くにさくロゴ
1965/05/12 第51回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第051回国会 産業公害対策特別委員会 第15号
姉妹サイト
 
1965/05/12 第51回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第051回国会 産業公害対策特別委員会 第15号

#1
第051回国会 産業公害対策特別委員会 第15号
昭和四十一年五月十二日(木曜日)
   午前十時三十九分開議
 出席委員
   委員長 井手 以誠君
   理事 奥野 誠亮君 理事 丹羽 兵助君
   理事 保科善四郎君 理事 南  好雄君
   理事 中井徳次郎君 理事 野間千代三君
      川野 芳滿君    熊谷 義雄君
      山本 幸雄君    實川 清之君
      山崎 始男君    吉川 兼光君
 出席国務大臣
        厚 生 大 臣 鈴木 善幸君
 出席政府委員
        厚生政務次官  佐々木義武君
        厚 生 技 官
        (医務局長)  若松 栄一君
        農林政務次官  仮谷 忠男君
        通商産業政務次
        官       進藤 一馬君
 委員外の出席者
        検     事
        (人権擁護局総
        務課長)    辻本 隆一君
        厚 生 技 官
        (環境衛生局公
        害課長)    橋本 道夫君
        通商産業事務官
        (企業局次長) 中川理一郎君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 産業公害対策に関する件
     ――――◇―――――
#2
○井手委員長 これより会議を開きます。
 産業公害対策に関する件について調査を進めます。
 先般来、本委員会におきまして、農薬による公害対策に関して調査を進めてまいりましたところ、委員各位から、水銀系農薬の規制について強い御要望があり、四十三年度から非水銀系農薬を全面的に普及してはどうかという御意見もありました。
 この際、農林省から、その方針について承りたいと思います。仮谷農林政務次官。
#3
○仮谷政府委員 水銀系農薬の規制の問題につきましては、当委員会の強い御要望にかんがみまして、目標としては四十三年からは使用せずに済むように新農薬の生産を督励することといたします。ただ、小粒菌核病、ゴマハガレ病等の新農薬がいまだ開発されておりませんこと、農家に対する新農薬の使用の周知徹底を期するには相当の時間的余裕が必要であるということ、また天候の事情によりましていもち病等が異常に多発することがあることなどの事情を考慮いたしまして、四十三年以降にも水銀系農薬の使用が若干延びる場合もあることをこの際御了承願っておきたいと存じます。
#4
○井手委員長 午後一時より再開することとし、この際、暫時休憩をいたします。
   午前十時四十二分休憩
     ――――◇―――――
   午後一時八分開議
#5
○井手委員長 休憩前に引き続き、産業公害対策に関する件について調査を進めます。
 産業公害対策の基本施策について質疑の通告がありますので、これを許します。中井徳次郎君。
#6
○中井委員 きょうは厚生大臣と通産政務次官が御出席ですが、この産業公害対策委員会におきましては、この国会が始まりましてから、あなた方にもたびたび御出席は願ったのでありますけれども、大体自動車の排気ガスの規制の問題、あるいは海水汚濁防止に関する条約批准の問題、この二つは予算委員会の分科会において私は厚生大臣にお尋ねをした記憶があるのでありますが、それからさらに石油精製及び火力発電に用いまする重油の燃焼に伴いまして出てまいりまする亜硫酸ガスの問題、これも非常に全国的な大きな問題になっておりますし、さらにまた、ごく最近の委員会におきましては、全国各地の水銀系農薬によりまする被害の問題等につきまして、かなり精力的に私どもは審議を進めてまいりました。この点に関しましては、自民党、社会党を問わず、国民生活の確保と向上のためにということで、きわめて熱心に討議を進めまして、国会としまして相当成果を上げたと私どもは確信いたしております。
 しかしながら、その議論の中にありましていつもひっかかりますのは、法の整備の問題であります。行政措置はもとよりでありますが、どうしてもこの公害関係につきましては、大きな網をかけてそれからおりていくという形でありませんことには、いま二、三の法案がございますが、いずれもなかなか方々抜けるところがあるということではあるけれども、それよりもやはり基本的な概念がまだできておらぬ。国民的にも政治的にも経済的にも、また政府としてもまだきまっておらぬ。公害に対してどういう態度をとるか、これはごく最近の近代国家の要請であろうと私は思いますからやむを得ないこともあったと思いますし、世界各国とも、このことにつきましてはいま過程にあるというでもいいと思う。そういうことから、やはりどうしても公害対策基本法的なものをつくらなければいけない。それについては政府におかれても、それは必要ないというふうな段階ではなくて、非常に研究も進めておられる。あるいは公害審議会というふうな厚生大臣の諮問機関か何かおつくりになっていま熱心に検討中である、こういうことを聞いておりますので、きょうはこの国会の、そういう意味の締めくくり的な意味も含めまして、大体公害対策基本法について政府はどういうような考え方をいたしておるか、そのことをまず大臣に伺っておきたい。
#7
○鈴木国務大臣 従来から、ばい煙の規制でありますとか、水質の汚濁の規制でありますとか、部分的な公害につきましては規制の措置等を講じてまいったところであります。しかしながら、近年における都市の過密化、それに伴う交通難、また生活環境等の面における公害の発生、さらに大気の汚染でありますとか、騒音でありますとか、震動でありますとか、社会経済的な大きな変化に伴いまして、いろいろな公害があらゆる面に大きな社会問題としてその解決を迫られておる、公害問題が重大な政治問題であり、社会問題に発展してきておる。こう思うわけでありまして、そのためには公害に対するところの国としての基本的な施策を確立する必要がある。特に厚生行政をあずかっております私といたしましては、国民の健康、生命を守るという観点から、また文化的な健康な生活環境をつくる、こういうような面からいたしまして、この公害問題につきましては厚生省といたしましても重要な問題としてこれと組り組んでおるところであります。
 そういう観点から、昨年の十月に公害審議会を設置いたしまして、各界の専門家、学識経験者を委員に委嘱をいたしまして、公害問題につきましての基本的な施策、また、ただいま中井先生からお話がありましたような公害基本法というよう一な、国としての総合的、統一的な公害に対する法約規制の確立、こういうことにつきまして御審議をいただいておるのであります。大体九月末ごろまでには、審議会におきまして基本的な施策、また基本法等につきましてもぜひ審議会の御意見を伺いたい、かように考えておるのでありますから、九月末ごろの中間的な答申になると思いますけれども、御意見を伺って公害対策に対する基本施策の確立に資したい。それはただ厚生省だけの受け取り方でなしに、これを内閣の、総理府にあります公害対策推進連絡会議に御披露をいたしまして、政府全体としてその問題を審議、検討いたしたい。また、公害対策の行政を推進いたします場合に、一体政府としてどこに責任があるのか、みんなばらばらでそこに総合的、統一的な行政がなされていない、こういう御指摘が各方面からもあるわけでございますが、率直に申しまして、私どももそのことをはっきり認めておる次第でございます。そういうような観点から、今後公害基本法のようなものを制定をいたしますと同時に、公害対策に対する対策の推進をいたします総合調整の強力な行政機関、それは行政委員会の形になりますか、どういう形になりますかわかりませんが、そういうものをつくって総合的、統一的に各省が一体になって公害対策を適切に手を打ってまいる、そういうことのできる体制を早く確立しなければいけない、かように考えておる次第でござ
 います。
#8
○中井委員 いま大臣から、政府の目下のところ
 の考え方をるる承ったのでありますが、そういたしますと、さらに話を進めまして、大臣の答弁では、九月末ごろまでには公害審議会が、中間報告であろうが何であろうが一応の結論を出す。それに従って公害基本法的なものも考えていきたいということになりますと、連絡会議にかけるのだ何だということは政府部内のことで、国会のあずかり知らぬことでありまして、当然のことであると思いますが、次の通常国会には一応公害基本法というものが出されるというふうに了解していいわけですね、どうですか。
#9
○鈴木国務大臣 私といたしましては、ぜひ次の通常国会に提案いたしたい、それを目途に政府部内におきましてもこれを推進をいたしたい、かように考えております。
#10
○中井委員 その場合に問題になりますのは、やはりどこがやるかということであろうと思います。いまあなたからもお話がありましたが、まだどうもはっきりいたしませんが、たとえば厚生省が最終的な主管庁であるのか、おそらくそうなると思うのだが、行政委員会にしましても、厚生大臣がその委員長をやるとか、あるいは通産、運輸、建設その他との関係はどうであるかとか、これが具体的に仕事をする場合に一番問題になると思うのですが、いかがですか。そういうことについてまだ腹案も何もないのか、相当研究が進められておるのか、その辺のところを伺っておきたい。
#11
○鈴木国務大臣 私は、厚生省がやらなければいけないというようなぐあいに実は考えておりません。政府全体としてこの公害問題が円滑に適切に処理されるようにしたい。そういう観点で、各省の公害に対する施策が一元化され、総合化されるような仕組みでやっていったらいいのではないか、こう考えておるのでありまして、ただいまのところは行政委員会があるわけでございますが、そういうような形のものをつくることも一つのあり方ではないだろうか、かように考えておる次第であります。
#12
○中井委員 大臣の言うことはよくわかるが、しかし具体的には、いまの日本の政府のやっておることは、通産省とか厚生省とかなんとか、最終的な責任を持つところがないと、何かあっちへ持っていったりこっちへ持っていったり、ボールを投げ合いしているようなことであります。私ども社会党は、あなたのいま御答弁のように行政委員会の考え方です。もうすでに国会に出しておる。少数精鋭の委員でもってやるというのだ。しかし、現実のいまの佐藤内閣におきましては、行政委員会というと、それはおそらく私は人権擁護委員会のようなものよりももっと強いもの、あるいは公正取引委員会のようなものよりももっと強いもの、国家警察の委員会がございますね。むしろあれに近いものになりはせぬか。そういうことになると、あれは自治省の大臣が兼ねておる、こういう形で一応警察という行政機構もがっちり過去においてありますから、それを引き継いでいった。今度新しくつくるのですから、ここで言うのは楽だけれども、鈴木さん、あなたの御性格から、決して厚生省がそういうところへ引っ込むような、わが田に水を引くようなことはなさらない、あなたのお人柄がしのばれて非常にけっこうな御答弁だけれども、現実にはどこかないといけない。そうでなかったら、委員会つくるときにもう各省から具体的に何名かのそのためのいわゆる官僚団を引っぱっていって組織するという形でないと、ただ単に一週間に一回集まる委員会とか、一月に一回の委員会ではだめだというふうに私は思うのですが、その点いかがですか。さらに突っ込んで……。
#13
○鈴木国務大臣 これは、公害基本法の中に、やはり公害対策の基本的な対策を推進をする行政機関というものを明らかにきめなければいけないのではないか、これが第一点であります。それから公害として指定しなければいけない。その公害の指定をするということが一つの重要な問題であろうかと思うのであります。それから公害の規制すべき基準、これはできるだけ科学的根拠に基づくものでなければいけないわけでありますが、国際的にもその基準というものがだんだん明らかになってきておりますから、そういう視野に立っての公害の基準ということを明らかにしなければいけない。それからさらに、公害によって被害を受けた場合のその調査、裁定、したがって、それに伴う補償をどうするか、そういう裁定等を行なう。また、国あるいは地方自治体あるいは企業体等のそれぞれにおいて、公害対策に対してどういう役割りを具体的にとっていくか、そういうようなこと等につきまして、基本的な問題をやはり公害基本法では取り上げなければならぬのではないか。ただ訓示規定で、ざる法的なものであっては意味がない、こう思うわけであります。
 それから、基本法で個々の公害に対する規制なり措置なり、除外装置なり、そういうようなものを全部やるということは適当であるかどうか、私はその点も検討せねばいかぬと思いますが、現にありますところのばい煙規制法であるとか、水質汚濁防止法であるとか、そういうようなものを時代の要請に応じてもっとこれを整備するというようなことで、それぞれの公害に対する単独法、こういうものも私はあっていいのではないか、こう思うわけでございますが、いずれにいたしましても、公害対策の基本的な施策は、先ほど申し上げましたようなことは基本法でこれを明記いたしまして、そして訓示的なざる法的なものにならないように、したがって、その運用なり行政責任というものはやはり明確にされなければいけない、かように考えておる次第であります。
#14
○中井委員 あなたの言われることはよくわかりますが、私がさっきお尋ねしたのは、そういう行政機構その他をはっきりさす、けっこうであります。けっこうでありますが、それじゃ具体的に事実でお尋ねいたしますと、いま通産省が扱っておられるような産業立地条件といいますか、あるいは建設省が扱っておりますような都市計画と公害との問題、そういうものを公害基本法の中にそこまで将来含ましていくのかどうか。私はしていく必要があると思いますが、これまではなかなかそれは二義的なものであった。それを一義的なものに上げていく必要があるわけです。そういうことについて政府はどういう考えであるか。これは進藤さんもお見えになっておるが、通産省の考え方等も私はついでに伺っておきたいと思います。
 それと、いまの機構の面では、いまの大臣のお考えでは行政委員会、私もその点は反対ではありません。しかしながら、その行政委員会が手足を持っておらぬ、浮いてしまう、それで各省へ返ってきて、そのままになるという形であってはならない。こういう意味の行政委員会は、やはり手足をきちっとつけなければいかぬ、そういう点について。この二点について伺っておきたい。
#15
○鈴木国務大臣 今日いろいろと発生しております公害は、都市計画なりあるいは産業立地計画なり、そういうものを立てます際に、全然公害というようなことを頭に置かないでこれが計画、実施された、端的にいうとそういうことがいえるのではないだろうか。そういう観点から、今後は都市計画なりあるいは産業計画なり、さらに具体的な工場の建設計画なり、住宅の建設計画なり、そういうような場合におきましては、当然公害対策という観点からもその計画が検討されなければいけない、こう私は思うわけでございます。そういうことができるように、公害基本法の中に、その計画に十分参画し、検討のできるものでなければいけない、そういう行政委員会等でなければいけない、かように考えるわけであります。これが第一点でございます。
 それから、その次の問題は、先ほども申し上げたところでありますが、公害の調査及びそれに対する損害の補償についての裁定等を行なわなければならぬと考えるのでありますから、そういう意味でやはり調査、裁定のための機関、そういう実務を担当するところの手足を当然持たなければいけない、こういうぐあいに私ども考えておる次第であります。
#16
○進藤政府委員 産業公害、産業立地計画を立てる前に十分そういう点を考慮していくべきものと思うのでございまして、そういう点におきまして、今後は通産省といたしましても十分にそういう点の防止策を考えて産業立地計画を進めていきたい所存でございます。
#17
○中井委員 大体厚生大臣の御意向がわかったわけですが、最後に、いまお話の公害に関する補償問題あるいは裁定の問題、これは立法、行政だけではなくて、司法にきわめて重大な関係を持ってきますし、そのことはかつてこの委員会におきまして、参考人として東大の教授の意見等を聞きましたが、そう御専門の方でなかったかとも思うのですけれども、司法と行政との区別ですが、その辺のところで相当問題があるようです。社会党の公害基本法におきましても、その点は非常に私どもは考えておりますが、なかなか結論を得なかった。しかしながら、近代生活の要請としては、ちょうどいまの交通戦争の解決方法と同じように、これはきわめて前向きの姿勢でやってもらわないことには、そういうふうないわゆる司法権の独立だけで簡単に片づく社会的現象と、そういう法のこれまでのたてまえとの間のギャップが私は現実にできておるという判断をしているわけです。この点はひとつ国会の要請として皆さんに大いに私から希望しておきたいことであります。
 それから最後に、現在の日本の公害ははたして現状でどんなふうになっているのか、いわゆる公害白書的なものはこれまで出されておりましたのですか、あるいは一年に一回とか二年に一回とか、将来こういうものを出される意思があるのかどうか、あるいは公害基本法の中でやはりそれはうたわれるべきものである、毎年ということは、どうもその点については私も少し、毎年やるべきではありましょうけれども、あまりこだわりはしませんけれども、そういうことも必要ではなかろうかと思いますが、この公害白書といいますか、こういうことについてどういうふうにお考えになりますか、伺いたいと思います。
#18
○鈴木国務大臣 現在、十分ではございませんが、公害がどういう状態になっているかというようなことは、厚生白書の中で若干これを調査をし、その傾向、現状等を明らかにいたしておるはずであります。しかし、これは厚生省の国民の健康を守る、国民生活にどういう影響があるかというような視野から見た分析のしかたでございますから、この問題につきましては、公害基本法等を制定いたします際におきまして、そういう白書等を出して、そして公害対策についての政府なりあるいは地方公共団体なり民間なりが力を合わせて総合的な施策をやる、その一つのよりどころとして白書等のようなものを公害基本法で出すように義務づけるかどうか、そういう点につきましても十分検討してみたい、こう考えております。
#19
○中井委員 これでやめますが、いまの白書で、私白書という形でお出しになるのは、実際はやはり今後の公害の問題についての一番の重点は、公害を起こしておるところの発生源をとめるということにあるわけで、したがって、企業にも法律的な責任をはっきりと持たして、これはもとよりそうだろうと思いますけれども、これは最後に、いわゆる企業の責任というものをはっきり次の公害基本法でうたうかどうかということと、それからこういう公害白書をつくりますにつきましては、やはり報告の義務とか、そういうことが非常に必要だと思うのです。定期的な検査とか、報告の義務とか、それの現状はいまどんなふうでありますか。私ども実はつまびらかではありませんけれども、ただ一応の健康だとか、そういう管理の面からだけではなくて、公害を防ぐという面からの報告、報告の義務、こういうものをやはり私はぜひ企業に持たすべきである、こういう考えなんですが、最後にこの二点だけちょっと伺って、私の質問を終わりたいと思います。
#20
○鈴木国務大臣 公害対策の根本は、やはり公害の発生源を押える、建設計画等をつくります際に、事前に十分公害等の発生を極力最小限にとどめるように計画を立てるとか、また防除施設を十分やらせるとか、そういう公害を防止するということがやはり根本であろうかと思います。そのためには、私は産業公害の場合におきましては企業が第一次的な責任を負うべきものだ。また、その他国や地方公共団体等の施設、あるいは公営企業でありますとか、あるいは鉄道でありますとか、そういうような国なり地方公共団体としても、公害等がそのために起こるという場合につきましては、国や地方公共団体も、同じようにやはり公害に対する発生源者として第一次的な責任を負うべきものだ、こう考えるわけであります。そういう意味で、産業公害における企業だけでなしに、あらゆる公害を発生するところのもの、そういうものは公害防止に対する第一次的な責任を負うべきものである。そしてそれを防除する、防除する対策をまずもってやるという責任を明らかにすべきである。ただ、それをはたして企業だけにまかしておいて十分やれるかどうかという問題があろうかと思うのでありまして、そういう面につきましての財政上あるいは金融上のできるだけの援助をやって、そして公害の防止をできるだけ完全にやるように政府としても努力すべきものだ、かように考えておるわけでございます。
 なお、公害に対する調査あるいは報告、これを義務的に年次的に、毎年各公害に関係のあるところの企業から求め、それに対する対策等、これを報告を求めて、そして公害対策に対する施策の基礎的な資料としてこれを活用してまいる、そういうことは私は非常に大切なことだ、こう考えるわけでありまして、そういう面につきましては基本法等制定の際にその中でどう義務づけるか、どう扱うかということ等も十分検討いたしたい、こう思うわけであります。
#21
○中井委員 もうこれでやめようと思いましたが、いまの御答弁の中でちょっと聞き違いかもしれませんが、申し上げてみたいと思うが、そうしますと、公害基本法の中には企業の責任ももちろんうたう、それから重要なことは国と県、市等の財政上の問題もうたってもらわにゃならぬ。さらにその負担部分等についても基本的な思想がないといかぬ。これがありませんから、国と県と市の問でおまえだおまえだと言い合いをする。企業の財政負担も、たとえば一つの緑地帯をつくる場合に、国は幾ら持つ、県は幾ら持つ、市は幾ら持つ、同時に企業がどうするんだというのがこれまでないのです。そこでどうだというと、地元負担に企業の負担が振りかわるというふうな形であるというのでは私は承知できぬ。あなたのいまのお話の中で、国も市も県も非常に責任があるんだと言いますけれども、これもやっぱり私は第二義的だと思う。一義には企業がもたなければ、こんなもの初めから国も県も市も同列で、ここへ工場来てくれといったから、それはもうしょうがない、おれ一緒にやろうというのでは――私は各地でその実情を見ておりますから、たとえば水島なら水島地区を見ておりますから、それはいけない。やはり第一次は企業でないといけない。したがって、そういう考え方でありますから、われわれは調査に行きましても、一月も二月もおればいいですよ、五時間か六時間か見て質疑応答やりますと、実は私のほうの工場だけではございません、隣のここもこうです、向こうもこうですといって、そんなものを一々見に歩くわけにまいりませんから、ああそうか、それじゃもう一ぺん調査をし直そうというようなことで何十回も同じことをやって、一番最初は、私のほうの工場なんかは全然そんなものは関係ないのだということを二、三年前に言っておったのが、だんだん行くと近ごろは、まことに責任がありますというふうになっているという程度の、いわば悪質な企業もないわけではないのであります。したがいまして、鈴木さんの厚生省的なお考えはよくわかるけれども、私はやはり第一義的には企業にあるんだというのでなければ、国や県や市は、これはもう負担にたえない事態さえ各地で起こってくるというふうなことを考えるのでありますが、この点はどうですか。
#22
○鈴木国務大臣 その点は私、明確に自分としてははっきり判断しておるつもりで、先ほどの御答弁もそういう趣旨で申し上げたのであります。やはり公害を発生するその発生源者、これが第一義的な責任を持つのだ、産業公害の場合は企業が第一義的な責任を持つのだ、それから国鉄でありますとか地方公共企業体等が施設をやる、そういう場合にもし公害が発生いたしました場合には、同様に発生源者として責任を持つのだ、国でも県でも市町村でも、公害を発生した場合においては、産業公害における企業と同じように第一義的な責任を持つたのだ、こういうようなことを関連して私いま申し上げたところであります。
 それからまた、産業公害等におきまして企業が第一義的な責任を持つわけでありますけれども、中小企業等におきましては、根本的な公害対策をしようということになりますと、その工場等を集団で共同事業として他へ移すとか収容するとか、そういうこと等が必要になってくるのではないか。また、公害防除施設等やります場合におきまして、現在の中小企業だけの力ではどうにもならぬ、そういう場合におきまして、国なりあるいは地方公共団体等が財政的あるいは金融的な援助を与えて、そしてこの公害の防除ということにつきまして万全を期さなければいかぬのではないか、こういうことを実は申し上げた次第であります。
#23
○井手委員長 野間千代一君。
#24
○野間委員 公害基本法を次期国会に提案をされるということで、いま中井先生の御質問で大要わかりました。二、三ちょっと確かめておきたい点がありますが、時間がございませんので一括して申し上げますから、厚生大臣と通産省のほうと、両方でひとつお答えを願いたいと思います。
 一つは、最近産業構造審議会ですか、通産省の審議会で、いま中井先生が言われた産業の立地、工場の立地について規制をするという意味の審議を行なおうとしておられるようでありますが、この問題、いま中井先生から言われましたから省略します。
 その次に、公害が起こることが予想をされるという工場の建設については認可を受けなければならないという問題についても、討議の爼上にのぼせたいということをちょっと伺ったのでありますけれども、これはなかなかむずかしい問題ではあろうと思いますが、公害が起こる前の問題として、公害が予想される工場については、立地条件その他を勘案しなければならぬと思いますから、認可制にするということは公害基本法の中に入るのかどうかは別にして、その問題についてはぜひ政府のほうで十分に検討をして法制化をしてもらいたいというふうに思います。これが第一点であります。
 それから第二点は、いま中井先生が言われた問題で、産業立地の問題あるいは地方に工業都市を分散をするという問題は、新産業都市法であるとかあるいは工業整備法であるとか、現行の法律でもあるわけでありますけれども、十分でないのでこういう公害問題が起きたのですが、これを強化をするといいますか、もっとはっきりと産業立地法というようなもので法律的に規制をするということが当然で、産業公害基本法に入るべきものと思いますが、これはそういうふうに考えていいかどうか。
 それからもう一つは、中小企業が集団化をするわけですね。実は私の住んでおります鶴見はそういう状況であります。特に京浜地帯でも川崎、鶴見の辺は中小企業の集団による公害というのが非常に大きいのでありますけれども、この中小企業の集団化による公害に対してどういうふうに規制をする考えであるか。これは相当程度補助が必要になってくると思いますが、そういう面についてはやはり産業公害基本法の一つの大きな問題になろうと思います。そういう点についてどういうふうに考えていらっしゃるか、これが一点であります。
 それから次に、現在でもすでにばい煙規制法あるいは水質保全に関する法律、その他多くの公害を規制する法律があるわけです。ところが、これがざる法なりあるいは工場とのなれ合いみたいな法律になっておりまして有効でないのでありますが、この基本法を制定をする準備段階でこの問題を検討されて、基本法をつくるときには当然これは改正をするといいますか、抜本的に直す、そうしてこの基本法の幹を中心とした枝なり根なりになっていくというふうに考えるべきだろうと思います。これは当然なんですが、その問題、つまり現行の法律についてどう考えていらっしゃるかということについてお答えを願いたい。
 最後に、騒音と臭気の問題でありますけれども、この問題はたしか現行法の中ではまだ法律的には規制をされていないというふうに思います。したがって、すべて条例にまかされている。ところが条例のほうは、調べてみますと大体十万円以下の罰金か過料、強くて一年以内の何か懲役ですかが書いてあるけれども、実際にそれが適用をされたことはまだないと思います。いわば十万円くらいなら払ったほうがいいということになる可能性がある。それで実は三十八年八月に私どもの京浜工業地帯、相模湾あたりに臭気が強く起きたことがありました。それからつい先日の五月六日に、川崎で臭気が非常に強くて、遂には羽田の飛行場ではたしか航空管制官が吐きけを催して倒れたという報道があったと思います。こうなってまいりますと、臭気も必ずしもにおいだけでは済まないということになってきて、うちのほうの羽田空港の付近、つまり大森海岸、品川並びに川崎、横浜、あの辺は臭気が非常に多く出るところなんですが、もしこれがまた航空管制官なりその他の者に影響を与えると、それによって大きな事故が起こる可能性もあります。したがって、臭気も一つの公害として考える。神奈川県の条例を見ると、第九条で……。
#25
○井手委員長 野間委員に申し上げますが、厚生大臣は本会議の都合がありますから、一応いまの程度でお聞きを願いたいと思います。
#26
○野間委員 それでは臭気の問題と騒音の問題までお願いいたします。
#27
○鈴木国務大臣 すでに規制をしておりまするばい煙規制法であるとか水質汚濁防止法でありますとか、こういうものにつきましては、一般的に申し上げますならば、個々の工場から出ますところのばい煙等については規制の基準が定められておるわけでありますが、しかし、それがたくさん集まることによって大気全体が非常な汚染を受けるという面につきましての規制は遺憾ながらされていない。こういう観点から、いままでのばい煙規制法なり水質汚濁防止法というものは再検討をする必要がある、かように考えておるわけでございます。
 さらに騒音であるとかあるいはまた臭気でありますとか、未規制の公害につきましては、先ほど来申し上げるようにこれを公害にはっきり指定をし、その規制についての基準を明らかにするというようなこと等も必要であろうかと思うのでありますが、それを公害基本法一本で取り上げるか、あるいは個々の法律をつくって単独法として規制するかというようなこと等につきましては、今後検討を進めてまいりたい、かように考えておるわけであります。
#28
○中川説明員 ただいま野間先生お述べになりました工場立地についての規制もしくは調整、認可にかかわらしむるという問題は、公害問題のみならず、今後の立地政策全体の上でたいへん重要な問題でございます。現行のばい煙規制法並びに工場排水法なりがはなはだ不徹底であるという御意見は私どももよくわかるのでございますが、実は現行法規は、主として現在可能な技術によってなし得る程度の注意を払いますならばある一定の数値までしか出ないはずであるということだけを規定しておるわけでございます。前々からお話しておりますように、公害問題の根本的な解決は、半分は技術開発に問題があるわけでございますけれども、この点につきましては重油その他の問題でたびたび御説明いたしましたように、根本的な解決をはかる上にはなお若干の年月が要るわけでございます。そういたしますと、公害問題を基本的に解決する、予防的な見地で解決する問題は、一つ一つが良心的な排出をいたしておりましても、集合体としてある一定の地域全体についての排出量の総量が保健衛生上まことにふぐあいなものがある。これは現行の考え方による法規が不徹底なのではなくして、あるいは取り締まり監督がゆるいのではなくて、集合体に対しての取り扱いというものについての考え方が不徹底であったことにほかならないわけでございます。したがって、この問題を解決する上におきましては、特定の地域につきまして、しかも公害型の特定な業種につきまして一つ一つの立地を公の立場で判断してまいりまして、総量としての公害問題が起こらないようにするという考え方がここに出てくるわけであります。この点、いま先生御指摘になったとおりでございまして、私どもはそういう意味合いにおいての公害、もしくはもっと広い意味で言いますと災害というものも頭に置いた、特定地域における特定業種についての立地の規制もしくは調整という問題は、当然いまの時点から考えなければならぬ重大なる問題だというふうに考えております。この点は先生の到達された御結論と全く同じでございます。
 片方に、立地問題全体として考えますと、東京都等に見られますような過密都市問題というのがございます。もう一つ、近郊地帯が、いまのままほっておけば虫食い状態になるという、いわゆるスプロール化問題がございます。それからもう一つは、いろいろ公共投資を行なって整備が進んでおるわけでございますけれども、現実に新産、工特等について、なお十分に企業誘致が行なわれないという問題がございます。これらのことを産業立地の角度から、全体について望ましい方向について何らかの立法措置が要るのではないかという感じがいたしております。この点につきましては、再三私通産大臣の御意見も伺っておりまして、これから積極的にこの問題に取り組もうと考えておるわけでございます。先ほどちょっとお話の出ておりました産業構造審議会の立地部会というのも、大体今週をもちまして人選を終わりまして、来週大臣の御出席をいただきまして、大臣から所見を述べてもらうことによってスタートして、基本的な方向を大体八月一ぱいくらいに打ち出したい。それから十月ぐらいまでに具体的な施策についての審議をいただくというようなことで、私どもでいま考えておりますこと、これは審議の結果によりまして、多少幅広く御意見を聞いた上で、改めるものは改めなければいかぬと思っておりますが、そういう角度で、私どもの希望といたしましては、少なくともことしの十月くらいまでに産業立地に関しての答えを出したい、かように考えておるわけでございます。
#29
○野間委員 立地の問題については、いま中川さんの答弁で、ぜひ十月ごろに決定をしていただきたいと思います。
 一つ残っているのですが、有害なものが排出する可能性のある工場、そういうものは抑制をするなり規制をするなり、あるいは認可制にするということは、どう考えておりますか。
#30
○中川説明員 いまの考え方を推し進めてまいりますと、私の申しました特定地域における特定業種の規制、調整と申しましたことは、これは当然に公の立場での判断ができるように、許可を受けるという形のことにならなければ徹底いたさないわけでございます。その点も含めて検討するということでございます。
#31
○井手委員長 丹羽兵助君。
#32
○丹羽(兵)委員 私は、この委員会が最初前委員長のもとで開かれましたときに、公害の定義というものを聞いたことを覚えております。そのときに、ただいま野間さんからも御発言ありましたように、騒音と臭気もやはり公害の中に入る、こういうはっきりしたお答えがございました。しかし、当委員会は産業公害という一つのワクの中で私どもはこれを常に審議してきたのでありますが、ただいま厚生大臣のお話もありましたように、国民の保健、衛生、生命を守っていく上からは、産業公害のみに限らず、騒音並びに臭気についても今後考えていく。いわゆる公害対策基本法の中に入れるか、あるいは別のワクにおいて規制をするか考えていかなければならない。こういうような御発言がございました。いままで私どもが取り組んでまいりました小さい意味の産業、小さいといいますか、一般的な産業公害というのではなくして、広い公害対策の基本法という点から考えまして、当然騒音と臭気は取り入れていかねばならない問題であろう。また、これを取り入れていかなければ国民からも承知されるはずはない、こう思っております。この基本法の中に含めるか含めないかは別といたしまして、政府としてもこれはしっかり取り組んでいただかなければならない。
 そこで、そうした大臣の御発言によって、私はきょうは人権擁護の関係にお尋ねしたいのであります。臭気はあとに回しまして、騒音関係を聞いてみたい。航空機を例にとりますと、航空機が発達してまいりまして、昔のプロペラ時代といまのジェット機の時代とは、周辺の国民の生活に与える影響は非常な変わりようなんです。ろくろく寝てもおられないというくらい、飛行場の周辺の者は苦しんでおることは、政府も、また人権擁護委員のほうも御了承のことだと思います。これは民間航空機といわず自衛隊機といわず、われわれだけ飛行場周辺において生活上非常な迷惑を受けておる、これこそ人権じゅうりんである、何とかしてほしいというような陳情が飛行場の周辺からあったであろうし、あるべきだと私は考えておりますが、この飛行機による騒音について、人権をお守りくださるところの役所はいままでどういうように措置されたのか。いままでこれについて血を吐くような思いの陳情があったと思いますが、どのように措置をしてこられたか、ひとつ承りたい。もしそういう陳情があっても、それを聞き捨てて今日までほってあったというならば、国民のために人権を擁護していただく役所としては怠慢であるといわざるを得ない。国民のせっかくたよっておるものが無視されたといわざるを得ない。その点についてお伺いしておきたいのであります。
#33
○辻本説明員 法務省人権擁護局といたしましても、騒音を公害の一つの種類としまして真剣に取り組んでおるわけでございます。ただいま御指摘の、飛行場周辺の騒音についていかなる取り扱いをしているかという点でございますが、過去に人権擁護局で取り扱いましたものは三つございます。一つは厚木の飛行場周辺における騒音苦情でございます。もちろんこれは震動も入っております。二つは中部地方における小牧飛行場の件でございます。三つも中部地方における小松飛行場の騒音などの件でございます。以上三つの代表的な事件のうちで、これはいずれも大々的に調査を進めまして、かなり膨大な資料が収集されております。それのうちの厚木の飛行場の件につきましては、飛行機による騒音と被害者の述べるいろいろの被害事実の苦情との間に因果関係が認められるとは思われるけれども、なかなかこれは医学的、科学的にいろいろ専門的知識を要するものでありまするから、関係庁であります防衛施設庁に対しまして、その内容を詳細に記載いたしまして参考通知し、防衛施設庁の善処方を依頼したのでございます。これが厚木の事件でございます。
 それから小松及び小牧飛行場の件につきましては、ここ数年来同じくやはり入念な調査をいたしまして、現在現地から本省のほうに全部の調査資料が回っておりますので、こちらで検討しまして、近くしかるべき庁に参考通知なりあるいは通告なりあるいは勧告なりをいたしたいと思っていま検討中でございます。
#34
○丹羽(兵)委員 私は、きょう大臣のおことばで、ただ産業公害と言わず、公害対策だ、これはもう広く考えていかなくちゃならない。そこで騒音も臭気も、その公害対策基本法の中に入れるか別に考えるかは今後検討すべきことであるけれども、そうしたことは十分考えて広くこの公害対策というものの公害項目というものをつくらねばならぬということを聞いてまことに力強く思うのですが、いま全国の飛行場からわずか三件、こういうようなことでありまするが、その三件は、困り果てて全く人権が無視されて、生活すらできない、朝早くから飛行機はあの金属的な音を立てる。夜もやる。子供は勉強できない、気持ちはいらいらしてしまう。鶏が卵を生まないとか、牛が乳を出さないとか、周辺の土地の発展が阻害されておるというような問題は、いろいろ見方もあるでしょうけれども、全く国民の保健からいってかわいそうなことだと思うのです。やはりこれは、いま出ておるのは軍の関係といいますか、自衛隊関係とかが表に出ておるようであるけれども、そこで人権の加害者といいますか、この原因者が国であるから遠慮していらっしゃるのか、もしこれが国でなかったならばもっと早く結論が出ておるのか、その点をひとつ承っておきたいのであります。
#35
○辻本説明員 加害者が国であるから遠慮しておるのかというふうな御質問につきましては、全然そうではございません。防衛施設庁でございましょうと、あるいは他官庁でございましょうと、現に侵犯の事実が認められる限りは、それぞれ通告なり勧告なりの断固たる処置をとるのでございます。ただ、厚木の件で参考通知をいたしましたのは、確かに人権侵犯の疑いがあると認められますけれども、乳が出ない、卵を生まない、あるいはノイローゼになるということのこまかい点につきまして、その因果関係が断定しにくい面がございますので、むしろその被害があると思われる状況を排除するために防衛施設庁に善処方を願うという点で資料を全部お送りしまして善処方を願っておるのでございます。国であるからどうであるとか、そういうふうな処置は全然とっておらないつもりでございます。
#36
○丹羽(兵)委員 いずれこの問題については、人権を保護していただく、擁護していただくあなた方にすがるより方法がない。正しい立場に立って御判定を願う以外にないと思いますから、本会議も始まったようでありますので、きょうはもっと掘り下げて承りたいのですけれどもやめますが、もう一点、こういうことだけ聞いておきたいのです。
 都市の中においては、自動車のクラクションを鳴らしてすら罰金を取られるのです。工事をどんどんやっておっても中止なんかされて、夜は寝ることもできるし、学校の子供は勉強もできる、学習の時間がとれる、こういう静かさを守っていこうとあなた方政府はしているのに、いまのようなあのジェット機がじゃんじゃん飛んで、それが影響があるかどうか調べるなどというようなことに二年も三年もかかっている。私は問題にならぬと思うし、それは答弁にならぬと思うのです。それなら役所だけあって、国民の人権を守ってやるのだとおっしゃっていただいたって実際に守っていないじゃないですか。課長さんのお住まいがどこか、局長さんのお住まいは飛行場の近くかどうか存じませんけれども、あのジェット機が飛ぶところにでもあなたの役所の方が行っていただいたならば、人権が侵害されておるのだというようなことははっきりしているのですよ。だから私は、国のことだから遠慮して結論が延び延びになっておるのかという同情した言い方をしたのです。ところが、そうじゃないとおっしゃるなら、すぐ結論が出るのじゃないですか。一々防衛庁に頼んでいなくても、あなたのところの役所なんですからおやりいただいて、次の委員会までくらいには、ひとつはっきり、そういうことは全然国民の生活に保健上問題はない、影響はないという結論でもけっこうであります。ほんとうに困っておるものならその結論をお出し願いたい。そうしてあなたのほうは国民の保護をしていただきたいと私は思うのです。私が飛行場の関係で出したのはもう三年以上になる。私がいっても、調べるとかああだとかこうだとかいって全然その後やっておられる気配がない。きょうは厚生大臣からああいうお答えがあったものですから、私はいいこと幸いにあなたのほうにひとつわれわれの人権を守っていただきたい、生活ができるように、こういうことです。
 ある日のことですが、私が飛行場の周辺を通りました。雪が降っていた。そうしたら周辺の人がどう言ったかというと、雪が降って初めて人間らしい生活ができます、こう言った。雪が降り続いて飛行機が飛ばなかったのです。それで初めて私どもは人間らしい生活ができます、こういう静かな世の中があるのですかということを聞き、その話を私が自衛隊の人にいたしましたら、あなたは共産党かと言われた、そういうばかな話ですが、そういうような考え方では私は国民がかわいそうだと思うのです。ですから、ほんとうにあなたのほうが公正な立場に立って、飛行機というものは変わったんだ、ジェット機が町のまん中で着いたり飛んだりするときはどんなに国民に迷惑をかけるか、これは国であるけれども遠慮しないとおっしゃるならば、三年も四年もかかっていることですから、もうぼつぼつ結論を出していただくようにしたい、これをお願い申し上げておきます。
 それから、ちょうど通産省の政務次官においでいただいておりますから、今度は産業公害の面から航空機のことについて私はお尋ねしたい。町のまん中に航空機製作所があるのです。これは産業じゃないですかね。それが飛行機をつくったときの試運転をやるのです。もうもたぬです。こういうのを全然何ともあなたのほうは取り締まっていらっしゃらないのですか。町の近くに飛行場があって、その中に飛行機製作所があって、試運転でときどきばあっとやられて、これでも全然放置していられてあるのですか。こういう点はひとつ何とか産業立地の条件からいっても考えていただきたいと思いますが、進藤さん、いかがですか。
#37
○進藤政府委員 ただいまの丹羽先生のお話、実情をひとつよく調べまして、住民の保健上とか非常な御迷惑をかけておると思いますが、そういう点につきまして、実情に即して現在の法律でどの程度まで規制できるかどうか、検討いたしまして御返事いたします。
#38
○辻本説明員 御指摘をまつまでもなく早期に解決すべき問題でございます。なお一そう早期に解決をはかるように努力いたしたいと思います。
#39
○野間委員 時間がないので簡単にしますが、先ほどの厚生大臣のお答えで、臭気も公害であるというふうに認定されて、その方向で進んでいただいておりますので、橋本さんがいらっしゃいますから、ちょっとお願いしておきたいのですが、川崎に日本油化という工場があって、これはこれから特にひどいのですが、臭気で付近の住民が目まいをしたり、吐きけをしたりして倒れている状況がある。神奈川県の条例の第九条で勧告命令を出して、七月の十二日を期限にして対策を立てろということに勧告してあります。しかし、この勧告ではどうも聞きそうもない。そうしますと、あとは十条で運転の停止命令を出せるのですが、その間に審議会を持って検討することがあるわけです。したがって時期がだいぶずれる、そういうことになってくるわけです。したがって、審議会でどうなるかが問題になりますけれども、一応県の条例では公害と認定をされましたから、公害の問題であることは事実なんです。あと何とかしてなくなるように、臭気が出ないように、これは厚生省のほうで実情を調べていただいて、ぜひいまの方向で促進を願いたいと思います。
#40
○橋本説明員 いまおっしゃいました川崎の日本油化の問題につきましては、私ども詳細をまだ存じませんので、県当局に聞きまして善処いたしたいと思います。条例で行なわれておりますことでありますので、自治体として処分できる範囲内であると思いますが、できるだけ努力いたしたいと思います。
#41
○丹羽(兵)委員 私は、いまの法務省の関係の課長さんの御答弁に対して非常な不満を持つものです。御指摘をまつまでもなく出すと言われたが、御指摘をまつまでもなく早く結論を出しますとおっしゃいますならば、なぜ三年も四年もかかっていたのですか。そんなばかな答弁がありますか。いままではなまけておったけれども、御指摘があったからさっそく結論を出しますという話ならわかるが、御指摘をまつまでもなく出せるものならなぜ四年もかかったのですか。そういう答弁のしかたがありますか。それならいつまでに出せるか日にちを切ってここで答弁してください。
#42
○辻本説明員 ことばがたいへん至らない点を重々お詫びいたします。御指摘をまつまでもなく早期に解決すべき性質のものであると思って努力はいたしておるのでございますが、先生の御指摘もございますし、なお一そう迅速に努力して早く解決をつけたい、こういうふうに存じます。
#43
○井手委員長 次会は、騒音、亜硫酸ガス、その他公害に関する施策について、来たる十八日水曜日午後一時から理事会、午後一時三十分から委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後二時二十五分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト