くにさくロゴ
1965/04/20 第51回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第051回国会 科学技術振興対策特別委員会 第17号
姉妹サイト
 
1965/04/20 第51回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第051回国会 科学技術振興対策特別委員会 第17号

#1
第051回国会 科学技術振興対策特別委員会 第17号
昭和四十一年四月二十日(水曜日)
   午後一時三十一分開議
 出席委員
   委員長代理 理事 石野 久男君
   理事 菅野和太郎君 理事 纐纈 彌三君
   理事 中曽根康弘君 理事 西村 英一君
   理事 前田 正男君 理事 岡  良一君
      秋田 大助君    大泉 寛三君
     小宮山重四郎君    山内  広君
     米内山義一郎君    内海  清君
 出席政府委員
        総理府事務官
        (科学技術庁長
        官官房長)   小林 貞雄君
        総理府技官
        (科学技術庁研
        究調整局長)  高橋 正春君
        総理府技官
        (科学技術庁資
        源局長)    佐々木 即君
 委員外の出席者
        総理府技官
        (科学技術庁研
        究調整局総合研
        究課長)    緒方 雅彦君
        総理府技官
        (科学技術庁資
        源局科学調査
        官)      石井 佐吉君
        農 林 技 官
        (水産庁調査研
        究部長)    高芝 愛治君
        通商産業事務官
        (鉱山局開発課
        長)      古田 徳昌君
        通商産業技官
        (地質調査所
        長)      佐藤光之助君
        運輸事務官
        (海上保安庁水
        路部参事官)  佐野 重雄君
        参  考  人
        (東京大学名誉
        教授)     上床 国夫君
        参  考  人
        (東京水産大学
        教授)     佐々木忠義君
        参  考  人
        (東海大学教
        授)      速水頌一郎君
        参  考  人
        (石油鉱業連盟
        会長)     三村 起一君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 科学技術振興対策に関する件(海洋資源開発に
 関する問題)
     ――――◇―――――
#2
○石野委員長代理 これより会議を開きます。
 本日は委員長が所用のためお見えになりませんので、委員長の指定により私が委員長の職務を行ないます。
 科学技術振興対策に関する件について調査を進めます。
 まず最初に、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。
 海洋資源開発に関する問題調査のため、本日、東京大学名誉教授上床国夫君、東京水産大学教授佐々木忠義君、東海大学教授速水頌一郎君及び石油鉱業連盟会長三村起一君を参考人として意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○石野委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
     ――――◇―――――
#4
○石野委員長代理 この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は、御多用のところ、本委員会に御出席くださいまして、どうもありがとうございます。
 御存じのごとく、海洋は地球総面積の七〇%以上を占めており、平均深度は三千八百メートルに達するといわれておりますから、その容積はきわめてばく大なものであり、また海洋生物、海底鉱物、海水溶存物、海洋エネルギー等の陸上以上に豊富な資源が存在していると考えられております。
 近時、陸上資源の非常に豊富な米国、ソ連、カナダ等においてすら、海洋資源に関する諸調査が大規模に進められております。
 四面海に囲まれ、陸上資源が乏しく、しかも狭小な国土に多数の人口を擁しているわが国においては、資源対策の一つとして海洋を開発利用しなければならないことは、米ソ等に比べようもない切実な問題であり、また海洋資源に対する依存の度合いは将来ますます拡大されるものと考えられます。
 そこで、本日は、専門家である参考人各位から本問題に関してそれぞれの立場から忌憚のない御意見を伺いたいと存じます。
 それでは最初に、三村参考人からお願いいたします。三村参考人。
#5
○三村参考人 私は、石油資源開発株式会社の社長の三村でございます。また、石油鉱業連盟の会長もしておるわけでございますが、先ほど委員長から石油鉱業連盟会長としてというお話でございましたが、実は承っておるところでは石油資源の社長として主として話せということであったので、したがって、アラビア石油及び帝国石油に関することもありますが、それはまた上床先生がお話しくださったほうがいいかと思いますので、その点あらかじめ御了承願います。
 本日は、当委員会の海洋資源の開発をテーマとする御審議に際しまして、石油資源開発株式会社の海洋における石油及び天然ガスの探鉱、開発についての説明をいたす機会をいただいたことを非常にありがたく、厚く御札を申し上げます。
 当社は――当社と申しますのは石油資源開発株式会社でございますが、あとで申し上げますとおり、国内において、昭和三十一年以来日本海の大陸だなにおいて石油の探鉱を実施しておりまするし、また国外においては本年度からインドネシアの北スマトラの海洋を探鉱することになっております。また豪州領のニューギニアのウエワク地帯、あそこの陸上並びに海面を開発することについてフランスの会社と提携し、探鉱開発することにしておりますが、これはいま仮調印の程度でございまして、近く本調印をしたいと思っております。
 それから大陸だなのことでございますが、第二次大戦のあと、石油の大陸だなにおけるところの探鉱開発は著しく進歩いたしまして、前とは全く比較にならぬほど進歩しております。戦後、大陸だなにおける掘さくは一九四九年、すなわち大戦終了後五年ほどしたときにメキシコ湾のルイジアナ沖合いのところでございますが、そこでもって初めてアメリカのバンスダル・ヘイワードという会社によって実施されましたのが初めてでございます。現在世界各地において多くの企業体によって活発に行なわれておりますし、特に最近世界的に注目を引いておりますのは例の北海でございまして、欧州のエネルギー市場に一大変革を起こすかとまでいわれておりますが、これは御承知のとおり、オランダの数年前に発見されました大ガス田、すなわちフローニンゲンのガス田の続きである、それが海の中に出ておる、大陸だなに出ておるというので、ここには米、仏、独、伊、英、各国が出て、いわゆる大陸だな開発のオリンピックをやっておるといわれておるところでございますが、非常に困難でございまして、いまだ大きなものが発見されておりませんけれども、将来非常なる期待を持たれているところでございます。
 以下順を追いまして、まず国内におけるわが社の活動から御説明申し上げたいと思います。
 当社は御承知のとおり、第二十二国会において成立いたしました、皆さま方のおつくりになりました法律の石油資源開発株式会社法によって設立された会社でございまして、三十年の十二月一日に発足しております。そういう特殊会社でございますが、設立当初において三大方針をきめました。
 それは従来の日本におけるととろの石油の開発は、大体露頭かう露頭を追っていくやり方でございましたのと、それから浅掘りでございました。それから海のほうでなくて陸上だけでございました。この点をひとつ大いに反省して、新時代に対処するやり方といたしまして三つの方針をきめたのは、第一は、世界各国を見ても平原下に大きな油田があるというので平原下を探る、いわば信濃川の平原とかあるいは酒田のほろの庄内平原とか、ああいうところを探ることにしております。あるいは八郎潟の周辺、そういう次第でございます。
 それから第二は深掘りをする、従来八百メートルから千メートルくらいしか掘っておりませんでしたのは、これでは浅くていかぬので、アメリカに行ってみますと五千メートル、六千メートル、七千メートルと掘っておりますので、やはりそういう深探りが必要であるし、会社がスタートしたときは平均千人百メートルを掘るということでございましたが、現在は三千メートルほどを掘っておる次第でございます。
 第三は、全然手がつかなかった大陸だなの開発、これは特にここできょう最も関係のあるところでございますが、そこをひとつ掘ることにするという、この三つのことをやったのでございます。
 大陸だなのことについて申し上げますが、昭和三十一年にわが国で初めての石油及びガスの海上地震探鉱を広範囲にわたって実施いたしました。これは米国の世界的に有名なGSIという会社の技術を導入したのでございます。日本ではそれをやったことがありませんので、初めて米国からそういう技術を導入して、向こうの人にやってもらって教わったのでございます。その結果、秋田県の大陸だなに有望な構造を数カ所発見いたしました。どうしてもこのいいところを掘ろうということで、昭和三十三年に学識経験者の方々にお集まりを願って委員会をつくって、どういう形のもので掘るかということでやったのでありますが、米国でその当時使われておったところのルトーノ一型あるいはカーマギー型あるいはデロング型あるいはフローティングパージ型というような数種のやり方がございますが、米国に行ってよく調べた結果、ルトーノ一型が一番よかろうということでルトーノー型を導入することにいたしまして、これは日本の造船所でもってつくりました。六カ月でつくり上げたのであります。非常に早くでき上がりました。アラビア石油もこのルトーノー型で掘ることになったのであります。白竜号という名をつけております。これは十三億円の金を投じてつくったのでございますが、その結果、秋田県の道川沖において試掘第一号井を掘さくいたしました。世界的に見ましても、これはよほど早い時期に日本が着手したということでありまして、ヨーロッパの国々に比べてはよほど日本のほうが先べんをつげたということになるのでございます。ソ連の第二バクーが発見されたときに、その技師長をしておった人で、現にソ連の燃料工業委員会の副議長をしているオルゼフ・サゼットという人が来まして、私はそんなえらい人だと思わなかったのですが、白竜号を見まして、この白竜号をほしいということで日本の造船所に注文してきたのでありますが、このパテントは米国にあったので、米国はこれをソビエトに輸出するのはいかぬといって断わられたようなこともございます。それほどソ連でもこの白竜号というものに対して関心を持って、日本の大陸だな開発に対しては驚異の眼をもって見たのであります。
 自来昨年の末までに日本海大陸だなにおいては三十九坑掘りました。これは帝国石油から頼まれました頸城沖の大陸だなを掘りました三坑を入れておりまして、石油資源だけでは三十六坑でございます。そのうち十二坑が成功いたしましたので、いわば約三割が成功しておるということでございます。ただし一坑あたりの出油なりガスの出がそう大きくない。これは日本の地勢上非常に残念ながら大きくございませんので、それだけに当たる率は世界的にりっぱな率でございますけれども、一坑あたりの出油ないしガス量はそう多くございません。新潟県の東新潟沖及び頸城沖においても有望な石油及びガス田を発見しております。それでは土崎沖の油田はどういうふうであるかというと、開発以来昨年末までに原油が十四万キロリットルとガスが一千五百万立方メートルの生産をあげております。
 当社が秋田、新潟県等の日本海大陸だなにおいて探鉱開発に投じました資金を累計いたしますと、これはずいぶん大きゅうございまして、四十五億円でございます。これは十三億円のいまの掘さくバージを含んでおります。残念ながら経済的に成功したとはいいがたいのでございますけれども、わが国石油鉱業史上画期的な仕事を実施して、わが国の大陸だなにおいて石油及びガスの資源の存在することを確認したということは、いささか誇るに足るものだと自負しておるわけでございます。なお、ここで海外進出の自信を持ったわけであります。また日本海において毎年各種の物理探鉱を実施いたしまして、現在すでに有望なる石油及びガスの構造が何カ所であるかというと、六十四カ所発見いたしました。将来の探鉱に大きな期待を寄せておるのでございます。
 なお当社の大陸だなにおけるところの鉱区の保有状況について簡単に申しますと、日本海大陸だなのうちで、陸上の油田分布と関連して石油、ガス探鉱対象地域となり得るところの海域は、水深大体八十メートルというところまで保有しておりますので、将来の探鉱に事欠かないように十分なる用意をしております。高さがいわば丸ビルの二倍になるわけであります。日本海以外の大陸だなにおいても、多少でも有望と思われる個所、たとえば御前崎のところの沖合いとか、あるいは北海道の室蘭沖合いとか、あるいは北海道の西海岸とかいうようなところは、われわれはこれを予定して鉱区を出願して遺憾なきを期しております。なお申し上げますが、出光さんの鉱区のことがこの間新聞に出まして、われわれの鉱区の上全部がずっと出光さんの鉱区のように新聞に書かれておるのは、あれは間違いでございまして、八十メートルのところまでは、有望区域は全部われわれのほうで持っておるわけでございます。
 次に、当社のわが国大陸だなにおいて今後どうするかという方針について御説明申し上げます。
 前述のごとく、昭和三十三年に、会社ができてまる二年目ですが、白竜号を調達いたしましたが、これは最初は水深二十五メートルのところまで探鉱する方針でございました。それ以上の水深の個所で仕事はできません。また日本海の気象から申しますと、八カ月しか働けないのでありまして、あと四カ月は全然海が荒れて風が強くて、冬分は働けません。それで十一月までしか働けず、四月からでなければ働けないということでございます。ただ一つの船でもって稼働しておりますので容易でない。いまも頸城沖のほうに行くことになって、今朝午前十一時半にようやく新潟港を出港して、帝国石油さんのほうのために頸城沖の大陸だなを掘ることにして運航中でございます。四月早々に行くつもりだったですけれども、海が荒れて行けなかったのです。そういうふうでございますので、今度は新しい、もっと深いところの掘れるセミサブマージブルの掘さくバージといって、いわゆる半潜水式の掘さくバージを注文したいと思っております。これはこの間三菱さんのほうでつくって、例のボルネオのセリアの油田のところに持っていかれたのでありますが、暴風雨か何かにあってちょっと故障を起こしたこともあります。これを新規に購入いたしまして、水深五十メートル程度のところも掘さくできる態勢を整えたい、こういうふうに考えております。実は昨年、今年度の予算といたしましてこの調達資金約二十億円の一部に充てるために、政府保証債十億円のワクを計上していただくように強く要請したのでございますが、遺憾ながらこれは認められなかったのでございます。来年度の予算にはぜひとも認めていただきたいと思いますので、出資もしくは政府保証債のワクでもってこれを計上していただきたいという覚悟を持っておりますので、何分ともその点御高含のほどをお願い申し上げたいと思います。
 なお試掘が成功して、開発段階に入って採油する場合には、水深の深いところでは海底掘さく及び海底仕上げの方法をとりますと、やぐらを組んでやるよりも採油費が安く済みますので、海の海底で仕事ができるようにするようにいま着々研究をしております。
 本年度は、従来の白竜号で帝石委託による頸城沖の試掘井二坑と、当社自身の鉱区の新潟県岩船沖に二坑、合わせて四坑を掘さくする予定でございます。たった四坑、四本の井戸しか掘れないのであります。
 大陸だなの探鉱は、前述のごとく相当多額の金を要しまして、一メートル当たりいままでの経過は掘さくに大体七万円要しております。しかし最近会社ではなお合理化いたしまして大体五万円以内でできます。深いところがあるので、陸上で二万五千円くらいかかっておりますから、陸上の約二倍かかっております。本年度の事業計画では年間五十億円程度の売り上げ金のうちから半額の二十五億円を探鉱資金に充てたいと思っております。これは容易ならぬことでございまして、帝国石油と石油資源と両方合わせると約五十億円の探鉱資金を年々投下しておりますが、これは全部当たるわけではございませんし、当たってもすぐ翌日から油なりガスなりが出るわけではございません。でありますから、二十五億円の金を投資するということは、水揚げ五十億円の中で二十五億円も出すということは容易でないことであります。こういうことでは国内の採鉱は十分にできないだろうと思っております。いわんや大陸だなの探鉱は、やはり国家の援助、補助がなければこれはとうていできないので、おまえのところの売り上げからやれということは、これはとうてい無理なことであろうと思っております。なお、本年は、当社の予定は二億五千万円を海洋に使い、それから帝国石油から委託の分は、一億八千三百万円でございまして、合計四億五千万円ほどのものを海洋掘さくに充てております。
 次に、世界における大陸だなの探鉱開発の現状と、当社の海外における大陸だなの探鉱計画のごくあらましを簡単に申し上げます。なお、世界における大陸だなの探鉱開発につきましては、ここに上床先生がいらっしゃいますから、上床先生がお話しくださることになっておりますので、私は当社の関係している点だけを申し上げたいと思っております。
 当社は、海外の探鉱には一昨年すなわち三十九年度の政府予算に二億円の出資を得ておりまするし、なお四十年度はそれが七億円になりましたが、本年度は皆さま方のおはからいで二十億円の政府出資を得て、本年度からいよいよ本格的に海外の石油及びガスの探鉱を開発いたすことになりましたことは、深く感銘しておる次第でございます。
 探鉱対象地域といたしましては、これは二、三申し上げますと、インドネシア国の北スマトラ沖合いでございますが、この長さは日本の本州の半分くらいの長さでございます。そうして三十メートルないし五十メートルくらいのところまでやる予定でございます。それと例のカリマンタン、すなわちボルネオの沖合い、それからカナダ、オーストラリア等に探鉱地域を持っておりますが、これは陸上も含めてでございます。現在話のまとまったのは、インドネシアの北スマトラ沖合いのところと、オーストラリアのニューギニアのウエワク地帯でございます。これは小さいようでございますけれども、九州全土くらいの大きさでございます。
 まず北スマトラ沖でございますが、昨年十一月末に北スマトラ石油開発協力株式会社がアメリカの資本によりますカナダ法人のリファィニングアソシエーションから利権を譲り受けまして、これは数年掘っておりましたが、ひとつも成功しなかったのです。それから譲り受けまして、当社が北スマトラと協力いたしまして、本年二月に北スマトラ海洋石油資源開発株式会社というたいへん長い名前でございますが、そういう会社を二月の二十一日にスタートさせました。それで当社の副社長の岡田がそのほうの社長を兼務しております。本年度は九月から海洋地震探鉱及び航空機によるところの磁力調査をする予定でございまして、目下着々準備中でございます。来年度からはすでに買っておりますフローティングベッセル――古船なのでいまシンガポールで修理しておりますが、これをもって試掘井を掘ります。これではとうてい本採掘はできませんので、一応試掘井を掘るだけにこれは使うことにしております。
 次にボルネオのカリマンタン沖のブニュー島及びマハカム沖、これは御承知のパリクパパンの沖合いでございます。ここにはりっぱな構造があるとわれわれのほうでは調べてあるのでございますが、一昨年調査団を派遣いたしましてインドネシア国と交渉しましたけれども、まだ完全に話はまとまっておりません。インドネシアには石油公社が三つございまして、これはその中の一つでございますが、今度これが一緒になったりでございますから話が非常にしやすくなったし、北スマトラの石油会社プルミナの社長をしておりますストウさんが石油ガス大臣となったので一そう話がまとまると思いまして、ただいま副社長の岡田をやってそのほうの交渉をさせております。
 なお現在成功をおさめて相当の生産をあげておりますアラビア石油が千三百万キロリットル昨年日本に持ってくることになっておりますが、これは当初は当社及び帝石の技術をもって始めた次第でございます。
 以上当社の国内及び海外における大陸だなの石油及びガス資源の探鉱開発の現状と経過とをるる申し上げましたが、この際特に最後に申し上げたいのは、石油資源の探鉱開発、なかんずく大陸だなにおける開発は三つの点があるのでございまして、第一は多額の金を要するということであります。秋田県道川沖のごときは一番初め掘ったときには一メートル二十八万円かかりました。しかしその後だんだん改良していまは五万円程度でいっているわけでございますが、非常に困難なところでございましたので二十八万円もかかった。
 それからその次が高度の技術を要するということ、また期間が相当長くかかるということであります。北海においてもすでに数年やっておって、まだこれという大きなものが当たっていないということをもってみてもわかるように、期間が相当長い。そのために現在世界の石油資源探鉱開発の仕事というものは、ほとんど欧米の巨大なる石油企業の手によって行なわれておる現状でございます。これは五十年、百年の歴史と非常な苦心と、そしてたいへんな利益をあげた貯蓄を持っておりますその連中が主としてやっております。かかる難事業に手を出すのはばかじゃないか、日本はそんなことをやらなくたって買ったらいいじゃないかという説がございます。一応ごもっとものようでございますが、わが国のエネルギー源の大宗であります――もう四十七年には六七%まで石油になってしまうということになっておるのでございまするし、かつ四十七年には二億トンになるだろう。しかも石油のために海外に二十八億ドルも払わなければならない。それはすなわち全輸入に対する支払いの二割強であるということでありますので、これほど重大な問題というものを海外の企業会社にまかして、われわれが自主性を失うということはとうてい耐えきれないことであるし、そういうことではわが国の重要なるエネルギー源の大宗である石油対策はできないと思うのでございます。幸いに技術面では明治以来培養したところのわが国の石油その他の技術と、それから戦後、特にここ十年間に培養したところの技術の力によって世界水準に達しておりますので、もうどこへ出しても恥ずかしくない力を技術的に持っておりますので、この上は国家資金を十分にいただいて、われわれの国内並びに海外における大陸だなの石油及びガスの開発について努力をしたいと思っております。われわれの努力で世界の石油大会社に負けずに世界各地に資源の確保という大事業を遂げ得るということを確信しておりまするし、またそれをしたいと念願いたしまして、私の意見の開陳といたします。
 ありがとうございました。
#6
○石野委員長代理 次に佐々木参考人。
#7
○佐々木参考人 本日参考人にお呼びいただきましてたいへん感謝をしております。私申し上げますことでお役に立つかどうかはなはだ怪しいのでございますが、私の考えておりますことをお話し申し上げたいと思います。多分に釈迦に説法のきらいがあるかと思いますが……。
 御承知のように、世界の電力の消費量が十年でちょうど二倍になる。これは識者の一致した考えでございます。それから食糧が約四倍になる。ところが石油あるいは石炭といったものは、将来の化学工業の原料としてどうしても確保しなければならない。原子力発電にいたしましても、原料等が無尽蔵であるとは言い切れない難点があるわけでございます。そこで海洋のエネルギーを開発いたしまして電力の生産ができないかということで、フランスでは、潮力のエネルギーを利用したいわゆる潮力発電の研究に着手をいたしまして、約十数年基礎研究に基礎研究を重ねまして、フランスの西北のブルターニュ地区のサンマロといろ湾がありますけれども、そこに潮力発電所を建設いたしました。その規模は一万キロワットの発電機を二十四基設置をしまして、年間の発電量は五・四四億キロワットアワーでございます。これはわが国で例をとりますと、ちょうど佐久間ダムによる発電の約半分であります。
 発電というのは、私どもの人間生活には生活のリズムがありまして、昼間非常に電気を使うとか、逆に夜使うとか、とにかく生活にリズムがある限りにおいては、一日を通じて同じような量を使うわけではない。しかし発電する立場になりますと、最も能率のいい運転をする必要がある。したがって、最も能率のいい運転をする面とあわせ考えて、不足分を潮力エネルギーで発電したもので補う、これが根本的なねらいのようでございます。この成功に自信を得まして、ざらにいろいろな周辺の入り江にそういうものを建設をしていく。
 それからたいへんおもしろい、すばらしいアイデアと思うのですが、海水の表面と三百メートルばかりの深い海水の温度の差を利用いたしまして、いわゆる温度差発電を行なっている。これは西アフリカの象牙海岸のアビジャンというととろに建設をいたしまして、七千キロワットの発電機を二基設置をする。これが副産物といたしまして真水が出るわけでありまして、それを工業用水ないしは冷房用水にする。この温度差発電のためにフランスは実に基礎研究に十五年の歳月をかけてやっと成功いたしたわけであります。
 さらに身近に考えられますのは波力発電、波の力を利用して発電をする。これは幸いわが国で開発をされまして、御承知のようにすでに各地の灯台の灯をともしております。しかしその研究過程は個人プレーに近いせいもありまして、たかだか最高四百ワット程度の発電しかできない。しかし特殊の船をつくり、うまくやりますと、かなり大きな電力を波のエネルギーから取り出し得る可能性は十分にある。そういうように、海洋のエネルギーというものは将来十分考えるべき対象であると考えるわけであります。
 それから、先ほど来大陸だなのお話が出ましたけれども、世界の大陸だなを考えますと、その広さにおいて全陸地面積の五・三%、アジア大陸より少し大きいくらいの広さを持っておるわけであります。しかし陸上の場合には、山あり砂漠ありで、人類のなかなか近づきがたい面があるけれども、大陸だなはどこに行ってもわれわれが足を踏み入れることができる。ましてやわが国のように四面海で囲まれた国の大陸だなは、陸地の七六%であります。その中には、先ほど石油の話がございましたが、天然ガス、石油、鉄、銅、チタンといったようなたくさんのとうとい資源があるわけであります。なお大陸だなの上の海水全体を考えますと、海水の中に含まれる鉱物資源というものは実に膨大にある。
 さてそこで、世界じゅうの大陸だなを対象にして今後三年ないし四年の間にわれわれ人間が取り出し得る資源がどれくらいあるだろうか。きわめて少ない資料をもとにして考えましても、石油資源で約六十億ドル、その他の鉱物資源で十億ドル、水産資源で三十五億ドルといわれております。その上の海水に含まれる鉱物資源あるいはそれに伴う水資源、それから積極的ではありませんけれども、世界で非常に開発されつつある海洋の底における観光資源あるいは人工の海岸をつくるとか、海水の汚濁を防ぐとかいった消極的な資源開発をあわせますと、実に膨大な資源が海洋からわれわれは期待できるわけであります。
 したがって、アメリカでは海洋の研究に年間二百億ドルの膨大なる費用を出しております。フランスのように海岸線のきわめて少ない国ですら、海洋から回収する年間の資源を十億ドルと見積もっておる。いまの時点で海洋開発の完全な基礎研究のために一ドルの投資をいたしますと、四、五年先に五ドルになって返ってくる。そういう計算がフランス、アメリカ等で別々に行なわれて、期せずしてその数字は一致をしておるわけでありますが、そういうように私どもは将来海洋の資源というものにまことに大きな夢を持っておるわけでございます。
 さて、それでは一体どういうようなことをやったらよろしいか。最近五カ年計画といたしまして、アメリカではDSSPという非常に大きなプロジェクトを持っております。つまり深海潜航組織計画、ディープ・サブマージェンス・システム・プロジェクト、これは深海に人間の住まい得る住居をつくる、あるいは宇宙船が何かの事故を起こして部品を落とすと、数千メートルの海底から十トンのものをそのまま回収する。それからさらに海洋開発に必要なエンジニアリングの発展を行なう、大きな目標を五つ掲げて、これを五年間で完成する、こういうことを言っておるわけであります。わが国も幸い皆さんの御努力で潜水調査船が、六百メートル潜水可能のものが、ようやく発足をしたわけでございますが、アメリカでは千数百メートルぐらいのものは既製品がある時代になりまして、さらに特殊なものはオーダーいたしましても四カ月すると納品される。海洋の開発に対する力の入れ方はまことにすばらしいものでございます。
 それから大陸だなの開発にいたしましても、昨年の九月にフランスのクストゥが成功いたしましたのは、百メートルの底に海底の家をつくって、六人の学者が約一カ月生活をした。それと似たようなことが、御承知のアメリカのシー・ラブ計画、海の中の研究室計画でございます。石炭、石油を、海底に家をつくりましてその家で長期間生活を続けながら作業をする。波や風に妨害される海上からの作業では今後の開発はむずかしい。おそらく海底に基地をつくってそういう作業する時代が、クストウの言をかりますと、主ないし五年で到来すると彼は喝破をしておるわけです。さらに、彼の大陸だな開発計画の第四次におきましては三百メートル内外の海底で生活をする。第五次の計画においては五百メートルで生活を続ける。そこまでを彼は大陸だな開発の一連の計画といたしまして、プレコンテナン計画と称して非常な力を入れて進めておるわけであります。
 それと同様に、アメリカでも海底に家をつくっていろいろな海底作業を行なう。資源を回収したりパイプラインを敷設する。すべてこれからの作業は海底に住居を移して海底のステーションで働くということを現にやりつつあるわけであります。三年か五年でそれが実現できる。私もそのように確信しておるわけであります。
 そういうことをあれこれ考えてまいりますと、非常に立ちおくれておりますわが国の海洋開発の現状から見まして、大至急手をつけなければならないと私考えますのは、先ほどちょっと触れましたけれども、海水の中には約五十種類の元素が含まれておりますけれども、われわれが利用しておりますのは、わずかにナトリウムとか臭素とかあるいは沃素とか五種ないし六種、残った四十五の希元素はほとんど回収もしないでほっておるわけです。そういう海水の中の希元素の回収をするような科学技術を大急ぎで開発をしなければならないだろう。
 それから、先ほどの三つの海洋エネルギーの問題でありますが、これもわが国の気候風土に合わせた状態ではたしてわが国でそういう可能性があるかどうか。やはりある時点でだれかがやって結論を出す必要がある。これが非常に大きな将来期待し得るエネルギーの一つでありますから、そう考えるわけであります。
 それから潜水船等を大いに利用いたしまして、海中の調査研究を行なう必要があるわけでございますが、その場合に一番問題になりますのは、海の中の航法、動き回るやり方、水中航法というものがほとんど確立されていない。したがって、アメリカでもたくさんの潜水船をつくりましたので、いま大急ぎで水中航法に関する調査研究の開発をしておるわけでございます。
 それから、当然わが国の大陸だな各地に開発用の海底基地、海底の家、町と申しますか、そういうものをできるだけ早い機会につくり得るような科学技術の開発が望ましいのではないか。
 それから日本の沿岸各地に、台風の予報とかあるいは海洋現象の研究のために、最近はいろいろな観測塔がつくられておりますけれども、そういうものを構築いたしますオーシャンのエンジニアリングがほとんどわが国では開発されていない。理学的な考えだけではそういうものはできない。いざつくるときは土建会社にお願いするということでございまして、そういうことを開発することに表裏一体として、オーシャンエンジニアリングの研究をすみやかに開発しなければいかぬということを考えるわけでございます。
 それからさらに大陸だなを越えまして、深海の資源も決してこれは忘れてはいけない。アメリカではすでに数千メートルの海底から非常に純粋なマンガンの鉱石を引き上げることを大まじめに考えて、昨年のあるシンポジウムでは、将来三年ないし四年たつと、アメリカでは数千メートルの海底から鉱物資源をサクションポンプの方式でどんどん吸い上げてみせるという研究発表をしておるわけであります。日本海溝の調査等の話を聞きますと、セメント材料の石灰が日本海溝にたくさんある。日本の山のセメントの材料の石灰はあと四十年でゼロになる。鉄鉱資源は五十年でゼロになる。ところが、深海底にはそういったわれわれ人類の生活に必要な資源があるわけでありますから、そういうものをも開発できるような、深海の開発に必要な科学技術の開発というものもよほど急いでやりませんと、たいへんな立ちおくれを見るに至るであろう、そのように考えるわけでございまして、もしできますならば、国に海洋開発研究所のようなものをおつくりいただいて、そこで基礎から応用に至る一貫をした、終局は海洋開発をするという大きな機関、組織をつくって、日本じゅうの学者がそこでそういうことができるようにしていただくと、まことにありがたい。かってなお願いでございますけれども、こういう場を借りましてお願いをしたいと思います。
 なお、科学技術庁等におかれましてもかなり熱を入れておられますけれども、人的その他において海洋開発に関する部面が少し弱いのではないかというような感じがいたしますので、あわせて御考慮願うと、私ども研究者といたしましてはまことにありがたい次第でございます。
 どうもありがとうございました。
#8
○石野委員長代理 次に上床参考人。
#9
○上床参考人 上床でございます。大陸だなの石油につきましては、先ほど三村社長から御説明がありましたので、それとダブるところがありますから、その分を省きましてお話し申し上げたいと思います。
 大陸だなと申しますと、すでに御案内と思いますが、大体水深が陸地から離れまして二百メートル以内のところは大陸だなといわれております。ところが大陸だなに対しまして国の領海というものがあります。この領海は、ジュネーブの国際会議でもって審議されました結果がまだ終結になっていないようでありますけれども、国によって三海里のところがあるし、六海里あるいは十二海里、四海里というように非常にまちまちになっておりまして、その国によって違っているようであります。これはもう御存じかと思いますが、しかしながらここで共通な点は、海岸線から十二海里のところはとにかくその国の主権が大体及ぶのだということになっておるようでございます。それから外がいわゆる公海になります。したがいまして、大陸だなはその海とそれから海の下の海底とちょっと食い違っておりますが、しかしながら大陸だなといたしましては、国によって定められました、たとえばアラビア石油の場合をとりますと、海岸線から六マイルまではその国の領域でありますけれども、それの外側がいわゆる公海となって、その海の底がいわゆる利権、たとえば石油の開発ができるというような状態でございます。
 ところで、大陸だなの面積はどのくらいかと申しますと、先ほどもお話がありましたが、非常に広いのでありまして、世界じゅうで大体二千七百五十万平方キロメートルでございます。その中で、石油に対しまして有望地域はどのくらいあるかということにつきまして調べられました結果を見ますと、大体四百七十万平方キロメートル。ですから、総面積の大体一七%くらいは、大陸だなの中で石油に可能性があるということになっておるようでございます。
 ところで、大陸だなと石油あるいはそのほかの鉱物資源という関係につきましては、これはなかなかむずかしいのでありますけれども、しかしながら、大体大陸だなというものが陸地のいわゆる延長と考えるといたしますと、陸地の地質状態が大陸だなの海の底の地質状態にも密接な関係があるということが考えられます。したがいまして、海岸、陸地に油田があり、あるいは炭田がありますと、その延長の海の底にも油田あるいは炭田がある、あるいは推定できるというような状態でありまして、陸地のところに石油関係のものがないのに大陸だなのほうに石油があるかというような判断は、なかなか困難な状態でありまして、そのためには相当な調査を要する次第でございます。そういうような次第でありますからして、大陸だなの地質というものと大陸だなの中にある地下資源というものの間には、非常に密接な関係があるということを考慮する必要があります。
 次に、石油の埋蔵量でございますが、これは御存じのように、毎年毎年変わってまいります。昨年発表されました世界全体の埋蔵量は五百七十億キロリットルであります。その中で、大陸だなにありますものは約一五%といわれております。でありますから、約八十五億キロリットルのものが大陸だなのところに石油として埋蔵されておるというふうに考えられる次第でございます。
 ところが、次に、この大陸だなの石油をかりにさがすのにはどうするか、これはなかなか困難な問題でありますが、現在の技術、方法といたしましては、物理探査法をもっぱら使っております。この物理探査法には磁力と重力と地震とそれから音波、いろんな種類のものがありますが、こういう物理的な探査をいたしまして、大陸だなの下のほうのいわゆる海底の地質構造とか地質の状態を調べるのでございます。この問題につきましては、ここに見えておられるかと思いますが、地質調査所の所長の佐藤さんが専門家でありますが、こういうふうに非常に進歩した探査法を利用いたしまして、外国あるいは先ほど三村さんからお話になりました日本海の探査というものも行なわれておる次第でございます。
 それから次に、掘さく法でございます。その探査の結果、今度はどういうふうに掘るかということでございますが、これも先ほど三村さんからお話しになりましたように、その水の深さによって異なります。今日では掘さく機を固定しておく場合、これは大体水の深さが十五メートルから六十メートルくらいの深さのところ、それから動く場合、いわゆるフローティングバージ、あるいは自分で動いていく船、あるいは引っぱられる引き船式、あるいはそれを両方組み合わせたような、いわゆる先ほどお話がありましたセミサブマージブル式のもの、こういうものは深いところでありまして、大体百八十メートルくらいまではその方式を利用しておるようでございます。
 そういうふうにいたしまして、大陸だなの海の底の石油資源あるいはガス田が開発されるわけでありますが、世界じゅうにおきまして大陸だなの最も盛んになっておりますのは――世界じゅうの大陸だながほとんど手をつけられておる、あるいは手をつけられつつある状態でありますけれども、その中で特に著名なのがアメリカ合衆国でありまして、ルイジアナ州の沖合いでございます。それからカリフォルニアの沖合いでございます。それから、最近になりましてアラスカのクック湾の中でございます。そのほかは、ベネズエラのマラカイボの湾の中でございます。それからソ連のカスピ海の中、それから、最近になりましてアフリカ沿岸が非常に盛んになりまして、特にアフリカの西海岸のガボンでありますとかナイジェリア等が盛んになりまして、油が出ております。それから、いにしえからありますところのスエズ湾のところでございます。それから最近、ここ十年ばかりの間に最も盛んになりました中近東のペルシア湾でございます。これは御案内のように、最近は非常に豊富な、有望な油田がございまして、これが各国、特にアメリカやイギリスのメージャーカンパニーがこれに参画いたしまして、開発いたしております。それから次が東南アジアでありまして、これは先ほど三村社長からもお話がありましたように、東南アジアのインドネシアの沿岸でございますが、ブルネイとかあるいはマラッカ海峡とかいうのでございます。それから、ヨーロッパに参りますと北海でございます。これは先ほども話がありましたが、もっぱら油でなくてガスが出ておりまして、三十七社くらいの欧米の会社が参画しておりまして、これには、一社では危険率が多いために、ジョイントベンチャーでグループをつくりまして、そうして危険負担をいたしまして開発を進めておりますが、最近の報告を見ますと、北海は海が荒いので仕事がなかなか困難だというような状態でございます。しかしながら、ここは豊富なガスが埋蔵されておりますので、これに対しまして相当な努力を費やしておるようでございます。
 次に日本海でありますが、これは先ほど三村社長からお話がありましたので、特に申し上げません。ですけれども、わが国に属する大陸だなでございますからちょっと申し上げたいのですが、大体現在では、先ほどお話がありましたように、八十メートルから百メートルくらいまでは鉱区を設定されまして、そうして石油資源あるいは帝石でもって現在開発中でございます。これらの地域も、やはり陸地のほうの油田と地質的に非常に密接な関係がございます。したがいまして、この日本海の大陸だなの開発につきましても、先ほど申しました物理探鉱を実施しておりますが、これは非常に精査を要する。精査の結果実施されておりますが、特に日本といたしましては、日本の油田構造が比較的複雑でありますので、やはり十分な物理探査の結果を見まして、そうして試掘をやるというような順序を踏む必要があると思います。したがいまして、あまり安易に飛び込んでいくということはかなり危険性が大きいんじゃないかと思います。しかしながら、日本の大陸だな、いわゆる日本海の大陸だなというのは、先ほどもお話がありましたように、古くから開発されております裏日本の油田の延長でありますので、これはわが国といたしましては十分考慮し、また豊富な石油の埋蔵量を持っておるということがいろいろな調査から報告されておりますから、この点は、われわれといたしましてはやはり留意する必要があると思いまして、将来これに対しましても、やはり慎重にかつ十分な心がまえで進む必要があると思います。
 最後に、先ほども日本のエネルギーの問題についてお話が出ましたが、日本のエネルギーを低廉な、かつ安定供給の線に持っていこうということになりますと、大体通産省の御計画では、昭和六十年におきましては五億トンの石油が必要になるだろうということが計算されております。その中でわれわれがフリーハンドでもって自由にされる、いわゆるフリーハンドでもって取り扱われる油というものがきわめて少ないわけでございますので、三〇%にその目標を置かれておる次第でございます。そういたしますと、日本の石油の開発ということが非常に大切になってまいりまして、特に海外油田の開発ということになります。その海外油田の開発でも、現在ではもうほとんど陸地のほうは欧米の各メージャーカンパニーが占有しておりますために、残っておるところは大陸だなでございます。特に日本に近い大陸だなといたしましては、東南アジアの大陸だな、これは非常に豊富でございます。それから中近東の大陸だな、いわゆるアラビア湾というのでございます。さらにまた北のほうにまいりますと、アラスカの大陸だなというような地域が日本の最も近いところで、しかも開発が比較的やりやすいというような地域といたしましてあげられると思います。したがいまして、今後日本のエネルギー問題を解決する上にも、また石油政策を樹立する上にも、ひとつこういう点を考慮していただきまして、私ども本日参考人として参りましたけれども、何かの御参考になりまして、こういう点、ひとつ何か立法府でおきめ願えれば、日本の将来のために、特に産業のために非常に有益になるんじゃないかと思っております。
 本日は、短い時間でございましたけれども、そういうことで大陸だなの石油の問題についてお話し申し上げました。
 ありがとうございました。
#10
○石野委員長代理 次に、速水参考人。
#11
○速水参考人 私、速水でございます。本日は、参考人としてお呼びいただきまして、まことに光栄に存じます。海洋資源開発に関する深い御関心に感謝の意を表する次第でございます。
 皆さまいろいろ海洋資源についてお話がありまして、特に私が取り立てて申すこともございませんし、また何か海洋資源について考えておることを話をしろということで、特定の問題をいただいてもおりませんので、はなはだまとまりのない、また特に海洋資源を専門にしておるものでもございませんので、思いつきのようなものも多いかと思いますが、最近考えておることを申し上げたいと思います。
 海洋を離れて人間の存在がないということは、これは明らかなことでございまして、海水であるとか、あるいは海洋の海水の中に溶けておる塩類であるとか、あるいは海水が持っておる熱であるとか、そういったものが人間の生活をささえる上に大きい役割りをしておるということは疑いもないことでございます。しかし、あまりにこのようなものが大量にあるものでございますから、空気と同じく資源としての観念が少ないのでありまして、たとえば海水の蒸発によって雨となって降る、この雨の一部分は陸上におきましては重要なる水資源でございますけれども、海上における水の蒸発を人工的に制御いたしまして、地上における水の利用を発展させるといったようなところまで海水を取り扱うというのには、今日まだほど遠い段階でございます。しかしながら、もしもわれわれがかなり多量の海水を自由に取り扱うことができるといたしまするならば、海水の持っておるたとえば熱エネルギーのごときものは、非常に大きい役割りをするのでありまして、よくものの本にも書いてございますように、べーリング海峡をふさいで太平洋のあたたかい水を北極海にくみ出せば、北極方面は氷が張ることが少なくなるであろう、気候が変わるであろう、大きい自然改造が可能であろうというようなこともいわれております。そういったことは、いまわが日本において直ちに行なうことがむずかしいといたしましても、たとえば今日、海岸におきまして多くの製鉄所あるいは発電所がございまして、クーリングウォーターに多量の海水を使っております。この冷却水として使ってしまった残りの水は再び海へ流しておるわけでございます。したがって低いところから高いところに水をくみ上げるという費用は冷却水としてカバーできるわけでありますから、そこから捨てる水は非常に価値の低いものになるわけであります。したがってこのような水を使って、たとえば海水中に溶けておるところの塩分と水とを分離する、いわゆる海水の淡水化ということが進むならば、そのような塩類は非常に経済価値を持つであろう。それほど高くつかずに塩をつくることができるかもしれない、こういうようなことも考えられます。そういう意味で海水の淡水化ということは、わが国におきまして、現に多くの方々が研究しておられると思いますけれども、大いに研究を奨励すべき一つの問題であると思います。
 なおまた、次に、非常にたくさんあってほとんど経済的価値がない、資源と考えられていないようなものでありましても、それが非常に重要視されまして、次第に資源的に考えられるというものもございます。たとえばそれの最も重要なものは砂とか砂れきでございまして、海岸にたくさん広がっております砂あるいはれき、これらは海岸ばかりでなしに、遠く大陸だなの上にごく広がっておるものでございます。
 今日、日本の治山治水事業が進みまして、ダムの建設が多く行なわれるようになりました結果、河川から海へと運ばれる土砂の量が次第に減少しておるという傾向がございまして、このため各地の海岸がなくなってくる、海岸が浸食されるという問題がございます。こうなりますと、海岸は水と熱を与える生活の場として重要なものでございますので、このような場所でいかに食いとめるか、よそから砂を持ってきて海岸を養う、あるいはさらに進んで埋め立てをいたしまして海岸を守り、あるいは海岸の地域をふやす、こういうことが必要でございますが、その埋め立てをする場合に砂をどこからとってくるかというと、なかなかそういう場所が多くないのでございます。また海岸の大切なる砂がとられていくというような現象も次第に各地に見られます。このうち、海中の砂がたまっておる場所から砂をとりましてそれを骨材にするとか、あるいは建設用の資材に使うという、そういう経済価値がかなりできておる。このような砂はまだ多量にあるものでありますから比較的安いものでありますけれども、このような砂は元来は山から、山の石が次第に風化し、こわされて海の中にたまったものでありまして、しかもこれが波とか流れの作用によって海岸にたまるというような形でございますので、ちょうどふるいにかけたような働きを自然がしておるものでありますから、重い鉱物はあるところにたまって、軽いものはまた別のところにたまるというふうに、自然がこの砂をいろいろと比重に従って分けてくれておるのでございます。したがって、たとえばその流域に、その付近の山に、鉄が含まれておるような場所でありますと、砂鉄があるところに非常にかたまって存在する。現にそういう砂鉄を採取しておる会社もあるわけでございます。かつては日本の川におきまして砂金がとれた時代がございまして、日本は黄金国であるというその名前がヨーロッパまで知れ渡った、そういう時代もあったわけでございますが、それらはもうすべてとり尽くして、今日ではそういうものは見られません。同じようなことは、原始的な地域に人が入っていった場合にはいつもありまして、アメリカ西部のゴールドラッシュなどは今日もなお有名でございます。ところがそういうことを考えてみますると、かつてそういう金を含んでおるような山を控えておる川の砂金を今日人はみなとってしまったかもしれないけれども、そのような砂は今日の海底に広く堆積しておるわけでございます。大陸だなは、氷河時代には氷が地球上をおおっておった時分には五十メートルとか百五十メートルとか今日よりも海面が低くて陸地になっておった、あるいはまた、氷河が完全に溶けておったときには海面は今日よりもさらに数十メートル高かった。こういうように大陸だなにおける海面は大きく変動しておるのでございまして、海の中には、かつてのそういった海岸に相当するものが大陸だなには至るところに残っておるわけでございます。したがって、そういうところには天然のふるい分けによって局部的に非常に重要なる鉱物がかたまって存在しておる。あるいは砂金のようなものもそういうところを掘ればたくさんとれるかもしれないというようなことが考えられます。日本がそういう産金国であったということを考えますと、そういう可能性もあるいはあるかもしれない。現に、南アフリカのダイヤモンドが出る地方の海岸におきましては、海岸から沖の砂をドレッジいたしますと、ダイヤモンドがざくざくと出るというほどではありませんけれども、ともかくかなりダイヤモンドの鉱石がとれる。そういうものをとる会社もできておりまして、相当収益をあげておるというようなことも聞いております。このように砂の形になって広く海岸から大陸だなにかけて鉱物が散布しておるということは、非常にこれをとるのが便利でございます。地下資源と違って地表に存在するわけでございますから、ドレッジをするとかあるいはポンプを使うとかいたしましてこれをとることが非常に容易である。しかも、ここだけあって、すぐそばにはないという場合もあるでしょうけれども、概して広く広がっておる。またそういうものを探るのが容易である。石油を探るのは非常に困難でございますけれども、表面に近いところの砂の中にどういうものが含まれておるかということを探ることは比較的容易である。こういうことで、今後は音響測深儀の原理を利用した海底地質探査機、たとえばスパーカーのようなものの強力なものを使えば、百メートル、二百メートル下の構造がわかるわけでございますから、そういうものを使うとか、あるいは地磁気の偏差をはかるとか、そういう探鉱方法によりまして、わが国の周囲を精査いたしましたならば、それほど多くの費用をかけずにかなりの資源の有無を調べることができるのではないか、そういうような感じがいたします。また、こういったものをとる場合にも、浅いところでございますから、いろいろな海中構造物をつくりましてそういうものをとることもできる。先ほども話がありましたように、海中構造物の研究ということは今後非常に重要な問題でございまして、いま砂の話をいたしましたけれども、たとえば橋をかけるとか、あるいはトンネルを掘るとか、日本の国土を開発するためには、浅いところにいろいろな構造物をつくるという問題が多いのでございますが、この場合に問題になるのは、いろいろな付着生物がつきまして抵抗を大きくするとか、あるいは海水によって風化をされて金属がもろくなる、さびる、こういったことをいかにして防ぐか、こういうことの研究を大いに推進しなければならないと考えます。また先ほどもお話がありましたマンガンのかたまり、こういうものも深いところには広く広がっておるということでありまして、これもただ海底に横たわっておるわけでありますから、ポンプなりあるいはドレッジをするということで十分とれるわけでございます。しかも、それがあるかないかということを見るのは、水中写真で海底の写真をとればどこにどれぐらいあるかということがすぐわかるという意味で、そういうものの賦存状態を調べることが楽である。深海の海底の写真をとる技術をこれから大いに進める必要があると思われます。これがマンガンばかりでなしに、そのマンガンのかたまりの中にはいろいろなほかの金属も含まれておりまして、あるいはマンガン以外の金属のかたまりもあるということでありまして、たとえばマンガンのかたまりをとりますというと、その中には銅とか、あるいはニッケル、コバルトあるいは亜鉛とか鉛とか、いろいろなものが含まれておる。今日知られておるマンガンの量のかりに一〇%とったとしても、人類の現在の所要量を続けるとして数千年は採取可能であるといわれておりますが、さらにこれらは石油と違って現在絶えず新しいものが生成されておる。砂にいたしましてもそのようなものでございますが、マンガンとか、あるいは燐酸塩塊といったもの、あるいは石灰とか絶えず海底で生産されておる。したがって、現在の人間がとるぐらいとったのでは新たに生産するほうが多いというわけで、永久にとれるというようなことが予想される、こういうことで将来深海におけるそういうマンガンのかたまりをとるというようなこと、これはかなり費用もかかり、技術的に困難でありましょうけれども、人工衛星を上げることに比べるとはるかに容易であるというのがもっぱらの専門家の考えのようでございます。
 このようないろんな点を考えてみまするというと、今後わが国が海洋資源を開発するという面がいろいろ多くあるように思われますが、正確にそういうものの利用可能性を調べ、またこれをいかにして人間がとることができるか、利用することができるか、利用できなければ、あるということがわかっておるだけでは資源にはなりません。したがって、いかにこれを経済的にとるかということ、とる方法を考えなければなりません。そういう新しい技術の開発、それは結局人間によるわけでございます。今日海洋の研究者というものはきわめてわずかでございまして、しかも、そういう人たちを養成する学校というものもきわめてわずかしかございません。そのわずかの人間をもってしてこの広い、多くの希望の持てる海洋をいかにして開発するかということは、空拳をもって大きい敵に立ち向かうような非力さを感ずるのでございます。したがって、こういう人たちこそ、ある意味において大きい海洋資源でございます。このものがあり、それをとる、そういうことを可能にする人たちを養成する。これに、先ほどからもお話がありましたように、世界各国とも非常に力を入れまして、多くの海洋研究所あるいは海洋学部をつくって人材を養成しておるのでございますが、まずそういうところに力を入れて、そうして一方、今日の全力をあげまして海洋開発の技術を進めるということが、わが国が国際的に海洋に対する発言権を失わずに済む一つの最も必要な道ではないかと考える次第でございます。どうか海洋開発のために御尽力を願いいたしたいと思います。
#12
○石野委員長代理 以上で参考人からの御意見の聴取は終わりました。
 引き続き、高芝水産庁調査研究部長より説明を聴取いたします。高芝調査研究部長。
#13
○高芝説明員 水産庁の調査研究部長でございます。
 私は海洋生物資源の開発の現状と二、三の問題点につきまして簡単に御説明したいと思います。
 世界の漁業の生産量は昭和二十九年には二千七百四十万トンでありましたが、昭和三十九年には五千百六十万トンとなりまして、過去十年間に約二倍に伸びました。これはペルー、チリを中心とする南アメリカ、あるいはアフリカ、アジア等の低開発地域と、それから共産圏の生産量が大きく伸びたのが原因であります。英国とかノルウェーを中心とするヨーロッパ、米国、カナダを中心とする北米等の先進国の伸びは非常に低いのが目立っております。十九世紀の後半から始まりましたトロール漁業を中心とした北海における漁業の発展に引き続きまして、きんちゃく網の漁法等の導入もあり、北大西洋とか北太平洋における漁場開発を進めてきました。そのため二十世紀前半までの漁業はヨーロッパ、北アメリカ、そして日本といった先進国を中心に行なわれてまいりましたが、二十世紀の後半になりまして、共産圏諸国及び低開発諸国の漁業が著しく発展してきたのであります。このような動きの中で日本の漁獲は約六百万トン以上を漁獲しております。昭和三十六年までは引き続いて漁業の生産量では世界第一位を占めてまいりました。しかし昭和三十七年からはペルーが第一位となりました。昭和三十七年には日本の六百八十六万トンに対しまして、ペルーは六百九十五万トンの漁獲をあげております。しかしペルーの生産量の大部分はカタクチイワシでありまして、昭和三十九年の生産量九百十三万トンに対し、生産の金額は九千五百万ドル程度であります。日本の同じ年の昭和三十九年の生産量はペルーより少なく、その約三分の二に相当する六百三十五万トンでありますが、生産金額はその十四倍近くの十三億八千二百万ドルということになって、相変わらず首位を占めております。
 わが国の漁業は、生産量や生産金額の大きいことだけでなぐ、漁獲対象の魚種の豊富なこと、漁業者、漁船数の多いこと、利用する漁場が世界の海洋全般にわたっておるということが特徴であります。
 日本の漁業の総生産量は、昭和三十一年以降年年増加しまして、昭和三十七年には六百八十六万トンに達しましたが、昭和三十八年になって減少し始めております。昭和三十九年にはさらに減少しまして六百三十五万トンとなりました。これらの減少は北洋の母船式底びき網とかまき網、サンマ棒受け網及びイカ釣り漁業等の変動によるものであります。
 総生産金額は昭和三十五年以降年々増加しておりまして、昭和三十九年には約五千億円に達しました。生産量の減少にもかかわらず生産金額が増加したのは魚価が上昇したためであります。この傾向を沿岸漁業、中小漁業その他の漁業及び内水面漁業に分けて見ますと、沿岸漁業では生産量は減少しましたが、魚価が上昇したために生産金額はやや増加しております。中小漁業、これは十トン以上の漁船を使ってやる網漁業とか釣り漁業が主体でありますが、魚価の上昇が低かったので生産量の減少をカバーすることができなくて、生産金額もわずかに減少しました。遠洋漁業が中心であるその他の漁業では、生産量と魚価ともに上昇しましたので、生産金額は大幅に増加しました。内水面漁業では生産量は多少増加しましたが、魚価は横ばい状態でありました。
 次いで、海洋の生物資源を開発する際に問題となる二、三の点についてお話し申し上げたいと思います。海洋における第一次の生産物であります植物のプランクトンは、その生産に必要な栄養塩類、太陽のエネルギーあるいは海底の栄養分を表面に運搬する、撹拌する流れ、そういったものに恵まれました海域に濃密に発生しております。第二次の生産物である動物のプランクトン・第三次の生産物である魚とか貝、甲殻類――エビ、カニの類でございますが、そういった大型の生物群も、おおむねこのような条件のところ、すなわち実際には温帯から寒帯にかけての大陸とか島などの付近であって水深が二百メートルまでのところが従来多くの生物資源にとって最も適当な場所とされております。しかし地理的に同一区域でありましても、浮き魚とか底魚のように、また同じ浮き魚でも魚の種類によりまして、あるいはまた同じ種類であってもその成長の段階によりまして、生息の場所を異にしております。元来、魚は広い海域でえさをとりながら移動し成長していくものでありますが、産卵する場所は多くは限られた狭いところであります。このえさをとるためと産卵のための移動は、海洋の条件によりまして分散したり密集したりいたします。こうした分布の最も濃密なところ、すなわちとりやすい場所が漁場として経済価値の高いところとなるわけであります。また、現在の漁業は、大部分は自然的状態にある資源を単に採捕をするという段階でありまして、繁殖保護の場合にわずかにとられておる場合を除きますと、資源の再生産は海洋の中で自然のままに放置されておるという状態であります。また、漁場は漁業者が私有したり独占的に利用することは許されておりません。公海における漁場では、各国が入り会って漁獲を行なっております。このように、一方では資源量が漁獲高を規定しますが、他方では漁獲が資源の状態に大きな影響を与え、資源の再生産過程を通じまして資源変動を生じさせ、再び将来の漁獲量にはね返ってくるのであります。
 海洋の生物資源は鉱物資源と違いましてふだんに絶えず更新を繰り返しますし、増殖成長していきます。しかもこの更新成長は、食性を仲介としました、すなわち食ったり食われたりする生物相互の関係や、さらにその水域の持つ非生物的な自然条件と密接な関係がありまして、長期的に見た場合には最適の均衡した漁獲量、これを別のことばで申し上げますと、最大の持続的生産量、そういったものが存在することが推定されております。そして、それぞれの魚種または漁業につきましてこの最適の均衡漁獲量を見出すことが、資源開発すなわち資源管理の目的の一つであると考えられております。
 世界の海にはなお未利用のまま残されておる生物資源が相当あると考えられております。しかし、新しい漁場を開発するためには、生産の可能性がある海洋用物資源の存在だけでなく、その生産物に対する消費、販売市場の存在が必要であります。将来開発によって漁獲の増加を期待することができる海域は、現在まだ十分な調査研究は行なわれておりませんが、オーストラリアの周辺とか南米の東海岸及び西南の海域あるいはアフリカの西岸及び東岸、南氷洋等の各海域であるといわれております。また、深海漁場の開発毛問題となっております。これらの漁場は世界の主要市場から遠隔の地であり、漁獲するためにも、また市場へ運搬するためにも相当の経費を要すると考えられますので、漁場の生産性と市場価値を十分調査研究する必要があると思います。
 わが国の漁業は、より豊かな資源を求めて沿岸から沖合いへ、そして沖合いから遠洋へと行動範囲を拡大していきました。新しい漁場の開発は、その当初におきましては能率的に操業を行なうことができますすれども、操業の継続によりまして急激に資源の減少を来たすのが通例であります。しかも公海漁場では国際的な入り会い漁場となりますので、近年海洋における生物資源の国際的な管理の問題が取り上げられるようになってまいりました。日米加の漁業条約、日ソの漁業条約あるいはオットセイの条約、国際捕鯨条約等、日本が現在加盟しておる条約のほかに、大西洋や東太平洋におきましては海洋の生物資源の保存とその合理的利用のために、条約によって資源の国際的管理をしているものも多くあります。最近はFAOの中に漁業に関する常設の委員会が設置されまして、本年の六月にはローマでその第一回会議が開催される予定となっており、今後海洋における生物資源を国際的に管理しようとする方向はますます強化されていくものと考えられます。
 従来、わが国は公海自由の原則を主張してまいりましたが、一九五五年にローマで開かれました海洋生物資源の保存に関する国際会議や、一九五八年、一九六〇年にジュネーブで開かれました海洋法関係の会議の際には、従来の公海自由という考え方の再検討が要求されておりまして、海洋資源を管理するためには、科学的な基礎に立って問題の処理をすることが必要であるということと、沿岸国の特権を認めようという主張が強くなっております。公海における生物資源の保存とその合理的利用のために必要な科学的調査研究には積極的に参加するという態度が必要であると考えられます。
 浅い海の海域におきましては、従来の、ただ漁獲するだけで、陸上における狩猟場に相当しておる現在の漁場を改造しまして、海の牧場としまして生産性を高めるということが必要であると思います。このためには、優良な魚の種類を大量に生産するための生物学的な研究や、環境条件を改良するための物理的あるいは流体力学的な研究、ざらに生産力を高めるために海水の科学的な研究とか、えさの研究等を促進する必要があると考えられます。しかしこの海域におきましては、ほかの産業と競合する面が非常に多くて、水質の汚濁とか埋め立てあるいは干拓問題等、漁業生産を阻害する要素が年々増加する傾向にありますので、総合的な調整が必要であると思います。
 日本の漁業が沿岸から遠洋へと急速に発展しましたのは、漁業に関係するいろいろの産業、すなわち船をつくる造船産業あるいは航海の計器、漁労の機械、電波の機器、合成繊維及び冷凍機等の発達に負うところが非常に大きいことは申すまでもありません。
 資源開発の手段として漁具、漁法を発展させる一つの大きな課題は、漁獲をしている状態での魚群の生態、たとえば漁具に対する魚群行動に関する知識や魚群集散の原理を追求することであります。このためには、漁場における魚群の状況を的確に測定し、同時に海況の諸条件を明確にする必要があります。また魚群と漁具の関係を見きわめるためには、漁具の漁労中での性状とか能率を刻々に観測する手段が必要であります。そのために海洋の測器とか漁具の計測器の開発が要請されております。また漁業を経済的に、しかも計画的に行なうためには、漁況及び海況の変動を予測することが必要でありますが、このために漁況及び海況の変動に関する調査研究及びそれを漁業者に広報する体制の整備が必要と考えられます。
 水産庁では、水産研究所、これは大体八つの海区に設けられておりますが、その八つの海区にある水産研究所、それから真珠研究所、漁船研究室等が中心となりまして、関係の大学及び都道府県の水産試験場の協力を得まして、水産資源の開発のために必要な調査研究を実施しております。
 以上でございます。
    ―――――――――――――
#14
○石野委員長代理 この際、私から若干参考人の皆さんに御質問申し上げたいと思います。
 上床参考人、佐々木参考人にお尋ねいたしますけれども、海洋資源の開発ということをわが国で考えます場合に、わが国の大陸だながどのくらいあるかということも一つの問題になるかと思いますが、そのうち東側と西側のどちらのほうに重点を置いていくのがいいかというようなことなどもひとつお聞かせ願いたい。
 それから第二番目には、開発をするにあたりまして、ただいま高芝調査研究部長から生物資源の開発の問題点などもいろいろお話がありましたけれども、そうでない地下資源的なもの、金属、非金属的なものの開発にあたっては、主として日本の大陸だな関係でどういうような物質の開発に視点を合わせていくのがいいのか、こういう点もひとつ聞かせていただきたいと思います。
 第三番目には、国会が立法府として法をきめるにあたりまして、もちろん総合的な、一般的な法の立て方もありましょうけれども、今日の時点で立法するにあたって、特に日本の必要とする資源のどの部分に視点を合わせた形で立法していったらいいのかというような問題等について、御意見がございましたら伺わせていただきたいと思います。
#15
○佐々木参考人 たいへんむずかしいことでございますが、いまのお話を伺いまして、一般論的には大陸だなの開発というのは、私どもが申し上げておりますのは、何も石油とか石炭だけに限って大陸だなの開発をするということではなくて、先ほど調査研究部長のお話にもありましたように――私、時間が短くて申し上げませんでしたが、大陸だな以浅に海底農場をつくるということなどは最近あらゆる面で強調されて、その可能性をかなりの分野においては実証されているわけであります。そういうものを含めて大陸だなの資源をわれわれの生活に利用するという意味で大陸だなの開発ということを申し上げたわけでございますから、そういう観点に立ちますならば、鉱物資源で日本の周辺の資源分布図等を拝見いたしますと、天然ガス、石油がおおむね裏日本に、石炭が釧路とかあるいは九州方面とか、大体いまの調査の内容では分布がわかっておりますから、したがって石炭を開発されるか、石油、天然ガスを開発されるか、おのおの目的によって最も有効適切な場所にそういう開発の手をお伸ばしになることも必要だと考えますが、そうでなくして、日本周辺の大陸だな、国土の七六%もあるものをとにかく開発して、われわれ日本国民の利用できる資源の場にしようということでありますならば、先ほどの海底農場とこれはまた別な観点で大陸だなにたくさん適当な海域があるわけでございますから、そういうところをあわせて考えていくべきではないかと思います。
 それで立法していただくということで私がぜひお願いをいたしたいと申し上げましたのは、たとえば石油をすぐどういう方法で年間どれだけとるという意味のことではございませんで、わが国周辺の大陸だなをとにかくこの際開発すれば十分それだけの価値があるのだから、そういうことを何らかの形において実行できるような措置をひとつお願いできればたいへんありがたい、こういう意味で申し上げたわけでございます。
#16
○上床参考人 では上床が御返事申し上げます。
 第一番目の御質問につきましては、実は科学技術庁の資源調査会というのがございます。これはもう御存じと思いますが、この資源調査会で、部会もありまして、非常に精細に日本周囲の大陸だなの地下資源について調査されております。それによりまして大体説明されておりますが、最も注目されておりますエネルギー資源といたしましての石油及び石炭につきまして、とにかく今日はもちろんでありますが、将来につきましても十分大切な資源でありますので、これに対する国としての開発政策、たとえば石油政策あるいはエネルギー政策というような問題をひとつ御検討願いまして、これに対する一つの政策を立てていただければ適当じゃないかと思います。もちろん日本周辺の大陸だなの資源だけでは十分でありませんからして、したがって、その政策の方針といたしましては、海外の大陸だなのほうにも石油開発の問題が進められていくということになります。したがいまして、やはり問題といたしましては、私どもの立場といたしまして、日本の将来のエネルギー資源としての十分な政策を立てていただきたいと思います。
 大体日本の大陸だなは、地質的に申しますと、第三紀層の地層が非常に多いのであります。特に東北地方は、地質図をごらんになりますと黄色く塗っておる分があります。それが第三紀層でありますが、あの第三紀層の中に石油と石炭が入っております。先ほどもお話がありました北海道は石炭、あるいは東海岸のほうは大体石炭、西海岸のほうは大体石油、それから九州に参りますと、大陸だなは大体石炭というようなふうで、地質的に非常に規制を受けております。でありますから、これらの資源がまだ非常に豊富にありますので、これに対する開発の方針を立てていただければ非常にしあわせじゃないかと思います。
 大体そういうことであります。
#17
○石野委員長代理 この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただき、本問題調査のためたいへん参考になりました。委員会を代表しまして厚く御礼を申し上げます。
 本日はこの程度にとどめ、次会は明二十一日木曜日午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開くこととし、これにて散会いたします。
   午後三時二十四分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト