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1949/06/29 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 考査特別委員会 第13号
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1949/06/29 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 考査特別委員会 第13号

#1
第005回国会 考査特別委員会 第13号
昭和二十四年六月二十九日(水曜日)
    午後一時四十二分開議
 出席委員
   委員長 鍛冶 良作君
   理事 池田正之輔君 理事 小玉 治行君
   理事 猪俣 浩三君 理事 小川 半次君
   理事 神山 茂夫君 理事 石田 一松君
      井手 光治君    大橋 武夫君
      栗山長次郎君    高木 松吉君
      田嶋 好文君    福井  勇君
      吉武 惠市君    赤松  勇君
      田万 廣文君    大森 玉木君
      徳田 球一君    小松 勇次君
      小林  進君    浦口 鉄男君
 委員外の出席者
        証     人
        (下甘田村農地
        委員長)    柳川 正一君
        証     人
        (農業)    池田  修君
        証     人
        (上尾特殊セメ
        ント株式会社常
        務取締役)   敞田 省三君
        証     人
        (農業)    泉  浅吉君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 石川縣下における耕地面積不正申告事件
    ―――――――――――――
#2
○鍛冶委員長 これより会議を開きます。
 石川縣下における耕地面積不正申告事件につきまして証人より証言を求めることといたします。
#3
○大森委員 議事進行について……。私が先日の委員会に出なかつたので、その委員会において、地方におつて新聞を見ますると、何かあたかもこの事案が大森玉木の選挙の具にでも供されておるのではなかろうかというような問題が書かれておつた。実にけしからぬと思う。これらに対して私どもがこの事案を審議するにあたりまして、一言私から申し上げておきたい。かくのごとき誤つたる観点によつてこれを審議することは実に無意味なものであると考える。それはどういうことかと申しますると、この部落において――これはいかなることであつたかというと、あるいは党派などの問題を申し上げる必要はないが、徳山という地主はこれは民自党の縣会議員である。しかもこれが大地主であつて、この人が一番利害関係か多いのであります。私と関係をした岡山というがごときは、このごろ何かやつておるが、何も私の選挙において損得をいたしたものではない。こういうことを、何かたまたま、あるいは山田君を訪問して、この前の選挙に大森を頼んだ、それが何かこの事件の発端のごとく、こういう委員会において、しかもこの厳粛なる問題を審議する委員会においてかくのごとき問題を取上げて、そうして事案の何かに供せられんとすることは、私は遺憾であると思います。私が今申し上げた点は、そういう意味でなく、私は先日の委員会にも、かくのごとき問題が地方に起つているということでありますから、正しいものは正しいとして委員会は取上げるべきである、こういう観点から、私は泡を食つて出て來ない。自分の問題であるならば率先して出て来て、皆様の言つたように、利害関係があれば、率先して出て來て、これを答弁もし、何かやつたでありましようが、しかしながらこの問題を取上げるべきであるか、あるいはこの問題を社会秩序の上から言つても審議すべきかどうか、そうしてどれが正しいかということはこの委員会において判定しなければならぬものであると考えておつたから私は出なかつたのでありますが、私の問題に対してでないということをはつきり申し上げて議事進行に資したいと思います。
#4
○神山委員 大森君の発言は発言としまして、それにもかかわらず私が本委員会において指摘したような疑惑が解けませんし、またどれほど大森君が言おうと、客観的に解けない事実だけは指摘しておきたい。それは第一に、この村において現在村長をやつておる人が民主党系であると言われるのは公知の事実であります。また縣会議員吉野某という人が、これも民主党議員であることも事実であります。こういうふうな事実があつて、問題が大きな二つの党派の間の闘いというふうに見えている限り、客観的に見てそういうふうに言われることは仕方がない。これはお互いの主観にかかわらずそう見えることは事実であります。しかもこれはこの委員会で私は前にも述べたことがありますが、先日石川縣の方に大森君がお帰りになるときに鍛冶委員長はもちろん、それから調査員の鈴木君、さらに大森君が一緒だつたと思うが、事実らしく私たちは聞いておるのであります。その席に読賣新聞の記者がいたことも事実であります。しかも本委員会では秘密を申し合せているにもかかわらず、読賣新聞でいち早くこの問題を取上げたところに、私たちが大きな観点から見てこれに非常に政治的な色彩があることを指摘せざるを得ない第二の根拠があります。さらに第三には、大森君の今言いましたように、地方新聞はこの問題をいろいろの角度から取上げているのでありますが、その取上げ方の中に非常に政治的色彩が強いということも事実であります。こういう事実を私たちが考えます場合、大森君が、これは場所を今言うことは避けますが、ある地方において、この問題を自己の演説の中にすでに取上げていることも傳えられておるのであります。こういうふうな事実があり、あるいはこういううわさが飛んでいる限り、大森君の主観的な意図がどこにあろうとも、客観的に見てこれが非常に超党派的であるべき本委員会の性格に反した、非常に党派的な問題であるということだけはいなめない事実があります。從つて私たちはすでに数回にわたつてこれを考査委員会が取上げるということについては反対して來たのでありますし、また審議の継続中にも、大体の全貌がわかつた今、この問題をこれ以上取上げることは、単に一党一派、その人々の政治的活動を助けるだけだということが、客観的に言われざるを得ないから、おやめになつたらどうかと言つたのであります。しかしこれは大多数の諸君の意思によつてやつて行こうというのでありますから、私たちはこれを忍んでやつておるわけでありますが、もし大森君が眞に今言われたように清浄潔白であるならば、李下に冠を正さず、まさにこれをみずから進んで撤回されることこそほんとうに民主的だと言わざるを得ない。私たちはあえてこの問題をやめる、やめないということをいまさら言うのではないが、大森君が先ほども言われたような心境であれば、考査委員会に適した超党派的な性格であるべき――もつと率直に言えば、反共の道具になつておるこういう問題について、これ以上深入りすることは私としても当然則ると言つて大森君が撤回されるように希望せざるを得ない。さらにもう一つ申し上げておきたいことは、この証人尋問の順序か逆になつておるという事実であります。これは先日の委員会が延びたために、――余儀ない事情でありますが、当委員会の議事運営の慣例からしまして、いわばこの問題を提訴した側の――悪い言葉でありますが、かりにたとえて言いますと、告発した側の人が先に調べられて、そうして告発された方があとで調べられるということは、慣例上おもしろくないと思うのであります。こういう慣例はありませんし、また常識としてもよろしくない。従つて越路町の事件に関しまして、きよう証人が二名來ておられることは、私たちも承知しておりますが、越路町事件のごときは提訴した反共連盟の諸君が先に発言して、あとでいわゆる被告側に立つ人が弁明するという形式は、当委員会のためにとらないところであります。從つて初めの委員会の決定の通り、やはり摘発されたと時間で言つているところの、被告側と世間で言つているところの共産党側から先に審議することが、さきの当委員会の決定に從つているばかりでなく、正しい委員会の運営であると思うのであります。從つて越路町に関する審議の過程は当然順序を訂正されるべきだと思います。この点について委員長及び委員諸君の賢明な、そして誤らない措置を希望したいのであります。この二つの点について御考慮願いたいと思います。
#5
○大森委員 あえて神山君の発言に対して別に弁明の必要はないのであります。しかしながら、私から今神山君の指摘されたような問題に対して一言申し上げて、議事の進行に供したいと思います。それはどういうことかと申しますと、何か超党派的であるということがただいまも指摘された。これは勝手な見方であつて、何と弁明しても――また見方がさようならばそれは決してそういうことを論ずる必要はないのであります。しかしあるいは読賣新聞が同車しておつた。そうしてそれが何かたまたま漏らしておつたということについてお話があつたようでありますが、新聞記者が同じ汽車に乗つて行つたからといつて、私はこれに対して関知する必要はないと思う。こういう問題はもう弁明の限りではない。そういう人はそれは商賣だから、何を書いたか、何を調査したか、私はそういうことは何も知らない。同時にまた私の演説というのは、私は地方新聞を見まして、かくのごとき問題がある、共産党の諸君はこういうことをやつているということを演説で言つた。しかしながら考査委員会ということは言わない。私の言つたことはかくのごとき新聞を見ると、もはや考査委員会においてこういうことをやるということを新聞に書いてある、実に遺憾なことであるということを演説で言つた。こういうことである。(「それは自分が出したのじやないか。」と呼ぶ者あり)自分が出したとは何だ。(「君が出しているのじやないか。考査委員会が間違つていることは君が押えるべきじやないか。」と呼ぶ者あり)こういう意味において、私は委員長において適当に審議を進められんことを望みます。何の必要があつて撤回するのか。今日のこういうふうな状態が全國に蔓延いたしをするならはよほど考えなくてはならない。そういうわけでありますから、慎重にこの問題を審議せられんことを望みます。
#6
○小林(進)委員 だから私は先ほど委員長に、なぜ理事会を開かないかと言つたのです。こういうことが予想せられたから私は言つた。こんな証人を前に置いて考査委員会の内情を暴露して、政党の争いを万人の前でやるような議事の仕方は、非常に委員長としての手腕のほどを疑わざるを得ない。これでは私どもの方で委員長の不信任案を出さなければならない。そういうことはやめてもらつて、もしこういう話があつたら、一應はひとつ理事会なり、あるいはまた別の形式でそういうことを処理してもらいたい。
 いま一つは、私は参考までに知りたいのですが、一体この郡とそれから下甘田村ですか、この村でいわゆる民主党の大森君の票と共産党の票かどれだけ出たか知らせてもらいたい。これはわれわれ超党派的であるけれども、一應こういう問題が出た以上どれだけの票が出たか、どうしても票を見たい。
 それからいま一つは、証人の尋問の問題について、やはり被告を先にすべきだとか、訴えた連中はあとにすべきだとかは神山君の間違いだ。これは白紙の状態で……。(理事会で決めた通りやらないから文句を言つているのだ。」)理事会できめた通りやると言うならば、一應君の言を聞いておこう。
#7
○神山委員 大森君の発言かなければ長い議論の必要はなかつたのだ。ところが大森君か白を黒と言うからこそよけいものがもめて來るのだ。それは確かに読賣新聞の記者が一緒に行つたからといつてそんなことは知つていないと言うだろう。しかし私が先ほど言つたように、客観的に見て、一つの車で行つてやあやあと言い、しかも調査員が向うに行つてみたら、もう読賣新聞の記者がいた。こういう実情であれば、だれかが漏らしたと言われても仕方がないじやないか。私たちは彼がそれくらい清淨潔白であるならば、この問題の重要さからいつて撤回せよと言つたまでで、私たちが言つておるのじやない。
 その次に問題なのは、演説した、しないの問題でありますが、新聞に出ておると言つたかもしれません。しかし自分で考査委員会に提案しておる。自分で提案して、自分でこういう話があつたと言つた。この事実は本人だけ認めておればそれでけつこう。大森君の主観的な意図か何であれ、客観的に見て自分の選挙運動に使つたと言われても仕方がないじやないか。この事実を私は指摘しておるので、これ以上がやがや言う必要はない。しかし彼が言うならば無数に言う。
#8
○鍛冶委員長 今小林君が言われる通り、ここでこういう問題をあまり論議せぬ方かよいと思います。私はこういう問題か出るかどうか、神様でありませんから、やつたのですが、次の理事会でやるならやるとして、この問題はこの程度にしていただきたいと思います。証人のことは別にわれわれはだれを先にするとかいうことについて何の意図もありません、ただ御承知の通りに、この間ああいうとこになつたから変更したので、決して特にたれを先に調べるということはありません。
    〔「委員長一任」と呼ぶ者あり〕
#9
○神山委員 議事進行について――今吉武君の声だつたと思いますが、委員長一任という声がかかつた。これは反対です。
 私たちは証人の喚問の方法について理事会において十分慎重に検討した結果、先ほど私が言つたように順序が決定したわけです。それが一方から言えば、不可抗力的な事情、すなわち委員会が遅くて表君たちが先に帰つたという事実がある。この点について私たちも慎重考慮しておるのでありますけれども、しかるにもかかわらず、初めの理事会の決定の精神に反した尋問の順序になつたということに対して私たちは抗議を申し入れておるのであります。從つて当然理事会の決定か尊重されなければなりません。理事会の決定がどうでもよろしいというならこちらにも考えがあります。しかし理事会の申合せを尊重する今までのしきたりからしして、当然きよう呼ばなければならぬ反共連盟に属する二人の証人の尋問は次回に譲られるべきだということを私は改めて動議として提出したい。
#10
○田万委員 議事進行に関して――今の神山委員の言われた理事会の決定は尊重すべきが当然と思う。動議であろうがなかろうが、委員長としてはその方針で進んでください。
#11
○鍛冶委員長 いや、その通りやつておる。ただこの間はやらなかつたものだから……。その前にこれがきまつたのです。
#12
○田万委員 この調べ方については決定通りに今後はこのままやつてもらいたいということを申しておるのです。
#13
○鍛冶委員長 これはこの間の理事会にかけてこの四人を調べることはきまつておるのですから……。
#14
○徳田委員 この前、表君のをやらなかつたのだから、やれば表君の方が先口なんだから今日やつて、今日呼んでいる人はあとに残すのは当然だ。
#15
○鍛冶委員長 表君の方はあさつて呼ぶことにきめたのですから、そんなことは大した問題ではないと思います。
#16
○小玉委員 私は考査特別委員会に今年初めて出席したのですが、この委員会は超党派的に公平にやるべきものである。証人の申請の順序等もこの前理事会で山田某をきめたのですけれども、理事会以上にこの委員会は権威があるわけで、この委員会がきめたことを今さら変更して、また理事会の方に引きもどすという神山君の発言は、ことの本末を誤るものではないか。共産党の神山君がいつも議事進行に名をかつて、まず長時間雄弁を振われておるわけでありますが、これは遠地から呼んだ証人に対しては非常に御迷惑なことだと思います。われわれは協力してこの議事を円満に進行しなければならぬ責務がある。これは証人に対しても考査委員会として特別の配慮をしなければならない問題であると思います。証人の発言中でもかつて神山君はそういう証言をしちやいかぬというようなことを言つて制止されたことがあります。
    〔神山委員「いつ言つた」と呼ぶ〕
#17
○小玉委員(続) いつかの中野の税務署の問題でそういうことをやつているのでありますが、議事進行について十分の意を拂われておらぬということは、はなはだ私遺憾に思う。議事進行に名をかつて、いたずらに議事を混乱さしてしまうということは、呼んだ証人に対して私まことに申訳ないと思います。何とぞ委員会の権威のためになるべく相協力して議事の円満なる進行を守るようにしていただきたい。
#18
○鍛冶委員長 ごもつともです。
#19
○神山委員 今小玉君が私の名前を出して、私があたかも議事進行を阻害しているように言われておりますが、速記録を調べてもらいたい。小玉君が何日委員会に初めから出ておればその点はつきりすると思いますが、私の発言については委員長も認めざるを得ないのであります。理事会の申合せに反したことが新聞に出たりするために、私が余儀なく発言を強制されているのであります。この点はあなたも認められている。こういう点について私が議事進行の妨害をするというような発言をなされることはまことにけしからぬと思います。その上私が証人の発言を制止した云々ということについては事実に反している。
#20
○鍛冶委員長 本日お見えになつている証人は敞田省三君、泉浅吉君、池田修君、柳川正一君の四名であります。これより証人の方から証言を求めることになりますが、証言を求めろ前に、各証人に一言申し上げますが、昭和二十二年法律第二百二十五号議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人に証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならぬことと相なつております。
 宣誓または証言を拒むことのできるのは、証言が証人または証人の配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係のあつた者及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、及び医師、歯科医師、薬剤師、薬種商、産婆、弁護士、弁理士、弁護人、公証人、宗教または祷祀の職にある者またはこれらの職にあつた者がその職務上知つた事実であつて黙秘すべきものについて尋問を受けたときに限られておりまして、それ以外には証言を拒むことはできないことになつております。しかして、証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられかつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることとなつておるのであります。一應このことを御承知になつておいていただきたいと思います。
 では法律の定めるところによりまして証人に宣誓を求めます。御起立を願います。どなたか代表して読んでください。
    〔証人敞田省三君各証人を代表して宣誓〕
    〔各証人宣誓書に署名捺印〕
#21
○鍛冶委員長 それでは柳川正一さん、池田修さん、敞田省三さん、泉浅吉さん、この順序でお聞きすることにいたしますから、柳川さんだけ残つて、あと三人の方はもう一度もとのところでお待ちを願いたいと思います。柳川正一さんですね。
#22
○柳川証人 はい。
#23
○鍛冶委員長 あなたは石川縣羽咋郡下甘田村の農地委員長ですね。
#24
○柳川証人 そうでございます。
#25
○鍛冶委員長 あなたのところの農地委員会で、昭和二十二年土地の買收計画の実施に当つて、採草地として地主から買收し、続いて小作人に賣り渡したところの面積は、どれくらいでしたか。
#26
○柳川証人 物納の分を離して、三町八反三畝二歩であります。
#27
○鍛冶委員長 物納というのは、どういうものですか。
#28
○柳川証人 財産税として地主が税金のかわりに物納した分です。入り耕作の分を離して、二町八反三畝二分であります。
#29
○鍛冶委員長 ところが採草地とはなつているけれども、実際はたんぽになつておつたところがあつたそうですね。
#30
○柳川証人 それはあります。
#31
○鍛冶委員長 どれくらいありましたか。
#32
○柳川証人 劣等地で冷水があつたりして、ろくに米のとれないところを、採草地として買收したものは、現在調査の結果一町一反六畝四歩であります。
#33
○鍛冶委員長 それは全部劣等地ばかりですか。相当のたんぼもあつたのじやないですか。
#34
○柳川証人 ないはずです。
#35
○鍛冶委員長 いずれにしても惡くても、たんぼになつておればたんぽです。採草地ではないのですから、それを採草地として買收計画をするに至つたのは、どういうことから出たのですか。
#36
○柳川証人 それは昭和二十二年四月の初めての買收において、不在地主から整理しようということになりまして、不在地主をやつて、今度は九月に、二囘、三囘は休んで、四囘の買收からとりかかつたのです。その際、昭和二十二月九月十一日かと思いますが、私の部落の小作人から出ている委員と買收計画を立てたのでありますが、そのとき小作側から、採草地や劣等地は買わしてほしくないということを、小作側の委員を通じて申し出たわけであります。それから自分は十二日の日だと思います。全部地主に私の宅に寄つてもらつて、第一番に保有地から決定してかかればいいと思いまして、小作の代表も全部寄つていただいて、保有地の決定をしたのです。保有地のきめ方は、七反のうち、上田二反、中田二反、下田二反、畑一反、そうして七反をつくつたわけです。それを各地主と小作人によつて、どことどこの一等地は地主に残す、どこの二等地は残すというぐあいで、決定したのであります。小作側は、劣等地や大水に流れる採草地は買わしていらぬ。それから地主にはかつたのですが、地主もそういうものを残してもしようがないからいらぬ。そうしたら方法に困つたわけであります。九月九日ですか、日は覚えませんが、縣の農地部に行つたのです。冷害を受けるたんぼや、大水に流れたり、砂を持つて来たりするたんぼや採草地は――今では採草地と言うておりますが、その時分は草おい地ですが、草おい地をどうして処分したらいいか、そうしたら係の方から、それは採草地として処分した方がよかろうという指示を仰いで、今度帰つて行つて、部落常会にはかつたわけです。縣からこう言うて來た、どうしますか、と言うたら、地主も、それならば離しましよう、小作も、採草地として十八倍で賣り渡してくれるならば譲つてもらおう、という話合いで、計画を立てたのであります。
#37
○鍛冶委員長 縣へ行つてだれに相談しましたか。
#38
○柳川証人 人間はどなたか、私はその当時は委員になつたばかりですから、はつきり名前は申上げられませんが、農地部の羽咋を担当した人であります。
#39
○鍛冶委員長 その人は今でもおりますか。
#40
○柳川証人 どうですか、私が農地委員になつた当時でありまして、今ならば知つた人がおりますけれども……。二十二年の九月に、日はよく覚えておりませんが、行つて参りました。
#41
○鍛冶委員長 あなたは初めだれの所に行つたのですか、部長の所へ……○柳川証人 羽咋の担当の人の所へ……。
#42
○鍛冶委員長 それで名前を知らないのか。
#43
○柳川証人 そうであります。
#44
○鍛冶委員長 ところがその買收計画をそういうことで立てたが、買收計画の明細書を地主に渡さなかつたそうですね。
#45
○柳川証人 それは書記の方が手不足なために、渡した人と渡さない人とあるそうです。それを全部渡せと私から申し傳えてあつたのですが、行つておらない人もあつたそうです。
#46
○鍛冶委員長 手続上渡さなければいかぬと思つておりましよう。
#47
○柳川証人 それは渡せと申しておきましたが、書記の人が七十二歳になる年寄りであつて、手不足のために渡されなかつたそうです。
#48
○鍛冶委員長 しかし渡さなかつたら、手続を踏んでおらぬことにはなりませんか。
#49
○柳川証人 それでこういう土地はいつ何日に買收しますという告示はしております。その買收した土地は向うへ賣渡して、令書が來たと同時に今まで渡しているわけであります。その先に告示はしております。
#50
○鍛冶委員長 告示はしておつても、渡すことになつているのでしよう。
#51
○柳川証人 その令書と一緒に渡すことになつているのですが、行つた人と行かぬ人がある。この間もなぜ渡さないかと言つたのですが、年寄りですから、ひまがかかつて……。
#52
○鍛冶委員長 これからでも渡すのですか。
#53
○柳川証人 今まで渡した人は相当あります。その書いた書記も、どことどこへ行つたかわからないそうです。
#54
○鍛冶委員長 そのために異議申立てをされたら困りはしませんか。手続を踏んでおらぬのだから……。そういうことはないですか。
#55
○柳川証人 今までそういうことはありませんでした。
#56
○鍛冶委員長 ところがまだあなたの村に二十町歩ほどの荒地が残つているそうですね。この間から聞くと、買收計画になつたかならぬか、知らぬが、荒地というものがあるんじやないですか。
#57
○柳川証人 そういうものは見当はつきません。二十町歩の荒地は……。
#58
○鍛冶委員長 この間そういうことを言つた人があるが……。
#59
○柳川証人 そういうことは聞きませんですね。
#60
○鍛冶委員長 荒地として……。
#61
○柳川証人 荒地じやないですが、四十七名の持つてれる共有地であつて、鹿島郡の耕作しておる人に賣り渡さなければならない土地は何町歩もあると思います。これは一筆になつておるために分割ができて、縣の方にもお願いしてあるのですが、測量ができていないから賣り渡せない。
#62
○鍛冶委員長 荒地じやないのですね。
#63
○柳川証人 畑になつております。
#64
○鍛冶委員長 そうすると、実際は田圃か畑になつておるのだが、土地台帳その他のことで荒地として届け出ているのはありませんか。あなたの村で……
#65
○柳川証人 どこに出しておるのですか、縣の方へですか。
#66
○鍛冶委員長 縣とか地方事務所とかに……。
#67
○柳川証人 そういうものは、食糧調整委員の方に私関係ありませんから、ちよつとわかりません。
#68
○鍛冶委員長 荒地というものはないということだけは間違いないのですか。
#69
○柳川証人 そう、自分の知つておるところは、二十町歩というのはないと思います。
#70
○鍛冶委員長 そうですか、上棚部落では実際の耕作面積はどれほどありますか。
#71
○柳川証人 耕作面積は田ですか。
#72
○鍛冶委員長 まあ田で……
#73
○柳川証人 普通、昔から聞いておるのは、五十町歩と聞いております。
#74
○鍛冶委員長 畑は……
#75
○柳川証人 畑は十何町と聞いておりますが、詳しいことは知りません。
#76
○鍛冶委員長 それでは今言つた申告面積というか、台帳面積は幾らくらいになつておりますか。
#77
○柳川証人 台帳面積は百三町とか聞いております。
#78
○鍛冶委員長 実際の耕地面積は七十町歩、供米割当としての基本反別になつておるのは五十五町歩じやないのですか。
#79
○柳川証人 供米反別の方は、自分の関係ではないから知らないのですが、うちらの部落は鹿島郡から入り耕作が相当あるので、その調査も食糧調整委員の方には調査してあると思いますが、鹿島郡の方から能登部町、金丸村、余喜村、鹿島路村、越路野村、上甘田村、下甘田村、中甘田村の一部、二所宮の一部に入り耕作しております。
#80
○鍛冶委員長 それを入れると幾らくらいになりますか。
#81
○柳川証人 それを入れると幾らくらいになるか、私は知りません。
#82
○鍛冶委員長 実際は五十五町歩より多いことは間違いないのですね。どうですか。入り耕作を入れてかもしれないが……。
#83
○柳川証人 別に私は戰爭以前も後も、一度もこの反別によつて供出の割当なんかの会議に村へも部落へも出たことはありません。
#84
○鍛冶委員長 今あなたの言う五十五町歩というのは、どういうところから……。
#85
○柳川証人 ただ部落で五十五町歩割つておるということを聞いておるのです。
#86
○鍛冶委員長 実際は知らぬということですね。
#87
○柳川証人 はい、知りません。
#88
○鍛冶委員長 役場の申告面積は幾らか、その点も知りませんか。
#89
○柳川証人 知りませんです。
    〔「農地委員長知らなければ困る」と呼ぶ者あり〕
#90
○柳川証人 いや、供出の……。
#91
○鍛冶委員長 供出だけではない、農地委員長としては村でどれだけあるとか、何人の百姓がおつてどれだけの耕作があるかということを、そういうことを基礎にして、農地委員会はできているのではないですか。
#92
○柳川証人 いや、耕作関係のなにによるということは委員会も調査しております。選挙や何かに必要だから……。供出の割当対象になることは役場に行つて聞いたことがないし、その会議に加つたこともないので詳しいことはわかりません。
#93
○鍛冶委員長 一人でどれだけづつつくつているかも知らぬのですか。
#94
○柳川証人 それもわかりません。
#95
○鍛冶委員長 そうすると供米割当に対してどういう方法で割当てておるかも知らないのですか。
#96
○柳川証人 それはうちの部落から四名の調整委員が出ております。その人が村からいただいて、部落に來てから部落の班から二名づつ委員が出て割当てております。
#97
○鍛冶委員長 そこであなたはその中に加つておらぬのですか。
#98
○柳川証人 一度も加つておりません。調整委員にも出ておりませんし、その二名の中にも昔から加つたことはありません。
#99
○鍛冶委員長 あなたはその割当に対して不公平があるといつていろいろやかましく言われておる事実はあるのではないのですか。
#100
○柳川証人 何か見込割当とか何とかあつてどうだかということを陰で言いますが、それは同じたんぽであつて安いところと高いところがあるためにそういうことができたということをうわさだけは聞いております。
#101
○鍛冶委員長 それは班員がそういう見込割をやるのですか。
#102
○柳川証人 そう。
#103
○鍛冶委員長 それはある一部の人に対しては安いようにする、ある一部の者に対しては多く出させるというようなことは話があるのではないですか。
#104
○柳川証人 そういうことは聞いておりません。一方の人を軽くして、一方を重くするというようなことは、そんないやり方は聞いておりません。
#105
○鍛冶委員長 そんなことは、あなたは村で始終やかましく言うので、農地委員長として一番よく知つておらなければならぬがこういうことを事実において聞いておるのですか。
#106
○柳川証人 事実において供出の点ですか。
#107
○鍛冶委員長 ええ。
#108
○柳川証人 供出の点について、別にわれわれの班にもどつて來て報告される場合も、うちらの班へもつて來て、班へ寄せて報告なさるのです。
#109
○鍛冶委員長 上棚には幾つの班があるのです。
#110
○柳川証人 七つあります。
#111
○鍛冶委員長 七つの班ともそういうなにはないのですか。
#112
○柳川証人 よその班のことは知りません。
#113
○鍛冶委員長 あなたのところは何と言うのですか。
#114
○柳川証人 上棚出班。
#115
○鍛冶委員長 ほかの方は知らぬ。あなたは村中の農地委員じやないのですか。
#116
○柳川証人 そういう村中の農地委員でも供米関係は全然いたしておりません。
#117
○鍛冶委員長 あなたの村で池田清吏という人がおりますね。
#118
○柳川証人 はい。
#119
○鍛冶委員長 その人の何か耕作権について紛擾が起きたことがあるそうですが……。
#120
○柳川証人 あります。
#121
○鍛冶委員長 それはどういうことで、どういうことになりました。
#122
○柳川証人 それはことしの三月頃の委員会だつたと思うのですが、星澤由太郎という人が委員会の席上へ出て、実はわしが元つくつたたんぼを取返してやる、委員長さん、今度の委員会にかけてほしい。こういうことを申し出ました。それで自分らはそういう詳しい実情もわからぬさかい、あとでゆつくり開いたときお話しようと言うて、その日帰しまして委員会にかけませんでした。
#123
○鍛冶委員長 それで……。
#124
○柳川証人 その後またいろいろ農民組合が取上げたなんのということを聞きました。それから双方呼びまして、何とか自分らで半々にでも仲裁したいと思つて、いろいろお二人に話したけれども、どちらも一歩も譲つてもらえないで私は手を引さました。
#125
○鍛冶委員長 組合が取上げたということはどういうことですか。
#126
○柳川証人 農民組合の方では星澤由太郎にやるのが当然ではないかということを言うたそうですが、私はおらぬので知りませんですが……
#127
○鍛冶委員長 組合員も一緒に行つて取上げることをやつたのですか。
#128
○柳川証人 組合員のお方が星澤にやるのが至当だろうと言うたらしいのです。しかしどうでもわしは半々に解決したいと思つて努力したがだめでした。
#129
○鍛冶委員長 あなたの方で相当せわしたのですか。
#130
○柳川証人 せわはしましたが、取上げなかつたのです。
#131
○鍛冶委員長 農地委員会でも取上げなかつたということはどういうことか。
#132
○柳川証人 全然とられた人が來たとき取上げなかつた。十分調査した上で委員会にかけますから帰れと言つて帰した。
#133
○鍛冶委員長 農地委員会は一應そういうも、小あつたら、たいていやることになつておるのでしよう。
#134
○柳川証人 やることになつておつたのですが、事実上委員会にかけても、私は説明できないから帰したのです。
#135
○鍛冶委員長 あとであなたの方でやつてみたがうまく行かなかつたのか。
#136
○柳川証人 それは私個人で交渉したのです。
#137
○鍛冶委員長 委員会ではやれるのでしよう。
#138
○柳川証人 委員会ではやらなかつたのです。個人で交渉しておる間に、縣の調定官に異議の申立てをしたために取上げた。
#139
○鍛冶委員長 ほんとうは農地委員会で取上げてくれなかつたという評判だが、それはなかつたか。
#140
○柳川証人 それは表ざたになつてはいかぬと思つて、池田清司という人にわしも力を入れる。君も小作側の委員に話して、双方がひとしく解決したいから頼む。いつか寄つて相談してくれ。頼む、一言言つてくれと私は再三お願いしたのです。その人は小作人側の委員の方へ行かなかつたそうです。
#141
○鍛冶委員長 そういうことをあなたにせずに、堂々と農地委員会を開いて、そうして両方の言分を開いてやつた方がよかつたのではないか。
#142
○柳川証人 そのときちようどその委員会を、ただそれだけの問題で開くのはどうかと思つて延ばしていたのであります。その間小作調定官の方へ書類を出したのです。
#143
○鍛冶委員長 ところか池田が縣の農地委員会へ提訴して、それで何か片づけたそうですね。
#144
○柳川証人 はい。つきました。
#145
○鍛冶委員長 どういうことになりましたか。
#146
○柳川証人 ことしは池田さんが耕作しておられます。
#147
○鍛冶委員長 それで治まつたのですか。
#148
○柳川証人 はい。
#149
○鍛冶委員長 それから藤田甚太郎という者の耕作についても、何か紛爭があつたそうですね。
#150
○柳川証人 藤田甚太郎の抗爭は聞いておりませんですが……。
#151
○鍛冶委員長 何か高見幸平とか池田音次郎とかいう者の名前を知つておりますか。
#152
○柳川証人 知つております。
#153
○鍛冶委員長 藤田甚太郎も知つておりますか。
#154
○柳川証人 知つております。
#155
○鍛冶委員長 それでえらくもめておつたというのではないか。
#156
○柳川証人 そんな問題は聞きません。それは近ごろでなく、農地調整法のできた当時の取上げ去々のときではありませんか。
#157
○鍛冶委員長 それはそうなんだが……。
#158
○柳川証人 最近の話ではないのでしよう。
#159
○鍛冶委員長 いや近ごろ何か繰返しているそうだ。二十二年も二十三年も……
#160
○柳川証人 それなら聞いておりません。私は二十三年から一回もそんな話は持ちかけられたことはありません。
#161
○鍛冶委員長 持ちかけたこともなければ聞いたこともありませんか。
#162
○柳川証人 最近ずつと聞いておりません。一番初め農地調整法のできたときに、藤田から高見幸平が田圃をとつた。それであとからとりもどされたのですが、それは二十一年かそこらの話です。その後問題があるということは聞いておりません。
#163
○鍛冶委員長 とりもどしたというのは、実は藤田が元つくつておつたが、労力不足のために一年だけやらしたというのではありませんか。そうしたらそれに因縁がついたというのではありませんか。
#164
○柳川証人 藤田さんは元は俸給生活をしておつたお方で、そんな田圃をつくつておるような方ではないと記憶しております。
#165
○鍛冶委員長 その後の紛争は知らないのですね。
#166
○柳川証人 はい知りません。
#167
○鍛冶委員長 星澤権次郎のことについてはとうですか。供米に関する何か……
#168
○柳川証人 それは聞いております。何か上棚と中山部落の境の山の谷らしいのででが、そこをつくつておる、つくつておらぬという問題があつたということを開いております。
#169
○鍛冶委員長 あなたの方で言うて來たこともないのですか。
#170
○柳川証人 星澤さんは今年の春に鹿島路村の農地委員会の金丸の区長とともにだれそれがつくつておるという書類を私のところに持つて参りました。それから農地委員の書記に渡して一筆調査の戸帳のけつを直して置けと申しておきました。
#171
○鍛冶委員長 ところがそれを幾ら言つてもかなわず全部権次郎がつくつておることにして供米の割当をして來ておるというのではないですか。
#172
○柳川証人 その点は私は知りません。
#173
○鍛冶委員長 あなたの方でそういうふうにつけて置けば、それで減つて行くんじやないですか。そういうふうにほかの者がつくつておるということを一筆調査の結果、あなたの方ではつけたと言われるのでしよう。そうするとそれだけ減るのが当然なんじやないですか。
#174
○柳川証人 それはそういうわけです。それはつけてくれと書記に話をしておきました。
#175
○鍛冶委員長 それにもかかわらず権次郎のところへ割当が行くということがふしぎなんだか、それはどういうわけですか。
#176
○柳川証人 その後のことは知りません。その供米のことについては……
#177
○鍛冶委員長 上棚農民組合は御承知ですね。
#178
○柳川証人 はい。
#179
○鍛冶委員長 それはどうしてできたのですか。
#180
○柳川証人 それは二十年も前から私の部落には小作團体がありました。それの名前がかわつて農民組合とかわつたものと思います。
#181
○鍛冶委員長 それにあなたは入つておりますか。
#182
○柳川証人 入つておりません。
#183
○鍛冶委員長 その規約についていろいろ論議されておることがあるようですが、それは聞いておりませんか。
#184
○柳川証人 聞いておりません。農民組合関係は全然知りません。
#185
○鍛冶委員長 いろいろ言われておることを聞いたんことはないですか。
#186
○柳川証人 はい。規約の方も全然知りません。
#187
○鍛冶委員長 さつきちよつと先へ進んだが、採草地の買收にあたつて、小作及び地主等と寄合いしたと言われたが、それはどこでどういう寄合いをされましたか。
#188
○柳川証人 区長さんのお宅でやりました。
#189
○鍛冶委員長 そこで採草地にするということがきまつたのですか。
#190
○柳川証人 いや、それから後に委員を立てて、その委員の人がどことどこを採草地にするときめたのであります。
#191
○鍛冶委員長 区長の宅で寄合いしたときには、地主はどういう意見でしたか。
#192
○柳川証人 地主は、今は出席簿をとつておりますが、その時分は出席簿をとらなかつたために、だれだれが欠席して、だれだれが出席したということはわかりませんですけれども、そこへ出ておつた地主は全部そういうふうにして処分してもらいたいというような意向できまつたのであります。
#193
○鍛冶委員長 その寄合いは縣に行かぬ先にやつたのじやないのですか。
#194
○柳川証人 違います。縣へ行つて來てからです。縣へ行かぬ先は、小作側は土地は買わしてもらいたくない。地主側は残してもらいたくない。しようがないいために聞きに行つたのです。
#195
○鍛冶委員長 ところがその中には、ほんとうの採草地もあるし、ほんとうの荒地もある。また悪くても田圃になつておるところもある。いわゆる劣等地、十分米のとれぬところも相当ある。そうして今度は採草地としてやるということになつて、小作に買わせることになりましたね。
#196
○柳川証人 そうそう。
#197
○鍛冶委員長 その買わせる振分けはどういうことで振当てたのですか。
#198
○柳川証人 その振当てはつくつておる通りに、元の小作に振りわけたのであります。
#199
○鍛冶委員長 それは間違いありませんか。
#200
○柳川証人 間違いありません。
#201
○鍛冶委員長 特別欲しがる者にやつたり……
#202
○柳川証人 そういう事実は少しもありません。
#203
○鍛冶委員長 全部元の小作にやつた。
#204
○柳川証人 全都元の小作にやつたのです。
#205
○鍛冶委員長 ほかに何かお聞きになりますか。
#206
○小川(半)委員 柳川証人に尋ねますが、この間読賣新聞の写眞に載つておりましたあの田地ですが、あの田地は地主と小作の両者が、水田としたら負担が重いからというので軽減して、農地委員長であるあなたのあつせんで、採草地として賣收したと聞いておりますが、事実ですな。
#207
○柳川証人 それは、あの田圃は大水のたびに砂を持つて来て盛り上る田地でありまして、二十一年の大洪水にも苗の見えないほど沈んだそうです。そうしてそれを買收にあたつて、小作人が池田さんに保有地にして持つてもらいたいと言つたそうです。そうしたら、そういうものを私が持つてもしようがないということを言うたと聞いております。
#208
○小川(半)委員 あなたのおつしやるようでは、劣等地であるから採草地としたというのですか。
#209
○柳川証人 そうそう。劣等地の、小作人の買受けを希望せぬ土地はそうです。
#210
○小川(半)委員 部落の人はみなそう思つておらぬ。あなたの方だけ思つておつても、部落の人は劣等地でもなんでもないと言つておりますが、おかしいな……
#211
○柳川証人 それは場所は劣等地でないかもしれません。しかし洪水のたびに水害をこうむる所で、一人前の所ではないからといつてみんな見ております。
#212
○小川(半)委員 それは水害で何年間ほどその土地は使わなかつたのですか。そうじやないでしよう。
#213
○柳川証人 水の來るたびに砂を持つて來て米のとれない場合かあるのです。
#214
○小川(半)委員 とれなかつた年はいつですか。そんなはずはないと部落の人は言つておるが……
#215
○柳川証人 自分の家と相当離れておりますから、大水のときに行つてみたこともないのですけれども、二十一年の洪水苗の見えないほど、沈んだそうです……○小川(半)委員 あなた方の意見と違うのだ。私たちの聽取したあれから行きますと……
#216
○鍛冶委員長 買收したのは昭和二十二年でしよう。
#217
○柳川証人 二十二年です。そのときは小作人が地主に相談したり、こんなものを残してもらつては困るということを小作人から自分は聞いております。
#218
○鍛冶委員長 そんたことよりか、実際を言うのです。二十一年に水が出た。
#219
○柳川証人 そうです。
#220
○鍛冶委員長 二十二年の苗の植えつけをしましたか。
#221
○柳川証人 二十二年は砂がかぶつて米がとれなかつた。
#222
○鍛冶委員長 買收したとぎは、いい田圃だつたわけですね。
#223
○柳川証人 そうです。
#224
○鍛冶委員長 採草地としてきめたとき、委員がおつたね。
#225
○柳川証人 はい、委員はおりました。
#226
○鍛冶委員長 今農地委員ですか。
#227
○柳川証人 農地委員でないのです。どことどこを採草地にするかということを決定する場合に、部落から委員を立てて……
#228
○鍛冶委員長 あなたも委員だつたですか。
#229
○柳川証人 立ちません。
#230
○鍛冶委員長 委員は何人でしたか。
#231
○柳川証人 地主側から五名と、小作側から六名ほど出ました。
#232
○鍛冶委員長 名前はわかりますか。ちよつと言つてください。地主側はだれですか。
#233
○柳川証人 堀田守治、森重信、森田茂雄という方が地主側。小作側は山田喜一、吉岡益太郎、永田小四郎、山田竹平という人もおりました。
#234
○鍛冶委員長 それじや七人か。
#235
○柳川証人 みな忙しい関係で交替に出た関係もあります。それから高島藤次郎という人も出られました。
#236
○鍛冶委員長 あなたは縣に行つたのでしよう。
#237
○柳川証人 はい。
#238
○鍛冶委員長 あなはどういう関係で行つたのですか。
#239
○柳川証人 農地委員長として行きました。
#240
○小川(半)委員 部落において、一筆調査にあたつて採草地のほかに不正事実などがあると聞いておりますが、あなたは全然ないとおつしやいますか。
#241
○柳川証人 不正事実とは、どんな点ですか。
#242
○小川(半)委員 たとえば畑地を採草地としたり、部落にしばらくいなかつたために、柿の木などを植えてある畑地などがありますね。そういう土地を見のがしたり、いろいろなことをしているのではないですか。
#243
○柳川証人 土地におらなかつたために……
#244
○小川(半)委員 村の人で町に出て、おるいは東京とか金沢とか大阪方面ですね。そういう人たちの土地などがあるのですね。たとえばそれが不在地主として解放する際などでも、不正な事実はないかね。
#245
○柳川証人 ないと思いますがね。
#246
○小川(半)委員 これはいずれあとで池田証人からも聞きたいのですが、特にあなたに参考までに聞いておきますが、あなたは農民組合員じやないのですね。
#247
○柳川証人 ありません。
#248
○小川(半)委員 だからあなたは公正な立場から批判されるだろうと思いますが、農民組合に反対する者に対して、かなり税金が重いということが部落あるいは村内一般のうわさになつておりますが、あなたはそれを認められますか。
#249
○柳川証人 自分も組合員以外であつて、村の四番目の税金を納めさせてもらつております。それから去年の第二種事業税も村の二番目を納めさせてもらつておる百姓ですが、自分としてはむりなかけ方をやつたなと思つておらぬです。
#250
○小川(半)委員 それからあなたの部落の山田喜一の供出割当てが少過ぎるということが、大体村一般でいろいろうわさになつておりますが、そんなことを聞かれたことがありますか。
#251
○柳川証人 それはよその村の人からこの間尋ねられたので、私は関係のない仕事だから知りませんために、部落へ帰つて、ある近所の人にこういううわさを聞いたが、どうかいと言つたら、それは山田喜一が今までつくつておつた耕作分を弟に譲つて反別が少くなつたために、そういうぐあいになつたと申しておられました。
#252
○小川(半)委員 だから、そういうふうに村の人はみな了解していますか。
#253
○柳川証人 それはどうか知りません。
#254
○小川(半)委員 大体いろいろな点で疑義があるのですが、いずれ池田証人その他から聞いた上で、さらに場合によつてはあなたにお尋ねしたいと思います。一應これで終ります。
#255
○高木(松)委員 私の聞きたいことは、証人が現実に関係したことと、また証人の耳で人から聞いたことを聞きたい。そこであなたは先はど保有する耕地を上中下とわけて、原則的なものをつくつたと言われるのですね
#256
○柳川証人  はい。
#257
○高木(松)委員 その原則的なものをつくつたものを行うことによつて、公平な期せられるわけですね。
#258
○柳川証人 そうです。
#259
○高木(松)委員 それは公平を期してやつておりましたか。
#260
○柳川証人 まあそれは小作、地主の人は、めいめいの部落になればどの辺が一等地に当りどの辺が二等地に当るということはわかつておりますから、折衝の結果、地主に相談を全部してもらいました。
#261
○高木(松)委員 そこであなた方が最終の決定をするまでに、いかなる段階を経てその原則を指示しようとなさるのですか、今ちよつとお話になつたどこが上田であり、どこが中田であり、どこが劣等田であり採草地であるということを決定する段階を話してください。
#262
○柳川証人 それは小作人も地主も大体自分の持つている所有地の中に、この辺は自分は一等地だと思う、ここは中田だ……
#263
○高木(松)委員 それはわかつておるが。おそらくはお互いの間に争いのないものは問題はありません。ところが場合に、よつては争いが当然起つて來る、これが上田であり中田でありいわゆる劣等田であり採草地であるというようなことを決定するのに争いが起きて來ます。それをあなたの方で最後に決定するのだが、決定する前に何かの方法でそれを前調べとか前決定とか準備というものがなされるはずだが、それはどういうふうにしてやられておりますか。
#264
○柳川証人 それは別に前に決定せずに全部の地主の人に寄つていただいて公開審議をやつたのです。
#265
○高木(松)委員 それはやる方法は公開審議かもしれません。
#266
○柳川証人 それでその場合には小作側も地主側も、お互いに自分の望む土地を残したいために、いろいろないきさつもありましたけれども、結局はみな納得されたわけです。
#267
○高木(松)委員 それを聞きたいのです。結局はそうなつたが、その間に抗争があるはずだと思います。
#268
○柳川証人 みな承諾された以上はなかつたものと思います。
#269
○高木(松)委員 あなたは法的なことばかり言つている。
#270
○柳川証人 みな承諾されたものですから。
#271
○高木(松)委員 それではそれ以上聞いてもわからないからそれてよろしゆうございます。そこで農地の配分とか供米とかいうものについて、あなたの村では不公平なことが行われていることを、あなたは目撃したことはありませんか。また聞いたことはありませんか。
#272
○柳川証人 供米に対してですか。
#273
○高木(松)委員 いや、農地の再分配をする場合においての、不公平とか不平です。
#274
○柳川証人 賣渡しの場合は聞いたことはありません。
#275
○高木(松)委員 買上げた場合にも不平はありませんでしたか。
#276
○柳川証人 買上げた場合にはありました。
#277
○高木(松)委員 その具体的な事実をひとつ言つてください。
#278
○柳川証人 それは縣から物納の農地は農地委員会と協議の結果、保有地を決定した上で物納せよという通知がありましたため、その物納されたお方に農地委員会と相談の上決定してもらいたいと再三言いましたが、決定しない前に自分の土地ばかりを残して物納されたがために、その後委員会として独自の立場に買收計画を立てたことはあります。
#279
○高木(松)委員 それを具体的に言えますか――覚えがなければよろしゆうございます。
 それでは供米割当に対しての現実の不公平というようなことを目撃いたしたことはあませんか。
#280
○柳川証人 別に自分としてそういうことを、むりやどうやということを耳にしたことはありません。
#281
○高木(松)委員 これはこの委員会に現われたのだから、特にあなたにお聞きするが、山田喜一と星澤權次郎とが当委員会で証言したのに、大体の反別は同じて、家族も保有米を取得する基底となる人員も大体同じ、ところが結果に大きな隔たりがある、こういうようなことが方々で行われていますか。
#282
○柳川証人 そういう点は知りません。行われておらぬだろうと思います。聞いてはおりません。
#283
○高木(松)委員 そうすると、その数字はおわかりになりませんか、星澤、山田の。
#284
○柳川証人 数字は知りません。
#285
○高木(松)委員 そこであなたの村の村会の勢力分布はどういうふうになつておりますか。政党で表わしてください。
#286
○柳川証人 政党を名乗つている人は、民自党の人一人と、民主党の人一人と、共産党五人と、あとは全部党派を名乗つておいでになりません。
#287
○高木(松)委員 党派を名乗つておらぬ人の行動は、どつちに附属していますか。
#288
○柳川証人 別に村会で党派的に爭つたことがあるということを聞いておりません。
#289
○高木(松)委員 直接にはそういうことはなくても、世間の評判ではどういうことでありますか。
#290
○柳川証人 また数的に採決したような問題を聞いておりません。
#291
○高木(松)委員 それから農地委員は何人ですか。
#292
○柳川証人 農地委員は十人です。
#293
○高木(松)委員 それを政党別にひとつ明らかにしてもらえませんか。
#294
○柳川証人 十人のうち民自党を名乗つている者が、地主の中に二人おります。地主から出ているもう一人の人は労派を名乗つておりません。それから自作から出ておいでになるお二人の人も党派を名乗つておりません。
#295
○高木(松)委員 色彩は。
#296
○柳川証人 民自党系一人、民主党系一人だと思つております。それからあとの五人のうち二人は共産党を名乗つておいでになるし、あとは党派を名乗つておりません。色わけは一人だけが民自党系だろうと思つております。あとは純粋な中立で、どつちともわかりません。
#297
○高木(松)委員 農業調整委員会というのがありますね。
#298
○柳川証人 はい、あります。
#299
○高木(松)委員 それは何人で構成しておりますか。
#300
○柳川証人 それは知りません。
#301
○高木(松)委員 あなたは政党はどこかに属していますか。
#302
○柳川証人 民自党に入つております。
#303
○高木(松)委員 そこでだんだん聞きますが、今のようなとにかく勢力分布状態において村の運営がなされているわけですね。
#304
○柳川証人 そうです。
#305
○高木(松)委員 そこである勢力を利用して現在の法的秩序をその勢力によつて不法にもしくは不当に押えつけて、そうしてたとえば供米の割当の問題、税金の問題、配給の問題等について利益を得ようと努力している勢力、またはその努力の結果を得て供米の点において個人の利益、税金についても個人の利益、配給についても個人の利益を不当に獲得しているというような現実の事実ありやいなやを伺いたい。
#306
○柳川証人 現実の事実は聞いておりません。
#307
○高木(松)委員 そこでおれの方へ來れば供米の負担も軽くしてやるぞ、税金も軽減してやるぞ、配給もよけいとつてやるぞというような、ある勢力を利用してやつている者はありませんか。
#308
○柳川証人 そういうことはまだ耳にしておりません。
#309
○高木(松)委員 あなた何かにおびえておりませんか。(笑声)
#310
○柳川証人 いや、おびえておりません。
#311
○高木(松)委員 それならば近く某國の軍隊が上陸して來る。そうして人民政府をつくると、お前たちは絞首台に上せるからそのつもりでおれとか、また女、子供に至るまで、お前たちがその行動をとつているのならば、将來そういう場合には撲殺でもされるのではないかというような威赫を聞いたことはありませんか。
#312
○柳川証人 そんなことを聞いたことはありません。
#313
○高木(松)委員 それではいまひとつ聞きますが、現在の法と根拠としての秩序に対して、多数の威力を示して圧力を與えたり、破壊したりしたような事実はありませんか。
#314
○柳川証人 うちらの部落の行き方としては……
#315
○高木(松)委員 こういうふうに聞きましよう。民主主義の美名を用いて、そうしていわゆる多数を擁して現在の秩序に圧力を加えて破壊しようというような氣配を見せた事実はありませんか。
#316
○柳川証人 うちらの部落のやり方は、各班から二名ずつの相談役というものがおるわけてす。その人が部落の区長宅へ行つて、ものを協議する。それでまとまらぬ場合は常会によつて決定しておるので……
#317
○高木(松)委員 それでは最後に一つ聞いて終りにしますが、あなたは何かの勢力に威嚇されたり何かしたことはありませんか。
#318
○柳川証人 ありません。そんな威嚇されたようなことはありません。
#319
○大森委員 関連して証人にお尋ねしますが、先の問題ですか、その採草地を決定したのは何年の何月ですか。
#320
○柳川証人 二十二年の九月と思うております。
#321
○大森委員 それではまだその後地主に対し、しれは採草地であつた、あるいはこれは水田であつたということに対する通知がしていないということをお話になられておりましたが、それは事実でありますか。
#322
○柳川証人 いや、この間もそれを耳にしたために、書記の方のところへ行つて、みんな通知を出したかと問い合せますと、まだ出さぬところはどことどこと言つておりましたが、出したところと出さないところとあるそうです。
#323
○大森委員 しからばそれであなたの職責は足りておると思いますか。
#324
○柳川証人 いや、そのとき至急出してもらいたいと書記の方に言うておきました。
#325
○大森委員 二十三年から三年という年が一年あるんですよ。そこでまだ四年になつて人のしたことが他に移つて、その人たちか交渉をするようになつておつても、その決定がどうなつておるかわからぬというがごときことで、あなたはその職責を全うしておりますかどうか。
#326
○柳川証人 それは書記の人は七十一歳か二歳になる人ですが、その下に若い人がおつたのです。その若い人がずつと明細書を出しておりましたのですが、途中で轉勤されたために、年寄の人がどことどこかわからぬというので、調べてすぐ出せということを早うから言うてあつたのです。今言うたのではありません。
#327
○大森委員 それは書記に頼むのではなく、あなたの職責ではないのですか。
#328
○柳川証人 自分の職責であるために、書記に早く出してくれということを今でなく、初めから再三注意していたのです。
#329
○大森委員 そうなりますと、どうも話がわからぬ。書記に早く出してくれと頼むのではなく、あなたが出さなければならないのではないですか。
#330
○柳川証人 そこへ一々自分が勤めて出すわけには行かぬものですから――実際それについてやるわけに行かぬものですから、書記にさせているわけです。
#331
○大森委員 あなたは今度農協の組合長になられましたそのときの動機はいかなる動機であつたでしようか、それをちよつと。
#332
○柳川証人 それは前の人たちがやめられた、それについていろいろ相談のありました結果、理事の人たちが、ぜひ君なつてくれ。わしは、いや、こういう田圃の事件も関係しておるし、いやだと言いましたところ、前の組合長が、今引受けてもらわぬとまた総会だの、理事が総辞職して改選したりするということになるとわしはよけい体裁があるから、君ぜひ引受けてくれと言われましたから引受けました。
#333
○大森委員 ではお尋ねしますが、そのときにやめられた当時の状況についてあなたは何か御存じないか。私の聞いておりますところによりますと、何か理事会を聞いておる所へ何十名かの團体の一味が入つて來て、それを脅迫といいますか、あるいは集團的に脅威を感ぜしめたというようなそういう方法によつて、夜明けまでも周囲をとりまいて、そうして何か問題が起つた。その結果やめたということでありますが、これは御存じないですか。
#334
○柳川証人 いや、傍聽しておつたのは事実であります。たくさんの人が。
#335
○大森委員 それは何時間ぐらいそういうことがあつたのですか。
#336
○柳川証人 理事会が始まつたのは昼の二時からでした。そして済んだのは十時ごろでしたかと思います。
#337
○大森委員 もう少し遅くないですか。
#338
○柳川証人 はつきりいたしませんが、十時か十一時ごろだつたと思います。
#339
○大森委員 そのとき何か不穏なことはなかつたですか。
#340
○柳川証人 不穏の態度はなかつたと思います。靜かにして聞いておりました。
#341
○大森委員 私の聞いておるのは、そうでなく、そのときの理事長ですか、組合長に対しましては相当暴言をはいたと聞いておりますが。
#342
○柳川証人 それは理事のお方です。理事同志であります。傍聽席は静かでありました。
#343
○大森委員 次に先ほどちよつと小川君からお話があつたが、供米に対しましての割当等について、山田君とあなたと比較しで大分開きがあつたというようなことを聞いておりますが、こういう点はどうですか。
#344
○柳川証人 それは自分としても今年の春の割当を、君が今度かかるのだと言い渡されたとき、私と同じ反別をつくつておる人が私の班の中におるのです。その人より少し多かつたですからこれはけしからぬ、君とわしと一緒のはずだが、わしは少しよけいじやないかと申しましたら、あとから調べてみようということで、調べてみたら面積が少し間違えたそうで、あとから訂正したということを聞いております。
#345
○大森委員 それでお尋ねいたしますが、村に十何石という、保有米と申しますか供出を出した残りの米かある。それをあるいは一方に割当てて供米を助けたというような事実、また保有米に対してもそれを一方的にそうした部落に残つた米によつて補つたというような事実はないですか。
#346
○柳川証人 そういう事実はないと思います。
#347
○大森委員 ないと断言いたされますか。
#348
○柳川証人 それは自分も、実は子供が金沢の学校に行つておりますが、去年は保有米をもらわず配給で行つておりまして、今年の四月からこつちに轉入しまして、そうして今保有米で学校に行つておりますが、何とかしてもらわぬとかわいそうじやないかと言いましたが、しかし米はありませんと言うものですから、ないと信じております。少しでもお願いしたいのですが。
#349
○大森委員 いろいろお尋ねいたしたいことはたくさんありますけれども、そうでなくても大森がというようなことを言われておりますから遠慮いたします。この問題は單なる隠し田とかそうした問題ではないと思う。あなたも上棚という所の地主の一員であつて、その人が今度農業協同組合長になられたという心境ですね、どういう点からなられたか。あなたは今いろいろお尋ねされても知らぬ存ぜぬとばかり申しておられますが、ひとつ腹の中に問うてこれは恥じ入らざる問題だということをお話になられた方がいいと思う。私どもは決して隠し田の問題を出してどうというのじやありません。これには先ほどお話があつたように、一つの大きな圧力によつて、判こをとつた陳情書など出ておるが、これについて序でにお尋ねいたしたい。これは村の一大事だ、お前たちさあ判こを押せ。いや、それはおやじに聞かなければならぬ。おやじに聞かなくても押せ、ということで、陳情書を持つて來て判こをたくさん集めた。こういうふうにいたしまして、すべで上棚部落において行われている政治というものは二、三の人つまり徳山あるいは聞くところによるとあなたの言つた何人かの、政党を名乗つておる人が別の扱いで、そのほかの全農民と申しますか、その人たちが一丸となつて、もしもわれわれの言うことを聞かない場合には村に置かないぞ。この新聞で見ますと、徳山の所に炭焼きに来る何某という人が、お前は除名だというふうに、すべて一つの塊の圧力によつて支配されておるのではなかろうか。あなたの心境を忌憚なくお話いただきたい。これは決してあなたを誘導するのでもなければ何でもありません。私は上棚地区から二票か三票しかもらわぬのです。共産党は三百何十票あるのだから、共産党の投票と私の投票とは比較にならぬ。そういう問題を別にしてこの問題を良心的におつしやつていただきたい。
#350
○柳川証人 今お尋ねになつた除名云云は農民組合だけの問題でありまして、一般の人は全然関係しておりません。組合だけの仕事であります。
#351
○大森委員 そういうこともお聞きになつておられますね。
#352
○柳川証人 除名されたことを聞いております。しかし全然相談にあづかつておりません。
#353
○大森委員 もう一つお尋ねいたしたいのは徳山何とかいう人は二十数年土地におらない。不在地主であつて、それは畑であつたが、二十数年前からいないのでありますから、そこにあるいは松も三尺以上もできておる、あるいは栗の木も三尺以上もできておる。そうしてすでに畑でなくなつて、現実に山林であるというものが、いつのまにかこれを採草地として、畑地として買收したが、そこで聞くところによりますと、何も書記が知らなかつた。知らないのだが、徳山何がしの畑というものが君の名前になつておる、ぼくは知らぬのだ、そうでもない君はまあとつておけというこでと、その人の名前にしたということを聞くのでありますが、御存じありませんか。
#354
○柳川証人 それは聞いております。書記の人から、こういうぐあいになつて割当てた、これをどうしたらよかろうと話された。それは間違いであるからしばらくあとにしてくれというのでその畑は書記の人も全然手をつけておりません。
#355
○大森委員 それは間違いありませんね。
#356
○柳川証人 間違いありません。
#357
○鍛冶委員長 ちよつと聞きますが、さつきの明細書を出せと言うて、出さないのだというのだからそれはあなたはそう言うても、ほかで出しちやいかぬととめておるものがあるのじやないですか。
#358
○柳川証人 そのような点は知りません。私は出せ出せと言うて再三催促するが、地方事務所の仕事も一箇月もしなければ出せません。そうして実は縣からも再三あの書記を入れかえてくれということを申されておりま丁。
#359
○鍛冶委員長 それは出しちやいかぬとかいろいろなことを言われて……
#360
○柳川証人 順繰りに仕事に追われて來るから出せぬのだろうと思います。大体縣の仕事も追われ詰めで、縣から催促ばかり受けております。回答が遅いというので……
#361
○鍛冶委員長 今の話を聞きますと、そんな木の生えておる……
#362
○柳川証人 それは私は間違いだとわかりましたから……
#363
○小玉委員 あなたのお話し今まで劣等地、それから冷水のかかるところ、水害にかかるところで一町一反六畝四歩あるとおつしやいましたが、このうちほんとうの採草地というのはあるのですか。今まで田でもなければ畑でもない、ほんとうの採草地というものがこの中にあるのですか。
#364
○柳川証人 それは現在調査しておる草の生えておるところは六反九畝……
#365
○小玉委員 いや草の生えておるところじやない。元来の採草地です。田でもなければ畑でもないところがこの一町一反六畝の中にあるのですか。
#366
○柳川証人 ありません。全部田です。
#367
○小玉委員 このうち冷水がかりの田というのですか、劣等地というのですか、どういう形なんですか、氣候が寒いためにできないというのですか。
#368
○柳川証人 うちらの部落は山間僻地でありまして、両面一面木の生えている田圃です。そうして馬食物、鳥食物などのために冷害地と言われています。
#369
○小玉委員 それは現在どのくらい米がとれておりますか。
#370
○柳川証人 それは田全部そうではありません。その水口のところか特に悪いのです。
#371
○小玉委員 それは一反歩当りどのくらい米がとれますか。
#372
○柳川証人 それは問題になりません。
#373
○小玉委員 そういう田で現在どのくらい米がとれておりますか。一石五斗……
#374
○柳川証人 一反歩当り一石五斗などはとれません。うちらのところではいいところで一石五斗です。
#375
○小玉委員 そうするとあなたの方の田の、一般の冷水がかりでない一等田はどのくらいとれますか。
#376
○柳川証人 一等田は二石。
#377
○小玉委員 二等田は。
#378
○柳川証人 一石七斗から一石八斗。
#379
○小玉委員 そうするとこの冷水がかりは……
#380
○柳川証人 一石以下です。八斗から九斗。
#381
○小玉委員 それはあなたの方では採草地として取扱うことは適当じやないじやないですか。冷水がかりの水口だけならしかたがないが、水口以外の田を冷水がかりとして取扱うことは、採草地として取扱うことは、そのときはとにかくとして、現在適当だと思いますか。
#382
○柳川証人 採草地を買收して開墾したものは労力を加えられているからしかたがないのですが、一町一反六畝というものは、また縣と何とか御相談して処置をとりたいと思つております。
#383
○小玉委員 結局その取扱いが適当でないということは、あなたは今そう考えますか。
#384
○柳川証人 その時分はそれでいいかと思つておつたのですが、今では問題が起きたから、いかぬかなあと……
#385
○小玉委員 常識ではそんなことは考えられない。一石近くある田を全然とれないとして、この食糧事情の窮迫している時代に、それがいわゆる隠し田になつてしまつているでしよう。
#386
○柳川証人 いや、供出の対象になつておるということは聞いております。
#387
○小玉委員 採草地としてそれを繰入れるということは、買收價格を安くするためにやつたわけですか。
#388
○柳川証人 そうです。買收價格を安くするためにやつたのです。
#389
○小玉委員 買收價格として、從來の田と、それから採草地としての價格の差異は一反当りどのくらいになりますか。
#390
○柳川証人 従来、田は四十倍、採草地は十八倍です。
#391
○小玉委員 十八倍だけれども採草地と値段の基準が違う。
#392
○柳川証人 賃貸價格の十八倍です。
#393
○小玉委員 一反歩について具体的に言えば値段にしてどのくらい違いますか。
#394
○柳川証人 悪いところは賃貸價格、二銭か三銭かついておると思います。
#395
○小玉委員 二銭か三銭とはわずかなものですね。
#396
○柳川証人 六十五等級ぐらいのものです。
#397
○小玉委員 そうしますとわずかな値段ですね。
#398
○柳川証人 値段は大したものではないと思います。
#399
○小玉委員 織り込んだためにどのくらいの値段になるか覚えませんか。
#400
○柳川証人 なんぼくらいになるかわかりませんが、せいぜい二銭か三銭、高くて四銭ぐらいだと思います。八銭か九銭が一番うちの部落で高いところです。
#401
○小玉委員 それからもう一つ水害で水がかかつたと言うのですが、その田は二十一年にはかかつたそうだが、二十二年、二十三年はどうですか。
#402
○柳川証人 かかりませんでした。水は出ませんでした。
#403
○小玉委員 一等田であると二石ぐらいとれるのですね。
#404
○柳川証人 そこは二石はとれないと思います。
#405
○小玉委員 どれくらいですか。
#406
○柳川証人 そこは一等田の二石ぐらいとれるところとは違います。
#407
○小玉委員 水をかぶる土地はどれくらいあるのですか。一町一反六畝四歩のうち……
#408
○柳川証人 洪水によつて違いますけれども、みな一定にかかるというわけではない。洪水の大きいときはよけいかぶる。少いときは……
#409
○小玉委員 そうではない。水がかかり田として、それを採草地に繰込んだ面積は具体的に幾らですか。
#410
○柳川証人 それはどこかということを調査したものがありますからそれを見ます。
#411
○小玉委員 大体わかりませんか。
#412
○柳川証人 三筆あります。
#413
○小玉委員 一筆ごとに言つてください。
#414
○柳川証人 三畝歩の田とそれから一畝六歩の田と五畝九歩の田です。
#415
○小玉委員 それでそれらの田を合して一町一反六畝四歩から一箇年に全收量大体どれくらいあるのですか。大体目算でどれくらいとれるのですか。
#416
○鍛冶委員長 大体のことでいいのですから……
#417
○柳川証人 平均一反五斗くらい。田全部としては五斗くらい。
#418
○小玉委員 それは二十一年の九月に採草地に繰込んだのだが、二十二年、二十三年とずつと採草地に繰込んだものについて供出はしておるのですか。
#419
○柳川証人 採草地に繰込んで供出を出させておるそうです。採草地であつて去年開墾したものは、また開墾したで小作から申込みを区長はとつておるそうです。供出の対象にしておるそうです。
#420
○小玉委員 対象にしてとつておると聞いておるのですね。そうするとかぶるところは、最初お開きしたように、從來田地であつたものを採草地に繰込んだというものは、買收價格の点で幾らかもうけようというのですか。
#421
○柳川証人 そうです。
#422
○小玉委員 そのほかに目的はなかつたのですか。
#423
○柳川証人 目的はありません。
#424
○小玉委員 採草地に正式に繰込んでしまえば公の面では供出の対象になることはないと思つたのですか。
#425
○柳川証人 部落で調査しておるそうです。
#426
○小玉委員 そういうことはありませんか。
#427
○柳川証人 ありません。
#428
○小玉委員 採草地に買收した意味がわからないから……
#429
○柳川証人 價格のためです。
#430
○小玉委員 それからあなたは田畑を何反歩つくつておられますか。
#431
○柳川証人 田は七反九畝つくつております。畑は台帳面には八反あります。事実耕作できぬところもあります。
#432
○小玉委員 そこで一箇年の米その他雑穀の割当はどれくらいになつておりますか。
#433
○柳川証人 今年の米の割当は六石八斗、麦は一石五斗、甘薯は百八十三貫、馬鈴薯は百八十五貫、それから大麦の供出も部落でなく、村全体で私のところが一番頭です。
#434
○小玉委員 採草地として買受けた小作人は、大体農民組合に属する人が大部分ですか。
#435
○柳川証人 大部分であります。地主は自作しておるためにそれを買受ける……。
#436
○小玉委員 農民組合の人が大部分これを買受けているというわけですね。
#437
○柳川証人 そうです。
#438
○小玉委員 それであなたの下甘田村の政党と言つてはわからぬでしようが、衆議院選挙の際の共産党、民自党、民主党の投票の割合はどういうふうになつておりますか。大体のところで共産党何票、民自系何票、民主系何票でしたか。
#439
○柳川証人 下甘田村で民自党が二百五十何票とつておるかと思つております。共産党は百票くらいと思います。民主系は二人で、二人とも七十何票かと思つております。
#440
○鍛冶委員長 民自党も二人じやないですか。合して幾らですか。
#441
○柳川証人 一人ですけれども、濱名さんは五十何票か四十何票であつたかと思つております。
#442
○小玉委員 合して二百くらい……
#443
○柳川証人 合して三百くらいになるでしよう。
#444
○小玉委員 そのほかの労農とか、國民協同党は……
#445
○柳川証人 なかつたように思います。
#446
○小玉委員 社会党は……
#447
○柳川証人 社会党は十票かそこらで少かつたと思つております。確かな記憶はありません。
#448
○吉武委員 証人にちよつとお聞きしたい。今小玉さんの質問に対して、あなたは田を七反九畝つくつておると言われました。その通りですね。
#449
○柳川証人 はい。
#450
○吉武委員 その供出が六石八斗だということですが、どうですか。
#451
○柳川証人 六石八斗だと思つております。
#452
○吉武委員 そうすると、先日山田喜一君から聞きましたのによりますと、山田君は田を八反四畝十六歩つくつておつて、それの昨年の供出が六斗二升だつた。こういうことを言われましたが、あなたのつくつておられるのは七反ですから、一反ほど違いますけれども、非常に供出に差があるように思うのですが、それは御存じないですか。
#453
○柳川証人 私の前の田圃で並んでおるのは上田なのです。私のは自分の家から二十町も山に入つております。
#454
○吉武委員 あなたのつくつておられます七反九畝――約八反から実際とれた米は昨年は幾らくらいですか。これはほかの証人がみな大体のところを言つておるのですから、御迷惑かもしれませんけれども、実際おとりになつたのはおわかりでしようから……
#455
○柳川証人 四十俵ぐらいとつたと思います。
#456
○吉武委員 山田君は劣等地かもしれないが、実收額は十二石五斗とつたというのです。十二石五斗の中で、供出は六斗しかない。一俵半です。
#457
○柳川証人 大將の供出は知りませんが、田圃の方は私と大將のと、うんと開きかあります。私のは上田はかりです。
#458
○吉武委員 それからもう一人星澤さんに聞くと、星澤さんは耕作が八反八畝で供出が九石しているといつておられます。星澤君と山田君とを比べると、あるいは上田とそうでない違いがあるかもしれないけれども、劣等地とは言つても十二石五斗からとれている。しかもその供出は星澤君に比べると反別は大体同じですが、片方は九石、片方は六斗二升、十分の一にも達しない、非常な不公正が行われている。あなたは六七八斗ですから山田君に比べれば約十倍ですから、確かに多い。片方の約十倍ですけれども、星澤さんに比べればまだ低い。おそらく私は中間の普通の供出割当ではないかと推定いたします。これは全部調べなければわかりません。そうしますとあなたの部落の中で、片方は十分の一にも達しない供出割当であり、片方は十倍以上という割当をして、これが不平なしに黙つていることはないと思うのですが、あなたはそういう不平を耳に折折お聞きになつたことはないのですか。
#459
○柳川証人 その不平は聞いたことがありませんか、それが事実とすればちよつとむりがあると思います。それだけの開きはないだろうと思います。それから星澤君の九石ということも自分としては信じられぬような割当だと思います。
#460
○吉武委員 私は星澤さんからも聞いたのですが、そんなに違つておつて、これはあなただげかと言うと他にも若干いる。しかし不平はあるけれどもその不平を口に出して言うと非常な迫害を受ける。どんな迫害を受けるのかと言うと、なかなか遠慮しておつしやらない。たとえば家を建てようとしても手傳いに來ない、あいつのところに手傳いに行つたらけしからぬぞというようなことを言い触らして、いわゆる村八分というか、排斥をされる。あとのたたりがこわいから、泣き寝入りでだまつている。こういうことを言つておるのですが、それはあなたはうそとお思いになりますか、あり得るとお考えになりますか。
#461
○柳川証人 そんなばかなことは私たちには思われません。
#462
○吉武委員 それではよろしゆうございます。
 次にお聞きしたいと思いますが、今あなたは採草地として申告した三町八反三畝のうちに、劣等地が一町一反六畝ほどあつたとこう言われますが、先ほどときどき水をかぶる土地かあると言われましたのはその一町一反が水をかぶるのですか。
#463
○柳川証人 そのうち一反何畝にたりますか、六畝なんぼと四畝なんぼと六畝なんぼと三枚あります。
#464
○吉武委員 水をかぶるのは……
#465
○柳川証人 一反三畝です。
#466
○吉武委員 そうするとそのあとはただ冷水の出るという水口その他の所ですね。
#467
○柳川証人 その他の冷水を受ける所なのです。
#468
○吉武委員 それではときそどき水をかぶる土地でもよろしいのですが、その一反幾らの水をかぶる土地は現在だれの所有地になつていますか。
#469
○柳川証人 それは採草地として買い受けた小作人の所有になつております。
#470
○吉武委員 その名前はだれですか。
#471
○柳川証人 名前は山田清一、定仙直作。
#472
○吉武委員 山田清一というのは山田喜一君と御親戚の間なのですか。
#473
○柳川証人 親戚です。それから松坂久作というのがあります。先仙と松坂は他人です。
#474
○吉武委員 これは聞いたことでおるから、実際に調べないとわからないが、採草地として申告されている三町幾らの中には時々水をかぶるかもしれないが、相当の田として從來つくつておつた。それらの土地が山田喜一君の一門の人々だけで占められておると聞いておるのですか、そういう事実はないか。
#475
○柳川証人 それは事実無根です。ここに名前がみな書いてあります。彼の親戚の人も入つておりますが、ほんの一部です。名前を読めと言われれば読み上げます。たいへん多いのですが……
#476
○吉武委員 それじやよろしゆうございます。それから次の問題を聞きたいのですが、あなたのところに農民組合ができたと言われるのですが、いつごろできたのですか。
#477
○柳川証人 十年前から小作團体というものがありました。それが昭和二十一年ごろでしたか、農民組合に名前がかわつたと思います。
#478
○吉武委員 今それに入つておられる方の数は何人ぐらいですか。
#479
○柳川証人 地主と耕作せぬ人以外の人は全部入つております。
#480
○吉武委員 全部で何人ぐらい。
#481
○柳川証人 七十人ぐらいじやないかと思います。
#482
○吉武委員 あなたの部落ではどれくらいありますか。
#483
○柳川証人 百十戸ほどあります。
#484
○吉武委員 そうすると約二分の二が農民組合に入つておるわけですね。
#485
○柳川証人 そういうわけです。
#486
○吉武委員 これも私が聞いたところであるから実際に調べなければわからないのですが、農民組合に入らないと、手傳に行つてやらないぞとか、あるいは配給供出等についても不利益になるぞというようなことを流布されて、勧誘した向きがあるのですが、どうですか。
#487
○柳川証人 うちの班にも農民組合に入らぬ土地を何にも持たずにおる人が三人おりますが、別に差別待遇を受けておるとは思いません。
#488
○福井委員 先ほど高木委員から、どこのうちに耕作地が幾らあるかということを知つていないかと質問したときに、そういうことはわかりませんというようなお話もあり、大体高木さんのときにはそういうことは存じませんということが多かつた。その中で一つだけ私尋ねたいのは、どこの家で耕地がどれくらいある、そういうことはわかるということでしたが、私は、東京に住んでおつてちよつと農村を研究したりなどしておるような人と違つて、百姓だからそういうことはちやんと知つておる。そういう建前で聞いてもらいたい。私は二十歳まで百姓をやつておつて、この田圃はどれくらいとれるということは稻の様子でわかるし、私のところに百戸ある村だから、その村の中で何の何兵衞はどこの家の耕作をしておる。そうしてどういう田圃で年々あの田圃は――つくり方の上手下手にもよるのでしよう、また肥料が足りなくて稻か非常に貧弱な色をしておる場合もあるでしよう。これは一概に言えぬか、百戸ぐらいのところだつたら、十六や十八、二十の者ですら全部わかる。どの家はなんぼつくつておつて、どこは何俵納めるくらいのことは、戸主でなくとも知つておる。しかしあなたは全部知らぬとおつしやつた。今聞いてみると、百十戸くらいしかないとおつしやるから、私はあなたがここにおいでになる場合に、何でも知らぬと言つた方があたりさわりがないぞというような知恵を入れられて來たのではないですか。
#489
○柳川証人 そんなこと全然ありません。
#490
○福井委員 では今の項目でもう一ぺん聞きたいが、あなたが農地委員長の立場として、どこの家は別件地をどのくらい持つているとか、だれはどこの小作をしておるということは知りませんか。
#491
○柳川証人 見当はつきます。
#492
○小林(進)委員 さつきから採草地の問題を、ばかに意地惡くつついておられるような感じが私はするのですが、この土地の買上の問題は、地主対小作の問題なのです。買う小作人は安く買いたい。賣る地主は高く賣りたい。この間に農地委員が入つて善処するというだけの問題で、その際の仕方がいいか惡いかの問題を言うだけの話で、供米には関係がない。土地の買上、賣渡しの問題と、供米の問題は全然別箇なのです。それを今供出の問題で追究するのは、非常に矛盾しておると思うのですが、それはまずそれとしておきまして、大体今不当に深草地にしたという話ですが、それほど美田ならば、賣るべき地主が当然保有地として自分がとる権利がある。自分の土地にしておいて、賣らなければよろしい。そうでございましよう。
#493
○柳川証人 そうです。
#494
○小林(進)委員 それを一体地主が採草地を保有地とするという申込を出しましたか。
#495
○柳川証人 保有地とするという申込は出しません。
#496
○小林(進)委員 やはり賣りたいのでしよう。それが地主の考え方だ。ほんとうに美田ならは地主が保有しておくべきでしよう。保有の権利がある。ところがこの土地に対する保有の申込みがあつたかどうかということを聞きたい。
#497
○柳川証人 ないです。自分は七反の中、保有地は二反しか持ちません。全部解放しました。
#498
○小林(進)委員 当然だろうと思う。その問題なんだ。そうすると地主はこの土地をやはり解放したいのですね。
#499
○柳川証人 そうですね。
#500
○小林(進)委員 解放したいが、但しその土地を高く買つてもらいたい。
#501
○柳川証人 それが問題の原因であります。
#502
○小林(進)委員 小作はなるべく安く買いたい、これが争いの原因でございましよう。
#503
○柳川証人 そうだと思います。
#504
○小林(進)委員 そうしたら縣当局はやはりこれを採草地として認めたのですね。
#505
○柳川証人 認めました。
#506
○小林(進)委員 ところで私はまたあなたに聞きたいのですが、私も百姓の子だ。向うで百姓を賣物にするならば、私も百姓を賣物にしてもいいのだが、大体今新潟縣あたりで、私の経験から言えば、一反歩について一石五斗以下の土地は全部放棄しております。なぜかならば、一反に一石五斗ぐらいの田圃にまで供米をぶつかけられては、農民はとても耐えられない。全部放棄をしております。あなたの村もそうした放棄の問題は起きて來ませんか。
#507
○柳川証人 四十倍に上げたら、放棄の場所も出て來るだろうと思います。
#508
○小林(進)委員 四十倍で買うのなら、小作はとらないでしよう。
#509
○柳川証人 要らないと言いました。
#510
○小林(進)委員 普通に賃貸價格の四十倍の價格なら欲しくない……
#511
○柳川証人 要らないと申しました。しようがなくて、地主に相談したら、地主もそんな所を持つたところが、しようがないから、賣つてもらいたい。
#512
○小林(進)委員 ということで、採草地にして十八倍まで上げて來た、これが眞相ですね。
#513
○柳川証人 そうであります。
#514
○小林(進)委員 あなたも宣誓されたのだから……
#515
○柳川証人 うそはつきません。
#516
○小林(進)委員 大体わが意を得たお答えであります。
#517
○鍛冶委員長 しかし新潟と能登とは違いますよ。
#518
○小林(進)委員 それでは農地委員長としてあなたが議事の進行をされて行くときに、何か議事の進行に党派的な問題が出て、委員長としてやじられたとか、非常に不便だとかいうような感じを受けたことはありませんか。
#519
○柳川証人 そういうことはありませんでした。
#520
○小林(進)委員 何か委員会で、今日ごらんになつたこの考査委員会のように、ああいう争うようなことはございはせんでしたか。
#521
○柳川証人 全然ありません。
#522
○小林(進)委員 そうするとあなたはこのたび農業協同組合の理事長にもなられたようですが、大体理事長になるときには、どこへ行つても一つのあと押しというものがある。大体あなたを支持せられている方に、組合の色彩を帯びている方かあなたをあと押しされたのか、あるいはそうでなく、俗に言う旧地主系統の方があなたをあと押しされたのか、あなたのざつとの判断でよろしゆうございます、そこだけをお聞きしたいと思います。
#523
○柳川証人 それは理事連中、民自党、農民組合全部から推されたというふうに、自分は考えております。一方的でないと考えております。
#524
○小林(進)委員 それでははなはだ個人的にわたつて惡いですが、山田喜一さんとあなたの個人的な関係はいかがですか。お親しい仲でいらつしやるかどうか。
#525
○柳川証人 同じ部落ですから……
#526
○小林(進)委員 特に親しいというわけではありませんか。
#527
○柳川証人 特に親しいというわけではございません。
#528
○小林(進)委員 親戚関係とか何とかいう点は……
#529
○柳川証人 またいとこになります。
#530
○小林(進)委員 いや、わかりました。
#531
○大森委員 ただいま御意見がありました、採草地は供出の対象にならない、それはそうでなくて、ただ價格を安くしてもらうために、採草地としたのであるというようなお話であつたか、私の聞いておる範囲では採草地として割当が村に來る。そうして上棚なら下棚という部落に今度また割当てて來る。そのために上棚の部落には、正田として前に七十町歩あつたのだが、何か訂正されたために台帳面では五十町歩しかない。それだけの台帳を持つて來て、初めて組合に二十町歩のものだけが、その人たちによつて割当が來たというようなことを私は聞いたのであります。この点に対して簡單にあなたの……
#532
○柳川証人 そんなばかなことはないと思います。七十町歩というそれだけの面積はないだろうと思う。これはこの前一筆調査のとき鹿島郡にどれだけ入り耕作をしておるか調査したときに、たしか七十町歩はなかつたと思います。
#533
○大森委員 それであなたのおつしやることが間違いなければよろしい。私は聞いたのであります。
#534
○柳川証人 割当につきましては、部落へ行つて調査してください。私詳しいことはわかりませんから……
#535
○大森委員 なおあらためて聞いておきますが、もし調査いたしまして、村から持つて來て、そうしてそれを部落へ割当をしたという、そこに相当の開きかあつたとすると今のあなたの証言はうそになりますね。
#536
○柳川証人 どの証言ですか。
#537
○大森委員 村へ割当が來るでしよう。そうして下甘田なら下甘田村という所へ、今度はあなたのところは面積幾ら幾らになる。それに対してこれだけ出してくれということになる。それで今度は実際の面積と合わない、少いものを持つて來ておる。そのためにいよいよ割当ということになると、村全体のものと下甘田の割当とは違うものになる。そういうことがないかどうかということを、私は聞いておるから、こういうことをお尋ねするので、もしも今あなたが申されておるように、そういうことがないと言明されるならば……
#538
○柳川証人 聞いておるところでは、全部の作付けをしているたんぼにはかかつておるということは聞いております。こまかいことはわかりませんから、調査してください。
#539
○大森委員 調査してくれというのですか。そういうことはないとおつしやるのですか。
#540
○柳川証人 私は関係しておらぬから、ないとは断言できない。かかつておることだけは聞いております。
#541
○大森委員 さらにもう一点お尋ねいたします。縣がこれを採草地にすることに対して、先ほど名前はわからぬと仰せられたが、村はこれを採草地にしてよろしいと言つたのですか。
#542
○柳川証人 そうして処分せよ。農地部の羽作郡の担当の人にお尋ねしたわけです。
#543
○大森委員 私は昨日縣に行つて調べてみたんです。調べてみると、そういう点については書類にも出ておりませんし、そういうことか公文に出ておりますか。
#544
○柳川証人 公文でなく口頭で自分らに言つて來たんです。
#545
○大森委員 口頭で言つて來た。あなたにだれが言うたか知らんが、私は縣の農地課で調べてみたが、一人もそういうことを言つたことがないと言明している。
#546
○柳川証人 文書で出したさかい、こういう問題で言つたということを自分らが言つておらぬかもしらんけれども、そう言つて來たことは間違いありません。
#547
○大森委員 もう一点お尋ねしておきます。どなたかのお尋ねもあつたが、大体あなたはどの党派からどうというお尋ねがあつて、それに対して理事は民事党が幾ら幾らという説明があつたが、大体そのときのお話を先ほど申し上げて、あなたから答弁をいただいたが、何十人かの抑圧のために前の組合長はやめて、そしてあなたがやられて、專務理事もきまつたけれども、しまいにはなにか預金の引出し等においていたし方かなくなつて專務理事はやめた……
#548
○柳川証人 それは専務理事はその当時から、やめたんではありません、受け負わんとかえつた。
#549
○大森委員 そうすると、そのときにあなたか組合長になられたときの形は、理事の力でなくて他方面の圧力でなかつたかどうか。
#550
○柳川証人 そんなことはありません。
#551
○大森委員 このときに、しからば預金の引出し等があつたという事実はどうですか。
#552
○柳川証人 二日三日悪宣傳をした人があつたそうでありました。すぐとまりました。
#553
○小玉委員 あなたはちよつと先ほど自分は二反だけ田地を保有して、あとはみな開放したとおつしやつた。
#554
○柳川証人 はい。二反だけ残しました。あとは全部返しました。
#555
○小玉委員 そうすると、現在つくつている反歩は七反歩、その七反歩は元來昔からあなたの所有なんだな。
#556
○柳川証人 つくつているのは七反……それは昔から……
#557
○鍛冶委員長 ちよつと言つときますが、だれでも当然知つているときに知らぬと言うと偽証罪になりますよ。故意に、あることをないと言つたときも偽証罪になりますよ。だから、さつきもくどく言つたが、村で実際たんぽになつているが荒地として届けるか、採草地として届けると供出の対象になりませんから……。そういうことは地方事務所にないと言うんだね。
#558
○柳川証人 そういうことはありません。
#559
○鍛冶委員長 もう一ぺん聞いておきますが、採草地を買收した者は、全部前の小作人に間違いありませんか。
#560
○柳川証人 間違いありません。
#561
○鍛冶委員長 間違つておつては困りますよ。
#562
○小玉委員 ちよつと確かめておく。それであなたの部落はよろしいですよ。あなたの下甘田村の農地調整委員が役場で割当会議を開いてやるのでしようか、それはいいですが、縣から甘田村なら甘田村全体の割当をする際には、その採草地として編入されたものに対して割当がありますか。
#563
○柳川証人 それは農地部と食糧課と違つているだろうと思うんですがね。
#564
○小玉委員 どうなんですか。小林君の言うところによれば、山林でも何でもと言うのだが、縣が山林なんかを割当の対象にするはずはないと思う。となると、結局縣の方では山林、採草地というものがあるから、それを除外して割当をするでしよう。
#565
○柳川証人 そう。
#566
○小玉委員 そうなりますと、村ではそれに対して知つているから、割当するとなれば、村の割当てた数量と縣の予定数量というものの差が出て來はしないかと思うのです。そういうことは出て來ませんか。
#567
○柳川証人 それは農地の買收というのと割当というのと違うから、連絡をとつてないと思いますがね。
#568
○小玉委員 連絡をとつていなければ、そういうギャップが生じはしないかと思いますが……
#569
○柳川証人 連絡をとつてないから……そんなことに間違いはないだろうと自分では思うのです。
#570
○小玉委員 もしそういうことになると、現実に供出で割当てた米と、縣というか國に供出する米との間に残りが出て來はしないかという疑いを持つているのですが、そんなことはないですか。
#571
○柳川証人 そんなむずかしいことは私にはわかりません。
#572
○高木(松)委員 証人の証言の信憑力に関する問題ですが、これはよく聞いていただきたいと思うのです。山田喜一君と証人とはいとこですか。
#573
○柳川証人 またいとこであります。
#574
○高木(松)委員 そうすると普通の人よりも親しいわけですね。そういう一つの関係を持つておれば、普通の人よりも親しいんじやないですか。
#575
○柳川証人 別に普通の人より特別に親しいとは思つておりません。
#576
○高木(松)委員 ほんとですか。またいとこなら、普通の人よりもそういう事情のために親しくありませんか。
#577
○柳川証人 またいとこでも、別に特別親しいとは思いません。
#578
○高木(松)委員 われわれはつねにそういう場合には他人よ力も親しいのですが、どうですか。
#579
○柳川証人 別に親しいとは思いません。
#580
○高木(松)委員 それでお聞きしたいのは、あなたは民自党ですね。
#581
○柳川証人 そうです。
#582
○高木(松)委員 いつ入つたのですか。
#583
○柳川証人 十日ほど前に南縣会議員お願いして入党させていただきました。
#584
○高木(松)委員 それから山田喜一君は共産党に入つていることを知つていますか。
#585
○柳川証人 知つています。
#586
○高木(松)委員 そこで共産党に入つている山田君と、民自党におられるあなたと、主義主張か違うから、そういうふうにわかれたのでしようね。
#587
○柳川証人 そう、部落常会においてもいつもせります。
#588
○高木(松)委員 そこで私は聞きたいが、われわれ聞くところによると、山田様と言われるほどの権勢をふるつている山田さんから、あなたは圧力を加えられているような事情はありませんか。
#589
○柳川証人 別に圧力を加えられているとは思いません。
#590
○高木(松)委員 自由な気持で、將來の利害関係、現実の問題について何らの心的状況に影響なしにあなたはきようの証言をしたのですか。
#591
○柳川証人 別に圧力を加えられておりもせず、ありのままに話しております。
#592
○高木(松)委員 圧力は加えられていないが、山田君に有利な証言をしようとするような、好意的行動はとりませんか。
#593
○柳川証人 そんな行動はとりません。
#594
○神山委員 証人にお尋ねしますが、戰争までの村の状態はどうであつたか。もつと具体的に聞きますと、村を実際に支配していたものはどういう種類の人であつたか。たとえば地主とか小作人とか言いますが、その点を聞きたい。
#595
○柳川証人 今までは、私らの部落は二十三名かの地主と小作の代表者五名とが村の相談を引受けてやつていたのです。
#596
○神山委員 合せて二十五名ですね。
#597
○柳川証人 そのうち、昔の地主は株主みたいなものになつておるので女の家族も地主の仲間に入つておるのですが、主人は不在で欠席する場合もありますけれども、大体二十五名ぐらいです。
#598
○神山委員 その二十五名の人を議員と言つておつたわけですね。
#599
○柳川証人 そうです。
#600
○神山委員 その中で実際に支配していたのは地主ですね。
#601
○柳川証人 そう、小作は三人ですから。
#602
○神山委員 二十二対三であつたのですね。
#603
○柳川証人 そうです。
#604
○神山委員 とにかく今まで、農地改革の行われる以前に村を支配していたものは地主である。
#605
○柳川証人 そうです。
#606
○神山委員 地主のことを、あなたの方のなまりで議員様と言うそうですが、どうですか。
#607
○柳川証人 そうですね、寄り合い議員と言つておりました。
#608
○神山委員 わかりました。その人たちが実際に村の一切のことをきめていたわけですね。
#609
○柳川証人 終戰前まではきめておりました。
#610
○神山委員 そこで先ほどから親類の話が大分出ますので、私も主として親類の話を聞いておきたいのですが、今残つている地主の中に徳山、岡山、池田修――きようこの人は証人に出ていますが、それから池田清次、星澤さん、こういうような人がおりますね。約七人おりますが、こういう人たちは親類関係ですか、親類関係ではありませんか。
#611
○柳川証人 七名とも親類であります。
#612
○神山委員 その親類の模様をもう少し詳しく話していただきたい。だれとだれとがどういう関係になつている。先ほどまたいとことかいう話かありましたか、分家だとか、いとこだとか、婿だとか、そんな話を聞きたい。
#613
○柳川証人 徳山さんというのが総本家でありまして、岡山吉太郎というのはその新宅、その岡山吉太郎さんの新宅が岡山喜六さん、喜六さんの娘が池田修さんのところに嫁に行つております。それから星澤權次郎さんのおつかさんと岡山庄之助さんとは兄弟であります。
#614
○神山委員 一口に言えば、一家ですね。
#615
○柳川証人 親族であります。
#616
○神山委員 それから話をまた別の方面でお伺いします。先ほどあなたにお尋ねしますと、村会や農地委員会その他の勢力分布がわかつたのでありますが、共産党が五名とおつしやいました。この共産党はいつごろから五名になつたのですか。この人たちは前からの共産党員なんですか、それともこのごろの共産党員なんですか。
#617
○柳川証人 このごろの共産党員、二十日に入党式をうちの隣のお寺を借りてやりました。
#618
○神山委員 それではごく新米の、ほやほやの共産党員ということになるわけですね。
#619
○柳川証人 そういうわけです。
#620
○神山委員 その以前には、共産党員というものはいなかつたのですか。
#621
○柳川証人 別に共産党を名乗つてはおらなかつたです。山田君だけは、私は共産党員だということは、どこを歩いても言うておりましたかね。
#622
○神山委員 これは調査資料の中に、私たちの方からすでに委員諸君の方に配付になつておるものですから、二、三お尋ねしますが、下甘田村の労務加配米五石八斗五升が行方不明になつておるという陳情書か私たちのところへ來ておりますが、こういう事実をお聞きになつたことがありますか。
#623
○柳川証人 これはこの間山田作平という人が地方事務所へ行つて、林務課長に聞いたら、五石八斗五升という米を去年の八月切符は出してあるということを言うておりましたことを私はその聞いて來た本人から聞きました。
#624
○神山委員 それは実際配給されましたか。
#625
○柳川証人 それはこの間の部落常会で、だれか加配米をもらつた人はないかと区長さんから尋ねたら、一人もないと言うておりました。欠席の人もあつたでしようが、常会へ寄り合つた人は一人もないと言つておりました。
#626
○神山委員 それからお尋ねしますが、岡山喜六という人の供出か、九俵二斗不足しておりながら、供出が完納になつたと言つておられるそうですが、それをお聞きになりたことありますか。
#627
○柳川証人 それはこの間問題になりまして、徳山専務理事さんは、代金は支拂つておるから、その米は入つておるものだ、こう言つておりました。それで今度組合長を一方からつきましたところ、七俵だけは私は子供を連れて朝早く倉庫へ入れておいた、こう言うておりましたが、その後倉庫の番人は、そんな米がふえておつた覚えはないように思われると言うておりました。その後の調査はしておりません。
#628
○神山委員 調査してないわけですな。
#629
○柳川証人 倉庫番はそんな米がふえたと思われないと言うております。
#630
○神山委員 もう一つお尋ねしますが、やはりこれも考査委員会の調査報告によりますと、考査委員会としては一調査員か調べて來たことでありまして、この調査には一方的なところがあることを私は終始強調しておるが、それにこういうことがある。労働封鎖をやつたというのは、組合側に反対して、このときには働きに行くな、手をかすな、地主を徹底的につぶせ、というようなことで圧迫して、労働封鎖の挙に出たということが出ておりますが、この間山田証人から聞き、またもう一人の星澤証人から聞いたところによりますと、地主と小作人の間に対立がありまして、地主側でいろいろ経済封鎖をした、また電化するのにじやましたということに対して、自衛上やつたと言つておりますが、あなたのお考えはどうですか。
#631
○柳川証人 私はそのときも地主側としてけんかの親分でありました。そのとき小作人は絶対仕事に使用するなとか、山にたきぎをとりに入るな、ささを刈るなというようなことを地主側できめました。
#632
○神山委員 それに対抗するために農民がこういうことをやつたわけですね。
#633
○柳川証人 そうしたら小作側から、地主側が労力不足で困つても仕事に行くなということを彼らもきめたそうです。
#634
○神山委員 当然なことだと思います。その次にお尋ねしますが、あなたの方の部落は七つの班にわけて、一班に一人ずつ監視員がつけられ、監視員は一日三回ずつ班内を巡回し、指名された者の身辺、行動を監視して、人の出入りの調査、手傳いに行く者をとめる、こういうことをやつておるというふうに言われておりますが、こういう事実がありますか。
#635
○柳川証人 そういう事実はないと思います。
#636
○神山委員 その次にもう一つお尋ねしますが、先日ここに來た一人の星澤權次郎氏は、自分でこういうことをおつしやつたが、山田派に同調しなかつたら、税金がいきなり上げられたということを言つておりましたが、こういう事実、あるいはこういうことを聞かれたことがありますか。
#637
○柳川証人 その税金関係は私村会議員でないので、自分の納めたことだけ、これだけ納めたということは覚えておりますが、人のは表を見たこともありません。
#638
○神山委員 それではまた方面をかえて聞きます。今の問題の星澤さんですが、この人は自分の土地を申告しなかつた。それで何回か催促されてやつと最近になつて申告したということを言つておりますが、これはお聞きになつたことはありますか。
#639
○柳川証人 今年の春だつたかと思いますが、鹿島路の農地委員の証明と上中山の区長さんの証明を私のところに持つて來て、こういう人にこれだけおろしましたということを言つて來ましたので、農地委員会にやりまして一筆訂正をしてくれと申し入れておきました。
#640
○神山委員 それで訂正してくれましたか。
#641
○柳川証人 してくれと言うておきました。
#642
○神山委員 こういう問題が起つて來る一方の原因には、これもやはり私たちの調査報告によりますると、星澤さんか松田という人と西島という人に六畝と五畝、小作に出しておるということですが、そういうことなんですか。
#643
○柳川証人 小作さしたということになります。
#644
○神山委員 こういうものを小作さしておれば申告するのが正しいのですか、申告しないのが正しいか。
#645
○柳川証人 するのが正しいのです。
#646
○神山委員 從つてこれはある場合には隠し田と言われても仕様がない。
#647
○柳川証人 そう。
#648
○大橋委員 隠し田ですか、それは。
    〔「供米を出さない田を隠し田というのだ」と呼ぶ者あり〕
#649
○大橋委員 議事進行に関して、今隠し田と言われましたが、隠し田というのはどういう意味です。
#650
○柳川証人 今まで鹿島路の人がつくつておつたかどうか事実はわかりませんが、部落の人は自分等がつくつておつて、鹿島路の人がつくつておるのだと言うのを、向うから申告が出ないからというので、隠し田と言うておるのです。
#651
○神山委員 この前の証人の人がこう言うた。客観的に見て、これは隠し田だと言われても仕様がない、私が聞いたら、星澤さん自身とにかくそういうように言われました。そう言つておるが、ほんとうの意味の隠し田ということは問題にしなくてもよいと思う。
#652
○鍛冶委員長 言葉の使い方だけだ。
#653
○神山委員 ぼくも厳密な意味の隠し田云々でなくて、実際に農地委員会に報告しなかつたということがわかればよいのだ。それで小作に出しておる方が結局多いということですね。
#654
○柳川証人 星澤さんは小作に出しておるのは少い。自分が自作しておるのが多い。
#655
○神山委員 星澤さんがこう言つておる。――わかつた、わかつた。あなたのおつしやる通りだ。そこで先ほど吉武委員が深刻な質問をしておるわけだが、この星澤氏は八反三畝で九石供出しておる。
#656
○柳川証人 そう。
#657
○神山委員 山田君はこれに対して八反四畝十一歩あるにかかわらず四斗二升しか供出してない。こういうように言つておるわけだが、そのときの尋問でも大体の模様はわかりますが、もう一應あなたのお考えからすれば、こういうような開きが出て来る根拠がわからないならわからない、あるいは一方の方が家族が多い。それからもちろん田地が惡い。そのために保有量か何か大きくなる、あるいは小さくなるという点について、あなたのお考えを聞きたい。
#658
○柳川証人 その保有米の話は山田君の方がたしかに家族が多いはずです。田地においては星澤君の田地より惡いと思いますが、それだけの開き云々についてはどういう関係かちよつとわかりません。
#659
○神山委員 それから先ほどあなたがほかの委員にお答えになつた中に、弟に反別を讓つておると聞きましたが。
#660
○柳川証人 それは讓りました。
#661
○神山委員 それはいつごろからです。
#662
○柳川証人 今年からです。
#663
○鍛冶委員長 今の供米の問題は二十三年度のはずだよ。今年に入つてからのその問題と違うからな。
#664
○神山委員 それから先ほどから採草地のことが大分問題になつておる。しかし私たちの調べたところによりますると、今年の四月にも、縣の農地課の竹内主事というのか、採草地の問題についてそれでよろしいというように言つたという調査報告が來ているのですが、あなたこれは御存じないですか。
#665
○柳川証人 採草地の問題に竹内主事から聞かなかつたのですけれども、物納の農地につきましては、委員会と協議の上物納手続を出したのは間違いないということを竹内主事は言つておつた。採草地の問題については自分としては聞きませんでした。
#666
○神山委員 そういう報告が来ているのです。それで先ほど小林委員が聞いたときにはつきりしておるように地主の方としては惡いところは解放したい、小作人としてはそんなものはいらないというのが一番初めの問題の起りですね。これを妥協させるために採草地というような妥協案が出ている……
#667
○柳川証人 そうです。
#668
○神山委員 從つて先ほど大森委員が、今縣が知らない、今行つているというように言いますけれども、私たちの調査では、今も言いましたように、これは一例ですが、竹内主事がいいと言つているという事実もあがつているわけです。
#669
○柳川証人 ああそうですか。
#670
○神山委員 それからまたほかの方面を少し聞きますが、あなたの村にも森林組合があるそうですが、その設立の経過や現状、あるいはあなたがそれに入つているか入つてないか、こういう点をひとつ聞きたい。
#671
○柳川証人 森林組合の件につきましては、昭和十八年ごろであつたかと思うのですが、自分も委員の中に入つて設立に奔走した方でありまして、その当時辻口政行というお方が組合長になられて岡山喜六という方が専務理事になられて、浅野三郎という方が技術員になられて、それで組織して発足したわけです。
#672
○神山委員 現状はどうですか。
#673
○柳川証人 終戰前は相当たくさんな山を買い込んで堂々とやつていました。終戰と同時に辻口組合長と浅野三郎という技術員を首にして、新たに徳山武雄という人が組合長になり池田修さんが技術員になられて、その後総会も一回もなく現在どういう体たらくになつているかわれわれわかりません。
#674
○神山委員 役員はそうしますと先ほどお尋ねしたところによると、血続関係の人が多いのですか。
#675
○柳川証人 岡山喜六さんは専務理事です。
#676
○神山委員 そういうように認められますね。
#677
○柳川証人 はい。
#678
○神山委員 その岡山喜六さんのことでちよつと聞きたいのですが、この人はどんな人ですか。どんな商賣なり、あるいはどういう政治の立場に立つておる人ですか。
#679
○柳川証人 政治の立場は民主党であります。
#680
○神山委員 この人は吉野幸蔵という縣会議員の人と親しいそうですね。
#681
○柳川証人 そうです。
#682
○神山委員 この吉野という人は前は何をしていた人ですか。
#683
○柳川証人 縣会議員の前は警察の署長をされておりました。
#684
○神山委員 警察の話が出たのですが、そうしますと、岡山喜六さんの親戚にも、私の方で調べたのによると警察官が大分いますが、これはあなたお聞きになつたことはありませんか。
#685
○柳川証人 あの人のめいの婿さんも警察官ですし、兄貴の妻の兄弟も警察官であります。
#686
○神山委員 私の方の調査では、一々言わなくてもいいが、警察官が大分いる、この吉野幸蔵氏とそれから大森玉木君との間に密接な関係があるというようなうわさがありますが、お聞きになつたことはありませんか。
#687
○柳川証人 民主党同士ですから、何か関係があるかもしれません。
#688
○神山委員 それではいいです。そうしますと森林組合の会計その他の点は報告や何か出ておりますか。
#689
○柳川証人 終戰後一回も総会もなく、どういう実情かわかりません。村民は皆不思議がつております。
#690
○神山委員 そこで先ほどの一番初めの問題に帰るのですが、今まで村を地主さんが支配していた。それが終戰後、ことに農地改革が行われるようになつて、だんだん改革されつつあるわけですね。
#691
○柳川証人 そうです。
#692
○神山委員 それにつれて小作人たちが自分で組合をつくつて活動し出した、こういうわけですね。
#693
○柳川証人 そうです。そういうわけです。組合をつくらぬ前に小作團体というものはやはりありました。
#694
○神山委員 しかしそれは昔の小作團体であつて、実際は地主の御用機関みたいなものだつたのでしよう。
#695
○柳川証人 そんなことはありません。團体を組んで地主に年貢をまけろとか、三等に納めるのを四等にしろとかいうことをやつておりました。やはり交渉團体であります。
#696
○神山委員 そうしますと、このことは、先ほどのお話を聞いてもわかるわけでありますが、すでに戰前から地主に対して小作人が相当鬪つていた、そういう傳統があるわけですね。
#697
○柳川証人 そうです。
#698
○神山委員 それがずつと入つて來て、共産党に入つたのは五月二十日だということになるわけですね。
#699
○柳川証人 そうです。
#700
○神山委員 どうせ一部の人は、共産党のことを、あの一味とか、手合いとか、何だとかいうようなことを言う人が多いのですが、今の事実がわかれば私たちとしてはそれで満足です。さらに農民組合ですが、先ほどちよつとお聞きしたのですが、何家族あるいは何人あるところに、何人農民組合に入つておりますか。
#701
○柳川証人 私の部落は百十戸ほどあると思いますが、農民組合に入つているのは、七十二三戸ぐらいしやないかと思います。
#702
○神山委員 その農民組合の指導者である、山田君が、村を自分かつてにしている、そうして、向うの委員からも出ましたように、山田様というふうに言われているということで、これを聞いてみましたら、山田君は、それははがきに書きますということを言つていましたが、実際に山田君が村を支配しているか、また山田様というように、天皇陛下か神様のように言われているかどうか。
#703
○柳川証人 まあ言うている人もあるかもしれませんが、われわれは山田様と言つたことはありません。
#704
○神山委員 また話は違いますが、岡山喜六という人が二十二年までにまだ二百畝の隠し田を持つていたということは、聞いたことはありませんか。
#705
○柳川証人 それは知りません。
#706
○神山委員 それからまたお尋ねしますが、先ほどあなたが農協組の理事長になられた場合に、いろいろ集團的な脅迫行為があつたのではないかというようなことを言われているのですが、こういう事実がありましたか。
#707
○柳川証人 それは傍聽には四五十名來ておりましたか、何ら騒がず、静かに傍聽しておつたわけです。いろいろな問題が起きたのは理事同士の間です。
#708
○神山委員 それからまたお尋ねしますが、終戰後今日までの間に村の経済は復興しましたか。それとも荒廃に向いましたか。これは作物のできや何かについて聞いているのです。
#709
○柳川証人 皆は自分の土地になつたから喜んだというのか、うれしいというのか、ただの少しでも荒さずに、一生懸命植えつけて、だんだん生産が向上していると思います。
#710
○神山委員 生産が向上しているわけですね。これはあなたの方の陳情書にも約五割近く生産が復興した、こういうふうに書いてありますか。
#711
○柳川証人 向上しているのは事実だと思います。
#712
○神山委員 それでまたこういうことをお尋ねしなければならぬ。考査委員会の調査員がつくつた一方的な調査概要によりますと、こういうことが書いてある。「調査は関係者(立場か対立する者に対しては双方に就て)の陳述を公正に聽取し事情を勘案して判断せるものである」ということで、先ほどあなたからも指摘されたように、監視員を置いたのは、あるいは組合側だけが反対派を圧迫したとか、あるいは星澤權次郎がどうしたということを書いてあるのですが、こういうものを書いてあるとすれば、これはあなたの立場から見て、これは対等の立場で書いたというふうに思えますか。
#713
○柳川証人 その村八分というのも、農民組合だけのことで、一般の人の関係のない事実ですから、その言葉を使つてもいかぬと思います。
#714
○神山委員 今村八分の言葉が出ましたが、池田清次という人は、村八分というのは、共柱党が八分で、そうして自分たちは二分だ、これはじようだんみたいに言つているのですが、私たちに今の世の中に村八分といつて、封建時代のような、村から追い出すようなことはあるとは思えないのですが、それは組合からは除名ですが、村では普通に生活しているのですね。
#715
○柳川証人 そうです。われわれは言葉もかけますし、普通にやつております。
#716
○神山委員 あとの問題は、お互いに立場か違う、利実関係が違うために起つている鬪いだということですね。
#717
○柳川証人 そうです。そういうわけです。
#718
○神山委員 あなたは――失礼でありますか、今まであなたは地主であつた、今では自作地を自分で耕して、またわずかな小作地を持つていらつしやいますが、村の農地委員として活動されておるわけですが、あなた自身がごらんになつて、村は民主的になりつつあると思うか、それとも昔の議員様がいばつていたときよりも、もつと惡くなりつつあるか、言いかえれば民主化されつつあるか、それとも反動的になりつつあるか、それをお聞きしたい。
#719
○柳川証人 今のところは昔みたいに独裁政治に行かず、事の重大な場合は、しばしば月に何回も常会を開いて協議しておりますので、民主化されていると思います。
#720
○神山委員 それは農地改革の一つの結果だということが言えると思いますか。
#721
○柳川証人 そう思います。
#722
○神山委員 私の質問を打切ります。
#723
○高木(松)委員 重大ですからはつきりしておきたい。私は神山君の尋問というか、質問は神山君流でまつたく上手で敬服している。私どもはへたですから、これはその違いかもしれませんが、おそらく証人は宣誓をして述べられているのだから、うそを言つていることはなかろうと私も考える。特にはつきり念を押しておきたい点があるのでお尋ねしたい。というのはあなたはこの問題が衆議院で問題になつたことをいつお知りになりましたか。
#724
○柳川証人 これを知つたのは六月五日でありました。
#725
○高木(松)委員 先ほど民自党に入党したのは十日前と言いましたね。
#726
○柳川証人 そうです。
#727
○高木(松)委員 そうすると、十日前というと十九日ごろですね。
#728
○柳川証人 そうです。
#729
○高木(松)委員 十九日ごろどういう意味で民主党にあなたは入党されたのです。先ほどからのお話を聞くと、それが事実だとすればしかたがないが、感じから言えばどうも特に民自党にこの問題あるゆえに入つたのではないかと私は感ずるのだ。
#730
○柳川証人 いやそういう関係ではありません。私は村で惡宣傳をする人があつたために党派をはつきりしたいと思つて入りました。今までは無所属でした。
#731
○高木(松)委員 共産党と言われるのがいやだから、反動的に民自党に入つた。そうすると民自党に心からいいと思つて入つて來たわけでもないのですね。
#732
○柳川証人 もともと私は無所属で……
#733
○高木(松)委員 要するに共産党と言われるのがいやで、民自党に逃げ場を求めた……
#734
○柳川証人 いや、私は逃げ場を求めたのではありません。一方から惡宣傳をされたために、一日も早く入党しなければいかぬと思つて入党した。
#735
○高木(松)委員 私の聞きたいのはそこなんだ。
#736
○柳川証人 新聞にもいろいろ言われたものですから……
#737
○高木(松)委員 それならそれでよろしゆうございます。
#738
○小玉委員 簡単ですが、あなたの村の共産党――正式に入党したのはわかつおるのだが、やはり共産党共産党という草わけは山田君ですか。
#739
○柳川証人 大將は農民組合長でありますから……
#740
○小玉委員 共産党とふれ歩いておつたのは山田君が先か。
#741
○柳川証人 そう。
#742
○小玉委員 そういうことを自称と言うか、いつごろからです。
#743
○柳川証人 去年の暮ごろからです。
#744
○小玉委員 それで盛んに自分は共産党共産党と普通の人はそういうことを言う必要もないのだが、盛んにそれをふれ歩くということは結局そういうことを言うと、下甘田村の連中が共産党は何かこわいというような感じから、山田を特別扱いをするというような事情はないのですか。
#745
○柳川証人 全然特別な事情は……
#746
○小玉委員 たとえば税のかけ方とか、本件で言えば供米が非常に少い。客観的に言えば十二石もとつておるうち、わずかに六石しかかけぬというようなことは、共産党と言つてふれ歩くがゆえに、その割当をする当局においてうるさいからというようなことではないですか。
#747
○柳川証人 調整委員の方ですか。
#748
○小玉委員 調整委員の連中がけむたがつてそういうふうに樂してやるというような事情はないですか。
#749
○柳川証人 そういうことはありません。
#750
○大森委員 簡單にお伺いいたします。私はどうも今の証人の言葉ではつきりしておきたいことがあります。非常に神山さんの質問に刈して明確な御答弁があつた。これはまつたく私どもへたな関係もありましようが、それほど最も冷静なよい頭脳を持つておられる方が、私どもの質問に対しては大体知らないというように述べておられますが、はつきりした答弁を求めておきたい。上甘田村は八班にわかれ、監視隊をおいてやらし、あるいはだれだれがどこそこへ行つた。これは先ほどどなたからか質問かありましたが、なお重ねて伺いたいのでありますが、それには監視がおつて自由な行動をとつてもしもへたなことをやつた場合にはというので、そのときにどういう問題が起きたかというと、読んでおると長くなりますから、申しませんが、池田清司という人が旧地主の徳山のところに炭焼きに行つたところが、これを見つけられて、あるいは除名をされ、そうして一反歩の水田の耕作権を高橋監視長に讓れというようなことを言つたということが、ここに書いてあるのですが、こういう点に対してあなたは聞いておられませんか。これをはつきり伺いたい。
#751
○柳川証人 その監視人とかは知りませんが、池田清司さんが徳山のところへ炭焼きに行つていたということは、それは事実を認めます。
#752
○大森委員 そこで一町八反歩かの田を高橋君に渡せというような事実があつたときには……
#753
○柳川証人 高橋君ではないでしよう。星澤由太郎君でしよう。
#754
○大森委員 池田君のこういう事実があつたのですか。
#755
○柳川証人 それはありました。
#756
○大森委員 じや、それでよろしい。
#757
○大橋委員 ちよつと証人にお伺いしたいのですが、この徳山さんの一派とそれから山田さんの一派の対立か村にあるということを証人は事実としてお認めになりますか。
#758
○柳川証人 それは対立があるということを認めます。
#759
○大橋委員 そういう点、この部落のいろいろな対立の原因はどういうところにあつたという御意見を持つておられるか。どうしてこういう対立が起つて來たのですか。
#760
○柳川証人 さあ、その理由と言われても、ほんとうの徳山さんの根本は、自分としてはつかまえられません。
#761
○大橋委員 徳山さんがどうしてそういうことになつたかということでなく、あなたが確かにこういう対立があると言つておられる。その徳山さん一派を山田さん一派の対立がこの村に起つて來たそもそもの根本の原因はどういう問題であるか、たよえば農地改革の問題であるか、あるいは供米の問題であるか、あるいは共産党へ入党したとかしないとかいう問題であるか、そういうことについてのあなたのお考え、あるいは村のいろいろな人のお考えをお聞きしたいと思います。
#762
○柳川証人 自分としては、物納の農地買上げの問題が一番根本ではないかと思います。
#763
○大橋委員 物納ということはどういうことですか。
#764
○柳川証人 財産税のかわりに田を納める。
#765
○大橋委員 そのときのいきさつをちよつとお話願いたいと思います。
#766
○柳川証人 農地を物納する場合に、農地委員会と協議の結果、自分の保有地を決定した上に物納してもらいたいということを自分から徳山さんに二、三回言いました。それに徳山さんは自分の思うところを保有地として残すつもりで、今度はあとを物納したわけです。そうしたら農地委員会としては農地委員会独自の立場で買收計画を立てたわけであります。
#767
○大橋委員 そうすると、徳山さんのやられたことと、農地委員会の考えとか食い違いがあつた。そこに感情上の衝突が起つたというのですか。
#768
○柳川証人 そういうわけです。
#769
○大橋委員 それをいま少し詳しく――徳山さんはどういうふうに言われたか、農地委員会かどういうふうに決定したか詳しく御説明願いたい。
#770
○柳川証人 徳山さんは自分の目の前の田圃を残したいから、そこをずつと残したわけです。
#771
○鍛冶委員長 それから農地委員会はどうしたのですか。
#772
○柳川証人 農地委員会は独自の立場で点々として残して買收したわけです。
#773
○大橋委員 そうしますとそのときにいろいろ相談してくれということをあなた自身が申し入れられたのでありますか。
#774
○柳川証人 私自身申し入れました。
#775
○大橋委員 ですから、あなた自身は初めから徳山さんとはこの問題に関する限りは対立する立場にあられたというわけですか。
#776
○柳川証人 いや円満にやるために御相談の上やつてくれと言いました。
#777
○大橋委員 そうすると、あなたの言うことを徳山さんが聞かれなかつた結果その後においては自然に徳山さんとは対立の立場に立たれるようになつたのですか。
#778
○柳川証人 いや自分は何も徳山さんとは反対の立場には立ちませんでした。
#779
○大橋委員 そうすると、あなたは今日においても村の中においては特に中立的な立場にあるということをお考えになつておられますか。
#780
○柳川証人 いやこれも今七人以外のことを、一生懸命どういうふうにして落ちつけるかということの心配ばかりにしております。
#781
○大橋委員 七人以外の人のことを心配しておるのですか。それともこの紛争を、村全体のためにまた元のように一致するように、どうして落ちつけたらいいかということを苦心しておられますか。
#782
○柳川証人 それもしましたし、村長さんにもどうしたらいいかということを――つい二、三日前、二十三日の日に円満に行く方法はないかということをとくと相談しました。
#783
○大橋委員 そうすると、あなたはどういうふうにすれば円満に解決するだろうかということについて何かお考えがありますか。
#784
○柳川証人 なるべく白紙にかえして、水に流したらどうだろうかということを、自分の意見だけとして村長さんに申しておきました。
#785
○大橋委員 そうすると、村のほかの人も全部白紙にかえすという程度の御意向しかございませんか。
#786
○柳川証人 それはみなに諮つたわけじやありません。私と村長さんとかそう言うて話をしました。それから村長さんは二十五日の考査委員会前に金澤まで行つて、縣会議員の吉澤さんとも御相談しておられるはずですが、その後の報告は聞きません。
#787
○大橋委員 村長さんが縣会議員と御相談になつたのですか。
#788
○柳川証人 はい、円満に解決されるように……
#789
○大橋委員 縣会議員のどなたと。
#790
○柳川証人 吉野幸藏。
#791
○大橋委員 その方は何党ですか。
#792
○柳川証人 民自党の方です。村長さんの兄弟の子供でありますから。
#793
○大橋委員 御親戚の……。
#794
○柳川証人 御親戚の関係で相談に行つたのであります。
#795
○大橋委員 そうすると、この間陳情書が村から出ておりますが、あなたはそれに捺印しておられますね。
#796
○柳川証人 はい、おります。
#797
○大橋委員 それはどういう内容でありましたか。陳情書の中味にはどういうことが書いてありましたか。
#798
○柳川証人 やはり今申しました通り、地主も要らぬと言うし、小作人も要らぬというので、農地部の指示を受けてやつたというような、今申したようなことが書いてありました。
#799
○大橋委員 そうすると、今までの実情を述べただけで、將來の解決の問題については別に書いてないのですか。
#800
○柳川証人 そういうことには触れておりません。
#801
○大橋委員 よろしゆうございます。
#802
○浦口委員 あなた今まで政党の名を名乗つておられなかつたですが、そのときにたいへん惡評を立てられたので、今度は民自党に入られたということは、結局あなたの今までの行動に対して、一部からでしようが、そういう惡評が立つたのですか。あなたのどういう行動が惡評の原因であつたと考えられますか。
#803
○柳川証人 それはちよつとわからぬのですけれども、この間の理事会には農民組合派が組合長、専務理事の失態をどんどんついて、それで二人とも辞職されて、そのあとに私が立つたのですが、前の組合長さんともいろいろ話の結果、自分は忙がしいので引受けて出られる体じやないけれども、これ以上もんだら村がおもしろくないと思つて引受けたのです。それを一方の人がいろいろなことを言うて新聞に書き立てて宣傳したのです。
    〔発言する者あり〕
#804
○浦口委員 そうしますと、あなたの行動に対してということは、あなたの行動が結局何か共産党員であるための行動であるというふうなことが、惡評の原因であつたとお考えですか。
#805
○柳川証人 それは新聞に報道されたことは、農民組合派に推されたとか、その組合長をきらつて、事務員が全部辞職書を提出したとか事実無根のことを新聞にどんどん報道したわけであります。
#806
○鍛冶委員長 じや一應済みましたが、ちよつと待つておつてください。
    ―――――――――――――
#807
○鍛冶委員長 池田修さんですか。
#808
○池田証人 そうです。
#809
○高木(松)委員 議事進行について……。大体一人の証人尋問時間をその案件によつて制限されたいと思います。
#810
○鍛冶委員長 どんなに長くても一時間以内に切上げてもらいたいと思います。今高木君の言われた趣旨でお願いしたいと思います。
 あなたは石川縣羽郡下甘田村宇上棚ですか。
#811
○池田証人 はい。
#812
○鍛冶委員長 職業は。
#813
○池田証人 農業です。
#814
○鍛冶委員長 下甘田村の農地委員会で、昭和二十二年に土地の買收計画をしたときに、採草地として地主から買收し、続いて小作人に賣り渡した面積は、三町九反二畝二歩であつたそうですが間違いありませんか。
#815
○池田証人 間違いありません。
#816
○鍛冶委員長 全部採草地でしたか。また田圃がどれだけあつて、畑が幾らあつて、採草地か幾らあつたのですか。
#817
○池田証人 それについて私らの方で調査したのは三町九反二畝二歩というものは二百二十八筆でありまして、そのうち約百十六筆の田圃について現地に当つて調査しましたところが、事実田であるものが九十六筆、一町七反三畝十三歩、畑が九筆で、一反一畝二十四歩。一筆調査に基く採算地であつたものが十一筆で一反一畝九歩でありました。それであとの百十何筆いう田については、まだ現地について調査ができないという状況であります。
#818
○鍛冶委員長 それはいつの現状を調査されたのですか。
#819
○池田証人 今年五月ごろであります。
#820
○鍛冶委員長 私らの聞きたいことは、買收は二十二年の秋でしたね。そのときの現状が一番大事なんです。
#821
○池田証人 ぼくらが現状に当つたときに、それが一筆調査の時期において事実田であつたか、採草地であつたかということを検討して調査したのであります。近ければですが、山間部に入るとなかなかわかりません。
#822
○鍛冶委員長 一町六反三畝七歩と聞いておりますが、大したことはないが少し違いますがね。そこでそういう田圃であるにもかかわらず、それを採草地とするということはちよつと変に考えるが、どういうことからそういうことになつたのですか。
#823
○池田証人 これにつきまして、僕らもはつきりしたことは相談に來ておらず、また常会に出ておらないので、その状況はよく知ることかできませんが、大体昭和十八年度の下甘田における供出の割当反別というものは六十八町歩あつたのでありますが、昭和二十二年から五十五町五反歩の割当反別になつております。昭和二十一年、二年、三年、四年も五十五町五反、これが上棚におけるところの割当反別です。そこに十三町歩という開きがあるわけです。これは役場におけるところの昭和十八年ごろとの誤差でありますが、上棚においては、今まで供出の割当というものは役場の台帳面積と部落台帳面積が異なつておつたのであります。それでちようど私が昭和二十一年ごろに上棚の箱屋班という班長をしておりましたときに、はつきりした数字はわかりませんが、部落の割当反別というものは七十三町歩くらいあつたように記憶しておるのであります。それは部落に來てからの供出の割当反別であります。それで村へ行くと、五十五町歩、そこにほぼ二十町歩ほどの開きがある。それで一筆調査をするに当つて、他の部落のものに、実際調査をしたならば上棚村において田圃の隠し田をしておるということがばれるという考えからしてやつた。一部は水害のためにいたんだところもありましようが、そういつたような考えからしてこういうな、実際田圃のものを採草地とせなければならなかつたのじやないかというように考えております。
#824
○鍛冶委員長 地主もおるのだが、黙つてそんなことをさせるわけもないと思うがどうですか。
#825
○池田証人 この採草地にするということについて部落で地主、小作か寄つて三日間も協議したということをこの問題が起つてからぼくは聞いたのであります。しかしこの常会がそういう常会であつて三日間協議したとしても、その中には地主というものがおそらく半数ほどしか出席してれらなかつたと推測するのであります。この採草地の問題について初めて活を出したときに地主の中にも、ぼくの知つておる範囲内でも数名そういう常会があつたということを知らぬ者がかあつたわけです。
#826
○鍛冶委員長 出ておつた者でも反対を言いそうなものだが、言わなかつたですか。
#827
○池田証人 それであとから部落常会があつたということについて、地主の人でこの部落の常会の様子を話しておるのを聞いたのでありますが、そのときは大石区長の宅に地主を寄せて、農民組合員は山田組合長の宅に集まつた。そうして大石区長あるいは農民組合の幹部が大石の宅で地主と相談をして採草地の問題をどうするかということを話した。朝から晩までいたが話がなかなか進まず、彼らは交代で家へ御飯を食べに行つた。地主は全然食べない。そうして夕ごろになつたので、辻口という地主がこれでみんな意見を出したから、こういう面について明るい人があとに残つて話をまとめることにしてやつと解散したらどうかということに話がなつた。その翌日がいつかしりませんが、地主の方で採草地にするのに代表を三名出してくれ、それから小作の方から六名代表を出せということになり、地主の代表として森重信、堀田守治、森田茂雄、この三人がなつた。そしてこれは堀田というその代表の一人が私に話したことでありますが、一筆調査のことについて部落の青年クラブへ寄つてくれということで、青年クラブへ出て一筆調査の採草地の問題について協議にあずかつた。しかしあとから聞くとわれわれは地主の代表である。しかし堀田と森重信の二人は地主の代表であるということは何も聞いておらない。前のときに出席もせず、そういうことは私は知らないで出席した。これほどの席上で話したのかしらないけれども、われわれは責任逃れをするのではないけれども、地主のへ表として出席したのではないということを堀田と森重信が農民組合に言つたということを話しております。それで常会で、そういつた水害を受けたり、あるいは荒れたところを採草地として買収するということに地主、小作の話がきまつたというような話を聞いておるのですが、われわれの今調査して報告したところの田圃は、そういつた事実採草地でもない、あるいは水害等によつていつ收穫がとだえるかわからぬという田ではないのであります。それで地主自身もそういうことによつて了解したというけれども、どの田圃とこの田圃はこういう状態になつておる。この田圃は採草地にせんければならぬという話をきめても、自分のどの田圃とどの田圃が採草地になつておるかということはどの地主もおそらくは知らなかつたろう。
#828
○鍛冶委員長 今言われた二人は、地主の代表ではなかつたのですか。実際は……。
#829
○池田証人 その二人は地主の代表でございます。本人自身は地主の代表であるということは知らないで出席した。
#830
○鍛冶委員長 向うは地主の代表と言うのだね。結局地主の何らの意志のない者が出たというわけですね。
#831
○池田証人 そういうことになります。
#832
○鍛冶委員長 しかしその二人は賛成して来たのですか。採草地にすることについて……

#833
○池田証人 そういう点については話を聞いておらないのです。
#834
○鍛冶委員長 しかし地主の代表ではないということを言つたことを聞いておるのですね。
#835
○池田証人  はい。
#836
○鍛冶委員長 そこで一筆調査をやつたのですか、やらないのですか。
#837
○池田証人 一筆調査はやりましたが、その状況にどういうふうにしてやつたか、ぼくとしてもはつきり申し上げることはできません。
#838
○鍛冶委員長 だれがやつたか。
#839
○池田証人 一筆調査をやつたのは山田喜一と山田作平、山田清一、山田外一、大石幸一、吉岡吉太郎、吉岡益太郎、高島藤次郎、柳川正一、こういつた人たちです。
#840
○鍛冶委員長 そういう人かやつたのですか。
#841
○池田証人 はい。
#842
○鍛冶委員長 それは地主の仲間ですか。
#843
○池田証人 この中には地主として出ておるのに――農地委員として柳川正一。
#844
○鍛冶委員長 柳川だけであとはみな小作か。
#845
○池田証人 はい。
#846
○鍛冶委員長 そこでそのとき縣から來て、縣で採草地にせよという話があつたというのですが、それはどうですか。
#847
○池田証人 それについては、私は全然どういう話であつたかということも、事実常会があつたということも知らない。こういう問題が起きてから、常会できめたということを聞いただけであつて、縣からどういうふうに指示を受けて來たかということは知らないのであります。
#848
○鍛冶委員長 受けたことはあるのかないのか。
#849
○池田証人 そういう事実もぼくは知りません。
#850
○鍛冶委員長 そこで採草地ときめて、それから小作が買收することになつたのですが、それは前からの小作に公平に割当てられましたか。
#851
○池田証人 われわれの調べたのでは、このほかにも採草地を買受けておる者はたくさんあるのでありますが、山田一族か非常にその面積が多いのじやないか――全般についてこまかく調査はしておりませんから、そういつた点についてはわかりません。
#852
○鍛冶委員長 山田一族というのは元の小作じやないのか。
#853
○池田証人 これは全部小作であります。
#854
○鍛冶委員長 だから小作して恥つたところを自分で買つたのじやないか。
#855
○池田証人 そういうわけであります。
#856
○鍛冶委員長 山田が小作しておつたところが採草地になつたというわけだね。
#857
○池田証人 そういうわけであります。
#858
○鍛冶委員長 そこで山田善一とか永田小四郎というのは、一反何畝というものをみなとつておるが、これは全部田圃を採草地として買つたのですか。
#859
○池田証人 田圃を採草地として買つた面積です。このほかにもまだこれらの田圃のほかに、山田喜一なんかも、山田喜一の全耕作面積について調査したのじやなくて、先ほど申し上げた百十六筆によつて調査したのであつて、この面積もまたふえると思います。
#860
○鍛冶委員長 そこで買收にあたつて、買收計画の明細書を地主に渡さなかつたと聞いておるが、そういうことは実際あつたのですか。
#861
○池田証人 上棚の地主の開放田の八分通りは第四次までに開放されてしまつておる。それから以後、自分もはつきり記憶しておりませんが、第九次か十次の開放に、この開放の取扱いに拔かしておつたものについて田圃一枚なり、あるいは畑一枚というようなものの小さい面積についての明細書は來ましたが、それまでの八、九割のたんぼについての明細書というものは、上棚ばりではなくして、下甘田全般について來なかつたということを聞いております。しかし事実ぼくらのところには田圃二枚か、小さい面積について明細書が來ただけでありまして、そのほかの田については全然明細書が來ない。
#862
○鍛冶委員長 それはどうして來ないのですか。來ない理由は御承知ですか。
#863
○池田証人 ぼくらの推測ですが、そういつたように地主に対して採草地として取扱うと言うておつても、事実採草地にしたものはそうはない。田圃を採草地こしておつて、買收しておるというような関係からして明細書を出さなかった。こういうふうに疑いを持つのです。
#864
○鍛冶委員長 そうすると、農地委員会というものはそういう一般のものに制約されて公平なことをやれぬという実情にあるのですね。
#865
○池田証人 はい。
#866
○鍛冶委員長 それは間違いありませんね。
   〔「推測からどうして事実が出てくるのですか。」と呼ぶ者あり〕
#867
○鍛冶委員長 単なる推測か、またそういうふうに認められるのですか。
#868
○池田証人 そういうふうに考えるのです。
#869
○鍛冶委員長 ところで上棚部落には現在でもなお二十町歩の荒地があるということになっておるそうですが。これは台帳か何かですか。そういう事実はありますが。
#870
○池田証人 荒地というものは二十町歩ほどあるとか、何町歩あるとかいうことはぼくらもはつきりしたことは言えないのであります。
#871
○鍛冶委員長 幾らかあるのですか。
#872
○池田証人 荒地はあります。
#873
○鍛冶委員長 実際荒地はある。それから土地台帳の上に荒地というものが残っておるものが二十町ぐらいあるのじゃないですか。
#874
○池田証人 土地の台帳の上では、今までの一筆調査以前は田になっておるのではないかと思います。地主がそういつたような荒れた場合においては荒地にするか、あるいは山林にするとかいうふうにして、地目を返還するというふうにすればいいのですが、放置しておいたというような関係からして、台帳面には田になっていても、事実は荒れたところもあります。
#875
○鍛冶委員長 あなたはさつき二十町歩ほど実際の耕作地とその割当とは違うと言われたが、その二十町歩というのは田圃ではあるが、荒地として届け出ているから違うのじゃないのですか。
#876
○池田証人 私としては二十町歩荒地がある、あるいは何町歩あるということは実際わからぬのであります。
#877
○鍛冶委員長 わからぬけれども、さつき言われた二十町歩の食い違いはどこから出るのですか。わからないならわからないでいいのです。ところで採草地となつたものは供出の対象としてへ田圃として、扱っておりますか、相変わらず採草地として取扱つておりますか。
#878
○池田証人 私は事実どの田圃に供出がかかつており、どの田に供出がかかつておらぬということはわからないのでありますが、新聞から見ますと山田の証言に……
#879
○鍛冶委員長 新聞じゃしようがないな、あなたが知つておるか知つておらぬかをわれわれは聞いておるのです。
#880
○池田証人 この前上國の部落に実際参っておるのは七十三町歩ほどある。しかし村の表には五十五町五反の供出量をもらつておるというような関係からして、村の表では供出はかかつておらぬ。しかし部落に来れば七十町歩に割つておるか何町歩かはつきりした数字は言われませんが、七十町歩近くかかつておる。部落に来ればかかつておる。村の表では隠れておるというような状態であります。
#881
○鍛冶委員長 そうすると、それだけ部落で二十町歩ほどの米が残るわけだな。その実情はどうなつておるのですか。
#882
○池田証人 下甘田の上棚に対するところの供出の対象になる田圃の面積は、さきに申し上げましたように、昭和十八年度においては六十八町歩、それから昭和十九年度においては六十七町二反、昭和二十年度においては六十五町歩、二十一年に行つて五十五町歩に減つておるのであります。それから二十二年に行って五十五町五反、二十二年からは全部五十五町五反になつて、供出の面積がかわつて来ております。
#883
○鍛冶委員長 そうすると五十五町五反の分だけを七十三町の頭へやつておるのですか。それとも七十三町としてとつて、米でも余らしてどこかへやつておるのですか。
#884
○池田証人 それは上棚に対しても百し石供出の割当が来れば、部落に子供が生れたり、あるいは災害というようないろいろな点から操作米として、それに百石に対して十石なら十石を加えて、それを今度七十何町歩に割りつける、こういうことです。
#885
○鍛冶委員長 五十五町五反の割当と、その上操作米等を幾らか置いて、それを七十三町の頭へ割りつけておる。そういうことですか。
#886
○池田証人 そうです。
#887
○鍛冶委員長 操作米は幾らくらい余つておるのですか。
#888
○池田証人 二十三年度の操作米は十三石ほどあるということを聞いております。
#889
○鍛冶委員長 どういうふうに処分されておりますか。
#890
○池田証人 この二十三年度の操作米がどれだけあるかというはつきりした数字をつかむために、この前部落へ帰りまして、ある人を通じて二十三年度の食料調整委員に、上棚におけるところの供出の割当数位はどれだけかということを尋ねたのですが、その食糧調整委員は、部落がこんな紛争を起しておるときにわれわれとしてそれに対しましてははつきりした数字をこれだけだと言うて証明することはできぬ。調査されればわれわれとして申し上げるが、今そんな証明を書いてくれと言つても書かぬ、こういうことで拒否されておる。それでわれわれが聞いたところによりますと、上棚が六班にわかれておりまして、東谷内班に八斗という米を預かつておつた。これはその当時二十三年度の食料調整委員であつたところの森重信が預つております。それから中村班には七斗、これは柳川正一、高見宇一が預つておる。それから箱屋班には八斗、これは大石幸一が預つておる。それから別會という班にはこれも同じく八斗、藤田伊松、池田友盛この二人が預つておる。それから上野出と宮之下とで一つの班になつておるのですが、この班についてははつきりとどれだけ預つておつたかという数量はわからないのであります。それで今までわかつた数量を合計しまして相当の数量になる、このあとの不明の班にもこういつたものがあつたのでありまして、それでおそらくはこの米は五石以上にのぼるのじゃないか。それでこの米を二十三年度において追加供出して出しておる。しかしそれのはつきりした数字はわかりませんが、上棚部落に対して十石何ぼほど来た。それであとの足りない分に対して各人にまた追加の割当をして供出せしめた。しかしその数量は、おそらくはさきに申し上げたように、そのほかにまた操作米というものが一部残るようにして割つておる。
#891
○鍛冶委員長 それで残つた操作米をどういうことに使うのですか。
#892
○池田証人 残つた操作米をどういうふうに処分しておるかということについて、はつきりしたことはわれわれとしてもわかりませんが、農民組合員であるところの石原京蔵が、岡山喜六に話したおつた話では、米がないので頼むというようなことを言うたら、お前にその米を一俵やるというので、自分にもらわれるものと思つておるたのにその米は岡部志雄平にやつて自分にはくれなかつたということを話しておつた。
#893
○鍛冶委員長 だれがそれを処分するのかね。そういうものを石田にやるぞと言つたのはだれなんです。
#894
○池田証人 その名前ははついり聞きませんが山田だろうと思います。
#895
○鍛冶委員長 山田食料調整委員ですか。
#896
○池田証人 はい。そうして二十三日に、この点について石田京蔵に岡山が話した。それで部落民はお前が一俵もらうことになつておつたのが、自分にくれずに岡部志雄平にやつた。石田京蔵がこういうふうに言つておつたということをみんなに話したというと、石田京蔵ははやそんなことをみんなにしゃべつては困るということを話しておつた。しかし自分もそういうことを出されればどこまでもそういう事実があつたということを証明するということを石田京蔵が話しておつた。
#897
○鍛冶委員長 そう言うたのは山田であることは間違いありませんか。それはわからぬかね。
#898
○池田証人 わかりません。
#899
○鍛冶委員長 割当に対して非常に不公平があるという話がありますか。
#900
○池田証人 それについて私はこれ憎まれたというふうに言つておりますが、何ら基礎なくして、組合によく思われておらないというような者に対してそういつたものが割当されておる。たとえば二十三年度においては堀田守治、それから貞茂三郎、それから星澤權次郎、それから岡山庄之助、私の知つておる限りにおいてはこれらの人が一俵ないし三俵というふうに普通の反別割の上にそういつたものを割当てられておる。それでこの人らが区長のところへ行つてそういう米は出されぬというようなことを話したら堀田らに対してお前らはみな家の近くのいい田圃ばかりつくつておる。あるいはお前らはその近所の田圃一坪に対して年貢が一合のところなら五勺だ、お前の田圃は他と比べて年貢量が安いから供出割が楽だというようなことを言うて、みなそういつたような割当をかぶせておると聞いております。
#901
○鍛冶委員長 課税についても不公平があるという評判ですね。
#902
○池田証人 はい。
#903
○鍛冶委員長 それはどういうものが重くてどういうものが軽いのか。
#904
○池田証人 これは一般的に私から見れば、非常に地主に重税が課せられて、昔の小作人であつたものが非常に軽い、二十三年度分を見てみますと、地主の一番最高が――これは村からは一人平均六百九十七円三十九銭、上國百八戸分をして課されておる、これを上棚においてどういうふうに割つておるかというと、その上棚における一番最高は二千四百十二円、これが一人、その次が二千二十九円、これが一人、それから千六百八円これが七人、それから千四百七円が五人、千二百六円これが六人、この中に昔小作人と呼んでおつた者が三人入つております。それは岡山喜六と星澤權次郎、それから高見宇一です。それから千五円が三人九百九十六円が一人、七百四十六円が一人、六百三円が十二名、四百円が二十四名、三百二十円が十八名、二百円が九名、百二十円が二十一名、それで千円以上に二十一人の地主のうち十八人おる。六百三円以下の中に小作人が八十四人もおる。これをほかの字に比較してみましても、上中山部落では最高で千円かけておるものは一人、それから上棚部落では二十一人、それから二所宮部落では四人、館部落では一人、大阪、福井、米浜は一人もおらぬような状態であります。
#905
○鍛冶委員長 しかしそれは実際、前の地主は今でもよけいもうかるのじゃないのか、その事実はどうですか。安いものでよけいもうかつておるのか。
#906
○池田証人 上棚の現在の地主は、他の部落に比しまして、山林もあります。しかし今まで田をつくつていなかつた。それから終戦時において田圃をもらつてつくろうとしたけれども、農民組合に取上げられてしまつたというような関係から、ほとんど田圃をつくつておらないものが非常に多い。それからあとの者にしても、やはり小作人と同等程度の耕作しかやつておらない。これは単に現在において比較すれば、山林が多いというような状況でありまして、現在の六、七軒の地主というものは、毎年毎年山林を切り拂つて生活しておるというような状態であります。
#907
○鍛冶委員長 労働封鎖を村でやられた者があるそうですね。
#908
○池田証人 はい。
#909
○鍛冶委員長 それはどういう者がどういう方法でやられたのですか。
#910
○池田証人 労働封鎖をされておる者は、この問題を訴願しました徳山正雄初め七人の者であります。七人と申しましても、地主、主に人を使う徳山、それから池田、岡山、この三人でありますが……
#911
○鍛冶委員長 どういうふうにやられておるのですか。
#912
○池田証人 これについて池田定男とか松坂というような者は、自分の家に出入りしておつたのでありますが、池田定男なんかの母なんかは、大勢につくのか、小勢につくのか、向うへつくのならば、向うと同等に扱う。お前は行き来するのか、どんなのかというふうにして脅迫的にやつております。
 それから松坂の方は、自分の家に始終出入りしておつたのでありますが、これもそういうふうに言われ、それからまた池田へ出入りするのならば、その嫁さんの里の松坂久作、これは向いにおるのでありますが、そこにも出入りするな、つまりおたがいに行き来することはならぬ。必ず出入りする場合には、いといとなことを池田のところへ持つて行つてしゃべる。それから……
#913
○鍛冶委員長 いいです。監視員がなんかを置いて番をしておるという話は事実ですか。
#914
○池田証人 はい。組合員の話を聞きますと、各班に一名ずつの監視員がおつて、ぼくらの状況を監視する。まあ、池田はきょうどこに行つた。徳山がどこそこに行つて、だれと話しておつたというようなことを監視員がおつて、すぐ報告するというようなことになつております。
#915
○鍛冶委員長 それが何か、地主の方で経済封鎖をやつたから、その報復手段としてやつたとかいうのですが、そういう事実はありますか。
#916
○池田証人 これは昭和二十一年から二年にかけて、田圃の耕作権の問題で、地主と小作と別れて争うた、そういう時代において、農民組合員は仕事に使わぬ、出入りもせぬというようなことはあつたのであります。それ以後和解後になつて、そういう状態はありません。
#917
○鍛冶委員長 農民組合に対して強制的に加入せいと言つて歩いたという事実がありましたか。
#918
○池田証人 農民組合を最初結成した当時においては、加入を強制するというようなことはなかつたのではないかと思います。
#919
○鍛冶委員長 その後は……
#920
○池田証人 その後においても農民組合に強制的に加入せいというようなことはあまりありません。
#921
○鍛冶委員長 それから規約をあとでつくつて、ことに全部耕作地は組合において管理するという規約をつくつて、それに強制的に判をとつて歩いたというようなことはあつたですか。
#922
○池田証人 それは農民組合結成当時にそういう規約をつくつて判をとつたんではないか、それで農民組合に入つた者はその規約に判を押した、こまかい事情はその時分地主と小作と争つているためにそういつたこまかい点については聞いておりません。
#923
○鍛冶委員長 何かお尋ねがありますか。――高木君。
#924
○高木(松)委員 特に前もつてお願いしておきたいことは……
#925
○鍛冶委員長 なるべく簡単に願います。
#926
○高木(松)委員 私は真実を発見するためにつつこんで聞くかもしれませんが、やじを制していただいて、時間の節約をしていただきたいということをお願いします。そこで私の聞く項目は一、二、三、四、五とあるが、
 まず第一の問題としてお尋ねしたいことは、あなたの方の上棚部落に、自分の利益というものを第一に置いて、その利益を確保せんがためにその地位をつくつて、そうして現在の法律上の秩序を悪用して、支配勢力を握るというようなことをしている人はありませんか。――具体的に聞けば、そういうことをしつつある人としてあなたの感じでいいです。具体的にこうだと言うと問題になつて来るから感じでいいが、山田喜一君というのがそういうことをやつているような感じを、証人はお受けになりませんか。
#927
○池田証人 受けます。
#928
○高木(松)委員 受けている。しかもその人たちは元から主義主張がそうでないのにかかわらず、自分の個人的自己を主張せんがために、ある政治上の団体の努力をかりて人を威圧したりそれから人をおどかしたりして、今のようないわゆる自分の立場を築き上げようとする状態があるということを、あなたは感じていることはありませんか。


#929
○池田証人 そういうことにつきまして、今まで農民組合に対して反対するものは、星澤権次郎あるいは池田清司のように、村八分にするというようなことや、あるいは組合を團結させんがために、農地は組合で管理する。こういつた規約によつて組合員を縛りつける、あるいは供出において過重なる見込み割りをさせる、あるいは税金において、星澤權次郎のごとき、前より二階級も上つておつて税金を負わせる、あるいは山林を焼き拂つてしまつてやるというような言動まではいつておる。それから今月の七日の日なんか、大石区長が徳山さんの宅へ醉つぱらつてあばれこんで、そうしてがんがん戸をたたき込んだから徳山さんが表へ出ると、醉つぱらつて胸ぐらをつかんで表までひつばり出して、そうしてお前らがいろいろなことを言つてやつて、村を白くしてしまう。村を白くするというのは、結局こういつたような採草地問題とかいつた問題によつて、村の供出が大きくなり、ために村人が困る。そういうようなことを言うて、大石区長とあるいは同時に山田喜一の父が徳山さんなんかに來て、そうしてげた振り上げてなぐろうとするような事実があります。
#930
○高木(松)委員 そこで私聞きたい。これは政治團体が、いかなる方面に属しているというようなことは私聞きたくないのですが、おる政治図体を、一般の、いわゆるあなた方の方の部落の方々が、えらい恐しいものであるというので、恐怖観念を持つておられるように聞いておるんだか、この恐怖観念を打つておることをいいことにして、そうしてその政治国体の、いわゆるうしろだてを利用して、あなた方のような良民を圧迫する人たちがいないかいるか。こういう事実があるかないか。
#931
○池田証人 今まで農民組合が、土地の問題について、共産党員を連れて地主のところに押しかけて來て強談するというような事実もあります。
#932
○高木(松)委員 そこでこれは私はどうしても聞かしなくちやならぬから聞くんだが、自己本位で、利潤本位の、われわれとしては許すことのできないような人たちが、そういう勢力を利用しておる。そうして自分の目的を達そうとして、その勢力内に続々と入つて行くような傾向はあるかないか。
#933
○池田証人 そういう事実はあります。
#934
○高木(松)委員 そこで私は聞きましが、この山田喜一という人が、多数の徒党を組んで人をおどかしたり、それから多数を容して人を圧迫したりしたような事実はないでしようか。
#935
○池田証人 あります。
#936
○高木(松)委員 それを具体的に話してください。
#937
○池田証人 六月の八日から九日の朝にかけまして、農業協同組合の問題について、組合長に対して四五十名も、一晩帰らずに、たき出しまでしておつて、いろいろな質問をして、組合長がそれに答弁するために帰られないのか、帰られなかつたのかどうか知りませんか、二時まで帰られたかつた。そうしてまたある人が組合長のあとを出つかけて行つて、いろいろなことをするためにまた四時になつた。それに対して証明せんならぬためにきた組合に帰つて來て、朝の五時まで寝られなかつたというようなこともあります。
#938
○高木(松)委員 それからまだ聞きたいことがある。これらの人が言葉によつた人の畏怖心を起さしめたりなんかする。脅迫状態を引起したことはありませんか。
#939
○池田証人 それに対しまして、同じくその九日の日に、一筆調査の報告、採草地がどれだけ、あるいは一等調査によつたところの買収計画の状況を考査委員まで報告するように傳えてくれということを鈴木さんから言われたので、その日ちようどぼくが、上棚の組合員から、六十名役場に入つておるときに行つてやつて、農地委員の書記にそのことを傳えたのであります。そうしたところが山田かぼくに向つて、あとから君は農地委員の書記を使つて解放面積と採草地を池田のところまで報告せいと言うたが、お前はそれは越権行為だというような言いがかりをつけまして、そうして來いと言つて役場の農地委員の書記のところまで連れて行きまして、組合員が大勢で自分を取巻いて、先に池田がこう言つただろうというようなことを農地委員の書記に話してやつて、ぼくに詰め寄つた。事実そのときちようど農地委員の書記があて名はどういうふうに書けばよいかと言うたから、村長さんか考査委員の名刺を持つておられるだろうからそのところ書きを聞いて報告せい、こういうふうに言うたにもかかわらず山田は、池田が農地委員の書記を使つて自分のところにその反別を報告せいというようなことを言うたというつくりごとを言つて來て、農地委員の書記に先にこういうことを言つたろうと言つて詰め寄つたというよう。状況もありました。
#940
○高木(松)委員 それはわかりはした。そこでその言葉の内容ですね。どんなことを言つてあなた方に対して恐怖心を與えたか、具体的に言葉の内容をひとつ話していただきたい。おどかし文句の内容を言つてもらいたいと思います。なければないでいいです。
#941
○池田証人 山林を焼き拂うとか、まあそういうことは言つております。
#942
○高木(松)委員 それから柳川という人を知つておりますか。
#943
○池田証人 はい知つております。
#944
○高木(松)議員 この人はどういう立場にあつて、今日まで村でどういう批判を受けておる人ですか。
#945
○池田証人 この人は今まで地主と小作人と爭つておつたときは地主としてお互いに対立しておつた。しかしその地主と小作人の対立の中途からどうも言動がおかしいというふうにぼくらは感じられておつたのですが、ちようどそのときに農地委員の選挙で柳川さんがよかろうということで、柳川さんを地主側の農地委員として選出したのでありますが、その後において農地問題について何ら地主の代表でもなく、ことごとに山田なり永田と話し合いで、彼らの言いなりにたつて事をなしておるというふうに感じられます。
#946
○高木(松)委員 そこであなた方はこれは山田派と目しておりますか、どうですか。
#947
○池田証人 ぼくらに山田派と見ております。
#948
○小林(進)委員 私のまずお聞きしたいのは、あなたは地主でいらつしやいますが、私は良民とは申し上げられない。良民であるかどうか。それは全然白紙でこれからお聞きするわけでありますが、今の採草地の問題は、やはりあなたがその土地を買い上げられる方の立場で言われるわけでありますか。
#949
○池田証人 はい。
#950
○小林(進)委員 あなたの土地はどれくらい採草地として買い上げられる予定なんですか。
#951
○池田証人 農地委員会の帳簿をこの間百十六筆だけ調べたのでありますが、その中に自分の田が大体どれだけ採草地になつておるかということはまだ集計してみないためにはつきりした数字はわかりません。
#952
○小林(進)委員 それはわからなければよろしゆうございますが、問題は今言うように部落に共産党とみずから称する山田派と、それから今あなたの方で言われる徳山派というのがあるのですが、徳山派にあなたは属しておられるわけですね。
#953
○池田証人 現在こういう問題についてぼくと徳山さんが中心になつて話し出したという関係からお互いに協力しておりますが、徳山派とか池田派とか、そういつたような派はありません。
#954
○小林(進)委員 そうすると、とにかく、反山田派であることは間違いないわけですね。
#955
○池田証人 はいそうであります。
#956
○小林(進)委員 その反山田派と称するあなた方の同志というか、親しくしておられる方に村で一体何人ぐらいおられるのですか。
#957
○池田証人 それに現在のところ七名であります。
#958
○小林(進)委員 その七名は全部地主で、特に採草地に関係しておられる方であります。
#959
○池田証人 それでこういう問題を取上げるのに対しましても、ほかにもまだ採草地の問題について関連しておつた藤田甚太郎、それから森重信という方もおつたのでありますが、途中からばたぱたとやめて山田派に行かれた。
#960
○小林(進)委員 そうすると先ほどから高木君の質問に対して、村の人はとか部落の人は云々ということを言われておりますが、それはあなた方七名の方の御意見としての言葉じやないのですか。
#961
○池田証人 いやそうじやありません。やはり農民組合派についておる人が自分らのところに話に來る……

#962
○小林(進)委員 話に來てそういうことを言うのですか。
#963
○池田証人 現在は話したらいかぬといようなふうでありますが、事実はこわいからついておるというような状態でありまして、眞の気持からついておるのではない。だから晩遊びに來るような者もある。たずねて遊びに來る人もあります。
#964
○小林(進)委員 大体農民にはそういう性格の人があるのです。それは私わかりますが、ついては第一あなた方と山田派あたりとこうやつて相反目するに至つた根本の問題は何ですか。やはり採草地の問題ですか。
#965
○池田証人 ぼんはそんな採草地の笹の問題だとか、あるいはその他の利害関係あるいは地方における政党の争いだとかいつたような政党的か感情もなければ何もありません。ただ、今まで話しましたように、山田一族の者が部落の実権な握つて、組合員すら自由な発言ができぬ、そうしてやることなすこと今まで申し上げましたような横暴をきわめるというようなことに反感を起して、これではいかぬというようなところから立ち上つております。
#966
○小林(進)委員 採草地云々、あなたの土地の買上げ問題云々に関しては何もお考えになつていないのですね。
#967
○池田証人 いやそういうわけじやありませんが、こういつたようにこれも一つの彼らのやつておるところのおもしろくない問題として取上げたにすぎない。
#968
○小林(進)委員 それでは次にお伺いします。一体採草地の問題と米の割当の問題というのは私は全然別だと思う。採草地とした土地に米の供出の割当をしなければ、確かにこれは採草地にして買い上げた小作人は不当になるわけです。しかしこの供米の二十町歩の隠し田があるということはこれは個人だけではなくてその村全般でももうけておることですね。
#969
○池田証人 はい。
#970
○小林(進)委員 七十町歩あるところを九十五町歩にしてその部落が割当をもらつておる。その五十五町歩の割当は村全般に割当てているわけですね。その割当に不公平があるかもしれないが、しかし採草地として登録しておる土地にも割当は来ているわけですね。採草地を持つている人だけが割当をのれているわけではないんですね。
#971
○池田証人 はい。
#972
○小林(進)委員 採草地として登録した土地にも割当はあるですね。これは間違いありませんか。
#973
○池田証人 はい、あります。
#974
○小林(進)委員 そうするとあなたもやはり田圃をおつくりになつておるわけですね。
#975
○池田証人 少しつくつております。
#976
○小林(進)委員 つくつておられるから、その比率は悪いから隠し田の問題についての論点はあなたもよく知つておられるわけですね。全般的にあなたもやはり他部落よりはそれだけ軽く割当を受けておられるということになる。それでこの隠し田の問題はあなたのところは非常に多いが、全國的に隠し田というものはあるのです。青森縣あたりでは去年縣全体として二割も登録反別に対するよけいの割当をやられておる。新潟縣あたりでは非常に耕地が整理されておるけれども、これは約一割、やはり隠し田の割当か余分に來て割当をせられておる。富山縣は、私の記憶によれば昨年やはり一割五分か二割、縣全体としても隠し田ありという前提のもとに余分の割当が來ておる。その割当が確かにその縣の部落に部落別に、村別に行つておるはずであります。行きませんでしたか。割当のときにあなたのところは五十町歩と登録したか六十町歩としたか数字は知りませんか、割当は行つておるですね。
#977
○池田証人 はい。
#978
○小林(進)委員 割当のときにこれだけは余分に背負つてくれといつて背負わされたものはかなりあります。これは全國的に各村に行つているが、どれだけくらい行つたかどうかお聞きしたい。
#979
○池田証人 その点について自分は知りません。
#980
○小林(進)委員 次にあなたのお話から一番問題になつてくるのは操作米の問題です。これは各部落に行けば必ずある農民がやつています。これを個人で処分するということはよくないと思う。現実に山田喜一やその他の者が個人で処分をしたという一つの確かな証拠がありますか。さつきのあなたの説明でははつきりしないが……
#981
○池田証人 それはさつき話しました石田京藏の言……
#982
○小林(進)委員 それから割当の不公平もあなたは責任を持つてやりましたか。
#983
○池田証人 割当の不公平はこの前二十三年度分においてはそのよいところの田圃ばかりもつて行くということをやつて割当てております。
#984
○小林(進)委員 この割当というのは部落で割当会議を開いて相談するのではないですか。個人が天下り割当をするのではなく部落で相談するのではないのですか。
#985
○池田証人 自分の部落には各班に理事、町長というものがあつて相談をして割当てているのです。
#986
○小林(進)委員 次に課税の問題をお聞きしたい。課税の問題で地主の方に千円以上の課税をされている者が十八人いる。小作人は六百円以下が八十人もいるというようないろいろ詳しい説明がありましたか、この課税は一体だれが査定するのですか。
#987
○池田証人 これは農民組合長の山田喜一、それから副組合長の永田小四郎、貞良一、坂井、名前ははつきりしませんが……
#988
○小林(進)委員 そういう方々はどういう権限を持つてやられるのですか。選挙で、したとか、みんなか選んだとか……。
#989
○池田証人 村会議員です。村会議員が部落に來て、あの戸に対してはこれだけ、あそこの戸に対してはこれだけと割当てる場合に寄つて相談をして、それの割付けをするわけです。
#990
○小林(進)委員 村会議員は本来部落民からそういう割当をする権限を與えられているわけですね。
#991
○池田証人 村会として何するわけでしようが、他の部落の村会議員は上棚の部落に干渉して、それではお前上棚へ行つて割付をやつて來いと言われれば、その部落の村会議員にまかす。それが村会において通る……。
#992
○小林(進)委員 そういうことになると、やはり私この問題はあなたのおつしやることに共鳴できないのですがね。正式な村会議員がやるという慣習に從つてやつておる。わかりました。
 それから労働組合で労働封鎖をしたという話がありますが、その前に地主の方で結局山に入れないとか、枯木も拾わせない、あるいは仕事にも使わないというような問題があつたということをおつしやいましたね、それが二十二年の同月とおつしやいましたか。
#993
○池田証人 それは二十二年の春、農民組合ができたので農民組合ができるとすぐ地主と争いが起つて來たのでありますから、五、六月ごろだと思います。
#994
○小林(進)委員 二十二年の五、六月ごろ、それでは今度あなた方の方に労働封鎖をされたのはいつごろですか。
#995
○池田証人 それは二十四年の五月ごろと思います。
#996
○大森委員 簡單に補足して、今の課税の問題でありますが、大体私ども地主というものはいかなる所得をもつておるかということをお尋ねいたしたい。私どもの考えておりますところによると、地主はもはや收入というものはなくなつておる。大体山は持つておるが、その山というものが賣つたときにおいて所得税というものによつて納める。しかし何年、何十年たたなければその山から所得というものは入らない。これを年々所得として納めて行くということに一体地主の余裕があるか。さらにまた現在の地主というものは、しからばいかなる方面から利益が入つて来るか。現在私どもの調査によると、一町歩に対しては七百五十円しかかりに年貢米というものが入らない。七百五十円入るのでおるが、その七百五十円が所得であるかどうか。そのほかにいかなるものが入るか。現在の地主というお話があるが、あなた方地主かどうか。これも承りたい。
#997
○池田証人 私なんかは現に畑が半反、山間部の田が半反、それだけの耕作しかしておりません。
#998
○神山委員 まずあなたにお尋ねしたいのですが、岡山喜六という人はどういう人ですか。職業や、それから村における地位とか、そういうことです。
#999
○池田証人 職業は製材をやつております。村における地位は現在消防團長をやつております。
#1000
○神山委員 前の警防團長ですね。
#1001
○池田証人 はい。
#1002
○神山委員 それから森林組合はどうです。
#1003
○池田証人 森林組合の専務理事をやつております。
#1004
○神山委員 この人とあなたの関係はどうですか。
#1005
○池田証人 自分の妻が岡山から來ております。
#1006
○神山委員 岡山さんと徳山さんの関係は何ですか。
#1007
○池田証人 徳山さんの分家が岡山庄之助で、そのまた分家になるわけです。
#1008
○神山委員 そうすると、いなか流儀に言うと、あなたと、徳山さんと、岡山さんはみんな親類だね。
#1009
○池田証人 はい親類であります。
#1010
○神山委員 それから今度にあなたのことについてお尋ねしますが、今あなたは縣の森林組合で何をしていらつしやいますか。
#1011
○池田証人 何もしておりません。
#1012
○神山委員 森林組合に入つていない……。
#1013
○池田証人 はい。
#1014
○神山委員 あなたは森林組合の指導員か何かしておりませんか。
#1015
○池田証人 村の森林組合の技術指導員。
#1016
○神山委員 それから耕地のことでもう一ぺん念のために聞きたいのですが、全部でどのくらい持つていらつしやいますか。
#1017
○池田証人 保有地は自分の現在耕作しておるのは、田畑とも半段、保有地は田が大体七反歩。
#1018
○神山委員 それだけですか。
#1019
○池田証人 それから山林が三町歩ほどございますが、はつきりした数字は知りません。
#1020
○神山委員 山林は五町歩じやありませんか。
#1021
○池田証人 自分が山林の台帳を調べたことはないので、大よその話ではつきりしたことは知りません。
#1022
○神山委員 自分の財産を知らないのですか。
#1023
○池田証人 自分の山ということはわかつておつても、台帳を見たことはないので……
#1024
○神山委員 それはあとで聞きますが、現金が軽いとか、重いとか、自分が幾ら持つているか知らなければわからないでしよう。
#1025
○池田証人 面積は知らなくても山の木はわかります。
#1026
○神山委員 それではこれもあなたの言うことにしておきましよう。
 それから先ほどあなたは田を五畝、畑を五畝自分で併しておるとおつしやいましたね。
#1027
○池田証人 はい。
#1028
○神山委員 残りの六反はどうしておりますか。
#1029
○池田証人 それにおろしつけ地です。七反歩というのは保有地です。
#1030
○神山委員 だからその残りをどうしておるかというのです。
#1031
○池田証人 残りというものはありません。
#1032
○神山委員 それからもう一つお尋ねいたしますが、あなたの村に青年團がありますね。
#1033
○池田証人 はい、あります。
#1034
○神山委員 あなたはその何をやつていらつしやいますか。
#1035
○池田証人 村の青年團ですか、團長をやつております。
#1036
○神山委員 もう一つ茜雲会というのがありますね。そこで何かやつていらつしやいますか。
#1037
○池田証人 ただ会員であります。
#1038
○神山委員 それでもう一つお尋ねいたしますが、あなたは、そこに鈴木という調査員がおりますね、あの人とお会いになつたことがありますか。
#1039
○池田証人 あります。
#1040
○神山委員 どこでお会いになりましたか。
#1041
○池田証人 村に來られたときに会いました。
#1042
○神山委員 どこで。
#1043
○池田証人 一審最初に來られたとき、役場です。
#1044
○神山委員 それから。
#1045
○池田証人 それから徳山さんの所で会いました。
#1046
○神山委員 そこでお会いになりましたのはあなただけですか。
#1047
○池田証人 星澤権次郎君も会いました。岡山喜六……
#1048
○神山委員 それであなたは失礼ですが、何時までそこにいらつしやいましたか。
#1049
○池田証人 二時ごろまでおりました。
#1050
○神山委員 翌朝の二時ですね。私の方に入つておる報告では、三時ごろまで大きなことを言つておつたというのですが、二時ですか。徳山という家に鈴木君と一緒にいたことは事実ですね。
#1051
○池田証人 おりました。
#1052
○神山委員 それから鈴木という調査員とあなたと――茜雲会で鈴木調査員の話を聞いたことはありませんか。
#1053
○池田証人 茜雲会ですか、聞いたことはありません。
#1054
○神山委員 茜雲会の人たちが六月五日午前五、六人集まつたことがありましたね。そこでどんな話をしましたか。
#1055
○池田証人 それは茜雲会の幹部の者かこの下甘田村の状況を、村としてこういうようになつておる、あるいは茜雲会として鈴木さんに村はこうだからという話をしに來ただけであります。
#1056
○神山委員 それはわかりました。そこで鈴本君があなた方に何か話をしませんでしたか。調査事項以外に――調査事項というのは村に関係して隠し田が幾らあるとかあなた方がこまかく調べたが、そういうこと以外について……
#1057
○池田証人 世界連邦國会とかそういうようなことについて。
#1058
○神山委員 世界連邦國会というのはどういうことですか。その話の内容はわかりませんか。
#1059
○池田証人 昭和三十年に世界連邦というものができるだろうというようなこと、大体そういうような話であります。
#1060
○神山委員 まだまだある、それから先が大事だ。遠慮なく言つてください。まだ言つておるだろう。
#1061
○池田証人 覚えありません。
#1062
○神山委員 共産党のことについて何か言いませんでしたか。私の方に入つておる報告では、共産党について調査員である鈴木君が相当悪口を言つておる。また上棚の共産党に対しても諸君は対抗して大いに活躍してもらいたいというようなことを言つておる。
#1063
○池田証人 何でですか。
#1064
○神山委員 調査員が言つた。あなたは居眠りでもして聞かなかつたのか、そういうことを言つた事実があるかないか。
#1065
○池田証人 覚えありません。
#1066
○神山委員 あなたは農地を開放する問題が出たときに地主側の代表者は出ていなかつた、ほんとう意味では代表者ではなくて、森、堀田、森田という人、この三人だけが知らすに出たというようにおつしやいましたが、これは事実ですかその前にその名前を言つてください。
#1067
○池田証人 堀田守治、森重信、それから森田茂雄でしたか――それで森田茂雄はどうか知りませんが、堀田と森重信はそういうことを知らなかつたというのであります。
#1068
○神山委員 ところが今度の考査委員会におけるこの問題の出たことに関連してあなた方の村から陳情書か出てるんです。あなたの方は先ほどからはつきりしてるように七人――部落々々とおつしやいますが、せいぜい七人に対して、そこに使つてる小作人や出入りする人たちだけかあなたの言う部落とか良民とかいうのだか、そうでなく部落を代表する人は約七十五名にわたつて陳情書を出してる。その中にはあなたか今言つた堀田さん、森田さんですか、そういう人も署名しておりますが、こういう事実はあなたはどう考えますか。
#1069
○池田証人 その中には先ほども申し上げたように藤田甚太郎それから森重信、これはこの問題に最初関連して僕らと行動を共にしておりました。それが後に圧迫が強いために抜けた。そのときはつきりそういうことは聞かぬとこの二人は話しております。
#1070
○神山委員 圧迫が強いためにそうなつた……。
#1071
○池田証人 はい。
#1072
○神山委員 それでよろしい。それから田地の一筆調査をあなた方が農地委員会に出てやつたものをごらんになつたのですか何か知りませんが、それは本年の五月ですね。
#1073
○池田証人 はい。
#1074
○神山委員 この数字についてはあなたは責任をもつて言えますか。
#1075
○池田証人 採草地の田であつたという数字でありますか。
#1076
○神山委員 そうそう。
#1077
○池田証人 僕らの調べた数字が……
#1078
○神山委員 約百筆、一町六反三畝ですか――その九反六畝というのは事実ですね、あなたか調べたところによると……
#1079
○池田証人 九反六畝――九反六畝というのは何ですか。
#1080
○神山委員 その一町六反三献の中が九反六畝あるという、そうじやないですか。
#1081
○池田証人 そんなことは言いません。百十六筆について調べた、そのうち九十六筆が田であつて、その面積が一町七反三畝十三歩だというのです。
#1082
○神山委員 それから草地は……
#1083
○池田証人 畑は九筆で一反一畝二十四歩。採草地が十一筆の一反七畝九歩。
#1084
○神山委員 それからあなたの先ほどの話で昭和十八年には六十八町歩あつた。それが六十七に減り、六十五に減り五十五町に減つて来た。こう言われたのですが、この減つたわけは何によるかお考えになつたことはありませんか。
#1085
○池田証人 考えてみました。これは二十一年度に十町歩というものが減つております。これは十町歩減つたというのは、この上棚の耕作反別において減つたということは、二十一年の水害とそれから村の割当の基準面積というものに対して、各部落とも畦畔を引くということで、実際の台帳面積に対してどのくらいの割合か知りませんが、畦畔を引くということがあつたという話を聞いております。
#1086
○神山委員 それはもちろんあなたのおつしやる通りでしようか、今の数字を黙つておりますと十八年、十九年、二十年、二十一年とだんだん減つて来ておる。これは戰争によつて應召や徴用というかうなものか、耕地面積を減らせる一つの原因ではなかつたですか。
#1087
○池田証人 それはそうでしよう。しかし二十一年から二十二年に田か五反だけふえて、二十二年から今年まで全然田圃はふえておりません。
#1088
○神山委員 そんなことは聞いておらぬ。その前のことを聞いておるのです。これは戰争の影響かあつたかどうかを聞いたのです。それだけ答えてくれればよい。それから一筆調査をやつたということを言われておるのですが、村では全部一筆調査が終つていないのでしよう。
#1089
○池田証人  一筆調査は終つておると思つております。
#1090
○神山委員 全部終つていますか。
#1091
○池田証人 ぼく自身一筆調査をやつていないから知りませんが、全部終つておると考えております。
#1092
○神山委員 そこでもう一つ伺いますが、あなたは先ほど五畝と五畝ずつ田と畑を打つていると言われたが、あなた自身でやつていらつしやるのですか。
#1093
○池田証人 そうです。
#1094
○神山委員 あなたは前から村の状況について詳しいですか、この村の方ですか。
#1095
○池田証人 自分の村です。
#1096
○神山委員 この前山田証人がここへ來て言つたところでは、一筆調査はまだ完了していない、従つて自分はあらゆる機会に農地調整委員会その他において一筆調査を主張しておるか、いまだに通らないということを言つておるのです。あなたのお話と少し違いますが……
#1097
○池田証人 ぼくも新聞で見たのですが、それはこういう意味じやないかと解釈しておつたわけですか。各部落にこういつた隠し田かあるのじやない。そこでその眞相を知りたい。実際の耕作反別を知りたい、という意味ではないかと思うのです。しかしどの部落もこの一筆調査を正確にやつたならば、どれだけつくつておるかはつきりした数字が出るわけであります。
#1098
○神山委員 それがはつきりしないで七十町歩と五十五町歩の食違いがそのまま浅つておるところに、村全体として一筆調査か完了していないことを証明されておるのです。出力していたらこんなばかなことはないと思う。
#1099
○池田証人 しかしまだ開放が終つていないものが二町歩とがあつたということを農地委員長か言つておつたのを聞きました。そうしてみれば二十二年においてすでに一筆調査を終つておるものと思つております。
#1100
○神山委員 あなた自身は農地調整委員でもないし、その他の正規の機関の中に入つているのじやない。あなたの話は、全体人から聞いたという話、推測、考えるというのが多いのですが、この場合でも、山田君とあなたの証言の違いはこのまま聞いておきます。あなたはそう思うというのですね。
#1101
○池田証人 はい。
#1102
○神山委員 それで、その次にお尋ねしますが、あなたの方で、山田喜一、山田作平、山田清一、山田米吉、永田小四郎、これを山田一族と言つていますが、これは一族ですか。
#1103
○池田証人 その山田の名前のついたのはみな親類関係です。それから吉岡もそうであります。
#1104
○神山委員 吉岡のことは今聞いておりません。この五人のことを聞いているのです。私の方で池田清次さんに聞いたところによると、一人だけ血縁だと言つているのですが。
#1105
○池田証人 山田清一は山田喜一の妹が行つております。それから山田作平は山田清一の本家です。それから山田米吉は山田喜一の弟で、分家しております。
#1106
○神山委員 これをあなた方は山田一族と言うのですか。
#1107
○池田証人 それに吉岡益太郎、それから吉岡由太郎。この吉岡由太郎は山田の妹が行つておりますが、こういうものを指しております。
#1108
○神山委員 そうすると、この人たちだけが採草地を持つているということなんですか。
#1109
○池田証人 そうじやありません。
#1110
○神山委員 それ以外に何入くらいの人が持つているか御承知ですか。
#1111
○池田証人 それはこまかくまだ調べてみないから、はつきりしたことはわかりません。
#1112
○神山委員 そうすると、ここに来た証人の話によると、約七十人の人が持つている。その中で、この山田の問題だけをあなたが取上げ、しかもこれだけしか調べてないということは非常に一方的じやないですか。
#1113
○池田証人 それは、山田喜一にしてみれば、農地委員であり、それから山田一族の者が一筆調査に関係しておつたということから、そういう方面においても責任があると思います。
#1114
○神山委員 それではお尋ねしますが、山田君は一族としてこれをやつたのですか。それとも自己の農地調整委員その他の自分の職責に基いてやつたのですか。
#1115
○池田証人 それは知りません。
#1116
○神山委員 あなたは山田君が村会議員だということは知つているでしよう。
#1117
○池田証人 知つております。
#1118
○神山委員 農地調整委員だということも知つているだろう。もし知らないとすれば、なぜ一族がやつたということを断定するのですか。
#1119
○池田証人 それは一族の者がやつておつたからやつているという……○神山委員 それでは逆にお尋ねしますが、あなたはどういう権限に基いてこの一筆調査の問題などを調べたのですか。
#1120
○池田証人 自分の田圃を調べるのに、権限など要らないのです。
#1121
○神山委員 自分の田圃といつて、人の田圃ばかりで、自分の山がなんぼあるか知らないじやないですか。
#1122
○池田証人 ぼくらが調べたのは、池田、藤田、徳山、森、これだけのものについて調べたから、百十六年しか最初は調査しなかつたのです。
#1123
○神山委員 その百十六筆しかやらない、採草地に関してはこの五人についてしかやらないということは、一方的だとは思わないですか、それで今度は二十町歩の耕地がある。その点、これは大体先ほどの委員長に対する証言でわかつておりますが、必ずしも今ではそう言えないでしよう。
#1124
○池田証人 言えません。
#1125
○神山委員 これはあなたに直接関係がないことだが、これは共産党に出たのじやないが、委員会に出ている調査員の報告では、二十町歩あるというように言われていますが、あなたの見たところでは必ずしもそうでもない、こういうわけですね。
#1126
○池田証人 はい。
#1127
○神山委員 それから税金の問題を少しつつ込んで聞きたかつたのですが、小林委員がある程度言われたので、私はくどいことは言いませんけれども、ほかの村に比べて多いというふうにおつしやるのも一應もつとものように聞えますが、山林を持つた人があなたの部落に多いのぢやないですか。どうですか。
#1128
○池田証人 多いです。
#1129
○神山委員 そのことが課税の上に承る程度まで影響しておるということが考えられませんか。
#1130
○池田証人 それは考えられます。しかしほかの部落はどうかというと、上棚の部落では多いもので米の五俵が十俵、二十俵くらいが最高です。その他の部落においては百五十俵から百俵というような供出をしておるのです。そういうふうに非常にいい田をつくつておるところで、耕地面積も非常に廣く、二町歩もつくつておる。
#1131
○神山委員 上棚で二番目に出しておるのはどなたですか。
#1132
○池田証人 若狹林造です。
#1133
○神山委員 若狹さんですか。実は先ほど來た証人は、自分は二番目だと言つておるのですが、それは何か間違いがな。まあそれは小さいことだからいいでしよう。先ほどの証人の柳川正一さんも相当の税金を納めていることは知つておりますか。
#1134
○池田証人 知つています。
#1135
○神山委員 從つて私があなたに聞きたかつた点は、実際に山を持つている。畑を持つている、田圃を持つている、その田圃が上田か、中田、下田か、こういうふうなことを具体的にあなたが調べて、その上で不当だと言うのい。それともあなたの感じの上でこういうことを言うのか。
#1136
○池田証人 それは現在農村にあつて、われわれのように非常に小さいつくりをしておつて、そのほかに收入はない。ただ頼るところは山林だけである。こういつた面からしても、彼らは十分の保有米をとつておつて、また供出しておる。いろいろな面において仕事をしておるということから考えても、地主と小作が現在は反対になつてしまつておる。われわれは五十人から人六十人の人を使つて一回しかきれない。木びきということから考えても非常に無理だと思う。
#1137
○神山委員 それではお尋ねしますが、あなたが無理だと言うのは、――農地改革をやつたのはだれかやつたのですか。
#1138
○池田証人 政府がやつたのです。
#1139
○神山委員 政府かやつた。それははつきりしているでしよう。政府がやつたしりを共産党に持つて來られてははなはだ迷惑です。あなた方地主の苦しさはよくわかるけれども、この問題を解決するにあたつて、一方的に偏した考え方は困ると思う。そこでお尋ねしたいのは、労働封鎖の事実がある点は先ほど言われた。これは確かにあつたかもしれない。しかしその前にあなた方の方か対抗的なことをやつていないか。対抗というのは、あなた方自身が何かやらなかつたかということです。
#1140
○池田証人 その前というのは、二十二年に地主と小作とが対立したときにそういうことがあつた。
#1141
○神山委員 どういうことかあつたのですか。
#1142
○池田証人 農民組合の者は使わないということがあつたわけです。
#1143
○神山委員 それだけですか。まだあるでしよう。冠婚葬祭の場合でも、地主組合員は農民組合に行かない。こういうことをきめませんでしたか。
#1144
○池田証人 きめました。
#1145
○神山委員 村の森林組合の仕事も農民組合の者は一切使わないということもおきめになつたでしよう。
#1146
○池田証人  はい。
#1147
○神山委員 こういうふうなことが前にあつて、これが一つの含みになつておる。それからまだ一つお尋ねしたいのですが、部落に農業用の電力を引く計画を立てたときに、地主組合はそれに参加しましたか。しませんでしたか。
#1148
○池田証人 そのとき地主組合とか、小作組合とか、小作組合とか、協力した、せぬといつた区別はありません。
#1149
○神山委員 地主さんは参加しましたか。しませんでしたか。
#1150
○池田証人 地主でもやはり参加しております。
#1151
○神山委員 参加していない人はありませんか。
#1152
○池田証人 自分の班にとつて参加していない者は一人もおりません。
#1153
○神山委員 ただ農民組合側の報告によりますとこれは全部ではありません。この間星澤さんに聞いたらうまく行つているところもある。しかしそれ以外のところで地主諸君が自分の所有地には電信柱も電線も引つぱらせないということを言つたということですが、どうですか。
#1154
○池田証人 そういう事実は知りません。
#1155
○神山委員 こういう事実があつてみれば、ひとつ申し上げたいのは、岡山喜六が製材をやつておる。そこで農民組合の人の木をひいてやつていますか。
#1156
○池田証人 はい、やつています。
#1157
○神山委員 断つたことはありませんか。
#1158
○池田証人 ぼくはいつも行つておりませんから、よく知りません。
#1159
○神山委員 断つたという報告も一方にはあるわけです。こうしてみれば、地主側で一方的に農民組合員は山に入れない、冠婚葬祭のつき合いにも入れない、こういうことをやつているかわりに、農民組合の方で仕事に行かないというのもあたりまえだと思いませんか。
#1160
○池田証人 その問題は二十二年に解決している。それで部落中円満になつた。お互いに和解してから後にこういう状態が起つたのです。
#1161
○神山委員 だからそのきつかけになつたものは何だ。今私の言つた材木をひいてやらないという事実かあつたじやないか。
#1162
○池田証人 ぼくは知らないです。
#1163
○神山委員 そういう事実があつたからこそ対抗してこういうことができたのだ。従つてこれはさつき小休君も言うように、どちらがよい悪いという問題じやなしに、対抗的にこの問題が起つておるから、あなた方としてはしやくにさわるだろうけれども、調査員が一方的になることは遺憾だと思うが、監視員がいるということが、やはり調査員によつて私たちのところに調査報告が來ておる。それなもう一ぺん読みますと、部落を七つの班にわけて、一班に一人ずつ監視員をつけて、監視員は一日三回ずつ班内を巡回して指名された者の身辺を監視して人の出入りを調査し、手傳いに行く者を阻止してもる。そういうふうに言つておりますが、あなたはどういうふうに考えますか。
#1164
○池田証人 監視員がおつて監視しておる……。
#1165
○神山委員 それからどういう報告が行つておりますか。
#1166
○池田証人 そういうことは知りません。
#1167
○神山委員 監視員というと、いつも監視だけをやるように見える。あるいは特殊の職務のように見える。こういう者がいるかいないか。あなたの先ほどの話では、組合員に聞くと、こうなつておる。こう言う者がある。――実際のところ自分でこういうものを確めたことがあるかないか。監視員がいるかいないか。
#1168
○池田証人 確めるといつても――向うが見ておつても、それがどうするこうするという断定を下すわけにいかぬのです。
#1169
○神山委員 それはいかぬだろう。そのことの話を聞くということだけだな。
#1170
○池田証人 話に聞く……。あるいは組合に報告するのだということを聞いておるだけであつて、事実行つておるのかもしれないけれども、それが報告に行つたのか何しに行つたのか、そういうことはわからない。
#1171
○神山委員 だからわからないでいいのだ。
#1172
○池田証人 ということを組合員が言つておるのです。
#1173
○神山委員 この場合、あなたにも迷惑な話なんだが、こちらの調査報告が悪いのだから、あなたは誤解しないでもらいたい。私はこの調査報告の正当性を立証するために聞いておるのです。
 その次にお聞きしたいのは、あなたは先ほどここで、農民組合か結成されたときには、強制加入はなかつた、その後にもそういうことは聞かれなかつたとおつしやいますが、そういうことは事実ですか。
#1174
○池田証人 はい、聞いておりません。
#1175
○神山委員 次にお尋ねしますが、共産党に六十何名入つたそうですが、それはいつのことですか。
#1176
○池田証人 新聞で見たのは六月八日。
#1177
○神山委員 六月八日――それは山田君が入つたのは五月二十日の勘違いだと思う。私の方では約六十名が入つたのは六月に入つてからのことになつておる。ここで委員長、この証人の話の中に本件が委員会に提出された五月二十六日以前のことが比較的少くて、五月二十六日以後のことが非常に多いということをまず言つておきたい。あと個々の具体的な事実については私わかります。從つて現在の村の対立状態が非常に強くなつておることを、そのままこの問題か提起された五月二十六日以前にさかのぼつて判断することは正当な判断にはならないと思う。そこで五月二十六日にこの提案をされたときは、まだ山田君しか共産党に入つていない。山田君が五月二十日に入つたのは知つておりますか。
#1178
○池田証人 知りません。
#1179
○神山委員 山田君は五月二十日に共産党に入つております。こまかな点であなたをつつ込むとおもしろいことがありますが、それは後日のことにしましよう。(発言する者多し)尋問を続けます。あなたは先ほど高木委員の尋問に対して、山田君が自分の利益のために一方的に特定の政党に入つたというように言われましたが、これはいかなる具体的な事実に対してこういう断定をされましたか。
#1180
○池田証人 それは前から上棚の農民組合というものは、共産党の指導を受けておつた。そうしてそれと同時に上棚の農民組合が多数入るというので相談したときに、人から聞く話ですが山田喜一がわれわれだけでは困る、何か大きい力につながらなければいかぬというような話から共産党に入党というふうに話がきまつたということを聞いておることからして、そういうことを言つたのです。
#1181
○神山委員 それを山田君が、先ほどあなたがおつしやつたように、自分の利益のために入つたということを立証することになりますか。
#1182
○池田証人 そう感じたのです。
#1183
○神山委員 ぼくはその具体的な実証、裏づけを求めているのです。自分でわかりませんか。わからなければわからないでよいのです。自分の感じだけで言つてください。
#1184
○池田証人 そう思います。
#1185
○神山委員 あなたの感じですね。
#1186
○池田証人 はい。
#1187
○神山委員 それではまた続いてお願いします。本月すなわち六月の七日に大石が醉つばらつて徳山のところえどなり込んで来たとか、あるいは山田喜一のお父さんがげたを振り上げたということを、あなたは大きな問題のようにあの高木委員の誘導尋問に対してお答えになつておるようですが、これは六月七日、すなわち本件が考査委員会に提出される以後のことである。
#1188
○池田証人 はいそうです。
#1189
○神山委員 私たちが聞きたかつたのは以後のことではなくて、これが提訴される根本を聞きたかつたのです。それ以前に何かこういうことがありますか。
#1190
○池田証人 以前にはやはり部落民をこわがらすというものは、さきにも申し上げたように村八分にするとか、あるいは池田清司の場合においては、田え入つて來たつて、池田清司の田圃を打返す。それから前の地を、小作人抗爭のときに、自分の田圃に組合員が何十人も入つて共同耕作をする。あるいは自分が麦をつくつておるのにだれの麦かわからぬものをまいて行く。それからそのあとで収穫は半々だ、こういうようなことをやつたり、それから地主か山を切るならば、その道路を通さない、あるいは立札をするというような、いろいろな問題があります。
#1191
○神山委員 それはあなたは地主の立場に立つて一方は農民の立場にいるわけだ。今あなたのおつしやつたような事例は、日本全國至るところ小作人と地主の対立か起つておるのです。ことに小作人小民主的な立場に立つて自分たちの生活を守ろうとすれば、そういうことは起つて來ることです。私は今特にあなたに聞きたかつたのは、そんな一方的なことではなしに、現にあなたか今特定な政党に利益のために入つたというような問題がありました。そのあとに持つて來て大石が醉つぱらつておつた、山田喜一がこういうことをやつたということを言つておる。私はそういう事実、そういう乱暴なことを個人的にその前にやつたことがあるか、それを聞きたいのです。
#1192
○池田証人 それは電気の問題に関して星澤權次郎の宅へ行つて大石と二人で共同の機会をかつぎ出そうとした事実もあります。
#1193
○神山委員 だからその電氣の問題の場合には、一方では星澤君が電線を引かせないとか何とかいう問題と関連して両方がけんかしておるときには、そんなことは起ることじやないか。一方がおどかしたとか何とかいうことはないのぢやないか。またあつたとしても六月八日というこの問題の提起されたあとなんです。委員長、このところは大事です。続けます。あなたはある政治團体を部落民が恐れておると言う。あなたの言う部落は七人の血族家族だ。それにつながる少数の人だ。部落の大部分の方は農民組合に結集しておる。こういう事件があつたためにかえつて共産党に入つておる。それを部落民の名によつて良民を威圧しておると良心をもつて言えるか。たれが良民か。たれが威圧しておるのだ。良心に誓つて言えますか。
#1194
○池田証人 言えます。
#1195
○神山委員 あなたは良民か。
#1196
○池田証人 良民か良民でないか、それは人の判断てすが、自分は山田一派の者に部落民がこわいためにその方についておるのは、二十一、二の地主の中でおそらく柳川と岡部志雄平だけだと思います。ぼくらがこんな前言をしたのを聞いて新聞を見れば、地主の中の大部分は心の中で拍手喝采しておると思います。
#1197
○神山委員 語るに落ちるとはけさにその通りだ。あなたは自分自身自主であり、自分の地位を守らんとして、いまだにそういう観点から良民と言つておる。
#1198
○鍛冶委員長 良民という言葉は高木君が使つた。
#1199
○神山委員 だからなぜそれに答えるときに今のようなへりくつを言うのか。証人自身。一方的だから……。
#1200
○大森委員 そういう威嚇的にやることはいかぬ。質問ではない。
#1201
○鍛冶委員長 あまり大きい声を出さんで、おとなしく……。
#1202
○神山委員 今の問題はあなたも答えにくいでしようし、私の方にしてもあなたの気持をそれ以上傷つけたくありません。今まで聞いたことは、それだけ記録に残してもらいます。それ以上聞きません。
 その次に聞きますが、山田派が徒党を組んで、多数を擁して圧迫したということを、あなたは言われたが、この徒党というのは何ですか。
#1203
○池田証人 組合員が大勢来て、大勢の威圧によつて話をすることです。一人てもわかる話でも大勢やつて來る。たとえばこの間なんか宣傳ビラを張るのに、藤田甚太郎の家に青年が数十名入つて行つて、ビラを張らしてくれ、みな家の中に入つて行く状態です。
#1204
○神山委員 それはいつですか。
#1205
○池田証人 それはちようど自分が金沢へ來ておつたときで、五月の中ごろだつたと思います。
#1206
○神山委員 そういうことがあつたら問題ですか、あなたがさつき多数を組んで云々と言われたのは、六月八日から九日の朝にかけての農業協同組合のことですが、本件か提訴された五月十六日、六月八日以降だ。この事実をはつきりしておかないと問題がはつきりしない。
 それで次に聞きたいことは、経済問題でおどかしやしないかという質問に対して、口では言わないが、事実でやつているということをおつしやつたのですか、それはあなたの感じ方です。実際意識的にあなた方を苦しめようと思つてやつているというふうに、あなた方は受取られるかもしれませんが、農民が自分で土地をもらうようになつたのは、農地改革に関する指令として、日本政府がしぶしぶながらやつたことなんだ。これによつて農民か解放され、今まであなた方のお父さんたちは議員様と言われて、りつぱな地主なんだが、これに対して攻撃を加えられた。これは日本の民主化の当然の結果である。從つてあなた方としては、そういう事実は非常に重苦しいかもしれませんが、それは口には言わぬが、客観的に進んでいる農地改革の結果だということをあなたは思いませんか。
#1207
○池田証人 農地改革を別にどうのこうのと言つておりません。
#1208
○神山委員 あなた自身は口では言わないが、しかし経済的事実をもつて圧迫していると言わせるものの内容、それはあなたがさつきから言われておるように、地主組合と農民組合の大きな対立に関連して起つて来ておる。
#1209
○池田証人 地主組合と小作組合というものの対立は二十二年に経つております。
#1210
○神山委員 二十二年に終つているといつても、現にあなたたちは……
#1211
○鍛冶委員長 議論にならぬようにしていただきたい。事実だけを聞いてください。
#1212
○神山委員 それでは今度は柳川の問題ですが、柳川があなたの認めるところでは山田派だと言われるのですね。
#1213
○池田証人 はい。
#1214
○神山委員 ところ下山田派というのは、ここに出ている陳情書の中に約七十何名署名しておりますが、これも山田派ですか。
#1215
○池田証人 その印鑑も、陳情書に七十何名というふうに印鑑を押してある。しかしその事実は、どういうふうに印鑑をとつて來たかというと、みんな村が円滑になる判こだというふうにして、書類を見せんでおつて狩り集めて來たのです。
#1216
○神山委員 それはあなたは聞いたのでしよう。あなた自身は押していないのだから……。
#1217
○池田証人 それは本人から聞いたのです。
#1218
○神山委員 それで最後にお尋ねしますが、終戦後あなたの村の農地は廣くなつたか、狭くなつたか、あなたの村の農業生産は発展したか、それともうしろを向いて行つたか、すなわち生産が落ちたか、これをあなたはどう見ますか。
#1219
○池田証人 それは肥料の配給とかいろいろな労働力の関係上、生産は向上しています。
#1220
○神山委員 約五割向上しているのではありませんか。
#1221
○池田証人 そういうことは知りません。
#1222
○神山委員 あなたは先ほど小林委員の質問に対して、あなた自身ば政党的な感じはないとおつしやいましたね。
#1223
○池田証人 ありません。
#1224
○神山委員 それではもう一つお尋ねしますが、あなたの親戚になつている吉野幸藏さん……
#1225
○池田証人 ぼくの親戚ではありません。
#1226
○神山委員 あなたのお父さん、吉野さん、岡山喜六さん、この人と民主党の縣議の方と非常に仲いいい。これを知つていますか。
#1227
○池田証人 知つております。
#1228
○神山委員 それからあなたの村の村長さんは系統としては何系統ですか。私の方の調査は民主党系になつておりますが……
#1229
○池田証人 党籍はどうか知りません。
#1230
○神山委員 系と言つている。それであなたが主観的にどう言えているかは別として、これは大森玉木代議士が出したという意味ではありませんか、このつながりを見て行くと、民主党の人の色彩が一方に強い。一方共産党側の色彩が強い。こう言えると思う。
#1231
○池田証人 それはあなたの見方ですが、ぼくはそういう気持はありません。
#1232
○神山委員 あなたの気持はそうじやないだろうか、はたから見たらそうなるのです。
 そこで最後にもう一ぺんはつきりしておきますが、こういうふうな事件をあなたか摘発して、そのために村の対立を激化させているという事実があるかないか。
#1233
○池田証人 それに対してぼくはこういうふうに考えるのです。ぼくらがこういうことを取り上げた。採草地が美田だ。事実採草地だつたらそんなことに何でもない問題であります。それから部落の割当量を知らしてくれと言うても、はつきり出されるはずです。われわれが言うても、そういうことを拒む。そこに何かあるということです。
#1234
○鍛冶委員長 そういうことよりも、向うで聞いているのは、このために村が紛争が多くなつたかということです。
#1235
○池田証人 それは多くなつております。
#1236
○小松委員 それでは重要な点だけ特に証人にお尋ねいたしますが、あなたの土地では操作米という制度は、あなたはあるというようなお話でしたな。事実あるのですか。
#1237
○池田証人 はい。
#1238
○小松委員 あなたのお話では、八斗の操作米云々ということをおつしやつたが、この八斗についてもいよ一度御説明願いたい。
#1239
○池田証人 八斗の操作米というのはその班ごとに、東谷内という班に八斗、中村に八斗、箱屋の班に八斗、それから別曾に八斗、こういう班ごとにこれだけのものを残してあつた。
#1240
○小松委員 これは操作米として供出したものですか
#1241
○池田証人 はい。供出したあとに残つたもの、その上今度追加供出が来たというときにこれが出ている。それで、まだ足らぬからこれもそこで追加割当をした。それで一番最初の割当においてこれだけのものが残つておつた。これが操作米なんです。
#1242
○小松委員 それをあなたの方でも操作米と申しておりますか。
#1243
○池田証人 部落で操作米と言つております。
#1244
○小松委員 農民の組合の方も操作米と言つておりますか。間違いありませんか。
#1245
○池田証人 そうであります。
#1246
○小松委員 そこで重ねて委員長に私はお願いがあるのですが、過般山田証人に私がこの問題について特に尋ねましたときに、山田証人は操作米というような制度はないということをはつきりと私に答弁いたしております。ここに速記録がありますけれども、この速記録によつて明らかであります。特に私は、ないとおつしやるからいろいろこれに対して追究して、不慮の災害とかあるいは追加供出、祝言、出産等に備えての操作米という制度もないのかと、かようなことも尋ねたけれども、さような制度は全然ありませんと、かように申しております。いずれの証人の言が正しいか、即断はできませんけれども、いずれにしても眞実を語らずして証言している者に対しては、眞実と相相違する場合においてはこれをわれわれ委員会は委員会の権威のために偽証罪において過当な処置をとるべきものだと、私は信じます。この点を委員長に進言します。
#1247
○鍛冶委員長 いずれその点は速記録を調べた上で決定しますから、さよう議論せぬことに願います。
#1248
○神山委員 それに関連して……。あなた方の方で採用した調査概要に初め何て書いてあるかというと、見込割当と書いてある、それをあとになつて、操作米というように直している。速記録を調べればわかることであるが、山田証人は八斗を昔流の言葉で言つた、それがあるということを認めている。その点において、証人と一致している。從つて、八斗あるという事実は事実であつて、それを山田証人は昔流儀の言葉で言い、この人に普通の常識に從つて操作米と言つている。それだけの違いなんです。
#1249
○鍛冶委員長 小松君の意見はよくわかりましたから、いずれ速記録を調べた上で、小議論したくありません。
#1250
○高木(松)委員 委員会ごとに九時、十時というようなことになつて、われわれとしてまつたく迷惑ですから、きようはこの証人で打切つて、あとの二人は明日午後一時から開くことにしたいと思いますが、どうそひとつそれをお諮り願いたい。
#1251
○鍛冶委員長 ではしかたがありませんから、明日午後一時より二人だけ調べます。
#1252
○大橋委員 私は公平な立場からお聞きしたいと思います。先ほど來証人は村の部落の人たちかおそれているということを盛んに言われておつたのでございますが、ここで確かめておきたいのは、部落の人たち、これはあなたは別でしようが、あなたの言う部落の人たちか何ものかをおそれている、それは山田君をおそれているのでありますか、それとも農民組合というものを恐れておるのであるか、あるいは山田君を取巻いておる一團の人たちを恐れているのであるか、それとも共産党を恐れているのであるか、何を恐れているかということをはつきりお聞きしたいと思います。
#1253
○池田証人 やはり農民のこわいという感じは、山田、それに連なる一族の固まり、それから一般に農民組合対地主ということになれば農民組合全般、しかし農民組合を恐れるというのは結局山田、あるいはその幹部の者を恐れるのであります。
#1254
○大橋委員 そうしますと結局は山田氏を恐れる、そして組合員の中でも山田氏に対して不平を持つている人もあるということを証人は言つておられますけれども、それではどういう不平を組合員は持つておるのでしようか。
#1255
○池田証人 農民組合員で不平を持つておるというのは、結局上棚というものか山田あるいはそれを取巻く者によつてすべてを握られておる。常会なんかへ行つても、結局その者でなければあとの者は全然発言しないというようなことであるし、それから何事についても、どういう寄合いの席に行つても、山田あるいはその幹部の二、三の者が來なければものがきまらぬというくらいにみな考えております。
#1256
○大橋委員 今言われたことばかりに事実であるとしましても、そのことについて、部落の人か山田に対して不平を持つているということが言えるでしようかどうでしようか。――それではほかの点から聞きましよう。組合員の中で山田氏に対して不平を持つておる人がありますか。あればその名前を言うことができますでしようか。
#1257
○池田証人 それはたといその組合員か不平を持つておると言うても、事実そういうことに対して取調べするということになつても、ぼくが言うところの組合員はそれに対してどう返答するかということは疑問でありますが、組合員の中でやはり石田京藏、あるいは森良夫、それから松坂久造等、不平を持つておる人がたくさんおります。
#1258
○大橋委員 あなたは、この問題は山田一族と、それから徳山一派と言いますか、この両者の対立が根本の関係であるというふうにはお考えになりませんか。
#1259
○池田証人 そうは考えません。
#1260
○大橋委員 そうすると、この問題の起つた根本は何にあるとお考えになりますか。
#1261
○池田証人 それで一番最初はぼくや徳山さんが、上棚はこれではいかぬ、あまりにもひどい、こういう考え方を持つていた。そこへもつて来て、たまたま星澤權次郎が田地の問題その他の問題で紛争になつて、それを組合にまかすというのを聞かないで、一方的なやり方をしてむだをする。あるいは池田清司か炭焼きに行つておつたようなことからして、星澤由太郎に田の耕作権かあるのだというようなことにして取上げる。そしてそれをまた柳川正一のところへ持つて行つても、柳川正一は半分わけにしてはどうかということでほつたらかしておいて、いつまで立つても星澤由太郎のところに割当が行つてしまう。こういつたように、すべてが彼らの手によつて自由に牛耳られておる。ぼくらにこれらの者に対しては非常に氣の毒に思つている。それで池田清司の場合ならば、池田清司がしやべることをぼくが縣の農地委員会の席上で話してやるというような関係から、だんだんと農民組合と、ぼくや徳山というものか対立して來たというような関係になつて來た。
#1262
○大橋委員 この山田という人が、なぜそれではそれだけ横暴をふるまうようになるほどの勢力を養つたか。なぜこの人は村でこれだけの力をふるうようになつたかということについてのお考えを聞きたい。
#1263
○池田証人 山田個人としては非常に弁も立つし、まただれと討論しても負けない。それからかれを取巻く親類関係の青年層は、みな非常に能弁家ばかりであるというような関係からして、彼らの力は農民組合において非常に強い。
#1264
○大橋委員 先ほどあなたは、山田という人は非常に恐ろしい人である、それがために村の人たちは恐れて、しかたなく山田についている、こういうふうに言われたのでありますか、そのことか、山田氏が今日勢力をふるうようになつた大きな原因ではありませんか。
#1265
○池田証人 それともう一つの一番最初結成の動機というものは、地主の耕地の不法取上げというようなこと、それから農地の開放という問題にからんで、農民がそこに一つのまとまりを得て結束した。それから山田自身の統率力ということ、同時に農地開放の声が作用して、ここまで有利にせしめた。こういうふうに考えます。
#1266
○大橋委員 そうすると重ねてお尋ねいたしますが、村の人は山田氏とそれを取巻く人々を恐れておるのであつて、決して共産党というようなものを村の人たちが恐れておるのではない。こういうことをあなたは言い得ると思いますけれども、その点を重ねてお伺いいたします。
#1267
○池田証人 はい、そうであります。
#1268
○大橋委員 それで共産党そのものをこわがつておるわけではありませんですね。
#1269
○池田証人 はい。
#1270
○大橋委員 なおあなたは、村の現在の状態について、さだめし不満に思つておられると思いますけれども、どういうふうにすれば村のこの対立関係を和解させることができると思われますか。
#1271
○池田証人 この問題に対しまして、農民組合の幹部か徹底的に地主はたたかなければならぬということを、こういう問題が起らぬ先に、そういう言を吐いておることを聞いております。それで彼らの政策というものは、小さい部落によつて、そうして農地開放によつて全部田畑をとられた地主を相手にとつて、結局どこまでも地主、小作という階級闘爭に持つて行かなければ、彼らとしての團結はくずれて行くのではないか。それで今まででも、農地の開放が終つてそれからあとというものは、ぼくらの目からすれば、農民組合は非常に團結が弱まつておつた。たまたまこういう問題か起きて、彼らの言うのでは、われわれが隠し田問題を出して財産を消してしまう。供出は非常なことになるは、税金はひどくなる。こういうふうな農民の声だけしか聞いておりません。
#1272
○大橋委員 そうしますと、あなたは農民と地主、この対立関係が結局この問題の根本とれ認めになるわけですな。
#1273
○池田証人 そうじやありません。結局どうしたら円満になるかということを問われるから、ぼくらとしては彼らはそういう考えを持つておる。この考えはぼくらから言わせれば、地主も小作もない、お互いに一緒な農民になつたのだという気持になつてもらわなければ根本的な解決はできない、こう思つておるのです。
#1274
○大橋委員 あなたはそういうことになる望みが近い将來においてあなたの部落においてあるとお思いになりますか。
#1275
○池田証人 そういうことはまだ予測されません。
#1276
○大橋委員 そうすると、現在のように村にいろいろな政党的な対立がある間はとうていそういうことは期待できないというふうな氣持はありませんか。
#1277
○池田証人 村で政党的な対立というものはありません。
#1278
○大橋委員 そうしますと、農民組合の大多数の人が共産党に入つておる。そうしてあなた方はそれに対して別に対立はしてないのですか。
#1279
○池田証人 共産党であるから対立するわけではありません。ぼくらとすれば、正しいやり方をしてもらいたい。こういうだけなんです。
#1280
○大橋委員 そうすると、あなた自身の感じとしては、この問題は別に共産党に関係した問題ではないというふうにお考えになつておるのですな。これははつきり伺つておきたいと思います。
#1281
○池田証人 はい。この問題に対しては別に共産党であるからどうであるというような考えはありません。
#1282
○浦口委員 ひとつお伺いいたしますが、農地委員長の柳川さんはどの政党にも属していなかつた、こう言つておられる。それが十日前に民自党にお入りになつたのですが、その入られた動機は柳川さん自身のお話を聞いても、またあなたの先ほどの柳川さんに対する気持をお聞きしても、民自党に入るような人でないように思うのですか、どうしてそういうところにお入りになつたか、具体的な事実があればそれを……
#1283
○池田証人 それは今聞いたばかりですが、柳川正一が現在上棚から推されておると言いますか、農業会の会長になつたという面からしても、彼とすれば共産党のように見られるのがぐあいが悪いという気持から自由党に入党したのでないか、ぼくはこういうように考えます。
#1284
○浦口委員 そうしますと、重ねてお伺いいたしますが、先ほどあなたのお話では、柳川さんは山田一派と思つておる。こういうお話があつた。山田一派と見られる人が民主自由党に入るということはたいへん違うように思いますか。
#1285
○池田証人 いや、それにつきまして、今ぼくが話したような関係からして、こういうように入党したのでないかと考えるのです。
#1286
○大森委員 柳川君はこうじやないですか。私の大体聞いておる範囲では、どうも柳川君という人は非常に利己主義に富んでおる。そこでこれを下手に反対しておると、おれも閉め出しを食つちや困るから、ひとつ山田の言うように動こうということで動いておつたから、先ほど言つたようなたくさんの人を集めて威圧によつて押える。またそのときに柳川にこの役をやつておけは、柳川はわれわれの方に入るのだ、それで引入れるために柳川に農業協同組合の組合長をやつた。さてそうしてやつてみたが、こういう問題も出て來た。しかしこれはおれも共産党になりきつてしまうということになると、これまた一方からどうもときの政府が何だから、これはたいへんだというような考えで、自己を割出して一方には共産党と握手し、一方に民自党と握手してよい子になつて立つて行かうということで、今民自党に入つたのでないか、私は大体そういうように考えるが、証人はどういうように考えるか。
#1287
○池田証人 そう思う。
#1288
○鍛冶委員長 そう思う。そういう意見ですからよろしゆうございましよう。では済みました。
 明日午後一時より残りの証人を調べます。本日はこれで散会いたします。
    午後七時四十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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