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1965/06/06 第51回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第051回国会 決算委員会 第28号
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1965/06/06 第51回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第051回国会 決算委員会 第28号

#1
第051回国会 決算委員会 第28号
昭和四十一年六月六日(月曜日)
   午後一時三十四分開議
 出席委員
   委員長 吉川 久衛君
   理事 押谷 富三君 理事 白浜 仁吉君
   理事 堀川 恭平君 理事 勝澤 芳雄君
   理事 山田 長司君
      久野 忠治君    根本龍太郎君
      原 健三郎君    福永 健司君
      山手 滿男君    中村 重光君
      吉田 賢一君
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  佐藤 榮作君
        法 務 大 臣 石井光次郎君
        外 務 大 臣 椎名悦三郎君
        大 蔵 大 臣 福田 赳夫君
        文 部 大 臣 中村 梅吉君
        厚 生 大 臣 鈴木 善幸君
        農 林 大 臣 坂田 英一君
        通商産業大臣  三木 武夫君
        労 働 大 臣 小平 久雄君
        建 設 大 臣 瀬戸山三男君
        自 治 大 臣 永山 忠則君
        国 務 大 臣 上原 正吉君
        国 務 大 臣 福田 篤泰君
        国 務 大 臣 藤山愛一郎君
        国 務 大 臣 松野 頼三君
 出席政府委員
        内閣法制局長官 高辻 正巳君
        人 事 官   佐藤 正典君
        総理府総務副長
        官       細田 吉藏君
        運輸政務次官  福井  勇君
        郵政政務次官  亀岡 高夫君
 委員外の出席者
        会計検査院長  小峰 保榮君
        専  門  員 池田 孝道君
    ―――――――――――――
六月六日
 委員石田博英君辞任につき、その補欠として久
 野忠治君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員久野忠治君辞任につき、その補欠として石
 田博英君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 昭和三十八年度一般会計歳入歳出決算
 昭和三十八年度特別会計歳入歳出決算
 昭和三十八年度国税収納金整理資金受払計算書
 昭和三十八年度政府関係機関決算書
 昭和三十八年度国有財産増減及び現在額総計算
 書
 昭和三十八年度国有財産無償貸付状況総計算書
 昭和三十八年度物品増減及び現在額総計算書
     ――――◇―――――
#2
○吉川委員長 これより会議を開きます。
 昭和三十八年度決算外三件を一括して議題とし、審査を進めます。
 御承知のごとく、議題といたしました各件は、第四十八回国会において提出されてより今日まで、長期間にわたり、予算が効率的に使用されたかどうか等を中心として、超党派的に審査を行ない、今日まで、一応各省別所管の審査を終了しております。したがいまして、本日は今日までの審査の経過に基づき、各件についての総括質疑を行ないます。
 質疑の通告がありますので、順次これを許します。勝澤芳雄君。
#3
○勝澤委員 佐藤総理に、率直に中国問題についてお尋ねいたしたいと存じます。
 最近、訪中から帰られました自民党の松村謙三氏が、帰りましたお話によりますと、日本と中国との関係はこれでいいだろうか、隣に人口七億の国がある、その中国に研究に行く人たちに対して、やめろとかあるいは見るなとかいうような態度というものはこの際考えなければならぬ、ということを言われております。また、佐藤総理が総理になったときに国民の期待をしたものは、総理は中国問題をとにもかくにも前向きで解決をしていく、こう期待を持たされておりました。しかし、今日の状態を見てみますと、私は必ずしもそのようになっていないと思うのです。こういう新しい時点に立ちまして、総理の中国に対する考え方について明白にしていただきたいと存じます。
#4
○佐藤内閣総理大臣 勝澤君のお尋ねですが、日中間の問題は、これはたいへん古い問題であります。きのうきょう始まった問題ではございません。また、しばしば日本の態度等も本会議あるいは各委員会等において尋ねられておりますので、重ねて申し上げることは要はない、かように私は思っております。私ども政府の考え方、これは国民もよく理解しておる、かように思っております。また、いま言われます松村君の訪中に際しまして、事前に私も松村君と会いまして、そして今回手がけるのはLT貿易、この貿易の期限が切れるので、この話をしに行くのだということでありました。時節柄何かと心配の点もあったのですが、ただいまさように言われますのはたいへんけっこうなことだということで、私との間には別に誤解もないような状態であった、かように私は思っております。しかし、帰られて、まだ松村君から報告その他聞いておりません。ただいまは新聞その他に出たところで、いろいろの考え方をしているなという程度に、私考えておるだけでございます。
#5
○勝澤委員 河野参議院副議長が陸連や水連の人たちと、あるいはまた自民党の小坂善太郎さんほか国会議員の方々の訪中を歓迎されておるということで、中国もまたこの人たちを歓迎いたしておりますし、この人たちも訪問を希望いたしておるということがいわれておりますが、これは私は、隣の国を見たり聞いたり研究したりすることは当然だと思うのでありますが、これについての総理のお考えをお聞かせ願いたいと思います。
#6
○佐藤内閣総理大臣 自民党の方が中国を訪問したいという話はございます。それにつきまして、まだ具体的にこれこれが行きたい、こういう託は、具体化した話として私は聞いておりません。ただ河野参議院副議長の中共行きについては、これはスポーツの関係で行きたい、かように言っておる、かように聞いておりますが、これまた私は、うわさの程度でありまして、河野君とまだ会っていないというような実情であります。
#7
○勝澤委員 河野さん、自民党の小坂さん以下、たくさんの人たちが歓迎をされて、本人たちも希望しておるようでありますが、もし総理に行きたいというお話があったら、総理は積極的にこれを支持し、見てこい聞いてこいということを言われると思いますが、その点いかがですか。
#8
○佐藤内閣総理大臣 いずれ具体化したときに、私の意見も述べることにしますが、ただいまは、まだ早いようです。
#9
○勝澤委員 早い早いと言っておられましても、いまはもう総理としての意見を言わなければならぬときではないでしょうか。日中関係が悪化しているといわれておりますいま、やはり総理が決断を下して、国民の期待にこたえた対中国政策というものを打ち立てるべきときに来ていると思うのですが、いかがですか。
#10
○佐藤内閣総理大臣 ただいま私が申し上げますのは、まだ具体的な話になっておらないその段階で、私が意見を述べることはいかがかと、かように申し上げておるのであります。もちろん自民党の党員でございまするし、だから社会党の方が行かれるのとはまた別に、私自身にもいろいろ考えるところかありますから、それらのものが具体化したら、とくと相談するつもりです。
#11
○勝澤委員 ですから、いまのあなたの気持ちは、具体化したときにすると――しかし向こうは歓迎している、松村さんも行くべきだとこう言われておる、それについてあなたが具体化したときにということは、これは総理として、あるいは自民党の総裁としてどうすべきか、やはり私は結論をここで言うべきだと思うのですか……。
#12
○佐藤内閣総理大臣 私が勝澤君に言う必要はないと思っております。ただいまの、小坂君その他が行くからどうするか、とこういう話なら私は答えますということを言っているのです。中共がどう言ったからといって、当方でまだはっきりした意向を示してない、あるいは相談を持ちかけておらない、そういう際に、私はとやかく言うことは間違っている、かように思っております。
#13
○勝澤委員 それ以上質問しても、総理、お話がきょうの段階ではできないようですから。しかし総理、イギリスのヒューム前総理がアメリカで記者会見したときに、なぜ米国の対中国政策に協力できないのかということについて、ヒューム前総理は、われわれは生きるために貿易しなければならない、むしろ貿易することにより共産閥を変えることができるのだ、とこう自信を示されております・あるいはハリマン前国務長官は、国家と国家の親密の度合いは、いかに多くのことに同意するかよりも、むしろいかに容易に意見の不一致を認め合うかでわかる、こう言われております。またライシャワー駐日大使は、日本の外交政策を完全に自主的なものにせよ、単に対米従属は日米関係をゆがめる、こう日本に自主的な外交をすべきだと指摘をしているわけであります。まあきょうの段階は御無理でしょうけれども、自主的な外交、自主的な日本民族の立場に立った方向をきめるかどうかというポイントに私は来ておると思います。まだそこまで考えていないと言われるなら、一応特に私は、今日の事態というものを総理が十分直視することを特に、要望いたしておきます。
#14
○佐藤内閣総理大臣 私は先ほど申し上げませんでしたが、政府の考え方は非常にはっきりしておると申しました。ただいまも重ねてのお尋ねですから、誤解がないようにお願いしておきますが、日本はどこの国とも仲よくしていく。特別に相手の国に事をかまえるというようなことは、私どもはしない、このことをはっきり申し上げておきます。
 中共との関係においては、いわゆる政経分離の立場で、経済の交流、これは進めておるところであります。またその他の文化交流等も、これは進めております。したがいまして、ずいぶん、外交関係ができていないにかかわらず、貿易においては、一昨年の五割増し程度の貿易の拡大ができております。私はかような不自然――条件の整わないもとにおいての貿易が拡大されておる。これは日中間の関係におきまして、政府の考え方が実際に行なわれておるので、大いに歓迎されてしかるべきじゃないかと思います。これは、政府が非常に極地にきつい考え方を持っていない証左だ、かように思います。今後とも、そういう考え方でまいりたいと思います。松村君が特に向こうへ出かけますその際も、LT貿易が大体期限が来る、こういうことでございますので、これを特にその延長と申しますか、期限後の処置について話してみたい、基本的な話はできた、かように私は、新聞あるいはついていった人たちの話でもそれを確認しておりますが、いわゆるLT貿易を持続する、こういうことは松村君が話をまとめたものだろう、かように思います。ただLT貿易が、この前は五年間の期限を限りましたが、今回はその期限の取りきめがない、こういう状態については、私は、もう当方の考え方もわかっておるの、だから、また貿易を希望しておる中共としても、これらの点をやっぱりもっと掘り下げて話し合いをすべきではなかったか、かように思います。
#15
○勝澤委員 時間が制限されておりますから次の問題へ入りますが、知事の四選禁止についてであります。知半の多選に反対する論議というものは、二十九年の統一選挙、あるいはまた前回の三十七年の選挙から、各所に起きておるわけでありまして、いま自民党の中にもそういう意見が出ておりますし、三十七年当時、当時の篠田自治大国は、三選が限度で四選は好ましくないという言明をいたしておるようであります。私も、知事多選の弊害というものは各所に起きている――これは民主政治の発達をしているアメリカでさえも、大統領の三選あるいは州知事の三選というものの禁止をするところがふえてきているようであります。したがいまして、私は、この知事四選禁止の法律を制定する意思があるかどうか、あるいは意思がないとしても、あなたは自民党の総裁として、具体的に法律がないとしても、自主的に四選をさせないということによって今日の国民世論にこたえ、民主政治への道をつくるべきときだと思うのですが、それについてのお考えを……。
#16
○佐藤内閣総理大臣 知事の多選につきましては、各方面いろいろな議論がされておると思います。これは地方自治とも関連が深いものでありますので、十分慎重に検討してみたい、かように考えます。
#17
○勝澤委員 それじゃもう一つ最後に。この五月の十六日に、赤坂のプリンスホテルで、明石と鳴門大橋の架橋促進の総決起大会が開かれました。あるいは五月十一日は岡山−香川間の瀬戸大橋、それから五月十七日には広島−愛媛の瀬戸内海大橋ということで、夢の大橋の争奪戦が行なわれておるわけであります。そのために、与党野党あるいは大臣を含めて、その人たちが参加をして、数千万円という金がその大会に使われ、陳情に使われておる。年末の予算のあのときには、赤坂のプリンスホテルをはじめ周辺のホテルは、まあ圧力団体といいますかいろいろな団体のたまりになって、そして地元の代議士は予算をとるためだ、あるいは大臣は予算をたくさんとることによって大臣の貫禄が示される、こういうことが行なわれ、まず地方の中から約三百億くらいの金がこの陳情に使われているだろうということが言われております。したがって、私はこれは陳情の過当競争だと思う。公正な競争ならともかくも、あまりに国民の税金のむだづかいだと思うわけであります。最近、神奈川県でも、御案内のように祝賀会の縮小をした例があるわけでありまして、国会でも、御案内のように、慶あるいは盆、暮れ、冠婚葬祭はお互いに自粛しようじゃないかという申し合わせまでしているわけであります。したがって、この際地方財政が苦しいときに、こういう陳情の過当競争といいますか、祝賀会の自粛といいますか、こういうものについて、やっぱり政府も十分――そこにいらっしゃる各大臣お互いがみなやっているわけでありますから、あまり過当なむだづかいをさせないように自粛すべきだと思うのですが、その点いかがですか。
#18
○佐藤内閣総理大臣 こういう事柄はできるだけ早く決定して、むだづかいをしないように、その政治姿勢の問題も一つあります。同時にまた、関係のところも、ただいま注意されましたように、むだづかいしないように、陳情合戦のようにならないように十分気をつける、これは私お説と全然同じ考えを持っております。
#19
○吉川委員長 山田長司君。
#20
○山田(長)委員 時間の関係で、残念でございますが、数点しかお伺いできないわけであります。総理の御答弁いかんによっては、与えられた時間以内に話ができるかと思うのですが、その点よろしくお願いをいたします。
 政府が最近計画しまする、経済五カ年計画であるとか、あるいは住宅の五カ年計画であるとか、あるいは道路の五カ年計画であるとか、あるいは公園の計画であるとか、いろいろ計画が進められておりますが、いずれも二年か三年で新計画に変わっているようであります。この原因は、最近の人口の都市集中というようなことから、計画が変わるのもやむを得ない感がなきにしもあらずでありますが、これらの計画の場合に、少なくとも政治に長い経歴をお持ちになっている方ばかりの閣議決定でこれが計画されておるわけなのでありまして、それだけに、当然財政措置の問題についてもお考えになられて、閣議決定がなされているものとわれわれは思っておるわけです。ところが、それが五ヵ年計画においても、総工費の予算の措置が正確にきめられないうちに発表になったりしますものですから、住宅の計画一つ見ましても、四十一年度当初の計画が七百六十万戸というのが六百七十万戸になってしまったり、こんなことですと、四十五年には、政府の方針によりますと、一世帯一住宅の政策が考えられているようでありますけれども、これはとても不可能だと私は思うのです。方針の発表だけでは、これは国民が期待しているだけに、私は容易ならない政府への不信というものが起こってくると思うのです。その点、政府のいわゆる閣議決定なるものは、どのくらい本気になったつもりで閣議決定というものがされるものか。まず最初に、閣議決定というものの新聞発表になるまでの経過その他について、総理にひとつ伺いたいと思います。
#21
○佐藤内閣総理大臣 閣議決定が権威を持って、こういうお話だと思いますが、いわゆる長期計画というものについて、ただいまも山田君からも御指摘のように、都市集中その他の経済上の変動がある。そのために長期計画を墨守するわけにいかないような状態になるわけであります。私どもは、申すまでもないことですが、いわゆる統制経済あるいは厳格な意味の計画経済を行なっておるわけじゃありません。むしろ情勢に応じて適正な弾力的な運用をしていくということが、実際には政治としてよろしいのだ、かように思っております。しかしもともと全然無計画でこういう事柄と取り組みましても、国の財政が許さない、あるいは土地の問題があるとか、いろいろ制約する条件がございますから、無計画ではない。しかし長期の計画というものは厘毛も変わらない、非常に墨守していく、こういうわけにはいかないのでございます。しかし、いまの閣議決定そのものがそれじゃ権威がないのか、かように申しますが、十分国民の信頼をつなぐような権威のあるものだ、かように私は確信しておりますし、またきめます際に、あらゆるデータ等を拾い上げまして、そうして途中においてこれを重大なる変更をしないというようなことでありたいものだ、かように思っております。これは政治の姿勢といたしまして、私どもが努力する点であります。
#22
○山田(長)委員 なぜ私がかくのごときことを伺うかといいますと、実はこの間の金曜日にも、決算委員会で問題になっているわけです。それは、国民の健康上から考えてみても、最近の都会における空気の汚染という問題は容易ならない状態にあると私は思うのです。そこで、実は昨年の十月から宮内庁の東側の東地区本丸、一の丸、二の丸、三の丸、この地点を開放するということを、当決算委員会におきまして、宮内庁の人が言明をいたしました。さらにいま、東京都の計画とされまして、中央公園が北の丸に建設されることになって、それが森林公園として着々進められておったのでありましたが、それがいつの間にか次々と、さらに公園をつくるのに障害が起こってくるような問題が起こってきている。近代美術館あるいは国立公文書館、こういうふうなものができることになったようです。そこへもってきて、四十一年の閣議でこれが了承されたのですが、さらに今度は、もとの近衛師団司令部の建物あとをそのまま残すとか、あるいは学徒援護会関係は別に移転すべき場所が計画されておっても、それを残すために動かれておるとか、とにかく防衛庁では、四十一年三月の九日に、まだ最近です、これらについても公園変更の問題を持ち出してきているということで、閣議できめられてきていることが、次から次へ変更されてきている等、こんな身近かな場所に起こってきている問題なのですけれども、やはり閣議できめられたら、閣議できめた方針というものは、国民がここに新たに公園ができると思って期待しているのだから、こんな変更なからしむるような努力がされるべきだと思うのですけれども、いかがですか。
#23
○佐藤内閣総理大臣 ただいまの武道館のできておるあの場所と思いますが、ここは御指摘のように森林公園にするという計画でございます。したがいまして、いまあります建物等を当初予定したものより以上にふやすことはしない。ただいまの国立公文書館、これは森林公園をつくる際に一応予定していた建物であります。そうして近代美術館、これは予定してない建物であります。したがいまして、この国立公文書館と近代美術館を合わせての建物にするとかということで、いわゆる森林公園の計画には閣議決定の線を守っておる、かように御理解をいただきたいのであります。あそこにあります学徒の宿舎等は取り除くことになっております。また、ただいま防衛庁から云々の話が出ておりますが、これは新聞ではさような報道をしております。私もこれを見ておりますが、まだ閣議で、さような点では取り上げておりません。このことをはっきり申し上げまして、最初の森林公園の計画、それに支障を来たさない、そごを来たさないように努力するつもりでございます。
#24
○山田(長)委員 ただいま申し上げましたように、閣議決定の線に沿っていただきたいことが数点あるわけですけれども、これはやはり政府の方針を国民に、ただ絵にかいたもちとして喜ばせるのでなくて、そういう点はぜひともこれから先も実行に移していただきたいと思います。
 次に、三十八年度の決算を上げるにあたりまして、本来ならば、当決算委員会が現地に出向いて調査をして来べき筋合いのものでありますが、残念でありますけれども、予算等を勘案して、決算委員会が出動して調査できないので、この機会に方針を伺っておきますが、たとえば、アラスカパルプ、あるいはスマトラ油田、あるいは南米のウジミナスの鉄鉱、それからボルネオ油田、こういうところには、いずれも、アラスカパルプ二百億、あるいはボルネオ油田に六十億、こういうばく大な金がつぎ込まれているが、国内ならば、決算委員会は出動することが許されて、これらの調査をすることができるのでありますけれども、残念でありますが一そういう意図は政府にないことを承知しておりますけれども、どうも決算委員会は軽視されている感がございまして、こういう場所へ出向いていって、これが実際活動をどうしているかということの調査ができないわけです。そういう点で、このアラスカパルプやスマトラ石油やウジミナスの鉄鉱、こういう点がどんな活躍をされておるのか。あとで管轄の大臣に伺いますけれども、総理の耳に入っている点は――こういう巨額が外国に投じられているけれども、どのくらいな仕事をしておるのか、その内容を、外国のことですからつぶさでなくてもいいですけれども、国民の血税がつぎ込まれてこういう仕事がなされている限り、総理としては御存じないことはないだろうと思います。あとで担当の大臣に伺いますけれども、総理のこれらの点についての方針を伺っておきたいと思います。
#25
○佐藤内閣総理大臣 担当大臣から、お尋ねがあれば、詳細にお答えいたしたいと思います。
 私、ただいまの外地、あるいは外国で産業を開発しておる、これは一体どういう基本的な考え方だと、お尋ねになるまでもなく、わが国の産業に役立つ、あるいは、外国を開発することによりまして、そうして両国間の関係の親善をさらに増すこと、こういうことが、ねらいだと思います。わが国の産業に全然関係なしということでは、これは巨額の金を投ずるわけにはまいりません。また、両国関係の親善を増していく、こういうことならば、適当な処置もあるわけであります。したがいまして、アラスカパルプにしても、またウジミナスにいたしましても、その土地の産業の開発もいたしますが、同時に、わが国の産業にこれが非常な功績といいますか、わが国の産業を発達さす上におきまして役立っておる、かようなものであります。それらの詳細につきましては、またお尋ねによりましてお答えさせます。
#26
○山田(長)委員 あとで関係大臣から伺うことにいたしまして、ただいまの問題は、これはいすれ命がけなことになりますけれども、決算の衝を担当する者としましては、これらの外地の実際の仕事の状況というものを、会計検査院も調べに行っていないというのですから、これでは国民の血税をつぎ込まれている外国の国策事業というものがどの程度まで進展をしておるのか、当決算委員会の者としても、まことに理解ができずにおるわけです。これはいずれ会計検査院の特派やら、あるいは決算委員の特派やらを総理に要請して、これは派遣方をひとつお取り計らい願いたいと思うのです。
 次にお願いしたいことは――時間の関係て、どうも思っておることが飛び飛びになる可能性があるのですが、次に伺いたいことは、昨年だと思いますが、総理はアメリカへ行かれて、アメリカの大統領と将来の抱負を語られた中に、東南アジアの医療政策という問題について、かなり突っ込んだ御発言をなさったようでございます。そこで、どういうふうなそれについての御見識をお持ちになっておるかわかりませんが、私が調べた範囲によりますと、今日、日本の医学の学徒というものが、四十一年度では四千五十人しか学化募集がございません。この中の内訳を言いますと、国立大学の医学部が二千百十名、公立が六百名、私立が千八十名。そこへことしの増員が、国立の場合が百六十人、公立の場合が二十人、私立の場合が八十人という増員で、三百人前後の増員がことしはなされたようでありまして、その点は旧来よりも医学徒の人員がふえてきたので、卒業されたあとで外地にかりに送るとしましても、いままでよりも多少多いわけになると思うのですが、そこで外地に向けての医者の問題です。実は二年ほど前にアフリカへ旅行した際に、アフリカの若年の子供が非常に死んでおる状態を知りまして、これは超党派で、人類愛の見地からこれらのことを考えなければならぬということで、白濱委員が委員長のときでありましたので、白濱委員に特別に進言をいたしましたところが、たまたま非常に共鳴をされて、ことしの二月に医者をアフリカのケニアへ派遣することができました。これは事業団の人たちも協力し、それから政府の協力も得たわけであります。ところが残念なことに、行くまでの過程においては、これは白濱委員もたいへんな苦労をしたんだと思いますが、待遇の問題です。医者の待遇の問題になってまいりますと、政府が考えておるように五百ドルの金で行く医者はいないのです、実際に。たまたまことし長崎医大の先生と看護婦が行ってくれたものの、これは総理が医療協力を口にしておられるだけに、そういう点ではよほど勘案した形の待遇改善なりが考えられなければ、続くものでありません。そういう点で私は、ことしよく長崎医大の先生方が安い給料で行かれたと思うのです。外交官よりも二割の減俸が医者の経費として出されるということでは……。私は、医者の場合は外交官以上の待遇をしていいと思うのですよ。なぜかというと、ほんとうに外交官的役割りを医者はすると思うのですよ。ましてケニアに行かれた医者は、五歳未満で死ぬ子供たち及びらい病患者と肺患者が非常に多いという中に、若い身そらで看護婦も医者も入っていかれたのです。将来、東南アジアの医療施策を訴えられる以上は、絵にかいたもちではいかぬと思うのです。外交上からいってもゆゆしい問題になると私は思うのです。総理はそういう発言をしていて、あと続かなければ――おそらくきょうは時間の制限がなかったならば、白濱委員もそのことについて発言するのじゃなかったかと思いますけれども、この点について、東南アジアの医療政策ということについては、いかように将来考えるか。一応送った責任ある立場として、このことについてはあとを続かせるためにも、一言総理の明快な御答弁をひとつこの機会に願わなければならぬと思うのです。
#27
○佐藤内閣総理大臣 東南アジア諸地域、ことに開発途上にあります諸地域におきまして、非常にいま困っておるのは、医療の問題、医薬の問題等でございますが、わが国から医者を派遣するということをきめまして、まだ、いまのケニアに二名出かけた者を合わしても、わずかに十名利度でございます。これとは別に、インドにおいてのらい療養所、これは民間でつくっておりまして、政府も適当な補助をいたしておりますが、これも非常にインドで喜ばれております。ただいま御指摘になりましたように、らいだとかあるいは肺病だとか、いろいろの結核だとか、もう文明国においてはあとを断ったような病気が、いまなお開発途上の国にはあるのでございます。先進国として、病苦から国民を救うという、一つのとうとい人類愛に徹した聖職でもあると思いますので、ぜひともこれをしたいと思います。またそういう意気込みで奉公しようという方がずいぶんあるのですが、ただいま御指摘になりましたように、待遇の問題でなかなか思うにまかさない、この点では、政府がもちろん考えなければならないと思いますし、また一般外交官よりも二割安いということは許されない筋合いのものだと思いますので、待遇問題を適正に解決いたしまして、そして医療協力、医療で援助するという道をさらに積極的に開いてまいるつもりでございます。
#28
○山田(長)委員 時間がございませんので、もう一点だけでやめます。
 ダイヤモンドの問題について総理の見解を伺っておきたいのですが、実は私は、出てきて以来十五年間、ダイヤモンドの問題を追及してまいりました。聞くところによると、この秋からデパートでダイヤを売り出すという話であります。これは大蔵当局で見解を発表しました以上、やるのだろうと思うのですけれども、これは昭和二十三年の価格をいまだに発表し続けてまいりまして、四月に調査をしたときの結論をまだ発表されておりません。それで、六十八億だ、七十二億だと言い続けてきました。しかし私は、決算の衝に当たる者といたしまして、これは一般会計に入れるべき筋合いのものではないと思うのです。なぜかと言えば、戦争中に、勝つためにというキャッチフレーズで、みんなが供出したのですから。これは特別会計をもって、しかも社会保障制度のために使うということを、吉田総理の内閣の時分に、国会てきめられておったにかかわらず、ばかやろう解散でついにこの結論を見なかった。これはやはり特別会計で、このことは戦争のために国民が供出したものであるというそのしるしぐらいは残して、結論をつけてもらいたいと思う。大蔵大臣もおられますけれども、大蔵省当局は一般会計に繰り入れようという意図のようですけれども、少なくとも総理は、戦争中国民が勝つためにということで出したものが、どこへ行ったかわからないような結論は出さないようにしていただきたいと思うのです。これで私終わりますから、どうぞひとつ明快な御答弁をお願いいたします。
#29
○佐藤内閣総理大臣 供出したダイヤモンドの処置について、これは長い懸案事項でありましたが、いつまでも保管しておるだけが能じゃない、かように考えて、政府はとにかくこれを処分することに決心をしたわけであります。そうしてこれが一時に放出される。あの程度のものならば、ダイヤモンドの価格を動かすとは私は思いませんが、しかし相当多量でありますから、狭いマーケットでもあるし、そういう意味で、価格に変動を来たさないような処理方法を、大蔵当局でいろいろ苦心して考えておるわけであります。いまの、六十八億あるいは七十二億程度のものと言われておるが、今日はたしてどうなっておるか、それは処分時におきまして、価格等は明確にいたしまして、誤解されないように、間違いを引き起こさないように、一そう注意するつもりであります。また、ただいま言われます特別会計にしろというお話ですが、これは一つの議論として、また理論として、私も、山田君の考え方に反対をするものではございません。これは理論として実にりっぱなものだと思います。しかしながら、実際問題として、特別会計にするだけの値打ちがあるかどうかということだと思います。したがいまして、ただいまの特別会計にしろというその精神を生かし、その精神を貫いていくような処理方法はないか、かように考えるのでありまして、その辺は、大蔵事務当局で特にひとつくふうしていただいて、山田君の言われるその精神が貫けるように、あと処理する――どうも特別会計をつくることは、大蔵事務当局はなかなか賛成しないのです。ことに全体から見まして、金額で大体一%程度じゃないだろうかと、かように言われますので、そういうところから、ただいまの精神を貫いて処理をするということをお約束するほうが、どうも楽のように思いますので、そういうことで御了承いただきたいと思います。
#30
○山田(長)委員 時間の関係で、これで総理に対する質問を終わります。
#31
○吉川委員長 中村重光君。
 中村君、割り当ての時間がだいぶ詰まっておりますから、お含みの上で……。
#32
○中村(重)委員 総理に伺っておきたいと思います。
 きょうは、三十八年度決算の締めくくり質問をいたします。決算報告というのは、政府は提出義務があるだけであります。この国民の税金がどう使われたかということについて、いろいろ議論がされるわけであります。肯定できない面も非常に多いわけです。したがいまして、これは単なる提出義務というものではなくて、国会の承認を要するということに改める必要があるのではないか、このように私は考えるわけであります。もちろんその意思決定は、国会自体がやるところではありますけれども、総裁として、また総理としてのお考え方をひとつ伺わせていただきたいと思います。
#33
○佐藤内閣総理大臣 決算は、私が指摘するまでもなく、あれだけやかましく言われて審議をされた予算の実行が、予算決定されたとおりに使われておるかどうかということを見るのでありますから、これはたいへん重大な意義を持つものなんです。人によりましては、使う以前の予算の審議よりも決算に力を入れろ、こういうことを指摘する人もあります。それほど大事なものでございます。ただ、それだからといって、あるいは議決事項にするということが適当なりやいなや、かように考えてみますると、私はいまの程度が適当なのではないか、かように思います。ただいまこうして各大臣とも決算委員会にずらりと顔をそろえて、そして御審議をいただいておりますが、これで、私は、決算の重要性を政府もよく知っておる、かように御了承いただきたいと思います。
#34
○中村(重)委員 国会が終わりますと、総理は外遊するという御予定のようでございます。これは総理の外遊というものが予備費から支出されることになってまいりますから、この決算委員会との関係が出てくるわけです。したがいまして、その外遊は、いつごろからどういう規模でおやりになるのか、また私どもは早期解散を主張いたしておりますが、解散との兼ね合いも出てまいります。解散について、総理はどのようにお考えになっておるのか、その点もあわせてひとつお答えを願います。
#35
○佐藤内閣総理大臣 ただいま早期解散を要求しておると言われますが、まだ要求は私の手元に届いておりません。したがいまして、私は社会党の方が盛んにこれを言っていらっしゃることはよくわかっておりますが、政府自身は、いままでもお答えいたしましたように、まだ考えておりません。だから、政府自身が考えておらない事項だ、かように御了承いただきたいと思います。
 そこで、いま外遊のお話が出ておりますが、外遊は、私はしたいという気持はございます。しかし、いつ、どこそこへ行くか、これはまだ発表する段階でございません。私が申し上げるまでもなく、一国の総理が外遊するということは、国際的にもまた国内的にも、いろいろの影響を持つものでございますから、これはよほど慎重に扱わなければならぬ。そうしてよほど具体化した際に、その問題を適当な時期に発表することが望ましいのでありまして、まだ具体化しないうちに、抽象的に、行きたい、あるいは外国へ行きたいという程度のものを話しすることは慎むべきことだ、私はかように思っておりますので、せっかくのお尋ねでございますが、お答えのできないことを御了承いただきたい。
#36
○中村(重)委員 七月五日から日米経済会議が開かれることになるわけです。そこで、総理は、国会が終わったならば内閣を改造するんだというような愚図を持っていらっしゃるようにも伝えられておるわけであります。この日米経済会議に閣僚が出席いたしますから、その内閣改造というものは、特に総理としては慎重にお考えになっていらっしゃるのじゃないかと思いますが、内閣改造は日米経済会議の前あとそのいずれの時期を選ぶことになるのか、その点もひとつお聞きしたい。
#37
○佐藤内閣総理大臣 ただいま中村君からの御注意のように、慎重に考えたいと思います。
#38
○中村(重)委員 慎重はけっこうですが、非常に重大な問題であるということは言えるわけです。
 そこで、この日米経済会議に対して、時期がわずかに迫ってまいりましたから、総理として、どのようなことを議題に供するのかということについての腹がまえはできておるのではないか。当然出てまいるでありましょうことは、中国の国連加盟ということに対して、どのような態度で秋の国連総会に臨もうとお考えになっているのか。従来のとおり、重要事項指定方式という形で、中国の国連加盟というものを阻止するという態度を改めようとお考えになっていらっしゃらないのか。松村さんも、中国を早急に国連に加盟させる必要があるということを非常に強調いたしておりますが、総理としては、従来の態度を改める、そして中国の国連加盟を実現させる、こういう考え方を持っていらっしゃらないのかどうか、まずその点を伺ってみたいと思います。
#39
○佐藤内閣総理大臣 日米経済合同会議、これは名前が示しておりますように、経済の会議でございます。いわゆる政治会議ではございません。したがいまして、いま政府におきましても、外務省を中心に、経済閣僚等からいろいろ協議すべき事項について検討いたしております。しかしながら、日米間の事柄でございますから、いわゆる会議ではございませんが、その他一般のことについても話し合いをするだろうということが一応考えられますので、いわゆる取りきめはいたしませんが、そういう意味で、いろいろわがほうのいままでやってきている事柄、また今後どういう方針をとるべきか、これらの点について、ただいま内閣として取りまとめ中であります。したがいまして、まだその全貌を明らかにするような段階ではございません。しかし、中村君からいま言われる中共との関係、これをいかに考えるかというお話でありますが、ただいままでのところ、在来からとってきておる基本的な態度、これを変更する考えはございませんし、また変更の要なし、かように私は考えております。
#40
○中村(重)委員 その名前のごとく、経済会議、こうおっしゃるならば、今度の経済会議の重要な議題としてのぼってくるのは、当然東南アジアの開発の問題であろうと私は思う。アメリカと日本が、産業開発をどのように分担をしていくか、このことは今度の非常に重要な事項でございましょうし、日本政府としては、総理としては、どういう態度でこの東南アジアの開発問題に取り組もうとしておられるのか、その点をひとつお聞きしたい。
#41
○佐藤内閣総理大臣 東南アジア経済開発会議を開いた直後でもあります。したがいまして、東南アジア諸地域に対する経済開発協力の問題、これは日米間において十分話し合ってみるつもりでございます。私がかつて日米会議に出た際にも、東南アジア諸地域に対して、いわゆる開発途上にある国々に対して、日本やアメリカがいかにすべきかということが、真剣に討議されております。私は、今日こういう際こそ、いわゆる先進工業国として、開発途上にある国々に対して、先進国の役割りを果たす、こういうことで臨むのが最も適当なことではないか、とかように思っております。
#42
○中村(重)委員 北鮮との貿易振興というものは非常に重要な、外交経済上の問題であろうと私は考えます。ところが、北鮮との貿易というのがなかなかスムーズに進まない。それは何が阻害要因であるかと言いますと、第一は、貿易に関係する人たち、なかんずく技術者の入国の認められないというところにあると私は思うわけです。ところが、中国の場合と同じように、西欧諸国は積極的に北鮮との貿易を振興しておる、技術者の入国も認めておる、人事交流はきわめてなめらかに進んでおりますけれども、日本政府の場合におきましては、従来ケースバイケースでこれを認めていくのだ。その必要自体は、総理並びに関係の名大臣もお認めになっておられる。しかし、必要は認めるけれども、現実には入国を認めないということでありますが、この点は、私は、改めていかなければならぬ、積極的にこの入国を認めていくという態度でなければならぬと思いますが、その点に対しては、総理はどのようにお考えになっていらっしゃるか。
#43
○佐藤内閣総理大臣 北鮮に対しましては、これはケースバイケース、そのときどきにきめていく、この態度に変わりはございません。今日もその態度で進めるつもりでございます。
#44
○中村(重)委員 総理のいまのような答弁では、私は、この重要問題に、取り組む態度としてはきわめて消極的であり、誠意がないと思う。特に韓国から金駐日大使が総理を訪問して、技術者の入国を認むべきではない、こういうことで、丁一権総理の親書を伝達したり、あるいは張副総理自体が総理をたずねていろいろ話をしておりますが、張副総理が韓国に行って談話を発表いたしております。中国と同じような政経分離という形では、北鮮の問題は取り扱わない、延べ払い借款、こういったようなものは一切認めないということを約束した、こういうことを語っておるのでありますが、事実、総理はそういうことをお話しになったのか、またお考えはそういう考え方であるのか、この際はっきりしておいていただきたいと思う。
#45
○佐藤内閣総理大臣 丁総理と私は会見いたしましたか、丁総理から私に話のあったことでは、韓国内の問題、日韓の問題については話がありました。しかし北鮮の話は全然触れておりません。したがいまして、それは他の場所で言われたことがあるかもわかりません。私との間では、全然話がございません。この点は誤解のないように願いたいと思います。
 そうして、ただいま北鮮についてのお尋ねでございますが、北鮮についての態度は、在来から、いわゆるケースバイケースできめる、そのつど十分考えて結論を出すということを申しております。これは、北鮮が中共と同じような待遇を受けておらない一つの証拠であります。この点では、中共に対しましてはすでに政経分離、こういう原則を立てて、そうして積極的に経済交流をする、あるいは文化交流をする、こういうことを申しておりますが、北鮮にはそこまではまだいっていないということがはっきり言えるわけであります。また北鮮におきましても、貿易拡大するために技術者を入れろ――皆さん方もすでに関係を持っておられますので、よく御承知と思いますか、その際の政府の態度、これはもう一貫しておりまして、特に煙たい扱い方をするとか冷たい扱い方をするとか、こういう考え方は持っておりません。そのつど決定していくのですということを、またそのとおりをやっておりますので、これは中村君も御承知じゃないか、かように思います。誤解のないようにお願いしたいと思います。
#46
○中村(重)委員 金大使が北鮮と貿易している商社を大使館に呼ぶ、あるいは日本政府を通じて、北鮮との貿易をやめろ、取引をやめなければならぬというようなことで、内政干渉と見られるような圧力を実はかけておるわけです。このことはきわめて重大な問題であると私は思うのでありますが、総理はその点に対してどのようにお考えになっていますか。
#47
○佐藤内閣総理大臣 これは、何か外務大臣の談話で、そういう話が新聞に出ていた、かように記憶しておりますが、私は、ただいま金大使が、北鮮と貿易する会社と、それをとめる接触をしているというお話がありますか、私自身はさような話を聞いておりません。私は、ただここで考えていただきたいと思いますことは、ただいま北鮮との貿易をやれ、こう言われますが、やはり国際的にいろいろな関係を持つのであります。北鮮と貿易を拡大したその結果、せっかく日韓の親善関係を樹立したのに、韓国側において特にそれを気にするとか、そのために日韓問の関係が冷たくなる、こういうようなことはたいへんなことでございますから、私ども注意しなければならないと思います。在来からとっておる北鮮に対する日本の態度、これは韓国側でも理解していただきたいし、また韓国側から誤解を受けるような態度、処置はしないつもりでございます。したがいまして、韓国の大使自身が日本においていろいろ活動しておられること、これも、日本の内政干渉かましいような誤解を受けるようなことは、これはなさらないがいいと思います。しかしながら、私はそこまで行き過ぎていないのじゃなかろうかと思います。中村君にもお願いするのは、こういう事柄は平静に事態を見ないと、意外なところにこんがらがってくると、とんでもない結果を生ずると思いますので、いずれの国とも仲よくするというわが国の基本的態度、これにひびのこないように、どうか御協力を、この上ともお願いしておきます。
#48
○中村(重)委員 総理のいまの答弁、きわめて重大な答弁がありましたが、時間の関係がありますから、あらためてまたお尋ねすることとして、これで終わります。
#49
○吉川委員長 吉田賢一君。
#50
○吉田(賢)委員 総理に二、三点お伺いしますが、私もできるだけ簡潔に申し上げますから、よろしく簡単にお願い申し上げます。
 財政の基本問題といたしまして、長期財政計画を策定すべきでないか、こう思うのですが、いま内閣といたしましては、長期経済政策を経済審議会に諮問しておいでになりますが、これと並行いたしまして、この公債政策財政主導型の経済下におきまして、あらゆる社会資本の充実等の重要緊急な財政需要が山積いたしておりますし、あるいは住宅、道路、港湾等に対しましても、数年間という一定の長い計画による行政計画を持っておりますので、これに対応するためには、どうしても財政の長期計画が必要でないかと思うのでございますが、すみやかにこの方向に御決定になってはいかがかと思うのですが、どうでしょうか。
#51
○佐藤内閣総理大臣 先ほど、社会党の山田君からも、大体同じようなお尋ねがあったと思います。それにお答えをした直後でございますから、古田君もそのときの私の答弁で御了承いただきたいと思いますが、ただいま言われますように、長期計画、長期見通しをとにかく立てることは必要である。そういう意味で、経済審議会に、いま諮問をいたしておるような状況でございます。そういう場合に、経済の長期計画を立てる場合には、あらゆる条件を加味して考えていかなければならないのでありますから、公債の発行などもそのうちの一つでありますし、あるいは税収の問題も一つでございましょうし、あるいはまた、社会保障の全般の問題も考えのうちに人って、初めて経済長期計画が樹立されるわけであります。もちろんこれも先ほど申しましたように、情勢の変化があるから、いわゆる計量的にその数事にこだわらないといいますか、これを目標にはするが、同時にこれにくぎづけにしない、弾力的なものだ、かように御了承いただきたいのであります。
#52
○吉田(賢)委員 具体的には、経済審議会に諮問せられました長期経済計画と財政の長期計画とは、相当内容を異にすべきものではないかと思うのであります。たとえば国債発行の規模にいたしましても、あるいはまた財政投融資の原資並びに使途というようなものにいたしましても、租税収入等にいたしましても、これは相当広範囲に、数年間、少なくとも四、五年間の見通しを立てる必要があるのではないか、こういうふうに思われまするので、やはりこれは経済の長期計画とは別に、財政の計画を立てるべきではないだろうか。イギリスあたりにおきましても、別の角度からこのようなことがいわれておりますし、あるいはまた労働党内閣におきましても、経済省におきましては、最近、長期財政計画、一種の見通しでありますけれども、見通しを立てるということになっておりますので、この点は別の趣旨におきまして、ぜひとも立てる必要があるのではないかと思われます。
#53
○佐藤内閣総理大臣 いま私が申しましたのは、数量的に、数字的にその守らなければならないそういうものがどうだろうか、ということを実は言っておるのです。で、政策中心に経済審議会で長期計画を立てる。もちろん経済の問題ですから、これは数字抜きの計画があろうわけはありません。しかし、そういう意味で、経済計画が樹立されます。そういう場合に、あらゆるものを考えてつくらないと、全然関係なしに財政計画というわけにもいかないだろう。ただ、それだからといって、財政計画に左右される経済計画というものも実は困るでしょうから、そういうものがお互いに関連し合って、そこらで政策的なものを骨子にして、経済計画を立てる。そういう場合に、それをさらに数字を裏づける、こういうことになるのではなかろうか、かように思います。
#54
○吉田(賢)委員 それからなお、財政の業績を評価する手段、制度といたしまして、当委員会におきましても、事業別予算制度なるものがしばしば論議されまして、私もこれを指摘いたしましたし、なお、福田蔵相におきましても、これに賛意を表し、あるいはまた若干これは制度化しておるという御説明もあるし、会計検査院におきましても、この制度は、事業のコストと収益とを正確に見積もることの可能な手段として最も適当だというような指摘もいたしております。わが国のこの財政の現状と実情にかんがみまして、積極的に事業別予算制度を取り入れるということに、内閣として方針をおきめになる。すでに財政制度審議会に諮問中と聞きますが、すみやかにこの結論を得て、可能な範囲に、でき得る限りこれを適用していくというふうな態度を積極的に持つ必要があるのじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
#55
○佐藤内閣総理大臣 吉田君の考え方に、私前面的に賛成でございます。したがいまして、いま財政制度審議会において審議をいたしております。新しい進んだ方向として、非常な関心を大蔵当局も寄せておりますので、早く結論が出てくるように、それを待っておるような次第でございます。
#56
○吉田(賢)委員 もう一点、簡単にいたします。
 青少年行政が非常に重大な課題となって日程にのぼっておることは、御承知のとおりでございまして、当初から、総理も人間尊重の趣旨におきまして、その重要な対象として、次代を背負う青少年を指摘しておられるのでございますが、この総合調整の問題がなお残っております。総理府以下各省庁にまたがりまして、本年度におきましても五百四十六億円というものが対策費として計上されております。この総合調整の施策を積極的に推進することが必要ではないであろうか。なおばらばらの状態でおりますし、あるいはまた、青少年局ができましたけれども、人間もわずかでございますし、事実上その能力がございませんので、内閣といたしまして、青少年対策を積極的に進めるために、具体的に総合調整のかまえをなす必要があるのじゃないかと思うのですが、いかがでしょう。
#57
○佐藤内閣総理大臣 ただいま御指摘になりました点は、これは誤解はないだろうと思いますが、この青少年対策は、たいへん私ども力を入れておりますけれども、これがいわゆる総合調整ということに特に力が入りまして、一つの型でも考えて、鋳型でもつくるようなことになったらたいへんだと思います。たいへん間違ったことになるだろうと思います。青少年対策につきまして、それぞれのところで、それぞれに検討はしております。それが相矛盾するようなことがあっても困りますから、それは調整は十分とっていくつもりでございますが、一ヵ所だけから命令を出すことは、これは青少年対策としてはあまりいい方向じゃないのじゃないか。そこで、あり方について、ただいま私はたいへん関心を持っておりますが、まだ、どうしたらいいのか、間違いなしに次の世代をになうにふさわしい青少年はいかにして育成さるべきか、こういうことで苦心しておるのであります。吉田君のただいまのお話もそういう意味だろうと思いますので、私は誤解はしないつもりでありますが、むしろ政府がそういう意味で誤解されがちですから、その辺、誤解のないようにお願いしておきたいと思います。
#58
○吉田(賢)委員 たいへん重要な点に触れたのでございますが、これは私なりの意見ではないのでございまするが、実は、どうするならば一番重要なその課題にこたえ得るかという点であります。これは総理、最も関心の深い点と思うのだが、やはり日本におきましては、家庭を中心に対策を立てること、したがいまして、しつけあるいは教育というものも学校にまかせておくというのではなしに、あるいはまた、しつけも、だれそれが理屈を言って説教するのじゃなしに、やはり家庭中心に、ほんとうに乳児から、児童から、少年から、正しく身体、精神が均斉のとれた発展をなし得るような指導をする、こういうことに、特に日本におきましては重点を置くことが施策の一つの眼目になって、そういうことに集中することは、お互い相矛盾することでもなし、相反発することでもなし、非常に重要な点ではないかと考えておるのですが、その点はいかがですか。
#59
○佐藤内閣総理大臣 ありがとうございました。これはなかなか簡単なものでございませんが、ただいまいい方向をお示しいただきまして、大いに参考にしたいと思います。
#60
○吉田(賢)委員 終わります。
#61
○吉川委員長 総理に対する質疑に御協力、ありがとうございました。
 勝澤芳雄君。
#62
○勝澤委員 外務大臣にお尋ねいたしますが、中国の問題に対しまして、あなたは外務大臣ですから、やはり中国の実情について十分知り、それに対する考え方というものを当然持つべきだと思います。そういう意味におきまして、松村さんがお計りこなりまして、自民党ももう少し目を大きく開いて新しい隣の国に深い関心を持ち、研究を重ねて、大局を誤らないようにすべきだということがいわれております。したがいまして、私は今度の松村訪中を契機に、中国に対する考え方というものを十分検討すべきところに来ておる、こう思うわけでありますが、外務大臣のお考えを聞きたいと思います。
#63
○椎名国務大臣 中国問題がだんだんいわばクローズアップして、この間に処して、日本といたしましては中国に対するできるだけの理解と認識を深めるということはきわめて重要であると考えております。基本的な考え方については、私はさように考えております。
#64
○勝澤委員 理解と認識を深める一番確かな方法は、そのものを見ることであり聞くことだと思います。百聞は一見にしかずといわれておりますけれども、外務大臣のお考えを伺いたい。
#65
○椎名国務大臣 百聞は一見にしかずというのは、古今を通じての鉄則だろうと思います。私は、それについては異議ありません。
#66
○勝澤委員 ですから、見ること、見せることについて、目をおおわせたり、あるいは足を引っぱったりする必要はない。外務大臣として、多くの人に見てもらい、その意見を聞き、日本の外交の行き方についてあやまちのないようにしなければならぬと思うのですが、そういう意味におきまして、いま具体的に起こっている与党の内部の訪中の問題について、あなたも積極的に御賛成なのですね。
#67
○椎名国務大臣 まあ一般的に、私は考え方を申し上げたのでありますが、具体的な問題については、そのつど十分に分析をいたしまして、間違いのないようにいたしたいと思います。
#68
○勝澤委員 通産大臣にお尋ねします。
 いま日本の貿易の実情からいきまして、あるいはまたアメリカの今日の経済状態からいきまして、新しい日本の貿易体制といいますか、そういう立場から、中国のLT貿易は一つの限界に来ておる、もっと積極的に貿易を促進すべきだ、こういうことがいわれておるわけであります。それともう一つ、新しい問題として、技術協力  技術者を送るべきだ、こういう意見が出されておりますが、担当の通産大臣として、どうお考えになりますか。
#69
○三木国務大臣 日中貿易は、ずいぶんの伸びです。昭和三十一年に比べると、去年は四億七千万ドル、これは十倍にもなったわけです。停滞どころか、日中貿易は非常な拡大を続けている。将来においても、日中貿易は拡大をしていくものだと考えております。そういう拡大の過程において、技術者の問題なども起こってまいりましょう。これはやはり将来の問題として起こってくる。しかし日中貿易の方向は、決して停滞などとはいえない、数字を見れ、は非常な拡大の方向にある、こういうふうに見ております。
#70
○勝澤委員 日中貿易は、今後拡大をすべきであると私は思うのです。拡大をするように努力をすべきだと思うのですが、通産大臣いかがですか。
#71
○三木国務大臣 貿易は、すべきであるとかいう論理ではない。実際に、すべきだ、すべきでないというのでなしに、もっとすなおに貿易というものは考えていきたい。そうなってくれば、日中貿易は将来拡大していくことは間違いないと私は見ておる。将来を問われれば、日中貿易の将来に対しては、私は楽観論者である。これが非常に縮小していくと思っておりません。
#72
○勝澤委員 まあそこがきょうの限度でしょうから……。
 藤山経済企画庁長官にお尋ねいたしますが、新長期経済計画をいま策定されておりますけれども、その中に、経済の中に占める輸出というもの、貿易というものは私はたいへん大事な問題だと思います。その中における日中貿易の占むる役割り、当然やはり貿易を拡大をしていく、こういう方向に、新長期経済計画の中でもお考えになっておると思います。そういう意味におきまして、やはりそれの隘路になるものについては、ある程度是正をしていかなければならぬと思います。新長期経済計画と中国貿易についてどうお考えになりますか。
#73
○藤山国務大臣 日本の経済を立てます上において、貿易を拡大していくということは当然やらなければならぬ。したがいまして、中共との貿易も将来やはり拡大していくことが望ましいことでございまして、そういう意味からいって、新長期経済計画は経済審議会に諮問をいたしておりますから、委員の皆さまのお考え、衆知を集めてつくられる案も、おそらくそういう方向に行くのじゃないか、こう考えます。
#74
○勝澤委員 いまの時点でいろいろお尋ねするのも無理でしょうし、内閣改造でも終わって、お休みになった方々は十分御意見が伺えると思いますので、それまで待つことにいたしまして、外務大臣に一つだけお尋ねいたしますが、この在外公館ですね。各所に参りますと、みな土地を借りたりうちを借りたりしているわけです。たくさんな費用を払っているようでありますが、やはり在外公館の事務所を日本で持つ、自分のものにする、こういうことが私は必要ではないだろうかという気が実はするわけであります。それと同時に、海外に派遣している人たちの子弟の教育の問題、日本における教育施設か、あるいはまた外地における日本人学校ということになりますか、あるいはその外交官が、二年か三年で大使公使がかわっていく、その国のことばもできない大使公使がいらっしゃる、こういうことからいいますと、私はやはりいまの在外公館の事務所あるいは在外公館につとめている外務省の派遣、各省の派遣を含めて、これからの新しい事態には、もう少し強化をして、そこに永住をして、その国の風俗にひたって、十分なるその国柄の状態がわかる、こういう外交をやはり打ち立てなければいけないと私は思うのです。そういう点について、具体的に私はそういう方向で問題点というものを考えて、あるいはあらゆる問題をやっていただきたいと思いますが、いかがでしょう。
#75
○椎名国務大臣 在外公館を所有をするかしないかという問題は、やはりその土地あるいはその国、それからまた持ったほうがいいか、あるいは借りて間に合わして十分であるかというようなことは、具体的によく研究した上で結論が出てくると思うのであります。やはり公館をちゃんとかまえておるということが、日本の威信のためにぜひこの場所では必要である、しかしこの場所は必ずしもその必要はないという場合もございましょうし、それから、そろばん勘定から見て借りたほうが得だという場合もあるかもしれません。そういうことにこだわらず、よくその事情事情に応じて、適切な手を打ってまいりたい、こう考えております。
 それから、子弟教育の問題につきましては、十分でございませんけれども、非常にその点は悩みの種でございます。当該公館員の海外活動の上にも、非常な影響を来たす問題でございますので、この点は将来とも十分に努力してまいりたい。
 それから語学等の問題から見て、やはりどこまでも同じ場所に長く在勤するということが必要であるという点は、一面においてはごもっともな点もございます。しかし、必ずしも問題は語学ばかりの問題じゃない。それで、その点も、十分に御意見の点は尊重いたしまして、御趣旨に沿うように努力してまいりたい、こう考えております。
#76
○勝澤委員 外務大臣、大臣だって一年じゃ何もできないのですよ。やはり二年か三年ぐらいやらなければならぬわけですから、今度一年しかやらない大臣はやはり留任させなければ、大臣をやっていけないじゃないかと私は思うのです。そういう意味におきまして、外交官というものをあまり動かし過ぎていると私は思うのです。動かなければ出世できないからでしょうけれども。そういう点で、私は十分お考えいただきたいと思うわけであります。それと、やはり外務大臣というものは外交交渉のことばかりが中心になって、外務省全体のことについて、私はよく知らないように思うのです。そんなことを言うとおこられるかもしれません。ですから決算委員会にはできるだけ出てくれ、こう言っているわけでありますけれども、みんな十五分ぐらいしか出ないものですから、あまり知らないものですから、わざわざお聞きしているわけです。
 次に自治大臣にお尋ねいたしますが、先ほど総理にもお尋ねいたしました。いまやはり民主政治ですから、陳情しなければならぬのが当然でしょう。しかし過当な陳情政治というものは、私はこの際やめるべきだと思うのです。与党と野党と一緒になって、こっちの橋がいい、こっちの橋がいい、こっちの橋がいい、三カ所ですから、運動しているのはいいです。しかし金を使わせることだけは私はやめてもらう。政府が持って、おまえ陳情に来いというならいいと思うのです。年末でも同じことです。約三百億くらいの金がこの陳情のために使われているといいますが、いや五百億だという人もありますけれども、これはやはり陳情の弊害というもの、あるいはそういうところに地方の困難な財源を使わないようにさせるということを、私はやはり自治大臣から十分各地方に指示すべきだと思うのですが、いかがですか。
#77
○永山国務大臣 御説のように、陳情の行き過ぎにならないように、十分自粛するように指導いたしたいと考えております。
#78
○勝澤委員 この閥、赤坂のプリンスホテルで三千万円くらいかけてやったといわれるあの大橋の総決起大会というものは、あれは行き過ぎだと私は思いますが、あなたはどう思いますか。
#79
○永山国務大臣 具体的の問題については……。
#80
○勝澤委員 いま具体的に聞いたわけです。具体的に答弁してください。
#81
○永山国務大臣 具体的の問題については、まだ、よく調べておりませんが、とにかく行き過ぎにならないようにやるということについて、十分ひとつ注意を喚起して、指導いたしたいと考えております。
#82
○勝澤委員 それからもう一つ、さっき総理に聞きましたが、篠田自治大臣は、四選は好ましくない、こう言われました。いま自民党の中でも四選はやめようじゃないか。また、多選知事の弊害が、御案内のように、たとえば各所に出ております。こういうことから言いまして、来年、地方統一選挙を控えておるわけでありますが、そういう一点から、私は、多選の弊害をこの際やめるべきだ、こういうように思うわけでありますが、あなたも篠田自治大臣と同じくらいの答弁は、野人でありますから、できると思うのですが、いかがですか。
#83
○永山国務大臣 その問題は、地方自治のあり方とも関連する重大なる問題でございますので、慎重に検討をいたしたいと考えております。
#84
○勝澤委員 民主政治のお手本であるアメリカにおいてさえ、大統領、州知事、こういうものの三選禁止の法律があるわけであります。そういう点からいって、いかがですか。別に憲法上の問題はともかくとして、自治大臣としてのお考えは……。
#85
○永山国務大臣 ただいまのところ、自治省としては慎重に検討をいたす考えでございます。
#86
○勝澤委員 行政管理庁長官にお尋ねいたしますが、私たち決算委員会の立場から見てみますと、会計検査院とか行政管理庁というものはたいへん注目しているわけです。それは国民の立場から、行政の簡素化、そして安上がりの政府というものをつくろうということで、たいへんいろいろな立場で参考になる意見が出されているわけであります。しかし、その行政勧告が出されていながら、実はそれがいつまでもほったらかしになっておる。たとえば、私は最近お話ししたのですが、看護婦がいま不足をしている。しかし行政管理庁はもう数年前から、看護婦がこういう状態になるぞ、看護婦の根本的な対策はこうすべきだ、ああすべきだという勧告をしているわけであります。しかし、それを受けた厚生省や大蔵省あるいはその他の省がおざなりにやられているわけであります。ですから、会計検査院が一つの検査報告書を出したという問題については、やはりとことんまで、その不正や不当やあるいは是正改善意見が実施されたかということを確認するまでやらなければ効果がないと思うのです。そういう意味におきまして、行政監察というものが、ただ単に行政管理庁の好みでやられておるのでなくして、行政管理庁という立場で行政改革をやっておるわけでありますから、その行政管理庁として、この勧告についてどういうふうにお取り扱いされ、どういうふうに各省に実施されておるか、そのお考えをお聞かせ願いたい。
#87
○福田(篤)国務大臣 行政監察の結果の効果の確保の問題は、御指摘のとおりきわめて重大でございます。ただいままでやっております各種の勧告につきましては、まず文書をもって、勧告事項に対する関係官庁機関からの回答を求める、そして六カ月以内にこの回答によりまして措置したもの、措置しないものに分けまして、さらに実施をするという体制をとっております。
 なおまた、来月から、過去二カ年にわたる行政監察の実施状況につきましてスクリーンいたしまして、その結果データをそろえまして、言いっぱなし、聞きっばなしということは絶対ないように、これからも厳重に監察の結果を見ていくつもりであります。
#88
○勝澤委員 それでは具体的な問題を質問いたしますが、たとえば鉄道建設公団に対する出資について、あなたのほうは勧告されました。経営状態が悪化しているから運賃の値上げをするといって、運賃の値上げをしなければならぬ国鉄が、鉄道建設公団にたくさんの投資をしているわけであります。鉄道建設公団が新しく起債を求めて、そこで新しく資金をつくってやるならともかくも、運賃の値上げをして、その運賃の中から払ってやることはけしからぬじゃないか、こういうことで、あなたのほうが指摘をしている。たとえば、政府は鉄道建設公団に二十五億しか出資をしていない、しかし国鉄からは百十四億も出資をし、現物出資として百七十二億、新線建設を国鉄から建設公団に移した効果がないといわれている。これは鉄道建設公団をつくった意味がないわけでありますから、こういう公団ならやめたほうがいい。もし目的に従って地域開発をしなければならぬ、採算がとれない新線でもつくらなければならぬのだったら、鉄道建設公団にもっとたくさんな金を出せばいい。ですから、行政管理庁の出している勧告は、私はこのとおりだと思う。これが実施されるかどうか、この考え方について、運輸省の見解、政務次官がいらっしゃるから、この勧告について賛成か反対か、ひとつ御答弁願いたい。
#89
○福井政府委員 勝澤委員のお尋ねの点は、鉄道建設公団の出資についての問題が中心になっておるようですが、鉄道新線建設が国鉄の出資財源にその大部分を依存しております現状では、公団設立の趣旨は失われますので、主たる財源は政府の負担にすべきものであるかどうかというようなことが中心になっておると前々思っておりますが、お尋ねの、公団が行なう鉄道新線の建設工事の財源は、主として出資金、借り入れ金等を充当しておりますが、出資金のうち政府出資については、昭和三十八年度の公団設立当時は五億円、昭和三十九年度及び四十年度はそれぞれ十億円を計上しております。昭和四十一年度におきましては、公団設立の趣旨等からも極力努力しました結果、三十五億円という大幅に増額をされたのでありますけれども、今後一そうの増額に努力する考えでございます。
#90
○吉川委員長 ちょっと勝澤委員に申し上げます。
 参議院の決算委員長から、大蔵大臣に、予備費の質疑採決のため、三時半から一時間要求されておりますので、そのことをお含みの上……。
#91
○勝澤委員 それでは大蔵大臣に質問いたします。
 今の問題ですが、公団をつくった趣旨が生かされないような公団はやめなさいと私は言うのです。ですから、公団とか事業団とかいうものをつくるならば、本質的に、つくる目的に従ってやっていかなければならぬ。いまの鉄道建設公団について、行政管理庁としては行政管理庁の立場から勧告しておる。私は行政管理庁の考え方は正しいと思うのです。運賃を片方は値上けしているのでありますから、国鉄自体の投資をしておる、片方で新線をやらなければならぬ、新線は別の資金を入れるから、鉄道建設公団をつくろうじゃないかということでつくったのでありますから、法律の趣旨から、間違いではない。ですから当然勧告に従った措置をすべきだと思いますが、大蔵省としてはどうお考えですか。
#92
○福田(赳)国務大臣 行政管理庁の勧告はできる限り尊重すべきものである、私はこういうふうに考えております。できる限りと申しますわけは、やはり他の配慮が必要であり、特に他の配慮と申します中には、財政上の配慮というようなことがあるわけであります。そういうことから、できる限り尊重すべきものだ、こういうふうに考える次第です。
 建設公団ができたが、できた意味がないじゃないか、こうおっしゃいますが、そんなことはないのです。これができる数年前までは、新線建設の事業規模というものは、大体百億円出るか出ないかという程度だったわけです。今日幾らになっておりますか、四、五倍の規模まできておるわけです。これは建設公団ができたために、建設公団独自の資金調達方式があるからだ、私はこういうふうに思うわけであります。その財源調達は、何も政府出資ばかりというわけではないのであります。政府も出資は増額をしておりますけれども、なお政府として、出資以外の方法でずいぶん協力をしておるわけです。建設公団ができて、新線の建設が今後も大きく促進されていく、私はこういうふうな見解を持っております。
#93
○勝澤委員 それでは、次に農林大臣にお尋ねいたしますが、災害の査定の問題です。災害が起きて査定をするのを見てみますと、農林省の災害査定、それから運輸省の災害査定、それから建設省の災害査定、この三つをとってみますと、会計検査院の実地検査の結果、農林省の災害査定について減額される率というものが、パーセンテージから言いまして、実に多いわけであります。ですから、運輸省の査定、建設省の査定、実地検査の結果、査定についての指摘はありますけれども、比率はわりあい少ないわけです。農林省の災害査定というのは、会計検査院の査定で減額されるものが多いわけです。このことは、農林省が災害に対して、その査定といいますか、計算といいますか、こういうところをもう少し強化をしないとむだ使いが多いということです。これは十億や二十億のことではないわけです。相当ばく大な金が、実際に実地検査をしたら、やはり査定を減額される。これは、何といっても地方財政が貧困ですから、災害にかこつけて何とかしょうというのがどこにもあると思うのですけれども、それが農林省の災害査定の状態を見てみますと一番多いということなんです。ですから、そういう点で、査定官といいますか、こういうものについて――これは毎年のことです。毎年こういう現象が起きておりますから、少し農林大臣として目をつけていただいて、検討していただきたいと思うのです。
#94
○坂田国務大臣 お説のとおりでありますが、この農林省関係の、地方、たとえば県あるいは市町村地域の、小さな地域の災害が非常に多いのでございまして、その場所が非常に多いというような関係からいたしまして、一つは人員の不足、それからもう一つは、そういう小さい地域的なものでございまするので、その災害の当時とそれからその後復旧してみた場合のその災害の状態というものが非常に違う。この二つがおもなる原因じゃないかと思います。それから人の少ない県につきましては、でき得る限り地方農政局の間の、多いところと少ないところとの交流をやったり、あるいは県と町村内部との技術者の査定――同じぐらい置くわけにはなかなかいきませんから、災害が起こったときに、お互いに融通し合って間に合わしておるということが一つでございます。それから二つには、現在、災害の当時は非常につらい状態であるけれども、時期が進みますと、全くこんな災害があったかどうかといった、極端に言いますと、そういうところもございますようなわけで、そういう二点が一番おもな点であると思います。そういう関係で、この技術者の問題については、さらに交流をよくできるようにしてまいるということ、それからまた、技術をだんだんとみがいてまいる、いわゆる修練を重ねてまいるということ、それから二番目の点につきましては、十分その当時の状態をよくわかりやすいようにしておきたい、というような点でございます。
 それから、そのほかのいろいろの点につきましても、それぞれ改善を加えまして、四十年におきましては、被害調査の割合が非常に向上しておるように思われますけれども、なお、これらの点につきましては、さらに一段の努力を払ってまいりたい、かように存じております。
#95
○勝澤委員 大蔵大臣にお尋ねいたしますが、この国有財産の管理、処分の適正化ということ、これはいま会計検査院から伺ったわけでありますけれども、約十万件くらいの未処理といいますか、不明確といいますか、まだ検査が行き届いていないという個所がある。それから農林大臣のほうの所管で、自作農創設特別措置特別会計、この農地が、またこれも毎年毎年あるわけであります。結局、言うならば、国有の農地なり国有地というものはまだ戦後と同じだというような状態にまで極論する人もあります。これはやはり早急に、いま計画を持ってやっておるようでありますけれども、やはり財産管理の状態というのを、もっと力を入れて、実情がどうなっておるかという、まず実情を早く調べさせるべきだと私は思うのです。調べたら、不必要なものはもう簡単にそれを処理する、こういうことをやらなければいかぬと思う。いまのテンポでもって調査をしておったら、一体いつになるかわからぬし、また、かりにいまのテンポで処分をしておっても、なかなかめんどうなものです。本人が使っているあぜ地とか、昔から使っているようなものは、申し込んで、現場を見たら、一週間か十日くらいで解決していくということをしない限り、なかなか解決がおくれると思うのですが、こういう点で、私は、財産管理、処分の適正化、促進化というものについて、やはりもう少し力を入れていただきたいと思うのです。
#96
○福田(赳)国務大臣 御所見、まことにごもっともと私は思います。国有財産の未処理件数は、御指摘のようなものがたくさんあるわけであります。それをどういうふうにするか、これはもうどうしても長期的な総合的な計画を立てなければならぬ。ところが、国有財産なのか民有地なのかわからないような性格のものがまだたくさん存在するような状態でありまして、それらを整理してみなければならぬ。そこで昭和三十二年以来、そういうものを捕捉したいというので、逐次調査をいたしておりますが、しかし、何せ十万件もある案件でございます。また、それ以外のあいまいな性格のものもあるというような状況でありますので、まだ全体の計画に基づく調査完了という段階に至りませんけれども、鋭意努力をいたしまして、総合的にその処分、管理のあり方を検討してみたい、そういうふうに考えております。私は、国有財産というものは、何も払い下げるばかりが能ではないというふうに考えておるわけであります。これは国で留保しておかなければならぬという性格のものも相当あると私は思うのです。売り急ぎはいかぬ、しかしそれが寝ておってはいかぬ、活用されなければいかぬ、こういうふうに考えておるわけであります。また、処分にあたりましては、これはどうしても適正にしなければならぬ。当決算委員会でもしばしば御指摘があったわけでありまするが、ああいう新聞だねになるようなケースもありましたのを反省いたしまして、価格の適正化、売り渡し対象の適正化、また処分方法の適正化、それぞれ厳正なる処置を、ただいま進行せしめておる最中であります。
#97
○勝澤委員 私は、特に現状把握ができていないわけでありますから、これは強化しなければいかぬと思う。いつまでも何年計画で、まだ十年先、二十年先になって、それは、あなたのところの普通財産とそれからまた各省の特別会計の持っている問題があるわけです。それからいま一番大きく取り上げられているのは、農林省の自作農創設特別措置特別会計の問題です。これはこの上にうちを建てられて、農地だったという被害者がたくさんあるわけでありますから、こういう点も、農林省直接で監督できないとしても、私は特に要望しておきます。
 それから、私は先ほど在外公館の話をいたしました。今度は在外事務所で、たとえば貿易振興会が行っている、あるいはまた国際観光協会が行っている、あるいは国鉄が行っている、こういうふうに、外国にいろいろ政府の外郭団体といいますか、関係機関というものが行っているわけであります。それがばらばらにやられているように私は思うわけです。日本という国を紹介し、そして貿易なりあるいは観光なり、いろいろそういう目的で行っているわけでありますけれども、やはりそれを調整をして、むだのない宣伝、むだのない貿易、むだづかいをしないような取り扱い、こういうふうに考えるべきであると思いますが、そういう点から、それは大蔵省の管轄になるのかどうかよくわかりませんけれども、やはり大蔵省がそういうことを少しずつ考えて、ばらばらにならないように、できるならば総合調整しながらやっていく、こういうことが必要ではないだろうかと思うのですが、その点について……。
#98
○福田(赳)国務大臣 御所見、私もごもっともだと思います。ただ政府と申しましても、いろいろな機関があります。それが自然発生的に戦後続々と出ていった経緯もありますので、急にこれを統合するというようなことになると、かえってロスなんかの出てくる面もあるかと思いますが、ごもっともな次第でありますので、できる限りそういう方向で気をつけてまいることにいたします。
#99
○吉川委員長 山田長司君。
#100
○山田(長)委員 私は決算委員会に十五年籍を置きますが、珍しくきょうは大臣がそろいました。その点はいままでに例のないことで、称賛したいと.思います。ところが、これは一応ここで聞いておいていただきたいのですが、御承知のように、予算は少なくとも四、五週間の日時を要しますけれども、この決算はおそらく三、四時間で結論を出すというようなことの総括の結論ですから、これは欠けてもらったのでは、全体の事情を閣僚は知らずにしまうと思うのです。そういう点で、いま見えない人もいますけれども、将来ともに、どう一しても絶対にこれは出てもらわなければいかぬと思うのです。幸いにしてきょうは頭数がそろったようですけれども、その点は絶対に集まっていただかなければならぬと思うのです。
 そこで、大蔵大臣がだいぶ急ぐようでありますから、一応簡潔に大蔵大臣に申し上げておくわけですが、実は会計検査院長も来ておりますけれども、大蔵省で、会計検査院に対しては、こういう問題については十分配慮してもらいたい。それは、千人以上の人が会計検査院にはおるけれども、科学の進歩によって、会計検査院だけでは実際にできないものがある。たとえば原子炉のことについて行って調べてくれとか、あるいは二マッハのいまいる戦闘機の問題を調べろといったって、会計検査院が実際乗り込んで調べる筋合いがない。これはできない。こういう問題については、当然委嘱した形の者がその衝に当たらなければならない。きつき総理に質問いたしましたダイヤ問題でもそうですよ。会計検査院に行って、ダイヤ問題を調べてこいといったって、会計検査院は実際にできない。大蔵省では幸いにして自分のところに予算があるから、専門家に委嘱して調べ終わった。この暮れに売り出すという。この募れに売り出すというが、もし売り出してしまったあと、会計検査院で調べることはできないですよ。だから、会計検査院にも調べられるような方途を、大蔵省は与えてやらなければならぬと私は思う。こういう点についても、総理に私は質問したかったのですけれども、時間がなくてこれは質問できなかった。大蔵省は七十二億だの六十八億だのと言って、昭和二十三年の価格のことを言って三年の価格がいまだに続いておるなんというものは一つもない。そういう価格のものを、大蔵当局の国有財産管理者は言っておるわけなんで、当然、大蔵省からも一ぺん会計検査院でも調べてくれということを言って、会計検査院も委嘱した形で、当然調べるべき筋合いのものです。この点について、いまここで大蔵大臣に言ったってしょうがないから、いずれあらためて聞きますが、きょう聞きたいのは、国会で、日本のダイヤモンドや貴金属、そういう問題につきまして、予算委員会でも、当決算委員会でも、実は何冊の原簿があるのかだれも知らなかった。幸いにして、四月にこれが七十七冊あることが発見された。貴金属類について十五冊、その他の問題についてのものと両方合わせますと七十七冊ある。七十七冊あるけれども、それを国会議員のだれも見たことがない。この間初めて持ってきて、原簿だけは積み上げてみせただけだ。あれだけ寸法が大きなものでありますから、広げてみたってなかなかららがあきません。そこで私は、いよいよダイヤを処理するにあたりましては、もう五十日たつけれども、国有財産局では、この決算委員会をおそらく無視しているのだと思うのだが、返してしまった。貴金属の原簿は、決算委員会の理事だけに見せるから了承してくれと言ったことを了承したかどうか、いままで持ってきていない。どこへ返したかさっぱりわからない。戦争中に供出されたものは、貧乏人は金歯を抜き、金ぶちめがねを供出し、それからバンドのバックルを供出し、指輪まで供出させられた。それで延べ棒になった分は返さない。そのほかの部分は返す、返済の処理のついたものだけ返すといって返している。その百四十人の原簿は出さない。そこでこれは容易ならぬことだけれども、きょうは大蔵大臣時間がないというから、私は簡単に言っておきますが、その七十七冊を持ってきて簡単に見せるだけではなくて、当決算委員会に全部その原簿の写しを出して――一ぺん写したあとはコピーをとればいいのですから、全部この決算委員会に写しを出してもらいたい。それで、貴金属を返したという百四十人の、その返したものの原簿を全部決算委員会に出してもらいたい。大蔵大臣どう考えておられますか。
#101
○福田(赳)国務大臣 私はそのいきさつをよく承知しておりませんから、よく検討をしてお答えを申し上げます。
#102
○山田(長)委員 大蔵大臣もおそらく七十七冊の原簿を知らないのだと思う。国会議員全部が知らないのだけれども、この決算委員会だけはかろうじて四月に発見したのですから、おそらく知らないのでしょう。知らないのですか。知っているのですか。
#103
○福田(赳)国務大臣 ただいまあなたから承った程度であります。
#104
○山田(長)委員 この程度で日本の国有財産が処理されるということにつきましては、私はゆゆしい問題だと思うのです。大蔵大臣が知らぬと言ったって、実際は貴金属の全体が書かれておって、それが二十三年までには全部でき上がっておるのですから……。それで、この委員会には二十五年からの報告をして、その間なくなった問題についてはわかりませんというのですから……。いいですか大臣、その間についてはどこへどうやったかわからぬというのですから、わからぬままにこの暮れまでにダイヤを売り出すというのですから、これは会計検査院だってぼやぼやしていては困ると思うのですよ。そのダイヤを、会計検査院はちっとも検査をしないで売り出すのですか。もし売り出してしまったあと、会計検査院がその品質等について――九十六種類に分けられたものが今度五種類に分けられるのですから、何のためにそんな分け方をしなければならぬのか、ということについて問題があるのですよ。これは会計検査院長に聞きますが、会計検査院はこのダイヤについて調べるつもりですか、調べないつもりですか、どうですか。大臣のいる前で、あなた発言してください。
#105
○小峰会計検査院長 ダイヤにつきましては、従来も会計検査院としてできるだけのことは調べているつもりでございます。今後ももちろん調べていくつもりでございます。
#106
○山田(長)委員 そうしますると、九十六種類の品種が今度は五種類に分けられて売り出されるというが、会計検査院はこれについて賛成か反対か。
#107
○小峰会計検査院長 とっさの御質問で、実は私その間の事情をよく存じません。ちょっとお答えいたしかねるのでございます。
#108
○山田(長)委員 こんな金目のものが、二十三年当時の価格で売り出されるというような事態に至っているときに、あなたはぼんやりしておって、この実情を知らずにおったなんということで売り出されてどうするのです。これはどうしても、会計検査院当局も、売り出される前に一応この内容を明らかにし、同町にダイヤの検査をしていただきたい。私はここで要望しておきます。この点どうです。
#109
○小峰会計検査院長 御意見、よく承っておきます。
#110
○福田(赳)国務大臣 いま二十三年当時の価格で売り出す計画である、こういうお話と聞きましたから、これは誤解があってはいかぬから申し上げますが、これから適正なる評価をいたしまして、そうして払い下げるものであります。
#111
○山田(長)委員 それは適正な評価を出すために、先々月調査をしておったことはわかるのですが、何のために六十八億だ、七十二億だということをたびたび発表したのですか。国民はその金額と誤解するのです。調査をしたあと、価格の発表をする。二十三年当時はそれだけの価格だったというならば、わかるのですよ。それが七十二億、七十二億と発表するから、七十二億だという誤解を持っておるのです。少なくとも十年以上の歳月が費やされた以上、世の中の物価というものはまるで変わっているのです。だから、査定をしたあとの価格において発表するということが言われなかったところに、私は間違いがあると思うのです。その点どうですか。
#112
○福田(赳)国務大臣 まあ幾らくらいあるかと聞かれるものてすから、何年次の――二十三年じゃありませんが、ごく最近の、二、三年前ではないかと思いますが、そのころの評価によりますと、七十億程度のものである、こういうことを申し上げたのだろうと思います。しかしそれは今日の価格ではありません。これから払い下げるのは、適正なる評価をいたしまして、これは適正というか、厳正なる評価をいたしまして執行する、こういう考えであります。
#113
○山田(長)委員 もちろん適正なる価格でやられなければならぬのだが、大臣は問題を知らないのです。いままで発表された六十八億ないし七十二億というのは、二十三年当時のものなのです。それ以後のものについては、価格については発表していないのです。この点は大臣は知らないのです。私は少なくとも十五年研究しているのですから、大臣の言っていることは間違いですよ。これだけはだめですよ。まあいいです。それは、それですから、適正な価格の発表をひとつしていただきましょう。これで大蔵大臣についての件を終わります。
 ところで、文部大臣がさっきから急いでいるようですから、順序ならば三木通産大臣に質問するのですけれども、文部大臣に質問します。それは、先ほど勝澤委員からも質問されておりますか、外国にいる商社や外交官の家庭の子供のことです。これは実際の教育上からいって、たいへんなことです。もし数年おるとするならば、小学校なり中学にあがる、あるいは高等学校にあがる年齢の者は、日本の教育課程を経ないで、日本人としてある一定の年月を過ごします。この点について、教育の方針としては、やはり外国におられる人たちに対する教育の方法として――私はヒルマでぶつかったことですが、あそこのように日本人がたくさんいるところについて、一応小学校なり中学なり大学なり――大学とはいかなくても、高等学校までの課程は、日本の教育制度と同じような形における免許を与えているようです。この点については了解できるのですが、ほかの土地における商社と外交官の人たらの子供は、まるで小学校も中学校も高等学校も経ないで、向こうから内地に帰ってきて、日本の教育のやり方をしなければならぬことになるのです。この点については、何らかの方途が文部当局として講じられなければならぬと思うのですが、この点についてはどうお考えですか。
#114
○中村(梅)国務大臣 先ほど外務大臣がお答え申し上げたように、これは外務省としても非常に気を配っておられるところで、相当数まとまったところは、外務省が世話をして、学校といいましても、外国ではなかなか外国人学校を許しませんから、塾のような形ですが、そこで教育の場所をつくってやっていただいておる。そこにやはり日本の正規の教員として資格を持ち、勉強した人間が必要でございますから、これらは外務省と相談しまして、つとめてそういう人を供出するように、文部省としても努力をしておるわけでございます。しかし、実際には教師全員を日本からというわけにいきませんので、各現場にそれぞれ、教師の免許状を持ったような外交官の奥さんや、あるいは在外邦人の奥さんや、そういう人たちがおりますから、そういう方々の手を借りて、教育は一応やっておるわけです。ただ一番困ると思うのは、在留邦人の少ないところで、これはどうもいたし方ないと思うのですが、こういうところは、見ておりますと、やむを得ず外国の義務教育の学校へ入っておるようです。そこで、いま外務省で心配してやっておりますのは、教育は外国の学校で受けても、日本語は覚えさせていかなければなりませんから、日本語の塾のようなものをつくって、日本語の勉強は別途させておるというような手を打っておるような次第で、今後とも、この点は非常に大事な点ですから、われわれ外務省と相談しまして、最善を尽くしてまいりたいと思っております。
#115
○山田(長)委員 もう一つ文部大臣に伺っておきます。
 それは、一番大事な青少年の教育の問題です。これは何としても、十六、七歳の青年の教育の問題につきまして、一番大事だと私は思うのですが、この高等学校の教育の場合における設置基準という問題です。この設置基準が、まるで全国まちまちだという点です。最近できる高等学校に対しては教室三坪、校庭十二坪なければならぬという基準のもとに、高等学校の設立がなされておるようですが、これが全国まちまちだという点に問題があると思うのです。なぜ私がそんなことを言うかというと、これはその県のこの認可に関係した者がもし一党一派に偏しておったとするならば、この基準はまるで無視されるという点です。いいですか。もしそういう基準が、法規上規定があるにもかかわら、ず、それが無視されたとするなら、は、これはゆゆしい問題だと私は思うのですよ。さらに、既存のものについては、教室の面積も校庭のめん積もこれは全然関係なしであるというようなことであるとすれば、これは健康上からいって私はたいへんだと思うのです。あるいは勉強する過程においてもたいへんだと思うのです。これは少なくとも、既存のものについても、何年間の間には、最近の基準に従うべしというようなことが出なければならぬと思うのです。この点についてはどうお考えですか。
#116
○中村(梅)国務大臣 高等学校の設置基準が県によって守られていない、確かにそういう傾向がまだ残っておりますので、文部省としましては、設置基準の適正な施行ができますように、各関係府県に指導、助言をいたしておる次第でございますが、御指摘のように、不十分な点があるかと思います。県の財政の事情等もあろうと思いますが、極力設置基準が正確に実施されるよう、今後ともわれわれ努力いたしたいと思います。
#117
○吉川委員長 時間ですから、ひとつ結論を。
#118
○山田(長)委員 そこで、これは通産大臣にお伺いいたします。非常に次々と飛び、待っていてもらってたいへん恐縮ですが、実際四、五週間も予算委員会でかかったものを、二、三時間であげるというのですから、これはとても容易なスピードではないのです。ここに間違いがあるのです。待たせておいて申しわけないのですが、ほかの大臣各位にも聞きたいことがあるが、時間の関係でスピードを出してやっておりますから、その点ひとつ御了解願います。
 先ほど申し上げましたアラスカパルプに二百億、ボルネオ石油に六十億、その他ウジミナス製鉄それからアラビア石油、こういう地域にいずれも何百億という金がいっていますね。そんな関係で、一体これはこんな国民の血税をたくさん使って、仕事をやっているのかいないのか、実際ほんとうのところわからないのです。国民もまた、そんなところへたくさんそんな金が出ているなんということを知らずにいるのですよ。一体、この状態を通産省として見て、やっているとするならどんな形で.やっている、機構、内容、仕事の状態、これをこの際ひとつ決算の結論を出すにあたって、一応聞いておきたいと思うのです。
#119
○三木国務大臣 御指摘のありました会社別に大体の見通しを申し上げたいと思います。
 まず、ボルネオ石油でありますが、帝石の子会社がボルネオでいま探鉱をやっておるわけです。これは非常に有望左地帯ですから、したがってこれは必ずやいい油田も発見するものだという期待も持っておるわけであります。こういう探鉱というものは、なかなか百発百中というわけにはいかないですけれども、それだけの犠牲を払わなければ、やはり油田の開発はできない。地帯がいい地帯でありますから、、ボルネオ石油に対しては、これはそれだけの努力のしがいのある地点だと考えておるわけであります。
 アラスカパルプは、御承知のように化繊のパルプ、紙のパルプの製造事業をやっておりますが、これは三十四年以来次第に生産量も上げて、今日ではフル生産になっております。したがって、経営状態も非常に好転していっておるわけであります。アラスカパルプに対する将来というものは、明るい将来であるとわれわれは見ておるわけであります。
 それから、北スマトラの石油は、これは御承知のようにプロダクション・シェアリング方式、こちらが開発用の機材を向こうへ送って、そして無償で原油をとるというシステムであります。現に日本にもこの原油が百四十六万キロリットル来ておる。将来インドネシアの開発には、こういうプロダクション・シェアリング方式ということで開発することが、一番やはり現実的だと思います。これも目的を達しておるということであります。
 それからウジミナスについては、昭和三十三年に日本とブラジルの合弁によって製鉄所をつくったわけでありますが、銑鉄、鋼塊、厚板、ちょうど昨年には薄板の設備も完了しましたので、鋼塊ベースで年間五十万トン、銑鋼一貫工場を完成してまいりましたので、今後は製品が非常に多様化してくる、生産量もふえてきて、経営の合理化等も行なわれておるので、今後は採算の上においても非常に向上してくると思っております。
 いま山田さんの御指摘のような、日本が投資しておる――いま申し上げた主たるものはそういうもので、アラビア石油もございますが、これはもう目的を達して、日本に向こうの原油はそのまま国内に引き取られて、これは日本の海外油田の開発としては非常な成功した例であるわけであります。
 こういうことで、日本の資本を投下している海外における大きな事業は、いろいろ問題をかかえながら、全体としては非常に国費のむだ使いということではない、相当いろいろ問題はあったけれども、いずれもこのごろは好転しつつあって、どうしても今後は海外にこういう形で進出するということが、日本経済の発展のためから言っても、その相手の国との経済協力から言っても好ましいことで、国費がむだに乱費されておるというふうには、われわれは見てないのであります。相当の目的は達成されつつある、こういうふうに考えておるわけでありますが、何ぶんにも海外のことでありますので、いま御指摘のように、これはわれわれとしても十分に、貴重な国費が使われておるという現実の上に立って、この指導の面において遺憾なきを期したい所存でございます。
#120
○山田(長)委員 もっともらしい御答弁でありますが、どうも決算はそれだけでは了承するわけにはいかないのです。
 そこで、これは時間の関係等がございますので、委員長にお願いしますが、当決算委員会に資料として、ただいま御報告のあった各外地における仕事の内容等をつぶさに御報告願いたいと思うのです。
 私、これで質問を終わります。
#121
○吉川委員長 承知いたしました。委員長から要求をいたしておきます。
 中村重光君。
#122
○中村(重)委員 大蔵大臣にお伺いしますが、大蔵大臣は、大臣に就任されるまで、全国信用組合連合会の顧問をしていらっしゃった、そのとおりですか。
#123
○福田(赳)国務大臣 そのとおりです。
#124
○中村(重)委員 大臣も郷里が同じ、あなたが顧問をしていらっしゃった当時全国信用組合の連合会の理事長をしておられました山屋八万雄、この山屋八万雄氏が理事長をしておられ、そこで興国農機に融資をした、そのことが背任に問われて逮捕された。そこで商工委員会でこれが問題となった。商工委員会では、山屋氏は全国連合会の理事長としては不適任である、こういうような、これは商工委員会というよりも、商工委員会の有志です。そういう申し入れをいたしましたし、そのこと自体も当然問題になったのであろうと思いますけれども、全国信用組合連合会の総代会で山屋氏の解任決議がなされ、そこで山屋氏は理事長をやめた。その山屋氏が経営をしている永代信用、この永代信用の創立四十周年記念式典に大臣は出席をしている。きょうそこにおられる永山自治大臣、きょうお見えになっておりませんが、安井総務長官、この三人が御出席になって、祝辞をお読みになっておられますが、この永代信用との関係は、何か特別の関係があるわけなんですか。
#125
○福田(赳)国務大臣 特別の関係はありません。ただ理事長の山屋君が、私とは同郷だというだけの関係です。
#126
○中村(重)委員 そうすると、こういった単位の信用組合の大会であるとか、あるいはこういう式典等には、大臣はいつも御出席になっていらっしゃいますか。
#127
○福田(赳)国務大臣 そういう種類のものは、ただいまお話しの永代信用がただ一つかと思います。
#128
○中村(重)委員 この永代信用自体の興国農機に融資をした二億七千万円の融資の問題、このことが、国税庁で実は特別償却の問題をめぐりまして検討され、その行くえがどうなっているのかということについてもお尋ねをいたしたいと思っておりますが、大臣はその点はおわかりでございませんでしょうか。
#129
○福田(赳)国務大臣 全然承知いたしません。
#130
○中村(重)委員 それでは、きょうは、わずか十分の時間ではどうにもなりません。このことだけでも二、三時間の時間をもって、いろいろとお尋ねをしていかなければならない。決算にはもちろん関係をしてくるわけでございますから、その点は、興国農機の特別償却というのが、行くえがどうなっているのか。大体江東区の税務署の扱いにはなっていないということを伺っておりますので、そのことを、ひとつ下僚に命じて御調査をしていただきたい。いずれ適当なときにお尋ねをいたしたいと思いますから、そのおつもりでお願いしたいと思います。
 なお、信用組合は、御承知のとおりに、いろいろ不正融資ということがあちこちで行なわれているということは、大臣も信用組合連合会の顧問をしていらっしたので、むしろ私どもよりも大臣はよく御承知になっていらっしゃるのではないかと思います。やはりこのことは、連合会は大蔵省の所管でありますから、大蔵省が直接指導監督の任に当たることができる。しかし、単位の信用組合になってまいりますと、間接指導監督ということになってまいりますから、どうも一貫性がないというように判断される。そこらあたりも利は問題があるのではないか、こう思います。
 いま一つは、大臣も耳に入っておると思うのでありますけれども、農協とその他の類似の団体が行ないます信用事業というのが、農民の福祉ということを逸脱して、銀行その他普通の金融機関と変わらないような業務行為をやっている。だがしかし、大蔵省としては、そうした特殊の団体の融資事業、信用事業等に対しては、直接の監督指導が及ばないといったような面も、私は問題があるのではないかと思うのでありますけれども、ともかく現実にやっていることは、普通の銀行と変わらないような行為をやっている。監督指導が及ばない。そこに、その間隙を利用して、不正融資あるいは融資にあたってのリベートというような、公務員でありますならば、贈収賄というようなことで相当重い処罰を受けなければならないということでございますけれども、現在、現行法のもとにおきましては、なかなか、まあ背任といったような程度を出ないというようなことのようでありまして、そこらあたりがまた一つの問題点となっている。こういうことでございますから、私は、大蔵大臣とされては、信用組合の監督指導の問題点、あるいはそうした各種団体の信用事業ということに対しては、抜本的にメスを入れて、適切な指導を行ない、その団体が組合員の福祉ということを中心として業務を行なう団体であるならば、本来の組合福祉ということに重点を置いた運営というものがなされるように、この際法改正の面において、あるいは監督指導上の問題において、再検討をし、適切な措置を講ずる必要があるのではないかと思いますが、この点、大臣いかがでございますか。
#131
○福田(赳)国務大臣 国民の大事なお金をお預かりする、特に中小企業のお金を預かる信用組合、また農民のお金をお預かりする農業協同組合、そういう方面の業務が適正に行なわれまして、それで、零細なお金をお預かりする国民に御迷惑を及ぼさない、これは非常に大事な問題だ、そういうふうに思っております。
 ただ、農業協同組合にいたしましてもあるいは信用組合にいたしましても、数が非常に多いというようなこと。それからもう一つは、信用組合なんかにおきましては、そのでき上がってきた経過なんかから見て、当時監督は地方長官におまかせする、こういうことになり、たとえば両府県にまたがるというものにつきましてはこれは大蔵省だというような、例外的に政府が関与をするような制度になっておるわけです。それで実情を見ますと、ときたまそういう方面で遺徳な事件が起こる、私も非常にそれを心配をいたしておるのです。それをどういうふうに適正化していくか、これは監督の方法ばかり、監督の仕組みはかりの問題じゃないように思います。もっと広い立場から考えていかなければならぬ問題かと、こういうふうに思いますが、こういう種類の問題は私の頭に常にこびりついている一つの問題である、私もこれをどういうふうにしたらいいかということを考えておるということを申し上げておきます。
#132
○中村(重)委員 この問題は適出な機会に質問をいたします。
 いま一つお尋ねいたしますが、問題の森協将光の脱税事件、これがその後どういうところまで調査が及んでおるのか、その脱税の時期はいつからいつごろぐらいまでであったのか。それから、その脱税している金額はどのくらい。さらに徴税の確保がはたして可能かどうか。その点の見通しについて伺ってみたい。
#133
○福田(赳)国務大臣 森脇事件の詳細なる現段階は、私はまだ最近のことは報告を受けておりません。おりませんが、徴税の額は決定し、またその徴税を実行するための債権の確保等につきましても手配が済んでおる段階であります。ただこれは脱税の刑事事件であります。したがいまして、刑事事件としての成り行きがどういうふうになりますか、それを待って最終的には結論が出る、こういう性質のものであります。大事な租税に関するものでありますから、国としても全力を尽くしておるわけであります。
#134
○中村(重)委員 それでは、最後にもう一点お尋ねしておきます。
 開拓農協の新振興計画が現在実施されておるわけですね。この振興計画によりますと、開拓農民は所得目標というのがきめられてある。その所得目標が、四十一年度におきましては、北海道は別といたしまして、本土が大体五十万内外である。非常に低い所得目標である。所得目標が低いということは、したがって振興資金というものの金額が非常に少なくなってくるということになる。大体一戸当たり四十万ないし五十万というように考えられておるようです。しかも、その融資が、三年間でもって融資をするという形になっている。ところが、御承知のとおり、政府が予算の規模をきめていく、貸し付けの規模をきめていくものと、実際これが実行されるという段階では、相当な時間がたっていますから、ズレがある。単年度でこれを貸し付けないということになってまいりますと、せっかくの振興融資資金というものも、実際にこれを実行するという場合におきましては、相当物価が上がっておりますから、せっかくの投じた資金というものが効率的に使われていかない、こういうことになっておりまして、これを単年度でもって融資をしていかなければならないということが開拓農協の大きな問題になっておる。旧債処理の問題等もそうでございますけれども、それで大蔵大臣としては、そうしたせっかく開拓農協の振興という立場から投資する資金というものが効率的に使われていかないということは問題であろうと思う。しかし、この点に対しては大蔵省が、なかなか門を閉ざして、そうして適切な、効率的な資金を使用するということに対しては応じないという点があるように私は聞き及んでおる。大臣としては、それらの点に対してどのようにお考えになるのか、一応伺ってみたいと思います。
#135
○福田(赳)国務大臣 振興資金の点につきましては、私実情を承知しておりませんが、しかし開拓農民というものは、農民の中でも政府が一番積極的に援助をしなければならぬ立場にある、こういうふうな認識のもとに、できる限りの援助、協力をしておる、こういうことになっておると思います。ただいま御指摘の振興資金の運用、これは早くどしどしやれ、こういう御趣旨かと思いまするが、よく調査いたしまして、善処をいたすことにいたします。
#136
○吉川委員長 吉田賢一君。古田君、ひとつ御協力をお願いいたします。時間が……。
#137
○吉田(賢)委員 それじゃ、ごく簡単にいたします。
 大蔵大臣、行政の能率を向上するという問題は、事務再配分の適正化と財政再配分がからんでおります長年の懸案であります。臨時行政調査会も答申を出しております。それから地方制度調査会も、去年の九月に答申を出しております。事務の再配分、これは具体的にもう秘極的に取り上げる段階に来ておるのではないか。これはあなたのほうと自治省とではありますけれども、やはり内閣といたしまして、この姿勢がなければいかぬだろうと思いますので、この専務再配分の適正化と財政再配分、これは国の財政、地方財政、国の予算、行政とのからみ合いで非常に重要なことだと思いますので、ひとつ簡単でよろしゅうございますから、これの基本的態度、方針だけお述べいただきたい。
#138
○福田(赳)国務大臣 御説まことにごもっともでありまして、私どもといたしましては、常に行政事務の再配分、つまり時勢がどんどん変化しますから、その変化に応じて、行政事務のやり方、仕組み、機構、そういうものを機動的に考えなければならぬ、さように考えております。しかしこれはなかなか抵抗もある問題でありますが、政府各部局連絡をとって、できる限りそういう方向でやっていきたい、かように考えます。
#139
○吉田(賢)委員 自治大臣、一言……。
#140
○永山国務大臣 大蔵大臣が答弁いたしましたように、十分閣内で連絡をとりまして、能率化の関係と事務再配分、財源の再配分等につきましては、十分ひとつ前向きで努力いたしたいと存じます。
#141
○吉田(賢)委員 それから、いわゆる資本予算の制度化、これももう日程にのぼすべき段階に来ておるのではないか。財政投融資の資金関係を三十八年の決算で見てみますと、一兆一千億円をこえております。ところが四十一年には、これは二兆円をこえております。非常に膨大なものでございますので、これはやはり政府部内の執行管理という段階はもう過ぎて、一般会計と区分しまして、やはり国会の審議の対象にすることが適当ではないだろうか、こういうふうに思うのですが、これも非常に重要な財政制度並びに運用の根本課題でございますので、これにつきましても、ひとつ簡単でよろしゅうございますから、お伺いしたい。
#142
○福田(赳)国務大臣 財政投融資は、部分的には国会の御審議をお願いしておるわけですが、これをまだ総合的に御審議願う段階まで来ておらないのです。つまり財政投融資計画というのは、民間の金融といろいろ交錯した面がありまして、これをどういうところで区切るか、まことにデリケートな点もあるわけであります。また同時に、ほとんどすべてが金融でございますので、その金融の機動性、弾力性ということも考えなければならぬ。そういうようなところもありますので、むずかしい問題でありますが、これもなお、私どもは検討いたしたいと存じます。
#143
○吉田(賢)委員 ちょっと私がことば足らずで、急ぎ過ぎたのでありますが、資本勘定に属する、いわゆる資本予算の制度といたしまして、いま申しましたようにされるか、こういう趣旨でございますので、誤解はないと思いますが、そこは誤解のないようにお願いしたいと思います。
#144
○福田(赳)国務大臣 ただいまの御質問が、政府のいまの一般会計の中の資本的支出の面について、これをもう少し体系化したらどうだというお話でありますれば、ただいますでに検討しておるところでありまするし、そうでなくて、いわゆる財政投融資ということになると、なかなかこれはいろいろむずかしい問題がありますが、なお検討をいたしてみます、かように申し上げたわけであります。
#145
○吉田(賢)委員 それから国と地方を通ずる財政運営の総合的検討という問題、これも非常に重要な課題でございますので、この点につきましては、たとえば住宅政策などの現状は、いろいろと地方計画を持っておりまして、非常に複雑な問題になってくるのでありまするが、これにつきましても、これは大蔵大臣、建設大臣、自治大臣等にすべて関連するのですけれども、大蔵大臣だけに伺っておきますが、やはり国の財政予算一般、地方の財政予算一般というものが、いま国会におきましてはばらばらに審議をされまして、委員会等みんな別々でございますが、しかし国全体の財政といたしましては、国、地方全体を総合、総括いたしまして、検討の対象にするのでなければ、とうていその実相並びに適正効率等々が検討しにくいのでございますので、やはりどうしてこれを総合的に検討するかということは、これまた非常に重大な課題でなければならぬと思うのですが、この点についてはいかがでございましょう。
#146
○福田(赳)国務大臣 地方自治の趣旨を尊重し、これを生かしていくというところに努力をする、これは当然考えていかなければならぬと思います。同時に、ただいま御指摘のような財政の総合性、これは財政ばかりじゃない、経済を含めての総合性ということも考えていかなければならぬ問題でございます。ただいまその総合をどういうふうにするかということで、交付税というような制度もあり、補助金という制度もあり、そういう総合をつける道がありますから、その道をたよりに、自治を尊重しながら、できる限り国全体としての統一は保っていく、こういうところでございます。
#147
○吉田(賢)委員 もちろん自治の尊重は憲法によりまして明らかになっておりまするので、それとこれとは少し別でございますが、住宅政策の予算、財政一つとってみましても、国の施策があるし、地方の施策はあるし、公団あり、公庫あり、県、市みんなばらばらにできております。全体といたしまして、自主的に、住宅政策はどのような効率を、どのような投資によって、どの期間にどう上げたかということをつかもうといたしますると、やはりこれは、国と地方と総合いたしましてつかんでいくところがどうしてもなければいかぬ、そういう点について国会は非常に不便を感じまして、正確な情報がずばっと出てくるという委員会はないものと思います。いま決算並びに予算に対しては、それはあると思いますけれども……。こういうふうに思いまするので、この点総合的につかんでいくのは、ひとり住宅政策だけじゃございませんで、多くのものがあろうと思いまするので、あなたのほうと建設並びに自治、いずれにも関連することでありますので申し上げた次第でございます。この点、建設大臣、どうでございましょうね。
#148
○瀬戸山国務大臣 もちろん、国の各種の予算と地方財政計画全体としてはマッチさせております。従来ややもいたしますと、事業別になりますと、必ずしもうまく結合しておらない、こういうことで、実施をいたします場合に不都合が生ずる事態があったわけでありますが、特に四十一年度からは、そういう事態が起こらないようにということで、大蔵当局、なお自治省と緊密に連絡をとって、実施に支障のないようにいたす、こういう作業をいたしておりますが、財政計画全般の問題としては、いま吉田さんのお話のようなことが残っておると思います。
#149
○吉田(賢)委員 もう一点、公務員制度でございます。
 この公務員制度の問題は、重大な課題でございますので、短時間では議論を尽くすことはできません。きょうはほんの片りんの総括の一部だけについて伺っておきます。一方におきまして、私企業その他民間経済等は、世界的にも、わが国におきましては、技術的にも、経営面においても、あらゆる面においてすばらしい成長発展を遂げております。しかしながら、やはり全般の行政におけるあらゆる面が非常におくれておるということは、見のがすわけにはまいりません。そこで、こういうような提言をすべきではないか。これは私だけ言うのじゃなくて、臨調においてもしております。また、多くの識者等もしておりますが、公務員の制度につきまして、もっとこれを専門化し、もっと技術化して、そして専門の能力を持っておるような人を多く採用し、あるいはまた養成し、知識の普及をし、あるいは選抜し等々、特殊な施策をするということが必要ではないであろうか。フランスの公務員制度が世界的に模範とされておると聞くのでございますが、非常にすばらしい能率があり、そしてあらゆる人材がそこに投入されておる、こういうことも聞くのでありますが、ひとつ半面におきまして、その能率、機構、運営の問題とあわせて、公務員のあらゆる処遇の改善、たとえば社会福祉、福祉施設と給与等、老後を安んじて生活をなし得るように、ほんとうに国民に奉仕し得るような、仕事に打ち込んでいくような体制に経済的に客観性を与えるということが必要であり、他面、非常にもっと能率的にやるように技術化し、専門化するということを大胆にやっていく、こういうことが公務員制度解決の一つの糸口ではないのだろうか、こういうふうに思うのでありますが、この点はむしろ総理に聞くべきかと思いますけれども、これもひとつ、これは企画庁おいでになりませんから、大蔵大臣に伺いましょう。
#150
○福田(赳)国務大臣 行政に科学的な根拠を持たせる、これは必要なことだというふうに思います。ただ、あまりに、おっしゃるように専門化ということに偏しますと、私はいかがなものであろうかというような感じがします。つまり、国政全体から総合的にものを判断するという性向を公務員に持たせる、私はこれは必要だと思います。しかし、政策が科学的な根拠に基づかなければならぬということは、当然なことであります。そういうようなことで、専門的な問題では、あるいは審議会あるいは専門委員会というようなものまで持って、努力をいたしておるわけでありますが、細分化というか、技術的に細分化していくということは、利害が相当、これは両面あると思いますが、なおよく考えさしていただきたいと存じます。
#151
○吉田(賢)委員 終わります。
#152
○吉川委員長 これにて昭和三十八年度決算外三件に対する質疑は終了いたしました。
#153
○吉川委員長 昭和三十八年度決算についての議決案は、理事会の協議に基づき、委員長において作成し、各位のお手元に配付いたしてあります。
    ―――――――――――――
     議 決 (案)
  昭和三十八年度一般会計歳入歳出決算、同年度特別会計歳入歳出決算、同年度国税収納金整理資金受払計算書及び同年度政府関係機関決算書につき左のごとく議決すべきものと議決する。
  本院は、毎年度決算の審議に際し、予算の効率的執行並びに不当事項の根絶について、繰り返し政府に注意を喚起してきたにもかかわらず、依然として改善のあとが見られないのは、まことに遺憾である。
 一 本年度決算審査の結果、予算の執行が適切を欠いたため、その効率的使用等所期の成果が十分達成されていないと思われる事項が見受けられる。
   政府は、左記事項については、特に留意して、適切な措置をとるべきである。
  (1) 一般会計、特別会計を通じ、補助金等について、その経理が適正でなく、補助効果があがつていないものが少くない。
    公共事業関係の補助金では、農林省、運輸省、建設省において、事業が補助の対象として不適当であり、あるいは事業費の積算が過大であり、または、工場の施行が不良であつたもの等が多い。
    また公共事業関係以外の補助金では、総理府、文部省、厚生省、農林省、通商産業省において、事業が申請どおり施行されず、補助の効果があがつていないもの、または補助金が正当に使用されていないため、国庫補助の目的をはたしていないもの等が多く認められる。
    政府は、これらの事例にかんがみ、工事の監督、検収を厳にするほか、事業の施行実績の調査、確認を十分に行ない、また事業主体に対して適切な啓発、指導を行なうとともに、年々かくの如き、莫大な金額に上る不適正や非効率が生じないよう努めるべきである。
  (2) 国有財産の管理及び処分についてその貸し付け、交換、売り払い等の処分が必ずしも十分でないと思われるような事例が見受けられる。
    特に、公共の用に供すべき行政財産である河川敷が営利企業に使用され、占用期間及び占用取消処分に伴う補償の有無等の許可条件も不明確のまま極めて低額の占用料で使用されているものがある。
    政府は、国有財産の管理及び処分に当つては、細心の注意を払うとともに、これら財産が、国民生活の向上のために有効適切に活用されるよう心掛けるべきである。
    また、各省及び政府関係機関等において、幹部職員等に宿舎等の交換、売り払い処分をしているものがあるが、これ等については、さきに政府の決定した方針に基き、爾今国民の疑惑をまねくが如き処分のなきことを期待する。
  (3) 公社、公庫等についてその事業運営が適切でなく、また、会計経理の事務処理においても適正を欠いているものが多いことに対し、本院は、しばしば警告を発してきたが、本年度も依然として改善の実があがつていない。
    政府は、政府関係機関等に対して適切な指導勧告を行ない、事業運営の向上を図るべきである。
  (4) 職員の不正行為によつて国に損害を与えているものが郵政省において多数見受けられる。これらは、郵便局の職員が、郵便貯金等を受領しながら受入処理をしない等して現金を領得したものである。これらのなかには、監督の地位にある特定郵便局長等によるものがあり、これが連年続いて発生しているのはまことに遺憾である。
    政府は、これら職員の責任の自覚をうながすとともに、かかる不正行為に対する予防措置に万全を期し、国民の信を失うことのないよう留意すべきである。
 二 昭和三十八年度決算検査報告において、会計検査院が指摘した不正事項については、これを不当と認める。
   政府は、これら指摘事項について、それぞれ是正の措置を講ずるとともに、今後再びこのような不当事項が発生することのないよう制度、機構の改正整備を図り、官紀を粛正して万全を期すべきである。
 三 決算のうち、前記以外の事項については異議がない。
   政府は、今後予算の作成並びに執行にあたつては、本院の決算審議の結果を十分に考慮して、財政運営の健全化を図り、もつて国民の信託にこたえるべきである。
    ―――――――――――――
#154
○吉川委員長 この際、議決案の要旨を御説明申し上げます。
 すなわち、議決案は、昭和三十八年度決算を審査した結果、予算の効率的使用及びその実績の観点から、第一に、次の諸点について政府は特に留意して適切な措置をとるべきであると指摘しております。
 (1)一般会計、特別会計を通じ、補助金等について、その経理が不適正で、補助効果があがっていないものが少なくない。
 (2)国有財産の管理及び処分について不十分と思われる事例がある。
 (3)公社、公庫等の事業運営が適切でなく、会計経理の事務処理についても適、正を欠いているもの、が多い。
 (4)職員の不正行為により国に損害を与えているものが多数見受けられる。
 第二に、会計検査院か不当と認めた事項については、これを不当と認めております。
 第三に、前記以外の事項については異議がない。
 以上が議決案の要旨であります。
    ―――――――――――――
#155
○吉川委員長 これより議決案に対する討論を行ないます。
 討論の通告がありますので、これを許します。押谷富三君。
#156
○押谷委員 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となりました昭和三十八年度一般会計歳入歳出決算外三件につきまして、委員長から提案されました議決案に賛成の討論をいたしたいと存ずるものであります。
 申すまでもなく、決算の審議は予算執行に対する事後監督の意味を持っているものでありまして、いわば国民の大切な税金の使い道を調べる重要な審査であり、予算と表裏一体をなす最も大切な国会の審議事項というべきであります。
 近ごろ、政府当局におかれましても、この決算審議の重要性に深い理解と認識を持たれまして、特に本国会においては、三十九年度決算の報告にあたって、従来の慣例を破って、大蔵大臣みずから衆議院本会議において直接報告をせられまして、与野党あげて絶賛の拍手を受けられましたことは、御承知のとおりであります。
 また、当委員会の調査審議の途上において、各委員から発言せられました重要な意見については、謙虚に耳を傾けられて、これを尊重し、政治の上に具現せらるるなど、誠実な政治姿勢には、全委員の深く敬意を表しているところであります。
 たとえば、国有財産の管理処分の問題につきましても、当委員会の意のあるところを尊重せられて、謙虚な反省から、自後国有財産の処分は役人にはいたさないといった方針を徹底せられるとか、また過去二十年間日本銀行の地下に眠っている供出タイヤモンドについても、供出者の愛国心のしみ込んでいるこのタイヤに日の目を当てよと言った委員会の意見を尊重されて、今年度は予算の上に、若干放出せられるようなことに踏み切られているなど、その他多くの事例かありますが、公正な政治態度には深く敬意を表しているところであります。
 しかし、こうした謙虚にしてかつスマートな政府の政治姿勢の半面には、相変わらず会計検査院の指摘している批難事項があとを絶っておらないのでありまして、会計検査院の検査報告によりますと、批難事項は、金額においても、件数におきましても、前年度を若干上回っているのでありまして、その内容につきましては、抽象的ながら、ただいま委員長がお読み上げになりましたように、本議決案にも列挙されているのであります。
 予算執行が、いやしくも国民の大切な税金の使い道である以上、たとえ一文といえどもむだづかいは許されません。いわんや役人の不正不当の行為、あるいは著しい非効率な使用は厳に慎むべきあります。予算執行の適正花のためには、政府は常に執行者について監督を厳にせられるとともに、綱紀粛正と制度機構の改善整備等に特に意を用いられたいと存ずるものであります。
 こうして、政府におきましても、情熱を傾けて、しっかりした予算執行の段階において、予算作成当時にいずれもあげているような情熱を幾分か注がれて、その執行に万誤りなきを期してもらいたいと思うのであり、かくて国民の負託にこたえられるよう深く要望をいたしまして、私の討論を終わります。
#157
○吉川委員長 勝澤芳雄君。
#158
○勝澤委員 私は、日本社会党を代表いたしまして、昭和三十八年度一般会計歳入歳出決算外三件につきまして、次の意見を申し上げ、議決案のとおり賛成の討論をいたすものであります。
 まず第一は、決算の重要性を、政府も国会も再認識すべきであるということであります。政府も国会も、決算審査は重要だと、ことばでは言われておりますが、とかく軽視しております。まず大臣は、法案審議には連日のように関係委員会に出席しながら、たった年一回の決算委員会にすら出席がない。出席しても、報告書を二、三分で読むだけで、審議のときにはいなくなる大臣が多いのであります。だから、決算審査の結果、不正、不当事項や是正事項があっても、さっぱり改善されず放任されております。大臣は官僚に使われるだけで、使いこなすころには交代している。責任者はいつの間にかいなくなっている。官僚王国、不正者の天国だと言われ、行政不在の無責任体制と言わざるを得ません。せめて、予算を取るだけが大臣の仕事でなく、予算執行の適正化、効率化、各省のセクショナリズムによる行政の遅延など、決算審議に十分関心を持たれ、決算が単なる報告事項だからといって、法案審議の委員会のみ重要視されることのないよう、せめて一年に一日くらいはゆっくり決算審査に参加されるよう、政府並びに関係各大臣に強く要望いたします。
 また国会も、帝国議会始まって以来初めて、決算の質問が本会議で行なわれましたが、さらに一歩を進めて、決算のあり方、決算委員会の運営、または決算委員長は野党から選出するなどについても、検討すべきであります。
 第二は、決算委員会の審査を行政に反映すべきであるということです。防衛庁の物品調達、厚生省の保険料徴収、農林省の自作農創設特別措置特別会計の国有財産管理、外務省の海外移住、東北開発株式会社のあり方や、各省国庫補助金、災害復旧査定など、会計検査院から毎年不正不当要項あるいは是正改善意見として指摘され、あるいは予算の適正化、効率化等について、決算委員会で、あるいは行政管理庁からも適正な行政運営についての意見が出されております。私はこれらの審査報告について、十分予算編成の上に、執行の上に取り入れて、国民のためにむだのない、能率的な行政を要請いたします。
 第三は、国有財産管理処分についてであります。国有財産の現状は、戦後二十年を経過した今日においても、なお実態不明や不法占拠、無断使用など多数あり、大蔵省の普通財産においてさえ、実態確認されていないものが、昭和三十九年度末で十万件以上もあり、毎年会計検査院から指摘されております。私は、第一に国有財産の現状について、予算をふやしてはっきりさせるべきであります。そして不用なものは積極的に処理すべきであります。これは農林省の自作農創設特別措置特別会計の財産にも特に必要であります。また同時に、財産管理処分については、大蔵省の方針と各省各関係政府機関の方針が同一の取り扱いがなされるよう措置されるべきだと思います。高級公務員に対する国有財産の払い下げは、かつて十余年前国鉄で問題になったのに、昨年同じような例が専売公社に発生し、その結果、幾つかの政府関係機関に同じようなことが行なわれておったことはまことに遺憾であり、これは政府の監督不行き届きによるものであります。
 以上、私は三点について意見を申し上げ、賛成討論を終わります。
#159
○吉川委員長 吉田賢一君。
#160
○吉田(賢)委員 私は、民主社会党を代表いたしまして、本議決案に賛成の討論をいたします。
 以下、数個の要点につきまして所見を申し上げて、賛成の趣意のあるところをなお明らかにいたしたいと思うのであります。
 元来、三十八年度決算は、当佐藤内閣の業績ではないのであります。したがいまして、とかくこの審査を軽視するということは、一般的に免れない弊害の一つでございます。やはり行政は、前後左右、縦に横に関連がございまするので、責任は一体となって負うべきがほんとうの政党政治でなければなりません。かかる意味におきまして、私は、三十八年度決算でございますけれども、現在の実態を批判しつつ、その重要点に及びたいのであります。
 私が申し上げたい根本的な重点の一つは、個々の問題につきましてずいぶんと議論をされますけれども、財政全体について決算の角度から基本的に反省をする、こういった態度が国会においては乏しいのではないかということを非常に遺憾に思っておるのでございます。
 福田大蔵大臣は、わが国の財政は新時代が開けようとしておるというようなことばも、国会演説でお使いになっておりす。事さほどに、国債発行というものが国の財政運営に画期的な展開を与えたことも事実でございますが、しかし現実の財政というものには種々の重大な問題が包蔵しておるということを、決して見のがすわけにはまいりません。たとえば、依然として予算の浪費であるとか不当支出につきましては、検査院の指摘するところを待ちません。また、膨大な国の行政の分野に対しまして、臨時行政調査会が画期的な改革の案を答申をいたしました。この答申に対しましても、政府はこれを全面的に日程にのぼすという用意はできておりません。用意をするのも、これは容易ならぬことなのでございますから、そこに私はやはり根本的な一つの問題点があろうと思います。
 ことに、財政は中央と地方、国と地方を全く分離して考えることのできない関係がございます。地方財政の実態を見ますと、たとえば本年におきましても、交付税の増額であるとか、臨時特例交付金であるとか、ないしは地方起債等によりまして、わずかに当面の施策に手をつけたにすぎない。まさに瀕死の重症にあるということでございます。だから、国と地方の財政を全体として総合いたしまして、われわれは憲法による財政監督の重責を果たしていかねばならぬ、このように思うのでございます。
 そこで、このようないろいろな問題を包蔵しておる財政につきまして、ほんとうに病源はどこにあるかということを追及することが、本委員会の一つの使命でございます。さらに、それから臨床的な治療対策というものを的確に立てるということが必要でございます。そして、ほんとうの意味の健全財政を打ち立てることが必要ではないでしょうか。健全財政は、均衡財政下におきましても、公債発行の財政下におきましても、常に堅持せられるべき原則であることは申すまでもございません。私は、こういうような根本的な立場に立ちまして、三十八年度の決算の最終の審査に対しておるのでございます。私は、これらの角度から考えましたときに、国会にしましても、政府にしましても、厳粛に政治と行政と財政の姿勢を正すべきことをともに反省をしまして、そしてこれを強調したい気持ちで一ばいでございます。
 財政の制度と運営の合理化あるいはまたその効率化ということは、政府におきましても、これは三十八年度のみならず、ほんとうに英知をしぼり集めて対策を検討せなければなりませんので、私のつたないことばにつきましても耳を傾けてもらいたいのです。かようにいたしまして、各般の対策と意見につきましては、実施すべきものはすみやかにこれを運ぶということが必要ではないか、こう思うのでございます。
 いま世界は激動いたしております。平和と繁栄を求めまして、福祉国家の建設をこいねがうということは、全国民の希望であります。こういうような希望を達成するということが高度なわれわれの政治使命でございますが、限りなく増大していきまするこの行政の需要、また財政の需要に対しまして、われわれはほんとうにその適切な充足を期しまして、そうして国民に対して政治の奉仕の誠を尽くしていかねばなるまい、こういうような一つの反省の立場に立ちまして、過去の三十八年度決算を振り返った次第であります。
 このような趣旨におきまして、私は議決案に賛成の意を表した次第でございます。
#161
○吉川委員長 これにて討論は終局いたしました。
 これより採決いたします。
 昭和三十八年度一般会計歳入歳出決算、昭和三十八年度特別会計歳入歳出決算、昭和三十八年度国税収納金整理資金受払計算書、昭和三十八年度政府関係機関決算書を議決案のとおり決するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#162
○吉川委員長 御異議なしと認めます。よって、議決案のとおり決しました。
 次に、昭和三十八年度国有財産増減及び現在額総計算書、昭和三十八年度国有財産無償貸付状況総計算書、昭和三十八年度物品増減及び現在額総計算書、以上三件を一括し、討論に入るのが順序でありますが、討論の通告もございませんので、直ちに採決に入ります。
 各件は、いずれも是認すべきものと決するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#163
○吉川委員長 御異議なしと認めます。よって、各件は是認すべきものと決しました。
 なお、ただいま議決いたしました各件の委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#164
○吉川委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたします。
  〔報告書は附録に掲載〕
#165
○吉川委員長 この際、大蔵大臣より発言を求められておりますので、これを許します。大蔵大臣。
#166
○福田(赳)国務大臣 ただいま御決議の点は+分尊重いたしまして、各省各庁と十分連絡をいたし、その趣旨の徹底をはかりまして、万遺憾なきを期したいと存じます。(拍手)
#167
○吉川委員長 本日は、これにて散会いたします。
   午後四時三十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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