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1949/04/12 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 文部委員会 第7号
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1949/04/12 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 文部委員会 第7号

#1
第005回国会 文部委員会 第7号
昭和二十四年四月十二日(火曜日)
    午前十一時八分開議
 出席委員
   委員長 原   彪君
   理事 伊藤 郷一君 理事 圓谷 光衞君
   理事 松本 七郎君 理事 稻葉  修君
   理事 今野 武雄君 理事 長野 長廣君
      淺香 忠雄君    岡延右エ門君
      甲木  保君    川端 佳夫君
      高木  章君    中山 マサ君
      若林 義孝君    受田 新吉君
      渡部 義通君    船田 享二君
 出席政府委員
        新聞出版用紙割
        当事務廳長官  成田勝四郎君
        文部事務官
        (社会教育局
        長)      柴沼  直君
        文部事務官
        (科学教育局
        長)      茅  誠司君
 委員外の出席者
        総理廳事務官  安達 次郎君
        総理廳事務官  羽場 一郎君
        総理廳事務官  和田 秀吉君
        文部事務官   犬丸 秀雄君
        專  門  員 武藤 智雄君
       專  門  員 横田重左衞門君
同月十一日
 委員大瀬久市君が死去した。
 委員金塚孝君辞任につき、その補欠として北村
 徳太郎君が議長の指名で委員に選任された。
四月十日
    ―――――――――――――
四月八日
 青少年教育に対する総合的研究機関設置に関す
 る請願(小林運美君紹介)(第二一二号)
 教育映画助成に関する請願(小林運美君紹介)
 (第二一三号)
 史蹟燈明寺及新田塚修理費全額國庫負担の請願
 (坪川信三君紹介)(第二一四号)
 新制大学入学者検定試驗制度施行に関する請願
 (林百郎君紹介)(第二二〇号)
 中尊寺における國宝及び特別保護建造物修理費
 國庫補助の請願(淺利三朗君外五名紹介)(第
 二三〇号)
 定時制高等学校施設費國庫補助増額の請願(平
 川篤雄君紹介)(第二五二号)
 暦法改正に関する請願(長野長廣君外三名紹
 介)(第二五五号)
 習字教育振興に関する請願(水谷昇君紹介)(
 第二五六号)
 六・三制完全実施のため全額國庫負担並びに教
 育予算増額の請願(庄司一郎君紹介)(第二五
 七号)
 新制中学校建設費助成に関する請願(村上勇君
 紹介)(第二五八号)
 教育予算増額に関する請願(圓谷光衞君紹介)
 (第二六七号)
 同外十五件(高木章君紹介)(第二六九号)
 國宝富貴寺大堂修理費國庫補助増額の請願(永
 田節君紹介)(第二七〇号)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 新聞出版用紙割当並びに法隆寺災害及び登呂遺
 跡に関する説明聽取
    ―――――――――――――
#2
○原委員長 それでは会議を開きます。
 去る十日文部委員の大瀬久市君が急逝されました。まことに痛惜哀悼の至りにたえないところでございます。当委員会としても、つつしんで敬弔の意を表したいと存じます。
#3
○受田委員 私は大瀬久市君と、一昨年國会へ私が出かけまして以來、じつこんな間柄で、特に親交を続けて來た関係上、大瀬久市君の追悼の言葉を、この委員会の席上において申し上げたいと思います。
 大瀬久市君は、長崎縣の出身であり、教育を志しまして、東京文理科大学を終えられたのでありますが、爾來教育の第一線に清新はつらつな実績をあげて來られ、後、官界に志されまして最後に東京都長官の秘書官として非常に嘱望された人物であります。一昨年の総選挙におきまして、長崎県において出馬し、惜しくも次点で落選をしたのでありましたが、氏の念願は、この祖国日本を文化國家、平和國家として再建するという大きな理想がありまして、今回の総選挙に再び出馬し、非常な好成績をもつて当選をせられたのであります。
 本國会に登院されまして、同氏が語つた抱負経綸は、まだ私の耳朶を強く打つものがあります。この文部委員会に属しまして、民主自由党の所属議員としての大きな理想もお持ちでありました。しかし遂にその理想の実現を見ることもできず、先般七日の文部委員会のこの席において、あの元氣はつらつとした赤ら顔の姿を見せたのが最後であります。そして一昨十日の午前五時、芝櫻田庁の宿舎旭ホテルにおいて忽焉として脳溢血のために去つてゆかれたのであります。まことに痛惜にたえません。
 あの温厚篤実にして、春風もつて人に接し、秋霜みずから戒めるというあの人柄は、必ずや三十八歳の青年代議士として、同氏の前途に光り輝くものがあつたと、私は深く期待しておりました。そして苦き人の祖國再建の熱情は、同氏を通じて、おそらく遠からず國会にも明るい空氣をただよわしてくれるであろうことを期待しておりました。その期待を見ることもできず、同氏の理想を実現することもできず、今日この委員会において、大瀬久市君の追悼の辞を申し上げることは、まことに感慨無量であり、胸の迫る思いがいたします。ここに青雲の志を抱いて政界に出で、文化國家建設の熱願に燃えて、むなしくそれを実現し得ないで永眠してゆかれた同氏のために、その御冥福を祈るとともに、本文部委員一同、われわれの同僚として同じこの席に並んで、祖國の文教政策を論じ合つた親しい間柄として、同君の意志を継いで、その若くしてゆける、若き政治家大瀬久市君の理想を、われわれによつて顯現するように努めたいと思います。
 大瀬久市君の御冥福を祈るとともに、その御功績の一端を、たいへん朴納な言葉でありましたけれども、親しい間柄にあつた私として、ここに追憶申し上げて、大瀬久市君のために、われわれ今後一層の努力をして、國政の衝に当りたいということを、大瀬久市君の霊に、はなむけとして申し上げる次第であります。
    ―――――――――――――
#4
○原委員長 本日は新聞出版用紙割当に関しまして、当局より種々御説明を願い、委員各位より御意見を述べていただきたいと思います。その後過日の委員会において法隆寺の問題がまだ審議が残つておりますので、実地に視察しました武藤専門員より詳細に説明をしていただくことにいたしまして、散会後、大学校対策協議会の方々が、われわれ委員と懇談したいという申出がございますので、その協議会と懇談をすることにいたします。
#5
○成田政府委員 ただいまから昭和二十三年度の新聞出版用紙割当の実績を主として御報告申し上げたいと思います。その前に用紙割当機構のあらましについて御説明申し上げることが便宜かと存じます。
 昨年の八月に第二國会を通過いたしました新聞出版用紙割当事務廳設置法と申します法律がございます。現在の用紙割当機構は、この法律を中心として動いておるわけであります。その概略を申し上げますと、新聞出版用紙割当事務廳というものがございます。これはこの設置法制定以前は事務局でありましたものが、この法律によつて事務廳になつたのであります。この割当事務廳が臨時物資需給調整法によります新聞出版用紙の割当に関する主務廳ということになつておるのであります。この事務廳は、一般の新聞出版用紙の事業者から申請書を受付けまして、割当の原案を作成いたします。そうしてこれを新聞出版用紙割当審議会に提出いたすのであります。そうして審議会のきめたところに従いまして、割当の決定をいたしまして、割当切符を発行する。またその交付しました割当切符によつて購入されます用紙の適正消費について監督を行う、大体こういうことになつておるのであります。
 一方、新聞出版用紙割当審議会は、事務廳に置かれるものでありますが用紙割当に関する政策でありますとか、基準手続というような重要問題を決定するわけであります。また具体的な割当につきましても、決定権を持つておる、こういうことになつておるのであります。割当事務廳は、新聞出版用紙の割当に関する主務廳でありますが、割当の原則あるいは具体的な割当に関しては、必ずこの審議会に提案して、審議会の議決に從つて割当を決定しなければならない。また審議会は事務廳に置かれてはおりますけれども、独立の権限を持つておりまして、單なる調査あるいは諮問の機関ではございませんで、重要事項に関する決定権を持つた審議会という関係になつておるのであります。そうして國務大臣の中の一人が総理大臣の委任を受けまして、用紙割当事務の担当ということに大体なるのであります。この國務大臣が審議会と事務廳と両方を監督する立場に立つております。國務大臣はこの割当審議会の決定に対して不満である場合には、審議会の再審査を求めることができるのでありますけれども、その場合も、最終的決定権は審議会の方にあるということになつております。
 この機構についてしばしば問題になつておる点を簡單に御説明いたしますと、ただいま申しましたように審議会というものが、重要事項に関する最終決定権を持つております。國務大臣も再審査を求めることはできるけれども、拒否権というほどの強い権限を持つていないわけでありまして、審議会が決定権を持つておる。それでは審議会の構成について政府は何か発言権を持つているかと申しますと、これもごく消極的な発言権しかないのでありまして、審議会の改選の場合に、後任の候補者を立てるのは、審議会議長が自分で候補者を立てて、その候補者について審議会自身が選考するということになつておるのでありまして、その候補者が特別に不適当であるという理由がある場合には、割当廳の長官はその撤回を求めることができますけれども、積極的に候補者をたてるとかいうようなことはできないのであります。つまり審議会の構成につきましても、また審議会の活動につきましても、政府は積極的な発言権を持つておらないのであります。にもかかわらず、審議会の議決した事項につきましては、政府に責任がある、こういう関係になつております。
 それから審議会につきましては、割当事務廳設置法に基きまして、審議会令という政令を出すことになつておるのであります。この政令で具体的な審議会の構成その他をきめることになつておるわけでありますが、設置法が昨年の八月に施行されましたにかかわりませず、審議会令というものが今日までまだ実施されておらないのであります。これははなはだ異常な状態でありますが、実は政府の方でも、昨年の夏設置法が施行されますときに、施行以前から審議会令の準備をいたしたのでありますが、一、二非常にひつかかるような問題がございまして、今日まで延び延びになつておる次第であります。政府といたしましても、できるだけ早くこういうような異常な状態を解消いたしたいと思いまして、ずいぶん努力いたして來ておるのであります。最近に至りまして、よほど事態が進行いたしまして、おそらく今月中には審議会令ができ上るのではないかというふうに見ておる次第であります。
 次に、今回の行政機構の改革におきまして、事務廳なり、審議会がどういうふうになるかということでございますが、これはいろいろな案もございましたが、政府において決定いたしました案は、割当事務廳を総理府の内局として、割当局という名前で総理府に置く。別に総理府に割当審議会を置く。この新聞出版用紙割当局と新聞出版用紙割当審議会との関係、その両者の権限等につきましては、現在の状態をそのまま移す、こういう方針で進んでおります。
 機構の問題はそのくらいにしておきまして、次に二十三年度中におきます出版用紙割当実績について、御報告申し上げます。お手元に配りました印刷物について御説明申し上げます。
 わが國におきまして用紙生産が最も順調に参りました昭和十五年のわが國における用紙生産量と、そのうち新聞及び出版に消費された量、これを昨年度及び一昨年度との比較した表がそこにでております。昭和十五年におきましては、洋紙の生産量は二十一億二千百万ポンド、そのうち新聞に用いられましたものが五億六千八百万ポンド、出版に用いられました量が二億三百万ポンド、こういうことになつておるのであります。これを比較して見ますと、昭和二十二年度には洋紙の総生産量は四億九千四百万ポンド、そのうち新聞に消費されましたものが一億八千九百万ポンド、出版が二千八百万ポンド。昨年度におきましては、洋紙の総生産量は五億七千四百万ポンド、そのうち新聞に消費されましたものが二億一千万ポンド、出版が三千八百七十方ポンドとこういうことになつてあるのであります。二十四年度に入りましてからの生産状況に大体順調の模様でありまして、よほど増加する見込みがあるのでありますけれども、洋紙の生産がふえましても、それがただちに新聞あるいは出版の方にまわつて來るとは限らないのでありまして、昨年度非常に割当のきゆうくつでありました教科書その他の方面にまわしましたり、あるいは輸出などにまわす話もあるわけでありますにもかかわりませず、今年度におきましては、新聞、出版の用途に充てられる紙の量もやや増加するという見通しを持つておる次第であります。
 次に新聞用紙の割当の具体的なことを申しますると、現に用紙の割当を受けている新聞の数は、総数三百七十三社であります。これに対する割当量は月平均千九百四十万ポンドということになつております。この三百七十三社のうち日刊新聞は百四十五社、それに対する割当が月平均千八百八十万ポンド、部数に直しますと、一日約二千万部の日刊新聞が出ているわけであります。非日刊新聞は二百二十八社でありまして、それに対する割当量は月平均六十万ポンドということになつております。日刊新聞のうち割当量の最も多いのは朝日、毎日の両社でありまして、大体におきまして三百五十数万部を毎日発行しているわけであります。最も少いのは、一万部以下のものもあるわけあります。
 次に新規に新聞の申請をして來ている件数を申しますると、約七百社あります。また現に割当を受けておつてなお増配を要求しているものが百数十社あるわけであります、この新規要求と増配要求と合わせますと、その量は月にしまして二千万ポンドにも達するというようなことになるのであります。何分用紙の事情が非常にきゆうくつでありまして、最近二箇年間というものは新規の割当を全然行つていないという実情であります。
 次に昨年度中行いました新しい割当の二、三について御説明申し上げます。四のところに書いてありますが、一般日刊新聞に対して、その紙価充実のために昨年の八月以降一週間一回四ページ紙を発行することになり、紙量を増配いたしておりますが、これに今で発行されております一般日刊新聞に対しまして月に約二百二十万ポンドの紙を割当てております。これで一週に一回御承知の通り四ページの新聞を発行しているわけであります。日刊部数十万部以下の新聞社は、この量の紙を四ページを出すことに充てておりませんで、そのかわり部数をふやすことに使つてもいいというふうになつております。
 次に昨年の九月に学生新聞の割当ということを行つたのであります。これは学生数千名以上の大学、高等専門学校程度の学校の学生新聞に対しまして、若干の紙を割当てたわけであります。そのやり方は東京大学その他從來用紙の割当を受けておりました学生新聞に対する用紙を一應留保いたしまして、それに五千ポンドばかりの紙を加えて、プールいたしまして、その紙をあらためて申請のある各大学あるいは高等専門学校に、学生数に應じて割当てるということをやつたわけであります。約三十六校に対して全部割当てているわけであります。
 次に一般日刊新聞の割当を合理的にる目的をもちまして、昨年の十一月は新聞の購読調整ということを実施いたしました。これは現在何らかの新聞を読んでいる読者に対して、ほかの新聞は轉読の希望があるならば申し入れなさいと、全國的に希望を募りまして、希望の多い新聞に対しましてそれだけ紙の割当をふやす、一方の新聞で読者の希望がふえますれば、轉読でありますから、他方で必ずそれだけ減つてる新聞がおるわけであります。読者が減つた新聞は割当を減し、そうしてふえた新聞は割当をふやす、こういう購読調整ということをやつたのであります。全國にわたつて六十五万に近い申込みがあつたのでありますが、競争が激烈でありまして、いろいろ不正な競争まで行つたために、監査を厳重にいたしまして、結局三十九万近い申込みを無効といたしまして、二十五万余の申込みを有効として割当の調査を行つた次第であります。
 次に昨年の十一月は炭鉱地の新聞入社に対して炭鉱夫の増産意欲を増進するために、炭価版という普通の紙面と多少違いました炭鉱向きの版を発行してもらうために、約十万ポンドの用紙を割当てたのであります。さらに今年二月以降、労働組合の機関紙に対して紙を割当てました。これも大体学校の機関紙に対すると同じやり方でありまして、從來若干の組合に新聞用紙を割当てておりましたのを一應留保いたしまして、それに新たに十六万ポンド程度の紙を加えまして、総量を二十二万五千ポンドほどといたしました。これを組合員数五百名以上の單位組合の申請に應じまして、組合数に按分して機関誌用紙として紙を割当てたわけであります。また今年三月政党用機関紙の用紙を割当いたしております。これは目下事務廳及び割当委員会におきまして、その一体的方法について研究いたしておるのであります。この点は國会と直接関係のある問題でありますし、この委員会の御関係の問題でありますから、後ほどさらに詳しく御説明いたします。
 次に出版関係の用紙割当の実情を申し上げますと、昭和二十三年度中は用紙を割当てた書籍は、初版約二万点、重版約六千点、雑誌約千七百種でありまして、これを紙の量に直しますと、書籍が二千二百八十万ポンド、雑誌千五百九十方ポンド、合計三千八百七十万ポンドということになるわけであります。雑誌は最高八万部から最低五百部ぐらいまであるのでありまして、これも從來出しておつた雑誌は引続き割当をいたしまする以外に、近々新規の雑誌につきましても、若干の割当を行う予定であります。雑誌業界は最近非常に不振でありまして、休刊、廃刊等を行う雑誌社が相当あるのであります。経営中の雑誌につきましても、賣れませんで、返品として返つて來る率が相当多い。そのために、紙が非常にむだになつているのではないかという議論が盛んになつて参つたのであります。委員会はおきましても、事務廳におきましても、今返品のむだをいかにして省くかということについて、具体的の方法を研究中であります。
 次に書籍につきましては、書籍は初版と重版とにわけておりまして、初版の書籍は大体総花的にパンフレツト判で七千万、普通書籍で三千部から五百部ぐらいを割当てる。三箇月で約五千種類くらいのものを取上げております。また重版につきましては、一期の申請で約七千種あるうちから、輿論調査、あるいは学識経験者の意見聽取、その他の方法によりまして、約千五百種類程度を選んで、これに二、三千部ないし千部ぐらいの程度の割当をいたしておるのであります。
 これが大体割当実績に関する御報告でありますが、先ほど申し上げました政党用の機関誌の用紙の問題について若干御説明申し上げます。
 去年の三月初めに総司令部の方から政党用機関誌に関する覚書が出たのであります。その内容は今までどちらへも公表いたさなかつたのでありますが、本日は直接御関係の委員会でございますから、特に先方の了解を求めまして、これを御報告いたすことにいたします。要点を申しますと、政党用の機関誌のために紙の割当をする必要があることは、私どもの方でもかねがね考えて研究していたところであります。この覚書の初めは、先ず政党用機関紙に対する用紙の割当を調整する時期が來たと信ずるということが書いてありまして、同時にいかなる方法で割当をやるかはつきりしても、先方の提案が詳しく述べられているのであります。その概略を申し上げますと、從來諸政党の新聞あるいは雑誌のために割当てられて來た用紙が月額約十一万ポンドある。この十一万ポンドを一應保留いたしまして、これは新たは約九万ポンド加えまして、月額総額二十万ポンドとする。その二十二万ポンドの紙を過般の本年一月の総選挙におきます各党の得票数に応じて按分して、各党は機関誌用紙として割当てる。こういうことが大筋であります。そうして各党に割当てた機関誌用紙は新聞を出しましても、雑誌を出しましても、あるいは両方を出しましてもそれは各党の自由である、ただそういうわくを各党にお配りするという趣旨なのであります。そこで現在割当を受けておりました政党の新聞や雑誌が月額約十一万ポンドあるということになつておるのでありますが、どういうものがあるかということを御参考のために申し上げますと、共産党では御承知の「アカハタ」という新聞と、「前衛」という雑誌が出ております。その両者で月額約八万六千ポンド紙を割当てております。また社会党は「社会新聞」と申しする週刊新聞と「社会思潮」という雑誌が出ておりますが、この両者で一万六千六百余ポンドの紙を月額割当てております。民自党は新聞が現在のところございませんで、「再建」という雑誌を出しております。これが月額三千四百ポンド、これがおもなるものであります。これを総司令部から提案のありました月額二十万ポンドを総選挙における得票総数に應じて再割当をするという方式によりまして数字を出して見ますと、大体におきまして民自党が約九万四千ポンド、民主党が三万四千ポンド、社会党が二千九十ポンド、共産党が二万ポンド強ということはなるわけであります。先ほどちよつと申し落しましたが、何が機関紙であるか、現在出している新聞及び雑誌の中に、共産党は「アカハタ」と「前衛」だけをあげましたが、メモランダムの趣旨はもう少し意味が廣いのでありまして、各党の出版物全部を包含しておるように解釈されるのであります。すなわち共産党がその両者のほかに出しておりまする「新しい世界」「大衆クラブ」「科学と技術」等も、どうも含めておるのではないかというふうに考えられるのであります。そこで一般の新聞出版あるいは雑誌に対する割当は先ほどもちよつと申し上げました通りに、用紙不足のために最近二箇年間は全然新規の割当を、特殊の例外を除きましてはやつて來ておらないわけであります。從いまして終戰後、昭和二十年、二十一年中ぐらいに申請しました新聞は、非常に早く用紙の割当を受けたのでありますが、二十二年度に入りますと、すでに紙の余裕がなくなりまして新規の割当を停止されておる状態であります。それは一般日刊新聞におきましても、特殊新聞におきましても同じ事情なのであります。從いまして共産党の「アカハタ」のようにいち早く発刊されました新聞は、用紙の割当を当時受けることができて今日まで続いておるのであります。明自党の機関新聞、その他民主党の新聞でありますとか、二十二年度に入りましてから申請されました各党の新聞は、今日まで実は割当を受けませんで、待機して來た状態であるのであります。政党に機関紙用の用紙を出します以上、各党平等に割当てるべきである、一つの政党だけに機関紙用紙を割当てて、ほかの政党に出さぬということは不公平ではないか。從つてこの際政党機関紙用の紙というプールをつくりまして、あらためてそれを公平に各政党に割当てよう、その公平に割当てる基準として過般の選挙におきまする得票数という基準を覚書はとつておるわけであります。この指示を受けまして事務廳及び委員会におきましては爾後連日のように会議を開きまして、また各政党の代表の方々の御意見を伺つたりいたしまして研究を重ねて來たのでありますが、根本問題につきましていろいろ意見がありまして、まだ具体的な方法の決定というところまでに行つておらないのであります。しかしこれはできるだけ早く決定をいたしたいということで、今鋭意審議を急いでおる状態であります。政党新聞の問題につきましては、大体この程度の御報告をいたしまして、何か御質問があればお答えいたしたいと思います。
#6
○松本(七)委員 最初の機構のことで御説明がありました中で、例の審議会令の問題ですが、昨年の委員会でも、委員長の報告にもありましたように、当時審議会を早く設置すべしという要望に対しては、できるだけ早くこれをやるという政府の答弁がありまして、ただいまの御説明では、何か重要な問題についてこれが解決できないために遅れたということでありますが、具体的にどういうところが問題になつたのか、御説明できればお伺いしたい。
#7
○成田政府委員 これを具体的に申しますると、実はやや事情が微妙でございますので、詳しいことを申し上げることはできないわけでありまするが、私どもの了解しておるところでは、おもなる点が二つあるのであります。第一点は從來用紙の割当につきましては、民間の業者の團体である新聞協会及び出版協会が割当原案を作成して委員会に出すことができた。それが昨年の夏、御承知の事業者團体法というものができまして、業界の團体は資材の割当の原案をつくることができないことになつたのです。從いまして新聞協会、出版協会も、紙につきましての割当原案を作成することができなくなつた。一方では、これははなはだ不便であるからぜひ事業者團体法の除外例を設けて、紙に関する限り業界の團体にも割当原案作成権を残すようにしてもらいたい。どうもそういうふうにしてくれない限り審議会令を認めることはできぬという趣旨のことを言つて参つたわけであります。われわれずいぶん努力いたしたのでありまするけれども、何分事業者團体法という法律は、全然別の見地からできたものでありまして、紙についてだけ除外例を設けるのはいかぬということでありまして、一方の希望を満たすことができなかつた。それが審議会令についての委員会の遅れた一つの理由であると思つております。もう一つは割当原案の審議の方法につきまして、なかなかまとまらなかつたというのが実情であります。
#8
○松本(七)委員 それから機構上の問題で先ほど審議会の権限と大臣の権限については、間に問題があるということでしたが、この機構改革にあたつて長官はどのようにこれを改正したいか、御希望なり御意見があろうと思いますが、承つておきたいと思います。
#9
○成田政府委員 これは事務当局者といたしましても一、二意見がございましたけれども、すでに政府案の決定を見た次第でございますから、それと異なる意見を申すのはどうかと思います。
#10
○松本(七)委員 新聞出版用紙の割当の問題で、説明書にもありますように、さつきの御説明の中にも從來割当が少かつた教科書、学習用紙その他輸出用ということが出ておりますが、この内容はおわかりでしようか、どのような需要があるのか。
#11
○成田政府委員 輸出及びその他の需要につきましては、実は経済安定本部、商工省の方の所管でございますので、その方から、御希望でありまするならば、資料をもらいまして、あるいはその方から説明いたすことにいたします。
#12
○松本(七)委員 割当廳の方ではその資料はお持ちでございますか。廳自身は……。
#13
○成田政府委員 具体的な数字については資料を持つておりません。
#14
○松本(七)委員 それでは大体輸出用が相当あるという見込みでこういう御説明をされたわけですか。
#15
○成田政府委員 御承知の通り、用紙の生産は商工省がやつておるのでありまして、その結果、できました紙をいろいろな需要部門に配分いたしますのが経済安定本部であります。経済安定本部が新聞出版用紙として割当てて、割当てました用紙をさらに直接の需要者に配分いたすのが新聞出版用紙割当事務廳の職務なのであります。從いましてこの新聞出版用紙以外の紙のどうなつておるかということにつきましては、われわれいろいろ経済安定本部あるいは商工省から話を聞きました新聞出版用紙のわくをふやすことについていろいろ折衝はいたすのでありますが、具体的な数字を申し上げる資料は持つておらないのであります。
#16
○松本(七)委員 それから政党機関紙についての司令部の覚書ですが、数字まで上げて指示が來ておるということですけれども、二十万ポンドについての公平なる割当方法、これが先般から問題になつて來た件ですが、得票数に應じて割当てるという、これがどうもわれわれは納得できない。いやしくも政党機関紙というものは、やはり購読の需要数に應じて割当てるというのが、最も妥当な行き方であろうと思うのですが、一時的な選挙による得票数によつて、現在出しておらないところにまで割当てるという結果を來すことは、どうも出版物の用紙の割当の本旨にもとるように思いますが、割当廳としての御意見はいかがでしようか。
#17
○成田政府委員 ただいまの御意見にまことにわれわれも感じておるところでございまして、今後用紙の割当をいたしまするのに、ことに政党機関紙の機能ということを考えますと、ただ選挙のときの得票数だけで割当てていいのかということは、いろんな議論はございますけれども、その点を今研究いたしておるわけであります。たとえば政党の機関紙の機能といたしまして、全國の有権者に対して呼びかけるという働きがありといたしまするならば、得票数の多かつた政党も少かつた政党も、それは全國の有権者という同じ大きさを持つた團体に対して呼びかけるわけですから、そこの数に大小があるべきはずがないという議論も十分成り立つわけであります。また過去に割当を受けて出版物を出しておりまして、しかもその需要が非常に多いという実績というものも考えに入れなければいけないのではないかという議論もあり得るわけであります。このようないろいろな議論が各方面から出て参ります、そういう意見をかれこれと檢討をいたしておるというのが実情であります。ただ、ただいまお話のありました、今まで出してもいなかつた政党に紙を割当てるのはどうか、こういうお話でありまするけれども、各政党から今までずいぶん雑誌なり新聞なりを新しく出したいという申請が來ておるのであります。民自党の機関紙等も二年前から申請が出ておるのでありまして、ずいぶん御催促をいただいておるのでありまするけれども、先ほど來申し上げました通り、新規の割当は一切停止いたしておりまして、民自党としてはどうしても新聞は出せなかつた。これは民主党についても同じことであります。また社会党が社会新聞を日刊にできなかつたのも同じような理由で、非常にきゆうくつな用紙事情のために委員会の方で新規の用紙の割当を認めなかつた結果であります。従いまして、今まで出していなかつたからということは、理由にならないのでありまして、実は出せなかつたわけであります。
#18
○松本(七)委員 そういう点から考えますと、われわれはむしろこの二十万ポンドというわくをもつと廣げる必要を痛感するのであります。一般新聞は、從來は外地にも行つておつた。それが行かなくなつておるし、それから先ほどお話のように輸出用にやはり紙が相当に行くというようなときに、この大切な政党機関紙のわくそのものをもつと廣げることは可能ではないか。むしろそういう努力を割当廳としても積極的にやつていただく必要がありはしないか、その点ひとつ御説明願います。
#19
○成田政府委員 ただいまの御意見は、二十万ポンドという政党用機関紙の用紙のわくをふやしたらということでございます。その点もわれわれといたしましては、できるならばそういたしたいということで、今研究いたしておるわけでありますが、何分用紙の余裕がきわめて僅少でありまして、その僅少な余裕を政党機関紙にも、その他各方面のまだ割当を受けません新しい部門にも若干なりとも割当てて行きたい、こういう考えがありますために、総量をふやすという問題はなかなかむずかしいことに現在なつております。
#20
○渡部委員 まず第一にお聞きしたいのは、先ほどの説明の中で、審議会の設置規定が実施されていないというお話があつたようですが、まだ実施されていない。從つて成立していないはずの審議会が重大な用紙の割当の決定をしておるということは、一体どういう法的な根拠によつてなされているのか。政府に、たとえば予算を提出する場合にも、法的根拠がない形で予算を提出したので、予算委員会では非常に問題になつている。このような場合にやはり同様に法的根拠が確かでない、つまり実施されていないところの規定によつて実務を行つているというところに、場当りのいいかげんな政治のやり方があるのであつて、こういうやり方はファッショ的なやり方だと考えざるを得ないのであります。こういう点についてどういう法的根拠によつてなされているのかという点をはつきりしてもらいたい。
 それから第二には、審議会の機構が以前と大分違つておる。二年前には、昨日私はちよつと内閣委員会で聞いておつたのですが、現在のような機構ではなかつた、また総理廳にも移されてなかつた。そこで機構の変更がなされた理由、総理廳にそれが移された理由についてお聞きしたいと思います。この点については、総理廳に用紙割当の主務が移されるに際して、全國の民主的な文化圏体がこぞつて反対したと思うのです。このことはおそらく成田さんも御承知のことと思うが、そのような全國の民主團体や文化團体の反対を押し切つてまで機構を変更し、総理廳に移したというところに、何か理由がなければならぬ。われわれのいろいろな方面からの調査、また経験等によると、その後非常に紙の統制が民主的な團体に対してきゆうくつになつて來ているという実情があるのであつて、こういう問題と機構の変更問題とが関係しているのではないかと思われる節が十分にあるわけです。その点についてお聞きしたい。
 第三には、用紙の割当の問題ですが、先ほど松本委員から、ことに政党用紙の割当のわくを拡大するようにすべきであるという御意見があつた。共産党としても、その意見に全面的に賛成であるわけです。その点について言えば、まず第一に紙が不足であると言いながら、輸出をする条件ができているという点です。輸出がなされることであるならば、國内の言論機関として、國内民主化のために非常に重大な意味を持つところの機関紙に対するわくが、まず第一に考えらるべきである。もしもこのわくを非常に制限するようなことになれば、これは物質的な意味で言論に対する統制を行うことを意味するものであつて、明らかに憲法が保障しているところの言論の自由、あるいは思想の自由というものを物質的な面から押えつけてしまう結果になるのであつて、こういう意味では憲法違反であると考えざるを得ないと思う。それからもし商業的な新聞の点からいえば、大きい新聞社は実にゆたかな割当を受けている。しかもこれは昨日私が内閣委員会でちよつとお聞きしておつたときの説明によると、既定事実によると言われておるし、また個々の新聞割当の決定についても、前月の割当量を踏襲するといつたふうに、既存の実績というものが考えられているようではあるが、しかし現在の商業的な大新聞の実績というものは、御承知のように大戰中に非常に水増しされている。これは日本の軍国主義を宣傳するために、朝鮮や満州方面にまで拡大された結果なのであつて、そういう実績は今日ではないわけである。つまり満州にも朝鮮にも新聞は行つていないのであつて、そういう点からも非常にその実績というものがくずれているはずである。從つて現在各大新聞においては、しばしば横流しをしているという説がどこにでも聞えているのであつて、おそらくは政府の方にも聞えているに違いない。もしそれが聞えていないとすれば、それは政府がそういう点について関心を拂わないからであつて、おそらくはその点ははつきりしていると思われるのです。のみならず、これらの新聞は單に新聞を出しているというだけではなくて、パンフレツトとか著書とかウイークリーとか、あらゆる形で厖大な出版物を出しているのであるが、こういうものはこの新聞社に対する過分な割当から來る余裕の結果であるというふうに考えられるのです。もしそうであるとするならば、こういう実績を実績として認めることなく、むしろこういうものをもつと削つて、ことに民主的な團体、民主的な政党の方により大きく割当がなさるべきであるとわれわれは考えるわけです。こういう点については、政府はどういうふうに、考えておるのか。
 第四には労働組合に対する割当ですが、これも御承知のように極東委員会十六條原則の第八條に、労働組合に対する用紙保障ということが明記されておるのであつて、労働組合の方でもここに書かかれているような二十二万五千ポンドというような要求ではなくて、われわれもこの労働組合の要求の際にいろいろ相談にもあずかり、また一緒に要求のための活動もしたのであるが、これはもつと膨大な数に上つているはずであると思う。そういう民主的な團体、民主的な政党に対する割当というものを非常に減じて、商業新聞や何かに余分の割当をしている。しかも今日では紙の生産量も増加する見込みであり、輸出までが考えられておるという際に、今言つたような民主的政党及び團体に対する極度の制限をつけようとすることは、非常に轉倒した物の行い方であると断ぜざるを得ないと思うのですが、こういう点についてどういうふうに考えられるか。まず以上の四つをお聞きしておきます。
#21
○成田政府委員 お答えいたします。第一の点は、設置法に基く審議会令が出ていないにかかわらず、審議会はどうして仕事をしているか、こういう御質問でございました。先ほども申し上げました通り、事務廳設置法に基く審議会令はまだ出ていないのであります。從いまして設置法のうち審議会令に関する部分は、審議会の細則がきまりませんために実行できないというような状態になつておるわけでございます。法務廳とも打合わせをいたしまして、審議会に関する規定の部分につきましては旧制度を準用いたしまして、用紙割当委員会というものが今活動しておるわけであります。
 次に商工省から総理廳に当時の用紙割当事務局が移つた事情がどうであるかというお尋ねでありますが、少しさきのことになりますので、私自身おりませんでしたために詳しいことは存じませんが、これは第一次吉田内閣の時でありまして、用紙の割当ということが一國の文化、ひいては政治経済の各方面に及ぼす影響が非常に大きいという点から、用紙の割当事務を特に重視いたしまして、商工省は各種の資材の割当をやつておりますけれども、紙は文化的価値判断を要する割当という意味におきまして、多少違うという意味で、当時の内閣へ持つて來たものであると聞いております。
 第三の輸出の点でありますが、先ほど來繰返して申し上げます通り、私としては御説明申し上げる地位にないのでありますけれども、何もあり余つておるから輸出をするというような実情ではございませんで、多少の増産を見れば、きゆうくつではあるけれども、現代の新しい経済方針にのつとりまして、むりをしても多少は出す。しかし増産のうちの一部は國内へもまわるというのが実情であるように聞いております。
 第四の、大新聞の戰爭中の水増しされた実績を、そのまま踏襲しておる。そのために大新聞社の横流し、その他用紙の不正使用の事実があるから削る余地があるのではないかという御意見でございます。大新聞の割当は、なるほど戰時中の割当と大体同じような割当を引続いて行つておるのでありますけれども、これは何も水増しした大陸方面にも新聞の出ておつた時代の量をそのまま機械的に認めたというような簡單なものではございませんで、戰後の需要を考えてあらためて割当てたわけであります。また大新聞が用紙を不正使用にしておるという点につきましては、われわれは具体的の事実を実は聞いておりません。大新聞社がいろいろな出版物を出す問題があるのでありますが、これはむしろ損紙の活用という問題でありまして、御承知の通り新聞用の巻取紙の輸送は、現在におきましては包装材料がありませんので、輸送途上の破損が非常に多いのであります。從いまして新聞社に着きましたときに、輪轉機にかからないような状態の破損を受けて到着する巻取紙もたくさんあるのであります。從いまして百万部を発行する新聞社にぎりぎり百万部分の紙を割当てますと、これらの破損のために九十万部、あるいは九十数万部しか発行できないというような状態であります。これを考えに入れまして、新聞社に対する割当につきましては、特に途中の破損のために若干量をふやして割当てておるわけであります。これは当然破損紙でつくものが多いわけであります。輪轉機ににかかりませんけれども、これをこまかく細分いたしますと、出版用紙としては使える状態の紙も多々あるために、新聞社におきましてこれを活用して出版物その他に使つておるということは、從來はこれを認めておつたわけであります。
 次に労働組合の用紙の問題でありますが、この総額を二十二万五千ポンド程度でなく、もつとふやせという御要求は、各方面からあるのでありまして、われわれも紙の総量がふえればそれに越したことはないと思つておりますけれども、何分生産されます紙の全体の量が少いために、そうしてまたそれを必要とする向きがあまりに多いために、十分これをふやすということは現在できない状態であります。
#22
○今野委員 ただいま松本君並びに渡部君の質問に対して成田さんからお答えがありましたが、第一に用紙の統制というような問題は、戦時中に情報局の指導の下に日本出版協会が始められたものでありまして、まつたくこれは言論統制としての意味を持つていたわけであります。それが戰後になつて、今度は品物の不足ということからそれを取上げて來たわけであります。私も戰後になつてその原案を作成する側の委員会に、委員として二年ばかりの間出席して、その状況をつぶさに知つておるわけでありますが、その際にやはりいつも問題になることは、こういう統制が非常に不合理であるということ、そして一日も早くやめられなければならないということ、これがいつでも問題になつて來たわけであります。ところがその当時にこれが商工省から内閣に移されて、そしてそれがさらに、いいかげんな形でなくして、はつきりした割当事務廳を法的根拠を持つてこしらえるということになつて來て、その間の経過をずつと見てみますとその間にわれわれが憂えていた言論統制的な部面というものが、非常にはつきり現れて來たわけであります。それでたとえて申しますと、昨年秋に学生新聞の統制が行われました。この説明を読んで見ますと、あたかも学生新聞に対しては、より以上の紙が行つているから――そうでないように見えるのでありますが、具体的にこれを見てみますと、戰前から長い歴史を持つた東大新聞がございますが、この新聞などはこのためにとうとうつぶれてしまつた、こういうことになつております。この東大新聞というものは、長い間の歴史を持ち、同時に單なる学生新聞というだけではなくして、日本の知識人の間に非常に大きな影響力を持ち、また知識人のための新聞としても、非常に大きな文化的な意義を果して來た新聞であります。そういうものが発行できない状態になつて、東大新聞というものは、新聞社もろともつぶれてしまつたわけであります。そういうような事情はその他にも、たとえば戰後に発足しました週刊教育新聞などにおいても見られますし、また労働組合関係の場合においても、あたかもこの労働組合にたくさん行くからいいと言いながら、現実のものを無視して、活発に活動しておるものを押える役目を現実にはしている、こういうことになつて來ているわけであります。ですから、われわれといたしましては、一日も早くこういう制度が――紙の生産が増して、こういう紙の面からする言論統制がなくなることを望んでおるわけでありますし、またそれが憲法の趣旨にも沿うわけであります。ところが今回これを御説明によりますと、輸出用のためにわくをきゆうくつにせればならぬというふうに言われておるのでありますが、それははなはだ受取れないことでありまして、これによれば、結局この一時的であると考えられておつた物資の面からする言論のきゆうくつさというものが、永遠化されるおそれが十分あると思うのです。この点についてはわれわれ文部委員会としてもあまり無関心では済まされない問題ではないかと思うのです。できるだけ言論というものの自由を尊重する立場からすれば、紙というような文化資材は、輸出にまわすよりも、むしろ輸入してもこれを補うようにしなければならない。ミシンとかそういうようなものとは全然意味が違うじやないか、そういうふうに考えられるのであります。その点について、実は本多さんの御意見を伺いたいと思うのですけれども、しかし今日見えておる成田さんからも、その心についてもつとはつきりしたお答えをいただきたいと思います。
 それから第二に、新聞の問題でありますが、商業紙とそれから政党用紙とか組合紙というふうにわけますけれども、この厳然たる区別というものは、私はないと考える。たとえば読売新聞というものは、これは公の席上において、はつきりとわれわれの立場は反共であるということを公言しておるのです。そうしてみますれば、これは否定的な意味において、やはり大きな意味での政党機関紙と見られないこともないと思うのであります。一方において、たとえば共産党の機関紙として出ておりまする「アカハタ」という新聞は、その紙面をごらんになればわかりますが、單に政党の機関紙としての役割だけではなくて、機関紙と銘は打つてあるけれども、それだけではなくて、廣く労働者や農民の人たちに情報を提供する。そういうような一般の新聞では取上げられておらない労働界の事情とか、そういうふうなものを御紹介するという一般紙的な面も持つておるわけであります。これは非常に紙面が小さくなつて、ことさらにそういう面の取上げ方が少くなつて來ておる新聞の欠点を十分補つておるわけであります。そういうような一般紙的な意味も持つておる。ですから、商業紙と機関紙といつたふうな区別は、將來日本が十分安定した後においてはいざしらず、現在のような状態においては、嚴重な区別というものは、なかなか設けられないものであると考える。しかるにこの「アカハタ」の場合で申しますと、これは商業紙の範疇からは、從來除かれておつたわけでありまして、今回政党機関紙というわくの中にそれをはめて、それを今度は狭い意味で解釈して、この割当をしようということになりますと、今までの実績というものは、むろん重んぜられない。またこういうプリンシプルで、かりに投票数に應じてというようなことになりますと、たとえば民主自由党の場合には、今度は非常に多くなる。そうしてその多くなつた規模において新聞の発行のための印刷準備とか、そういうものをかりにつくつたといたしますと、この次の選挙で――これはかりにですよ、かりのことですから氣を悪くしないでいただきたいのですが、かりに票数が減つたとすると、またそれを縮めなければならぬというような、非常に混乱を引起すような統制の仕方になるわけです。その点においても、さつき言われたようなやり方でやるということは、非常に現実にも即さないし、將來においても混乱を招くやり方である、こういうふうに考えるのですが、その点もお伺いしたいと思うのです。
 なおもう一つは、この表で見ても明らかでありますが、新聞用紙は戰時中の増大のために、非常にわくが大きくなつております。そうして新聞と出版の比率というものは、戰前と戰後とはまるでお話にならないくらい違つております。戰前は新聞の方が出版用紙の三倍弱であつた。ところが今日においては六倍になつておる。こういうふうに出版用紙というものは、非常にわくが縮められておる。私も雑誌の割当やその他のことをやつていまして、いつでも考えたのでありますが、そのためにさつぱりおもしろい雑誌ができないのであります。そのために、日本の文化的な向上というものの上に、非常に大きな損害があつたと思うのです。こういうような点についても、ことに大新聞の圧迫というものが非常にあるように考えられる。
 なお、この際申し上げておきたいのですが、新聞出版以外の用紙というものがありますが、これの使い方などについても、実にひどい使い方がされておる。教科書などはいたし方がありません。しかしノート用紙などにつきましては、これをたくさん横流しして、それに上つて書物がつくられ、また雑誌が発行されておるというような事実がたくさんあるわけであります。それから新聞の場合でも白損と言われておりますが、この白損というもののけじめが十分つけられないために、そういう各目のもとにたくさんの出版物が現に出されております。そういうような点について、たびたびわれわれの新聞「アカハタ」紙上なども指摘しておるわけであります。これについて何らお取調べがないという話ですが、これは十分調べて、そういうものをやめるようにしなければいけないのではないかと考えます。それらの点についてお答え願いたいと思います。
#23
○成田政府委員 第一の輸出の問題でございますが、これは必ずしも輸出ばかりということでございませんで、今まですでに一定量の用紙を輸入したことがございます。また今後も、できれば原木あるいはパルプの形において輸入したいという希望を、商工省の方では持つておるようでありますから、おいおいそういうことにもなるのではないかと思つております。
 次に政党用の機関紙、それから組合機関紙、商業新聞というようなものの間の限界は、はなはだつけにくいのではないかというお話がございましたが、これは御説の通り、一般日刊紙の中のあるものが、特定の政党に非常に同情的な立場を持つというようなことが十分あり得ることは、われわれも承知しておるのでありまして、一般の日刊新聞がとる立場、その主義方針はいろいろあり得るのでありましようが、これは各政党にいわば平等に開放されておるわけであります。これはその点においては自由があると思うのであります。先ほど來申し上げました政党機関紙と申しますものは、もつときわめて狭い意味のものでありまして、現在考えておりますところでは、紙面にはつきりと何々党機関紙と銘を打つて、そうしてその政党の政策綱領なりを啓発するためのもの、あるいは党員に対する連絡、指示事項を記載する。もちろん、それに限定されませんで、一般國民大衆に対する宣傳啓蒙の機能も持ち得るわけでありますけれども、そういう意味におきまする狭い意味の機関紙ということを、われわれは考えておるのであります。それ以外に、國内にたくさんあります一般新聞を各政党が利用されることは、それとは全然別の問題ということになるわけであります。
 次に大新聞の紙が悪用されているのではないかという問題でありますが、これは大新聞に限りませず、一般新聞に割当てました用紙が不正使用されているかどうかということは、割当事務廳におきましても、監査しておるわけであります。人数が足りませんために、十分というわけには参りませんが、発見いたしました場合には、適当の処罰をしておるわけであります。
 大学新聞の問題は、先ほどのお話では、東京帝大新聞を非常に減らしておるのではないか、そのために帝大新聞が少くなつたというようなことでございましたが、事実はその通りでありますけれども、帝大新聞は、戰爭中に東京の各大学の学生新聞を統合いたしまして、東京で一つの学生新聞というものの発行が許された。そのときに、用紙の量といたしましては、その以前に名大学が受取つておつた用紙量を合せたものを、東京帝大新聞がもらつたわけでありまして、戰後も引続いてその割当を受けておつたわけであります。あの新聞が学生の新聞たるにとどまらずして、一般文化人、知識人のために、非常にいい新聞となつておつたということは、御同感でありますけれども、学生新聞に対する割当を平等にやろうという、新しい基準を定めますに際して、東京帝大新聞だけ特別な扱いにするわけには行かぬという、むしろ各大学に対する公平な割当ということを主眼に置きましたために、はなはだ帝大新聞にはお氣の毒でありましたけれども、前の状態に帰つてもらうという趣旨におきまして、東京帝大新聞をプールの中に入れまして、そうして再配分いたしたようなわけであります。
#24
○今野委員 ただいまの答弁の中に、遺憾なく統制の本質があると思うんです。というのは、東大新聞の場合には、戰時中ああいうふうになつたんだから、そういう新しい役割を果たすようになつたにしても今度は公平の立場から切つたという。それから大新聞に対しては、やはり戰時中にああいうふうになつたわけです。それにもかかわらず、これは実績をたつとんでこうやるという。そういうふうな非常に便宜的な論理を弄して、そうして結局においては、ある方向に言論を統制するという役割を、そういう論理のからくりを使つてやるという、こういうようなところが遺憾なく見えておるのではないかと思うのです。そういうことをわれわれはおそれたればこそ、こういうような紙の面を通ずる言論統制を一日も早くやめなければいけない、こういうことを申しておるわけなんです。これは用紙割当の規定を見てみますと、そのうちに、この規定を通じて言論統制に類することをやつてはならないということを、到るところに注釈みたいに入れておりますが、そのこと自身、つまりこれがいかにそうなりやすいかということを示しておるわけであります。その点について、現在までのところ十分割当規制に盛られておる反省が行き届いていないように感ぜられるのですが、その点についてどうお考えになりますか。成田さんがさつき言われたことと矛盾を感じられないかどうか。
#25
○成田政府委員 ただいま今野委員から、学生新聞については戰時中の統制を今になつて改める、一般新聞については戰爭中の実績をそのまま認めたというお話がございましたが、これはやはり学生新聞と一般新聞との性格が根本的に違うという点から來るのであります。学生新聞は御承知の通り、先般割当をした意味におきまする学生新聞と申しまするものは、ある学校の生徒の間に読まれる新聞、生徒に対する教育あるいは連絡という意味の新聞でありますから、これに平等に割当てることになりますと、その数がはつきり出て來るわけであります。大きな学校にはたくさんの紙を與える、小さな学校には少ない部数で済むだろうということで、はつきり数が出て來るのであります。一般日刊紙は、それとは全然性質が違うのでありまして、國民全体に対して開放されておる新聞であります。幾らでも伸び得るものであり、また需要に應じて伸ばしていい新聞である。そこから來る措置の差異ということになるわけであります。
#26
○今野委員 どうも、ただいまのことは十分受け取れないのです。大学新聞の場合も、やはり一般的な性格を帶びていたと思うのです。そうしてその読者は、東大の関係者のみならず、ずつと廣まつておりました。そうして非常に一般性を持つていたわけです。ですから、学生新聞のわくをきめることが必要であれば、それはよろしい。だが、そのわく外に、やはり今までの実績を重んじて、それに用紙を割当てるべきじやないかと思うのです。そういわくをきめるということを名目にして、それをつぶしてしまうというような処置は、はなはだ言論を圧迫する措置であるとわれわれは思うのです。今回においても、私は民主自由党が今度多数の票を得たことに対して非常に敬意を表します。だが、それに対して紙を割当てるのなら、新しく割当てればいいので、それを新しく割当てることはできないといつて、今度は何か形式的なわくでもつてやるというのは、どうも変に思うのですが……。
    ―――――――――――――
#27
○岡(延)委員 実はずいぶんこの委員会の回数も開かれたのでありまするが、法案がまだ提出されておりません。しかしながらわれわれはいろいろな問題について聞きたいこともたくさんある。われわれが聞く場合には、きわめて簡単に要点だけを当局から聞こう、こういう心構えでおります。ところがずいぶん回数も多く開かれたのでありますが、共産党と社会党はその点非常に仲よくやつておられるようでありますが、しめし合せたかのように、この委員会の時間をほとんど独占するかのごとく、これはきわめて意識的じやないかと思われるようにやつておられる。われわれは缺つておりました。しかしながら、まあいつかは自粛してくださるだろう。私はいつか正式にではなく、委員は二十五名いるということを認識してもらいたいということを申したこともあつたのですが、その意識のもとに立つてやつていただきたい。要するに二十五名いるという、こういう観点に立つて、適当に持時間というものをわれわれにも讓つてもらいたい。フアツシヨというものは、いずれの場合でもいいのではありませんけれども、この段階においてこの委員会を見ておると、少数の言論フアツシヨである。私はむしろ、フアツシヨである場合には、多数フアツシヨの方がより民主的であるとかように考えます。現存は少数フアツシヨである、こういうことになつております。これはひとつ適当に自粛していただくか、委員長あるいは理事において正式に取上げてもらつて、どうしてもそれができないとあらば、あるいは常任委員会においてはその例はないかもしれませんが、本会議あるいは予算委員会等においてやつておるように、各党の議員数によつて時間の按分比例をとつて、適当に調節する。そこまできゆうくつにならなくともよろしいと思いますけれども、その辺を何とかうまく行かないものか。そうでないと、われわれ聞きたいこともたくさんあるのでありますが、いろいろ停滞しておる問題がたくさんあります。要するにとうとうとして意見を述べられ、どこかしらに向つて大演説をするというような態度が非常に見えるのでありますが、そうでなく、今までかかつておるのは、説明とか何とかでもつて、きわめて簡單なことが多いのですから、ごく箇條書ぐらいで、この点とこの点とを聞きたいのですがどうですか、というふうにしていただくと、きわめて短時間に、きわめて能率的にこの説明を聽取することができるだろうと思う。どうか委員長におかれても、各理事におかれても、そういうような氣持でもつてひとつやつていただきたいし、また各政党を代表して出ておられる委員の方々も、繰返して申しますが、この文部委員会でも、どこでもそうでありますが、常任委員会は二十五名いるのだということを認識していただきたい。以上であります。
#28
○原委員長 委員長としましては、法案が出てから、質問の通告順によつてしようと考えておつたのでありまして、まだ法案がないので、発言を求められた人に発言をしておるようなかつこうでありますが、法案がなくとも、ただいまの岡君の御意見もありますので、発言はどういうふうにするかということは、いずれ理事の方と相談の上決定いたしたいと存じます。
#29
○松本(七)委員 ただいま委員会の運営について重要な御発言があつたのですが、われわれ決してしめし合わせて、しかも独占しようなどと考えておるわけじやないのです。ただいま委員長が言われたように、法案が出れば、いずれ通告して、順を追つてやるのですが、あまり出題がいろいろ多いので、なるべくたくさん委員会を開いてもらつて、みんなで研究し合つておこうという趣旨でやつておるわけです。御発言があれば、幾らでもわれわれ皆さんの御意見も聞きたい、こういう氣持で出ておりますから、その点はひとつ御了承を願いたいと思います。
    ―――――――――――――
#30
○松本(七)委員 長官にもう一つお聞きしておきたいのは、割当について、昨年もいろいろ新聞用紙の不正使用につきまして、圓谷さんその他から質問のときに例をあげられたのですが、ただいま今野さんの御質問と、それに対する説明の中にもありますように、用紙の使用が適正を欠いておるものがあれば調査の上削減したり、あるいは停止の処分も行つている、こういう御答弁と、それから先ほど渡部さんの御質問の、不正横流しの事実についての御答弁のときに、そういうことは少しも聞いておらないというお話があつて、何だかそこに誠意を欠いたような感じがしたのですが、それを伺つておきたい。
#31
○成田政府委員 簡單に御答弁申し上げます。今野委員の御質問がさきにございましたが、学生新聞は学生の数に應じて整理をするのもよかろうが、東大新聞のごとき文化新聞として意義あるものは、別に考えたらどうかという御意見でありました。私どもも当時その点はずいぶん考えて、何とかして別に文化新聞として残してもらう方法はないものかということを研究いたしたわけでありますが、何分東大新聞が非常にすつきりしたいい新聞として発達はいたしたのでありますけれども、そのもとは各大学の学生新聞の実績を統合したということでありましたために、それを残すということがどうも公平上りくつが通らないというようなことになりまして、やはり学生数一本やりで行つたようないきさつであります。また政党の新聞につきましても、今までの割当の分とは別に、新規に割当てたらいい、これもまことにごもつともな意見と思うのであります。紙の量が十分にありますれば、今までの割当はそのままといたしまして、同じ割合で新規申請に対して、どんどん新しい割当をいたすということは可能でありましようけれども、何分乏しい紙を公平に割当てよう、こういうやり方でございますので、今までの割当をそのままにして、わずかの紙を新しい申請にわけるということになりますと、かえつてそこに不公平が起る。三年前に申請した新聞は潤沢な用紙を割り当てるために、今新たに受けるものは政党の大小とは全然別に紙の量が異なるというような結果になりますために、むしろ全体を一緒にいたしまして、それを新しい基準で公平にわける、こういうような方式を提示して来たのだろうと思うのであります。こういう点につきましては、まだせつかく研究している段階であります。
 次に不正事実があつたので適当処分したと言い、あるいは不正事実を聞いておらぬということを言つたのは矛盾ではないかというような御質問がございましたが、私の御説明が、言葉が足らなかつたかもしれませんが、不正事実を聞いていないと申し上げましたのは、大新聞についてということを申し上げたのであります。もちろん大新聞につきましても、何か不正事実があれば、われわれはそれを調べまして、適当な措置をとるつもりでございますが、今まで具体的なことを聞いておらないということを申し上げたのであります。また別の場合に不正事実に基いて処分をしたということを申し上げましたのは、いわゆる大新聞でありませんものに二、三そういう例があつたことを当時申し上げた次第であります。
#32
○松本(七)委員 大体この程度で休憩に入つていただきたいと思いますが、先ほどの運営について、もう一つだけ希望を申し上げておきたいと思います。われわれも與党のときは、どうしても発言が遠慮がちになり、控え目にならざるを得ないので、野党となればどうしても発言が多くなりますし、特に根本的に立場の違う者が政府の的確な答弁を求めようとする場合には、どうしてもこちらの主張を述べながら理解を深めてもらつて答弁してもらいたいという氣持になりますので、この点ひとつ與党側の方でも十分考えていただきたいとお願いいたします。
 大体午前中はこの程度にして午後二時まで休憩せられんことを望みます。
#33
○原委員長 松本君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#34
○原委員長 それでは休憩いたします。
    午後零時四十八分休憩
     ―――――・―――――
    午後二時四十四分開議
#35
○原委員長 休憩前に引続いて会議を開きます。
#36
○松本(七)委員 用紙割当につきましては割当廳の方から資料が少しも参つておりませんから、委員長から資料の提出を求めていただきたいと思います。たとえば新聞用紙割当表、府縣別の割当状況調べ、審議会の委員名簿、そういつた関係資料を求めていただきたいと思います。
 なお先ほど成田長官の御答弁で、事務的なこと以外には大臣の出席を得なければ答弁できないというようなこともございましたし、それから輸出あるいは紙の生産状況などは、商工省あるいは安本の関係官の説明を求めなければならぬ事項が相当まだ残つておると思いますので、次の機会に本多國務相並びに商工省、安本の関係官の出席を求めて、再び審議を止められるよう委員長にお願いしたいと思います。
#37
○原委員長 それでは松本君の御要求になりました用紙割当関係資料をこの次の委員会までにお願いいたします。
 それからこの次の委員会に本多國務相、安本、商工省の用紙関係の方に委員会に出席してもらうことにいたします。ほかに御質疑ございませんか。
    ―――――――――――――
#38
○原委員長 この際日程を追加いたします。法隆寺災害問題に関する件を議題に供したいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#39
○原委員長 御異議がなければ法隆寺災害問題を議題といたします。
 これより懇談会に入り、武藤專門員より説明を聽取します。武藤專門員。
     ―――――・―――――
    〔午後二時四十七分懇談会に入る〕
    〔委員長退席、松本(七)委員長代理着席〕
    〔午後三時十三分懇談会を終る〕
     ―――――・―――――
#40
○松本(七)委員長代理 速記を始めてください。
 何か御質問ございませんか。
#41
○今野委員 この法隆寺の問題について、いろいろ話もありますけれども、本日はほかの問題もあるので、ちようど柴沼局長が來ておられる機会に関連して伺いたいことがあるのです。
 先日日本タイムスによりますと、何でもボストンの博物館のスタツフの人たちが来て、仁徳帝の御陵発掘をやるというお話でありますが、そういうようなことはやはり國宝保存という関係と重要な関係を持つ問題になるのではないかと思うのです。文部委員会にはまだ話が出ていないようですが、報告されてしかるべきではないかと思います。
    〔松本(七)委員長代理退席、委員長着席〕
#42
○柴沼政府委員 仁徳陵関係の発掘のお話は、私も実は間接にうわさの形で聞いておる程度であります。と申しますのは、御陵関係のことは今日におきましても依然宮内府に属しておりますので、文部省の方は直接それには干與しないことになつております。そのために私たちの方には、何も話が來ないということでありまして、御報告申し上げる材料を実は全然持つておらないような状況であります。
#43
○今野委員 ただいまのお話ですと、宮内府に属しておるということですが、いずれにせよこの問題はやはり今後もずつと起ることだし、仁徳陵そのものは日本における陵の中の一番大きなものです。それでまたいろいろな古代文化を研究する上にも非常に重要なものだと思うので、これが発掘されて、どんどん海外に運ばれるというようなことになりますと、こういうような面からも日本における今後の学術研究にいろいろさしつかえると思うのでありまして、その点この委員会としても何か考えなければならないじやないかと思うが、文部省としてはこの処置についてどういうふうにお考えになりますか。
#44
○柴沼政府委員 ただいまの御発言は私たちも同感でございます。これは事柄といたしましては、史跡としてわれわれが取扱つておりますものと非常に密接な関係がございます。從いましてもしそういうふうな発掘の許可が出るような場合がありますときには、ぜひ宮内府とも密接な連絡をとつて、將來貴重な資料が散逸しないような方法をとらなければならないだろう、こういうふうに考えておるのでありまして、こういう点につきまして國会が御活動願えれば、われわれもたいへん仕事がやりよくなるわけでありまして、非常にありがたい次第と存ずる次第であります。
#45
○渡部委員 今、今野委員から述べられた問題は、全体として國民の、あるいは民族の文化的遺産に関する問題となつて來るわけだと思います。この文化的な遺産に関する取扱方の上で、法隆寺問題も連関して來るわけでありますが、今まで法隆寺問題の責任がどこにあるかということが、多少議論されたわけでありまして、その点については、私は今日詳しいことは申しあげませんけれども、しかしこれを單に電氣座ぶとんの責任に帰したり、また現場で働いている若干の人々の責任に帰したりして、問題を解決するというようなことがあつてはならない。その根本はどこにあつたかという問題は、今後の文化的な遺産を取扱う上に非常に重大な意味を持つと思うのです。それで昨日も民主團体の人たちが見えて、文部省の方とわれわれと同席していろいろお話したときの話ですが、やはり問題は、当局の人たちもこういう結果が起きたのは、その局に当つている人々の精神的な弛緩もあつたということを話されたし、今の專門員のお話の中にもそういう言葉が見えたわけですが、ここにやはり重要な問題があるようにわれわれは考えるわけです。決して当事者という意味は、あそこの修理機構で見るように、非常に複雑なものであつて、われわれの考えるところによると、また実際調査したところによると、こういう機構全体がそれにふさわしい活動をしなかつたということ。もつと明確に言えば、活動する能力を持たなかつたということが、全体として法隆寺問題のようなものを引起した原因になるのであつて、われわれはその責任を考える場合に、單に消極的にだけ問題を見るのではなくて、今後このようなことが文化的遺産の上に起つてはならない、どうしてもこれを完全に保存管理するための方法が見出されなければならない。それをりつぱな形で実現して行くことが、積極的な意味での責任を果すことになるだろうとわれわれは考えるわけです。そこで文部委員会としましては、今後の國宝の保存管理の方法について、今までなされて來たあり方に根本的な檢討を加えて、新しく完全な形で國宝が保存管埋できるような機構をつくり出して行く必要がある、同時にまたそれに必要な経費をも考える必要があるのじやないか。この法隆寺問題の責任問題というものは、積極的な意味で考える場合には、そういうところにわれわれとしては積極的な責任というものを見出す必要があると思われるので、今後委員会としても当然こういう問題を取上げて、積極的に國宝の保存管理に必要な事柄について、文部委員会は責任ある行動をするようにしてはどうかと考えるわけです。そういう点について、文部省の方の御意見もお伺いしたいし、文部委員の皆さんの意見も聞いて、それに対して積極的な行動に移つてはどうかと思うわけです。
#46
○柴沼政府委員 國宝の保存に関します機構の問題、あるいはそれにさらに関連いたしますいろいろな法規の問題等につきましては、実は数年前からわれわれの方でもいろいろ研究をいたしておるのでありまして、若干の結論はあるのでありますが、しかし事柄は非常に重大でありますので、もし國会の方におきまして、これら法規の改廃、制度の改正について御審議願うということになりますれば、われわれの方は持つております資料を全部こちらに提供いたしまして、御協力申し上げたいと思つております。また実際にも先般來参議院の文部委員会につきまして、若干の資料を提供しておるような事実もございます。また衆議院の文部委員会につきましても、これはごく下話ではございますが、專門員と二、三意見を交換しておるような点もございますので、われわれはできるだけの御協力を申し上げまして、もつとよい制度を考え出すことができますれば、まことにありがたいと考えておる次第でございます。
#47
○渡部委員 この機会は、國宝とか文化的遺産とかいう問題について、今までにない國民的な関心も高まつており、もちろん國会における関心も今までになく高まつているときだと思うのです。同時にまたこういう問題が起きた場合に、一体どこに原因があつたのかという問題も、これを嚴密に檢討して行くことによつて、われわれは初めて眞劍に見出すことができるし、從つてこれに対する積極的な対策も立ち得る條件が備わると思うのです。委員会としてはぜひこういう文化的な問題を発展的に解決する仕方として、積極的な行動に協力していただきたいと思うのであります。
#48
○松本(七)委員 ただいまの問題は、参議院で今政府委員の御説明の通りに、すでに國宝保存法の改正をめぐつて、独自の立場から文化財保護法というようなものを制定したいというような動きがあると聞いておりますが、委員長の方でまたあらためて機会をつくつていただいて、國宝問題を中心に、國宝保存法をどういうふうに改正すべきか、あるいは國宝保存会の機構の改革とか、また民間では國宝保存会議設置法というようなものを、國宝保存法の改正の有無にかかわらず、設置すべしというような強い意見も出ております。そういうことを参議院と密接に連絡しながら、衆議院でもその改正の問題を積極的にやるような機会をつくつていただきたいと思います。
#49
○原委員長 ただいま渡部君、松本君からのお申出につきましては、参議院の方の情勢も探り、その上で理事会に御相談の上決定いたしたいと思います。法隆寺問題はこの程度でいかがでございましようか。
    ―――――――――――――
#50
○原委員長 それでは過日の委員会においてお話のありました登呂遺跡の問題を議題といたします。
#51
○岡(延)委員 登呂遺跡調査会補助の問題でありますが、この登呂遺跡調査会に対する補助の問題は、第一回國会において請願が採択されて以來、文部委員会においてはこれに対して重大な関心を拂つておつたのでありまして、その具体的現われとしまして昭和二十三年度から五箇年計画でもつてこれに補助して行こうということになりまして、昨年はこの調査会に五十万円の補助が行われておつたのであります。それから厚生省その他から三十五万円を拉致し來りまして合計八十五万円を補助しておるのでありますが、今年の予算書を見ますと、それが零となつておるのであります。なるほどわれわれも今年の耐乏予算の状況等は承つてはおりますけれども、先ほども法隆寺の問題に関しまして武藤專門員からるる話がありましたように、アメリカのハーバード大学のウオーナー博士は、日本の古美術等を守るために、京都、奈良の爆撃をやめさせ、日本の國宝その他を守つてくれたのみならず、法隆寺の焼失に際しては、絶大の関心を拂われたということであります。しかもウオーナー博士の古美術その他こういう文化財に対する考え方は、実に粛然としてえりを正すような心持を承りまして、まことにただいまも感激したような次第であります。ところがわが日本は文化國家たらんとするやさきに、こういう登呂遺跡調査会補助のごとき、きわめてわずかの予算であるにかかわらず、これを零にしてしまうことは、われわれは眞に文化國家たらんとしておるのかどうか、そういうことを列國に疑われてもしかたがないではないかと思うのであります。聞くところによりますと、この予算面においては零となつておるが、何らか他の予算からこちらの方へ充当されるようなことも仄聞はいたしておりますけれども、そういうことではどうかと思われます。またこういう遺跡などというものは、一年放つて置けば、あるいは破壊され、あるいは散逸するというような性質のものでもありますし、すでに継続補助ということが決定されたような性質のものでありますから、そういう意味からもこれをいかに扱わんとするのであるか。また他の費目からこれを流用するとすれば、幾ばくがこれに充当されるか、それらについて文部当局のはつきりした御方針を承りたいのであります。
#52
○茅政府委員 ただいまの御意見、当局としても同感のいたりでございます。当初文部当局としても、やはり五箇年計画を遂行するために、予算を組んで大藏当局と折衝いたしたのでありますが、御承知の通り科学研究費という相当多額の研究費がございますので、大藏当局の意向として、この研究費の中から支出する方が、より合理的ではなかろうかというような意見もございました。しかしわれわれとしましては、ぜひこの五箇年計画を完成したいというために、強く大藏当局と交渉したのでありますけれども、しかし一面いろいろな点から考えまして、この科学研究費の方が相当多額の増額を要求しておりましたので、この方面から支出する。しかもこの科学研究費というものは、今回日本学術会議ができまして、科学者の総意によつてこの研究費をどのように能率的に有効に使うかということを研究することになりましたので、この登呂遺跡についても、どの程度の経費をこの方面に振向けるのがいいかということは、これは研究者の総意によつて、ことに人文科学方面の研究者の價にこの價値を知つておられる方々のお心持によつて、研究費を支出する方がいいのではないかという点もありますので、これに同意した次第であります。どの程度経費を支出し得るかということは、これは文部省内に約百五十名の委員によつて構成されるところの科学研究費配分審議会ができる予定になつております。この審議会が今月のうちに発足いたしまして、この問題についても十分檢討を遂げて、この五箇年計画が遂行されるような案を立て得るものと、私どもは確信しておるのでございます。
#53
○岡(延)委員 文部当局の御方針は承りましたが、どうかこの審議会と密接なる連絡をとられて、文部委員会が最初から要望しているように、昨年は五十万円でありましたが、より多額の補助金が交付せられるよう善処せられんことを希望いたしまして、私の質疑を終ります。
#54
○茅政府委員 お志のほど、この審議会によく傳えまして、審議会が愼重なる審議をいたすようにいたしたいと存じます。
#55
○原委員長 それでは速記をとめて……。
    〔速記中止〕
#56
○原委員長 速記を始めてください。
 それでは取急ぎの問題についてはこの程度にいたしまして、本日はこれにて散会いたします。
 次会は追つて公報をもつて御通知申し上げます。
    午後四時六分散会
ソース: 国立国会図書館
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