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1965/02/19 第51回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第051回国会 運輸委員会 第14号
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1965/02/19 第51回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第051回国会 運輸委員会 第14号

#1
第051回国会 運輸委員会 第14号
昭和四十一年二月十九日(土曜日)
   午前十時二十六分開議
 出席委員
   委員長 古川 丈吉君
   理事 關谷 勝利君 理事 田澤 吉郎君
   理事 田邉 國男君 理事 山田 彌一君
   理事 久保 三郎君 理事 肥田 次郎君
   理事 矢尾喜三郎君
      浦野 幸男君    小渕 恵三君
      川野 芳滿君    木村 剛輔君
      木村武千代君    木村 俊夫君
      高橋清一郎君    高橋 禎一君
      南條 徳男君    増田甲子七君
      毛利 松平君    井岡 大治君
      小川 三男君    勝澤 芳雄君
      泊谷 裕夫君    野間千代三君
      山口丈太郎君    内海  清君
      竹谷源太郎君
 出席国務大臣
        運 輸 大 臣 中村 寅太君
 出席政府委員
        運輸事務官
        (大臣官房長) 深草 克巳君
        運輸事務官
        (鉄道監督局
        長)      堀  武夫君
 委員外の出席者
        日本国有鉄道副
        総裁      磯崎  叡君
        日本国有鉄道常
        務理事     遠藤 鉄二君
        日本国有鉄道常
        務理事     今村 義夫君
        専  門  員 小西 真一君
    ―――――――――――――
二月十九日
 委員有田喜一君、南條徳男君及び松浦周太郎君
 辞任につき、その補欠として木村剛輔君、木村
 武千代君及び毛利松平君が議長の指名で委員に
 選任された。
同日
 委員木村剛輔君、木村武千代君及び毛利松平君
 辞任につき、その補欠として有田喜一君、南條
 徳男君及び松浦周太郎君が議長の指名で委員に
 選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第一六号)
 日本国有鉄道整備緊急措置法案(久保三郎君外
 七名提出、衆法第一号)
     ――――◇―――――
#2
○古川委員長 これより会議を開きます。
 国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。質疑の通告がありますので、順次これを許します。久保三郎君。
#3
○久保委員 私の質問は、なるほどいま委員長が議題にした国鉄運賃法の改正案だが、本委員会に提案されている私外七名の緊急措置法案も議題に供さなければいかぬと思うのです。本日の委員会の日程は変わっちゃいない。ところがいま宣告したのは運賃法の改正案だけだが、これはいかなる所存でそういう提案をしたのか。
#4
○古川委員長 ただいま国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案を議題云々と申し上げましたが、久保君の御要望もありますので、日本国有鉄道整備緊急措置法案も議題に供します。御了承願います。
#5
○久保委員 委員長になられたばかりであるから、ある程度やむを得ないと思うのですが、用語は十分気をつけられたい、かように要望しておきます。
 そこで、運賃法について質問をいたすわけでありますが、大体いままでの質疑の中で、およそだれもが疑問に思っている点、だれもが聞かなければならぬという点は、一応質疑の形で取りかわしがあったが、必ずしも十分にこれは解決というか、その質問の内容が的確に答弁されていない。言うならば、なるほど日数をかけて質疑を続けてきたけれども、ほんとうに知らなければならぬもの、ほんとうにこの場所で解決しなければならぬものは、あまり解決していないというよりも、ほとんど解決していないのではないか。これは一にかかって所管大臣である運輸大臣が、言うなれば、時間がたてば問題は解決だという、多数の上にあぐらとは言わぬが、多数をたのんでの態度のあらわれかとも思うのであります。非常に言いにくいことでありますが、もっと国民はこの運賃値上げに至るところの経緯、たとえば、どうしてもそう上げなければいかぬのか、もうちっと何とかならぬものかという気持ちが多分にあるわけです。ところが、そういうものについてのこれにこたえるところの答弁はあまりない。やや藤山企画庁長官から、公共負担についてはあとで考える問題点ではありましょうねという答弁があっただけだ。運輸大臣は所管大臣でありながら、あまり的確な御答弁は私はなかったように記憶するわけです。そう思っているのだが、運輸大臣は、これまでの審議の中で、久保君の言うこととはまるきり違うということであるかどうか、まず第一にお聞きしたいのです。
#6
○中村(寅)国務大臣 私は、国鉄問題にはきわめてうんちくの深い久保委員ほか野党の諸君の御意見等を今日まで聞いてまいりましたし、さらに与党の方々の御意見等も聞きますし、賢明なる運輸委員会の皆さん方の良識によってこの運賃法がきわめてスムーズに審議が進められておる、かように考えておるものでございます。
#7
○久保委員 審議はスムーズに進められていると見ておるようでありますが、それはそのとおりスムーズにいっております。しかし、審議の中身はスムーズでない、こうわれわれは考えておる。これから私が、同僚の皆さんがお尋ねしたこともあるいは中にあるかもしれませんが、中にあっても、私はさらにその中身のお答えを前進させる意味で御質問申し上げますので、ひとつめんどうでありましょうが、大きい声で御答弁をいただきたい、かように思います。
 そこで、まず第一に、運賃値上げと密接不可分の関係にあるといわれておる国鉄の長期計画、これは国鉄自体の長期計画であると同時に、言うならば、七年後の完成でありますから、少なくとも今日政府部内でも長年問題にしております陸上におけるところの総合交通政策の一環、あるいはその大半を占める国鉄、そういうものの長期計画、こういうふうにとっていくべきだと思うのだが、どうもいままでの御説明だというと、ほかの交通運輸の分野についてはあまり関係がなされていなくて、単に今日の当面する国鉄の通勤地獄というか、この解消、あるいは幹線輸送の拡充、あるいは保安対策の確保というようなことであって、他輸送機関との間の調整、総合的な計画の上にのっとっての国鉄の長期計画というふうには受け取れなかったのでありますが、この点はどういうふうにして始まって今日の結論になったのか、しさいに御答弁いただきたい、かように思います。
#8
○中村(寅)国務大臣 私は国鉄がになっております運輸交通事業の、国民が要請しております交通事業のワクの中で、しかも国鉄が分担しております範囲は、同時に他の交通機関等の関連をやはり考慮しながら、今日の第三次長期計画というものは樹立されたものであると考えております。
#9
○久保委員 いまの大臣の御答弁は、ほかの分野の関係をも考慮して策定されたものと思いますという、半ば何か第三者的な話なのでありますが、これはやはり国鉄が立てたものを所管大臣である運輸大臣がお認めになっているわけだと思うのです。お認めになる際には当然、国鉄の責任でない他の分野について御考慮願うのが運輸大臣かと思うのですが、何かいまの御答弁ではちょっと違うのじゃないでしょうか、どうでしょうか。
#10
○中村(寅)国務大臣 政府委員からお答えをいたさせます。
#11
○深草政府委員 ただいまの御質問でございますが、ちょうどこれを策定するときがたまたま政府の中期経済計画を策定する時期でございまして、それぞれわれわれなりに各輸送機関の過去の伸び方、そういったものを参考といたしまして、将来の需要の変化というものを私どもなりにはじきまして、国鉄は、御承知のように、最近需要といたしましては若干減退ぎみでございますけれども、そういった点も加味いたしましてそれぞれの輸送機関の需要見通しを立てまして、その結果国鉄としてどういうことをやらなければいけないかということをきめたわけでございまして、国鉄の輸送需要見込みと政府の輸送需要見込みは全然一致をいたしておるわけでございます。
#12
○久保委員 いまの官房長の御説明は、中期経済計画の中では、国鉄の要求というか計画と、中期経済計画がたまたま一致した、だからこれはいいだろうというので二兆九千七百二十億を出してきた、こういうふうに私は記憶しております。しかしそのお話の前提になった中期経済計画というのは、御承知のとおり、これは練り直しであります。今日不況の問題があり、あるいは物価の問題があります。あるいは資本投下というか、投資の問題が大きな問題に片方でなっているわけであります。そうなりますと、いまの官房長の御答弁では、理屈になりますが、少しおかしくなるのではないか、かように考えます。それともこの長期計画は従来どおり、第一次、第二次五カ年計画と同様に、言うならば一応図面に書いて、あと単年度の政府自体の財政というか予算というか、そういうものの計画の中でそのつど処理していくものであるから、そう筋張った計画ではないのだということならそれでもわかります。どうなんです。どちらでしょうか。
#13
○深草政府委員 先ほど申しましたように、それぞれの輸送分野の需要見通しを立てておりまして、その点は、中期経済計画は廃止になりましたけれども、おおよその筋としては、輸送需要上の観点ではわれわれは変わっておらないと思っております。それの見通しの上で国鉄の長期計画も立てられておりますので、むしろわれわれとしましては、この計画は需要の見通しよりも過大ではなくて、若干過小ぎみだというふうに考えておりますので、最近の景気の下降状態にもかかわらずその程度の計画はぜひ必要だ、こういうふうに考えております。
#14
○久保委員 あなたのお話は強気でありますから、大体この程度ならば小幅であるから、いままでの経験、大体二年もたつと計画自体が小さいといわれてきた経験からいっても、まあまあこの程度でいけばそう過大というか、そういうことにはならぬだろう、むしろ過小になるかもしれぬという心配をされておるわけですが、私は、今度の長期計画というのは、いままでの第一次や第二次と違って、もう少し前進した、きちんとしたもので、言うならば、ことばづかいが悪いけれども、この長期計画によってすべてをコントロールしていくというぐらいの気がまえがあっていい計画でなかろうかとさえ思っておるわけであります。私はその問題についてさらにとやかく申しても何でありますからこの辺にしておきまして、後刻また取り上げることにします。
 ただ一つ気になるのは、長期計画ができる前後と申しますか、その前に国鉄の石田総裁は、国鉄の第一次、第二次五カ年計画に対して反省をいたしました。どういう反省をしたかというと、これは従来私どもがとなえていた点について合致したわけですけれども、一つには、この五カ年計画といっても国鉄自体の計画であって、政府からは何らオーソライズされていなかったというのが一つ、それからもう一つは、よってもってその裏づけになるところの資金計画は毎年度の財政処理にまかせて、そのために計画自体も遂行できないし、計画も過小になってくる。言うならば国鉄のやっていることと日本の政治とは別な次元で処理されてきた、そこまでは言わぬけれども、大体そういう反省をされたのであります。だからここで副総裁にお尋ねしたいのでありますが、そういうふうな反省を石田総裁がざれたんだが、この長期七カ年計画というのは反省の上に立って、要求というか全部すっきり片がついたという――中身は別だが、形としてはそういうふうになったのかどうか、いかがでしょう。
#15
○磯崎説明員 ただいまの御質問でございますが、御説のとおり、今回の長期計画を立てる前に、三十八年の暮れからのいきさつでございますが、今度の計画は国鉄だけではだめだ、政府から全面的な応援を願おうということは、一番初めのスタートからの前提でございます。その後内閣の懇談会ができ、その結論が出ました上で、昨日もお話がございました三十九年の暮れに経済閣僚懇談会でお話がきまり、さらに昨年の一月になりまして、また閣議でもって所要資金の確保については特段の措置を講ずるということをおきめ願って、全面的な政府の計画としてこれを実施することを御承認願ったわけです。したがいまして、私どもといたしましては、その所要資金の確保ということの内容でございますが、これは昨日来お話がございましたように、たとえば政府出資あるいは利子の補給、いろいろ具体的な内容があると存じますが、とりあえず初年度であった昭和四十年度につきましては、国家の現在の財政状態からしまして、特別債という、これも非常に異例な財政措置によって一応第一年次を終わる。第二年次につきましては、その特別債にさらに運賃値上げということで所要資金の措置を講じていただいておりますが、私どもとしましては、過般も御説明いたしましたように、昭和四十六年度時点における国鉄の財政状態を見ますと、決して健全なものとはいえないというふうに思いますので、将来政府にもお願いし、また当委員会にもお願いいたしまして、たとえば利子の補給あるいは政府出資等、どうしても国鉄がやらなければならないという純粋公共的な仕事につきましては、相当程度やはり政府の御援助を願いたいという気持ちを持っているわけでございます。いずれにいたしましても、今度の問題は四十一年度予算だけでなしに、これから数年間続く問題でございますので、私どもといたしましても、できるだけ政府筋に強いお願いをすると同時に、政府の全面的な御理解と御協力をいただきたいというふうに思っている次第でございます。
#16
○久保委員 国鉄当局が正式の場所で私の質問に答える場合には、ただいまの副総裁のおっしゃるとおりくらいしか出ないだろうと思います。それはやはり礼儀がありましょうから、それはそのとおりだと思うのです。しかし、私どもはそのようにはとっておらないのでありまして、たとえば私たちの単純な考え方からすれば、長期七カ年計画というのは懇談会で一応七年、こうきめて、これはいまお話が出た政府の閣僚懇談会でありますか、そういうところで了解された。なるほど了解はされたが、懇談会の結論である年次計画のその資金については必ずしも了解されていない。あるいはお述べになりました政府の出資とか、あるいは運賃値上げ、運賃値上げはこの次やってまいる、あるいは財投、そうして近い将来の借り入れ金による国鉄経営の重圧、こういうものも懇談会では、ささやかであっても一通り、まんべんなくといっては語弊があるが言及しておるわけです。これを受けた政府は当然了解しているのでありますから、これらに対する何がしかの誠意の片りんがどこかにあらわれなければならぬと思う。ところが四十一年度予算案編成の過程を見ましても、私どもは従来とちっとも変わりはないではないか。これはわれわれ国会議員ばかりでなくて、国民全体はそう思っていると思う。疑問の一つはそこなんです。いわゆる了解しがたい点は、第一点は、そこなんです。なるほど国鉄のいまの輸送状態を見れば、もうかっているか、赤字か、これは別にして、毎日の通勤輸送は、水杯とは言わぬけれども、とにかく、けがするか、病気になるかわからぬという状態でやってくる。病気の際には途中で一ぺんおりて息を入れて、また乗ってくるというような苦しい通勤でありますから、多少は上がってもやむを得ないかなという気持もにはなりますが、しかしその前に、政府の責任というのは国有鉄道にはちっともないのだろうかということを、毎日汽車あるいは電車に乗る人は疑問に思いつつあると思う。だから私は運輸大臣が、同僚各位が、いままで何回も聞いておりますが、懇談会をだてや酔狂でやったのではないでありましょうから、特にその結論については十分考慮されたというが、考慮の片りんがあらわれていない。きのうでありましたか、五十億でも百億でも誠意があったならば、国民大衆なりわれわれもある程度了解ができますね。ところがびた一文もないということであります。これはどうしたことか。
 おわかりにくければ簡単に言いますと、長期計画並びに国鉄経営の財源を確保するのには、三つの方法がある。一つは借り入れ金、他人資本、一つは政府出資、一つは運賃の値上げ。しかも、運賃値上げについては、さらに多くのことばを費やして、物価全体に影響があるから、運賃値上げについては慎重に考慮せねばならぬ。これはことしじゃない。去年、おととしの結論なんです。ところが去年からことしにかけては、御案内のとおり、絶対に物価上昇の傾向がある。この物価をどう押えるかが政治経済の中心的課題になっている。その際に、しかもいまだかつてない大幅な運賃値上げが単純にそろりと出てきては、国民大衆が納得しないのはあたりまえなんです。だから、運輸大臣はなるほど国鉄経営自体を専任で見ていけばいいはずでありますが、国務大臣としては、いま私が申し上げた全体についての考慮もなければならぬ。だから百万言を費やす必要はない。ほんとうにあなた、政府がそういうこともしたのなら、かくかくの理由によってかくかくになったと、簡単でいいから答えてほしい。一言でいい。了解しがたいから何人もの諸君が立って答弁を要求している。
#17
○中村(寅)国務大臣 今回の第三次長期計画は、御承知のように、逼迫しております日本の交通事情というものをできるだけ緩和するという方向のもとに打ち立てられた計画でございまして、これは第一次計画、第二次計画と違いまして、国が責任を持ってやるというたてまえの計画でございます。私は第一次計画、第二次計画から考えれば、やはりこれは前進した姿勢であると思う。政府といたしましても、この第三次計画の完全実施に際しましては、全責任を持ってこれを完遂させるだけの覚悟を持っております。そのためには、資金の面あるいはその他の面で、政府は政府なりにできるだけの力をこの長期計画の実施につぎ込んでおるのでございまして、今回、いま久保委員も言われますように、国鉄の経営を健全にしていきます、長期計画の実現に向かっていきますためには、資金等の面においては、いわゆる国の財政投融資をつぎ込むとか、あるいは国が出資をするとか、あるいは運賃改定によって、利用者の負担によって利子のつかない自己資本をつくるとか、そういういろいろの方法があると思いますが、いわゆる運賃改定はそういう意味から今回皆さま方に御審議を願っておるわけでございますし、出資の点でございますが、これは国家財政の現状からいろいろ考えまして、この段階では、この点がきわめて不十分というおしかりを毎日受けておるのでございますが、しかしこの点は、私は国鉄がいままで持っております一つの公共性、公共の福祉を目的としておるという点等から考えまして、この点がいまの状態でございますが、財投に際しましても、あるいはことし運賃改定を皆さまにお願いいたしておりますのも、この第三次長期計画を完全に実施せねばならぬといういわゆる交通事情の要請にこたえていく決意から生まれたものでございます。
#18
○久保委員 いまの答弁の内容はちょっと長かった。長かったが、中身は何もない。そういう答弁を聞こうとしているのじゃないのですよ。大臣、いまはできなければ、これからどうしましょうかというような話が世間の話ですよ。あなたの話は、姿勢はいままでよりは前進した、なるほど姿は、懇談会などをつくったから多少違っていますよ。姿は違っても、中身はちっとも変わらぬとわれわれは思っている。変わらぬことはあなたもお認めになった。だからそういうことで国民が納得すると思ったのでは政治じゃないでしょうと、こういうのです。しかも資金が必要だ、方法が三つあるがどれにしましょうか。一番やりやすいのは何かというと――外部の金を借りてくることも、これはなかなかむずかしい場合がある。ましてや政府からとってくるというのは、なかなか容易な話じゃない。そうすると一番簡単なのは運賃を上げるということである。これは子供でもできる、たいへん失礼だが。だれでもできるようなことは政治じゃないのです。お願いしなくてもわかる。そこをやはり私どもはあなたを通じて政府に申し上げておる。将来というか、先ほど磯崎副総裁から御答弁がありましたが、ここに出ている資金収支計画案、これは国鉄の資料だろうと思うのですが、この計画案については、運輸大臣はこれをお認めになって今度の運賃値上げもおやりになるわけですか。いわゆる四十六年までの長期計画に心要な二兆九千七百二十億円、これはどうなっていますか。
#19
○中村(寅)国務大臣 それは認めてやっておるわけであります。
#20
○久保委員 これは政府が認めたことになりますな、運輸大臣が認めているのだから。そうですね。
#21
○中村(寅)国務大臣 そのとおりでございます。
#22
○久保委員 いまのは、口の開き方を見ると、そのとおりというわけですか、そうですね――そうしますと、これは国鉄当局というより、事務的だから鉄監局長に聞きましょうか。この外部資金は、来年度四十一年度が二千七百八十億、四十六年度になりますと六千二百四十三億、これも約束済みでありますか。
#23
○堀政府委員 四十六年度の財投について六千何がし、これは約束済みであるかというお話でございましたが、そこまでは、これだけは財投を出すという約束を大蔵省との間でしてあるということは申し上げられないと思います。ただ、この七カ年計画を実施するにつきましては、三十九年十二月二十五日に経済閣僚懇談会において了承されております。そしてその中には、政府は日本国有鉄道の新長期計画をおおむね二兆九千億の投資規模をもって、そして七年間で実施する、したがって、政府はできるだけそれを実現できるように財政措置をしていくということが、閣議ないし経済閣僚懇談会でもって了承されております。したがって、そういう大ワクでもって了承されておるということでありまして、年次計画でもって了承されておるというわけではございません。
#24
○久保委員 これは年次計画では約束しないが、総額というかそういうものではほぼ了解していると……。
#25
○堀政府委員 おおむねこの二兆九千億の第三次計画を達成できるようにやっていこうという、そういう大筋において了解されておる、こういう趣旨でございます。
#26
○久保委員 そうしますと、この収支計画案というのは、いまの大臣が答弁されたのとはだいぶ違って、これはトータルのほうで、しかもトータルというと、二兆九千七百二十億か何か知らないが、そのトータルだけを認めたのであって、この中身は全然認めてないことになるのじゃないですか。
#27
○堀政府委員 およそ見積もりとして了承されておるということが前提にならなければならないと思います。
#28
○久保委員 見積もりであるが、それによって、この資金計画によって考えられるのは、国鉄の経営の問題はどうなのかということがあるわけです。国鉄の経営はこれでよろしいということになるのかどうか。
 もう一つは、四十六年度に終わるこの長期計画の中では、運賃値上げはいま提案されているけれども、先ほどから口をすっぱくして申し上げたように、いわゆる財源のとり方、その中の一つである政府出資、こういうものについては全然考慮しないのか、それとも外部資金とはそういう政府出資も将来において若干含んだ話であるのか、これはどうなのです。
#29
○堀政府委員 国鉄の経営がそのとおりいくという見通しであるかどうか、現在予想される範囲内で考えて大体こういうような状態でいくであろうというようなことで考えておるか、それから今後の運賃値上げ、あるいは政府出資というものを考慮しているのかどうかというお尋ねかと思いますが、この計画期間中に再び運賃値上げをするかしないかということにつきましては、総理も答弁をされておるようでございますので私から申し上げることは省略いたしますが、出資につきまして、この収支計画案によりますと出資ということが書いてない、したがって政府出資ということは全然考慮してないのかという御質問でございますけれども、一応この計画案のように見積もってはおりますが、今後の財政事情によりまして出資ということもあるいはあり得るのじゃあるまいか、こういうふうに考えております。
#30
○久保委員 これは運賃値上げを予定はしていませんよ。これは別に質問してないのです。
 いまのお話、中村大臣、鉄監局長は私の質問に対して、外部資金というかそういうものがあるが、これは借り入れ金とかそういうものだけじゃなくて、将来、懇談会の結論として指摘された政府出資もあり得るという意味の答弁でありました。私がそういう質問をしたら、大体それに違いのないような答弁をした。そのとおりかどうか。
#31
○中村(寅)国務大臣 鉄監局長が答えましたように、国家財政の事情の許すようになりますと、私はそういうこともやはりあり得る問題だと、かように考えております。
#32
○久保委員 あり得るが、中村大臣の時代にはやらぬような少し気安さがあるんじゃないですか。そうでしょうな。まあいいです。その次に行きましょう。
 そこで、国鉄当局にお尋ねしますが、この計画案でいけば経営は大体四十六年まで健全であるのかどうか、いかがでしょうか。
#33
○磯崎説明員 この計画表の四十六年度の欄をごらんくださいますと、必ずしも健全であるというふうな御判断はむずかしいのじゃないかと思います。たとえば一兆一千億の収入に対しまして利払いと元金の償還だけで約四千百億ある。すなわち、収入のうちの約四割が利払いと元本の償還になるという点では、必ずしも健全とはいえないかと存じます。しかしながら、実際には、いま大臣がお示しのように、これをごらんくださいますと、七年間に約三兆の借金をすることになっております。三兆の借金の累計に対する利子の累計が八千九百億になっておりますが、もしこのうちの三千億なり五千億なりでも利子がない金あるいは政府出資ということになりますれば、それだけこの利子負担が軽減されるわけでございます。したがいまして、たとえば四十六年度の利子負担が二千億になっておりますが、これが三百億でも五百億でも利子が軽減されれば、それだけ繰り入れの九百七十八億がふえるということになりまして、経営としては――この四十六年度の数字は、全く政府から何らの補給もなしに、また何らの出資もなしに、いまの資金調達の方法でいった場合の利子を全額計算してございますので、ただいまの大臣のお話のように、何らかの政府の御措置をいただきますれば、四十六年度の形はこれより悪くはならないということと、もう一つは、一番初めの日に申し上げましたが、やはりこの計画でもって約三兆の投資をいたしますれば、国鉄自体といたしましてもできるだけの企業努力をいたしまして収入の増加をはからなければいけない、これはもう当然なことだと思いますが、収入の増加をはかり、また経営の合理化をいたしまして、できるだけ収支の差額も大きくするという努力は当然私どもいたさなければならないと思います。そういった企業努力と、それから政府によるある程度の、何らかの形の御援助をいただきますれば、四十六年度時点を見ましても、これほど悪い形にはならない、この形であっては困るというのが私どもの考え方でございます。
#34
○久保委員 いまの御答弁では、新たな施策が将来にわたって必要だというおことばだとわれわれは受け取らざるを得ません。かような大幅な運賃値上げをしても、なおかつそういうところに問題があるのでありますから、単に長期計画が政府によってオーソライズされた、かっこうはされたのでありますが、姿勢がよくなったというが、中身はちっとも変わっていないじゃないかというふうに思うので、これは要望でありますが、中村大臣に申し上げたいのは、いまの磯崎副総裁の答弁も頭の中に入れて、近い将来長期計画をどう推進するか、もう一ぺん政府部内において真剣に討議する必要が私はあると思う。というのは、国民だれしも、たとえば百歩譲って今回の運賃値上げはやむを得ぬ、こう考えても、はたしていまより楽に乗れるんだろうかという心配が一つあるわけです。大きな問題です。これは、多数でありますから、運賃値上げは提案どおり何らかの形で通るだろうと私は思います。思うけれども、それで国民大衆は納得したとは、決してこれは判定はできないのであります。だからそれに対する答えの方法としては、国会の答弁も必要でありましょうが、答弁以上に、国民大衆に値上げはしたがここまでできましたという証左がなければ、断じてこれは納得しないのですよ。だからその意味でも長期計画はもう一ぺん目を通し直せ、こう言うのです。決して大筋は間違っていないと思うのです。
 そこで、これに関連してひとつ聞きたいのでありますが、なるほどおあげになった長期計画の内容はおおよそわかりました。わかりましたが、たとえば通勤一つとりましても、大都市における通勤輸送は、はなばなしくといっては語弊があるが、これは取り上げられておる。なるほど先ほど申し上げたとおり、死ぬ苦しみの通勤であることは事実であります。それでは通勤地獄というのは単に東京や大阪や名古屋だけの話かというと、そうではない。いわゆる地方都市を中心にしたところのこの通勤関係は、残念ながら一日待ってもと言ってはたいへん誇張になるが、半日待ってもいわゆる出勤できない場合があるのです。なぜならば、列車の回数が少ない。そうして急激に膨張した通勤輸送は、言うならば幹線や中央の輸送が緩和したその後において第三次的に考えられてきた、決して第二次ではない、次に考えられてきた、お余りを今日もやっておる。車両一つとっても、老朽車両の行き先は、いわゆるそういう地方都市の通勤輸送に回される。これが私は一がいに悪いとは申し上げません。しかし、運賃の値上げはやはり国民全体同じであります。だからせめて国鉄自体がビジョンを持つと同時に、乗客自身にもビジョンというか、私はそういう夢を持たせる計画でなければならぬと思います。運輸大臣は私の言うことをおわかりでしょう、いかがでしょう。
#35
○中村(寅)国務大臣 久保委員のきわめて建設的な御意見等も十分考慮の中に入れまして、今後の問題は国民が要求しております交通事情の緊急あるいは需要の多少等のいわゆる実情に合うように第三次長期計画を完全実施し、さらに国民全体の交通から受ける不安等を完全に払拭していくように、交通政策の万全を期してまいりたい、かように考えます。
#36
○久保委員 そこでたいへん具体的な例でありますが、こういう苦情もありますが、これはどうです。一つの例でありますが、常磐線にも電車が走っております。その電車は言うなら長距離を走るのでありますが、通勤型であります。その通勤型であることについて、まあ今日の国鉄の経営から見てやむを得ないでしょう。ところがこの通勤者から、国鉄のこの電車の暖房は冬型ではない、そういう苦情があります。事実そうなんですね。これはもちろんたいへんな金のかかることではないと思いますが、これはぜひそういうことについて考慮をめぐらすべきだと思います。なるほど東京の電車に乗ればあったかい、常磐線は冷たい。そこで、モニター制度があるようでありますが、あんまり通勤電車に乗らなかったり、赤切符というか、そういうものを買って乗らぬモニターは役に立たぬのではなかろうかと思う。乗用車おかかえで歩くようなモニターは、国鉄のモニターには必要ないのではなかろうかと思う。これはもちろん経営の何というか金をどうするとかというときには、あるいはそういう方も必要かもしれませんけれども、だからこのモニターについてもう一ぺん考えることと、新しい経営方針としてもっと積極的に旅客、荷主の声を聞く。聞いたらば、必ず事情を話して、新聞に広告するばかりが能じゃありません、現実に努力してみる。こういうくふうが少ないから、小汀先生に何とか言われるのではなかろうかと私も思うのです。そういう制度はおやりかと思いますが、これはどうでしょう。
#37
○磯崎説明員 ただいまの御質問の、前の地方都市の通勤輸送のことでございます。これも実は私ども非常に頭を悩ませておりますので、今回の通勤輸送という中には、一応御説明いたしましたように、東京、大阪の通勤問題だけを一応取り上げておりますが、そのほかの地方都市の通勤問題につきましては、主として複線化あるいは電化ということで通勤を緩和してまいりたい。確かに地方都市へ参りましても、通勤輸送が非常に問題になっております。列車回数が少ない、あるいは一列車の輸送力が少ないということで、各地で非常に問題を起こしております。ことに学校の形がいろいろ変わってきておるというようなことからいたしましても通学者がふえるというような問題もありまして、今後地方の都市につきましては複線化、電化ということの完成と相まちまして、長距離電車のほかに、短距離の通勤輸送の電車あるいは短距離の通勤用のディーゼル車、そういうものをできるだけ投入いたしまして、地方都市の通勤についてはできるだけのことをいたしたいというふうに考えております。
 次に、ただいまの御質問でございますが、私どものほうは、乗客なり荷主なりの声を聞く制度のうちの一つとして、いま先生の御指摘のモニターの制度がございます。このモニターの制度は本社並びに各管理局にございますが、いまお説のとおり、確かに、あまり汽車に乗らない有名人をモニターにしておったきらいがあったわけでございます。実はその点、ちょうど制度が始まって十年になりますので、ことしから制度を改めまして、有名人でない、なるべく直接の利用者という中から、学生の諸君あるいは通勤するサラリーマンの中からモニターの志望者を申し出ていただきまして、そういう純粋の利用者中心のモニターにことしから切りかえようという話を実はしておりまして、大体そういう方向にいけるつもりでございます。また荷主のほうにつきましては、すでに貨物協会等の組織がございまして、わりあいに組織的に荷主の御意向を承る形になっておりますが、旅客のほうは、確かに何かうわついた、うわべだけのモニター制度をやってきたような反省をいたしておりまして、今後は乗客の中の直接の利用者の中から生きたほんとうの話を伺いたいという制度に変えてまいるという話をいまいたしておる最中でございます。ことしの秋からの人選には全部そういうふうに改めるつもりでございます。御了承願いたいと思います。
#38
○久保委員 次に同じような具体的な問題でございますが、きのうどなたかが質問したと思うのでありますが、今回はいわゆる行商人さんというか、こういう方に対しては定期は売ります。ただし、値上げはします。そのほかに手回り品ですか、これの定期で一カ月千二百円ちょうだいします。私は寡聞にしてよく知らなかったのでありますが、この行商人さんのいままでの手回り品についてはいかように扱っておりますか。
#39
○今村説明員 行商のあれにつきましては普通定期を売っておりまして、特別の容積を指定しまして、それだけのものを持ち込めるという制度にしておったのでございます。
#40
○久保委員 そうしますと、千二百円というのは、今度は新たに徴収するというか、払ってもらうということになりますか。
#41
○今村説明員 従来も料金は取っておったわけでございますが、今回は千円ということで、特に普通定期というものを通勤定期に統合いたしますので、その分はもし普通定期を残して料金を上げるということになれば相当上がることになるわけでありますが、今度は通勤定期に統合いたしますので、その分を考慮して手回り品の定期の手回り料金をいただくということになるわけでございます。
#42
○久保委員 問題としては非常に小さいようですが、私からもう少しこの問題を申し上げたいのです。いまの御説明ではやや納得しがたいものがあるのです。高い安いは別として、理屈からいっておかしい。というのは、国鉄の都合で普通定期はやめますということなんであります。通勤定期一本にしたいというのだから、これは言うならば国鉄の意思であります。乗る人から見ればいろいろ文句もありましょうが、これは国鉄の意思でしょう。だから、今度そういうふうに通勤に置きかえたから、行商人さんとか、そういうようなものは、千二百円月にもらわなければいけませんということはおかしいのであって、そういう理屈では納得しません。
 それからもう一つは、私がいま聞いておることは、従来というか、いまはその手回り品に対しては何も、規定の範囲ならばお金は取っていないのではないか、こう聞いておる。だから、くどいことは要りません。取っていなければ取っていない、こう答えてください。
#43
○今村説明員 従来は一定の容積を越えないものについては無料で持ち込ましておりますが、容積を越えるものについては料金をいただいておるわけであります。容積を越えるものにつきましては、一個七十円の手回り料金をいただいておるわけでありますが、それを今度は、七十円で月に二十五日というふうになると相当軽くなるわけでございますが、これを一月の料金として千円なりというものをいただこうということでございます。
#44
○久保委員 だから私が聞いた範囲の――その辺でも一生懸命にいまごろ何か言っておるようですが、実際はもうおそいんです。いまの説明ではちょっと納得しがたい。規定以下のものは無料で、それから出れば七十円を取るというお話ですが、今度は規定をふくらますのですか。いままでは、この辺まではただだが、これから出るやつは七十円取ったんでしょう。今度は無制限なんですか。どうなんです。
#45
○今村説明員 容積の制限は同じでございますが、行商の方は大体一定限度以上のものをお持ち込みになるので、そのものについてだけ考えておるわけでございます。その条件は全然同じでございます。
#46
○久保委員 あなたの説明はややこしくてちっともわからぬ。だから規定の寸法までは、いまはただ、新しくなってもただですか。どうですか。
#47
○今村説明員 そのとおりでございます。
#48
○久保委員 そうすると、新しく設けようとするところの千二百円のいわゆる手回り品定期というようなものは、規定外の荷物を持ち込む人だけが必要だ、こうなんですか。
#49
○今村説明員 そのとおりでございます。
#50
○久保委員 この定期を買うと、公安官にはあまり罪人扱いをされないで済むのかどうか。
#51
○今村説明員 お客として国鉄は当然その持ち込みを承認するということで、そういう手回り品のあれをやるわけでございます。ただし、刑法に触れるというようなもの等は、これは当然別問題でございますが、国鉄としてそういうものを持ち込むということは認めるということでございます。
#52
○久保委員 そこで申し上げますが、規定の寸法はどの辺かわかりませんが、むしろその規定を設けた趣旨は、車内の秩序といってはちょっと大げさですが、混雑というか混乱というか、そういうものをまず第一に防ぐためには、ある程度の規格が必要である、無制限にうんと持ち込まれてはかなわぬということだと思うのです。そうだとするならば、これが原則を堅持するといったらたいへん語弊がありますが、これを守っていくのが一番いいのではないかと思う。ところがいまの御説明だと、規定外のものは千二百円取る、千二百円取れば無制限に持っていってもよさそうな答弁ですね。もっとも無制限といっても、自動車、トラックを汽車の中に載せられませんから、これはまあやむを得ませんが、かついで、それから両方の手に持って、前にぶらさげてというふうに、全身これ荷物というようなかっこうでも千二百円でいいですか。どうですか。
#53
○今村説明員 もちろん先生御指摘のとおり、車内の秩序といいますか、できるだけそういう――従来も行商の方には、組合とかいうものを通じまして、持ち込みを認めるかわりに列車を指定するとか、箱を指定するということでやってきたわけでございますが、そういうことで今回もこれを認めるけれども、それが自由に乗れるということでなくて、そういう列車なり箱なりは指定して、できるだけほかのお客さんの迷惑にならないようには指導していきたいと思いますし、それからなお、重量の制限も無制限ということではございませんで、やはりそこには一定の制限を置かざるを得ないというように考えております。
#54
○久保委員 あまりこの問題で長く時間をとるわけにはまいりませんが、副総裁、これは長い伝統があるわけです。私の記憶だけでもおそらく三十年くらいありますね。列車指定もたしかいまから三十年くらい前からやって、そのころはいまのような混雑はなかったのでありますが、多少国鉄にすれば定期的な、いいお客にはならぬかもしれぬが、普通よりいいという時代もあったと私は思うのです。しかも、今日はくどいことを申し上げぬでも、これはみんな農家の年寄りとか中年以上が多いと思うのですね。若い娘たちはもちろん都会に働きに出ていますから、働きに出ていないおかみさん、おばあちゃん、そういうものが実はささやかに農家経営をして、幾ぶんでも一般のサラリーマンに近いような生活をするために実はこれをやっているわけです。これを国鉄がそういうことまでも政策的な配慮は必要ないと全部が断定できれば、たとえばいまの文教政策上からできるものとか、あるいは産業政策上のものも全部やらぬというならば私はいいと思うのですが、今回の運賃値上げを見てもそういうことでもなさそうでございます。そうだとするならば、いまの御提案というか、そういうものは一ぺん見直してみたらどうかと私は思うのです。手回り品千二百円取ればよけい持ってもいいという制度がいいのか、それは少し酷じゃなかろうかと思うのです。それはなるほど行商人さんの代表とお会いになってあるいはきめたかもしれませんが、こういうものは代表だけではわからぬ問題だと私は思うのです。御考慮になったほうがいいんじゃないかと思うのです。全体の経営にはそんなに響かぬじゃないかと思うのです。といって遮断のしようがございませんからね、国鉄から。
#55
○磯崎説明員 行商人の問題につきましては、実は私どもも決して簡単な問題とは思っておりません。いま先生のお話のとおり、非常に各地各地で沿革的に事情が違っておりますし、また輸送方法と申しますか、一般の客車に混乗ざれる場合もあれば、あるいは荷物車に乗る場合もあり、いろいろ内容が違っておるわけでございます。また、売る品物も非常ににおいの強い、たとえば魚類の場合もあれば、あるいは野菜のようににおいのないものもある、あるいは米のような場合もある、こういうように非常に内容が違っておりますので、あまり私どもとしましては、それらの手回り品の大きさとか、あるいは料金というものは全国的に画一的にきめることはかえって現状に即さないものがあるのではないかということで、ただいま先生のお話のように、なるべく地方地方で、地方の実際の実情に即したような取り扱いができるようにしようじゃないかというふうに考えておりまして、いまの千二百円というお話は最高を押えてある、その以下でもって、あるいはその範囲内で地方でもって地方の行商人の責任者の方とお話しして、実際に行商をやっておる方の生活態度も違いますし、持っておられるものも違いますし、非常にさまざまでございますので、あまり本社で画一的なことをしないで、地方地方の取り扱いが、裁量ができるようにいたしたい、こういうように思っております。
#56
○久保委員 そこで今回の提案は、国鉄はたしか平均して実収三一%くらい要求したと思うのでありますが、政府のほうでは二五形に実収を押えた。どういうところが変わったのか、まあ大体数字は変化したことはわかるが、内容があまり変わらぬで、上のほうの数字だけ変わったのじゃなかろうかという世間の話もございます。というのは、こういうものは逐一当たってみるわけにはまいりません。そこでこの説明を受けるとなれば、たいへん長い時間かかるかと思うのでありますが、私は副総裁に先に聞きますが、三一%の要求から二五%になって、その幅六%は来年度は計画を縮小した。しかし全体的な資金計画からいきますから、その部分ではこれでもやっぱり縮小していると思うのです。これは他人資本ということに一切なるわけですか、いかがですか。
#57
○磯崎説明員 実はその点につきまして、私どもといたしましても非常に苦慮いたした点でございますが、三〇%の場合と二五%の場合でございますと、七カ年間で収入が約二千七百億ほど減ってまいります。かと申しまして、総体の二兆九千億何がしの工事量を減らす、あるいは一年延ばすということは、これは事柄の性質上絶対に不可能でございますので、あくまでも二兆九千億の仕事はしなければいけないということを動かせない。しからば資金調達をどうするかということを考えたわけでございます。したがいまして、結局いまの減りました二千七百億につきましては、これを外部資金でまかなうという以外に方法はないということになりますので、結局利子が全体として約千億ほどふえた形になっております。
 もう一つ、先ほどの御質問の中に一体四十六年度に六千億も金が借りられるかというお話がございました。いわゆる国としての資金総ワクの問題もございますが、それらにつきましては全体三兆の外部資金は何らかの形で借りられるのじゃないかというふうに考えまして、結局いまの運賃収入の減は一応外部資金でまかなうという形で利子を計上した結果、四十六年度の形が前の案よりは多少悪くなっているということになるわけでございます。しかしながら、これは将来の問題でございますから、先ほど冒頭の先生の御質問のような特別ないろいろ措置が今後とれますれば、この問題はそういう面でもって償還が可能であるというふうに考えておるわけでございます。
#58
○久保委員 運輸大臣にお尋ねするのでありますが、この運賃値上げは二月十五日からと、こうなっておりますが、これは二月十五日という意味はどういうことなんですか。大体新しい計画ですから、四十一年度からやるなら四月一日からということが普通でありますが、二月十五日というのは何の関係があるのですか。どういうのですか。
#59
○中村(寅)国務大臣 国鉄の経営のたてまえから考えてできるだけ早くということで、二月十五日を目途としてやっておるのでございます。
#60
○久保委員 できるだけ早くなんというのはあまり理論的じゃないし、しかもこれは、運賃は計算でありますからね。これはちょっと納得しがたいところなんですよ。うわさに聞くと、大体公然のことになっていますが、国鉄は一月から三百億くらい何とかしてもらわなければいかぬからというので申請した。ところが四月からという話がある。しようがないから、まん中の二月十五日にしよう。それで補正機3号は、百九十一億は、これは運賃値上げでやって、二百六十二億は利用債でやりましょう、四百六十億の穴埋めはこれでしましょう、こういうことでありますが、その問題は別として、運輸大臣、機3号はいま参議院のほうへかかっております。まあいつかこれも上がるでしょう。運賃の計算は二月十五日と、これはなっているわけです。十五日は過ぎちゃったのだが、そうなると、今年度国鉄関係予算は機3号では穴があくのですが、これはどう措置されるのですか、お見通しとしては……。
#61
○中村(寅)国務大臣 二月十五日を目途として計画しておりますので、一日でも早く運賃法案を通していただきまして、その間の差額が出ないようにしていただきたい。企業努力等で吸収のできる範囲内で、やりくりでくふうのつく範囲内でひとつ運賃法を通していただきたいということで、いま努力中でございます。
#62
○田澤委員 国有鉄道運賃法の一部改正案に対しての質疑は、これにて打ち切られんことを望みます。
  〔発言する者、離席する者多し〕
#63
○古川委員長 ……(発言する者多く、議場騒然、聴取不能)
  〔「賛成、賛成」と呼び、その他発言する者多し〕
#64
○古川委員長 賛成多数。よって、国鉄運賃法改正の質疑は終了いたしました。(拍手)
  〔「休憩、休憩」と呼び、その他発言する者多し〕
#65
○古川委員長 ただいま勝澤君外八名より私に対する不信任の動議が出されました。
 私の一身上の都合でありますので、委員長の席を理事の山田君に譲ります。
  〔委員長退席、山田(彌)委員長代理着席〕
#66
○山田(彌)委員長代理 委員長の指名によりまして、私が委員長の職務を行ないます。
 暫時休憩いたします。
   午前十一時三十六分休憩
     ――――◇―――――
   午後零時開会
#67
○山田(彌)委員長代理 休憩前に引き続き、これより会議を開きます。
 勝澤芳雄君外人名提出の委員長不信任動議について議事を進めます。
 まず、提出者の趣旨説明を求めます。勝澤芳雄君。
#68
○勝澤委員 私は提案者を代表いたしまして、ただいま議題となっております運輸委員長古川丈吉君の不信任動議の提案理由を御説明をいたします。
 そもそも運輸委員長古川丈吉君は、衆議院要覧によりますれば、大阪府第四区の選出、自由民主党でありまして、明治三十七年七月大阪府南河内郡河南町に生まれ、東京帝国大学法学部政治学科を卒業され、東京市書記、主事、京浜魚類配給統制協会計画課長、東京水産物統制株式会社参事、東京魚類株式会社取締役、旭冷蔵工業株式会社取締役となり今日に至る。東京市杉並区会議員在職十二年、法務政務次官、地方制度調査会委員、裁判官訴追委員を歴任、党の国会対策副委員長二期、全国組織副委員長、広報副委員長、副幹事長、大阪府連幹事長、顧問、また政務調査会の財政金融副部長、社会副部長、商工副部長、建設副部長となり、現在法務部会長、道路調査会副会長、社会保障調査会副会長、観光特別委員会副委員長である。昭和三十七年欧米各国を視察し、当選四回と書かれておるようであります。
 伝え聞くところによりますと、手腕、力量抜群であり、温厚篤実な士と承っておりました。したがいまして、今次国会の最重要法案である国鉄運賃法の審議を行なう運輸委員長として適任であり、公正な議事運営を期待いたしておりました。しかも今日までの運輸委員会の運営におきましては、自民党内における一部の人たちの強硬分子を押えて、円満な運営をいたしてまいりましたことは一応認めるところであります。
 ところが、本日ただいま十一時三十分、久保委員の重要質問中に、一切の議事運営を無視して、質問中の久保委員の発言を封殺し、田澤委員に発言を許したような議事を行ない、また田澤委員何かわけのわからぬことをしゃべり、委員長またわけのわからぬことを発言をいたしたようであります。このことは、衆議院規則の第四十五条によりますれば、「委員は、議題について、自由に質疑し及び意見を述べることができる。委員から発言を求めたときは、その要求の順序によって、委員長がこれを許可する。委員から発言の順序について、異議の申立があるときは、委員長は、これを委員会に諮らなければならない。」こう規定されておるのでありまして、本委員会における発言の順序は、すでに久保委員が発言をされて、そのあと井岡委員と次々に質疑者というものはきめられておるのでございます。したがって、このように委員の発言がきめられておるのにかかわらず、もしかりに古川丈吉君が田澤君に発言を許したとするならば、これは明らかに衆議院規則の違反でありまして、しかも委員長不信任が出されておるにかかわらず、それを無視して議事をかりに進めたとするならば、まさに温厚篤実なこの古川丈吉君は委員長として不適任であり、まさに委員会混乱の責任者であります。しかも提出された不信任案を破ってポケットに入れて、そして黙殺をしようとする行為ははなはだ許しがたきことであります。そもそも国鉄運賃が今日国民に与える影響は甚大でありまして、したがいましてこの審議は慎重の上にも慎重に行なうべきであることは論をまちません。
 さて、国鉄運賃法についてであります。国鉄運賃法につきましては、運輸大臣の説明によりますと、国鉄は輸送力の増強、輸送の近代化につとめてまいりましたけれども、過密ダイヤや、あるいは幹線輸送の強化をするために、あるいはまた通勤輸送改善のために第三次長期計画を策定をいたし、そうしてこれを実施するためにおおむね二兆九千億円の投資を四十年から四十六年度、七カ年の計画を実施をきせる、そのための運賃値上げであると説明はされておるのであります。しかし、この説明に対しまして四十年の十一月二十日に出されました運輸審議会の答申は、今日のこの国鉄の実情から第三次長期計画を実現をするためには当然巨額な資金が必要である、したがって運賃の収入やあるいは借り入れ金の規模ではとうていこれが困難であるので、政府の財政上の措置の強化をはかるべきであるということを指摘されておるのであります。また、第三次長期計画の資金調達や経営健全化の観点から経営上の圧力となっている借り入れ金の利子負担の軽減等について特に根本的な検討を加えるべきであるということもつけ加えられておるのであります。
 これに対しましてわが日本社会党は、この投資規模においては一応認めるとしましても、この資金調達については国鉄の今日の公共負担の現況から、大幅な政府投資によって、そして運賃値上げはこの際できるだけ避けて、経済の安定をした中で考えるべきであるということを主張いたし、その一番中心的な議論がいま委員会でなされておったところでありまして、これに対する運輸大臣の答弁はまことに残念な答弁でありまして、いまこれから一番大事なことになろうというときに、この質問を封殺するために、またこの大臣の答弁をやめさせるために、国民の疑問に、またわれわれ社会党の主張を国民に知らせないために、このような暴挙が田澤委員によって行なわれたということは、私はまことに遺憾しごくであります。このような委員会の運営をいたしてまいりました古川丈吉君は、円満な国会運営を今日までいたしてきた人として、私はまことに不信任を出すには忍びないのでありまして、いかに自民党の党員とはいいながら、国会議員として、運輸委員長として、党派にとらわれずに公平に行なうべき議事運営を、党利党略によって混乱をさせ、そうして衆議院規則やあるいは国会の法規、慣例に照らし合わして違法なことを行ない、しかもなおかつ、この違法な行為を多数の暴力によって自民党の委員各位が押し切ろうといたしていることは、まことにはなはだ残念であります。ここにおきまして正しい国会の運営を守り、国会の正常化のために、あるいは衆議院規則、国会法規、慣例を守るために、ぜひ与野党一緒になりまして、運輸委員長古川丈吉君の不信任案に賛成をしていただきますよう、私はここに動議を提案をいたした次第でございます。
 簡単でございますが、提案理由にかえます。(拍手)
    ―――――――――――――
#69
○山田(彌)委員長代理 これより討論に入ります。井岡大治君。
#70
○井岡委員 私は、ただいま提案をされました運輸委員長古川丈吉君の不信任案に対し、賛成の意を表したいと思います。私と古川君は同じ大阪の選出でございますし、当選回数も同じであります。昭和三十年の二月二十九日の当選でございますから、全くいままで長いつき合いをいたしてまいりました。したがって、古川君が今回運輸委員長に就任をされたときに、私は心からおめでとう、こういうことばをお贈りすると同時に、今日のわが国の交通事情の混乱、運輸行政の貧困等を考え合わしまして、何とかこの委員長を助けて抜本的な輸送体系と申しますか、輸送政策の樹立をすべきであるということを、お互いにかたく誓い合ったのでございます。
 しかも今回の運賃法は、昨年すでにこの問題が芽をふいておりまして、政府においてはいわゆる六カ年を七カ年にして、昨年からこの第三次計画が遂行されておるのであります。しかも昨年この第三次七カ年計画を審議するにあたりまして、一番問題になったのは公共負担の問題であり、国家の助成政策であったことは、皆さんも御承知のとおりであります。したがって私たちは、今度の国会には政府はおそらくこれらの問題について提案をしてくるのではないか、あるいは、政府は大きく踏み出すのではないかと期待をいたしておったのであります。ところが現実は運賃の値上げによってこれをまかなおうとする政府の態度、これは昨年の運輸委員会における審議を全くじゅうりんしたものといわなければなりません。したがって、わが党の諸君が、あげて公共負担の問題について政府に強く要求いたしておったのも御承知のとおりであります。しかも各国においては、今日の鉄道経営というものがまことにやりにくい、そういうことから何らかの補助政策をとっておるのであります。特に自民党の諸君が一番好きな、あるいは佐藤さんが一番好きなアメリカにおいては、すでにケネディ公共輸送法というものをつくって、十分政府が助成をいたしておるのであります。したがって、ほんとうに政府が国鉄を国民のための国鉄にするということであれば、ケネディの公共輸送法等を学んで、ここから明らかに今後の国鉄方式と国鉄の経営というものを考えてやることが、私は国鉄に対する、国民に対する大きな貢献であると考えるのであります。したがって私は、次の久保君のあとでこのケネディの公共輸送法について質問をいたしたいと考えておったのでございますが、遺憾ながら古川君によって打ち切られてしまったのであります。まことに残念といわなければなりません。
 同時に、今日国民は物価高であえいでおります。不況であえいでおる。不況の中に物価高が高進をするということはまことに奇妙な経済現象でありまして、国鉄の運賃を値上げすることによって軒並みに上がるであろうことは、これはだれもが予想することであります。したがって、私たちはどうしてもここで院議において、ケネディのとった公共輸送法というようなものを織り込むことが、国民に対する議員としてのいわゆる負託にこたえるものであると考えたのであります。しかしながら、ついにこのことはできませんでした。まことに残念であります。したがって、いま勝澤君から提案をされました――古川君には、同郷であり、しかも同期生である私が賛成をすることは、まことに心苦しいのでございますが、私はただいまの提案に全幅的な賛成をして、私の賛成討論を終わりたいと思います。(拍手)
#71
○山田(彌)委員長代理 これにて討論は終局いたしました。
 これより採決いたします。
 本動議すなわちただいまの勝澤君外八名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#72
○山田(彌)委員長代理 起立少数。よって、勝澤芳雄君外八名提出の委員長不信任動議は否決されました。
 委員長の復席を願います。(拍手)
  〔山田(彌)委員長代理退席、委員長着席〕
#73
○古川委員長 この際、私より一言申し上げます。
 先ほどの動議の提出について、混乱を生じ、不手ぎわの点がありましたことは、まことに遺憾でございます。今後は慎重に議事を進める所存でございます。
    ―――――――――――――
#74
○古川委員長 ただいま委員長の手元に、田邉國男君外三名より修正案が提出されました。
    ―――――――――――――
#75
○古川委員長 これより修正案について提出者より趣旨説明を求めます。田邉國男君。
#76
○田邉(國)委員 私は、ただいま議題となっております国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案に対し、修正の動議を提出いたします。
 修正の案文を朗読いたします。
 国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。
 附則中「昭和四十一年二月十五日」を「公布の日の翌日」に改める。以上であります。
 内容につきましては、申し上げるまでもなく、本法案における施行期日は二月十五日となっておりますが、今日すでにその日を経過いたしておりますので、当然修正を必要とするわけであります。何とぞ本修正案に賛成されるようお願いいたします。
#77
○古川委員長 泊谷君。
#78
○泊谷委員 私は、ただいま提案になりました修正案に、日本社会党を代表して反対を申し上げたいと思います。
 おおよそ修正案を提案するのにも、こういうばかげた提案のしかたはないと思います。その理由は、今次運賃法改正法案は昭和四十一年度予算、特に補正第三号と表裏一体であることは、いまさら述べるまでもないと思うのであります。国鉄予算は四百五十三億の不足を、運賃値上げを二月十五日から実施して、百九十一億を補てんし、なお二百六十二億の不足を、補正予算機3号により特別債としてつじつまを合わせようとしたのであります。補正予算機3号は、すでに二月十七日衆議院本会議の通過を見たものでありますが、その事実に基づいて、政府は、特に修正案を提案した与党は、運賃改定予定日が事実上二月十五日に実施できない現状に立って、あらためて補正予算を今国会に提出するか、その差額分を一般会計から繰り入れるか、もしくは第三次長期計画の一部を修正しなければならぬことは、国会議員に初めて当選した者であればだれでも承知しなければならぬ条理であります。しかるに、財源的裏打ちもせずに法律案だけ無問答方式で、数だけで押しまくるということは、まさに暗黒政治といわなければなりません。与党の猛省を求めて、私は反対の意思を明らかにしておきたいと思います。
    ―――――――――――――
#79
○古川委員長 これより、国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案及び修正案を一括して討論に付します。討論の通告がありますので、これを許します。肥田次郎君。
#80
○肥田委員 私は、日本社会党を代表して、簡単に反対の趣旨を明らかにいたしたいと思います。今度の国鉄運賃の値上げは、まことに不当な高率なものである、こういうことをわれわれは前提にして反対をしたいと思います。
 国鉄運賃は、三十六年に一五%の値上げを行なって、その後大体において黒字の経営が続けられてきたというふうにわれわれは承知をしておったのであります。しかるに、今回突如として旅客の運賃が三一%、貨物の運賃は実質収入一二%という値上げを出してまいりました。これは断じて賛成するわけにはまいりません。
 そもそも日本国有鉄道は、国民生活の安定と産業発展に資するというために存在をしておるのでありますが、現実には、そういう国民の意向と相反して、漸次独立採算経営に傾いてきておるのであります。その結果、公共性を失った国有鉄道となって、運賃も私鉄と同率の、いわゆる経済運賃という、こうした姿になってきておると思うのであります。今回、私鉄の運賃は二〇%の値上げが行なわれました。それに対して国鉄の運賃は三一%の値上げでありまするから、この私鉄と国鉄との率の状態を見ても、明らかに経済運賃化しておるということがわかると思うのであります。まことに残念でございまして、われわれはどうしてもこをした数字の内容に賛成するわけにはまいりません。
 しかしこの原因をよく考えてみますると、これは明らかに国が国有鉄道に対する投資を怠ったためである。このことは事実であって、否定するわけにはまいりません。したがって、この運賃値上げの責任の大半は、これは政府当局にある、こういうふうにわれわれは考えたいと思うのであります。特にこの運賃の内容を見てみますると、三一%という不当な運賃の値上げというものは、これは物価に対してきわめて大きな影響を及ぼすのであります。国鉄の運賃の値上げというものが、過去において物価の値上げに対してきわめて悪い誘発をしてまいったことは、過去の経過に示すとおりであります。このたび一連の公共料金の値上げが計画をされておるそのさなかに、国鉄運賃が三一%も値上げされるということは、これは過去のわれわれが一番心配をしておりましたものを、今日さらにそれに輪をかけたような高率の物価値上げということが予想される。しかも、これを防ぐところの手段は政府は持っておらない。こういうふうに考えますときに、まさに国鉄運賃の値上げが国民生活を破壊する懸念が出てくるのでありまして、そういう意味からも、この高率の値上げというものには賛成できません。
 それから内容を少し分類をいたしまして、旅客の三一%の値上げに対するに貨物の運賃が実質収入一二%というこの不可解な数字であります。われわれはこの貨物の運賃の一二%は、本来もっと高率化していいものではないか、貨物の運賃が一七%の値上げを予想をして、そして平均が一五%、しかもさらに実質収入は一二%ということは、各方面からいわゆる独占企業の圧力がかかって、原材料輸送に対する低率の輸送を国鉄にしいる、こういうことが前提にされてはじき出された結果が一二%という実質収入ではないか、こういうふうに思うのでありまして、まことに不当に低率な貨物料金、不当に高率な旅客運賃、こういうふうにわれわれは考えざるを得ないのであります。
 さらに、今度の運賃値上げの中で改善の面を取り上げてみたいと思います。
 通勤通学定期、あるいは短距離の運賃がこれまた非常に高率になりました。一〇〇%をこえるところもある。不当な高率の値上げであります。それからまた遠距離逓減というものが減率になっている。そして大衆の旅行というものに対する夢が根本的に打ちくだかれました。これはわれわれ国民大衆の一人としてまことに残念であると思います。私がある遠距離の鈍行に乗りましたところが、その鈍行の中で私の隣におった客は、山口まで行くと言うのであります。あんた山口まで行くんだったらせめて準急ぐらいに乗ったらどうだと言うたら、やっぱり準急料金が惜しいと言うのです。しかし現実に弁当を食べることなど考えたらそれだけ準急料金が安くつくじゃないかという話をしましたが、いや、私は山口まで行くのにコッペパンと水を飲んで行くのだ、こういう話をしておりました。あなた方は笑っておるけれども、現実にそういう大衆がたくさんある。いなかから働きに出てきていなかに帰る急行料金も払えない、弁当が買えないから、パンを食べ、水を飲んで、それでがまんをして国へ帰ろうという人がある。こういういわゆる大衆の旅行の夢をくだくということは、まことに冷たい国鉄の運賃の引き上げだと私は言わざるを得ないのであります。(拍手)
 やがてこれに対する本格的な反対討論というものは本会議で行なわれると思います。私は、今度の運賃の値上げというものがきわめて不当なものであり、しかもその不当な背景には政府の圧力があって、そうして国有鉄道を国民のものではなし、独占機関の専属化する傾向がこのような姿に変えてきたのだろう、こういうことを私は強調して反対討論を終わりたいと思います。(拍手)
#81
○古川委員長 内海清君。
#82
○内海(清)委員 私は、民主社会党を代表いたしまして、ただいま提案になっております国有鉄道運賃法の一部改正案並びに自民党提出の修正案に対しまして、反対の討論を行ないたいと思うのであります。
 本案につきまして、まず私は、本案がこういう審議の状態、つまり国民の納得のいくような十分な審議を尽くさずに、国鉄の運賃値上げに持ちます国民の疑惑を払拭しないままに、しかもなお多くの質疑者を残して一方的に審議を打ち切り採決に入ることに対しまして、強く異議を申し立てたいと思うのであります。
 この国鉄運賃法の改正は、今日不況と物価高に悩む国民生活をさらに圧迫する、いわば国民不在の施策のあらわれであることをまず指摘いたしたいのであります。御承知のように、国鉄基本問題懇談会の述べておりまする運賃値上げの時期あるいはその幅は、いずれも無視されておるのでありまして、国民生活の犠牲の上に今回の運賃値上げを行なわんといたしておりますのにほかならないのであります。
 さらに国鉄運賃値上げは、第三次長期計画に対しまする資金確保の一翼をになっているわけでありますが、今日のような物価が天井知らずに上昇しつつありまする状態におきましては、政府はこれに対して持つ当然の責務として、運賃値上げと国鉄の借金のみに資金確保をたよるのでなくして、今日国鉄に対しまして膨大な公共負担を強要しておりまする現況からいたしまして、政府は当然責任を持って財政資金を国鉄に回すべきであると考えるのであります。また政府は、国鉄基本問題懇談会が申しておりまするように、国鉄に対して出資を行なうべきであると考えるのであります。意見書は全く無視されておるのであります。
 さらに私は、先般来いろいろ質疑を拝聴いたしましてどうしてもなかなか納得のいきにくい問題は、運賃を値上げしなければならないといたしましても、今回の旅客運賃値上げの率の中に、国の政策によって強く実施を強要されておりまするところの割り引き率の改正分も入っておるということであります。これは単に公共性、公益性で割り切れる問題ではないと考えるのであります。国鉄運賃の値上げという問題を国民の犠牲にしわ寄せして、政府が自身の責任を回避するがごとき態度は断じて許すことができないのであります。国鉄当局におかれましても、国鉄運賃値上げがいかに大きな影響を国民生活に与えるかということを十分配慮の上、一そうの国鉄経営の合理化に力を尽されたいと考えるのであります。
 私は国鉄運賃値上げが国民生活に与える影響を憂慮いたしますと同時に、政府の国鉄に対する責任を回避する態度に大いなる不満を表明いたしまして、反対討論を終わります。(拍手)
#83
○古川委員長 これにて討論は終局いたしました。
 これより採決いたします。
 まず、田邉國男君外三名提出の修正案について採決いたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#84
○古川委員長 起立多数。よって、修正案は可決いたしました。
 次に、ただいま可決いたしました修正部分を除いて原案について採決いたします。
 これに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#85
○古川委員長 起立多数。よって、修正部分を除いて原案は可決いたしました。したがって、本案は修正議決すべきものと決しました。
 おはかりいたします。
 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#86
○古川委員長 御異議はないものと認め、よってさように決しました。
  〔報告書は附録に掲載〕
#87
○古川委員長 本日は、これにて散会いたします。
   午後零時三十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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