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1949/05/24 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 海外同胞引揚に関する特別委員会 第8号
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1949/05/24 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 海外同胞引揚に関する特別委員会 第8号

#1
第005回国会 海外同胞引揚に関する特別委員会 第8号
昭和二十四年五月二十四日(火曜日)
    午後零時十五分開議
 出席委員
   委員長代理 理事 若松 虎雄君
   理事 玉置 信一君 理事 冨永格五郎君
   理事 小西 英雄君 理事 受田 新吉君
   理事 坂口 主税君 理事 横田甚太郎君
   理事 天野  久君 理事 高倉 定助君
      足立 篤郎君    松本 善壽君
      堤 ツルヨ君    柳原 三郎君
      立花 敏男君    山本 利壽君
      吉川 久衛君
 出席政府委員
        外務事務官   倭島 英二君
 委員外の出席者
        外務事務官   高野 藤吉君
        厚生事務官   大宰 博邦君
五月二十三日
 委員山手滿男君が委員を辞任した。
同日
 並木芳雄君が議長の指名で委員に補欠選任され
 た。
同日
 理事藥師神岩太郎君の補欠として小西英雄君が
 理事に当選した。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 理事の互選
 海外同胞引揚問題に関する件
 定着援護に関する件
    ―――――――――――――
#2
○若松委員長代理 これより会議を開きます。
 まずお諮りいたします。理事藥師神岩太郎君より理事辞任の申出がございましたが、これを許可するに御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○若松委員長代理 御異議なしと認めます。それではこれより理事を選任いたさなければなりませんが、これは先例によりまして、委員長より指名いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○若松委員長代理 御異議なしと認め、小西英雄君を理事に指名いたします。
 次に、横田委員、立花委員、玉置委員より、それぞれ発言を求められております。順次これを許可いたします。横田君。
#5
○横田委員 第一に、私たちはこの数字を幾度ももらうのです。これは引揚者に対する一切の数字が整列されているのだと思う。この数字によつて解決をつける方法を、われわれは第一にやめたい。簡單に言えば、動員されたのは生きた人間であつて、帰らないのは、病氣で死んだか、あるいは向うの地において帰ることをいやになつた人たちもあるかもしれぬ。これは私たちは知らないけれども、たしか私的な会談で倭島氏の言によりますと、ここに書いてありますように、この表で見ますと、ゼロの地区がたくさんあるが、ゼロのところにも日本人がおるようにも言われておる。このゼロとは何かと言うと、ゼロはないことを意味しない、そういうような、まるで数字教師のようなことを言われる。ゼロということが、ないことを意味しないのだつたら、四十万というのは、一が四〇万よつたことでないことになるのではないかという疑問がわいて来る。そうすると、この数字の討議は非常に無價値になる。だから私たちは、動員された人たちが、生きた形において帰つて來た人たちが何人、それから死んだ形において、白木の箱に入つて帰つて來た人が何人、その正確な数字の発表をお願いいたしたい。
#6
○倭島政府委員 今御質問の点は、白木の箱でというのは、ソ連地区の数ですか。
#7
○横田委員 ソ連地区とか、また中國地区とかいうのではなく、この表によりますと、その引揚げの対象としてあげられている地区は大体八つあると思います。この八つの地区で、あちらへ行つた、こちらへ行つたということは、われわれの知らないことであつて、とにかく行つた人が何人で、帰つて来た人が何人――死んで帰つた人が何人で、生きて帰つた人が何人か、それを聞かせていただいたらいいのです。
#8
○倭島政府委員 今の御質問の点は、現在政府として、まだ発表するまでに至つておりません。
#9
○横田委員 それでは、今まで帰つて來られた人の調査、並びにこれから帰りを待たれている人の調査を、政府においてやられたことがあるかどうか、今後においてもまたこれをやろうというような試みがあるか、これをお尋ねします。
#10
○倭島政府委員 右調査は、一部進行中であります。
#11
○横田委員 それはいつごろできますか。
#12
○倭島政府委員 今ここで明確な回答は、ちよつとしにくいと思います。
#13
○横田委員 ソビエトは、五月から十一月までに、すべての人を帰すと言つておるが、それは九万五千で、三十万の数が足りないのですから、願わくば十一月までにその数字の調査が間に合つて、引揚げを待つ人たちに生死のほどをはつきり言えるような措置を講じてもらいたい。それについてピッチを上げてもらえるような考慮がありましようか。
#14
○倭島政府委員 御希望の向きは、関係筋に傳達するようにいたします。
#15
○横田委員 それから、今度はいよいよ数字なんですが、数字の点についての論議は、どれくらいわれわれに自由があるかということを一ぺん聞かせていただきたい。これは倭島さんだけにお願いすることはむりかもしれないので、そのために他の政府委員に出席をお願いしておるのですが、どうも引揚特別委員会というものは歩が悪い。政府委員はほとんど來ない。ただ池田蔵相が民自党委員の答弁に五分間來られたのが一回。そういうわけで、倭島さんが逃げようと思えば逃げられると思うのですが、ともかくこの数字について、ここに連合軍総司令部発表と書いてあるが、このことについて私たちが、ああだとか、こうだとか論議することは、どういうふうな程度においてできるのか、一ぺん聞かせていただきたい。
#16
○倭島政府委員 今差上げました表でごらんになりますように、これは連合軍総司令部からの発表であります。司令部の発表は英語で書いてあるので、それを日本側でわかりやすいようにするために日本文に直した、そういう意味で、外務省管理局引揚課というところで英語から日本語に直して刷つたということが明確にしてあるわけです。なお今の、論議と言われる点が、少しはつきりしないのですが、どういう御趣旨か、もう少し敷衍していただけばと思います。
#17
○横田委員 そういたしますと、ここにゼロと書いてある。六万人残つていると書いてある。四十万人残つていると書いてある。しかしゼロのところには、日本人が何かおるように思われる、こういうような点について、非常に妙に思うが、そうするとこれは、昔の大本営発表と同じようなものであつて、大体「朕惟フニ」から「御名御事」まで頭を下げていなければならぬという意味なのですか。具体的に言うと、たとえば太原においては六千人の日本人がおつた。それが新聞の報道によると、六百人の日本人が残つておるらしいこれがここではゼロになつておる。これがゼロになつておらないならば、この六千なり六万なりが一体どこの四十万のうちに、どこの六万のうちに入つておるのですか。こういうような論議です。
#18
○倭島政府委員 これは先ほど申し上げましたように、総司令部の発表であります。そうして行政関係の政府としては、これに司令部の発表として、正しいものとして受取つておるし、信じております。これについての論議ということについて、あるいは立法府と申しますか、國会の関係で、それぞれの御責任で、何かこれについてのお考えを発表されることについては、政府は、いいとか悪いとか、その他の見解を申し述べることは、差控えたいと思います。
#19
○横田委員 この総司令部発表の数字の基礎になつておりますものは、日本側から出たものですか。それともまた総司令部が單独に、いわゆるルーズヴエルトが日本へ來て赤紙を出されて、日本人を動員し、トルーマンがそれを一々数えて、ルーズヴエルトがこれだけ出しておるのに、日本にこれだけしか帰しておらない、それでこういう数字四十万ができたのですか。日本において、お役人さんがお調べになつて、これだけの数字になつたといつてアメリカにお出しになつたのですか。その点明確にしておきたい。
#20
○倭島政府委員 ここに載つております数字そのものは司令部の発表であります。ただ司令部がこういう発表をせられる根拠の一つとしては、日本政府から報告をしたものが考慮せられておると思います。
#21
○横田委員 それでは日本側から発表されたものが考慮されているものならば、その考慮された数字とこの数字とは、食い違いがあるのでしようか、ないのでしようか。
#22
○倭島政府委員 ここでその問題はまだ答える限りでないと思います。
#23
○横田委員 日本政府からお出しになつたその数字を、われわれにいただくわけには参らないのでしようか。
#24
○倭島政府委員 現在発表する段階にないと思います。
#25
○横田委員 どういうわけでこれを発表する段階でないのでしようか。
#26
○倭島政府委員 その問題は、適当なときに発表されることがあるだろうかと思いますけれども、現在ここで私からあなたの御質問に対して発表するという段階にないということを申し上げておるわけであります。
#27
○横田委員 適当なときに発表されるかもしれないというのは、発表をだれがするかということです。日本政府ですか、総司令部ですか。また適当な機会とは、どういうような機会ですか。
#28
○倭島政府委員 それは先ほどから申し上げていることでおわかりかと思いますが、まだ決定しておりませんから、発表することそれ自身、あるいはまただれが発表するかどうなるのかということは、まだ私自身としてはお答えできません。
#29
○横田委員 それは、まだ決定しておらないというのは、まだ計算が済んでおらないというわけですか。もしそうであるならば……、
#30
○倭島政府委員 そうではありません。
#31
○横田委員 どういう意味ですか。
#32
○倭島政府委員 発表の時期とか、どういう発表をするとか、だれが発表するとかいうことは、私の知る限り決定しているのでありませんから、その発表の問題についてここで御返答できないということを申し上げておるわけであります。
#33
○若松委員長代理 ちよつと私から横田君に御相談申し上げたいのですが、非常に引揚げ残留者の数字を正確にお調べになる御熱意は認めますが、今質疑應答を聞いておりますと、今日本が置かれている情勢で、自分の方から命令して調べるということは絶対にできませんし、またことに現状から見まして、廣い世界ですから、どこにだれが何人おるかということはとてもできないだろうと思います。そこで先ほどから倭島局長から話しておりましたように、引揚げたいというような人がおつて、引揚げられないという場合のときに、初めて問題が起こつて來るのではないかと思いますので、そういう意味合いにおいて、すなわち社会通念から見ましてそういう問題の起らないものは、日本人がおつてもゼロというものが出ておるのではないかと私は了解しておりますがいかがですか。
#34
○横田委員 委員長が言われたことは、これは倭島さんのところにも行つておると思いますが、ここに表がございます。引揚げを待つ御家族の方が面会に來られて、この方は夫婦で朝鮮におられた。それが最後の引揚船になるとは知らなかつたので、私はその船で帰りましたけれども、夫は向うに残して現在おるのですが、それを早く帰してもらいたい。帰つてもらうためには、ゼロのところをゼロでないように、おるようにしてほしい。これは單数でなくて複数で出ておる。それからその人たちが言うのには、ゼロのところから帰つて来たら幽霊になる。もちろん日本は高天原の奇蹟があつて、英霊が七年目に結婚して、八年目に子供を生んで、十年目には栄轉するような場合があるのですが、そういう奇蹟が三十万ベン起ると言われるのか。そうは行かないでしよう。これを帰してもらうようにするためにはゼロのところを、おるようにしてもらいたい。密航かどうか知りませんが、船が行つておつたそうです。それで帰つて来たので非常に高くなつて、帰れなくなつた。それで今度は日本におる、北鮮地区に帰りたいのにかかわらず船が出ないから帰れない朝鮮人を積んで行つて、そうして北鮮地区におる日本人を帰してもらうようなぐあいに船の準備をしてもらつたらどうか。そういう考えはありませんか。
#35
○倭島政府委員 ゼロと書いてある関係の御家族が御心配になつておるという点は、御心配にならなくてもよいと思います。それはゼロと書いてあるから引揚げができないとか、あるいは帰つて来てから戸籍の問題はどうとかいうこともございませんし、それから先ほども申し上げておりますように、ソ連地区に対しては正式のいろいろな在留同胞なり、その他の情報等を請求しておりますが、これまではつきりした情報が一つも來ない、從つて正式なものになりにくいのですが、ほかのところではよくわかつております。今の朝鮮の問題でも、大体どの人が残つておられるということも、名前まで北鮮の方でしたらわかつておりますから、あるいはどつちか知りませんが、そういう点はできるだけ方法があり次第、御希望の方は引揚げるようにしたい。名前や所、あるいはどうしておられるかというようなことまで、ゼロと書いてある地方はわかつております。そういう御心配の人がありましたらわれわれの方にまわしていただきまして、そうすれば納得の行くように御説明申し上げたいと思います。
#36
○横田委員 そういたしますと、ゼロのところは別に心配したものではないと言われるなら、九万五千と三十万の食い違いは非常に大きいと思う。しかしそれは向うの政府の発表した数字であつて、日本政府が責任を持たないということであつたら、この三十万なりあるいは二十万なり行方不明になつた人たちの家族は、どこへ骨を求めて行くのですか。
#37
○倭島政府委員 このお手許にある在外邦人引揚統計表と、新聞電報が傳えた数字を御比較になると見当が違つて來ると思います。これに司令部の発表であり、日本政府の出しておるものであります。他に新聞電報が傳えられたものがありますが、正式のものでありません。正式のものが來次第、御心配の点その他とにかくもう少し納得の行くように御心配のないように説明したいと思つております。
#38
○横田委員 それでは次に方向をかえまして、國府治下に相当日本人がおると言われておる。あれは長いこと働いておきます、たとえば台湾のごときもそうであろうと思いますが、戦犯になつて、たとえば太原のように捕虜になつてしまう。それでは非常に氣の毒で、日本の政府としては、國民政府の正式の代表者が来ておられる間柄にあるのでありますから、対日理事会を通じてその地方におる人に早く帰つてもらうように措置を講じていただきたい。その点について御手配ができておるかどうか伺いたい。
#39
○倭島政府委員 中華地区からの引揚げについては、これはもう御存じかと思いますが、再三、再四どころではございません。数回にわたつて日本政府としましては総司令部を通じて関係の方面でお願いをしておるわけであります。そういう日本政府からの懇情に基いて、中國の関係政府の方でとられた措置によつて相当帰つて來られた。ここに上つた数字の中でも、そういう措置に基いて帰つて來られた人が相当あります。それから現在においても、從來と同じように、何とか早く帰られるようにということで、日本政府の方でできるだけの、道を通じてお願いをしておる。
#40
○横田委員 それでは引揚げの対象というのは大体わかつて來たのですが、引揚げたくないという意思表示――、引揚げたい人は引揚げの対象になるが、そうでない人はあまりない。ここに出ております中國地区の六万は、その後の條件が非常に悪くなつたがために九万になつておるかもしれない。また中國がかりによくなつて日本が悪くなつた場合には、引揚げたくないというので残つておる方もあると思うのですが、それから米軍地区、英軍地区、佛領インド地区こういうところをあげて行くと、引揚げの対象がポツリポツリと出て來る。日本國内の秩序がことによくなつて暮しよくなると帰りたい人が出て来る。こういうような見込みがあるか。
 それから最後に数がゼロということになると論議になるのですから、ここは現在のところに引揚げ対象見込みなし、しかし出ておる人間がこれだけであつて以前にこれだけだから、約これだけ人間が帰らない。日本の在外同胞はこれだけあるということを、適当な機会に至急に発表していただきたい。こういうふうに考えるのですが、質問と希望をかねて最後に申しておきます。
 あとでもし他党の人に質問してもらつて、なお疑点があれば最後に質問させていただきたいと思います。
#41
○倭島政府委員 今の御質問の点は発表のことかと思いますが、先ほどから御説明申し上げておりますが、政府としてはどの地区にどういう関係で残留しておられるか、どういう希望なり現状でおられるかというのが相当わかつて來つつあります。しかしそれが全部だとは――先ほどもちよつと御説明したのですが、連絡のつかない地区におられる方もありまして、つまり山の奧だとかいろいろありますから、全部それを包括しているというところまで行かない。政府としては努力しております。そういう未引揚げの人で引揚げの対象に入られぬ理由が除かれれば、そういう適当な機会に――またそれが全部かと言われると全部ではない、むしろもう少し檢討した上でなければ私はいかぬだろうと思いますが、御希望のように、適当な時機をもつて大体の見当を発表するということになるだろうと、私は想像します。
#42
○立花委員 数字の問題が非常に問題になつておりますが、局長の最前のお答えの中に、現在その数字に関する調査が進行中であり、しかしまだそれが結論が恐られずに、発表の時期も確定できないというお話がありましたが、これはどういう形で現在進行しつつあるのでしようか。
#43
○倭島政府委員 以前の軍に関係された人については、復員局の関係の部局で調査が進んでおると承知しております。それから軍以外、つまり一般同胞の引揚げについては外務省で調査を進めております。
#44
○立花委員 その業務に対する予算関係の問題ですが、これは前の委員会で政府の方から引揚げに関する予算は、必要な限り削減しないというお話があつたように私承知しておりますが、現在の人員で、あるいは今年度のそういう数字関係の業務をやつておるところに要する予算関係で、支障なく仕事ができる予定でございましようか。
#45
○大宰説明員 引揚げ援護関係の予算は、大体この司令部発表の方々が今年度にみな帰るという建前で組んでいるのであります。
#46
○倭島政府委員 外務省の関係では、その調査関係で実際の割り当てられた額は、必ずしも余裕があるものではありませんが、しかしどの関係においても相当切り詰まつた予算ででありますし、その予算の範囲内でなるだけ早くその目的を達したいと思つて努力しております。
#47
○立花委員 援護廰の方では予算は減つておりませんが、こういう業務に携わつている人の定員を減らすようにはなつていないのでしようか。
#48
○大宰説明員 予算のことでありますので、われわれの希望した通りとるというわけにはもちろん参りません。しかしながら予算当局の好意あるはからいによりまして、われわれこれだけの方々をお迎えするだけのことはできる。こういう確信を持つております。
#49
○立花委員 これだけの方々をお迎えするという意味でなしに、今申し上げましたように、あるいはお話の中にありましたように、数字的にまだはつきりしてない部分がありまして、たとえば政令に基く未復員届などもまだ完備してないというふうに承つているのですが、そういう仕事は、ほんとうはこの数字を基礎づける仕事じやないかと思います。最前からお聞きしておりましても、これは向うの発表であつて、日本政府の正しい発表というものは私ども知らないわけなんですが、あるいはこの数字を正しいとお考えになるか、あるいは最も確実な数字とお考えになるという御言葉があつたのですが、こちらにやはり基礎的な数字がなければ、正しいということを信ずることすら非常にあいまいなことになつて來るのじやないかと思うのです。ところが私たちの聞いております範囲では、未復員届の整理はまだできてないという状態でありまして、これでは信ずると申しましても、科学的なあるいは基礎的な資料に基いた信じ方ではなしに、いわば押しつけられた形ということになるのじやないかと思いますので、当面われわれが一番やらなければいけないのは、やはり数字を科学的にはつきりすることだと思うのですが、その業務に対する予算なり定員なりが非常に不備じやないかと思つてお尋ねしておるわけなんですが、もう一度お答え願いたいと思います。
#50
○大宰説明員 先ほど倭島局長から申されましたように、引揚援護廰の方といたしましては、未復員軍人の調査究明という方を主としてやつております。それは復員局の留守業務部を中心といたしまして、目下鋭意調査中であります。
#51
○立花委員 話を具体的に進めませんと、どうも焦点がはつきりしないと思いますからお尋ねしますが、留守業務部では定員が半分以下に削減されるということを、おきめになつたのでしようかどうでしようか。
#52
○大宰説明員 それはまだ私の方で伺つておりません。
#53
○立花委員 御存じないとすると、私たちといたしましてはどうしてもやはりこの留守業務部のような基礎的な数字を調査し、引揚げの基礎的な資料をつくるようなところは、特に数字が問題になつている今日、予算を減らしたり、定員を減らしたりすることは困ると思うのですが、そういうような措置が今後とられるかどうか、お尋ねいたしたいと思います。
#54
○大宰説明員 御趣旨の存ずるところはよくわかりました。但し與えられた予算の範囲内、定員の範囲内でいかにやりくりして行くかは私どもの責任であります。
#55
○立花委員 実はこの間千葉にあります援護廰の復員局の留守業務部の代表の方が参られまして、数字が問題になつている、私たちも非常に責任を感じているのだ、ところが人がなくて今でも非常に忙しい、定員が千七百名のところ現在千二百五十名しかいない、それが最近八百名に、すなわち定員の半分以下に減らされようとしているのだ、これでは國民の期待に沿い得ないと思う。これをひとつ何とか國民の期待に沿えるように、私たちも良心をもつて仕事ができるようなことをやつてくれないかというお話があつたのですが、この具体的な問題に関しまして、どういうふうにお考えでしようか、承りたいと思います。
#56
○大宰説明員 よく御趣旨の存するところは伺いましたから、帰つて考慮いたします。
#57
○立花委員 考慮していただけば非常にけつこうだと存じます。私たちも本会議でも引揚げ促進のことを衆議院として決議もいたしておりますし、その他いろいろな活動はしておるのでございますが、やはりこういうじみな、ほんとうの基礎的な仕事をやつてくれる部分をそういう形で除いて行く、手を省いて行きましては、これは結局決議倒れになりまして、仕事がほんとうに何もできない。ただ上だけの数字だけの爭いになりまして、いらない摩擦がかえつて生じるのではないかと思います。こういうほんとうに縁の下の力持ちのような仕事をしてくださる方には、十分こちらからも考慮を拂つて、適当に御配慮願いたいと思います。
#58
○玉置(信)委員 私は主として定着援護のことについて関係当局にお尋ねいたしたいと思います。
 海外から引揚げた多数の同胞のうちには、無縁故者が相当多いと思うのでありまするが、先だつて函館に、冨永委員についてあそこの援護局についていろいろと調査いたしました結果、無縁故の更生施設は非常に大事なことであり、喫緊な要事であることを痛感いたしました。引揚者援護機関を設置すべきじやないかということを痛感して参つたのであります。これを前提といたしまして、とにかく北海道における引揚げ者の家の状況を一と通り申し上げまして、あとでその施策についてお伺いいたしたいのであります。すなわち樺太、千島の地域から引揚げた同胞の中には、非常に無縁故者が多いのでありまして、これらの人たちは古くから北海道の開拓のため、東北各地からまず北海道に渡りまして、北海道を足場としてさらに樺太、千島に渡り、多年農耕、牧畜、水産または商工の業に從事いたし、言うまでもなくあの地を永住、墳墓の地として強固な生活の基礎を築き上げて、在住十年に及んで今日引揚げたものばかりなのであります。それが終戰とともに、財産はもちろん、すべての生活基凖を喪失して、まる裸で故國内地に帰還したのでありまするが、しかし迎えられた地では縁故者もなく知人もなく、從つて信用も薄い。加うるに資金もまつたく持つていない。これらの人たちがすみやかに正業を得て、正常なる国民生活に復帰することは、現下國内の事情からして容易でないことは御承知の通りでございます。昭和二十一年第一次の引揚げ開始以来、昨年末までに至る函館に樺太、千島から引揚げた総数は二十八万七千五百九十五人になつております。このうちに無縁故者のみにでも五万七千五十四人という名数を算しておるわけであります。このほかに一應縁故先をたどつて帰國した者の中にも約二〇パーセントは、せつかく目的地に入つたが、たよるべき何らの寄り辺もなく、失望に終つた者があるような状態でありまして、これらを合算すると、現在までの無縁故者の数は十万を越えておる。これらの人たちは関係機関の配慮によつて、一應北海道及び東北六縣に受入れられて、とにもかくにもそのところを得ているわけではありまするが、しかし引揚げ者の状況、たとえば各引揚げ船ごとに順次無縁故が上昇しておるわけであります。ことに今年のソ連の発表によりまして引揚げが開始されることになりますと、これまた相当無縁故者の数がふえて、おそらく北海道だけでも無縁故者が十四、五万人には達するだろう。こういうことが予想されるわけであります。もちろん関係当局におきましては、これら無縁故者について、第一居住のあつせん、就業相談等あらゆる手段と労苦を盡して定着更正にもつぱら意を拂つておられるわけでありまするが、しかし現下の状態をもつてしては、引揚者の更生安定を期することにはなお前途ほど遠いものがあるように思われる。しかし今までの引揚者の思想的面を調べてみますると、比較的穏健でありまするが、しかしながら現情のままに推移すれば、すなわち現在の諸施策の状態から考えますると、將來精神的、すなわち思想的に非常に心配される面が多々あるわけであります。そこで私はこの受入れ態勢、應急援護の点におきまして、政府当局におかれているいろいろな手を盡された関係もありましよう。また民間人の協力等によりまして、非常に完備いたし、万全の應急対策ができておることは非常に意を強うし、満足しておりまするが、定着援護という点におきましては、將來非常に危惧される点があるわけであります。一例を上げてみますると、私は内地の状況はまだ調査しておりませんからよくわかりませんが、北海道のたとえば住宅の点についてみますれば、二十三年度の北海道の引揚者の住宅は四千二百戸しか建設しておりません。なお全道で八千人くらいの引揚者の方々が、物置であるとか、倉庫とかいうような、小屋を直して、あるいは間借をして、不自由な悲惨な生活をしておるという状態であります。二十四年度におきましては、今まで引揚げの予想される数字から見まして、今年は約二万人の者が引揚げられるのじやないかということで、北海道廰におきましては、これに対して少くとも四千五百戸の住宅の新築を必要とされるというわけで、道廰において有縁故者に対して一億円、無縁故者に対して五億円、合計六億円を計上して、政府に要求いたしておる現状でございます。このほかにもちろん地方費からも五百万円程度を計上して、これら引揚者の方々に対しままず住むところを早くつくつてやろうというわけで、熱心にこれが対策を講じつつあるが、しかし何と申しましても無一物の引揚者でありますから、かりにおそまつな家ができたにいたしましても、安定した生活を得るにつきましては、今後政府におきまして、相当援護の手を差延べてやらなければならぬ。その点と、應急受入れ態勢が完全にできておりまして、引揚げ港に上つたとたんに衣料あるいは藥品、化粧品その他の日用品が相当多量にもらえる。それからお菓子も與えれば、あるいは應急資金も一千円もらえるというふうなことで、上陸したとたんに非常に満足しているわけなんであります。ところが、一たびこれが地方に受入れられる、すなわち援護局の手を離れまして、定着援護の面で地方に分散されますと、そうした受入れ態勢が完全でないという結果から、とたんにどうも寂寥を感じ、前段申し上げましたように、思想面にも非常な変化を來しておる。これが各地の状況を調べてみますると、非常に危惧される点が多々あるわけであります。私時間の関係上そうした幾つもの実例を申し上げることはこの場合後日に讓りまして、とにかくこうした多くの方々に一日も早く更生し、生活の安定を期せしめる援護施策といたしまして、厚生省の外局として引揚者援護局というようなものを各縣に設けまして、これに援護部あるいは援護課というようなものを設け、さらに市町村並びに関係機関との連絡を緊密にいたして、これら引揚者の定着安定更生援護に万全を期すべきでないか、かように思うわけであります。これに関しまして、援護局におきましてはいかような見解をとつておりまか。まずこの点を先にお伺いいたしたいのでございます。
#59
○大宰説明員 引揚者の定着援護につきましては、これは引揚援護廰あるいは厚生省一つに限るわけではございませんので、政府の関係各省が、それぞれの担当部門に應じましてこの方面に努力してくれておると存じます。引揚援護廰は、そう申しましても、やはり看板からいたしましても、各引揚者の方々が御相談においでになることが多いので、窓口というような意味で、援護局の中に指導課という一課を設けまして、主として定着援護関係を担当しているわけでございます。
 それからただいま御質問の、將來各府縣に出先帰還を設けてやる意思があるかどうかということでございますが、定着援護は各府縣でそれぞれやらせるのがやはりいいという現在の考えで今まで進んで來ております。今後これを変更する必要があるかどうかということについては、今のところはそういうことは考えておらないのであります。
#60
○玉置委員 そうしますと、現存する援護廰というものは、海外引揚者が全部引揚げまして、各地にその引揚者の方々を配分し、定着の過程に――一應落ちついたというような後におきましても、これを存続して援護のいろいろな事業をおやりになる、かように解していいわけですか。
#61
○大宰説明員 現在の引揚援護廰はいつなくなるかということでありまして、これは私どもわかりませんが、かりに引揚援護廰が廃止になる時期が参りましても、定着援護の必要性がありますれば、その部門を担当する局ないし課というものは、おのずから厚生省の中に残るのではないか、かようにわれわれは現在考えているのであります。
#62
○玉置委員 先般函館におきまして、援護局の実情を調査いたしましたが、一應援護局の手を離れますと、あとは各府縣の廰あるいは市町村等において定着援護の仕事をやつているわけでありますが、この定着援護の事業の実情がはなはだ物足らないところから、私のお伺いせんとすることは、現在ある援護廰の出先を一應解消いたしまして、外局としてこうしたものをつくりまして、先ほど申し上げましたように、引揚者援護局というようなものをつくり、そしてあるいは各縣の中にこうしたものを設けてもいいと思うのでありますが、実際これは定着援護に専門的に指導援助を與えるような機関を必要とするというふうに痛感して参りました。その意味でお伺いするわけであります。
#63
○大宰説明員 現在地方の函館、舞鶴、佐世保にあります地方引揚援護局を、引揚げが終りました後に、定着援護関係関係の仕事を専門に担当すべき機関とする考えがあるかという御質問と思いますが、現在の段階では、そういう考えはございません。
#64
○玉置委員 先ほど立花委員から御質問がありましたが、お話の稻毛の留守業務部の予算及び人員等につきまして、当局の御答弁がありました。私もこの実情を直接聞かされた一人でございます。政府といたしましては、今年の限りある予算の範囲において人員の整理等も必然的に生まれて來ることでありましようが、実際の実情を聞いて見ますと、やはりあの業務部の仕事は相当期間続けて行かなければならぬのじやないかということを、私もあの実情を見て感じたものであります。從つて二十四年度のこの予算面から見ます通年定員は千二百五十名になつております。これも年度末になりますれば、八百十七名くらいが整理になるということで、この仕事の澁滯を來しはせぬかということを非常に心配しております。これに対する先ほどの御答弁がありましたので、これはこの程度で打切りまして、將來これらの方々が一應の仕事を終つたときに、向うで從事している方々がどうなるかということを聞きますと、あそこに就業されております職場の方々は、多くは留守家族であるとか、戰爭未亡人であるとか、いろいろな今度の戰爭によつて被害をこうむつた方々の多くが働いておるようでございます。從いましてそれをもし閉鎖する場合におきましては、これらの方々に轉換就職ということを考えなければならぬと思うのでありますが、幸いにあすこの業務部にはミシンが十数台、またタイプも約四、五十台もあるというようなことで、しかも携わつておる業務員の方々は相当練達の士であると伺つておるのであります。こういうような機械、器具を効率的に利用いたしまして、たとえば特定の学校であるとか、あるいは作業所をつくつて、これらの人を更生せしめることが非常にいいことじやないかと思う。こうい点に対して当局はどういうふうに考えられますか、一應お伺いしたいのであります。
#65
○大宰説明員 留守業務部職員も引揚援護廰が廃止になりますれば、いずれはどこかに轉換しなければならないのでありまして、われわれ微力でありまするが、極力就職の斡旋差その他を考えたいと思つております。ただその場合あすこにありまする施設をただちに利用して、何かあすこで事業を営むというようなことは、個人的には私も何とかしてやりたい氣持を持つておりますが、政府といたしましては國有財産である以上、そういうものをそういう所に使つていいかどうかについては今申し上げることができないのであります。
#66
○玉置委員 最後に、最初に御質問申し上げましたことに一つつけ加えてお伺いしたい。実は厚生省の方もお呼びしたのでありますが、大体復員廰、援護廰の方でわかるだろうというお話で御遠慮したのでありましたが、引揚者の住宅建設費はどの程度に政府は約束されておりましかどうか、こりをひとつお伺いいたしたい。
#67
○大宰説明員 引揚者の住宅といいますと少し範囲が廣くなりまして、引揚者はもちろん一般の住宅に入れてさしつかえないのであります。またわれわれもそれを希望しておるのであります。一般の住宅方策になりますと建設省の方の所管になろうと思います。引揚援護廰の方で本年度公共事業にお願いしております住宅関係の予算は、樺太地区からの引揚無縁故者というような者の就職に必要な経費、それからすでに引揚げまして一時收容所に滯住しておりまするその收容所の補修などに要しまする経費等でございまして、大体公共事業費予算として認められました額が約四億五千七百万円ほどございます。
#68
○玉置委員 四億五千七百万円はこの前のときもお伺いしたのでありましたが、これはきわめて小さい数字でありまして、この点については地方町村におきましても相当困つておる。この四億五千七百万円は住宅は七割補助か全額補助かというような引揚住宅だと思うのでありますが、この点はどうでありますか。
#69
○大宰説明員 ちよつと今こまかい点を持つておりませんが、たしか無縁故住宅は全額國費負担だと思います。その他の点については七割か八割かこちらの補助において出ていると思います。
#70
○玉置委員 どうもいろいろとお聞きしたいことがありますが、今までの御答弁をお聞きしてこれ以上つつこんで聞いても満足するような御答弁を得られそうもないので、予算に関係し、厚生省にも関係し、各省に関係がありますので、本日はこの程度で打切ります。
#71
○若松委員長代理 私は予算員をやつております関係から数字はちよつと知りませんが、本年度庶民住宅など半減されておりましたけれども、引揚者に対しては少量でありますが相当考慮しておるような様子でありますが、御参考までに申し上げておきます。次に横田君。
#72
○横田委員 三問お願いします。この表なのですが、たしか倭島さんのお話では、ゼロはゼロを意味しないと言われるのですが、たとえば米軍地区を取上げると、九九三三四七と九九三三四七でゼロになります。英軍地区七二九八七四、七二九八七四でやつぱりゼロになりはつきりわかりますが、しかしこのゼロのところに人間がないのだつたら一体どういうふうに説明するのでしようか。
#73
○高野説明員 私ちよつと遅れて参りましたので失礼いたしましたが、今の御質問はすでに局長が御説明されていたようでございますので、それ以上何らつけ加えることはないのでありますが、要するにこれは引揚予定数でございまして、現実に引揚げの予定に入つておらない、從つてゼロであるということであります。
#74
○横田委員 この中のゼロというところは、引揚げの点数じやないわけですね。これは政府の方でないと言われたのか、それとも向うで意思表示されたのか。意思表示されたならどこの機関で、どこの地区でされたか。やはり帰りたい人はたくさんあるでしよう。先ほど申し上げましたように、朝鮮の人も引揚げて來ておられますし、東京に家族もおられ早く帰りたいと言つておるのだし、そういう点は薄情にお切りにならない方がいいと思う。お切りになつてしまうというのでは何が何やらわからない。ソ連地区は一六九七六五五、それから一二〇八九二六、四〇八七二九となつておりますし、これの場合は問題にするのは四〇万の場合を問題にしたいのですから。こういつた点どうも不親切ですから即刻明快なる答弁のできる、日本で生まれて日本の学校で習うた日本の数字でわかるようにやつてください。これは至急にお願いします。
 それから次に引揚げを民主的にやつていただきたい。その第一として米ソ協定の中において日本人引揚に対する協定條項があるわけです。これの全文を一辺印刷して出していただけるものなら出していただきたい。それから往々にして民主團体には民主的でない――というのは、共産党がやつたから民主的で民主自由党がやつたから非民主的だというのじやないのです。要は引揚者の團体が政党政派で爭わず、各党が協力して、駅で片方が旗を振つて、片方がどうしたとかいうそういうあほうなことをやらぬようにしていただきたい。大阪におきましては非常に民主團体と政府の方で一つでやれと言つておるにかかわらず、何か二つの團体が引揚者を餌にして爭つているように見えるのですが、その点はよろしく政府の方からあつせんされて、一つにしてやつていただきたい。これは希望なんです。それから引揚げにもつと熱意を持つていただきたい。何と言われてもアメリカ人が日本人を異國に連れ出したのでない。日本人とアメリカ人と爭いました大東亜戰爭の前に、当時の支那、今日の中華民國との爭いがあつたのです。そのときに、さあ出て行けと日本人を送つたのは、日の丸でありまして、決して星條旗ではなかつた。だからアメリカの数字によつてこれを解決するのでなくて、日の丸の数字によつてこれを解決する、こういう形をとつていただきたい。日の丸の中におきましても、菊の御紋章がいばつておりましたとき、朕惟うに、汝臣民も思うな、御名御璽まで、天壌無窮、萬世一系だ、たぐいないところの團体の家族愛に燃えておつたというところの熱意ある送出しにふさわしい出迎えをやつていただきたい。日本の引揚者は世界中において最も薄情な待遇を受けていると思うのですが、この点くれぐれも希望しておきますから、よろしくお願いいたします。
#75
○高野説明員 御質問の第一点は、前と同じようで、先に御説明申し上げた通りであります。次に引揚げを民主的にやつていただきたい。ことに協定を手元に配つてくれという御趣旨かとお聞きいたしましたが、これはすでに委員部を通じて皆さんに配つてあるはずでありまして、その点は御了承願いたいと思います。次に引揚げを民主的に、具体的には超党超派でやつて行くべきだという御趣旨ごもつともで、今までもちろん政府でも、また國会におかれてもその通りやつておられると私は思います。次に引揚げに熱意をもつてやつていただきたいという点、政府といたしましては、できるだけのことは、過去においても現在においてもやつておりましたし、また將來も続けて行くつもりであります。
#76
○若松委員長代理 先ほど横田君からゼロの問題が起りましたが、私は第一回からこの委員会をずつと勤めておりますが、大体このソ連関係以外の國はたいがいGHQを通していろいろ話ができるのですが、答えないのはソ連だけなのであります。ですから今ゼロとなつておるのは、日本人もたくさんまだ向うにおりましよう。ところが安住しておるのは帰りたくない人なんですから、問題が起つて、つまり帰りたいという希望を持つた者だけを書いたものであると最初から了解しておりますが、その後境遇の変化もありますから、あるいはあなた方のお調べになつたような方もあろうかと思います。この特別委員会というのは、ごくせつな的なものを取上げるという意味でありますから、非常な潔癖をはかられることはけつこうですが、今の情勢では実際には御希望に應じ得ないような事態が起るのじやないか。しかしそれではお互いが済まされない。お互いに協力してやることだから、そういう事態が起こりましたら、原局に行つて、大体通信のできるところは急いでそういうふうにしていただきたいというような処置をとつてもらうことが一番打開の最短な、また最良の方法じやないかと思います。
#77
○横田委員 その点で帰る人ができて來た場合には、これはまず政府の方に聞くより若林さんの方が権威者で、初めからそういうふうにしてもらつた方が非常に親切だつたと思うのですが、大体ゼロのところから人が出て來ますね。それは一体どこから引くのでしようか。この表の上ではたとえばこれにどこから引くのですか。たとえば差引きしてゼロになつている。そこからポカツと出て來たというのはどういう勘定ですか。
#78
○若松委員長代理 これに私代弁するわけではありませんが、大体基本数と書いてあるのは終戰当時にあつた数字をあらゆる資料から、先ほど申し上げましたように、政府からも出ておるし、向うの資料も持つているわけで、それを勘案して出たのがこのくらいだなということで書き出した数字がこうだろうと私は了解しております。それからそれを基礎にしてどんどん差引いて見たところが、もうすでにその中から希望者がなくなつて來たからゼロの何が出て、引揚げが全部完了したという程度になつておると私は了解しております。そこで今あなたの言われるような、引揚げを希望しない者がいやしないかということは今の情勢ではちよつとわからぬ。しかし、さらに今度は境遇の変化で、どうも向うも生活が苦しくなつたから、帰りたいということは新たなる現象であつて、この表の中に現われないことだろうと私は思います。
#79
○横田委員 引揚を希望する人たちは、いわゆる引揚基本数の中にイコールしておけばよかつた。それがわからない。私が非常にふしぎに思いましたのは、地図は平面的なもので、ソビエトがぐんぐん占領してくる、一日々々と時間がたつて來る、その間において、十日占領がかかるものなら、八日目に取られた地点におつた人数と十日目に取られた人数と違いがある。われわれは占領の第一日に勘定しますね、ところが、向うは十日目に勘定している。その間の人の動きの状態はとりにくいもので、それがどういうふうに動いて、どう流れたのか、そういうことを知りたかつたんです。
#80
○若松委員長代理 これは御承知の通り、共通のであつて、その当時の現在数という意味ではないのです。あとの資料から勘案してできたものがこのくらいの数だろう。だから、あとのゼロというのは、その後起つた現象で、もう希望者がなくなつた点に達したからゼロになつたのだと、こう了解しているんです。そうでしよう。
#81
○高野説明員 そうです。
#82
○立花委員 今の委員長のお言葉は非常に重大だと思う。基本数ではあるが、現在数ではないということですか。
#83
○若松委員長代理 基本というのは向うでは基礎をおいたもの、小さな端数が出ているところがありますが、相当研究した数字だろうと思うのです。
#84
○立花委員 そういたしますと、今の数字とソ連の発表の食違い、それが基本数と現在数との食違いだと見られるわけですか。
#85
○若松委員長代理 そうでしよう。私が代弁するわけではないけれども、私の了解している範囲内では、GHQで出した数字というものは、今までの資料もありましようし、日本政府の提出した資料もありましようから、それからはじき出した数字であるのですね。それがこれだけいる。その中に希望したかどうか私にはわからないが、帰るのが順調だからだんだん帰したところが、なくなつたからゼロになつた。こういうものはだれも見た人がないからおつたかおらないか、わからないわけですが……。
#86
○横田委員 彼らがいるという意思表示をしたら残るかもしれんですね。あとの連絡がなかつたからわからぬので、連絡ができて残るという意思を表示する人があるかもしれないね。
#87
○玉置委員 去る二十二日の本会議におきまして、中山委員長の緊急質問の際に、委員長からの質問も詳しく触れていないようでありましたが、ソ連地区に在住する同胞の死亡数等についてはまだ発表になつておらぬ、ソ連の最近の新聞発表等を見てもそういうことははつきりしませんが、援護廰あたりでは連合國機関を通じてソ連側に死亡者の数を発表せいということを要求したかどうかということを伺いたい。その次は先ほど質問打切りになりましたが、後日責任ある、できれば関係大臣にこの定着援護施策についてお聞きしたいと思いますが、後日の参考までにお聞きしたいことは、現在の應急資金が、上陸すると一千円渡るのですが、今日一千円くらいではどうにもならないのです。これは相当増額するべきであると思うのですが、これに対して当局はそういう考えを持つておるかどうか。それから各地に分散して一應おちついたときに、更生資金というものが多分最初七千円で後一万円になつたかと思うのですが、この更正資金の一万円というのも、今日の経済事情、物價高等においてはとうてい役に立たない、もちろんないよりましでありますが、更生の資金というほどのものにならないのです。少くともこれは二万円くらい融資をするという方向に持つて行かねばならぬと思うのです。こういうことについてあなた方に質問するのはどうかと思うのですが、今日関係者が來ていないので、あなた方に一應伺つておきたいと思います。
#88
○高野説明員 死亡者数の数につきましては、政府は連合國総司令部を通じまして再三ソビエト政府に要求いたしておりますが、現在は何ら日本政府は聞いておりません。それから前の基本数と現在数という先ほどお話がありましたが、再三御説明申し上げた通り、基本数はその当時の数で、現在数というのは、さつきお話のやりとりがあつたと思いますが、基本数は終戰当時にその地区にいた数でございまして、これから引揚げた数を引きまして引揚予定数、四月三十日現在ということになつております。何かちよつとややこしいようなお話のやりとりがあつたようでありますが、私はそういうふうに了解いたします。
#89
○大宰説明員 上陸地で應急援護金として千円ずつをお渡ししていますけれども、これはまことに少ないと言われれば、決して多い金額とも私どもも思つておりませんが、遺憾ながら予算の範囲内できめておることであります。なおつけ加えて申しますと、もちろん帰りますときの汽車賃は、ただで汽車に乗せてあげるようにいたしております。また食糧なども旅程に應じましてさし上げるようにいたしております。從つて應急援護金と申しますものが、大体帰る途中の小遣いとか何か不時の出費ということになるので、御了承おき願います。
 それから定着後の更正資金が非常に少く、現在七千円出しておることに御承知の通りであります。これは一人七千円でございますから、たとえば事業を始められますのに、十人でやれば七万円になり――それ自体も大した金額ではございませんが、そういうふうに運用していただくようにいたしております。なおこれを増額することにつきまして、極力それをふやしたい、最近の機会に一万五千円くらいに何とかしたい、こういうふうに考えております。
#90
○若松委員長代理 では本日はこれで散会いたします。
    午後一時四十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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