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1965/04/28 第51回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第051回国会 社会労働委員会 第29号
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1965/04/28 第51回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第051回国会 社会労働委員会 第29号

#1
第051回国会 社会労働委員会 第29号
昭和四十一年四月二十八日(木曜日)
   午前十時二十一分開議
 出席委員
   委員長 田中 正巳君
   理事 藏内 修治君 理事 澁谷 直藏君
   理事 竹内 黎一君 理事 松山千惠子君
   理事 伊藤よし子君 理事 河野  正君
      伊東 正義君    大坪 保雄君
      亀山 孝一君    熊谷 義雄君
     小宮山重四郎君    西岡 武夫君
      西村 英一君    粟山  秀君
      足鹿  覺君    淡谷 悠藏君
      滝井 義高君    長谷川 保君
      八木 一男君    吉川 兼光君
 出席国務大臣
        厚 生 大 臣 鈴木 善幸君
 出席政府委員
        厚生事務官
        (大臣官房長) 梅本 純正君
        厚生事務官
        (児童家庭局
        長)      竹下 精紀君
        厚生事務官
        (年金局長)  伊部 英男君
        厚生事務官
        (社会保険庁年
        金保険部長)  網野  智君
 委員外の出席者
        専  門  員 安中 忠雄君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 国民年金法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第八四号)
 児童扶養手当法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第六五号)
 重度精神薄弱児扶養手当法の一部を改正する法
 律案(内閣提出第六六号)
     ――――◇―――――
#2
○田中委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出の国民年金法の一部を改正する法律案、児童扶養手当法の一部を改正する法律案及び重度精神薄弱児扶養手当法の一部を改正する法律案の各案を議題とし、審査を進めます。
#3
○田中委員長 提案理由の説明を聴取いたします。鈴木厚生大臣。
#4
○鈴木国務大臣 ただいま議題となりました国民年金法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。
 国民年金制度は昭和三十四年に創設され、同年十一月から福祉年金の支給を開始し、昭和三十六年から本制度の中心である拠出制年金の実施に入り、現在では被保険者数約二千万人、拠出年金受給者約六万人、福祉年金受給者約三百万人を擁する規模に成長しており、被用者を対象とする厚生年金保険と相並んでわが国公的年金の二大支柱を形成する制度であります。しかしながら、現行の体系につきましては、昭和三十六年及び昭和三十七年の両年にわたって拠出制年金の実施を軌道に乗せるための改正が行なわれた後は、逐年福祉年金を主体とした改正が行なわれたのみでありまして、拠出年金の給付水準は、この数年間の著しい経済成長に伴う生活水準の大幅な上昇に取り残され、老後の生活を保障するものとしては不十分な状態に置かれているのであります。
 一方、最近の人口構造の著しい老齢化現象、生活水準の向上などの事態に際して、老後の生活保障施策はますますその重要性を増しているのでありまして、このため昨年の厚生年金保険の大幅改正に引き続き、国民年金につきましても、本年が財政再計算期であるところから、これを機会に、今日までの生活水準の向上に即し、その大幅な改正を提案することとした次第であります。
 以下、改正法案のおもな内客につきまして、順次御説明申し上げます。
 まず、拠出制年金に関する事項について申し上げます。
 第一に、年金額の引き上げについてであります。
 老齢年金の額につきましては、現行は保険料納付済み期間一年につき、拠出期間二十年までは九百円、二十年をこえる期間は一千二百円で計算しておりますのを、一年につき二千四百円に、現行の保険料免除期間一年につき三百五十円で計算しておりますのを八百円に引き上げて計算することといたしております。この結果、二十五年拠出の標準的な老齢年金の額は、現行の二万四千円から六万円に、月額にして二千円から五千円に引き上げられることになり、全期間四十年拠出の場合は現行の四万二千円から九万六千円に、月額にして三千五百円から八千円に引き上げられることになるのであります。月額五千円という水準は、従前二十五年拠出の老齢年金額が厚生年金の基本金額のうち定額部分に一致していたように、今回の改正により改正後の厚生年金保険の定額部分と適合することとなり、これによって夫婦で月額一万円の年金を実現しようというものであります。
 通算老齢年金につきましても、その年金額は老齢年金と同様に計算いたすこととしております。
 障害年金の額につきましても、老齢年金と同様の計算により算出することといたしております。また、二級障害年金及び子二人を扶養する場合の母子年金と準母子年金については、現行の最低保障額二万四千円を六万円に、月額にして二千円を五千円に引き上げるとともに、一級障害年金の加算額も現行の六千円から一万二千円に、月額にして五百円から一千円に引き上げをはかっているのであります。これらの最低保障額は、従前から二十五年拠出の老齢年金の額に最低保障額を合わせていた経緯にかんがみ、今回も老齢年金が六万円、月額にして五千円に引き上げられるのでこれに合わせたものであります。
 遺児年金の額も、同様の計算により最低保障額は、現行の一万二千円から三万円に、月額にして一千円から二千五百円に改めることといたしております。
 第二に、給付の支給要件の緩和でございますが、これには二点ありまして、第一点としましては、障害の範囲の拡大であります。現行法におきましては、循環器系の障害等につきましては障害年金が支給されないのでありますが、この障害の範囲を拡大しまして、すべての障害について障害年金の受給機会を与えようとするものであります。母子年金、準母子年金及び遺児年金の対象となる子等につきましては、通常は十八歳まで、障害児に限り二十歳まで年金が支給されるのでありますが、この障害児の範囲につきましても障害年金と同様に、すべての障害を対象とすることといたしております。
 第二点といたしましては、障害年金の資格要件の緩和であります。現行法では、病気にかかり三年目において障害の軽度である者には、その後いかに重症となっても障害年金は支給されません。今後はこのように事後重症となった者にも年金を支給しようというものであります。
 第三に、保険料の額の改定について申し上げます。今回のように給付水準を大幅に引き上げますと、これをまかなう保険料についても、当然相当額に引き上げの必要があるわけでありますが、今回はさしあたり百円の引き上げにとどめ、三十五歳以上の者の保険料は月額二百五十円、三十五歳未満の者は二百円とし、以後段階的に引き上げ、昭和四十四年一月分からは五十円の増額としているのであります。
 次に、福祉年金に関する事項について御説明申し上げます。
 第一に、年金額の引き上げについてでありますが、昨年の引き上げに引き続き本年度も老齢福祉年金は現行の一万五千六百円を一万八千円に、障害福祉年金は二万四千円を二万六千四百円に、母子福祉年金及び準母子福祉年金は一万八千円を二万四百円に、それぞれ二千四百円、月額にして二百円の引き上げをはかることといたしております。
 第二に、支給要件の緩和について二点申し上げます。
 第一号は、障害福祉年金の対象となる障害の範囲と母子福祉年金及び準母子福祉年金の支給対象となる子等の障害の範囲は、拠出年金の場合と同様に、循環器系障害等のすべての障害にまで拡大いたしております。
 第二点として、障害福祉年金は事後重症者についても、障害年金の場合と同様に支給対象といたしております。
 第三に、支給制限の緩和について四点申し上げます。
 第一点といたしましては、福祉年金受給者本人の所得による支給制限の緩和であります。市町村民税の老年者、障害者及び寡婦についての非課税限度額が引き上げられますので、これに合わせて現行の限度額二十二万円を二十四万円に引き上げることといたしております。
 第二点といたしましては、障害福祉年金について、その受給者の配偶者の所得による支給制限を廃止し、扶養義務者の所得による支給制限に吸収させる緩和措置を講じております。
 第三点に、福祉年金受給者を扶養している扶養義務者の所得による支給制限でありますが、標準世帯(六人)の場合を例にとりますと、現行の限度額約七十二万円を約八十二万円に緩和をはかることといたしております。
 第四点としては、夫婦の一方が障害福祉年金を受け、他方が老齢福祉年金を受ける場合の老齢福祉年金の三千円停止の措置を廃止することといたしております。
 次に、経過措置について申し上げます。
 第一に、現に、年金受給中の既裁定年金の額についても、本則の改正と同様に引き上げることといたしております。これによって、老齢年金の受給者がまだ出ない現段階においても、障害年金及び母子年金等について大幅な引き上げが実現することとなるわけであります。
 第二に、旧陸海軍工廠の工員などの旧令共済組合員であった期間を国民年金の老齢年金の資格期間に算入いたしております。
 最後に、実施の時期につきましては、諸般の準備等もあり、主たる部分については、昭和四十二年一月分からといたしております。
 以上がこの法律案の提案の理由でありますが、何とぞ、慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
 次に、ただいま議題となりました児童扶養手当法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。
 児童扶養手当制度は、発足後四年余りを経過し、今日まで手当額の引き上げ、支給制限の緩和等の改善が行なわれてまいりましたが、今回さらに内容の充実をはかるため、手当額の引き上げ、所得による支給制限の緩和等を行なうことによりまして、制度の改正をはかることといたしたものであります。
 以下、改正案のおもな内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、手当額の引き上げでございますが、その月額を、児童一人の場合には現行千二百円であるのを千四百円に、児童二人の場合には現行の千九百円を二千百円に、児童三人以上の場合には現行では千九百円に三人以上の児童一人につき四百円を加算することとなっているのを、二千百円に三人以上の児童一人につき四百円を加算することといたしたのであります。
 第二に、支給制限の緩和でございますが、受給資格者本人の所得による手当の支給制限の限度額を二十二万円から二十四万円に引き上げるとともに、受給資格者の扶養義務者の所得による支給制限の基準額を七十一万六千円から八十一万八千円に引き上げ、配偶者の所得による支給制限をこれに吸収することといたしたものでございます。
 最後に、実施の時期につきましては、手当額の引き上げに関する事項は昭和四十二年一月分から、支給制限の緩和に関する事項は昭和四十一年五月分から、それぞれ施行することといたしております。
 以上がこの法律案の提案理由でありますが、何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことを望みます。
 次に、ただいま議題となりました重度精神薄弱児扶養手当法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。
 重度精神薄弱児扶養手当制度は、一昨年発足し、昨年の改正によりその内容の改善を見たところでありますが、重度精神薄弱児と同様の状態にある身体に重度の障害のある児童の現状を考慮するとき、これらの児童にも手当を支給する必要が痛感される次第であります。
 したがいまして、今回の改正案は、身体に重度の障害を有する児童に、新たに手当を支給することとし、なお所得による支給制限の緩和を行なうことにより、制度の改正をはかることとしたものであります。
 以下、改正案のおもな内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、法律の題名でございますが、今回新たに身体に重度の障害を有する児童につきましても、手当を支給することとしておりますことを勘案いたしまして、従来の重度精神薄弱児扶養手当法を特別児童扶養手当法に改めることといたしたものでございます。
 第二に、支給の対象となる児童につきまして、従来の重度の精神薄弱児に加えて、新たに身体に重度の障害を有する児童に対しましても、児童一人につき月額千二百円の手当を支給することとし、手当の名称を特別児童扶養手当に改めたのでございます。
 第三に、支給制限の緩和でございますが、受給資格者本人の所得による手当の支給制限の限度額を二十二万円から二十四万円に引き上げるとともに、受給資格者の扶養義務者の所得による支給制限の基準額を七十一万六千円から八十一万八千円に引き上げ、配偶者の所得による支給制限をこれに吸収することといたしたものであります。
 最後に、実施の時期につきましては、身体に重度の障害を有する児童に対する手当の支給に関する事項は昭和四十一年九月分から、支給制限の緩和に関する事項は同年五月分から、それぞれ施行することといたしております。
 以上がこの法律案の提案理由でありますが、何とぞ、慎重に御審議の上、すみやかに、御可決あらんことを望みます。
#5
○田中委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午前十時三十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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