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1965/02/23 第51回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第051回国会 建設委員会 第5号
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1965/02/23 第51回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第051回国会 建設委員会 第5号

#1
第051回国会 建設委員会 第5号
昭和四十一年二月二十三日(水曜日)
   午前十時三十七分開議
 出席委員
   委員長 田村  元君
   理事 井原 岸高君 理事 小金 義照君
   理事 廣瀬 正雄君 理事 松澤 雄藏君
   理事 岡本 隆一君 理事 川村 継義君
   理事 下平 正一君
      逢澤  寛君   稻村左近四郎君
      小川 平二君    大倉 三郎君
      木部 佳昭君    佐藤 孝行君
      服部 安司君    堀川 恭平君
      湊  徹郎君    森山 欽司君
      山本 幸雄君    渡辺 栄一君
      井谷 正吉君    石田 宥全君
      金丸 徳重君    栗原 俊夫君
      佐野 憲治君    三木 喜夫君
      山中日露史君    稲富 稜人君
      山下 榮二君
 出席国務大臣
        建 設 大 臣 瀬戸山三男君
 出席政府委員
        建設政務次官  谷垣 專一君
        建設事務官
        (大臣官房長) 鶴海良一郎君
        建設事務官
        (計画局長)  志村 清一君
        建設事務官
        (都市局長)  竹内 藤男君
        建 設 技 官
        (河川局長)  古賀雷四郎君
        建 設 技 官
        (道路局長) 尾之内由紀夫君
        建 設 技 官
        (住宅局長)  尚   明君
        建 設 技 官
        (営繕局長)  小場 晴夫君
 委員外の出席者
        総理府事務官
        (経済企画庁総
        合開発局参事
        官)      小西 是夫君
        検     事
        (民事局第三課
        長)      住吉 君彦君
        専  門  員 熊本 政晴君
    ―――――――――――――
二月二十三日
 委員石田宥全君辞任につき、その補欠として栗
 原俊夫君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員栗原俊夫君辞任につき、その補欠として石
 田宥全君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 海岸法の一部を改正する法律案(内閣提出第三
 〇号)
 都市開発資金の貸付けに関する法律案(内閣提
 出第四三号)
 交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法案
 (内閣提出第五八号)
 建設行政の基本施策に関する件
     ――――◇―――――
#2
○田村委員長 これより会議を開きます。
 建設行政の基本施策に関する件について調査を進めます。
 質疑の通告がありますので、順次これを許します。栗原俊夫君。
#3
○栗原委員 新しい河川法ができて、昨年の四月一日から実施されておるわけでありますが、時たまたま河川に関連して砂利ブームが起こって、砂利採取をめぐっていろいろと問題が起こっております。特に新しい河川法では、河川区域の認定によって私権を排除された土地が国有になる、こういうような問題があり、一方ではこれと時を同じゅうして国土調査法の調査というものがかなり広く実施されて、登記面では公図の上で白地図地帯ができるというようなことなどが相重なって、河川付近の現場ではいろいろと混乱が起こっておる。こういうことにかんがみまして、この際特に当局を追及するとか何とかいう意味ではなくて、ひとつ事態をはっきりさして、第一線の行政の執行、またこれに関連する地域の人たちの理解のある、安心した協力ができるような態勢をつくりたい、こういう気持ちでこれから質問を進めようと思います。
 まず第一にお尋ねするわけでありますが、俗に川について河川敷、河川敷ということがいわれております。この俗に言っておる河川敷とは河川法上どういうものであるか、これをひとつ明らかにしていただきたい。
#4
○古賀政府委員 河川敷と称しますのは、流水の流れるところ並びにその流水を制御し、あるいはいろいろなところで停滞せしめるとか、いろいろな作用をさせるために堤防とかいろんなものを築きますが、そういう堤防あるいは流水敷を含めまして河川敷と称しております。
#5
○栗原委員 まことにわかったようでありますけれども、どうももう一つわからぬ。結局河川を管理するために施設されておる堤防の敷も河川敷である、こういうことでありますか。
#6
○古賀政府委員 さようであります。
#7
○栗原委員 もっと法律的にいえば、河川区域の地域、こういうものが河川敷なんですか。
#8
○古賀政府委員 河川区域の問題ですが、これは「河川の流水が継続して存する土地及び地形、草木の生茂の状況その他その状況が河川の流水が継続して存する土地に類する状況を呈している土地」そういったものが第一号にありまして、それから第二号に、「河川管理施設の敷地である土地」、それから第三号に「堤外の土地」ということで、第一号、一番最初に申し上げました区域と一体になって管理を行なう必要があるもの、そういったものを河川区域といっておりまして、その区域上の土地を河川敷と称しております。
#9
○栗原委員 つまり私が質問したのは、河川区域の土地はすなわち河川敷だ、これでいいのですか。
#10
○古賀政府委員 そうであります。
#11
○栗原委員 そうすると、河川区域の認定のない川がかりにあったとすれば、そこには河川敷というものはないのですか。
#12
○古賀政府委員 河川区域の認定が行なわれるという条件もありますが、河川は通常そういうぐあいで自然に流路を形成しておりますし、通常常識的に考えられる第一号に掲げてあります「河川の流水が継続して存する土地及び地形、草木の生茂の状況その他その状況が河川の流水が継続して存する土地」というものは、通常河川区域に認定しなくても河川区域と称せられるものだと思います。ただ認定事務が必要かどうかということは別問題だというふうに解釈しております。
#13
○栗原委員 それでは次に法務省にお尋ねしますが、河川敷なるものは土地である。土地である限り、河川敷は登記上どういうぐあいに取り扱っておりますか。私の常識では、少なくとも土地には地番があり地籍がある、こう考えるのですが、河川敷なるものは、すべてこれは登記上、登記にのぼり、また公図上は公図に載せられておる、こう思うのですが、これはどうなっておりますか。
#14
○住吉説明員 お答えいたします。
 旧河川法時代の登記法上の規定は、登記法上、いわゆる国有地と申しますか、公有地と申しますか、これにつきましては、原則として登記をすることをいたしません。したがいまして、旧河川法当時の不動産登記法の規定は、先生のおっしゃる河川敷、河川区域に認定されますと、河川管理者からその旨の登記の嘱託がございます。そういたしますと、この該当土地の登記薄を閉鎖する、すなわち登記簿からそれを除きまして別とじにいたしまして、それは生きていない登記だ、こういう扱いにいたしております。それからたとえば民有地が河川敷になった、こういうことになりますと、やはりその旨の登記の嘱託がございますが、もちろんいま言いますような規定になっておりますので、そこに新たに地番をふってこれを閉鎖してしまうというようなことはいたしておりません。
#15
○栗原委員 どうも答弁に立つのに、何かあらかじめこう聞いてくるだろうという予見を入れて答弁しているようですが、そういうことを聞いているんじゃないのです。いろいろと国有財産の審議会の審議の経過等を見ても、同じ国有地でも河川敷になった場合には、ちゃんと所管がえというような手続までとっている。したがって、別に不動産登記法ができたから川が生まれたわけでもなく、河川法ができたから川が生まれたわけでもないのです。初めから川というものがあって、それにまつわって河川法もできてきただろうし、また制度上不動産登記法もできてきたのだから、河川敷というものは原始的にあるものだと思うのです。そういう中で、一体河川敷なるものは、登記法ができたときにもともとのものはどういう取り扱いを受けたのだ、こういうことを聞いているのです。だから、日本の国土の中に、登記簿に登載されない、地番も何もついていない土地というものが原則的に存在しておるのかどうか、本来的にはすべての土地に地番がつき、それがたまたま河川敷になっていれば河川敷なんだ、こういうぐあいに扱っているのか、その辺はどうなのか、ここのところを聞いているわけです。
#16
○住吉説明員 先ほど申しましたように、国有地は原則として登記されてありません。したがいまして、またそこに地番を付するというようなことはいたしておりません。現実には不動産登記は御存じのように、対抗要件でございますから、未登記の土地というものもずいぶんございます。それから登記をする必要のない土地、すなわち国有地がその一例でございますけれども、これもまた登記はされておりませんので、そういうものについては地番を付しておりません。
#17
○栗原委員 そうすると、国有地には本来的に地帯は付していないのですか。ほんとうかね。そんなことを言っていて大丈夫かね。国有地に地番がついていないの。それじゃ国有地を民間に払い下げるときに、初めて地番をつけてやるのかね。
#18
○住吉説明員 民有地を国が買収いたします、そういう場合にはもともと民有地に地番がございますから、そういうものは地番としてあるいは残る、そういうことは言えます。それから無番地の国有地の地番の付されてない土地を民間に払い下げるといいますか、処分いたします、そういう場合には、登記所で地番を付します。
#19
○栗原委員 そうすると、国有地を国有地だと主張するときに、それはどうやって主張するの。
#20
○住吉説明員 もし問題の土地が国有地であるかどうかということについて争いがございますれば、すなわち、民間人がその土地は自分のものだ、一方、国のほうで、いやそれは国有地だということで争いになるといたしますならば、これは公権的に確定する方法としては、訴訟による以外には方法はございません。
#21
○栗原委員 これはいま両院の決算委員会で国有財産の問題が非常にうるさくなってきているときに、どうも何か国有地の保全の方法としておかしいように思うのだな。いま言う一方で、民有地が国に侵されているときには、民有地の権利に基づいておれは侵されていると主張する。しかし国有地のほうからは、民間から侵された場合にそれでは主張していく根拠がないように思うのだけれども、これはどうなんだ。国有地がその他から侵された場合に、国有地が侵されておるぞと言って出発する出発点の根拠がないように思うのだけれども、そこはどうなんだ。
#22
○住吉説明員 土地の所有権につきましては、国も民間人も、やはり一つの権利主体としては対等の立場に法律的には立つわけでございます。したがいまして、もし国のほうでその土地は国有地であるということを主張し、またそのことを一般に確定するにはやはり国自身が訴訟の当事者となって、それを裁判上はっきりさせるという以外に方法はないだろうと思います。それから国有地の管理といいますか、その面からその主張をするということの御質問であるとすれば、それだけでもってそれが国有地であるということを、すなわち所有権という実体的な権利は国にあるのだということは一方的な主張にとどまる、こういうふうに思います。
#23
○栗原委員 いまあなたの説明しているのは、一般国有財産としての土地に関しての説明なんですか。それとも河川に関連しての国の所有地としての問題についての説明なんですか。
#24
○住吉説明員 私が御説明申し上げましたのは、別に国有財産あるいは河川区域あるいは河川敷としてのことではございませんで、土地の所有権、それが国にあるか民間にあるかということを確定する方法としては、これは民法及び民事訴訟法の規定によりまして訴訟によって確定する以外に方法はないという趣旨のことを申し上げたわけでございます。
#25
○栗原委員 いま少しはっきりしておると思って、つまらぬことでこれはわき道にそれてしまって時間を食っているわけですが、お話を聞いてみると、国の財産に対する対抗要件としての登記の関係というものがきわめてどうも甘いというか、弱いというか、俗なことばで言えばなっていないというような状況のような気がするので、これはあらためて場をかえて決算委員会の国有財産の問題のところでみっちり掘り下げさしていただくことにいたしたいと思います。
 そこで、いろいろ国有財産が問題になっており、特に国有財産としての土地が問題になっておるときに、昨年四月一日に初めて法律によって国有にするという明文でうたわれて、旧河川法によって私権を排除された民有地、これがスタートからはっきりしていないようなことでは、あとの維持管理ができるはずはない。したがって、昨年の四月一日から国有になった、旧河川法の河川区域認定によって私権を排除した区域はどのくらいあるか。そしてその面積はどのくらいあるか。実は下打ち合わせをすると、いま完全に掌握し切っていないようでありますけれども、もしお答えができるならば答えていただきたい。
#26
○古賀政府委員 旧河川法によりまして私権が抹消した地域、それの調査につきましては、部分的には若干わかっているところもありますが、完全に掌握しておりませんので、これも新河川法の施行と同時に民有地の関連において非常に重大な問題でございますので、早急に把握したいというふうに考えております。
#27
○栗原委員 これは事情は一応わからぬのではないのですけれども、かりにも一つの行政行為によって所有権を奪った土地、こういう土地がはっきりと国有になるということが法文で明定されて、一カ月、二カ月ではそれは無理だろうが、すでに一年になんなんとしておるわけですよ。そういうものがいまだにわからぬというのは、これは一体どういうことなんですか。その辺の路上に落っこっているものがどうなった、こうなったというものとは違うのですよ。登記上の保護を受けた所有権の中心をなす不動産である土地の問題ですからね。しかもそれを一行政行為で奪っておきながら、これがあらためて国有になったという瞬間に、それはこれですと出せぬような、そんなざまじゃしょうがないじゃないですか。どうなっておるのですか。
#28
○古賀政府委員 その点につきましては、まことに残念でございますけれども、明瞭にお答えできないわけでございます。ただ河川の場合に非常に困りますことは、従来から河川区域を認定しましてくいを立てていたわけでございますが、それが洪水等によって流失をする等いろいろな問題がありまして、その辺の境界の指定の問題がなかなか打ち合わせできない、あるいは民地との境界の問題もなかなかむずかしい、そういう問題もございまして、現実において解決がなかなか困難な点がございましたので、その点もありまして、おくれておるというような状況であります。しかしながらこれは早急に煮詰めるべき問題でございまして、われわれとしまして河川台帳の作製を早急に急ぎまして、さような問題を解決していきたい、かように考えております。
#29
○栗原委員 苦しい答弁をしておるのですけれども、それはまるで逆なんですよ。現地において、現地の区域がよくわからないということは、私にも十分理解できるのだ。しかし少なくとも行政行為によって相手の所有権を排除したその瞬間にはちゃんと台帳ができていなければならぬし、したがって現地において区域がなかなかはっきりさせられなくても、少なくとも事務の手続上、書類上では何帯地は私権を排除し、その面積は幾らであるということの集計によって、個所は幾カ所、その面積は幾ら――ただ現地では、その境界がなかなか具体的にはっきりすることがむずかしいという段階でなくちゃならぬはずなんだ。これは一体どうなんですか。
#30
○古賀政府委員 これも非常に言いわけがましくてたいへん恐縮でございますけれども、現在、河川におきまして台帳が非常に整備ができていないという点がございまして、それでできないという点もございます。それからまた先ほどありましたように、現地で境界の設定が非常にむずかしいという問題もございます。台帳につきましてその整備を、先ほど申し上げましたように、できるだけ急いでいくということをわれわれとしましては考えておるわけでございます。現地も並行してその問題を解決していくように努力したい、かように考えております。
#31
○栗原委員 私はいまのような答弁の中から非常に疑問を持つのです。台帳も整っていない、現地もここだということが言えない。そういうことで今後どうやって国有はここなんだということを出していけますか。台帳も整っていない、文書上にも明らかになっていない、現地でも明らかになっていない。どちらかがはっきりしていればいいですよ。具体的に現地でここからこっちは私権を排除した。したがって昭和四十年四月一日から国有になったのはここだということがはっきりしておれば、それに基づいて、これから書面上整理はしていける。ところが書面上でも明らかでない、現地でも明らかでない。どこから明らかにするのですか。大体そういうくだらない行政行為というものは効力もないのだ、どっちもわからぬようなものは。どうなんですか。
#32
○古賀政府委員 そういう確認の問題でございますが、河川台帳等の不備の点もございますが、不動産登記法とかあるいは公図等によりまして国の所有であるかどうかということを確認して、できるだけ行なっていきたいというふうに考えております。
#33
○栗原委員 いや、それは何によって確認するのか。出てきたものは行政行為であるところの憲法その他公な告示行為、これによってきまったはずなんですよ。それによってきまって、そしてそのものから展開される権威のある関係書類でどうにもわからぬのでしょう。それがわかっておれば計算が出るはずなんですよ。したがって、行政行為を行なった当時の所有権を排除した相手方の持っておった地番もわからなければ地域もわからない。何もわからない。いうなれば、くいを打ったりいろいろなことをした。そのくいは流れちゃった。しかも流れちゃったくいが、学問的に建設省のある学者の書いた本などを私もずいぶん読んでみましたが、それはくいで打つ方法もある。しかしこれは流れるから、何回流れても再現できるような規定をしておかなければだめだ。こういうことをはっきりうたっているのですよ。それはもよりの災害があっても不動の地点である。いうなれば、三角点から一番ぐいを規定していく。どの角度の何メートルの上に一番ぐいを打つ。二番ぐいは、そのくいから何度の角度に振って何メートルに打つ。これなら流れてもどうなっても現地では何回も同じことが再現できるわけですよ。そういうこともできない。一方には、何番地が河川敷になったのだというそういう明示もない。これからどうやっていきますか。
#34
○古賀政府委員 先ほど、河川区域に認定したために私権が抹消されました地点につきましては、河川区域を認定した図面はあるわけです。だから、その認定の図面に基づきまして、現地にどう落としていくかということは、今後の問題になるかと思いますけれども、非常に集計がそういう点でむずかしいということを申し上げておるわけでございます。
#35
○栗原委員 そこで、いろいろと河川局長も苦労しながら、援助を受けながら答弁しておるのですが、二つに分かれるのですよ。ということは、その認定した図画とか書類がある。これを公告の中で完全に一般に縦覧に供した図面、一般に縦覧に供した書類、こういうことがはっきりうたってある場面と、そういうものが全然うたっていない、ただ、くいを打ちっぱなしで、そのくいを見通した線の中の地域、こういう二つの場面がある。私は、一般に縦覧に供したという、その縦覧に供した根拠があれば、この根拠によってやっていけると思うのだけれども、全然そういう公告の中に、他に書類があるということを何ら規定していない公告では、これはまるで立つ根拠というものはゼロであると私は思う。しかしこの点は十分ひとつ研究してもらいたい。
 そこで、問題は、具体的に入っていきますが、そういうところで、いま砂利採取の問題でいろいろ問題が起こっておるわけです。区域がはっきりしないのに、砂利採取については一括的に地域をきめて採取許可を出し、しかも都道府県は、建設省の採取許可を受けて、山代と称してお金をとっておるわけだ。ところが、あとになって、これが国有地でないとなったらこれはどうなるのですか。
#36
○古賀政府委員 砂利採取と土地の所有権は別個なものだとわれわれは考えております。
#37
○栗原委員 それは土地を持っておるから、黙ってとっていいとは考えていない。河川管理上これは支障がないという許可を得なければ、たとえ所有権を持っておってもみずからの土地の砂利採取もできない。しかし河川管理上これはとっていいからといって、国が他人の土地の砂利をとっていい、銭をとれ、そんなことができますか、どうですか。
#38
○古賀政府委員 河川管理者は、河川管理上支障がないということをうたうわけでございまして、当然当事者間におきまして、土地の所有権者と協議事項となることと思います。
#39
○栗原委員 そういうことになると、ものごとはそれでいいわけなんだけれども、ものははっきりしていればそれでいいんだが、国のものか民地であるかわからないところを総括的に建設省が、これは河川管理上支障はないんだといって業者に許可を与えることは、あとからそこははっきりしてみたらまるで民地だということになる危険を包蔵するでしょう。こういうことをわれわれは再三警告するんだけれども、ぬけぬけとやっている。これは一体どういうことなんですか。
#40
○古賀政府委員 その砂利採取を許可する場合には、河川管理者としましでは、これは二級河川時代でございますと知事が管理していたわけでございますが――河川法の施行前の問題もありますし、したがいまして、その時代に行なわれた採取許可もありますから、でございますが、そのような場合には、河川敷であることあるいは民有地でないことを公図とかいろいろな点におきまして確認しまして、それで、そういう所有者との関係のいざこざが生じないようにということでやってきたわけでございますけれども、今後もそういう官民境界を十分明らかにして、そういう民有地のところにつきましては、たとえば所有者の承諾を得るとかそういったことによって処理していきたいというふうに考えております。
#41
○栗原委員 それは民地と官地が明らかになっておれば、これはきわめて簡単なんですよ。ところが、明らかでない。特に明らかでない問題を伏在しておるのは、さっきも少し触れました、同じ河川区域の認定行為の中で、一般に縦覧する公図とか一般に縦覧するところの地域名簿とか、こういうものを規定していない河川区域の認定によって認定したところを、一方では、行政の関係者は、これはこれで有効なんだからどこかに河川区域の線があるはずだという主張をし、一方では、それは区域の認定はしておるけれども、区域の確定がないから、これは効力がないんだというような主張の中から争いがある。こういうところについては、きわめて危険な問題がやはり伏在する。こういうところは、率直に言って、業者がすでにプラント等を持ち、そして業を行なっておるから、全部ストップということは、それはたいへんではありましょうけれども、でき得る限り絶対に間違いのないという地域で仕事を続けさせて、一日も早くそういう問題は明らかにしていく、こういう方向をやはりとるべきだ、こう私は考えておるわけなんです。
  そこで、その点はそういうことにしておいて、次に今度は経済企画庁の方にお伺いするわけですが、それはどういうことかというと、地域によって国土調査が行なわれて、その結果、公図上白地図地帯というのがたくさんできました。ところが、河川法の改正と相呼応して、白地図になったところは本来的にこれは国有地になるんだ、こういう説が行なわれて、なかなかこれらの問題が入り乱れておるわけです。
 そこで、国土調査を担当された経済企画庁のお方にお尋ねするのだけれども、あの国土調査を行なうときに、地元の官庁とか区長とかあるいは農業関係の実行組合長とかにいろいろ協力さして調査を行なったわけですが、このときの説明は、これは実態を調査するのであって決して所有権には関係ないんだ、どのような答えが出ても所有権そのものには関係ないんだ、こういう説明をしながら調査を進め、そして出た結果は、区画が不分明になったというような形の中で白地図地帯ができた。白地図地帯で区画もわからないんだから、これはもう所有権はなくなったなどと言われておるんだけれども、ほんとうはどうなんだ。ここで国土調査と所有権の関係について明らかにしていただきたい。
#42
○小西説明員 お答え申し上げます。
 国土調査につきましては、ただいま先生もおっしゃいましたように、その実態を明らかにするということで、実際上の作業といたしましては、土地登記簿にございます資料をもとに調査をいたしまして、その結果に基づいて実態調査をいたしまして、地図あるいは地籍図をつくったわけでございますが、ただいま申し上げましたように、土地の所有権につきましては、これは土地不動産登記簿を基礎といたしておりますので、所有権が変更するということはないわけでございます。したがいまして、ただいまも白地図につきましては、土地登記簿にないというものにつきましては、国土調査の対象にいたしておらないわけでございます。
#43
○栗原委員 法務省にお尋ねします。ただいま企画庁のほうで行なった国土調査に基づいて公図等が白地図になった部分がある、これを受けて登記関係のほうではどのような取り扱いをしておるか、この点について概略を御説明願いたい。
#44
○住吉説明員 国土調査の結果、地籍図という、現在登記所にございます税務署から引き継ぎましたいわゆる公図、これよりもより精度の高い図面がまいります。したがいまして私のほうではその地籍図を、今度は従来あります公図と振りかえまして、それによって事務を処理するということになります。
 それから、ただいま先生のおっしゃる、白図ができた場合にどうするかということでございますが、白図ができたからといって、たとえば関係土地の地籍を登記所が積極的に何割増しで面積をふやすというようなことは登記所としてはできません。したがいまして、その白図の土地がだれの土地であるかということは、先ほども申しましたように、実体的に権利を確定していただいて、その上で登記の申請があればそれを受け付ける、こういう扱いになります。
#45
○栗原委員 いま末端の登記所へ行くと、公図は白地図になっておる。登記簿には登記簿を閉鎖して滅失という字を使っておる。この滅失という字がどういうことを意味するのかわかりませんが、区画は確かに滅失している。区画は滅失したから、結局白地図にならざるを得ない、こういうことなんですが、区画滅失とただ単に滅失ということは、受け取る側にとっては非常に重大な感じを与えるのであって、区画が滅失しておるから、地籍によるところの抄本等は、これは出せないという形で閉鎖になっておるのか、実際そういう所有権の対象としての土地が滅失したという意味の滅失なのか、そんなことがあってはならぬと思うのですが、この辺の御指導やら、また区画滅失という字を使うべきだが、単に滅失という字を使っておることについての考え方、こういうところをちょっと述べていただきたい。
#46
○住吉説明員 旧河川法下においての滅失と申しますのは、先ほども申しましたように河川管理者から当該土地は河川区域に認定されたという趣旨の登記の嘱託がございますと、一般取引の対象になりませんので、それは別とじにいたしまして、閉鎖登記簿に入れる。その原因を俗に滅失と言っております。ところが新河川法の制定に基づきまして、いまおっしゃるように厳密に土地が、たとえばそこが流水地区になって客観的に土地がなくなったという場合には、厳密にこれを滅失と言っておりまして、旧河川法当時と現行法当時とは登記簿上の取り扱いが違っております。
#47
○栗原委員 ただいまの御説明の中で、客観的に土地が滅失したというのはどういうことなんですか。たとえば北日本のようにどんどん河底に沈んでしまって、安宅関が海の半道も奥にあるというふうな、その付近に土地があるというふうなことはわれわれは考えませんが、田畑が流れて荒れ地の形になったのは、これは滅失ではなくて荒れたのだ、こう理解しておるが、この辺はどうなんですか。
#48
○住吉説明員 私、新河川法を受けまして、滅失ということは厳密に客観的に土地が滅失した場合とこう申し上げましたが、それはいわゆる河床になった、そこにたとえば河川が経路を変えまして新たに水が流れてきたというような場合に、それが土地としての利用効果がなくなりますと、それを厳密な意味で滅失と言っております。したがいまして、たとえば田畑が荒れて荒地になったという場合は、これは地目の変更でございまして滅失ではございません。
#49
○栗原委員 新河川法によれば、たとえ河川区域の認定がなくても――今度は河川区域の指定ですが、指定がなくても、そこに常時水が流れるような状態ならば、そこは当然河川区域である、こういうぐあいに一号の河川区域というようなことでなるわけですが、しかし、そのことによって河川区域――今度の河川法では、水が流れているけれども私権は排除されないのだ、水が流れていても、土地は水の流れる土地だ、なぜならば池をつくっても、池だから土地がないのではなくて、土地の上に池ができているのだから、そういう意味からいえば、滅失という概念は私はどうも解せない。滅失すれば対象でなくなるわけですから、やはり対象として所有権はある、あるけれども、そこは水が流れており、積極的に河川区域に指定されなくても、河川区域になるのだ、こう理解しているのですけれども、この辺の法務省の理解はどうなんですか。
#50
○住吉説明員 ちょっとこまかい議論になって恐縮でございますが、不動産登記法の八十一条ノ八という、新河川法を受けまして登記法の一部を改正した条文の第二項に、「河川法ノ適用又ハ準用セラルル河川ノ河川区域ノ土地ガ滅失シタルトキハ河川管理者ハ遅滞ナク滅失ノ登記ヲ嘱託スルコトヲ要ス」こういう規定を設けております。ここでいいます滅失は、先ほど申しました、それがいわゆる河床になりまして、たとえばあるときは川が流れ、あるときはかれてそこで耕作も可能である、こういう状態の場合は想定はしておりません。常時そこに流水があるという状態の土地でございます。
#51
○栗原委員 これはひとつ、大臣もせっかく見えたのだから、いまの議論を聞いておってお答え願いたいのですが、私は河川敷の滅失という概念というものは多くの場合はない、たまたまその河口付近で河口が陥歿して、たとえば信濃川の河口がどんどんラッパ状になっていき、二度と再び陸地的な姿にならないところ、こういうところは海岸線の陥歿と同様に滅失という概念の中に入れても、これは無理ではないと思うのですよ。しかし、河川の中流、上流方面でたまたまその流水が流れているその地を、これは河川の水の流れる場所になったとして滅失だというがごときは全然これは間違いである、こう考える。大臣、どうですか。
#52
○瀬戸山国務大臣 法律のこまかいことは承知いたしておりませんが、問題はその所有権関係がどうなるかということじゃないかと思います。いま聞いておりまして、田畑の姿が、河川の流域の変更によって田畑等としていわゆる常識的には使用できない、こういう場合を滅失というふうに法律がなっている、あるいは解釈されておる、こういうふうに聞いたのですが、その際に、御承知のとおりさらに河川を整理して耕地に復旧するのかどうかという問題もあり得ると思います。だから、その所有関係がどうなるかということにかかっておるのじゃないかと、私はいま聞いたばかりですから、思います。その点をもう少し専門家からお聞き取りを願いたいと思います。
#53
○栗原委員 大臣いま来たばかりでよくその成り行きがわかっておらぬと思いますが、私の常識的に言えば、河川が荒れてそして付近を荒らした場合、たとえば近くは伊豆半島の狩野川のような問題、ああいうふうに荒れた場合には、本来的には土木建設を担当する国の機関である建設省が原状回復するのが本来の姿だと思うのですよ、しかし、いろいろ金もかかり、そうもやり切れないという場面も出てくる。本来は原状回復を公共事業としてやるべきものを、金がかかるからできぬといって、一部はやって一部はやらない。やらないほうはこれは水が流れているのだから、おまえの所有権はないのだぞ、これでは話にならぬと思うのです。だから、本来的には、原状回復をするものは原状回復をして、原状回復のでき得ないものは、それは本来的にはたとえ幾らでも金を払って国が買収して河川敷に編入すべきものだ、こう思うのです。そしてまた新しい河川法は河川の姿の中で所有権を排除するという姿はあり得ないはずだと思っているのですけれども、登記の面から、登記のほうの手続上、滅失というような文字がある。滅失はすなわち所有権の対象ではなくなるわけですから、しいて言えば、そこに河川の問題に関連して、所有権がみずからの意思に反してでも失われる場面があるようにいま初めて聞いたわけなんですけれども、実際にはそういうことはあり得ないのであって、みずから放棄をすれば別のこと、それはやはり水が流れておっても、河川区域にはなっても所有権はそのまま存在する。ただ、いろいろ関係もあるから、区域等も不分明になる。国土調査法でまたそこをやれば、おそらく白地図になるだろう。そういうことから当然そこは登記簿は閉鎖されて、何らかの新しい事態ができるまではそれは変わってくる、こういうような姿になるのなら話はわかるのだけれども、どうも川が荒れた。その結果滅失ということが起こり、滅失ということすなわち所有権がなくなるということが起こるとは考えられないと思うのですけれども、この点、大序どうですか。
#54
○瀬戸山国務大臣 河川局長からもう少し突っ込んだ答えをすべきかと思いますが、私、実例を申し上げます。
 その際にも所有権はなくならない、こう私は思っております。ただ、先ほど申し上げましたように、いま栗原さんがおっしゃったように、河川の流域が変更した、そういうことがしばしばあります。それをもとに戻すということは、河川の形状からいって、河川は比較的自然に従って流れますから変更された河川のほうが適当であると思っております。こういう場合があるかと思います。そうしますと、もとの河川に復旧するにはきわめて膨大な経費がかかる。さらにそれを耕地等に復旧するのにも金がかかる。こういう実例があるわけであります。私もそういう実例にあったことがあります。そういう際に、そのままにしておけば事実上なかなか耕地が復旧はできない。そこで、河川の形状を、この際流域を変えたほうがいいという場合には、そこで堤防をつくる。したがって、堤防敷あるいは河川敷になってしまうもと耕農地等があるわけでございます。ただ、その際、所有権はなくならないと私は思うのです。問題は、その河川敷あるいは堤防敷にするものといわゆる耕地等であったところを、それでは河川敷として国有地にすべきかどうか。私は国有地にすべきだと思っております。ただ、問題はその際に国有地として買い上げと申しますか、対価をどのくらいに算定するかという際に、実例としては非常に問題になる。なぜかというと、現に耕地でない、自然の力によってそうなったわけでありますけれども、耕地でないから、耕地としての、農耕地としての買い上げをする、対価を払うわけにいかないという問題がありますが、どのくらいに値段をきめるかは別として、所有権がそれでなくなってしまうということは私はちょっと考えられない。そういう実例がありまして、耕地としての対価を払わないけれども、しかし河川敷として有効であるから、それ相応の対価を払うという処置をした実例はございます。ただ、そういう際に、これは理論とはちょっと別でありますけれども、もと河川を耕地整理をして、そういういわゆる滅失したものに代替地を与えて、そうして新しい河川敷になったところは安い補償でするのだ、こういう実例がありますが、私は取り扱いとしてはそれが適当である。登記の問題とは別であります。登記処理とは別であります。
#55
○栗原委員 大臣の説明でまずまず納得をいたしました。
 次に、ちょっとこれはやはり河川局長のほうへお尋ねするわけなんですが、河川で支川、派川というような姿になっておって、支川、派川の認定は受けておるけれども、河川区域の認定が随伴していなというようなものがありますか、ございませんか。この辺どうですか。
#56
○古賀政府委員 支川、派川で、旧法時代は区域認定を行なっていないところがあったかもしれませんが、新法では六条の一号と二号ですね、これにつきましては認定必要ないので、認定しなくても当然河川区域はきまってくるだろうというふうに考えます。
#57
○栗原委員 なぜ私がこういうことを聞くかというと、かなり大きい支川、派川の中で、いわゆる河川区域なるものが、今度の新河川法では付近地が保全地になり、河川区域もおのずから一号ではきまる、こういうことになるわけなんですけれども、いわゆる砂利採取の問題と関連してくるわけなんです。そこで先ほど法務省のほうから言うと、本来的な河川敷については登記上主張する根拠は登記簿には載っていない、こうおっしゃっているのだけれども、そういうところで、一方では民地がずっと迫っておる。そこで現在では河川状況になっておって砂利採取が行なわれておる。従来県が管理しておって、そこをわがもの顔に砂利採取の許可を与えてとっておる。ところが新河川法ができたので国有地になる、ならぬかというところから、河川敷に対する所有権の権利意識というものがぐっと逆に今度は出てきているわけです。あれはおれのものだ、こういうことの中から、じゃ、どこが境だというようなことが非常にいろいろ問題になるわけです。河川区域の認定がしてあると、河川区域の認定の中で、旧民地は国有地になるという問題が起こってくるわけですが、河川区域の認定のしてない河川になるとそういうことがないでしょう。国が買い上げるとかなんとかによって国有地になったというところは、これは国のものだ、しかしその他は全部民有地だ、こういう形の中で、これは実際問題としてはなかなか容易ならない問題が現に起こっているのです。それは中央におれば、書類だけながめておれば事が済むわけだけれども、第一線の者はなかなかそうはいかない。第一線の役人衆は、ほんとうによわってしまって、サンドイッチ式に締め木にかけられているような目にあうわけです。いままで既存の業者にプラントをつくらしてやっておる。大体ここを掘ろうと思って待っておった、ところが新しい所有権を次から次へと買い上げて、そうしてここはおれたちのものだ、こういう形が出てくる。一体こういう問題をどうするか。これは実際問題としてなかなか容易ならない問題なんです。こういう点をどう処理なさっていこうとするか。これは河川行政上、非常に大きな問題になってくると思うので、基本的な態度というか、姿勢というか、方向というか、そういうものをひとつ明らかにしていただきたい。
#58
○古賀政府委員 従来からの旧河川法時代の例の河川法第二条の土地と申しますか、河川区域を認定されたために私権を排除された、これにつきましては当然新河川法によって国有地になるわけでございまして、これは新河川法に基づく砂利採取の許可全般と同じように処理していきたいというふうに考えております。したがいまして、私権が排除された土地であっても、ほかの官有地と同じように処理いたしていきたいと思います。砂利採取の問題の全般的な問題につきましては、河川ごとに砂利採取の基本的な計画を立てる必要があるというふうに考えます。さらに個所個所によりましては砂利採取の採取の準則が必要であろうというふうに考えます。したがいまして、そういうものを逐次整備していきまして砂利採取の円滑な指導に当たりたいというふうに考えます。
#59
○栗原委員 それがやはり、いま河川局長が言うけれども、川のかっこうになっておるところはおれたちの権利なんだというような潜在意識に基づいた発言なんだな。そこへはっきりと所有権というものがぐっと出てきた場合のその私権との関係をどう調整するかという問題なんだ。これはなかなか問題で、国有で一切の権限を建設省が持っているものについては、これは問題ないことは明々白々なんだけれども、ここに私権ががんとがんばっているものを、河川管理ということだけで銭をとって金もうけをする者に許せるかどうか。これを取り除くことが河川管理上必要だということだけで公共のために河川管理上行なうなら、これは話はわかるのだけれども、金もうけの営業者に利権として分かち与えることと私権とは、これはがっちりとぶち当たるわけなんだな。ここのところをどうするかという問題なんだ。これはなかなか一ぺんには言い切れぬだろうけれども、基本的な方向、そういうことをひとつこれは指導するよりほかしようがないと思うのですよ。所有権なんですから、こうせいという命令はできぬと思うのですよ。その点をひとつ……。
#60
○古賀政府委員 最近、河川の敷地で私権のあるところにつきまして、砂利採取を行なっているところは多々あるわけです。したがいまして、おっしゃられましたようないろいろな問題が生じております。ただ、こういう砂利採取を、河川管理上支障がなければ採取を許可していってもいいと思いますが、河川管理上支障がある場合にはこれは河川法の適用をしまして、取り締まっていきたいと思います。しかし、相手側は私権を主張されますし、その辺の調整が非常にむずかしいのですが、これは強力に行政指導していきたい。先ほど申し上げましたように、採取の基準とかいろいろなものをつくりまして、それに基づいてやっていくようにいたしたいと思います。なお、今後砂利採取は非常にふえてまいります。したがいまして、そういった問題が今後とも起こると思いますが、先ほど申し上げたような基本原則に従いまして指導していきたい、そういうことで強力に進めております。
#61
○栗原委員 冒頭にお願いしました新河川法によって国有になる河川区域の認定の個所数並びに国有になる総面積、そして現にこの時点までに処理された個所数と面積、こういうものを資料としてあとから出していただきたいと思います。
 最後にいま一点お尋ねするのですが、新河川法ができるときに、今度は河川法の施行規程ではなくて施行法ですか、施行法の第十九条に、前の施行規程の九条、十条は新河川法になっても生きておるんだ、こういう規定があるわけです。それは私権を排除された土地に対する占用権の優先権を規定した条項です。この解釈について、前に河野さんが建設大臣のときに一議論やったことがあります。新しい河川法では、河川区域に認定されても、今度は私権を排除しないのだ。旧河川法では、私権を排除して所有権まで奪ってしまうのだ。あまりに均衡を失するではないか。したがって、占用権についての、荒れ地にあらざるものの解釈をどう解釈するかということで実は論争いたしました。私は、行政慣例から言うと、荒れ地にあらざるものというのは、行政解釈では、畑が畑でなくなったものは荒れたものだ、こういう解釈をして今日まで行政をしてきておる。しかし、新河川法では、そういう解釈では均衡があまりにもとれない。そこで荒れ地とは、旧所有者がそこに価値を認めなくなったものが荒れ地なんだ。所有者が価値を認める限りは荒れ地でない、こう解釈すべきではないか。もっとざっくばらんに言えば、今回河川区域に認定されても所有権を排除しないゆえんのものは、河川管理上必要な一切の制約に服すれば、その他は所有権を持たしておいてもいいではないか、こういうことに発しておるはずなんだから、私権を排除したときにも、私権を排除したという形式上の姿はとっておるけれども、実質上は、河川管理上必要な一切の制限に服すれば、その他のものは占用権という名前で旧所有権者に与えてもいいではないか、こういう解釈のしかたをしたらどうだという議論をしたわけです。当時河野建設大臣は、原則としてはと、特に頭へつけ加えて、そのとおりでございます。こう答えておるわけなんですが、今日この時点で河川局長並びに大臣はどのようにお考えになるか、ひとつ明らかにしていただきたい。
#62
○瀬戸山国務大臣 最後に栗原さんがお話しになったような解釈でけっこうだと思います。
#63
○古賀政府委員 大臣の御意見と同じでございます。
#64
○栗原委員 まだなかなか尽きないことも多いのですが、本日は以上をもって質問を終わります。ありがとうございました。
     ――――◇―――――
#65
○田村委員長 この際、海岸法の一部を改正する法律案、都市開発資金の貸付けに関する法律案及び交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法案を一括議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。建設大臣瀬戸山三男君。
#66
○瀬戸山国務大臣 ただいま議題となりました海岸法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその要旨を御説明申し上げます。
 御承知のとおりわが国は四面海に囲まれ、気候風土はもちろん社会経済全般にわたり海の影響を受けるところ大なるものがあり、特に最近の臨海地帯における産業経済の目ざましい発展にかんがみましても、津波、高潮、波浪その他海水または地盤の変動による被害から海岸を防護する海岸保全の重要性は、きわめて大きなものがあります。そのため、昭和三十一年に海岸法が制定され、海岸の管理責任が明確になるとともに、海岸保全事業の推進がはかられてまいったのでありますが、なお海岸保全施設の整備の立ちおくれが目立っている状況であります。そこで、海岸保全施設に関する工事のうち、事業量、事業効果ともに著しく大きい一連の海岸にかかわるものに要する費用についての国の負担率を引き上げることにより、海岸保全事業の強力な推進をはかることとし、これに必要な法律改正として、海岸法の一部を改正する法律案を提出いたした次第であります。
 次に、この法律案の要旨は、政令で定める一定の地域において主務大臣が施行する海岸保全施設に関する工事に要する費用につきまして、国の負担率を二分の一から三分の二に引き上げるものであります。
 以上が、この法律案の提案理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願いいたします。
 次に、同じく議題となりました都市開発資金の貸付に関すに法律案につきまして、提案の理由及びその要旨を御説明申し上げます。
 最近における大都市への著しい人口の集中に伴い、市街地の再開発を推進するとともに、都市形成の骨格となるべき主要な公共施設を計画的に整備することが緊急の要請となっております。
 東京、大阪等の既成市街地には多数の工場が混在して公害を発生させるなど、環境悪化の原因となっておりますので、これらの地域から他の地域へ移転しようとする工場等の敷地を地方公共団体が買い取ることによって、工場等の移転を促進するとともに、移転あと地を将来総合的な計画に基づいて行なわれる市街地の整備改善のために利用することにより、市街地の再開発を計画的に推進することが必要であります。
 また、都市計画として決定された主要な公共施設の予定地については、地方公共団体がこれを買い取ることによって予定地内における建築等を抑制し、将来主要な公共施設の整備の計画的な施行を確保する必要があります。
 このように、大都市における都市の機能を維持し、及び増進するために行なわれる事業の用に供される土地を地方公共団体が先行的に取得する場合において、国が地方公共団体に対して、長期、低利の資金を貸し付けることとする必要がありますので、ここにこの法律案を提出した次第であります。
 以下、この法律案の要旨を御説明申し上げます。
 第一は、国は、地方公共団体に対し、首都圏の工業等制限区域または近畿圏の工場等制限区域内の工場等の敷地で、計画的に整備改善をはかる必要がある区域内にあるもの及び政令で定める大都市の秩序ある発展をはかるために整備されるべき主要な道路、公園等の公共施設で都市計画として決定されたものの区域内の土地の買い取りに必要な資金を貸し付けることができるものとしております。
 第二は、貸し付け金の利率及び償還方法について定めております。
 なお、この法律によります貸し付けに関する政府の経理を明確にするため、都市開発費金融通特別会計を設置することとし、今国会に都市開発資金融通特別会計法案を提出しております。
 以上が都市開発資金の貸付けに関する法律案の提案の理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決くださるようお願いいたします。
 次に、ただいま議題となりました交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法案につきまして、提案の理由及びその要旨を御説明申し上げます。
 最近の道路における交通事故の増加は著しく、昨年の交通事故による死傷者は、死者一万二千五百人、負傷者四十二万人にのぼっており、大きな社会問題となっております。
 人命の尊重は何ものにも優先すべき事柄であり、国民の大きな不安のもととなっている交通事故については、早急にその防止対策を講ずる必要があります。
 このような交通事故のうちには、横断歩道橋、信号機、歩道その他の交通安全施設が整備されていたならばその発生を防止できたと思われるものも相当数にのぼると考えられます。もとより、従来から都道府県公安委員会及び道路管理者におきましては、交通一安全施設を整備し、道路における交通環境を改善するようつとめてまいったのでありますが、遺憾ながら地方公共団体の財政的理由等により交通安全施設等の整備が著しく立ちおくれているのが現状であります。
 このような現状にかんがみ、政府としましては、現に交通事故が多発している道路その他緊急に交通の安全を確保する必要がある道路につきまして交通事故の防止をはかるため、交通安全施設等整備事業三カ年計画の作成その他交通安全施設等整備事業の実施に関して必要な事項を定め、もってこれらの事業を飛躍的に促進する必要があると考え、この法律案を提出することといたした次第であります。
 次に、この法律案の要旨について申し上げます。
 第一に、国家公安委員会及び建設大臣は、緊急に交通の安全を確保する必要があると認められる道路を、都道府県公安委員会及び道路管理者の意見を聞いて、昭和四十一年度以降三カ年間において交通安全施設等整備事業を実施すべき道路として指定することといたしました。
 第二に、国家公安委員会及び建設大臣は、昭和四十一年度以降三カ年間において実施すべき交通安全施設等整備事業に関する計画の案を作成し、閣議の決定を求めなければならないことといたしました。
 第三に、都道府県公安委員会及び道路管理者は、指定された道路について、協議により実施計画を作成して、この計画に従って交通安全施設等整備事業を実施しなければならないことといたしました。
 第四に、交通安全施設等整備事業に要する費用についての国の負担または補助について、特別の定めをして事業の促進をはかることといたしました。
 以上がこの法律案を提出する理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願いいたします。
#67
○田村委員長 以上で提案理由の説明は終わりました。
 各案についての質疑は後日に譲ります。
     ――――◇―――――
#68
○田村委員長 建設行政の基本施策について質疑を続行いたします。稲富稜人君。
#69
○稲富委員 時間がありませんので、私、簡略に二、三点について質問いたしたいと思いますので、これもまた簡略に御答弁を願いたいと思うのでございます。
 まず、最初にお尋ねいたしたいことは、工事契約についてお尋ねいたしたいと思うのでございます。会計法二十九条によりますと、工事契約は一般競争契約、指名競争契約、随意契約の三通りに指定されていることは御承知のとおりでございます。しかもこれは原則といたしましては、一般競争契約というものがうたわれておるのでございますが、現存実際に行なわれておるのは指名競争契約が多く取り扱われておると思うのでございます。この点の事実はどうでございますか。
#70
○瀬戸山国務大臣 お説のとおりであります。
#71
○稲富委員 そうしますと、まず原則を離れて、指名競争契約を主にやっているということにもどうも事情があるだろうと思うのであります。さらに、ほとんど現在実施されております指名競争契約、はたしてこれが指名競争契約といわれるように競争契約が行なわれているかどうか、この点は事実をどういうように解釈していらっしゃるのか、この点も承りたいと思います。
#72
○瀬戸山国務大臣 これは一般競争入札というのが理想的理論であろうと思います。ただ御承知のとおり、工事の質、規模、それに応ずる工事を施行いたします業者と申しますか請負者、その規模、資格、あるいは経験、意思、それと合わせなくちゃなりません。ただ御承知のように、十万近い建設業者、あるいはそれ以上かもしれませんが、そういう人がだれでも、どの事業でもできるという状態でございませんので、おおよそこのくらいの工事にはこのくらいの規模、いろんな技術、経験等がある人、いわゆるそれにふさわしい人を選んで、そしてある程度範囲をきめて、その工事に入札する資格があるということを一応選考いたしまして、それに適当な工事をさせるということが適当である、こういうふうなことから、おおむね建設省ばかりでなくていわゆる公共事業等の仕事をやらしておる、こういうことでありまして、それ以上はさっきお話しになりました各種の法規に従って入札をして落札をする、こういうことになっておるわけであります。
#73
○稲富委員 それで、ただいま私お尋ねいたしますのは、会計法二十九条によりますと、一般競争契約ということが原則なんです。その原則にのっとることが非常に困難であるという事情があるとするならば、この法の改正というものになぜ取り組まないのか、またその法の改正の必要があると思っておられないのであるか、少なくとも法が原則論を出しておる以上は、その原則によることが当然であって、しかもその原則によることが不都合であるとするならば、この法に対する改正なり何らかの方法をとるのが当然であらなければならないと思うのでありますが、この点は工事契約の主体をなしておる建設省のほうではどういうふうに解釈をされておりますか、承りたい。
#74
○瀬戸山国務大臣 一般論としては、一般競争入札のいわゆる原則を廃止する法律の改正は要らないと思います。建設業のさっき申し上げました事情はおわかりになったと思いますが、入札には物品その他いろいろな入札があるわけでございますから、必ずしもその原則を廃止する改正は必要であると考えていないわけであります。
#75
○稲富委員 その点はどうも、法律は原則論をいっているし、原則論がある以上は、原則に乗らないで施行する、便宜上原則に乗ることが非常に不便であるとするならば、その原則による会計法をそのまま置いておいて、そして原則をそのまま全然採用しないのだということには矛盾を感じられないのか。これは実際の仕事においては差しつかえないとしても、法理論的に言うならば、法律的に原則がうたってある以上は、これによらなければいけないというのが法理論的な解釈になると思いますが、その点はどうでしょう。
#76
○瀬戸山国務大臣 先ほど申し上げましたように建設工事等は、重ねて申し上げませんが、ああいう特殊なケースでありますから、いわゆる一般公募入札というものはこれこそ原則として不適当である。けれども入札をする場合には、私こまかく知りませんけれどもいろんな場合がありますから、あるいは一般公募でやる場合もあるわけです。したがって、その原則を廃止する改正は、必ずしも必要でなかろう、こういうことであります。
#77
○稲富委員 それではさらに、いま指名競争契約が行なわれておる、競争契約である以上は、入札によってお互いの意思を通じないで競争入札をすることは当然であると思うのでありますが、実際はこういうことが現存の段階において行なわれておると思われておるかどうか、ほんとうに競争入札が行なわれておるかどうか、この点はどういうふうに見ておられますか。
#78
○瀬戸山国務大臣 私、内部のことを一々見ておりませんからよくわかりませんが、いろいろ想像したり聞いたりいたしますと、やはりその仕事についてはどういう見積もりをすべきであるか、どの程度のものであるかということを、お互いに指名を受けた業界においてもいろいろ検討するのだと思います。めちゃくちゃにやるということは、仕事の結果から見ても必ずしも適当でありませんし、いろいろ法律に書いてありますように、不正な手段を用いるとか、あるいは入札として非常に不適当であるとかいう場合がありますれば、会計法その他によりまして厳重な処断をいたしますが、そういうふうに不適当な結果を及ぼさないものは、いわゆる公入札で現に入札をしておるわけでありますから、その間において被指名者がいかなる研究をするかということは、あえて干渉すべき問題ではないといま判断いたしております。
#79
○稲富委員 もちろんそれは、大臣が大きな腹をもって研究することは差しつかえないだろうと思います。しかしながら、もしもこの入札に対して指名競争入札者が話し合いをし、入札金額等も話し合って、順序等も決定して入札をする、こういう事実があったとすれば、こういうものはやむを得ないことだ、そういうふうに解釈をされておるのでございますか、この点を承りたい。
#80
○瀬戸山国務大臣 やむを得ないというよりも、その結果非常に不当な入札が行なわれた、あるいはよく世間でいわれておりますように、談合等の不当な行為が行なわれておる、そういうことは法律上許しませんから、そういう事態が起こりますれば、われわれとしては指名の取り消しその他の手段によって処断をすることは当然だと思っております。
#81
○山下委員 関連。いまの大臣のお考え、きわめて重大な問題だと私は思うのです。さきに建設関係をめぐって、選挙資金云々で官房長が辞職をされなければならないという事態の起きたことも御承知であろうと思うのであります。こういういわゆる公入札によらない工事関係の決定、そのようなことが、いろいろな情実を生み、あるいは業者間の談合となり、不正行為が行なわれる原因をつくるのではないかとわれわれは心配をするのであります。したがいまして、法律の中に、ただいま同僚稲富君が申されましたように、公入札で行なわなければならないと規定されておるところは、そこにあるのじゃないかと思うのでありますが、さような弊害等に対して、一体大臣はいかようにお考えになっておりますか、伺いたいと思うのであります。
#82
○瀬戸山国務大臣 私は公入札が不適当であるということは考えておりません。ただ、いわゆる純然たる一般公入札ということは、必ずしも建設事業については適当でないというのが普通である。たとえば何かの橋を発注いたします場合に、一般にどなたでもいいからということでは適当でない、やはりそれに相応する技術あるいは経験、資金あるいは人的構成、いわゆるそれをやり得る可能性を持っておるという資格を審査してそういう人々を何人か指名をしてやる。そして公然と入札をしてもらう。これが適当であるという判断で、従来からやっておる。全国的な問題であります。地方公共団体も同じやり方をする、こういうことを申し上げておるわけであります。
#83
○山下委員 きょうは関連質問でありますから、またいずれ他の機会に私の質問を申し上げる機会を与えていただくことにしまして、これ以上深追いはいたしません。
#84
○稲富委員 それで、ただいま大臣の口からも指名競争入札における談合ということばが出たのでありまするが、往々にして談合等が行なわれておるということは、内々御承知だろうと思うのであります。少なくとも、もっと明朗な工事契約というものが行なわれるような、こういう処置を考えておられるのであるかどうか。またそういうことをやる必要があるのではないか。こういう点から、私はこの入札に対して、ただいま山下議員が言いましたように、一般競争契約ということを原則論としてうたっておるということは、これは談合等が往々行なわれるから、そういうことを防ぐのだということがまず原則論としてあると私は思う。ところが実際これをやるということは、非常に広範囲であるし、事実上非常に困難な場合が多いというところから、指名競争契約というものを採用しておるというのが事実であろうと思う。ところがこの指名競争契約を行なう場合に談合等が行なわれる、また業者間に一つの圧力が加わる、こういう問題も往々にしてあっておりますから、こういう点を除去するためには何らかの方法を、これは政府として当然考えて、最も明朗な入札行為が行なわれるように、こういうことを考えることが、当然じゃないかと思うので、この点をただしておくわけでございますが、これに対する大臣のお考えを承りたい。
#85
○瀬戸山国務大臣 いまの稲富委員のおっしゃったことは全くそうだと思っております。ただ私ども一々業者にいろいろお話をするわけじゃありませんから、それはわからぬこともありますけれども、おっしゃることは当然だと思っております。将来とも、そういう点でよく気をつけるようにいたしたいと思います。
#86
○稲富委員 それからこの機会にいま一つこの点についてお尋ねいたしておきたいと思いますことは、かつて戦前におきましては、議員に職を奉ずる者は、あるいは県会議員は県の工事はやれない、市町村会議員は市町村の工事をやれない、こういうような規定があったけれども、いまでは姿を隠して、いろんな権力の座にある者が請負工事をやるとか、こういうことでしばしば問題を起こしております。こういうことに対しても、何らかの一つの規制というか、方針を立てる必要があるのではないか。われわれは法改正とともに、こういう問題に対しても何か考える必要があるのではないかと思いますが、この点に対してはどういうふうにお考えですか。
#87
○瀬戸山国務大臣 政府委員からお答えいたします。
#88
○鶴海政府委員 現在の会計法におきましては、そのような規定による制限はございません。
#89
○稲富委員 規定がないからいろいろ弊害が生じておるのだから、何かこういうような規定を設ける必要がないかということを私はお尋ねしておるわけです。
#90
○鶴海政府委員 建設省関係のほうにおきましては、そういう関係で弊害があるという事例はできておりません。
#91
○稲富委員 できていないということで簡単に片づける問題ではない。わからなければ事例はたくさんありますからお知らせしてもいいが、時間がありません。要するに、現に地方におきましても県会議員に職を奉ずる者が県工事をやって、そしていろいろ指名のときに問題が起こってくるわけなんです。こういうような弊害が往々生じております。指名のときに談合のできるような人を指名に入れる。これは自分の地位を利用し権力を利用してこういうことをやる弊害があるわけであります。だから建設省も、そういう弊害がありませんからといって傍観してこれを放任すべき問題ではない、かように考えますが、この点はいかがか。建設省でも、ただいま山下委員が言いましたように、全く建設省の中からもそういう問題を生じてくるのでありますから、こういうことを考える必要があると思います。
#92
○瀬戸山国務大臣 私、不敏にしてこまかい実例を承知しておりませんが、いまお話しのようなことは必ずしもないとは限らないと思います。でありますから、私どもは指名をいたします場合に公平を旨としておる、この一語に尽きるわけであります。しかしどなたが受けられるかということは、これは入札の結果でありますからこちらからとやかく言うべきものじゃありません。ただ、いまお話しのようなことが実例としてある場合もあると思います。今後よくそういう点を注意いたしまして、都道府県庁に比較的事例があるのじゃないかと思いますが、これは直接でありませんけれども、私どものほうからやはりそういう指導をいたしたい、かように考えております。
#93
○稲富委員 これは結論というものはいま大臣が言われたように公平なしかも明朗な契約をすることが必要であるし、あるいはこの指導も十分建設省でやらなければいけないと思う。指導だけではできないときには場合によったら法の改正もやらなくちゃいけない。そういうことが最も必要であると思えばこそ、われわれがこういうことを言っているのであって、これに対してはよく検討してもらいたい。いま申し上げましたように、原則論で触れないからということで指名契約等の競争が行なわれているのだから、この点の趣旨も十分勘案して、これが実施にあたっては明朗な制度、明朗な競争が行なわれるようにしなければいけない。さらにまた一つは、こういうことになりますと最近非常に地方においては大企業が進出してくる。そして中小業者というものが非常に押えられるというような傾向にあるので、この点のこともあわせて、公平にやるという意味からその性格、性質等も検討して入札、指名等には考えるということも、これは一つの政治上の問題として考えなければいけない問題ではないか、こう考えるわけなんです。こういうことに対する考え方を承りたいと思います。
#94
○瀬戸山国務大臣 いまの前段のことは今後よく注意をいたすようにいたしますが、後段にお話しになりましたことは、これは従来からしばしば当委員会などでも問題として検討されております。実際問題として建設業界は御承知のように大中小、小の小まで非常にありますから、しかも最近、経済の停滞等によりまして民間事業というものが少なくなった、大企業が中小の工事に非常に、まあ手を出すといいますか、入り込んでくる。こういう事態に対して中小企業――一般の中小企業もそうでありますが、建設業の中における中小企業の育成強化、こういう点からも従来しばしば私どもも検討いたしましたし、当委員会でもいろいろ御議論になっているわけでありますが、最近とみにそれが顕著になってきている。これに対しては対策を講じなければならない。ただ、さっき申し上げたように、やはり一種の競争入札でありますから、そこの問題は、あるいは指名業者をどう選定するかということにかかってきております。単なる一般競争入札では全部、それこそことばが言い過ぎかもしれませんけれども、弱肉強食の事態が起こる。したがってこの程度の規模であればこの程度の業者でよろしいという判別はきわめて必要である。したがって、御承知のとおりにまあ発注事業に応じてランキングをきめておりまして、最近、数カ月前でありますが、中央建設業審議会にもはかりまして、その区別の帯価等も引き上げるようにいたしました。と同時に、これは従来からもその点について手を加えて、一定の規模以上の――いわゆるA、B、C、Dといろいろやっておりますが――ものはあまり下のほうには入れないような規制も行政的にいたしておりますけれども、これも法律上やっておるようなきびしいこともできませんので、なかなか弊害が多い。特に最近は、御承知だと思いますが、大業者がそれぞれ地方に支店、営業所、出張所等を設けまして、それがあたかも独立採算みたいに、地方の中小企業と同列のかっこうで地方のほうに入り込む、こういう事態が非常に多くなっておりますから、この点を相当調整をいたしませんと、いわゆる地元業者、あるいは中小企業が非常に圧迫を受けておる。こういう点については、さっきも申し上げましたように事業の発注単位を相当引き上げまして、いわゆる中小以下の業者も相当な程度の仕事ができるような措置を講ずる。と同時に、相当規模の、いわゆる上の級の業者は、ある一定の規模以下のものには指名をしない、こういう方法も講じております。これは党の話でありますが、自民党においても特に政調部内においてこの問題を取上りげられまして、このいわゆる調整をはかり、一つの基準をつくろうではないかということで、そのほうもいま御検討を願っておりますが、もちろん建設省としても検討いたしております。
 特に申し上げておきますが、今後は旧二級国道をだんだん直轄で大規模な工事をしていきますから、この点で、もとは都道府県が発注しておりましたのは建設省直轄で発注するようになる。そうすると全部大業者が入るということになりますと、中小業者、地元業者、非常な圧迫を受ける。そういう点もありますから、そういうことのないようにということで、せっかく従来もそうしておりましたけれども、もっときびしい行政手段を講じよう、こういうことで四十一年度からは特にその手段、方法を講じたい、かように考えておるわけであります。
#95
○稲富委員 この点につきしては、指名競争入札のいいところを生かして、十分ひとつ中小企業者、地元業者等を生かすような方法をお考えいただきたい。大臣もそのようでありますから、これに対する質問は終わりたいと思います。
 次に、住宅対策について聞きたいと思いますけれども、時間がありませんので、ただ一言だけ建築関係についてお尋ねしたいと思うのでありますが、最近、火災等の結果から見ますと、不法建築のための犠牲者を出したということがよくあるわけでございます。かつて建築基準法というものが制定された。しかもこの建築基準法の目的は、国民の生命、健康、財産の保護をはかるということがその目的になっておるのにかかわらず、不法建築が非常に多い。それがために人の生命をなくするという事犯がたくさん起こっておるのでありますが、政府はこの建築基準法の実行にあたってはどういう指導、どういう対策をやられておるのであるか、この機会に承っておきたいと思います。
#96
○瀬戸山国務大臣 こまかい点については住宅局長から御説明申し上げますが、いまお話しのとおりに、建築については建築基準法、あるいはその他消防法等によって、災害が起こらないようにということで非常な注意をいたしております。注意をいたしておりますが、無届け、不法建築等、なかなかこれを全部取り締まるということは、相当広範囲でありますから手が届かない場合がかなりあるわけであります。と同時に、建築基準法に従った建築をいたしましても、その後の構造変化等によっていわゆる災害の発生、あるいは災害時に困るというような建築構造になっている場合もある。こういう点がありますので、こういう点に注意をして極力進めたい。ただ、都道府県等において、あるいは町村、市等において手が足らないでその手が及ばない、こういう事態がありますが、最近特にそういう建築構造のために死傷者が出るという事態が起こりますから、今後特に一そうの注意をしなければならぬ、こういうふうに考えております。あるいは建築基準法を改正すべき必要も考えておるわけであります。もう少しこまかい点については、住宅局長から御説明申し上げます。
#97
○尚政府委員 いま大臣がお話し申し上げましたように、具体的にこれを是正する方法といたしましては、まず建築基準法に定められました建築確認申請というものを周知徹底して励行させることであると思います。御承知のように、無届けで建築する者はまだ必ずしも絶無になっておりませんので、これにつきまして、いろいろな角度からこれを周知徹底するということでございます。
 それから建築主事を置いております特定行政庁で、たとえばパトロールの設備としての自動車とかオートバイとか、そういうものもちゃんと整備いたしまして、巡回体制を強化いたしまして、無届けで出ている建築というようなものを早くつかまえることを極力すべきであろうと思います。
 それからいま一つは、確認申請をいたしまして、ちゃんと竣工検査をいたしましても、その後その建物の利用状況につきまして、いまの建築基準法ではこれを全部規制することができないことになっております。そのうち、建築構造をいじります問題につきましては、一定以上のものについては定期検査の制定があり、またあるいは届け出て模様がえをしなければならないようになっておりますけれども、小規模のものはこの模様がえを自由に許しております。ところがそういう場合にも、一つは合法的にいじってしまう場合と、もう一つは当然届け出なければならないのに、黙って壁をはずしてしまうというようなことがございます。先般の川崎の事故なども、鉄筋コンクリートの壁が、申請をせずに一部取り払われていたということがあとでわかったというようなことがございますので、これらを是正するためには、必要ならば法律改正をいたしまして、いまよりももっと小規模な模様がえ等についても確認申請を出させるようにすること、あるいは定期検査をもっと強化するというようなことをしなければならないと思っておりまして、そういうような問題につきまして、建築基準法の改正ということを検討いたしたいと思っております。
 なお、単に建物はいじりませんでも、その利用状況が非常に危険物を持ち込んだりなんかする、その辺の取り締まりはまことにむずかしいことでございますが、これらにつきましては消防等ともよく協力いたしまして、その辺の取り締まりのほうも強化したい、そういう角度で必要な法改正を検討いたしたいというふうに考えております。
#98
○稲富委員 よく事故が発生して、その事故の発生した結果から見ると、不法建築をやったがために注意をしておった。その注意に応じないうちにこういうような事故が起こったということをよく聞くのです。私は、こういう点を指導というか、取り締まるのが非常に緩慢ではないかと思うのです。いま大臣がおっしゃるように、人手が足りないからこういうことになったのではこれは通らないので、人手が足りないならば人手をふやして、これに対する取り締まりあるいは指導を強化する必要があるのではないか。あるいは現在の法において不備があれば法改正をすべきであって、人命に危険を与えないような徹底的な方途をとることが最も必要ではないか、こういうように考えるわけなんです。こういうことに対する国としての責任ある対策をひとつ承っておきたいと思います。
#99
○瀬戸山国務大臣 先ほど申し上げましたように、また住宅局長から申し上げましたが、将来ともに、そういうことのないように、できるだけの努力をいたしたいと思っております。
#100
○稲富委員 時間がありませんのでもう一点だけ。
 これは河川関係のことでお尋ねしたいと思うのでございます。御承知のごとく、最近水資源の利用開発というものが非常に大きな問題になって、急速にこれが対策をやらなくちやいけないという問題が起こってまいりますことは、これはもう当然であると思うのでございます。ただ、そのときに問題になることは、この水資源の利用開発をやると、従来の水に対する一つの既符権というものがある、この既得権との関係をいかに調整するかということに大きな問題があると思うのでございますが、これに対しては建設省としてどういうように基本的な考え方を持っておるのであろうか、承っておきたい。
#101
○瀬戸山国務大臣 先般新河川法を国会で御審議願うときも、また新河川法を制定する場合にも、その問題が大きな問題でありました。新河川法においては、従前の流水の利用はこれを認める、これが原則になっておるわけでありますが、その調整はもちろん皆さんと協議で、御理解を得てやるこういうことで河川法の論議が進んで制定されておる、こういうことであります。
#102
○稲富委員 この既得権の侵害をしないということを基本的に考えてやらなくてはいけないということは最も必要であると思うのでございます。
 それと同時に、さらにお尋ねしたいと思いますことは、将来この水資源の利用が起こりますと、現在の状態からいいますると、ほとんど一級河川を利用するということですべてを計画する。ここに非常に無理があるのではないかと私は思うのです。各地方の例があるのでございますが、たとえば九州なら九州で見ると、筑後川の水をどう利用するかということに全力を傾注する ここに大きな問題がある。河川は一級河川ばかりでなくて、二級河川、中小河川もたくさんあるのでございますから、こういうような中小河川の水資源というものをどういうように利用できるかということも、これはやはり総合的に立案をする必要があると私は思う。一つの大きな川にのみ依存するということに無理があります。それで、これは当然将来水資源というのは不足しますので、すべての河川を総合的に利用計画するということをやらなければいけない。もちろん、今回の予算には、この総合的な中小河川の利用調査等もやるという予算も組まれておることは承知しておりますけれども、全国的な河川の利用を考えた場合に、これは、もっと大きな予算を組んで、もっと徹底的な、しかも急速なる調査の必要があると私は思うのでありますが、これに対してもっと真剣に取り組んでもらいたいということをこの機会に申し上げておきます。
#103
○瀬戸山国務大臣 お話しのように、従来は大河川あるいは一級水系等を中心に主として調査をし、あるいは水の利用をやっておりますといいますのは、御承知のとおり、日本の人口あるいは経済、これはほとんど大河川流域に集中しておる、どこでもそうであります。そういう意味で、どうしても急速に水を利用する、こういう必要に迫られて、大河川あるいは一級水系等のものに集中しておりました。しかし、今後の日本の経済というものは、そういうものばかりではいけませんの一で、水の利用は工業ばかりじゃなくて各地に多くなってくる、こういう観点から、いまお話しのように、水というものがどういう配置になっておるか、これをどう利用できるか、こういう点を国としては当然総合的に把握しておかなければならない、こういうことで、従来もそれを無視しておったわけではありませんけれども、いまお説のとおりにこういう点をできるだけ早く調査をし、水の状況を把握して、総合的に利用計画を立て、またこれを開発すべきである。また一河川だけではなかなかまかなえないところがたくさんあります。特に北九州あたりはそういう事情があるのでありますから、総合的にやるべきである。そういう意味で、額からいうと少ないかもしれませんけれども、従来にはなかった、そういう広域的な水の調査をする予算もできたわけでありますから、これは非常に膨大な仕事でありますので一挙にはできませんが、将来これはもっと、いまお話しのように力を入れなければならない、かように考えておるわけであります。
#104
○稲富委員 私、まだお尋ねしたいことがたくさんありますけれども、またいずれ機会があると思いますので、本日はこの程度にしておきます。
     ――――◇―――――
#105
○田村委員長 参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。
 建設行政の基本施策に関する件について次会の委員会において、日本道路公団総裁上村健太郎君を参考人として招致し、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#106
○田村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時二十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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