへん大きな税額を決定されたということですが、それはどういうわけか、御承知ですか。
#625
○北島證人 浦和洋服組合には宮田金次郎というのが元、十年間ぐらい組合長をやつておりました。戰争がございましたけれども、その間ずつと報告も何もないのでございます。それでは困る。もう戰争も終つたことであるから、一應決算報告をしてもらいたい。そう言つたらそれはなかなかできぬと言う。それじや困るし、その間いろいろの風評がございまして、何とかこれを改革しなくてはいかぬから、そのときにどうしても、私が出なければだめだ、私がこれを何とか改革する意味において、憎まれ役、だけれども買つて出よう。そういうことになりまして、前組合長の宮田さんの所に行きまして、今までの決算報告をしてもらいたいと言つたら、そういうことは簡単にできない。それじや困る、ぜひ一週間の猶予を置くから全部帳簿を調べて出してもらいたい。一週間ぐらいじやなかなかできない。それじや困るから、やめてもらいたい。あとはどうでもする。相当に戰争は配給や何かで、いろいろ不正や何かもあつたのですけれども、それは全部白紙にもどしてやるから、理事長をやめてもらいたい。
 それで鈴木富藏さんという人と私は懇意でして、次はだれがなるかと話したら、ぼくがなると言う。けれども鈴木さんはその器ではないと私は言つたのですけれども、自分から現に今組合長をしておるじやないかというので、相談の結果私を納得させまして、鈴木さんをとりあえず次の支部長にきめたのでございます、
 すべて相談ずくでやつておつたのです。あした役員会があるというと、前の日に打合せをしまして、その役員会に臨みますと、支部長の鈴木さんが、きのうそういうことは相談は受けなかつた。それじや寢耳に水だ。ぼくは支部長をやめると、まるで話にならないようなことを言つておる。それでまたいろいろ相談しまして、総会を開き、鈴木さんに出てもらいたい。時間は一時でしたけれども、鈴木さんが來たのは遅かつた。そこへ來るといきなり、だれにことわつてきよう総会を開いた。前の日に連絡してあるじやないか。いやそんなことは知らぬ。ぼくはこんなにうまく行かないでは支部長は勤まらぬからやめます。そのときに私が一番先に手をたたいて、それじややめてもらおうと満座の中で鈴木富藏さんに手をたたいて辞職してもらつた。そういう感情が多少あつたのです。
 その後、日は忘れましたが、更正決定が來たのです。支部長としておつた鈴木さんのところへは千五百円の更正決定が來た。前十年間も理事長をやつていた宮田金次郎という人は職人も使い、電話もあり、店舗も堂々たるものがある。そこへ六千円、私のところへ四千五百円……。
#626
○鍛冶委員長 いつのです。二十二年ですか。
#627
○北島證人 二十二年の一番初め更正決定が來たときなんです。それでそのときもいろいろ折衝しまして、私異議を申し立てたのです。結局それが通らないで四千五百円拂つた。ちようどそのときは浦和洋服組合に税務調査委員というのをこしらえて、私が委員長を申しつかつていた。そのときに組合長と私とおりましたときに宅で問題の荒木さんにちようど会いました。そのときに大木さんというのが……。いろいろな問題がありますけれども、感情ずくで、とにかく鈴木さんをやめさしたのですから、よくなかつたのです。そのためにいろいろ材料を持つておつたらしいのです。それで数字を上げまして、鈴木さんという人は私のすぐそばにいまして戰争によつて疎開をして土合へ行つたのでございますが、そのときはあまり生活もゆたかでなかつた。向うへ越してから総ひのきの家も建つし、畑も買い、田も買い、そこには何かあるだろうということを言いまして、今鈴木さんは埼玉縣連合会の本部の理事をやつておりますが、その理事をやつておりまして、中制服の裁断か何かやつておる、そこに相当の余裕があるというので、そのときに数字をあげて、その余祿が二十万円くらいある、もらう金も三十万円くらいあるのじやないか、いろいろ計算して見ると家も建つような金が入る。これは話が前後しますが、荒木さんが更正決定のでこぼこを聞きに來たというときです。そのときにそういう問題がある。鈴木さんは相当もうかつているのだから、荒木さんはそれではこれは五十万円――これくらいだなと言つて五十と書いた、五十万円とは言わなかつたのですけれども、丸の中に五十と書きましたから、これは五十万円じやないか、こう思つたのです。その前に、君らの方は参考にするだけだから別にどうということはないのだ、ただ公平のところを聞かしてもらいたいと、そのときに組合長が言いましたから、私はその数字は知らないのですけれども、そのくらいあるんじやないかと言つたのです。それによつて荒木さんは税金を高くかけて、それではその税金は拂い切れないから、何とか交渉に行けば、そのときには手ぶらでは行かない、いくらかになるのではないかというので、そういう方針で全然調査も何もしないで、それによつて税金五十万円と言つたらしいです。
#628
○鍛冶委員長 そうですか。大木の家でそういう話があつたそうですね。
#629
○北島證人 そうです。
#630
○鍛冶委員長 大木というのは組合の何ですか。
#631
○北島證人 組合長です。
#632
○鍛冶委員長 そのときは何でしたか。
#633
○北島證人 そのときは会計係でした。そのときに高橋さんというのが組合長だつたのですが、高橋さんというのはロボツトであつて、私と大木とで大体はやつておつたのです。
#634
○鍛冶委員長 ほかの組合員から見たら、それで五十万円が相当だとあなた方は認めましたか。
#635
○北島證人 それはその後更正決定の訴願をするについて総会を開きまして、投票によつてその順位をきめて、これは妥当であるか、これは安いとかいうようなことをみんなで諮つたのです。そのときに二十八名が出席したのですが、それで投票しまして、私も訴願委員に入つたのですけれども、今度は鈴木さんの問題でこれはどうしたものだろう、五十万円來ておるから――けれども鈴木さんというのは浦和の在なんです。すべて組合を通じて税務署にパーセントによつて税金を一應は出してみたのですが、鈴木さんは別個に自分は土合から出すからいいということになつておりまして、鈴木さんの方はどうしようというのでみんな投票によつて諮りましたら、一票も鈴木さんに対して何とかしてやろうじやないかということがなかつた。
#636
○鍛冶委員長 それでなくてもあなた方がそういう感情があるから、そういうことを話したという感情によつて、よけいとられるということになつてはたいへんなわけですが、やむを得ぬと思つておりましたか。
#637
○北島證人 別に自分は――そのときに組合長がそう言いましたから、そうだろうということで合いづちしただけです。
#638
○鍛冶委員長 組合長ではない大木でしよう。
#639
○北島證人 大木です。
#640
○鍛冶委員長 大木は組合長でも何でもないのだが、えらい力を持つているんだね。どうしてそういう力を持つているのですか。――大木の家にしばしば荒木という税務官吏は出入りをしておつたそうですね。
#641
○北島證人 行つておりました。
#642
○鍛冶委員長 それでどういうことで行つたのですか。
#643
○北島證人 私は大木さんの家で荒木さんに会いましたのは、そのとき一回だけですから知らないのです。
#644
○鍛冶委員長 組合と税務署とはそういうこと以外でもしばしば何か交渉することがありますか。
#645
○北島證人 ありません。
#646
○鍛冶委員長 あなた方組合として、今言われたように、組合員全体の減税運動というか、更正で、でこぼこがあつたら頼むということはやりましたね。
#647
○北島證人 私は税務調査委員長でありましたが、副の森田健二というのがおりまして、副にほとんどやらしておりました。私は税の交渉には一回も税務署に行きません。
#648
○鍛冶委員長 どんなことをやつたのですか。
#649
○北島證人 実際に見た目で、これは少し高かろうというのを拾いまして、それで向うから初めて十人くらいを限度にして來たのですけれども少しでも多くみんな安くしてやろうというので、たしか出しましたのは二十名くらいだと思います。
#650
○鍛冶委員長 運動をしたりするときに相当費用がいるのじやないですか。
#651
○北島證人 これは組合員はみんな内容がゆたかでないのですから、いいのも二、三ございますけれども、みなこれは金を使わないでやるということでやつておりました。
#652
○鍛冶委員長 費用がいるといつて、組合費ででもやるのですか。
#653
○北島證人 組合費でなくみんな役員が自弁してやつております。
#654
○鍛冶委員長 金を出しつこしてやつておつたということはありませんか。
#655
○北島證人 一回集めましたけれども、それは使わないで……。
#656
○鍛冶委員長 大木と荒木というのはどういう関係で――特別個人的に仲よくなつておつたのではないですか。しばしば出入りすれば当然そうなるだろうと思うが。
#657
○北島證人 あまり仲がよくもなかつたらしいですね。そこははつきりしませんけれども、私の見た目で、とにかくその五十万円問題で、ほかの人が税務署へ荒木さんに面会に行きましたら、大木に一ぱいかつがれた。だから大木が來たのでは全然話にならぬ。君だから話になるということで、大木が來てあやまれば鈴木さんの五十万円は何とかしてもいいということを、言つておつた。
#658
○鍛冶委員長 かつがれたとはどういうことですか。
#659
○北島證人 おどらされたということです。
#660
○鍛冶委員長 実際には五十万円ないものをあるというて、それによつておれは決定したのだが、今となつてみれば五十万円ないのだから、おれはだまされた、こういうことですね。
#661
○北島證人 まあそうだろうと思います。
#662
○鍛冶委員長 そういうこと言い得るものがあるとしたら、組合というものはたいへんなものになる。あなた方相当の人だが、そんなことじやいけないとお思いにならぬですか。
#663
○北島證人 私は参考にするためにした。だけれども税務署では税務署の方針によつて税をかけているんだから、投書やちよつとの忠言によつてぼくらは何もやるんじやない。実際の断固たる根拠があるので、それによつてやつているのだという……。
#664
○鍛冶委員長 荒木がそう言つたのですか。
#665
○北島證人 はい。
#666
○鍛冶委員長 そう言いながら、一ぱいかつがれたというのはおかしいですね。そういうことを口では言つておるけれども……。そうしますと、いわゆる俗に言う組合のボスが、かつてに人の組合員の税金を左右するということに言われても、ちよつと抗弁の余地がないように思いますが、どうです。
#667
○北島證人 私はただそのときに、そこの席に連なつておつたために、今日もここに出て來るようになつたのではないかと思います。
#668
○鍛冶委員長 いずれにしてもあなたは相談役であり、税務委員長までやつておるのでありますから、そういうことになるのだが、それはそれだけにしておきましよう。ところが浦和の税務署はその問題だけではなく、ずいぶん乱脈であつたそうですね。
#669
○北島證人 すべての課税方法が非常にでこぼこが多いのです。
#670
○鍛冶委員長 でこぼこが多いし、税務吏員で惡いことをした者もいるのじやないですか。
#671
○北島證人 そういうふうに聞いております。
#672
○鍛冶委員長 大体どんな事件があると聞いておりますか。
#673
○北島證人 あまりほかの事件は聞かないのですが、新聞記事が出ましてから、結局自分がかわいいから、減税運動のためには皆相当に動いているのだねということは方々で言われました。
#674
○鍛冶委員長 荒木が大木さんのところへ行つて、たびたびごちそうになつたそうですが……。
#675
○北島證人 それは知りません。
#676
○鍛冶委員長 そういう事実があるとは思いませんか。
#677
○北島證人 あるとは思わないですね。
#678
○鍛冶委員長 組合でそのほかいろいろ運動して、洋服地を税務吏員のところに持つて行つてごきげんをとつたということですが、それはどうですか。
#679
○北島證人 それはオーバー地が配給になりましたときに、賣ればたしか一着分二千五百円か二千八百円に賣れるものを、手数料を入れまして千六円といくらかで配給になつたのです。そのオーバー生地は配給のルートでないものだつたらしいので、たしか西村さんもいくらかそれに関係しておるのだと思いますが、その生地は三千円かで組合員で共同出資してあつたのです。暮に金を集めて、その生地が入つたのが半年以上も経つた八月の四日でしたか、そのときにちようど更正決定が來て、税金でごたごたしておりましたから、こういうときにひとつ原價でやつておこうじやないか、それもよかろうということで税務吏員にやつてあるのです。
#680
○鍛冶委員長 税務署へ大分たくさんやつたのですか。
#681
○北島證人 私が手にかけたのはたしか四着でありました。
#682
○鍛冶委員長 あなたと大木と石渡の三人で相談して、そういうことをやられたのですか。
#683
○北島證人 そうです。
#684
○鍛冶委員長 あなたが手にかけたのは四着かもしれないが、ほかの人のを合計すると、相当の数が行つておるのじやないですか。
#685
○北島證人 税務署と、あとは地方事務所です。
#686
○鍛冶委員長 これは原價というと千何百円ですか。
#687
○北島證人 原價で千円いくらだと思いました。しかし千円もらつたらよかろうと私は言いました。金の受渡しは全然知りませんが、生地は私が出したのであります。
#688
○鍛冶委員長 あなたのはオーバー地であつたかもしれないが、洋服地、オーバー地といろいろあるようじやないですか。
#689
○北島證人 そのときに配給になつたのはオーバー地ですから、洋服地はないと思います。
#690
○鍛冶委員長 あなたが渡されたのは、税務署のだれとだれですか。
#691
○北島證人 安いからというので、一人へ何着もやることはできないから、一人一着を限度として、それも本人が來なければ渡さぬということを、大木さんから荒木さんに話を通したのであります。そうすると荒木さんが人を連れて來まして、この人とこの人だからぜひ譲つてもらいたいと言つて來ましたから、それでは明日皆から集めておくからということにして渡しました。
#692
○鍛冶委員長 千円はもらいましたか。
#693
○北島證人 そのときに金は大木さんの方にするからと言うので、生地だけ持つて行きました。
#694
○鍛冶委員長 それきり金を持つて來ないのですか。
#695
○北島證人 それは大木さんがとつていると思います。
#696
○鍛冶委員長 とつているというても、生地を出したのはあなたではないですか。
#697
○北島證人 私のところで配給した生地を一つずつ出しまして……。
#698
○鍛冶委員長 あなた方のところに金はもどつて來ましたか。
#699
○北島證人 私のところにはもどつて來ませんが、集めたときは組合の金で拂いました。
#700
○鍛冶委員長 かりに千円とつても、当時の相場から言えばよほど安いものだろうね。
#701
○北島證人 安いです。とにかくそのとき夏でも二千五百円から二千八百円で賣れたのですから……。
#702
○鍛冶委員長 そういうものをもらつたり、しばしば出入りするようなら、大木と荒木は仲よくなつているだろうね。
#703
○北島證人 ……
#704
○赤松委員 ちよつとお伺いします。あなたは荒木がこれとこれとこれにやつてくれと言つたとおつしやつたのですが、これとこれとこれというのはだれですか。
#705
○北島證人 その名前を覚えていないのですが……。
#706
○赤松委員 あなた記憶にあるでしよう。あなたがお渡しになつたのでしよう。
#707
○北島證人 名前は聞かないのです。
#708
○赤松委員 顔はわかつていますか。
#709
○北島證人 生地をとりに來ましたときは荒木さん一名です。その前の日にその人を連れて來たのです。
#710
○赤松委員 それから大木さんという人と荒木という税務官吏、この人たちが、どこでもあることですが、一ぱいやろうかというて、軽い氣持ちで一ぱいやつたといううわさでもあなたはお聞きにならなかつたかどうか。
#711
○北島證人 聞きません。その前に私が組合長のところへ遊びに行つておりましたときに、荒木さんが一升びんをさげて來たことがある。そして酒をやろうかと言われましたから、ほしいにはほしいけれども、まあ要らぬ、荒木さん飲むのでしようと言うたら、いや、ぼくはあまり飲まぬ、けれども今切符で前からとつて來たからどうしようかと言うので、もらつたつてしようがない、持つてお帰りなさい、飲むならここでお飲みなさいよと言つたのですが、いや、私は昼間から飲むわけにはいかぬと言われた。そのときはぼくはあまり飲まぬと荒木さんが言われたと思います。その後に大木さんのところで五十万円の話が出たときに――大木さんというのは相当好きなんですけれども、たしかそのときウイスキーか何か出したと思うのです。記憶があまりはつきりしていないのですが……。
#712
○赤松委員 それは大体いつごろですか。
#713
○北島證人 四月かと思います。それがはつきりしていないのですが……。
#714
○鍛冶委員長 去年の四月ですね。
#715
○北島證人 そのとき荒木さんにすすめたら、ぼくは飲まぬと言われた。
#716
○赤松委員 酒は飲まんでも、物は食つたでしよう。それはまあ常識で、だれだつてそれはあたりまえのことでですからね。
#717
○北島證人 それも食べないのです。出さなかつたのです。
#718
○赤松委員 もしあとで、大木さんと荒木さんなるものが一緒にやつた。あなたもその揚に居合せておつたというような事実があとから現われた場合には、あなたは責任を負えますか。
#719
○北島證人 それは負えます。
#720
○赤松委員 その洋服ですが、布地は渡したが、金はもらつていないのですね。
#721
○北島證人 大木さんが……。
#722
○赤松委員 大木さんがもらつたかもしれない、こういうお話でございましたね。
#723
○北島證人 そうです。
#724
○赤松委員 これは組合の会計簿の上ではどうなつておるのですか。
#725
○北島證人 それはみな会計の記録に載つておると思います。
#726
○赤松委員 それは組合が立替えたのが書いてあるのでしよう。本人からもらつたのがちやんと記載してありますか。
#727
○北島證人 それは知りませんけれども、とにかく布地を一旦配給いたしましたそのところへとりに行くときは、私が組合から金を預つて行きまして、そうして拂つてあるのです。
#728
○赤松委員 そういうときに配給はいわば横流しで、そういうことをちよいちよい組合の方でもおやりになつていたのですね。
#729
○北島證人 何ですか。
#730
○赤松委員 たとえば配給品を税務署の役人にやるというようなことをしばしばいたしましたか。
#731
○北島證人 いやそのときだけです。
#732
○北委員 私、さつきから話を聞いておりますと、大木さんと荒木さんとお互いの仲が非常に――あなたはそんなに大した仲でないと言われているが、だんだん話を聞いてみますと、非常にこの関係が密接なように感じるが……。
#733
○北島證人 私はとにかく税務調査員でありましたけれども、大体その税務調査というのには私は反対しておつたのです。税のことは組合員があまり深入りすると、お互いにつつきつこになりますから、これは個人々々でやつた方がいい。それを私主張したものですから、北島はあまり協力しないのだ。それなら税務調査委員長にしたら仕事するのじやないかというので、私は税務委員長にされたのです。それですから、それでは副をこしらえてくれ、私はあまりそういうことは好きじやないから、副にやらしてくれ、名前だけは……。
#734
○北委員 われわれ聞きますと、何だか大木さんと荒木さんをかばうように聞こえるのですが、前後を通じまして……。
#735
○北島證人 私を税務調査委員長にまつり上げたいきさつがそれですから、あまり深入ることはしなかつたのです。
#736
○北委員 もう一つ伺いたいのは、今の五十万円ですが、鈴木さんですか、その人の五十万円、先ほどちよつとまるの中に五十と書いたと言われましたが、税務署にそういつたヒントを與えたということは、あなた方にあるわけですね。
#737
○北島證人 たしか税務署にもあると思うのです。その前に商工会議所のなんで木内というつくり酒屋の主人なんですが、それが税務署に行つたときに、自分の税金を見たのです。そうしたら、非常に高くて、そのときついでに鈴木さんのも見たのです。これはたいへんだというので、荒木さんはちようどいなかつたのですが、まあこの村の有力者ですから税務署に何か話して、それで係のいないときに辞令を出してもらつたらしい。帳面に載つているよりずつと額をさげて、そうして鈴木さんのところに三万円やつたのです。
#738
○北委員 もう一つ簡単なことですが、あんたは自分の公正な面から見て、荒木さんという人はりつぱな人であるか、どういう人だと感じますか。
#739
○北島證人 とにかくあとにも先にも三回きりしか会つていないのです。
#740
○北委員 わかりませんか。
#741
○北島證人 ええ。
#742
○北委員 どうも先ほどから話を聞きますと、三回というようなことは……。もう少し会つておるように思われますが……。
#743
○北島證人 いや、会つておりません。
#744
○小玉委員 大木という人は幾つぐらいの人ですか。
#745
○北島證人 四十ぐらいです。
#746
○小玉委員 経歴はどういう方ですか。
#747
○北島證人 経歴は眞からの洋服屋じやないのです。
#748
○小玉委員 何をやつておつたのですか。
#749
○北島證人 別にこれというなにはないのですけれども、義理の親が洋服屋だつたのです。それで外交をしておつたのです。
#750
○小玉委員 公職についたことはないのですか。
#751
○北島證人 ありません。
#752
○小玉委員 何か地方での勢力家ですか。
#753
○北島證人 いいえ、別に何でもありません。
#754
○小玉委員 財産はどのくらいですか。
#755
○北島證人 いくらかあるようですが、人のことですから……。
#756
○小玉委員 あなたは税務調査だから、知つておらなければならぬのじやないですか。
#757
○北島證人 知るのがいやですから……。
#758
○小玉委員 自分に仕事ができないのに、その地位におるということは、ことわればことわり得ることでしよう。
#759
○北島證人  ロボツトでいいということだから、やつたのです。それで副を置きました。
#760
○小玉委員 それだから税務調査員に副を置いたというのですね。何という人ですか。
#761
○北島證人 森田健一です。
#762
○小玉委員 それで荒木が大木のところへ行つて、鈴木にどれだけ渡したらよかろうかということを、荒本が相談したのですか、それとも大木の方から荒木に鈴木の方はこれくらいしたらよかろうと言つたのか、そのいきさつはどうなんですか。五十万円をまるの中に書き込むいきさつは……。
#763
○北島證人 いきさつは荒木さんが、今日はほかのことではないよ。税の更正決定のデコボコを聞きに來た。そうですが。デコボコは大いにある。だれとだれだねというので、それで鈴木さんが一番先に上つたわけです。
#764
○小玉委員 上つたというのは、だれの口から上つたのですか。
#765
○北島證人 大木さんです。
#766
○小玉委員 それで大木が五十万円でよかろうというその單位は……。
#767
○北島證人 いや五十万円というのは荒木さんが帰つてしまつてから……。五十と書いたからきつと五十万円じやないかしらと私が言つたのです。
#768
○小玉委員 荒木がおるうちにあなたが五十万円くらいが適当じやなかろうかということを荒木に話したことはないのですか。
#769
○北島證人 それはありません。鈴木さんの資産はどれくらいあるのであろうと荒木さんから聞かれました。
#770
○小玉委員 それで何か言つたのか。
#771
○北島證人 そのときに、鈴木さんはもと浦和におりまして、私のすぐそばにおりまして、そのときにはあまり生活がゆたかでなかつた、それが土合に付きまして、二年くらいで総ひのきの家を建て、田も買い、畑も買い、これは本部の方の中制服の理事をやつておるから、できたのだろう。相当にうまいことをやつているのだろうと……で、そのときに大木さんが本部へちよいちよい行つていましたから、本部からでも聞いたのだと思います。その数字をあげましてですね。
#772
○小玉委員 何の数字を……。
#773
○北島證人 洋服の中制服の裁ち物をしておつた。
#774
○小玉委員 裁ち物の数量ですか。
#775
○北島證人 数量ですね。
#776
○小玉委員 それをあげた……。
#777
○北島證人 ええ、一反についてたしか二着だか、私らの計算で行きますと、一反でうまくやれば五十ヤールですから二着余剰が出るわけなのです。数で差込みますから……。
#778
○小玉委員 出目でうまいことをやつているのじやないか。こういうのだね。
#779
○北島證人 そうです。そのときに公定でも千円ぐらいだ。二着出れば二千円だろう。それを十反ならば二十着、五十反なら百着も出る。そうすると相当の金額になる。そこに不正があるのじやなかろうか。それでその五十万円くらい、家は三十万円くらい、他所も買つた、田も買つたということになれば、五十万円くらい資産があるじやないか。そういう数字なのです。
#780
○小玉委員 ということを大木があげたのですね。
#781
○北島證人 そうです。
#782
○小玉委員 それにあなたがただ合づちを打つた……。
#783
○北島證人 ええ、ただその数字は全然知らないのですけれども、ただ大木さんと私と何していまして……。
#784
○小玉委員 それはちよつとおかしいじやないですか。税務調査委員長で、自分はよく知らぬ。ロボツトだ。だから副を置いたというあなたがそこで助言をすれば、税務調査委員長の言うことだから相当権威あるものと解釈するのじやないか。
#785
○北島證人 とにかくそのときに荒木さんには税務調査委員ということを何してなかつたのです。
#786
○小玉委員 知つておるだろう、向うは……。税務署の役人はだれが税務調査委員長であるということを知つておるだろう。
#787
○北島證人 会つていませんから、その前に一回会つて、二度目に会つただけですから……。
#788
○小玉委員 どうもあなたの言うことは齟齬するようですね。自分は知らぬから、副部長だと言つておきながら、その鈴木の資産状態は知つているようなことを言うということは、あまり良心的でない。
#789
○北島證人 いくらかその前に、そのときに配給の生地の來たときに問題が出たことはあるのです。新聞に……。
#790
○小玉委員 根本にさかのぼつて、あなたはこの鈴木が組合長をやめることについてまつ先に手をたたいたというのだが、大分反感があつたのじやないですか、根本には……。
#791
○北島證人 ことごとに反対に出て來ますから、いくらか感情はありました。
#792
○神山委員 それであなたの事業はどの程度にやつておつて、家族は何人いらつしやるか、その点ひとつお聞きします。
#793
○北島證人 私は家内と子供二人でございます。それで横丁の横で、ほんとうに微々たる洋服屋でございます。
#794
○神山委員 職人も何人も使つていらつしやらない。
#795
○北島證人 使つておりません。
#796
○神山委員 鈴木さんはどうですか。
#797
○北島證人 鈴木さんは現在とにかくいなかですから、全然今はやつていないと思います。
#798
○神山委員 前はやつていたのですか。
#799
○北島證人 前には埼玉会館の横でやつておリました。
#800
○神山委員 そうしますと、今の出目があるとかないとかいう話は埼玉会館のころの話ですか、疎開してからの話ですか。
#801
○北島證人 疎開してからです。
#802
○神山委員 そうすると今のあなたのお話を進めますと、あの人がいなかに行つて職人も使わずに仕事をやつていたとするならば、出目が出て何十何百着とるという仕事をしていなかつたのじやないですか。
#803
○北島證人 それは本部の中制服を扱つておる。鈴木さんは本部の理事をしておりましたから……。
#804
○神山委員 そうすると鈴木さんは本部へ行つて自分でミシンを踏んでおつたのですか。
#805
○北島證人 裁断師ですから裁ちものをしておりました。
#806
○神山委員 裁断師ですか。それで推察をされたのですか。
#807
○北島證人 大木さんが……。
#808
○神山委員 あなたはそれを知らないのですか。
#809
○北島證人 知らないのです。
#810
○神山委員 次にお尋ねしますけれども石渡という人はどんな人物ですか。
#811
○北島證人 ちよつとかわつておると思います。
#812
○神山委員 それから黒澤さんという人はどんな人です。
#813
○北島證人 あまり煮え切らない人ですね。
#814
○神山委員 それではもう一つお尋ねしますけれども、大木さん、この人の前の職業は何ですか。
#815
○北島證人 戰争中はたしか進駐軍の通訳なんかしておつた……。
#816
○神山委員 戰争中に進駐軍はいないから……。
#817
○北島證人 いやいや戰争中はたしか通訳をしていたと思いますね。
#818
○神山委員 それなら外國にでも行つていた人ですか。前から地元におる人ですか。
#819
○北島證人 教育は相当に受けておる人らしいです。
#820
○神山委員 前の職業はあなたはわからないのですか。
#821
○北島證人 わからない。
#822
○神山委員 ただ洋服やさんに養子にでも行つて、自分では洋服はつくらない人ですね。
#823
○北島證人 あるいは見よう見まねでいくらかやるかも知れないが、大してできない人です。
#824
○神山委員 この人がどうしてそれほどの勢力を持つているのですか、あなたのごらんになつたところを……。
#825
○北島證人 組合員の顏見知りとしては、大木さんとは十年以上も知合いなのです。私はそれでそのときあまり大木さんとは仲がよくなかつた。それでだんだん私は敬遠をされておつたわけです。それで前組合長の、つまり老人、私ら年配のものと、若手と二派があつて、勢力争いみたいなことになりまして……で、改革してそういうことになつたわけであります。
#826
○神山委員 それで改革したときには若手組がそのとき一ぺん勝つたのですね。
#827
○北島證人 そうです。
#828
○神山委員 それであなたは大木さんとは十年以來顔見知りで、大木さんの職業を知らないのですか。
#829
○北島證人 あまりつき合いはしておりません。
#830
○神山委員 そのころあまり仲はよくなかつたのですか。
#831
○北島證人 そうです。仲がよくなかつた。
#832
○神山委員 今はどうですか。
#833
○北島證人 今は行つたり來たりしております。
#834
○神山委員 仲がいいですか、惡いですか。
#835
○北島證人 向うでは少し煙たく思つておると思います。
#836
○神山委員 あなたはどう思つていらつしやいますか。
#837
○北島證人 私も……別にどうとも思つていないのです。
#838
○神山委員 それでお尋ねしますけれども、その若手組が老人組を一應押し出して、鈴木君を組合長にしたとき、黒澤さんが実権を鈴木君にまかせられたということは御承知でしようね。
#839
○北島證人 まあ副みたいなことをやつておりました。
#840
○神山委員 そのときに事務所を大木君のところへ置けということを言われたそうですが、それを御存じでしようか。
#841
○北島證人 ええ。
#842
○神山委員 あなたは公正な立場からお考えになつて、個人の家に事務所を持つことはどうかということをお考えになりませんでしたか。
#843
○北島證人 浦和洋服地組合は、私はいつも事務所を置き、事務員を一名置いて組合費でまかなつていたらよかろうと常に主張しておりましたが、どういうものですか、浦和洋服地組合は事務所を設けなかつたのです。
#844
○神山委員 それで大木君のところに行つたわけですか。
#845
○北島證人 そうです。
#846
○神山委員 その当時組合会長であつた鈴木さんに、一言の相談もなくて、大木君のところに持つて行つたというのは事実ですか。
#847
○北島證人 相談がないことはない。理事で諮つたと思います。
#848
○神山委員 とにかくそのあとに高橋日本という人が組合長になりましたね。その人はロボツトであつたということを認めますか。
#849
○北島證人 そうです。
#850
○神山委員 そのときにも大木君が実権を持つていたわけですか。
#851
○北島證人 そうです。
#852
○神山委員 そうして大木君が今組合長になつておるのですか。
#853
○北島證人 そうです。
#854
○神山委員 それであなたは相談役であつた……。
#855
○北島證人 高橋さんが組合長であつたときには、私は副組合長みたいなかつこうになつておつた。それで大木さんと高橋さんの間の連絡は、私がしておりました。
#856
○神山委員 そうしますと、あなたと大木さんの間は、けむつたい、けむつたくないは別として、その関係はずつと見ますと、相当協力しておられるということは結果として出て來ますね。
#857
○北島證人 協力しておりますが、今まで、現在もそうですが、協力していながらすべてが私に対しては不利なことばかりになつておりました。
#858
○神山委員 それではまた別なことを聞きますが、先ほど洋服地をやつたかと言つたらあなたはやつたのではない、賣つたのだと言うかもしれないが、それに関連して、あなたは地方事務所と税務署にやつたと言つておるのですが、これは税務署に全部で何着、地方事務所にみなで何着、これを相談役としてあなたは知らないはずはないと思いますが。
#859
○北島證人 相談役は今年の二月でしたか。前は理事でやつておりました。
#860
○神山委員 理事であるあなたは当然知つておられると思う。
#861
○北島證人 私がその当時扱いましたのは、税務署にやつた四着と、地方事務所にやつた二着です。
#862
○神山委員 それ以外は何着あつたかわかりませんか。
#863
○北島證人 それ以外は何着とつたか、とにかく私の手にかけたのはそれだけです。
#864
○神山委員 最後に、これは二十二年度の話です。小さな人には更正決定が以外に重かつた。それから役員には少かつたということをあなたは言われた。これを今、私がもう一ぺんここで質問しても認めることができますか。
#865
○北島證人 できます。
#866
○神山委員 そうすると、これは事実ですね。
#867
○北島證人 そうです。
#868
○神山委員 二十三年度の場合に、こういうことがありましたか。
#869
○北島證人 二十三年度は比較的浦和中間洋服地組合員としては重いのです、私たちに課税されておるのは……。
#870
○神山委員 組合全体が重いのですか。
#871
○北島證人 全体が重いと思います。
#872
○神山委員 その中で今私がお尋ねしておるのは、組合の幹部の方に軽くて、普通の人には重い。この事実は今年はありましたか、ありませんか。
#873
○北島證人 ありません。
#874
○神山委員 それでは鈴木君が五十万円あるというふうに言つたこと、これは先ほどから認められておるのですが、これが不当であつたということは事実によつても証明されておりますが、これもお認めになりますか。これをもう一ぺん説明しますと、あなたも御承知のように、三万円というふうにきまつたものを、五十万円に直した。ところが、これはあとで五万円にきまつたわけでしよう。この間に不足ではあれ税務署できまつたものが五万円なんだ。そうすると、あなたは知らないかもしれないが、大木さんの言つた五十万円くらいの根拠になつたところの洋服地がああだ、こうだという話も事実じやないのですか。
#875
○北島證人 それは本部の報告を調べれば、すぐわかると思います。
#876
○神山委員 とにかく税金としては五十万円と荒木君が書いたのが、あとで五万円になつて、そして荒木君が一ぱいはめられたということによつて、大体結論が出ておるのじやないですか。五十万円が不当であるということは……。
#877
○北島證人 そうです。
#878
○神山委員 それからもう一人、黒澤君が五十万円とふつかけられたそうじやないのですか。
#879
○北島證人 黒澤はそんなにふつかけられたとは思いません。
#880
○神山委員 どのくらいふつかけられましたか。
#881
○北島證人 幾らでしたか、数字はちよつと記憶にないのですが……。
#882
○神山委員 とにかく黒澤君がふつかけられたことは認めますか。
#883
○北島證人 税金が行つたということですか。
#884
○神山委員 行つたということはもちろんですが、不当にあとで更正決定が行つた。それが更正決定かどうかは別として……。
#885
○北島證人 それは知りません。
#886
○神山委員 私の方ではそういう事実も聞いておるわけです。從つてこういう事実があつてみると、組合長の鈴木君や、その代行者であつた黒澤君、こういう人がじやまになるというので大木さんが荒木さんに吹込んで、商賣をつぶさせるような道具に使つたということが一部の人から言われておりますが、結果においてこういうふうに見られてもしかたがないじやないですか。
#887
○北島證人 結果はそうなりましたけれども、私はそういうふうには考えておりませんでした。
#888
○神山委員 あなたは非常に善良な方ですからそういうふうには考えられないで、多分正信正銘、事実に基いてお考えになつておることと思うが、私の尋ねておるのは、結果としてそうお認めになりますかということです。
#889
○北島證人 ……。
#890
○神山委員 御返答ができなければできないでよろしい。
#891
○石田(一)委員 ちよつと一言お聞きしますが、大木さんという人は今度の浦和税務署の事件が起きて、何か警察で調べられましたか。
#892
○北島證人 警察には行かなかつたそうです。
#893
○石田(一)委員 それで現在もやはり浦和におりますか。
#894
○北島證人 そうです。それで私が大木さんの所には行つたと思います。
#895
○石田(一)委員 そうすると、その人は現在やはり組合の組合長をしておりますか。
#896
○北島證人 しております。
#897
○石田(一)委員 それで全然警察の方に行かなかつたことは間違いないわけですね。
#898
○北島證人 そうです。私は本人に昨日聞きました。
#899
○石田(一)委員 そうして大木さんという人は、現在はそれほど問題になつておらないのですか。
#900
○北島證人 おらないようです。
#901
○神山委員 最後に、浦和の町でよつぱらつて歩いておるのは税務署の役人といううわさをあなたは知つておりますか。
#902
○北島證人 聞かないですね。
#903
○神山委員 このごろはそのうわさを聞いておりますか。
#904
○北島證人 このごろは聞いております。このごろはずいぶんひどいことをやつていたのだなということは聞いております。
#905
○神山委員 それから警察もこわいけれども、税務署の方はもつとこわいということを多くの人が言つておりますが、御存じですか。
#906
○北島證人 存じております。
#907
○神山委員 それではもう一つ聞きますが、浦和の税務署と警察署とがけんかをしておるということは知つておりますか。
#908
○北島證人 それは新聞に出たから知つております。
#909
○石田(一)委員 あなたは警察に呼ばれましたか。
#910
○北島證人 呼ばれました。
#911
○石田(一)委員 そうすると、あなたは警察で何を調べられたのですか。やはり今のこういうことですか。
#912
○北島證人 そうです。
#913
○石田(一)委員 それはおかしいですね。あなたはそのときに五十万円の件なんかは、ただそばにいてそれほどに意思表示をしなかつた。意思表示をした組合長の責任にある人は呼ばれて調べられないで、相談役のあなたがそばにいて、介添役で、主としてあなたがやつたのじやない問題で、あなたが警察で調べられておる……。
#914
○北島證人 非常に迷惑をしておるのです。
#915
○石田(一)委員 やつた人はちつとも調べられないで、迷惑ですね。
#916
○北島證人 そうです。
#917
○石田(一)委員 大木さんが、どうして警察で調べられないかということは、あなた、何か理由があるだろうという、思い当ることはありませんか。
#918
○北島證人 それがないのです。大木さんが出ないのは、私はふしぎだと思つております。とにかく大本さんという人は、簡單にいえば、教育も受けておりますから、私ら職人、小僧上りと違いまして、相当口がうまいのです。
#919
○石田(一)委員 税務署の方と同じように、警察の方にも何か行つているのじやありませんか。
#920
○北島證人 それははつきりしませんが、私は警察にはずいぶん知合いがあつて呼ばれたのです。それでそのときに、市の警察の方にも知合いがいまして、縣の警察の方にも知つておるのがいて、ちようど顔を合わせたのです。そうしたら、別に何でもないようだ、心配することはないから、君、とにかくあつたこと、事実を供述してもらえばいいから……。
#921
○石田(一)委員 大木さんの家は、今どのくらいの規模で商賣をやつておるのですか。
#922
○北島證人 規模は大して大きくない。
#923
○石田(一)委員 何台くらいミシンを持つておりますか。
#924
○北島證人 ミシンが一台あると思います。
#925
○石田(一)委員 職人は。
#926
○北島證人 職人はいません。
#927
○石田(一)委員 だれがやるのですか。
#928
○北島證人 義理のお父さんというのが六十何歳でしたか、それがやつております。
#929
○石田(一)委員 大木さんがそれを手傳つておるという形ですね。
#930
○北島證人 まあ外交をしておるわけです。
#931
○石田(一)委員 大木さんのところには、税金は幾らぐらい來たのですか。
#932
○鍛冶委員長 大木さんは五千円でしたかね。
#933
○石田(一)委員 税金が五千円……。
#934
○北島證人 五千円は一番初めの増加所得です。今までとにかく大きな洋服屋でも三千円拂つた洋服屋は浦和になかつたのですから……。
#935
○石田(一)委員 ただ平均すると、比較するためにわかりにくいのですが、鈴木さんに五十万円という決定が來たですね。このときに、大木さんには、その五十万円というのに対して、何万円の決定が來ておりますか。
#936
○北島證人 そのときは……今記憶にないのですが、七万円ぐらいだつたと思います。
#937
○鍛冶委員長 最後にあなたは税務調査員だと言われるから聞きたいが、みな高いとか安いとか組合員が言つておるが、何を標準にして高いとか安いとか言つておるのですか、標準があるだろうが……。
#938
○北島證人 自分らも商賣をやつておりまして、今何しろ配給が大してあるわけではないし、実際に洋服屋は、普通の労働よりも夜なべも深くやらなければならぬ。今、裏返しか、お客さんが布地を持つて來るだけですから……。大きな通りの店でしたら、多少やみの布地も扱つているだろうと思いますけれども、小さい洋服屋では扱つておりません。扱い切れないのです。一着について二万円ぐらいですから、非常に立場が苦しいのです。
#939
○鍛冶委員長 苦しいといつても、所得税というものは何か標準があるのじやないですか。
#940
○北島證人 標準はないのです。全然一回の調査もないですから……。
#941
○鍛冶委員長 今の布地ですね。これはさつき、あなたが配給すべからざるものとか、何とか言つておつたが、それはどういうことですか。
#942
○北島證人 それは共同出資したのです。つまり大宮に連合組合の本部がありまして、本部の方から、希望者は一人三千円くらいの出資をしてもらいたい。そうしてもらえば配給ルートに乗らない布地が來るからと言われましたのでしたのです。
#943
○鍛冶委員長 ルートに乗らない布地というのは、普通じやないのでしよう。そういうことはあり得ないでしよう。
#944
○北島證人 そうです。
#945
○鍛冶委員長 それはどこから出たものですか。
#946
○北島證人 それは軍艦の中に敷く布だつたらしい。
#947
○鍛冶委員長 どこから廻つて來たものですか。
#948
○北島證人 それは知りません。
#949
○鍛冶委員長 それは別に問題にならなかつたのですか。
#950
○北島證人 それは問題にならない。たしか千葉縣と埼玉縣へ布地が來たらしいのです。
#951
○小玉委員 先ほど洋服の布地を税務署員にやつたそれは配給値段でやつたのですか。
#952
○北島證人 そうです。そのときに、大木さんに相談されたのです。オーバー布地をどうだい幾つかやろうじやないか。それで私はただかと聞いたら、何を言うか、公定でもらう……。
#953
○小玉委員 仕立てじやなく布地そのままをやつたのですか。
#954
○北島證人 ええ。
#955
○小玉委員 結局何着分でしたか。
#956
○北島證人 税務署にやつたのは四着。
#957
○小玉委員 その布地は元來ルートから來た布地ですか、そうじやないですか。
#958
○北島證人 そうじやないらしい。
#959
○小玉委員 それを配給値段でやつたのですね。
#960
○北島證人 そうです。
#961
○小玉委員 そうすると、やみというか、市價というか、損をしてやつているわけですね。
#962
○北島證人 いえ、損はしていないのです。
#963
○小玉委員 それは市價、やみ値段であれば、いくらぐらいの品物ですか。
#964
○北島證人 そのときに、たしか二千五百円か二千八百円くらいでした。
#965
○小玉委員 やみ値段ですか。
#966
○北島證人 はあ。
#967
○小玉委員 それを幾らで……。
#968
○北島證人 千六円いくらでしたから、千百円もらつたと思う。それは千円のもあるかもしれません。
#969
○小玉委員 それは打割つて話せば、結局金をとつておかなければ贈賄という問題が起るから、市價で賣れば二千五百円なり三千円で賣れるものを、安い値段で賣つた。いわゆる贈賄問題をあらかじめ防ぐために、そういう手段をとつたのじやないですか。
#970
○北島證人 そうじやありません。
#971
○鍛冶委員長 今私の聞いたのは、あなた方、布地をまとめて買つて來たのですか。
#972
○北島證人 大宮の連合会の本部から配給になつたのです。
#973
○鍛冶委員長 大宮の連合会で、そういうのを買つたのですか……。洋服協同組合でしよう。
#974
○北島證人 そうです。
#975
○鍛冶委員長 ルートでないものを組合が買つたわけですね。
#976
○北島證人 ルートであるかないか、それはわからぬ。とにかく本部の役員が……。
#977
○鍛冶委員長 ルート外だつて、あなた聞いたのでしよう。
#978
○北島證人 そのときに配給がなかつたから、やみのものであると思いました。
#979
○鍛冶委員長 本部はそれを相当扱つたのですか。
#980
○北島證人 とにかく埼玉の全体に……。
#981
○鍛冶委員長 伺百着ですか。何千着ですか。
#982
○北島證人 何千着です。
#983
○鍛冶委員長 それは去年の何月ごろですか。
#984
○北島證人 布地の來たのは一昨年になります。
#985
○鍛冶委員長 何月ですか。
#986
○北島證人 私が受取つたのは八月八日です。
#987
○鍛冶委員長 本部はどこにあるのか。
#988
○北島證人 大宮にあります。
#989
○鍛冶委員長 埼玉縣洋服商工協同組合連合会ですね。大宮にあるのですね。
#990
○北島證人 はい。
#991
○鍛冶委員長 よろしゆうございます。あなたの方にいくらですか。
#992
○北島證人 私の方は十八反くらいと思います。
#993
○鍛冶委員長 十八反というと何着分ですか。
#994
○北島證人 三百七、八十あると思います。
#995
○鍛冶委員長 よろしゆうございます。
#996
○池田(正)委員 地方事務所に渡したというのは、相手がわかりませんね。
#997
○北島證人 はい。
#998
○鍛冶委員長 それでは済みました。
#999
○神山委員 ただいまの尋問を通じまして、どうしても大木という今の組合長を証人として召喚する必要があると思います。それからこれに関連しまして新しく起つた問題については、今北君の言つております洋服布地の問題について別に考慮するとして、大木という人を呼ぶからには私の方で再三証人尋問のお願いをしている後藤という人も呼んでもらいたい。そうすれば両方の言分がはつきりすると思う。直接の関係がありませんけれども、浦和の住民の一人と、直接の関係者で一番関係の深い者とを、ぜひ喚問せられるようにお願いいたします。
#1000
○鍛冶委員長 次の理事会に諮ります。
#1001
○神山委員 理事会にはかる問題でない。委員会で決定したらいいじやないか。
#1002
○鍛冶委員長 後藤については私の方でも調べておることがあるので……。
#1003
○神山委員 なぜそういうことをするか。それは問題だと思う。
#1004
○鍛冶委員長 言うて來たのをみなうのみにできない。
#1005
○神山委員 うのみではない。この前の委員会のときにすでに私の方で名前まで出して住所、職業も調べて出した。しかしあなたの方でこの次に諮ろうと言うから、その意見を尊重して待つていたわけだ。しかしきようの証人から聞いた結果、どうしても大木という人から聞かなければならぬ。なおもう一方市民の立場から公正な意見を聞く必要があるだろう。それで出したのだから、すつきりやつたらいいじやないか。
#1006
○北委員 これはこのことにつながる大きな問題がある。そこでこれを至急に調べるように委員に諮つてもらいたい。
#1007
○鍛冶委員長 下調べをやることになつていることを御了承願いたい。大木についてはともかく、後藤については理事会を開いて相談したい。
#1008
○神山委員 それじや田万君もあつせんしてくださるので、次の理事会で後藤君のことはきめるとして、大木君のことだけは一應満場一致できめてもらうように讓歩してもいい。
#1009
○鍛冶委員長 大木を呼ぶことに決定いたします。期日その他は追つて理事会へかけてきめます。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後七時二十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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