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1947/07/28 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 本会議 第17号
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1947/07/28 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 本会議 第17号

#1
第001回国会 本会議 第17号
昭和二十二年七月二十八日(月曜日)
   午前十時二十三分開議
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 議事日程 第十六号
  昭和二十二年七月二十八日
   午前十時開議
 第一 國会法第三十九條第二項の規定による國会の議決に関する件(行政調査部顧問)
 第二 昭和二十二年法律第五十四号私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○副議長(松本治一郎君) 諸般の報告は御異議なければ朗読を省略いたします。
     ―――――・―――――
#3
○副議長(松本治一郎君) これより本日の会議を開きます。この際お諮りいたします。議員請暇の申出があつております。堀内到君より病氣のため十一日間請暇の申出があつております。許可いたすのに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○副議長(松本治一郎君) 異議ないと認めます。
     ―――――・―――――
#5
○副議長(松本治一郎君) 本月二十五日、財政及び金融委員和田博雄君より公務のため委員辞任の申出がございました。許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○副議長(松本治一郎君) 異議なしと認めます。つきましてはその補欠としまして石川準吉君を指名いたします。
     ―――――・―――――
#7
○副議長(松本治一郎君) 日程第一、國会法第三十九條第二項の規定による國会の議決に関する件、お諮りいたすことがございます。行政調査部の顧問に、衆議院議員松岡駒吉君及び本院議員川上嘉市君を充てる件でございます。念のために申上げますが、議長は本件を予め議院運営委員会に諮りましたところ、同委員会においては本件には反対である旨の決定がございました。討論の通告がございます。木内四郎君。
   〔木内四郎君登壇、拍手〕
#8
○木内四郎君 只今議題になつておりまする國会議員を総理廳の行政調査部の顧問に当てることにつきまして、政府から國会法第三十九條第二項の規定によるところ國会の議決を求めて参られました件につきまして、議長から議院運営委員会にその意見を求められたのであります。そこで議院運営委員会におきましては愼重な審議をいたしました。殊に本件につきましては、既に先般衆議院におきまして同意の旨の議決をされておりまする次第でありまするので、議院運営委員会におきましては、その取扱については特に愼重を期したのでありまするけれども、我々といたしましては甚だ遺憾ながら衆議院と所見を異にいたしまして、本件政府の要求には同意すべきものではないという結論に到達いたしたのであります。そこでこの際我々が本件に同意いたしかねる理由を一應申述べまして、御参考に供したいと思います。御承知のように國会法第三十九條第一項におきましては、議員は任期中別に法律で定めた場合を除く外は、官吏又は地方公共團体の吏員となることができないということを規定しております。更に又第二項におきましては、議員はその任期中内閣行政各部における各種の委員、顧問、嘱託その他これに準ずる職務に就くことができない。但し、法律で定めた場合又は國会の議決に基く場合は、この限りではない、ということを規定いたしておるのであります。而してこれらの規定を設けました理由は、三権分立の思想に基きまして、立法部と行政部との混淆を避けようとする趣旨に外ならないのであります。又この規定は同時に新憲法及び國会法の他の規定と相俟ちまして、間接ではありまするけれども、國会及び議員の地位と権威というものを旧憲法時代よりも一層これを高め、且つその自覚を促すところの意味をも含んでおるものとも考えられるのであります。而して本條の解釈につきましては先般政務官の任命に関しまして、既に衆議院議員選挙法第十條におきまして、國会議員は政務官に就任してもいいという規定があるにも拘わりませず、國会法第三十九條の趣旨に照らして、参與官はこれを任命しないことになつたのであります。又政務次官につきましても、近い機会に法律を改正してまでもこれを廃止することになつておるやに傳えられておるのであります。即ち國会法第三十九條の立法の精神から考えましても、又只今申述べましたところの政務官任命に当りまして示されました本條の解釈に鑑みましても、國会法第三十九條第二項の但書の規定というものは、この例外規定は、ルーズに解釈したり、又は適用すべきものでは断じてないと考えるものであります。ところが本院におきましては、既に先般來裁判官任命諮問委員会委員、公職適否審査基準諮問委員会委員、中央農地委員会委員等に國会議員を当てることにつきまして、國会法第三十九條第二項の規定によるところの同意の議決をいたしておるのでありますが、これらの委員はその組織或いはその担当事項等から見まして、むしろ一般行政各部の外にあるとさて言つてもいいくらいな独立性を持つているものであります。又任命の手続から見ましても、或る者は形式的には政府の任命ということになつておりまするけれども、例えば小作農の代表者、或いは農業者團体の代表者等のごとく、特殊の團体、業界、或いはグループ等の代表者として選出されました者がたまたま國会議員であるというような場合でありまして、從つて先般本院において同意の議決をいたしましたものは、立法の精神から見ましても、立法部と行政部の紛更を來すような虞れは少しもありません。又國会法第三十九條の精神に反しているところはないと考えられるのであります。然るに今回の案件は、その任命の手続から見ましても、單純なる政府の任命であるばかりでなく、又任命されました上は、行政調査部の一員といたしまして、行政機構及び公務員制度並びに行政運営の改革に関する調査研究及び立案に関するところの重要なる部務に参画するものであります。殊に立案に参画することになりますれば、その成案が國会において審議されるに際しまして、関係議員は事実上拘束を免れないものと言わなければならないと思うのであります。從いまして、若し今回のような案件に対しまして國会が同意するということに相成りまするならば、明らかに國会法第三十九條第二項の精神に反するのみならず、今後行政各部の委員、顧問、嘱託等につきまして政府から國会の同意を求めて参りました場合に、これを拒絶するところの理由が全く立たぬことになつてしまうのであります。從つて全く國会法三十九条第二項の規定を設けましたところの精神を没却することになるものと思うのであります。かくのごとき理由によりまして議院運営委員会におきましては、全会一致を以ちまして本件には同意すべきものではないという旨を議長にお答えいたしました次第であります。
 尚この際念のために一言申上げておきたいのは、たまたま今回政府から指名されましたところの特定の方々につきまして、この方々が行政調査部の顧問になられることが不適当であるとか、或いは不適任であるという意味では毛頭ありません。一般的に國会議員が行政調査部の顧問になることには同意いたしかねるという意味でありますから、この点は誤解のないようにお願いいたしたいと思うのであります。甚だ簡單ではありまするが、以上申述べましたところによりまして、我々は本件には同意いたしかねるのであります。(拍手)
#9
○副議長(松本治一郎君) 他に御発言なければ討論は終局したものと認めます。この際念のために申上げます。これより採決に移ります。本院規則第百三十六条及び第百三十七條によりますと、採決に当りましては議長は先ず表決に付する問題を宣告いたします。次いで議長はその問題に対し賛成の諸君の起立を求めますから、不賛成の諸君は御著席のままにお願いいたします。これより表決の問題を宣告いたします。行政調査部の顧問に衆議院議員松岡駒吉君及び本院議員川上嘉市君を充てることについて國会の議決を得たいという内閣総理大臣からの申出でございますが。この内閣総理大臣の申出を容れることに賛成の諸君の起立を請います。
   〔起立者なし〕
#10
○副議長(松本治一郎君) 起立ありません。よつて本件は否決されました。(拍手)
     ―――――・―――――
#11
○副議長(松本治一郎君) 日程第二、昭和二十二年法律第五十四号私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の委部を改正する法律案を議題といたします。先ず委員長より委員会の経過及び結果の報告を求めます。商業委員長一松政二君。
   〔一松政二君登壇、拍手〕
#12
○一松政二君 只今上程されました昭和二十二年法律第五十四号私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案の商業委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。
 先ず改正の趣旨につきまして、和田國務相から次のような提案理由の説明があつたのであります。昭和二十二年法律第五十四号は先きの第九十二議会の協賛を経て成立し、四月十四日公布せられた法律であります。この法律は御承知のように私的独占、不当な取引制限或いは不公正な競争方法を禁止して、事業の支配力が過度に集中することを防ぎ、一切の事業活動に対する不当な拘束を取除くことによりまして、公正にして自由な競争を促し、事業者の創意を発揮させ、事業活動を盛んにし、雇傭や國民実所得の水準を高め、延いては一般消費者の利益を確保すると共に、國民経済の健全にして民主的な発達を促すことを目的としたものでありまして、我が國経済の民主化を促すための基本法であります。本法律の対象といたしまする経済実態は、現実には極めて複雑多岐であり、これに伴いこの法律の実体的の規定はおのずから抽象的且つ流動性に富んだものとなつております。從つて複雑多岐な経済現象の中から、この法律の目的に反する不当な、不公正な乃至は不合理な事業活動上の拘束を取上げて、適当な措置を採るにつきましては、公正と愼重を期し得るよう、これを担当する機関について特別の配慮を必要としますが、この法律でも、その目的を達成するために公正取引委員会という特別な行政機関を設け、委員長と六人の委員の会議制によつてその職務を担当することになつております。この委員会は内閣総理大臣の所管に属するのでありますが、その委員長と委員は身分を保障せられ、独立して職務を行うことになつておるのであります。尚委員長と委員は年齢が三十五才以上で、法律又は経済に関する学識経験ある者の中から内閣総理大臣が衆議院の同意を得て任命するのでありますが、右に述べたような委員会の性質からして、委員としては法律又は経済に関する学識経験の外、高邁なる識見と十分な社会的信用とが要求せられるのでありまして、これがためには委員の地位に対してそれ相当の格式を與えなければならず、特に委員長に対しては特別の考慮を拂わねばならんと考えるのであります。即ち公正取引委員会の委員長は、その任免について天皇の認証を必要とするいわゆる認証官とするのが適当であると認めます。そこで、現行の規定では委員長は委員の中から一人を内閣総理大臣が命ずることになつていたのを改めまして、委員長は委員とは別に委員長という官名のものとし、その任免について天皇の認証を必要とすることにしたいのであります。
 以上の説明がありましてから質疑に入つたのであります。で、一委員から、この法律案の改正によつて追加予算を必要とするかどうか。費用の点はどうかという問に対しまして、政府は別にその必要はないという答弁があつたのであります。で、もともとこの改正案そのものは御承知のように、現行の法律に委員七名とあるのを分けまして、委員長と委員六名とし、それからその委員長を天皇の認証官にするという極く單純な改正案であるのでありまして、他に質疑もありませんので、直ちに討論に移つたのであります。ところが一委員から、公正取引委員会の委員長を認証官とすることは権威を持たせる意味において賛成であるとの意見の開陳がありまして、直ちに採決に入つたのであります。採決の結果、全会一致原案通り可決すべきものと決定いたしました。以上簡單ではありまするが、委員会の経過の大要を御報告申上げる次第であります。
 尚この機会に、この改正法立案とは別でありまするけれども、皆さんに御了承願いたいことがあるのであります。御承知の通り、この私的独占禁止及び公正取引の確保に関する件というこの九十二議会を通つた法律案は、我が國においては全然初めてのものでありまして、そうして我が國のように、國土は狭隘で、経済事情も特殊な経済状態を備えておる所は、アメリカのごとく高度に発達した、或いは市場の廣い、國の廣い、産業の各方面において集中せられたる所とは違いまして、特殊な形態を備えており、特に敗戰後の惨めな今日の有様になつておるのでありまして、これを再建するためには並並ならぬ努力の要ることは皆さん御承知の通りであります。ところが、ここに改めてこの五十四号の枠が入つておるのでありまして、そうしてこれを運営するところの委員長並びに六人の委員は、今後の我が國の経済界或いは國民生活、延いてはあらゆる生活の部面に絶大なる影響のあるものでありまして、この委員の任命につきましては、政府からも委員長を認証官にするということは誠に結構なことは先程申上げた通りでありまするが、尚この委員の任命の方法につきまして、現行の法律によりますると、第二十九條の第二項に、「委員は、年齢が三十五年以上で、法律又は経済に関する学識経験のある者のうちから、内閣総理大臣が衆議院の同意を得て、これを任命する。」と規定されておるのであります。この法律が出ましたときには、御承知の通りまだ本院が成立していない。旧貴族院議員でこれは可決されたものでありまして、我々参議院議員としてはこの問題に初めて当面したわけであります。で、今日今皆様にこの改正案を上程してご協賛を願つておりまするのでありまするけれども、この委員長及び六人の委員はもう既に十四日に任命済みになつておるのであります。そうして二十日から現に活動に入つておるのでありまして、これは旧法律によりまして衆議院の同意を経て、衆議院はこの十二日にこれを可決確定しておりますので、現に施工されておるのであります。ただ認証官にすることのみが皆様の御協賛を経なければならないという一点に引掛つておるのであります。その人選その他につきましては、本院は何らそれに容喙する筋合になつていないのであります。けれども、今申上げましたように、今後の我が國の経済生活或いは國民生活を規律する上において深甚の影響を與える。特にいろいろな同業者の間から、いろいろな訴えが出て來ることと思います。或いはその中にいろいろ個人感情も入つて來ないとも限らない。いろいろな問題を想像されるのでありまして、この委員長及び六人の委員の方には、特に今後の運営について最大の注意と愼重なる考慮と、この実社会の人の人情の機微をよく弁えた方にお願いしたいと存ずる次第でありまして、この委員の任命について、最高裁判所があれ程愼重な人選のやり方を取つておるのでありまするから、國民実生活に最も影響のあると思われるこの委員長及び委員の任命については、商業委員会としましてはこれを特別の諮問委員会に諮つて、そうして國会の同意を必要とする。衆議院のみならず、その人選に参議院の同意も要するというふうに改めたいという意見が、全部の意向であつたのであります。但しこれは現行の法律の改正でありまして、只今ここに上程しておりますところの改正案とは全然別個の立場でありまして、これをできるなら同時にやらないか。同時にやつて貰いたいという意向がありましたので、政府にその旨を申入れたのであります。ところが原案の提出当時には、國會の同意を要するということを政府の原案として出しておつたのであるが、アメリカにおいてはこういう場合には上院であるし、英國においてはこれは下院がするから、日本において今後の行き方としては衆議院だけに止めて置いた宜からうというので、そういうことになつたという説明であり、更に参議院がこういう意向だということを傳えて貰つて、その結果においても同様な報告があり、且つ簡單には修正がやりにくいというような意味の返事がありまして、そうしてこの案とは別個に取扱つて貰いたいということであります。從いましてこの案そのものは誠に尤もなものでありまするし、我々が修正をしたいという意見とこれは別個に取扱うのが妥当であると考えましたので、他日これを修正したいという委員会の全会一致の希望があつたのでありまするし、政府とさような交渉をいたしましたために、二十四日に可決しておりましたこの改正案を漸く本日上程したような次第であります。さような意味におきまして、この只今上程されておりまする改正案は、先程申上げました通りに、商業委員会においても全員一致を以て可決しておるのであります。今申上げました将來これを修正したいという意見は、これは皆樣の御参考のために申上げる次第であります。右簡單ではありまするが御報告を申上げます。(拍手)
#13
○副議長(松本治一郎君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。委員長の報告は可決報告であります。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を請います。
   〔起立者多数〕
#14
○副議長(松本治一郎君) 過半数起立、本案は可決されました。これにて本日の議事日程は終了いたしました。次会の議事日程は決定次第公報を以て御通知いたします。本日はこれにて散会いたします。
   午前十時五十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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