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1965/06/22 第51回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第051回国会 科学技術振興対策特別委員会科学技術行政に関する小委員会 第5号
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1965/06/22 第51回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第051回国会 科学技術振興対策特別委員会科学技術行政に関する小委員会 第5号

#1
第051回国会 科学技術振興対策特別委員会科学技術行政に関する小委員会 第5号
昭和四十一年六月二十二日(水曜日)
   午後一時三十四分開議
 出席小委員
   小委員長 岡  良一君
      菅野和太郎君   小宮山重四郎君
      纐纈 彌三君    中曾根康弘君
      前田 正男君    河野  正君
      原   茂君    内海  清君
 出席政府委員
       総理府事務官
       (科学技術庁長
       官官房長)    小林 貞雄君
       総理府技官
       (科学技術庁計
       画局長)     梅澤 邦臣君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 科学技術行政に関する件
     ――――◇―――――
#2
○岡小委員長 これより科学技術行政に関する小委員会を開会いたします。
 科学技術行政に関する件について調査を進めます。
 本小委員会は、本年二月十日設置されてより、わが国の科学技術行政全般にわたり、その問題点、今後のあり方等について熱心に調査してまいったのでありますが、調査の経過について委員会に報告する小委員長報告要旨がまとまりました。
 まず案文を朗読いたします。
    科学技術行政に関する小委員長報告要旨
    (案)
  一国の産業経済の発展、国民福祉の向上は、科学技術の進歩発展に支えられている。最近のわが国経済の発展も科学技術の進歩と技術革新の進展に負うところ極めて大きかったことはいうまでもない。
  しかしながら、これは主として、欧米先進諸国の技術を導入し、これを消化し得たことによるものであると思われる。開放経済体制の下、わが国が他の先進諸国に伍して、更に一層の経済発展と国民生活の向上を図っていくためには、今こそ、外国技術依存を脱却し、独創的な国産技術の開発に努めなければならない。
  このような観点から、本小委員会は、去る二月十日設置以来、関係各分野から参考人を招致しその意見を求めるとともに、関係資料を参考として、検討した結果、予算の画期的増額、研究開発体制の飛躍的前進等、わが国科学技術行政上の問題点に関する意見を、次のごとくとりまとめ本委員会に報告する。
  本報告に関しては、政府が責任をもって措置すべきである。
 一、科学技術関係予算の大幅増額
  現代においては、研究投資は、国民の英知が自然界の諸法則を探求しその成果に基づいて経済の繁栄、国民福祉の向上をはかるもっとも緊要な投資である。しかるに次にかかげるごとく、わが国全体の研究投資の国民所得に占める比率は、欧米諸国に比べて格段の低率であり、しかもこの研究投資に占める政府の負担割合もこれら諸国に比較して極めて低率となっている。
  したがって、政府は、科学技術振興の重要性を認識し、長期計画を策定し、これにのっとって、わが国の研究投資の対国民所得比が、現在の諸外国における比率(ほぼ二・五%前後)をすみやかに達成するよう所要の措置を講ずるとともに、政府の科学技術関係予算の大幅増額をはかり、科学技術の画期的な振興を期すべきである。
  なお、重点政策の予算については、原子力関係予算のごとく予算の一括計上を行ない、その運営においても、単年度主義にとらわれず、予算の効率的、かつ弾力性ある運用が必要である。
  科学技術の分野においては、研究開発、調査の面において、当面、予想しがたい資金需要がおこるのである。従って、これに対応するため、特別研究促進調整費のような研究調整原資は、大幅に増額すべきである。
   (資料一) 研究投資の比率(本号末尾に掲載)
 二、研究体制の整備
  基礎研究、応用、開発研究を経て企業化試験までの一貫的体制の整備が必要である。現在、基礎研究は、主として、大学に委ねられ、各省庁もまたそれぞれ試験研究機関を設けている。しかし、科学の発展が要請する総合性および計画化は、これら各機関における研究の総合的推進により始めて成果が期待できるものであるので、科学技術庁の総合調整機能をいっそう強化するとともに、これら機関を計画的に集中することによって研究環境の改善、共同研究の促進等試験研究を効果的に行なうことのできる研究学園都市の建設を早急に推進する必要がある。
  なお、必要に応じ、試験研究機関の所管をも考慮しつつ、基礎から開発にいたる一貫体制を整備して、施設、設備、予算、人員等の総合的効率的運営を可能とするよう努めるべきである。
 三、民間技術開発の助長
  イ 科学技術が革命的に発展しつつある技術
   革新の時代において、わが国の産業はなおその多くの部分を外国の技術に依存している。
   (資料二) わが国の技術導入(本号末尾に掲載)
   (資料三) わが国の技術輸出(本号末尾に掲載)
 従って外国技術の導入に関しては、単に経済的見地のみならず、国産技術育成の見地から、その審査機能を充実し認可の適正を期するとともに、その動向を的確に把握し、外国技術に対抗しうる国産技術育成のための施策の策定に資すべきである。
  ロ 発明の奨励とその企業化の推進
   国民の創意、工夫に基づく発明の奨励と共に、その企業化のための試験および開発に要する予算は大幅に増額すべきである。
   (資料四) 発明実施化試験費補助金交付実績(本号末尾に掲載)
   (資料五) 新技術開発事業団に対する政府出資金(本号末尾に掲載)
   (資料六) 日本科学技術情報センターに対する出資金および補助金(本号末尾に掲載)
  ハ 特許行政は、一大刷新計り特に審査機能を充実し、その迅速を期すべきである。
    次の如き実情においては、折角の国民の創意、工夫をいたずらに地下にうもれしめるものといわなければならない。
   (資料七) 特許実用新案の出願および処理件数(本号末尾に掲載)
  二 企業の研究投資ば近時相当程度の増加をきたしているが、諸外国に比して未だ低いので、さらにその努力をいっそう助長する必要があり、とのため、たとえば、試験研究準備金制度、新技術研究開発促進のための所得控除制度のような画期的な税制上の措置を講ずる必要がある。
   (資料八) わが国の産業別研究費の売上高比率(本号末尾に掲載)
  ホ 中小企業における技術の共同研究は、未だいたって未熟である。従って単に、税制措置のみならず補助、助成および技術指導等においても国が積極的な施策を行なうべきである。
   (資料九) 資本規模別にみた共同研究を行なっている企業数(本号末尾に掲載)
   (資料十) 研究組合数(本号末尾に掲載)
    共同研究は、単に中小企業にとどまらず、大企業においても共通の分野においては、その共同化を積極的に推進すべきである。
  ヘ 国民一般の科学技術に関する理解と関心を高め、科学技術振興の基盤を確立するため、政府は、自らまたは関係団体の助成措置により、国民に対する科学技術に関する知識および思想の普及および啓発に関する諸事業を総合的に推進すべきである。さらに、ぼう大な量にのぼる科学技術に関する情報の迅速かつ的確な流通を確保することも必要である。
 四、科学技術行政機構の整備
  技術革新の今日、各国はそれぞれ、行政機構の整備に努め、時代の動向に対処せんとしている。
  わが国においても行政機構の整備については、臨時行政調査会の答申に示されている科学技術行政にかかる政策決定機能および総合的企画調整機能の強化等の趣旨に基づき、行政監理委員会において検討しているところであるが、科学技術の進展に即応した適切な行政機構整備を進めるべきである。
 五、科学技術基本法の制定
   科学技術基本法については、各方面における格段の努力にもかかわらず、本国会に提案の運びに至らなかったことば、きわめて遺憾である。
   わが国の繁栄および人類文化の向上に重要な役割をになう科学技術を長期計画的に振興するうえでその統一的指針となる科学技術基本法を制定することは、国家の将来のため必須のことである。政府と国会はすみやかに科学技術基本法を制定すべきである。
 六、国際協力の強化
   科学技術の国際協力は、文字通り世界的規模において推進されなければならない。このため、政府は、国際機関を通じて、あるいは直接、二国間の技術協力関係を強化することにより、研究協力の実施、情報の交換、科学者、技術者の交流等、国際協力を積極的に進めるべきである。このような国際協力の実現こそ世界平和の重要なる基盤である。
   科学技術は人類の英知の成果であるかぎり、これが人類の文化や生命を破壊するが如き事態は、もっとも不幸なる矛盾であり、これを克服することは、現代の政治にかせられた最大の政治課題というべきである。
   わが国における科学技術政策は、常に平和を目的とし、平和に貢献しなくてはならない。
以上であります。
 この報告要旨についてどうぞ御承認を願いたいと存じます。
 おはかりいたします。ただいま御説明いたしました要旨で委員会に対して小委員長報告をいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○岡小委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう取り計らいます。
 本日はこれにて小委員会は散会をいたします。
  午後一時三十七分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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