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1949/05/17 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 海外同胞引揚に関する特別委員会 第6号
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1949/05/17 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 海外同胞引揚に関する特別委員会 第6号

#1
第005回国会 海外同胞引揚に関する特別委員会 第6号
昭和二十四年五月十七日(火曜日)
    午前十時四十四分開催
 出席委員
   委員長 中山 マサ君
   理事 玉置 信一君 理事 冨永格五郎君
   理事 若松 虎雄君 理事 受田 新吉君
   理事 坂口 主税君 理事 横田甚太郎君
   理事 天野  久君 理事 高倉 定助君
      足立 篤郎君    池見 茂隆君
      松本 善壽君    堤 ツルヨ君
      柳原 三郎君    立花 敏男君
      山本 利壽君    吉川 久衛君
 出席政府委員
        外務事務官   大野 勝巳君
        厚生事務官   田邉 繁雄君
 委員外の出席者
        厚生事務官   渡邊 文也君
五月九日
 委員長小林信一君辞任につき、その補欠として山
 手滿男君が議長の指名で委員に選任された。
同月十七日
 玉置信一君及び高倉定助君が理事に追加当選し
 た。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 理事の互選
 派遣委員より報告聴取の件
 引揚促進及び定着援護等に関する件
    ―――――――――――――
#2
○中山委員長 これより会議を開きます。
 去る十三日議院運営委員会におきまして、國会運営委員会並びに四十五名以上の委員会を除く各委員会理事の人数をそれぞれ二名増加し、これを民自党及び新政治協議会に各一名あて割当てることに決しましたので、本委員会におきましても理事の追加選任をいたしたいと思いますが、委員長より指名することに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○中山委員長 御異議なしと認めます。それでは玉置信一君、吉川久衛君を理事に指名をいたします。御了承願います。
 次に五月二日より五月六日まで五日間、引揚地実地調査のため函館、舞鶴に委員を派遣いたし詳細に現地を視察いたして参りましたので、ただいまよりその報告を聽取いたします。
 まず、函館方面を視察いたしました冨永委員より、御報告を聽取したいと思います。
#4
○冨永委員 五月二日より五日間引揚地の受入態勢実地調査のため函館地方に派遣されましたので、これよりその報告をいたします。函館引揚援護局は、昭和二十年すなわち終戦の年の十一月に公布されました地方引揚援護局官制に基きまして、同年十二月十四日その設置が告示されましたが、その後現在までに適当な残物が見当らないために、主要なる業務施設として上陸所、檢疫所、收容援護各寮及び倉庫等の大部分がそれぞれ、数キロを隔てて散在し、業務上諸種の欠陥を発生せしめておりますが、これははなはだ遺憾なことと思います。現在函館局は所属機関として局本部、埠頭上陸所、同檢疫所檢疫病院、函館援護所のほか引揚者收容施設として千代ケ岱町、浅野町、海洋町、鶴岡町各援護療があり、別に援護資材、食料、医療材料等保管のために三十余戸の前民間営業倉庫を賃借使用しているのが現状であります。この間にあつて陸上には二十七両のトラックその他車両、河上にあつては七隻の大小汽艇とを駆使しつつ、一千名に近い職員が寒暑昼夜の別なく、入港帰還して参ります引揚同胞の援護のために、最善の努力を盡しているのであります。
 次に函館引揚援護局のおもなる業務を申し上げますと、外地引揚日本人の受入れ及び在日第三國人の途出の二つにわけることができます。受入れにおきましては、樺太及び千島よりの引揚者一日の平均収容能力に二千五百人、送出につきましては、北海道にある朝鮮人一日当り二千五百人と指定されておりまして、この間に処して切り詰められたる予算と、條件に惠まれざる諸施設と、さらに十分ならざる人員を擁して、支障なく任務を遂行している当局職員の努力と心労は、相当に認識せらるべきであろうと思うのであります。この場合簡單に引揚業務の内容を申し上げれば、鶴岡を出航して第三日目に函館に入港し、第五日目に上陸を開始いたしまして、入寮第八日目に帰郷または帰入地への移送が行われるのであります。引揚船には航海ごとに医療班として船医または派遣医員及び看護婦が乗船し、発疹チフス、コレラの予防注射、種痘等を施行し、患者の診療、船内衛生の業務を取扱つております。しかして函館に入港すれば進駐軍の調査があり、それが終りますと荷物降下げ証明書の交付、そうして上陸と言う順序となるのであります。引揚者は上陸後まず、DDTの消毒を受け、次いで税関檢査を受けるのであります。通関手続が終了いたしますと、三日で初めて当局の手に受入れられるわけであります。上陸所には持帰り荷物の梱包及び目的地への託送、郵便電信の発受、持帰り金の兌換等の機関があります。待合所の周囲には臨急援護金支給所、被服支給所、日用品支給所、レントゲン撮影所、婦人相談室、医療室、病室、よろず相談所、湯茶接待所等が設備さしれており、また引揚途上物故諸霊のために、慰霊室が設けられております。なお、被服の支給所では毛布、夏冬衣袴、同襦袢、袴下、婦人服、同下着、男女学生制服、児童服、同はだ着、シヤツ、タオル、手ぬぐい、褌、ズロース、パンツ、足袋、おむつ、略帽、軍服、布ぐつ等が、一般成年男女、少年少女、学童、乳幼兒等に二十一点から十三点まで、それぞれ支給されるのであります。その後引揚者は逐次海岸町寮、浅野町寮、千代岱寮へ移送されるのであります。なお引揚者に対する給食は、普通であつて、一日一人当りの基準量は、五百グラムであり、魚類には惠まれております。
 最後に視察後の結論として当局に要望する二、三の点を申し上げて報告を終ることといたします。厚生省所管としての引揚業務は、すべて行き届いており、ある程度満足とすべきであるが、医療費は、定員十二名の医員中現在わずかに二名しかおらないため、医療班はきわめて手不足の状態で、船中、乳幼兒の死亡率はきわめて高いのか現状であります。よつてすみやかに医員を増員すべきであります。
 なお現地におきましては、現在支給されておる予算の程度では、絶対と言つていいくらいほとんど医員を充足する見込みが現状ではないそうであります。なお船内において傳染病が出たような場合に対しては、恐るべきものがあると考えられるような実情にあります。引揚者の援護に関しましては、市町村、自治団体の所管であるが、市町村とも非常にその待遇がまちまちであり、たとえば同じ市内でも引揚年次の相違によつて住宅にはなはなだしい相違がある。特に函館市の場合、港寮は防火衛生等の見地よりして、急速に改善すべきものがあると思うのでありますが、しかしこれは引揚げ後のことでありますから、引揚委員会の必ずしも取上げるべき事柄ではあるいはないかもしれませんが、特に深く感じましたので申し上げた次第であります。なお船内において引揚者との座談会その他いろいろのこともいたして参りましたが、何かまた各委員諸君からお尋ねがあれば、私と同行いたしました玉置委員とこもごも御答弁申し上げたいと存じます。
 以上大体報告を終ります。
#5
○中山委員長 次に舞鶴方面の視察の結果を私から報告さしていただきます。去る二日より六日まで五日間、私は堤委員と二人で舞鶴の引揚地へ受入れ態勢の実地調査に参りましたので、その御報告をいたします。
 まず援護局内の施設状況について御説明申し上げます。舞鶴引揚援護局はもとの海兵閣の建物をそのままそつくり使用しておりまして、その建物の中に、引揚者収容所が四棟ございまして一棟に二千名から二千五百名が收容できるようになつておりまして、大体一時に一万名に收容能力はございます。このほかに舞鶴市字森というところに無縁故者及び入院患者附帯家族孤兒等を收容する寮がございます。この寮の收容能力は最高二千五百名ということになつております。寝室と食堂にわかれ、寝室はすべて畳敷きでございまして、二畳に三人ずつの割合となつておりました。また衛生施設といたしましては病室が二棟、檢疫所、レントゲン檢査場、DDT消毒場等がございまして、設備はきわめて行き届いているように見受けられました。このほかに荷物檢査場、税関檢査場、物資交付所、荷物託送所、理髪所それぞれ業務別に設備は完備しています。一度に四百人入浴できます風呂の設備もあり、割烹場には五斗焚きの蒸気釜二十箇、その他機械的な炊事具が完備しております。一度に一万人分の食事の準備は可能でございます。特に当局が意を用いております点は、引揚者のすべてがまつたく耳目をふさがれたまま異郷の地に長年月忍苦の生活を続けて参りました人々でありますから、國内事情についてはまつたく逆の認識不足を持つて帰られるということでございます。これが受入れにつきましては、温い援護の手を差延べるよう細心の注意を施設中に施してございます。従来殺風景でありました局内、局外につきましても、現在部屋もペンキ塗りで美しくなり、庭等にも花壇をつくつたり、木を植えたり、極力従来の兵舎的な印象を除去し、引揚者の気持を幾分でもやわらげるようにしてございます。その他國内事情の周知徹底、身上相談の施設も完備しております。引揚者の方々が最も氣にかかりますのは、自分の郷里の状況、家族の安否でございます。これに対しましては各府縣別の戰災状況を記した地図をはり出し、國内の繊細状況を認識するようにしてあり、また留守宅よりの通信を集め、引揚者に一日も早く家族の安否を知らせるようにしてございました。特に施設中目立ちましたのは、郷土室といいまして、各府縣別にそれぞれ郷土の事情を紹介するような資料を展示し、引揚者に一日も早く郷土の香りに接し、慎の日本の姿を見せるようにしてございます。この郷土室は各府縣によりましてたいへん相違していまして、非常に力を入れています縣もあれば、ほんの申訳程度にやつている縣もございました。これによりましていかにその縣が引揚に熱心でありますか、不熱心かは理解でき、引揚者の郷土に対する第一印象に相当影響すると思います。皆様方におかれてもそれぞれ郷里にお帰りの節は、この点を強調されまして、他の府縣に負けないように郷土室を有意義に使用していただきたいと存じます。なお食糧に関しましては三日分を必要とするところ六日分を用意してあります。
 次に帰還輸送船に乗船して船の状況を視察して参りましたから簡單に御報告いたします。現在舞鶴港に出航の日を鶴首しておりま船舶は、病院船一隻、輸送船十隻でございまして、このほかに門司にて修理中の輸送船一隻が五月初旬に回航されますと、計十二隻が勢ぞろいする現状でございます。船はすでに整備を終了し、出港の命令あり次第何時でも、抜錨できますよう待機していました。設備はたいへん完備しており、特に衛生的方面では連合軍側からの檢査もあります関係上、申し分ありませんでした。また炊事、食事の設備につきましても、相当改造くふうをしてございました。連合軍から拂下げになりましたアメリカのものを用いておりまして、まことに清らかな感じを見た者に與えるものでございます。病院船高砂丸には看護婦さんまで乗船して、出発に備えまして準備していました。六十余名の看護婦さんまでが乗船して、雑業に忠実に從事しておりました姿を見ましたとき、目の熱くなるのを覚えました。座談会を開きましていろいろお話をし、また激励して参りましたが、看護婦さんたちも日本の婦人を代表して引揚げの仕事に從事しているというしつかりした氣持を持つて引揚再開の日を待つていますのを知ることができまして私どももほんとに力強く思つた次第でございます。
 以上総合いたしますと、引揚地舞鶴の受入れ態勢はほとんど完了し、今か今かと引揚再開の日を待ちわびております現状でございます。この点いかに当事者が生懸命業務に從事し、万遺漏ないように万全の措置を講じていらつしやるかを目の前に見ましたときに、いまさらながら一日も早く引揚げ再開ができる日の来るように私どもが努力すべきでありますかということをつくづく感じさせられた次第でございます。さらに一般の御努力と御奮闘を皆様にお願いをいたしまして、この報告を終らせていただきます。
#6
○立花委員 資料をいただいたのは、これは委員長の報告をまとめられたものですか。
#7
○中山委員長 これは向うからいただいて来た資料です。
#8
○立花委員 向うでの日程をお聞かせ願いたいと思います。
#9
○中山委員長 月曜日の晩にこちらを立ちまして、翌朝五時半でしたか京都へ着きまして、向うへ着いたのが十時だつたと思います。まず新聞記者の申込みがごさいましたので、新聞記者に面会をいたしまして、それからさつそく平と申しますところに参りまして、そこを調査して、それからずつと國立病院とか、すつかり調査して、そこにとまりまして、また翌日すつかり調査をして帰つて参りました。
#10
○立花委員 そうしたら、向うで一泊だけなさつたわけですね。
#11
○中山委員長 そうでございます。
#12
○立花委員 この向うでいただいた資料はいつの資料でございましようか。
#13
○中山委員長 去年の十一月の一日です。
#14
○松本(善)委員 議事進行について、私どもは権威ある委員会でありますし、大体委員会の性質その他において速記も備えておる関係上、起立をしてやるのが建前じやないかと思う。非常になごやかな風景で、私は何事も言いたくないのでありますが、今後の委員会のあり方が、いつでも立たないで、すわつたままやつてよいのかどうか。なごやかな風景であるということは一応認めますけれども、委員会のあり方として、一応起立を願つて、委員長の許可を得てあるいは質問とか、そういうような方向に向われんことを私は切望するのであります。
#15
○中山委員長 それではそのように御了承願います。
#16
○立花委員 実はこの舞鶴引揚援護局一般概要というのが、委員長の報告の要略かどうかわかりませんでしたので、お尋ねをいたしました。それはわかりましたが、いつの資料かということがこれだけでは明確になつておりませんので、お尋ねしたわけであります。と申しますのは、最後に出ております数字が三万五千ばかり食い違いがあります。最後にナホトカより合計四十九万という数字が出ておるのでありますが、去年度におきましては五十二万五千ばかり帰つておりますので、三万三千ばかり数字が食い違いがありますので、お尋ねしたわけであります。
#17
○中山委員長 去年の十一月一日でございます。これは向うでいただきました資料でございます。
#18
○立花委員 もう一つの方も二十三年十一月ですか。
#19
○中山委員長 そうでございます。
#20
○立花委員 今度は引揚下の向こうの滞在日数が大分延びたように開いておるのですが、これでは四日になつております。その点も食い違いがあります。その史料が日付もわかりませんし、食い違いがありますので、その点をはつきりしていただきたいと思つてお尋ねしたわけであります。それから内容的に、たとえば森寮の方は十一棟となつておりますが、実際使つておりますのは、そのうち一棟だけしか使つてないのでありますか。
#21
○中山委員長 森寮の方は定着寮で、今のところだれもいないのです。私どもが見ましたときには、そこには一人もおりませんでした。就職して、みなそれぞれへの部門へ入つてしまつていらつしやいますので、今ではがらあきです。ただおせわなさるお方だけがそこにいらつしやるわけです。
#22
○横田委員 調査に行かれた点について函館、舞鶴、ここに行かれるときには、たしか前の委員会では共産党も入つていたはずです。それが六人が四人になつて、共産党が除かれたのはどういうわけですか。
#23
○中山委員長 それは何も理由はありません。私どもはみなさんを一つの委員会と考えておりますので、共産党あるいは民自党あるいは民主党というふうに区別して考えておりませんから、その点をどうぞ根本的に御了承願いたいと思います。
#24
○横田委員 そのお考えは困る。現に委員会の構成が民自党何名、共産党何名、社会党何名ということになつておる。だから共産党が行かなかつたからといつて何とかかんとか因縁をつけるのではないが、四人になつて、しかも共産党が入らなかつた点について委員長から、これは共産党は議会勢力は三十五名だから除くというのであれば話はわかる。しかし委員会の構成は党派によつて構成されておる委員会である。引揚救援議員連盟とは違うのですから、その点をはつきり頭に入れておいていただきたい。だから共産党が小会派で、少いから頭数で割つて行つたら共産党から出せなかつたというならば話はわかります。委員長も同じ大阪の人ですから困らすわけじやありませんが、お母さんが子供をだますような態度ではいけない。
#25
○中山委員長 私はそういうことは少しも考えておりません。初めは立花さんとそこはすつきり話合つて御了承をいただいておつたのです。共産党を無視してかかるのでしたら、お話合いも何もしないで行うたはずです。しかし立花さんと御相談をして、北海道の方は男子の方がいらつしやつたから、舞鶴は女子に、しかも違つた党派から行つていただきたい。私は委員長という責任上ぜひ行きたい。それからもう一つ、数の点においても共産党よりも社会党が多いのですから、その点においても社会党から行つていただいたらよかろうということで、立花先生もたつて行きたいというのをむりにお願いして御了承いただいて、行つたのです。頭から共産党を無視して行くということは考えておりません。
#26
○横田委員 そこで委員長の説明を聞きますと万全の用意ができておる。食糧は腐るほどある。石炭も山をなしておる。これは政府の人に聞きたいのですが、こんなに準備がありながら何でソ連から帰つて來ないか。去年は帰つて来たのに今年はなぜ帰つて來ないか。それは日本の知つたことではない。ロシヤに聞けという。ロシヤに聞く場合には負けた日本として私たち個人は聞けない。やはり政府を通じて聞かなければならない。政府が対日理事会を経過するか、あるいはソ連の大使館に頼みに行くか知りませんが、やは一応の公的な機関をもつてやつていただかなければならない。とにかく引揚げを促進する意味合いにおいて、なぜ引揚げが遅れますか、ソ連から帰らないのです、はいさようですか、という委員会ばかりやつておつてよいかということを聞きたい。
 それからこれは議事進行になるのですが、この引揚対策委員会がかいもく開かれない、私が委員会に参加したのはおしやべりのような決議案の議決をやつただけです。あれが実行されると全科玉條ともいうべき大文字になるけれども、実行されなかつたら、協議して事を連ね、文字を並べて本会で読んでも、議会としての決議が一体どうなるかと思うのです。現にまだ帰つて来ない。しかるに委員会を開いていない。なぜ開かないかと政府の人や委員長に尋ねると、部屋がないと言われる。そんなことで引揚促進の委員会が開かれないでいいか悪いか考えてもらいたい。外地におる人は天皇の赤子だといつて赤紙で送られた。その人たちの引揚の委員会が部屋がないから開けない。部屋がないと言うが、向うには天皇の部屋がある。あの部屋は天皇が勅語を読みに一年に一ぺん来るだけである。その部屋をあけておきながら、外地に送り出した自分の赤子を迎える委員会が開かれないというのはおかしい。あの天皇の部屋を使うのがいやなら、もつと部屋を用意して再々委員会を開いて、敗戰下の議員であつてやり込められることの多い委員会であるが、海外同胞引揚げのためにこれだけ努力しておりますが、それでも帰りませんということで申訳は立つ。このことをお願いしたい。その点について政府から明快な御答弁を願いたい。
#27
○大野(勝巳)政府委員 お答え申し上げますが、なぜ引揚げが遅れておるかといふ点についてはいろいろお考えがあると思いますが、ソビエト側から引揚げ再開の通告と、これが実施のための配船の要求がまだない。それから引揚げが阻害される原因がどこにあるかという御質問であつたと思いますが、今ここで現地を御視察になられた委員各位の御報告を聞いておりますと、日本側としてやるべきことは一生懸命やつておるという印象を受けておりますし、また対外面については、現在政府がやり得る最大の手を盡しておる、こういうふうに考えておりまして、日本の方に主たる原因があるとは考えられないのであります。
#28
○横田委員 主たる原因もないのに帰つて來ないでは困る。万全の手を施してこのままの状態では困る。そこであなた方各派のお好きな、党派を離れて全勢力を払つて引揚げを何とか打開するという意味合において、みんなが全知全能、全精力をあげてやるという方策を委員会で考えてもらいたい。そういう点については今の答弁には答えがない。
#29
○大野(勝巳)政府委員 全知全能を盡すというのははなはだけつこうな御意見でありまして、もちろんわれわれもそれに同意であります。政府として対外面においては、現在政府の置かれておる環境にかんがみて、制約されておる限度のぎりぎりまでは努力いたしておるわけであります。従つて委員各位におかれまして、こういう点をこういうふうになさいという御意見がございましたならば、ぜひこの際お数え願いたい。それが現在の状況下において行われ得るものであるならば、政府としてはこれを考慮するにもちろんやぶさかでないのであります。
#30
○中山委員長 私も一言ここで発言さしていただきます。新聞紙上でごらんいただいたと思いますが、一昨日各党の党首あるいは代表のお方に願い出まして、横田委員も徳田先生にお供なすつておいでになつておりまして、その状況をごらんになつたと思つておりまして、きようの横田委員の質問は実に私意外な感をもつて聞いておるわけでございます。ごらんになりました通りにソ連大使館に参りました。そうしてその係の人が出て参りましたので、まず私がきつかけに、去年は四月の一六日に通告があつて、五月六日には第一船がすでに帰つて来た。そうして今年は何の便りもない。しかも私が各地へ行つて、留守家族の人に面会していろいろ説明するについても、なぜに今年は遅いかという理由を言うことができない。しかも四月一日からこれだけの準備をして待つている。私は現にそれを見て来たのだ。そうしてこちらの方には万全の用意をしているにもかかわらず通告がないのはどういう理由であるかということをつつ込みました。しかも四月一日から今日までこうして待機している間の精神的の苦痛並びに物質的の損害浪費がどれだけ貧乏國のわが國に影響があるかということを私がつつ込んだのを横田委員はそこにいてお聞きになつたはずですから、それだけのことをおつしやつていただくのでしたら、なぜきのうソビエトの方に対してそれだけのことをつつこんでくださらなかつたのか、実は私は今不思議に考えておりますが、いかがでございましようか。
#31
○玉置委員 ただいま横田委員の質問と委員長からの昨日のソ連大使館に各派各党代表一致して折衝された経過を拜聴いたしまして、非常に私は奇怪な念を持たざるを得ないのであります。そこでこの引揚げの問題は、私も過去三箇年間北海道におきまして、在外同胞引揚促進北海道連合会の副会長として二回にわたり、マッカーサー司令官並びに対日理事会議長、ソ連大使館、中國代表團に促進方の陳情をいたしまして、しかも昨年のごときは、前回も申し上げましたように、八十万の道民の署名捺印による嘆願書を持つてお願いに参つたわけであります。そこでいろいろ当時も大使館に行つて御意見を伺い、連合國側の御意見も伺つたのでありますが、日本政府からの要求というものは――今残されておるただ一つ道は連合國を通じて要請するより道がないということは、皆さん御承知の通りであります。しかしその政府の申出ももちろん効果はありまするが、より効果的なものは、國民の世論であるということを聞かされております。從つて國民運動としての意思を反映することが最大の運動方法であり、効果的なものであるという点から考えて見まして、昨日委員長ほか各党代表がおいでになられて直接大使館に要請されたということは、まことに機宜を得たことであり、これに先方に対して政府より以上の意思を反映できたものと思うのであります。そこで今横田君のおつしやつたように、政府に対して最善の努力を拂わないということを要求されること、もとより必要なことでありまするが、特に共産党として日ごろ提唱されておりまするその運動方法、努力の経過より見まして、昨日ソ連大使館に行つてどのようなことを要求されたか。ほかの方々より日ごろ申されております筋合いから見て、共産党の代表の方々が最も強くこの日本國民の、しかも異郷の酷寒の地に暮しておる身内のことを思つて悩んでおる家庭の状況を見たときに、それこそ率直にその実情を訴えて、一日もすみやかに引揚げをしていただく。ことに今年はすで約束されておりまする期間も経過しておるにかかわらず、なおかつソ連からはいつ引揚げをするという通告さえ来ていないという実情に対して、どういうような要領で向うに要求をされたかということを私はまず横田委員に対してお伺いし、その御答弁によつて私はさらに申し上げたいことがあります。
#32
○横田委員 委員長と言わず、今の委員と言わず、実際なつていない。考えても見なさい。私は大阪に住居を持つ日本共産党國会議員團所属議員です。それがなぜロシヤの弁護をしなければならぬのか。何をもつて中傷議論しなければならぬのか。委員長は今回の訪問は政党政派を離れたものであると言われた。そうしてきのうの状態を見たればこそ、ここであらためて全委員に訴えて全日本の問題として引揚げを促進することを提唱しようじやないかというのです。きのうのロシヤ大使館に行つたこと、アメリカ大使館に行つたこと、それがよい行き方だと思いますればこそ、ロシヤ大使館に行つたのです。その時各党の人があまり言わなかつたように、われわれもまた今議会出しやばつてめちやくちやな活動をしなかつたように、ただ向うにおいてつぶさに一切の事情を見ておつた。それからアメリカの大使館に行つたときにどうだつた。委員長の車は来なかつたじやないか。それが來なかつたからいかぬとか言うのじやない。
#33
○中山委員長 それはまた話が違います。
#34
○横田委員 だから私が言うのはそのときの結果を見て、それを打開するために、日本人の構成する委員会が何とか引揚促進について強力な措置をとるように全党の組織をあげてやろうじやないかというのです。わかりますか。私は日本人であつて、ロシヤのために一言半句の弁解をする必要はない、義務もない。また同時にロシヤを悪く言うような専門議員でもなければ、悪たれ議員でもない。その点ははつきりしておきます。ロシアがああいう話をしたからといつて、私に何の責任があるか。それを私は承りたい。
#35
○中山委員長 あなたがロシヤ側を保護するというのじやなしに、ふだん私どもにはこういうように積極的にお話になるのですから、昨日行つた場合にも、向うにもつと積極的につつ込んでいただきたかつたと言つておるのです。私の申し上げた点をどうぞ曲解しないように願います。
#36
○堤委員 私はこれははつきりとイデオロギーを超越して申し上げるということをお聞き取り願いたい。民主自由党に味方するのでもなく、共産党のイデオロギーと私が合致したというのではありません。確かに昨日の大使館に行つての審議は各党の代表が行つてお感じになつたごとく、向うは口を減して語らずというのが実情であつたのでございます。何もあれだけの時間を待たせておいてああした冷遇をするということは、私は普通のエチケットではあり得ないと思う。これは單に私がきのう感じただけでなしに、以前からたびたび大使館においでになつた方々が私的の立場において口吻を漏らしておられる事実においてもはつきり認められます。共産党の徳田さんがおつやいましたが、今日の日本の反ソの空氣が向うの感情を悪化させておるのだということは、私はこれも公平に認めたい。アメリカにのみ敬意を表してそれよりうんとレベルが下であるというような、ロシヤ、中國に対するところの空氣というものも、負けた國民として反省しなければならぬ。私はこれも認めたい。また逆に向うとしても、ヒユーマニズムの立場に立つて当然返してくれるのがあたりまえですから、お互いに個人の場合も同じでございます。賣言葉に買言葉ということがございまして、こちらがなまいきになれば、向うがむくれるのはあたりまえである。でありますから民自党の方々も、共産党にお前は親類ではないか、兄弟分ではないか、だからお前たちが突込めば何とかなるのだ。たしかに今日の委員長の横田さんに対するお言葉にとげがあつたように思います。また玉置さんの御質問もとげがあつたように思います。どうかこのとげを共産党も少しひがんでいらつしやるので、どうかここはお捨てを願いたい。超党派的な、四十七万の同胞のための私どもの委員会でありますから、ここは感情を抜きにしていただきたい。
#37
○中山委員長 私がこう申し上げたのに理由があるのです。それは五時に行くというお約束をしておつたが、三時半に行かないととつくり話ができないという徳田先生のお話で――できませんでしたから、これだけのことを申し上げたので、感情に走つたのではなく、事実です。
    〔「議事進行」「議事進行」と呼ぶ者あり〕
#38
○中山委員長 それではこれで打ち切りましよう。
 ちよつと皆さんに申し上げますが、ただいま議題といたしております件は派遣委員よりの報告聽取でございます。つきましては御質問なり御意見は、議事進行となるべく本件に直接関係ある問題だけにいたしたいと存じますから、さよう了承をお願いいたします。
#39
○立花委員 その問題と関連があるのですが、私たちソビエト大使館へ行つて話をするだけでは問題が片づかぬと思います。私たち委員の行動が問題になつて来る。政府の行動が問題になつて来ると思うのですが、その際にはやはり私たちの委員会として責任をもつて調査に行かれた調査團の行動、調査團の報告、そういうものをやはり私たち自身として反省しなければいけない問題じやないかと思うのですが、その点で私は非常に今日の御報告に不満があります。第一日程の問題で、五日も行つておられながら、一泊しかなさらずに帰つて來ておられる。その間の問題が非常に不明でありますし、さらにきようお配りになつた資料の問題、これは実際このままいただくと、どこから出た何の資料かわからないし、数字がでたらめだし、こんなものをいただいて報告の資料とされては非常に困ると思うのです。こういうふうなことをまず委員会として反省しなければ、決して大使館へ行くだけでは問題は解決しない。まず第一に出発にあたつて共産党が除かれた点も問題でありますが、女同士だから行くのだというような考え方は非常に困ると思う。だから私は特に委員長にもお話いたしまして、積極的に調査したい点もあるし、今まで調査も続けておるので、ぜひ参加させていただきたいということを申し出たのですが、許されなかつたのです。私たちの調査したものから見まして、この数字は非常にでたらめがあります。全部でたらめなんですが、たとえば現在の職員の総数からして間違つている。総数も間違つておりますし、施設の調査の坪数も間違つております。それら引揚げ者の寮の收容能力も間違つており、倉庫の坪数も間違つております。それから業務概要の点で三泊四日となつておりますが、これも間違つております。從つてその他の引揚業務実実施要領の一、二、三、四、となつておりますのも、これは今年の計画とは全然違うわけです。こういうものを資料をお出しになつて、それで五日も調査に行つて來られたというようなことをなされるということは、これは委員会としても責任問題ではないかと思うのです。しかも一般概要なんかは向うの出しております十一月の資料をそつくりそのまま一行もかわらず写しておられるだけなんで、こういうものは説明がないと誤解を招く大きな原因になる。こういうものをお出しになつて報告にかえるというやり方は、委員会としても十分反省しなければならない。その点で調査に行かれた方の責任ある御答弁をいただきたいと思います。
#40
○中山委員長 それでは援護廰のお方にこの資料に関して御答弁を願います。
#41
○田邉政府委員 具体的な数字の点につきましては、正確を期するためにさらに檢討さしていただきまして、調査をいたした上でお答えいたしたいと思います。ただ三泊四日が事実でないというお話がありましたが、現在のところわれわれの方針といたしましては三泊四日でございます。将来これが改められることがあるかもしれませんが、その点は今のところ改正になつておりません。原則として三泊四日であります。あとの点につきましては数字をもう一遍調査いたしまして御報告申し上げたいと思います。
#42
○堤委員 立花委員に申し上げておきますが、私が共産党で立花先生が社会党であつたならば、私はこの調査に行きますのに、おそらく女であつても御遠慮申し上げたと思うのであります。なぜならば委員の数においても三対二でございます。その点において私が社会党を代表して行つた、單に女なるがゆえに同道したということをつつ込まれることは少し変であり、私は異議がある。当然私が社会党を代表して行つたということには無理はなかろうと私の常識においては委員の一人として考えております。悪しからずその辺はもう一度考え直していただきたいと思います。さらに私たちが一泊しかして来なかつたという御返答でございますが、私たちは中山委員と夜は十時まで事実歩きました。ほんとうにきようは何里歩いたろうというくらい歩いて、もう一泊すべきところを私たちはもう少し離れた社会施設を見て来ようとか、女だから母子寮を見て来ようという細かい神経を変に働かせまして、夜遅く向うを立つたのでございまして、一泊というのは必ずしも私たちが怠けておつたことではないということは新聞記者すべての人たちが私たちの行動を知つておりますので、事実御調査を願いたいと思います。
#43
○立花委員 そうしたら二日におたちになつて、三日に調査をなさつて、四日の日に……。
#44
○堤委員 四日もやつております。
#45
○立花委員 四日の晩におたちになつて、五日、六日と残つておるわけですね。
#46
○堤委員 帰つて来なければなりません。
#47
○立花委員 五日、六日かかつてお帰りになつたんですか。
#48
○堤委員 六日の朝着きました。
#49
○横田委員 要は私たちがわあわあやつておるのも、これは引揚げが遅れておるからです。だからこの問題は根本的にひがみがとれるものだつたらとつて、引揚げを阻害する原因を徹底的に究明しようじやありませんか。
#50
○中山委員長 目的はそこです。どなたがわあわあおつしやるのも目的はそこです。
#51
○高倉(定)委員 これで感情がとけたようですから、この報告は別として、昨日代表されて大使館その他においでになりましたその経過を委員長なり、ここにいる委員の中でおいでになつた方々からひとつ詳細な御報告を願つたならばその内容がよくわかると思いますから、ひとつ御報告をお願いします。
#52
○中山委員長 それでは私がさせていただきます。いろいろ向うと事務部の方々を通じ、渉外課を通じて、まずGHQにソ連大使館に私どもが行くという先達をしなければならないということを聞きまして先達をいたしました。そうしたら行つてもいいということになりましたので、ソ連大使館に向けて伺いますがと申しましたら、いつでも来ていいこういう言葉でありましたので行くことになりました。そしてついでというと悪うございますけれども、結局対日理事会にも行くべしという意見が出ましたので、対日理事会に通告しました。御案内の通りにシーボルト氏は今休暇を得て本國へ帰つていらつしやいますので、その代理のヒユーストン氏が面会する、五時に來てくれ、こういうことでございました。それではここを四時に出発して、ソ連大使館に行き、対日理事会に五時に着くようにしようと思つておりましたが、徳田先生から、もつと早く三時半に行つて、ただ單にあいさつではいかぬから、よく話合いもできるように、時間を早くしてくれというお申込みでございましたので、それでは半時間早めて三時半に出発しようと申し上げて、各党の総裁級をと思つておりましたが、御都合が悪くて代表というところで向いました。それでバスに乗り込みました。ところがそのバスが小さくて周東先生と私が乗ることができませんので、周東先生の車に二人が乗せていただいて、ソ連大使館に伺いました。参りましたところが応接間のようなところに通されまして、待つこと二十分くらい、通訳の方が出て参りまして、それからテレビヤンコ氏にお目にかかりたいと申しましたところ、お留守というのでロザノフとおつしやるお方がお出でになりまして、これはテレビヤンコ氏の随員だ、こういうお話で、その方は通訳の方を通して私どもが申し上げることを筆記をしていらつしやいました。それで私が委員長という建前から、先ほど申しましたように、去年の状況、今年まだ通告がないこと、そうして私が留守家族に面会してその帰つて來ない理由を聞かれたときに、何とも返事ができないので、もしまだこれが通告がないものであつたら、帰られない理由を私どもにお聞かせ願えたら留守家族もその理由の次第によつては安心するだろうし、私も自分の職務立場上申し上げるのに非常に都合がよくなりますので、その理由をお開かせ願いたいということを申し上げました。ところがその人はそういうことを言う立場にいないということを仰せになりましたので、周東先生が、それではやむを得ないから、その立場にいらつしやらないのならば、テレビヤンコ氏にこの話を通じていただいて、この二十三日をもつて議会が終るから、その以前に二十日ごろにもう一度あらためてその理由を聞かせていただきに参りますから、どうぞその御連絡をお願いしたいということを申しましたが、そのときに徳田先生が御発言になりまして、日本の方でやつていることで、ソ連がいけないと思うことは言つてほしい。またソ連の方に対して自分たちがふに落ちないことは、こちらからも申し上げますからよろしく頼むということを仰せになりまして、それで会見を打切つて出たのでございます。そして私どもの乗つております自動車が先頭に立つて行つておりましたので、あとの車は付随して来るということを確信して対日理事会に参りまして、玄関に立つて二十分ばかり待つておりましたが、いつまで待つても車が参りませんし、会見の時間は迫つて参りますので、二階に上りまして、取次の方にその由を申しました。私どもはこうして参りましたけれども、あとに見える方がまだ六、七人おいでになりますので、もう少し会見の時間を延ばしていただきたいということを加藤とおつしやる御婦人の受付の方に申出まして、二十分ばかり待つておりましたけれども、どうしてもおいでになりませんので、どういうわけでおいでにならないんだろうか、何時までヒューストン氏はここにおいでになりますかと言いましたら、五時半まではいらつしやるというので、その時間中できるだけ待ちましたけれども、ついにおいでになりませんので、周東先生と私がヒューストン氏にあまり待たせるのもどうかと思いまして、会見を申込んで、二人が向うにお目にかかりまして、私どもの國内の情勢を申し上げ、受入れ態勢は私どもが見たところでは完備していると思う、持つて行く食糧が少いからあるいは帰る人数も少いじやないかとうことが日本で評判になつているが、その点も私どもが視察した上では心配がない、何とかあなた方の方に私どもの方で足らないような点がお氣づきであればおつしやつていただきたい、ぜひ一つ御努力願いたいと申しましたならば、ワシントンと連絡をとつて一生懸命に促進をやつておる、しかしまだ何ら報告がない、この上ともに一生懸命にやるから、あなたたちも一生懸命にやつてくれ、これだけのごあいさつでございまして、帰つて参りました。どうして皆様がいらつしやらなかつたろうかと帰り道も周東先生とお話して帰つて参りましたわけで、大使館へ行くということは私ども初めから考えておりませんでしたので、宝町の三井本社の対日理事会にいつも行き、去年もあそこへ行つているものですから参りました。そこがお互いにはぐれてしまつた原因になつたわけだと私は考えます。それではこれでよろしゆうございますか。
#53
○横田委員 誤解を避けるためにはつきりしておきますが、別に共産党の宣傳をするんじやないが、きのう行かれた方は御存じのように、徳田書記長も行つたけれども、その返事の結果は委員長の報告された通りである。もし日本共産党に連絡があつたのだつたら、徳田書記長が何であんなところへ行つてあんなことで帰つて来るか。終戰後の行き詰まつた日本において早く帰つてもらおうというので引揚げを促進しようと思つて行きながら、その返事が思うようにならないで、わずかにテレビヤンコ氏が帰つて來たら知らすというくらいのことしか聞いて帰らなかつた。何の連絡もなければ何の作為的なこともない。ただ自動車の点で言つておきたいのは、何も私たちは委員長が悪いというのではない。私たちも衆議院の車に乗つて行つた。で、おりてみたところが委員長は来ていなかつた。それでこれは自分たちの間違いか向うの間違いかというので帰つて來ただけのことである。そういうわけで、党派を離れてもつと早く帰つて來るような運動をやつていただきたいのであるが、それにもかかわらず共産党がどうだと言われるのだつたら、これは党派的な問題としてもやりたい。ただ一つ言いたいことは、共産党は組織の党で、順序よくやりたいと思つているので、きのうも返事を聞いたからそれで満足しているのではない。共産党は何とか打開の策がないかというので、やはり正式に引揚者の大会にもかけ、あるいは共産党の党機関にもかけてこれから準備して大きく動こうとしておるわけです。その点御了承を願いたい。それだけ言つておきます。
#54
○足立(篤)委員 私も誤解を解くために一つ申し上げます。先ほど堤さんのお話の中でしたか、徳田さんが、日本が現在反ソ的であるので、それが引揚げのできない大きな原因であるというようなお話をなさつたということがありましたが、これは非常に重大な問題でありまして、私はそれに対して自分の私見を加えて御質問したいと思うのありますが、もちろん日本人の大部分はソ連とはイデオロギーが違う、考え方が違うということは事実であります。また民主政治のもとにおいてイデオロギーの闘いということはソ連も認めると私は思う。ポツダム宣言を柔順に受諾して実行しております日本人といたしましては、ポツダム宣言の受諾に基く管理を受けておりますので、好むといなとにかかわらず一定の基本的な方針によつて動いておるということは万人に認めていただけると思う。私どもが今徳田さんの言われた言葉を聞きますと、まことにふに落ちないような不可解な氣持がするわけでありまして、反ソ的になつているとすれば、その大きな原因はまだ同胞が数十万ソ連から帰してもらえないというこの事実によるのではないかというような氣がするわけであります。ことに私どもは終戰後満州でソ連側のいろいろの処置を受けましたが、これに対する人間としての悪感情はぬぐい去ることができないものがある。このような問題が結局積り積つて、それが隣人に傳わり、今日ソ連に対して日本人が反ソ的であるとすれば、それが大きな原因であると私は思うのです。鶏と卵の関係のようなぐあいになると思うのです。從いましてこれはつきつめて行けば、水かけ論になるわけで、それよりも私どもが敗戦國として國際的に追究する権利は持つておりませんから、ソ連側の人道愛、世界の人道愛に訴えまして、この問題を解決していただくということでなければならぬと思うのであります。徳田さんがどういうふうにお考になつて言われたのか、またそれについてはソ連側から何か情報があつたのか、もしお聞きになつた方は、御承知ならばこの際発表していただいて、それに対して私どもも真劍に考えなければならぬ問題であると存ずるわけであります。
#55
○堤委員 それでは徳田さんがきのう何回もお繰返しになつた言葉を、私が繰返してみます。現在衆参両院とは言わないけれども、参議院の同胞引揚援護委員会でやつておることは、実に反ソ的なものである、ああいうことをするからかえつて向うの感情を悪くするのだ、こういうことです。要するに敗戰國としてはやはり頭を下げて帰してくれと言つて頼むのがあたりまえだと思う。かてて加えて、現在の中共に対する日本人の感情的な反発的な氣分が、ロシヤをして今日意地になつて帰さないようにしているのではないかという徳田さんの御意見であつて、衆議院の方ではやつていないけれども、参議院の中でああいうことをやつているということになれば、それがやはり國会の中においての空氣ということになります。あれは非常におもしろくないのでああいうことはやつていただきたくないとおつしやつた。それにつけ加えて私が感じたことを申し上げますと、こちらが戰敗國だ、だから一応戰勝國に対しては、戰敗國としてのエチケツトを持たなければならぬ。ですから向うが共産主義者であり、こちらが私ならば社会主義、民主自由党のかならば資本主義者であるならば、これはイデオロギーの点においてはお互いにはつきりと一線を画していたらいいと思う。人種は違いますけれども、今日ソビエトにおけるところの共産主義に対して、侮蔑の目を向けがちであるということは、人間として一応おのおの主義を持つものは私は考えなければならぬことであると思う。この意味において先ほど私が申し上げたのは、共産党も民自党もあまりにも排他的であつて、あの本会議における論議を見ても、たとえば敵であつてもいいことを言つたときに手をたたかなければならぬのに今日の國会議員は、いいことを言つておつても手がたたけないようなことである。これは日本人全体の欠陥であろうと思う。知性の低い証拠、民度の低い証拠だと思う。ですから徳田さんの言われるのもむりはない。なるほど敗戰國としてエチケツトを保ちながら帰してもらうように懇願する。こちらの主義も尊重すれば、向うの主義も尊重するという態度に出て、数の上において多いものに從うというような行き方を、お互い國民としてはすべきではないか。だから徳田さんの言うことに対して、あながち民自党がひがんで、それを全然聞かないという態度もやめて欲しい。
#56
○足立委員 私が質問したいのは、徳田さん自身にお伺いしなければならないわけですが、何かの根拠、情報あつてのことか、それとも徳田さん自身のお感じであるかどうかということをお伺いしたいのだが、今の堤さんのお話では、参議院がきわめて反ソ的な委員会をやつているというようなことが、大きな原因であるというのが徳田さんのお考えのようでありますが、私は参議院の会合にときどき出まして様子を見ております。あの委員会は最初は舞鶴事件でありまして、舞鶴事件は御承知のように共産主義者が舞鶴へ上つてなぐられて、十三名が行方不明になつたということについて、細川さんあたりから話が出まして、それを調査しようというので、決して反ソ的でも何でもないことが原因で始めている。今の吉村隊長事件の方はどちらかと言えば、旧軍国主義者が向うに取入つて日本人をいじめたという暴力行為である。あれを調べることは決して反ソ的でも何でもない。あの委員会へ出てみますと、両方を公平に調べておるようだし、共産主義者でも相当思い切つた発言をしておるようです。決してあの委員会の運営そのものが反ソを目的として、初めからやつたのだというふうには私は理解できない。先ほど申し上げましたように、國内全般の反ソ空氣の大きな原因は、引揚げが再開されないことにあるのだということはひとつ皆さんに御了解願つて、徳田さんの御意見もお聞きしたいと思うのです。
#57
○堤委員 私は足立委員のおつしやつたことはよくわかるのでございますから一応この衆議院の海外同胞として参議院にきようは正式に抗議を申し込んでいただきたいと思つておるのです。私も二、三回拜聴いたしましたけれども、やはりあれはあくまでも公平なものであつてほしいと思うのであります。委員の数が多いからと言つて民主自由党の党利党略に利用されるようなことがあつてもならないし、また共産党の方がそれを種にあちらをやつてやろうということになつてもおもしろくないと思う。渡邊軍曹の自殺などもありまして、私らの常識として、ソ連に対する國民感情も、もう少し公平に考えなければならないというようなものも、大分あると思います。ひとつ参議院の海外同胞引揚のやつていなさることは、今後慎重を期してもらいたいということを、衆議院の委員会としては正式に申入れをしていただきたい。お互いわれわれは感情の動物でございますから、國際間においてもお互い感情的なものをかもさないような空氣に持つて行つていただきたいということを、正式に申入れしていただきたいと思うのでございます。
#58
○玉置委員 先ほど横田委員から、委員長の御発言で了解ができ誤解がとれたということで、まことに私も満足したのであります。私が先ほどお話したのも、何も誤解を持つたとか、ひがんだとか、あるいは中傷したというような氣は全然なくて、ただ政府より申し入れるよりも国民の輿論として申し入れた方が効果的である。そのためにはイデオロギーを同じうする者の要請ということが一番通りがいいじやないか。堤委員から申されたようにイデオロギーを同じうする者の方から特に要求すれば、非常に相手方も好感を持つて、お前らならいい、これはこういう事情であると、向うさんからの御返事もいただけるであろう。從つて共産党の方々がどういう要求をし、どういう注文をしどういう話をされたかということをお聞きしたのであつて、私は何も最初から中傷するとか、誤解するとかいうような考えは毛頭なくてお伺いしたので、幸いにこうした氣分でこれが白紙に帰つて行くということになれば、本委員会の活動の将来は期して待つべきもしのがある。この機会にわれわれは、この問題に限りほんとうにイデオロギーを超越して、愼に在外同胞のために、これから真劍にこの運動を展開して、一日もすみやかに同胞の引揚げができるように努力して行きたいと思うわけであります。
#59
○中山委員長 それではこの問題につきましてはこのくらいにいたしまして、次の引揚促進及び定着援護等に関する件を議題といたしますが、御異議ございませんか。
#60
○坂口委員 今の新しい議題に入るのかどうかわかりませんが、私は委員会に一、二回都合で出ませんでしたので、前後のことがわからぬためにお聞きするわけでございますが、昨日各党代表がおいでくださつたのはおそらくこの前に各党首がそろつてわれわれの委員会の意思によつて行つていただいたものであると思いますが、そうでございますか。
#61
○中山委員長 さようでございます。
#62
○坂口委員 それにつきまして非常にお骨折りいただきまして感謝しておりますが、私は最初からこの委員会に二年ばかり関係しておりまして、あらゆるわれわれの智惠をしぼつてこの引揚げの促進に努力して参りましたが、まだ御承知のような状況ではなはだ残念でありますが、それにつきまして私どもの真劍な態度、熱意というものはもちろん必要でありまして、先ほどもお話しの通り熱意のほとばしるあまりにいろいろな話の行き違いもあるようでございますが、すべてこの大問題、われわれが國民の最も大きな熱望を早く解決せんがためにほかならぬ。たださらに私が希望を申し上げるならば、各党首が行かれることはいろいろ忙しいことでございますからおさしつかえがあると思いますけれども、名実ともに各党の党首がやはりおいでを願わなければならぬ。もちろんかわりにお出でになつた方が決してつまらぬとは申しませんけれども、やはり権威あらしめるためには名実ともに党首の方に、そうたくさんおられるのではありませんから、これをひとつ実現してもらいたいということ。その点から行きまして昨日のも非常にけつこうでございましたが、なお私どもは先般こういう希望を申し出しましたのは、実は三人か五人しかおらない党首が、それぞれわずかなひまでございますから、この大きな問題のために御出馬を願いたいということであつたのであります。
 それからもう一つは私があるいは十分注意していなかつたためにはつきりしたいのかもしれませんので委員長にお尋ねいたしますが、この前帰還促進の決議案を両院とも議決いたしました。これの始末についてはおそらく御報告があつたと思いますが、私あるいはその席に出ておらなかつたかとも思いますが、これにつきまして私どもは今まで何度もこの決議をいたしましたけれども、この決議を両院の議長が自身で打そろつて持つて行くようお願いをする。これにはもちろん両委員長も御同行にならなければならぬのでありますが、そういうことを私は御希望申し上げておつたのでありますが、今回はどういうことになりましたか。あるいはそういうことになつておつたかもしれませんが、ちよつと私注意しておりませんでしたので、あわせてこの際委員長にお伺いいたします。それからもう一つ、適当な当局がおいでかどうかわかりませんが、また今までにこういう問題は出たかとも思いますけれども、なお解決しておらぬようでありますから一つだけ。というのは帰還者の職場、大会社なりあるいはまた官職なりそれぞれ職を持つて在職のままに応召をし、あるいはソ連に抑留されておる。これが近頃はだんだん長くなるせいもございましようが、また他の理由もあると思いますが、相当大きな会社等におきましてその職を失わしめておる。大量に失わしめておるという事実が全國にあるようでございます。これはもちろん法律その他で縛る規則はないと思いますが、しかしながらこれに応召当時から大体においてその職場を持つておつた者が、それぞれその職場に帰還するまでは、やはりそりままその職場に置くということが一つの日本全体の道義的な約束になつておるものと私は考えております。これに対しまして最近各会社その他お困りのところも非常に多いのでしよう。経営上困るところがあると思いますが、しかしながら私は帰つて來る人が帰つて來て自分の職がすでになかつた。またその人たちのために代弁をする十分な人もなくて一方的に職を失わしめられるようなことは、われわれとして十分に考えなくてはならぬ。むしろ国民としてこういうことを避けることが、最初通りにこれを固持して行くことがわれわれ國民の義務である。これに対しまして政府の方でそういう事実をお聞きになつておるか。あるいはまたそういうことに対して、もちろん法律で拘束するわけには参りませんが、政府としてあるいはまた地方廰としてこれに対して強い希望をもつてそういう経営者、その他に御注意になつたことがあるかどうか、あるいはまた今後おやりになる意思があるかどうか、あわせてお伺い申し上げたいと思います。
#63
○田邉政府委員 帰還者の就職ないし失業問題は、帰還者の厚生対策においてきわめて重要な問題であります。帰還援護廰といたしましてもこういう点については常に深い関心を払つております。ただ職業の問題は労働省の所管でございまして、本日責任ある答弁はできないと思いますが、ただ私の方からは労働省に対しましで常に緊密な連絡をとりまして引揚者の職業ないしは就職の問題について遺憾のないように、できるだけの努力を拂つていただくようお願いしておる次第であります。労働省といたしましても、帰還者の就職問題につきましては非常に重視されまして、努力は払つております。ただいま御質問のありましたような意味につきましては、私まだどういう手を打ちましたか詳細わかりませんので、労働省の方にお傳えいたしまして、他日労働省関係の委員からお答え申し上げます。
#64
○中山委員長 この間のお話で党首ということでずつとお願いいたしておきましたけれども、おさしつかえあるようで、昨日はお出向きができませんでした。まず党首をお願いして、その次に議長さん方にお願いをしたい。こういふ順序で行こうと思つておりましたところが、昨日はあれが第一回でございましたが、また今度議長さん方に決議文を持つて御訪問いただきますようにとりはからわしていただきます。
#65
○坂口委員 決議文は委員長が持つて参りましたか。
#66
○中山委員長 あそこに差出しました。
#67
○坂口委員 私はあれを持つて議長に向うに行つてもらいたいと思います。
#68
○中山委員長 それではさようなとりはからいをいたします。
#69
○吉川委員 同僚の河野金昇君にかわつて出て参りましたので、途中からでたいへん恐縮でございますが、ただいま坂口委員のおつしやつたことはまつたく同感でございまして、せんだつて來なかなかソ連大使館においても責任ある方にお目にかかれない。また責任あるお言葉がなかなか伺えない。そこでこちらも礼を盡すと申しますか、慎重を期しまして、各党の党首の方にひとつ行つていただけば、向うさんも礼を盡していただけるのじやないかということで、総裁なり委員長に行つていただこうということになつた。それを委員長のいろいろの御配慮にもかかわらず、ついにそれが実現しないということは國会がこういつた問題についてきわめて熱意を欠いているのだということを國民から非常に批判されるのです。こういう問題はもつと真劍に最初きめた方針をあくまでも実現できるような、われわれもそうですがお互いに努力しなければならないと思つております。委員長においても特にその点をひとつ御配慮願いたいと思います。
 それから政府委員の方の、同じく坂口委員の御質問に対するお答えに、労働省にいろいろお願いしているというようなお話でありましたけれども、政府は一つでございますから、どうか厚生大臣の方から労働大臣の方に、閣議においてこれを強力に政府として、労働省としてやるのではなくして、政府としてこうするのだという態度をはつきりとらせるような措置をひとつお考えを願いたい。事務当局でいろいろ御心配いただかなければならぬ点も多々あると思いますけれども、基本的な問題にやはり閣議できめていただくことが、いろいろの施策を行う上に有効適切だと思いますから、そういうふうに御配慮願いたいと思います。
 ただいまの問題と多少関係がないかと思つて恐縮に存じますが、実は昨年引揚げて来られた諸君のお話を聞きますと、ナホトカで船に乗り組みまして、非常に祖國の香りのするものを切望されるそうです。みかん一つでも、りんご一つでもみんなでわけあつて、とにかく一刻も早く祖國の香りのするものがほしいというような切実な声を聞いております。それについて船にあらかじめくだもの等を乗せて持つて行かれるかどうか。行かれるとすればそういうような御配慮を今までされたことがあるか、また今後される御意思があるかどうか、それを伺うつておきたいと思います。
#70
○田邉政府委員 くだものを用意して持つて行つておる事実はございません。いろいろ規則その他の関係がございまして、くだものまで持つて行くことはいたしておりません。食事につきましてはできるだけ日本的なおいしい料理を十分するように、昨年末から予算の單価を増額し、設備を改善いたしまして、引揚者の方々に喜んでいただけるような食事にいたしております。また菊あるいは櫻の花等を船中にかざりまして持つて行つた例はございます。
#71
○中山委員長 ちよつとつけ加えさしていただきます。この間私どもかまでたいた御飯を食べさしていただきましたが、大分まだ麦が入つておつてぶつぶつするような感じでございます。その点におきまして、これまではたとい病人でもそれを食べさしておられたそうでありますが、今回からお腹の悪い方にはおかゆを差上げる準備ができたということを聞いておりまして喜んでおります。
#72
○吉川委員 くだものを船に乗せて運ぶことにつきましては、何か病虫害の予防の関係で、いろいろめんどうな問題があるはずですが、しかしこの問題に関する限り、向うへ陸揚げするわけでも何でもありませんし、日本のくだものはシベリアでは大体育たない。私もあちらにおりまして、育たないはずでございます。そういつた問題はないから、ひとつこれが実現できるように御心配いただけますならば、私の方に献金というか、寄付をしてもいいとい篤志家があるのでございまして、そういうことができるかどうか政府に確めてみてくれという注文があつたのであわせてお伺いするわけです。
#73
○田邉政府委員 ソ連に残留しておる人は三十万と発表されております。ある船やつて、ある船に積まないというわけにも参りませんので、篤志家の御寄付もありがたいのでありますが、それで全部にやるということは予算的な措置を講じないと困難と思いますが、目下の予算の範囲内でできるならば研究したいと思います。
#74
○足立(篤)委員 ちよつと速記をやめて……。
    〔速記中止〕
#75
○中山委員長 速記を始めて下さい。
#76
○足立(篤)委員 実は私は先日の自由討議で意見を述べたのですが、過日横田君から同じような御意見がございましたのですが、私ども荏苒手ををこまねいて、大使館とか司令部とかいう方面にお願いをするという今日の状態では、とうてい引揚げを待つております方々の御心情におこたえすることができないと思うのであります。でき得べくんばソ連に國会として代表を送つてお願いをすることが許されれば、そこにまた曙光も見出し得るのではないかという氣がするのですが、一応連合軍当局に委員会として御交渉なさつていただくわけには参りませんでしようか。
#77
○中山委員長 その点について、私は出発する前に横田委員から、船に乗り込んでこの委員会の者が行けないかとうかということを聞いてほしい、こういう御意見でございましたので、向うへ行つて聞きただしましたところが、船員となつてならば行かれるけれども、しかし國会議員として乗り込むことはできない、すなわち從業員以外の乗り込みは禁止する、こういう話を聞いて参りましたから、ぜひ御希望の方は船の從業員として……。
#78
○堤委員 中山委員長のお話は少し御解釈が違うのではないでしようか。
 横田委員は、向うから通知があつた場合に、看護婦たちが船に乗つて迎えに行く。その船の中に国民代表としての國会議員を乗せていただきたいというのであつて、ただいまの中山委員長のお話は、横田委員の御趣旨とは全然違うのです。
#79
○横田委員 私の申し上げたのは、國会を代表してスターリンに会いに行くということです。それを連合軍が許してくれるかどうか、という了解をとつて……。
#80
○池見委員 この委員会の最後の目的と申しますか、それは引揚げの再開を第一に促進する、二義的には、一日も早く抑留者を引揚完了せしめる、こういうことが必要だと思います。ついてはこれに対する方法は、今まで各委員の方々からこの会を重ねるとともに種々御発表があつたのでありますが、私といたしましては、このもらいました表から見まして、すでに本年度は一箇月近くも例年より遅れている、こういつた場合に、今國会において最も大きな問題として國民の注目しているものは、引揚促進の問題と、かつて問題になりましたいわゆる戰争犠牲者未亡人の救援――これについては非常に躊躇しておりましたが、今國会においては、幸いに決議案が可決されたのであります。從いましてこの二つの問題は、いずれも国民運動を起してやる性格持つておることは論をまたないのでありまして、この問題につきましてこの表より見まして、すでに一箇月も再開が遅れております今日において、あの決議案の趣旨をわれわれはあくまでも貫徹しなければならないという氣持がありましたならば、少くともこの表による引揚げであるならば、あの決議案の実現は不可能であるということが言い得るのであります。從いまして私は政府委員の方において、少くとも現在の残留している抑留者を今年度において引揚げを完了する場合においては、どういつた月別の数字になるかということを、一応お示し願いたいと同時に、その点におきまして、来る二十日にはソ連の代表者と再び会見するというお話がありますから、そういう場合におきましては、從来月五万人というわくをこの表によつてかくかくしかじかぜひ本年度内に引揚げを完了してもらいたいという意味合のもとに、私はそのわくの大幅の拡張もそのときにお願いをしてもらいたい、こういうことを考えますから、どうぞひとつよろしくお願いいたします。
#81
○受田委員 この引揚特別委員会が発足して三年になるわけでありますが、今一番重大な時期に際会して、近く國会が閉会されようとしております。しかも先ほどの御意見のごとく、この國会の最も人道的な大きな問題であつた引揚促進決議と遺家族援護の決議がなされたわけですが、悲しいことに、引揚促進に対して政府が今一歩強く主張してもらいたいという点において欠けている。この引揚促進決議案が上程された際に、これはたびたび出ることだから、委員長の報告だけで、各党代表の賛成演説はいいじやないかということで、簡單に片づけられて、各党代表の意見も開陳することができなかつた。こういうような点については、非常に冷淡にあたつておることを遺憾に思いますし、また昨年の七月に、國会にできた例の引揚同胞対策審議会が、この八月三十一日でなくなるようになつておるのでありますが、國会の名においてこの審議会を存続して、成果を上げるようにする必要はないか。また会期が終末を告げるとともに、この重大な問題を残したままで、われわれ國会議員が地方に帰ることは忍びないもりがある。そこで引続きわれわれは、この重大問題をひつさげて、各地における引揚促進大会とか、もしくは種々なる援護対策について継続的にわれわれの努力を傾ける方途を講ずるために、政府が常に意図するところを、われわれに大いに開陳してもらつて、國会と政府が國民と一体となつて、この問題の解決に当るという大運動を展開する必要がある、ここで特別委員会がもう何回開かれるかわかりませんが、もはや一、二回やればせいぜい一ぱいだと思います。こういうときに、こうしてわれわれ残されたわずかな委員が、ここで簡単にこの問題を葬り去つて地方へ帰るわけには行きません。そこで今申し上げた問題について、何らかの解決をしておいて、閉会を迎える必要がある。先ほど來與党も野党も、ほんとうにこの問題を真劍に考えるがゆえに、いろいろ熱意のある意見が出たのでありますが、問題は引揚促進にあるのでありますから、もつともつと高い立場で、人類を愛し同胞を愛するという愛のこもつた行動をわれわれはしなくてはならないのであります。そうしてこの委員会の性格が政党政派を超越して、自分の担当する委員会は外務省にも厚生省にも文部省にも労働省にも各省に関係しておる非常に廣汎なものであり、それらを超越して、高い立場で、各省を動かすという力を持つ委員会でありますから、この点においてもこの際再檢討を加えて、われわれの委員会を権威あらしまる。泡沫のような委員会の感じを絶対に排除して、われわれの委員会こそこの國会における最も美しい花を咲かせる委員会である、この引揚特別委員会において祖國再建の大きな基盤が養われるということを、衆議院がやつておるような立場と違つた意味で、もつと実質を持つて、もつと効果あらしめるような、とにかく國会議員としては最善を盡して、良心的にも一切恥じないような結末に持つて行きたいと思うのであります。その点は、こうして討議されつつも、実際の効果がうすい現実をほんとうに悲しむとともに、われわれはこの委員会でいろいろと叫ぶのみでなくして、今引揚げに際会して、その遺族の人たちにもやさしい愛の手をさしのべて、帰り來る日までとにかくいろいろな点で心を配つて行かなくちやならぬ。この点しみじみこの閉会をまじかにひかえた委員会の空氣から考えるわけであります。この点について委員長においては早急に理事会を開き、最後の問題を檢討するために、特別委員会を開催してくださつて、できれば最後に各省にまたがる責任者の政府委員をここへ招いて、閉会中における引揚促進の具体策をここで打立てて、われわれがこぞつてこの問題に強い関心を持ちつつ、郷里へ帰つてもしくは適宜中央へ馳せ参じて、努力をするようにひとつ大きな立場から御計画をしてもらう。この際ここで政府委員からそれに対する御意見も伺つておきたいと思うのです。
#82
○大野(勝巳)政府委員 ただいまの熱誠溢るる御意見に対しましては、政府といたしましてはまことに感激にたえない次第であります。御趣旨を体しまして、この問題をますます促進いたしまするように、万全を期したいと存じております。國会が閉会になりましても、委員の各位におかれましては、地方へお帰りになりまして、おのおのその立場からさらに御努力くださるということでありますが、政府もそれに即応いたしまして、連絡に万遺憾なきを期して、相まつて所期の効果をあげたいと考えております。また後段において御言及になられましたように、この問題は政府のいろいろの部局と関連がございまするので、その間ちぐはぐなどがないようにというお話でございましたが、この点もまことにごもつともでありまして、政府は元來引揚促進対策委員会というものをつくつておりまして、関係各省並びに民間の関係の深い方々に委員になつていただきまして、政府全体として有機的総合的な対策ができまして、それが適切に発現するように万遺憾なきを期している次第であります。なお先ほど來の御議論でももう盡きていると思いますが、この問題は渉外面に、多大の関係を持つている次第でありまして、この面につきましては、渉外面を担当する政府部局といたしましては、今後ともますます努力を傾けまして、各委員のご期待に副うようにいたしたい。かように考えております。
#83
○高倉委員 私は委員長にひとつお願いしたいのですが、ここで論議しても容易に引揚げの促進がスムースに行くとも思われませんので、ただ実行に移すよりほかに方法はないと思うのであります。そこで、われわれが過般衆議院において決議いたしましたところの決議の條項に対して、ただちに議長にソ連の大使館あるいは対日理事会の方に出向いていただきまして、お願いするということが一つ、もう一つは先ほど委員長のおつしやつたように、二十日ごろに各代表が再び訪れて意見をお聞きするというお話でありましたが、二十日でもけつこうでありますが、そのときには各党の党首にぜひ出席していただきまして、強く要請することに努力を願いたい。私たち今受田委員の言われたように、大きな責任があり、私のせがれもまだ六年間帰つて参りませんので、自分の身にもかかつておる。どうかそういうようなわけであまり多くは申しませんけれども、この点をただちに実行するように、委員長におとりはからいを願いたいと思います。
#84
○山本(利)委員 先ほど大野局長からもお話がありましたように、この問題は政府の合部面に関係があることでありますが、わけて外務省においてはお骨折をお願いしなければならぬと考えるのであります。ところで現在の渉外関係と申しますと、われわれの素人目ではとかくGHQが中心となつて、アメリカとの直接交渉が多いと思う。それももちろん大切でありますから、今後大いに御努力を願わなければなりませんが、別に外務省には以前アメリカ局とかアジア局とかいうようなものがありましたように、現在ソ連を対象とする專門の部門がございますでしようか。もしありませんようでしたら、これは特別の機会でありますから、外務省の中にソ連問題を直接扱われるような專門家をお集めになつて、場合によつては國会の中にもソ連に特別な関係を從来持つておられる方もあるようでありますから、その場合にはもちろん共産党の方あたりもお入りになる方が向うに対して感情的にもよいかと思いますが、いろいろそういうソ連に対して特別な知識を持ち、あるいは向うの感情もやわらげるといつたような人を集めて、特別委員会と申しますか、何かを組織するか、あるいは外務省の嘱託とするかして、GHQを通じると同時に直接にソ連の代表者とも交渉をし、あるいは平素から社交的にいろいろな面から向うの首脳部にタツチしてこの引揚促進の問題に努力していただくことが、私は一つの方法ではないかと思います。その点については、われわれも全部が協力しまして、費用の非常にむずかしい際ではありますけれども、特に外務省そういう機関設置に対しては、費用をかけてでも、この問題はひとつ貫徹するように有効な方法を講じてもらいたい。かように考えますが、大野局長。お考えでもあれば承りたいと思います。
#85
○大野(勝巳)政府委員 山本委員の御見解を承りましたので、お答え申し上げる点を二、三点ここに申し上げたいと存じます。戰争以前には、御承知のように外務省は正常の対外関係を持つておりましたので、世界各回を地域別に割りまして、地域別に担当いたしておつた政務局の各局を持つたわけであります。すなわち從来は欧亜局におきまして、ソ連及びヨーロツパ、アジア諸國を対象とした政治関係を担当いたされておつたわけであります。同様に米州に関してはアメリカ局というものがありましたことは、山本委員の御承知の通りであります。しかしながら終戰後の今日は、外務省といたしまして、まだそういう地域別の政務局を持つことが適当ではないのでありまして、正常な外交関係が回復される前の今の段階におきましては、外務省といたしましては、調査局におきまして、主としてソ連関係の調査を行う課をもつております。從つてソ連関係の政治、経済、社会状況一般に関しては、でき得る限りの資料を集めまして、たゆまざる調査をいたしまして、国民の要求に応じておるわけであります。引揚げの問題に関して、連合國側との渉外関係を最も今力を入れることは、もちろんでございまするが、同時にその他の部面につきましても、必要に応じまして、もちろん努力をいたす考えでおりますが、ただいま外務省の管理局におきまして、引揚促進の問題を本格的に取扱つておるのでありまして、その意味におきましては、人的の配置によりまして、遺憾なきを期しておるのでありまして、たとえば本日同席いたしておりまする管理局の高野引揚課長のごときは長年ソ連関係の外交事務に携わりまして、外務省におきましてはソ連関係の外交事務におきましては、最も練達有能の士であります。こういう方々をその担当局に充てまして、管理局が主担当局として、この問題の解決に全力を盡しておるのであります。もちろん管理局だけでなく、われわれ総務局の人間も、その他いやしくもこの問題に関係のある省内の各部局におきましては、おのおの力を合わせまして、連絡いたし、そうして問題の解決にあたつておる次第であります。なお御注意のありました部外の有識者その他の力をも大いに活用せいよというお話でございましたが、これははなはだ有益なる御意見でありますので、確かに拜聽いたしておきます。
#86
○中山委員長 先ほど堤委員から御提案のございました参議院の在外同胞委員会にこちらの委員会としての意見を申し入れるという意見は、御賛成願えますでございましようか。
#87
○山本(利)委員 先ほどどなたからかそのようなお話がございましたけれども、そのことは正式に、この委員会におかけになつたのでありましようか。今参議院の方でやられておることを少くとも私自身は詳細に存じないのであります。それが國政に、あるいは外交的に非常に障害を及ばすものであるかどうかということを私は存じませんのです。國会として片方は参議院として独立したものでありますから、その方の委員会においてやつておられますことに関して、他の一案である衆議院の委員会が、よくそのやられたことについての檢討もしないで、すぐにだれかが行つて、そういうように思うというような、何か勧告文とか決議文をつきつけることは、私は非常に軽率じやないかと思う。その点に関してもしそうであるならば、特別に御調査を願うか、あるいはそういう疑いがあるとい程度ならば委員長の方から向うの委員長に向つて、衆議院の委員の中にはかような意見もあるといつたようなことをお話し願う方が私は穏当であると思う。
#88
○冨永委員 過日の委員会におきまして、堤委員から熱心に、いろいろな問題が出ますたびに調停の労をとつておられることは、私ども感謝いたしておる次第であります。ソ連大使館にも直接行つておられます関係、また社会党に籍を置かれておる関係等から考えまして、おそらく堤委員の提案は適切な御意見であろうとは、私ども了承いたすことにやぶさかでないのでありますけれども、しかしながら衆参両院の、それぞれの特別委員会の立場におきまして、委員会の決議をもつて申入れをすることは、どうも私どもただいまありました御説にむしろ賛成いたしたいと考えておる次第でございますので、委員長におかれまして、本日の委員会空氣を参酌いたされまして、参議院の委員長と一応御懇談せられましてから、さらにわれわれ委員会に御報告をくださいまして、善処することにお願いいたしたいと思います。
#89
○堤委員 私はあくまでも慎重を期せられたいという氣持が元でございますから、ただいまの皆様方の御意見を御採択になりまして、あまり御むりのないよう、また向うを中傷することのないように、参議院と衆議院が今後対抗するような空氣をかもし出さないようにおとりはからい願いたいと思います。
#90
○中山委員長 それでは理事会にもお諮りして、その決定を皆様方にお傳えしたらいかがかと思います。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#91
○中山委員長 さようとりはからいます。
#92
○足立委員 第一に伺いたいことは、未復員給與法による手当についてでありますが、現在世話課で取扱つておりまして、三月分をとりまとめて支拂つておるようでございますが、実際これを受取ります人たちは、その日の生活に追われておる人たちでありますので、毎月ぜひ支拂うように改めていただきたいと存ずるわけでありますが、これにつきましては、大体世話課が縣廰の所在地にありますので、非常に不便でございますので、田舎からこれをとりに参りますと、莫大な経費がかかる。でき得べくんばこの金の支拂い方法を改めていただきまして、縣に対する補助金制度にして、市町村を通じて支拂うという組織に改めることができないものであるかどうかということを第一に伺いたい。
 第二は、やはり来復員給與法による本人に対する手当が御承知のように月にたつた百円でありますが、これはきわめて僅少でありますので、せめてその十倍の千円程度に引上げを至急御考慮願いたい、かように存じます。同時にまたこの金を現在引揚げた際に、支払うようになつておるようでありますが、留守家族の生活が根本でありますので、留守家族に毎月家族の手当と同時に支拂うような方式に改めることができないかどうか。
 もう一つ伺いたいのは、参議院側でも取上げられておつたようでございますので、すでに御研究済みと思いますが、引揚げて参りましたときに、同時に失業保険法の適用をしていただきたいと思うのでありまして、申すまでもなくすでに終戰後四年の間、ソ連におきまして、労働に從事し、今日行政整理その他で非常に就職難の際に引揚げて参りまして、まつたく途方に暮れておるわけでおりまして、それも考えようによりましては、國家の償いと言いますか、戰争の償いというような見方もできるわけでありまして、そのために向うで忍苦の生活をし、労働に從事しておるこの人たちに、でき得べくんば失業保險法を適用して、一応生活の道が立つように、そうして英氣を養つてあらためて國家再建に邁進できるようにぜひ情けのあるとりはからいを願いたいと存ずるわけであります。これは労働省の関係と存じますが、先ほども申し上げたように、参議院でも取上げられておつたようでありまして、もしできるならばこの席でお答え願い、もしむりならばあらためて労働省の方に御出席願つて承りたいと思うわけであります。
#93
○渡邊説明員 ただいまの足立委員の御質問に対してお答え申し上げます。
 第一点の留守宅家族に三箇月分の払いをとりまとめてやるということを毎月拂うようにして欲しいという件につきましては、ただいまのところ四十九世話課のうち、二十九世話課までは毎月払いを実施しております。その点につきましては、從来は担任件数が多いのと、世話課の人件費の過少さから事務能力の関係上できなかつたのでありますが、最近では各世話課の担任件数が大体能力でカバ一できる程度になりましたので、逐次毎月拂いに移行する態勢にございます。
 第三点の市町村に事務を委託したらどうかという点につきましては、支拂いの方法としましてはいろいろあるわけでございますが、現在市町村に委任をいたしまして支拂いをいたしておるところは、四十九世話課のうち十三世話課ございまして、これにつきましていろいろと利害得失がございまして、私たちもなお研究中でございますが、まず市町村拂いの利点といたしますところは、留守家族の状況を市町村が直接に握れるような部面もございます反面、復員費の決算におきまして、市町村の吏員が決算方式をよくわきまえておられない傾きがありまするので、ひどいのになりますと決算が三箇月ないし四箇月遅延する事実がございます。そこで能力の非常にいい町村は別でございますが、そうでないところに、積極的に委任払いをすることは、私たちとしても実は躊躇をしている次第であります。
 第三点の御質問の、縣の補助金にしたらどうかという点につきましては、中央で復員費を縣の方へ流してやりまして、統一的に実施をするということから、やはり復員費の直接支拂いの制度の方がいいのではないかというふうに考えております。それは縣の補助金になりますと、縣の歳入に入つてしまいまして、縣がそれを自分の予算として組んでしまうという関係上、たとえ法律はございましても、全國的に見ました場合に、何か統一して法律の給與実施がいかないのじやないだろうかという点を私たちはおそれている次第であります。
 第四点の御質問の、本人の俸給百円を留守家族に全部結集したらどうかという御意見でございますが、私達もそれにつきましては熱望をいたしている次第でありますが、予算の関係上、すなわち大蔵省当局におきましては、本人の百円を先に扶養手当として一緒にやつてしまうことになりますと、予算額がかさみます。帰つて来なければそれだけ歳出が助かるというような部面から、今のところ実現せられていない状況でございます。値上げにつきましては從來復員局としましては、引揚同胞対策審議会の方にも意見を申し上げましたけれども、五百円案あるいは千円案というようなものを出しているのでありますが、これも財政的に二十億増というような数字が出て参りますので、いまだ実現せられない実情にございます。以上四つについてお答え申し上げました。失業保險法については私の管掌事項でございませんので、お答え申し上げられません。
#94
○横田委員 大体かためて全部言います。私の言うことが誤解されて出ておつた。その一つとしては堤さんが言われたように、ナホトカヘやつてくれということは、船の中で非常に人が殺される、だからそれを見に行きたいからやつてくれということ。もう一つはモスコーに正式に各党の代表者が懇請に行きたい。たとえば片山さんに國際道徳武装会議に行かれる。連合國の一つとしてアメリカがありソビエトがありながら、アメリカの場合はそういうふうにして行かれながら、ロシアの場合はどうして行かれないのか。そういうような意味合いにおいて、何とか各党の代表者が早く帰してくれと言つて懇請に行かれるように、民自党の方、政府において講じていただきたいということが一点。それからこの引揚問題は、やはり戦争中からおられたところの官僚諸公が偏見を持つておられたところで、非常にわれわれは不満である、だからこれを委員会自体――國会議員として人民から選ばれた委員会自体が、もつと自主的にやつていただきたいと思う。なぜかと申しますと、ソビエトとの会見日は二十日だと委員長さんは言われましたけれども、あのときの状態では、おそらく二十日になつても大した期待は得られないと私は思う。その場合においては、依然としてこのままで小田原評定の中につまらぬことばかりして行き、各党が日本人同志でいがみ合うのか、それとも何か具体的な方法があるのか。あるなら、そういうようなことも強くやつてもらいたい。そうしない限り、官僚の方が、非常な障害面にぶつかつているからとか言うのは非常に人民を愚弄した言葉である。なぜかと申しますれば、ベルリン問題が一番よく現わしていると思う。ベルリンの問題は米ソの対立があつて非常に損をしている。同じように引揚問題もソ連とか何とかの関係において一つの打開面を開いてくれない限りにおいては、官僚に率いられた引揚対策委員並びにその運動としては、ぽかんと見ておらねばならないのか、われわれは傍観しておらねばならないのか、それが一つ。それから四十六万を一人でも減らすということは大問題だと思う。四十六万の科学的な分析が問題になつて來る。この四十六万ということをここで問題にして行きますと、現在数が多いとか少いとかいうのが論の中心ではないのです。これを問題にいたしますのは、ここに出ておりますように、満州地区には六万おつて、ソビエト地区には三十二万四千おる。それと同じに中國國民政府治下においてはゼロなのです。ところが新聞紙の傳えるところによると、太原におきましては三千人の日本人の海員が死んでおるのです。それから捕虜も六千人おる。世界経済新聞の傳えるところによると、鳥目になつてまで、國民政府軍の閻錫山というようなつまらない軍閥の手先になつて日本人が殺されている。これはもつてのほかの醜体であると思う。これは依然として中國共産党あるいはソビエトに対して、日本人の一部が戰争をしかけているのです。やつている人がみんな好んでやつているのではないと思う。名前が出ておりますように、今村とか岩田というような奴に率いられて、内地に帰れば一生懸命にまじめに仕事のできる兵隊が、なぜこんなことをやらなければならぬか。こういう人間が何人おるかということを考えなければならぬ。また最近の新聞紙の傳えるところによりますと、台湾に日本人が三万人おる、それを廣東方面の戰線に送つたらどうかという記事もある。これに対しては非常に遺憾である、こういうような点をはつきりしていただきたい。
 いま一つは、官僚諸君に非常に毒づきましたのは、数字そのものも連合軍総司令部発表と書いてある。これで押しつけられたら、へいと言わなければならぬのか。何事によらず、現在は占領の陰に隠れて國民に押しつけようとする。なぜかと申しますと、発表されました数字が――軍閥時代においてやはり動員計画の中心は朕と帝國軍人だつたと思う。東條のような氣違い軍人であつたと思う。そのような人たちが、日本中の人民の一人々々に赤紙を出して召集した。日本人は動員されるときには、必ず死んで來い、死んで來いと言うて兵隊を出しておきながら、引揚げのときには紙一つも持つておらない。これは非常に納得が行かない。そして引揚問題に足を踏み入れられない。これはこわいものだ、恐ろしいものだと言つて、アメリカとソビエトのけんかを遠いところから見ておつて、委員会はじつとしている。そうして民自党と共産党とけんかしておる。それは提さんに点をかせいでもらうというような結果になろうかと思う。
#95
○中山委員長 簡單に要点だけお願いいたします。
#96
○横田委員 それだけだつたら結局堤さんの政党的、思想的立場もわれわれわからなくなつてくる。おそらくこの委員会は点のかせぎ合をする機関じやないと思う。選挙のために使う機関じやないと思う。万全を期してあらゆる障害面をほんとうに除去して、日本の同胞を迎えるというのであるならば、もつと官僚自身もまじめになるべきである。くれぐれもこれをお願いします。それから私たちがこの前から政府にいろいろ質問しておりますところの資料を逐一残らず発表してもらいたい。それで御答弁を願いたいのです。この御答弁のときには、この前もらいましたように、まるで中学生の作文のできそこないのような、腹が立つて破つてしまいたいような答弁書なんかにしないようにしてもらいたい。
#97
○足立(篤)委員 ただいまの私の質問についての御説明は二、三の点について満足できません。特に今申し上げた世話課で直接金の支給を取扱つておりますことは、逐次改革されるものと思いますが、今の御説明では積極的に改革しようという意思があまりないように思いますが、非常に不便を感じているわけです。山間部におります引揚者や留守家族はわざわざとりに行かなければならぬ、あるいは連絡にも非常に不便ということで、これはぜひ市町村を通じて支拂うように御研究願いたい。私が縣の補助金とするように申し上げたのは、縣に責任を持たして監督させれば、今委託でやらして成績が上らないというようなところもよくなるだろうし、それよりも受取る人間の不便ということを考えて改革を御考慮願いたい。これはぜひお願いします。
#98
○大野(勝巳)政府委員 ただいま横田さんの御意見の中でこの問題に関連して、官僚は人民を侮辱しているという御言葉がございましたけれども、かかる事実がないことをここに御答えしておきます。
#99
○玉置(信)委員 大部時間も経過いたしましたので、本日はこの程度で散会いたしまして、先ほど來御要求のありました重要問題をさつそくとりきめるために理事会を今日中に開くことをお願いいたします。
#100
○中山委員長 御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#101
○中山委員長 それでは散会いたします。
    午後一時二分散会
ソース: 国立国会図書館
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