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1965/05/11 第51回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第051回国会 建設委員会 第24号
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1965/05/11 第51回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第051回国会 建設委員会 第24号

#1
第051回国会 建設委員会 第24号
昭和四十一年五月十一日(水曜日)
   午前十時三十五分開議
 出席委員
   委員長 田村  元君
   理事 井原 岸高君 理事 小金 義照君
   理事 服部 安司君 理事 廣瀬 正雄君
   理事 松澤 雄藏君 理事 岡本 隆一君
   理事 川村 継義君 理事 下平 正一君
      逢澤  寛君   稻村左近四郎君
      木部 佳昭君    佐藤 孝行君
      丹羽喬四郎君    湊  徹郎君
      森山 欽司君    山本 幸雄君
      渡辺 栄一君    井谷 正吉君
      石田 宥全君    金丸 徳重君
      佐野 憲治君    稲富 稜人君
 出席国務大臣
        建 設 大 臣 瀬戸山三男君
 出席政府委員
        建設政務次官  谷垣 專一君
        建 設 技 官
        (住宅局長)  尚   明君
 委員外の出席者
        議     員 江崎 真澄君
        議     員 増田甲子七君
        議     員 佐藤觀次郎君
        議     員 矢尾喜三郎君
        議     員 山本 幸一君
        議     員 竹本 孫一君
        専  門  員 熊本 政晴君
    ―――――――――――――
五月十日
 委員稲富稜人君辞任につき、その補欠として西
 村榮一君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員西村榮一君辞任につき、その補欠として稲
 富稜人君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
五月七日
 中部圏開発整備法案(増田甲子七君外八十五名
 提出、衆法第四三号)
同月十日
 土地収用法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第一四四号)
 土地収用法の一部を改正する法律施行法案(内
 閣提出第一五一号)
同月七日
 戦傷病者の公営住宅割当等に関する請願外一件
 (大橋武夫君紹介)(第四〇四一号)
 同(仮谷忠男君紹介)(第四一六五号)
 特殊土じよう地帯災害防除及び振興臨時措置法
 の期限延長に関する請願(池田清志君紹介)(第
 四〇八五号)
 既成市街地再開発法制定に関する請願(池田清
 志君紹介)(第四〇八八号)
 建設業法の改正反対等に関する請願(黒田寿男
 君紹介)(第四一六六号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
五月十日
 尾瀬分水反対に関する陳情書外二十五件(福島
 県伊達郡梁川町議会議長藤石潔外二十五名)(第
 三九四号)
 同(福島県石城郡小川町議会議長三辺寛)(第四
 五二号)
 東京周辺地区の住宅条件緩和に関する陳情書
 (東京都新宿区百人町三の二七三日本分譲住宅
 協会監事森下孝)(第三九五号)
 県道の全面舗装に関する陳情書外一件(福岡市
 薬院堀端七の一二三福岡県町村議会議長会長内
 山正盛外一名)(第三九六号)
 町村道改修費補助に関する陳情書外一件(福岡
 市薬院堀端七の一二三福岡県町村議会議長会長
 内山正盛外一名)(第三九七号)
 瀬戸大橋の早期建設に関する陳情書(岡山市大
 供二二の二岡山市連合婦人会長塩田寿代)(第三
 九八号)
 本土と四国を結ぶ連絡橋児島坂出ルート実現に
 関する陳情書(岡山市大供二二の二岡山市連合
 町内会長池田清一)(第三九九号)
 近畿自動車道舞鶴線の建設に関する陳情書(兵
 庫県議会議長野瀬善三郎)(第四〇〇号)
 北九州西部地域幹線道路の整備促進に関する陳
 情書(福岡市薬院堀端七の一二三福岡県町村議
 会議長会長内山正盛)(第四〇一号)
 四国幹線自動車道の建設計画に関する陳情書
 (宇和島市議会議長浅田末雄)(第四〇二号)
 奈良バイパス等の早期建設に関する陳情書(奈
 良県議会議長中谷幾蔵)(第四〇三号)
 建築基準法等の一部改正に関する陳情書(大阪
 府議会議長中井信夫)(第四〇四号)
 建築業法の改正反対に関する陳情書(調布市議
 会議長小林幸吉)(第四〇五号)
 河川法第二十九条に基づく政令の早期制定に関
 する陳情書(大阪府議会議長中井信夫)(第四〇
 六号)
 公営住宅入居資格の収入基準及び公営住宅標準
 建設費引上げに関する陳情書(兵庫県議会議長
 野瀬善三郎)(第四〇七号)
 大阪、海南市間の高速自動車道建設に関する陳
 情書(和歌山県議会議長山下柳吉)(第四五三号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 中部圏開発整備法案(増田甲子七君外八十五名
 提出、衆法第四三号)
 土地収用法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第一四四号)
 土地収用法の一部を改正する法律施行法案(内
 閣提出第一五一号)
 住宅建設計画法案(内閣提出第一一〇号)
     ――――◇―――――
#2
○田村委員長 これより会議を開きます。
 去る七日、本委員会に付託になりました中部圏開発整備法案を議題といたします。
#3
○田村委員長 まず、提出者から趣旨の説明を聴取いたします。増田甲子七君。
#4
○増田議員 ただいま議題となりました中部圏開発整備法案につきまして、自由民主党、日本社会党及び民主社会党を代表いたしまして、提案の理由及びその要旨を御説明申し上げます。
 国土総合開発法制定以来十有余年をけみし、この間、北は北海道より南は九州に至る各ブロックにそれぞれの地域開発ないしは整備法が相次いで制定、実施せられ、現に着々その成果をあげているところでありますが、ひとり東海三県、長野県のみは、いまだこの種の立法が行なわれず、国土の中枢部を施しながらいまなお法的に空白地帯として取り残されていることは、きわめて遺憾であり、均衡ある地域開発行政上まことに片手落ちであるといわざるを得ない実情であります。
 特に東海地方は、首都圏、近畿圏の中間に位し、わが国産業、経済の三大拠点の一つとして、地位的重要性をそなえ、将来の発展的役割りをになうものでありますが、近時、経済圏広域化の必然的趨勢にかんがみまして、この東海地区を中核とする太平洋ベルト地帯と北陸地方一円の日本海沿岸地域とを表裏南北に相結び、これに連なる内陸地域を含めて、これらを打って一丸とする広域的かつ有機的経済圏を形成し、長期的展望に立つ開発整備の計画を確立することがきわめて緊要であり、国家的要請であると思うのでございます。
 さらに他面、京浜、阪神二大都市圏の過大都市化に伴い、いわゆる過密都市対策の緊要性が、近時ますます重大な政治的問題となりつつありますが、中京地区においても、漸次、人口、産業の集中傾向が年とともに顕著となり、これを現状の推移に放置いたしますと、京浜、阪神が現に深刻に苦悩しつつある過大都市の疾患に見舞わるることは必至の情勢であり、この際、これらの前轍を踏まざるよう事前に適切な予防的対策を講ずる必要があります。
 このような見地から、中京先進地区の計画的整備とあわせて、その背後に擁する日本海に連なる広域な後進地域を一個の有機的経済圏として一体的に開発し、それぞれの特性を生かして、人口配置、産業立地の適正化をはかり、健全にして均衡ある地域開発の実をあげ、もってわが国産業経済の発展に寄与し、あわせて社会福祉の向上を意図して本法案を提出するものであります。
 次に、本法案の要旨について御説明申し上げます。
 第一は、本法案の目的でありますが、中部圏の開発及び整備に関する総合的な計画を策定し、その実施を推進することにより、東海地方、北陸地方等相互間の産業経済等の関係の緊密化を促進するとともに、首都圏と近畿圏の中間に位する地域としての機能を高め、わが国の産業経済等において重要な地位を占めるにふさわしい中部圏の建設とその均衡ある発展をはかることを目的といたしてございます。
 第二は、中部圏とは富山県、石川県、福井県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県及び滋賀県の区域を一体とした広域をいうものといたしまして、先進中京地区の過密化傾向に先行的予防措置を講ずるとともに、その一環として、裏日本北陸一円に連なる外延的開発を総合一体的に推進し、健全なる中部経済圏の広域的発展を遂げしむることをねらいといたしまして、北陸地方開発促進法、近畿圏整備法の適用地域たる富山県、石川県、福井県、滋賀県、三重県も本法に含めたのであります。
 第三は、中部圏開発整備本部を総理府の機関として新設することでございます。前にも縷述したように、本法の目的は、従来の低開発地域立法とは異なった、より高度の次元に立つものであり、自余の地域開発立法と混淆せらるべきではないのでございます。したがって、この際、近畿圏の方式に準じて独立の機構を創設し、実施体制を強化確立する必要があります。
 現行のこの種開発行政機構は、総理府、経済企画庁とも事務量が飽和状態におちいり、両者いずれも現有機能をもってしては、現実の問題として本法の実施運営は、とうてい不可能であると思量せられ、本法立法の趣旨にかんがみて、あくまで首都圏、近畿圏の先例に準ずる新機構を創設することであります。
 第四は、総理府に中部圏開発整備審議会を置き、内閣総理大臣の諮問に応じ、中部圏開発整備計画の策定及び実施に関する重要事項その他審議会の権限に属させられた事項について、調査審議すること及び内閣総理大臣に意見を述べることができることにいたしてあります。
 第五は、中部圏開発整備地方協議会という地元協議会を法制化し、中部圏の開発整備に関する重要事項を調査審議することとしたことでございます。
 この種の立法として、全く初めてのことでありますが、いわゆる中央の天下りでなく、あくまで地元のなまの声を十分に反映させ、中央、地方の気脈を有機的に相通ずる体制でございます。そもそも、法規制度は、既成概念に固定せらるべきでなく、時代の進展に応じて改善せられてしかるべきであり、この際、新たなる見地に立って、新例を開いたのでございます。
 第六は、中部圏開発整備計画の内容であります。
 基本開発整備計画及び事業計画といたしまして、基本開発整備計画は、中部圏における人口の規模及び配分、産業の配置、土地、水その他の資源の保全及び開発、都市の開発及び整備、交通体系の確立、教育の振興その他中部圏の開発及び整備に関する総合的かつ基本的な方針を定め、この方針に基づいて基本開発整備計画を定めるようにし、各事項について所要の規定を設けております。事業計画は、基本計画の実施のため必要な毎年度の事業で政令で定めるものについての計画といたしてあります。
 第七は、中部圏開発整備計画の作成及び決定であります。
 基本開発整備計画は、まず中部圏開発整備地方協議会の調査審議を経て基本計画の案を作成し、これを中部圏開発整備長官に提出、この案に基づいて、開発整備長官は、基本開発整備計画を作成、開発整備計画の決定は、内閣総理大臣が、審議会(事業計画については、審議会及び関係県)の意見を聞くとともに、関係行政機関の長に協議して決定することにいたしてあります。
 開発整備計画作成に際して、木地方協議会の機能は、本部−地元間の意思の疏通にきわめて貢献するところ大であると考えられるのであります。
 第八は、中部圏開発整備計画に基づく事業の実施にあたりまして、内閣総理大臣は必要があると認めるときは、都市整備区域、都市開発区域、保全区域を指定することができるものとし、各区域に関して必要な事項、特別の措置はおのおの別に法律で定めることにいたしてあります。
 第九は、中部圏開発整備計画と北陸地方開発促進計画、近畿圏整備計画との調整に関してでありますが、内閣総理大臣が中部圏開発整備審議会と北陸地方開発審議会、近畿圏整備審議会の意見を聞いて行なうものとして、重複ないしそごすることなきよう期しております。
 以上がこの法律案の提案の理由及び要旨でございますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決くださるようお願いいたします。
#5
○田村委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることにいたします。
     ――――◇―――――
#6
○田村委員長 次に、土地収用法の一部を改正する法律案、及び土地収用法の一部を改正する法律施行法案の両案を一括議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。建設大臣瀬戸山三男君。
#7
○瀬戸山国務大臣 ただいま議題となりました土地収用法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその要旨を御説明いたします。
 近年の地価高騰の実情にかんがみ、政府は、総合的な地価対策を逐次実施しつつありますが、その一環として、公共事業のための用地取得制度の改善をはかる必要があります。
 すなわち、公共事業における用地費は、事業費のうち大きな割合を占め、しかも年々増加の一途をたどっておりますが、公共事業のため値上がりした、いわゆる開発利益を含む土地価格で用地を買収することは、公共事業の施行が国民全体の負担において行なわれているものだけに、きわめて不合理であり、何らかの改善措置が早急に講ぜられる必要があります。
 現行の土地収用法は、収用する土地の損失補償について、収用の裁決のときの近傍類地の取引価格等を基準とすることとしておりますが、裁決時においては、事業が実施されることによる値上がりの期待をもって近傍地の地価は著しく騰貴しております。収用の時期がおくれればそれだけ値上がりを招き、いわゆるゴテ得の弊害を生じ、早期買収について協力を得ることが困難であったのであります。
 そこで、このような現行制度を改正して、開発利益の帰属の合理化をはかることが、社会の要請にこたえる至当な措置であると考える次第であります。
 すなわち、今回の改正案におきましては、収用する土地に関する補償額の算定の時期を原則として事業認定の告示のときとし、また、このような補償額算定の原則をとることに伴い、被収用者は収用裁決前においても起業者に対し、補償金の支払い請求を行なうことができることとし、その利益の保護をはかるための措置をとることといたしました。
 以上が、この法律案の提案の趣旨でありますが、以下、この法律案の要旨を御説明申し上げます。
 第一に、収用する土地に対する補償金の額は、近傍類地の取引価格等を考慮して算定した事業認定の告示のときにおける相当な価格に、権利取得裁決のときまでの物価の変動に応ずる修正率を乗じた額とすることといたしました。
 第二に、右の改正に対応して、土地所有者等の利益の保護をはかるため、事業認定の告示があった後、土地所有者等は、いつでも起業者に対し、補償金の支払いを請求することができることといたしました。
 第三に、大規模な事業等におきまして、全体の用地取得を初年度に完了することができない場合等を考慮いたしまして、起業者は、事業認定の申請にあたって、起業地の全部または一部について、収用手続を一時保留することができることといたしました。起業者は、この保留した土地について、必要に応じ都道府県知事に対し、収用手続の開始の告示を申請するものとし、補償額の算定、補償金の支払い請求等につきましては、手続開始の告示のときを事業認定の告示のときとみなすものといたしました。
 第四に、収用の裁決を権利取得裁決と明け渡し裁決とに分離いたしました。
 土地に関する対価補償を、物件移転料等の補償と切り離して、すみやかに権利取得の裁決をすることとし、起業者が、実際に土地を必要とするとき、または土地所有者等が希望するときに、あらためて、移転料等の損失の補償・土地・物件の明け渡しの期限等を内容とする明け渡し裁決を行なうこととしたものであります。
 なお、補償金の支払い請求の制度を設けたことに伴い、事業認定において起業地を確定することとし、そのため不要となる土地細目の公告の手続は廃止することといたしました。その他、これらの改正に伴い必要となった事項について所要の改正を行なうとともに、経過規定及び関連法律の改正につきましては別に法律で定めることといたしております。
 以上がこの法律案の提案理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決くださるようお願い申し上げます。
 次に、ただいま議題となりました土地収用法の一部を改正する法律施行法案につきまして、提案の理由及びその要旨を御説明いたします。
 政府は、地価対策の一環として、さきに土地収用法の一部を改正する法律案を国会に提出したのでありますが、この改正法の施行期日及び必要な経過規定を定め、並びに関係法律の改正を行なう必要があります。
 まず、改正法は、公布の日から起算して八月をこえない範囲内において政令で定める日から施行することといたしました。
 次に、改正法の施行の際、すでに現行法による事業の認定を受けている事業については、土地細目の公告を終わったものは現行法の手続によることとし、その他のものは改正法による手続保留の事業の認定を受けたものとみなすことといたしました。なお、事業の認定を申請中のものも、手続保留とすることといたしました。
 第三に、土地収用法を適用して収用または使用をする旨を定めた都市計画法等の各種事業法及び公共用地の取得に関する特別措置法、不動産登記法その他の関係法律について、必要な規定の整備を行ないました。
 以上がこの法律案の提案理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決くださるようお願い申し上げます。
#8
○田村委員長 以上で提案理由の説明は終わりました。
 両案に対する質疑は後日に譲ることにいたします。
     ――――◇―――――
#9
○田村委員長 次に、住宅建設計画法案を議題とし、審査を進めます。
 質疑の通告がありますので、これを許します。稲富稜人君。
#10
○稲富委員 本法案は、四十一年度より五カ年で六百七十万戸の住宅を建設して、一世帯一住宅を実現する、こういうことになっておるのでございますが、この六百七十万戸というものを策定された基礎はどこにあるか、この点を承りたいと思うのであります。
  〔委員長退席、服部委員長代理着席〕
#11
○尚政府委員 ただいまお尋ねがございました六百七十万戸を定めました基礎は、私ども人口の推計といたしまして、第一期の五カ年計画の終わります昭和四十五年の総人口を一億三百四万人と算定いたしました。そしてその九三・三%が通常の住宅を必要とするいわゆる普通世帯人口と考えまして、その数が九千六百十四万人と推計いたしました。そしてその四十五年当時における一世帯の平均の構成人員を三・八人と推定いたしました。その結果、昭和四十五年に住宅を必要とする普通世帯の数は二千五百三十万世帯と計算されるわけでございます。
 一方、住宅調査によりまして昭和三十八年度末の普通世帯数は二千百五十万世帯でございました。したがいまして、この三十八年から四十五年までの七カ年の間にふえます普通世帯の数は、差し引き三百八十万世帯ということになるわけでございます。
 次に、同じく住宅調査をいたしました三十八年度におきましても、住宅不足が現にございます。その不足数を二百七十八万戸、これは調査の結果計算いたしました。
 なお、住宅政策を立てます上におきまして、それから後の三十九年から四十五年までの間に、住宅が災害等によって滅失いたします、その滅失する数を補充する必要のある住宅が百四十三万戸。
 それから、住宅は常に一定の時期を限りますと、そのときにおいてあき家がある程度必要でございます。これは現にある程度ございますが、さらに五十二万戸あき家をふやす、そして全体として三%のあき家を保持するということを考えたわけでございます。
 以上申し述べましたように、世帯の増加に伴うものが三百八十万、それから現在の不足が二百七十八万、今後滅失するだろう住宅の補充が百四十三万、必要なあき家の増加が五十二万、以上合計いたしまして八百五十三万戸が昭和三十九年から四十五年までの間に建てられる必要があるわけでございます。これによって一世帯一住宅が実現いたします。
 しかるに、昭和三十九年と昭和四十年の二カ年においてすでに百八十一万戸の住宅が建設せられております。したがいまして、八百五十三万戸から百八十一万戸を引きまして六百七十二万戸、これを端数を整理いたしまして六百七十五戸この六百七十万戸が昭和四十一年度から四十五年に一世帯一住宅を実現するために必要となる戸数、かくて六百七十万戸を策定いたしたわけでございます。
#12
○稲富委員 私たちが聞いておるところによりますと、最初建設省が御計画になっておったのは七百六十一万戸でございますか、そのように聞いておったのであります。これは現在の住宅不足数はただいまおっしゃったように二百七十八万、滅失による建てかえの必要戸数はいま百四十三万戸とおっしゃいましたが、二百万戸大体見込んでいらっしゃったように聞き及んでおります。それから新規必要戸数が二百八十五万戸、こうしますと七百六十三万戸が大体当初の策定の基礎であったということは聞いておるのでございますが、それが今度の策定によりますと六百七十万戸に減っております。もちろん数字の問題でありますから、合わせるために滅失するもの二百万戸と見ておったのが百四十三万戸、数字の作文はどうでもできるわけでございますが、最初の計画から約九十万戸の減になった策定をされておるわけでございますけれども、こういうような状態ではたして住宅計画の万全を期することができるのか、この点の自信のほどをひとつ承っておきたいと思います。
#13
○尚政府委員 ただいまお話のございました当初の計画との差異でございますが、そのほとんど大部分の主たる原因は、この昭和三十九年から四十五年までの普通世帯の増加についての見込みにつきまして、最終案と当初案との間に数十万戸の差異があったということに、原因しておりまして、住宅不足数の二百七十八万戸、それから滅失住宅の補充が三十九年から四十五年百四十三万戸要るということ、それから必要なあき家の数が五十二万戸程度要るというこの数字につきましては前回とほぼ変わっておりません。
 いまお話がございました、二百万戸とおっしゃられましたのは滅失住宅の補充の百四十三万戸と必要あき家戸数の増加分五十二万、これを将来滅失等によって必要なということでくくったことがございます。それで、それが合計二百万と表現されたのを御記憶ではないかと思います。
 以上のような現状と滅失戸数等に対する対策等につきましては在来と数字がそう変わっておりませんが、一番大きく変わりましたのは、昭和四十五年におきます普通世帯の構成が何人になるかというところに大きな問題があるわけでございます。総人口は前の計画におきましても同じく一億三百四万人と計算いたしました。それから普通世帯人口、いわゆる家を必要とする人口、これは今度は逆に解しますと、単身等で下宿などをする人を除いたものでございますが、この単身等で家を必要としない人の数につきまして若干の修正をいたしまして、当初案ではその数が六・三五%程度であろうと考えましたのを、六・七%程度そういう準世帯等があるという計算をいたしました。これで若干の差異がございまして、普通世帯人口が当初案では九千六百五十万人、最終案といたしましては九千六百十四万人と約三十万人ほどの開きが出たわけでございますが、それよりもさらに大きいのは、先ほど申しました、御承知のように世帯を構成している人員が、次第に世帯細分化によって小さくなっておりますが、その見込みにつきまして、当初は三・七人になるだろう。ただいまの案では三・八人として計算いたしております。
 これにつきましては政府部内でもいろいろな推算について議論があったわけでございます。私どもは過去の世帯構成人員が減っていく傾向から考えまして三・七人という数字を出したわけですが、一方の議論といたしましては、過去ここ数年間というものは経済が非常に高度成長した時期であって、したがって都市への人口が非常に集中する、それから世帯の細分化ということも非常に強いカーブで行なわれる。したがって、それを延ばしたような三・七人というのは少し度合いが過ぎはしないか、これから安定成長政策をはかるとするならば、それが幾らか弱まって三・八人程度になるのではないか、この推算のところでいろいろの意見がありまして、その調整をいたしました結果、今回の計画ではこれからの安定成長という要素も入れて三・八人ということにいたしたわけでございます。この〇・一は、推定人口が約一億でございますので、それを割り算いたしますとかなりの違いが出てまいりまして、この結果約八十六万程度の数字の差異が出たわけでございます。
#14
○稲富委員 これは局長、率直に申して、大体建設省としては、当初の基礎としてはやはり七百六十万戸ぐらいの必要を目されておったのが、大蔵省との予算折衝の関係で十分出なかったから、いまおっしゃったような数字に切りかえて、基礎を変更されてこういうような六百七十万戸ということが出てきたというのがほんとうではないのですか。数字の策定は、基礎数字はどうでもできますので、その点今後の計画等に対して参考に伺っているわけでございますが、建設省としてはもっとやりたかったのだ、ところが予算の都合上十分の予算が認められなかったから、やむなくいまおっしゃったような基礎数字をはじき出して六百七十万戸で策定する、こういうようなことになったのではございませんか。
#15
○尚政府委員 もちろんこの総戸数が今度の五カ年でどれだけの数が要るかということは、あわせてこれのうちの政府援助をどれだけするかということにつながりますから、この数は財政上の計画ともかなり深い関係のあることは事実でございます。この場合端的に私どもの正直な感じで言いますと、私どもとしては、過去の傾向線を延ばして七百六十万戸程度要る、そうしてそのうちの一定の率を政府が援助したいというふうな計画で、私どもの計画からいきますとその高度成長時における世帯の細分化傾向をそのまま延ばしたようなことでございますから、そこまでいかないかもしれませんけれども、非常に安全側で多くとってあるというきらいは私どものほうにはあるわけでございます。財政当局のほうとすれば、いま言ったような関係もございますので、その数が三・七になるということは疑わしい、やはり三・八ぐらいで落ちつくのではないか、これは経済政策そのものが変更を加えているのだから、要するに人口の都市集中の度合いも少し弱まってくるであろう、したがって世帯の細分化傾向も弱まるであろう、この辺は端的にいいましてまだ将来五年後の推計でございますので、いろいろな角度から議論して、数字の傾向線というのは先についてある程度の幅の中におさまるわけでございまして、私どもはやや安全側の幅をとりたい、大蔵省としては、あるいはほかの推計等からはぎりぎり一ぱいでなく、三・八人ぐらいのところに落ちつくという公算もかなり多いではないか、こういう議論がありまして、全く財政上のことが考慮に入ってなくきまったわけではございませんけれども、どちらかと申しますと、この推論は、財政ということをおきまして、むしろ推計におきまして議論の分かれたところでありまして、これは究極のところ、今後数年この仕事を実施いたしましてその傾向が四十三年ぐらいになればどちらが正しかったかということがわかるという性質のものなのでございます。
#16
○稲富委員 この経過はそういう経過として、六百七十万戸で一応ひとつ策定してこれで間に合うのだ、こういうようなふうに自信を建設省のほうで持っていらっしゃるとすれば、一応これをひとつ私どものほうでも全力を注いでいただくことに希望したいと思うのでございます。私たちも従来のこういうような了解事項ではありましたけれども、それが今度はこの法案によって法的な裏づけをしようというような建設省のいまの措置に対してはわれわれも敬意を表するのでございますが、ただこの内容を見ますときに、これらの計画を具体的にどうして前進させるか、こういうことに対しても、この法案がはっきりしておりませんので、本計画を実行するのにどんな具体的な施策があるか、さらに本年度はどういうようなものを新しくやっていこうという御計画があるのか、その具体的な用意がありましたら、この点を承りたいと思うのでございます。
#17
○尚政府委員 おっしゃられますように、この住宅建設計画法案の内容は、在来と違って今後住宅事情の安定するまで、毎五カ年閣議で計画を決定をいたして、財政当局も含めた形での国の責任において計画を立てるというところに一つの主眼が置かれ、そしてそれに基づきまして、地方公共団体等もそれぞれの地域において計画を立てるという仕組みになっているわけでございます。そしてこの法律では、第七条で、この五カ年計画に必要なための事業の実施に必要な措置を講じるとともに、またそのほか六百七十万戸全体の達成のための措置を講ずようにという義務を課しているわけでございます。しかし全体にこの法律といたしましては、計画を立てることの手続と、それからこれに伴う実施について抽象的な義務を課したという形になっております。
 そこで、実際のこの計画の確保は、すでに御承知のように、おもなる法律といたしましては、公営住宅法、あるいは住宅金融公庫法あるいは公団法等、いろいろの個々の実施についての法律がございますが、そこにおいてこれを強化していくということに実際はなるわけでございます。
 さて、お話の、本年第からはどういう目立った政策がとられたのかというお話でございますが、まず総予算といたしまして、昭和四十年度は建設省所管の公営住宅あるいは住宅地区改良事業、あるいは住宅金融公庫、住宅公団、こういうものを合わせまして、政府関係で用意いたしました金が二千五百三十九億でございました。これが昭和四十年でございますが、今回約千億追加いたしまして、三千六百十億の資金を用意いたしまして実施しよう、そういうわけで、この第一年度に当たる時期に、在来と違って非常に大きく財政の資金をふやして事業の実施にかかる、これが全体を包括した問題でございます。
 そのほか、各事業につきましての戸数の増加もはかっているわけでございまして、四十年度は、いま申しました各種の事業で建設省所管関係が全部で二十四万七千五十五戸で昭和四十年度の当初の事業を計画したわけですが、これを約五万六千七百戸ふやしまして、三十万三千八百三十戸、ことしは第一年度として行なうということ。そのほかに厚生省あるいは労働省関係等の住宅を合わせまして四十万四千戸を政府施策としてやる。これを各省の分も含めますと、昨年は三十四万一千戸でございましたから、六万三千戸の増、こういうふうにいたしまして、相当思い切って戸数及び資金をふやすということを行なっております。また内容においては、住宅金融公庫におきます産労分譲住宅、あるいは公団におきましての特別分譲住宅、そういうような種類の持ち家制度を推進するような政策を個別にはいろいろの点で加味しているわけでございます。
#18
○稲富委員 そうしますと、本目標というものは、いま申し上げました六百七十万戸のうちの重要な政府施策としては二百七十万戸をとりあえず政府はおやりになる、こういうことになるようでありますが、この二百七十万戸というのは、全体の戸数からいうと約四割に当たるようなことになるわけであります。そういたしますと一年平均五十四万戸は住宅を建てる、こういう数字になるわけでございます。そういう計画でございますか。
#19
○尚政府委員 さようでございまして、この考え方は、御承知のようにわが国の各事業、住宅も当然でございますが、年々一定の伸びを持って実施されているのが過去の実績であります。わが国経済の発展に伴って、それぞれ一定に、相当の率を持って伸びているわけでございます。この点で申し述べますならば、在来政府施策住宅は、三十六年から四十年におきましては一一・四%ずつ毎年戸数を伸ばしておりました。これを今回の第一期五カ年計画では、四十一年度を初年度として、以降一四・六%ずつ伸ばしていこうという計画になっております。以上のような形で、ことしは四十万四千戸でございますが、今後一四・六%ずつ伸ばしていくことによって、二百七十万戸が達成できるという考え方であります。
#20
○稲富委員 そうしますと、本年度は大体政府の施策としては公営住宅が七万二千戸、改良住宅四千五百戸、公庫住宅が十七万四千戸、公団住宅が五万三千戸で、三十万三千五百戸になりますが、そのほかの厚生年金融資とかそういうものを含めて四十万四千戸を今年度に実現しよう、こういうことでございます。
#21
○尚政府委員 さようでございます。
#22
○稲富委員 そうしますと、四十万四千戸を今年度計画いたしましても、ただいま申し上げましたように、一年間の平均が五十四万戸ということになりますと、一年間の平均からして十四万戸ぐらいは不足するというようなことになるわけであります。もちろんこれはことしが当初の計画でありますから、そういうことになるかもわかりませんが、こういうものは将来非常に増大して、だんだんこの計画をふやしていく、こういうような大体のお考えでありますか。
#23
○尚政府委員 さようでございます。私ども先ほど申し上げましたように、四十一年度四十万四千戸、これを平均の伸び率として一四・六%ずつ伸ばしていく、これは必ずしもきっちり平均でとは考えておりませんが、一応いまの予算としては一四・六%ずつ平均伸ばしていく、こういうことにいたしますと、四十五年には約七十万戸政府施策住宅で建てるという考えでおります。
#24
○稲富委員 そうしますと、次にお尋ねしたいと思いますのは、ただいまの政府施策としておやりになるほかの十万戸くらいのものが厚生年金融資とかあるいは地方公共団体の貸し付け金というようなことによって足らざる分はやっていこう、こういうようなお考えのように承るのでありますが、公庫住宅としましてもあるいは厚生年金融資の住宅にいたしましても、これは当然投資者がその自己資金を出さなくちゃいけないということになるので、この貸し付けの単価が実際より非常に少ないわけなんです。こういうことに対しては政府は何とかお考えになる余地があるのでございますか。
#25
○尚政府委員 御承知のように建築費の高騰によりまして、とかく予算定めます単価が不足ぎみであるということは事実でございます。したがいまして、本年度におきましても、たとえば公営住宅につきましては工事費につきまして、構造によって区別がございますが、七%から一六%程度まで引き上げました。また用地費については一五%価額を引き上げるというようなことをやっております。ほかの、お話ありました厚生年金その他の住宅におきましても、おおむね同様な基準で引き上げを行なっております。いま私どもとして考えておりますのは、毎年引き上げる一方しかし価格の安定策ということが必要なわけでございますから、土地については地価の安定策をとり、また建築につきましては、御承知のように大量生産化によるいわゆるプレハブの普及というようなことを考えまして価格の安定策を一方で技術的に講じていくという、両面からこの建築費問題を解決いたしたいと努力しているわけであります。
#26
○稲富委員 この点で特に私お願いを申し上げたいと思うのは、公庫貸し付けの金額が非常に安い、四十年度は最高額が六十九万円でございますか、たぶんそうだったかと記憶しておりますが、御承知のとおり今日家一軒建てるのに土地から一切やりますと約二百万円は要るというのが大体の目安でございまして、こういう点から申し上げましても最高限度をもう少し引き上げていただかなければ、実際上活用が困難じゃないかと思うのでございます。こういう点に対して、これに依存して、大体住宅計画の一翼をになわせようとするならば、もっと積極的な貸し付け等に対する方法をとるということが非常に必要じゃないかと思うのでございますが、これに対してはどういうような含みがあるのか、お考えがあったら承りたい。
#27
○尚政府委員 おっしゃるとおりに、住宅の建設を一そう円滑化していくためには、やはり単価の問題あるいは融資金額の問題というものが非常に重要でございます。これにつきましては毎年、なるべく実情に近づくように単価の調整を行なうということをいたしております。で、在来はどちらかと申しますと、財政上の都合もありまして、その一年間に、たとえば建築費にいたしましたら、その値上がりした額だけを上げていくというようなやり方をやっていたのですが、四十年から四十一年の先ほど申しましたような単価増の場合は、単に年間の値上がりだけでなく、過去のひずみを一部解消したい。実は私どもとしては全面解消ということで財政当局等とも折衝したわけですが、おおむね過去のひずみの半分程度の解消、あるいは、これは公営住宅につきまして半分弱程度の解消という程度の額になったわけです。以上のようにいたしまして、確かにひずみがあるわけでございますので、これをなるべく早い時期になくすように努力していくということを考えております。また一方融資率の問題がございますが、御承知のように昨年御審議いただきました地方住宅供給公社による分譲持ち家、分譲住宅制度がございますが、あの場合も、従来は七五%融資でございましたのを、持ち家を持ちやすくするため八〇%融資に、五%引き上げということにいたしましたが、こうした努力は今後とも一そう続けていかなければならないというふうに考えております。
#28
○稲富委員 この点は政府も思い切ってやっていただかなければいかぬじゃないかと思いますので、これは建設大臣ひとつ努力していただいて、この貸し付け金の限度等を上げていただきたい。もっとこの公庫資金等によります住宅建設というものをやっていけるような方法を別途の形でやはり考えていただくというととが非常に必要だと思うのでございます。これは事務的な問題というよりも政治的な問題があると思いますので、この点に対する建設大臣としてのお心持ちを承りたいと思います。
#29
○瀬戸山国務大臣 いまのお話の点は率直に私どもは反省をいたしております。正直なところ、住宅政策の一番の魂の入っておらなかったところがそういうところにあると思います。なるほど資金融通の制度をつくり、そして住宅の計画もやっておりましたけれども、実際貸し出すものは、事実上実情と全然違ったものを貸し出す、まあ率直に言うとインチキだというような印象を与えておる、これでは政治の姿勢としても、また問題の住宅建設を充実する上から言ってもきわめて不適当である、率直に反省をいたしております。先ほど来局長から御説明いたしましたように、その是正につとめておりますが、あまりに従来の幅が広かったので一年で解消できない、こういう事情でございますが、まあ政府、大蔵省ともよく話しまして、大蔵省もそういう事態につきまして最近非常に反省をされまして、この住宅問題はいつもお話があり、また私ども申し上げておりますように、真剣な問題であるということで、非常に態度を変えてまいりました。少なくとも二年でそういう問題を解決しよう、こういうのがことしの予算編成の態度であります。
 ただ、ここで一番問題になりますのは、価格の問題であります。建築単価の問題はそれほど困難な問題ではございません。これは建築技術あるいは資材の研究ともあわせて、先ほども局長から御説明申し上げましたように、実情に合うようにすることはそれほど困難ではない。ただ住宅地の問題、これをただ現状に合わせる現状に合わせるで、高い敷地にどんどん資金を出すということは、これは切りがありませんから、この点はやはりある程度実情に合わしていきますけれども、御承知のとおりにどうしても地価の抑制をはかりたい、半面、ただ抑制といってもそう簡単にまたできませんから、政府の公団あるいは地方公共団体、いわゆる公共的な宅地をどうしても早く大量につくって金融公庫等の資金でまかなえるような住宅地を早くつくる、そういうことを総合してやらなければこの問題は解決しない、こういうふうに考えておるわけでございます。
#30
○稲富委員 それから次にお尋ねしたいと思いますことは、何と申し上げましても住宅建設を進める上での一番大きな問題は、やはり宅地をどうするかという問題と思うのでございます。ただいまこの法案で計画されておりますこれに対しましても、五カ年間に一億五千万坪の宅地の確保というものが当然これは必要であるのでございます。御承知のごとく今日までいろいろな住宅計画を進められておるけれども、この宅地の確保が不可能なためにその計画がとんざしたという例は非常にあるのでございますから、今回のこの策定に対して、この宅地対策に対してどういう具体的な見通しと計画というものをつけられておるか。ただいま申し上げましたように約一億五千万坪の宅地の必要があるわけなので、こういうことに対する具体的な問題があれば承りたいと思います。
  〔服部委員長代理退席、鹿瀬委員長代理着席〕
#31
○尚政府委員 おっしゃられますとおり、宅地の問題は非常に重要な問題でございます。このために昨年建設省に機構として宅地部を設けるとともに、ことしは宅地開発公団はつくれませんでしたけれども、住宅金融公庫及び日本住宅公団において宅地に関する機構を思い切って伸ばしたわけでございます。そのほか予算上の措置といたしましても、公庫、公団等におきます宅地の予算を大幅に引き上げるということをはかったわけでございます。しかし実際問題をつぶさに考えますと、宅地の供給という問題は、たとえば本年直ちに買収して着手したといたしましてもそれが使えるようになりますのにはやはりどうしても二年なり三年かかるということでございますので、私どもの考えではこれらの機構の拡充その他による、いわゆる実績が出てくるのは、第一次五カ年計画におきましてはやや後半に属してくる。そこで前半のほうは、どうしても公営住宅、公団住宅等がやっておりますそのつど、あるいは一年前程度に買っていくという方法をやっておりますが、それを、一方で極力買収等を多くいたしまして、大量供給が出てくるまでの間をより多くささえていく、こういうやり方を必要といたします。御承知のように、日本住宅公団におきましては、大体翌年に建てます数のほとんど大部分を前年のうちに買っておく予算が一方についております。いわゆる次年度以降用地予算という予算でございますが、これがついておりますので、これを極力活用して買っていく。たとえば具体の例としては、最近は都市内の工場が出ていきますそのあと地の買収、こういうのは、実をいいますと売り込みといいますか、買ってくれという要望もかなりございます。これは都市計画的にも非常に役に立つ仕事でございますので、これも昨年から公団で思い切って坪当たり十万円以上のような土地でも、そういう都市計画的な意味のあるところは買うというような形で、あらゆる姿を動員してやっていくわけでございます。また公営住宅の敷地等は、最近は地方公共団体はほとんど住宅金融公庫から前年もしくは前々年等に融資を受けまして、あらかじめ開発して、そこに公営住宅を建てる。その場合に、たいがい公営住宅のみならず分譲住宅も同じ土地に建てるというようなことをやっております。そのようにして、新住宅都市ができるようなきわめて大規模なものは、これからも機構の拡充によって、五カ年計画の後半程度に大規模に供給される。それまでは、いま申しました次年度以降取得できる要素で極力やっていくということで、いままでの実績等から見て、この五カ年の六百七十万戸の建設につきましては、数字的にはっきりとは示せませんけれども、おおむねその見込みが立つものというふうに考えております。
 かたや民間の宅地造成につきましては、御承知のように、昨年これを規制する法律といたしまして、宅地造成事業に関する法律というものをつくりまして、知事の認可にかからしめてできます宅地が、道路その他の計画的な意味でも必ずいい環境になるように、おそらくこれは本年あたりから方々の民間の善良なる宅地造成業者の行なうものは、すべてそこに知事認可というような看板が立って売られていくというような形になると思います。また、これをさらに促進するために、住宅金融公庫で御承知のように住宅融資保険制度というのがございますが、これは住宅を建てたりあるいは分譲住宅をつくったり、宅地造成をしたりする場合の民間融資について、もし焦げつきの場合に公庫が一定の保証料をとって保証するという制度でございますが、このほうも予算を一億ばかりふやしまして保証額をふやす。これを利用して民間宅地造成業者等がさらに一段と進んで民間金融の中で、しかも先ほど申しました知事認可を受けつついい宅地供給ができるようにというふうに、昨年から具体的に着々やっているわけでございます。
 以上のようなあらゆる施策を通じ、またさらにこれから御審議いただきます土地収用法の改正、こういうようなもので着々とやりながらこれらを全うしたいと思います。正直に申しまして、先ほど申しましたように、直ちにことしからその効果がきわめて顕著に出るというわけにはまいりませんので、その間は一そう次年度以降用地の取得等で努力していくということが実情でございます。
#32
○稲富委員 これは大臣もしょっちゅう言われることでございますが、最近地価の上昇というのは非常にはなはだしいので、たとえば一介の労務者の諸君が五カ年計画で一年間に十万円ずつためて五十万円貯金をして住宅資金にしよう、宅地資金にしようと思っても、五カ年後には、当初は五十万円で買えたのがもう五十万円では買えないという状態になってくる。せっかく粒々辛苦土地を買おうと思って蓄積をしたその夢が破れるということが往々ある。こういうようなことを考えて、個人でそういうような場合に先を見込んで土地を買いたいというような者に対しては、何か融資をやるというような制度でも設けるというような方法を考えたらどうかと思いますが、何かそういう方法はないものですか。
#33
○尚政府委員 いまお話がございましたような問題につきましては、まだ数の上でそれほど十分と言うことはできませんが、住宅公団、住宅金融公庫等の発行する宅地債券の発行による予約的分譲という制度がございます。これは住宅公団にしろ、住宅金融公庫の融資を受けてこれを住宅供給公社等が行なう事業でございますが、まず土地を取得いたしましたときに、直ちにそこを造成してどの程度の宅地が分譲できるかという予定を立てまして、その口数だけの募集をいたします。応募して当たった方は、二年、三年というような長さでございますが、債券を買っていただく。その額は年に十万円とか二十万円の額でございますが、一方、公団なり供給公社はその債券の売却から得た資金をさらに造成費に運用しつつ、そして二年ないし三年後にその宅地をお譲りするということをやっております。なお、実際問題として私ども最近の様子を見ますと、東京、大阪等の大都市では個人の方が八十坪、九十坪というような敷地を求めるにはやはり相当な額になります。したがいまして、一方では土地だけで売るということをやるとともに、もう一方では大都市向きといたしまして鉄筋コンクリートのアパート等をつくりまして、これを在来の賃貸住宅よりやや面積の多い三室程度のものをつくりまして、これを家として長期割賦するということに特につとめております。こういたしますと、一軒当たりの土地の所要量が少ないために価格が全体で三百万円程度でおさまります。そしてアパートもろともこれを二十年とか三十五年とかという長期に売れば中所得の方の収入から見て分譲できるということで、最近大都市におきましては、一方では悔い土地をなるべく有効に利用してアパート方式で分譲して家を持っていただく、こういうような技術的な方法も強めている次第でございます。
#34
○稲富委員 時間がありませんので、先を急いでお尋ねしたいと思いますが、それは現在の日本住宅公団のあり方についてであります。
 そもそも日本住宅公団が政府資金によってできたときには住宅難に対する社会保障的な意味も非常に加味されておったと思うのであります。ところが最近、公団の従来からおる人に対して家賃値上げをやろう、こういうような計画があるということを聞いておるのでございますが、こういうようなことでいいのであるかどうか、これに対する建設省としての、政府としての意見を承りたいと思います。
#35
○尚政府委員 住宅公団の家賃の問題でございますが、御承知のようにここ十年来、ちょうど公団が設立されてから十年たつわけでございますが、その間土地及び建築費の値上がりというものが相当ございまして、その結果前に建てましたものと最近建ちますものとの家賃の差というものが相当出てまいりまして、同じものがかなり差があるというので、いわゆる不均衡という問題がございます。その不均衡の差が場合によっては五割、場合によっては倍程度になっておる。つまり、十年前のものといまのものと比較しますと、おおむね倍程度になっております。このような不均衡は、今度は、社会公平という面から見て、このまま放置することは必ずしも公正でない。したがいまして、そういうことを考えますと、これをある程度調整をするという必要があるのではないかという問題があるわけでございます。つまり、あまり均衡上安いと思われる、つまり、その問国民所得もある程度上がっておるわけでございますが、そういうものと比較しまして安いと思われるものを引き上げるとともに、最近のように、しかも、特に都市内に高層アパート等で建てますと、かなり高くなります。そういうものの家賃引き下げに充当して、全体をある程度調整することが適正でないか、こういう問題も起きておるわけでございます。私どもとしても、そういうことが円滑にできることを実は望んでおるわけでございます。
 そこで、おそらくお話しの点があったのは、先般、古いあき家ができた場合に、そのあき家の家賃を最近のものにある程度近づけるために、実際は最近のものとの差の半分程度に引き上げるわけでございますが、まず、あき家になって新たに入られる方の分の家賃をそこで上げまして、そしてその上がったことから生じます収益がございますなら、それを最近に建てるほうの家賃の引き下げに充当していくというようなことを、まずあき家を土台にして始めようということを、最近考えておるわけでございます。
 なお、そのほかに、なぜあき家からやるかという問題が一つございますのは、御承知のように、十年前と今日とでは、しさいに検討いたしますと、たとえば一番わかりいいのが、流しなどでございますが、公団設立以来、二、三年来建てましたアパートの流しは、石づくりの不潔な流しでございます。当時としてはやむを得なかったわけでございます。それが、最近の技術によって、ステンレスの流しが非常に安く普及するようになりましたので、そうした際にこれを取りかえる、あるいは、ふろ場のおけについてもこれを取りかえる、あるいは、畳のところ等も取りかえるというふうな改善をはかるとともに、いまの家賃の不均衡是正に資するために一部上げていく。そうして、それを均衡をとるために、最近の高くなるものの家賃の引き下げのほうに充当していく。こういうような方針で、これが急激にならないようにということで、まず、あき家からやるというような考え方を持っておるわけでございます。この問題につきましては、先般、この委員会におきましても詳細な御説明を申し上げたのでございます。
#36
○稲富委員 従来と最近のやつが不均衡のために値上げもやむを得ない、こういうような御意見のようでございますが、これは最近の住宅が高くなってくるというのは、それだけ物価も高くなってきて、それがために建築費も高くなるという問題なんで、それを従来の古い建物によって補うということは、この公団の設立された趣旨からいってどうかという問題なんです。たとえば道路公団のごときは、有料道路の場合でも、全部建設費が出された場合はただになってしまう。こういうような公団のたてまえからいって、そういう不均衡になったからということ、あとになって高くなった、それで前のやつを高くするのだ、こういうような考え方は、非常に再検討の必要があるんじゃないか、こう思うわけであります。これに対してはどうなんですか。
#37
○尚政府委員 おっしゃられますような観点からいいまして、家賃が安ければ安いほどいいという考えも一つあるわけでございますけれども、私ども一般的に考えまして、住宅の家質というのはおおむね収入の一〇%ないし二〇%、通常一五%くらいであるのが一番いいだろう、こういう考え方を持っております。このことは、世界各国でもおおむねそういうものを目ざしての住宅供給をいたしている、一つの社会的な常識といいますか、通念のようになっております。そういう社会習慣から考えまして、過去のものが著しく低く、均衡を失して安いという場合は、やはりいま少し家賃を払っていただいて、そうして最近の高くなるほうのものについてこれを引き下げることに御協力を願いたい、そういう趣旨でございます。もちろん上がらないでいるのが一番いいわけでございますけれども、これは正直に申しまして、住宅当局だけが一生懸命がんばりましても、やはりある程度の価格の上昇というのはあります。したがいまして、どうしても最近のものの家賃がある程度高くなる。その差も、あまり著しいものにして、いま言ったような社会的な公平からいって、古い方はずっと安いのでいられる、新しい方はやむを得ず高いのを払う、これ自体もやはり問題でございますので、そういう点を御協力願って、両方の調整をするというふうなことをいたしたいというふうに考えているわけであります。もちろん、先ほど申しましたように、その結果が、先ほど申しました収入に対して二割をこえたりするような、そういうことには絶対ならないように考えているわけでございます。
#38
○稲富委員 協力していただきたいというような御意見でございますが、もしもこの問題で従来の関係が承知しない、こういう場合が生じた場合、すでに昨日法務委員会を通過いたしました借地法等の一部を改正する法律案、これは昨日法務委員会で採決されておりますので、いずれ次の本会議で衆議院のほうは通過するだろうと思うのでございますが、これとの関係、従来よりも借地人等借りた人に対する権利が非常に重んぜられておる。こういうような借地法等の一部を改正する法律案との関係はどういうふうに処理していくというお考えでございますか。
#39
○尚政府委員 いまお話がありました借地法の改正の問題は、これは在来の借地のところに建っております家を、たとえば堅固な家に建てかえるとかなんとかいうようなときの紛争に対して、裁判所がいわば間に立って適切なる補償等を定めるというような趣旨の法律だったと思います。この法律が施行せられた結果、こうした紛争に対してどういう数字を出してくるかということは、これからあとの問題で、わからないわけでございますけれども、やはりあまりにも過去の地代、家賃等が安い場合は、それ相応に新たな、たとえば立てかえ等の場合には、その条件の引き上げ、あの法律の中にも、そういったもので新たな補償をするというようなことも書いてあるわけでございまして、これとの関係は直接的には、私ども、はっきりまだあれが施行されてどういう結果が出てきているかわかりませんので、面接的なあれはないわけでございますが、この公団の家賃につきましては、法律でも、あまりにも不均衡になった場合あるいは住宅に改良を施した場合等は、建設大臣の認可を得て、ある程度家賃を上げてもよろしいという形にいたしておるわけでございまして、それに従って私どもは、十分これを注意して、むやみにどこまでも上げるというわけでございませんで、あくまで不均衡の是正、そうしてたとえば上がったとしても、その新たな入居者の負担が非常に過重になるようなことのないような範囲内でしか決して認可しないつもりでございますので、その程度のことはおそらく、その借地借家に関する紛争が起きましたときのあの裁判所の決定というふうなものも、その程度の差というものはあるいは認めていくというふうになるのではないかというふうに考えております。
#40
○稲富委員 問題は、それは従来の居住者の既得権を侵害するようなことがあってはいけないと私は思うのです。この点、値上げによって既得権との問題、こういうような問題はどういうふうにお考えになっておられるのであるか。これは非常に基本的な問題でありますので、この点承っておきたいと思います。
#41
○尚政府委員 今回の住宅公団のあき家の家賃を上げる問題につきましては、これはもう既得権問題はないわけで、新たに契約になるわけでございます。
 なお、在来入っておる方の住宅そのものを将来あまりに不均衡だから上げるというような問題が起きました場合でございますが、これもその既得権というのは何十年前に幾らであったというものが、何十年そういう家賃やなんかを拘束するというものではないと私どもは考えております。やはり当時の社会情勢その他について、そして御承知のように修繕費その他維持費も上がっていくわけでございますから、そういったいろいろな観点から見て公正妥当なる値上げというものは、ある程度社会的な観点から見ても、せられていくんではないかというふうに考えております。しかしいま私どもは、実際問題として、公団の一般的なアパートの居住者の家賃を直ちに、全般的に、不均衡是正のために入ったまま上げていこうということは、いまここのところでは考えてはおりません。将来の社会情勢の変化に応じて、必要があればそういうことの必要が起きるかもしれませんけれども、いまはあき家をともかく修理するとともに上げていくという方式でまいりたいというふうに考えております。
#42
○稲富委員 問題はそのあき家が高くなった場合、今度は隣との均衡という問題が起こってくる、こういう点から当然値上げという問題が起こってくるということが予期される。ここに非常に問題があると思います。そういう場合に従来おった人の既得権というものが、この均衡を保つためにということで上がる。これは社会通念の問題ではなくして、やはり公団というものの性格からいって、こういうような場合にやむを得ないとして政府はそれを認めるかどうか、こういう問題が起こってくると思う。公団の性格ということからこういうことがいいのであるかどうか。公団というものがやはり住宅難からくる社会保障的なこういう立場から計画されたことであるという、この性格上からの問題があるんじゃないか、こういう点で私はお尋ねしておるのであります。
#43
○尚政府委員 確かに公団の一般的目的からいえば、安く適切な家を大量に供給するということでございます。御承知のように一方、公団の資金の構成等を見ますと、やはりこれに一般会計から、租税をもって集めましたお金を、補給金等において流しておるわけでございます。これは一般の国民からとった税金が住宅公団のほうに入っているわけでございます。こういう観点からまた一方考えますと、あまりにも社会的に不均衡になって、納税者の実際一般社会において行なわれている適正なる家賃という通念と、公団に入った者のみがきわめて恩恵を受けるというようなことになりますと、これまた社会主義に反する問題でございます。したがいまして、この辺の問題は、いわゆる一般社会の納税者全体の均衡と公団との間がどうかという問題なのでございます。しかし一時的に、先生のおっしゃられましたように、そもそも住宅問題を解決するために公団というものはあるわけですから、その場合に、それをきわめて強い方法でやるというようなことは適切でないと思います。しかしあまりにも不均衡であるということになりますと、今度は納税者の方々に納得していただく面から見て、そういったある程度の均衡をとっていくということは必要になるんじゃないかと思いますが、いま私どもは直ちにそういうふうな問題にはなってないと考えてはおります。
#44
○稲富委員 公団の問題につきましては、これはいろいろ議論をしましても平行線でございますので、この機会はこのくらい質問しておきまして、最後に一言だけお尋ねしたい。
 これは御承知のとおり、現在新農村を建設するという意味から、さらに農村青年が農村を離れていく、こういう点から、あるいは農村の生活環境を何とか改善しなくちゃいけないという問題が当然起こってきているわけでございます。こうなりますと、農村の住宅というものは、旧来の住宅が多い。国として住宅計画を立てる以上は、今日の農村環境からいっても、農村住宅をどうするかということは一応考えなくちゃいけないと思うのでありますが、この農村住宅に対する住宅計画としてどういうような国としての考えを持っていらっしゃるか、この機会に承っておきたいと思います。
#45
○尚政府委員 お話のとおり、ともすれば農村から有能な青年が都会に出がちでございます。このことは日本の全体の農村の将来の発達について重要な問題でございます。そこで、その一つの原因といたしまして、やはり農村の旧式な住まいというようなことが大きな問題でございます。そこで私どもとしては、農村住宅の改善ということについて数年来非常に力を注いでおります。たとえば、住宅金融公庫の個人住宅融資にいたしましても、農村の住宅の改善によって新たに新築する、これを都道府県の指導を受けつつやるものにつきましてほとんど無抽せんで優先的なワクを設けて融資をしております。これは四十一年度は一万戸分用意しております。そのほか公庫に住宅改良資金というのがございまして、これは住宅の各部を修繕したり増築したりするために融資する予算でございますが、この改良資金も主として農村に充てるということにいたしておりまして、これまた農村部での要望に対しては無抽せんで貸すというようなやり方でやっております。そのほか、御承知のように最近一部の農村においては農業協業化ということが行なわれまして、五家族程度が一組になって共同的に機械その他を持ちまして、共同の作業場を持って仕事をするというようなことをやっておりますが、これにつきまして市町村が公営アパートを建てて、たとえば三階建てを建てまして、下の一階は共同作業場、あるいは倉庫あるいは機械置き場というようにして、アパート式に建てて上のほうに家族が住む、家族の数は大体五つぐらいでございますが、そういうものを企てます場合には、これはまた公営住宅の補助金を優先的に補助するということをやっております。この農村アパートも年におおむね二百戸ぐらいずつ全国各地でやっております。このように私どもは、常に農村の住宅改善という方向におきます事業につきましては、いずれも最優先扱い、ほとんど無抽せんでというやり方でもって促進しております。一方、農村住宅の改善をいたしますためには相当PR運動が必要でございます。このために農林省と私どものほうで提携いたしまして、全国各県に農村住宅改善推進協議会というものをつくらしております。これが現在二十数府県にできております。こういうのを一そう活用いたしまして改善のPRをする、そうしてそれらの資金を供給するという方式で、実は真剣に取り扱っているのが実情でございます。
#46
○稲富委員 そうすると、現在農村の住宅改良に対しての資金の融資がやられているといいますが、その最満額、それから償還、金利、これはどういうことになっておりますか。
#47
○尚政府委員 個人の住宅新築融資は、私いま詳細な計算を持っておりませんが、二戸当たりおおむね六十万円程度の融資じゃないかと考えております。それから住宅の改善融資は、最高三十五万円まで住宅の改善資金融資を行なっております。
#48
○稲富委員 これはやはり、農家のいろいろな構造等を改善するという場合に、農村関係における農業改良資金というものがある。これは最高六十万でございましたか、長期なものであります。ところが、これが、県が持つのが三分の二、国が持つのが三分の一、そしてこれは無利子なんです。こういうような場合があるが、これは県の財政上なかなか貸してくれないというのが現状なんです。非常に希望者は多い。こういうものに対しては、これをやはり一つの住宅政策として、建設関係からももっと考える必要があるのではないか。農業改良資金というのは無利子なんです。やはり農村経済の状態から見ては、農民の負担のないような、こういうような改良をやるということが最も必要であると思うのだけれども、こういうことに対する建設省としての考え方はないのかどうか。
#49
○尚政府委員 御承知のように住宅金融公庫の個人融資は五分五厘でございます。これは公庫の扱っております融資の中で一番低利のものでございます。私どもとしてはそれを農村の住宅の新築融資に充てているわけでございます。一方、農林省の所管しております農村の改善資金といたしまして、これは住宅にやや関係あるものとしては、水道ポンプをつけることとか、あるいは日光による水をあたためる装置とか、そういうようなものに使っておられることを知っております。私どものほうの予算の住宅の関係は、やはり何といっても相当大きな個人の財産になるわけでございまして、やはり全く無利子ということはかなり困難な点がございます。私どもとしては五分五厘そのものが問題といえば問題があるかもしれませんけれども、わが国の実情として一般に金利の高い中で五分五厘の資金を融資するということ自体でも相当の低利化をはかっているということで、当面としてはなかなかこれ以上低い融資をつくり出すということは困難であるというのが実情でございます。
#50
○稲富委員 建設大臣にお願いしておきたいのですが、いま申し上げました農村住宅の環境改善の上に非常に必要な問題があります。農村青年が都会に流出するというような原因もそこにあるわけなんで、そういうことから、実は農林省といたしましても、数年前に、ただいま申し上げましたように農業改良資金というものを出して、これは新婚の場合の住宅改善をやるために出すとかそういうことにして、長期の無利子の金を貸すことにしたのですが、これが県が三分の二を持たなくてはいけない。こういう点から、非常に希望者は多いけれども、借りる適格者というのがない。いろんなことに理屈をつけられて、申し込みをしましても適格者というのがほとんどない、こういうような状態です。これはやはり一つの農業政策の一環としてやるとともに、住宅政策の一環として建設行政の上からもっと十分に取り組んでいただきたい。
 さらに、そうした場合に、農村収入というのが、ほかの工場収入とかあるいは労務者の収入と違いまして、農村収入の面の伸びが非常に鈍い。こういう点から、金利あるいは償還状態等もさらに考慮していただかなければならぬ問題があるのではないかと思いますので、この点は、建設行政の一環として、住宅政策の一環として、今後ひとつ十分検討して、そして取り組んでいただきたい。こういうことを特に私は建設大臣にこの機会にお願いを申し上げたい、こう思いまして、建設大臣のそれに対する決意をひとつ伺いたいと思います。
#51
○瀬戸山国務大臣 いま農村の住宅のことでいろいろ御意見等承りました。私は実は感謝をしておるのです。といいますのは、住宅政策というと、これは現実がそういう不足という状態があるからやむを得ないのでありますけれども、住宅問題というと町のことだけを考えるというのがいままでの例であります。これは家が足らぬからということもありましょう。けれども、私は建設大臣に就任いたしましたときに、日本の大部分を占めておる農村の住宅というものを考えないということは、住宅政策上非常に大きな欠陥である、そこで農林省とも直ちに連絡をいたしまして、農林省にもその意見を申し出て、最近の人口移動あるいは都市集中、あるいは青少年という特に若い人々が農村にとどまらない、この理由にはいろいろありますけれども、ほんとうに農村の生活環境がよければこういう事態は非常に違ってくる。農業政策は、生産だけが農業政策じゃないのであります。従来は主として生産一点ばりで、農村の生活あるいは生活環境というものをほとんど考えなかったわが国の農業政策が多い。最近は数年前から、かまどの改善であるとか、いろいろそういう点について尽力されていることもわかりますけれども、最近の非常に近代化されつつあるわが国の状況と農村の住まいの状況を考えますと、かりに非常に自然的な環境がよくても、あの生活環境で農村にとどまれというのは、率直に言って全く残酷な感じがする。この点を考えない農業政策というのはおかしいじゃないか、また住宅政策というのはおかしいじゃないか、こういうことで、実はいろいろ相談をしたわけであります。農林省もとにかく農林省として計画を立ててもらいたい、建設省も町の家だけという考え方だけでなしにやってもらいたいということでいろいろ相談して、さっき申し上げたような協議会なども実はつくるようになりました。
 少し長くなって恐縮でありますけれども、その際に私が相談いたしましたのは、最近、全国農業団体の資金が非常にだぶついておる、信連にいたしましても共済にいたしましても、それをいろいろなほうに回しておったからよかったけれども、最近回らない。コールに回らない、持ちあぐねておるという状況です。そういう代表者もお集まり願って、ひとつ農村の象の問題を考えてもらいたいとやったのですけれども、実は御承知のとおり、これは金利が高くてとても農村の住宅に回らないということであります。大蔵大臣といろいろ相談したこともあります。そういう意味で、農林省もまた詳細に計画するひまがなかったわけでありますけれども、どのくらいの計画をするかというと、百万戸ぐらいということであります。一挙に百万戸といってもなかなかできないということで、これをもっと詰めて計画をしなければならないと私は思っておるのですが、そこで昨年はさっき御説明いたしました六千戸でありましたけれども、一万二千戸ぐらいということであったのが一万戸に、ことしは微々たるものでありますけれども増加いたしておる、こういう事情であります。
 御承知のとおりに、農村の家屋は町の家屋とまた構造その他違っておる。かといって、農村の生活環境を、従来のあのいわゆる収納小屋と住居と一緒にするようなものが、必ずしも日本の農村でなければならぬということはなかろう、これは専門家に農村の住宅と収穫との関係の合うような設計をしてもらわなければならない、こういうこともいろいろ検討を願っておる状況であります。
 これ以上申し上げませんけれども、農村の住宅環境というものをできるだけ近代化すると申しますか、これをしないと、このいわゆる農村人口の問題というものは根本的な解決にならない、農村の振興のささえにはならないということを強く信じておりますので、今後ともひとつ御意見等も承って進めたい、かように考えております。
#52
○稲富委員 大臣の御信念非常に心強く思ったのですが、農村の住宅というものは、農業政策の一環でなくて住宅政策の一環として、ひとつ大いに建設大臣からの御協力をお願いしてやっていただきたいということを最後にお願いしまして、私の質問を終わります。
#53
○廣瀬委員長代理 本日はこの程度にとどめ、次会は来たる十三日金曜日午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、これにて散会いたします。
   午後零時十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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