くにさくロゴ
1965/05/10 第51回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第051回国会 決算委員会 第25号
姉妹サイト
 
1965/05/10 第51回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第051回国会 決算委員会 第25号

#1
第051回国会 決算委員会 第25号
昭和四十一年五月十日(火曜日)
   午前十一時九分開議
 出席委員
   委員長 吉川 久衛君
   理事 押谷 富三君 理事 白浜 仁吉君
   理事 壽原 正一君 理事 勝澤 芳雄君
   理事 山田 長司君
      石田 博英君    原 健三郎君
      福永 健司君    神近 市子君
      中村 重光君    森本  靖君
      吉田 賢一君
 出席国務大臣
        厚 生 大 臣 鈴木 善幸君
 出席政府委員
        厚生政務次官  佐々木義武君
        厚生事務官
        (大臣官房会計
        課長)     戸澤 政方君
        厚 生 技 官
        (医務局長)  若松 栄一君
        厚生事務官
        (薬務局長)  坂元貞一郎君
        厚生事務官
        (社会局長)  今村  譲君
        厚生事務官
        (児童家庭局
        長)      竹下 精紀君
 委員外の出席者
        大蔵事務官
        (主計官)   平井 廸郎君
         文部事務官
        (初等中等教育
        局特殊教育課
        長)      寒川 英希君
        会計検査院事務
        官
        (第三局長)  佐藤 三郎君
        会計検査院事務
        官
        (第五局長)  保川  遜君
        医療金融公庫理
        事       河野 鎮雄君
        参  考  人
        (日本赤十字社
        副社長)    田辺 繁雄君
        専  門  員 池田 孝道君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 昭和三十九年度一般会計歳入歳出決算
 昭和三十九年度特別会計歳入歳出決算
 昭和三十九年度国税収納金整理資金受払計算書
 昭和三十九年度政府関係機関決算書
 昭和三十九年度国有財産増減及び現在額総計算
 書
 昭和三十九年度国有財産無償貸付状況総計算書
 (厚生省所管、医療金融公庫)
 国が直接または間接に補助金、奨励金、助成金
 等を交付しているものの会計に関する件(日本
 赤十字社)
     ――――◇―――――
#2
○吉川委員長 これより会議を開きます。
 昭和三十九年度決算外二件を一括して議題といたします。
 本日は、厚生省所管及び医療金融公庫決算について審査を行ないます。
 まず、厚生大臣より、概要説明を求めます。鈴木厚生大臣。
#3
○鈴木国務大臣 昭和三十九年度厚生省所管一般会計及び特別会計の決算の大要について、御説明申し上げます。
 まず、一般会計の歳出決算につきましては、予算現額四千百七十五億三千九百余万円に対しまして、支出済み歳出額は四千七十九億二千九百余万円、翌年度繰り越し額は三十三億九千百余万円、不用額は六十二億一千八百余万円で、決算を結了いたしました。
 以上が一般会計決算の大要であります。
 次に、特別会計の大要について申し上げますと、厚生省には五特別会計が設置されております。
 まず、第一は、厚生保険特別会計の決算でありますが、健康、日雇健康、年金、業務、四勘定合わせまして申し上げますと、一般会計より百四十六億七千九百余万円を繰り入れました。その決算額は、収納済み歳入額四千六百五億八千五百余万円、支出済み歳出額二千六百十六億二千七百余万円、翌年度繰り越し額四億六千三百余万円でありまして、差し引き一千九百八十四億九千四百余万円の剰余を生じ、これをそれぞれの勘定の積み立て金に積み立て、決算を結了いたしました。
 第二は、国民年金特別会計の決算でありますが、国民年金、福祉年金、業務、三勘定合わせまして申し上げますと、一般会計より五百八十五億一千余万円を繰り入れました。その決算額は、収納済み歳入額一千二百億八千二百余万円、支出済み歳出額七百十四億二百余万円でありまして、差し引き四百八十六億七千九百余万円の剰余を生じ、これをこの会計の積み立て金に積み立てたほか、翌年度の歳入に繰り入れて、決算を結了いたしました。
 第三は、船員保険特別会計の決算であります。船員保険特別会計につきましては、一般会計より七億八千九百余万円を繰り入れました。その決算額は、収納済み歳入額百六十九億二千七百余万円、支出済み歳出額百二十七億九千百余万円、翌年度練り越し額一千二百余万円でありまして、差し引き四十一億二千三百余万円の剰余を生じ、これをこの会計の積み立て金に積み立て、決算を結了いたしました。
 第四は、国立病院特別会計の決算であります。国立病院特別会計につきましては、一般会計より三十一億五千四百余万円を繰り入れました。その決算額は、収納済み歳入額二百八十二億二千七百余万円、支出済み歳出額二百七十一億二千五百余万円、翌年度繰り越し額九億三千七百余万円でありまして、差し引き一億六千四百余万円の剰余を生じ、これをこの会計の積み立て金に積み立て、決算を結了いたしました。
 第五は、あへん特別会計の決算であります。あへん特別会計の決算額は、収納済み歳入額六億三千四百余万円、支出済み歳出額二億九千百余万円でありまして、差し引き三億四千二百余万円の剰余を生じ、剰余金は、この会計の翌年度の歳入に繰り入れました。
 以上が、厚生省所管に属する昭和三十九年度一般会計及び特別会計の歳入歳出決算の大要であります。
 最後に、本決算につきまして、会計検査院から指摘を受けた点がありましたことは、まことに遺憾にたえないところであります。
 指摘を受けました件については、直ちに是正措置を講じましたが、今後なお一そう厳正な態度をもってこれが絶滅を期する所存であります。
 以上をもちまして、厚生省所管に属する一般会計及び特別会計の決算の大要について御説明を終わりますが、何とぞ、よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
#4
○吉川委員長 次に、会計検査院当局より、検査の概要説明を求めます。佐藤会計検査院第三局長。
#5
○佐藤会計検査院説明員 昭和三十九年度決算、厚生省所管についての検査の概要を説明申し上げます。
 昭和三十九年度決算検査報告に、不当事項として掲記いたしましたものは、健康保険、厚生年金保険、船員保険の保険料の徴収及び保険給付の問題並びに地方公共団体等が事業主体となって施行いたしました補助事業などにかかる問題でございます。
 以下、これらにつきまして、順を追うて簡単に説明いたします。
 一九一号は、健康保険及び厚生年金保険、一九二号は、船員保険の保険料の徴収に関するもので、いずれも保険料算定の基礎となる被保険者の報酬の把握が適確に行なわれなかったため、保険料の徴収が不足していたものでございます。
 一九三号は、健康保険事業における保険給付に関するものでございまして、事業所から報酬を受けている者に対して傷病手当金を給付していたものなどであります。
 一九四号から二〇六号まで十三件は、補助事業にかかるものでございますが、一九四号は、社会福祉法人日本ベル福祉協会で、ろうあ者の更生援護事業を行なうために設置する日本ベル福祉会館に関するものでありまして、同会館の建設につきましては、三十七年度から着手し、三十八年度末までに竣工したものとして、国庫補助金が交付されているものでありますが、三十八年度末現在においては、基礎工事が完了している程度にすぎないばかりでなく、四十年八月に至ってもなお一部未完成であり、施設整備が著しくおくれ、施設の効用を発揮することができず、補助の目的を達していないと認められたものでございます。
 次に、一九五号は、工事の計画が適切でなかったため不経済となっているものと認められたものでありまして、し尿消化槽の災害復旧にあたりまして、被災消化槽を解体の上再建する工法をとっても何ら支障はなく、かつ経済的であるのに、特殊な防水剤を用いるなどして、既設のものを被覆する工法をとったため、不経済を来たしていると認められたものであります。
 また一九六号から二〇六号までは、公共団体が国の補助を受けて施行いたしました簡易水道事業、国立公園等施設整備事業及び地方改善施設整備事業におきまして、工事の施行が不良なため補助の目的を達していないもの、事業の実施にあたって調査が十分でなかったため積算が過大となっているものなどでございます。
 二〇七号及び二〇八号につきましては、児童福祉法に基づきまして地方公共団体が要保護児童及び要保育児童を児童福祉施設に入所させた場合、国がその費用の一部を負担することになっておりますが、算定誤りなどのため、国庫負担金が超過交付となっているものと認められたものでございます。
 以上、簡単でありますが、説明を終わります。
#6
○吉川委員長 次に、医療金融公庫当局より、資金計画、事業計画等について、説明を求めます。医療金融公庫理事河野鎮雄君。
#7
○河野説明員 医療金融公庫の昭和三十九年度の業務概況についてまず御説明申し上げます。
 昭和三十九年度の貸し付け計画額は、当初貸し付け契約額を百四十五億、貸し付け資金交付額を百三十五億、この百三十五億のうちには、十億、前年度貸し付け契約をいたしまして、資金の交付が未済になっております分が含まれておりますが、百三十五億を予定いたしまして、その原資といたしましては、政府出資金二十九億円、資金運用部よりの借り入れ金八十五億円、及び貸し付け回収金等二十一億円、計百三十五億円を充てることにいたしました。なお、貸し付け契約額百四十五億円と、当該年度中に貸し付け契約をいたしまして資金交付することとして予定した額百二十五億円との差額二十億円は、貸し付け受け入れ金として受け入れるものでございます。
 この計画額に対する実績は、貸し付け契約額で百四十五億三百万円、貸し付け資金交付額で百三十五億円でありまして、これを前年度と比較いたしますと、貸し付け契約額で二〇・八%、貸し付け資金交付額で二二・七%の増となりました。貸し付け契約額の内訳は、設備資金百四十二億百万円、長期運転資金三億二百万円であります。また貸し付け資金交付額の内訳は、設備資金百三十一億九千八百万円、長期運転資金三億二百万円であります。
 貸し付け残高は、前年度末二百七十九億四千二百万円でありましたが、三十九年度中に百四十五億三百万円の貸し付けを行ない、三十億四千五百万円を回収いたしましたので、当期末におきましては、三百九十四億円となっております。
 次に決算状況について申し上げます。
 昭和三十九年度の損益計算上の総収益は、二十三億一千二百三十七万四千円、総損失は二十億三千五百三十一万五千円でございまして、差し引き二億七千七百五万九千円の償却前利益を生じましたが、大蔵大臣の定めるところによりまして、固定資産減価償却引き当て金へ二百二十四万円を、滞り貸し償却引き当て金へ二億七千四百八十一万九千円を繰り入れましたので、結局、国庫に納付すべき利益金は生じなかったのでございます。
 以上で、昭和三十九年度の業務の概要につきましでの御説明を終わらしていただきます。
#8
○吉川委員長 これにて説明聴取を終わります。
    ―――――――――――――
#9
○吉川委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の通告がありますので、これを許します。勝澤芳雄君。
#10
○勝澤委員 厚生省、医療金融公庫の質問に入る前に、委員長にちょっとお尋ねいたしますが、厚生省にきょう質問するということは、厚生省がきょう都合がいいからということで、理事会の決定で、きょうにきめたわけであります。厚生大臣の都合で、厚生省を、三回にわたって、きょうに持ち越してきたわけでありますけれども、厚生大臣は無断で退席したわけでありますが、一体、決算委員会に対する決算委員長としての態度をひとつお聞かせ願いたいと思う。その態度によっては、ひとつ決算委員会として、私は衆議院議長に申し入れを、ここで決議をしていただきたいと思う。御答弁願います。
#11
○吉川委員長 先々週までは、きょうは厚生省は、大臣以下御都合がよろしいということであったのですが、参議院の審議の都合で、きょうはどうしても大臣が必要であるということで、特にここで説明だけに来てもらったわけでございますが、勝澤君の御意見等もありましたので、壽原理事をして、ただいま折衝をいたさせておりますから、御了承願います。
#12
○勝澤委員 そうすると、厚生大臣は、きょうは何時にお見えになるのですか。委員会を開いて、とにかく約四十分にわたって、われわれは厚生大臣の来るのを待っておって、その来た大臣が、委員長にもわれわれにも、とにかく断わらずに退席するとは、一体国会軽視もはなはだしいではありませんか、これは委員長としてどうお考えになりますか。
#13
○吉川委員長 私には了解を求めて出られました。その理由は、採決になるのでということでございました。
#14
○勝澤委員 決算委員会とその他の委員会と、どう違いがあるのですか。代々の総理も、決算委員会は重要であるということを言っているわけであります。ほかの委員会で採決があろうがなかろうが、決算委員会は、ここ数回にわたって大臣の御都合を聞いて、せめてほかの委員会とかち合わないようにということで、わざわざきょう設定しておるのです。その設定しておる委員会にちょこっと来て、提案を読んだだけで行ってしまって、一体、厚生省の決算について、厚生大臣は責任を持てますか。こういうような審議のやり方というものは、決算委員会の存在を無視しているじゃありませんか。一体どうお考えになりますか。決算委員長として、このような決算のあり方がいいか悪いか、お答え願いたいと思います。
#15
○吉川委員長 勝澤理事の御意見、全く同感でございます。よって、いま壽原理事が帰ってまいります。経過を聞いて善処いたします。
#16
○勝澤委員 その結果によっては、私は決算委員会の決議として、ひとつ議長に、決算委員会に対する大臣の出席について、厳重な申し入れをしていただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。
#17
○吉川委員長 了解。
#18
○勝澤委員 それでは、次に医療金融公庫ですが、医療金融公庫も、実は理事が出ているだけで、総裁が出ておらないわけでありますけれども、その理由をひとつ御説明願いたいと思うのです。
#19
○吉川委員長 勝澤委員の御発言ごもっともでございますが、総裁は出張中でございますし、ここには副総裁制がないので、筆頭理事の河野理事が出席されたわけでございます。
#20
○勝澤委員 きょう医療金融公庫の決算が行なわれるということは、医療金融公庫では存じておったわけですね。一体、それと出張とはどういう関係があるのですか。
#21
○吉川委員長 河野理事に伺いますが、ただいまの勝澤委員の発言に対して、お答えをいただきます。
#22
○河野説明員 実は、きょうの委員会で医療金融公庫の決算がかかるということは、ゆうべ伺いまして、その前に出張いたしておりましたので、私かわりまして出席させていただいたわけでございます。
#23
○勝澤委員 ゆうべ聞いてきょうですから、出られなかったというのは、それはやむを得ないでしょう。厚生省の決算をやるというのは、理事会の申し合わせに基づいて、当然委員長として手配すべきでありますけれども、一体それはどこに手落ちがあるのですか、はっきりしていただきたいと思います。
#24
○吉川委員長 厚生省に申し入れてありましたので、通例、厚生省、その所管省からそれぞれの機関へは通知することになっていたので、さような手落ちはないものと思っていたというのが、委員部でございます。
#25
○勝澤委員 厚生省のほうは、ゆうべどなたから通知したのか、ひとつ説明をしてください。
#26
○戸澤政府委員 本日厚生省関係の決算委員会が開かれるかもしれないという情報は、二、三日前にございましたが、開かれるという正式通知、連絡を受けましたのはきのうでございましたので、それに基づいて、医療金融公庫のほうにも通知したわけでございます。
#27
○勝澤委員 決算委員会の理事会で、厚生省をきょうやるときめたのは、もう先月ですよ。それが、いまのお話を聞いておりますと、きのう聞いただけだと言う。一体、委員長、あなたに申し上げるのはたいへん心苦しいと思うのですけれども、三十八年度総括質問について、総理の申し入れについても、とにかく過去三回にわたって、総理の都合が悪い、都合が悪いというので、流れているわけですよ。これは決算委員長として、決算委員会の権威の上からいって、こういう取り扱いは、はなはだ私は遺憾に思うのですよ。きめたことはきめたことで、しっかりやっていただかなければ、これは決算委員会の価値がないと思うのですよ。大臣はちょっと来てすぐ逃げていってしまう、総裁は知らなかった、きょう厚生省をやるのはきのう聞いたばかりだ、一体どういう運営をしているのですか。ひとつその責任の所在を明確にして、委員部のやり方がいけないなら、事務総長をここへ呼んできて、一体どういうやり方をやっているのか、これを明確にしてもらいたいと思うのです。これはただ単に、いまの厚生省の問題だけじゃないのです。総理の問題でも同じことです。総理に三十八年度締めくくり質問をするというのは、三回変わっているわけです。決算委員会に総理大臣を出すことを、一体与党は、自民党はなぜおそれているのですか。あるいは、決算委員長は各大臣を出席させることをなぜ忌避しているのですか。いまの話を聞けば、その手続は全部委員部がやってないという。いまだかつてないことですよ。ひとつその責任を明確にしてください。
#28
○吉川委員長 御意見、非常によくわかりますので、委員長の責任において、今後厳重に注意をいたさせます。
#29
○勝澤委員 それで私は、ひとついまの厚生大臣の問題と含めまして、あとで明確に……。いまひとつ聞かしてください。
#30
○吉川委員長 壽原君、ちょっと。
 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#31
○吉川委員長 速記を始めて。
#32
○勝澤委員 各大臣の決算委員会に対する出席でありますけれども、御案内のように、主管大臣は主管の委員会には連日のように出席しているわけであります。しかし決算委員会には、まあ一年の間に一回なんです。その一回の委員会に五分か十分しか出れない、一時間か二時間しか出れない、こういうことで決算委員会の運営がなされていることは、私はたいへん遺憾に思うのです。ですから、大臣の出席について、他の委員会と同様に出席をされるように、書面でひとつ議長に申し入れをする、その内容についてはあとで理事会で相談する、こういうことにひとつお取り上げ願いたいと思うのですが、いかがですか。
#33
○吉川委員長 いままでの日本の決算委員会に対する考え方が、全く御意見のような状態であったと思いますので、後刻理事会でもって、そのように取り計らいたいと思いますから、御了承願います。
#34
○勝澤委員 それでは、大臣が来るまで、まあひとつ質問をいたします。
 一番最初に、最近の新聞あるいは雑誌を見ましても、厚生省行政について連日のように掲載され、そしてまた国民の声が寄せられております。たとえばチフスの事件にいたしましても、あるいは精神病の事件にいたしましても、あるいはまた血液行政にいたしましても、看護婦の問題につきましても、結局世の中が進んでいくに従って、これらのおくれている社会保障という面にもう少し力を入れなければならないにかかわらず、実はそれがあとからようやく追いつきながら行っているというような状態でありまして、まあ厚生省は事件官庁だ、事件が起きて事後処理をしている官庁だ。これでは私はたいへん申しわけないと思うのです。やはり積極的に、いま起きている問題ともっと前向きに取り組んで、そして行政を正していくということをしなければならぬと思うのです。したがいまして、私はいまから二、三の問題について、そういう意味で質問いたしたいと存じます。
 まず血液行政の問題であります。御案内のように、この決算委員会で、三十九年の六月に血液の行政を調べたときに、九十数%という膨大な売血が行なわれておった。その売血は山谷や釜ケ崎の人たちから、一日四百CC、六百CCあるいは千CC、まことに驚くべき状態が出てきて、たいへん問題になりました。そのあとの状態を見てみましても、必ずしも当時の意思に沿った方向に進んでいないように思うわけであります。そこで今日、売血と献血の状態というものはどうなっておるのかという点を、ひとつ簡単に御説明願いたいと存じます。
#35
○坂元政府委員 ただいま先生から御指摘のように、献血問題につきましては、一昨年の八月、政府のほうで閣議決定をやりまして、献血の推進化について施策を講じてまいったわけであります。そこで、現在までのところの献血と売血等の状況についての御指摘でございますので、その点について状況だけを簡単に申し上げたいと思います。
 御承知のように、一昨年の八月政府が献血推進を提唱いたしますまでは、ただいま先生からも御指摘がありましたように、わが国における血液の問題は、大部分がいわゆる売血というものでまかなってきていたわけでございます。大体九七、八%くらいのものを売血でまかなってきたという状況であったわけでございますが、一昨年の閣議決定以来、売血の廃止という方向で献血の施策を推進してまいったわけでございます。その結果、一昨年、三十九年の実績を見ますると、売血のほうは八六・五%、献血が七・七%、それから預血と称せられておるものがございますが、この預血のグループの割合が五・八%というのが、三十九年の年間の平均でございます。それが四十年になってまいりますと、献血の量が逐次ふえてまいりまして、四十年の一月は献血の比率が一〇%であったわけでございます。これが四十年の六月ごろになりますと二二・五%。これが昭和四十一年の一月になりますと二八%、つい最近の三月の、これはまだ確定ではございませんが、おおよその全国推計をいたしてまいりますと、三二%までに献血の量が伸びてきている。片一方売血のほうは、当初の九七、八%が、三十九年平均では、いま申しましたように八六%くらいに減りまして、現在昭和四十一年の一月になりますと五五%くらいに売血の量が減ってきているわけでございます。したがいまして、結論から申し上げますと、献血推進を政府が提唱する以前に見られたような、九七、八%の売血の量というものは、現在のところ五五%から五〇%くらいのところまで減ってきている。そして残りの三二%ないしは預血の一七、八%から二〇%程度のもので血液の総製造量の割合が構成されている、こういう状況に相なっているわけでございます。
#36
○勝澤委員 三十九年の八月二十一日の閣議の決定でも、これは御案内のように、相当マスコミのキャンペーンがあって、そして三十九年の六月に、この決算委員会でも取り上げて、政府に要望いたしたわけであります。それによって実は献血の問題がようやく取り上げられて、閣議決定までなった。そしてなおかつこの後の動きを見てみますと、それに対応するような体制が厚生省でとられておったかどうかという点について、実は私疑問があるわけであります。この閣議決定の線に沿って献血を推進していく。最終的にはこの血液行政というものは、売血をやめて献血一本になるのかという点などについても、明確にされていないわけであります。そしてまた、それに対する厚生省の内部の献血に臨む体制の整備といいますか、こういう点などについても、何らなされていないようでありますが、そういう点はどうなっておりますか。
#37
○坂元政府委員 御承知のように、一昨年の閣議決定の趣旨は、私どもは大体三点あろうかと思っておるわけであります。その三点と申しますのは、第一点は、献血思想の普及をしていくということが一つの柱でございます。それから第二の柱としましては、献血の組織化ということでございます。集団的な献血グループというものを今後育成していくということが献血の組織化でございます。そういう点が第二の柱でございます。それから第三の点は、献血の受け入れ体制というものを整備していくというのが大きな柱になっておるわけでございます。いま申しました三つの柱が、私ども、当面するこれからの献血を推進していく上の大きなポイントになるわけでございますので、一昨年以来、その三つの点に沿っていろいろな施策を考え、また行政を実施してきておるわけでございます。ただ、いま先生御指摘のように、厚生省の体制というものがどうも閣議決定の趣旨に即応していないんじゃないかということのようでございますが、いま申しましたような三点のポイントに従いまして、いろいろな施策を講じ、また私どもも現在のところ、献血の推進というために、片一方売血というものを逐次なくしていく。これはおっしゃるように、売血を献血にオール一〇〇%切りかえていくことは、一挙にはなかなか簡単にはまいらないわけでありますが、鋭意そういう努力をいま重ねておるわけでございます。先ほど申しましたように、献血の割合も月を追うてふえていく。これは四十一年度に入りましてからも、新しい施策を現在いろいろ考えて、それを各都道府県なり、日赤のほうと協力をしてやっていく、こういう状況であるわけでございます。
#38
○勝澤委員 この献血の状態を見てみますと、血液センターで採血するのが一八%、採血車で採血するのが八〇%、出張の採血が二%ということで、採血車によるものが多いようでありますが、採血車によるものが多いとするならば、当時、御案内のように、予備費で採血車をふやしたわけでありますが、四十年度あるいは四十一年度、この予算措置を見てまいりますと、現状の献血、採血状態に合っていない消極的な態度だと思うのですが、そういう点どうなっておるのでありますか。
#39
○坂元政府委員 一昨年の献血推進の閣議決定をやりました際に、ただいま御指摘のような移動採血車というものは全国に十八台あったわけでございます。それが、三十九年度の当初予算とそれからいまお話のございました予備費によりまして、合計、当初予算の分が五台、それから予備費の分が二十六台ふやして、現在まできておるわけでございます。
 そこで、現在までの移動採血車の配置の状況を見ますると、全国的に当初ほとんどの県が移動採血車というのを持っていなかったところに、ただいま申しましたような予算措置によって、各府県少なくとも一台は移動採血車というものを配置できるような体制に、三十九年切りかえたわけでございます。その結果、現在各都道府県に少なくとも一台はございます。それから、大きな県と申しますか、大都市をかかえておる県等においては、二台、三台、四台というような移動採血車を現在持っておるわけでございます。
 そこで、御指摘のように、その後移動採血車がふえてないじゃないか、予算措置もしてないじゃないかということでございますが、これは実は私どもは、全国的に各府県に少なくとも一台ずつの移動採血車を配置して、その移動採血車をフルに活用する。その移動採血車のためには、先生御存じのように、医療陣営の確保、養成、訓練というような問題もございますし、簡単に車をどんどんふやしましても、それに伴う医師、看護婦等の要員が確保できなければ、なかなか思うようにまいらぬわけでございます。そういう車の配置と医師、看護婦等の医療陣営の養成、訓練、そういうものを並行して現在までやってきたわけでございます。そこで、車だけをどんどんふやせばいいじゃないかということでこの問題を考えるのは、私どもはいかがかと思っておるわけでございます。車とそういう要員、それから日本全体の国民の方々の献血に対する理解、そういうものを総合して献血を推進してまいらないと、一方だけが進んでも、全体の効果というものは必ずしも予想するように確保できないわけでございますので、そういう点から、現在までのところ、四十年、四十一年は、移動採血車というものは若干ずつふえつつありますが、むしろ移動採血車というもののフル活用というものにいま重点を入れておる、こういう状況でございます。
#40
○勝澤委員 ことばではそういうことになるのですが、どこかが前に進まなければ、いつまでたっても平均におくれているわけです。それがいままでの行政の状態だと私は思うのです。
 じゃ、たとえば、厚生省の中を見てみまして、一体この血液行政をやっている組織ですか、あるいは人ですか、配置ですか、こういう点はどういうふうになっておりますか。それが、この血液行政というものが大きく取り上げられて、三十九年の八月二十一日閣議決定になったという段階から、一体血液行政について、あなたのほうは、人なり費用なりあるいは体制というものは、どういうふうに強化されておるのですか。
#41
○坂元政府委員 献血を現在やっておりますのは、厚生省の中で、実は薬務局でございます。その薬務局の中で、特に献血問題、血液全般を所掌しておりますのは、細菌製剤課という課があるわけでございます。その課で、血液問題を全般的に所掌しているわけでございます。当初、一昨年、献血の推進の閣議決定をやりましたときには、薬務局の全体の職員で、献血対策本部というものをつくりまして、発足をいたして、いろいろな諸般の準備を進めてきたわけでございますが、現在のところ、そういうような組織というものは特に確立しておりませんが、実は私局長でございますが、局長をはじめ関係の課の職員が、この献血問題の重要性にかんがみまして、一体的になって業務を推進している、こういう状況でございます。
#42
○勝澤委員 結局、これほど血液問題というものか騒がれて、献血の推進について閣議まできまったのでありますけれども、厚生省の事務の体制というものは依然として、旧態依然たるもので、前進がない、こう思うのです。やはりいまあなたの局の細菌製剤課というのですか、これを見てみますと、総務、審査、基準、検定検査、法令、需給、こういう係があって、課長、課長補佐が三名、課員が十二名、十六名でとにかく細菌製剤という全体的なものが行なわれているわけであります。しかし国民のたいへん大事な、これほど世の中の問題になっている、命の問題に対する取り扱い方としては、私は、この血液行政の取り扱い方というのは、やはりもっと前進をした形の体制を強化しなければいかぬと思う。いうならば、一つには、血液行政専門の血液課でもつくって、そこで二、三十人の陣容を擁して、やはりもっと積極的にあなたのほうが前向きにやらない限り、県だって市だって、全額あなたのほうでお金をくれるならともかく、中途はんぱなものしかくれないわけですから、幾らたっても進まないわけです。ですから、そのことをもう少し真剣に考えなければいかぬ。これだけ全体的に問題になっているわけでありますから、その点について、私はもっとしっかりした考え方を示していただきたいと思うのですが、いかがですか。
#43
○坂元政府委員 先ほど来から御指摘を受けておりますように、現在の私どもの体制というものが、これほど大きな国民的な運動であります献血を推進していく上において、必ずしも十分だというふうには、私ども自身思っていないわけでございます。非常に力強い御指摘を受けましたので、そういう方向で今後とも、体制のほうの充実強化という点については、さらに一そうの努力を重ねていきたい、かように考えております。
#44
○勝澤委員 だから、私は、ひとつ大臣に聞いておいてもらいたいと思うのですよ。閣議決定をしながら、閣議決定をするについての裏づけが何もなされていないのです。決算委員会で大騒ぎしたから、まあ献血車というようなものを大急ぎで予備費から買った。これも私は初めての例だと思うのです。これは委員会とマスコミの支援による世論の勝利だと私は思うのです。しかし今度は、それに対する体制はどうか。厚生省は依然として取り扱いの課はそのままだと言う。これは大臣が知らないのです。知らないから、私は、大臣に聞いていてもらいたいと思うのです。閣議決定するときに、大臣が、そんなものをきめたって実際はできませんよ、仕事が余分になるだけですよ、その仕事の余分になった分を、やはり重要な部門として配置をしなければいけませんよと言うのは、あなたの役目であり、大臣はそれを知らなければならない。その大臣がまるっきりです。決算なんておれには関係がない。しかるわけじゃないですけれども、重要なことを聞かずに行ってしまうから、いつまでたったって、われわれが一生懸命、何とかしなければいかぬと言っても、こういうことになっていると私は思うのです。
 そこで、次に、一体最終的には、将来売血をなくして献血一本にする、こういうふうにお考えになっているのですか、あるいは、いまと同じように、売血もしかたがないというふうにお考えになっているのですか、その点いかがですか。
#45
○坂元政府委員 端的に結論から申し上げますと、将来できるだけ早い機会に売血というものをなくしまして、献血に持っていきたいというのが、現在の厚生省の大臣以下の考え方でございます。そういうような考え方に基づきまして、過去二年来努力をしてきておるわけでございます。それからまた、最近の情勢を先生よく御存じだと思いますが、日本で一番大きな買血の民間血液銀行をやっておりました某メーカーも、買血という業務を廃止していきたいということで、すでに今月から買血業務を廃止している。そういうような機運が、ほかの民間の買血の業者等にも逐次醸成されつつあるわけでありますので、われわれはそういうような機運に即応しまして、なお一そう売血の追放ということについて、早急にいろいろな施策を講じて努力を重ねていきたい、かように思っておるわけでございます。
#46
○勝澤委員 この売血も、売春と同じように、人道上許すべからざる行為だということが最近主張されております。そしてまた厚生省の意見としても、売血をなくして、とにかくすみやかに献血に進んでいきたい、こう言われておりますが、最近売血の自粛あるいは献血の推進ということが叫ばれて、いまあなたが指摘されましたように、民間会社では順次自粛の方向には行っておるようでありますが、これに対応する献血の対策というものは一体なされているのかいないのか、これはなされていないじゃないかという指摘が各所で出されておりますが、この点いかがですか。
#47
○坂元政府委員 御指摘のように、売血の廃止に伴って、片一方の面では、当然それだけ献血の量をふやしていかなければならぬわけでございます。そこで、最近の血液のうち、特に売血の自粛ムードに即応しまして、私どもが献血対策としていろいろ考えております点を簡単に申し上げますと、先ほど来から先生御指摘のように、献血の受け入れ体制というものを整備していくということは当然でございます。そういう方向で努力をするわけでございます。ただ最近、ことしの春くらいから、特に私どもが各都道府県に指導をしてきております新しい施策としましては、現在御案内のように、各都道府県に血液センターというものが、日赤なりあるいは公立で一カ所あるわけでございますが、そういう母体の血液センターだけが各都道府県の県庁所在地にあるだけでは、なかなか郡部のほうあるいは僻遠の地まで献血をするということが、実際問題として不可能でございますので、そういう県内の枢要な地に、二ないし三カ所程度の血液センターの出張所というようなものを早急に整備していくということで、現在、各都道府県が、ことしの春以来、そういう方向で出張所を増設していくということで、いまいろいろ努力をしておるわけでございます。これが新しい施策の第一点でございます。
 それから第二の点としましては、従来から集団採血といっているものがあるわけでございますが、いわゆる出張採血というものでございます。この出張採血については、昨年までは、必ずしも全国的な規模で行なわれておりません。東京、大阪等のごく数県で出張採血をやってきたわけでございますが、血液状況というものがだんだん逼迫してまいりましたので、この出張採血というものを、全国的な規模で、ほとんどの県で今後実施していくようにしたいということで、本年度は大体十五、六県から二十県くらいの県で出張採血をやっていくように、現在各都道府県と連絡をし合っているわけでございます。そういうことが第二の点でございます。
 それから、今年度、四十一年度の予算で新たに予算措置をしてある点でございますが、血液型の登録というのが予算措置がしてあるわけでございます。この血液型の登録ということを献血の推進の一つの有力な方法として、われわれはこの予算を有効に使っていきたいということで、現在その計画を策定中でございます。以上申しましたような新しい施策を講じまして、当面する血液不足に対応していきたい。それから、もちろん申すまでもないことでございますが、国民全般の理解と協力を得なければならぬわけでありますので、そういうPRというようなこと、それから冒頭に申しましたような献血の組織化というような従来からやってきております施策等については、今後もなお一そう強化していきたい、こういうことで、当面の血液不足対策をいろいろ考えておるわけであります。
#48
○勝澤委員 将来売血をなくしていきたいということでありますが、そうすると、具体的には、やはり献血を一〇〇%行なうためのある程度の目安といいますか、計画といいますか、大体何年くらいで献血にしていくのだという計画は、お持ちになっておるのですか。
#49
○坂元政府委員 献血を一〇〇%に持っていくための具体策としましては、いろいろな角度から施策を検討しなければならぬわけでございます。当然そういう施策には、財政措置というような裏づけの点も出てくるわけでございますので、そういう財政措置等も含みまして、現在私どものほうでは、血液の献血推進の長期計画というものを作成中でございます。ただどうしても泣き言を申し上げるようでありますが、やはり政府だけではなくて、日本の各層、国民全般の方の積極的な協力なくしては、十分献血の推進をはかることはできないわけでございますので、そういうような長期計画をただ紙上でつくるだけでなくて、われわれは、もっともっと積極的に国民各層の協力を得るような方策を、又一方において考えていかなければならぬのじゃないかというようなことをいろいろ総合的に考えまして、今後何年間かのうちに売血というものを廃止していくということについては、いま省内でいろいろ検討を進めておるわけでございます。昨年、四十年は、私どもは献血の目標を三〇%に置いておったわけであります。ところが、先ほど申しましたように、三月末で大体三二%というところまで、献血がきております。そこで本年度はこの三〇%の献血の目標を少なくとも五〇%まで持っていく、そして残り二〇%かそこらのものを、いわゆる預血というものによります。全体の量からいいますと、三〇%程度が売血で、四十一年度は残念ながら残っていく、こういうようにしまして、四十二年度、四十三年度あたりが、私はこの献血の一番山ではないか、こういうふうな気持ちで、いまいろいろな計画を作成しておるわけでございます。
#50
○勝澤委員 ある程度の目標を定め、中でいろいろな施策というものがなされるわけでありまして、国民の協力を求めるについても、やはりそれに応じた体制というものをつくらなければならぬわけでありますから、そういう点については、皆さん抜かりはないと思いますけれども、やはり厚生省が積極的にやるかまえを見せることによって、国民も協力していく。国民の協力があるからということではないわけでありますから、やはり国民に協力させる、あるいは献血の義務感といいますか、いろいろの点のPRなどは一番必要であるわけでありますから、新しい献血に対する考え方というようなものは十分PRすべきだと思う。
 もう一つは、いまの採血及び供血あっせん業取締法、これは売血を基礎としておるわけでありまして、この採血及び供血あっせん業取締法というものは、いろいろな観点からいま論議をされておると思いますが、これと同時に、献血を中心とした新しい法律というものも、この辺で国民に対するPRというか、献血の意義といいますか、こういうものも盛り込んだ形で、新しい献血に対する法律というものなどについても、いろいろな形で検討すべきときに来ておるというふうに思うのでありますが、そういう点、いかがでありますか。
#51
○坂元政府委員 ただいま御指摘のように、現在の採血及び供血あっせん業取締法というのは、昭和三十一年にできて今日までおるわけでございます。当時いろいろ売血なりあるいは供血あっせん業というような問題がありましたために、この新しい法律ができたわけでございますが、ただいま御指摘のように、献血運動というものを今後推進していく上において、この現行の法律がどのような役割りを演ずるかについては、いろいろな方面から御指摘なり御意見をいただいておるわけでございますので、十分この法律の中身ももう一回再検討をして、ただいま御意見のような点も含めまして、検討を進めていきたい、かように考えております。
#52
○勝澤委員 次に、生活保護の制度の問題についてお尋ねいたします。
 御案内のように、生活保護法では、電気冷蔵庫は持ってはいけないということで、大阪の八尾市の未亡人を中心に、社会的な問題が起きた例もありますし、あるいは四国の徳島では、有線電話を持っている、生活保護を打ち切る、ということで問題になったこともありますし、また調布市の新聞配達の少年が、新聞配達でもらう賃金が生活保護費から控除されるというようなことも起きましたし、また青森県の三沢市の大火で、大火の見舞い金、これも生活保護費から引かにゃならぬということで問題になった例があるわけでありまして、この生活保護の基準というものが、明確になっているようで、実はあまり明確になっていない。生活保護法あるいは日本国憲法で見ますと、健康で文化的な生活、これを保障するのだと、こういうことがいわれておるわけでありますが、まことにこの保護基準というものがいろいろ問題を起こしている。ですからこの際、保護基準についてもう少し検討しなければならぬのじゃないだろうか、こう思うのですが、そういう点、どうお考えになっておりますか。
#53
○今村(譲)政府委員 お答え申し上げます。
 いま御指摘になりましたように、いろいろの問題点が出ておりまして、私どもどういうふうにそれを改めるか、非常に苦慮しているわけでありますが、問題は二つございまして、一つは保護家庭に差し上げる生活費の金額の問題、これは四十一年度東京都でいいますと、四人世帯で二万六百六十二円、これが毎年いろいろ予算で引き上げが行なわれるわけでありますが、そういう金額が、はたして健康にして文化的な最低限度の生活というものに当たるかどうかというふうな問題が一つ。もう一つは、保護法の支給金額じゃなしに、それをめぐる問題、たとえば非常にりっぱなうちを持っている、土地財産を持っているというふうな、保護法を受ける人たちのいわゆる財産関係、資産関係、その辺をどういうふうに、どの程度まで、社会情勢に合わして妥当な線を押えていくか、この二つあると思います。いまお話しになりました点は第二の点のほうでありまして、たとえば、電話あるいは電気冷蔵庫あるいはテレビというふうなものは、持っておることを許される資産状況、それが社会常識と離れて非常にきびしいんではないか、こういう点が一つあるわけでございます。それともう一つは、保護法の原則からしますと、あらゆる資産を注ぎ込む、自分が働けるなら自分で働いて、それでもなおかつ食えないというふうな者はその差額を差し上げる。これは日本国民全部平等無差別でやるんだ、こういうので、収入認定――どの収入も、一銭でも入ったものなら全部保護基準の金額から差っ引くかといいますと、必ずしもそうでございません。たとえば先生いまお持ちになっております。東京都下の義務教育の小学生、中学生が新聞配達をしたという場合に、それが社会通念上しかるべき金額であったならば、それは収入とは見ない、これは市長もあとであやまっている、事務手続の間違いであったということでありますから、これは一つのミスであったわけでありますけれども、そういうふうなものとか、収入認定の問題、持っている田畑とか財産とかいうものをどの程度までやっていいかという問題、もう一つは、保護金額そのものが何万円あればいいのか、そういうふうな問題、大きく分ければ三つに分かれると思います。
 いま仰せになりましたのは、要するに財産関係、それから収入認定の場合、たとえば香典をもらったら、五百円もらっても差っ引くのだというふうなことでは困るというので、一時限りの、社会通念上おかしくないじゃないかというふうなものは、あるものは収入とは見ない、あるいは義務教育の子供が新聞配達をしているというのはそれは収入とは見ない、できる限りのものはやっているわけでございますが、やはりそこにいろいろなケースがございまして、いろいろ御心配をかけるということでございますが、私どもは、やはり憲法二十五条あるいは生活保護法の趣旨から見て、全国民無差別平等の原則を守りながら、社会がどんどん進歩していく、これに応じて、たとえばテレビというのは、いままでは困るということでございましたが、去年あたり全国的な普及率がもう八〇%をこしたというふうな状況でありますので、テレビも、周囲が全部持っているのならいいじゃないかというふうにやりました。ミシン、電気洗たく機も逐次入れている。こういうふうな情勢で、その時勢に合わせるようなかっこうで、私ども今後とも努力していきたい、こういうふうに考えます。
#54
○勝澤委員 具体的な問題で、けさの新聞にも出ているようでありますが、老人の日の敬老金の問題であります。東京では、毎年老人の日に、七十五歳以上の男女に二千円ずつ、知事の名で贈ることになっている。それから全国では、大阪が三千円で最高だ。全国の県や市町村でも、これと同じようなことがある。これが、お金で贈ると生活保護費から差っ引かれる、だから毛布や丹前やちゃんちゃんこが支給されているということで、これは厚生省の事務次官の談話も載っておりますし、東京都の保護部長の談話も載っております。これはいま具体的に出ているわけでありますが、敬老金は臨時収入の扱いを受けて差し引かれることになるのですか、ならないのですか。せっかくけさの新聞に出たことですから、ここではっきりしておいていただきたい。
#55
○今村(譲)政府委員 お答え申し上げます。
 これは前からいろいろ議論がありますが、具体的に結論から先に申し上げますと、収入でありましても、たとえば恩給とか、年金とか、失業保険金とかいうふうなものは、これは毎月といいますか、一定の生活費として入るものですから、その都分は収入があったものとみなす。それからそれ以外の、仕送りとか、贈与というものは、社会通念上収入として認定するのがおかしいものは収入でなかったものとする。よほど大きな金額であれば収入として見る。それからそのほかにこういうのがあるのです。たとえば世帯全体合算しまして、地方公共団体とかあるいはその公共団体の長とかが、盆とか暮れとかに若干ずつ見舞い金といいますか、そういう例が相当あるわけであります。それにつきましては、月にして千円までは収入とは見ない。それをこすようであれば、やはり収入として保護費から差っ引くというかっこうにしてあるわけでございます。いわゆる世帯合算の雑収入ということでございますが、現在のところでは、千円未満については別に問題はございませんが、だんだん市町村で二千円、三千円と大きくなってくるものですから、そこの辺の限界をどういうふうにするかというふうなことで、次官談話にもありましたように、何かいい知恵がないか、これはいろいろなところに波及するものですから、内職収入とか小さいものは、千円ぐらいのものならこっちは何も知らぬというふうなかっこうにしておったりするものですから、まだ結論がついておりませんが、うまい割り切り方があれば、ここの千円をどこまで延ばすかという問題だと思います。現在のところは、千円未満につきましては特に問題がないのでございます。高額のところは困るということにしてございます。
#56
○勝澤委員 いまの話ではまだ解決しないわけでありますけれども、これは、いまのあなたのお話ですと、前からもこういう問題があった。前からもこういう問題があって議論が尽くされてきたけれども、いまもって解決しない。いまもって、とにかく敬老金をもらえば年寄りは生活保護費から差し引く、何と冷たい国の仕打ちだ、こういうことになっているわけですね。ですから、この間みたいに、死んだ人が出てくるわけです。じゃ、死んだ人の責任は、局長がこういうことを早くきめてやらなかったからということになるじゃありませんか。私は、厚生大臣、殺人教唆罪ですか、そんなことになりかねないと思うのです。だから、私は、こういうのが起きたときに、どんどんその場その場で解決していかなければいけないと思うのです。これはここで解決できませんか。もう長い間のことでしょう。次官がこう言っているから、局長がどうもそれ以上のことを言うわけにいかない。いまあなたの御答弁によると、次官と同じ、何とか知恵をしぼっていきたい、こういう答弁しかないのです。しかし何とか知恵をしぼってみたいという答弁は、ここ数年間ずっと同じ状態であったということです。ですから、老人が死んだ、遺書が残った、それを閣議で取り上げて、あるいは総理大臣が取り上げて、何とかしなければならぬじゃないか、こういうことになると、少しものが進むわけです。冷蔵庫で世間の問題になると、マスコミに乗ると、それが問題になって解決するわけです。それ以外に問題がないかというと、幾らでもたくさんあるわけです。たくさんあって泣き寝入りしているわけです。それがいまの厚生省の実態の行政の中にたくさんあると思うのです。だから、そこであなたのところは事件官庁だ、事件が起きなければ、世の中の批判を受けなければものごとが解決しない。いつも事件が終わってからの処理だ。そうではなくて、事件が起こる前に、問題というのはわかっておるわけでありますから、これはやはり解決しなければならぬと思うのですが、これはどうですか。もうちょっとはっきりした答弁できませんか。
#57
○今村(譲)政府委員 お答えいたします。
 ただいまの問題で、いわゆる雑収入といいますか、そういう点、世帯で一回千円というふうなところで吸収しておったのですが、最近急に二千円、三千円というふうな額に各種のものも上がってきたということで、この千円というふうなものをどの辺まで引き上げるかという問題、それが、たとえばその他の内職の収入とかあるいは仕送り、贈与とかいうふうなものとの金額のバランス上、非常に問題があるというのでいろいろ検討しておる、こういう段階でございまして、いままで何も全部だめだと言っておったわけではございません。千円ということでワクを引いたのは、それだけでは足らぬじゃないかという情勢になってきた、それをどこまで上げるかというふうな問題でございますが、これはいましばらく検討さしていただきたいと思います。
#58
○勝澤委員 大臣、ちょっとこれを質問するので、読んでください。
 いま大臣のお手元に差し上げましたように、けさの新聞に、年寄りの日に敬老金を県や市町村がくれる、いままでの基準ですと、千円ならば別に生活保護費からは差し引かなかった。しかしそれが二千円なり三千円になったために、生活保護費から引かれる。ですから年寄りの日にとにかく敬老金をもらっても、生活保護を受けている人は何らの足しにならずに、むしろ年寄りの日そのものを今度は恨むことになるじゃありませんか。そこで、その問題はいままでどうなっておったかというと、いままで何回もそれが問題になって、もう検討されてきておった。たまたま新聞に出て、そうして事務次官が何とかしなければならぬという談話、東京都のほうでは何とかしてもらわなければ困る――それはいまの問題ではないわけです。もうここ数年前から、そういう問題は起こってきた問題なんです。起きてきたけれども、それが大臣の耳に入らずに、みなそれが下のほうでそのままおさまっておったから、実は解決しなかったわけです。言うならば、最近お年寄りが自殺をして遺書を残した、これは何とかしなければならぬということで、閣議で総理が持ち出して、何とかしようじゃないかということになって、問題が解決していくわけであります。ですから、私は、大臣、その問題は何かここで簡単に解決できる問題だと思うのです。いかがでしょうか。年寄りの日に贈りものをもらったぐらいの、たった二千円や三千円ぐらいのものを、ここ二年も三年もかかって省議でやってきたけれども、まだ結論が出ずに、いまの段階でさえも、何とか検討しましょう、これだから厚生省というのはいつまでたったって、さっきも大臣いないときによく話したのですけれども、事件が起きれば事件の処理の役所であって、事件を積極的になくすようなものの考え方をしていない、こういうことなんです。ですから大臣の答弁は、局長と同じように、事務次官と同じように、何とか検討しようという答弁なら別に要りませんけれども、いかがですか、大臣、ここですっぱり簡単に、もう生活保護費から差し引かない、こういうことにしたらどうですか。
#59
○鈴木国務大臣 この問題は、特に敬老の日にお年寄りの方々、特に貧しいお年寄りの方々に、都やその他地方公共団体で、特別な老人福祉の意味合いを含めまして、こういう贈りものをいたしたその趣旨をやはり生かす意味合いからも、いま御指摘になりましたようなことを実現をする、それを何とかそういうものを差し引かないようにするという前向きの方向で、早急にこれに対する結論を出したい、こう思っております。
#60
○勝澤委員 これは大臣、生活のレベルにかかわらず、全員に支給しているわけです。大体どこでもそうなんです。七十五歳以上男女に出しているわけです。そうすると、生活保護を受けていない人は二千円もらって――年寄りで幾らお金がある人でも、役所から金をもらったという喜びがあるわけです。しかし生活保護を受けている者は、生活保護を受けているために二重の悲しみになるわけです。こういう点があるわけです。たとえば、いまの国民年金も同じことです。うちのむすこの所得がいいばかりに、おれは年をとっても年金がもらえない。あめ玉年金というやつですよ。うちのむすこは所得がいいから、あれは親不孝だと言う。所得が基準より低ければ、福祉年金をもらえるわけです。ですから、年寄りに対するものの考え方というものは、私はもう少し考えてやらなければいかぬと思うのです。世帯が別なんです。国民年金も、私は小林さんが厚生大臣のとき、地元ですから、何回も話をしたわけですけれども、基準を上げればいいのだろう、しかし基準を上げても、年寄りは、むすこからもらう金と役所からもらう金というのは、同じ千円でもやはり違うわけです。ですから、ものの考え方というものを、政治ですから、もう少しあたたか味のある取り扱いをしなければいかぬ。それが一つの例で、これがマスコミに乗ったから、いま大臣の言ったように、あしたかあさってくらいに解決すると思うのです、あなたが大臣ですから。ですからそういうことから見てみますと、では生活保護の基準というものは、基準算定の根拠は何だ。健康で文化的な生活を営むような生活保護が与えられているかどうか。それは国の予算との関係で、生活保護法も憲法も極端に言えば、無視されたという言い方はどうかと思いますけれども、予算との関係でものはきまっておるわけです。しかしほかの予算の問題は大きな圧力団体によって、その予算というのはどんどん上がっていくけれども、何も力にならない、選挙の票にもならない、政治の力にもならぬ、こういう圧力のない生活保護の人たちというものは、いつまでたっても押えられている。だれがやるかといえば、せめて厚生省の役人や厚生大臣くらいはそれくらい努力してやらなかったら、いつまでたったって、私はよくならないと思うのです。ですから、そういう意味で、生活保護の問題につきましても、もう少し、大臣いま言われましたけれども、ひとつ、総理も老人の問題を取り上げて即座に解決されているわけでありますから、せっかくのいい機会ですから、ひとつ一日、二日の間に問題を解決していただきたい。よろしゅうございますね。
#61
○鈴木国務大臣 いまの問題につきましては、先ほど申し上げましたように、お年寄りに特別な福祉の対策としてそういう配慮をされておる地方団体等の趣旨を十分生かすように、いま御提案がありました方向で善処いたしたいと考えます。
 なお、生活保護の問題につきましては、一般の国民生活水準の向上と見合って、生活保護基準の改定も行なっておるわけでありまして、昭和四十一年度においては、大体一般の生活水準は一〇・二%くらい向上するという見通しでありますが、これに対しまして一三・五%の引き上げをいたしたのであります。これはただ一般のものと見合っていくのでなしに、できるだけ格差を縮小していきたい。そして社会保障制度審議会等から御意見がありましたように、できるだけ早くこの生活保護費が国民の最低生活の保障として十分な役割りを果たすように、実質的な生活の保障になるようにということで、今回も一三・五%の引き上げということにいたしたのでありまして、今後とも、この生活保護基準の改善につきましては、最善の努力をいたしたいと考えております。
#62
○勝澤委員 それから、さっき大臣がいらっしゃらないときに質問したわけでありますけれども、血液行政の問題です。この血液の問題というのは、特に三十九年六月ごろから問題になりまして、マスコミにも取り上げられ、決算委員会でも取り上げて、予備費まで出したらどうかという発言もし、与野党一致して政府に要請して、閣議決定になって、今日献血がやや進んできた。将来献血一本でというお考えもあるようであります。そこで私は、特に献血を推進する上に、もう少し厚生省の機構を充実しなければだめだと思うのです。この間のチフスの事件があってみても、やはりなかなか係官が少ないということが言われているわけであります。結局事件が起きてようやくこうやっている。その前に手を打つということがやられていないわけです。ですから、先ほども局長に申し上げておいたのですけれども、献血体制を強化していくためには、やはり機構です。いまの一人か二人が片手間にやっているような形では進まぬと私は思うのです。ですから、機構についてももう一回よく局長と御相談されて、やはり機構をもっとマッチさせて充実していく。特に厚生省のおくれておるそういういろいろな問題、懸案事項をぜひ解決するように努力していただきたいと思いますが、その点いかがですか。
#63
○鈴木国務大臣 御指摘のように、いろいろ厚生行政につきましても、社会情勢や、また経済情勢その他疾病の態様、そういうような情勢の変化に即応して、行政も重点的、機動的になされるように、従来の固定した行政にとらわれないで、必要な部署を強化していくということが必要であろう、こう思うわけであります。血液の問題なんかは、最近民間の商業血液銀行等の自粛なり、あるいは売血者の自粛というようなこと等で、さらに献血による輸血に必要な血液の確保をはかっていくということが、特に緊急迫られた問題になっておるわけでございます。そこで、まだ血液課のようなものを実はつくっておりませんが、薬務局長も実はこの問題とは真剣に取り組んでおりまして、先日も、日赤でありますとか、その他地方の献血推進対策協議会のメンバー等も集めまして、献血推進の対策も強力に進めようということをいたしておるところでございます。血液問題は、現在全体の輸血必要量の三二%程度を献血でまかなっておるという現況でございますけれども、採血車の稼働日数を増すとか、あるいは血液銀行の支所、出張所を各地に設けるとか、あるいは医療機関等の協力を得まして献血量の増加ということに万全を期するようにいたしておるわけであります。また、昭和四十一年度におきましては、血液型の登録を各職域、地域にいたしまして、緊急な際における献血の確保ということ等にも努力をいたしておるような次第でございます。
 御指摘になりましたような、機構の問題につきましても、今後十分考えていきたいと考えます。
#64
○勝澤委員 次に、看護婦の不足の問題ですが、実は看護婦が不足をしているというのは、もうここ数年前から行政管理庁から行政監察の意見として出されておるわけです。この間も行政管理庁長官に話したわけですけれども、行政監察として指摘をされた省が、それにどのように対処してやっていくか、それが真剣に行なわれていれば、いまのような看護婦不足というのは出てこないのじゃないか、いまのような極端にはならない。しかし行政管理庁が指摘をしても、それを受けた省がおざなりにものを取り扱っているから、こういうことになるのであって、行政管理庁という役所ももう少し真剣に考えなければならぬという話を私はしておいたわけであります。最近の看護婦不足の状態というのはたいへん問題になっているようでありまして、これはよほどしっかりした対策をつくらなければいかぬと思うのです。たとえば国立の小児病院の例が週刊誌にも出ておるわけでありますけれども、お医者さんはおるけれども看護婦がいない、ベッドはたな上げになっている。いまどうなっているか私知りませんけれども、当時そう書かれております。一体病院をわざわざつくりながら、お医者さんのほうは余分に余っている、看護婦のほうが足りない、国がやっている国立病院でさえそうなのですから、よほど地方に行けば、あるいは待遇の悪いところへ行けば、問題があるわけであります。ですから、この看護婦の問題についても、隘路がどこにあるのかという点は、これはもう幾らも言い尽くされたことだと思うのです。ですから、それをどうするのかという点を、厚生省として真剣に考えてやらなければいかぬのじゃないか、私はこう思うのですが、その対策はどういうふうにお立てになっておりますか。
#65
○鈴木国務大臣 看護婦の問題につきましては、数年来問題になっており、厚生省としても、この看護要員の確保の問題につきましては、特に力を入れてまいったところであります。現在看護婦は毎年二万人くらいずつ養成をいたしておるのでありますが、結婚その他の家庭事情等で一万人くらいが、また一面やめていっておる。でありますので、ネットで一万人くらいずつは増加をいたしておりますけれども、まだ必要数を確保するに至っておりません。しかし今年度におきましては、各国立病院はじめ公的医療機関等におきましては、それぞれの看護婦の養成機関で要員の確保に努力をいたしておりますし、また文部省とも緊密に連係をとりまして、高等学校の看護学科というようなものも四十カ所余りふやしていただいたり、いろいろの対策をいたしておりまする関係で、今年度は相当の応募者も実はありまして、明るい見通しを私ども持っておるのであります。また一面、家庭にすでに入っておりますところの有資格者に対しましても、パートタイム等で御協力を得るようにというので、そういう方面にも呼びかけて御協力を願っておる、こういうことであるわけであります。いま国立の小児病院のことにお触れになりましたし、先般はびわこ学園で新しい心身障害児の収容施設ができたが、その看護婦が得られないで困っておるというような報道なんかも実はあったのでありますが、小児病院の場合でもびわこ学園の場合でも、ちょうど十一月、十二月という時期に開園をされたわけでありますが、そのころは看護婦さん方もちょうど養成機関からまだ卒業していない、一番要員の確保に困難なむずかしい時期でありまして、年度を越えましてから、この国立の小児病院やびわこ学園等におきましても看護婦さんの手配がついた、こういうようなことでありまして、いま申し上げたような状況にございまして、今後、厚生省としても各関係機関を鞭撻し、また協力を得ながら、看護婦の養成、確保に努力をいたしておるところであります。
#66
○勝澤委員 それから、社会福祉事業振興会でやっている資金の貸し出しでございますが、これは御案内のように、児童福祉施設や精神薄弱者施設等、社会福祉施設の拡充をするときには、これについての貸し付けが行なわれているようでありますが、この申し込みについて、貸し付けの状態を見てみますと、五〇%ないし六〇%という状態であるわけであります。そしてまたこの利率を見てみますと、たとえば中小企業、農業には無利子あるいは三分五厘、こういう安い金が出されておるわけであります。社会福祉法人というのは本来非営利事業であるわけでありますので、いま五分一厘一毛、実質は四分というようでありますけれども、これはやはりこの施設の性格からいって、この資金をもっとふやす、それと同時に、金利負担というものをもっと軽減をしてやるべきではないだろうか、つり合いがとれないではないだろうか、こう思うわけでありますが、これについて、私は大臣の特段の努力を要請いたしたいと思いますが、いかがですか。
#67
○鈴木国務大臣 社会福祉団体に対しまして、国として、財政的また金融上のめんどうを十分見るべきであるという御意見につきましては全く同感でございまして、私どもも、昭和四十一年度の予算編成にあたりましては、実はそういう方向で努力をいたした次第でございます。今年度から団体運営の調整費というものを、これは長年の懸案であったのでありますが、ことしそれを初めて予算上計上いたしまして、そして社会福祉関係の法人の施設の償却等に対しましても、その運営調整費で、ある程度めんどうが見れるように、今度手当てを若干いたした次第でありますが、今後ともそういう方向で努力をいたしたいと考えておるところであります。いまの社会福祉事業振興会の貸し付け原資、これは資金運用部資金の借り入れ金、前年度六億程度でございましたが、今年は十億円、それから前から貸し付けをしているその返済がございますから、そういう回収金約二億円、計十二億円をこれに現在予定をいたしておりまして、これによって、民間の社会福祉施設のめんどうを見ていきたい。最近、福祉事業界の要望が相当高まっておるのでありまして、この程度では不十分とは考えておりますけれども、今後とも十分努力をいたしたいと考えております。
#68
○勝澤委員 たとえば、この中小企業の近代化、農業の近代化、こういうものと、いまの児童福祉、社会福祉といいますか、こういう福祉施設の金というものを考えてみた場合に、やはり私は、金利の問題についても相当検討すべきものじゃないだろうか、こう思うのです。ですから、そういう点で、大臣に――これは比較の問題ですね。特にこの社会福祉というものを重視しなければならぬところにいま来ておるわけでありますし、それを民間でやられておるということでありますから、そういうものについては、いま大臣も努力をされておるようでありますが、ひとつつり合いといいますか、そういうものとの関連性を考えて、近代化資金なんか、無利子で五年くらいで返すなんというものもあるわけでありますから、そういうのと比較をしてみると、社会福祉についての――社会福祉というものは全体的なものですから、もう少し考えるべきではなかろうか、こう考えるわけです。
 それから、最後にもう一つお尋ねいたしますが、この中央競馬会は、政府に国庫納付しておるわけでありますが、中央競馬会法三十六条で、この経費のおおむね四分の一相当額というものは、「民間の社会福祉事業(公の支配に属しないものを除く。)の振興のために必要な経費に充てなければならない。」こういうことがはっきりきめられておるわけであります。御案内のように、競馬会の競馬の収益というものは一般会計に入れられて、それから支出をされておる。しかし競輪のようなものは、御案内のように自転車振興会で、通産省と相談をしながら、目的によって支出をされておる。中央競馬会のほうは一般会計のほうに入ってしまっておるわけです。それの中身を見てみますと、四分の一相当額といいますと、三十九年度は十二億五千八百万円、四十年度は十五億二千五百万円、こういうことになるわけでありますけれども、四十年度の社会福祉の整備費を見てみますと十一億四千七百万円ということで、実はこの目的に従った使われ方をしていないわけであります。結局一般会計に入ってきまして、それとごちゃごちゃになってしまうから、どうしても予算がその中で洗われるわけでありますから、これを別ワクにふくらますということが行なわれないわけであります。こういう点からも、私は特に、競馬をやる意義はいろいろ問題があるとしても、それから上がった収益というものは社会福祉に使うのだということが明確にきめられているわけでありますから、予算の執行の中でも、こういうことが完全に行なわれるように、これもやはり大臣として努力をしていただいて、社会福祉事業の振興をはからなければならぬと思うのです。その点、特にまた要望いたしておきます。
#69
○鈴木国務大臣 競馬会から国庫に納付されております額は、昭和三十九年度に五十億三千三百万円ございます。その四分の一は、ただいまお話ありましたように、十二億五千八百万円、こういうことになるのでありますが、この社会福祉施設等、民間の社会福祉事業の振興のために必要な経費として出されております施設整備費は、七億二千万円でございますけれども、政府としては、このほかに施設の運営費として百六億七千七百万円というものも、実は民間のほうに対しまして出しておるわけであります。合計いたしまして、百十三億九千七百万円という相当の助成をいたしておるのでありまして、日本中央競馬会の法律できめておられますところの趣旨も、私ども十分尊重いたしまして、いま申し上げたようなことで、施設費、運営費に対する助成というもので百億をこえる助成を実はいたしておる、こういうことであります。
#70
○神近委員 関連して。私は、昨年の秋ごろでした、NHKで、「ある生活」という題で、非常に貧弱な社会福祉事業をやっている、精薄児童を収容しているところへ、偶然機会があったので、非常にささやかなところでしたけれども、行ってみて、いろいろ聞いてきたのでございます。それで、どうも納得できないいろいろのことがあるようですから、この点で二、三御質問したいと思います。
 いま問題になっております社会福祉事業振興会、これの予算あるいは支出の状態をお話しになったと思うのですけれども、あの社会福祉の施設になるのには二千万のお金が必要だということはほんとうなんですか。
#71
○今村(譲)政府委員 お答え申し上げます。
 ちょっとその御趣旨がよくわかりませんが、いわゆる徒手空挙で、何もなくて、これからやるんだから社会福祉法人を認めてくれというのがときどきありますけれども、やはり社会福祉法人ということで、大臣の認可になって、事業がはたしてほんとうにやれるものかどうかというかっこうのためには、土地なり建物、ある程度の基礎がないと、これからやりたいということだけでは、社会福祉法人の認可がなかなかむずかしい。そういう意味で、何か仕事の基礎になるものをつくるには、二千万ぐらいのものは前もって準備しなければいけないのじゃないかということから出た話かと思いますけれども、必ずしも二千万という話は、私は何も伺っておりません。
#72
○神近委員 これはもう十五、六年やっている人で、小学校の校長を定年前にやめて、この施設を自分でやっていらっしゃるのです。最初は四十何人かいたのですけれども、十八歳以上になるとそこに置けないものですから、二人のむすこさんが職業訓練の施設を近くにつくって、そこに引き取っておられる。その先生のほうは、非常にむずかしいものだから、ノイローゼになって、自殺なさったのです。それで、いま未亡人とむすこさん二人、親子三人でやっている。私はそのことをいろいろ文章で読んだし、それからテレビでもその反応が全国から三百何十通とかあったということを知っていたものですから、行ってみたのです。私に何かすることができるかと思って、行ってみたのです。それで、なぜ社会福祉法人を出願なさらないかということを尋ねてみたのですが、あなたがおっしゃるように、かなりの土地も、借りたんだろうと思うけれども、持っている。養鶏や、またちょうど池がそばにあるので、アヒルも飼っている。それから農業や養豚もやっておるようでした。そういうふうなことをやっているのですよ。そういう状態で、二千万円あるかどうかということはちょっとわからないのですけれども、それは段階があるのですか。その基金として貸し付けるということに、段階があるのですか。それからさっき利子の話が出ていたようですけれども、これは無利子ですか利子がありますか、ということを承りたい。
#73
○今村(譲)政府委員 その施設のことは存じませんが、現に精薄児の施設をおやりになっているくらいで、それで、十八歳をこすので、おとなの精神薄弱者の施設をこれからつくりたいということじゃないかと存じますけれども、現在それだけのりっぱな社会福祉事業をやっておられるならば、社会福祉法人の申請をなされることは御自由であって、幾らでもそういう例はございます。ですから、金がなければというのじゃなしに、おそらくいま十八歳未満のをやっていらっしゃって、十八歳をこすからおとなの精神薄弱者の施設を新規につくりたい、その新規につくるについては、社会福祉事業振興会から――もちろん国庫補助金もありますけれども、社会福祉事業振興会から、自己負担部分としても二千万円くらい金を借りなければならぬのじゃないか、そういう話じゃないかと思いますけれども、法人になるには、現実にそれだけの土台がありますならば、二千万円の金がなければ法人になれない――何もないなら別ですけれども、現実に社会福祉事業をやっていらっしゃるのですから、そういうことはちょっと考えられないと思うのです。
#74
○神近委員 私が伺っているのは、そういう施設は、申請して二千万というのをぜひ借り受けなければならないのか、あるいは五百万かそこらで間に合えば、それでもいいのかということと、それから、その社会福祉法人の運営というものについて伺おうと思って、その基礎的なことをいま伺っているのです。ですから、社会福祉法人になるには、最低幾ら借りればいいのですか。それと、もう一つ、借りはしなくても、これだけの施設で、これだけ長いことやっていて、非難されるようなことはない。一家族が父親の遺志を受けて、それだけやっていらっしゃるということを考えれば、これは国から補助があったっていいと私は考えるのですけれども、その貸し付け金の最低の額と、それから条件ですね。それに対して利子を払うのか払わないのか。償還はどういうような状態でしなければならないのか、そういうことを承りたい。
#75
○今村(譲)政府委員 第一点の、現実に社会福祉事業をりっぱにおやりになっていらっしゃる施設でございますから、社会福祉法人の御申請をなさることは一向何でもない、普通なされるということが一つあると思います。
 それから、拡張なさいます場合に、たいていは、たとえば五千万かかりますと、国がその二分の一、二千五百万を補助します、それから県が残り二分の一の半分、要するに四分の一ですね、それを国の補助金に県がくっつけるわけです。したがって、全部の四分の三というものは、国と県で補助金を出して、それでその施設が、残り四分の一。かりに四千万といたしますと、一千万というものは自分でくめんせなければならぬというときに、社会福祉事業振興会のほうに、一千万貸してくれ、こういうふうに頼むわけです。ですから振興会に来ますのは、大体の場合は、国庫補助金や何かついたものの四分の一の自己負担分を貸してくれというのがおもでございます。ですから、社会福祉法人に申請されて、それで事業拡張のために振興会に金を貸せといわれる分には、何も制約はないのです。自分の自己資金が何千万なければならぬ、五百万なければならぬということはないし、振興会から借りるのも、五百万でも、三百万でも、一千万でも、二千万でも自由です。金利は、やはりいまお話がありましたように、五分一厘一毛でありますが、二年間は利息がありませんので、新規の施設につきましては、平均しますと、大体四分ちょっと切れるぐらいというかっこうになります。
#76
○神近委員 その話が出たときに、なるほど二千万借りるということはまあ考えられるけれども、そのいろいろ条件があるのでしょう。いま、自殺した人の裁量だったのでわからなかったけれども、銀行からいろいろの寄付が集まったものが利子がついて四百万になっているというので、古い二階家でやっていたもので、子供たちが精薄のひどいものですから、もう非常に危険だからといって、いま平家に直していたことは事実であります。それで福祉法人を申請したらどうかということを、私はそのほうが経営が非常に楽じゃないかということを言って、どういうことでそれをちゅうちょしているのかということを聞きましたら、こういうことを言ったのです。福祉法人といっても、みんな全部が全部清潔ではありません。二千万ぐらいの金ならば金融業者が貸してくれるということの申し出があるようです。だけれども、どういうわけで金融業者がそれに興味を持つかというと、なかなかもうかりますようですと言うのです。そこではもうけていないのですよ。だけれども、福祉法人になりましたというので、寄付を、地方の財閥だのどこだのからもらって歩く、それから国からの補助も受けられる、それで地方の自治体からももらえる、あるいは赤い羽根が参ります、年賀はがきの金が参ります、相当もうかる事業だというふうに一般に見られている。私はそのとき、そのことが納得がいかないのです。あなた方はせっかくこういう意図をもってやられている。それも精薄なんか見ていてごらんなさい。一時間も見ていたら、もうほんとうに自分がどうかなるような気持ちの精薄なんですよ。それを金もうけの材料――インテリでちょっと善意を見せかけて、そしてそういうことをやって、それで自分がよそから見て金がもうかるというようなこと。何でもうかるかというと、やはり子供たちの食料を落とすとか、あるいは水道料金や電気料金をどうとかするとか、そういうことで出ていくわけでしょう。私、その点で、厚生省の監督というか、そういうところに手落ちがあるのじゃないかということをしきりに考えるのです。その点はどういうところで――これはたとえば村の厚生課かそういうところでやっていらっしゃるのか。昔の検問使みたいな、会計検査院かどこか知らないけれども、そういう人がやはりずうっと見て歩く。ほんとうに役人が来たというと、みんなていさいをつくりますから、それで私はそういう聞き込みというようなものが行政には要るのじゃないかということをしきりにそのとき考えたのですけれども、一体そういう実態をあなた方は見聞なさったことがありますか。これは実際にやっている人たちの話なので、私はぜひあなた方にこれをお耳に入れたいから、きょうはここへ出てきているのです。いかがですか。
#77
○竹下(精)政府委員 精神薄弱児の施設につきましては、現在、児童福祉法によりまして、県が認可をいたしまして、この認可に基づいて施設の運営がなされる。そういった場合に、県のほうでは当然認可する際にも監督をいたすわけでございますが、児童福祉法によりまして、年に一度は――児童福祉法に定められております最低基準というのがございます。これは、職員は、たとえば児童五人に一人とか、あるいは居室その他生活全般についての基準が設けてございます。その基準についての監督を県が行なうことになっております。精神薄弱児施設は、現在のところ県の段階でこれを監督するということでございまして、市町村は直接これの監督には、原則として当たっておりません。もちろん、最近におきましては、市町村自身の精神薄弱児施設もございますので、そういった場合には、当然市町村が第一義的には監督を行ないます。全般的な監督は、県の児童関係の担当課が監督をして、先ほど申し上げましたように、年に一度は少なくとも最低基準の実施状況を調査するということになっております。それから厚生省におきましては、児童保護費全般を対象といたしまして、適切に運営されているか、あるいは支出されているか、こういう指導監査の人たちもおるわけでありまして、そういった人たちが、各県に参りまして、そういう監査を行なうということになっております。生活費その他につきましては、毎年度、児童保護費ということで改善につとめておるわけでございますが、たとえば食費にいたしましても、現在一日に百五十円程度でございまして、これは決して十分な金額でもございませんし、それを運営することによって、先生のおっしゃるように、もうけるというふうなことは、私どもとしてはほとんど考えられない、かように考えておるわけであります。むしろもっと内容の充実につとめるべきじゃないか、こういう気持ちで指導いたしておるような次第でございます。
#78
○神近委員 宅地や家、あるいは麦をつくったり大根をつくったり、農耕していますね。そういうところの固定資産税もみんな、法人の認可がなければ、いま納めているということになりますか。
#79
○竹下(精)政府委員 現在、児童福祉施設につきましては、原則として、社会福祉法人または民法法人、そういった法人をもって運営することを原則といたしておるわけであります。福祉法人は、いま先生の御指摘のように、社会福祉事業に財産をいわば寄贈したような形になるわけでございますので、そういう意味合いにおきまして、税法上いろいろな特典があるわけでございます。したがいまして、そういう法人でない場合には、固定資産税その他の税金がかかる、これは税法上やむを得ないかと思います。
#80
○神近委員 だから私は、福祉法人を早く申請したほうがいいということをすすめに行ったのですけれども、ともかくその運営上の実例を見ていると、必ずしも自分たちの考えたようなものではないということで、いままでちゅうちょしているという話だったのです。それで、いままで私も何回か送りましたけれども、特に自殺というようなことを聞いたときには全国から集まる。それで、ある、長野県の長野大学の先生だったと思うのですけれども、私どもにずうっとふれが来たのです。月額千円必ずそこへ送るというなにをしろということで、私どもも黙ってそういうような要請があるたびに出していると、大体二十口くらい月にあるのです。ところがある大学の先生が、東京らしいのですけれども、それの文書を見て、私どもも月に十口はそういうものを出しているから、月々の契約はちょっと困る、ちょうど私どもと同じようなお考え方だろうと思うのですけれども、そういう御返事だった。それで、必ずしも月々千円送ってくれとは言わない、というようなことを先方で言っていましたけれども、それは結局社会福祉が十分でないからだ。私ども年末には三十か四十通そういうような要請が来ますよ。ちょっとお人よしというようなところがあるものですから、そういうのが来る。それは社会福祉が個人の肩にかかっていくということになるのじゃないですか。たとえば結核の療養所あるいはこういう施設、いろいろなところから、いつもそういう要請状が参ります。それは社会福祉が十分でないから、われわれ議員が負担するということになるのじゃないかというふうなことをいつも――これはある新聞にも、ちょっと私は書いたことがありますけれども、ともかく、もしこういうような施設から法人認可の出願が出たら、むずかしいことを言わないで、認可なさったがいいと私は思うのです。いま、これは県に申請しなければならないというようなことでしたけれども、県だっていろいろありますからね。直接でないから、いまここで問題にしたってしようがないのですけれども、これはまた手続を踏ませてみて、その結果で、厚生省にアドバイスをお願いに行くということもあるかもしれません。ともかくも、実際に、皆さんが一年に一回くらい決算か何かで行ってみるとかおっしゃるけれども、実際にもう少し把握するためには、もっと頻度をふやしてごらんになる必要がある。私、昔の歴史的なものを読むと、検問使という者が行政のあり方を見て回っていたというのに、会計検査院なんというところに行ったら、どういう扱いをするかということがおよそ想像できます。だけれども、検問使というような封建時代のものは、隠れて、行政のやり方がどういうふうかということを見ていたので、このほうがよっぽど効果的だなと、私は考えているわけです。そういう意味で、監督をもっと人情的に、そして合理的にやっていただきたい。実際に自分が行ってみて、この運営にあたって、これを創設した人の遺志を継いで、家族が三人がかりで、あるいは娘さんがいるようですから、五人がかりでやっているという状態を見て、憲法の二十五条はここには来ていないなという感じを持ったわけなんです。私はぜひ福祉法人を申請するようにすすめ――何らかのその施設に対する注文ということをいまおっしゃいましたね。それはどういう程度のものなんですか。たとえばこの間、古い二階家、個人の家であったものを、危険だからというので、監督ができないからというので、平家に建て直してはいたのですけれども、そのほかに食事あるいはどういうことが要件となりますか。その施設をやるということについての要件ですね。たとえば何人に対して――いまは非常に減っています。ですけれども、福祉法人となれば、そこの施設に送り込むということがあるのだそうですね。そういう場合、四十人が限度ですか。
#81
○竹下(精)政府委員 先生のお話をお聞きしておりますと、正式の認可を受けていない施設じゃないかという……。
#82
○神近委員 そうです。それだから、正式な認可を申請しなさいということを私はすすめに行ったのです。それで、どういう条件かということを向こうに聞きに行ったのです。
#83
○竹下(精)政府委員 わかりました。児童福祉法によって定めております最低基準と申しますのは、先ほど申し上げましたように、職員を配置する基準が一つございます。それから児童の生活に関する基準、たとえば総体として一人五坪の建物というものが必要である。でございますから、たとえば三十人の場合ですと百五十坪というような建物が必要である。その建物にしましても、居室とかあるいは食堂、トイレ、そういったものの一応の基準も考えてございます。また、生活費そのものにつきましては、先ほど申し上げましたような、国のほうで出しております児童の生活費を十分出してもらいたいということ等が、施設に対しまして現在きめております最低基準のごくあらましでございます。
#84
○神近委員 さっき言ったように、四百万のお金で、作業室か居室だろうと思うのですが、それは建てていた。そして二千万は大かた要るだろうということですが、福祉法人になるには、いままでのそういう投資というか、あるいはみんなの善意によってもらった金、そういうものを差し引いて、そして必要額をきめればいいのですか。たとえば児童の居室をつくる、あるいは作業場をつくるという、付加する施設をすればいいのですか。そうすれば、そのお金は必ずしも二千万というようなものは要らないわけでしょう。
#85
○竹下(精)政府委員 もちろん、すでにございます分は、最低基準に合致しておる限りは、必要ないわけでございますから、最低基準に照らし合わせまして、不足している分について幾ら要るかという計算を出せば、所要額が出るわけであります。
#86
○神近委員 私は、その二千万というのがちょっとしゃくにさわったのです。どうしてそんな貧乏な、たとえばたかだか教員をしていた人の家族、そういうような人たちがそんなにお金を負担することはできないはずです。それで、昨晩、福祉法人法をずいぶん探したのですけれども、見つからなかった。それで御相談にいくひまがなかったので、きょうここの質問として――ともかく運営が悪いということで、福祉法人になるということをきらっているのです。私は子供たちのためにも、その未亡人のためにも、福祉法人になったほうがやりよくないかということで、行ってみたわけなんです。大体見当がつきましたから、ぜひ申請して許可を得られるようにということをアドバイスをしてみようと思います。ありがとうございました。
#87
○吉川委員長 吉田賢一君。
#88
○吉田(賢)委員 大臣が出られましたので、しかるべきどなたか、次官もしくは担当の局長から御答弁いただければけっこうです。青少年問題また非行少年問題、これを家庭からながめました面、あるいは児童福祉の面などから見まして、厚生省のお仕事はずいぶん大きいと思っております。そういうことで、まず児童福祉対策の観点から二、三伺うことにいたします。
 第一点は、児童福祉対策といたしまして、家庭福祉が最も重要である、こういうふうに思っております。家庭には、御承知のとおりに、かぎっ子がありますし、欠損家庭もありますし、あるいはまた親子の関係のものの考え方のすれ違いもございますし、しつけの機能がだんだんと低下しておるというような最近の実情もございますので、家庭対策、家庭づくりは非常に重要な根本問題と考えておるのですが、これは厚生省だけでは解決できない問題ですけれども、しかし厚生省は厚生省なりに、家庭づくりについてどんなかまえで、何を最重点的な切実な問題としてとらえておられるのか、この点を伺いたいのです。
#89
○竹下(精)政府委員 青少年の非行の問題に関連いたしまして、私どものほうで、主として十四歳以下の少年を教護院という施設で取り扱っておるわけでございます。そこに入ってきました児童につきまして調査をいたした結果といたしまして、その中の児童の大部分は家庭に問題がある、こういうような結果が出ておるわけでございます。そういった面からいたしまして、家庭の安定をはかるという問題が私どもの対策の大きな柱になっておるわけでございます。そういう面で、昭和三十九年から、全国の福祉事務所に家庭児童相談室というものを付設いたしまして、できるだけ早く家庭の中におきまする児童の問題を把握し、また相談に応じ指導する、こういうような体制をとっておるわけでございまして、経済的な問題もございますけれども、家庭内の人間関係をできるだけ安定したものにしていく、また問題児童等がありました場合は、そこの相談室によって早期にこれを治療すると申しますか、防止する、こういうようなことをやっておる次第でございます。
#90
○吉田(賢)委員 養護施設に収容されている児童などは、家庭的な原因が多くあるということもよく言われるのでありますが、そこで考えてもらいたいことは、われわれがあちらこちらを見ました経過によりましても、単にばく然と収容するというのではなくして、やはりそこに個々の教育とか、あるいは医学的、その他の治療というものを具体的に検討されるということが、すべての養護施設に欠けておるのではないか、こういうふうなことを思うのですが、その点いかがですか。
#91
○竹下(精)政府委員 現在、医学的な治療という面を主として行なっておりますのは、国立の教護院である武蔵野学院であります。また女子のためには国立の女子教護院がございます。そこで医学的な取り扱いをいたしておるわけでございますが、その他の各都道府県に設けられております教護院におきましては、施設の中で、そういう医学的な治療あるいは分析といったようなものは行なわれておりませんで、県にございます児童相談所、あるいは大学におきましての、特に児童関係に関心の深いところと連絡をとって、そういうことを一部やっておるというのが実情でございます。
  〔委員長退席、壽原委員長代理着席〕
#92
○吉田(賢)委員 日本におきましては、まだこの種の施設が幼稚なためか知りませんが、やはりいまのような段階の実情からいたしますと、入れものはできた、形はできた、方針は立ったけれども、これを具体的に運営していくというのにはいろいろなものが足りない。たとえばこれを指導する人におきまして、あるいはその人の能力、技術、教養、そういったものがまず事務的に行なわれておるんじゃないだろうか、こういうふうにも考えられますので、ただ全国的に幾つかの施設を持ったというだけでは、何も解決にはならぬ。これはひとり厚生省の問題だけではございません。売春婦の収容にしましても、あるいは少年の少年院等への収容にしても同様であります。したがいまして、そこに人間的な能力を新たに開発するといいますか、それを植えつけていって、そして首尾一貫するような充実したものをつくり上げていくというのでないと、これはすべての養護施設として、私は成果があがらない、こういうふうに考えます。ここは相当な経費が、厚生省予算でも投じられておるのでありますから、したがいまして、これはその面の予算角度から見ましても、どう効率的に使われておるかということを検討する必要がある。また行政目的自体も、どう評価していいかということも十分に検討する必要がある。現実の問題といたしまして、その面が切実に要請されておるのじゃないだろうか。これは来年度予算におきましても、十分に積極的に検討して要求されるべき点ではないか、こういうふうに思いますが、いかがでございましょう。
#93
○竹下(精)政府委員 現在教護院におきましては、いわゆる家庭舎制度と申しますか、先ほど申し上げましたように、家庭的な処遇というものが欠けておる、あるいは家庭に問題がある、そういうふうなことでございますので、大部分の施設が家庭舎制度というものをとっております。すなわち夫婦を単位といたしまして、児童を十四、五名一緒に教護いたします。また教育そのものも同じ先生が当たる、こういうふうなことでございまして、いわば二十四時間勤務のような状況になっております。そういう面がございますし、最近の子供の考え方、あるいは父兄の考え方もだいぶ変わってまいりまして、教育の面をもっと重視すべきじゃないかという意見が強いわけであります。そういう面で、職員のいわば過労というものも考えますと、やはり家庭的な処遇、いわゆる生活指導をする職員と、教育をする職員というものを分けて考えるべきじゃないか。こういうことで、昨年以来、改善のための職員の増員を要求しておったわけでありますが、四十一年度は実現を見なかったわけでありまして、今後職員の充実につきましては、先生御指摘のように、私ども同様に考えておりますので、大いに努力いたしたいと思います。
#94
○吉田(賢)委員 この種の問題は、よほどの信念をもって当たる人がその衝におりませんと、やる人がマンネリズムになって、そしてやっておることの自己反省、評価というものをしないままに経過するおそれがあります。でありますので、そこは宗教的な経歴のある人の経営する特殊な場合は別といたしまして、いずれにしましても、全体としてよほどここは大蔵省あたりの説得のみならず、国民を説得して重要性を認識せしめるというぐらいな気迫を持って臨む人が各施設におるというぐらいにならないと、成果はあがってきません。片手間にやっちゃ絶対にだめです。それからまた、夫婦がやるとか、あるいはまた思いつきでやるとか、あるいは若干の経験があるのでやるというようなことでは効果がありません。これは現実を見ますと、私どもはほんとうに切実に感じますので、特に御要望申し上げておきたいと思います。
 それから次は、この児童の問題について、例の遊び場の問題でありますが、これまた児童対策といたしましては非常に重要なことであろうと思っております。東京あたりにおきましては、街路で遊ぶことはできませんし、また裏には遊ぶ場所がなし、見るからに子供の遊び場はどこにもない。公団住宅等の広場がややありますけれども、それ以外ほとんどございません。都市に行くほどその状況がひどうございますので、遊び場問題につきましては、これは厚生省だけじゃなしに、建設省との関係がありますから、いわゆる児童遊園、建設省は児童公園と言っているようでありますが、この両者の考え方を抜本的に立て直すぐらいな意気込みを持ってかかることも大事ではなかろうか。家庭も大事だが、狭い家の中でテレビを見たり――ことに欠損家庭その他の事故のある家庭は、広々とした庭などありはしません。家庭もそうだけれども、子供が自然を求めるのはやはり外ですよ。子供の求めているのは遊び場ですから、遊び場の問題はもっと大胆に取り組む必要があるのではないかと思いますが、現在におきます遊び場の問題点、これに対して、厚生省といたしまして、さらに積極的にやらねばならぬとお気づきになっている点をお聞かせ願いたい。
#95
○竹下(精)政府委員 現在児童の遊び場につきましては、特に都会におきまして非常に狭い。一人一メートル平方というような状況でございまして、そういう面で子供の遊び場の確保の問題につきましては、厚生省といたしましては非常に心配をいたしておるわけでございます。三十九年度までは、児童の遊び場につきまして、補助金をもって設置をはかってまいったわけでございますが、金額が非常に零細でございましたので、補助金整理の問題に該当いたしまして、三十九年度で補助金は打ち切りになりまして、四十年度から国民年金融資によって設置をする、こういうことになったわけでございます。ただ、昨年におきましては、この国民年金融資でやるということにつきまして、十分な理解がされなかったようでございまして、昨年は必ずしも設置の要望が多くなかった、こういうことでございますけれども、この国民年金融資の場合には、従来の補助金の場合では見られなかった土地の購入費――特に遊び場の問題としましては、土地の購入が一番大事な基本的な問題でございますので、そういった融資もあるということを、現在都道府県、市町村に周知させております。それによりまして、遊び場の確保をはかっていきたい。また、厚生省としましては、現在こどもの国という、自然を、約三十万坪の広さを一昨年確保いたしまして、そこでモデル的な子供のための遊び場を提供する、こういうことをやっておるわけでありますが、これにならいまして、各都道府県におきましても、そういう広いところを確保していくということも、遊園地とあわせて行なっていくことが、今後必要ではなかろうか、かように考えております。
#96
○吉田(賢)委員 遊び場の問題は、モデル的に全国で一カ所、三十万坪、それも必要かもわかりませんが、たとえば四十年から補助金を打ち切って、地方の特別債務融資の方法で地方公共団体でやらせるようであります。しかし地方公共団体の現状は、ごらんのとおり、各都道府県にいたしましても、市町村にいたしましても、ほとんど財政硬直状態でございます。したがいまして、いまたとえば土地購入費の坪単価は一万三千円のようでございますが、これを一万三千円でかりに融資を受けるといたしましても、一万三千円の土地を購入できるような場所では、児童遊園は要らぬのです。何となれば、自然に遊ぶ場所はずいぶんあります。しかし家が密集しまして人口稠密になり、これを必要とするような地域におきましては、一万三千円ではございません。一万三千円では、人里離れたようなところに行く危険があります。もしくは道路から非常に隔つおそれがあります。そういったところで、完全にこれが活用できるということはちょっと考えられないのであります。したがって、予算単価が低過ぎます。これは地方超過負担の原因であります。こんなことになりましたら、地方は気乗りしません。現実に児童遊園が全国的にずいぶんと少ないようでありますが、全体の数は幾らになっておるのですか、ちょっとただいま記憶しておりませんが、気乗りしてこないのは、そのようなことをやりますと、借金になるからであります。でありまするから、借金の上に借金をしてまでその児童遊園をつくるというほどに切実に感じないのが、現在の実情であります。でありまするから、ほかの施設をやりましても、たとえば庁舎のビルの大きなものをつくりましても、なかなか児童遊園はつくらない。それほど児童対策、児童福祉というようなものは、国民の関心がなお乏しいような現状の段階であります。こういうわけでありますから、何とかこれは地方超過負担にならぬように、それならばする、もしくはほかの方法で実現可能の道を考える。ただ地方債を募って政府資金でやればできるというような一片の通牒だけでは、乗ってきません。私どもはそのように思います。ぜひこれは勇をふるって、次の段階におきましては、予算の面で超過負担にならぬようにして、実現可能な道を指示する必要があるのではないかと思います。これは希望だけを申し上げておきます。
 それから、設備につきましても、全国的な模範的なものもけっこうでありますけれども、この種のものはもっとかゆいところへ手の届くようなこまかい行政をする必要があるのではないだろうか、こんなりっぱなものがあるんだというような、富士山の絵を見るごとく、これをまねしなさいと言ったって、乗ってきはしません。絶対にありません。そういうこともありますので、これは全国行脚するような気持ちになって、児童遊園問題を解決なさる必要があると思っております。
 もう一点は、児童遊園と都市公園との関係でありますが、例の建設省の関係です。これはもっと調整する必要があります。建設省は建設省なりに、やはり都市公園の問題と取り組んでおりますが、厚生省は児童遊園としてやっておる。両者の調整をすることは臨調の答申にも指摘しておる一点であります。行政上総合調整すべき一つの課題ではないかと思うのですが、いずれにしても、子供のために児童憲章を実現するということを、最高の理想としておられるであろうと思うのです。おとなのためにやっているのではないと思うのです。それならば、官庁の都合によってばらばらになっていて、そうして十分に成果をあげないようなことはとんでもないことでありますから、この機会に、断固として、やはり総合調整の方向に進んでいくようにする必要があると思います。これらの二、三の点について、簡単でよろしゅうございますから、はっきりしておいてもらいたい。
#97
○竹下(精)政府委員 第一の融資単価の点につきましては、特に都会におきましては、こういう単価ではなかなか購入できないという問題が確かにございます。そのような点の改善につきましては、今後も努力をいたしたいと思います。
 それから設備につきましては、現在百万円を予定いたしておるわけでございますけれども、都会とまた地方都市におきましては、子供の遊びその他も変わっておるわけでございます。そういう面でもっと弾力性のある運営をする必要があるんじゃないか、かように考えるわけでございます。都市公園と児童遊園につきましては、都市公園自体が非常に――都市公園の中の児童遊園は非常に大規模な施設でございます。また、私どものほうでは、それを補うという意味で、いわば二百坪程度の、主として幼児のための遊び場というような関係になっておるわけでございます。いずれにいたしましても、子供の遊び場の問題としては、共通の目標を持っておるわけでございまするから、いままで以上に連絡を密にし、また、特に第一線におきましての相互の連絡が必要かと思いますので、この点につきましては、十分私どものほうでも指導し、また連絡をとりたい、かように考えております。
  〔壽原委員長代理退席、委員長着席〕
#98
○吉田(賢)委員 やはりこの児童問題は、青少年問題とつながり、非行少年にもつながりまして、次代の国民にもつながっていく。児童の数は三千万でありますから、とにかくたいへんな重大な課題でありますので、やはりこれは各省とも横の連絡を密にする必要があるんじゃないかと思うのです。
 きょうは会計課長見えておりますか。
#99
○戸澤政府委員 はい。
#100
○吉田(賢)委員 やはり予算の単価の問題でも、大蔵省との間に、何も大蔵省なり厚生省なりのお互いの立場があるわけではないと私は思います。でありまするから、こんな切実な問題につきまして、一体一万数千円で東京都下で土地を買えますか。絶対にありませんよ。都心中心一時間十万円します。これは建設省あたりもそういっておるわけです。でありますし、また、地方におきまして国道を建設するときには、大体百姓の土地が三万円します。こういうのでありますから、国道にひっついたところが三万円し、都心中心一時間で十万円する、そういうようなことを頭に置いて、土地の単価というものは考えないと、ただ形式だけの机上の単価では実現しません。こういうようなものは、説得力が足らないのじゃないかと思うのですね。これは何も厚生省だけの仕事じゃないという観点に立って、これは一つの重要な国策として、ことに、佐藤内閣は、人間尊重の見地から見ても、しばしば首相も声明しておられる点に私は触れていくと思うのです。こういう点については、もっと大胆な、間違いは間違いとして指摘するくらいな勇気がなければいかぬ、こう思うのでございます。そういう辺についての理解がお互い乏しいまま、食い違ったままおるのでございましょうか、どんなものでございましょうか、課長さん。
#101
○戸澤政府委員 お話のとおり、土地の単価あるいは建築単価等について、改善は漸次毎年されておりますが、まだ実情に照らして、実情に十分合っておるとは思われませんので、特にこういうような特殊な施設等につきましては、特殊な事情もございますので、今後十分に実情に即するように努力をいたしたいと思います。
#102
○吉田(賢)委員 留守家族の児童対策につきましては、何か最近新しい方法でもお考えになっておるのでございましょうか。これは地方を回りましても、至るところで、留守家族問題というものが、農村にも都会にもございます。ことに、農村の出かせぎなどは二十数万と言われておるようでございまするし、あるいは、小さい家庭のかぎっ子の問題など、欠損家庭、いろいろなそういう面が、留守家族の家庭の児童対策というものは、もっと大きく浮かび上がってこなければいかぬじゃないかと私は思うのでございます。この間もある家に参りましたところが、やはりぶつかったのが、かぎっ子の問題でありまして、こういう点は言い古されたことであるし、また、相当期間を経た懸案でもあるし、新しい対策というものがないのか知りませんけれども、だんだんとこれは積極的に立てていくべきだと思うのですが、何か新味のある方法でも考えておられませんか、どうでございましょうかね。
#103
○竹下(精)政府委員 厚生省といたしましては、このかぎっ子の対策としましては、三つの対策を考えておるわけでございます。
 第一は、児童館の設置、普及ということでございます。児童館は、特に学校終了後の子供の遊び場あるいは勉強の場所として設置をいたしておるわけでございますが、そういう場所を活用いたしまして、かぎっ子が、親が帰るまでそこで生活するというようなこと、また、そこに適当な指導者を置いて指導を行なうということが必要ではないか、かように考えておるわけでございます。第二の問題は、地域活動の育成助成という問題でございまして、これは主として子供クラブでありますとか、あるいは母親クラブ、そういうような集団活動によりまして、かぎっ子を含めまして、子供の健全育成に当たる、そういうようなことをやっておるわけでございます。それから第三番目は、先ほど申し上げました家庭児童相談室、あるいは指導員による指導援助の強化でありまして、こういったことによりまして、問題児童等がありました際にも、できるだけ早くそういう機関に相談をしていただく、また、積極的に家庭の相談を行なう、こういうような方法を考えておるわけでございます。これらは特に新しいという面ではございませんけれども、以上申し上げましたような三つの対策によりまして、かぎっ子問題に対処していくというのが現状でございます。
#104
○吉田(賢)委員 いまのに関連いたしまして、たとえば厚生省の母親クラブというのがありますね。それから、文部省のやっております婦人会というのですか、それからまた、たとえば子供会が厚生省の関係ですね。それから、ボーイスカウトは文部省でございますね。あるいはまた、ユースホステルは運輸省であるし、青年の家は文部省である。これはあなたのほうではありません。何かその辺が、一つ目的で、末端の現場で活動する人が両方にまたがってきりきり舞いさせられているのじゃないか、実はそう思うのです。現に私の知り合いの何人かの人が、あちらにも出てこちらにも出て、実は同じことを聞かされるというようなことがしばしばあるのです。この辺をもっとやはりほんとうに調整して、一つ目的のためにするのなら、人間をむだにしないように、そうたくさん有能なもしくは奉仕する人はあるものじゃありません。ところが、官庁の御都合によって、厚生省とそれから文部省は、母親クラブでござい、婦人会でございと、両方別個の旗を立てて人を集めておられるというようなやり方は、私は、やはりほんとうに首尾一貫した児童対策にはなってこないと思うのです。家庭づくりといいましても、そこに一つの仕事の利己主義が働きますから、仕事の利己主義ということは決して児童のためによい影響がありません。よい家族づくりなんて、それはほんとうにナンセンスになってまいります。やはり一切溶け込んでいくのには、末端現場をもっと調整する必要があるんじゃないか。ほんとうに末端で一生懸命やっている人は、奉仕で命からがらまでやらされるのですよ。そういうこともひとつお考えになって、調整問題は、局長だけのお話ではらちがあきません。大臣同士で話をして流していくということをせなければ、解決しないと思いますけれども、これはやはり省としましても、この問題を検討してもらいたい。調整しなければならぬ問題はよけいありますわ。いまたまたまこの問題が出ましたから申し上げておくのですが、ぜひそういうふうに調整のことは運ばれることを希望しておきます。これは時間がないですから、御答弁は要りません。
 それから、児童の問題で、この間、刑法改正のことを、ちょっと法務省の人に来てもらって、私、聞いておったのですが、今度の刑法改正をするのに、たまたま見つかったのが、児童の交通事故がやたらに多い。そこでずっと繰っていきますといかにもそうですね。たとえば地方の児童福祉審議会の答申によって見ましても、四十一年の一月の答申によって見ましても、児童死亡の原因のうち、事故死が第一であって、特に幼児の場合、十五歳未満のうち四歳未満のものが六割になっております。こういうことになりますので、この交通事故というものが、意外に事故の発生原因が家庭にありということも指摘されております。審議会の答申等によってもそういうことになりますので、これはやはり運転手も困るのです。また、子供もこれはたいへんな目にあっております。だからこれは家庭の問題であると思いますが、こういうことは全国的に徹底するように、家庭における事故発生の原因をなくするように行政指導をする必要があると思うのです。むずかしいことじゃないのです。むずかしいことじゃないのだが、これが欠けております。どうでございましょうね。
#105
○竹下(精)政府委員 御指摘のように、昨年の児童福祉審議会におきまして、家庭を主体にしました児童の事故防止につきましての答申を受けたわけでありますが、これは特に三歳児検診の時期におきまして、おかあさんに子供の事故防止に対しての注意を喚起する、あるいは保育所、あるいは幼稚園等に入園の際に、そういった面についての注意を喚起するという、いろんな方法をもってやるようにいたしているわけでございます。特に交通事故の問題は、子供だけが注意しておりましても、スピード違反その他によりまして事故が生ずるわけでございます。そういった面からいたしますと、総合的な対策も必要であるということで、関係各省にも、そういう面につきまして申し入れておるような次第でございます。
#106
○吉田(賢)委員 児童問題、また青少年問題は、さかのぼりまして母性の問題になると思うのですが、昨年でしたか、母子保健法が通過いたしました。この法律の内容を見ますと、市町村ごとに母子の健康管理についてその体制を確立するということが、一つの柱になっておるようでありますね。それからまた母子健康センターをつくる、こういうことにもなっているようでありますが、やはり心身ともに母性が健康であって、そして乳児が健康であって、家庭が健康であるという、この縦の関係は非常に重要であると思うのでありますが、一体こういうようなことにつきまして、たとえばいまの母子保健に関する、いま申し上げましたような点だけにつきましても、地方におきまして受け入れ体制はございましょうか。受け入れ体制なしに法律が先行してしまって、その地方におきましてはまだよく理解もしていない、受け入れ体制もできておらないのに、法律があるために何かできているような錯覚におちいっている、こういうような問題も生ずるのじゃないかと思います。母性もしくは母子を保護するという角度から考えまして、いまのこの問題は非常に重要であると思うのですが、たとえば母子健康センターというようなものを設置するかまえになっておるような地方公共団体は一体どのくらいあるのだろうか。そういう点、どうなんでしょうか。
#107
○竹下(精)政府委員 昨年の母子保健法の原案におきましては、今後の母子保健対策を進めるにつきまして、市町村段階におきまして、いわばきめのこまかい対策を講じていこう、現実においては国民健康保険の普及、あるいは保健所の指導等によりまして、市町村におきまして、母子保健の仕事を実際にやっておるというところが、たとえば妊産婦あるいは乳幼児の保健指導等につきましても、全体の約六割近くを占めておった実績があるわけでございます。そういう点からいたしまして、市町村に移すという原案で法案を提出したわけでございますけれども、先生御指摘のように、まだ必ずしも十分な体制がとれていない。特に専門家の問題で今後いろいろと充実すべき問題があるということになりましたので、昨年の母子保健法は、国会におきまして修正を受けまして、従来どおり都道府県が主体になって行なう、市町村はこれに協力をする、こういうような修正になったわけでございます。したがいまして、私どものほうでは、市町村を育成するという方向で努力をいたしたいと考えておるわけでございますが、現在、母子健康センターは主として予算に恵まれない市町村につくっていく、こういうようなことで考えておりまして、そういう面では、現在四百カ所余りがこの母子健康センターを設置しております。大体毎年五十カ町村くらいが母子健康センターを設置しておる、こういうような状況であります。
#108
○吉田(賢)委員 私は、母子健康センターでも、名前は何でもよろしゅうございます。あまり名前にとらわれるのでなしに、従来の保健所もございますし、保健所の歴史もありますから、仕事はやっていることは存じておりますけれども、健康センターと銘打っ以上は、相当大きく、仕事の量も幅も深さもやっていけるような体制が望ましいというような切実な要請があるのではないか、こう思いまするので、いま伺った次第であります。
 次に身体障害、下肢障害の問題で、これは社会局ですか、あなたに伺いたいのでありますが、実は先般、私がいなかを回っておりますると、年三十近い人、別にどうもない人でありますが、小学校の課程の教育を受けておるヤソ教の牧師さんであります。どうかなさいましたかと聞きましたら、実はここがだめなんですというわけです。足がだめで、重度の肢体障害で小学校に行っておりません。常識は発達しております。そこで何か仕事をしようとしたのだけれども、小学校も出ておらぬというので拒否されてしまった。どこだったかちょっと忘れましたが、それでちょっと気がつきまして、それはたいへんですなあということで、ずっと調べてみましたら、一郡で肢体障害者が三百人あるということがわかりました。そうしてその中の何%かは入学資格なしということで義務教育を受けておらぬ、こういうことでございましたので、そこで私は、身体障害者福祉法、児童福祉法などの法律とか、かつまたこれら下肢障害者の人の社会復帰、生活、職業その他の適性を与えるというような努力、そういうようないろいろな角度から考えましたので、地方の人といろいろ相談いたしまして、何名かの人が請願書を出したような次第であります。その請願書はすでに届いたかと思いますが、これは下肢障害者の場合に、成年のほうは身体障害者福祉法ですか、それから少年のほうは児童福祉法ですか、それらによりまして、厚生大臣はいろいろな補装具を補給することになっておるようでありますが、何か下肢障害者の操作のできる小型の四輪車がございますね。あの小型の四輪車を改造いたしまして、改造したものをすぱっと補装具にできぬものだろうか。もっとも経済的に相当な価格のものでありますから、私も試みに、どのくらいするのだろうかと思って聞いてみましたところが、やはり三十万円をこえるらしいのであります。したがいまして、いまの市価でそのままということは財政上困難かと思いますが、しかしこれは一つの問題であります。大体身体障害とか下肢障害者に対する社会福祉の施設あるいは財政の措置というようなものは、予算があり余ったらするとか、あるいは高いからもっと安いものならばしてやるとか、つえ一本なら安いから全国のめくらさんにやるとか、そういうようなことでは、私は社会保障のほんとうに徹底した国にはならないと思います。社会保障を優先するくらいの考え方で、政治行政、予算財政を組んでいくくらいにまで大胆にいかなければならないと思います。厚生省の統計、白書によって見ましても、全国で肢体障害者は五十五、六万もいますね。この六十万近い肢体障害者に対してそれぞれ何らかの補装具を給付する。しかしいま指摘したように三十万円をこえるようなことならばたいへんだなあ、これではとても問題にならないと一応思ったのでありますが、よく考えてみますと、それなら、ちょっとここをひねったところだけでも、補装具にしますなら三十万円では、とても入りません。これではおそらく何百人に一人ですよ。そういうことでは社会保障になりません。だから私は、やはり両福祉法の精神にかんがみて、厚生大臣の指定する補装具にする、こういうようなことを大胆にやることを打ち出したらどうか。当分の間、理解が乏しい間は、やはりこれも大蔵省との間にいかがかと思いますけれども、しかし厚生省といたしましては、それくらいの前向きの姿勢が必要だろう、こう思っておるわけなのです。どんなものでございましょうか。私自身が機械の模様を詳しく存じませんので、先般新宿まで秘書を見にやったり、地方においても、小さいクーペなどありますね、ああいったものを私も見たりしたので、もう一つ知識はないのですが、まことにこれこそいいなと実は思ったのですが、どんなものでしょうか。
#109
○今村(譲)政府委員 お答え申し上げます。
 いまお話しになりましたように、小型の乗用車のほかにも、たとえば盲人のカナタイプといいますか、一種のタイプライターですか、それとか、テープレコーダーとか、最近いろんな――自動車が一番大きいのですが、そういうふうなものをどんどん補装具の中に入れてくれ、こういうふうな要望が強くなってきております。根本的には、いま仰せになりましたように、身体障害者行政というものは、閉じこもってこっそり、ある程度リハビリテーションをやっていればいいということでは困るのです。それには一般社会に飛び出せるような体制が必要ではないか。あれが出ましたのは、二十五年でございますが、ちょうど十五、六年たつのでございます。そこで、この一月に大臣から諮問を出してもらいまして、根本的に法案を直そうということで、六十人くらいの大審議会と申しますか、委員会をやっておるわけでございます。その中にも、自動車はもちろんのこと、補装具をうんと広げて、職業上のテープレコーダーとかあるいはタイプライターとか、いろんなものを、という要望が非常に強く出てきております。これは技術論でございますけれども、補装具というのは、手にくっつけたり足にくっつけたりという程度のものでいままで考えておったわけでありますけれども、やはり車とかテープレコーダーとかカナタイプというふうなことになれば、職業用具といいますか、生活用具といいますか、別な範疇で、やはりそれは――財政はもちろん相当かかりますけれども、大いに検討しなければならぬのじゃないか、こういう気持ちで、寄り寄り各分科会でも審議いたしております。それから、わりあいに車そのものも小型ならば三十万、四十万で買えますが、足のない人でも、ちょっと五、六万くらいの機械をくっつけますと、手だけで運転できるようなものができるようになっております。
#110
○吉田(賢)委員 私はちょっとその辺を技術屋さん、専門屋さん、メーカーの一部の人に聞いてみたのですが、いろいろあると言っております。だから、必ずしもいまのそれではなしに、そのつもりでやるならば、いろいろくふうはできます。こういうふうに言っておりますので、そういうふうにせっかくお考えならば、急いでおやりになる必要があろうかと思います。
 それからもう一つは、いまの福祉法によりますと、地方公共団体の負担が若干ございます。一切の補装具、二割ないし五割かが地方負担になっておりますね。これは全額国庫負担にしないといけないのじゃないか。この種のものを地方財政の負担にするというのでは、やはりこれはどこそこの都市、どこそこの府県ではうまくいくが、どこそこのところはうまくいかない、こういうふうになって、格差ができます。格差をつくるべきではありません。重大な国策であります。というのは、憲法に基づく、重要な根本に触れる国策であります。私は戦時中厚生委員をちょっとやったことがあるのです。甲府で身体障害者の工場を見まして、たいへんに奇特な工場主だなと思って感心しましたが、だめだったのです。そういうように、なかなかこれはしろうとやら地区やら地方区やら、そこらの人ではいけません。やはり抜本的に国が乗り出して、この問題の御解決を希望しておきます。ぜひそれは大いにやっていただきたいのであります。次官にお願いを申しておきます。
 それから、文部省関係ですが、重度の肢体障害者の、いまの、私がちょっと目撃しました、義務教育を受けておらぬ、しかるべき常識の発達した社会人ですね。これらの人は、義務教育を受けておらぬ人が案外に多い。しかし恥として行ってないというのがどうも実情らしいです。そこで何らかの方法で、たとえばいろいろな人が考えたのですが、通信教育をしたらどうだろうか、訪問教育はどうだろうか、特に収容教育あるいは特殊学校を設置したらどうだろうか、こういういろいろな案があるようでございますが、これはそれぞれ一応いま専門家が十分に御検討になりまして、いずれにいたしましても、重度の肢体障害者が相当の割合で義務教育を受けておらぬということが事実であれば、これはたいへんなことでございます。私は地方公共団体の肢体障害者名簿でいろいろと調査しようとしたけれども、なかなか出てきません。なかなか表にはこういうことは出てこない。出てきませんけれども、やはり国の善政をもって、ほんとうに行き届いた政治が行なわれましたならば、これは全国的にたいへんに喜びます。現にこの問題につきましても、極端に言うならば、からだがどうにもならないような人が恥じられていなさるという実情を実は聞きまして、私自分もそれに感激したようなことでございましたので、これは文教の、非常におもしろいといいますか、重要な課題と取り組むことになりますので、せっかく御努力を願いたいと思うのですが、何らかの御意見を伺っておきたいと思います。
#111
○寒川説明員 いまお話のございました、相当年齢に達しまして義務教育を受けておられない方に対する教育的な措置の問題、これにつきましては、現在のところお話の通信教育あるいは訪問教育によって教育を行なうという方法は講じられておりません。したがって、これに対する適切な方法については、十分検討いたしまして、御要望の点が実現できるかどうか考えるべき問題であると思います。
#112
○吉田(賢)委員 きょうはあなたの行政の責任の当局が見えておりませんから、この委員会でこの問題が取り上げられましたことを、局長なり次官なり大臣に、ぜひ近く、早く届くように、よろしくお願いしておきます。
     ――――◇―――――
#113
○吉川委員長 次に、国が直接または間接に補助金、奨励金、助成金等を交付しているものの会計に関する件について調査を行ないます。
 この際、おはかりいたします。
 本件調査のため、本日参考人として日本赤十字社副社長田辺繁雄君に御出席を願い、その意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#114
○吉川委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。
 なお、参考人からの意見聴取は、委員の質疑により行ないたいと存じますので、さよう御了承願います。
 これより質疑に入ります。質疑の申し出がありますので、これを許します。吉田賢一君。
#115
○吉田(賢)委員 まず厚生省の本省のほうに伺いたいのでありますが、三十九年の八月二十一日に、「献血の推進について」という閣議決定があったようでございますが、閣議決定の趣旨によりますと、「政府は、血液事業の現状にかんがみ可及的速やかに保存血液を献血により確保する体制を確立するため、国及び地方公共団体による献血思想の普及と献血の組織化を図るとともに、日本赤十字社または地方公共団体による献血受入れ体制の整備を推進するものとする。」こういうような閣議決定があって、これを受けて、これに前後いたしまして、厚生省では、献血の推進についてかなり具体的な方策が――これは通達になったのですか、よくわかりませんが、されておるようでありますが、この閣議決定は、その後どういうふうに実施段階で経過しておるか、一応伺っておきたい。
#116
○坂元政府委員 御承知のように、一昨年の八月、いま御指摘のような閣議決定をやったわけでありますが、その後、この閣議決定に基づきまして、私どもとしましては、一般の国民の方々に献血思想の普及をやっていく、これは当然のことでございます。それから二番目に、献血の組織化ということでございます。各都道府県なり市町村等に献血の組織のための運動を提唱いたしまして、各都道府県には献血推進協議会というようなものができております。それから末端の市町村までも、そのような推進協議会というようなものを現在つくるように指導をいたしているわけでございます。それから三番目に、献血の受け入れ体制の整備でございますが、これは血液センターあるいは移動採血車というようなものを、閣議決定に並行しまして、予備費等を計上しまして、今日まで増設をしてまいっておるわけでございます。その結果、受け入れ体制のほうとしましては、各都道府県に、少なくとも一カ所の血液センターあるいは一台の移動採血車というものがいま全国的にでき上がっているわけでございます。全国各都道府県どこへいきましても、閣議決定以前見られなかったような受け入れ体制というものが整備をなされているわけでございます。そのようないろいろな施策を講じた結果、先ほども申し上げましたように、現在、献血の採血量というものは総保存血の製造量のうちで、三二%まで占めてきておる。逆に売血のほうの量は、当初九八%くらい占めていたわけでございますけれども、この閣議決定の趣旨を推進した結果、現在は五〇%から五五%くらいのところまで売血量は減少してきている、こういうような実情になっているわけでございます。
#117
○吉田(賢)委員 いまのこの献血推進についてPRをするということ、献血の思想を普及するということの重要性は、御指摘のとおりであろうと思うのですが、しかし日本人が献血について十分な理解をするということはなかなか容易じゃないと思うのです。どのくらいの予算を組んで、どのくらいの規模で、何をどんな方法で、その普及運動をやっておられるのですか。これをひとつ伺っておきたい。
#118
○坂元政府委員 御指摘のように、献血思想の普及徹底というものは非常にむずかしいわけでございます。何ぶんにも、いままで一般の国民がこのような献血の考え方になれていなかったというやさきに、一昨年の閣議決定によりまして、献血思想というものを普及しておるわけであります。なかなか早急に一般の国民のすべての方々に、献血の意義というものを理解していただくということは困難な面が多いわけでございます。そこで、私どもとしましては、毎年毎年献血思想のための予算を計上いたしておるわけでございます。大体予算としましては、一千二百万程度のものを計上して、過去三十九年、四十年から四十一年というふうにやってきておるわけでございます。
#119
○吉田(賢)委員 それは献血思想普及運動の経費ということになるのですか。その他の、地方における受け入れ体制であるとかその他のものも含むのですか、それはどうなんですか。
#120
○坂元政府委員 いま申し上げました予算に計上してある一千二百万程度の金額は、純然たるPRの費用でございまして、先ほど私の申し上げました受け入れ体制の整備、つまりセンターなりあるいは移動採血車等の整備の費用は含んでおりません。
#121
○吉田(賢)委員 大体どういうことを、具体的におやりになっていますか。
#122
○坂元政府委員 中央の本省のほうに、中央献血の打ち合わせ会というものを持っております。それから各都道府県のほうには、先ほど申しましたように、推進協議会というようなものを、各都道府県一律に持っております。私どものほうで、いろいろ全国的な献血の対策というものを策定いたしまして、それを各都道府県に示達し、各都道府県は推進協議会――これは御存じのように、各階層の人が全部代表の方が入っておられます。そういう代表者の方の御意見を承りながら、推進協議会というものでいろいろ献血の対策及びPRの方法、そういうものを作成しまして、そしてそれを末端の市町村まで流していく。具体的なやり方としましては、いろいろPRの資料をつくったり、あるいはいろいろ講習会なり講演会をやったり、そういうもろもろのPRの手段を使ってやっている、こういう現状でございます。
#123
○吉田(賢)委員 いまのお説ごもっともでありますけれども、なかなかやはり、日本人が血を出すという問題は、根本的に深い理解に基づかなければ、容易に進捗しないのじゃないだろうか。三割二分は需要に応じて献血があるといいましても、これは決して満足すべき状態じゃございません。八割までというなら話はわかりますけれども。千二百万円ではどうにもならぬじゃないだろうかと思います。むしろ私は、会議もけっこうですけれども、会議、会議で会議倒れにならずに、やはりPRの方法は、いまのマスコミはいろいろな手段をみな発明しておりますから、だから文書活動というものでも、末端まで、国民のすみずみまで浸透さすようにやるという手もあるのじゃないだろうか。あらゆる機会を活用いたしまして、血の問題について、もっと正しい理解を持つというふうに進んでいくのがほんとうの推進運動で、献血思想の普及の方法でないかと思いますので、これは一段とくふうをされることを御希望を申し上げておきたいのであります。
 それから、いまの採血に関する現行法ですね。これによりますと、いわゆる売血というものが公然と認められておるということが、むしろ法律の基礎になっているように見えるのでございますね、法律を読んでみましても。だから献血思想を基本にした法律ではない、こういうふうに思われますので、この法律の体制から改めてくるということにしなければいかぬのではないだろうか。私はやはりむしろ献血というものが必要上やかましく言われて問題になってまいったので、法律が先行して売血を認めておったということで、売血で事足りておったというふうなのが、どうも法律のたてまえのように思われますので、法律を通覧いたしまして、そういうふうに考えるのですが、抜本的にこれを改正いたしまして、献血を主体にする、これを中核とする新しい法律に組みかえる、こういうふうなことが必要であろうと思うのですが、この点いかがですか。
#124
○坂元政府委員 現在の採血及び供血あっせん業取締法というのは、いま御指摘のように、昭和三十一年に制定をいたしまして今日に至っているわけでございますが、この法律の根本の思想は、やはり当時売血というものが非常にいろいろな衛生上の弊害を生じやすいというようなことを懸念いたしまして、供血者の保護、それからまた売血に伴う保健衛生上の危害を防止するというような観点から制定をされたわけでございます。現在日本の血液行政というものが、売血を廃止して献血制度に乗り移ろうというような情勢にある際には、確かにこの現在の法律というものについては、いろいろな見方なり批判が出てくるということは、私どもも十分承知いたしているわけであります。したがいまして、献血制度というものを今後飛躍的に推進する意味合いからいたしましても、この現行法をどのような形にして持っていくかということについては、現在厚生省のほうで、慎重にいろいろな方面の御意見を承りながら、検討を進めていく、こういう状況下にあります。
#125
○吉田(賢)委員 やはり見方によりますと、血は身体の一部である、こう思われるわけであります。肉を切って売るというのと同じように、血を流してこれを売るということになりますので、道徳的に考えてみましても、また日本人の伝統的な血に対する考え方からいたしましても、献血を基礎にするのか、あるいは血は売ってよろしい、売血でよろしいというような考え方が基礎になるかということは、これは根本的な問題に触れてくると思うのです。すでに三十九年に、さきに指摘しましたように、閣議決定で献血の方向をはっきりと打ち出している以上は、献血を基礎にいたしました法律の考え方、行政の立て方、いかにして献血をできるだけ多くなし得るかという対策を立てる、これが必要ではあるし、またむしろ内閣といたしましては、その方向を指しておるのではないであろうか、こう思うのであります。したがいまして、早急に法律の改正は当然なさるべきものではないかと思うのでありますが、この点につきまして、法を改正すること、同時にこれは献血をもっと潤沢にいたしまして、そして輸血の必要量を十分に補充し得るような制度として打ち立てる必要があろうと思うのですが、これは省といたしまして、ひとつお考えになってしかるべきだと思うのですが、次官いかがでございましょう。
#126
○佐々木(義)政府委員 先ほど局長からも御答弁がありましたように、まさしくそういう事態だと考えますので、検討してみたいと思います。
#127
○吉田(賢)委員 それから、若干午前中に出ておりましたが、血液の問題について、厚生省の薬務局内部の、この種の血液問題についての事務体制が非常に貧弱だというふうにも聞きます。これはあちらこちらの地方におきまして、採血車はあるけれども人手が足りないとか、血液について看護婦も医者も足りないとかいうことをよく聞くのでありますが、私は実態を詳しくは存じませんけれども、こういうふうなことでありますが、血液関係は、細菌製剤課でありますか、そのほうにおきましても、従来あまり重きが置かれていなかったのではないだろうか。まさかそんなことはないと思うのでありますけれども、その辺について、やはり組織、機構も充実していくということが必要でないか、こう思うのですが、いまの時代でありますから、少数精鋭でやることも必要かも存じませんけれども、しかし機構を充実する必要のあるところはどしどしやるべきでないか、こう思うのですが、この辺についての根本の考え方はどうでございましょうか。
#128
○坂元政府委員 午前中も、勝澤先生の御指摘がございましたので、お答えいたしたわけでございますが、政府が、献血問題を、はっきり政府の基本方針として取り上げたのは一昨年八月であるわけでございます。それまでは、確かに、私ども非常に申しわけないわけでございますが、献血問題、血液問題について、厚生省自体が真剣に考えて、この問題をいろいろな角度から施策を練っていくというような面の努力が、若干欠けていたことは事実であるようでございます。しかしながら、一昨年以来、こういう閣議決定に基づきまして、国民的な運動として、献血問題が各方面から注目されるようになりました今日において、御指摘のように、現在の厚生省の血液問題の機構、組織というものが十分でないということは、いろいろな方面からそういう御意見を言われておりますので、私どもは十分そういう御意見を拝聴いたしまして、今後真剣にこの問題と取り組んでいきたい、こういうふうに考えているわけでございます。
#129
○吉田(賢)委員 大蔵省、見えておるようでありますから、ちょっと一点伺っておきますが、地方におきましては、車も不足なら、医師も不足、看護婦も不足とか、こういうふうに聞くのでありまして、何でも一台の採血車に医師が一人と看護婦が四人、事務をとるものが一人、当然六人は必要とするようであります。このような採血車は、採血車そのものは、各都道府県に一台ずっというふうになっているように聞くのでありますが、採血車は地方負担ということになるのですか。財政負担はどこになるのですか。これは本省で負担するということにしないのですか。国の財政で採血車は設置するということにしないのですか。この点どうなっているのですか。
#130
○平井説明員 ただいまの点でございますが、当時閣議決定に基づきまして、採血車制度を新たに導入いたしたわけでございます。この場合の考え方といたしましては、国はその設置を補助するということはいたしましたが、その運営については、それぞれ各地方団体におまかせをするという考え方でございまして、特別の経費は計上いたしておりません。
#131
○吉田(賢)委員 採血車というものが、献血の成果をあげる上において重要な役割りを持っているということは、私どもも聞いておりますが、なぜ一体これを国費で支弁をしないのか、地方負担にさせるのか、そんな必要がどこにあるのか。やはりこれは一つの国策といたしまして、当然推進せねばなりませんから、したがって、厚生省といたしましても、これはやはり全額国庫が支弁するというような財政のたてまえにしなければ、さきに申しましたように、地方地方によって採血の成果に格差ができてくるのではないか、こういうふうに思われます。したがいまして、これは北は北海道から南は九州の果てに至りますまで、地方財政のよいところ、赤字のところにかかわりませず、ひとしく血は国民の重要な薬でありますから、このような薬は当然受け得るような体制ができねばならぬ、私はこういう角度から考えまして、採血車の予算というものは、地方にまかしていくということはとんでもないことだと思うのですが、この考え方はどうでしょうね。この点、厚生省からまず予算要求もせられ、あるいは大蔵省はこれに同意して、国の負担におきまして、全国に、りっぱな採血車、そしてそれに必要な人員が確保されるように――かくしてはじめて、私は献血推進の閣議決定の趣旨が貫徹されていくと思うのです。そういうことさえ十分にできないような現状はまことに嘆かわしいと思うが、いかがですか。
#132
○坂元政府委員 移動採血車の予算の問題につきましては、私どもこのように考えているわけでございます。御案内のように、三十九年予備費で移動採血車を二十六台全国の未設置県に配置いたしたわけでございますが、このときの考え方としましては、やはり全額国が持つというような考え方でなくて、およそ半分程度国が見る、残りの半分は当該都道府県等でめんどうを見る、こういうような考え方で、現在きているわけでございます。献血といいますものは、国家的な事業といいながらも、やはり国も応分の援助をする、都道府県なり市町村も、それぞれの地方公共団体の福祉のために、応分の負担をして援助していく、それからまた、日赤は現在この献血問題をやっていただいているわけでございますが、日赤もそれぞれ応分の協力関係に立つ、このような全体的な協力関係に立って、この問題は考えなければならぬ性質のものである、こういうふうに考えているわけであります。
#133
○吉田(賢)委員 本会の予鈴が鳴りましたから、簡単にいたします。
 これは私ども、行政というものは、本来やはり国の行政と地方の行政と本質的に違う面が相当ありますので、この種の国策として推進するものは、やはり受益者だけの負担にするという考え方は、根本的に是正しなければならないと考えております。したがいまして、この点はやはり厚生省の予算に対する考え方といたしまして、根本的に是正する必要が私はあると思います、これは国策の遂行ですから。
 それでは、もう一点触れておきまするが、移動採血車の購入、設備、いろいろな設備をいたします諸経費は、一体どれくらい要るものでしょうか。そうしてまた、移動採血車一台を運営するについては、どれくらい経費がかかるのでしょうか。この点はどういうふうな計算をしておられるのですか。これまたさきに申しましたように、もう一つの児童保護の問題で、厚生省との間に問答しておったのでありますが、予算単価が低過ぎますと、地方の超過負担になりまして、これまた実現不可能、こういうことになります。したがいまして、私は国の経費として見る以上は、実施単価というものをほんとうに客観性のあるものにしていかねばならぬ、こういうふうに考えておるのですが、この実情をちょっとお答え願いたいと思います。
#134
○坂元政府委員 現在まで、移動採血車というものを全国に配置いたしているわけでございますが、その際の予算の単価といいますのは、移動採血車の中にいろいろな型がございます。大型なり中型、その型によって大体違うのでありますが、大ざっぱに申し上げますと、五百万から六百万程度の製作費、つまり購入費というものがかかるのではないか、こういうふうに考えているわけでございます。それから御指摘の運営費の点でございますが、これはやはり、先ほど先生も触れられましたように、移動採血車というものを運営するにつきましては、医者とか看護婦とか衛生検査技師とかいうような要員を当然必要とするわけでございます。そのような要員の人件費なり、あるいは県内をぐるぐる回る場合の輸送費、ガソリン代、こういうものをいろいろ計算しなければならぬわけでありますが、やはり一がいにどの程度ということは、私どものほうでいま資料を持ち合わせておりませんので、それ相当の運営費がかかるもの、こういうふうに承知いたしているわけでございます。
#135
○吉田(賢)委員 いまの経費の点につきましては、性質が国の行政に属するものであろうと思いますので、ぜひとも国の負担において、これは設営し、かつまた運営していくべきものであろう、こう考えております。そういうふうな点については、さらに再検討してほしいと思うのでございます。
 日赤の副社長に伺いたいのでありますが、私がさきに指摘いたしました三十九年の閣議決定によりますと、日赤は献血推進についての重要な役割りを持っていかれるような趣旨になっておりますが、この点、現在どういうふうに献血推進の役割りをお果たしになっておるか、御説明願いたい。
#136
○田辺参考人 赤十字といたしましては、三十九年の閣議決定以前から、献血による血液事業の実施をいたしておるのでございまするが、三十九年の献血推進の閣議決定以来、厚生省御当局の御指導、御援助を得まして、また地元都道府県その他地元の皆さん方の非常な御援助によりまして、この事業を熱心に推進いたしているわけでございます。当初はなかなか成果があがりませんでしたが、おかげさまで、逐次成果をあげておるような状態でございます。本社の中の機構といたしましては、血液事業部を新設し、さらに血液の技術面を担当する専門の技官というものを設置いたしまして、各都道府県の支部及びセンターを指導いたしているのでございますが、御承知のとおり、わが国の血液事情は、当時相当悪化いたしておりまして、これを赤十字だけの手によって健全化するということはきわめて困難でございます。非常に悪条件が重なり合っております。どうしても国家的な事業でございますので、国及び都道府県、市町村におきましては、国としてまた公共団体としてなし得ること、なすべきこと、また赤十字としてなすべきことは当然全力を尽くしてなさなければならぬ。これの共同作業をいたしまして、目的達成に向かって努力してまいらなければならぬと思うのでございます。赤十字といたしまして、不十分な点は多々あろうと思いまするが、各方面の御指導、御援助によって、今後とも努力を続けてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
#137
○吉田(賢)委員 赤十字社といたしまして、献血をお扱いになる量は、全体の何%に当たるのでございましょうか。
#138
○田辺参考人 四十年度におきましては、全血液所要量のおおむね三〇%を目標としておったのでございますが、年間を通じましては、とうてい三〇%まではまいりませんでしたが、四十一年の一月以降になりますると、おおむね三〇%前後に達していると思うのでございます。四十一年度におきましては、赤十字といたしましては、最小限度各血液センターとも四〇%以上、こういうことの目標を示しまして、その目標に向かって指導、鞭撻いたしている次第でございます。
#139
○吉田(賢)委員 移動採血車は何台ほどお持ちなんですか。
#140
○田辺参考人 現在四十八台でございます。
#141
○吉田(賢)委員 移動採血車の活動、あるいはその他の献血についてのいろいろなお仕事については、年間どのくらいの経費が支出されておりますか。大ざっぱでよろしゅうございます。
#142
○田辺参考人 所要経費につきましては、運営面の運営費と、それから設備面に投資します設備費とに分かれてございますが、設備費につきましては、赤十字の本社のほうで、各方面からいただきましたお金、赤十字社の社員から拠出されました社費であるとかあるいは寄付金、こういうものを源泉といたしまして、各都道府県の血液センターの整備ないしは採血自動車整備のための補助をいたしております。それから運営費といたしましては、これは各センターとも、いわゆる血液代価と申しますか、健康保険に定めておるその収入によってまかなうたてまえにいたしておりまするが、ごく少数の血液センターを除きましては、ほとんど赤字でございます。目下医師の確保あるいは看護婦の確保と、その他技術者の確保、所要職員を確保するということで、この血液センターの赤字との間にはさまりまして、各血液センターとも相当苦心をいたしておるような次第でございます。所要経費全体につきましては、年間の決算でないとわからないのでございますが、いま資料を持ってきておりませんので、ちょっとお答えできかねる次第でございます。
#143
○吉田(賢)委員 日赤といたしまして、献血を中心としまして、ひとつ最近一両年来の決算の状況を、本委員会に資料として知らしていただきますように、委員長あてにお送りを願いたいと思っております。
 鈴が鳴りましたので、ごく簡単にいたしますが、献血による血液の供給につきまして、一般の商業血液銀行、それとの関連ですね、一体、最終的にはどういう方法で機関を充実整備すればいいのであるか、この点をどういうようにお考えになっておりますか。
#144
○田辺参考人 赤十字の血液センターでつくりました保存血液の配給業務、これをどこで担当することが望ましいかということでございますが、これはそれだけを専門に担当する公益的な機関が設置されることが一番望ましいと思っております。そのことは、同時に血液センターが、配給業務という非常にむずかしい仕事にわずらわされることなしに、採血業務一本に専念できるという長所があるわけでございます。私ども将来の目標といたしましては、公益的な専門の配給担当機関の設置が望ましいと思っておりますが、ただこれには、献血の量がある程度伸びてこないと、なかなか経済的その他の関係で困難でございます。幸いある県におきましては、そういった専門の機関が設置された事情もございますので、その事情をよく見まして、設置されるとかようにいろいろの点で長所があるのだ、経済的にもかようだということもだんだんわかってまいりましたので、そういう実績をも基礎にいたしまして、各血液センターに、その設置方を、そういった専門的な公益機関の、配給業務担当機関の設置を勧奨するように指導していきたい、かように考えております。
#145
○吉田(賢)委員 最後に、この献血の問題は、これは国民に相当必要性、趣旨等が浸透徹底いたしましたら、日本では成果があがるのじゃないだろうか、むしろ諸外国、先進諸国よりも成果があがるのじゃないだろうかというふうにさえ考えられるのですが、これは行政府ないしはあなたのような、日赤のような特殊法人あるいは一般公共団体、民間、地域等、あげて国民的な運動として献血運動を推進する、こういうようなことに持っていけば、私は、現在の需給関係が献血三二%と聞きますが、これが倍になるというふうになって、血清肝炎のおそれもなくなるということにもなりましたならば、非常にこれは望ましいことであろうと思うのですが、この最後の方法につきまして、要するに献血をいかに推進するか、具体的な方法ですが、これについて、ひとつ日赤の副社長としての御意見を伺い、また厚生省として、いま私が申しましたような一大国民運動にする、こういうふうな点はどうかということについての、両方の御意見を伺って終わりたいと思います。
#146
○田辺参考人 お話のとおり、血液の事業というものは、全国民的な、全国家的な事業として推進することが絶対必要だろうと思います。お話のとおり、どこの国でも熱心に相当の力を入れてやりました場合には、これは解決でき得ることとわれわれ信じております。ただ日本の場合は、あまりにも過去のさびが多くて、たまり過ぎておるものですから、これをあせりにあせってくずそうといたしましても、効果はから回りするだけでなかなかあがりませんので、やはり各方面と緊密なる連携を保って、じわじわとしんぼう強く、力強く推進することが必要だと思います。
 国民的な献血運動の実施につきましては、昨年来、赤十字と政府とがばらばらにやっておりましたのを一本の運動にいたしまして、実施しておりますが、今年度もまた昨年同様、なお以上に力を合わせまして推進にあたってまいりたい、かように考えております。
#147
○佐々木(義)政府委員 お説のとおりでありまして、やはりこの問題は、国民的な全部の好意あるいは奉仕と申しますか、こういうことになりませんと、発展してまいらないのでございますが、先ほど局長からもお話ございましたように、その際におきましても、工場、あるいはたとえば成人式に参加する人たちとか、あるいは学校の若い人たちとかいう人たちが、むしろ率先してこういうものに参加するようにいたしますれば、国民一般の覚せいと申しますか、そういう点にも非常に裨益することが大だと思いますので、まずそういう点から、国民運動として出発したらいいのじゃなかろうかというふうに考えております。
#148
○吉田(賢)委員 時間がございませんので、資料を要求しておきたいと思います。
 性病対策について、ひとつ次官にお願いしておきたいと思いますが、性病問題は、特に青少年に蔓延してくるという説さえ相当ございまして、厚生省あたりの統計では少ないのでありますけれども、中にはたいへんな数字を言う人もございますので、性病の現状、性病の原因、それからこれに対する対策、こういうものを、厚生省としてどういうふうに把握し、また対策をお立てになっておるか、これはひとつ委員長あてに、資料としてお出し願いたいと思います。終わります。
#149
○吉川委員長 参考人には、お忙しいところ、調査に御協力いただき、ありがとうございました。
     ――――◇―――――
#150
○吉川委員長 参考人出頭要求に関する件について、おはかりいたします。
 すなわち、国が資本金の二分の一以上を出資している法人の会計に関する件中、石油資源開発株式会社調査のため、本委員会に参考人として関係者の出頭を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議はありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#151
○吉川委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。
 なお、参考人出頭の日時及び人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#152
○吉川委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後二時四十七分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト