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1949/03/23 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 図書館運営委員会 第1号
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1949/03/23 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 図書館運営委員会 第1号

#1
第005回国会 図書館運営委員会 第1号
本委員は昭和二十四年二月十九日(土曜日)議長
の指名で次の通り選任された。
      青木 孝義君    鈴木 正文君
      關内 正一君   山口喜久一郎君
      山口 好一君    吉田  茂君
    早稻田柳右エ門君    森戸 辰男君
      中西伊之助君    中野 四郎君
同日
 早稻田柳右エ門君が議長の指名で委員長に選任
 された。
―――――――――――――――――――――
会議
昭和二十四年三月二十三日(水曜日)
    午後一時四十八分開議
 出席委員
   委員長 早稻田柳右エ門君
      關内 正一君    水谷  昇君
      森戸 辰男君    中西伊之助君
      中野 四郎君
二月二十三日
 委員青木孝義君辞任につき、その補欠として北
 澤直吉君が議長の指名で委員に選任された。
三月一日
 委員吉田茂君辞任につき、その補欠として水谷
 昇君が議長の指名で委付に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会談に付した事件
 理事の互選
 國政調査承認要求に関する件
 國立國会図書館組織規定の一部を改正する規程
 國立國会図書館支部上の図書館組織規程案
    ―――――――――――――
#2
○早稻田委員長 これより会議を開きます。
 はなはだ高いところから失礼でありますが、一言ごあいさつを申し上げます。
 今般私が図書館運営委員長の職を汚すことになりましたが、もとよりその器ではございません。委員各位の御協力なくしてはこの重責を果すことはできないと存じております。何とぞよろしくお引きまわしあらんことをひたすらお願い申し上げまして、ごあいさつにかえます。どうかよろしくお願いいたします。
 それでは引続きまして理事の互選をいたしたいと存じます。
#3
○關内委員 理事はその数を一名といたしまして、委員長において御指名あらんことを望みます。
#4
○早稻田委員長 ただいま關内君から動議がありましたが、動議のごとく決定いたしまして御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○早稻田委員長 御異議なしと認めます。それでは僭越でありますが、理事は私から指名をさしていただきます。本委員会の理事は
 水谷  昇君
にお願いいたします。
    ―――――――――――――
#6
○早稻田委員長 國立國会図書館法第五條により、國立國会図書館組織規程の一部を改正する規程並びに國立國会図書館支部上野図書館組織規程案につき、承認を求められておりますので、右二件につきまして國立國会図書館長の説明を求めます。図書館長。
#7
○金森國會圖書館長 ただいま二件の御議定を願つておるわけでありまするが、この図書館が生れましたのが、法律上は昨年の二月の初めでありまして、実質上は昨年の六月の五日からでございました。生れました年次を数えますれば実質的には一年には相当足らないという状況になつております。その経過をごく骨組だけ説明をさせていただきますると、この一年足らずの間に無理に無理を重ねまして、場所もない、人も整わない、書物も得られないというような状況の中で、皆様方そのほかの方々の御協力によりまして、やつと今日ある程度までの状態に到達いたしました。こまかいことは別といたしまして、図書館として一番主眼といたしておりますのは、立法に関しまするいろいろな調査、場合によりましては法律案までもつくるという任務、これが一つの大きな部門であります。他の部門は國会、行政官廳、裁判所及び一般の國民に図書館で普通扱いまする文書、図画その他のものを閲覧、参照に供する、こういう任務であります。立法調査の方は何分にもまだ人数も足りませんし、ふなれでありまして、りつぱに誇るに足るという自身をもつたものはあまりないと申し上げるのが穏当でございまするけれども、今日謄写版によつてお手元に配つておりますものの中に目ぼしいものの目録が出ておりまするが、数におきまして相当の数、種類におきましても相当の種類のものを、あるいは活版にし、あるいは謄写版にいたしまして、必要な方面に御利用を願つておるわけであります。書物の方は、これは実際なかなか経費ももつておりませんし、世の中も不便でありますので、十分にはできませんが、現在のところ私の方では直接には三十万冊少し上、おそらく三十二、三万冊と計算いたしまするのが正しいと思いまするが、それを直轄しております。それから各行政官官廳におきまして、非常に珍奇な図書を集積しておりまして、これを合計いたしますると、百二十万部ばかりあろうと思います。それに静嘉堂文庫と東洋文庫、この二つの図書館は世界に比類のない程度の、つまり世界に一冊とか二冊しかないようなものを含んでもつておりまして、その蔵書の数は五十五万冊くらいと考えております。これを合算いたしますると、相当大きなものになりますが、その上にもつて來まして、今日ここでもし御議定を願いますならば、上野の図書館が私の方に一括されて来ることになりますので、これで約百万冊増加することと思います。從つて、概算して三百万冊近くの図書館を一つの系統の中に納めているということになりまして、外国に行けば珍しいことでないかもしれませんが、日本の今までの道行きからしますと、かなり日ぼしい、利用價値の多いものができるものと考えております。
 そのような実情でありまして、それに基きまして從来内部の規則をつくつて参りましたが、この規程はさきに申しましたように、國立國会図書館法の定めによりまして館長が定めるということになり、定めますには原則としては先にこの委員会において御議定を願うということになつております。今日差出しました二つの案もそれと関係をするものであります。ところが、議案の最初にあります一部を改正する規程と題せられておりますのは、これは昨年の暮に、つまり十二月にこれを出す必要が起りましたものであります。と申しますのは、そのときに最高裁判所に支部図書館を置くという意味の法律が別に出まして、それに合せて私の方でも最高裁判所支部図書館というふうのものを――これは名義だけでありますけれども、それをつくらなければならなかつたのであります。それから新たに人事院ができまして、そこに支部図書館をつくらなければならない。この二つの図書館を今年の一月一日から支部として設けなければならなかつたのでありまするが、時たまたま議会の情勢によりまして、この委員会をお開きを願つてこれを議定することが困難でありましたので、一應法律の定むるところによりまして、館長がこれをきめて、今日この委員会の御承認を願いたい、こういう趣旨であります。事柄は今申しましたように、きわめて簡單で、最高裁判所の図書館が名目をかえたということと、人事院に小さい図書館ができたというこの二点であります。
 次に第二の議案の面におきましては、これは上野の現在の國立図書館というものは、私どもの國立國会図書館の制度が設けられますときに、当時相当の大きな項目として論議せられたものでありまして、今後日本には中心図書館としては國立のもの一つを置くのである、それがこの國立國会図書館である。してみれば、上野にまた別の中心的図書館を置く必要はないという理由によりまして、國立國会図書館法の中に、上野図書館は四月一日には國立國会図書館の一部になるものであるというような規程が現在でき上つております。つまり遅くともこの三月が済みますれば、上野の図書館は國立國会圖書館の支部図書館にならなければならないということになつております。そこで文部省の所属であります関係から文部省の方及び上の図書館の現在の職員の方々とよく協議をいたしまして、円満に引継きの順序が研究を了しまして、ここに議案第二号にありますような上野図書館の組織規程というものを定めて、この委員会の御承認を願う段取りになりました。この上野図書館の規程はごらんのごとくきわめて簡單なものでありまして、大体職員は現在の人をほとんどそのまま受継ぐという形になつております。ほとんどというあいまいま言葉を使いましたのは、將來世間でいろいろな人員についての変化が起り得るというようなことを念頭におきますると、多少のそこに変更が起り得るかもしれぬという意味で申し上げたのでありまするが、実質におきまして現在の人数を大体そのまま受継いでいる。それから書物等も大体はそのままにして置きまして、漸次必要な手続をとつていろいろの書物が適当なところで利用ができるようにしたい、こういう計画をもつて関係部局で協議をしております。大体規定にたくさんございますけれども趣旨としてはそれだけのものでありまして、大きな目で見れば日本の文化の中心図書館を一つに統一するという意味を持つておりまするし、小さい意味から申しますれば何とかしてこの二つの図書館が手を合せて、あまり経費をふやさないで、できるだけよけい図書館サービスをして行きたい、こういう考えを持つておる次第でございます。
 なお御質問に應じまして御説明を申し上げたいと思いますが、一應これをもつて説明を終ります。
#8
○早稻田委員長 ただいま館長より御説明のありました両議案について、何か質疑はございませんか。
#9
○水谷(昇)委員 この支部上野図書館につきましては、そのまま引き継ぐようでありますが、内容において改革するようなことは、館長において何かお氣づきの点はないのでありますか、お考えをお伺いいたします。
#10
○金森國會圖書館長 支部上野図書館の発達が非常に古いのでありまして、古いということは、つまり図書館の運営の上におきまして新しい原理が取入れられていないということを当然に含んでおります。でありまするから、私どもがこれを全体として取扱いまするときには、できるだけ新しい研究にまかせて行こう。たとえば書物の分数配置というようなことにつきましても、最新の研究方針に合せて行こう、これが実質的の問題です。それから現在の上野の図書館は何しろ場所が狭くなつておりまして、書物がふえて、行き詰つておるということがはつきり言えると思います。從つて上野図書館の書物を一部分國立國会図書館の本館の方に何とかして移しまして、向うにあき間をこさえて図書館の活動を便利にしなければならぬということも考えております。それからこの二つの図書館が一つになりますれば、書物を受入れたりこれを適当に組み合せるというようなことはやほり一つの手によつて行われることになりまして、ここにも事務の重複ということが省けると思うのであります。しかしこれを下手にやりまするとかえつて理屈通りになつて実際が不便になるということもありまするから、その点は非常によく注意をして、できるだけ協力して今まで伸びなかつた部分をも伸して行きたいと考えております。なお上野の図書館につきましては、今後相当の経費をつぎ込みませんと、現在の状況だけでも中々うまく行かないのではないかというふうな氣持がしております。と申しまするのは、これだけの沿革の久しい、そうして日本において今まではただ一つの中心図書館でありまして、中に集められておりまする書物なども、ほかにに容易に得がたいものが集まつておるわけでありまして、これを完全に整理して実用に適するようにいたしまするためには、今まで通りではとても思うように参りません。予算を要するわけで、大きな期待も持てませんけれども、極力その点を充実して行きたいと考えておりますし、そのほかいろいろ考慮するところがございまして、数箇月前から上野の図書館の現在の人々と國立國会図書館の現在の人々、幹部級と中間幹部級とが顔を合せまして始終協議をしておりまして、ほぼめどはついておりまするので、その線に沿つて実行して行きたいと思つております。
#11
○中西委員 從業員のことですが、ここでは職員となつておりますが、職員その他図書を出し入れする人たちで、今度上野図書館が國立國会図書館の所属になるについて、監理される人はないのですか。
#12
○金森國會圖書館長 今お話になりましたのは、上野図書館に現在入つている人が、身分上の変更を受けることはないかという御質問であろうと思います。上野図書館は大づかみに申しまして、今百五十人ばかりの定員を持つております。この規程の中には一部分しか出ておりませんけれども、これは大体こういう規程のやりきたりとしまして、いわば昔風の考えで行きまして、一級官、二級官、三級官、この辺だけが出ておりまして、それより下の方の低い職員はここに出ておりません、合計二十八人ばかりしか出ておりませんが、そのほかに百人余の人がおります。私ども側人的な希望といたしましては、この移管に際しまして極力日本の図書館人の地位を高めるように努力したいと考えております。ところが予算の実情から、とてもそれは困難でありまして、今までの予算の考え方をもとにして行くよりしようがございませんから、これに当分その方法で引継ぎます。ところで今仰せになりました人をどうするかという問題ですが、今のところ幸いにしてそういうことについて特別に無理を起すようなことはございません。と申しますのは、これは今ちよつと私ほんとうに確信をもつて明言はできませんけれども、これからの行政整理ということが起つて参りますると、多少の整理がないということは保証できません。今現にそういう問題が考究されておりますけれども、数が割合に少いのでありまして、その少いのをできるだけ氣をつけまして、國立國会図書館の方に幾分はまわし得ることもできるのであります。でありますから、できるだけ無血に事を処して行きたいと思つております。
#13
○中西委員 首切りはないというわけですか。
#14
○金森國會圖書館長 今そういうことは責任をもつて言うことはできませんけれども、私はそういうことはないと信じております。
#15
○早稻田委員長 ほかに質疑はございませんか。
 それでは質疑を打切りまして、両案は館長説明を御了承いただきまして満場一致承認いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#16
○早稻田委員長 御異議なしと認めます。両案ともに満場一致承認いたすことに決定いたします
    ―――――――――――――
#17
○早稻田委員長 引続いて御相談をいたしたいと存じますが、本日日本図書館協会の代表の方がを多数おいでを願つておりまして、理事長衞藤和夫君から、委員長に対して請願の形式でこういう文書が参つております。
  公共図書館法案が今第五國会に提出されようとしておりますときに当り、同法案御審議の一助として、左記公共図書館の実情を御視察願いたくこの段請願いたします。一、戰災をこうむらざる府縣中央図書館といたしまして、大阪府中央図書館、京都府中央図書館、千葉縣中央図書館、長野懸中央図書館、鹿兒島懸中央図書館等が記載してあります。
 それから二番目に戰災府懸中央図書館、目下復興途上にあるものとして、香川縣中央図書館、宮城懸中央図書館、三重縣中央図書館、富山縣中央図書館、大分縣中央図書館等が記載をいたされております。
 かような請願が出ております。これに関連いたしまして國立國会図書館の運営と密接な関係もありますので、これら地方図書館の運営状況を一應調査視察いたしたいと考えておるのであります。そこで規則第九十四條によりまして、國政調査承認要求書を提出いたしたいと思います。その内容等につきましては委員長に御一任を願いまして、しかるべくとりはからいたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#18
○早稻田委員長 御異議なしと認めます。それでは委員長において調査目的、調査方法、その他おまかせいただきまして、議長の手元へ國政調査承認要求書を提出いたします。なおその期間は今議会中にいたしたいと存じます。御了承をいただきます。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後二時十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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