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1965/04/05 第51回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第051回国会 公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第3号
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1965/04/05 第51回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第051回国会 公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第3号

#1
第051回国会 公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第3号
昭和四十一年四月五日(火曜日)
   午前十時四十八分開議
 出席委員
   委員長 志賀健次郎君
   理事 宇野 宗佑君 理事 小島 徹三君
   理事 辻  寛一君 理事 島上善五郎君
   理事 山中日露史君
      篠田 弘作君    中村庸一郎君
      藤枝 泉介君    村山 達雄君
      秋山 徳雄君    畑   和君
      堀  昌雄君    山下 榮二君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣 永山 忠則君
 出席政府委員
        自治事務官
        (選挙局長)  長野 士郎君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 公職選挙法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第一三二号)
     ――――◇―――――
#2
○志賀委員長 これより会議を開きます。
 公職選挙法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。山下栄二君。
#3
○山下委員 公職選挙法の一部を改正する法律案について、二、三、大臣にお尋ねをいたしたいと思うのであります。
 まず第一に、選挙人名簿の異動証明がなければ住所移動は行なわれないということに、これはなるのですか。最近御承知のとおり、住居に対する法律がまだ出ているわけじゃないですけれども、大きな改正が行なわれようといたしておることは御承知であると思うのですが、そういう場合に、選挙の異動の届けをしなければ住民移動の届けというのはできない、こういうことにしようとされておるのであるか、その辺のことがもうちょっと明確でないと思うのですが……。
#4
○長野政府委員 今回の改正におきましては、住所移転者につきましては、前住所地の選挙人名簿に登録されております人につきましては、いわゆる転出証明といいますか、そういう書類を持って新しく移転したところの選挙管理委員会に申し出をいたしまして、そうして登録がえを行なう、こういうことに考えております。
#5
○山下委員 登録がえをすると、住民登録との関係はどういう関連を持つようになるのですか、その辺をお聞かせいただきたいと思います。
#6
○長野政府委員 住民登録につきましては、普通の場合でございますと、新しい住所地に参りまして住民登録もいたします。その場合に、あわせて選挙人名簿への登録の申し出もする、こういうことになると思います。
#7
○山下委員 そうすると、やはり両方並行して行なわなければならぬ、こういうことになるのだろうと想像するのですが、選挙の場合の異動登録というものは、これは本来から申し上げますならば、いまここへ提出をされました法案全般を読んでみますると、いまあらたまって言うまでもなく、すでに選挙法というたてまえから、有権者が選挙権を行使するというたてまえから考えてみまして、当然移動する場合には、前の選挙管理委員会からいわゆる異動証明というのをもらって移動する、これが当然過ぎるほど当然なことでなければならぬ、こういうふうにいま考えるのです。当然のことが当然に行なわれる法律の規定が今度できる、こういうことになるわけなんですが、選挙権の登録というものは、大体申告主義がいいのですか、それとも職権登録主義がいいのですか。今度の場合は併用して行なう、こういうことが書かれてあるようでありますが、本来から申し上げまするならば、国民が選挙権を行使する、国民としての義務を履行する、こういうことから考えると、本人みずからが申告するというのが当然のたてまえのように考えられるのです。あるいは申告が漏れた者云々というふうなことば等も書かれてあるのですが、この法律をつくる根本の精神というのは、一体申告主義が主なのか、どこにその重点が置かれてあるのですか、その重点のところをお聞かせいただきたいと思います。
#8
○長野政府委員 今回の改正におきます登録の手続は、有権者の申告と申しますか、申し出が原則でございまして、職権登録はあくまでも補充的なやり方として考えております。
#9
○山下委員 もし申告主義で漏れた者は補充選挙人名簿に登録をする、漏れた者を職権で登録をするというそのやり方の具体的なことについては、一体どういう方法で調査されるのですか。当局で漏れているということがわかる方法があるのですか。その辺、具体的なことがちょっと見当がつかないのですけれども。
#10
○長野政府委員 諸外国の例を見ましても二通りありまして、選挙制度審議会でも、申請主義のみによるべきであるという意見も非常に強くあったわけですが、ただ、わが国の選挙民と申しますか、有権者の政治意識の現状からして、それだけではやはり登録漏れが多く生ずるおそれもあるというようなことから、職権登録を補充的に年一回だけ考えることにしてはどうかということを選挙制度審議会でも考えたわけであります。それで、その補充的と申しますのは、たとえば住民登録などをしておりまして、そしてそこまでの手続をしておるのですが、どういう関係からか登録の申し出というものがしてなかった、あるいは非常にはっきり公簿の上でその人が住所をその市町村に持っておりまして、そして有権者であるということがはっきりしておる、そういう人がたまたま登録が漏れているというような場合には、そういうものを中心にいたしまして補充的に職権登録を行なう。あるいはまた、新しく成人になったというようなことで、本人がそのときに登録の申し出をすることについて忘れておったと申しますか、不注意であったというような場合に、市町村の住民台帳その他におきましては明らかにその人が二十歳になっておるということがわかる、戸籍なり住民登録の上でわかるというような場合には、それを職権で登録をして、登録漏れのなるべく起こらないようにいたしたいということでございます。
#11
○山下委員 成人になったときの場合はわかりますけれども、そのほかのことはもう一つ明確でないのですけれども、まあ次に進めてみたいと思うのであります。
 公職選挙法第九条の、「引き続き三箇月以来市町村の区域内に住所を有していた者で天災事変等に因りやむなく他の市町村の区域内に住所を移したものは、その市町村において住所を有する期間がまだ三箇月に達しなくても、当該市町村の選挙管理委員会にその旨の申出をすることにより、前項に規定する住所に関する要件にかかわらず、当該市町村の議会の議員及び長の選挙権を取得することができる。」これが今度の改正の重点であろうと、私はこう思っておるのですが、大体同一市町村内に三カ月住居すれば選挙権が得られる、こういう三カ月という基準というものは一体どこにその基準の基礎を置くのでありますか。諸外国の例を見ると、あるいは六カ月というところもありますし、あるいはそういう期限のないところもあるように思います。三カ月すればその市町村内のいろいろなことに精通するから選挙権を与えるべきである、こういうふうに解釈をすべきものであるのか。これは昔からの問題でありますけれども、三カ月という期限をこれにつけたというのは、一体どこに根拠を置かれて三カ月という期間が置かれたものであるか、お聞かせ願いたいと思います。
#12
○長野政府委員 お配りいたしました資料にもございますが、従来、わが国の選挙法におきましては、一番長いときは一年以上ということでございます。それから六カ月になりまして、それから現在の三カ月になっておりますが、ただし、これは市町村なりの選挙権の場合でございます。国の場合には、日本国民で二十歳以上の者は国会議員の選挙権を有する。三カ月の住所要件というものは選挙権の要件ではございません。市町村の場合の三カ月というのは、お話がございましたように、少なくとも三カ月くらい住所を有するかっこうでなければ、自治体の責任のある有権者としての態度なり行動なりというものは、そのくらいたって初めて選挙権という資格を与えるにふさわしい行動なり何なりになってくるのではないかという最低限の期間だというふうに考えられておると思います。沿革上も、いま申し上げましたように、一年、六カ月、三カ月となったのはそういう点だと思います。
 もう一つは、選挙人名簿に登録をいたしますにつきましての観点から申しましても、少なくとも三カ月くらい住所を有しておるということでございませんと、その市町村の住民として選挙管理委員会が確認をいたします場合に非常に不明確になる場合が多いわけでございます。したがいまして、三カ月という住所要件がありまして初めて住所の確認をするに足る資料なり生活実態なりというものがはっきりする。したがって、名簿調製の技術上の必要からも三カ月というものが要求をされておるというふうに、両方から三カ月というものが考えられておると思います。
#13
○山下委員 そうしますと、今後の改正で、三カ月以上同一市町村内に住居する者は、市町村の議会の議員、長の選挙権はあるが、県の場合は、今後は三カ月に達しなくても都道府県議会議員、長というものの選挙には影響がない、こういうことになるわけですか。
#14
○長野政府委員 市町村の選挙権を有します者は、これを包括するところの府県会議員の選挙権を有するということは、そういう規定になっておるわけでございますが、ただ、同一の府県内で他の市町村に住所を移しました場合にも、府県の選挙権というものはある。府県内では三カ月以上住所を有しておりましたから府県の選挙権がある。そこが市町村の選挙権と府県の選挙権との場合の違いでございます。
#15
○山下委員 それからもう一つ伺いたいと思いますのは、三十条に、「天災事変その他の事故に因り必要があるときは、市町村の選挙管理委員会は、更に選挙人名簿を調製しなければならない。」こういうことがここに書かれて、「前項の選挙人名簿の調製、縦覧及び確定に関する期日及び期間その他その調製について必要な事項は、政令で定める。」こういうことにしてあるのですが、大体、従来の選挙権の異動、ことに告示後等における異動等というものは、いまここに書いてある「天災事変その他」という、この「その他」という文句にとらわれて結局ああいう大きな異動等が行なわれたものと想像いたすのですが、今度は、その他のものを含めて別に名簿を作製しなければならぬ、こういうふうに今度は規定を変えるのですか。三十条は、今度の新しいほうでは、大体前と同じことになるのじゃないかと思うのですが、前の法律によると「天災事変その他の事故に因り必要があるときは、市町村の選挙管理委員会は、更に選挙人名簿を調製しなければならない。」「前項の選挙人名簿の調製の期日並びに縦覧確定に関する期日及び期間等は、政令で定める。」とある。これと、今度改正するものとは一体どこがどう違うのですか。少し明確でないような感じがするのですが。
#16
○長野政府委員 お話のございました三十条は、これだけ見ますと、いろいろな場合を含むように確かに見えるわけでございますが、この規定は、実は現在も、今度の改正でも、意味はそれほど変わらぬのでございまして、この規定は、天災とか火災とかいうことによりまして、市町村役場の選挙人名簿が、極端に言うと焼けてしまったとか、流失いたしましたとか、非常に汚損してもう使えなくなったというような場合に、名簿は、従来でも毎年九月十五日現在でありますとか、いろいろなことできめておったわけですが、そういうことで名簿が焼失したような場合には、もう一ぺん新しく名簿をつくり直すという必要が出てまいるわけでございますので、その関係は改正前も改正後も実は同じことでございまして、どうも永久名簿にいたしますけれども、名簿が火事でまる焼けになりますとか、あるいは大水で流失してしまうというようなことになりますと、新しくそこでつくり直さなければならないわけでございます。その関係の規定、三十条の規定は従来と同じような関係で残ることになっているわけでございますけれども、むしろ今回の名簿の中心の関係は、改正法によりますところの十九条から二十二条までの改正規定が掲げられておりますが、それから二十六条以下三十条の前までのところで今回の名簿の関係の改正規定の改正を行ないたいというふうな、そういうコンストラクションになっているわけであります。
#17
○山下委員 むしろ、何か複雑になったような感じがするのです。何かもう少し明確になるほうがいいんじゃないかという感じがするのですけれども、それは別途またお伺いすることにいたしたいと思います。
 時間が参りましたから、最後にもう一つ伺っておきたいと思いますのは、百十条の再選挙の問題であります。この再選挙の問題について、従来の地方議員の補欠選挙の場合に、その選挙のあるときに同時選挙を行なう規定の改正がここへ出ておると思うのですが、これの具体的な内容をひとつお聞かせをいただきたい。
 たとえば、百十条の「第三項第二号の同一の地方公共団体の他の選挙が地方公共団体の長の任期満了によるものであるときは、同項の規定により同時に行なわれるべき地方公共団体の議会の議員の再選挙に対する第三十四条《その他の選挙》第二項本文の規定の適用については、同項本文中「これを行うべき事由」とあるのは「当該地方公共団体の長の任期」と「生じた」とあるのは「満了することとなる」とする。」と、こういうふうになっているのです。法律というのは読み方がなかなかむずかしいので、会得しにくいのですが、これを平易な具体的なことばで言うてもらうと、どういうことになるのですか。
#18
○長野政府委員 百十条の改正の関係は、いまお示しがございましたように、長の任期満了の選挙と、再選挙なり補欠選挙なり――その同一の地方公共団体の議員の選挙で、欠員が生じたり当選人がなかったりした場合が再選挙でありまして、議員の欠員が生じた場合に行なうのが補欠選挙でございますが、そういうような場合に、一定の定数以上の欠員が生じましたり、議員がなくなったりした場合に、再選挙、補欠選挙が行なわれるわけでございますけれども、ちょうどその団体の他の選挙があります場合には、そういう一定の欠員状態に達しませんでも、そのときにあわせて選挙をすることができる、こういうふうになっておる現行法の規定が、百十条や百十三条の再選挙、補欠選挙の規定でございます。そういう選挙を通常、便乗選挙とかいう言い方をしておりますが、その場合の他の選挙というのが、地方公共団体の長の任期満了による選挙の場合につきましての解釈が、その選挙を行ないますときに、再選挙にいたしましても、補欠選挙にいたしましても、その当該議員の任期満了前六カ月以内なら行なわないということになっております関係との組み合わせにおきまして、はっきりしない点があるということから、その六カ月前というものの関係の規定の条項が、三十四条の二項という補欠選挙や再選挙の関係の条文でございますので、その条文の中に「これを行うべき事由が当該議員の任期が終る前六箇月以内に生じたときは、行わない。」と書いてあるわけでございますが、「これを行なうべき事由」というのが、地方団体の長の任期満了によって生ずる場合には、その「行うべき事由」は、地方団体の長の任期が満了するという事実に基づいて生ずるのだということに解釈をはっきりさせたいということにいたしたわけでございます。
 従来、取り扱いといたしましては、たとえば十月一日にある知事が任期満了があるという場合に、任期満了になります前に、任期満了による選挙を行なうわけでございます。その選挙の告示を、たとえば九月二十日に選挙したといたしますと、知事選挙の告示は九月の五日ごろに行なうはずでございます。そうした場合に、従来そういう場合の取り扱いとして、便乗選挙が行なわれる。選挙事由の発生というものを、九月の五日に告示があったそのときに選挙事由が発生するんだという考え方をとっておりましたり、あるいは知事の任期満了という事態が選挙事由であるのだからして、便乗選挙の選挙事由も、その任期満了という親選挙の選挙事由の発生の日と同じにすべきではないかという考え方、両様の考え方があったりなどいたしまして、多少不明確な点があったわけでございます。したがいまして、今度はそれを親選挙の選挙事由の発生の日に少なくともぴしゃっと合わせて考える、親選挙の選挙事由が発生しなければ、便乗選挙の選挙事由など発生するはずがないのだから、親選挙の事由の発生の日に合わせる、こういうことを考えまして、こういう改正規定を加えてその関係を明らかにするようにいたそうというわけでございます。
#19
○山下委員 議運の理事会が始まるということでございますから、最後にもう一つだけお伺いしておきたいのであります。
 二十四条の異議の申し出のところであります。これまたわかりにくく書いてありますが、一体具体的にはどんなことを予想されているのか、また、現行法と改正法とどう違っておるのか、その点をちょっとお伺いしたいと思うのです。
#20
○長野政府委員 二十四条の改正は、従来の規定は、二十三条という規定であったわけでございますが、今度は二十四条に条文が動いております。
 従来は、選挙人名簿ができましたときに、その名簿を縦覧に供しまして、そうしてそれに漏れがあったとか、間違いがあったという場合に、異議の申し出を認めたわけでございます。今度は実は名簿がカード式になることになりますので、そのカードを縦覧に供するということは、多少技術上散逸する等のおそれがございますので、今度は名簿に載せる人の氏名を、ちょうど学校の入学試験の合格者の発表みたいに発表いたしまして、それに漏れている、それが間違っているという場合に、異議の申し出をしてもらうということに考えておるわけでございます。
 そこで、表現は、従来は「基本選挙人名簿に脱漏又は誤載があると認めるとき」となっておりましたのを、その関係を「選挙人名簿に登録すべき者の決定に関し不服がある」というふうに、表現をそれにふさわしく変えたわけでございます。実質はほとんど変わっていない、同じでございます。ただ、手続が多少変わりましたので、前は名簿そのものを縦覧に供した、今度は名簿に載せると決定いたしましたという名前だけを見せて、それに異議がなければ名簿に載せてしまうということにいたしたので、その点の変わり方をここで合わしたので、実質は同じでございます。
#21
○山下委員 まだ疑問の点が二、三ありますけれども、いずれまた委員会があるでしょうから、適当な機会にお尋ねをするということにいたして、きょうはこれで質問を終わります。
#22
○志賀委員長 堀昌雄君。
#23
○堀委員 大臣に、今度の新しい改正選挙法の運用上の問題を含めまして、ひとつお伺いをいたしたいと思います。
 制度というものが改められますと、相当行政上手落ちのない処置がとられないと、特にこの選挙人名簿の取り扱いについては、はからざるいろいろな脱漏その他が起き得ることだと思います。いま私、自治省の事務当局が非常に熱心に資料をそろえて出していただいておるものを少し拝見してみましても、この前の参議院選挙の前に法律の改正をいたしましたために、それが周知徹底をしていなくて、参議院選挙における選挙権の行使に不自由な状態をした人が相当にあることがここでわかったわけでありますが、今度の基本選挙人名簿の改正を末端の住民に十分納得するように伝えて、その住民の自発的な意思に基づいてその選挙権が行使できるような状態をつくるために、どんなふうに考えて今後指導なさるのか。これは住民と地方自治体と自治省、こういうふうな段階があるわけです。この伝達の仕組み、そこらを含めて――今後に予想される選挙は、早ければ秋には総選挙があるかもしれない、来年の四月にはこれはもう全国的に統一選挙が行なわれる、こういうふうな段階に来ておるわけですから、この次のそういう選挙のあとで、またこういうような基本選挙人名簿の改正のために、実はあるべき選挙権が使えなかった、こういう人たちが出ないような処置は十分考えておられるか、それに対しての大臣のお考え、処置のあり方等をひとつお答え願いたい。
#24
○永山国務大臣 大体、来年の統一選挙を目標に名簿の整理を完備したい、こう考えておりまして、年内等に行なわれるものについては、これはまだ周知徹底、準備が十分できておりませんので、旧選挙人名簿による体制でいくという方向でございます。したがいまして、これが周知徹底をいたしますのには、やはり各関係市町村に十分よく連絡をとるということが一つでございます。また、各関係市町村は、同時に選挙管理委員会が中心でございますが、各世帯の一斉調査を今回やることにいたしております。約八万人ぐらいの調査員を出しまして、各戸別に調査いたしますから、これは国勢調査のように一斉にやります。日当は、安いのですけれども、五百円内外を予定しているかと思うのですが、そこで十分各戸にわたりまして御了解をいただいて、記載漏れ等のないようにいたして、最善を尽くしたいと考えておる次第でございます。
#25
○堀委員 そうしますと、いまのこの制度の改正が全国的に整うのは大体統一選挙の前で、それまでは現行のものによる、そういうふうにいまのお答えを理解してよろしいわけですね。
#26
○永山国務大臣 大体におきまして統一選挙が目標でございますが、名簿を完全に整理して周知徹底したときが来ますれば、必ずしもずらさなくてはならぬということはない。ただ、準備期間等、周知徹底が年内はかかるんじゃないかというように考えておるわけでございます。
#27
○堀委員 そこで、いまの調査の問題ですけれども、その調査というのは、世帯があることを調査をするのか、調査員が、こういうふうな選挙人名簿の改正が行なわれました、登録をしてくださいというPRをするのか、あるいはそこへ行って、新しい制度になりました、そこでひとつ登録を受け付けたい、集めてあげましょう、そういう処置をするのか。私は、実はこの選挙人名簿の登録という問題は、もう少し地方自治体がサービスをしていいことではないのかと思っているわけでございます。数年前にもちょっと申し上げたことがあるのです。最近大きな団地が各地にできてまいりますと、団地に大量の人がよそから入ってくるわけですね。外から入ってくるけれども、この人たちは通勤者が主であるし、おまけに奥さんは共かせぎというのも多いわけだから、週日は市役所まではるばる出て行ってなかなか登録ができない。そのままになって、選挙がくると、その人たちは、かなり居住しておっても、実は補充選挙人名簿その他の登録ができていなかったためにその地区においては選挙権がなかった、こういうことがしばしば起こるので、ひとつ地方自治体が、団地その他に対しては、これまでは補充選挙人名簿の締め切りとの関係があったわけですが、選挙があると予想されるときには、適時、日曜日なら日曜日のようなときに、市がサービスとしてそこでそういう登録の受け付けをやるような臨時の措置を講ずるような配慮が必要ではないかという議論を、私数年前に当委員会でしたことがあるのです。その後住宅団地が非常にふえてきている情勢からしまして、非常に重要なことであり、相当そういう市民サービスをしなければ、今度のこの制度の改正はほんとうに住民のものになっていかないのではないか。実はたいへん熱心に資料を集めていただいている中で気がつきましたのは、これまで、そういう選挙関係の事務が、町内会という組織を通じて地方自治体が末端におろしている傾向が非常に顕著にあったために、町内会に入っていなかったり、あるいは町内会のいろいろな事務上のそごに基づいて、要するに入場券がこなかったり、投票権がなかったりというようなことを実は資料で拝見をしているわけです。ここらのところは、選挙に関する問題だけでありませんけれども、特にやはり地方自治体における住民の権利としては――義務のほうは非常にきっちりやられるわけですね。これで見ても、市民税も取られています、清掃料も取られています。地方自治体は取るほうは取って、義務は課しているけれども、権利のほうはほったらかしになっているということが非常に顕著に出ているのです。地方自治体がもちろんその住民に対して市民税を取るのは当然であります。清掃料を取るのは当然でありますが、それだけのものを取るのなら、権利についてのサービスを怠ってはならない、こう思うのですが、大臣、そこらの問題を含めて、要するに伝達のあり方ですね、私は、権利に対するサービスというものは、町内会を通ずるのではなくて、市独自の手で末端に必ず処置をするという方針を自治省として明らかにしてもらいたい。義務のほうはいま町内会を通じてもらってけっこうですけれども、権利に対するサービスは、町内会は使わないで地方自治体の責任において処置をするということを、ひとつ自治大臣、確約をしていただきたい。
#28
○永山国務大臣 原則といたしまして、やはり市町村が責任を持ちまして、選挙管理委員会が中心で、サービスをやりながら脱漏のないようにやるようにすることでなければならないと考えますが、具体的には局長から答弁をしていただきますが、要するに、今回は一斉調査をいたしますが、国勢調査よりも非常にむずかしいのでございます。ということは、選挙権の問題でございますから、その人がどこで選挙するかということの実態と合わなければなりませんので、ただそこに住居しておるから人口があるということでなしに、選挙権の権利に関係する問題ですから、十分ひとつよく指導しまして、権利の漏れがないようにするという原則でやることが好ましいと考えておりますが、具体的には局長のほうから答弁いたします。
#29
○長野政府委員 大臣が申し上げましたように、永久名簿に切りかえます際に、従来の名簿をもう一ぺんこの際洗い直すことがいい。洗い直すにつきましては、やはり全国一斉に同一時に洗い直す。少し神経質のようでございますけれども、調査が食い違いますと、また人の移動がその間に行なわれて二重に登録など起こるので、そういうことにいたしております。そのためには、各市町村にそれぞれ調査区といいますか、調査のための地区を区分していただきまして、そして調査員と申しますか、そういう人に担当していただいて、その地区にある全世帯についての人たちの選挙資格というものをもう一ぺん洗い直す。その洗い直しにつきましては、その地区ごとの従来の選挙人名簿がございますから、それを中心にして洗い直す。その際に、いまお話のございましたような、名簿の仕組みが今度こう変わるというような点も、説明ができるものは十分いたしたい、そういうことで了解を得たいと思います。
 それから、団地等につきましては、町内会等に加わっていない場合が多いわけです。昨年の参議院選挙の際に脱漏が非常に起こりましたのも、おおむねそういう新しい住宅団地などの場合が多いわけです。これもいま御意見に出ましたが、出張登録サービスと申しますか、そういうところには、出張所なり、あるいは市町村の選挙管理委員会直接なり出かけてまいりまして、そうして登録事務を受け付けるというようなことは、これはきわめて必要なことでもあるし、適当なことだと思いますので、ぜひそういうことはどしどし積極的にやっていくようにいたしたいと思います。
#30
○堀委員 そこで、せっかくこの資料で拝見をしておる中で、ここに自治省でおあげをいただいたことですが、これは昭和四十年の七月十八日の朝日ジャーナルですか、「これでいいのか選挙管理委員会」という項目で、島根県で起きた事実のようですが、島根県の地方課長が、こういうことはおそらく言いそうなことだと私も思うのですけれども、この有権者の方が、やはり町内会の関係で、せっかく選挙権があったにもかかわらず、投票権が行使できなかった。非常に熱心な方で、県の選挙管理委員会まで行って、これはどういうわけだといって尋ねられたようです。それに対する答えが――県の地方課長というものは大体自治省から出向しているのが多いから、あとで具体的に当時の地方課長の名前を伺いますけれども、出向したものかどうかを含めてお伺いをいたしますが、ちょっといまのうちに調べておいてください。昭和四十年七月、参議院選挙当時における島根県の地方課長の氏名と、自治省からの出向者であるのか、地方出身者であるかをちょっと調べておいていただきますが、「それは、あんたの落度だよ、町内会にまわる広報が素通りしたというのだが、市庁の前には掲示板があるではないか、そこに掲示するだけでも市の行政の伝達的事務は果されたといえる。それを見過ごしたのは、市民の義務の怠慢といわれても仕方がないのだ。この島根県庁舎の前に行政広報が掲示され、それを津和野の町民が知らなかったからといって、異議を申したてる理由にはならないのだ。それがあんた、法治国家というものなのだ。」私は、島根県というのは多少いなかの県だと思いますけれども、少なくとも県の地方課長がよくもまあ――それはこの言い分だけがすべて正しい、そのとおりであったかどうかは、調べてみないとわかりませんが、少なくともここに出ておることは、私は言いそうなことだという感じがするのです。いまの官庁の仕組みからして、言いそうなことだと思います。しかし、言いそうなことであるけれども、これは重大な問題ですね。いま私が申し上げておる前段の問題です。要するに、権利と義務の問題について、市役所の前にある掲示板を見なかったのは、市民の義務の怠慢と言われてもしかたがないという言い方ですね。思い上がりもはなはだしいと思うのです。私は、時間があれば一ぺんその地方課長をここに呼んで詰問をして、徹底的に彼に自己反省を求めたいと思うくらいですよ。こういう地方自治体における職員があるということについて、これは自治大臣、あなたも長く地方自治体においでになったこともある、御経験があると思うのですが、はたしてこれでいいでしょうか。ひとつ自治大臣の率直な見解を聞かせていただきたい。
#31
○永山国務大臣 具体的問題と言いますよりも、お説のように、私は、絶えず、いわゆる権力政治はいけない、封建的な権力的ないき方をやめて、愛される、ほんとうの民主自治にいかなければいけない、したがって、国民によく知らしめて、国民の意を尊重してやらなければいかぬということを申しておるのでございますが、いわゆるほんとうに愛される国民へのサービス、民主的な運営をやることがぜひ必要であると考えておる次第でございます。お説のような権力的な行為は厳に慎まねばならぬと考えます。
#32
○堀委員 大臣のお気持ちはよくわかります。そこで私は、これはたまたま島根県でこういうことが起きたわけですけれども、全国的にやはりこういうふうな問題の根底にあるのは、私が最初に触れました伝達のあり方に問題があると思います。市の側としますと、自分たちが取るもの、要するに、市民に義務として課して取るもののことは、これはやはり収入にも関するから非常に熱心だと思うのですが、ややもすると、御承知のように、選挙管理委員会という機構は、市の機構の中ではまことに微々たる機構で、私どもから見たらきわめて不十分だと思うのですね。もっとあそこが事務的に能力のある状態にしてもらいたいと思うけれども、どうも不十分だ。これは当委員会でもしばしば議論になっている点です。しかし、いろいろな財政上の問題もあるからいたし方がないと思いますが、心がまえとして、まあ権利のほうは、言ってきたらやればいいんだというような考えが根底にあるから、私はこういうことが起きてくると思うのですね。終わりのほうの、掲示板があるから、見ないのがおかしいという論理は、いまの日本の自治体の問題ではなく、行政上非常に問題がある点だと思うのです。いろいろなことが、たとえば土地収用に関する問題等につきましても、市役所のところに掲示をして、何日間かで終わったら、もうそれで異議を申し立てる権利が喪失したりする仕組みになっているわけです。一体どこにいっそういうことが公示されるのかわからないものが、ある日突然に市役所なり県庁の前に張られたって、全部の市民がそれを見るわけにはいかないのでして、そこらに私はいまの行政機構上の伝達方法というもののあり方に基本的に問題があると思うのですけれども、しかし、そういうものは、特定の人に対するものですから、ある程度やむを得ないと思いますが、選挙権のようなものは、これは国民に普遍的にあるものですから、すべての人に共通してあるものである以上、これに対するサービスですね、そういう意味のサービス、要するに、選挙が近づけば、あなた方選挙権がありますかということを確認ができるような何らかの交流方法ですね、これは私は今後選挙管理委員会を指導して、ひとつ十分――選挙があるたびにこの問題は絶えないのですよ、選挙をしたいという意思があったにもかかわらず、投票ができませんでしたという国民の声が絶えない。片方には、棄権を防止するといって、あなた方一生懸命やっておられるが、私は棄権防止もたいへん大事だけれども、その前段に、投票したい意思のある者が投票できない状態というものは、これはもう一つ重大問題ですから、ひとつ今度のこの制度の改正を機に、この次の選挙ではそういう問題が――それは全国非常に広いところですから、多少のことはやむを得ませんけれども、何とか脱漏その他のミスのないような措置をするために、十分ひとつ日常からそのあり方についての姿勢を整えてもらいたい。特に各県の地方課長に対しては、ひとつここにある例を提示をして、かような例があって公職選挙法の委員会で議題になった、これについてはひとつ以後こういうことのないように、各県の地方課長は十分自分たちの職責の遂行について注意を払ってもらいたいという通達を下におろしてもらいたい、こう思いますが、自治大臣どうでしょうか。
#33
○永山国務大臣 この制度を行ないます根本の問題は、お説のように二重登録や脱漏のないようにするということがねらいでございます。したがいまして、親切によく指導をいたしまして、そうしてなお為政者は絶えずこれが完璧を期するように最善を尽くすようにしなければならぬという点に対しては、ただいまのお説のような議論が強く委員会でありましたこと等も十分申し添えまして、これが執行にあたりまして、注意をいたし、万全を期するように指導いたしたいと存じます。
#34
○堀委員 いまの問題はこれで終わりまして、次にお伺いをしておきたいことは、第四次の選挙制度審議会がたしか八月ごろに任期が満了になると思うのです。そこで、この選挙制度審議会では、選挙運動に関する問題等も論議がされておるやに新聞で承っておるわけでありますが、私もかつて委員でありましたときに、ともかく言論、文書による選挙運動は、やはりもう少し自由に行なわせる必要があるのではないのか、特に取り締まりの側の意見がしばしば述べられたところでは、あまりにこまかい規制があるために、実質的には、法律にはなるほど違反するけれども、選挙のあり方から見て、必ずしもそう間違っていない文書の活動等に手をとられるために、悪質の買収、供応等の犯罪に手が回りにくい。もう少し選挙法も簡素化し、選挙運動というものの本質に照らして、言論、文書による運動というものはもっと大幅に緩和するべきではないのか、こういう意見が非常に強いわけですね。自治大臣、あなたはやはり私どもと同じ政治家の立場として、私は選挙運動というものは言論と文書によるものが正しいので、その正しい手段までも、手かせ足かせする日本の選挙運動というものはまことに適切でない、こう思うのですが、その点大臣いかがでしょうか。
#35
○永山国務大臣 せっかく選挙制度審議会で論議を続けられておりますので、この場合、あまり個人的な意見を強く申し述べることは差し控えたいと存じますけれども、論議をされております中心は、やはり政党選挙に移行しよう、すなわち、民主政治のもとは議会主義であり、議会主義の中心は政党選挙である。したがいまして、政党の活動は言論、文書が中心でありますから、これを大幅に、むしろ、言うならばもっともっとフリーに、大いにひとつ各政党の政策等を強く国民にPRしていく、そして近代組織政党になって、党の組織、運営を強化していく。候補者個人に対してはある程度制約をする必要がある、すなわち政党選挙であるから政党は十分高度の活動ができる、個人候補者はある程度の制約がむしろ必要ではないか、個人選挙から政党選挙へ移行するというたてまえを貫くべきではないかという議論が強く行なわれておるのでございます。まだ結論に達していないようでございますが、政党選挙のたてまえをとります以上は、お説のようなぐあいに言論、文書に対しては十分ひとつ活動ができるようにやるべきではないかというように考えております。
#36
○堀委員 いま、なるほど審議会で論議が行なわれておりますが、第一次、第二次審議会の答申をごらんいただくと、その中には、やはりそういうものについての考え方が明らかになっているわけですね。だから、その言論、文書による政治活動を含めて、そういうものはもっと自由にしろという議論がずっと流れているわけです。だから、それが具体的にこまかい答申でなくても、自治大臣としては、これまでの審議会の経緯をごらんになれば、何もそう、いまあなたが個人的見解とかおっしゃるのですが、私は個人的見解と聞いていないのです。あなたがそこでお話しになることは自治大臣の見解でして、自治大臣と、そのほかに永山さんと二人いるとは思わないのですね。あなたは一人でしょう。だからあなたがおっしゃるのは、個人的見解といったって、われわれは自治大臣の見解だと思うのですよ。しかし、いまおっしゃるようなことは、もうすでに答申の中にこれまで盛り込まれておることです。私はどうも何か自治省というところは少しより好みがあって、答申が出たら、その中で自分たちの都合のいいところはちょっとやるけれども、やりにくいところはちょっと横に置いておくという感じがあるんですね。だから選挙の本質的なことについては、私は十分ひとつふだんから検討を進めていただく必要があるんじゃないだろうか、こう思いますので、ひとつ答申も出ることでしょうけれども、答申がきわめて具体的でなければ法律にしないんだということではいけないと思います。やはり私は、答申が多少抽象的であっても、いいことは法制化をしてやるべきで、そういう言論、文書の運動については、おそらく与党、野党とも反対意見はあまりないのですよ。だからそういう与党、野党の反対のないようなことは、やはり政府としてはできるだけ取り上げて積極的な措置をするというのが私は必要ではないかと思います。重ねてもう一回だけ、その点についてお答えいただきたいと思います。
#37
○永山国務大臣 選挙制度審議会におきましても、政党のいわゆる選挙運動、政治活動は言論、文書が中心でございますから、これは高度に取り入れるべきであるという方向に進んでおるように考えておりまするので、答申が出ましたならば尊重いたして、各党の御意見をも十分お聞きをして、これが実現に努力いたすつもりでございます。
#38
○堀委員 次に、いまいろいろ議論になっておりますが、区制の問題は大体いつごろ答申をされることになっておるのでしょうか。大臣があまり詳しく御存じでなければ、事務局を担当しておる選挙局長でけっこうですが、大体答申はいつごろに出るのか、任期はたしか八月で終わりだと私は了解しておりますが、その点をちょっと明らかにしていただきたいと思います。
#39
○長野政府委員 現在第四次の選挙制度審議会は、第一委員会におきまして、三月一日からだと思いますが、調整のための小委員会というのを設けております。そして三月中に、たしか毎週二回ぐらい行ないまして、六回ぐらいやっております。それから三月の末から各政党の意見を四月一日までの間に聞いて、本日午後からまた小委員会があるのでございます。見通しでございますから、はっきりしたことは申し上げられませんが、いまの状況でまいりますと、少なくとも四月中かあるいは五月の初めには一応、この第一委員会を含めまして、区制改正の根本的な方向と申しますか、そういうものが大体まとまるのではないだろうかという感じがいたします。しかし、これはいろいろな意見がありますものの中で、全部が統一されるというか、一つの案になるということはなかなか困難でございますので、状況によってはずっと延びるかと思いますけれども、いまのようなぐあいでまいりますと、四月一ぱいあるいは五月の初めには、アウトラインは大体はっきりしてくるのではないだろうか、このように考えております。
#40
○堀委員 そこでちょっとお伺いをしますが、事務当局でけっこうですが、いま選挙制度審議会の委員の定員は何名になっておりますか。
#41
○長野政府委員 学識経験委員が三十人でございまして、それから各党の特別委員がたしか十一人だと思います。
#42
○堀委員 第一次から四次まで選挙制度審議会が設けられて、非常に熱心な御議論をしていただいて、今日に至っておりますが、私はちょっとここで、まだ少し早いですけれども、第五次の審議会も、やはり参議院の区制その他の問題もありましょうから引き続き設けられることになるだろうと思います。そこで実はこの顔ぶれの問題でありますけれども、だんだんとこう拝見をしておると、一部は非常に固定しておるわけですね。この一次、二次、三次、四次にかけて、この三十人の学識経験者の入れかわりの率といいますか、これは一体現実にどういうことになっておるでしょうか。
#43
○長野政府委員 はっきりしたあれではございませんけれども、一次、二次、三次までに大体三分の一くらいずつかわっておられます。それから三次と四次はそのまま引き続きということで、これは全くかわっておらないわけであります。
#44
○堀委員 そこで私は、こういうふうな審議会で非常に重要だと思いますのは、この顔ぶれというのは皆さんのほうで御選択になるわけですね。特に区制の問題なんかで、多少私どもに偏見があるかもしれませんけれども、顔ぶれで大体結論がわかるような仕組みが感じられるわけです。会長について申し上げても、歴代会長というのは、最も熱心な小選挙区推進論者の方が過去歴代会長をつとめて今日に至っておるわけです。
 私は最近、アメリカの大学院で日本の政治学を勉強しておるというアメリカの学生から手紙をもらいました。第一次選挙制度審議会の会議録をアメリカで読んで、私の発言についていろいろと感ずるところがあったから、自分の専門の勉強のためにひとつ意見を述べてもらいたいという手紙を受け取りました。その手紙で触れられておることは、選挙制度審議会に対して政府または自由民主党の圧力がかかっておるのではないのかという設問がされておるわけであります。私はそれに対して答えを書きましたのは、選挙制度審議会の委員に対して、具体的に政府または自由民主党が圧力をかけているとは私は思わない。しかし、この委員の任命については、自民党の意向を受けた政府が選考について考慮を働かしておるという点は、われわれは十分あなたの指摘に答えられると思う、こういう返事を出したのです。
 具体的には私はそういう問題はないと思うが、人間の選び方によってある程度結論が出やすい方向というものは、いまの審議会という制度の中では私はやはり相当考えられる余地がある問題だと思います。ですから、区制の問題はこの四次で終わりになりましょうから、その問題には触れませんけれども、政府が特に選挙制度のような国民の基本的権利に関するものについて委員を選考されるについては、やはりいろいろな意見の持ち主がそこに出てディスカッションされることは、私は国民のためになると思う。私のほうから特別委員が出ておられますが、これはまさにどうしても政党の利害を代表しておるように受け取られがちになります。ここでいろいろな意見を述べても、学識経験者等の意見と比べれば、やはり色めがねで見られがちになりやすいということになりますと、私は、次の第五次の選挙制度審議会の委員の選考については――私たちがそういう偏見で感じておるのかもわかりませんけれども、私は実態から見て、現在の選挙制度審議会というものは、ほとんどが小選挙区に非常に熱心な方が集められておるという感じがどうしてもするわけです。その点等を含めて――いまのことはもういいのです。これは現状でありますからいいのですが、第五次の審議会の委員を任命されるについては、さっきお話しになりましたように、三分の一程度の入れかえをすることによって、できるだけ、より新しく、そしてまた幅広い学識経験者で構成されるということを、ひとつここでお約束いただきたいと思う。自治大臣の見解を承りたい。
#45
○永山国務大臣 まだ第五次審議会の関係の問題については政府として方針を決定をいたしておりません。しかし、いずれにいたしましても、委員を選ぶ際におきましては、きわめて厳正公平に、しかも識見の高い、党利党略を離れた次元の高度の方を選んでいくことが絶対必要であると考えておるのでございますから、御意見は十分参考にいたしまして将来の指針といたしたいと考える次第でございます。
#46
○堀委員 さっき調査をお願いした島根県の地方課長、氏名と、自治省から出向なのかどうかという点を明らかにしてもらいたい。
#47
○長野政府委員 この資料に載っておりますのは昨年の参議院選挙のときだと思います。いま調べますと、I地方課長というのは飯塚、正確には「めしづか」と読むのだそうでございます。それでIと書いているらしいのでありますが、これは地元の人であります。
#48
○堀委員 よくわかりました。
 最後に、答申の考えがまとまるのが四月か五月の初めとなりますと、答申自体は五月中くらいに出るのじゃないかと思います。そこで政府は、答申が出れば、これまでの行き方ですと、尊重しなければならぬということになるのですね。尊重して政府案をつくられるのでしょうけれども、その政府案というのは一体いつごろ――もし五月に出れば、この国会はおそらく五月十八日で会期は終わりでしょうから、この国会には間に合うようには出ないのじゃないかと思いますが、そうすると、いまのあなたの考え、自治大臣、担当大臣の考えとしては、選挙法の改正というのを臨時国会ででもやろうとすることに考えるのか、次の通常国会でやればいいとお考えになるのか。その点は大臣、タイミングとしてはこの通常国会には間に合わない、答申は出る、政府はその答申に基づいて法律案の作成はする、一体それはいつかかるのですか。臨時国会を設けてまでやるという意思か、あるいは通常国会にかかるのか、いずれですか、ひとつお答えいただきたいと思います。
#49
○永山国務大臣 答申は尊重いたすという考えでございますけれども、実際問題として、どういう答申が出ますかということをまず見なければいけないと思うのであります。さらにまた、出ましても、やはり国会議員の直接重要なる、一番大切なる案件でございますから、世論並びに国会の各関係の意見を十分尊重をいたして進まねばならぬと考えますので、どういうときにどういう方法でやるかということは、この場合まだ申し上げる時期に至っていないのではないかと考えます。要するに、答申は尊重する、しかし世論並びに国会の各意見を十分聞きまして、そうしてこれが具現には努力をせなければならぬと考えておりますので、その時期、方法等については、まだ結論を得るに至っていないのでございます。
#50
○堀委員 いまの大臣の答弁の気持ちはわかりました。気持ちはわかりましたけれども、何かふわふわしておりますから、ちょっと少し確認をさせていただきたいのですけれども、答申が出まして、世論及び国会の各党の意見もひとつ聞こう、お聞きになるのは、政府が法律案を作成する前にそういう各党の意見等をお聞きになるのか、そこらが何かふんわりしております。要するに答申、法律案、国会提出、こう三つの段階がございますね。ですから案作成の過程にそういういまおっしゃるような世論の動向も見、さらに各党の意見も聞く、こういうことなのかどうか、その点をひとつ確認させていただきたいと思います。
#51
○永山国務大臣 もちろん、世論及び各党の意見すべてをお聞きいたしまして政府の方針をきめるのではないか、こう考えておりますが、まだこの場合、全然その体制をどうするかということは未知でございます。でございますが、決して独走をするということはございません。十分ひとつ世論を聞き、また各党の意見を聞いた上で成案を得るということに至るだろうと考えるのでございます。これはまだ想像の域でございます。答申を見ました上で最後の方針がきまると思います。
#52
○堀委員 いまのお話を聞いておりますと、何か第三者みたいに、そういうことになるのではないかと思われるとか、しかしあなたは自治大臣でしょう。まあ内閣改造もあるというから、あるいは実際に成案を得るころにはあなたは大臣でないかもしれません。それはわかりませんね。あなたでなく、まだいまはだれもわからないことでしょう。しかし、それはそれとして、いまあなたはやはり自治大臣ですから、自治大臣としては、おれはともかく引き続き地方行政、自治、選挙の問題を担当していくのだという心がまえをはっきりしておいてもらわないと、何かだれかがそういうふうにするだろうなどというようなあいまいなことでは、これは一国の自治大臣としてちょっと適切じゃないですね。だから、事は非常に重要な問題ですから、私は自治大臣たる者の心がまえを聞いておるわけですから、そう第三者的に答申が――まあいいですよ、私も具体的な答申の中身なんか、ちっとも触れてものを言っていないのです。答申は出るのです。これは間違いないことです。どういうものにしろ出るでしょう。出たものについてどういう扱いをするかという姿勢がきまらぬようでは、これは永山さん、自治大臣としての権威に欠けると思うのですよ。いいですか、あなたがやはり永山自治大臣ここにありという発言を――その内容の具体的なことを言っているわけじゃないのです。心がまえ、姿勢を伺っておるのですから、いまのようなあいまいなことでなく、ちゃんとひとつ、あなたのおっしゃったことを権威あらしめんとするならば、自治大臣としては世論の動向を十分に参酌をし、各党の意見も十分取り入れて政府案をつくる考えでございます。このくらい言わなければ、他人ごとのようなことでは私は承知できないのです。もう一回。
#53
○永山国務大臣 お説のとおりでございまして、世論の動向並びに各党の意見等を十分参酌いたしまして、独善におちいらない、国民の総意を反映するものをつくって進みたいと考えております。
#54
○堀委員 終わります。
#55
○志賀委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は来たる七日木曜日、午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開くこととし、これにて散会いたします。
   午後零時六分散会
ソース: 国立国会図書館
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